JP2011514162A - 炎症性腸疾患および過敏性腸症候群のバイオマーカー - Google Patents

炎症性腸疾患および過敏性腸症候群のバイオマーカー Download PDF

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Abstract

本発明は組成物および炎症性腸疾患および過敏性腸症候群の診断かつ/または区別における該組成物の使用を提供する。

Description

(発明の属する技術分野)
本発明は、包括的に、核酸、核酸検出および腸障害の分野に関する。
(相互参照)
本願は、2008年3月14日出願の米国仮特許出願出願番号第61/036,632号および2008年9月15日出願の米国仮特許出願出願番号第61/097,109号の優先権を主張する。両出願全体を本願に援用する。
過敏性腸症候群(IBS)は、腹痛、便秘および下痢のうちの少なくとも一つを特徴とする慢性症状である。IBSは非常に一般的であり、胃腸科専門医の診察を受ける人の20〜50%を占める。IBSでは胃腸管の損傷は起こらず、結腸癌または大腸炎等のより重度の胃腸症状と関連するものでもなければ、かかる胃腸症状に発展するものでもなく、IBSは症状の緩和、食事の変更、およびストレス管理術を目的とした薬物で制御可能である場合が多い。しかしながら、IBSと確定診断され、したがって治療の適切な方針が設定される前に、より多くの重度な症状は排除されなければならない。
炎症性腸疾患(IBD)は、腸管の炎症を引き起こす少なくとも2つの別個の疾患を指す。すなわち、潰瘍性大腸炎が結腸を冒しつつ、クローン病が小腸の最後の部分を最も頻繁に冒す(もっとも、消化管の任意の部分も攻撃する可能性がある)。IBDはIBSに比較すると発症が稀であるが、IBD患者はIBS患者と同じ多くの症状を経験する場合があるため、IBDの診断は複雑となっている。さらに、IBD患者は結腸癌になる危険性がより高い。現在、IBDは、侵襲性の高い方法である結腸内視鏡検査によってのみ確定診断可能となっているが、この侵襲的方法でさえ、結腸内視鏡検査を受けている患者の約10%は診断することができない(非特許文献1)。IBDは抗炎症薬、免疫抑制剤および損傷組織を除去する外科手術のうちの少なくとも一つで治療され得る。
Burczynski, J. Mol. Diag. 8(1): 51 (2006)
したがって、IBDとIBSを区別可能な、より優れてより特異性の高い診断検査が当該技術分野で必要とされている。
第1態様では、本発明は、2〜35個の異なる核酸プローブセットから成るバイオマーカーであって、
(a)配列番号4(TH1L)、配列番号11(HIST1H2AC)、配列番号12(TFE3)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号13(NONO)、配列番号14(PCBP1)、配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号10(PPP2R5A)、配列番号15(PGRMC1)、配列番号3(BLCAP)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号16(HMGB1)および配列番号6(CALM3)から成る群から選択された核酸に高ストリンジェンシー条件下で選択的にハイブリダイズする第1のプローブセット、および
(b)配列番号4(TH1L)、配列番号11(HIST1H2AC)、配列番号12(TFE3)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号13(NONO)、配列番号14(PCBP1)、配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号10(PPP2R5A)、配列番号15(PGRMC1)、配列番号3(BLCAP)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号16(HMGB1)および配列番号6(CALM3)から成る群から選択された核酸に高ストリンジェンシー条件で選択的にハイブリダイズする第2のプローブセット、を備え、
第1のプローブセットと第2のプローブセットは同じ核酸に選択的にハイブリダイズしない、バイオマーカーを提供する。
第2態様では、本発明はバイオマーカーであって、
(a)配列番号4(TH1L)、配列番号11(HIST1H2AC)、配列番号12(TFE3)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号13(NONO)、配列番号14(PCBP1)、配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号10(PPP2R5A)、配列番号15(PGRMC1)、配列番号3(BLCAP)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号16(HMGB1)および配列番号6(CALM3)から成る群から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅することが可能な第1のプライマー対、および
(b)配列番号4(TH1L)、配列番号11(HIST1H2AC)、配列番号12(TFE3)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号13(NONO)、配列番号14(PCBP1)、配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号10(PPP2R5A)、配列番号15(PGRMC1)、配列番号3(BLCAP)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号16(HMGB1)および配列番号6(CALM3)から成る群から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅することが可能な第2のプライマー対、を備え、
第1のプライマー対と第2のプライマー対は同じ核酸を選択的に増幅しない、バイオマーカーを提供する。
第3態様では、本発明は、IBDおよびIBSのうちの少なくとも一方を診断する方法であって、
(a)IBDまたはIBSに罹患している疑いのある被験者から得られたmRNA由来の核酸試料を、ハイブリダイズする条件下で、2つ以上のプローブセットと接触させる工程であって、少なくとも第1のプローブセットと第2のプローブセットが、配列番号4(TH1L)、配列番号11(HIST1H2AC)、配列番号12(TFE3)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号13(NONO)、配列番号14(PCBP1)、配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号10(PPP2R5A)、配列番号15(PGRMC1)、配列番号3(BLCAP)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号16(HMGB1)、および配列番号6(CALM3)から成る群から選択された核酸標的に高ストリンジェンシー条件下で選択的にハイブリダイズし、第1のプローブセットと第2のプローブセットは同じ核酸に選択的にハイブリダイズしない工程、
(b)2つ以上のプローブセットと核酸試料中の核酸標的との間のハイブリダイゼーション複合体の形成を検出する工程であって、該ハイブリダイゼーション複合体の数は核酸標的の遺伝子発現の基準を提供する工程、および
(c)被験者がIBDに罹患している可能性があるか、IBSに罹患している可能性があるか、またはいずれにも罹患していないかを前記核酸標的の遺伝子発現に基づいて診断する工程、からなる方法を提供する。
本発明の第3態様の1実施形態では、被験者がIBDに罹患している可能性があるか、IBSに罹患している可能性があるか、またはいずれにも罹患していないかを診断する工程は、各核酸標的に対して形成されたハイブリダイゼーション複合体の数に加重値を適用することにより、核酸標的の遺伝子発現を分析することを含む。
第4の態様では、本発明は、IBDおよびIBSのうちの少なくとも一方を診断する方法であって、
(a)IBDまたはIBSに罹患している疑いのある被験者から得られたmRNA由来の核酸試料を、増幅する条件下で、2つ以上のプローブセットと接触させる工程であって、少なくとも第1のプローブセットと第2のプローブセットが、配列番号4(TH1L)、配列番号11(HIST1H2AC)、配列番号12(TFE3)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号13(NONO)、配列番号14(PCBP1)、配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号10(PPP2R5A)、配列番号15(PGRMC1)、配列番号3(BLCAP)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号16(HMGB1)、および配列番号6(CALM3)から成る群から選択された核酸標的の検出可能部分を選択的に増幅することが可能であり、第1のプライマー対と第2のプライマー対は同じ核酸を選択的に増幅しない工程、
(b)前記2つ以上のプライマー対による核酸試料中の核酸標的の増幅により生成された増幅産物を検出する工程であって、該増幅産物は核酸標的の遺伝子発現の基準を提供する工程、および
(c)被験者がIBDに罹患している可能性があるか、IBSに罹患している可能性があるか、またはいずれにも罹患していないかを前記核酸標的の増幅に基づいて診断する工程、からなる方法を提供する。
本発明の第4の態様の1実施形態では、被験者がIBDに罹患している可能性があるか、IBSに罹患している可能性があるか、またはいずれにも罹患していないかを核酸標的の増幅に基づいて診断する工程は、各核酸標的に対して形成された増幅産物の数に加重値を適用することにより、増幅産物を分析することを含む。
IBD対正常分析における各トレーニングセット患者の加重和回帰スコアのグラフ。 5つの患者コホートに対する8つの遺伝子中の5つの発現レベルに基づくロジスティク回帰スコアのボックスプロット。正常およびIBD患者の分離に注意する(UCおよびクローン病)。 5つの患者コホートに対する8つの遺伝中の7つの発現レベルに基づくロジスティク回帰スコアのボックスプロット。IBD患者からの正常およびIBSの分離に注意する(UCおよびクローン病)。 5つの患者コホートに対する8つの遺伝子中の4つの発現レベルに基づくロジスティク回帰スコアのボックスプロット。正常および規定とIBSの患者の分離に注意する。 組み合わせがIBD対正常を区別する5つの遺伝子の発現レベルに基づくロジスティク回帰スコアのボックスプロット。
本明細書に引用した文献はすべてその全体を援用する。
本願の中で、特段の記載がない場合、使用される技術は例えば以下のようないくつかの周知の文献のいずれに見出されるものでもよい:Molecular Cloning: A Laboratory Manu
al (Sambrook, et al., 1989, Cold Spring Harbor Laboratory Press)、Gene Expression Technology (Methods in Enzymology, Vol. 185, edited by D. Goeddel, 1991. Academic Press, San Diego, CA)、“Guide to Protein Purification”in Methods in Enzymology (M.P. Deutshcer, ed., (1990) Academic Press, Inc.)、PCR Protocols: A Guide to Methods and Applications (Innis, et al. 1990. Academic Press, San Diego, CA),、Culture of Animal Cells: A Manual of Basic Technique, 2nd Ed. (R.I. Freshney.
1987. Liss, Inc. New York, NY)、Gene Transfer and Expression Protocols, pp. 109-128, ed. E.J. Murray, The Humana Press Inc., CityCityplaceClifton, stocktickerstocktickerN.J.、およびthe Ambion 1998 Catalog (Ambion, Austin, TX)。
第1態様では、本発明は、2〜35個の異なる核酸プローブセットから成るバイオマーカーであって、
(a)(a)配列番号4(TH1L)、配列番号11(HIST1H2AC)、配列番号12(TFE3)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号13(NONO)、配列番号14(PCBP1)、配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号10(PPP2R5A)、配列番号15(PGRMC1)、配列番号3(BLCAP)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号16(HMGB1)および配列番号6(CALM3)から成る群から選択された核酸に高ストリンジェンシー条件下で選択的にハイブリダイズする第1のプローブセット、および
(b)配列番号4(TH1L)、配列番号11(HIST1H2AC)、配列番号12(TFE3)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号13(NONO)、配列番号14(PCBP1)、配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号10(PPP2R5A)、配列番号15(PGRMC1)、配列番号3(BLCAP)、組配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号16(HMGB1)および配列番号6(CALM3)から成る群から選択された核酸に高ストリンジェンシー条件で選択的にハイブリダイズする第2のプローブセット、を備え、
第1のプローブセットと第2のプローブセットは同じ核酸に選択的にハイブリダイズしない、バイオマーカーを提供する。
上記に記載した核酸は、配列番号と遺伝子名により記載されたヒト核酸であり、当業者に理解されるように、そのようなヒト核酸配列は、本明細書に開示された配列のmRNA相当物を包含する。参照し易さのために、核酸を明細書の残りの部分全体にわたり遺伝子名で呼ぶ。本明細書に使用する場合、遺伝子名とは、表1に記載された各遺伝子に対して記載された「配列番号(SEQ ID NO)」と、その相補的配列と、そのRNA相当物とを意味することが理解されよう。
1つの非限定的例において、第1のプローブセットはTH1Lに高ストリンジェンシー条件下で選択的にハイブリダイズし、従って配列番号4(NM_198978)の核酸、そのmRNA版、またはその相補的配列に高ストリンジェンシー条件下で選択的にハイブリダイズし、第2のプローブセットはRAP1Aに高ストリンジェンシー条件下で選択的にハイブリダイズし、従って配列番号1−2の核酸のうちの一方または両方、そのmRNA版、またはその相補的配列に高ストリンジェンシー条件下で選択的にハイブリダイズする。さらなる実施形態は、いかの教示および表1に基づけば当業者には容易に明らかとなるであろう。
以下により詳細に説明するように、発明者は、例えばIBDとIBSを診断するためのプローブとして、本発明のバイオマーカーを使用可能であることを見出した。バイオマーカーは、例えば、上記に記載した遺伝子の組織mRNA中での発現レベルを決定するために使用可能である。本発明の上記第1態様のバイオマーカーは、血液試料(例えば末梢血単核球(PBMC)または赤血球(RBC)を除去した全血)等の対象の組織中の遺伝子由来のRNA発現の分析に使用されるのが特に好ましい。
本明細書に使用する場合、本発明のすべての態様および実施形態に関して、「プローブセット」は、同じ標的核酸(例えば単一の特異的mRNA)に高ストリンジェンシー条件下で各々が選択的にハイブリダイズする1つまたは複数の単離ポリヌクレオチドである。したがって、単一の「プローブセット」は、mRNA発現産物等の同じ標的核酸に高ストリンジェンシー条件下で選択的にハイブリダイズする任意の数の異なる単離ポリヌクレオチドを含んでもよい。例えば、BLCAP mRNAに選択的にハイブリダイズするプローブセットは、高ストリンジェンシー条件下でBLCAP mRNAに選択的にハイブリダイズする長さが100ヌクレオチドから成る1個のポリヌクレオチドから成ってもよいし、高ストリンジェンシー条件下で各々がBLCAP mRNAに選択的にハイブリダイズする長さが100ヌクレオチドから成る2個の別個のポリヌクレオチドから成ってもよいし、または高ストリンジェンシー条件下で各々がBLCAP mRNAに選択的にハイブリダイズする長さが25ヌクレオチドの20個の別個のポリヌクレオチドから成ってもよい(例えば、大きなプローブを多くの個々のより短いポリヌクレオチドに断片化する)。当業者には多くのそのような置換が可能であることが理解されるだろう。
本発明のバイオマーカーは2〜35個のプローブセットから成る。種々の実施形態で、バイオマーカーは、TH1L、HIST1H2AC、TFE3、HIST1H2BK、UBE2G1、NONO、PCBP1、RAP1A、PPP2R5A、PGRMC1、BL
CAP、GPX1、HMGB1、およびCALM3から成る群から選択された核酸に各々が高ストリンジェンシー条件下で選択的にハイブリダイズする、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12または14つのプローブセットを含んでよい。3−14つの異なるプローブセットの各々は、異なる核酸標的に高ストリンジェンシー条件下で選択的にハイブリダイズする。したがって、当業者に明らかなように、バイオマーカーは例えば以下のようなさらなるプローブセットを含んでもよい:(a)上記に記載したヒト核酸に高ストリンジェンシー条件下で選択的にハイブリダイズする追加のプローブセット(例えばRAP1Aは多くの重複を共有する代替産物を発現し、したがってあるプローブセットは1つの転写物(または該転写物に由来するcDNA)に選択的にハイブリダイゼーション可能であり、別のプローブセットは別の代替転写物(または該転写物に由来するcDNA)に選択的にハイブリダイゼーション可能である、GPXは代替転写物を有する同様の例である)または(b)上記に記載したヒト核酸のいずれにも高ストリンジェンシー条件下で選択的にハイブリダイズしないさらなるプローブセット。かかる(b)のタイプのさらなるプローブセットは、対象の別の核酸に選択的にハイブリダイズするポリヌクレオチドから成るプローブセットを含んでもよく、さらには例えば、競合核酸等の制御配列、つまり比較等のためのハイブリダイゼーションの基準を提供する配列から成るプローブセットを含んでもよい。
第1態様の種々の実施形態では、バイオマーカーは2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、または35個のプローブセットから成る。種々のさらなる実施形態では、かかる異なるプローブセットの少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%または95%、またはそれよりも高い割合が、TH1L、HIST1H2AC、TFE3、HIST1H2BK、UBE2G1、NONO、PCBP1、RAP1A、PPP2R5A、PGRMC1、BLCAP、GPX1、HMGB1およびCALM3から成る群から選択された核酸に高ストリンジェンシー条件下で選択的にハイブリダイズする。当業者には明らかなように、TH1L、HIST1H2AC、TFE3、HIST1H2BK、UBE2G1、NONO、PCBP1、RAP1A、PPP2R5A、PGRMC1、BLCAP、GPX1、HMGB1、およびCALM3から成る群から選択された核酸に高ストリンジェンシー条件下で選択的にハイブリダイズするプローブセットの割合が増大するにつれて、バイオマーカー中のプローブセットの最大数は減少する。したがって、例えばプローブセットの少なくとも50%がTH1L、HIST1H2AC、TFE3、HIST1H2BK、UBE2G1、NONO、PCBP1、RAP1A、PPP2R5A、PGRMC1、BLCAP、GPX1、HMGB1およびCALM3から成る群から選択された核酸、またはこれらの相補的配列に高ストリンジェンシー条件下で選択的にハイブリダイズする場合、バイオマーカーは2〜28個のプローブセットから成るだろう。当業者には、本発明のこの態様の種々の実施形態の組成物により包含される種々の他の置換が理解されるだろう。
本発明の各態様および実施形態に関して本明細書に使用する場合、用語「選択的にハイブリダイズする」は、記載したハイブリダイゼーション条件下で検出可能なハイブリダイゼーション複合体が生成する程度に単離ポリヌクレオチドが少なくとも自身の核酸標的の一部に完全に相補的であり、生じたハイブリダイゼーション複合体が他の核酸を用いて生じ得る任意のハイブリダイゼーションから識別可能であることを意味する。使用される特定のハイブリダイゼーションは、使用されるポリヌクレオチドプローブの長さ、そのGC含量、ならびに当業者に周知の種々の他の要因に依存して決まる(例えばTijssen (1993)
Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology--Hybridization with
Nucleic Acid Probes part I, chapter 2, "Overview of principles of hybridization
and the strategy of nucleic acid probe assays," Elsevier, N.Y. (「Tijssen」参照)。本明細書に使用する場合、「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」は、一定のイオン強度およびpHで、かつ特定のポリヌクレオチドに対する熱融点(Tm)よりも5℃低いように選択される。Tmは、標的配列の50%が完全に一致するプローブにハイブリダイズする温度(一定のイオン強度およびpH下)である。高ストリンジェンシー条件は、特定のポリヌクレオチドプローブのTmと等しいように選択される。ストリンジェンシトな条件の例は、65℃、0.2XSSC中で所望の期間中に、単離ポリヌクレオチドがゲノムまたは他の標的核酸と選択的にハイブリダイズしてハイブリダイゼーション複合体を形成し、洗浄条件が0.2X SSC、65℃で15分間であるものである。これらの条件を種々の緩衝液および温度を使用して複製してもよいことが理解される。SSC(例えばSambrook, Fritsch, and Maniatis, in: Molecular Cloning, A Laboratory
Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989参照)は、他の適切なハイブリダイゼーション緩衝液と同様に当業者に周知である。
プローブセット中のポリヌクレオチドは、高ストリンジェンシー条件下における対象核酸との選択的なハイブリダイゼーションを許容するものであれば、任意の長さであってよい。本発明のこの態様および関連する態様の種々の好ましい実施形態、ならびに以下に開示する実施形態では、単離ポリヌクレオチドは、記載した配列番号、その完全相補配列、または対応するRNA配列のうちの一つの少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、またはそれよりも長い連続するヌクレオチドである。
用語「ポリヌクレオチド」は、本明細書に使用する場合、一本鎖または二本鎖形式のいずれであってもよいDNAまたはRNA、好ましくはDNAを指す。好ましい実施形態では、ポリヌクレオチドは、上記に記載した核酸(またはその対応RNA配列)の「アンチセンス」である一本鎖核酸である。用語「ポリヌクレオチド」は、合成骨格を有する核酸様構造を包含する。本発明により提供されるDNA骨格類似体はホスホジエステル、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、メチルホスホン酸、ホスホロアミド酸、アルキルホスホトリエステル、スルファメート、3’−チオアセタール、メチレン(メチルイミノ)、3’−N−カーバメート、モルホリノカーバメート、およびペプチド核酸(PNA)、メチルホスホナートリンケージ、またはメチルホスホナートおよびホスホジエステル結合(Strauss-Soukup (1997) Biochemistry 36:8692-8698)、およびベンジルホスホナ
ート結合(例えば米国第6,664,057号に記載)である。Oligonucleotides and Analogues, a Practical Approach, edited by F. Eckstein, IRL Press at Oxford University Press (1991)、 Antisense Strategies, Annals of the New York Academy of Sciences, Volume 600, Eds. Baserga and Denhardt (NYAS 1992)、 Milligan (1993) J. Med. Chem. 36:1923-1937; Antisense Research and Applications (1993, CRC Press)も参照。
本発明の態様および実施形態のすべてに対して本明細書に使用する場合、「単離」ポリヌクレオチドは、核酸が由来する生物体のゲノムDNA中のポリヌクレオチドの側面に天然で存在する配列が無い、好ましくはcDNAライブラリー等の核酸ライブラリーで見出されるリンカー配列が無いポリヌクレオチドである。さらに「単離」ポリヌクレオチドは、組換え技術によって生産される場合、他の細胞材料、ゲル材料および培地も実質的に含まず、または化学合成された場合には化学前駆体または他の化学物質を実質的に含まない。本発明のポリヌクレオチドは、標準法を用いてゲノムDNA、mRNAまたはmRNA由来のcDNAライブラリーからPCR増幅により種々の供給源から単離されてもよいし
、または米国第6,664,057号および該特許に開示された文献に記載されている当業者に周知の方法によりインビトロで合成されてもよい。合成ポリヌクレオチドは、種々の溶液または固相法により調製することが可能である。亜燐酸トリエステル、リン酸トリエステルおよびH−ホスホン酸物質によるポリヌクレオチドの固相法の手順の詳細な説明は広く利用可能である(例えば米国第6,664,057号および該特許に開示した文献)。Pearson (1983) J. Chrom. 255:137-149に記載されているように、ポリヌクレオチドの精製方法は未変性アクリルアミドゲル電気泳動および陰イオン交換HPLCを含む。合成ポリヌクレオチドの配列は標準法を使用して確認することが可能である。
1実施形態では、ポリヌクレオチドは、対象の各遺伝子に対して上記に示した配列番号の全部もしくは一部またはその対応RNA配列(すなわちこれは上記に記載した配列番号に完全に相補的である)に対して「アンチセンス」である鎖を含む一本鎖または二重鎖核酸である。1つの非限定的例では、第1のプローブセットは高ストリンジェンシー条件下でTH1Lに選択的にハイブリダイズし、かつ配列番号4(NM_198978)の核酸の全部もしくは一部またはそのmRNA版に完全に相補的であり、第2のプローブセットは高ストリンジェンシー条件下でRAP1Aに選択的にハイブリダイズし、かつ配列番号1および2の核酸の一方もしくは両方またはそのmRNA版に完全に相補的である。
本発明の第1態様の1つの好ましい実施形態では、バイオマーカーは、TH1L、HIST1H2BK、UBE2G1、BLCAPおよびCALM3から成る群から選択された核酸に高ストリンジェンシー条件下で選択的にハイブリダイズする、少なくとも3つ、4つのまたは5つのプローブセットを含むか、かかるプローブセットから成る。より詳細に以下に開示するように、そのようなプローブセットは、IBSに罹患している被験者と正常被験者とを区別する本発明の方法の好ましい実施形態に使用可能である。そのような好ましいプローブセットの例を表17に提供する。したがって、好ましい実施形態では、本発明は、3〜35個の異なる核酸プローブセットから成るバイオマーカーを提供する。かかる核酸プローブセットは、
(a)配列番号4(TH1L)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号3(BLCAP)および配列番号6(CALM3)から成る群から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成る第1のプローブセット、
(b)配列番号4(TH1L)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号3(BLCAP)および配列番号6(CALM3)から成る群から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成る第2のプローブセット、および
(c)配列番号4(TH1L)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号3(BLCAP)および配列番号6(CALM3)から成る群から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成る第3のプローブセット、を備える。
3〜35個の異なるプローブセットの各々は、他のプローブセットのヌクレオチドと異なる単一mRNAまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のプローブセットから成り、異なるプローブセットの各々は任意選択で検出できるように標識されている。この実施形態のさらに好ましいバージョンでは、第1のプローブセットはBLCAPまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成り、第2のプローブセットはTH1Lまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成り、第3のプローブセットはUBE2G1またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成り、第4のプローブセットはHIST1H2BKまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチ
ドの1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成る。
本発明の第1態様の別の好ましい実施形態では、バイオマーカーは、RAP1A、BLCAP、UBE2G1、GPX1、CALM3およびNONOから成る群から選択された核酸に高ストリンジェンシー条件下で選択的にハイブリダイズする、少なくとも5または6つのプローブセットを含むか、かかるプローブセットから成る。より詳細に以下に開示するように、そのようなプローブセットは、正常被験者とIBDに罹患している被験者とを区別する本発明の方法の好ましい実施形態に使用可能である。そのような好ましいプローブセットの例を表18に提供する。この実施形態の1つの好ましいバージョンでは、バイオマーカーは5〜35個の異なる核酸プローブセットから成る。かかる核酸プローブセットは、
(a)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号3(BLCAP)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)および配列番号13(NONO)から成る群から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成る第1のプローブセット、
(b)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号3(BLCAP)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)および配列番号13(NONO)から成る群から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成る第2のプローブセット、
(c)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号3(BLCAP)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、および配列番号13(NONO)から成る群から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成る第3のプローブセット、
(d)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号3(BLCAP)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)および配列番号13(NONO)から成る群から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成る第4のプローブセット、および
(e)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号3(BLCAP)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)および配列番号13(NONO)から成る群から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成る第5のプローブセットを含む。
5〜35個の異なるプローブセットの各々は、他のプローブセットのヌクレオチドと異なる単一mRNAまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のプローブセットから成り、異なるプローブセットの各々は任意選択で検出できるように標識されている。別のバージョンでは、第1のプローブセットはRAP1Aまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のヌクレオチドプローブであり、第2のプローブセットはBLCAPまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のヌクレオチドプローブであり、第3のプローブセットはUBE2G1またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のヌクレオチドプローブであり、第4のプローブセットはCALM3またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のヌクレオチドプローブであり、第5のプローブセットはGPX1またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のヌクレオチドプローブであり、第6のプローブセットはNONOまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複
数のヌクレオチドプローブから成る。
本発明の第1態様のさらに好ましい実施形態では、バイオマーカーは、RAP1A、BLCAP、UBE2G1、CALM3、GPX1、HIST1H2BKおよびPPP2R5Aから成る群から選択された核酸に高ストリンジェンシー条件下で選択的にハイブリダイズする、少なくとも6または7個のプローブセットを含むか、かかるプローブセットから成る。より詳細に以下に開示するように、そのようなプローブセットは、IBDに罹患している被験者からIBSに罹患している被験者を区別する本発明の方法の好ましい実施形態に使用可能である。そのような好ましいプローブセットの例を表19に提供する。1つの好ましい実施形態では、バイオマーカーは、
(a)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号10(PPP2R5A)および配列番号3(BLCAP)から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成る第1のプローブセット、
(b)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号10(PPP2R5A)および配列番号3(BLCAP)から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成る第2のプローブセット、
(c)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号10(PPP2R5A)および配列番号3(BLCAP)から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成る第3のプローブセット、
(d)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号10(PPP2R5A)および配列番号3(BLCAP)から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成る第4のプローブセット、
(e)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号10(PPP2R5A)および配列番号3(BLCAP)から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成る第5のプローブセット、および
(f)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号10(PPP2R5A)および配列番号3(BLCAP)から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成る第6のプローブセット、を備え、
6〜35個の異なるプローブセットの各々は、他のプローブセットのヌクレオチドと異なる単一mRNAまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のプローブセットから成り、異なるプローブセットの各々は任意選択で検出できるように標識されている。さらに好ましい実施形態では、第1のプローブセットはRAP1
Aまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成り、第2のプローブセットはUBE2G1またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成り、第3のプローブセットはCALM3またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成り、第4のプローブセットはGPX1またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成り、第5のプローブセットはHIST1H2BKまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成り、第6のプローブセットはPPP2R5Aまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成り、第7のプローブセットはBLCAPまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成る。
本発明の第1態様の1つの特定の実施形態では、バイオマーカーは、高ストリンジェンシー条件下でBLCAPに選択的にハイブリダイズする第1のプローブセット、高ストリンジェンシー条件下でTH1Lに選択的にハイブリダイズする第2のプローブセット、高ストリンジェンシー条件下でCALM3に選択的にハイブリダイズする第3のプローブセット、および高ストリンジェンシー条件下でHIST1H2BKに選択的にハイブリダイズする第4のプローブセットを含む。より詳細に以下に開示するように、本願発明者は正常被験者とIBS患者を区別するプローブとして、そのようなバイオマーカーを使用可能であることを発見した。
本発明の第1態様の第2の特定の実施形態では、バイオマーカーは、高ストリンジェンシー条件下でBLCAPに選択的にハイブリダイズする第1のプローブセット、高ストリンジェンシー条件下でTH1Lに選択的にハイブリダイズする第2のプローブセット、高ストリンジェンシー条件下でUBE2G1に選択的にハイブリダイズする第3のプローブセット、および高ストリンジェンシー条件下でHIST1H2BKに選択的にハイブリダイズする第4のプローブセットを含む。より詳細に以下に開示するように、本願発明者は正常被験者とIBS患者を区別するプローブとして、そのようなバイオマーカーを使用可能であることを発見した。
本発明の第1態様の第3の特定の実施形態では、バイオマーカーは、高ストリンジェンシー条件下でRAP1Aに選択的にハイブリダイズする第1のプローブセット、高ストリンジェンシー条件下でBLCAPに選択的にハイブリダイズする第2のプローブセット、高ストリンジェンシー条件下でUBE2G1に選択的にハイブリダイズする第3のプローブセット、および高ストリンジェンシー条件下でGPX1に選択的にハイブリダイズする第4のプローブセットを含む。より詳細に以下に開示するように、本願発明者は正常被験者とIBD患者を区別するプローブとして、そのようなバイオマーカーを使用可能であることを発見した。
本発明の第1態様の第4の特定の実施形態では、バイオマーカーは、高ストリンジェンシー条件下でRAP1Aに選択的にハイブリダイズする第1のプローブセット、高ストリンジェンシー条件下でBLCAPに選択的にハイブリダイズする第2のプローブセット、高ストリンジェンシー条件下でUBE2G1に選択的にハイブリダイズする第3のプローブセット、高ストリンジェンシー条件下でCALM3に選択的にハイブリダイズする第4のプローブセット、および高ストリンジェンシー条件下でGPX1に選択的にハイブリダイズする第5のプローブセットを含む。より詳細に以下に開示するように、本願発明者は正常被験者とIBD患者を区別するプローブとして、そのようなバイオマーカーを使用可能であることを発見した。
本発明の第1態様の第5の特定の実施形態では、バイオマーカーは、高ストリンジェンシー条件下でRAP1Aに選択的にハイブリダイズする第1のプローブセットと、高ストリンジェンシー条件下でBLCAPに選択的にハイブリダイズする第2のプローブセットと、高ストリンジェンシー条件下でUBE2G1に選択的にハイブリダイズする第3のプローブセットと、高ストリンジェンシー条件下でCALM3に選択的にハイブリダイズする第4のプローブセットと、高ストリンジェンシー条件下でGPX1に選択的にハイブリダイズする第5のプローブセットと、高ストリンジェンシー条件下でNONOに選択的にハイブリダイズする第6のプローブセットとを含む。より詳細に以下に開示するように、本願発明者は正常被験者とIBD患者を区別するプローブとして、そのようなバイオマーカーを使用可能であることを発見した。
本発明の第1態様の第6の特定の実施形態では、バイオマーカーは、高ストリンジェンシー条件下でRAP1Aに選択的にハイブリダイズする第1のプローブセットと、高ストリンジェンシー条件下でBLCAPに選択的にハイブリダイズする第2のプローブセットと、高ストリンジェンシー条件下でUBE2G1に選択的にハイブリダイズする第3のプローブセットと、高ストリンジェンシー条件下でCALM3に選択的にハイブリダイズする第4のプローブセットと、高ストリンジェンシー条件下でGPX1に選択的にハイブリダイズする第5のプローブセットと、高ストリンジェンシー条件下でHIST1H2BKに選択的にハイブリダイズする第6のプローブセットと、高ストリンジェンシー条件下でPPP2RR5Aに選択的にハイブリダイズする第7のプローブセットとを含む。より詳細に以下に開示するように、本願発明者は正常患者およびIBS患者をIBD患者から区別するプローブとして、そのようなバイオマーカーを使用可能であることを発見した。
本発明の第1態様の第7の特定の実施形態では、バイオマーカーは、高ストリンジェンシー条件下でRAP1Aに選択的にハイブリダイズする第1のプローブセットと、高ストリンジェンシー条件下でUBE2G1に選択的にハイブリダイズする第2のプローブセットと、高ストリンジェンシー条件下でCALM3に選択的にハイブリダイズする第3のプローブセットと、高ストリンジェンシー条件下でGPX1に選択的にハイブリダイズする第4のプローブセットと、高ストリンジェンシー条件下でHIST1H2BKに選択的にハイブリダイズする第5のプローブセットと、高ストリンジェンシー条件下でPPP2RR5Aに選択的にハイブリダイズする第6のプローブセットとを含む。より詳細に以下に開示するように、本願発明者はIBS患者をIBD患者から区別するプローブとして、そのようなバイオマーカーを使用可能であることを発見した。
本発明の第1態様の第8の特定の実施形態では、バイオマーカーは、高ストリンジェンシー条件下でRAP1Aに選択的にハイブリダイズする第1のプローブセットと、高ストリンジェンシー条件下でUBE2G1に選択的にハイブリダイズする第2のプローブセットと、高ストリンジェンシー条件下でCALM3に選択的にハイブリダイズする第3のプローブセットと、高ストリンジェンシー条件下でGPX1に選択的にハイブリダイズする第4のプローブセットと、高ストリンジェンシー条件下でHIST1H2BKに選択的にハイブリダイズする第5のプローブセットと、高ストリンジェンシー条件下でPPP2RR5Aに選択的にハイブリダイズする第6のプローブセットと、高ストリンジェンシー条件下でBLCAPに選択的にハイブリダイズする第7のプローブセットと、を含む。より詳細に以下に開示するように、本願発明者はIBS患者をIBD患者から区別するプローブとして、そのようなバイオマーカーを使用可能であることを発見した。
本発明の第1態様の第9の特定の実施形態では、バイオマーカーは、高ストリンジェンシー条件下でBLCAPに選択的にハイブリダイズする第1のプローブセットと、高ストリンジェンシー条件下でCALM3に選択的にハイブリダイズする第2のプローブセットと、高ストリンジェンシー条件下で選択的にGPX1ハイブリダイズする第3のプローブ
セットと、高ストリンジェンシー条件下でTH1Lに選択的にハイブリダイズする第4のプローブセットと、高ストリンジェンシー条件下でRAP1Aに選択的にハイブリダイズする第5のプローブセットと、高ストリンジェンシー条件下でNONOに選択的にハイブリダイズする第6のプローブセットと、を含む。より詳細に以下に開示するように、本願発明者はIBS患者およびIBD患者を正常患者から区別するプローブとして、そのようなバイオマーカーを使用可能であることを発見した。
したがって、本発明の第1態様の種々の他の実施形態では、バイオマーカーは以下の1つまたは複数の選択肢を含むか、かかる選択肢から成る:
(a)高ストリンジェンシー条件下で選択的にRAP1Aにハイブリダイズする第1のプローブセットと、高ストリンジェンシー条件下でGPX1に選択的にハイブリダイズする第2のプローブセット(正常な患者からIBDを区別する、正常患者およびIBS患者からIBDを区別する、IBS患者からIBDを区別する、ならびに正常患者からIBSおよびIBS患者を区別するバイオマーカーに共通のプローブセットの対として使用)、
(b)高ストリンジェンシー条件下でUBE2G1に選択的にハイブリダイズする第1のプローブセットと、高ストリンジェンシー条件下でBLCAPに選択的にハイブリダイズする第2のプローブセット(正常患者からIBDを診断するのに特異的な4つの遺伝子からなるバイオマーカーを生成するために(a)のプローブセットの対に追加することが可能なプローブセットの対として使用)、
(c)高ストリンジェンシー条件下でUBE2G1に選択的にハイブリダイズする第1のプローブセットと、高ストリンジェンシー条件下でBLCAPに選択的にハイブリダイズする第2のプローブセットと、高ストリンジェンシー条件下でCALM3に選択的にハイブリダイズする第3のプローブセット(正常患者からIBDを診断する5つの遺伝子からなるバイオマーカーを生成するために(a)のプローブセットの対に追加することが可能なプローブトリオとして使用)、
(d)高ストリンジェンシー条件下でNONOに選択的にハイブリダイズする第1のプローブセットと、高ストリンジェンシー条件下でCALM3に選択的にハイブリダイズする第2のプローブセット(正常患者からIBDを診断する6つの遺伝子からなるバイオマーカーを生成するために(a)および(b)のプローブセットに加えることが可能なプローブセットの対として使用、)、
(e)高ストリンジェンシー条件下でPPP2R5Aに選択的にハイブリダイズする第1のプローブセットと、高ストリンジェンシー条件下で選択的にHIST1H2BKにハイブリダイズする第2のプローブセット(IBS患者からIBDを診断するバイオマーカーに共通のプローブセットの対として使用)。この(e)のプローブセットは、正常患者からIBDを区別する上記に開示した(a)および(c)のプローブセットと組み合わされると、IBD患者から正常患者とIBS患者を診断するバイオマーカーを生成する。(e)、(a)および(c)のプローブセットの組み合わせは、個々の遺伝子の発現値が本明細書で説明するように異なる加重値で与えられた場合に、IBS患者とIBD患者を区別するバイオマーカーとしても使用可能である、
(f)高ストリンジェンシー条件下でUBE2G1に選択的にハイブリダイズする第1のプローブセットと、高ストリンジェンシー条件下でCALM3に選択的にハイブリダイズする第2のプローブセット(IBS患者からIBDを区別するために使用可能な6つの遺伝子からなるバイオマーカーを生成するために、上述した(a)および(e)のプローブセットに加えることが可能なプローブセットの対として使用)、
(g)高ストリンジェンシー条件下でBLCAPに選択的にハイブリダイズする第1のプローブセットと、高ストリンジェンシー条件下でTH1Lに選択的にハイブリダイズする第2のプローブセット(上記の(a)および(d)に加えた時に正常な患者からのIBSまたはIBD患者を区別可能な6つの遺伝子からなるバイオマーカーを生成するために使用可能なプローブセットの対として使用)、
h)高ストリンジェンシー条件下でHIST1H2KBに選択的にハイブリダイズする
第1のプローブセットと、高ストリンジェンシー条件下でCALM3に選択的にハイブリダイズする第2のプローブセット(上記の(g)に加えた時に正常な患者からIBS患者を区別可能な4つの遺伝子からなるバイオマーカーを生成するために使用可能なプローブセットの対として使用)、および
i)高ストリンジェンシー条件下でHIST1H2KBに選択的にハイブリダイズする第1のプローブセットと、高ストリンジェンシー条件下でUBE2G1に選択的にハイブリダイズする第2のプローブセット(上記の(g)に加えた時に正常な患者からIBSの患者を区別可能な異なる4つの遺伝子からなるバイオマーカーを生成するために使用可能なプローブセットの対として使用)。
第2の態様では、本発明は以下を含むか、または以下から成るバイオマーカーを提供する:
(a)TH1L、HIST1H2AC、TFE3、HIST1H2BK、UBE2G1、NONO、PCBP1、RAP1A、PPP2R5A、PGRMC1、BLCAP、GPX1、HMGB1およびCALM3から成る群から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅することが可能な第1のプライマー対、および
(b)TH1L、HIST1H2AC、TFE3、HIST1H2BK、UBE2G1、NONO、PCBP1、RAP1A、PPP2R5A、PGRMC1、BLCAP、GPX1、HMGB1およびCALM3から成る群から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅することが可能な第2のプライマー対、
第1のプライマー対と第2のプライマー対は同じ核酸を選択的に増幅しない。
以下により詳細に説明するように、本願発明者は、例えばIBDおよびIBSを診断する増幅アッセイ用プライマーとして、本発明のバイオマーカーを使用可能であることを発見した。バイオマーカーは、例えば、上記に記載した遺伝子の組織mRNA中の発現レベルを決定するために使用可能である。本発明の第2態様のバイオマーカーは、血液試料(PBMCまたはRBCを除去した全血)等の、対象の組織中の遺伝子からのRNA発現分析で使用されるのが特に好ましい。
核酸標的は、一般にポリヌクレオチドを有しているものとして、上記に詳細に説明した。本明細書に使用する場合、「選択的増幅」とは、プライマー対がその標的に相補的であり、非特異的増幅による増幅産物から区別可能な核酸標的の検出可能部分を増幅するために使用可能であることを意味する。好ましい実施形態では、プライマーはその標的に完全に相補的である。
当該技術分野において周知のように、ポリヌクレオチドプライマーはプライマーと相補的な標的部分を増幅すべく種々のアッセイ(PCR、RT−PCR、RTQ−PCR、spPCR、qPCRおよび対立遺伝子特異的PCR等)に使用可能である。したがって、プライマー対は、「順方向」プライマーと「逆方向」プライマー、すなわちセンス鎖(つまり本明細書で提供する配列で示される鎖)に相補的なプライマーと、「アンチセンス」鎖(つまり本明細書で提供される配列で示される鎖に相補的な鎖)に相補的なプライマーであって、増幅条件を受けると対象の標的から検出可能な増幅産物を生成できるように標的にハイブリダイズするよう設計されたプライマーを両方含む。標的核酸の各々の配列を本明細書で提供する。したがって、本明細書の教示に基づき、当業者は対象の標的(またはその相補配列)に相補的な適切なプライマー対を設計することが可能である。種々の実施形態では、プライマー対の各部材は、少なくとも長さが15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、またはそれよりも長いヌクレオチドの、核酸標的に完全に相補的な一本鎖DNAポリヌクレオチドである。種々のさらなる実施形態では、増幅される標的核酸の検出可能部分は少なくとも30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、
100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000またはそれより長いヌクレオチドである。
種々の実施形態においてバイオマーカーは、TH1L、HIST1H2AC、TFE3、HIST1H2BK、UBE2G1、NONO、PCBP1、RAP1A、PPP2R5A、PGRMC1、BLCAP、GPX1、HMGB1、およびCALM3から成る群から選択された核酸に高ストリンジェンシー条件下で選択的にハイブリダイズする3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14つのプライマー対を含むか、それから成ってよく、3−14のプライマー対はいずれも同じ核酸を選択的に増幅しない。好ましい実施形態では、プライマーは、その標的に完全に相補的である。したがって、当業者には明らかなように、バイオマーカーは、上記に記載したヒト核酸のいずれにも選択的に増幅しないプライマー対をさらに含んでもよい。そのようなさらなるプライマー対には、対象以外の核酸を選択的に増幅するポリヌクレオチドからなるものを含んでもよく、例えば、比較のための増幅標準を提供するプライマー対等を含む。
第2態様の種々の実施形態では、バイオマーカーは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34または35のプライマー対からなる。種々のさらなる実施形態では、異なるプライマー対の少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%またはそれよりも高い割合が、TH1L、HIST1H2AC、TFE3、HIST1H2BK、UBE2G1、NONO、PCBP1、RAP1A、PPP2R5A、PGRMC1、BLCAP、GPX1、HMGB1およびCALM3から成る群から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅する。
本発明の第2態様の1つの好ましい実施形態では、バイオマーカーは、TH1L、HIST1H2BK、UBE2G1、BLCAPおよびCALM3から成る群から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅する少なくとも3、4または5つのプライマー対を含むか、それから成る。より詳細に以下に開示するように、そのようなプライマー対は、IBSに罹患している被験者から正常患者を区別する本発明の方法の好ましい実施形態に使用可能である。そのような好ましいプライマー対の例を表17に提供される核酸の検出可能部分を増幅するプライマー対である。したがって、この実施形態の1つの好ましいバージョンでは、バイオマーカーは3〜35個の異なる核酸プライマー対から成り、
(a)配列番号4(TH1L)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号3(BLCAP)、および配列番号6(CALM3)から成る群から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅することが可能な第1のプライマー対であって、第1のプライマー対中の各プライマーは配列番号4(TH1L)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号3(BLCAP)および配列番号6(CALM3)から成る群から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る第1のプライマー対、
(b)配列番号4(TH1L)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号3(BLCAP)、および配列番号6(CALM3)から成る群から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅することが可能な第2のプライマー対であって、第2のプライマー対中の各プライマーは配列番号4(TH1L)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号3(BLCAP)および配列番号6(CALM3)から成る群から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る第2のプライマー対、および
(c)配列番号4(TH1L)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号3(BLCAP)、および配列番号6(CALM3)から成る群から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅することが可能な第3のプライマー対であって、第3のプライマー対中の各プライマーは配列番号4(TH1L)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号3(BLCAP)および配列番号6(CALM3)から成る群から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドからなる第3のプライマー対、を備え、
3〜35の異なるプライマー対の各々は、他のプライマー対のヌクレオチドと異なる単一mRNAまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のプライマー対から成り、異なるプライマー対の各々は任意選択で検出できるように標識されている。この実施形態のさらなる好ましいバージョンでは、第1のプライマー対中の各プライマーはBLCAPまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成り、第2のプライマー対中の各プライマーはTH1Lまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成り、第3のプライマー対中の各プライマーはUBE2G1またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成り、第4のプライマー対中の各プライマーはHIST1H2BKまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る。
本発明の第2態様の別の好ましい実施形態では、バイオマーカーは、RAP1A、BLCAP、UBE2G1、GPX1、CALM3およびNONOから成る群から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅する少なくとも5または6つのプライマー対を含むか、それから成る。より詳細に以下に開示するように、そのようなプライマー対は、IBDに罹患している被験者から正常患者を区別する本発明の方法の好ましい実施形態に使用可能である。そのような好ましいプライマー対の例は、表18に提供される核酸の検出可能部分を増幅するプライマー対である。この実施形態の1つの好ましいバージョンでは、バイオマーカーは5〜35個の異なる核酸プライマー対から成り、
(a)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号3(BLCAP)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、および配列番号13(NONO)から成る群から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅することが可能な第1のプライマー対であって、第1のプライマー対中の各プライマーは配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号3(BLCAP)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、および配列番号13(NONO)から成る群から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る第1のプライマー対、
(b)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号3(BLCAP)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、および配列番号13(NONO)から成る群から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅することが可能な第2のプライマー対であって、第2のプライマー対中の各プライマーは配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号3(BLCAP)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、および配列番号13(NONO)から成る群から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る第2のプライマー対、
(c)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号3(BLCAP)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、および配列番号13(NONO)から成る群から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅することが可能な第3のプライマー対であって、第3のプライマー対中の各プライマーは配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号3(BLCAP)、配列番号5(UBE2G1)、配列番
号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、および配列番号13(NONO)から成る群から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る第3のプライマー対、
(d)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号3(BLCAP)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、および配列番号13(NONOから成る群から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅することが可能な第4のプライマー対であって、第4のプライマー対中の各プライマーは配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号3(BLCAP)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、および配列番号13(NONO)から成る群から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る第4のプライマー対、および
(e)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号3(BLCAP)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、および配列番号13(NONO)から成る群から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅することが可能な第5のプライマー対であって、第5のプライマー対中の各プライマーは配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号3(BLCAP)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、および配列番号13(NONO)から成る群から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る第5のプライマー対、を備え、
3〜35の異なるプライマー対の各々は、他のプライマー対のヌクレオチドと異なる単一mRNAまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のプライマー対から成り、異なるプライマー対の各々は任意選択で検出できるように標識されている。さらなる実施形態では、第1のプライマー対中の各プライマーはRAP1Aまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成り、第2のプライマー対中の各プライマーはBLCAPまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成り、第3のプライマー対中の各プライマーはUBE2G1またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成り、第4のプライマー対中の各プライマーはCALM3またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成り、第5のプライマー対中の各プライマーはGPX1またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成り、第6のプライマー対中の各プライマーはNONOまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る。
本発明の第2態様のさらに好ましい実施形態では、バイオマーカーは、RAP1A、BLCAP、UBE2G1、CALM3、GPX1、HIST1H2BKおよびPPP2R5Aから成る群から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅する少なくとも6または7個のプライマー対を含むか、それから成る。より詳細に以下に開示するように、そのようなプライマー対は、IBDに罹患している被験者からIBSに罹患している被験者を区別する本発明の方法の好ましい実施形態に使用可能である。そのような好ましいプライマー対の例は、表19に提供される核酸の検出可能部分を増幅するプライマー対である。1つの好ましい実施形態では、バイオマーカーは6〜35個の異なる核酸プライマー対から成り、該核酸プライマー対は、
(a)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号10(PPP2R5A)、および配列番号3(BLCAP)から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅することが可能な第1のプライマー対であって、第1のプライマー対中の各プライマーは配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配
列番号9(HIST1H2BK)、配列番号10(PPP2R5A)および配列番号3(BLCAP)から成る群から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る第1のプライマー対、
(b)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号10(PPP2R5A)、および配列番号3(BLCAP)から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅することが可能な第2のプライマー対であって、第2のプライマー対中の各プライマーは配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号10(PPP2R5A)および配列番号3(BLCAP)から成る群から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る第2のプライマー対、
(c)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号10(PPP2R5A)、および配列番号3(BLCAP)から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅することが可能な第3のプライマー対であって、第3のプライマー対中の各プライマーは配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号10(PPP2R5A)および配列番号3(BLCAP)から成る群から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る第3のプライマー対、
(d)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号10(PPP2R5A)、および配列番号3(BLCAP)から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅することが可能な第4のプライマー対であって、第4のプライマー対中の各プライマーは配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号10(PPP2R5A)および配列番号3(BLCAP)から成る群から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る第4のプライマー対、
(e)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号10(PPP2R5A)、および配列番号3(BLCAP)から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅することが可能な第5のプライマー対であって、第5のプライマー対中の各プライマーは配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号10(PPP2R5A)および配列番号3(BLCAP)から成る群から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る第5のプライマー対、および
(f)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号10(PPP2R5A)および配列番号3(BLCAP)から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅することが可能な第6のプライマー対であって、第6のプライマー対中の各プライマーは配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列
番号9(HIST1H2BK)、配列番号10(PPP2R5A)および配列番号3(BLCAP)から成る群から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る第6のプライマー対、を備え、
6〜35の異なるプライマー対の各々は、他のプライマー対のヌクレオチドと異なる単一mRNAまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のプライマー対から成り、異なるプライマー対の各々は任意選択で検出できるように標識されている。別の好ましい実施形態では、第1のプライマー対中の各プライマーはRAP1Aまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成り、第2のプライマー対中の各プライマーはUBE2G1またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成り、第3のプライマー対中の各プライマーはCALM3またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成り、第4のプライマー対中の各プライマーはGPX1またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成り、第5のプライマー対中の各プライマーはHIST1H2BKまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成り、第6のプライマー対中の各プライマーはPPP2R5Aまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成り、第7のプライマー対中の各プライマーはBLCAPまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る。
1つの特定の実施形態では、本発明の第2態様によるバイオマーカーは、BLCAPの検出可能部分を選択的に増幅する第1のプライマー対と、TH1Lの検出可能部分を選択的に増幅する第2のプライマー対と、CALM3の検出可能部分を選択的に増幅する第3のプライマー対と、HIST1H2BKの検出可能部分を選択的に増幅する第4のプライマー対とを含むかまたはそれから成る。より詳細に以下に開示するように、本願発明者は、正常患者とIBS患者を区別するプローブとして、そのようなバイオマーカーを使用可能であることを発見した。
本発明の第2態様の特定の実施形態では、本発明の第2態様によるバイオマーカーは、BLCAPの検出可能部分を選択的に増幅する第1のプライマー対、TH1Lの検出可能部分を選択的に増幅する第2のプライマー対、UBE2G1の検出可能部分を選択的に増幅する第3のプライマー対、およびHIST1H2BKの検出可能部分を選択的に増幅する第4のプライマー対を含むか、それから成る。より詳細に以下に開示するように、本願発明者は、正常患者とIBS患者を区別するプローブとして、そのようなバイオマーカーを使用可能であることを発見した。
本発明の第2態様の第3の特定の実施形態では、バイオマーカーは、RAP1Aの検出可能部分を選択的に増幅する第1のプライマー対、BLCAPの検出可能部分を選択的に増幅する第2のプライマー対、UBE2G1の検出可能部分を選択的に増幅する第3のプライマー対、およびGPX1の検出可能部分を選択的に増幅する第4のプライマー対を含む。より詳細に以下に開示するように、本願発明者は、正常患者とIBD患者を区別するプローブとして、そのようなバイオマーカーを使用可能であることを発見した。
本発明の第2態様の第4の特定の実施形態では、第2態様のバイオマーカーは、RAP1Aの検出可能部分を選択的に増幅する第1のプライマー対、BLCAPの検出可能部分を選択的に増幅する第2のプライマー対、UBE2G1の検出可能部分を選択的に増幅する第3のプライマー対、CALM3の検出可能部分を選択的に増幅する第4のプライマー対、およびGPX1の検出可能部分を選択的に増幅する第5のプライマー対を含むか、それから成る。より詳細に以下に開示するように、本願発明者は、正常患者とIBD患者を区別するプローブとして、そのようなバイオマーカーを使用可能であることを発見した。

本発明の第2態様の第5の特定の実施形態では、第2態様のバイオマーカーは、RAP1Aの検出可能部分を選択的に増幅する第1のプライマー対、BLCAPの検出可能部分を選択的に増幅する第2のプライマー対、UBE2G1の検出可能部分を選択的に増幅する第3のプライマー対、CALM3の検出可能部分を選択的に増幅する第4のプライマー対、GPX1の検出可能部分を選択的に増幅する第5のプライマー対、およびNONOの検出可能部分を選択的に増幅する第6のプライマー対を含むか、それから成る。より詳細に以下に開示するように、本願発明者は、正常患者とIBD患者を区別するプローブとして、そのようなバイオマーカーを使用可能であることを発見した。
本発明の第2態様の第6の特定の実施形態では、第2態様のバイオマーカーは、RAP1Aの検出可能部分を選択的に増幅する第1のプライマー対、BLCAPの検出可能部分を選択的に増幅する第2のプライマー対、UBE2G1の検出可能部分を選択的に増幅する第3のプライマー対、CALM3の検出可能部分を選択的に増幅する第4のプライマー対、GPX1の検出可能部分を選択的に増幅する第5のプライマー対、HIST1H2BKの検出可能部分を選択的に増幅する第6のプライマー対、およびPPP2RR5Aの検出可能部分を選択的に増幅する第7のプライマー対を含むか、それから成る。より詳細に以下に開示するように、本願発明者は、IBD患者から正常患者およびIBS患者を区別するプローブとして、そのようなバイオマーカーを使用可能であることを発見した。
本発明の第2態様の第7の特定の実施形態では、第2態様のバイオマーカーは、RAP1Aの検出可能部分を選択的に増幅する第1のプライマー対、UBE2G1の検出可能部分を選択的に増幅する第2のプライマー対、CALM3の検出可能部分を選択的に増幅する第3のプライマー対、GPX1の検出可能部分を選択的に増幅する第4のプライマー対、HIST1H2BKの検出可能部分を選択的に増幅する第5のプライマー対、および選択的にPPP2R5Aの検出可能部分を選択的に増幅する第6のプライマー対を含むか、それから成る。より詳細に以下に開示するように、本願発明者は、IBS患者およびIBD患者の間で区別するプローブとして、そのようなバイオマーカーを使用可能であることを発見した。
本発明の第2態様の第8の特定の実施形態では、第2態様のバイオマーカーは、RAP1Aの検出可能部分を選択的に増幅する第1のプライマー対、UBE2G1の検出可能部分を選択的に増幅する第2のプライマー対、CALM3の検出可能部分を選択的に増幅する第3のプライマー対、GPX1の検出可能部分を選択的に増幅する第4のプライマー対、HIST1H2BKの検出可能部分を選択的に増幅する第5のプライマー対、選択的にPPP2R5Aの検出可能部分を選択的に増幅する第6のプライマー対、およびBLCAPの検出可能部分を選択的に増幅する第7のプライマー対を含むか、それから成る。より詳細に以下に開示するように、本願発明者は、IBD患者からIBS患者を区別するプローブとして、そのようなバイオマーカーを使用可能であることを発見した。
本発明の第2態様の第9の特定の実施形態では、第2態様のバイオマーカーは、BLCAPの検出可能部分を選択的に増幅する第1のプライマー対、CALM3の検出可能部分を選択的に増幅する第2のプライマー対、GPX1の検出可能部分を選択的に増幅する第3のプライマー対、TH1Lの検出可能部分を選択的に増幅する第4のプライマー対、RAP1Aの検出可能部分を選択的に増幅する第5のプライマー対、およびNONOの検出可能部分を選択的に増幅する第6のプライマー対を含むか、それから成る。より詳細に以下に開示するように、本願発明者は、IBS患者およびIBDの患者を正常な患者から区別するプローブとして、そのようなバイオマーカーを使用可能であることを発見した。
したがって、本発明の第2態様の種々の他の実施形態では、バイオマーカーは以下のも
のを含むか、またはそれから成る:
(a)RAP1Aの検出可能部分を選択的に増幅する第1のプライマー対と、GPX1の検出可能部分を選択的に増幅する第2のプライマー対(正常患者からIBD、正常患者およびIBSからIBD、IBSからのIBD、および正常患者からIBDおよびIBSを診断するバイオマーカーに共通のプライマー対セットとして使用)、
(b)UBE2G1の検出可能部分を選択的に増幅する第1のプライマー対と、BLCAPの検出可能部分を選択的に増幅する第2のプライマー対(正常患者からIBDを診断するのに特異的な4つの遺伝子バイオマーカーを生成するために(a)のプライマー対セットに加えることが可能なプライマー対セットとして使用)、
(c)UBE2G1の検出可能部分を選択的に増幅する第1のプライマー対と、BLCAPの検出可能部分を選択的に増幅する第2のプライマー対と、CALM3の検出可能部分を選択的に増幅する第3のプライマー対(正常患者からIBDを診断するための5つの遺伝子バイオマーカーを生成するために(a)のプライマー対に追加することが可能なプライマー対トリオとして使用)、
(d)NONOの検出可能部分を選択的に増幅する第1のプライマー対と、CALM3の検出可能部分を選択的に増幅する第2のプライマー対(正常患者からIBDを診断するための6つの遺伝子バイオマーカーを生成させるために(a)と(b)のプライマー対に追加することが可能なプライマー対セットとして使用)、
(e)PPP2R5Aの検出可能部分を選択的に増幅する第1のプライマー対と、HIST1H2BKの検出可能部分を選択的に増幅する第2のプライマー対(IBS患者からIBDを診断するバイオマーカーに共通のプライマー対セットペアとして使用)。(e)のプライマー対セットは、(a)プライマー対セット、および正常患者からIBD患者を区別するための上記に開示した(c)と組み合わせると、正常患者とIBD患者からIBS患者を診断のためのバイオマーカーを生成する。(e)(a)、および(c)のプライマー対セットの組み合わせも、個々の遺伝子の発現値に本明細書で説明されるように異なる加重値が与えられている場合に、IBSとIBDの患者を区別するバイオマーカーとして使用可能である、
(f)UBE2G1の検出可能部分を選択的に増幅する第1のプライマー対と、CALM3の検出可能部分を選択的に増幅する第2のプライマー対(IBS患者からIBDを区別するために使用可能な6つの遺伝子バイオマーカーを生成するために上記の(a)および(e)のプライマー対セットに加えることが可能なプライマー対として使用)、
(g)BLCAPの検出可能部分を選択的に増幅する第1のプライマー対と、TH1Lの検出可能部分を選択的に増幅する第2のプライマー対(上記の(a)および(d)に加えた時に正常な患者からIBSまたはIBD患者を区別可能な6つの遺伝子バイオマーカーを生成するために使用可能なプライマー対セットとして使用)、
h)HIST1H2KBの検出可能部分を選択的に増幅する第1のプライマー対と、CALM3の検出可能部分を選択的に増幅する第2のプライマー対(上記の(g)に加えた時に正常な患者からIBSの患者を区別可能な4つの遺伝子バイオマーカーを生成するために使用可能なプライマー対セットとして使用)、および
i)HIST1H2KBの検出可能部分を選択的に増幅する第1のプライマー対と、UBE2G1の検出可能部分を選択的に増幅する第2のプライマー対(上記の(h)に加えた時に正常な患者からIBSの患者を区別可能な異なる4つの遺伝子のバイオマーカーを生成するために使用可能なプライマー対セットとして使用)。
本発明の第1および第2の態様のバイオマーカーは、凍結させて、凍結乾燥された形で、または異なるプローブセットまたはプライマー対を含む溶液として、冷凍保存することが可能である。かかる溶液はそのようなものとして製造してもよいし、または以下に説明するように標的にポリヌクレオチドをハイブリダイズする時に組成物を調製してもよい。代わりに、組成物をマイクロアレイやマイクロプレート等の形式の支持体に配置することが可能である。
上記の態様および実施形態ではすべて、ポリヌクレオチドを検出可能な標識で標識することが可能である。好ましい実施形態では、多数のプローブセットを使用して、異なるプローブセット中のポリヌクレオチドに対する検出可能標識が互いに区別され、例えばハイブリダイゼーション反応を行う時にそれらの信号の差の決定が促進される。標識を検出する方法には、分光学的方法、光化学的方法、生化学的方法、免疫化学的方法、物理学的方法、または化学的方法が含まれるがこれらに限定されない。例えば、有用な検出標識には、32P、3Hおよび14C等の放射性標識;イソチオシアン酸フルオレセイン(FITC)
、ローダミン、ランタニド燐光体、およびTexas red、ALEXIS(商標)(Abbott Labs)、CY(商標)染料(Amersham)等の蛍光染料;金等の高電子密度試薬;西洋ワサビペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼおよびアルカリフォスファターゼ等の酵素;金コロイド等の比色定量標識;DYNABEADS(商標)の商標で販売されているような磁気標識;ビオチン;ジオキシゲニン;またはその抗血清またはモノクローナル抗体が利用可能なハプテンおよびタンパク質;が含まれるがこれらに限定されない。標識は、ポリヌクレオチドに直接組み込んでもよいし、または、ポリヌクレオチドにハイブリダイゼーションまたは結合するプローブまたは抗体に取り付けてもよい。標識は、当業者に周知の任意の適切な手段によりプローブに結合可能である。種々の実施形態で、ポリヌクレオチドはニックトランスレーション法、PCRまたはランダムプライマー伸長を使用して標識される(例えば前掲のSambrook et al.
参照)。
第3態様では、本発明は、IBDおよびIBSのうちの少なくとも一方を診断する方法であって、
(a)IBDまたはIBSに罹患している疑いのある被験者から得られたmRNA由来の核酸試料を、ハイブリダイズする条件下で、2つ以上のプローブセットと接触させる工程であって、少なくとも第1のプローブセットと第2のプローブセットが、TH1L、HIST1H2AC、TFE3、HIST1H2BK、UBE2G1、NONO、PCBP1、RAP1A、PPP2R5A、PGRMC1、BLCAP、GPX1、HMGB1およびCALM3から成る群から選択された核酸標的に高ストリンジェンシー条件下で選択的にハイブリダイズし、第1のプローブセットと第2のプローブセットは同じ核酸に選択的にハイブリダイズしない工程、
(b)2つ以上のプローブセットと核酸試料中の核酸標的との間のハイブリダイゼーション複合体の形成を検出する工程であって、該ハイブリダイゼーション複合体の数は核酸標的の遺伝子発現の基準を提供する工程、および
(c)被験者がIBDに罹患している可能性があるか、IBSに罹患している可能性があるか、またはいずれにも罹患していないかを前記核酸標的の遺伝子発現に基づいて診断する工程、からなる方法を提供する。
本願発明者は、本発明の方法を例えばIBDとIBSを診断するのに使用可能であることを発見した。特異的遺伝子、プローブセット、ハイブリダイゼーション条件、プローブの種類、ポリヌクレオチド等は、本発明の第1および/または第2の態様について上記に定義した通りである。
被験者は、IBSまたはIBDに罹患している可能性のある任意の被験者である。上述したように、IBSは、腹痛、便秘および/または下痢、および/または排便習慣の変化を特徴とする慢性症状であるが、IBD患者はかかる同じ症状だけでなく、嘔吐、血便、体重減少、および/または体重増加にも罹患する可能性があり、したがって、例えばこれらの徴候の1つ以上を有する被験者は本発明の方法の被験者の候補になるだろう。
本明細書に使用する場合、「mRNA由来の核酸試料」は、被験者由来のmRNAを含む試料、または被験者から得られたmRNAから生成されたcDNA(一本鎖または二本
鎖)である。試料は、任意の適切な組織供給源から得られてよく、例えばPBMCまたはRBC(赤血球)を除去した全血が含まれるが、それらに限定されない。
1実施形態では、mRNA試料はヒトmRNA試料である。当業者には理解されるが、RNA試料は、RNA分子の個々のまたはいくつかの種を単離する必要はなく、in situハイブリダイゼーションで分析される細胞または組織試料のような試験されるRNAを含む複合試料混合物を使用することが可能である。
さらなる実施形態では、プローブセットは、本発明の核酸組成物の一本鎖アンチセンスポリヌクレオチドを含む。例えば、mRNA蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)(すなわちメッセンジャーRNAを検出するFISH)では、アンチセンスプローブ鎖のみがRNA試料の単一鎖mRNAにハイブリダイズし、この実施形態では「センス」鎖オリゴヌクレオチドを、陰性対照として使用することが可能である。
代わりに、プローブセットはDNAプローブを含んでもよい。これらの実施形態(アンチセンプローブまたはcDNAプローブ)のいずれでも、細胞質mRNAまたは核DNAのいずれかへハイブリダイゼーションを指向する制御またはプロセスを使用することが望ましい。指向されたハイブリダイゼーションがない状態で、細胞質RNAへのハイブリダイゼーションおよび核DNAへのハイブリダイゼーションを区別することが望ましい。
試料中のハイブリダイゼーション産物の存在または不在を評価する方法であれば任意の方法を用いてもよく、例えばノーザンブロッティング法、in situハイブリダイゼーション(例えば血液スメアの)、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)分析、qPCR(定量的PCR)、RT−PCR(リアルタイムPCR)またはアレイに基づく方法が挙げられる。
1実施形態では、検出はin situハイブリダイゼーション(「ISH」)によって行なわれる。in situハイブリダイゼーションアッセイは当業者に周知である。一般に、in situハイブリダイゼーションは、以下の主なステップを含む(例えば、米国特許第6,664,057号参照):(1)分析される試料または核酸試料の固定、(2)(実施形態の試料中の)核酸試料の接近し易さを向上し、かつ非特異的結合を減少させるための、試料または核酸試料のプレハイブリダイゼーション処理、(3)核酸試料へのプローブセットのハイブリダイゼーション、(4)ハイブリダイゼーションで結合しなかったポリヌクレオチドを除去するポストハイブリダーション洗浄、(5)ハイブリッド形成した核酸断片の検出。これらの工程および使用条件の各々に使用される試薬は、特定の用途に応じて変化する。特に好ましい実施形態では、ISHが米国特許第5,750,340号および米国特許第6,022,689号のうちの少なくとも一方に開示された方法により行われ、かかる特許全体を本明細書に援用する。
典型的なin situハイブリダイゼーションアッセイでは、細胞が支持体、通常スライドガラスに固定される。細胞を通常、熱またはアルカリで変性し、次にハイブリダイゼーション溶液と接触させ、タンパク質をコードする核酸配列に特異的な標識プローブをアニーリングさせる。上述したように、本発明のポリヌクレオチドは通常、標識される。いくつかの適用例では、反復配列のハイブリッド形成能力を遮断することが必要である。この場合、非特異的なハイブリダイゼーションを遮断するために、ヒトゲノムDNAまたはCot−1 DNAが使用される。
通常はスライドガラスである支持体に固定された細胞にin situハイブリダイゼーションを典型的に行なう場合、細胞質RNAへのハイブリダイゼーションと核DNAへのハイブリダイゼーションを区別することが望ましい。この区別をする基準は主に2つあ
る:(1)信号強度の有意差を通常生じる標的の種類間のコピー数の差(何百〜何千のRNAのコピー対2つのDNAのコピー)、および(2)細胞質(ここでRNA標的へのハイブリダイゼーションが生じる)と核の明確な形態の相違により信号位置が明白になる。したがって、二本鎖DNAプローブを使用する場合、方法は、体液試料内の分析されている細胞の細胞質および核を区別することをさらに含むことが好ましい。そのような区別は、当該技術分野で周知の任意の手段によって行われてもよく、例えば分析されている細胞の核DNAの輪郭を明確に描くHoeschst 33342またはDAPI等の核染色剤を含む。この実施形態では、核染色剤が検出プローブから区別可能であることは好ましい。核膜が維持される、つまりすべてのHoeschstまたはDAPI染色剤が核の可視構造に維持されることがさらに好ましい。
さらなる実施形態では、プローブセットが表面に配列され、RNA試料が該表面上のポリヌクレオチドにハイブリッド形成される、アレイに基づく形式が使用可能である。この種の形式では、多数の種々のハイブリダイゼーション反応を実質的に「並行に」実行することが可能である。1つの標本中での発現が測定される多くの遺伝子がある場合、またはインタクトな標本ではなく、標本由来の単離核酸が利用可能な場合、この実施形態は特に有用である。これは迅速で実質的に同時の、多数の遺伝子発現アッセイの評価を提供する。アレイに基づく形式でハイブリダイゼーション反応を行なう方法は例えばPastinen (1997) Genome Res. 7:606-614、 (1997) Jackson (1996) Nature Biotechnology 14:1685、Chee (1995) Science 274:610、国際公開第96/17958号にも記載されている。表面のポリ
ヌクレオチドを固定化し、表面を誘導化する方法は当該技術分野で周知である(例えば米国特許第6,664,057号参照)。
上記の態様および実施形態の各々では、ハイブリダイゼーションの検出は、通常、上述したようなプローブセット中のポリヌクレオチド上の検出可能な標識の使用により行われる。いくつかの代替例では、標識が標的核酸上にあってもよい。標識は、ポリヌクレオチドに直接組み込んでもよいし、またはポリヌクレオチドにハイブリダイズまたは結合するプローブまたは抗体に取り付けてもよい。標識は、上述したような当業者に周知の種々の手段でプローブに結合可能である。標識は、上述したように、分光学的、光化学的、生化学的、免疫化学的、物理学的、または化学的技術を含むが、それらに限定されない任意の適切な技術により検出することが可能である。
方法は、核酸標的の遺伝子発現を、対照と比較することを含んでもよい。当該技術分野で周知の任意の適切な対照を本発明の方法に使用してよい。例えば、IBS患者、IBD患者および正常患者で比較的一定なレベルで発現することが知られている遺伝子の発現レベルを、比較のために使用することが可能である。代わりに、プローブに標的とされる遺伝子の発現レベルを、試験試料に匹敵する正常RNA試料で分析することも可能である。別の実施形態は、測定されている遺伝子のmRNAの絶対コピー数を与える標準濃度曲線の使用である。これによると、発現レベルが標準濃度単位の観点から与えられるため、標準化対照の必要性をなくし得る。当業者には、本発明の方法に多くのかかる対照を使用可能であることが理解されるだろう。
方法は、被験者がIBDに罹患している可能性があるか、IBSに罹患している可能性があるか、またはいずれにも罹患していないか否かを核酸標的の遺伝子発現に基づいて診断することを含む。本明細書に使用する場合、「罹患している可能性がある」とは、診断が正確であるという統計学的に有意な可能性を意味する。種々の実施形態では、方法は事例の少なくとも70%、より好ましくは症例の少なくとも75%、80%、85%、90%、またはそれよりも高い割合で正確な診断が得られる。
本発明の方法は、各核酸標的に対して形成されたハイブリダイゼーション複合体の数に
、当該技術分野の種々の手段により導き出された加重値を適用してもよい。そのような手段は、IBDまたはIBSの診断に本発明のバイオマーカーを使用するための分類規則を定義するのに適した任意の手段であってよい。そのような分類規則は当該技術分野で周知の任意の適切な手段により生成可能であり、それには監視分離技術または非監視分類技術が含まれるが、それらに限定されるわけではない。好ましい実施形態では、分類規則は監視分類技術の使用により生成される。本明細書に使用する場合、「監視分類」(supervised classification)は、特定の決定規準によって各測定ベクトルがクラスに割り当てら
れ、可能なクラスが公知ID(識別番号)の代表トレーニング試料に基づいて定義されるコンピュータ実行プロセスである。そのような監視分類の例には、分類ツリー、ニューラルネットワーク、最近傍アルゴリズム、一次判別分析(LDA)、二次判別分析(QDA)、およびサポートベクタマシーンが含まれるが、これらに限定されない、
1つの非限定的例において、遺伝子の重み付けられた組み合わせは、例えば個々の患者内のすべての遺伝子からの発現データを使用する監視分類技術により達成される。患者中の各遺伝子の発現レベルに、その遺伝子の重み付け係数を掛け、各遺伝子の発現に対するそれらの重み付け値を各患者について合計する。任意選択で、かかる比較のための特定の別個の係数を合計に加えて最終スコアを与えてもよい。各比較の組はそれぞれ遺伝子重み付けのそれ自身の特定の組を生じさせる。すなわち、以下にさらに論じるように、IBD対正常は、IBS対正常とは異なる遺伝子発現加重値を有する。加重値はプラス記号でもマイナス記号であってもよい。ある分類中のすべての患者が同じGene 1 up、Gene 2 down等を有するとは限らない(以下の実施例を参照)。
本発明の第3態様の種々の実施形態では、2つ以上のプローブセットが、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14個のプローブセットを含むか、かかるプローブセットから成り、3〜14個のプローブセットはいずれも同じ核酸に選択的にハイブリダイズしない。プローブセットのこれらの実施形態は、本発明の第1および第2の態様でさら議論じており、第1および第2態様のプローブセットおよびポリヌクレオチドのすべての他の実施形態は、本発明の方法に使用可能である。
本発明の第3態様の1つの好ましい実施形態では、少なくとも3、4、または5つのプローブセットは、TH1L、HIST1H2BK、UBE2G1、BLCAPおよびCALM3から成る群から選択された核酸に高ストリンジェンシー条件下で選択的にハイブリダイズする。より詳細に以下に開示するように、この方法は、IBSに罹患している被験者から正常患者とを区別する本発明の方法の好ましい実施形態に使用可能である。本発明の方法に使用されるそのような好ましいプローブセットの例を表17に提供する。この実施形態の1つの好ましいバージョンは、過敏性腸症候群(IBS)を診断する方法であって、
(a)IBSに罹患している疑いのある被験者から得られたmRNA由来の核酸試料を、ハイブリダイズする条件下で、少なくとも3つのヌクレオチドプローブと接触させる工程であって、第1のヌクレオチドプローブ、第2のヌクレオチドプローブおよび第3のヌクレオチドプローブの各々は、配列番号4(TH1L)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号3(BLCAP)、および配列番号6(CALM3)から成る群から選択された核酸標的またはその相補的配列の15以上の連続するヌクレオチドから成り、第1のヌクレオチドプローブ、第2のヌクレオチドプローブおよび第3のヌクレオチドプローブの各々は、異なる核酸標的の15以上の連続するヌクレオチドから成る工程、
(b)プローブと核酸試料中の核酸標的との間のハイブリダイゼーション複合体の形成を検出する工程であって、該ハイブリダイゼーション複合体の数が核酸標的の遺伝子発現の基準を提供する工程、および
(c)被験者がIBSに罹患している可能性があるか否かを、前記核酸標的の遺伝子発現の基準に基づいて診断する工程、から成る方法を提供する。
この実施形態のさらに好ましいバージョンでは、核酸標的はBLCAP、TH1L、UBE2G1およびHIST1H2BKを含む。この実施形態のさらに好ましいバージョンでは、被験者は腹痛、便秘、下痢および排便習慣の変化のうちの1つまたは複数に罹患している。この実施形態の別のバージョンでは、mRNA由来の核酸試料は、末梢血単核球または赤血球を除去した全血から得られる。この実施形態のさらなるバージョンでは、方法はさらに、各核酸標的に対して形成されたハイブリダイゼーション複合体の数に加重値を適用することにより、核酸標的の遺伝子発現を分析する工程を含む。
本発明の第3態様の別の好ましい実施形態では、少なくとも5つまたは6つのプローブセットが、高ストリンジェンシー条件下で、RAP1A、BLCAP、UBE2G1、GPX1、CALM3およびNONOから成る群から選択された核酸に選択的にハイブリダイズする。より詳細に以下に開示するように、そのようなプローブセットは、IBDに罹患している被験者を正常患者から区別する本発明の方法の好ましい実施形態に使用可能である。本発明の方法で使用されるそのような好ましいプローブセットの例を表18に提供する。この実施形態のある1つの好ましいバージョンでは、方法は、
(a)IBDに罹患している疑いのある被験者から得られたmRNA由来の核酸試料を、ハイブリダイズする条件下で、少なくとも5つのヌクレオチドプローブと接触させる工程であって、第1のヌクレオチドプローブ、第2のヌクレオチドプローブ、第3のヌクレオチドプローブ、第4のヌクレオチドプローブおよび第5のヌクレオチドプローブの各々は、配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号3(BLCAP)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、および配列番号13(NONO)から成る群から選択された核酸標的またはその相補的配列の15以上の連続するヌクレオチドから成り、第1、第2、第3、第4、第5のヌクレオチドプローブの各々は、異なる核酸標的の15以上の連続するヌクレオチドから成る工程、
(b)ヌクレオチドプローブと核酸試料中の核酸標的との間のハイブリダイゼーション複合体の形成を検出する工程であって、該ハイブリダイゼーション複合体の数が核酸標的の遺伝子発現の基準を提供する工程、
(c)被験者がIBDを有する可能性があるか否かを核酸標的の遺伝子発現の基準に基づいて診断する工程、からなる方法を提供する。さらに好ましい実施形態では、核酸標的はRAP1A、BLCAP、UBE2G1、CALM3、GPX1およびNONOを含む。別の実施形態では、被験者は腹痛、便秘、下痢、排便習慣の変化、嘔吐、血便および体重変化のうちの1つまたは複数に罹患している可能性がある。さらなる実施形態では、mRNA由来の核酸試料は、末梢血単核球または赤血球を除去した全血から得られる。さらなる実施形態では、方法は、各核酸標的に対して形成されたハイブリダイゼーション複合体の数に加重値を適用することにより、核酸標的の遺伝子発現を分析することをさらに含む。
本発明の第3態様のさらに好ましい実施形態では、少なくとも6または7つのプローブセットは、高ストリンジェンシー条件下で、RAP1A、BLCAP、UBE2G1、CALM3、GPX1、HIST1H2BKおよびPPP2R5Aから成る群から選択された核酸に選択的にハイブリダイズする。より詳細に以下に開示するように、そのようなプローブセットは、IBDに罹患している被験者からIBSに罹患している被験者を区別するために本発明の方法の好ましい実施形態に使用可能である。本発明の方法で使用されるそのような好ましいプローブセットの例を表19に提供する。この実施形態の1つの好ましいバージョンでは、被験者において炎症性腸疾患(IBD)と過敏性腸症候群(IBS)を区別する方法は、
(a)IBDに罹患している疑いのある被験者から得られたmRNA由来の核酸試料を、ハイブリダイズする条件下で、少なくとも6つのヌクレオチドプローブと接触させる工
程であって、第1のヌクレオチドプローブ、第2のヌクレオチドプローブ、第3のヌクレオチドプローブ、第4のヌクレオチドプローブ、第5のヌクレオチドプローブおよび第6のヌクレオチドプローブの各々は、配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号10(PPP2R5A)および配列番号3(BLCAP)から成る群から選択された核酸標的またはその相補的配列の15以上の連続するヌクレオチドから成り、第1、第2、第3、第4、第5、および、第6のヌクレオチドプローブの各々は異なる核酸標的の15以上の連続するヌクレオチドから成る工程と、
(b)ヌクレオチドプローブと核酸試料中の核酸標的との間のハイブリダイゼーション複合体の形成を検出する工程であって、該ハイブリダイゼーション複合体の数が核酸標的の遺伝子発現の基準を提供する工程、および
(c)被験者がIBDまたはIBSに罹患している可能性があるか否かを、核酸標的の遺伝子発現の基準に基づいて診断する工程、から成る。さらに好ましい実施形態では、核酸標的はRAP1A、UBE2G1、CALM3、GPX1、HIST1H2BK、PPP2R5AおよびBLCAPを含む。別の実施形態では、被験者は腹痛、便秘、下痢、排便習慣の変化、嘔吐、血便および体重変化のうちの1つまたは複数に罹患している。さらなる実施形態では、mRNA由来の核酸試料は、末梢血単核球または赤血球を除去した全血から得られる。別の実施形態では、方法はさらに、各核酸標的に対して形成されたハイブリダイゼーション複合体の数に加重値を適用することにより、核酸標的の遺伝子発現を分析する工程を含む。
本発明の第3態様の1つの特定の実施形態では、方法は、高ストリンジェンシー条件下でBLCAPに選択的にハイブリダイズする第1のプローブセット、高ストリンジェンシー条件下でTH1Lに選択的にハイブリダイズする第2のプローブセット、高ストリンジェンシー条件下でCALM3に選択的にハイブリダイズする第3のプローブセット、および高ストリンジェンシー条件下でHIST1H2BKに選択的にハイブリダイズする第4のプローブセットの使用を含む。より詳細に以下に開示するように、本願発明者は、かかる方法が正常患者とIBS患者とを区別するために使用可能であることを発見した。
本発明の第3態様の第2の特定の実施形態では、方法は、高ストリンジェンシー条件下でBLCAPに選択的にハイブリダイズする第1のプローブセット、高ストリンジェンシー条件下でTH1Lに選択的にハイブリダイズする第2のプローブセット、高ストリンジェンシー条件下でUBE2G1に選択的にハイブリダイズする第3のプローブセット、および高ストリンジェンシー条件下でHIST1H2BKに選択的にハイブリダイズする第4のプローブセットの使用を含む。より詳細に以下に開示するように、本願発明者は、かかる方法が正常患者とIBS患者とを区別するために使用可能であることを発見した。
本発明の第3態様の第3の特定の実施形態では、方法は、高ストリンジェンシー条件下でRAP1Aに選択的にハイブリダイズする第1のプローブセット、高ストリンジェンシー条件下でBLCAPに選択的にハイブリダイズする第2のプローブセット、高ストリンジェンシー条件下でUBE2G1に選択的にハイブリダイズする第3のプローブセット、および高ストリンジェンシー条件下でGPX1に選択的にハイブリダイズする第4のプローブセットの使用を含む。より詳細に以下に開示するように、本願発明者は、正常患者とIBD患者とを区別するプローブとして、かかる方法が使用可能であることを発見した。
本発明の第3態様の第4の特定の実施形態では、方法は、高ストリンジェンシー条件下でRAP1Aにハイブリダイズする第1のプローブセット、高ストリンジェンシー条件下でBLCAPにハイブリダイズする第2のプローブセット、高ストリンジェンシー条件下でUBE2G1にハイブリダイズする第3のプローブセット、高ストリンジェンシー条件
下でCALM3にハイブリダイズする第4のプローブセット、および高ストリンジェンシー条件下でGPX1にハイブリダイズする第5のプローブセットの使用を含む。より詳細に以下に開示するように、本願発明者は、かかる方法が正常患者とIBD患者とを区別するために使用可能であることを発見した。
本発明の第3態様の第5の特定の実施形態では、方法は、高ストリンジェンシー条件下でRAP1Aに選択的にハイブリダイズする第1のプローブセット、高ストリンジェンシー条件下でBLCAPに選択的にハイブリダイズする第2のプローブセット、高ストリンジェンシー条件下でUBE2G1に選択的にハイブリダイズする第3のプローブセット、高ストリンジェンシー条件下でCALM3に選択的にハイブリダイズする第4のプローブセット、高ストリンジェンシー条件下でGPX1に選択的にハイブリダイズする第5のプローブセット、および高ストリンジェンシー条件下でNONOに選択的にハイブリダイズする第6のプローブセットの使用を含む。より詳細に以下に開示するように、本願発明者は、かかる方法が正常患者とIBD患者とを区別可能であることを発見した。
本発明の第3態様の第6の特定の実施形態では、方法は、高ストリンジェンシー条件下でRAP1Aに選択的にハイブリダイズする第1のプローブセット、高ストリンジェンシー条件下でBLCAPに選択的にハイブリダイズする第2のプローブセット、高ストリンジェンシー条件下でUBE2G1に選択的にハイブリダイズする第3のプローブセット、高ストリンジェンシー条件下でCALM3に選択的にハイブリダイズする、第4のプローブセット、高ストリンジェンシー条件下でGPX1に選択的にハイブリダイズする第5のプローブセット、高ストリンジェンシー条件下でHIST1H2BKに選択的にハイブリダイズする第6のプローブセット、および高ストリンジェンシー条件下でPPP2RR5Aに選択的にハイブリダイズする第7のプローブセットの使用を含む。より詳細に以下に開示するように、本願発明者は、かかる方法がIBD患者から正常患者とIBS患者を区別可能であることを発見した。
本発明の第3態様の第7の特定の実施形態では、方法は、高ストリンジェンシー条件下でRAP1Aに選択的にハイブリダイズする第1のプローブセット、高ストリンジェンシー条件下で選択的にUBE2G1にハイブリダイズする第2のプローブセット、高ストリンジェンシー条件下でCALM3に選択的にハイブリダイズする第3のプローブセット、高ストリンジェンシー条件下でGPX1に選択的にハイブリダイズする第4のプローブセット、高ストリンジェンシー条件下でHIST1H2BK1に選択的にハイブリダイズする第5のプローブセット、および高ストリンジェンシー条件下でPPP2R5Aに選択的にハイブリダイズする第6のプローブセットの使用を含む。より詳細に以下に開示するように、本願発明者は、IBS患者とIBD患者を区別するプローブとして、かかる方法が使用可能であることを発見した。
本発明の第3態様の第8の特定の実施形態では、方法は、高ストリンジェンシー条件下でRAP1Aに選択的にハイブリダイズする第1のプローブセット、高ストリンジェンシー条件下でUBE2G1に選択的にハイブリダイズする第2のプローブセット、高ストリンジェンシー条件下でCALM3に選択的にハイブリダイズする第3のプローブセット、高ストリンジェンシー条件下でGPX1に選択的にハイブリダイズする第4のプローブセット、高ストリンジェンシー条件下でHIST1H2BKに選択的にハイブリダイズする第5のプローブセット、高ストリンジェンシー条件下でPPP2R5Aに選択的にハイブリダイズする第6のプローブセット、および高ストリンジェンシー条件下でBLCAPに選択的にハイブリダイズする第7のプローブセットの使用を含む。より詳細に以下に開示するように、本願発明者は、IBS患者とIBD患者を区別するプローブとして、かかる方法が使用可能であることを発見した。
本発明の第3態様の第9の特定の実施形態では、方法は、高ストリンジェンシー条件下でBLCAPに選択的にハイブリダイズする第1のプローブセット、高ストリンジェンシー条件下でCALM3に選択的にハイブリダイズする第2のプローブセット、高ストリンジェンシー条件下でGPX1に選択的にハイブリダイズする第3のプローブセット、高ストリンジェンシー条件下でTH1Lに選択的にハイブリダイズする第4のプローブセット、高ストリンジェンシー条件下で選択的にRAP1Aにハイブリダイズする第5のプローブセット、および高ストリンジェンシー条件下でNONOに選択的にハイブリダイズする第6のプローブセットの使用を含む。より詳細に以下に開示するように、本願発明者は、IBSとIBDの患者と正常な患者を区別するプローブとして、かかる方法が使用可能であることを発見した。
第4の態様では、本発明はIBDおよびIBSのうちの少なくとも一方を診断する方法であって、
(a)IBDまたはIBSに罹患している疑いのある被験者から得られたmRNA由来の核酸試料を、ハイブリダイズする条件下で、2つ以上のプローブセットと接触させる工程であって、少なくとも第1のプローブセットと第2のプローブセットが、TH1L、HIST1H2AC、TFE3、HIST1H2BK、UBE2G1、NONO、PCBP1、RAP1A、PPP2R5A、PGRMC1、BLCAP、GPX1、HMGB1およびCALM3から成る群から選択された核酸標的に高ストリンジェンシー条件下で選択的にハイブリダイズし、第1のプローブセットと第2のプローブセットは同じ核酸に選択的にハイブリダイズしない工程、
(b)2つ以上のプローブセットと核酸試料中の核酸標的との間のハイブリダイゼーション複合体の形成を検出する工程であって、該ハイブリダイゼーション複合体の数は核酸標的の遺伝子発現の基準を提供する工程、および
(c)被験者がIBDに罹患している可能性があるか、IBSに罹患している可能性があるか、またはいずれにも罹患していないかを前記核酸標的の遺伝子発現に基づいて診断する工程、からなる方法を提供する。
上記に使用されるプライマー対の定義は、本発明のこの態様にも、他のすべての共通の用語にも適用される。また、本発明の他の態様に対する上記に開示した実施形態はすべて、第4の態様にも適する。
上記の方法では、遺伝子発現産物を検出するために、ハイブリダイゼーションの代わりにプライマー対を使用した標的核酸の増幅が使用される。任意の適切な増幅技術を使用することが可能であり、それにはPCR、RT−PCT、qPCR、spPCR等が含まれるが、これらに限定されるわけではない。適切な増幅条件は、教示に本明細書で基づいた特定のプライマー対の設計および他の要因に基づいて当業者により決定することが可能である。種々の実施形態では、2つ以上のプライマー対は少なくとも3−14個のプライマー対を含み、3−14個のプライマー対はいずれも同じ核酸を選択的に増幅しない。
本発明の第4の態様の1つの好ましい実施形態では、少なくとも3、4、または5つのプライマー対が、TH1L、HIST1H2BK、UBE2G1、BLCAPおよびCALM3から成る群から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅する。より詳細に以下に開示するように、そのようなプライマー対を、IBSに罹患している被験者から正常患者を区別する本発明の方法の好ましい実施形態に使用可能である。そのような好ましいプライマー対の例は、表17に提供される核酸の検出可能部分を選択的に増幅するプライマー対である。この実施形態の1つの好ましいバージョンでは、過敏性腸症候群(IBS)を診断する方法は、
(a)IBSに罹患している疑いのある被験者から得られたmRNA由来の核酸試料を、増幅する条件下で、少なくとも3つのプライマー対と接触させる工程であって、第1の
プライマー対、第2のプライマー対および第3のプライマー対は配列番号4(TH1L)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号3(BLCAP)および配列番号6(CALM3)から成る群から選択された異なる核酸標的または相補的配列を選択的に増幅し、各プライマー対中の各プライマーは、その核酸標的の少なくとも15つの連続するヌクレオチドから成る工程、
(b)少なくとも3つのプライマー対による核酸試料中の核酸標的の増幅により生成された増幅産物を検出する工程であって、該増幅産物の数が、核酸標的の遺伝子発現の基準を提供する工程、および
(c)被験者がIBSに罹患している可能性があるか否かを、核酸標的の遺伝子発現の基準に基づいて診断する工程、からなる。この実施形態のさらなるバージョンでは、核酸標的はBLCAP、TH1L、UBE2G1およびHIST1H2BKを含む。別のバージョンでは、被験者は、腹痛、便秘、下痢および排便習慣の変化のうちの1つまたは複数に罹患している。mRNA由来の核酸試料は、末梢血単核球または赤血球を除去した全血から得られてよい。方法はさらに、各核酸標的に対して形成された増幅産物の数に加重値を適用することにより、核酸標的の遺伝子発現を分析する工程を含む。
本発明の第4の態様の別の好ましい実施形態では、少なくとも5または6つのプライマー対が、RAP1A、BLCAP、UBE2G1、GPX1、CALM3およびNONOから成る群から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅する。より詳細に以下に開示するように、かかるプライマー対は、IBDに罹患している被験者から正常患者を区別する本発明の方法の好ましい実施形態に使用可能である。かかる好ましいプライマー対の例は、表18に提供する核酸の検出可能部分を選択的に増幅するプライマー対である。好ましい実施形態では、IBD診断のための方法は、
(a)IBDに罹患している疑いのある被験者から得られたmRNA由来の核酸試料を、増幅条件下で、少なくとも5つのプライマー対と接触させる工程であって、第1のプライマー対、第2のプライマー対、第3のプライマー、第4のプライマー対、および第5のプライマー対の各々は、配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号3(BLCAP)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、および配列番号13(NONO)から成る群から選択された異なる核酸標的またはその相補的配列を選択的に増幅し、各プライマー対中の各プライマーは、その核酸標的の少なくとも15の連続するヌクレオチドから成る工程、
(b)前記少なくとも5つのプライマー対による核酸試料中の核酸標的の増幅により生成された増幅産物を検出する工程であって、該増幅産物の数は核酸標的の遺伝子発現の基準を提供する工程、および
(c)被験者がIBDに罹患している可能性があるか否かを核酸標的の遺伝子発現の基準に基づいて診断する工程、からなる。さらに好ましい実施形態では、核酸標的はRAP1A、BLCAP、UBE2G1、CALM3、GPX1およびNONOを含む。別の実施形態では、被験者は腹痛、便秘、下痢、排便習慣の変化、嘔吐、血便および体重変化のうちの1つまたは複数に罹患している。さらなる実施形態では、mRNA由来の核酸試料は、末梢血単核球または赤血球を除去した全血から得られる。別の実施形態では、方法はさらに、各核酸標的に対して形成された増幅産物の数に加重値を適用することにより、核酸標的の遺伝子発現を分析する工程を含む。
本発明の第4の態様のさらに好ましい実施形態では、少なくとも6または7個のプライマー対は、RAP1A、BLCAP、UBE2G1、CALM3、GPX1、HIST1H2BKおよびPPP2R5Aから成る群から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅する。より詳細に以下に開示するように、かかるプライマー対は、IBDに罹患している被験者からIBSに罹患している被験者を区別する本発明の方法の好ましい実施形態に使用可能である。かかる好ましいプライマー対の例は、表19に提供する核酸の検出可
能部分を選択的に増幅するプライマー対である。1つの好ましいバージョンでは、被験者における炎症性腸疾患(IBD)と過敏性腸症候群(IBS)を区別する方法は、
(a)IBDに罹患している疑いのある被験者から得られたmRNA由来の核酸試料を、増幅条件下で、少なくとも6つのプライマー対と接触させる工程であって、第1のプライマー対、第2のプライマー対、第3のプライマー、第4のプライマー対、第5のプライマー対、および第6のプライマー対の各々は、配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号10(PPP2R5A)および配列番号3(BLCAP)から成る群から選択された異なる核酸標的またはその相補的配列を増幅し、各プライマー対中の各プライマーはその核酸標的の少なくとも15の連続するヌクレオチドから成る工程、
(b)少なくとも6つのプライマー対による核酸試料中の核酸標的の増幅により生成された増幅産物を検出する工程であって、かかる増幅産物の数が、核酸標的の遺伝子発現の基準を提供する工程、および
(c)被験者がIBDまたはIBSに罹患している可能性があるか否かを核酸標的の遺伝子発現の基準に基づいて診断する工程、から成る。好ましい実施形態では、核酸標的はRAP1A、UBE2G1、CALM3、GPX1、HIST1H2BK、PPP2R5AおよびBLCAPを含む。さらなる実施形態では、被験者は腹痛、便秘、下痢、排便習慣の変化、嘔吐、血便および体重変化のうちの1つまたは複数に罹患している。別の実施形態では、mRNA由来の核酸試料は、末梢血単核球または赤血球を除去した全血から得られる。さらなる実施形態では、方法はさらに、各核酸標的に対して形成された増幅産物の数に加重値を適用することにより、核酸標的の遺伝子発現を分析する工程を含む。
本発明の第4の態様の1つの特定の実施形態では、方法は、BLCAPの検出可能部分を選択的に増幅する第1のプライマー対、TH1Lの検出可能部分を選択的に増幅する第2のプライマー対、CALM3の検出可能部分を選択的に増幅する第3のプライマー対、およびHIST1H2BKの検出可能部分を選択的に増幅する第4のプライマー対の使用を含む。より詳細に以下に開示するように、本願発明者は、かかる方法が正常患者とIBS患者とを区別可能であることを発見した。
本発明の第4の態様の第2の特定の実施形態では、方法は、BLCAPの検出可能部分を選択的に増幅する第1のプライマー対、TH1Lの検出可能部分を選択的に増幅する第2のプライマー対、UBE2G1の検出可能部分を選択的に増幅する第3のプライマー対、およびHIST1H2BKの検出可能部分を選択的に増幅する第4のプライマー対の使用を含む。より詳細に以下に開示するように、本願発明者は、かかる方法が正常患者とIBS患者とを区別可能であることを発見した。
本発明の第4の態様の第3の特定の実施形態では、方法は、RAP1Aの検出可能部分を選択的に増幅する第1のプライマー対、BLCAPの検出可能部分を選択的に増幅する第2のプライマー対、UBE2G1の検出可能部分を選択的に増幅する第3のプライマー対、およびGPX1の検出可能部分を選択的に増幅する第4のプライマー対の使用を含む。より詳細に以下に開示するように、本願発明者は、正常患者とIBD患者を区別するプローブとして、かかる方法が使用可能であることを発見した。
本発明の第4の態様の第4の特定の実施形態では、方法は、RAP1Aの検出可能部分を選択的に増幅する第1のプライマー対、BLCAPの検出可能部分を選択的に増幅する第2のプライマー対、UBE2G1の検出可能部分を選択的に増幅する第3のプライマー対、CALM3の検出可能部分を選択的に増幅する第4のプライマー対、およびGPX1の検出可能部分を選択的に増幅する第5のプライマー対の使用を含む。より詳細に以下に開示するように、本願発明者は、かかる方法が正常患者とIBD患者とを区別可能である
ことを発見した。
本発明の第4の態様の第5の特定の実施形態では、方法は、RAP1Aの検出可能部分を選択的に増幅する第1のプライマー対、BLCAPの検出可能部分を選択的に増幅する第2のプライマー対、UBE2G1の検出可能部分を選択的に増幅する第3のプライマー対、CALM3の検出可能部分を選択的に増幅する第4のプライマー対、GPX1の検出可能部分を選択的に増幅する第5のプライマー対、および、NONOの検出可能部分を選択的に増幅する第6のプライマー対の使用を含む。より詳細に以下に開示するように、本願発明者は、かかる方法が正常患者とIBD患者とを区別可能であることを発見した。
本発明の第4の態様の第6の特定の実施形態では、方法は、RAP1Aの検出可能部分を選択的に増幅する第1のプライマー対、BLCAPの検出可能部分を選択的に増幅する第2のプライマー対、UBE2G1の検出可能部分を選択的に増幅する第3のプライマー対、CALM3の検出可能部分を選択的に増幅する第4のプライマー対、GPX1の検出可能部分を選択的に増幅する第5のプライマー対、HIST1H2BKの検出可能部分を選択的に増幅する第6のプライマー対、およびPPP2RR5Aの検出可能部分を選択的に増幅する第7のプライマー対の使用を含む。より詳細に以下に開示するように、本願発明者は、かかる方法がIBD患者から正常患者およびIBS患者を区別可能であることを発見した。
本発明の第4の態様の第7の特定の実施形態では、方法は、RAP1Aの検出可能部分を選択的に増幅する第1のプライマー対、UBE2G1の検出可能部分を選択的に増幅する第2のプライマー対、CALM3の検出可能部分を選択的に増幅する第3のプライマー対、GPX1の検出可能部分を選択的に増幅する第4のプライマー対、HIST1H2BKの検出可能部分を選択的に増幅する第5のプライマー対、および、PPP2R5Aの検出可能部分を選択的に増幅する第6のプライマー対の使用を含む。より詳細に以下に開示するように、本願発明者は、IBS患者とIBD患者を区別するためにかかる方法を使用可能であることを発見した。
本発明の第4の態様の第8の特定の実施形態では、方法は、RAP1Aの検出可能部分を選択的に増幅する第1のプライマー対、UBE2G1の検出可能部分を選択的に増幅する第2のプライマー対、CALM3の検出可能部分を選択的に増幅する第3のプライマー対、GPX1の検出可能部分を選択的に増幅する第4のプライマー対、HIST1H2BKの検出可能部分を選択的に増幅する第5のプライマー対、PPP2R5Aの検出可能部分を選択的に増幅する第6のプライマー対、およびBLCAPの検出可能部分を選択的に増幅する第7のプライマー対の使用を含む。より詳細に以下に開示するように、本願発明者は、IBS患者とIBD患者を区別するプローブとして、かかる方法を使用可能であることを発見した。
本発明の第4の態様の第9の特定の実施形態では、方法は、BLCAPの検出可能部分を選択的に増幅する第1のプライマー対、CALM3の検出可能部分を選択的に増幅する第2のプライマー対、GPX1の検出可能部分を選択的に増幅する第3のプライマー対、TH1Lの検出可能部分を選択的に増幅する第4のプライマー対、RAP1Aの検出可能部分を選択的に増幅する第5のプライマー対、およびNONOの検出可能部分を選択的に増幅する第6のプライマー対の使用を含む。より詳細に以下に開示するように、本願発明者は、正常な患者からIBSおよびIBDの患者を区別するプローブとして、かかる方法を使用可能であることを発見した。
種々の実施形態では、方法はさらに、増幅産物を対照と比較する工程を含んでもよい。
本発明のすべての方法のさらなる実施形態では、方法は自動化され、方法の一部または
全部の工程を行うために適切なソフトウェアが使用される。
さらなる態様では、本発明は、本発明のバイオマーカーおよびプライマー対のセットのうちの少なくとも一方と、その使用のための説明書とを備えたキットを提供する。好ましい実施形態では、ポリヌクレオチドが検出可能に標識され、最も好ましくは、上記に開示されるように、所与のプローブセットまたはプライマー対の各ポリヌクレオチド上の検出可能な標識は同じあり、他のプローブセットまたはプライマー対のポリヌクレオチド上の検出可能な標識とは異なる。さらに好ましい実施形態では、プローブ/プライマー対は溶液の形で提供され、最も好ましくは、本発明の方法に使用されるハイブリダイゼーション緩衝液または増幅緩衝液の形で提供される。さらなる実施形態では、キットは洗浄溶液、プレハイブリダイゼーション溶液、増幅試薬、方法の自動化のためのソフトウェア等もさらに含む。
実施例1
IBS患者、IBD患者および正常患者から採取した全血試料を区別可能な遺伝子発現プロフィールを同定し、従って最小侵襲性の診断検査の基礎を提供するために、本願発明者は、以降で「Burczynskiデータ」と称するクローン病(CD)患者および潰瘍性大腸炎(UC)患者から収集した公衆利用可能なデータを分析するための専用データマイニングプログラムを使用した(Burczynski et al., Molecular Classification of Crohn’s Disease and Ulcerative Colitis Patients Using Transcriptional Profiles in Peripheral Blood Mononuclear Cells, Journal of Molecular Diagnostics 8(1):51-61, February 2006)。
Burczynskiデータは1組の個々の発現レベル特徴から成り、各特徴は一つのマイクロアレイスポットに由来する定量的蛍光シグナルである。Burczynskiら(2006)に記載されているように、信号は、一人の患者に由来する蛍光標識RNAを、単一のDNAに基づくオリゴヌクレオチドマイクロアレイのスポットのすべてにハイブリダイズさせることにより生成した。これらのデータから、本願発明者らは、IBD患者と罹患していない正常対照被験者とを有効に区別する、発現レベル特徴の複数の組から構成された分子署名を同定した。次に、それらのアレイ特徴により表わされる遺伝子の発現レベルを、患者の予め確認された試料にて測定した(下記に述べる「予備的研究」)。Burczynskiの発見データセットは、26人の潰瘍性大腸炎患者、59人のクローン病患者、および42人の正常対照由来のRNAについての127個の別個のAffymetrixマイクロアレイハイブリダイゼーション実験から成るものであった。
本願発明者らは、公衆利用可能なBurczynskiデータを分析するために、上記専用データマイニングプログラムを使用した。本願発明者らは、分析用Burczynskiデータセットに関し、患者をランダムに2つのほぼ等しい群、つまりバイオマーカーセット発見のためのトレーニングセットと、トレーニングセットから発見されたバイオマーカーの評価のための個別の非重複テストセットとに分割した。トレーニングセットは30人のCD患者、13人のUC患者、および21人の正常対照から成った。テストセットは29人のCD患者、13人のUC患者、および21人の正常対照から成った。CD患者とUC患者を「罹患している」として定義し、正常対照を「罹患していない」として定義した。
その後、本願発明者らの専用データマイニングプログラムを使用して、罹患した患者セットと罹患していない患者セットに対する組み合わせの発現レベルデータの遺伝的アルゴリズム検索を行なった。マーカーセットの組み合わせを構成する特徴の数は4で固定した。Burczynskiデータセットは22,283個の発現レベル特徴を含み、そのデータセット中の特徴の4つの組み合わせ数は以下の通りであった:
(!22,283/=(!4*!22,279)10,269,905,646,716,170。
専用データマイニングプログラムを、パラメータの3つの特定のセットを使用して、Burczynskiデータセットに対し3回別個に実行した。(1)第1のパラメータセットは、感度が高い方に(偽陰性を最小限にするように)重み付けされた計算結果を与える追加設定で、上記に定義したトレーニングセットとテストセットを使用した、(2)第2のセットは、特異性が高い方に(偽陽性を最小限にするように)同様に重み付けした、(3)第3のセットは特異性にも感度にも重み付けしないランダムクロス確認(「ブートストラップ」)を使用した。分析された4つの特徴の組み合わせに、罹患群と非罹患群を区別する際の精度を特徴付けるスコアを割り当てた。発現特徴範囲の各組み合わせのスコアは、「完全に正確」の1.00から、「完全に不正確」の0.00までに及ぶ。
感度がより高くなるように重み付けられたセット(セット1)の場合、トレーニングセットの組み合わせスコアが0.995を超えるように、またはテストセットの組み合わせスコアが0.92を超えるように、トップスコアの4つの特徴のセットを得た。特異性がより高くなるように重み付けられたセット(セット2)の場合、トレーニングセットの組み合わせスコアが0.9975を超えるように、またはテストセットの組み合わせスコアが0.92を超えるように、トップスコアの4つの特徴のセットを得た。感度と特異性の間に等しい重み付けを加えたブートストラップ結果(セット3)の場合、トレーニングセットの組み合わせスコアが0.995(つまり約99.5%の精度)を超えるように、トップスコアの4つの特徴のセットを得た。
マーカーセットの有意差を、ランダム反復再ラベリングにより経験的に評価した。患者の罹患状態および非罹患状態をランダムに再度割り当て、次に専用データマイニングプログラムを実行して、ランダムにラベルされたセットに対するトップマーカー溶液を決定した。これを100,000個のマーカーセットを得るよう反復した。ランダムに再ラベリングしたセットでは、トレーニングセットスコアは最大0.927に達した:0.882以下で95%の溶液をスコアリング(経験的p=0.05レベル)、0.893以下で99%の溶液をスコアリング(経験的p=0.01=レベル)。再ラベリングされた溶液のテストセットスコアは最大0.915に達した;0.753以下で95%の溶液をスコアリング(経験的p=0.05レベル)、0.809以下で99%の溶液をスコアリング(経験的p=0.01レベル)。
各々が4つの特徴から構成される合計16のセット(Burczynskiマイクロアレイデータでは、いくつかの遺伝子は1つを超える特徴によって表わされ、いくつかの特徴は1つを超える遺伝子にハイブリダイズする)が閾値の組み合わせを使用して得られた。トレーニングセットのスコアは0.9975を超え、および/かつテストセットのスコアは0.92を超えた。
表2は、IBD患者と罹患していない正常対照被験者とを有効に区別する末梢血単核球の遺伝子発現プロフィールから識別された遺伝子の組み合わせを含んでいる。
14の個々の発現アレイ特徴が16セットを構成する。特徴セットおよびそのメンバーを以下の表3に示す。各特徴は、単一の遺伝子からの転写物の発現レベルを表わし、各特徴に対するヒトゲノム機構(HUGO)遺伝子名が示される。IBD患者における平均発現レベルを正常患者における平均発現レベルで除算することにより計算されるIBDおよび正常群の間の発現の平均倍差も示される。1よりも大きい倍差は、遺伝子が正常患者に比べてIBD患者で高く発現していることを示し、1よりも低い倍差は、遺伝子が正常患者に比べてIBD患者で低く発現していることを示している。「頻度」と名付けた列は、上位16位のマーカーセット中に何回そのマイクロアレイ特徴が出現するかを示している。
遺伝子リスト(表4)は、これらの組み合わせにおける遺伝子の固有のセットの分析(表3)から導いたものである。
分析されたデータセットに関する発見バイオマーカーセットの診断性能の一例を図1に示す。ロジスティク回帰を、患者が罹患した/罹患していない状態で、発見マーカーセットからの4つの特徴の定量的レベルに対して行なった。トレーニングセット患者データを使用して回帰分析を行なった。その後、得られた回帰係数を使用して、テストセット患者における4つの特徴の発現レベルの加重和を計算した。その後、各トレーニングセット患者に対する得られた加重和回帰スコアをプロットした。IBD患者は白抜きの記号であり、正常患者は黒く塗りつぶした記号である。以下のグラフに示す実施例では、約2.75の回帰スコアカットオフ値は、「罹患」の試験結果を40人のIBD患者と、1人の正常患者に割り当てる。「非罹患」の結果は、2人のIBD患者と20人の正常患者に割り当てられる。医学診断法の標準計算に使用すると、これは感度=40/42の=0.952、特異性=20/21=0.952、陽性予測値=40/41=0.976、および陰性予測値=20/22=0.909を与える。
実施例2
98人の正常対照、91人の潰瘍性大腸炎(UC)患者、98人のクローン病患者、98人のIBS患者、および97人の非胃腸炎症性疾患患者から得た合計482個のRBC(赤血球)を除去した全血試料についての以下の研究で、表3に示した上位セットに頻繁に生じる表4に列挙された遺伝子のうちの8を、対照遺伝子としてのアクチンBと共に評価した。試料は米国内の種々の地理的位置の7つの臨床場所から得た。分析では、クローン病とUCの間には区別がなかった。
上位の発見マーカーセット中の14の特徴中の8つの遺伝子のRNA発現レベルを、罹患患者および非罹患対照の予測確認試料のRBC除去全血で定量的リアルタイムPCRにより測定した。追加の9番目の遺伝子を、患者間の内部参照標準として役立てるために測定した。患者の5つのコホートをRNA分析した:
○98人 正常
○98人 クローン病
○91人 潰瘍性大腸炎
○98人 過敏性腸症候群
○97人 非胃腸炎症性疾患
患者の5つのコホートにおけるRNA発現レベルを測定した9つの遺伝子(1つの対照を含む)は以下の通りであった:(ヒトゲノム機構(HUGO)遺伝子命名法委員会名を与える。)
○RAP1A
○BLCAP
○PPP2R5A
○UBE2G1
○GPX1
○TH1−L
○CALM3
○HIST1H2BK
○ACTB(内部参照遺伝子)
すべての患者から全血試料および臨床情報を得た。各IBD患者を認定胃腸科専門医により診断し、IBD診断を内視鏡検査で確認した。各IBS患者はRome I基準を使用して、胃腸科専門医により診断した。プロトコルはすべて施設内治験審査委員会(IRB)に承認されたものであり、インフォームド・コンセントを得、末梢血試料および臨床データはすべての患者から集めた。RNAを単離し、cDNAを合成し、各遺伝子の定量的リアルタイムPCRをApplied Biosystems 73-Real-Time PCT Systemで行なった。発現レベルをCt(サイクルまたは交点閾値)として出力した。各患者の各遺伝子のDeltaCtsを計算し、被験者内参照遺伝子(β−アクチンとも称されるACTB)に対して8つの標識遺伝子の遺伝子発現レベルを標準化した。DeltaCt=Ct[マーカー遺伝子]−Ct[ACTB]。そしてDeltaCtsを診断分類性能の分析に使用した。2A.IBD 対 正常 5つの遺伝子の組み合わせ
バイオマーカー性能の例を図2に示す。図2は、その組み合わせが正常患者とIBD患者間で異なる8つの遺伝子のうちの5つ(RAP1A、BLCAP、UBE2G1、CALM3およびGPX1)の発現レベルに基づくロジスティク回帰スコアのボックスプロットである。IBD 対 正常の組み合わせの分類マトリックスおよび診断精度をグラフの下に、表5a−bに示す。
2B.IBD 対 正常 4つの遺伝子の組み合わせ
最初のロジスティク回帰モデルを、8つの遺伝子すべてに対するデータを使用して構築した。モデルに統計学的に有意に寄与しない遺伝子を除外することにより、モデルをトリミングした。この分析結果は4つの遺伝子のモデルの組み合わせである:RAP1A、BLCAP、UBE2G1およびGPX1。正常試料からIBD試料を区別する際のこのモデルの精度は、この4つの遺伝子の組み合わせの他の性能測定値と共に以下の表6bに示されるように、80.4%である。
2C.正常およびIBS 対 IBD 7つの遺伝子の組み合わせ
バイオマーカー性能の例を図3に示す。図3は、その組み合わせが正常/IBS患者とIBD患者間を区別する8つの遺伝子のうちの7つ(RAP1A、BLCAP、UBE2G1、CALM3、GPX1、HIST1H2BK、およびPPP2R5A)の発現レベルに基づくロジスティク回帰スコアのボックスプロットである。IBD 対 正常/IBSの組み合わせの分類マトリックスおよび診断精度を、グラフの下に表7a−bに示す。
2D.IBS 対 正常 4つの遺伝子の組み合わせ
最初のロジスティク回帰モデルを、8つの遺伝子すべてに対するデータを使用して構築
した。モデルに統計学的に有意に寄与しない遺伝子を除外することにより、モデルをトリミングした。この分析結果は4つの遺伝子のモデルの組み合わせである:BLCAP、TH1L、CALM3およびHIST1H2BK。正常試料からIBS試料を区別する際のこのモデルの精度は84.7%である。
バイオマーカー性能を図4に示す。図4は、その組み合わせが正常患者とIBS患者を区別する8つの遺伝子のうちの4つの発現レベルに基づくロジスティク回帰スコアのボックスプロットである。正常 対 IBSの組み合わせの分類マトリックスおよび診断精度を、グラフの下に表8a−bに示す。
2E.IBD 対 IBS 6つの遺伝子組み合わせ
上記のように、最初のロジスティク回帰モデルを、8つの遺伝子すべてに対するデータを使用して構築した。モデルに統計学的に有意に寄与しない遺伝子を除外することにより、モデルをトリミングした。この分析結果は6つの遺伝子モデルの組み合わせである:RAP1A、UBE2G1、CALM3、GPX1、HISTH2BKおよびPPP2R5A。IBD試料からIBS試料を区別する際のこのモデルの精度は83.0%である。
要約:RT−PCRにより測定されると共にアクチンB発現によって標準化される、IBDと正常対照、IBSからIBD、正常およびIBSからIBD、および正常からIBSを個々に区別するこれらの遺伝子の発現レベルの能力を表10(以下)に示す。各組のコホート間の各遺伝子の発現レベルの有意差のp値を示す。各p値の右には、被験者ペアの一人のΔCtがもう一人に対して高い(または低い)ことを示すために実験値(ΔCt)が「+」(または「−」)として示される(表10の凡例参照)。ΔCtは発現レベルに反比例する。
8つすべての遺伝子が統計的に有意にIBDまたはIBSに関連していることが分かったが、種々のサブグループを区別するには個々の遺伝子は高度に正確ではない。本願発明者らは、8つの遺伝子から選択された遺伝子の組み合わせが臨床的に有用なマーカー精度を可能にし得るか否かを調べた。
データ・サブセットの各々:IBD 対 正常対照、IBS 対 正常対照、IBSおよび正常 対 IBD、およびIBD 対 IBSに対し、本願発明者らはロジスティク回帰を使用して遺伝子組み合わせの精度を評価した。当業者には、遺伝子の特定セットに対する遺伝子発現値のような1セットの測定値が与えられ、IBD試料の群および「正常」試料の群のような特定セットの試料にわたりかかる測定値が与えられると、かかるデータからIBSまたは正常などの試料を分類する「1セットの規則」を導き出す多くの技術があることが理解されるだろう。当業者には、それ自体「データマイニング」のサブフィールドと考えることが可能な「機械学習」のサブフィールドである「教師有り学習」(supervised learning)として知られる知識体系の1つの方法によれば、各遺伝子発現レベ
ルの重み付けを含むアルゴリズムが、ロジスティック回帰分析に続いて起こることが理解されるだろう。教師有り学習はデータからアルゴリズム(または規則)を導き出す技術を包含する。当業者には、標準的な統計学的アプローチと「教師有り学習」アプローチとの間には明瞭な境界がなく、以下に提起する分類式が「教師有り学習」法から導かれるが、
標準統計学的アプローチとも称され得ることが理解するだろう。
上記の実施例におけるボックスプロットは、所与の比較のために最適化された加重値のための各コホート内の個人スコアの分配の目に見える表示である。分類スコアの閾値はすべての場合で0である。IBD 対 正常の場合、IBDは0よりも大きく、正常は0よりも小さい。IBSおよび他のカテゴリが情報として含まれているが、それらは遺伝子発現加重値を決定するのに使用しなかった。同様に、IBD 対 正常およびIBSの場合、IBDは0よりも大きく、正常およびIBSは0よりも小さく、他のカテゴリは加重値を導き出すのに使用しなかった。IBS 対 正常でも同じく、IBSは0よりも大きく、正常は0よりも小さく、IBDおよび他のカテゴリは発現加重値を導き出すためには使用しなかった。したがって、マーカーセット中の個々の遺伝子の発現レベルの特定の上下は、分類子にとって重要であるが、直接常に上昇または常に下降する様式ではない。重要なことは、重み付けされた発現値の合計が、0より大きいか、または0よりも小さいかである。スコアがマーカーセット中の他の遺伝子の発現の適切に重み付けられた変化により「補正」されている場合、特定の遺伝子は、1人の正確に分類された患者では発現が増加し得るが、もう一人の正確に分類された患者では発現が減少し得る。
非限定的な例により、1つの特定の測定では、以下の遺伝子加重値を適用した:
IBS 対 正常
4つの遺伝子 BLCAP、TH1L、CALM3、HIST1H2BK
条件式 If(-16.6856+11.2898(BLCAP)-4.9722(TH1L)-3.7663(CALM3)+2.5060(HIST1H2BK))>0
Then IBS (真の場合)
Else 正常 (偽の場合)
IBS 対 正常の場合、上記の遺伝子加重値と、ゼロの閾値(IBSはゼロより大きく、正常はゼロ以下)とを与えると、BLCAP=2.0、TH1L=1.0、CALM3=1.0およびHIST1H2BK=2.0の発現レベルを有する仮説患者は(-16.6856+11.2898(2.0)-4.9722(1.0)-3.7663(1.0)+2.5060(2.0) = 2.1675の重み付けスコアを有
し、IBSに分類される。
かかる加重値の他の非限定的例は以下の通りである:
IBSおよび正常 対 IBD
7つの遺伝子 RAP1A、BLCAP、UBE2G1、CALM3、GPX1、HIST1H2BK、PPP2R5A:
条件式 If(-.1602+4.487(RAP1A)+2.5746(BLCAP)-2.8938(UBE2G1)+3.8415(CALM3)-2.3682(GPX1)-1.5623(HIST1H2BK)-1.4927(PPP2RR5A))>0
Then IBD (真の場合)
Else IBSまたは正常 (偽の場合)
IBD 対 正常
4つの遺伝子 RAP1A、BLCAP、UBE2G1、GPX1
条件式 If(-10.8729+3.3467(RAP1A)+5.1866(BLCAP)-3.4559(UBE2G1)+3.237(CALM3)-3.225(GPX1))>0
Then IBD (真の場合)
Else 正常 (偽の場合)
IBD 対 正常
5つの遺伝子 RAP1A、BLCAP、UBE2G1、CALM3、GPX1:

式: ( -10.7716 + ΔCt RAP1A*3.2485 + ΔCtBLCAP*5.4360 - ΔCt UBE2G1*3.4723 + ΔCtCALM3*3.3511 - ΔCt GPX1*3.4642)

条件式 If( -10.7716 + ΔCt RAP1A*3.2485 + ΔCtBLCAP*5.4360 - ΔCt UBE2G1*3.4723 + ΔCtCALM3*3.3511 - ΔCt GPX1*3.4642) >0
Then IBD (真の場合)
Else 正常 (偽の場合)
IBS 対 IBD
6つの遺伝子 RAP1A、UBE2G1、CALM3、GPX1、HIST1H2BK、PPP2R5A:
式: ( 16.6895 + ΔCt RAP1A*5.1550 - ΔCt UBE2G1*2.5462 + ΔCtCALM3*4.8674 - ΔCt GPX1*2.3979 - ΔCtHIST1H2BK*2.8183 - ΔCtPPP2R5A*2.9778)

条件式 If 16.6895 + ΔCt RAP1A*5.1550 - ΔCt UBE2G1*2.5462 + ΔCtCALM3*4.8674 - ΔCt GPX1*2.3979 - ΔCtHIST1H2BK*2.8183 - ΔCtPPP2R5A*2.9778> 0.0

Then IBD (真の場合)
Else 正常 (偽の場合)
5つの遺伝子のIBD対正常バイオマーカーを使用したIBD対正常を分類するためのBurczynskiら(2006)のデータのロジスティック回帰分析から導き出された例証的な1つの分類規則は以下の通りである:
条件式
-1.1704 - .2815*RAP1A + 0.7027*BLCAP + 0.3143*UBE2G1 + 0.1089*CALM3 - 0.4782*GPX1 < 0
Then IBD (真の場合)
Else 正常 (偽の場合)
精度96.9%
感度96.5%
特異性97.6%
PPV 98.8%
NPV 93.2%
図5は、その組み合わせがIBDを正常から区別する5つの遺伝子(RAP1A、BLCAP、UBE2G1、CALM3およびGPX1)の発現レベルに基づく回帰スコアのボックスプロットを示す。
上記に開示された加重値は最適な例であり、当業者には明らかなように、加重値は、例えば加重値を生成する異なる分類子の使用またはより精度は低いが特異性の改善を提供し得る修正加重値の使用(またはユーザへの対象の測定の何らかの他の変更)に基づき、幅広く変わり得る。
実施例3
98人の正常対照、91人の潰瘍性大腸炎患者(UC)、98人のクローン病患者、98人のIBS患者、および97人の非胃腸炎症性疾患患者から得た合計482個のRBC
(赤血球)を除去した全血試料についての以下の研究で、表3に示される上位セットに頻繁に生じる表4に列挙された遺伝子のうちの10個を、対照遺伝子としてのアクチンBと共に評価した。試料は米国内の種々の地理的位置の7つの臨床場所から得た。分析では、クローン病とUCの間には区別がなかった。
上位の発見マーカーセット中の15の特徴中の10個の遺伝子のRNA発現レベルを、罹患患者および非罹患対照の予測確認試料のRBC除去全血で定量的リアルタイムPCRにより測定した。追加の11番目の遺伝子を、患者間の内部参照標準として役立てるために測定した。患者の5つのコホートをRNA分析した:
○98人 正常
○98人 クローン病
○91人 潰瘍性大腸炎
○98人 過敏性腸症候群
○97人 非胃腸炎症性疾患
患者の5つのコホートにおけるRNA発現レベルを測定した11つの遺伝子(1つの対照を含む)は以下の通りであった:(ヒトゲノム機構(HUGO)遺伝子命名法委員会名を与える。)
○RAP1A
○BLCAP
○PPP2R5A
○UBE2G1
○GPX1
○TH1−L
○CALM3
○HIST1H2BK
○NONO
○HMGB1
○ACTB(内部参照遺伝子)
すべての患者から全血試料および臨床情報を得た。各IBD患者を認定胃腸科専門医により診断し、IBD診断を内視鏡検査で確認した。各IBS患者はRome I基準を使用して、胃腸科専門医により診断した。プロトコルはすべて施設内治験審査委員会(IRB)に承認されたものであり、インフォームド・コンセントを得、末梢血試料および臨床データはすべての患者から集めた。全RNAを単離し、cDNAを合成し、各遺伝子の定量的リアルタイムPCRをApplied Biosystems 73-Real-Time PCT Systemで行なうことにより、末梢全血試料(単核の濃縮は無し)から実験データを得た。発現レベルをCt(サイクルまたは交点閾値)として出力した。各患者の各遺伝子のDeltaCtsを計算し、被験者内参照遺伝子(β−アクチンとも称されるACTB)に対して10個の標識遺伝子の遺伝子発現レベルを標準化した。DeltaCt=Ct[マーカー遺伝子]−Ct[ACTB]。そしてDeltaCtsを診断分類性能の分析に使用した。
3A.IBD 対 正常(6つの遺伝子)
IBDまたは正常として患者を分類するための最適スコアリングアルゴリズムを、10個の試験した遺伝子のうちの6つ(RAP1A、BLCAP、UBE2G1、CALM3、GPX1、NONO)に基づいて導出した。このバイオマーカーの分類マトリックスおよび診断性能測定値をそれぞれ表11aおよび11bにそれぞれ与える。
IBD(rule-out(疾患でない)シナリオ)の調整された25%の検査前確率のNPVは95%である。IBD(rule-in(疾患である)シナリオ)の調整された75%の検査
前確率のPPVは91%である。
3B.IBS 対 正常(4つの遺伝子)
IBSまたは正常として患者を分類するための最適なスコアリングアルゴリズムを、10個の試験した遺伝子のうちの4つ(BLCAP、UBE2G1、TH1L、HIST1H2BK)に基づいて導出した。臨床診断とテスト結果による患者の分類を表12aに与える。分類の診断性能を表12bに要約する。
IBS(rule-out(疾患でない)シナリオ)の調整された25%の検査前確率のNPVは96%である。IBS(rule-in(疾患である)シナリオ)の調整された75%の検査
前確率のPPVは93%である。
3C.IBS 対 IBD(7つの遺伝子)
IBSまたはIBDとして患者を分類するための最適なスコアリングアルゴリズムを、10個の試験した遺伝子のうちの7つ(RAP1A、UBE2G1、CALM3、GPX1、HIST1H2BK、PPP2R5A、BLCAP)に基づいて導出した。臨床診断とテスト結果による患者の分類を表13aに与える。分類の診断性能を表13bに要約する。
IBD(rule-in(疾患である)IBDシナリオ)の調整された75%の検査前確率の
PPVは90.9%である。IBD(rule-out(疾患でない)IBDシナリオ)の調整された25%の検査前確率のNPVは95.1%である。
3D.(IBX 対 正常)
IBSまたはIBDのいずれか 対 正常として患者を分類用するための最適なスコアリングアルゴリズムを、正常、10個の試験した遺伝子のうちの6つ(6つの遺伝子BLCAP、CALM3、GPX1、TH1L、RAP1A、NONO IBX 対 正常)に基づいて導出した。
臨床診断とテスト結果による患者の分類を表14aに与える。分類の診断性能を表14bに要約する。
3E.バイオマーカー中の遺伝子の生物学の共有
実施例3の10個のバイオマーカー遺伝子候補の発現レベルを、個々の患者の標本について測定し、患者内の参照遺伝子に対して標準化した。
IBD対正常およびIBS対正常としての患者の分類の最適なスコアリングアルゴリズムを、かかる予備的研究の患者において測定した10個の遺伝子の発現レベルを別々に使用して導き出した。各テストおよび各セット性能に対する最適な遺伝子セットを表15に示す。分類結果は、それぞれ23.0および28.3のオッズ比を有し、いずれもp値は<2×10-16であった。2つの遺伝子が両方の診断マーカーセットに共通していた。比
較のための診断手段として識別された遺伝子は、IBD患者とIBS患者間の重複を明らかにする。非常統計学的に有意なこのバイオマーカーの重複は、2つの疾病状態の間の生物学の共有を示唆している。2つの遺伝子が共通していることは、遺伝子が原因となる役割を有しているか、遺伝子が共通の反応機構の一部であることを示している可能性がある。
要約:RT−PCRによって測定し、かつアクチンB発現により標準化したこれらの10個の遺伝子の発現レベルが、IBDと正常対照、IBSからIBD、正常患者からIBS、および正常患者からIBSおよびIBDを区別する能力を表16(以下)に示す。被験者対間の各遺伝子の発現レベルの有意差のp値を示す。各p値の右には、被験者ペアの一人のΔCtがもう一人に対して高い(または低い)ことを示すために実験値(ΔCt)が「+」(または「−」)として示される(表16の凡例参照)。ΔCtは発現レベルに反比例する。
8個すべての遺伝子が統計的に有意にIBDまたはIBSに関連していることが分かっ
たが、種々のサブグループを区別するには個々の遺伝子は高度に正確ではない。本願発明者らは、10個の遺伝子から選択された遺伝子の組み合わせが臨床的に有用なマーカー精度を可能にし得るか否かを調べた。
データ・サブセットの各々:IBD対正常対照、IBS対正常対照、IBD対IBD、ならびにIBDおよびIBS対正常に対し、本願発明者らはロジスティク回帰を使用して遺伝子組み合わせの精度を評価した。当業者には、遺伝子の特定セットに対する遺伝子発現値のような1セットの測定値を与えられ、IBD試料の群および「正常」試料の群のような特定セットの試料にわたりかかる測定値を与えられると、かかるデータからIBSまたは正常などの試料を分類する「1セットの規則」を導き出す多くの技術があることが理解されるだろう。当業者には、それ自体「データマイニング」のサブフィールドと考えることが可能な「機械学習」のサブフィールドである「教師有り学習」として知られる知識体系の1つの方法によれば、各遺伝子発現レベルの重み付けを含むアルゴリズムが、ロジスティック回帰分析に続いて起こることが理解されるだろう。教師有り学習はデータからアルゴリズム(または規則)を導き出す技術を包含する。当業者には、標準的な統計学的アプローチと「教師有り学習」アプローチとの間には明瞭な境界がなく、以下に提起する分類式が「教師有り学習」法から導かれるが、標準統計学的アプローチとも称され得ることが理解するだろう。
分類スコアの閾値はすべての場合で0である。IBD 対 正常の場合、IBDは0よりも大きく、正常は0よりも小さい。IBSおよび他のカテゴリが情報として含まれているが、それらは遺伝子発現加重値を決定するのに使用しなかった。同様に、IBS 対 正常の場合、IBSは0よりも大きく、正常は0よりも小さく、他のカテゴリは加重値を導き出すのに使用しなかった。IBD 対 IBSの場合、IBDは0よりも大きく、IBSは0よりも小さく、正常および他のカテゴリは発現加重値を導き出すためには使用しなかった。最後に、IBDおよびIBS 対 正常の場合、ゼロより大きいスコアはIBDまたはIBSを示し、ゼロより小さいスコアは正常を示し、他のカテゴリは加重値を導き出すためには使用しなかった。したがって、マーカーセット中の個々の遺伝子の発現レベルの特定の上下は、分類子にとって重要であるが、直接常に上昇または常に下降する様式ではない。より重要なことは、重み付けされた発現値の合計が、0より大きいか、または0よりも小さいかである。スコアがマーカーセット中の他の遺伝子の発現の適切に重み付けられた変化により「補正」されている場合、特定の遺伝子は、1人の正確に分類された患者では発現が増加し得るが、もう一人の正確に分類された患者では発現が減少し得る。
以下の例証的な遺伝子加重値を適用した:
IBD 対 正常
6つの遺伝子 RAP1A、BLCAP、UBE2G1、CALM3、GPX1、NONO:
IBD診断指標:= (-16.5312 + 4.7721[dCt BLCAP ] - 3.3249[dCt \*stocktickerGPX1 ] + 3.6521[dCt RAP1A] - 3.0221[dCt UBE2G1] + 3.0669[ dCt \*stocktickerCALM3] + 0.8405[ dCt NONO] )
条件式 If (-16.5312 + 4.7721[dCt BLCAP ] - 3.3249[dCt \*stocktickerGPX1 ] + 3.6521[dCt RAP1A] - 3.0221[dCt UBE2G1] + 3.0669[ dCt \*stocktickerCALM3] + 0.8405[ dCt NONO] ) >0
Then IBD (真の場合)
Else 正常 (偽の場合)
IBS 対 正常
4つの遺伝子 BLCAP、TH1L、UBE2G1、HIST1H2BK:
式:== -22.1323 + 5.4337 [dCtBLCAP] + 3.3187[dCtUBE2G1] - 4.1747 [dCtTH1L ] +
1.6902[dCtHIST1H2BK]
条件式 [-22.1323 + 5.4337 [dCtBLCAP] + 3.3187[dCtUBE2G1] - 4.1747 [dCtTH1L ] + 1.6902[dCtHIST1H2BK] >0
Then IBS (真の場合)
Else 正常 (偽の場合)
IBD 対 IBS
7つの遺伝子 RAP1A、UBE2G1、CALM3、GPX1、HIST1H2BK、PPP2R5A、BLCAP:
式:( 17.6564 + ΔCtRAP1A*5.7988 - ΔCtUBE2G1*5.6479 + ΔCtCALM3*3.4257 - ΔCt GPX1*2.5535 - ΔCtHIST1H2BK*2.1366 - ΔCtPPP2R5A*2.4503 + ΔCt BLCAP*3.0325)
条件式 IF ( 17.6564 + ΔCtRAP1A*5.7988 - ΔCtUBE2G1*5.6479 + ΔCtCALM3*3.4257 -
ΔCt GPX1*2.5535 - ΔCtHIST1H2BK*2.1366 - ΔCtPPP2R5A*2.4503 + ΔCt BLCAP*3.0325)>0
Then IBD (真の場合)
Else IBS (偽の場合)
IBX 対 正常
6つの遺伝子 BLCAP、CALM3、GPX1、TH1L、RAP1A、NONO:
式:(-13.5528 + ΔCtBLCAP*4.9346 + ΔCtCALM3*2.8244 - ΔCtGPX1*1.8043 - ΔCtTH1L*2.8452 + ΔCtRAP1A*1.2203 + ΔCtNONO*1.04)
条件式 IF (-13.5528 + ΔCtBLCAP*4.9346 + ΔCtCALM3*2.8244 - ΔCtGPX1*1.8043 -
ΔCtTH1L*2.8452 + ΔCtRAP1A*1.2203 + ΔCtNONO*1.04)>0
Then IBDまたはIBS (真の場合)
Else 正常 (偽の場合)
本願発明者らは、その組み合わせが正常患者とIBS患者間を区別する、上記に試験した5つの遺伝子(BLCAP、TH1L、CALM3、HIST1H2BKおよびUBE2G1)のうちの3つの組み合わせの発現レベルに基づくバイオマーカー性能を続いて分析した(実施例2Dおよび3B)。IBS 対 正常の組み合わせの分類マトリックスおよび診断精度を、例証的な遺伝子加重値と共に、表17に示す。
本願発明者らは、その組み合わせが正常患者とIBD患者間を区別する、上記に試験した6つの遺伝子(RAP1A、BLCAP、UBE2G1、CALM3、GPX1およびNONO)のうちの5つの組み合わせの発現レベルに基づくバイオマーカー性能を続いて分析した(実施例2A、2Bおよび3A)。IBD 対 正常の組み合わせの分類マトリックスおよび診断精度を、例証的な遺伝子加重値と共に、表18に示す。
上記に教示した5つの遺伝子 IBD 対 正常の組み合わせ(RAP1A、BLCAP、UBE2G1、CALM3およびGPX1、実施例2A)のための方程式および加重値は、表18に列挙した最初の組み合わせと同一である。セットRAP1A、BLCAP、UBE2G1、CALM3およびGPX1に対する表5aおよび5bの性能測定値は、追加の患者が表18のデータに含まれていたためわずかに異なる:表5aは280人の患者からの結果を要約し、表18は287人の患者からの結果を要約している。
本願発明者らは、その組み合わせがIBS患者とIBD患者間を区別する、上記に試験した7つの遺伝子(RAP1A、UBE2G1、CALM3、GPX1、HIST1H2BK1、PPP2R5AおよびBLCAP)のうちの6つの組み合わせの発現レベルに基づくバイオマーカー性能を続いて分析した(実施例2Eおよび3C)。IBS 対 IBDの組み合わせの分類マトリックスおよび診断精度を、例証的な遺伝子加重値と共に、表19に示す。

Claims (92)

  1. 2〜35個の異なる核酸プローブセットから成るバイオマーカーであって、
    (a)配列番号4(TH1L)、配列番号11(HIST1H2AC)、配列番号12(TFE3)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号13(NONO)、配列番号14(PCBP1)、配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号10(PPP2R5A)、配列番号15(PGRMC1)、配列番号3(BLCAP)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号16(HMGB1)および配列番号6(CALM3)から成る群から選択された核酸に高ストリンジェンシー条件下で選択的にハイブリダイズする第1のプローブセット、および
    (b)配列番号4(TH1L)、配列番号11(HIST1H2AC)、配列番号12(TFE3)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号13(NONO)、配列番号14(PCBP1)、配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号10(PPP2R5A)、配列番号15(PGRMC1)、配列番号3(BLCAP)、組配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号16(HMGB1)および配列番号6(CALM3)から成る群から選択された核酸に高ストリンジェンシー条件で選択的にハイブリダイズする第2のプローブセット、を備え、
    第1のプローブセットと第2のプローブセットは同じ核酸に選択的にハイブリダイズしないバイオマーカー。
  2. TH1L、HIST1H2AC、TFE3、HIST1H2BK、UBE2G1、NONO、PCBP1、RAP1A、PPP2R5A、PGRMC1、BLCAP、GPX1、HMGB1、およびCALM3から成る群から選択された核酸に高ストリンジェンシー条件下で選択的にハイブリダイズする第3のプローブセットを備え、
    第1のプローブセット、第2のプローブセットおよび第3のプローブセットはいずれも、同じ核酸に選択的にハイブリダイズしない請求項1に記載のバイオマーカー。
  3. TH1L、HIST1H2AC、TFE3、HIST1H2BK、UBE2G1、NONO、PCBP1、RAP1A、PPP2R5A、PGRMC1、BLCAP、GPX1、HMGB1、およびCALM3から成る群から選択された核酸に高ストリンジェンシー条件下で選択的にハイブリダイズする第4のプローブセットを備え、
    第1のプローブセット、第2のプローブセット、第3のプローブセット、および第4のプローブセットはいずれも、同じ核酸に選択的にハイブリダイズしない請求項2に記載のバイオマーカー。
  4. TH1L、HIST1H2AC、TFE3、HIST1H2BK、UBE2G1、NONO、PCBP1、RAP1A、PPP2R5A、PGRMC1、BLCAP、GPX1、HMGB1およびCALM3から成る群から選択された核酸に高ストリンジェンシー条件下で選択的にハイブリダイズする第5のプローブセットを備え、
    第1のプローブセット、第2のプローブセット、第3のプローブセット、第4のプローブセットおよび第5のプローブセットはいずれも、同じ核酸に選択的にハイブリダイズしない請求項3のバイオマーカー。
  5. TH1L、HIST1H2AC、TFE3、HIST1H2BK、UBE2G1、NONO、PCBP1、RAP1A、PPP2R5A、PGRMC1、BLCAP、GPX1、HMGB1およびCALM3から成る群から選択された核酸に高ストリンジェンシー条件下で選択的にハイブリダイズする第6のプローブセットを備え、
    第1のプローブセット、第2のプローブセット、第3のプローブセット、第4のプローブ
    セット、第5のプローブセット、および第6のプローブセットはいずれも、同じ核酸に選択的にハイブリダイズしない請求項4のバイオマーカー。
  6. TH1L、HIST1H2AC、TFE3、HIST1H2BK、UBE2G1、NONO、PCBP1、RAP1A、PPP2R5A、PGRMC1、BLCAP、GPX1、HMGB1およびCALM3から成る群から選択された核酸に高ストリンジェンシー条件下で選択的にハイブリダイズする第7のプローブセットを備え、
    第1のプローブセット、第2のプローブセット、第3のプローブセット、第4のプローブセット、第5のプローブセット、第6のプローブセットおよび第7のプローブセットはいずれも、同じ核酸に選択的にハイブリダイズしない。請求項5のバイオマーカー。
  7. プローブセットは、TH1L、HIST1H2BK、UBE2G1、BLCAPおよびCALM3から成る群から選択された核酸に高ストリンジェンシー条件下で選択的にハイブリダイズする請求項2−4のうちのいずれか1項に記載のバイオマーカー。
  8. 第1のプローブセットは高ストリンジェンシー条件下でBLCAPへ選択的にハイブリダイズし、第2のプローブセットは高ストリンジェンシー条件下でTH1Lへ選択的にハイブリダイズし、第3のプローブセットは高ストリンジェンシー条件下でUBE2G1へ選択的にハイブリダイズし、第4のプローブセットは高ストリンジェンシー条件下でHIST1H2BKへ選択的にハイブリダイズする請求項3に記載のバイオマーカー。
  9. プローブセットは、RAP1A、BLCAP、UBE2G1、GPX1、CALM3およびNONOから成る群から選択された核酸に高ストリンジェンシー条件下で選択的にハイブリダイズする請求項4または5のバイオマーカー。
  10. 第1のプローブセットは高ストリンジェンシー条件下でRAP1Aへ選択的にハイブリダイズし、第2のプローブセットは高ストリンジェンシー条件下でBLCAPへ選択的にハイブリダイズし、第3のプローブセットは高ストリンジェンシー条件下でUBE2G1へ選択的にハイブリダイズし、第4のプローブセットは高ストリンジェンシー条件下でCALM3へ選択的にハイブリダイズし、第5のプローブセットは高ストリンジェンシー条件下でGPX1へ選択的にハイブリダイズし、第6のプローブセットはNONOに選択的にハイブリダイズする請求項5のバイオマーカー。
  11. 前記プローブセットは、高ストリンジェンシー条件下で、RAP1A、BLCAP、UBE2G1、CALM3、GPX1、HIST1H2BKおよびPPP2R5Aから成る群から選択された核酸に選択的にハイブリダイズする請求項5または6のバイオマーカー。
  12. 第1のプローブセットは高ストリンジェンシー条件下でRAP1Aへ選択的にハイブリダイズし、第2のプローブセットは高ストリンジェンシー条件下でBLCAPへ選択的にハイブリダイズし、第3のプローブセットは高ストリンジェンシー条件下でUBE2G1へ選択的にハイブリダイズし、第4のプローブセットは高ストリンジェンシー条件下でCALM3へ選択的にハイブリダイズし、第5のプローブセットは高ストリンジェンシー条件下でGPX1へ選択的にハイブリダイズし、第6のプローブセットは高ストリンジェンシー条件下でHIST1H2BKへ選択的にハイブリダイズし、第7のプローブセットは高ストリンジェンシー条件下でPPP2RR5Aへ選択的にハイブリダイズする請求項6に記載のバイオマーカー。
  13. バイオマーカーであって、
    (a)TH1L、HIST1H2AC、TFE3、HIST1H2BK、UBE2G1
    、NONO、PCBP1、RAP1A、PPP2R5A、PGRMC1、BLCAP、GPX1、HMGB1およびCALM3から成る群から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅することが可能な第1のプライマー対と、
    (b)TH1L、HIST1H2AC、TFE3、HIST1H2BK、UBE2G1、NONO、PCBP1、RAP1A、PPP2R5A、PGRMC1、BLCAP、GPX1、HMGB1およびCALM3から成る群から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅することが可能な第2のプライマー対と、を備え、
    第1のプライマー対と第2のプライマー対は同じ核酸を選択的に増幅しないバイオマーカー。
  14. TH1L、HIST1H2AC、TFE3、HIST1H2BK、UBE2G1、NONO、PCBP1、RAP1A、PPP2R5A、PGRMC1、BLCAP、GPX1、HMGB1およびCALM3から成る群から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅することが可能な第3のプライマー対をさらに備え、
    第1のプライマー対、第2のプライマー対および第3のプライマー対はいずれも、同じ核酸を選択的に増幅しない請求項13に記載のバイオマーカー。
  15. TH1L、HIST1H2AC、TFE3、HIST1H2BK、UBE2G1、NONO、PCBP1、RAP1A、PPP2R5A、PGRMC1、BLCAP、GPX1、HMGB1およびCALM3から成る群から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅することが可能な第4のプライマー対をさらに備え、
    第1のプライマー対、第2のプライマー対、第3のプライマー対および第4のプライマー対はいずれも、同じ核酸を選択的に増幅しない請求項14に記載のバイオマーカー。
  16. TH1L、HIST1H2AC、TFE3、HIST1H2BK、UBE2G1、NONO、PCBP1、RAP1A、PPP2R5A、PGRMC1、BLCAP、GPX1、HMGB1およびCALM3から成る群から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅することが可能な第5のプライマー対をさらに備え、
    第1のプライマー対、第2のプライマー対、第3のプライマー対、第4のプライマー対、および第5のプライマー対はいずれも、同じ核酸を選択的に増幅しない請求項15に記載のバイオマーカー。
  17. TH1L、HIST1H2AC、TFE3、HIST1H2BK、UBE2G1、NONO、PCBP1、RAP1A、PPP2R5A、PGRMC1、BLCAP、GPX1、HMGB1およびCALM3から成る群から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅することが可能な第6のプライマー対をさらに備え、
    第1のプライマー対、第2のプライマー対、第3のプライマー対、第4のプライマー対、第5のプライマー対および第6のプライマー対はいずれも、同じ核酸を選択的に増幅しない請求項16に記載のバイオマーカー。
  18. TH1L、HIST1H2AC、TFE3、HIST1H2BK、UBE2G1、NONO、PCBP1、RAP1A、PPP2R5A、PGRMC1、BLCAP、GPX1、HMGB1およびCALM3から成る群から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅することが可能な第7のプライマー対をさらに備え、
    第1のプライマー対、第2のプライマー対、第3のプライマー対、第4のプライマー対、第5のプライマー対、第6のプライマー対、および第7のプライマー対はいずれも、同じ核酸を選択的に増幅しない請求項17に記載のバイオマーカー。
  19. 前記プライマー対は、TH1L、HIST1H2BK、UBE2G1、BLCAPおよびCALM3から成る群から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅する請求項1
    4−16のいずれか一項に記載のバイオマーカー。
  20. 第1のプライマー対はBLCAPの検出可能部分を選択的に増幅し、第2のプライマー対はTH1Lの検出可能部分を選択的に増幅し、第3のプライマー対はUBE2G1の検出可能部分を選択的に増幅し、第4のプライマー対はHIST1H2BKの検出可能部分を選択的に増幅する請求項15に記載のバイオマーカー。
  21. 前記プライマー対が、RAP1A、BLCAP、UBE2G1、GPX1、CALM3およびNONOから成る群から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅する請求項16−17のいずれか一項に記載のバイオマーカー。
  22. 第1のプライマー対はRAP1Aの検出可能部分を選択的に増幅し、第2のプライマー対はBLCAPの検出可能部分を選択的に増幅し、第3のプライマー対はUBE2G1の検出可能部分を選択的に増幅し、第4のプライマー対はCALM3の検出可能部分を選択的に増幅し、第5のプライマー対はGPX1の検出可能部分を選択的に増幅し、第6のプライマー対はNONOの検出可能部分を選択的に増幅する請求項17に記載のバイオマーカー。
  23. プライマー対が、RAP1A、BLCAP、UBE2G1、CALM3、GPX1、HIST1H2BKおよびPPP2R5Aから成る群から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅する請求項17−18のいずれか一項に記載のバイオマーカー。
  24. 前記プライマー対はRAP1Aの検出可能部分を選択的に増幅し、第2のプライマー対はBLCAPの検出可能部分を選択的に増幅し、第3のプローブセットのプライマー対はUBE2G1の検出可能部分を選択的に増幅し、第4のプライマー対はCALM3の検出可能部分を選択的に増幅し、第5のプライマー対はGPX1の検出可能部分を選択的に増幅し、第6のプライマー対はHIST1H2BKの検出可能部分を選択的に増幅する。第7のプライマー対はPPP2RR5Aの検出可能部分を選択的に増幅する請求項18に記載のバイオマーカー。
  25. IBDおよびIBSのうちの少なくとも一方を診断する方法であって、
    (a)IBDまたはIBSに罹患している疑いのある被験者から得られたmRNA由来の核酸試料を、ハイブリダイズする条件下で、2つ以上のプローブセットと接触させる工程であって、少なくとも第1のプローブセットと第2のプローブセットが、TH1L、HIST1H2AC、TFE3、HIST1H2BK、UBE2G1、NONO、PCBP1、RAP1A、PPP2R5A、PGRMC1、BLCAP、GPX1、HMGB1およびCALM3から成る群から選択された核酸標的に高ストリンジェンシー条件下で選択的にハイブリダイズし、第1のプローブセットと第2のプローブセットは同じ核酸に選択的にハイブリダイズしない工程、
    (b)2つ以上のプローブセットと核酸試料中の核酸標的との間のハイブリダイゼーション複合体の形成を検出する工程であって、該ハイブリダイゼーション複合体の数は核酸標的の遺伝子発現の基準を提供する工程、および
    (c)被験者がIBDに罹患している可能性があるか、IBSに罹患している可能性があるか、またはいずれにも罹患していないかを前記核酸標的の遺伝子発現に基づいて診断する工程、からなる方法。
  26. 2つ以上のプローブセットは少なくとも3つのプローブセットを含み、第1のプローブセット、第2のプローブセットおよび第3のプローブセットはいずれも、同じ核酸に選択的にハイブリダイズしない請求項25に記載に記載の方法。
  27. 前記2つ以上のプローブセットは少なくとも4つのプローブセットを含み、第1のプローブセット、第2のプローブセット、第3のプローブセットおよび第4のプローブセットはいずれも、同じ核酸に選択的にハイブリダイズしない請求項26に記載に記載の方法。
  28. 前記2つ以上のプローブセットは少なくとも5つのプローブセットを含み、第1のプローブセット、第2のプローブセット、第3のプローブセット、第4のプローブセットおよび第5のプローブセットはいずれも、同じ核酸に選択的にハイブリダイズしない請求項27に記載に記載の方法。
  29. 前記2つ以上のプローブセットは少なくとも6つのプローブセットを含み、第1のプローブセット、第2のプローブセット、第3のプローブセット、第4のプローブセット、第5のプローブセットおよび第6のプローブセットはいずれも、同じ核酸に選択的にハイブリダイズしない請求項28に記載に記載の方法。
  30. 前記2つ以上のプローブセットは少なくとも7つのプローブセットを含み、第1のプローブセット、第2のプローブセット、第3のプローブセット、第4のプローブセット、第5のプローブセット、第6のプローブセットおよび第7のプローブセットはいずれも、同じ核酸に選択的にハイブリダイズしない請求項29に記載に記載の方法。
  31. 前記プローブセットは、TH1L、HIST1H2BK、UBE2G1、BLCAPおよびCALM3から成る群から選択された核酸に高ストリンジェンシー条件下で選択的にハイブリダイズし、前記方法は正常患者とIBSに罹患している被験者とを区別する請求項26−28のいずれか一項に記載の方法。
  32. 第1のプローブセットは高ストリンジェンシー条件下でBLCAPへ選択的にハイブリダイズし、第2のプローブセットは高ストリンジェンシー条件下でTH1Lへ選択的にハイブリダイズし、第3のプローブセットは高ストリンジェンシー条件下でUBE2G1へ選択的にハイブリダイズし、第4のプローブセットは高ストリンジェンシー条件下でHIST1H2BKへ選択的にハイブリダイズし、前記方法は正常患者とIBSに罹患している被験者とを区別する請求項27に記載に記載の方法。
  33. 前記プローブセットは、RAP1A、BLCAP、UBE2G1、GPX1、CALM3およびNONOから成る群から選択された核酸に高ストリンジェンシー条件下で選択的にハイブリダイズし、前記方法は正常患者とIBDに罹患している被験者とを区別する請求項28または29に記載に記載の方法。
  34. 第1のプローブセットは高ストリンジェンシー条件下でRAP1Aへ選択的にハイブリダイズし、第2のプローブセットは高ストリンジェンシー条件下でBLCAPへ選択的にハイブリダイズし、第3のプローブセットは高ストリンジェンシー条件下でUBE2G1へ選択的にハイブリダイズし、第4のプローブセットは高ストリンジェンシー条件下でCALM3へ選択的にハイブリダイズし、第5のプローブセットは高ストリンジェンシー条件下でGPX1へ選択的にハイブリダイズし、第6のプローブセットは高ストリンジェンシー条件下でNONOへ選択的にハイブリダイズし、前記方法は正常患者とIBDに罹患している被験者とを区別する請求項29に記載に記載の方法。
  35. 前記プローブセットは、RAP1A、BLCAP、UBE2G1、CALM3、GPX1、HIST1H2BKおよびPPP2R5Aから成る群から選択された核酸に高ストリンジェンシー条件下で選択的にハイブリダイズし、前記方法はIBSに罹患している被験者とIBDに罹患している被験者とを区別する請求項28または29に記載に記載の方法。
  36. 第1のプローブセットは高ストリンジェンシー条件下でRAP1Aへ選択的にハイブリダイズし、第2のプローブセットは高ストリンジェンシー条件下でBLCAPへ選択的にハイブリダイズし、第3のプローブセットは高ストリンジェンシー条件下でUBE2G1へ選択的にハイブリダイズし、第4のプローブセットは高ストリンジェンシー条件下でCALM3へ選択的にハイブリダイズし、第5のプローブセットは高ストリンジェンシー条件下でGPX1へ選択的にハイブリダイズし、第6のプローブセットは高ストリンジェンシー条件下でHIST1H2BKへ選択的にハイブリダイズし、第7のプローブセットは高ストリンジェンシー条件下でPPP2RR5Aへ選択的にハイブリダイズする請求項29に記載に記載の方法。
  37. IBDおよびIBSのうちの少なくとも一方を診断する方法であって、
    (a)IBDまたはIBSに罹患している疑いのある被験者から得られたmRNA由来の核酸試料を、ハイブリダイズする条件下で、2つ以上のプローブセットと接触させる工程であって、少なくとも第1のプローブセットと第2のプローブセットが、TH1L、HIST1H2AC、TFE3、HIST1H2BK、UBE2G1、NONO、PCBP1、RAP1A、PPP2R5A、PGRMC1、BLCAP、GPX1、HMGB1およびCALM3から成る群から選択された核酸標的の検出可能部分を選択的に増幅することが可能であり、第1のプライマー対と第2のプライマー対は同じ核酸を選択的に増幅しない工程、
    (b)2つ以上のプライマー対による核酸試料中の核酸標的の増幅により生成された増幅産物を検出する工程であって、かかる増幅産物は核酸標的の遺伝子発現の基準を提供する工程、および
    (c)被験者がIBDに罹患している可能性があるか、IBSに罹患している可能性があるか、またはいずれにも罹患していないかを前記核酸標的の遺伝子発現に基づいて診断する工程、からなる方法。
  38. 2つ以上のプライマー対は少なくとも3つのプライマー対を含み、第1のプライマー対、第2のプライマー対および第3のプライマー対はいずれも、同じ核酸を選択的に増幅しない請求項36に記載に記載の方法。
  39. 2つ以上のプライマー対は少なくとも4つのプライマー対を含み、第1のプライマー対、第2のプライマー対、第3のプライマー対および第4のプライマー対はいずれも、同じ核酸を選択的に増幅しない請求項37に記載に記載の方法。
  40. 2つ以上のプライマー対は少なくとも5つのプライマー対を含み、第1のプライマー対、第2のプライマー対、第3のプライマー対、第4のプライマー対および第5のプライマー対はいずれも、同じ核酸を選択的に増幅しない請求項38に記載に記載の方法。
  41. 2つ以上のプライマー対は少なくとも6つのプライマー対を含み、第1のプライマー対、第2のプライマー対、第3のプライマー対、第4のプライマー対、第5のプライマー対および第6のプライマー対はいずれも、同じ核酸を選択的に増幅しない請求項39に記載に記載の方法。
  42. 2つ以上のプライマー対は少なくとも7つのプライマー対を含み、第1のプライマー対、第2のプライマー対、第3のプライマー対、第4のプライマー対、第5のプライマー対、第6のプライマー対および第7のプライマー対はいずれも、同じ核酸を選択的に増幅しない請求項40に記載に記載の方法。
  43. 前記プライマー対が、TH1L、HIST1H2BK、UBE2G1、BLCAPおよ
    びCALM3から成る群から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅し、方法は、正常患者とIBSに罹患している被験者とを区別する請求項37−39のいずれか一項に記載の方法。
  44. 第1のプライマー対が、BLCAPの検出可能部分を選択的に増幅し、第2のプライマー対が、TH1Lの検出可能部分を選択的に増幅し、第3のプライマー対が、UBE2G1の検出可能部分を選択的に増幅し、第4のプライマー対が、HIST1H2BKの検出可能部分を選択的に増幅する請求項38に記載に記載の方法。
  45. 前記プライマー対が、RAP1A、BLCAP、UBE2G1、GPX1、CALM3およびNONOから成る群から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅し、前記方法は正常患者とIBDに罹患している被験者とを区別する請求項39または40に記載に記載の方法。
  46. 第1のプライマー対は、RAP1Aの検出可能部分を選択的に増幅し、第2のプライマー対はBLCAPの検出可能部分を選択的に増幅し、第3のプライマー対はUBE2G1の検出可能部分を選択的に増幅し、第4のプライマー対はCALM3の検出可能部分を選択的に増幅し、第5のプライマー対はGPX1の検出可能部分を選択的に増幅し、第6のプライマー対はNONOの検出可能部分を選択的に増幅する請求項40に記載に記載の方法。
  47. 前記プライマー対は、RAP1A、BLCAP、UBE2G1、CALM3、GPX1、HIST1H2BKおよびPPP2R5Aから成る群から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅し、前記方法はIBSに罹患している被験者とIBDに罹患している被験者とを区別する請求項40または41に記載に記載の方法。
  48. 前記プライマー対は、RAP1Aの検出可能部分を選択的に増幅し、第2のプライマー対はBLCAPの検出可能部分を選択的に増幅し、第3のプライマー対はUBE2G1の検出可能部分を選択的に増幅し、第4のプライマー対はCALM3の検出可能部分を選択的に増幅し、第5のプライマー対はGPX1の検出可能部分を選択的に増幅し、第6のプライマー対はHIST1H2BKの検出可能部分を選択的に増幅し、第7のプライマー対はPPP2RR5Aの検出可能部分を選択的に増幅する請求項41に記載に記載の方法。
  49. 被験者がIBDに罹患している可能性があるか、IBSに罹患している可能性があるか、またはいずれにも罹患していないかを核酸標的の増幅に基づいて診断する工程は、各核酸標的に対して形成されたハイブリダイゼーション複合体の数に加重値を適用することにより、核酸標的の遺伝子発現を分析することを含む請求項25−35のいずれか一項に記載の方法。
  50. 被験者がIBDに罹患している可能性があるか、IBSに罹患している可能性があるか、またはいずれにも罹患していないかを核酸標的の増幅に基づいて診断する工程は、各核酸標的に対して形成された増幅産物の数に加重値を適用することにより、増幅産物を分析することを含む。請求項36−47のいずれか一項に記載の方法。
  51. 3〜35個の異なる核酸プローブセットから成るバイオマーカーであって、
    (a)配列番号4(TH1L)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号3(BLCAP)および配列番号6(CALM3)から成る群から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成る第1のプローブセット、
    (b)配列番号4(TH1L)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号5(U
    BE2G1)、配列番号3(BLCAP)および配列番号6(CALM3)から成る群から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成る第2のプローブセット、および
    (c)配列番号4(TH1L)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号3(BLCAP)および配列番号6(CALM3)から成る群から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成る第3のプローブセット、を備え、
    前記3〜35個の異なるプローブセットの各々は、他のプローブセットのmRNAとは異なる単一mRNAまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のプローブセットから成り、該異なるプローブセットの各々は任意選択で検出できるように標識されているバイオマーカー。
  52. 第1のプローブセットはBLCAPまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成り、第2のプローブセットはTH1Lまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成り、第3のプローブセットはUBE2G1またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成り、第4のプローブセットはHIST1H2BKの15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成る請求項50に記載のバイオマーカー。
  53. 3〜35個の異なる核酸プローブセットから成るバイオマーカーであって、
    (a)配列番号4(TH1L)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号3(BLCAP)および配列番号6(CALM3)から成る群から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅することが可能な第1のプライマー対であって、第1のプライマー対中の各プライマーは、配列番号4(TH1L)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号3(BLCAP)および配列番号6(CALM3)から成る群から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る第1のプライマー対、
    (b)配列番号4(TH1L)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号3(BLCAP)および配列番号6(CALM3)から成る群から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅することが可能な第2のプライマー対であって、第2のプライマー対中の各プライマーは、配列番号4(TH1L)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号3(BLCAP)および配列番号6(CALM3)から成る群から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る第2のプライマー対、および
    (c)配列番号4(TH1L)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号3(BLCAP)および配列番号6(CALM3)から成る群から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅することが可能な第3のプライマー対であって、第3のプライマー対中の各プライマーは、配列番号4(TH1L)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号3(BLCAP)および配列番号6(CALM3)から成る群から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る第3のプライマー対、を備え、
    前記3〜35個の異なるプライマー対の各々は、他のプローブセットのmRNAとは異なる単一mRNAまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のプライマー対からなり、該異なるプライマー対の各々は任意選択で検出できるように標識されているバイオマーカー。
  54. 第1のプライマー対中の各プライマーは、BLCAPまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成り、第2のプライマー対中の各プライマーは、TH1Lまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成り、第3のプライマー
    対中の各プライマーは、UBE2G1またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成り、第4のプライマー対中の各プライマーは、HIST1H2BKまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る請求項52に記載のバイオマーカー。
  55. 過敏性腸症候群(IBS)を診断する方法であって、
    (a)IBSに罹患している疑いのある被験者から得られたmRNA由来の核酸試料を、ハイブリダイズする条件下で、少なくとも3つのヌクレオチドプローブと接触させる工程であって、第1のヌクレオチドプローブ、第2のヌクレオチドプローブおよび第3のヌクレオチドプローブの各々は、配列番号4(TH1L)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号3(BLCAP)および配列番号6(CALM3)から成る群から選択された核酸標的またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成り、第1のヌクレオチドプローブ、第2のヌクレオチドプローブおよび第3のヌクレオチドプローブの各々は、異なる核酸標的の15以上の連続するヌクレオチドから成る工程、
    (b)プローブと核酸試料中の核酸標的との間のハイブリダイゼーション複合体の形成を検出する工程であって、該ハイブリダイゼーション複合体の数は核酸標的の遺伝子発現の基準を提供する工程、および
    (c)被験者がIBSに罹患している可能性があるか否かを前記核酸標的の遺伝子発現の基準に基づいて診断する工程、からなる方法。
  56. 前記核酸標的はBLCAP、TH1L、UBE2G1およびHIST1H2BKを含む請求項54に記載に記載の方法。
  57. 前記被験者は、腹痛、便秘、下痢および排便習慣の変化のうちの1つまたは複数に罹患している請求項54または55に記載に記載の方法。
  58. mRNA由来の核酸試料は、末梢血単核球または赤血球を除去した全血から得られる請求項54−56のいずれか一項に記載の方法。
  59. 各核酸標的に対して形成されたハイブリダイゼーション複合体の数に加重値を適用することにより、核酸標的の遺伝子発現を分析することをさらに含む請求項54−57のいずれか一項に記載の方法。
  60. 過敏性腸症候群(IBS)を診断する方法であって、
    (a)IBSに罹患している疑いのある被験者から得られたmRNA由来の核酸試料を、増幅条件下で、少なくとも3つのプライマー対と接触させる工程であって、第1のプライマー対、第2のプライマー対および第3のプライマー対は配列番号4(TH1L)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号3(BLCAP)および配列番号6(CALM3)から成る群から選択された異なる核酸標的またはその完全相補配列を選択的に増幅し、各プライマー対中の各プライマーは、その核酸標的の少なくとも15の連続するヌクレオチドから成る工程、
    (b)少なくとも3つのプライマー対による核酸試料中の核酸標的の増幅により生成された増幅産物を検出する工程であって、かかる増幅産物は核酸標的の遺伝子発現の基準を提供する工程、および
    (c)被験者がIBDに罹患している可能性があるか否かを前記核酸標的の遺伝子発現の基準に基づいて診断する工程、からなる方法。
  61. 前記核酸標的はBLCAP、TH1L、UBE2G1およびHIST1H2BKを含む請求項59に記載に記載の方法。
  62. 前記被験者は、腹痛、便秘、下痢および排便習慣の変化のうちの1つまたは複数に罹患している請求項59または60に記載に記載の方法。
  63. mRNA由来の核酸試料は、末梢血単核球または赤血球を除去した全血から得られる請求項59−61のいずれか一項に記載の方法。
  64. 各核酸標的に対して形成された増幅産物の数に加重値を適用することにより、核酸標的の遺伝子発現を分析することをさらに含む請求項59−62のいずれか一項に記載の方法。
  65. 5〜35個の異なる核酸プローブセットから成るバイオマーカーであって、
    (a)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号3(BLCAP)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)および配列番号13(NONO)から成る群から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成る第1のプローブセット、
    (b)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号3(BLCAP)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、および配列番号13(NONO)から成る群から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成る第2のプローブセット、
    (c)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号3(BLCAP)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、および配列番号13(NONO)から成る群から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成る第3のプローブセット、
    (d)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号3(BLCAP)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、および配列番号13(NONO)から成る群から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成る第4のプローブセット、および
    (e)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号3(BLCAP)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、および配列番号13(NONO)から成る群から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成る第5のプローブセット、を備え、
    前記5〜35個の異なるプローブセットの各々は、他のプローブセットのmRNAとは異なる単一mRNAまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のプローブセットから成り、該異なるプローブセットの各々は任意選択で検出できるように標識されているバイオマーカー。
  66. 第1のプローブセットはRAP1Aまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のヌクレオチドプローブであり、第2のプローブセットはBLCAPまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のヌクレオチドプローブであり、第3のプローブセットはUBE2G1またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のヌクレオチドプローブであり、第4のプローブセットはCALM3またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のヌクレオチドプローブであり、第5のプローブセットはGPX1またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のヌクレ
    オチドプローブであり、第6のプローブセットはNONOまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成る請求項64に記載のバイオマーカー。
  67. 5〜35個の異なる核酸プライマー対から成るバイオマーカーであって、該核酸プライマー対は、
    (a)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号3(BLCAP)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、および配列番号13(NONO)から成る群から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅することが可能な第1のプライマー対であって、第1のプライマー対中の各プライマーは、配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号3(BLCAP)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、および配列番号13(NONO)から成る群から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る第1のプライマー対、
    (b)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号3(BLCAP)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、および配列番号13(NONO)から成る群から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅することが可能な第2のプライマー対であって、第2のプライマー対中の各プライマーは、配列番号4(TH1L)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号3(BLCAP)および配列番号6(CALM3)から成る群から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る第2のプライマー対、
    (c)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号3(BLCAP)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、および配列番号13(NONO)から成る群から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅することが可能な第3のプライマー対であって、第3のプライマー対中の各プライマーは、配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号3(BLCAP)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、および配列番号13(NONO)から成る群から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る第3のプライマー対、
    (d)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号3(BLCAP)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、および配列番号13(NONO)から成る群から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅することが可能な第4のプライマー対であって、第4のプライマー対中の各プライマーは、配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号3(BLCAP)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1、)および配列番号13(NONO)から成る群から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る第4のプライマー対、および
    (e)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号3(BLCAP)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、および配列番号13(NONO)から成る群から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅することが可能な第5のプライマー対であって、第5のプライマー対中の各プライマーは、配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号3(BLCAP)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、および配列番号13(NONO)から成る群から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る第5のプライマー対、を備え、
    前記5〜35個の異なるプライマー対の各々は、他のプローブセットのmRNAとは異なる単一mRNAまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のプライマー対からなり、該異なるプライマー対の各々は任意選択で検出できるように標識されているバイオマーカー。
  68. 第1のプライマー対中の各プライマーは、RAP1Aまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成り、第2のプライマー対中の各プライマーは、BLCAPまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成り、第3のプライマー対中の各プライマーは、UBE2G1またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成り、第4のプライマー対中の各プライマーは、CALM3またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成り、第5のプライマー対中の各プライマーは、GPX1またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成り、第6のプライマー対中の各プライマーは、NONOまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る請求項66に記載のバイオマーカー。
  69. 炎症性腸疾患(IBD)を診断する方法であって、
    (a)IBDに罹患している疑いのある被験者から得られたmRNA由来の核酸試料を、ハイブリダイズする条件下で、少なくとも5つのヌクレオチドプローブと接触させる工程であって、第1のヌクレオチドプローブ、第2のヌクレオチドプローブ、第3のヌクレオチドプローブ、第4のヌクレオチドプローブおよび第5のヌクレオチドプローブの各々は、配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号3(BLCAP)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、および配列番号13(NONO)から成る群から選択された核酸標的またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成り、第1、第2、第3、第4、および第5のヌクレオチドプローブの各々は、異なる核酸標的の15以上の連続するヌクレオチドから成る工程、
    (b)ヌクレオチドプローブと核酸試料中の核酸標的との間のハイブリダイゼーション複合体の形成を検出する工程であって、該ハイブリダイゼーション複合体の数は核酸標的の遺伝子発現の基準を提供する工程、および
    (c)被験者がIBDに罹患している可能性があるか否かを前記核酸標的の遺伝子発現の基準に基づいて診断する工程、からなる方法。
  70. 前記核酸標的はRAP1A、BLCAP、UBE2G1、CALM3、GPX1およびNONOを含む請求項68に記載に記載の方法。
  71. 前記被験者は、腹痛、便秘、下痢、排便習慣の変化、嘔吐、血便および体重変化のうちの1つまたは複数に罹患している請求項68または69に記載に記載の方法。
  72. mRNA由来の核酸試料は、末梢血単核球または赤血球を除去した全血から得られる請求項68−70のいずれか一項に記載の方法。
  73. 各核酸標的に対して形成されたハイブリダイゼーション複合体の数に加重値を適用することにより、核酸標的の遺伝子発現を分析することをさらに含む請求項68−71のいずれか一項に記載の方法。
  74. 炎症性腸疾患(IBD)を診断する方法であって、
    (a)IBDに罹患している疑いのある被験者から得られたmRNA由来の核酸試料を、増幅条件下で、少なくとも5つのプライマー対と接触させる工程であって、第1のプライマー対、第2のプライマー対、第3のプライマー、第4のプライマー対および第5のプライマー対の各々は、配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列
    番号3(BLCAP)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、および配列番号13(NONO)から成る群から選択された異なる核酸標的または完全相補配列を選択的に増幅し、各プライマー対中の各プライマーはその核酸標的の少なくとも15の連続するヌクレオチドから成る工程、
    (b)少なくとも5つのプライマー対による核酸試料中の核酸標的の増幅により生成された増幅産物を検出する工程であって、かかる増幅産物の数は核酸標的の遺伝子発現の基準を提供する工程、および
    (c)被験者がIBDに罹患している可能性があるか否かを核酸標的の遺伝子発現の基準に基づいて診断する工程、からなる方法。
  75. 前記核酸標的はRAP1A、BLCAP、UBE2G1、CALM3、GPX1およびNONOを含む請求項73に記載に記載の方法。
  76. 前記被験者は腹痛、便秘、下痢、排便習慣の変化、嘔吐、血便および体重変化のうちの1つまたは複数に罹患している請求項73または74に記載に記載の方法。
  77. mRNA由来の核酸試料は、末梢血単核球または赤血球を除去した全血から得られる請求項73−75のいずれか一項に記載の方法。
  78. 各核酸標的に対して形成された増幅産物の数に加重値を適用することにより、核酸標的の遺伝子発現を分析することをさらに含む請求項73−76のいずれか一項に記載の方法。
  79. 6〜35個の異なる核酸プローブセットから成るバイオマーカーであって、
    (a)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号10(PPP2R5A)および配列番号3(BLCAP)から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成る第1のプローブセット、
    (b)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号10(PPP2R5A)および配列番号3(BLCAP)から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成る第2のプローブセット、
    (c)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号10(PPP2R5A)および配列番号3(BLCAP)から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成る第3のプローブセット、
    (d)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号10(PPP2R5A)および配列番号3(BLCAP)から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成る第4のプローブセット、
    (e)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号5(UB
    E2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号10(PPP2R5A)および配列番号3(BLCAP)から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成る第5のプローブセット、および
    (f)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号10(PPP2R5A)および配列番号3(BLCAP)から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る1つまたは複数のヌクレオチドプローブから成る第6のプローブセット、を備え、
    6〜35個の異なるプローブセットの各々は、他のプローブセットのmRNAとは異なる単一mRNAまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のプローブセットから成り、該異なるプローブセットの各々は任意選択で検出できるように標識されているバイオマーカー。
  80. 第1のプローブセットはRAP1Aまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のヌクレオチドプローブであり、第2のプローブセットはUBE2G1またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のヌクレオチドプローブであり、第3のプローブセットはCALM3またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のヌクレオチドプローブであり、第4のプローブセットはGPX1またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のヌクレオチドプローブであり、第5のプローブセットはHIST1H2BKまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のヌクレオチドプローブであり、第6のプローブセットはPPP2R5Aまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のヌクレオチドプローブであり、第7のプローブセットはBLCAPまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のヌクレオチドプローブである請求項78に記載のバイオマーカー。
  81. 6〜35個の異なる核酸プライマー対から成るバイオマーカーであって、該核酸プライマー対は、
    (a)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号10(PPP2R5A)および配列番号3(BLCAP)から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅することが可能な第1のプライマー対であって、第1のプライマー対中の各プライマーは、配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号10(PPP2R5A)および配列番号3(BLCAP)から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る第1のプライマー対、
    (b)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号10(PPP2R5A)および配列番号3(BLCAP)から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅することが可能な第2のプライマー対であって、第2のプライマー対中の各プライマーは、配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号10(PPP2R5A)および配列番号3(
    BLCAP)から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る第2のプライマー対、
    (c)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号10(PPP2R5A)および配列番号3(BLCAP)から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅することが可能な第3のプライマー対であって、第3のプライマー対中の各プライマーは、配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号10(PPP2R5A)および配列番号3(BLCAP)から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る第3のプライマー対、
    (d)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号10(PPP2R5A)および配列番号3(BLCAP)から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅することが可能な第4のプライマー対であって、第4のプライマー対中の各プライマーは、配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号10(PPP2R5A)および配列番号3(BLCAP)から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る第4のプライマー対、
    (e)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号10(PPP2R5A)および配列番号3(BLCAP)から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅することが可能な第5のプライマー対であって、第5のプライマー対中の各プライマーは、配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号10(PPP2R5A)および配列番号3(BLCAP)から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る第5のプライマー対、および
    (f)配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号10(PPP2R5A)および配列番号3(BLCAP)から選択された核酸の検出可能部分を選択的に増幅することが可能な第6のプライマー対であって、第6のプライマー対中の各プライマーは、配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号10(PPP2R5A)および配列番号3(BLCAP)から選択された核酸またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る第6のプライマー対、を備え、
    前記6〜35個の異なるプライマー対の各々は、他のプローブセットのmRNAとは異なる単一mRNAまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドの1つまたは複数のプライマー対からなり、該異なるプライマー対の各々は任意選択で検出できるように標識されているバイオマーカー。
  82. 第1のプライマー対中の各プライマーは、RAP1Aまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成り、第2のプライマー対中の各プライマーは、UBE2G1またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成り、第3のプライ
    マー対中の各プライマーは、CALM3またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成り、第4のプライマー対中の各プライマーは、GPX1またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成り、第5のプライマー対中の各プライマーは、HIST1H2BKまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成り、第6のプライマー対中の各プライマーは、PPP2R5Aまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成り、第7のプライマー対中の各プライマーは、BLCAPまたはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成る請求項80に記載のバイオマーカー。
  83. 被験者における炎症性腸疾患(IBD)と過敏性腸症候群(IBS)を区別する方法であって、
    (a)IBDに罹患している疑いのある被験者から得られたmRNA由来の核酸試料を、ハイブリダイズする条件下で、少なくとも6つのヌクレオチドプローブと接触させる工程であって、第1のヌクレオチドプローブ、第2のヌクレオチドプローブ、第3のヌクレオチドプローブ、第4のヌクレオチドプローブ、第5のヌクレオチドプローブおよび第6のヌクレオチドプローブの各々は、配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号10(PPP2R5A)および配列番号3(BLCAP)から成る群から選択された核酸標的またはその完全相補配列の15以上の連続するヌクレオチドから成り、第1、第2、第3、第4、第5、および第6のヌクレオチドプローブの各々は異なる核酸標的の15以上の連続するヌクレオチドから成る工程、
    (b)核酸試料のヌクレオチドプローブと核酸標的の間のハイブリダイゼーション複合体の形成を検出する工程であって、該ハイブリダイゼーション複合体の数は核酸標的の遺伝子発現の基準を提供する工程、および
    (c)被験者がIBDまたはIBSに罹患している可能性があるか否かを前記核酸標的の遺伝子発現の基準に基づいて診断する工程、からなる方法。
  84. 前記核酸標的はRAP1A、UBE2G1、CALM3、GPX1、HIST1H2BK、PPP2R5AおよびBLCAPを含む請求項82に記載に記載の方法。
  85. 前記被験者は、腹痛、便秘、下痢、排便習慣の変化、嘔吐、血便および体重変化のうちの1つまたは複数に罹患している請求項82または83に記載に記載の方法。
  86. mRNA由来の核酸試料は、末梢血単核球または赤血球を除去した全血から得られる請求項82−84のいずれか一項に記載の方法。
  87. 各核酸標的に対して形成されたハイブリダイゼーション複合体の数に加重値を適用することにより、核酸標的の遺伝子発現を分析することをさらに含む請求項82−85のいずれか一項に記載の方法。
  88. 被験者における炎症性腸疾患(IBD)と過敏性腸症候群(IBS)を区別する方法であって、
    (a)IBDに罹患している疑いのある被験者から得られたmRNA由来の核酸試料を、増幅条件下で、少なくとも6つのプライマー対と接触させる工程であって、第1のプライマー対、第2のプライマー対、第3のプライマー、第4のプライマー対、第5のプライマー対、および第6のプライマー対の各々は、配列番号1および2のうちの少なくとも一方(RAP1A)、配列番号5(UBE2G1)、配列番号6(CALM3)、配列番号7および8のうちの少なくとも一方(GPX1)、配列番号9(HIST1H2BK)、配列番号10(PPP2R5A)配列番号3(BLCAP)から成る群から選択された異
    なる核酸標的またはその完全相補配列を選択的に増幅し、各プライマー対中の各プライマーは、その核酸標的の少なくとも15の連続するヌクレオチドから成る工程、
    (b)少なくとも6つのプライマー対による核酸試料中の核酸標的の増幅により生成された増幅産物を検出する工程であって、かかる増幅産物の数は核酸標的の遺伝子発現の基準を提供する工程、および
    (c)被験者がIBDまたはIBSに罹患している可能性があるか否かを前記核酸標的の遺伝子発現の基準に基づいて診断する工程、からなる方法。
  89. 前記核酸標的はRAP1A、UBE2G1、CALM3、GPX1、HIST1H2BK、PPP2R5AおよびBLCAPを含む請求項87に記載に記載の方法。
  90. 前記被験者は、腹痛、便秘、下痢、排便習慣の変化、嘔吐、血便および体重変化のうちの1つまたは複数に罹患している請求項87または88に記載に記載の方法。
  91. mRNA由来の核酸試料は、末梢血単核球または赤血球を除去した全血から得られる請求項87−89のいずれか一項に記載の方法。
  92. 各核酸標的に対して形成された増幅産物の数に加重値を適用することにより、核酸標的の遺伝子発現を分析する工程をさらに含む請求項87−90のいずれか一項に記載の方法。
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