JP2011513274A - モルホリニルアントラサイクリン誘導体および脱メチル化剤を含む、抗腫瘍性組合せ - Google Patents
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Abstract
本発明では、モルホリニルアントラサイクリン誘導体、特にメトキシモルホリノドキソルビシン誘導体または薬学的に許容されるこの塩および脱メチル化剤の、抗腫瘍作用を有する組合せが提供される。また、前記組合せの、転移の治療または予防、腫瘍の治療における使用、ならびにそのようなメトキシモルホリノドキソルビシン誘導体に耐性な細胞における耐性を解消するための使用も提供される。
Description
本発明は、癌治療の分野に関し、モルホリニルアントラサイクリン誘導体および脱メチル化剤を含み、良好な抗腫瘍作用を有する抗腫瘍性組合せを提供する。
モルホリニルアントラサイクリンは、抗腫瘍療法に有用な細胞毒性薬として、当技術分野で知られている。
癌は、ヒトにおける死亡の主な原因の一つであり、手術、放射線および化学療法は、癌と闘う有用な手段である。特に、2種以上の薬を併用または共用することにより癌を治療するように設計された併用化学療法は、癌などの腫瘍性疾患治療に対して十分に受け入れられている治療モダリティである。癌に罹っている患者に投与されるよりいっそう活性で安全な抗腫瘍性組合せを選択するために、幾つもの努力が行われており、いまだに試みられている。単独で使用した時の個々の薬剤の毒性を減少させるために、2種以上の異なる抗腫瘍薬を組み合わせて既知の抗腫瘍化合物を投与することによる同じ化合物の抗腫瘍効果の増加は、ある症例では、組合せがいずれの薬物を単独で使用した場合よりも大きな効果を有するという理由もあり、抗癌療法の分野において、必要性が強く意識されていることである。
米国特許第4,672,057号は、ネモルビシンと命名されたモルホリニルアントラサイクリン誘導体、薬学的に許容されるこの塩、調製方法、医薬組成物および医学的用途を開示および特許請求している。塩酸ネモルビシンの結晶形態は、WO2008006720(Nerviano Medical Sciences Srl)に開示および特許請求されている。
特に、ネモルビシンは肝癌の治療における治療選択肢を代表し、ネモルビシンの投与法は、WO00/15203およびWO04/75904(Nerviano Medical Sciences Srl)に記載および特許請求されている。
WO04/082579およびWO00/066093(Nerviano Medical Sciences Sri)は、モルホリニルアントラサイクリン誘導体と放射線療法との併用、アルキル化剤、代謝拮抗剤、トポイソメラーゼIもしくはトポイソメラーゼII阻害剤または白金誘導体などの別の抗癌剤との併用に関している。
本発明は、モルホリニルアントラサイクリン誘導体または薬学的に許容される塩を、脱メチル化剤と組み合せ、良好な抗腫瘍作用を有する投与を提供することで、向上した癌治療の必要を満たす。
本発明では、モルホリニルアントラサイクリン誘導体と、増殖性障害、とりわけ癌の治療に特に適する既知の医薬品との新規な組合せが提供される。より具体的には、本発明の組合せは、抗腫瘍薬として治療に大変有用であり、毒性および副作用に関して、現在利用可能な抗腫瘍薬に伴う欠点がない。その上、この組合せは、ネモルビシンに耐性な腫瘍の治療にも有用である。
したがって、本発明の目的は、式(I)
別の態様では、薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤と混合した本発明による組合せを含む医薬組成物が提供される。
さらなる態様は、増殖性疾患を治療するまたは耐性を解消するための、本発明による組合せに関する。その上さらなる態様は、上記に規定したモルホリニルアントラサイクリンおよび脱メチル化剤を含み、増殖性障害を治療するまたは耐性を解消するために、同時、逐次または別々に使用する組合せ調製物としての医薬品に関する。
別の態様は、増殖性障害を治療するまたは耐性を解消するための、医薬の調製における上記規定のモルホリニルアントラサイクリンおよび脱メチル化剤の使用に関する。
別の態様は、増殖性障害の治療方法に関し、前記方法には、上記規定のモルホリニルアントラサイクリンおよび脱メチル化剤を、同時、逐次または別々に対象に投与することが含まれる。
その上さらなる態様は、増殖性障害を治療するまたは耐性を解消するための、医薬の調製における上記規定のモルホリニルアントラサイクリンの使用に関し、前記治療には、上記規定のモルホリニルアントラサイクリンおよび脱メチル化剤を、同時、逐次または別々に投与することが含まれる。
本明細書において、他に指定しない限り、式(I)を有するモルホリニルアントラサイクリン誘導体は、ネモルビシン、化学名では、(8S−シス,2”S)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6,8,11−トリヒドロキシ−8−(ヒドロキシアセチル)−1−メトキシ−10−{[2,3,6−トリデオキシ−3−(2−メトキシ−4−モルホリニル)−α−L−リキソ−ヘキソピラノシル]オキシ}−5,12−ナフタセンジオンおよび3’デスアミノ−3’[2(S)メトキシ−4−モルホリニル]ドキソルビシンである。
3’デスアミノ−3’[2(S)メトキシ−4−モルホリニル]ドキソルビシンとしても知られるネモルビシンは、古典的なアントラサイクリンとは異なるドキソルビシン(DX)の誘導体であり、糖鎖の3’位における−NH2のメトキシモルホリニル基との置換で得られる。
本明細書で用いる場合、用語「ネモルビシン」には、他に指定しない限り式(I)のモルホリニルアントラサイクリン誘導体およびこの薬学的に許容される塩が含まれる。
用語「薬学的に許容される塩」は、親化合物の生物学的有効性および性質を保持している塩を示す。このような塩としては、塩酸、臭化水素酸、硝酸、リン酸、硫酸および過塩素酸などの無機酸または酢酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸などの有機酸と、親化合物の遊離塩基の反応により得られる酸付加塩が挙げられる。
好ましくは、ネモルビシンはこの塩酸塩の形態である。
驚くべきことに、式(I)のモルホリニルアントラサイクリン誘導体の抗腫瘍作用は、脱メチル化剤と組み合わせて投与する場合に、非常に促進されることが今やわかった。
組合せ投与の効果は、各々の薬物を単一の薬剤として投与することで得られる作用に対して、ネモルビシンに感受性および耐性の両細胞において有意に増大する(相乗および相加作用)。
第1の態様において、本発明では、式(I)を有するモルホリニルアントラサイクリン誘導体および脱メチル化剤を含む組合せが提供される。本発明に従って、脱メチル化剤は、好ましくは、5’アザ−シチジン、5−アザ−2’−デオキシシチジン(デシタビン)、ゼブラリン[1−(β−D−リボフラノシル(ジヒドロ−ピリミジン−2−1)]、L−メチオニン、例えばバルプロ酸またはトリコスタチンAなどのヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)の阻害剤、アピシジン、ヒドララジン、プロカインアミド(プロネスチル)、DNAメチル基転移酵素メッセンジャーRNAに対して向けられたアンチセンスオリゴヌクレオチド、ならびにこれらの混合物およびこれらの誘導体から成る群から選択される。
本発明で使用される脱メチル化剤は、好ましくは、以下の、デシタビン、ゼブラリン、バルプロ酸、トリコスタチンA、アピシジン、DNAメチル基転移酵素メッセンジャーRNAに対して向けられたアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
用語「薬学的有効量」は、研究者または臨床医により求められている、組織、系、動物もしくはヒトの生物学的または医学的反応を誘発する薬物または医薬品の量を意味するものとする。この量は、治療有効量になり得る。
用語「治療有効な」は、併用療法で使用する各薬剤の量を限定することが意図され、この併用量が、各薬剤の単独による治療に対する疾病重症度および発症頻度の改善および/または代替療法に通常伴う有害副作用の改善という目標を達成する。
本発明による組合せ調製物は、癌の治療に有用である。好ましくは、本発明の主題の方法および組成物は、良性、転移性および悪性腫瘍を含む腫瘍疾患の治療に使用され、また、末端黒子型黒色腫、紫外線角膜炎、腺癌、腺様嚢胞癌、腺腫、腺肉腫、腺扁平上皮癌、星状細胞腫、バルトリン腺癌、基底細胞癌、気管支腺癌、毛細管、カルチノイド、癌腫、癌肉腫、海綿状、胆管癌、コンド肉腫、脈絡叢乳頭腫/癌、明細胞癌、嚢胞腺腫、内胚葉洞腫瘍、子宮内膜増殖症、子宮内膜間質肉腫、類内膜腺癌、上衣、類上皮、ユーイング肉腫、線維層板型、限局性結節性過形成、ガストリノーマ、胚細胞腫瘍、グリア芽腫、グルカゴン産生腫瘍、血管芽細胞腫、血管内皮腫、血管腫、肝細胞腺腫、肝腺腫症、肝細胞癌、インスリノーマ、上皮内腫瘍、上皮内扁平上皮腫瘍、浸潤性扁平上皮癌、大細胞癌、平滑筋肉腫、悪性黒子、黒色腫、悪性黒色腫、悪性中皮腫、髄芽腫、髄上皮腫、黒色腫、髄膜腫瘍、中皮性、転移性癌、粘膜表皮癌、神経芽腫、神経上皮腺癌結節型黒色腫、燕麦細胞癌、オリゴデンドログリア、骨肉腫、膵ポリペプチド、乳頭状漿液性腺癌、松果体細胞、下垂体腫瘍、形質細胞腫、紡錘細胞癌、肺芽細胞腫、腎細胞癌、網膜芽腫、横紋筋肉腫、肉腫、漿液性癌、小細胞癌、軟部組織癌、ソマトスタチン産生腫瘍、扁平上皮癌、扁平上皮細胞癌、中皮下、表在拡大型黒色腫、未分化癌、ぶどう膜メラノーマ、いぼ状癌、VIP産生腫瘍、高分化癌およびウィルムス腫瘍を含む腫瘍疾患にも使用され得る。
用語「治療する」または「治療するため」とは、症状を緩和する、一時的または持続的いずれかで原因を除く、または症状の出現を予防するもしくは遅らせることを意味する。用語「治療」には、癌の緩和、原因除去または予防が含まれる。ヒトの治療に有効であることに加えて、これらの組合せは、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、マウス、ヒツジ、ブタなどを含む、哺乳動物の治療にも有用である。
治療をする「対象」という用語には、癌、循環器疾患または疼痛、炎症および/または既知の炎症関連障害のいずれか一つの予防を必要としているまたは有している、任意のヒトまたは動物対象を含む。
対象は、典型的には哺乳動物である。本明細書で使用する用語である「哺乳動物」とは、ヒト、家畜および飼育動物、ならびにイヌ、ウマ、ネコ、ウシなどの動物園、競技用またはペットの動物を含む、哺乳動物として分類される任意の動物を表す。好ましくは、哺乳動物は、ヒトである。
主題の医薬組成物は、経口、非経口または例えばインプラントなどの局所的治療法を含む、医学的に許容される任意の許容される様式で、患者に投与してもよい。
非経口投与には、皮下、筋内、皮内、乳房内、静脈内注射および当技術分野で知られている他の投与方法により、組合せ調製物の成分を投与することが含まれる。インプラントには、動脈内インプラント、例えば肝臓内動脈インプラントが含まれる。
上記で規定した式(I)を有するモルホリニルアントラサイクリン誘導体および脱メチル化剤の任意の組合せは、一定の組合せとして、また同時、個別または逐次使用のために意図される。
本明細書で用いる場合、用語「抗腫瘍作用」とは、式(I)を有するモルホリニルアントラサイクリン誘導体および脱メチル化剤を含む組合せを有効量投与することによる、腫瘍増殖の阻害、好ましくは腫瘍の完全退縮を意味する。
本発明のさらなる態様は、転移の予防もしくは治療または血管新生の阻害による腫瘍の治療を目的とした、上記で規定した式(I)を有するモルホリニルアントラサイクリン誘導体および脱メチル化剤の組合せに関する。
本発明による組合せ調製物の成分は、経口、非経口またはインプラントなどの局所的治療法を含む、医学的に許容される任意の許容様式で、患者に投与することができる。経口投与には、錠剤、カプセル、ロゼンジ、懸濁液、溶液、エマルジョン、粉末、シロップなどの適当な経口剤形で、組合せ調製物の成分を投与することが含まれる。非経口投与には、皮下、静脈内または筋内注射により組合せ調製物の成分を投与することが含まれる。局所的治療法には、インプラント、例えば動脈内インプラントが含まれる。
典型的には、式(I)を有するモルホリニルアントラサイクリン誘導体は、静脈内に投与され、典型的には、脱メチル化剤は静脈内または経口で投与される。本発明の組合せ調製物の成分を投与する、実際の好ましい用量、順序および時間は、とりわけ、式(I)を有するモルホリニルアントラサイクリン誘導体の利用されている特定の医薬製剤、脱メチル化剤の利用されている特定の医薬製剤、治療されている特定の癌、年齢、状態、性別および治療されている疾患の程度に応じて変動させてもよく、当技術分野の当業者により決定することができる。
したがって、投薬計画は、任意の療法に慣習的な様式で、患者の容態、反応および付随治療の細目に合わせなければならなく、容態の変化に応えておよび/または他の病態を考慮して、調整される必要もあり得る。
非制限的な例として、式(I)のモルホリニルアントラサイクリン誘導体の適切な用量は、体表面積の約0.05mg/m2から約100mg/m2まで、より好ましくは、約0.1から約10mg/m2まで変動してもよい。
本発明の方法に従った脱メチル化剤の投与に関して一般に採用される治療過程は、この種の薬物に一般に採用されるものである。
例えば、5’アザ−2’−デオキシシチジンは、5mg/1日から約2,000mg/1日まで、より好ましくは、50から約400mg/1日まで変動する用量で投与してもよい。
さらなる例として、バルプロ酸は、5mg/1日から約1,000mg/1日まで、より好ましくは、10から約250mg/1日まで変動する用量で投与してもよく、プロカンアミドは、100mg/1日から約10,000mg/1日まで、より好ましくは、500から約4,000mg/1日まで変動する用量で投与してもよい。本発明による組合せ調製物の活性成分が、薬学的に許容される担体または賦形剤と一緒に供給される場合、医薬組成物が形成される。このような医薬組成物は、本発明のさらなる実施形態を構成する。
薬学的に許容される担体および賦形剤は、医薬品由来の副作用が最小限になり、医薬品の効能が相殺されないまたは治療が無効であるような程度に阻害されないように、選択される。
本発明に従って、医薬品の調製物中で利用される薬学的に許容される担体または賦形剤は、医薬組成物の形態で医薬品を形成する当技術分野の当業者に良く知られている。例えば、「薬学的に許容される担体」とは、ヒトを含む哺乳動物への投与に適する、1つまたは複数の適合する固体状または液状充填剤、希釈剤またはカプセル化物質のことを示す。例えば、「薬学的に許容される賦形剤」とは、意図的にある剤形の製剤に加えられる、活性物質(複数可)のための希釈剤または溶媒として使用される任意の不活性物質のことを示す。この用語には、結合剤、充填剤の崩壊剤および潤滑剤が含まれる。
それにもかかわらず、本発明の組合せは、いかなる徐放性補助剤も添加せずに使用できる。
薬物の製剤および投与技術は、「Remington’s Pharmacological Sciences」、Mack Publishing Co.、Easton、PA.の最新版に見出すことができる。非経口投与に適する医薬組成物は、無菌形態で製剤化される。したがって、無菌組成物は、非毒性で非経口的に許容される希釈剤または溶媒中の、無菌溶液または懸濁液でもよい。
本発明による医薬組成物中に含まれる活性成分の量は、例えば、投与経路および溶剤などの多くの因子に応じて、かなり大幅に変動させることができる。
例として、本発明の医薬組成物は、約0.05mcgから約100mcgの置換された上記規定、式(I)のモルホリニルアントラサイクリン誘導体および1mgから10,000mgの脱メチル化剤を含有し得る。
本発明による医薬組成物は、抗癌治療に有効である。
本発明は、適切な容器手段内に、上記に規定した規定、式(I)のモルホリニルアントラサイクリン誘導体および脱メチル化剤を含む市販キットをさらに提供する。上記に規定した、式(I)のモルホリニルアントラサイクリン誘導体および脱メチル化剤は、単一の容器手段または別々の容器手段内に存在する。本発明の他の実施形態は、上記に記載の医薬組成物を含む市販キットである。
本発明によるキットは、抗腫瘍療法における同時、個別または逐次使用のために意図される。
本発明によるキットは、抗癌療法における使用のために意図される。
本発明の組合せ調製物の抗癌作用は、例えば、いかなる制限も加えず本発明を例示することを意図する、以下のインビトロ試験によって示される。
5−アザ−2’−デオキシシチジンで処置した細胞における、ネモルビシンのインビトロ抗腫瘍効力
モルホリニルアントラサイクリン誘導体(ネモルビシン)の細胞障害活性に対する5−アザ−2’−デオキシシチジンの作用を、マウス白血病の細胞株(L1210細胞)で試験した。細胞は、10%ウシ胎児血清を補充したRPMI1640培地で増殖させた。指数関数的に増殖した細胞を播種し、CpGアイランドの効率的な脱メチル化を可能にするために、播種後直ちに6日間5−アザ−2’−デオキシシチジンに曝露させた。5−アザ−2’−デオキシシチジンは、DNAメチル基転移酵素と共有結合複合体を生成することを介してこの酵素の生化学的活性を減少させることにより、DNAのメチル化を阻害した。これは、メチル基転移酵素の活性を枯渇させ、それ故、DNAの脱メチル化をもたらすと考えられている(Goffin J.およびEisenhauer E.、Annals of Oncology13:1699−1716頁、2002年)。5−アザ−2’−デオキシシチジン処理後6日目に、脱メチル化剤5−アザ−2’−デオキシシチジンで前処理していない細胞との比較において、細胞を希釈し、ネモルビシンの様々な濃度(50、100、200および500nM)で処理した。インビトロ薬物感受性は、コールターカウンター装置により生存細胞をカウントすることによって決定した。薬物の増殖抑制活性を処理後24時間で評価し、用量反応曲線から計算し、細胞増殖を50%阻害する用量(IC50)として表した。IC50値は、各々が少なくとも3回の反復試験からなる独立の実験2−3回から計算した。組合せ指数(CI)は、相互に非排他的な薬物のための、Chou−Talalayの式(Adv Enzyme Regul、1984年、22:27−55頁)に基づく、多剤効果分析用のコンピュータープログラムを用いて計算した。<0.3−0.8のCI値は相乗作用を示し、0.8−1.2は相加作用を示し、1,3>3は拮抗作用を示す。これらの条件で観察された、IC50およびCIで表わしたネモルビシンの増殖阻害活性を、表1に報告する。
モルホリニルアントラサイクリン誘導体(ネモルビシン)の細胞障害活性に対する5−アザ−2’−デオキシシチジンの作用を、マウス白血病の細胞株(L1210細胞)で試験した。細胞は、10%ウシ胎児血清を補充したRPMI1640培地で増殖させた。指数関数的に増殖した細胞を播種し、CpGアイランドの効率的な脱メチル化を可能にするために、播種後直ちに6日間5−アザ−2’−デオキシシチジンに曝露させた。5−アザ−2’−デオキシシチジンは、DNAメチル基転移酵素と共有結合複合体を生成することを介してこの酵素の生化学的活性を減少させることにより、DNAのメチル化を阻害した。これは、メチル基転移酵素の活性を枯渇させ、それ故、DNAの脱メチル化をもたらすと考えられている(Goffin J.およびEisenhauer E.、Annals of Oncology13:1699−1716頁、2002年)。5−アザ−2’−デオキシシチジン処理後6日目に、脱メチル化剤5−アザ−2’−デオキシシチジンで前処理していない細胞との比較において、細胞を希釈し、ネモルビシンの様々な濃度(50、100、200および500nM)で処理した。インビトロ薬物感受性は、コールターカウンター装置により生存細胞をカウントすることによって決定した。薬物の増殖抑制活性を処理後24時間で評価し、用量反応曲線から計算し、細胞増殖を50%阻害する用量(IC50)として表した。IC50値は、各々が少なくとも3回の反復試験からなる独立の実験2−3回から計算した。組合せ指数(CI)は、相互に非排他的な薬物のための、Chou−Talalayの式(Adv Enzyme Regul、1984年、22:27−55頁)に基づく、多剤効果分析用のコンピュータープログラムを用いて計算した。<0.3−0.8のCI値は相乗作用を示し、0.8−1.2は相加作用を示し、1,3>3は拮抗作用を示す。これらの条件で観察された、IC50およびCIで表わしたネモルビシンの増殖阻害活性を、表1に報告する。
さらに、ネモルビシンに耐性のある腫瘍細胞に対する、この併用効果を評価する。ここで以下に示す通り、5−アザ−2’−デオキシシチジンを用いた、ネモルビシンに耐性のあるL1210細胞(L1210/MMRDX細胞)の処理では、ネモルビシンに対する耐性を解消し、耐性細胞を、親細胞と同じ程度にネモルビシンの作用に感受性にすることができる。
5−アザ−2’−デオキシシチジンで処理した、ネモルビシンに耐性のある細胞における、ネモルビシンのインビトロ抗腫瘍作用
ネモルビシンの細胞毒性活性に対する5−アザ−2’−デオキシシチジンの効果を、L1210細胞およびネモルビシンに対して耐性のある細胞株(L1210/MMRDX)(Geroni C.ら、Br J Cancer9:315−19頁、1994年)において比較して試験した。細胞は、10%のウシ胎児血清を補充したRPMI1640培地で増殖させた。指数関数的に増殖した細胞を播種し、本明細書の上記に報告した通り、5−アザ−2’−デオキシシチジンおよびネモルビシンに曝露させた。インビトロ薬物感受性は、コールターカウンター装置により生存細胞をカウントすることによって決定した。薬物の増殖抑制活性を処理後24時間で評価し、用量反応曲線から計算し、IC50として表した。IC50値は、各々が少なくとも3回の反復試験からなる独立した実験2−3回から計算した。組合せ指数(CI)は、上記に記載の通りに計算した。これらの条件で観察された、IC50およびCIで表わしたネモルビシンの増殖阻害活性を、表2に報告する。
ネモルビシンの細胞毒性活性に対する5−アザ−2’−デオキシシチジンの効果を、L1210細胞およびネモルビシンに対して耐性のある細胞株(L1210/MMRDX)(Geroni C.ら、Br J Cancer9:315−19頁、1994年)において比較して試験した。細胞は、10%のウシ胎児血清を補充したRPMI1640培地で増殖させた。指数関数的に増殖した細胞を播種し、本明細書の上記に報告した通り、5−アザ−2’−デオキシシチジンおよびネモルビシンに曝露させた。インビトロ薬物感受性は、コールターカウンター装置により生存細胞をカウントすることによって決定した。薬物の増殖抑制活性を処理後24時間で評価し、用量反応曲線から計算し、IC50として表した。IC50値は、各々が少なくとも3回の反復試験からなる独立した実験2−3回から計算した。組合せ指数(CI)は、上記に記載の通りに計算した。これらの条件で観察された、IC50およびCIで表わしたネモルビシンの増殖阻害活性を、表2に報告する。
加えて、細胞を5−アザ−2’−デオキシシチジンで前処理した場合、耐性株における有効量は、感受性のある株における有効量に匹敵しており(L1210/MMRDXおよびL1210のIC50は、それぞれ140および130nM)、したがって、これは脱メチル化剤との併用を介したネモルビシン耐性の解消を示している。
Claims (16)
- 式(I)のモルホリニルアントラサイクリンが塩酸ネモルビシンである、請求項1に記載の組合せ。
- 脱メチル化剤が、5’アザ−シチジン、5−アザ−2’−デオキシシチジン(デシタビン)、ゼブラリン[1−(β−D−リボフラノシル(ジヒドロ−ピリミジン-2−1)]、L−メチオニン、例えばバルプロ酸またはトリコスタチンAなどの、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)の阻害剤、アピシジン、ヒドララジン、プロカインアミド(プロネスチル)、DNAメチル基転移酵素メッセンジャーRNAに対して向けられたアンチセンスオリゴヌクレオチド、これらの混合物およびこれらの誘導体である、請求項1または2に記載の組合せ。
- 癌などの過剰増殖疾患の治療のための、請求項1から3のいずれか一項に記載の組合せ。
- ネモルビシンに耐性な細胞における耐性を解消するための、請求項1から3のいずれか一項に記載の組合せ。
- 薬学的に許容される賦形剤または担体と共に、請求項1から3のいずれか一項に記載の組合せを含む、癌などの過剰増殖疾患の治療のための医薬組成物。
- 治療における、同時、逐次または別々に使用するための組合せ調製物として、請求項1に定義されたモルホリニルアントラサイクリン誘導体および脱メチル化剤を含む医薬品。
- 癌などの過剰増殖疾患の治療を提供するためまたはネモルビシンに耐性な細胞における耐性を解消するための、ヒトなどの温血動物に投与する医薬品の製造における、請求項1から3のいずれか一項に定義された組合せの使用。
- 癌、他の過剰増殖疾患を治療するまたはネモルビシンに耐性な細胞における耐性を解消する方法であって、請求項1から3のいずれか一項に定義された組合せの有効量を、当該治療を必要としているヒトなどの温血動物に投与することを含む、方法。
- 癌などの過剰増殖疾患を治療する方法であって、請求項1から3のいずれか一項に定義された組合せの有効量を、当該治療を必要としているヒトなどの温血動物に、同時、逐次または別々に投与することを含む、方法。
- 薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤と混合した、請求項1から3のいずれか一項に定義された組合せを含む、医薬組成物。
- 増殖性障害を治療するための、請求項1に記載の組合せの使用。
- 治療が、請求項1に定義されたモルホリニルアントラサイクリン誘導体および脱メチル化剤を同時、逐次または別々に投与することを含む、請求項12に記載の使用。
- 適切な容器手段内に、請求項1に定義されたモルホリニルアントラサイクリン誘導体および脱メチル化剤を含む市販キット。
- 請求項7に定義された医薬組成物または医薬品を含む市販キット。
- 抗腫瘍治療において、同時、逐次または別々に使用するための、請求項14または15に記載のキット。
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