JP2011519355A - ビスアセナフトピラジノキノキサリン誘導体に基づくリオトロピック液晶系およびその製造方法 - Google Patents

ビスアセナフトピラジノキノキサリン誘導体に基づくリオトロピック液晶系およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

式(I)および(II)のビスアセナフトピラジノキノキサリン誘導体群が開示される。これらの化合物は、液晶系を形成することができ、該液晶系は望ましい光学特性を有する光学的に異法性または等方性のフィルムを作製し得る。(I),(II)において、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に−H、−SOM、−OH、−NH、−Cl、−Br、−I、−NO、−F、−CF、−CN、−COOH、−CONH、アルキル、アリール、アルキニル、アルケニル、アルコキシル、アルキルアミノ、フェノキシル、およびフェニルアミノ基から選択され、Mは1以上の対イオンであり、jは化合物に結合する対イオンの数であり、nは1〜5の範囲の整数である。
【化1】

【選択図】なし

Description

本発明は、概して、有機化学および光学異方性コーティングの分野に関する。より詳細には、本発明は、ヘテロ環状スルホ誘導体化合物に基づくリオトロピック液晶系、およびこれらの化合物に基づく光学異方性コーティング物の製造方法に関する。
より多くの光学要素が、正確に制御可能な特定の性質を有する新材料に基づくようになっている。特に、近年の視覚ディスプレイシステムにおいては、特定の装置の要件に合うように最適化し得る光学的および他の特性の組み合わせを有する光学異方性のフィルムが重要となっている。
液晶表示装置(LCD)の需要の高まりによって多様な液晶(LC)化合物の研究が動機づけられている。過去の研究は機械的な力によって配向して異方性フィルムとなるサーモトロピック液晶に焦点を合わせていた。しかしながら、サーモトロピック液晶フィルムにおける強制的な分子の配向は、力が取り除かれると消えてしまう傾向がある。対照的に、リオトロピック液晶(LLC)フィルムは、機械的な力が取り除かれた後でも、二色性の配向を保持することができる。適切な材料はLCメソ相を形成し得る材料を含み、配向することによって異方性フィルムを形成する。
様々な高分子材料が光学異方性のフィルムの製造に使用されている。このような材料に基づくフィルムは、一軸延伸により光学異方性が付与され、有機染料あるいはヨウ素で修飾される場合がある。多くの応用例において、ベースポリマーはポリビニルアルコール(PVA)である。非特許文献1を参照。しかしながら、PVA系フィルムは耐熱性が低く、その応用が制限される場合がある。そのため、この分野において改善された特性を有する光学異方性フィルムを作製するための新たな物質および方法の開発が進んでいる。特に、新たな材料は、より簡単に合成され、かつ高い耐熱性と改善された光学特性を有するフィルム形成の再現可能性を有するべきである。
近年、様々な波長領域における改良された選択性で特徴づけられる高い光学異方性を有するフィルムの需要が高まっている。赤外(IR)から紫外(UV)までの広いスペクトル領域の異なる場所に吸収極大を有するフィルムが非常に望ましい。有機二色性分子は超分子複合体に凝集することが知られており、この複合体は一般に柱形状である。この柱状の複合体がメソ相の基本構造単位を形成し、メソ相が配向することによって強い二色性を有する異方性フィルムが形成され得る。異方性材料は、例えば特許文献1、特許文献2、および特許文献3のように水溶性有機染料に基づいて合成されている。これらは多数の応用において利点を有しているが、化合物の吸収特性のために、透明複屈折フィルムの形成への応用は制限されている。
また、現在利用可能なフィルム塗布技術は、例えば、染料濃度、フィルム形成温度等のようなプロセス・パラメータを徹底的に選択し、かつフィルム形成中にそのパラメータに厳格に従うことを必要とする。しかしながら、全てのフィルム形成条件を正確に制御したとしても、依然、配向不良ゾーンおよび/またはミクロ欠陥が生じるために、コーティング秩序の局所的なランダム変化が発生し得る。これは、基板上に塗布したLLC系(すなわち、LLC溶液)から溶媒を除去する過程でのミクロ結晶化およびマクロ結晶化プロセスに起因するものかもしれない。さらに、現在利用可能な染料を用いてコーティング膜を形成すると厚みが不均一となる可能性が依然として高く、ひいては、目的とするフィルムパラメーターの再現性が低下する。
米国特許第5,739,296号 米国特許第6,174,394号 欧州特許第0961138号
B. Bahadur 編, Liquid Crystals: Applications and Uses, World Scientific, Singapore-N.Y., 第1巻, 101頁, (1990年).
したがって、光学的に異方性であって、機能する領域、特に可視領域において十分に無色透明であるフィルムに対する普遍的な要求がある。本開示は、安定なLLCメソ相および信頼性のある透明光学フィルムを形成し得る新規な化合物群を説明するものである。
一実施形態は、下記構造式(I)または(II)を有する化合物を提供する。

ここで、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に−H、−SOM、−OH、−NH、−Cl、−Br、−I、−NO、−F、−CF、−CN、−COOH、−CONH、C1−30アルキル、C6−30アリール、C2−30アルキニル、C2−30アルケニル、C1−30アルコキシル、C1−30アルキルアミノ、フェノキシル、およびフェニルアミノ基から選択され、Mは1以上の対イオンであり、jは化合物に結合する対イオンの数であり、nは1〜5の範囲の整数である。
一実施形態は、構造式(I)または(II)から選択される構造式を有する化合物の1以上を含むリオトロピック液晶系を提供する。
一実施形態は、構造式(I)または(II)から選択される構造式を有する化合物の1以上を含む光学異方性フィルムを提供する。他の一実施形態は、少なくとも1つのE型偏光子を備え、前記少なくとも1つのE型偏光子が1つ以上の上記光学異方性フィルムを含む液晶表示装置を提供する。
一実施形態は、構造式(I)または(II)から選択される構造式を有する化合物の少なくとも1種を含むリオトロピック液晶系を基板上に塗布する工程を有し、該リオトロピック液晶系が複数の液晶メソ相を有し、前記複数の液晶系を配向する工程を有する、光学異方性フィルムを形成する方法を提供する。
これらの形態、および他の形態は、以下でより詳細に説明される。
用語「誘導体」は、化合物の構成原子のいずれかが他の原子あるいは原子団によって置換されることによって作り出される化合物を表す。
用語「スルホ誘導体」は、1以上のスルホ基置換の存在を表す。
用語「スルホ」は、SO またはSOH置換を表す。
用語「ビスアセナフトピラジノキノキサリン」は、構造(A)を表す。
ここでは、安定な液晶を形成し得るリオトロピック色素化合物、および該化合物を合成する方法が開示される。ここに開示されるリオトロピック色素化合物は、一般に発色団と称される場合がある。また、溶媒とここに開示されるリオトロピック色素化合物の1種以上とを含むLLC系が提供される。さらに、これらの系および化合物による、等方性、異方性、あるいは少なくとも部分的に結晶性のフィルム、および該フィルムの製造方法が提供される。ここに開示された実施形態のフィルムは、優れた光学特性および作業特性を有する。
LLC系を形成し得る二色性染料を用いることで、高い光学異方性を有するフィルムが得られうる。光学異方性フィルムは、ガラス、プラスチック、あるいはその他の基板材料上に形成し得る。このようなフィルムは、E型偏光子の特性を示すが、これは超分子化合物の特異的な光学吸収に関連している。また、このようなフィルムは、吸収がわずかであるスペクトル領域において、位相差板(換言すれば位相シフト手段)として作用する。これらの異方性フィルムの位相遅延特性は、複屈折、すなわち基板上でのLLC系の塗布方向とそれと垂直な方向で測定された屈折率の差に関連している。強い(望ましくは光に対して変色しない)染料分子によるLLC系から形成された好ましいLLCフィルムは、高い熱安定性と高い耐退色性で特徴づけられる。
このようなフィルムの作製方法は、それらの高い結晶性も含めてPCT国際公開WO02/063,660に開示されている。このLLC系を用いて得られた異方性フィルムは、優れた光学特性を有し、かつ偏光子としての優れた特性を有する。
ここに開示の本実施形態は、水溶性のビスアセナフトピラジノキノキサリン誘導体、ならびにこれらの化合物に基づく異方性薄膜および光学要素の作製方法を提供する。また、本実施形態は、安定なLLCメソ相を形成し得るビスアセナフトピラジノキノキサリン誘導体の合成方法をも提供する。また、これらの化合物に基づく異方性かつ少なくとも部分的に結晶性のフィルムの製造方法も提供される。これらのフィルムは非常に望ましい光学特性および作業特性を有する。
<ビスアセナフトヒラジノキノキサリン誘導体>
いくつかの実施形態が、LLC系および異方性フィルムの作製に有用な新規化合物群を提供する。これらの化合物は、上記一般構造式(I)および(II)を有するビスアセナフトピラジノキノキサリン誘導体を含む。ここで、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素、SOM、OH、NH、Cl、Br、I、NO、F、CF、CN、COOH、CONH、アルキル、アリール、アルキニル、アルケニル、アルコキシル、アルキルアミノ、フェノキシル、およびフェニルアミノ基から選択され、Mは1以上の対イオンであり、jは化合物に結合する対イオンの数であり、nは1〜5の範囲の整数である。対イオンが1よりも多い分子に属する場合、jは分数であり得る。対イオンは、独立に、H、NH 、K、Li、Na、Cs、Ca++、Sr++、Mg++、Ba++、Co++、Mn++、Zn++、Cu++、Pb++、Fe++、Ni++、Al3+、Ce3+、およびLa3+から選択される。
いくつかの実施形態において、LLC系および異方性フィルムの作製に有用なビスアセナフトヒラジノキノキサリン誘導体は、下記の一般構造式(III)をも有し得る。

ここで、Rは、水素、SOM、OH、NH、Cl、Br、I、NO、F、CF、CN、COOH、CONH、アルキル、アリール、アルキニル、アルケニル、アルコキシル、アルキルアミノ、フェノキシル、およびフェニルアミノ基、および

から選択され、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に水素、SOM、OH、NH、Cl、Br、I、NO、F、CF、CN、COOH、CONH、C1−30アルキル、C6−10アリール、C2−30アルキニル、C2−30アルケニル、C1−30アルコキシル、C1−30アルキルアミノ、フェノキシル、およびフェニルアミノ基から選択され、Mは1以上の対イオンであり、jは化合物に結合する対イオンの数であり、nは1〜5の範囲の整数である。対イオンが1よりも多い分子に属する場合、対イオンの数jは分数であり得る。対イオンは、独立に、H、NH 、K、Li、Na、Cs、Ca++、Sr++、Mg++、Ba++、Co++、Mn++、Zn++、Cu++、Pb++、Fe++、Ni++、Al3+、Ce3+、およびLa3+から選択される。対イオンを慎重に選択することで、LLC相の転移温度および濃度領域を調整し得る。例えば、適切な塩基性基を用いることで酸性基を塩に転換し得るが、これによって化合物は水あるいは水と混合された他の有機溶媒に溶解し得る。
いくつかの実施形態において、化合物群は、式(I)および(II)で表されるビスアセナフトピラジノキノキサリン誘導体を含む。いくつかの実施形態において、化合物群は、式(III)で表されるビスアセナフトピラジノキノキサリン誘導体を含む。これらの新規化合物は可視スペクトルの広い領域(すなわち、500〜700nm)において透明であり、サーモトロピック液晶を超える高い安定性を有するLLC相を形成し得る。これらの安定なLLC相は異方性フィルムの形成に用いることができ、そして、いくつかの実施形態においては、少なくとも一部が結晶性のフィルムの形成に用いることができる。これらの化合物を用いた光学フィルムは上述の現在利用可能なフィルムにおける多数の不利点を有していない。
いくつかの実施形態において、式(I)、式(II)、および式(III)の構造式を有する化合物は、広い濃度領域、フィルム形成温度およびpH値において高い安定性を有するLLC相を形成し得る。これらの化合物は、異方性フィルム形成工程を簡素化し、多様なフィルム層の作製技術を使用可能とし、および/または二色比等のパラメータの再現性が高いフィルムの製造を容易とする。いくつかの実施形態において、水を溶媒として用いた場合に、スルホキシ基を有するビスアセナフトピラジノキノキサリン誘導体は高い溶解性を示した。さらに、スルホキシ基は光学異方性増加との予期せぬ効果をもたらすが、これは染料分子間での(水素結合および陽イオン−陰イオン相互作用のような)非共有結合を介するものと考えられる。
当業者は、ここに開示された内容を手掛かりとして、類似のリオトロピック有機構造の合成に用いられる一般的な手法によって、ここに開示された化合物を合成することができる。例えば、いくつかの実施形態において、側鎖を有するビスアセナフトピラジノキノキサリンのコアは、1,3−プロパンスルトンまたはブロモポリエチレンのアリール化から合成され得る。
一実施形態はビスアセナフトピラジノキノキサリンの合成手順を提供する。DMSOおよび酢酸を溶媒として、所定量のアセナフタレンキノンを、アルゴン下、120℃で1,2,5,6−テトラアミノベンゼンと15時間反応させる。得られた合成物を20%発煙硫酸中でスルホン化すると、最終化合物である水溶性のビスアセナフトヒラジノキノキサリンスルホ誘導体が生成する。
<リオトロピック液晶(LLC)系>
ここに開示される「LLC系」は、溶媒とここに開示される化合物の1種以上とを含む溶液である。一実施形態において、LLC系はLLCメソ相を含む。LLC系におけるリオトロピック色素化合物の濃度が、系中に液晶が形成される臨界濃度以上の場合に、LLCメソ相が形成される。ここに開示される化合物の実施形態は、可視スペクトル領域の光を吸収するように構成することができる。また、サーモトロピック液晶を上回る高い安定性を有するLLC系を形成するように構成することもできる。これらの安定したLLC系は、再現性高く付加的な光学特性を有する、等方性、異方性、および/または少なくとも部分的に結晶性のフィルムを形成するのに用い得る。ここに開示されたリオトロピック色素化合物を含有するLLC系の形態を用いることで、高い均一性を有し、かつ溶媒除去時のミクロ欠陥の少ないフィルムを形成することができる。
さらに、ここに開示される化合物により形成されたLLC系の実施形態は、広範囲の濃度、温度、およびpH領域において高い安定性を有している。そのため、系および化合物は、異方性フィルムの形成過程を簡素化し、種々の技法を適用してフィルム層を作製することが可能となる。フィルムの生産は再現性の高いパラメータによって簡素化される。ここに開示された実施形態の有機化合物は、水に対する高い溶解性を示す。色素化合物を含むフィルムの実施形態が示す高い光学異方性は、非常に望ましい。本願発明者は、いくつかの実施形態において示された高い光学異方性は、2個以上の分子の間における水素結合やカチオン−アニオン相互作用のような非共有結合によって生じるものと考えているが、当該理論に限定されるものではない。
一実施形態において、LLC系は水系ある。例えば、LLC系はここに記載された一般構造式(I)、(II)、および/または、(III)を有するリオトロピック色素化合物の1種以上と水とを含み得る。他の溶媒を使用してもよい。一実施形態において、LLC系は水および水と混和する有機溶媒の混合物を含む。一実施形態において、LLC系は水と有機溶媒の混合物を含み、該有機溶媒は水と任意の割合で混合可能であるか、あるいは水との混和性が制限されたもののいずれかである。有用な有機溶媒としては、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、アルコール(例えば、メタノールまたはエタノール)、およびやN−メチル−2−ピロリドン(NMP)等のような極性溶媒が含まれる。
いくつかの実施形態において、LLC系は、式(I)および(II)の化合物から独立に選択されるすくなくとも1種の化合物を含み得る。他の実施形態において、LLC系は式(I)および/または式(II)から独立に選択される2種以上の水性混合物である。例えば、一実施形態は、2種以上の化合物を含み、それらの化合物のうちのいくつかは式(I)の化合物であり、いくつかは式(II)の化合物であるLLC系を提供する。他の実施形態は、2種以上の化合物を含み、それらの化合物の全てが同一の式、すなわち、式(I)または式(II)のいずれか一方から選択されるLLC系を提供する。同一の式から選択される2種以上の化合物は、置換基R〜Rの1以上が、いくつかの化合物と異なるものであり得る。いくつかの実施形態において、式(I)および式(II)の1以上から独立に選択される2種以上の化合物は、少なくとも2つの異なる置換基を有するものであってもよい。
いくつかの実施形態において、LLC系は上記式(III)から選択される少なくとも1種の化合物を有し得る。他の実施形態において、LLC系は式(III)から独立に選択される2以上の化合物の水性混合物である。
他の実施形態において、LLC系は、式(I)、(II)、および/または(III)の化合物と共にLLC相の形成に寄与し得る有機染料または無色の有機化合物をも含んでいてもよい。
基板の濡れ性および液晶系のレオロジー特性を改善するために、例えば、水溶性可塑化ポリマーおよび/または芳香性または非イオン性の界面活性剤を添加して、溶液を改変してもよい。LLC系は、さらに1以上の水溶性の低分子量添加剤を有していてもよい。各添加剤は、液晶系の配向特性を滅却しないように選択されることが好ましい。水溶性の低分子量添加剤としては、例えば、PVAやポリエチレングリコールなどの重合体、および商標名TRITONとして入手可能な界面活性剤等の芳香性または非イオン性の界面活性剤が含まれる。商標名TRITONとして入手可能な界面活性剤は、親水性ポリエチレンオキシド基、および脂環式炭化水素または疎水性基を有する非イオン性界面活性剤である。これらの添加剤は基板の濡れ性を改善し、LLC系のレオロジー特性を最適化し得る。好ましくは、すべての添加剤が、液晶系の配向特性を滅却しないように選択される。
一実施形態において、LLC系はさらに1種以上の界面活性剤を含む。一実施形態において、界面活性剤はLLC系の重量に対して最大で約5%存在する。一実施形態において、界面活性剤はLLC系の重量に対して約0.1%〜約1%存在する。一実施形態において、LLC系はさらに1種以上の可塑剤を含む。一実施形態において、可塑剤はLLC系に対して最大で約5%存在する。一実施形態において、可塑剤はLLC系の重量に対して約0.1%〜約1%存在する。いくつかの実施形態において、界面活性剤および/または可塑剤の量は、LLC系の重量に対して、約0.01%〜約5%、約0.01%〜約3%、または約0.01%〜約1%であり得る。
いくつかの実施形態において、LLC系中の少なくとも1種のビスアセナフトピラジノキノキサリン誘導体の濃度は、リオトロピック液晶系の重量に対して、一般に約1%〜約70%、約3%〜約60%、または約5%〜約50%の範囲内であり、リオトロピック液晶系の重量に対して約7%〜約30%の範囲内であることが好ましい。式(I)および式(II)から独立に選択される少なくとも2種の化合物の混合物を含む実施形態のいくつかにおいて、LLC系中の個々のビスアセナフトピラジノキノキサリン誘導体の濃度は、フィルムの望まれる特性によって異なり得る。例えば、スルホフェノキシ基を有するビスアセナフトピラジノキノキサリン誘導体の望ましい濃度は、スルホネート基を有する誘導体に比して高い。構成する化合物(例えば、ビスアセナフトピラジノキノキサリン誘導体)の濃度を変化させることによって、典型的には薄膜の厚みおよび吸光度の変化が生じるであろう。例えば、より高い濃度のビスアセナフトピラジノキノキサリン誘導体を含むLLC系は、厚いフィルムと高い吸光度をもたらす。いくつかの実施形態において、濃度を変化させることでLLC溶液の粘度も変化し得る。
いくつかの実施形態において、化学式(I)の化合物は、LLC系の重量に対して約1%〜約70%の範囲の濃度で存在し、好ましくは、LLC系の重量に対して約3%〜約60%、約5%〜約50%、またはLLC系の重量に対して約7%〜約30%の範囲の濃度で存在する。いくつかの実施形態において、化学式(II)の化合物は、LLC系の重量に対して約1%〜約70%の範囲の濃度で存在し、好ましくは、LLC系の重量に対して約3%〜約60%、約5%〜約50%、またはLLC系の重量に対して約7%〜約30%の範囲の濃度で存在する。式(I)および式(II)から独立に選択される化合物の全ての合計濃度は、溶液の総重量に対して重量で約1%〜約70%の範囲であり得、好ましくは、重量で約3%〜約60%、約5%〜約50%、重量で約7%〜約30%の範囲であり得る。
系のテクスチャを偏光顕微分析により、色素濃度がLLC系の重量に対して約5%〜約50%、約5%〜約40%または約7%〜約30%の範囲内の場合に、室温で安定なリオトロピックメソ相が形成され得ることが分かった。いくつかの実施形態において、約10℃〜約40℃、約15℃〜約30℃、または約20℃〜約28℃の範囲内の温度で、安定なリオトロピックメソ相が形成され得る。結果的に、ネマチック相は十分に狭い色素濃度および温度範囲で観察される。系内での2相転移領域に加えて、等方性相およびその境界の存在が検出された。
<リオトロピック液晶(LLC)フィルム>
一実施形態において、偏光フィルムとして用い得る異方性フィルムの作製方法が提供される。好ましいビスアセナフトピラジノキノキサリン誘導体は、安定なLLC系を形成し得る。ここに示される教示、あるいは当業者に知られている他の適切な方法に基づいて、当業者は、一般構造式(I)または(II)から独立に選択される化合物の単体によるLLC系に加えて、式(I)および/または(II)から独立に選択される2種以上の化合物の混合物によるLLC系を調製し得る。
いくつかの実施形態において、ここに開示されたLLC系は、基板表面上に塗布され、本技術分野において公知の適切な任意の公知の方法によって配向させられ得る。これらの方法は、例えばPCT国際公開WO94/28073号およびWO00/25155号に記載されており、その開示は参照され、ここに援用される。光学異方性のフィルムを作製するのに適する基板の種類は、ガラス、プラスチック片、カラーフィルタおよび透明/半透明ポリマーシート等の透明あるいは半透明の基板や、半導体を含み得る。いくつかの実施形態において、LLC系は、スプレー法、流し込み法、印刷法、コーティング法、ディッピング法、またはスプーン、スパチュラ、ロッド、あるいは液晶系を移液し得るものを用いた移液法により、基板上に塗布される。
例えば、剪断応力、重力、または電磁場を付与することで、所望の異方性配向が提供され得る。いくつかの実施形態において、表面に圧力を付与してLLC系を配向あるいは配列させるために、塗布用ロッドあるいはその他の道具が用いられ得る。例えば、一実施形態において、ガラスロッドを用いた基板上への最小限の機械的な「広がり」のみで、LLCメソ相を配向させることによって、ビスアセナフトピラジノキノキサリン誘導体を簡易に配向させ得る。一実施形態において、LLCメソ相はLLC系を一方向に拡げることによって配向させられる。LLC系を広げて液晶メソ相を配向させるのに、約25mm/秒〜約1m/秒の範囲の線速度が用いられ得る。フィルム形成過程は室温で行われてもよい。
溶媒を蒸発させた後LLC相は、再現性を有しかつ二色比や光学複屈折等の望ましい光学特性を有する異方性フィルムを形成する。いくつかの実施形態において、異方性フィルムは、また、少なくとも部分的に結晶性である。いくつかの実施形態において、異方性フィルムは、また、多結晶フィルムである。光学異方性フィルムの厚みは約0.2μm〜約1μmの範囲、約0.2μm〜約0.6μmの範囲、または約0.2μm〜約0.3μmの範囲であり得る。安定なLLC相を形成する方法および系、ならびに結果物としての異方性でかつ少なくとも部分的に結晶性の光学フィルムは、本分野において一般的に知られており、例えば、米国特許6,543,640号(その開示は参照され、ここに援用される)に例示されている。
いくつかの実施形態において、ビスアセナフトピラジノキノキサリン誘導体は等方性フィルムを得るのにも用いられ得る。等方性フィルムの形成において、LLC系は外部配向力を付与することなく基板上に塗布される。これは、スプレー法、オフセット印刷法およびシルクスクリーン法等の方法により液晶系を塗布することによってなし得る。溶媒の除去によって、等方の光学特性を有するドメイン構造を有する多結晶で覆われた基板が残る。
いくつかの実施形態において、ビスアセナフトピラジノキノキサリン誘導体は光学的に等方性または異方性のフィルムのいずれかを形成し得る。いくつかの実施形態において、これらのフィルムは部分的に結晶性のフィルムであり、いくつかの実施形態において、それらはさらに偏光および/または複屈折フィルムである。いくつかの実施形態において、光学的に等方性または異方性のフィルムの材料は、式(I)および(II)から独立に選択される化合物の少なくとも1種を含む。あるいは、フィルムは式(I)および/または(II)の化合物の少なくとも2種を含む。いくつかの実施形態において、前記少なくとも2種の化合物は、R〜Rに関して少なくとも2つの異なる置換基を有する。
いくつかの実施形態において、ここに開示の光学異方性フィルムは、さらに、ブリリアントブラックBN(Brilliant Black BN)またはナフトールブルーブラック(Naphthol Blue Black)等の望ましい吸収特性を付与し得る少なくとも1種の異なる有機染料または無色の化合物を含んでいてもよい。
一実施形態は、基板および少なくとも1の上記LLCフィルムを含む二色性光偏光素子を提供する。いくつかの実施形態において、二色光偏光素子はE型偏光子であり得る。一実施形態は、少なくとも1つのE型偏光子フィルムを備え、E型偏光子フィルムが上記LLCフィルムの少なくとも1つを含む液晶(LC)アクティブディスプレイを提供する。従来のLCディスプレイはO型フィルムを用いており、LCディスプレイを法線方向から外れた方向から視認した場合にコントラスト比が劇的に低下する場合があった。これに対して、少なくとも1つのE型偏光子フィルムを備えるLCディスプレイは、実質的なコントラスト比の低下がない広い視野角を提供し得る。さらには、ここに開示のLLCフィルムを有するE型偏光子の作製プロセスは、従来のO型偏光子に比して、より簡単に実行し得る。これは、LCデバイスの簡略化および低コスト化につながり得る。E型偏光子を有するLCディスプレイの設計および部材は、本分野において一般的に知られており、例えば、米国特許7,015,990号(その開示は参照され、ここに援用される)に例示されている。
いくつかの実施形態において、光学異方性フィルムは、複屈折フィルムとして種々の応用に用いられ得る。
本発明の方法および系にしたがって行ったいくつかの実験の結果を以下に記載する。これらの実験は例示の目的のみを意図するものであり、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
[実施例1:合成]
<式(I)の化合物の合成>
式(I)の化合物は、以下の一般合成スキーム(スキーム1)を用いて合成し得る。
ビスアセナフトピラジノキノキサリン(1)の合成:
DMSO/HOAc(30mL/10mL)中で、アセナフタレキノン(2.35g、14mmol)、1,2,5,6−テトラアミノベンゼン(1.68g、5.9mmol)および酢酸ナトリウム(1.9g、23.6mmol)の混合物を、120℃で2日間加熱した。混合物をろ過し、ジクロロメタンで洗浄して、黄色固体(2.35g、収率93%)のビスアセナフトピラジノキノキサリン(1)を作成した。
1H NMR(DSO、400MHz):10.27(bs、2H)、9.83(bs、4H)、9.56(bs、4H)、9.00(bs、4H)。
ビスアセナフトピラジノキノキサリンジスルホン酸(2)の合成:
室温で、ビスアセナフトピラジノキノキサリン(2.35g)に20%発煙硫酸(23mL)を加えた。混合物を105℃で4時間加熱した。その後、室温まで冷却して、混合物をゆっくりと氷(30g)上に注ぎ、氷浴中で冷却した。混合物を0℃で1時間保持した後、アセトニトリル(200mL)中に注いだ。この懸濁物をろ過し、真空下50℃で一晩乾燥して、茶赤色固体のビスアセナフトピラジノキノキサリンジスルホン酸(2)を得た(2.97g、収率92%)。
LC−MS(ESI):M−H計算でC3013:589であり、589であることが分かった。
<式(II)の化合物の合成>
式(II)の化合物は、以下の一般合成スキーム(スキーム2.1)を用いて合成し得る。

3,12−ビスフェノキシ−ビスアセナフトピラジノキノキサリン(3)の合成:
DMSO/HOAc(13mL/40mL)中で5−フェノキシ−アセナフテンキノン(2.04g、7.43mmol)、1,2,5,6−テトラアミノベンゼン塩酸塩(1.04g、3.3mmol)および酢酸ナトリウム(1,1g)の混合物を、127℃で18時間加熱した。混合物をろ過後、メタノールで洗浄し、真空下で乾燥して、黄色固体(1.94g、87%)の3,12−ビスフェノキシ−ビスアセナフトピラジノキノキサリン(3)が得られた。
H NMR(d−DMSO、400MHz):8.54(d、2H)、8.13(d、2H)、8.05(d、2H)、7.94(t、2H)、7.56(t、4H)、7.37(t、2H)、7.32(d、4H)、7.02(d、2H)。
3,12−ビスフェノキシ−ビスアセナフトピラジノキノキサリンスルホン酸(4)の合成:
室温で、3,12−ビスフェノキシ−ビスアセナフトピラジノキノキサリン(1.0g)の一部に発煙硫酸(12mL)を加えた。混合物を90℃で40分加熱した。室温まで冷却した後、混合物を0℃のメタノール(15mL)中に注いだ。その後エーテルを加えて塊を砕いた。ろ過し、真空下で乾燥して、黄色固体の3,12−ビスフェノキシ−ビスアセナフトピラジノキノキサリンスルホン酸(4)を得た(1.7g)。
H NMR(d−DMSO、400MHz):8.93(d、2H)、8.92(s、2H)、8.55(dd、2H)、8.50(d、2H)、8.41(d、2H)、8.22(s、2H)、7.97(t、2H)、7.64(m、2H)、7.10(d、4H)。
式(II)の化合物は、以下に例示されるスキーム(スキーム2.2)によっても合成し得る。
5−アミノアセナフタレキノン(5)の合成:
室温で、THF/HO(200mL/5mL)中に懸濁させた5−アジドアセナフタレキノン(8.0g、35mmol)をリン酸トリフェニル(9.4g)に添加したところ、懸濁物が溶解し深赤色となり、多くの泡が発生した。溶液を室温で3時間撹拌した後、2mLの濃塩酸の水(100mL)溶液を加えた。混合物を一晩激しく撹拌した。黒色の沈殿が発生した。ろ過した後、固体をDCMで洗浄して生成物(A,5.0g)を得た。ろ過を続けてTHFを除去し、残留した固体をジエチルエーテル(50mL×2)およびDCM(100mL×2)で洗浄して、暗色の固体(B,1.2g)を得た。H NMRは、生成物AおよびBの両者ともに、所望の生成物であることを示した。
H NMR(CDOD、400MHz):8.38(d、1H)、7.96(d、1H)、7.88(d、1H)、7,66(dd、1H)、6.97(d、1H)
LC−MS:M−H計算でC12NO:196.0であり、196であることがわかった。
5−(3’−スルホニル−1’−プロパン−アミノ)−アセナフタレキノン(6)の合成:
室温、アルゴン下で、カリウムt−ブトキシドの溶液(THF中1M,15mL)に5−アミノアセナフタレキノン(2.5g、0.013mol)のDMF(66mL)溶液を加えた。混合後の溶液を30分撹拌し続けた。その溶液に1,3−プロパンスルトン(2.2.5g、0.18molを加え、得られた溶液を1.5時間撹拌した後、アセトニトリル(250mL)に注いだ。ろ過、アセトニトリルでの洗浄および真空乾燥により、暗色個体(3.2g、71%)が得られた。
H NMR(DO、400MHz):7.22(d、1H)、6.96(d、1H)、6.88(m、2H)、5.98(d、1H)、3.22(t、2H)、3.00(t、2H)、 2.02(quint、2H)。
LC−MS(ESI):M−H計算でC1512NOS:318.0であり、318であることがわかった。
3,12−ビス(3’−スルホニル−1’プロパン−アミノ)−ビスアセナフトピラジノキノキサリン(7)の合成:
DMSO/HOAc(2mL/15mL)中で、5−(3’−スルホニル−1’プロパン−アミノ)−アセナフタレキノン(1.5g、4.2mmol)、1,2,5,6−テトラアミノベンゼン塩酸塩(0.596g、2.1mmol)、および酢酸カリウム(0.782g、8mmol)の混合物をアルゴン下125℃で15時間加熱した。ろ過した後、固体を冷却し、水/アセトニトリルの再結晶によりさらに精製して、黒色固体(500mg、34%)を得た。
LC−MS:(M+H−2K)計算でC3627:703.8であり、703であることがわかった。
[実施例2:二色比の測定]
150mgの化合物(2)を2mLの脱イオン水に溶解して、試料1の15wt%脱イオン水溶液を調製した。この溶液を5%LiOHでpH=7に滴定し、ロータリエバポレータで7wt%に濃縮した。得られた溶液を、標準スライドガラス(2インチ×3インチ×1mm、事前に超音波タンク中1%のアルコール溶液で60分洗浄した後、脱イオン水およびイソプロピルアルコールでリンスし、室温で乾燥したもの)上に、塗布用ロッド(直径3/8インチ、ワイヤーサイズ#2−1/2、ポールN.ガードナー株式会社)を用いて、線速度25mm/秒でコーティングした。得られたフィルムの厚みは約200nmであった。コーティング工程は室温(〜20℃)、相対湿度65%で行い、その後、同条件下でフィルムを乾燥した。
パーキンエルマーLamda Bio40紫外可視分光光度計により、フィルム塗布方向(Apar)およびフィルム塗布方向に対して直交する方向(Aper)に偏光した波長380〜800nmの範囲の光線を用いて測定した吸収スペクトルから、フィルムの特性を明らかにした。二色比K=log(Apar)/log(Aper)は、650nmにおいて10に等しかった。
150mgの化合物(4)を2mLの脱イオン水に溶解して、試料2の脱イオン水溶液を調製した。この溶液を5%LiOHでpH=7に滴定し、ロータリエバポレータで30wt%に濃縮した。この溶液を、試料1について記載したのと同様の方法で、標準スライドガラス上にコーティングした。得られたフィルムの厚みは約200nmであった。
パーキンエルマーLamda Bio40紫外可視分光光度計により、フィルム塗布方向(Apar)およびフィルム塗布方向に対して直交する方向(Aper)に偏光した波長380〜800nmの範囲の光線を用いて測定した吸収スペクトルから、フィルムの特性を明らかにした。二色比(K)は、470nmにおいて5に等しかった。
150mgの試料3を5mLの脱イオン水に溶解して、試料3の脱イオン水溶液を調製し、ロータリエバポレータで15wt%に濃縮した。この溶液を、試料1について記載したのと同様の方法で、標準スライドガラス上にコーティングした。得られたフィルムの厚みは約200nmであった。
パーキンエルマーLamda Bio40紫外可視分光光度計により、フィルム塗布方向(Apar)およびフィルム塗布方向に対して直交する方向(Aper)に偏光した波長380〜800nmの範囲の光線を用いて測定した吸収スペクトルから、フィルムの特性を明らかにした。二色比(K)は、440nmにおいて4に等しかった。

Claims (26)

  1. 下記構造式(I)または(II)を有する化合物。

    ここで、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に−H、−SOM、−OH、−NH、−Cl、−Br、−I、−NO、−F、−CF、−CN、−COOH、−CONH、アルキル、アリール、アルキニル、アルケニル、アルコキシル、アルキルアミノ、フェノキシル、およびフェニルアミノ基から選択され、Mは1以上の対イオンであり、jは化合物に結合する対イオンの数であり、nは1〜5の範囲の整数である。
  2. 、R、R、R、RおよびRが−Hであり、nが1〜4の範囲の整数である、請求項1に記載の化合物。
  3. Mが、以下の陽イオン、すなわち、H、NH 、K、Li、Na、Cs、Ca++、Sr++、Mg++、Ba++、Co++、Mn++、Zn++、Cu++、Pb++、Fe++、Ni++、Al3+、Ce3+、La3+、およびこれらの組み合わせから選択される、請求項1〜2のいずれかに記載の化合物。
  4. 前記1以上の対イオンが少なくとも2つの分子に共有されている請求項1〜3のいずれかに記載の化合物。
  5. 化合物が安定なリオトロピック液晶系を形成し得る、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物。
  6. 化合物が光学等方性または異方性のフィルムを形成し得る、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
  7. 化合物が少なくとも部分的に結晶性のフィルムを形成し得る、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の化合物の少なくとも1種を含むリオトロピック液晶系。
  9. 前記リオトロピック液晶系が水系である、請求項8に記載のリオトロピック液晶系。
  10. 前記リオトロピック液晶系が、水および水と混和性の有機溶媒の混合物を含む、請求項8〜9のいずれかに記載のリオトロピック液晶系。
  11. リオトロピック液晶系における前記少なくとも1種の化合物の濃度が、リオトロピック液晶系の重量に対して約5%〜約50%の範囲である、請求項8〜10のいずれかに記載のリオトロピック液晶系。
  12. さらに1種以上の界面活性剤を、リオトロピック液晶系の重量に対して約5%以内で含有する、請求項8〜11のいずれかに記載のリオトロピック液晶系。
  13. さらに1種以上の可塑剤を、リオトロピック液晶系の重量に対して約5%以内で含有する、請求項8〜12のいずれかに記載のリオトロピック液晶系。
  14. 化学式(I)から選択され、リオトロピック液晶系の重量に対して約5%〜約50%の濃度を有する第1の化合物、および
    化学式(II)から選択され、リオトロピック液晶系の重量に対して約5%〜約50%の濃度を有する第2の化合物をさらに有する、請求項8に記載のリオトロピック液晶系。
  15. さらに少なくとも1種の水溶性有機染料を含有し、前記少なくとも1種の水溶性有機染料がリオトロピック液晶系の形成に関与し得るものである、請求項8〜14のいずれかに記載のリオトロピック液晶系。
  16. 請求項1に記載の化合物の少なくとも1種を含む光学異方性フィルム。
  17. 前記フィルムが少なくとも1種のリオトロピック色素化合物を含むリオトロピック液晶系を基板上に堆積することにより形成される、請求項16に記載の光学異方性フィルム。
  18. 前記フィルムが少なくとも部分的に結晶性である、請求項16〜17のいずれかに記載の光学異方性フィルム。
  19. さらに少なくとも1種の水溶性有機染料を含む請求項16〜18のいずれかに記載の光学異方性フィルム。
  20. 前記フィルムが偏光子である、請求項16〜19のいずれかに記載の光学異方性フィルム。
  21. 前記フィルムが位相差フィルムである、請求項16〜20のいずれかに記載の光学異方性フィルム。
  22. 少なくとも1つのE型偏光子を有する液晶表示装置であって、前記E型偏光子は請求項16〜21のいずれかに記載の光学異方性フィルムの少なくとも1つと基板とを備える液晶表示装置。
  23. 請求項1〜7のいずれかに記載の化合物の少なくとも1種を含むリオトロピック液晶系を基板上に塗布する工程であり、リオトロピック液晶系が液晶メソ相の複数を含む工程、および
    液晶メソ相の複数を配向する工程、を有する、
    光学異方性フィルムを形成する方法。
  24. 前記液晶メソ相の複数を配向する工程は液晶系を一方向に拡げることを特徴とする、請求項23に記載の方法。
  25. 前記基板上のリオトロピック液晶系を乾燥する工程をさらに有する、請求項23〜24のいずれかに記載の方法。
  26. 化学式(I)および/または化学式(II)から選択される化合物の少なくとも1種を水または水と有機溶媒との混合物中で混合することにより、前記リオトロピック液晶系を形成する工程をさらに有する、請求項23〜25のいずれかに記載の方法。
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