JP2011518787A - 痙直及び振戦のような術後作用をクロニジンで治療する方法 - Google Patents

痙直及び振戦のような術後作用をクロニジンで治療する方法 Download PDF

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Abstract

手術に付随する痙直及び振戦の有効な治療法を提供する。有効量のクロニジンを標的部位又はその近傍に投与することを通じて、筋線維を弛緩させることができる。クロニジン又はその製薬学的に許容しうる塩のこの投与は術後特に有用である。
【選択図】図1

Description

本願は、2008年4月18日出願の米国仮特許出願第61/046,192号、発明の名称「痙直及び振戦のような術後作用をクロニジンで治療する方法(Methods for Treating Post-Operative Effects Such as Spasticity and Shivering with Clonidine)」の出願日の利益(優先権)を主張し、前記出願特許は引用によって本開示に援用する。
振戦は温血動物における早期低体温に応答する身体的機能である。中核(深部)体温が低下すると振戦反射が引き起こされる。重要臓器周囲の筋群は、エネルギー消費によって暖かさを作り出そうとして小さい動きで震え始める。振戦は手術又は術後の結果に付随することもあり、このようなケースは術後振戦として知られている。
痙直は、切開痛又は神経障害痛とは異なる重度の不快症状である。これは、ある種の筋肉が連続的に収縮する中枢神経系の障害である。この収縮は筋肉の硬直又は緊張をもたらし、動き、発語などの妨げになりうる。このことは、患者にとって非常に苦痛で恐ろしいことであろう。さらに、術後、筋痙直は術後回復を遅らせ、しばしば患者の入院期間を延長させることにもなりかねない。
筋痙直はいくつかの原因によって起こりうる。例えば、脳損傷による脳性麻痺のような病状に伴う再発性の状態であるかもしれない。また、術後又は手術に付随して身体にかかるストレスのような環境的緊張又は外傷が原因のこともある。このタイプの緊張又は外傷は、次の理由で他のタイプの痙直とは異なる。すなわち、脳損傷によるものでないこと、そしてある程度、最も罹りやすい人が予測可能であり、有限の時間枠内に最も発生しやすく、外科手術の部位又はその近傍に限局されていることである。脳損傷による筋痙直のための公知薬物療法は、バクロフェン、ジアゼパム、ダントロレン及びクロナゼパムなどである。
脳損傷による痙直を治療するための、医療専門家に知られている別の薬剤はクロニジンであり、これはアルファ−2−アドレナリン受容体に対するアゴニスト及び神経受容体アゴニストとして作用する降圧薬として広く認識されている。一般に、クロニジンは、2,6−ジクロロ−N−2−イミダゾリジニリデンベンゼンアミン(CCl)とも呼ばれ、下記化学構造:
Figure 2011518787
によって表すことができる。
しかしながら、今日まで、上記薬剤は、外科手術後に伴う痙直、すなわち脳損傷によるものではないが筋肉及び神経への直接傷害が原因の痙直の有効な治療法としては評価されていない。この筋肉への傷害は、筋肉の直接切開及び筋線維の分離(これは最小侵襲手術時に発生するが筋線維の切断は含まない)の両方を含む。
術後痙直の特有症状及び比較的予測可能なリスクのために、術後痙直を緩和又は治療するための方法及び組成物を含む、この状態の有効な治療法を求める需要がある。手術の別の副作用は術後振戦である。クロニジンは、術後振戦の軽減又は排除に有効性を示している。筋痙直の治療用デポー製剤は、術後振戦の制御も提供する。
術後筋肉を弛緩させるために投与される、クロニジン又はその製薬学的に許容しうる塩を含む方法及び組成物を提供する。上記のように、クロニジンはアルファ−2−アドレナリン受容体アゴニスト及び神経受容体アゴニストとして認識されており、高血圧の治療薬として最もよく知られているが、本発明の利点は、この公知化合物を利用し、有効量の製剤、特に徐放性製剤で投与した場合、手術に付随する痙直の効果的な治療法を提供しうるということである。
一態様に従って、手術に伴う筋痙直に苦しむ哺乳動物を治療するための方法を提供する。前記方法は、治療上有効量のクロニジン又はその製薬学的に許容しうる塩を皮下の標的組織部位に投与して該標的組織部位又はその近傍の筋肉を弛緩させることを含む。
別の態様に従って、術後痙直及び/又は振戦の治療に有用な組成物を提供する。該組成物は、術後の手術部位への投与が可能な有効量のクロニジン又はその製薬学的に許容しうる塩を含む。
別の態様に従って、有効量のクロニジン又はその製薬学的に許容しうる塩を埋込み可能な薬物デポー中に含む徐放性組成物を提供する。この場合、前記クロニジンは、痙直及び/又は振戦を5〜12日間又は7〜10日間軽減する量で存在し、前記埋込み可能な薬物デポーは、前記期間にわたってクロニジンの持続放出を促進する量で存在する。
別の態様に従って、有効量のクロニジン又はその製薬学的に許容しうる塩を薬物デポー中に含む即時放出組成物を提供する。この場合、前記クロニジンは、痙直及び/又は振戦を軽減する量で存在し、前記薬物デポーは、初期にクロニジンの即時放出を促進する量で存在する。
別の態様に従って、手術に伴う筋痙直に苦しむ哺乳動物の治療法を提供する。前記方法は、治療上有効量のクロニジンを皮下の標的部位に投与して該標的部位又はその近傍の筋肉を弛緩させることを含み、前記治療上有効量は痙直の発症を防止する。
別の態様に従って、手術に伴う振戦に苦しむ哺乳動物の治療法を提供する。前記方法は、治療上有効量のクロニジンを皮下の標的部位に投与することを含み、前記治療上有効量は振戦の発症を防止する。
手術は、例えば最小侵襲手術又は観血手術でありうる。さらに、ある態様において、クロニジンは、5〜12日間又は7〜10日間にわたって放出可能な、従って痙直が起こりそうな期間存在しうる徐放性製剤である治療薬である、又はそのような治療薬の一部として投与される。ある態様において、放出は1日あたり約8%〜20%であり、ある態様において、放出は1日あたり約5%〜15%である。
別の態様に従って、哺乳動物の筋痙直を治療するための方法を提供する。前記哺乳動物は標的部位において手術を受けており、前記方法は、治療上有効用量のクロニジン又はその製薬学的に許容しうる塩を、標的部位又はその近傍の筋線維を弛緩させるに足る投与量及び放出速度プロフィールで投与することを含む。
クロニジンは、例えば、薬物デポーの一部として、例えばリボン様ファイバーとして投与されうる。
クロニジン又はその製薬学的に許容しうる塩は、抗炎症薬、鎮痛薬、骨格筋弛緩薬、骨誘導同化成長因子、抗異化成長因子又はそれらの組合せと同時投与することもできる。
ある態様では、クロニジン又はその製薬学的に許容しうる塩は徐放性製剤単独で投与される。他の態様では、一部は治療薬の即時放出を提供するために例えばゲル中に懸濁されたボーラスとして、一部は徐放性製剤として投与される。徐放性製剤の一部である有効量の治療薬は、長時間にわたって治療薬の持続放出を提供するために、例えば複数のマイクロ粒子、マイクロスフェア、マイクロカプセル及び/又はマイクロファイバーに被包されうる。持続放出及び即時放出製剤は組み合わせて使用でき、体内に同時に導入されて、即時放出製剤が最初に痙直の治療のために利用可能になる。
さらに別の例示的態様において、クロニジン又はその製薬学的に許容しうる塩を皮下の標的組織部位に送達するための方法を提供する。該方法は、カニューレを標的組織部位又はその近傍に挿入し、標的組織部位に接着可能なゲルを注入することを含む。ゲルは、有効量のクロニジンを含有する一つ又は複数の生分解性デポーを含む。標的組織部位は、脊椎円板、脊髄神経根付近の脊椎孔空間、脊椎関節突起、脊柱管、又は骨を含む。
別の態様において、埋込み可能な薬物デポーを提供する。該薬物デポーは、(i)皮下の部位でボーラス用量のクロニジン又はその製薬学的に許容しうる塩を放出する一つ又は複数の即時放出層;及び(ii)5〜12日間にわたって有効量のクロニジン又はその製薬学的に許容しうる塩を放出する一つ又は複数の持続放出層を含みうる。
様々な態様の追加の特徴及び利点は、一部は以下の記載に示され、一部は該記載から明らかであるか、又は様々な態様の実施によって学ぶことができる。様々な態様の目的及びその他の利点は、該記載及び添付の特許請求の範囲において特に指摘されている構成要素及び組合せによって認識及び達成されるであろう。
態様のその他の側面、特徴、利益及び利点は、ある程度、以下の説明、添付の特許請求の範囲及び添付の図面を考慮すれば明白であろう。
図1は、手術が行われる部位、及びそれに対してクロニジンを含有する薬物デポーを局所投与して痙直の治療に使用できる位置となりうる患者体内のいくつかの一般的位置を示す。 図2は、脊椎及びそれに対してクロニジンを含有する薬物デポーを局所投与できる部位の概略的背面図を示す。
当然のことながら、図面は正確な縮尺率で描かれているわけではない。さらに、図中の物体間の関係も正確な縮尺率ではなく、実際、サイズに関しては逆の関係を有することもある。図面は、示された各物体の構造を理解及び明確にすることを目的としているので、一部の特徴は、構造の特定の特徴を示すために誇張されていることもある。
本明細書及び添付の特許請求の範囲において、別途記載のない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用されている成分の量、材料のパーセンテージ又は割合、反応条件、及びその他の数値を表すすべての数字は、すべての場合、“約”という用語によって修飾されていると理解されるべきである。従って、それとは反対の指示がない限り、以下の明細書及び添付の特許請求の範囲に示されている数値パラメーターは近似値であり、本発明によって得ようとしている所望の性質に応じて変動しうる。最低限でも、特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限しようとしてではなく、各数値パラメーターは、少なくとも報告された有効数字の数を考慮し、通常の丸め技術を適用することによって解釈されるべきである。
発明の広い範囲を示す数値範囲及びパラメーターは近似値であるにもかかわらず、特定の実施例に示されている数値はなるべく正確に報告されている。しかしながら、いずれの数値も元来、それらの各試験測定に見出される標準偏差に必然的に由来する一定の誤差を含有している。さらに、本明細書中に開示されたすべての範囲は、その中に包含されているいずれか及びすべての部分範囲(サブレンジ)を包含すると理解されるべきである。例えば、“1〜10”という範囲は、最小値1及び最大値10の間(これらの数値を含む)にあるいずれか及びすべての部分範囲を含む。すなわち、1以上の最小値及び10以下の最大値を有するいずれか及びすべての部分範囲、例えば5.5〜10を含む。
本明細書及び添付の特許請求の範囲では、単数形の“a”、“an”及び“the”は、明示的及び明白に一つの指示対象を限定していない限り、複数の指示対象も含む。従って、例えば“一つの薬物デポー”と言う場合、一つ、二つ、三つ以上の薬物デポーを含む。
次に、本発明のある態様について詳細に述べ、その例を添付の図面に示す。本発明を例示された態様と共に説明するが、当然のことながら、それらは本発明をそのような態様に限定することを意図したものではない。それどころか、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義されている本発明の範囲内に含まれうるあらゆる代替、変形、及び均等物もカバーするものとする。
以下の見出しは開示を制限することを意味しているのでは決してない。いずれか一つの見出し下の態様は、いずれかその他の見出し下の態様と併用することができる。
別途記載のない限り又は文脈から明らかでない限り、本明細書及びそれに続く特許請求の範囲でクロニジンに言及する場合、発明者らはクロニジンの製薬学的に許容しうる塩にも言及している。様々な態様において、クロニジンは製薬学的に許容しうる塩を含む。製薬学的に許容しうる塩のいくつかの例は、化合物の毒性を実質的に増大しない塩形成酸及び塩形成塩基の塩を含む。適切な塩のいくつかの例は、マグネシウム、カリウム、及びアンモニウムのようなのようなアルカリ金属の塩などである。塩酸、ヨウ化水素酸、臭化水素酸、リン酸、メタリン酸、硝酸及び硫酸などの鉱酸の塩、並びに酒石酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、安息香酸、グリコール酸、グルコン酸、グロン酸、コハク酸、アリールスルホン酸、例えばp−トルエンスルホン酸などの有機酸の塩などである。例示的製剤は、クロニジンの塩基又は塩酸塩のいずれかを使用しうる。
本明細書中に記載の方法及び組成物は、いずれか特定の手術との関連での使用に限定されず、関節鏡視下手術、腹腔鏡手術、観血(直視下)脊椎手術、口腔手術などに付随しうる痙直を含むが、これらに限定されない。
薬物デポー
薬物デポーは、その中のクロニジンを身体に投与するための組成物である。従って、薬物デポーは、所望部位(例えば、患者の円板腔、脊柱管、及び組織、特に手術部位又はその近傍、など)への埋込み及び保持を促進するための物理的構造を含みうる。薬物デポーは薬物自体も含む。本明細書中では“薬物”という用語は、一般的に患者の生理学を変更する何らかの物質のことを意味する。“薬物”という用語は、本明細書中では、“治療薬”、“治療上有効な量”、及び“有効医薬成分”又は“API”という用語と互換的に使用されうる。“薬物”製剤は、別途記載のない限り、複数の治療薬を含んでよく、治療薬の組合せの例として二つ以上の薬物の組合せなどがあることは理解されるであろう。薬物は、部位への送達のために治療薬の濃度勾配を提供する。様々な態様において、薬物デポーは、埋込み部位から約1cm〜約5cmまでの距離の所で、治療薬の最適な薬物濃度勾配を提供し、そしてクロニジンを含む。
“治療上有効な量”又は“有効量”は、投与された場合、薬物が炎症の抑制、疼痛又は痙直の削減又は緩和、筋弛緩による状態の改良などの生物学的活性の変更をもたらすような量である。患者に投与される用量は、様々な要因、例えば薬物の投与後の薬物動態特性、投与経路、患者の状態及び特徴(性別、年齢、体重、健康、サイズなど)、症状の程度、併用療法、治療の頻度及び所望の効果に応じて、単回投与のことも複数回投与のこともある。ある態様において製剤は即時放出用に設計される。他の態様において製剤は持続放出用に設計される。他の態様において、製剤は一つ又は複数の即時放出表面と一つ又は複数の持続放出表面を含む。あるいは、異なる形態の薬物を使用するか、徐放性材料の異なる製剤の混合物のいずれかにより、異なる放出プロフィールを提供する製剤の混合物を使用することによってでもよい。当業者には分かる通り、持続放出(又は“徐放性”)製剤は、活性成分を長期間、例えば数時間又は数日間にわたって所望速度で利用可能にする製剤である。一方、即時放出製剤は、即時又は本質的に即時に利用可能である。この二つのタイプの製剤は併用することもできる。例えば、クロニジンのボーラス又は即時放出製剤を手術部位又はその近傍に配置し、持続放出製剤も同じ部位又はその近傍に配置するか、又は異なるポリマーマトリックス及び/又は薬物形の組合せによって同じ製剤内に提供することができる。そうすると、ボーラスが完全に利用可能になった後でも、徐放性製剤が活性成分を目的組織のために提供し続ける。
クロニジン又はその製薬学的に許容しうる塩は別の筋弛緩薬と共に投与できる。筋弛緩薬の例は(例として示すものであり、制限ではない)、塩化アルクロニウム、アトラクリウムベシレート(atracurium bescylate)、バクロフェン、カルボロニウム(carbolonium)、カリソプロドール(carisoprodol)、カルバミン酸クロルフェネシン、クロルゾキサゾン、シクロベンザプリン(cyclobenzaprine)、ダントロレン(dantrolene)、デカメトニウムブロミド(decamethonium bromide)、ファザジニウム(fazadinium)、ガラミントリエチオジド(gallamine triethiodide)、ヘキサフルオレニウム(hexafluorenium)、メラドラジン(meladrazine)、メフェンシン(mephensin)、メタキサロン(metaxalone)、メトカルバモール、メトクリンヨージド(metocurine iodide)、パンクロニウム、メシル酸プリジノール、スチラメート(styramate)、スキサメトニウム、スキセトニウム(suxethonium)、チオコルチコシド(thiocolchicoside)、チザニジン、トルペリゾン、ツボクラリン(tubocuarine)、ベクロニウム、又はこれらの組合せなどである。
薬物デポーは、クロニジンのほかに治療薬を含んでいてもよい。治療薬は、様々な態様において、炎症カスケードにおけるTNF−α又はその他のタンパク質の転写又は翻訳をブロックする。適切な治療薬は、インテグリンアンタゴニスト、アルファ−4−ベータ−7インテグリンアンタゴニスト、細胞接着阻害薬、インターフェロンガンマアンタゴニスト、CTLA4−Igアゴニスト/アンタゴニスト(BMS−188667)、CD40リガンドアンタゴニスト、ヒト化抗IL−6 mAb(MRA,Tocilizumab,Chugai)、HMGB−1 mAb(Critical Therapeutics Inc.)、抗IL2R抗体(ダクリズマブ(daclizumab)、バシリシマブ(basilicimab))、ABX(抗IL−8抗体)、組換えヒトIL−10、又はHuMax IL−15(抗IL−15抗体)などであるが、これらに限定されない。
その他の適切な治療薬は、IL−1阻害薬、例えばKineret(登録商標)(アナキンラ){これは、組換え非グリコシル化形のヒトインターロイキン−1受容体アンタゴニスト(IL−1Ra)である}、又はAMG 108{これは、IL−1の作用をブロックするモノクローナル抗体である}などである。治療薬は、グルタミン酸及びアスパラギン酸のような興奮性アミノ酸、グルタミン酸のNMDA受容体、AMPA受容体、及び/又はカイニン酸受容体への結合のアンタゴニスト又は阻害薬も含む。例えば、インターロイキン−1受容体アンタゴニスト、サリドマイド(TNF−α放出阻害薬)、サリドマイド類似体(マクロファージによるTNF−α産生を削減する)、骨形成タンパク質(BMP)タイプ2及びBMP−4(TNF−αアクチベーターであるカスパーゼ8の阻害薬)、キナプリル(TNF−αをアップレギュレートするアンギオテンシンIIの阻害薬)、インターフェロン類、例えばIL−11(TNF−α受容体発現を調節する)、及びアウリン−トリカルボン酸(TNF−αを阻害する)も、炎症を低減するための治療薬として有用でありうる。望ましい場合、上記のペグ化形も使用できると考えている。その他の治療薬の例は、NFカッパB阻害薬、例えばグルココルチコイド、抗酸化剤、例えばジチオカルバメート、及びその他の化合物、例えばスルファサラジンなどである。
使用に適切な治療薬の具体例は、抗炎症薬、鎮痛剤、又は骨誘導成長因子又はそれらの組合せなどであるが、これらに限定されない。抗炎症薬は、サリチレート、ジフルニサル、スルファサラジン、インドメタシン、イブプロフェン、ナプロキセン、トルメチン、ケトロラク、ジクロフェナク、ケトプロフェン、フェナメート(メフェナム酸、メクロフェナム酸)、エノール酸(ピロキシカム、メロキシカム)、ナブメトン、セレコキシブ、エトドラク、ニメスリド(nimesulide)、アパゾン、金、スリンダク又はテポキサリン(tepoxalin);抗酸化剤、例えばジチオカルバメート、及びその他の化合物、例えばスルファサラジン[2−ヒドロキシ−5−[−4−[C2−ピリジニルアミノ)スルホニル]アゾ]安息香酸]、ステロイド、例えばフルオシノロン、コルチゾール、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、フルドロコルチゾン(fludrocortisone)、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロン、ベタメタゾン、デキサメタゾン、ベクロメタゾン、フルチカゾン又はそれらの組合せなどであるが、これらに限定されない。
適切な同化成長又は抗異化成長因子は、骨形成タンパク質、成長分化因子、LIM無機化タンパク質、CDMP又は前駆細胞、又はそれらの組合せなどであるが、これらに限定されない。
適切な鎮痛剤は、アセトアミノフェン、リドカイン、ブピビカイン(bupivicaine)、オピオイド鎮痛薬、例えばブプレノルフィン、ブトルファノール、デキストロモラミド(dextromoramide)、デゾシン、デキストロプロポキシフェン、ジアモルフィン、フェンタニル、アルフェンタニル(alfentanil)、スフェンタニル(sufentanil)、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、ケトベミドン(ketobemidone)、レボメタジル(levomethadyl)、メピリジン(mepiridine)、メタドン、モルヒネ、ナルブフィン、アヘン、オキシコドン、パパベレタム(papaveretum)、ペンタゾシン、ペチジン、フェノペリジン(phenoperidine)、ピリトラミド(piritramide)、デキストロプロポキシフェン、レミフェンタニル(remifentanil)、チリジン(tilidine)、トラマドール、コデイン、ジヒドロコデイン、メプタジノール(meptazinol)、デゾシン、エプタゾシン(eptazocine)、フルピルチン(flupirtine) 又はそれらの組合せなどであるが、これらに限定されない。
鎮痛薬には、鎮痛作用を有する薬剤、例えばアミトリプチリン、カルバマゼピン、ガバペンチン、プレガバリン、又はそれらの組合せも含まれる。
デポーは筋弛緩薬を含有していてもよい。筋弛緩薬の例は(例として示すものであり、制限ではない)、塩化アルクロニウム、アトラクリウムベシレート(atracurium bescylate)、バクロフェン、カルボロニウム(carbolonium)、カリソプロドール(carisoprodol)、カルバミン酸クロルフェネシン、クロルゾキサゾン、シクロベンザプリン(cyclobenzaprine)、ダントロレン(dantrolene)、デカメトニウムブロミド(decamethonium bromide)、ファザジニウム(fazadinium)、ガラミントリエチオジド(gallamine triethiodide)、ヘキサフルオレニウム(hexafluorenium)、メラドラジン(meladrazine)、メフェンシン(mephensin)、メタキサロン(metaxalone)、メトカルバモール、メトクリンヨージド(metocurine iodide)、パンクロニウム、メシル酸プリジノール、スチラメート(styramate)、スキサメトニウム、スキセトニウム(suxethonium)、チオコルチコシド(thiocolchicoside)、チザニジン、トルペリゾン、ツボクアリン(tubocuarine)、ベクロニウム、又はこれらの組合せなどである。
クロニジンは非活性成分と共に投与してもよい。これらの非活性成分は、治療薬の担持、安定化及び放出制御といった多機能目的を有しうる。持続放出プロセスは、例えば溶液−拡散メカニズムによるものでも、又は浸食−持続プロセスによって制御されるものでもよい。典型的には、デポーは、生分解性でありうる生体適合性材料で構成された固体又は半固体製剤であろう。“固体”という用語は硬い材料を意味することを意図しているが、“半固体”はある程度の柔軟性を有し、ゆえにデポーを曲げて周囲組織の要件に従わせることが可能となる材料を意味することを意図している。
様々な態様において、非活性成分は、計画された薬物送達期間と等しい(生分解性成分の場合)又はそれより長い(非生分解性成分の場合)期間、組織部位内で耐久性を有する。例えば、デポー材料は、体温付近〜体温より高いが、治療薬の分解又は崩壊温度より低い融点又はガラス転移温度を有しうる。しかしながら、デポー材料の予め決められた浸食を利用して、担持された治療薬の緩徐な放出を提供することもできる。
様々な態様において、クロニジンは、治療薬がデポーの約5〜99wt%、又はデポーの30〜95wt%、又はデポーの50〜95wt%を構成するというような高い薬物配合量を有することもある。その残りは、任意の不活性材料を含むデポー材料である。
場合によっては、使用後に薬物デポーを取り出す必要性を回避するのが望ましいこともあろう。そのような場合、デポーは生分解性材料で構成されうる。この目的のために利用でき、標的組織又はその近傍に配置された場合に長時間かけて分解又は崩壊することができるという特徴を有する多数の材料がある。生分解性材料の化学機能として、分解プロセスのメカニズムは、加水分解的又は酵素的な性質、又はその両方でありうる。様々な態様において、その分解は、表面で(不均一又は表面浸食)又は薬物送達システムデポー全体にわたって一様に(均一又はバルク浸食)、のいずれかで起こりうる。
“デポー”は、カプセル、(マイクロ)スフェア、(マイクロ)粒子、(マイクロ)カプセル、(マイクロ)ファイバー、粒子、ナノスフェア、ナノ粒子、コーティング、マトリックス、ウェハース、ピル、ペレット、エマルジョン、リポソーム、ミセル、ゲル、又は他の薬剤送達用組成物又はそれらの組合せなどであるが、これらに限定されない。デポー用の適切な材料は、理想的には製薬学的に許容しうる生分解性及び/又は生体吸収性材料で、好ましくはFDA認可又はGRAS材料である。これらの材料は、ポリマー性又は非ポリマー性でも、合成又は天然でも、又はそれらの組合せであってもよい。
“生分解性”という用語は、薬物デポーのすべて又は一部が、酵素の作用によって、加水分解作用によって及び/又は人体内のその他の類似機序によって、時間経過と共に分解することを含む。様々な態様において、“生分解性”は、デポー(例えばマイクロ粒子、マイクロスフェアなど)が、治療薬の放出後又は放出中に体内で非毒性成分に崩壊又は分解できることを含む。“生体浸食性”とは、デポーが、少なくとも一部は、組織周辺にみられる物質、液体との接触のため、又は細胞作用によって時間経過とともに浸食又は分解されることを意味する。“生体吸収性”とは、デポーが分解され、例えば細胞又は組織によって人体内に吸収されることを意味する。“生体適合性”とは、デポーが標的組織部位で実質的な組織刺激又は壊死を起こさないことを意味する。
様々な態様において、デポーは、クロニジンの即時放出又は持続放出(徐放)を提供できる生体吸収性、生体吸収性及び/又は生分解性バイオポリマーを含みうる。適切な徐放性バイオポリマーの例は、ポリ(アルファ−ヒドロキシ酸)、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)(PLGA)、ポリラクチド(PLA)、ポリグリコリド(PG)、ポリ(アルファ−ヒドロキシ酸)のポリエチレングリコール(PEG)コンジュゲート、ポリオルトエステル、ポリアスピリン、ポリホスファゲン(polyphosphagenes)、コラーゲン、デンプン、予備ゼラチン化デンプン、ヒアルロン酸、キトサン、ゼラチン、アルギネート、アルブミン、フィブリン、ビタミンE類似体、例えばアルファ酢酸トコフェロール(トコフェリル)、d−アルファコハク酸トコフェロール、D,L−ラクチド、又はL−ラクチド、−カプロラクトン、デキストラン、ビニルピロリドン、ポリビニルアルコール(PVA)、PVA−g−PLGA、PEGT−PBTコポリマー(ポリアクティブ)、メタクリレート、ポリ(N−イソプロピルアクリルアミド)、PEO−PPO−PEO(プルロニック)、PEO−PPO−PAAコポリマー、PLGA−PEO−PLGA、PEG−PLG、PLA−PLGA、ポロキサマー407、PEG−PLGA−PEGトリブロックコポリマー、SAIB(スクロースアセテートイソブチレート)又はそれらの組合せなどであるが、これらに限定されない。
デポーは、所望により不活性材料を含有することもできる。例えば、緩衝剤及びpH調整剤、例えば炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、酢酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム又はリン酸ナトリウム;分解/放出調節剤;薬物放出調整剤;乳化剤;保存剤、例えば塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、酢酸フェニル水銀及び硝酸フェニル水銀、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、チメロサール、メチルパラベン、ポリビニルアルコール及びフェニルエチルアルコール;溶解度調整剤;安定剤;及び/又は凝集調節剤などである。典型的には、いずれかのそのような不活性材料は0〜75wt%の範囲内、さらに典型的には0〜30wt%の範囲内で存在する。デポーを脊髄領域に配置する場合、様々な態様において、該デポーは無菌の保存剤除去材料を含みうる。
デポーは様々なサイズ、形状及び構成であってよい。薬物デポーのサイズ、形状及び構成を決定するに当たって考慮されうるいくつかの要因がある。例えば、サイズ及び形状を考慮することにより、埋込み又は注入部位として選ばれる標的組織部位での薬物デポーの配置が容易になる。さらに、システムの形状及びサイズは、埋込み又は注入後、薬物デポーが動くのを最小限化又は防止するように選ばれるべきである。様々な態様において、薬物デポーは、球形、棒又は繊維のような円筒形、ディスク、フィルム又はシートのような平坦表面(例えばリボン様)などのように成形することができる。柔軟性を考慮すれば薬物デポーの配置が容易になるであろう。様々な態様において、薬物デポーは、様々なサイズであってよい。例えば、薬物デポーは、約0.5mm〜5mmの長さ及び約0.01〜約2mmの直径を有しうる。様々な態様において、薬物デポーは、約0.005〜1.0mm、例えば0.05〜0.75mmの層厚を有しうる。
様々な態様において、薬物デポーがリボン様ファイバーで構成される場合、切開部位にそれを留置してから該部位を閉じればよい。リボン様ファイバーは例えば熱可塑性材料で作ることができる。さらに、リボン様ファイバーとして使用するために有益でありうる特定材料は、徐放性バイオポリマーとして上で特定された化合物などであるが、それらに限定されない。リボン様ファイバーは、クロニジンをポリマーと混合することによって形成できる。
放射線マーカーを薬物デポー上に含めると、ユーザーはデポーを患者の標的部位に正確に配置することが可能になる。これらの放射線マーカーは、ユーザーが部位におけるデポーの移動及び分解を長時間にわたって追跡することも可能にする。この態様において、ユーザーは、多数の画像診断法のいずれかを用いて、デポーを部位に正確に配置できる。そのような画像診断法は、例えばX線イメージング又は蛍光透視法などである。そのような放射線マーカーの例は、バリウム、リン酸カルシウム、及び/又は金属ビーズもしくは粒子などであるが、これらに限定されない。様々な態様において、放射線マーカーは球形又はデポーを囲むリングであろう。
“徐放”又は“放出の持続”(延長放出又は制御放出とも呼ばれる)という語句は、本明細書では、ヒト又は他の哺乳動物の体内に導入され、一つ又は複数の治療薬のストリームを予め決められた期間、その予定期間の最初から最後まで所望の治療効果を達成するに足る治療的濃度で連続的に放出する一つ又は複数の治療薬のことを言う。連続的な放出ストリームと言う場合、薬物デポー、又はマトリックス又はそれらの成分のインビボでの生分解の結果として、又は治療薬もしくは治療薬のコンジュゲートの代謝変換又は溶解の結果として発生する放出を包含するものとする。
“即時放出”という語句は、本明細書では、体内に導入され、投与された場所で溶解又は吸収が可能な、薬物の溶解又は吸収の遅延又は延長が意図されない一つ又は複数の治療薬のことを言うのに使用される。
様々な態様において、デポーがゲルの場合、薬物デポーは、埋込み後最初の24時間以内に治療薬の初期バースト投与をもたらすように設計することができる。“初期バースト”又は“バースト効果”又は“ボーラス投与”とは、デポーが水性液(例えば滑液、脳脊髄液など)と接触後、最初の24時間中のデポーからの治療薬の放出のことを言う。“バースト効果”は、デポー(例えばゲル)が凝固又は硬化して固体又は半固体(ゴム状)のインプラントを形成する間、ゲルがまだ流動状態にある間のデポーからの治療薬の放出増大によるものであると考えられている。代替の態様において、デポー(例えばゲル)はこの初期バースト効果を回避するように設計される。
様々な態様において、ゲルは、約1〜約500センチポアズ(cps)、1〜約200cps、又は1〜約100cpsの範囲の投与前粘度を有する。ゲルを標的部位に投与後、ゲルの粘度は増大し、ゲルは、約1×10〜約6×10ダイン/cm、又は2×10〜約5×10ダイン/cm、又は5×10〜約5×10ダイン/cmの範囲の弾性率(ヤング率)を有するようになる。
一態様において、デポーはクロニジンを含む付着性ゲルを含む。クロニジンはゲル全体に均一に分配されている。ゲルは、前に示したように、任意の適切なタイプのものでよいが、配置された後、標的送達部位からゲルが移動しないように十分粘稠であるべきである。ゲルは実際、標的組織部位に“粘着”又は接着すべきである。ゲルは、例えば、標的組織と接触したら、又は標的送達システムから配置されたら固化しうる。標的送達システムは、例えば、シリンジ、カテーテル、ニードル又はカニューレ又はいずれかその他の適切なデバイスでありうる。標的送達システムはゲルを標的組織部位の内部又は上部に注入できる。治療薬は、ゲルを標的組織部位に配置する前にゲル内に混入すればよい。様々な態様において、ゲルは二成分送達システムの一部であってよく、その二成分が混合されると化学プロセスが活性化されてゲルが形成され、標的組織への粘着又は接着が起きる。
様々な態様において、送達後に硬化又は硬直するゲルが提供される。典型的には、硬化ゲル製剤は、約1×10〜約3×10ダイン/cm、又は2×10〜約2×10ダイン/cm、又は5×10〜約1×10ダイン/cmの範囲の投与前弾性率を有しうる。投与後の硬化ゲルは(送達後)、ゴム状稠度を有し、約1×10〜約2×10ダイン/cm、又は1×10〜約7×10ダイン/cm、又は2×10〜約5×10ダイン/cmの範囲の弾性率を有しうる。
様々な態様において、ポリマーを含有するようなゲル製剤の場合、ポリマー濃度はゲルが硬化する速度に影響を与えうる(例えば、高いポリマー濃度を有するゲルは低いポリマー濃度を有するゲルより迅速に凝固できる)。様々な態様において、ゲルが硬化すると、得られるマトリックスは固体であるが、組織の不規則な表面(例えば骨の陥凹及び/又は突起)に沿うことも可能である。
ゲル中に存在するポリマーの割合はポリマー性組成物の粘度にも影響を及ぼしうる。例えば、ポリマーの重量パーセンテージが高い組成物は、ポリマーの重量パーセンテージが低い組成物よりも通常濃厚で粘稠である。粘度の高い組成物ほどゆっくり流れる傾向にある。そこで、場合によっては低粘度の組成物の方が好適なこともある。
様々な態様において、ゲルの分子量は当該技術分野で公知の多数の方法によって変化させることができる。分子量を変化させるための方法の選択は、典型的にはゲルの組成(例えば、ポリマーか非ポリマーか)によって決定される。例えば、様々な態様において、ゲルが一つ又は複数のポリマーを含む場合、重合度は、ポリマー開始剤(例えば過酸化ベンゾイル)、有機溶媒又は活性剤(例えばDMPT)、架橋剤、重合剤、及び/又は反応時間の量を変化させることによって制御することができる。
適切なゲルポリマーは有機溶媒に可溶であろう。溶媒中のポリマーの溶解度は、ポリマーの結晶度、疎水性、水素結合及び分子量によって変動する。低分子量ポリマーは、通常、高分子量ポリマーよりも容易に有機溶媒に溶解する。高分子量ポリマーを含むポリマー性ゲルは、低分子量ポリマーを含むポリマー性組成物よりも迅速に凝固又は固化しやすい。高分子量ポリマーを含むポリマー性ゲル製剤は、低分子量ポリマーを含むポリマー性ゲルより高い溶液粘度も有する傾向にある。
ゲルを流動性ゲルであるように設計する場合、それは、ゲルに使用されるポリマーの分子量及び濃度によって、水の粘度ような低い粘度からペーストの粘度ような高い粘度まで変動させることができる。ゲルの粘度は、ポリマー性組成物を患者の組織にいずれか好都合な技術によって、例えば、刷毛塗り、点滴、注入又は塗布によって適用できるように変動させることができる。様々なゲル粘度は、組成物を適用するのに使用される技術に合わせて決定される。
様々な態様において、ゲルは固有粘度(“I.V.”と略し、単位はデシリットル/グラムである)を有する。これは、ゲルの分子量及び分解時間の尺度となる(例えば、高い固有粘度を有するゲルは高い分子量及び長い分解時間を有する)。典型的には、高分子量を有するゲルはより強固なマトリックスを提供し、該マトリックスは分解により時間がかかる。これに対し、低分子量を有するゲルはより迅速に分解し、より柔らかいマトリックスを提供する。様々な態様において、ゲルは、固有粘度で示すと約0.10dL/g〜約1.2dL/ g又は約0.10dL/g〜約0.40dL/gの分子量を有する。
様々な態様において、ゲルは約300〜約5,000センチポアズ(cp)の粘度を有することができる。他の態様において、ゲルは室温で約5〜約300cps、約10cps〜約50cps、約15cps〜約75cpsの粘度を有することができる。ゲルは、所望により、粘度増強剤、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びその塩、Carbopol、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(メトキシエチルメタクリレート)、ポリ(メトキシエトキシエチルメタクリレート)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、メチルメタクリレート(MMA)、ゼラチン、ポリビニルアルコール、プロピレングリコール、PEG200、PEG300、PEG400、PEG500、PEG600、PEG700、PEG800、PEG900、PEG1000、PEG1450、PEG3350、PEG4500、PEG8000又はそれらの組合せを有していてもよい。
ある用途にとっては高粘度を有するゲルが望ましいこともあろう。例えば、パテ様の稠度を有するゲルは、骨再生用途にはより好適でありうる。様々な態様において、ポリマーがゲルに使用される場合、ポリマー性組成物は約10wt%〜約90wt%又は約30wt%〜約60wt%のポリマーを含む。
様々な態様において、ゲルは、合成又は天然由来の高分子量生体適合性弾性ポリマーでできたヒドロゲルである。ヒドロゲルが持つべき望ましい性質は、人体内で機械的ストレス、特に剪断応力及び荷重に迅速に応答する能力である。
天然源から得られるヒドロゲルは、より生分解性及び生体適合性の傾向が高いので、インビボ用途にとって特に魅力的である。適切なヒドロゲルは、天然ヒドロゲル、例えばゼラチン、コラーゲン、シルク、エラスチン、フィブリン及び多糖由来ポリマー、例えばアガロース、及びキトサン、グルコマンナンゲル、ヒアルロン酸、多糖類、例えば架橋カルボキシル含有多糖類、又はそれらの組合せなどである。合成ヒドロゲルは、ポリビニルアルコール、アクリルアミド、例えばポリアクリル酸及びポリ(アクリロニトリル−アクリル酸)、ポリウレタン、ポリエチレングリコール(例えばPEG3350、PEG4500、PEG8000)、シリコーン、ポリオレフィン、例えばポリイソブチレン及びポリイソプレン、シリコーンとポリウレタン、ネオプレン、ニトリルのコポリマー、加硫ゴム、ポリ(N−ビニル−2−ピロリドン)、アクリレート、例えばポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)及びアクリレートとN−ビニルピロリドン、N−ビニルラクタム、ポリアクリロニトリルとのコポリマー、又はそれらの組合せから形成されるものなどであるが、これらに限定されない。ヒドロゲル材料は、必要に応じて、更なる強度を提供するためにさらに架橋させてもよい。異なるタイプのポリウレタンの例は、熱可塑性又は熱硬化性ポリウレタン、脂肪族又は芳香族ポリウレタン、ポリエーテルウレタン、ポリカーボネート−ウレタン又はシリコーンポリエーテル−ウレタン、又はそれらの組合せなどである。
様々な態様において、治療薬をゲルに直接混合するより、クロニジンを担持したマイクロスフェアをゲル内に分散させることもできる。一態様において、マイクロスフェアはクロニジンの持続放出を提供する。さらに別の態様において、生分解性であるゲルは、マイクロスフェアがクロニジンを放出するのを防止する。従って、マイクロスフェアは、ゲルから放出されるまでクロニジンを放出しない。例えば、ゲルは標的組織部位(例えば神経根)の周囲に配置されうる。ゲル内に分散されているのは、所望の治療薬を被包した多数のマイクロスフェアである。これらのマイクロスフェアの一部は、ひとたびゲルから放出されると分解し、クロニジンを放出する。
マイクロスフェアは、流体とよく似て、周囲の組織タイプに応じて比較的迅速に分散できるので、クロニジンも分散される。ある状況ではこれが望ましいかもしれないが、他の状況では、クロニジンを範囲の明確な標的部位にしっかり拘束しておく方が望ましいこともある。本発明は、治療薬の分散をこのように拘束するために付着性ゲルの使用も想定している。これらのゲルは、例えば、円板腔に、脊柱管に、又は周辺組織に配置できる。
カニューレ又はニードル
当業者であれば、デポーは、カニューレ又はニードルを用いて標的部位に投与できることは分かるであろう。カニューレ又はニードルは、薬物送達デバイス、例えばシリンジ、銃型薬物送達デバイス、又は薬物を標的器官又は解剖学的領域に適用するのに適切ないずれかの医療用デバイスなどの一部でありうる。薬物デポー用デバイスのカニューレ又はニードルは、患者に対する身体的及び心理的傷害が最小限になるように設計されている。
カニューレ又はニードルは、例えば、ポリウレタン、ポリウレア、ポリエーテル(アミド)、PEBA、熱可塑性弾性オレフィン、コポリエステル、及びスチレン性熱可塑性エラストマー、スチール、アルミニウム、ステンレススチール、チタン、非鉄金属含有量が高く鉄の相対的比率が低い金属合金、カーボンファイバー、ガラスファイバー、プラスチック、セラミック又はそれらの組合せなどの材料から製造できるチューブなどである。カニューレ又はニードルは、所望により一つ又は複数の先細領域を含んでいてもよい。様々な態様において、カニューレ又はニードルは面取りされていてもよい。カニューレ又はニードルは、埋込み部位に応じて患者を正確に処置するのに極めて重要な先端形状も有しうる。先端形状の例は、例えば、Trephine、Cournand、Veress、Huber、Seldinger、Chiba、Francine、Bias、Crawford、偏向チップ、Hustead、Lancet、又はTuoheyなどである。様々な態様において、カニューレ又はニードルは、ノンコアリング(non-coring)で、無用の針刺しを回避するためにそれをカバーする鞘(シース)を有していてもよい。
中空カニューレ又はニードルの寸法は、とりわけ埋込みの部位に左右される。例えば、硬膜上腔の幅は胸部で約3〜5mm、腰部で約5〜7mmしかない。従って、ニードル又はカニューレは、様々な態様において、これらの特定領域に合わせて設計できる。様々な態様において、カニューレ又はニードルは、経孔的アプローチを用いて、脊椎孔空間、例えば炎症を起こした神経根に沿って挿入され、その状態を治療するために薬物デポーがこの部位に埋め込まれる。典型的には、経孔的アプローチは、椎間孔を通って椎間腔に進入することを含む。
カニューレ又はニードルの長さのいくつかの例は、長さ約50〜150mm、例えば小児の硬膜外に使用する場合約65mm、標準成人の場合約85mm、及び肥満成人患者の場合約110mmなどであるが、これらに限定されない。カニューレ又はニードルの厚さも埋込み部位に左右される。様々な態様において、厚さは、約0.05〜約1.655mmなどであるが、これに限定されない。カニューレ又はニードルのゲージは、ヒト又は動物体内への挿入のために、最大又は最小直径でも、その中間の直径でもよい。最大直径は典型的には約14ゲージであるが、最小直径は約22ゲージである。様々な態様において、ニードル又はカニューレのゲージは約18〜約22ゲージである。
様々な態様において、薬物デポー及び/又はゲルと同様、カニューレ又はニードルにも皮下の部位又はその近傍の位置を示す線量放射線マーカーが含まれる。そうすると、ユーザーは、多数の画像診断法のいずれかを用いて、部位又はその近傍にデポーを正確に配置できる。そのような画像診断法は、例えばX線イメージング又は蛍光透視法などである。そのような放射線マーカーの例は、バリウム、リン酸カルシウム、及び/又は金属ビーズもしくは粒子などであるが、これらに限定されない。
様々な態様において、ニードル又はカニューレは、超音波、蛍光透視法、x線、又はその他の画像化技術によって視覚化できる透明又は半透明部分を含みうる。そのような態様においては、透明又は半透明部分は放射線不透過材料又は超音波応答トポグラフィーを含んでおり、該材料又はトポグラフィーが存在しないのと比べてニードル又はカニューレのコントラストが増大する。
薬物デポー、及び/又は薬物を投与するための医療用デバイスは滅菌可能でありうる。様々な態様において、薬物デポーの一つ又は複数の成分、及び/又は薬物投与のための医療用デバイスは、最終包装時のターミナル(終末)滅菌ステップで放射線によって滅菌される。製品のターミナル滅菌は、個々の製品コンポーネントを別々に滅菌し、滅菌環境で最終包装品にまとめることを必要とする無菌プロセスのようなプロセス由来の製品より大きい滅菌保証を提供する。
典型的には、様々な態様において、ガンマ線がターミナル滅菌ステップに使用される。これは、デバイスに深く透過するガンマ線からのイオン化エネルギーを利用するものである。ガンマ線は微生物の殺菌効果が非常に高く、残留物も残さず、デバイスに放射能を付与するほどのエネルギーも持たない。ガンマ線はデバイスが包装されている場合でも使用でき、ガンマ滅菌は高圧も真空条件も必要としないので、包装シール及びその他のコンポーネントはストレスを受けない。さらに、ガンマ線は、透過性の包装材料の必要性も排除する。
様々な態様において、電子ビーム(eビーム)放射線もデバイスの一つ又は複数のコンポーネントの滅菌に使用することができる。eビーム放射線は、一般的に低透過及び高線量率を特徴とするイオン化エネルギーの形態を含む。eビーム照射は、微生物の生殖細胞を含め、接触により様々な化学的及び分子的結合を変更するという点でガンマ処理と類似している。eビーム滅菌用に発生させるビームは、電気の加速及び変換によって発生させた濃縮された高電荷の電子ストリームである。eビーム滅菌は、例えば薬物デポーがゲルに含まれる場合に使用できる。
他の方法もデポー及び/又はデバイスの一つ又は複数のコンポーネントの滅菌に使用できる。例えばエチレンオキシドを用いたガス滅菌又はスチーム滅菌などであるが、これらに限定されない。
様々な態様において、薬物デポー及び/又は一緒に組み合わされた医療用デバイス(薬物デポー(例えばリボン様ファイバー)を埋め込むのに使用される)、及び追加の部品を含みうるキットが提供される。キットは、第一のコンパートメントに薬物デポー用デバイスを含みうる。第二のコンパートメントは薬物デポーを入れたキャニスター及び局所薬物送達に必要な何らかのその他の器具を含みうる。第三のコンパートメントは、手袋、ドレープ、創傷包帯及び埋込みプロセスの滅菌性を維持するためのその他の操作手順上の備品、並びに取扱説明書を含みうる。第四のコンパートメントは追加のカニューレ及び/又はニードルを含みうる。各用具は放射線滅菌されたプラスチック袋に別個に包装されていてよい。キットのカバーには埋込み手順のイラストが付いていてもよく、コンパートメント上には滅菌性を維持するために透明プラスチックカバーがかけられていてもよい。
薬物送達
様々な態様において、治療薬を患者の手術部位に送達するための方法を提供する。該方法は、カニューレを標的組織部位又はその近傍に挿入し、薬物デポーを患者の皮下の標的部位に埋め込み、標的部位にゲルを刷毛塗り、点滴、注入、又は塗布して薬物デポーを標的部位に保持又は接着させることを含む。このようにして、薬物デポーの標的部位からの望まざる移動が削減又は排除される。
様々な態様において、薬物デポーを内部に分散させたゲルを所望部位に投与するには、まず、カニューレ又はニードルを皮膚及び軟組織を通って標的組織部位に挿入し、ゲルを標的部位又はその近傍に投与(例えば、刷毛塗り、点滴、注入、又は塗布など)すればよい。薬物デポーがゲルと別になっている態様においては、まず、カニューレ又はニードルを皮膚及び軟組織を通って注入部位に挿入し、ゲルの一つ又は複数のベース層を標的部位に投与することができる。一つ又は複数のベース層の投与後、薬物デポーをそのベース層の上又は中に埋め込めばよい。その結果、ゲルはデポーを所定の場所に保持できる又は移動を削減できる。必要ならば、次のゲル層(一つ又は複数)を薬物デポーの上に適用してデポーを包囲し、それをさらに所定の場所に保持することもできる。あるいは、薬物デポーを最初に埋め込み、その後それを所定の場所に保持するために、ゲルを薬物デポーの周囲に配置(例えば、刷毛塗り、点滴、注入、又は塗布など)してもよい。ゲルを使用することにより、薬物デポーの正確で精密な埋込みが、患者への最小限の身体的及び心理的傷害で達成できる。ゲルは、薬物デポーを標的部位に縫合する必要性もなくすので、患者への身体的及び心理的傷害が削減される。
様々な態様において、標的部位が脊椎領域を含む場合、液(例えば脊髄液など)の一部をまず標的部位からカニューレ又はニードルを通じて抜き取った後、デポーを投与(例えば、配置、点滴、注入、又は埋込みなど)することができる。標的部位は再水和する(例えば液の再補給)。すると、この水性環境がデポーからの薬物の放出を引き起こす。
疾患又は状態の治療(treating又はtreatment)とは、疾患の徴候又は症状を緩和しようとして、患者(ヒト、他の正常又はそれ以外)に一つ又は複数の薬物を投与することを含みうるプロトコルを実行することである。緩和は、疾患又は状態の徴候又は症状の発現後だけでなく発現前にも起こりうる。従って、“治療(treating又はtreatment)”は、疾患又は望ましくない状態の“予防(preventing又はprevention)”も含む。さらに、“治療(treating又はtreatment)”は、徴候又は症状の完全緩和を要求せず、治癒を要求せず、具体的には患者に対してごくわずかな効果しかないプロトコルも含む。例えば、有効用量のクロニジンの投与は、手術に付随する筋痙直の症状を筋線維の弛緩を通じて予防、治療又は軽減するために使用できる。
“局所”送達は、一つ又は複数の薬物を、組織内、例えば神経系の神経根又は脳の領域内、又はそれにごく接近した場所(例えば約10cm以内、又は好ましくは約5cm以内)に置く送達を含む。“標的送達システム”は、疼痛、炎症又はその他の疾患もしくは状態の治療の必要に応じて標的部位又はその近傍に配置できる一つ又は複数の薬物デポー、ゲル又はゲル中に分散され一定量の治療薬を有するデポーの送達を提供する。
図1に、手術が行われる部位となりうる患者体内のいくつかの一般的位置を示す。図1に示された位置は、手術が行われうる患者体内の多くの異なる位置の単なる例示にすぎないことは分かるであろう。例えば、手術は、患者の膝21、臀部22、指23、親指24、頸部25、及び脊柱26で必要となりうる。従って、これらの手術中又は術後、患者は筋痙直にさらされる可能性がある。
“疼痛管理薬物療法”という用語は、疼痛を完全に防止、緩和又は除去するために投与される一つ又は複数の治療薬を含む。これらには、抗炎症薬、筋弛緩薬、鎮痛剤、麻酔薬、麻薬など、及びそれらの組合せが含まれる。
疼痛管理(例えば神経障害痛管理)、筋痙直治療、手術に伴う振戦の防止及び/又はその他の状態の治療(例えば坐骨神経痛)に使用するのにデポーが適している一つの例示的態様を図2に示す。図2に概略的に示されているのは、脊椎の背面図及び薬物デポーが挿入されうる部位である。薬物デポーは、カニューレ又はニードルを用いて皮膚34の下、脊椎部位32(例えば、脊椎円板腔、脊柱管、脊椎を囲む軟組織、神経根など)に挿入でき、一つ又は複数の薬物デポー28及び32は脊椎に沿って様々な部位に送達される。このように、いくつかの薬物デポーを埋め込むことになる場合、それらは、位置、正確な間隔、及び薬物分布が最適化されるように埋め込まれる。
上記のように脊椎部位が示されているが、薬物デポーは皮下の任意の部位に送達できる。例えば、少なくとも一つの筋肉、靱帯、腱、軟骨、脊椎円板、脊椎孔空間、脊髄神経根付近、又は脊柱管などであるが、これらに限定されない。
ある態様において、クロニジンは、例えばクロニジンによって発生しうる血圧低下などの望ましくない作用に拮抗するためのアンタゴニストと共投与するのが好ましい。例示的アンタゴニストは、フェントラミン、ヨヒンビン、トラゾリン及びピペロキサン(piperoxane)などであるが、これらに限定されない。さらに、5−フルオロデオキシウリジン(FUDR)及び3,4デヒドロプロレン(dehydroprolene)のような化合物も含まれうる。これらの化合物は、一部のタイプの手術に付随するグリア性及び線維芽細胞性瘢痕形成を防止又は軽減できる。
本発明のクロニジンをベースにした配合処方は、医薬製剤の形態で医薬品として使用できる。製剤は、固体又は液体及び有機又は無機でありうる適切な製薬学的担体と投与する場合に形成されうるもので、非経口又は他の所望の投与に適切な形態にすることができる。当業者には周知の通り、公知の担体は、水、ゼラチン、ラクトース、デンプン、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、シカリルアルコール(sicaryl alcohol)、タルク、植物油、ベンジルアルコール、ゴム、ろう、プロピレングリコール、ポリアルキレングリコール及び医薬品用のその他の公知担体などであるが、これらに限定されない。
本発明の別の態様は、手術に伴う筋痙直に苦しむ哺乳動物の治療法に向けられており、前記方法は、治療上有効な量のクロニジンを皮下の標的部位に投与して該標的部位又はその近傍の筋肉を弛緩させることを含む。クロニジン(又は製薬学的に許容しうる塩)は、例えば、薬物デポーとして標的組織部位に局所投与できる。“局所”という用語は、対象部位の近くであって、薬物が放出された場合に有効量のクロニジンがその部位に到達するような場所のことである。
“哺乳動物”という用語は“哺乳類”に分類される生物のことで、ヒト、その他の霊長類、例えばチンパンジー、類人猿、オランウータン及びサル、ラット、マウス、ネコ、イヌ、ウシ、ウマなどを含むが、これらに限定されない。
“放出速度(率)プロフィール”という語句は、一定の単位時間に放出される活性成分のパーセンテージのことを言い、例えばmcg/時、mcg/日、1日10%10日間などによって表される。当業者には分かる通り、放出速度プロフィールは直線でありうるが、必ずしもそうでなくてもよい。非制限的例として、薬物デポーは、クロニジンを一定期間にわたって放出するリボン様ファイバーでありうる。
ある態様において、治療上有効な投与量及び放出速度プロフィールは、前記筋線維を5〜12日間弛緩させるに十分である。他の態様において、放出速度プロフィールは筋線維を7〜10日間弛緩させるに十分である。
薬物デポーは、抗炎症薬、鎮痛剤、骨格筋弛緩薬、骨誘導同化成長因子、抗異化成長因子又はそれらの組合せを含む他の活性成分も含んでいてよい。あるいは、異なる活性成分を有する別の薬物デポーを同時投与してもよい。
例えば、薬物デポーは、クロニジンのほかに活性成分を含んでいてもよい。活性成分は、様々な態様において、炎症カスケードにおけるTNF−α又はその他のタンパク質の転写又は翻訳をブロックする。適切な活性成分は、インテグリンアンタゴニスト、アルファ−4−ベータ−7インテグリンアンタゴニスト、細胞接着阻害薬、インターフェロンガンマアンタゴニスト、CTLA4−Igアゴニスト/アンタゴニスト(BMS−188667)、CD40リガンドアンタゴニスト、ヒト化抗IL−6 mAb(MRA,Tocilizumab,Chugai)、HMGB−1 mAb(Critical Therapeutics Inc.)、抗IL2R抗体(ダクリズマブ(daclizumab)、バシリシマブ(basilicimab))、ABX(抗IL−8抗体)、組換えヒトIL−10、又はHuMax IL−15(抗IL−15抗体)などであるが、これらに限定されない。
その他の適切な活性成分は、IL−1阻害薬、例えばKineret(登録商標)(アナキンラ){これは、組換え非グリコシル化形のヒトインターロイキン−1受容体アンタゴニスト(IL−1Ra)である}、又はAMG 108{これは、IL−1の作用をブロックするモノクローナル抗体である}などである。活性成分は、グルタミン酸及びアスパラギン酸のような興奮性アミノ酸、グルタミン酸のNMDA受容体、AMPA受容体、及び/又はカイニン酸受容体への結合のアンタゴニスト又は阻害薬も含む。例えば、インターロイキン−1受容体アンタゴニスト、サリドマイド(TNF−α放出阻害薬)、サリドマイド類似体(マクロファージによるTNF−α産生を削減する)、骨形成タンパク質(BMP)タイプ2及びBMP−4(TNF−αアクチベーターであるカスパーゼ8の阻害薬)、キナプリル(TNF−αをアップレギュレートするアンギオテンシンIIの阻害薬)、インターフェロン類、例えばIL−11(TNF−α受容体発現を調節する)、及びアウリン−トリカルボン酸(TNF−αを阻害する)も、炎症を低減するための活性成分として有用でありうる。望ましい場合、上記のペグ化形も使用できると考えている。その他の活性成分の例は、NFカッパB阻害薬、例えばグルココルチコイド、抗酸化剤、例えばジチオカルバメート、及びその他の化合物、例えばスルファサラジンなどである。
抗炎症薬は、サリチレート、ジフルニサル、スルファサラジン、インドメタシン、イブプロフェン、ナプロキセン、トルメチン、ケトロラク、ジクロフェナク、ケトプロフェン、フェナメート(メフェナム酸、メクロフェナム酸)、エノール酸(ピロキシカム、メロキシカム)、ナブメトン、セレコキシブ、エトドラク、ニメスリド(nimesulide)、アパゾン、金、スリンダク又はテポキサリン(tepoxalin);抗酸化剤、例えばジチオカルバメート、及びその他の化合物、例えばスルファサラジン[2−ヒドロキシ−5−[−4−[C2−ピリジニルアミノ)スルホニル]アゾ]安息香酸]、ステロイド、例えばフルオシノロン、コルチゾール、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、フルドロコルチゾン(fludrocortisone)、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、トリアムシノロン、ベタメタゾン、デキサメタゾン、ベクロメタゾン、フルチカゾン又はそれらの組合せなどであるが、これらに限定されない。
適切な同化成長又は抗異化成長因子は、骨形成タンパク質、成長分化因子、LIM無機化タンパク質、CDMP又は前駆細胞、又はそれらの組合せなどであるが、これらに限定されない。
適切な鎮痛剤は、アセトアミノフェン、リドカイン、ブピビカイン(bupivicaine)、オピオイド鎮痛薬、例えばブプレノルフィン、ブトルファノール、デキストロモラミド(dextromoramide)、デゾシン、デキストロプロポキシフェン、ジアモルフィン、フェンタニル、アルフェンタニル(alfentanil)、スフェンタニル(sufentanil)、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、ケトベミドン(ketobemidone)、レボメタジル(levomethadyl)、メピリジン(mepiridine)、メタドン、モルヒネ、ナルブフィン、アヘン、オキシコドン、パパベレタム(papaveretum)、ペンタゾシン、ペチジン、フェノペリジン(phenoperidine)、ピリトラミド(piritramide)、デキストロプロポキシフェン、レミフェンタニル(remifentanil)、チリジン(tilidine)、トラマドール、コデイン、ジヒドロコデイン、メプタジノール(meptazinol)、デゾシン、エプタゾシン(eptazocine)、フルピルチン(flupirtine) 又はそれらの組合せなどであるが、これらに限定されない。
鎮痛薬には、鎮痛作用を有する薬剤、例えばアミトリプチリン、カルバマゼピン、ガバペンチン、プレガバリン、又はそれらの組合せも含まれる。
デポーは筋弛緩薬を含有していてもよい。筋弛緩薬の例は(例として示すものであり、制限ではない)、塩化アルクロニウム、アトラクリウムベシレート(atracurium bescylate)、バクロフェン、カルボロニウム(carbolonium)、カリソプロドール(carisoprodol)、カルバミン酸クロルフェネシン、クロルゾキサゾン、シクロベンザプリン(cyclobenzaprine)、ダントロレン(dantrolene)、デカメトニウムブロミド(decamethonium bromide)、ファザジニウム(fazadinium)、ガラミントリエチオジド(gallamine triethiodide)、ヘキサフルオレニウム(hexafluorenium)、メラドラジン(meladrazine)、メフェンシン(mephensin)、メタキサロン(metaxalone)、メトカルバモール、メトクリンヨージド(metocurine iodide)、パンクロニウム、メシル酸プリジノール、スチラメート(styramate)、スキサメトニウム、スキセトニウム(suxethonium)、チオコルチコシド(thiocolchicoside)、チザニジン、トルペリゾン、ツボクアリン(tubocuarine)、ベクロニウム、又はこれらの組合せなどである。
ある態様において、クロニジンは、(マイクロ)粒子、(マイクロ)スフェア、(マイクロ)カプセル及び/又は(マイクロ)ファイバーを含む複数のデポーに被包される。
ある態様において、クロニジン又はクロニジンの一部は、クロニジンの即時放出を提供するために標的組織でボーラス用量として投与される。
ある態様において、術後痙直の治療に有用な組成物を提供し、該組成物は術後の手術部位に投与することが可能な有効量のクロニジンを含む。
ある態様において、埋込み可能な薬物デポー中に有効量のクロニジンを含む徐放性組成物を提供する。前記クロニジンは5〜12日間痙直を軽減する量で存在し、前記埋込み可能な薬物デポーは、前記期間にわたってクロニジンの持続放出を促進する量で存在する。ある態様において、該期間は7〜10日間である。
ある態様において、薬物デポー中に有効量のクロニジンを含む即時放出組成物を提供する。前記クロニジンは痙直を軽減する量で存在し、前記薬物デポーは、クロニジンの即時放出を促進する量で存在する。
ある態様において、手術に伴う筋痙直に苦しむ哺乳動物を治療するための方法を提供する。前記方法は、治療上有効量のクロニジンを皮下の標的部位に投与して該標的部位又はその近傍の筋肉を弛緩させることを含み、前記治療上有効量は痙直の発症を防止する。“防止する”という用語は、状態の発症前に与えられる予防的投与のことを言うために使用される。好ましくは、量は、術後12日まで、例えば術後5〜12日間又は7〜10日間我々に起こりうる何らかの痙直を軽減するのに十分であり、そのための形態で提供される。
ある態様において、埋込み可能な薬物デポーを提供し、前記薬物デポーは、(i)皮下の部位でボーラス用量のクロニジン又はその製薬学的に許容しうる塩を放出する一つ又は複数の即時放出層;及び(ii)5〜12日間にわたって有効量のクロニジン又はその製薬学的に許容しうる塩を放出する一つ又は複数の持続放出層を含む。一つ又は複数の即時放出層は、例えばポリ(ラクチド−コ−グリコリド)(PlGA)を含みうる。一つ又は複数の持続放出層は、例えばポリラクチド(PLA)を含みうる。
ある態様において、埋込み可能な薬物デポーの製造法を提供する。該方法は、生体適合性ポリマーと治療上有効量のクロニジン又はその製薬学的に許容しうる塩とを組み合わせ、該組合せから埋込み可能な薬物デポーを形成することを含みうる。
ある態様において、クロニジンをまずポリマーと配合して第一の薬物デポー成分を製造する。この第一の配合生成物においてクロニジンは、例えば製剤の0.5重量%〜20重量%、製剤の1重量%〜15重量%又は製剤の2.5重量%〜10重量%を構成する。製剤の残りは、ポリマーだけのこともあれば、又は賦形剤、界面活性剤又はその他の不活性成分を含むこともある。
ある態様において、用量は約0.0005〜約100μg/kg/日である。さらなるクロニジンの用量は、約0.0005〜約95μg/kg/日;約0.0005〜約90μg/kg/日;約0.0005〜約85μg/kg/日;約0.0005〜約80μg/kg/日;約0.0005〜約75μg/kg/日;約0.001〜約70μg/kg/日;約0.001〜約65μg/kg/日;約0.001〜約60μg/kg/日;約0.001〜約55μg/kg/日;約0.001〜約50μg/kg/日;約0.001〜約45μg/kg/日;約0.001〜約40μg/kg/日;約0.001〜約35μg/kg/日;約0.0025〜約30μg/kg/日;約0.0025〜約25μg/kg/日;約0.0025〜約20μg/kg/日;及び約0.0025〜約15μg/kg/日などでありうる。別の態様において、クロニジンの用量は約0.005〜約15μg/kg/日である。別の態様において、クロニジンの用量は約0.005〜約10μg/kg/日である。別の態様において、クロニジンの用量は約0.005〜約5μg/kg/日である。別の態様において、クロニジンの用量は約0.005〜約20μg/kg/日である。ある態様において、用量は1日200〜600mgであり、ヒトに適用される。
ある態様において、薬物デポー中に配合された十分な量のクロニジンを使用して、体重1キログラムあたり少なくとも1マイクログラム、又は体重1キログラムあたり少なくとも約2〜8マイクログラム、又は体重1キログラムあたり少なくとも約3〜6マイクログラムの血漿中又は血中濃度を達成するのが望ましい。さらに、ある態様において、単一徐放性製剤の薬物デポー中に十分な量のクロニジンを使用して、これらの血漿中又は血中濃度を術後12日まで、例えば5〜12日間又は7〜10日間持続させるのが望ましい。
ある態様において、クロニジンは非経口、例えば注入によって投与される。ある態様において、注入は髄腔内である。これは脊柱管(脊髄を取り囲む髄腔内空間)への注入のことである。注入は筋肉又は他の組織へのこともある。他の態様において、クロニジンは、手術自体の間に、開かれた患者の腔内に配置することによって投与される。
本明細書中に記載されている様々な態様に対し、本明細書中の教示の精神又は範囲から離れることなく多様な変更及び変形が可能であることは当業者には明白であろう。従って、様々な態様は、本教示の範囲内で、様々な態様のその他の変更及び変形もカバーするものとする。
21 膝
22 臀部
23 指
24 親指
25 頸部
26 脊柱
28 薬物デポー
30 脊椎部位
32 薬物デポー
34 皮膚

Claims (14)

  1. 手術に付随する筋痙直及び/又は振戦に苦しむ哺乳動物の治療法であって、前記方法は、治療上有効量のクロニジン又はその製薬学的に許容しうる塩を皮下の標的組織部位に投与して該標的組織部位又はその近傍の筋肉を弛緩させることを含む方法。
  2. 前記クロニジンが標的組織部位に薬物デポーとして局所投与される、請求項1に記載の方法。
  3. 薬物デポーが、一定期間にわたってクロニジンを放出するリボン様ファイバーである、請求項1に記載の方法。
  4. 前記治療上有効量及び前記放出が、前記筋肉を7〜10日間弛緩させるのに十分である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記投与が、ボーラス用量のクロニジンを標的組織部位に導入することを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 術後の筋痙直及び/又は振戦の治療に有用な組成物であって、術後の手術部位への投与が可能な、有効量のクロニジン又はその製薬学的に許容しうる塩を含む組成物。
  7. 有効量のクロニジン又はその製薬学的に許容しうる塩を埋込み可能な薬物デポー中に含む徐放性組成物であって、前記クロニジン又はその製薬学的に許容しうる塩は、術後筋痙直及び/又は振戦を5〜12日間軽減する量で存在し、前記埋込み可能な薬物デポーは、前記期間にわたってクロニジンの持続放出を促進する徐放性組成物。
  8. 前記期間が7〜10日間である、請求項7に記載の徐放性組成物。
  9. 有効量のクロニジン又はその製薬学的に許容しうる塩を薬物デポー中に含む即時放出組成物であって、前記クロニジン又はその製薬学的に許容しうる塩は、術後筋痙直及び/又は振戦を軽減する量で存在し、前記薬物デポーは、クロニジンの即時放出を促進する量で存在する即時放出組成物。
  10. 手術に付随する筋痙直に苦しむ哺乳動物の治療法であって、前記方法は、治療上有効量のクロニジン又はその製薬学的に許容しうる塩を皮下の標的組織部位に投与して該標的組織部位又はその近傍の筋肉を弛緩させることを含み、前記治療上有効量は痙直の発症を防止する方法。
  11. 前記クロニジンが標的組織部位に薬物デポーとして局所投与される、請求項10に記載の方法。
  12. 薬物デポーが、一定期間にわたってクロニジンを放出するリボン様ファイバーである、請求項11に記載の方法。
  13. 前記治療上有効量が、前記筋肉を7〜10日間弛緩させるのに十分である、請求項10に記載の方法。
  14. 前記投与が、クロニジンの即時放出を提供するためにボーラス用量のクロニジンを標的組織部位に導入することを含む、請求項10に記載の方法。
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