JP2011511826A - 25−ヒドロキシビタミンd3を用いた高血圧症の治療 - Google Patents

25−ヒドロキシビタミンd3を用いた高血圧症の治療 Download PDF

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Abstract

本発明者らは、ビタミンD3(コレカルシフェロール)、25−ヒドロキシビタミンD3(カルシフェジオール)を用いて、高血圧症を治療することについて開示する。医薬組成物の形態と投与量ならびに、薬の製造方法についても開示する。

Description

発明の詳細な説明
[技術分野]
本発明は、25−ヒドロキシビタミンD3(カルシフェジオール)または25−ヒドロキシビタミンD3とビタミンDとの組み合わせを使用して、高血圧症を治療または健康な血圧レベルを維持することに関する。
[背景技術]
ビタミンD(エルゴカルシフェロールおよびコレカルシフェロールなど)とは、それぞれの生物活性によって定義される脂溶性化合物の総称である。ビタミンDの欠乏によって、子どもではくる病、成人では骨軟化症が起こる。しかしながら、数ヶ月間にわたって1日あたりの推奨摂取量(すなわち、ビタミンD5〜15μgまたは200〜600IU)の100倍を超えて慢性的に摂取すると、毒性が生じる可能性がある。ビタミンDの場合、「毒性の閾値は体重1kgあたり1日で500〜600mcgである。通常、成人はRDAの3倍を超えて長期間消費すべきではない」(Garrison & Somer, The Nutrition Desk Reference, Third Ed., McGraw−Hill, pg. 82, 1997)。高カルシウム血症は、25−ヒドロキシビタミンD3の血中濃度が375nmol/Lを超えると生じることがある。最近になって、ビタミンD3の安全な上限レベルは少なくとも250μg/日であることが確認された(Hathcockら Am.J Clin. Nutr. 85:6〜18, 2007)。このような健康補助食品を摂取すると、25−ヒドロキシビタミンD3の血中濃度が約200nmol/Lになることが明らかになっている。
ビタミンDはプロホルモンの1つである。ビタミンD3(コレカルシフェロール)が肝臓でヒドロキシル化されると25−ヒドロキシビタミンD3(カルシフェジオール、25−OH ビタミンD3、25−OH D3)が生成され、これが腎臓や他の組織でさらにヒドロキシル化されて、ビタミンDの活性ホルモン形態である1,25−ジヒドロキシビタミンD3(カルシトリオール)が生成される。カルシトリオールは、血液中に放出され、ビタミンD結合タンパク質(DBP)と結合し、標的組織まで運ばれる。カルシトリオールとビタミンD受容体とが結合することで、この複合体が細胞核で転写因子として機能するようになる。ビタミンDは、血中のカルシウムとリンの濃度を調節する。また、骨の形成とミネラル化を促進する。しかしながら、極めて高いレベルでは、ビタミンDが骨吸収を促進することもある。また、心臓血管系、免疫系、筋肉系の機能を調節することもある。疫学的研究では、ビタミンD摂取とそれが血圧またはグルコース代謝におよぼす影響との関連性が見いだされている。ビタミンDの活性は、副甲状腺ホルモンによる負のフィードバック制御下にある。
ビタミンDと25−OH D3は、ともに今まで医薬品として投与されてきている。ビタミンDは、言うまでもなく、広く利用可能である。米国では以前、25−OH D3がオルガノン(Organon) USAから「CALDEROL」という商品名で販売されていたが、現在はFDAの販売中止対象薬の一覧に含まれている。これは、コーン油と25−OH D3を含有するゼラチンカプセルであった。
現在は、液状の25−OH D3が、スペインにてFAES Farmaから「HIDROFEROL」という商品名で油性溶液として販売されている。
また、ビタミンD3と25−OH D3との組み合わせが、動物の飼料に用いられている。飼料用の25−OH D3は、DSMから「ROVIMIX HY−D」という商品名で市販されている。
5%〜50%(wt/wt)の量で油に溶解された少なくとも25−OH D3と、25−(OH)D3と油の液滴をカプセル化する作用剤、栄養添加剤(ビタミンD3など)を含む飼料プレミックス組成物が、Tritschら(米国特許出願公開第2003/0170324号明細書)によって開示されている。このプレミックスを、家禽類、ブタ、イヌまたはネコ用の食品に添加してもよい。この組成物は、25(OH)D3を酸化に対して安定させた。
25(OH)ビタミンD3とビタミンD3の組み合わせを動物用の飼料に添加することが、Simoes−Nunesら(米国特許出願公開第2005/0064018号明細書)によって開示されている。特に、約10μg/kg〜約100μg/kgの25(OH)ビタミンD3と、約200IU/kg〜約4,000IU/kgのビタミンD3を、ブタ用の飼料に添加する。この添加によって、ブタの骨強度が改善される。
25−OH D3とビタミンD3の組み合わせを家禽類用の飼料に添加して、脛骨軟骨発育不全症の影響を改善することが、Starkら(米国特許第5,695,794号明細書)によって開示されている。
Chungらによる国際公開第2007/059960号パンフレットには、ビタミンD3と25−OH D3の両方を含有する食餌を与えられた雌ブタで、全身の健康状態、体格、産仔数と健康、その他の生産パラメータが改善されることが開示されている。また、ヒト用の25−OH D3栄養補助食品が開示されているが、体重1kgあたり5〜15マイクログラムというその投与量の範囲は極めて高い。
Liら、2002年、J. Clin. Invest. 110:229〜238には、マウスに1,25(OH)ビタミンD3を注射して、レニンを抑制することについて開示されている。彼らは、ビタミンD類似体が高血圧症を予防するか寛解させるのに寄与し得ることを示唆している。
本発明者らの知るところでは、従来技術は、25−ヒドロキシビタミンD3を単独またはビタミンD3と併用してヒト用の薬として使用して高血圧症を治療することについては、何ら教示も示唆もしていない。
[発明の概要]
本発明によれば、単独ビタミンD3との組み合わせのいずれかで投与する25−OH D3を、薬または栄養補給食品、栄養補助食品または食品として使用して、健康な血圧を維持し、高血圧を予防し、高血圧のレベルを下げることが可能である旨が見いだされている。
本発明の一実施形態では、25−OH D3あるいは、25−OH D3とビタミンDの両方を、ヒトに投与する方法が得られる。結果として、血圧を正常なレベル(収縮期血圧120mm Hg未満および/または拡張期血圧80mm Hg未満など)まで下げるか、正常なレベルに維持することができる。規定投与量を、1日1回、1週間に1回または1ヶ月に1回投与してもよい。
別の態様では、ビタミンD3と、25−ヒドロキシビタミンD3と、薬学的に許容されるキャリアとを、ヒトの血圧を正常化する量で含む、ヒトでの用途に適した医薬組成物が得られる。
本発明のさらに別の態様では、高血圧からの持続的な回復を提供するために、25−OH D3または25−OHとビタミンDとの組み合わせを、従来の降圧治療薬と一緒に投与する。
本明細書および特許請求の範囲全体で使用する場合、以下の定義を適用する。
「ビタミンD」は、ビタミンD3(コレカルシフェロール)および/またはビタミンD2(エルゴカルシフェロール)のいずれかを示す。ヒトは、ビタミンD2(エルゴカルシフェロール)を生成できないが、これをビタミンD源として使うことはできる。ビタミンD2は、さまざまな植物によって合成可能であり、ビタミンDに相当するものとしてサプリメントでビタミンDに使用されることが多い。
「ビタミンD代謝物」は、25−ヒドロキシビタミンD3以外のビタミンDの代謝物を意味する。
「25−OH D3」は、具体的には25−ヒドロキシビタミンD3を示す。
「25−OH D」は、血漿中に見られる主要な循環型であるビタミンD2またはビタミンD3のいずれかの25−ヒドロキシル化代謝物を示す。
「予防する」には、疾患の寛解、症候の重篤度の低減、早期介入、疾患の発症期間の延長を含むことを想定しており、患者がその疾患にもはや羅患しないとか、何の症候も経験しないとかいった状況に限定されることを意図したものではない。
血圧は、手動または自動の血圧計で測定できる。「正常な」(動脈)血圧は、医療当局によって115/75mm Hgまで徐々に低くなってきている。
[発明の詳細な説明]
ビタミンD3および25−ヒドロキシビタミンD3は、どのような供給源から入手したものであってもよく、その組成物も従来の技術を用いて調製してもよい。通常、ビタミンD3、25−ヒドロキシビタミンD3またはその両方の結晶を、加熱攪拌しながら(別々にまたは一緒に)油に溶解させる。好ましくは、油を容器に移して加熱する。その後、油の温度を維持または経時的に上昇させながら、ビタミンD3、25−ヒドロキシビタミンD3またはその両方を容器に入れる。組成物を攪拌して、ビタミンD3、25−ヒドロキシビタミンD3またはその両方の結晶を溶解させる。油に入れる前に、製粉および/または篩過によって結晶の大きさを小さくし、溶解しやすくしておいてもよい。組成物の攪拌は、かき回し、容器の回転、混合、均質化、再循環または超音波処理によって実施してもよい。好ましくは、油を容器に入れて約80℃〜約85℃の温度まで加熱し、大きさを揃えた結晶を容器に入れ、中身をかき回して結晶を油に溶解させる。
「油」は、ババス油、ココナッツ油、コフネヤシ油、ムルムル脂、パーム核油またはホシダネヤシ油など、食用油、脂質または脂肪のいずれであってもよい。油は、天然油、合成油、半合成油またはこれらの組み合わせであってもよい。天然油は、どのような供給源に由来するものであってもよい(動物、植物、真菌、海洋など);合成または半合成油は、都合のよい技術で製造してもよい。好ましくは、油は、植物中鎖トリグリセリド、主にカプリル酸およびカプリン酸の混合物である。組成物は、任意に、たとえば、酸化防止剤、保存剤、溶解剤、界面活性剤、pH調整剤または緩衝剤、湿潤剤、これらの組み合わせなどの1種類以上の他の好適な成分を含むものであってもよい。上記は、薬学的に許容されるキャリアの例である。
好適な酸化防止剤は、ヒト用医薬品の用途向けに許容されるものであり、好適な酸化防止剤としては、トコフェロール、混合トコフェロール、天然または合成供給源由来のトコフェロール、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ローズマリー抽出物のような天然酸化防止剤、没食子酸プロピル、ヒト用医薬品の製造に用いられる他の任意の酸化防止剤があげられる。好ましくは、酸化防止剤がトコフェロールである。好適な保存剤としては、メチルパラベン、プロピルパラベン、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸、これらの組み合わせがあげられる。好適な溶解剤としては、アルコール、塩素化炭化水素、これらの組み合わせなどの無機溶媒または有機溶媒があげられる。好適な界面活性剤は、パルミチン酸アスコルビル、ポリソルベート、ポリエチレングリコール、これらの組み合わせなど、アニオン系、カチオン系または非イオン系であってもよい。好適なpH調整剤または緩衝剤としては、クエン酸−クエン酸ナトリウム、リン酸−リン酸ナトリウム、酢酸−酢酸ナトリウム、これらの組み合わせがあげられる。好適な湿潤剤としては、グリセロール、ソルビトール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、これらの組み合わせがあげられる。
油組成物を形成したら、これを他のさまざまな有用な組成物に取り込むことができる。そのうちのいくつかを、以下にあげておく。たとえば、エマルションを形成してもよく、これを任意にカプセル化または噴霧乾燥させてもよい。上述した非水性組成物を水性組成物と組み合わせることで、多岐にわたるエマルションを調製できる。エマルションは、どのようなタイプであってもよい。好適なエマルションとしては、水中油滴型エマルション、油中水滴型エマルション、無水エマルション、固体エマルション、マイクロエマルションがあげられる。エマルションの調製には、都合のよい任意の技術を使用してもよい。エマルションは、水性組成物と非水性(油など)組成物を含有し、後者は、油組成物の総重量に対して約3重量%〜約50重量%の量で油に溶解されたビタミンD3、25−ヒドロキシビタミンD3またはその両方を(別々にまたは一緒に)含む。本明細書で使用する場合、「水性組成物」および「水性相」は同義に用いられる。通常、エマルションは約20%〜約95%の水性組成物と、約5%〜約80%の非水性組成物とを含み得る。しかしながら、好ましくは、エマルションが約85%〜約95%(vol/vol)の水性組成物と、約5%〜約15%(vol/vol)の非水性組成物とを含有する。都合のよいことに、非水性組成物が液滴として水性組成物中に分散していてもよい。たとえば、液滴の平均直径が水性組成物中で約500nm未満であってもよい。都合のよいことに、液滴の平均直径が約100nm〜約200nmである。
特に有利な実施形態では、エマルションは、後にエマルションをさらに処理する(噴霧乾燥など)際に、油組成物のカプセル化を容易にするカプセル化剤を含有する。カプセル化剤は、油組成物をカプセル化できる食用物質であれば何でもよい。好ましくは、カプセル剤が主にコロイド状物質である。このような物質としては、デンプン、動物供給源由来のタンパク質(ゼラチンを含む)、植物供給源由来のタンパク質、カゼイン、ペクチン、アルギン酸塩、寒天、マルトデキストリン、リグニンスルホン酸塩、セルロース誘導体、糖質、糖類、ソルビトール、ゴム、これらの組み合わせがあげられる。
好適なデンプンとしては、植物デンプン(National Starch & Chemical Corp.,New York,NYのCAPSUL(登録商標)またはHI−CAP(登録商標)など)、他の食品用化工デンプン、これらの組み合わせがあげられる。好ましくは、デンプンがCAPSUL(登録商標)化工植物デンプンである。動物供給源由来の好適なタンパク質としては、ゼラチン(ウシゼラチン、ブルーム強度の異なるブタゼラチン(A型またはB型)、魚ゼラチンなど)、脱脂乳タンパク質、カゼイン塩、これらの組み合わせがあげられる。好ましくは、動物タンパク質がゼラチンである。植物供給源由来の好適なタンパク質としては、ジャガイモタンパク質(Roquette Preres Societe Anonyme, Lestrem,FranceのALBUREX(登録商標)など)、マメタンパク質、ダイズタンパク質、これらの組み合わせがあげられる。好ましくは、植物タンパク質がALBUREX(登録商標)ジャガイモタンパク質である。デキストロース当量の異なる好適なマルトデキストリンとして、マルトデキストリン5、マルトデキストリン10、マルトデキストリン15、マルトデキストリン20、マルトデキストリン25、これらの組み合わせがあげられる。好ましくは、マルトデキストリンが、マルトデキストリン15である。好適なセルロース誘導体として、エチルセルロース、メチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、これらの組み合わせがあげられる。好適な糖類として、ラクトース、スクロースまたはこれらの組み合わせがあげられる。好ましくは、糖類がスクロースである。好適なゴムとして、アカシア、ローカストビーン、カラギーナン、これらの組み合わせがあげられる。好ましくは、ゴムがアカシアゴムである。
エマルションがカプセル化剤を含む場合、このカプセル化剤を都合のよい技術で水に分散させ、水性相を形成してもよい。水性相は、選択した成分の特性に応じて、溶液であっても混合物であってもよい。選択した成分の分散には、均質化、混合、乳化、再循環、静的混合、超音波処理、かき混ぜ、加熱またはこれらの組み合わせをはじめとする都合のよい技術を用いればよい。その後、得られる水性相の粘度を、必要に応じて水を加えて調整してもよい。エマルションの水性組成物は、非水性組成物に関して上述したものを含むがこれに限定されるものではない、他の好適な物質を任意に含むものであってもよい。好ましくは、水性組成物は、カプセル化剤、成膜剤、可塑剤、保存剤、酸化防止剤またはこれらの組み合わせを含むものであってもよい。好適な保存剤として、メチルパラベン、プロピルパラベン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、安息香酸ナトリウム、これらの組み合わせがあげられる。好適な酸化防止剤として、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸、クエン酸、これらの組み合わせがあげられる。
好ましくは、水性相が、オクテニルスクシニルデンプン(CAPSUL(登録商標))、マルトデキストリン、アスコルビン酸ナトリウムなどの食品用化工デンプンを含有する。別の好ましい水性相は、ジャガイモタンパク質(ALBUREX(登録商標))、マルトデキストリン20、アスコルビン酸ナトリウムを含有する。選択した成分を水に溶解させるには、都合のよい技術、好ましくはかき混ぜを使用してもよい。混合物を、好ましくはこれが均一で塊のないものになるまで均質化する。好ましくは、約50℃〜約75℃の温度で均質化を実施する。その後、得られる水性相の最終粘度を、好ましくは約250cp〜約450cp、一層好ましくは約300cp〜約400cp、なお一層好ましくは約385cpの所望の粘度に調整してもよい。
エマルションを形成するには、均質化、ロータ−ステータ剪断、高圧剪断およびキャビテーション、高速「カウリング」または剪断攪拌、これらの組み合わせをはじめとする任意の手段で、非水性組成物と水性相を乳化してもよい。エマルションの容量および粘度については、好ましくは、乳化後に水を加えて調整してもよい。好ましくは、非水性組成物および水性組成物を均質化によって乳化する。好ましくは、エマルションは、鉱物、遷移金属またはペルオキシドを含有しないものとする。
上述したように、他の有用な組成物、特に噴霧乾燥粉末などのカプセル化油の製造時に、エマルションを取り込むかまたは利用してもよい。通常、カプセル化油は、油組成物と、油組成物をカプセル化するカプセル剤とを含み、この場合の油組成物は、油に溶解されたビタミンD3、25−ヒドロキシビタミンD3またはその両方を、油組成物の総重量に対して約3重量%〜約50重量%の量で含有する。カプセル化油の製造には、噴霧乾燥、フリーズドライ、流動床乾燥、トレイ乾燥、吸着、これらの組み合わせをはじめとする従来の技術による上述したエマルションの乾燥など、都合のよい任意の技術を用いればよい。好ましくは、カプセル剤を含有する上記の水性相を有するエマルションを噴霧乾燥してカプセル化油を生成する。噴霧乾燥のパラメータは、最終的なカプセル化油に望ましい物理的特徴に左右される。このような物理的パラメータとしては、粒度、粉末の形状とフロー、水分含有量があげられる。好ましくは、油が、カプセル化油の総重量に対して約30重量%未満、約20重量%未満、約10重量%未満または約5重量%未満の量である。カプセル化油は流動性に優れたものでなければならず、ビタミンD3および/または25−ヒドロキシビタミンD3が組成物全体に均一に分散しなければならない。都合のよいことに、カプセル化油が粉末である。他の好適な添加剤をカプセル化油に加えてもよい。このような添加剤の1つが、カプセル化油の流動性を高めるための二酸化ケイ素などのフロー剤であってもよい。
この組成物は、錠剤、カプセル(硬質または軟質など)または注射液(油またはエマルションなど)の形で提供できるものである。これらを1日の単回用量ごとに包装してもよい。
[投与量]
毎日.2種類の有効成分を別々にまたは単独で投与する場合の本発明による組成物は、ビタミンDまたは25−OH D3を、約1μg〜約50μg、好ましくは約5μgおよび25μgの量で含有する。あるいは、ビタミンDと25−OH D3の両方を含む1日の単回投与量に、各有効成分を、約1μg〜約50μg、好ましくは約5μgおよび25μgの量で含有する。
ビタミンD対25−OH D3の用量比については、約50:1〜約1:50であってもよく、一層好ましくは約25:1〜約1:25、なお一層好ましくは約6:1〜約1:6であってもよい。
別個の複数の投与量を単一のキット(または容器)に梱包してもよい。たとえば、1日の投与量30組を、両方の活性成分を別々に分けて(すなわち別々の60の投与量)キットを構成してもよいし、混合(すなわち両方の有効成分を含有する30の投与量)して構成してもよい。この投与量をヒトに投与するための指示をキットに入れておいてもよい。
毎週.1週間の単回投与量には、ビタミンDまたは25−OH D3を約7μg〜約350μg、好ましくは約35〜175μgの量で含有する。あるいは、1週間の単回投与量が、ビタミンDと25−OH D3の両方をそれぞれ約7μg〜約350μg、好ましくは約35〜175μgの量で含有してもよい。ビタミンD対25−OH D3の用量比については、約50:1〜約1:50であってもよく、一層好ましくは約25:1〜約1:25、なお一層好ましくは約6:1〜約1:6であってもよい。
毎月.1ヶ月の単回投与量には、ビタミンDまたは25−OH D3を30μg〜約1500μg、好ましくは約75μg〜約500μgの量で含有する。あるいは、1ヶ月の単回投与量が、ビタミンDと25−OH D3の両方をそれぞれ、30μg〜約1500μg、好ましくは約75μg〜約500μgの量で含有してもよい。1週間または1ヶ月の投与量を1組、2組、3組、4組、5組、6組、7組、8組、9組、10組、11組または12組でキットを構成してもよい。
ビタミンD対25−OH D3の用量比については、50:1〜約1:50の範囲とし、一層好ましくは約25:1〜約1:25、なお一層好ましくは約6:1〜約1:6の範囲とする。
本発明の別の態様は、25−OH D3を、単独またはビタミンD3との組み合わせで、血圧を制御することが認められている従来の医薬品と同時投与することである。25−OH D3とともに投与すると、単独で投与する場合よりも当該医薬品の用量が少なくてすみ、結果として、患者に当該医薬品で考えられる副作用が生じる危険性が低くなるか、薬物−薬物相互作用の危険性が低くなる。
高血圧症の制御または低減に用いられる従来の医薬品の例としては、以下のものがあげられる。
・クロルタリドン、ヒドロクロロチアジド、インダパミド、メトラゾンなどの利尿薬
・ブメタニド、エタクリン酸、フロセミド、トルセミドなどのループ利尿薬
・塩酸アミロライド、スピロノラクトン、トリアムテレンなどのカリウム保持性利尿薬
・アドレナリン阻害薬:
○レセルピンなどの末梢性薬剤
○塩酸クロニジン、酢酸グアナベンズ、塩酸グアンファシン、メチルドパなどの中枢性α作動薬
○メシル酸ドキサゾシン、塩酸プラゾシン、塩酸テラゾシンなどのα遮断薬
○アセブトロール、アテノロール、ベタキソロール、フマル酸ビソプロロール、塩酸カルテオロール、酒石酸メトプロロール、コハク酸メトプロロール、ナドロール、硫酸ペンブトロール、ピンドロール、塩酸プロプラノロール、マレイン酸チモロールなどのβ遮断薬
○カルベジロール、塩酸ラベタロールなどのα+β遮断薬
・塩酸ヒドララジン、ミノキシジルなどの直接血管拡張薬
・カルシウム拮抗薬
○塩酸ジルチアゼム、塩酸ベラパミルなどの非ジヒドロピリジン
○ベシル酸アムロジピン、フェロジピン、イスラジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニソルジピンなどのジヒドロピリジン
・塩酸ベナゼプリル、カプトプリル、マレイン酸エナラプリル、ホシノプリルナトリウム、リシノプリル、モエキシプリル、塩酸キナプリル、ラミプリル、トランドラプリルなどのACE阻害剤
・ロサルタンカリウム、バルサルタン、イルベサルタンなどのアンジオテンシンII受容体ブロッカー
・これらの降圧薬または同様の降圧薬のさまざまな組み合わせも利用可能である。
高血圧症の要因として、低カルシウム、レニン−アンジオテンシン系の異常調節、インスリン耐性があげられる。高血圧症は、アテローム性動脈硬化症、心臓発作、心不全、腎症、網膜症、脳卒中の危険性を高める。
本発明の一態様は、高血圧を抑える、高血圧を予防するおよび/または正常な血圧を維持する上で有用な薬、食品または栄養補給食品の製造に、25−OH D3を用いることである。
[実施例]
[実施例1]
[ヒトの治験]
[材料および方法]
25−ヒドロキシビタミンD3の噴霧乾燥製剤を粉末として提供した。要約すると、25−ヒドロキシビタミンD3およびDL−α−トコフェロールを中鎖トリグリセリドの油に溶解させた後、化工デンプン、スクロース、アスコルビン酸ナトリウムの水溶液に乳化した。このエマルションを二酸化ケイ素の存在下にて噴霧乾燥器で微粒化した。水分含有量(LDO)が4%未満になったら、得られた粉末を回収し、400μmで篩過した。これをアルミ製の袋に包装して封止した後、15℃未満の乾燥した場所で保管し、製造から12ヶ月以内に使用した。
3種類のロットを製造した。詳しく説明すると、アンカー型攪拌羽根を備えるFRYMIXプロセスユニットで、70℃にて真空下で120分間混合してマトリクスを生成した。
・17.300kgの水(WBI)
・13.46kgの食品用化工デンプン(CAPSUL HS)
・3.270kgのスクロース
・0.730kgのアスコルビン酸ナトリウム
プロペラスターラーを備える二重壁容器で、82℃にて35分間混合して、油相を調製した。
・0.550kgのBERGABEST MCT油60/40
・0.049kgのカルシフェジオール(HY−D USP)
・0.183kgのDL−α−トコフェロール
油相をFRYMIXプロセスユニット内のマトリクスに移し、内部のコロイドミル(60分、70℃)で事前乳化させた。この事前乳化物を高圧ホモジナイザに循環させた(20分)。70℃での粘度が60mPa・s〜90mPa・sのエマルションを高圧ポンプでスプレーノズルまで送った。流動化剤として、二酸化ケイ素(SIPERNAT 320 DS)を塔に供給した。噴霧乾燥パラメータを以下にあげておく。
Figure 2011511826

3ロットの25−ヒドロキシビタミンD3それぞれについて、25−ヒドロキシビタミンD3含有量約0.25%の噴霧乾燥粉末平均8.4kgを得た。製剤の他の成分は、食品用化工デンプン73.2%、スクロース17.6%、アスコルビン酸ナトリウム4.0%、中鎖トリグリセリド3.0%、二酸化ケイ素1.0%、DL−α−トコフェロール1.0%である。
ビタミンD3の噴霧乾燥製剤を粉末として提供した。要約すると、ビタミンD3およびDL−α−トコフェロールを中鎖トリグリセリドの油に溶解させた後、化工デンプン、スクロース、アスコルビン酸ナトリウムの水溶液に乳化した。このエマルションを二酸化ケイ素の存在下にて噴霧乾燥器で微粒化した。水分含有量(LOD)が4%未満になったら、得られた粉末を回収し、篩過して大きな塊を取り除いた。これを15℃未満の乾燥した場所で保管し、製造から12ヶ月以内に使用した。
[被験者]
インフォームドコンセントを用いて健康な閉経後の女性(50〜70歳)を募集し、以下の基準でふるい分けた。血清25−ヒドロキシビタミンD3が20nmol/L〜50nmol/L、肥満度指数18kg/m〜27kg/m、血圧146/95mm Hg未満、血清カルシウム2.6nmol/L未満、空腹時グルコース100mg/dl未満、1週間に3回を超えて激しい運動をしない、高血圧症の治療歴なし、骨代謝に影響する高用量ビタミンDまたはカルシウムサプリメントまたは薬物(ビスホスホネート、カルシトニン、エストロゲン受容体調節因子、ホルモン補充療法、副甲状腺ホルモン)の使用歴なし、研究中は「日当たりの良い」場所に足を運ばない。
被験者を7つの処理群(すなわち、毎日、毎週、一用量でのボーラス、組み合わせ用量でのボーラス)に無作為に振り分ける。各群を被験者5名ずつで構成する。彼らをスイスのチューリッヒで冬季に4ヶ月間追跡する。
[臨床研究]
目的は、ヒトに投与したビタミンD3および25−ヒドロキシビタミンD3の薬物動態特性を研究および比較することであった。両方の物質を等モル量で調査した。レジメンは、25−ヒドロキシビタミンD3を20μg/日(またはそれに相当する量を週ベースで)とする。25−ヒドロキシビタミンD3の既存の最大基線濃度が50nmol/Lになったら、Ca2+恒常性の乱れが観察される範囲に被験者が近づくとは思われない。比較目的で、等モル量のビタミンD3または25−ヒドロキシビタミンD3のいずれかを投与する必要があった。ビタミンD3の投与に関しては、バックグラウンドのばらつきに影響されず、参加者にとっての有効用量を提供するのに十分な用量であると思われる。
毎日:120回投与
1. 25−ヒドロキシビタミンD3 20μg
2. ビタミンD3 20μg(800IU)
毎週:16回投与
3. 25−ヒドロキシビタミンD3 140μg
4. ビタミンD3 140μg(5600IU)
ボーラス:単回投与
5. 25−ヒドロキシビタミンD3 140μg
6. ビタミンD3 140μg(5600IU)
ボーラス:組み合わせ投与
7. D3および25(OH)D3 140μg(5600IU)+140μg
ハードゲルカプセル(瓶入り)には、噴霧乾燥ビタミンD3または25−ヒドロキシビタミンD3のいずれかが1カプセルあたり20μgまたは140μgのいずれかで含まれている。各投与量を朝食時に経口摂取した。研究期間は、「毎日」および「毎週」群で4ヶ月であった。「ボーラス」群に登録された被験者は、2回目の研究での来訪時に単一投与量を経口摂取した。
この投与量を摂取後、さまざまな時点で被験者から試料を入手して、25−ヒドロキシビタミンD3の血漿濃度(ピークおよび定常状態など)を求めた。スクリーニング目的と基線値を確立するために、研究への参加前に血液試料を採取し、臨床検査室で、血清中のビタミンD3、25−ヒドロキシビタミンD3、カルシウム、クレアチニン、アルブミン、空腹時グルコースを測定した。研究1週目の月曜日に、血清ビタミンD3、25−ヒドロキシビタミンD3、1,25−ジヒドロキシビタミンD3の薬物動態;血清マーカー(すなわち、ビタミンD3、25−ヒドロキシビタミンD3、カルシウム、クレアチニン、アルブミン、PTH、GOT、GPT、ALP、トリグリセリド、HDL、LDL、総コレステロール、bALP、空腹時グルコース);尿マーカー(すなわち、カルシウム、クレアチニン、DPD)を24時間かけて評価する。1週目の残りの日と2週目の月曜日の1日試料を採取して、血清ビタミンD3および25−ヒドロキシビタミンD3、血清マーカー(すなわち、カルシウム、クレアチニン、アルブミン)、尿マーカー(すなわち、カルシウム、クレアチニン)を評価する。3、5、7、9、11、13、15週目の月曜日にも評価を継続する。16週目の月曜日には、試料を採取して、血清ビタミンD3、25−ヒドロキシビタミンD3、1,25−ジヒドロキシビタミンD3;血清マーカー(すなわち、ビタミンD3、25−ヒドロキシビタミンD3、カルシウム、クレアチニン、アルブミン、PTH、GOT、GPT、ALP、トリグリセリド、HDL、LDL、総コレステロール、bALP、空腹時グルコース);尿マーカー(すなわち、カルシウム、クレアチニン、DPD)の薬物動態を評価する。
血圧の評価には、1週目の来訪時2(基線)と1週目の残りの4日間に、標準的なプロトコールを用いて(オムロン(OMRON)製の専門装置)拡張期血圧と収縮期血圧を測定した。2週目、3週目、5週目、7週目、9週目、11週目、13週目、15週目の来訪時ごとに評価を継続した。
表1は、25−OH D3で毎日および毎週治療(1日あたり20μg;1週間あたり140μg)後と、ビタミンD3で毎日および毎週治療後(1日あたり20μg;1週間あたり140μg)の血圧を示す。治療期間は4ヶ月とした。値は、13回の来訪にわたって繰り返し測定分析後に、25−OH D3対ビタミンD3の基線の血圧および時間に合わせて調整した、GLM(一般線形モデル)の最小二乗平均をmmHg単位で示したものである。
Figure 2011511826

表2:ビタミンD3で毎日および毎週治療(1日あたり20μg;1週間あたり140μg)した場合と比較した、25−OH D3で毎日および毎週治療後(1日あたり20μg;1週間あたり140μg)の血圧の変化。治療期間は4ヶ月とした。値は、13回の来訪にわたって繰り返し測定分析後に、25−OH D3対ビタミンD3の基線の血圧および時間に合わせて調整した血圧の低下をmmHg単位で示したものである。
Figure 2011511826

これらのデータから、25−OH D3で毎日または毎週治療すると、意外なことに同じ投与量のビタミンD3を摂取する場合に比して血圧の低下度合いがかなり大きくなることが分かる。25−OH D3での治療後、治療前ならびにビタミンD3での治療時に比して、被験者に一層顕著な血圧降下が認められた。25−OH D3対ビタミンD3で治療した被験者での収縮期血圧と拡張期血圧の降下は、それぞれ6.1mmHgと1.4mmHgであるが、これは臨床的に意義があり、なおかつあらゆる年齢層の被験者で有意な利益を表すエフェクトサイズである。
本研究の被験者は軽い高血圧にすぎず、血圧が146/95mmHgを超える被験者は研究に含まれていなかったため、本研究で観察された降下量はなお一層重要である。軽い高血圧の被験者の場合、現在市販されている降圧剤を用いても、通常は達成可能な降下量が小さい。このように、25(OH)D3での治療が意外なことに極めて有効に血圧を下げたのに対し、ビタミンD3では効果が観察されなかった。
本明細書にて説明かつ権利請求している本発明は、本明細書に含まれる特定の実施形態によってその範囲が限定されるものではない。これらの実施形態は、本発明のいくつかの態様を例示することを意図したものだからである。等価な実施形態も本発明の範囲に含まれることを想定している。特に、本明細書で示して説明したもの以外にも、上記の説明を読めば、本発明のさまざまな改変が当業者には自明となろう。このような改変も、添付の特許請求の範囲に包含されることを想定している。矛盾が生じた場合は、定義を含めて本開示が優先するものとする。

Claims (7)

  1. 収縮期血圧を120mm Hg未満までおよび/または拡張期血圧を80mm Hg未満まで下げるか、またはこれを維持するのに十分な量で、25−ヒドロキシビタミンD3(25−OH D3)または25−OH D3とビタミンD3との組み合わせを、ヒトに投与することを含む、ヒトを治療する方法。
  2. ビタミンD3と25−ヒドロキシビタミンD3とを別々にヒトに投与する、請求項1に記載の方法。
  3. ビタミンD3と25−ヒドロキシビタミンD3とを一緒にヒトに投与する、請求項1に記載の方法。
  4. 毎日1回、毎週1回または毎月1回ヒトを治療する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 25−OH D3と任意にビタミンD3とを用いて、収縮期血圧を80mm Hg未満まで低下させるか維持する、使用法。
  6. 収縮期血圧を80mm Hg未満まで下げるか、またはこれを維持することが可能な薬、栄養補給食品、栄養補助食品または食品の製造に、25−OH D3を用いる使用法。
  7. (i)収縮期血圧を120mm Hg未満までおよび/または拡張期血圧を80mm Hg未満まで下げるか、またはこれを維持するのに十分な量のビタミンD3および25−ヒドロキシビタミンD3と、(ii)薬学的に許容可能なキャリアとを含む、組成物。
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