JP2011510958A - ビス(ヘテロアリール)マレイミド骨格を含む分子、及びdde/ddd酵素の阻害におけるそれらの使用 - Google Patents

ビス(ヘテロアリール)マレイミド骨格を含む分子、及びdde/ddd酵素の阻害におけるそれらの使用 Download PDF

Info

Publication number
JP2011510958A
JP2011510958A JP2010544731A JP2010544731A JP2011510958A JP 2011510958 A JP2011510958 A JP 2011510958A JP 2010544731 A JP2010544731 A JP 2010544731A JP 2010544731 A JP2010544731 A JP 2010544731A JP 2011510958 A JP2011510958 A JP 2011510958A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
molecule
hiv
molecule according
group
substituted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010544731A
Other languages
English (en)
Inventor
マリー−クロード・ヴィオー−マスュアール
ジェローム・ギヤール
イヴ・ビゴ
コリンヌ・オージュ−グイル
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Centre National de la Recherche Scientifique CNRS
Original Assignee
Centre National de la Recherche Scientifique CNRS
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Centre National de la Recherche Scientifique CNRS filed Critical Centre National de la Recherche Scientifique CNRS
Publication of JP2011510958A publication Critical patent/JP2011510958A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D405/00Heterocyclic compounds containing both one or more hetero rings having oxygen atoms as the only ring hetero atoms, and one or more rings having nitrogen as the only ring hetero atom
    • C07D405/14Heterocyclic compounds containing both one or more hetero rings having oxygen atoms as the only ring hetero atoms, and one or more rings having nitrogen as the only ring hetero atom containing three or more hetero rings
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/12Antivirals
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/12Antivirals
    • A61P31/14Antivirals for RNA viruses
    • A61P31/18Antivirals for RNA viruses for HIV
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00

Abstract

本発明は、ビス-(ヘテロアリール)マレイミド構造をもち、不変アミノ酸D、D、及びE、又はD、D、及びDを含む触媒ポケットをもつ酵素、例えば、トランスポサーゼ、RAGリコンビナーゼ、又はレトロウイルス・インテグラーゼに関して阻害特性を有する分子に関する。本発明はまた、トランスポサーゼ、RAGリコンビナーゼ、及びレトロウイルス・インテグラーゼ、例えばHIVインテグラーゼのインビトロ、エクスビボ、又はインビボでの阻害のための前記の分子の使用、並びに、動物又はヒト宿主におけるこれらの酵素に関連する疾患の治療、特にAIDSの治療に前記の分子を用いることにも関する。

Description

本発明は、不変(インバリアント)アミノ酸D、D、及びE、又はD、D及びDを含む触媒ポケットをもつ酵素阻害剤の分野(例えば、トランスポサーゼ、レトロウイルス・インテグラーゼなど)、並びにビトロ試験における、又は動物又はヒト宿主におけるこれらの酵素に関連する疾患の治療におけるこれらの阻害剤の使用に関する。本発明は、前記の阻害剤をスクリーニングするためのシステム、特に、インビトロにおける、真核細胞におけるシステムにも関する。
トランスポサーゼ(転移酵素)及びレトロウイルス・インテグラーゼ(レトロウイルス組込み酵素)は、同じゲノム又はゲノム間でのDNAセグメントの置換を促す酵素である。そのような酵素は、それらが様々な生物に由来するとしても、構造的に類似した触媒ドメインを持っている。したがって、結晶学的研究は、それらのペプチド配列に類似性がないにも関わらず、触媒コア(又はポケット)の構造、特に不変DDE/D残基の三連構造の位置は、少なくとも3つのトランスポサーゼ(MuA、Tn5、及びMOS1)(10、12)及び少なくとも2つのインテグラーゼ(HIV−1及びASV)(12、13)については概略重なることを示している。これらの酵素の全てにおいて、この触媒三連構造の役割は、それらに必要な金属イオンを配位させることによって触媒を手助けすることである。また、Tn5トランスポサーゼは、HIV−1インテグラーゼ阻害剤を同定するために用いることができることも最近実証されている(14、15)。
DNAトランスポゾンは、ゲノム内での移動をもともと受けやすい分離したDNAセグメントに対応するクラスII転移性エレメントである(概説については(1)を参照されたい)。さらに、それらのいくつかは、それらが初めはその中で孤立しているホストにわずかしか関連していない種の中で移動できる大きな能力を有していることを経験は示している。それらの特性は、モデル生物における挿入突然変異誘発及び胚遺伝子組み換えのための、及び潜在的には遺伝子治療のための、トランスポゾンに基づくツールの開発へと導いている。トランスポゾンMos1(2)、Mimar1(3)、Minos(4)、PiggyBac(5)、Sleeping Beauty(6)、及びTol2(7)は、そのようなツール(トランスポゾンツール)の開発のための主要な候補として選択されている。
Mos1は、28bpの末端逆位配列(ITR)を末端に有する1286bpのエレメントである。Mos1は、MOS1(345アミノ酸のトランスポサーゼ)をコードする単一のオープンリーディングフレームを含み、カット・アンド・ペースト機構によってそのホストのゲノムに沿って動く。それ全体の機構は、4つの主な段階からなっている:[1及び2]MOS1のホモ二量体化、及びシナプス複合体の構築、[3]Mos1の切除、及び[4]新しい遺伝子座における標的認識及びMos1の挿入(図2)。この活性は、アミノ酸の三連構造、DD34Dに基づき、これは触媒に必要なカチオンにキレートする(10)。Mos1トランスポサーゼは、大きな「DDE酵素」ファミリーに属する(11)。このグループでは、マリナー・トランスポサーゼは例外を構成し、なぜならそれらはDDD三連構造を含むからである。
トランスポサーゼの活性を理解し、「トランスポゾンツール」との関連での転位(transposition)の効率をモニターすることには、これらの酵素の活性を阻害できる分子を特定することが含まれる。しかし、現在まで、いかなるそのような化合物も、マリナー・トランスポサーゼに対しては得られていない。
レトロウイルス・インテグラーゼ(レトロウイルスのpol遺伝子によってコードされる)は、感染した細胞のゲノム(標的DNA)中へのウイルスゲノム(二重鎖DNAの形態に逆転写されたもの)の組み込みを確実にする酵素である。インテグラーゼは、実際、組込み過程において2つの酵素的機能、DNAの切断と鎖(ストランド)の転移を行う。したがって、インテグラーゼ(IN)は、レトロウイルスLTR(長い末端反復配列)の末端に位置するウイルスサイトattを認識し且つ結合し、これらLTRの3’位の2つの塩基対の切除を触媒する。ひとたび切断されると、ウイルスDNAは、タンパク質/DNA複合体を介してホスト細胞の核の中に移入され、そこで次にインテグラーゼが標的DNAを切断してフリーの5’末端を形成し、これがウイルスDNAのフリー3’OH部分に結合される。ウイルスDNAの切断及び組込みが起こる標的DNAのヌクレオチド配列に対するいかなる特異性も確認されていない。
レトロウイルス・インテグラーゼの触媒ドメインは、モチーフDD−35−Eをもつ不変三連構造を含み、それぞれ、HIVインテグラーゼの場合のD64、D116、及びE152残基、又はルー・サルコーマ・ウイルス(Roux sarcoma virus、RSV)の場合のD64、D121、及びE157残基を含む。
レトロウイルス疾患におけるそれらの役割のせいで、それらが動物起源であろうとヒト起源であろうと感染した細胞へのレトロウイルスの組み込みをもたらすレトロウイルス・インテグラーゼの活性に結びつく機構を理解することと並んで、インビトロで阻害することができる分子を特定することは、治療目的のために、ヒトの健康の優先事項である。
非特許文献は本明細書の最後の一覧表に示す。
したがって、トランスポサーゼだけでなく、レトロウイルス・インテグラーゼも阻害することができる分子の特定に対する真の必要性が存在する。それらの分子は、切除及び組込み過程の機構を理解することと、レトロウイルスによる動物及びヒトの感染に関連する症状の治療との両方に用いることができる。その分子の探索もまた、原核生物環境中及び真核生物環境中の両方で機能しうるDDE/DDD酵素阻害剤スクリーニングシステムの特徴付けを必要としており、それは、そのスクリーニングシステムによって特定される分子が、治療における応用の目的で検討されやすい阻害活性を有することを確実にするためである。
[発明の詳細な説明]
本発明は、普通のビス(ヘテロアリール)マレイミド構造を有し、且つ下記式Iを有する分子を意図している。
式(I)中、R基は、水素、直鎖状又は分枝状アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、テトラゾリル、アシル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、フェニル、ヒドロキシフェニル、又は以下の基:
を含む群から選択される。
特定の態様では、RはHである。
別の態様では、Rは、任意選択で置換されていてもよいフェニル基であり、例えば、4-ヒドロキシフェニルである。
別の態様では、Rは以下の式:
を有する。
上記式(I)では、R基及びR基は、互いに独立に、水素原子、カルボン酸(好ましくはC1〜C5)、シアノ、オキシム、オキシムエーテル、テトラゾール、エステル、置換又は非置換のアミド、酸(好ましくはC1〜C5)、二塩基酸(好ましくはC1〜C5)、シクロアルキルカルボン酸(特にC5及びC6)、置換又は非置換のアリール、置換又は非置換のヘテロアリール、及び-CH=CH-CHO基によって構成される群から選択される。
特定の態様では、R又はRはCOOHである。
別の態様では、R又はRはCH=CH-COHである。
この式(I)では、Ar及びArは、互いに独立に選択され、且つ、置換又は非置換のシクロアルキル(C5又はC6)、置換又は非置換のヘテロアリール、置換又は非置換のアリール、及び直鎖状又は分枝状のヘテロアルキルによって構成される。シクロアルキルは、N、O、及びSから選択される1つ以上のヘテロ原子を含んでいてもよい。
具体的な態様では、Ar及び/又はArは、互いに独立に、置換又は非置換の単環式ヘテロアリールから選択される。特に、Arは、Rを有する単環式ヘテロアリールによって構成され、R-ピリジル、R-ピラジニル、R-フラニル、R-チエニル、R-ピリミジニル、R-イソオキサゾリル、R-イソチアゾリル、R-オキサゾリル、R-チアゾリル、R-ピラゾリル、R-フラザニル、R-ピロリル、R-ピラゾリル、R-トリアゾリル、R-ピラジニル、及びR-ピリダジニルの群から選択され、前記単環式ヘテロアリールは置換されているか又は非置換である。さらに、具体的態様では、Arは、Arとは独立に、Rを有する単環式ヘテロアリールによって構成され、R-ピリジル、R-ピラジニル、R-フラニル、R-チエニル、R-ピリミジニル、R-イソオキサゾリル、R-イソチアゾリル、R-オキサゾリル、R-チアゾリル、R-ピラゾリル、R-フラザニル、R-ピロリル、R-ピラゾリル、R-トリアゾリル、R-ピラジニル、及びR-ピリダジニルの群から選択され、前記単環式ヘテロアリールは置換されているか又は非置換である。
特定の態様では、Ar又はArはフランである。別の態様では、Ar及び/又はArはそれぞれ、R-フラニル基及びR-フラニル基である。特に、Ar及び/又はArは互いに独立に、それぞれ、R-フル-2-イル(R-fur-2-yl)、R-フル-3-イル、又はR-フル-4-イル、及びR-フル-2-イル、R-フル-3-イル、又はR-フル-4-イルである。好ましい態様では、Ar及びArはそれぞれ、R-フル-2-イル及びR-フル-2-イルである。
本発明の特定の態様では、Ar及びAr基はフラン、特にフル-2-イル(fur-2-yl)であり、R及び/又はRを、特にR及びRを、3、4、又は5位、特に5位に有する。
特に、本出願は、下記式(I)をもつビス(ヘテロアリール)マレイミド構造を含む分子を意図している。
式(I)中、
- Rは、水素、直鎖状又は分枝状のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、テトラゾリル、アシル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、フェニル、ヒドロキシフェニル、又は
によって構成される群から選択され;
- R及びRは互いに独立に、水素原子、カルボン酸、シアノ、オキシム、オキシムエーテル、テトラゾール、エステル、置換又は非置換アミド、酸、二塩基酸、シクロアルキルカルボン酸、置換又は非置換のアリール、置換又は非置換のヘテロアリール、及び-CH=CH-CHOによって構成される群から選択され;
- Ar及びArは互いに独立に選択され、かつ、置換又は非置換のシクロアルキル、置換又は非置換のヘテロアリール、置換又は非置換のアリール、直鎖状又は分枝状のヘテロアルキルによって構成され;かつ、R、R、及びRがともにHであることは除かれる。
本発明との関連では、R、R、及びR基が、式(I)をもつ化合物においてともに水素原子(H)であることは明確に除かれる。
特定の態様では、以下の化合物も、本発明の分子に対して付与される定義から明確に除かれる:
- Rが水素であり、Ar及びArがフランであり、R及びRがCHOである、式(I)の分子;及び
- Rがフェニルであり、Ar及びArがフランであり、R及びRがCHOである、式(I)の分子。
特定の態様では、R及びRは同じであり、本発明の分子は以下の式(Ia)を有する:
式(Ia)中、R、R、Ar、及びArは上に定義した通りである。
特定の態様では、Ar及びArは同じであり、本発明の分子は以下の式(Ib)を有する:
式(Ib)中、R、R、R、及びArは上に定義した通りである。
本発明の別の態様では、R及びRが一方で、Ar及びArが他方で同じであり、本発明の分子は以下の式(Ic)を有する:
式(Ic)中、R、R、及びArは上に定義した通りである。
本発明の特定の分子は、Ar及びArがフランである分子であり、以下の式(II)を有するものである:
式(II)中、R、R、及びRは上に定義した通りである。
特定の態様では、式(II)をもつ分子は同じR及びR基を有し、以下の式(IIa)を有する:
及びRは上に定義した通りである。
本出願で定義した特定の態様、特に式(I)と関連しての態様は、式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(II)、及び(IIa)に対しても同様に適用する。
特定の態様では、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(II)、又は(IIa)に従う本発明の分子は「N−置換」されており、すなわち、R基は、上に示した定義において、水素原子とは異なる。この場合、R及びR基の性質は、上に示した可能性あるものから選択される。
別の態様では、上述のものの代替である、式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(II)、又は(IIa)に従う本発明の分子はN−置換ではなく(従って、「非N−置換」分子として限定される)、すなわち、R基は水素原子である。この場合は、R及びR基は、互いに独立に、水素原子を除いて、上に示した可能性の一つを満たす(なぜなら、R、R、及びRは同時に水素原子であることはできないからである)。
本発明の特定の分子の合成例を図11に示す。したがって、本出願は、式(I)を有し且つ類似又は同じ合成によって得られる全ての分子を意図してもいる。
本発明は、生理学的に許容可能な塩の形態にある、本出願に記載した分子を意図してもいる。生理学的に許容可能な塩の例には、塩基性塩、例えば、アルカリ金属(例えば、ナトリウム又はカリウム)の塩あるいはアルカリ土類金属(例えば、カルシウム)の塩、塩基性有機塩、及びアミノ酸塩が含まれる。分子(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(II)、又は(IIa)に関連して定義し又は説明した態様は、その分子の生理学的に許容可能な塩に適用することもできる。
本発明との関連では、以下の定義を本明細書及び特許請求の範囲に適用する。
「アルキル」の用語は、直鎖状又は分岐状の、1〜20の炭素原子、好ましくは1〜12の炭素原子、より好ましくは1〜6の炭素原子を含む炭化水素鎖を意味する。
「アルケニル」の用語は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合と、2〜20の炭素原子、好ましくは2〜12の炭素原子、より好ましくは2〜6の炭素原子を含む直鎖状又は分枝状の脂肪族炭化水素基を意味する。アルケニル基の非限定的な例は、エテニル、プロペニル、n-ブテニル、n-ペンテニル、オクテニル、及びデセニルである。
「アルキニル」の用語は、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合と、2〜15の炭素原子、好ましくは2〜12の炭素原子、より好ましくは2〜4の炭素原子を含む直鎖状又は分枝状の脂肪族炭化水素基を意味する。アルキニル基の非限定的な例は、エチニル、プロピニル、2-ブチニル、3-メチルブチニル、n-ペンチニル、及びデシニルである。
「アリール」の用語は、6〜14の炭素原子、好ましくは6〜10の炭素原子を含む、少なくとも1つの芳香環を含む単環式又は多環式芳香族基を意味する。アリール基の非限定的な例はフェニル基である。アリール基は、非置換であるか、又は互いに独立に選択された1、2、又は3つの置換基で置換されていることができる。置換されたアリール基の非限定的な例はヒドロキシフェニルである。
「アリールアルキル」の用語は、上に定義したアルキル基に結合した、上で定義したアリール基を意味し、親の基への結合はそのアルキル基を介して形成される。アリールアルキル基の非限定的な例はベンジルである。
「シクロアルキル」の用語は、3〜10(例えば、3〜7)の炭素原子、好ましくは5〜10の炭素原子、より好ましくは5〜7の炭素原子を含み、且つ1、2、又は3つの環を含む、飽和炭素環式システムを意味する。シクロアルキル基の非限定的な例は、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロへキシル、及びシクロヘプチルである。
「ハロゲン」の用語は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素基を意味する。
「ヘテロアリール」の用語は、5〜14、好ましくは5〜10の単一の又は縮合した芳香環のシステムを意味し、その環はO、S、及びNから独立に選択された1、2、又は3つのヘテロ原子を含み、その環は隣接する複数酸素原子又は複数硫黄原子を有しない。好ましいヘテロアリール基は5又は6個の原子を含む。別の好ましい態様では、ヘテロアリールは単環式である。ヘテロアリール基は、非置換であるか、又は互いに独立に選択された1、2、又は3個の置換基で置換されていてもよい。ヘテロアリール基の非限定的な例は、ピリジル、ピラジニル、フラニル、チエニル、ピリミジニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、フラザニル、ピロリル、ピラゾリル、チアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、キノキサリニル、フタラジニル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、イミダゾ[2,1-b]チアゾリル、ベンゾフラザニル、インドリル、アザインドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、イミダゾリル、チエノピリジル、キナゾリニル、チエノピリミジル、ピロロピリジル、イミダゾピリジル、イソキノリニル、ベンゾアザインドリル、及びベンゾチアゾリルである。単環式ヘテロアリールの好ましい例は、ピリジル、ピラジニル、フラニル、チエニル、ピリミジニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル、フラザニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、及びピリダジニルである。特に、本発明との関連では、好ましい単環式ヘテロアリールはフラニルである。単環式ヘテロアリールは、非置換であるか、又は互いに独立に選択された1、2、又は3個の置換基で置換されていてもよい。
「ヘテロシクリル」又は「ヘテロシクロアルキル」の用語は、3〜10(例えば、3〜7)の炭素原子、好ましくは5〜10の炭素原子、より好ましくは5〜7の炭素原子を含み、且つ1、2、又は3の環を含み、このシステムの原子の1つ以上が炭素原子以外の元素、例えば、硫黄、酸素、及び/又は窒素原子である、飽和の、単環式又は多環式の非芳香族システムを意味する。
「アリールスルホニル」の用語は、-SO-アリール基を意味し、このアリール基は上に定義した通りである。
「ヘテロアラルキル」又は「ヘテロアリールアルキル」、あるいはそれぞれ「ヘテロアリールスルホニル」の用語は、上に定義したアルキル基、あるいはそれぞれ上に定義したスルホニル基に結合した、上で定義したヘテロアリール基を意味し、その親の基との結合はそのアルキルあるいはそれぞれそのスルホニル基を介して形成されている。
「アルコキシ」の用語は、-O-アルキル基を意味し、このアルキル基は上に定義した通りであり、1〜20の炭素原子、より好ましくは1〜10の炭素原子を含む。
「カルボキシル」の用語は、-C(O)OH官能基を意味する。
「アシル」の用語は、-C(O)-アルキル基を意味し、アルキル基は上に定義したとおりである。
「置換された」又は「置換基」の用語は、ハロゲン基、エーテル、ヒドロキシル、カルボキシル官能基、カルボキサミド、エステル、ケトン、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、アミン、置換アミン、直鎖状又は分枝状アルキル、特にC1〜C6アルキル、シアノ、ニトロ、ハロアルキル、アルコキシ、カルボキシアルキル、メルカプト、スルフヒドリル(sulphhydryl)、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、スルホニル、又はスルホンアミドを意味する。特定の態様では、ヘテロアリール(特に単環式ヘテロアリール)が置換されている場合、置換はその環のヘテロ原子(1又は複数)上で起こる。それに代えて又は前述の態様に加えて、ヘテロアリール(特に単環式ヘテロアリール)が置換されている場合、その置換はその環の炭素原子又は複数の炭素原子で起こる。
上に示した定義を有する本発明の分子は、少なくとも1種のDDE/DDD酵素に対する阻害特性、特にインビトロで観察される阻害活性によって測定した阻害特性を有する。DDE/DDD酵素(特にトランスポサーゼ及び/又はレトロウイルス・インテグラーゼ)に対する本発明の分子の阻害活性を実証することができる試験条件を、以下の例に示す。
本出願との関連で用いているように「DDE/DDD酵素」の用語は、ホスファチジルトランスフェラーゼ活性をもち且つ3つのアミノ酸D、D、及びE(DDE酵素)、又はD、D、及びD(DDD酵素)によって形成された触媒酵素部位を有する任意の酵素を意味する。特定の態様では、DDE/DDD酵素は、ゲノム内又はゲノム間でDNAセグメントの移動を助ける酵素である。これの発現は、トランスポサーゼ(バクテリア又は真核生物)及び/又はレトロウイルス・インテグラーゼ及び/又はRAGリコンビナーゼを包含する。
特定の態様では、DDE/DDD酵素は、原核生物由来の、特にバクテリア由来のトランスポサーゼ、例えば、MuA、Tn5、又はTn10である。別の態様では、DDE/DDD酵素は、真核生物由来のトランスポサーゼ、例えば、Tc1/マリナーファミリーからのトランスポサーゼ(この例は、MOS1トランスポサーゼ又はSleeping Beautyトランスポサーゼである)、又はhATファミリーからのトランスポサーゼ(この例はヘルメストランスポサーゼである)である。
本発明の別の態様では、DDE/DDD酵素はレトロウイルス由来のインテグラーゼ、特にレトロウイルスのpol遺伝子によってコードされるインテグラーゼである。本発明のインテグラーゼのための阻害分子によって標的とされうるレトロウイルスは、アルファレトロウイルス属、ベータレトロウイルス属、ガンマレトロウイルス属、デルタレトロウイルス属、レンチウイルス属、及びスプマウイルス属に属する。
特に興味あるレンチウイルスを下の表1に列挙する。
特定の態様では、本発明の分子によって標的とされるレトロウイルス・インテグラーゼは、動物又はヒト向性(human tropism)をもつレトロウイルスに由来する。
特定の態様では、本発明の分子によって標的とされるレトロウイルス・インテグラーゼは、ヒト向性をもつレンチウイルスからのもの、例えば、HIVウイルス(ヒト免疫不全ウイルス)、特に、HIV−1分離株(アイソレート)及び/又はHIV−2分離株(細胞病原性レトロウイルス)である。
DDE/DDD酵素、特に、トランスポサーゼ又はレトロウイルス・インテグラーゼの酵素活性を阻害する特定の分子は、下記式(III)〜(VI)の1つをもつ分子である。
本発明は、本発明との関連で定義した少なくとも1種の分子、特に上の式(I)、(Ia)、(Ib)、(Ic)、(II)、(IIa)、又は上の式(III)〜(VI)の1つをもつ少なくとも1種の分子を含む組成物も意図している。
本発明の特定の態様では、本組成物は、式(I)〜(VI)から選択される少なくとも二種の異なる分子を含む。
特定の態様では、本組成物は、治療用又は医薬組成物であり、すなわち、それは動物又は患者への投与に対して適合されている。
特定の態様では、本発明の組成物は、医薬として許容可能な担体(ビヒクル)をも含む。「担体」の用語は、本発明の分子を組成物中に配合することを可能にする任意の物質を意味する。特定の態様では、担体は、医薬として許容可能な、すなわち、生きているもの(例えば、動物、特に非ヒト動物、及び例えばヒト)と接触する組成物の使用に適している物質(1種又は複数種)又はその組み合わせであり、したがって好ましくは非毒性である。そのような医薬として許容可能な担体の例は、水、食塩水、水と混和性の溶媒、糖類、結合剤、賦形剤、色素、植物又は鉱物油、水溶性ポリマー、界面活性剤、増粘剤、又はゲル化剤、化粧用剤、保存料、アルカリ性化又は酸性化剤などである。
特定の態様では、本発明の少なくとも1種の分子と、任意選択で場合により1種以上の医薬として許容可能な担体を含むことに加えて、本発明の組成物は、レトロウイルスによる感染に関連する症状の治療のための追加の生物学的活性化合物、特に、後天性免疫不全症候群(AIDS)に関連した症状の治療に生物学的に活性である追加の化合物をさらに含む。本組成物との関連において「追加」の用語は、本明細書で定義した分子とは異なる、特に上の式(I)を満たす分子とは異なる化合物を指す。
引用することができる、後天性免疫不全症候群と関連する症状の治療のための追加の生物学的活性化合物の例は、(a)プロテアーゼ阻害剤、(b)ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、(c)非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤、(d)ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤、(e)ヌクレオチド及びヌクレオシド阻害剤、(f)インテグラーゼ阻害剤、(g)融合阻害剤、及び(h)インターロイキンである。
本発明は、DDE/DDD酵素、特に、トランスポサーゼ又はレトロウイルス・インテグラーゼの活性のインビトロ阻害のための、本出願で説明した少なくとも1種の分子の使用にも関する。「インビトロ」の用語は、完全な生きている生物の外(すなわち、試験管内で行われる試験、及び原核生物又は真核生物の細胞の培養物に対して行われる試験)で行われる阻害試験を意味する。
本発明は、医薬として使用するための、本発明による分子又は組成物にも関する。
したがって、本出願に示した定義にしたがって、DDE/DDD酵素の酵素活性、特にトランスポサーゼ又はレトロウイルス・インテグラーゼの活性を阻害するための、本発明の分子又は組成物の使用を考えることができる。このため、本発明は、DDE/DDD酵素阻害剤として用いるための、本出願に記載した分子又は組成物をも意図している。この治療との関連では、この分子(単独、又は組成物の形態で用いられる)は、N−置換又は非N−置換である。
特定の態様では、このDDE/DDD酵素はトランスポサーゼ又はRAGリコンビナーゼである。特定の態様では、本発明の分子又は組成物は、トランスポサーゼ又はRAGリコンビナーゼの活性の生体外(ex vivo)での阻害のために用いられる。
別の態様では、DDE/DDD酵素は、動物又はヒト向性をもつレトロウイルス(特にレンチウイルス)に由来するインテグラーゼである。後天性免疫不全症候群(AIDS)の進行におけるそれらの関与により、HIVタイプのレトロウイルス、例えば、HIV−1型及び/又はHIV−2型のもの(それらのサブタイプにかかわらず)、及び前記のレトロウイルスのインテグラーゼは、本発明の分子の応用のための特に興味ある標的である。
本発明は、レトロウイルスによる感染に伴う及び/又は感染に続く、特に動物向性又はヒト向性(human tropism)をもつレトロウイルス、例えば、HIVによる感染に続く疾患又は症状の治療に用いるための、本発明の分子又は組成物にも関連する。
本出願との関連で、「治療」の用語は、本発明の少なくとも1種の分子又は組成物によって得られる治療効果(例えば、レトロウイルスの消失)、並びに、動物又は患者で(及びレトロウイルスの存在に続いて又はレトロウイルスに関連して)観察される症状の改善又は患者の状態の改善の両方を意味する。したがって、「治療」の用語は、レトロウイルスによる感染、並びにそのレトロウイルスによる感染から生じる症状又は疾患に適用可能である。したがって、レトロウイルスによる感染に関連する又は感染に続く疾患又は症状の治療のために、それを必要とする動物又は患者に本発明の化合物又は組成物の投与を含む方法も、本発明の一部を形作る。
「動物」の用語は、特に、ヒト以外の動物を意味する。
特定の態様では、本出願は、レトロウイルス複製を低減又は抑制にさえ用いるための本発明の分子又は組成物に関する。レトロウイルスの複製の低減又は抑制に対する本発明の分子又は組成物の効果は、感染した宿主の血漿中のウイルス量の変化によって実証されうる。
別の態様では、本出願は、HIVによる感染に続いての症状及び/又は感染の治療、特に、後天性免疫不全症候群(AIDS)の治療における、本発明の分子又はそれを含む組成物を意図している。有利には、この出願において議論する治療は、HIV−1及び/又はHIV−2分離株(アイソレート)に対して適している。分離株HIV−1による感染の治療の場合、その治療は、O群からの分離株、及びまたM群からの分離株、特にクレード(crede)A、B、C、D、E、F、G、及びH中のM群からの分離株に対して適用できる。本発明の分子又は組成物による、AIDSに関連した疾患又は症状の治療の有効性は、T CD4リンパ球(HIVウイルスの主要な標的細胞)の数の変化と、任意選択によって場合により、血漿中のウイルス量の変化の計算と組み合わせて、測定することができる。
上述した治療のための使用又は治療法において、本発明の分子又は組成物は固体形態(サシェ、粉末、顆粒、錠剤、座薬、急速放出錠剤、胃抵抗性錠剤、遅延放出錠剤)又は液体(シロップ、注入可能な溶液、点眼液)であってよい。したがって、その製剤学的形態によって、本発明の分子又は組成物は、経口、口腔、経粘膜、経膣、経直腸、非経口(静脈内、筋肉内、又は皮下)、又は経皮(transcutaneously, transdermally, percutaneously,又はcutaneously)で投与されうる。
レトロウイルス、特にHIVによる感染時の症状及び/又は感染に続く感染の治療のため、特に後天性免疫不全症候群の治療のための医薬の製造における、本発明の分子又は組成物の使用も本発明の一部を形作る。
別の側面では、本発明は、DNA転移ツール(「トランスポゾンツール」)としての、特に遺伝子治療における、MOS1システム(Mos1トランスポゾン)の使用にも関連する。
本出願の関連では、MOS1システムは以下の要素を含む:
(a)MOS1タンパク質(アミノ酸1〜345)、特に、マルトース結合タンパク質すなわちMBPに融合したもの(それによって安定性を高めるが、活性は変えない)又はMOS1タンパク質の有利な突然変異体;
(b)トランスポゾン(任意選択により、その配列の一部が欠失している及び/又は興味ある導入遺伝子をもっている)。
特定の態様では、DNAの転移は真核生物細胞で行われ;その転移による細胞は、生体外(ex vivo)用途、例えば、遺伝子治療における生体外用途、又は工場細胞(経済的又は医薬的興味のあるタンパク質を産生する細胞)を得るために用いることができる。
したがって、本発明の分子は、上述したMOS1システムを、形質転換させる細胞と接触させることによって引き起こされる転移反応を止めるために用いることができる。本発明の分子の優位性は、したがって、MOS1システムの「カスケード」反応を制御し且つ避ける能力である。
図1は、選択した化合物1〜10の構造である。 図2は、Mos1転位機構のモデルである。 図3は、化合物9についての切除試験である。(a)インビトロ切除試験は、図の上に示すように、超らせんの(supercoiled, SC)pBC-3T3及び様々な濃度の化合物9を用いて行った。(−):トランスポサーゼなし;(D):DMSO。DNAに対するマーカー分子量(MW)は、左側の余白にkbp単位で示す。様々な生成物を右側に示す:OC(白抜き丸)、L(線状=4.6kb)、SC(超らせん)。切除されたトランスポゾン(3T3=1.2kb)及びプラスミド骨格(pBC=3.4kb)も示す。(b)IC50値グラフ;切除のパーセント阻害率(縦軸)は、化合物9の濃度(横座標)の関数として測定した。 図4は、EMSA(Electrophretic-mobility shift assay, 電気泳動移動度シフトアッセイ)によるトランスポサーゼ-ITR複合体の構築。EMSAは、プローブとしてのITR30と選択した10の化合物(図1の1〜10)を用い、MBP-MOS1で行った。(−):トランスポサーゼなし;(0)化合物なし;(D)DMSO。様々な複合体(SEC1、SEC2、PEC1、PEC2)、標的の捕獲複合体(target capture complex, TCC)及び非結合DNA(フリープローブ)を示している。SEC1は、単一ITRに結合した単一トランスポサーゼによって形成された。この複合体は上の分子複合体の解離の結果変化した((18)及び私信)。SEC2は単一ITRに結合したトランスポサーゼ二量体によって形成され、PEC1はITRペアに結合したトランスポサーゼ二量体によって形成され、PEC2はITRペアに結合したトランスポサーゼ四量体によって形成された。 図5は、化合物6での切除に対する試験を示す。インビトロでの切除試験は、図の上側に示したように、超らせん(SC)pBC-3T3及び様々な濃度の化合物6を用いて行った。(D):DMSO。DNA分子量マーカーは、左側余白にkbp単位で示している。様々な生成物を右側に示している。OC(白抜き丸)、L(線状=4.6kb)、SC(超らせん)。切除されたトランスポゾン(3T3=1.2kb)及びプラスミド骨格(pBC=3.4kb)も示している。 図6は、MOS1-ITR複合体の組み立てに対する化合物6の効果を示す。EMSAは、図の上側に示したように、プローブとしてのUTR30及び様々な濃度の化合物6を用いて、MBP-MOS1で行った。(−):トランスポサーゼなし;(0)化合物なし。様々な複合体(SEC1、SEC2、PEC1、PEC2)、及び結合していないDNA(フリープローブ)を示している。SEC1は、単一ITRに結合した単一トランスポサーゼによって形成された。その複合体は、より高次の分子複合体の解離の結果変化した。SEC2は単一ITRに結合したトランスポサーゼ二量体によって形成され、PEC1はITRペアに結合したトランスポサーゼ二量体によって形成され、PEC2はITRペアに結合したトランスポサーゼ四量体によって形成された。 図7は、化合物1の存在下でのMOS1鎖の転移反応を示す。試験は、表の上側に示したように、MBP-MOS1、ラベルしたITR30、標的プラスミドとしてのpBC-SK、及び様々な濃度の化合物1(μM単位)を用いて行った。No Tpase:トランスポサーゼなし;(D):DMSO。組込み生成物は右に示す:OC(白抜き丸)、L(線状)。 図8は、MOS1鎖(ストランド)転移反応を示す。IC50値プロット;切除の阻害パーセント率(縦軸)は、化合物1の濃度(M単位)(横座標)の関数として測定した。得られたIC50値は、表IIIに示している。 図9は、化合物4の存在下での、HIV−1についての3’成熟及び鎖(ストランド)転移に対する活性を示す。試験は、図の上側に示したように、HIV−1インテグラーゼ、U5 LTRの末端を模倣したオリゴヌクレオチド二本鎖、及び様々な濃度の化合物4(μM単位)を用いて行った。No Int:インテグラーゼなし;(D):DMSO;(21-mer):転移した鎖;(19-mer):3’成熟生成物。鎖転移生成物は右に示している。 図10は、化合物4の存在下でのHIV−1インテグラーゼに対する3’成熟及び鎖(ストランド)転移活性を示す。グラフのIC50値;鎖転移のパーセント阻害率(線)及び成熟の阻害(点線)を、化合物4の濃度(M)(横座標)の関数として測定した。 図11は、本発明の分子の合成の方法の単純化した例を示す。
〔A.方法及び装置〕
[化合物]
この研究のために、800の化合物が、フランス、ツール(Tours)のフランソワーズ・ラブレー大学のSPOT EA 3857研究室(合成並びに有機及び治療生理化学の研究室)によって提供された。ビス-(ヘテロアリール)マレイミド誘導体(図1の1〜4)は、文献(25)の記載にしたがって、Marie-Claude Viaud-Massuard教授の研究室によって合成された。20種の化合物をChemBridge又はInterBioscreenから購入し、これらはTn5トランスポサーゼ阻害剤として以前記載されている(14)。28種の化合物は、HIV−1インテグラーゼ阻害剤として記載されており、16種の化合物は、Vladimir Ryabinin博士(分子生物学科、Koltsovo、ロシア)によって快く提供されたDNA挿入化合物であり、5種は新規なチアゾロチアゼピン類(26)であり、4種はGカルテットであり(27〜30)、そして最後の2種は3,5-ジカフェオイルキナ酸(31)及び「インテグラーゼ3阻害剤」(Merck社)だった。これら活性化合物を図1に示す。全ての化合物は、DMSO中の懸濁液にした。
[タンパク質]
完全長トランスポサーゼMOS1[アミノ酸1〜345]及びMOS1二量化ドメイン[アミノ酸1〜85]が産生され、以前記載されている(8)ようにマルトース結合タンパク(MBP)に結合した融合タンパク質の形態で精製した。本明細書で用いる「トランスポサーゼ」、「MOS1」、及び「Tnp」の用語は、タンパク質MOS1の単一サブユニットを示す。
[インビトロ転位(トランスポジション)試験]
インビトロ転位反応は、ドナーDNA及び標的の両方としてpBC-3T3を用いて、バクテリアの転位試験について以前行われた(16)ように行った。転位反応混合物は、10mMのTris-HCl(pH9)、50mMのNaCl、0.5mMのジチオスレイトール、20mMのMgCl、0.5mMのEDTA、100ngのBSA、80nMのMBP-MOS1、及び600ngの超らせんpBC-3T3(20μlの体積中)を含んでいた。阻害剤(最終濃度は80μM)又はDMSOを、トランスポサーゼより前にその反応混合物に添加した。反応は30℃で30分間自由に行い、次に10μlの停止溶液(0.4%のSDS、0.4μg/μlのプロテイナーゼK)を添加し、反応混合物をさらに37℃で30分間、次に65℃で10分間インキュベートした。生成物をフェノール-クロロホルムで抽出し、常法を用いて1μgのイーストtRNAを使用してエタノール中で沈殿させた。10%のこの反応混合物を、45μlのエレクトロコンピテント大腸菌JM109細胞(2mmセル、BioRad社からのMicroPulser(登録商標)中1.5kV)中で、形質転換のための陽性対照として用いた0.01ngのpBS-SK(−)で同時形質転換させた。このバクテリアを37℃で1時間、SOC媒体中で培養した。各反応の適切な希釈系列をLB-アンピシリン・ゲロース(100μg/ml)上に広げ、形質転換効率を評価し、さらに、転移の頻度を評価するために、LB-テトラサイクリン・ゲロース(12.5μg/ml)及びLB-クロラムフェニコール・ゲロース(80μg/ml)上に広げた。転位の頻度は、Tet(登録商標)コロニーの数をChloram(登録商標)コロニーの数で割ったものである。形質転換効率は、Amp(登録商標)コロニーの数によってモニターされる。様々な化合物の効果を、阻害因子(IF)を計算することによって表した。例えば、IF=対照(DMSO中)の転位の頻度を、その化合物を用いて得られた転位の頻度で割ったもの。各試験は5回、最も有効な薬剤については10回繰り返した。
[電気泳動移動度シフト試験(Electrophoretic mobility shift tests, EMSA)]
ITR30を調製し、所定の軽微な変更を伴い上述したようにラベルした(8);ラベル後、DNAをさらに未変性ポリアクリルアミドゲル上で精製した。結合反応は、50mMのNaCl、0.5mMのDTT、10mMのTris(pH9)、5%のグリセロール及び100ngのBSA中で行った。各20μlの反応液は、32Pでラベルした0.2pmolのITR30、400mMの精製したMBP-MOS1、5mMのEDTA、及び1μlの試験化合物(最終濃度400μM)又はDMSOを含んでいた。この混合物を30℃で2時間インキュベートした。5%のグリセロールを含む4%〜6%のTBE0.25x(アクリルアミド/ビスアクリルアミド 30:0.93)をもつ非連続的な未変性ポリアクリルアミドゲルを用いて、その複合体を分離した。ゲルは200Vに3時間かけ、次にオートラジオグラフィーにかけた。
[インビトロ切除試験及びIC50の測定]
これらの試験は、インキュベーションを30℃に代えて37℃で行ったという事実を例外として、インビトロ転位試験と同様の条件下で行った。IC50を測定するために、1000〜0.8μMの化合物濃度範囲を、本明細書に示したように用いた。インキュベーション後、2μlの10X量緩衝液を添加することによって反応を中断させ、生成物をエチジウムブロマイドを含む0.8%TAE1x-アガロースゲル上に直接ロードした。遊離した骨格の量は、GeneSnapシステム(SynGene社)を使用して評価した。切除のパーセント阻害率を、本化合物の濃度の関数としてグラフにした。試験データはPrismソフトウェアを使用して、シグモイド用量応答曲線に適合させた。各試験は少なくとも2回繰り返した。
[MOS1鎖転移反応]
反応(40μl)は、50mMのTris−HCl(pH9)、0.1mg/mlのBSA、及び5%のグリセロール中で、10nMの切断されているITR基質及び80nMのMBP-MOS1存在下で行った。この予め切断したITR基質は、オリゴヌクレオチドNTS-3及びTS:
- NTS-3:5’-GGTGTACAAGTATGAAATGTCGTTTCG-3’;及び
- TS:5’-AATTCGAAACGACATTTCATACTTGTACACCTGA-3’
をハイブリダイズさせることによって形成された。
TSはポリヌクレオチドキナーゼT4(Promega社)及びα-[32P]ATPを用いて5’位に放射標識した。常温で20分後、反応毎に、MgCl(最終濃度5mM)及び200ngのpBC-KS標的プラスミド(Stratagene社)を1時間にわたって30℃で添加した。5%DMSO中に希釈した阻害剤は、複合体の形成時且つMgCl及び標的プラスミドを添加する前に添加した。反応を10mMのEDTAで中断させ、0.1mg/mlのプロテイナーゼK、0.1%のSDS、及び2mMのCaClで、45℃にて1時間処理した。鎖(ストランド)転移反応物を0.8%TBE1xアガロースゲル上に負荷し、分離させた。このゲルをエチジウムブロマイドで染色し、次に乾燥させ且つリンスクリーン(Phosphorimager、STORM Molecular Dynamics社)上に露出させた。挿入生成物を、Image Quantソフトウェアを使用して定量化した。
[3’成熟試験及びHIV−1鎖(ストランド)転移試験]
HIV−1インテグラーゼは(32)に記載されたように精製した。200nMのHIV−1インテグラーゼを、LTR U5の末端を模倣した放射標識したオリゴヌクレオチド二本鎖6.25nMの存在下で、20mMのHEPES(pH7.5)、10mMのNaCl、4mMのDTT、7.5mMのMgCl、10%のDMSO、及び様々な濃度の薬剤を含む緩衝液中でインキュベートした。この反応を2時間、37℃で行い、生成物を18%アクリルアミド尿素ゲル上で分離した。このゲルをホスフォイメージャー(Phosphorimager)を使用してスキャンし、Image Quant(Molecular Dynamics社)ソフトウェアを使用して解析した。各試験は二重に行った。
〔B.結果〕
[MOS1阻害剤の特定]
Mos1トランスポサーゼの阻害剤を特定するための最初の試験の間、170の分子のコレクションを、インビトロ転位試験(インビトロトランスポジションテスト)を用いてスクリーニングした。テストパネルの最初の部分は、Tn5トランスポサーゼの阻害剤、及びHIV−1インテグラーゼによって構成されていた。インテグラーゼ阻害剤又はトランスポサーゼ阻害剤として試験されたことのないその他の化合物は、置換ヘテロ環誘導体だった。
転位試験は、MBPと融合させた精製したMOS1タンパク質と、擬性Mos1トランスポゾンを有するpBC−3T3プラスミドとを用いて行った。この試験では、pBC−3T3を、擬性Mos1ドナーとして又はトランスポゾンの組込みのための標的として用いた(16)。転位事象は、プロモーター標識によって明らかにされた。最初のスクリーニングのために用いた薬剤の濃度は80μMだった。10の最良の化合物は、阻害剤なしで、しかしDMSOの存在下で行った対照試験と比較して25より大きな阻害因子(IF)(96%阻害より大きい)を有していた(表II)。
表II:10の最良の化合物に対する転位の頻度及び阻害係数(図1の1〜10);転位頻度及び阻害係数の値は、少なくとも5つの試験の平均である。阻害係数はDMSOで得られた転位頻度と化合物1〜10のそれぞれで得られた転位頻度との間の比である。
上記阻害剤の構造を図1に示す。化合物1〜4はビス-(ヘテロアリール)マレイミド誘導体であり、これまでに知られていないDDE/D酵素阻害剤を構成する。化合物5及び6は、DNAと相互作用することが知られているN-メチルピロールポリアミドであった((17)中の合成)。化合物7は、Tn5トランスポサーゼ及びHIV−1インテグラーゼに対する阻害剤であることも示されているビス-クマリン誘導体だった(14)。化合物8、9、及び10は、それぞれ、シンナモイル誘導体、安息香酸誘導体、及びカルボン酸で置換されたチオキソチアゾリジンだった。この3種の化合物(8、9、及び10)は、Tn5トランスポサーゼの阻害剤として既に特定されている(14)。
[トランスポゾンの切除に対する阻害剤の活性]
これらの10の化合物の阻害活性及びMos1の転位に対するそれらの作用機構のより良い特徴付けのために、トランスポゾンの切除を示す化合物の能力を、ドナープラスミドとしてpBC−3T3トランスポゾンを用いてインビトロで試験した。MOS1は、ドナープラスミドからのトランスポゾンの切除を誘発し、2つの線状DNAフラグメント、トランスポゾン(1.2kb)とプラスミド骨格(3.4kb)を生成する。切除後、トランスポゾンは標的に再挿入されうる。薬剤の切除活性は、プラスミド骨格を定量化することによって測定したが、それはこれが反応の最終生成物だからである。化合物9の活性を図3aに示す。薬剤なしでは、トランスポサーゼは、ドナープラスミドからトランスポゾンを放出させる(線8)。薬剤の最高濃度(1mM)では、トランスポゾンの切除は完全に抑制された(線2)。
反応の50%を阻害するために必要な薬剤の濃度(IC50)を決定するために、2つの独立した試験から測定した阻害パーセント割合を、薬剤の濃度の関数としてグラフにした(図3b)。同様の試験を、9つのその他の化合物を用いて行った。対応するIC50値を表IIIに示す。
表III: Mos1トランスポゾンに対する様々な段階での各化合物の効果;MOS1−ITR結合に対する及びMos1の切除に対するIC50値は他に示されていない限りμM単位で示す。MOS1−ITR複合体の構築への影響は、(+):複合体が観察された;(−):複合体なし、及び(+/):微量のSEC1、によって示す。ND:未測定。
化合物2〜6は切除の最良の阻害剤であり、10μMのオーダーのIC50値をもつ。35μM(化合物10)〜150μM(化合物9)のIC50値をもつ、薬剤の第二の組には、Tn5阻害剤が含まれていた。最後に、ビス-フリル-マレイミド(化合物1)(これは最初の転位試験において特性解析された最良の阻害剤である)は、18〜54μMの範囲のIC50で切除を阻害した。このIC50値は、この化合物は転位に続く段階にも作用しうることを示唆している。
これらの結果は、化合物1〜10が、トランスポゾン切除に大きな影響を有することを示している。Tn5トランスポサーゼ阻害剤(化合物7〜10)は、Tn5のシナプス複合体の形成をブロックする(14)一方で、化合物5及び6はDNAタンパク質結合の強力な阻害剤である((17)の合成)。文献中のデータ及びこれらの結果は、これらの化合物がトランスポサーゼ-ITR複合体の形成(切除前に起こる段階)に作用しうることを強く示唆している。
[MOS−ITR複合体の構築における阻害剤の活性]
MOS1とITR3’との間でインビトロで形成される複合体の出現(8)を防止するこの10の分子の能力を、ゲル移動度シフト法(EMSA)を用いて試験した。MOS1−ITR複合体は、400μM濃度の分子の存在下で、放射標識したITR3’(ITR30)を用いて形成させた。この濃度は、上記の10の化合物について測定した最も高いIC50値よりも少なくとも2.5倍高かった。
これらの最初のデータは、複合体が、化合物1の存在下でなお観察されたが(図4、線4)、モチーフは修飾されていることを示しており、このことは薬剤が複合体と相互作用することを示唆している。対照的に、複合体は、化合物2、3、4、7、8、及び10の存在下で完全に不安定化され、化合物9の存在下ではほとんど完全に抑制され(90%阻害)、これは切除活性に対して最も高いIC50を有していた。不成功なSEC1複合体の微量のみが検出された。化合物7〜10についてここで観察されたデータは、Tn5トランスポサーゼ複合体の及びHIV−1インテグラーゼの構築に対するこれらの分子の作用機序と完全に一致している(14)。最後に、400μMの濃度の化合物5及び6は、おそらく含まれているDNAの凝集又は中和によって、ウェル中で、ITR基質とトランスポサーゼの複合体の沈殿を引き起こした。ITR基質だけの同様の沈殿が、未変性PAGE(示していない)において、高濃度の薬剤5及び6においても観察された。
DNAと化合物5及び6との間の相互作用も、切除試験中にプラスミド基質を用いて観察された(図5)。薬剤5及び6の作用機構を確かめるために、それらの濃度を低減することによって試験を繰り返した。これらの化合物は、低濃度(40nM、図6)で特定のトランスポサーゼ-ITR複合体の形成を完全にブロックした。N-メチルピロールポリアミドについて知られていること(17)と一致して、これらのデータは、したがって、化合物5及び6がITRに結合し、それによってMOS1に対する競合者として作用することを示している。
同様の試験を、新規なトランスポサーゼ阻害剤(化合物2〜4)を用いて行い、それらは、これらの阻害剤が、切除に対するものと同様のIC50値(表III)で特定のトランスポサーゼ−ITR複合体の形成をブロックすることを示した。
複合体の形成を阻害する分子が、MOS1二量体の形成(ITRに結合する前に起こると推測されている段階(18))を阻害しないことを確かめることを決めた。MOS1の切断型(Tnp[1−85])を用いることによって、以前記載されたようにして(18)、グルタルアルデヒド結合試験を用いて二量化を測定した。試験化合物のいずれも、500μMの濃度で、Tnp[1−85]二量体の形成を阻害できず(示していない)、このことは、N−末端二量化ドメインを不活性化することによってこれらの化合物が複合体の形成を阻害することができるという仮説を排除する。これらの結果は、これらの阻害剤がおそらくITR−MOS1相互作用レベルで作用することを示唆している。化合物5〜10についてのデータは、Tn5トランスポサーゼ及びHIV−1インテグラーゼへのこれらの化合物の作用の機構と一致し、したがって本研究は新規な化合物1〜4に焦点をあてた。
[鎖(ストランド)転移反応における図1の化合物1〜4の効果]
我々は、3つの新規な化合物(化合物2〜4)が、MOS−ITR複合体の構築を妨害する一方で、化合物1はMos1切除レベルで作用することを既に示している。切除と鎖転移反応は非常に関連している。
したがって、化合物1を、それが鎖転移反応をも阻害することができるかどうか検証するために試験した。予め切断したITRを、その転移鎖の5’末端で標識し、鎖転移複合体を形成させるために用いた。MOS1−ITR複合体の形成の前に阻害剤を添加した。標的プラスミドにおける転位事象は、アガロースゲル上での反応生成物の分離後に検出した(図7)。4つの独立した試験について測定した阻害パーセント割合を、薬剤の濃度の関数としてグラフにした(図8)。化合物1は、19〜45μMの範囲のIC50値で鎖転移反応を阻害した。それは触媒的阻害剤の特性をも有する。それは、切除反応及び鎖転移反応の両方を阻害する濃度で、MOS1−LTR複合体の構築を防止できなかった。
[HIV−1インテグラーゼの3’成熟活性及び鎖(ストランド)転移に対する阻害剤の効果]
上の結果は、Tn5及びHIV−1インテグラーゼの阻害剤はMOS1を阻害することもできることを示している。阻害剤の新規なグループ(化合物1〜4)がHIV−1インテグラーゼをブロックすることもできるかどうかを検証するために、化合物4の活性を、HIV−1インテグラーゼの3’成熟及びストランド転移活性に対して試験した。試験は以前に記載されたようにして行った(19)。結果を図9に示す。2つの独立した試験で測定したパーセント阻害率は、化合物4の濃度の関数として追跡した(図10)。化合物4は、70μMのIC50で3’成熟化を、7μMのIC50でストランド転移活性を阻害した。言い換えれば、この化合物は、ストランド転移活性に対して10倍高活性である。それはまた、HIV−1インテグラーゼの優れた阻害剤でもあった。これは、ビス-(フラニル)-N-マレイミド誘導体が、Mos1のトランスポサーゼ及びHIV−1インテグラーゼに対する高い活性をもつ阻害剤の新規なグループを構成することを実証している。したがって、MOS1は、HIV−1インテグラーゼの阻害剤の同定のための新規な代替物と考えることができる。
〔議論〕
[MOS1阻害剤の同定]
特定の阻害剤が入手可能であることは、転位などの複雑な機構の分析及び制御のために非常に重要である。初めて、本出願は、真核生物において最も広範囲に手に可能な要素であるマリナーの転位を阻害する化合物を明らかにした。170の化合物のパネルをスクリーニングすることによって詳細に特定した最も有効な阻害剤の作用機構を研究している。最初のグループは、トランスポサーゼ(Tn5)又はインテグラーゼ(HIV−1)の阻害剤として既に特定されている(図1の化合物5〜10)。これらの阻害剤の全ては、MOS1−ITR複合体の形成を阻止する。第二のグループは、トランスポサーゼMOS1及びHIV−1インテグラーゼの両方に対する優れた阻害活性をもつ化合物の新規なファミリーから構成されている(図1の化合物1〜4)。
上記化合物のための標的は、DNAに結合する化合物5及び6と、DNAに結合する能力のないその他の化合物との間で区別することができることを意味している。化合物7〜10はMOS1及びTn5トランスポサーゼに対する類似した作用機構を有していた。それらは、おそらくはDNAのトランスポサーゼ認識ドメインの一つを撹乱することによって、複合体の形成を阻害する。Tn5阻害剤はMos1の転位に対して効果が低く、これはDNA認識機構と複合体の組織化との間の違いを反映している可能性がある。化合物5及び6は、γ-アミノ酪酸(γターン)によって結合されたN-メチルピロールポリアミドからなるヘアピンポリアミドであり、且つマイナーDNAの溝に結合される(17)。それらは、3(化合物6)又は4(化合物7)のA/T対によって構成される短い配列が特異的である。これらの配列はITR基質の末端に存在するが、内部にも存在する。γターン連結基を持たない単一のN-メチルピロールも、MOS1の転位に対して活性である(IF〜20)。それらはまた、複合体の形成の優れた阻害剤でもあったが(結合のIC50<40nM)、それらは非特異的DNAの存在下では有効性が低かった。切除試験では、DNAの量はゲルシフト試験よりも160倍多く、化合物の活性は250係数低下する(切断のIC50=10μM)。
[ビス-(ヘテロアリール)マレイミド誘導体は、DDE酵素阻害剤のための新規な骨格を構成する]
MOS1阻害剤としての、本出願との関連における試験化合物のパネルは、ヒドロキシル基で置換されたヘテロ環分子によって主に構成される。このタイプの低分子は、HIV−1インテグラーゼの有効な阻害剤として以前に特定されている(20)。本出願との関連において試験した分子の組のうち、21はビス-(ヘテロアリール)マレイミドの誘導体だった。明らかになった最も有効な阻害剤は、全てがビス-(ヘテロアリール)マレイミド骨格について組織化されていた(図1の化合物1〜4)。非置換の骨格は有効ではないことが示されており、これはビス-(ヘテロアリール)マレイミド骨格自体はファルマコフォアではないことを示唆している(データは示していない)。マレイミド基のN-置換及び/又はヘテロアリール基の置換は両方とも、作用機構と、化合物の有効性とに大きな影響をもっていた。全てN-置換されている化合物2、3、及び4は、切除のIC50と非常に類似したIC50値でMOS1−ITR複合体の構築を阻害した。対照的に、移動モチーフの違いが、化合物1はその複合体の構造を変えうることを示唆しているとしても、N-置換されていない化合物1はMOS1−ITR複合体の構築を阻害しない。この化合物は、切除及びストランド転移活性の両方に対して活性であり、化合物2、3、及び4のものよりもわずかに高いIC50を示した。このファミリーの化合物はDNAに結合しない(21)が、それらはおそらくトランスポサーゼ又はトランスポサーゼ-DNA複合体を標的にする。化合物1とその他のマレイミド誘導体との間の阻害機構における極端な違いに対して2つの可能な説明がある。第一に、N-マレイミドの芳香族基による置換(化合物2〜4)によって薬剤の標的が異なる可能性があり、これは阻害機構における違いを説明しうる。第二に、この4つの化合物は全て同様の標的を有することができるが、N-マレイミドの嵩高い芳香族置換がDNA結合を乱す一方で、非N-置換化合物はDNAの存在を許容する。
標的として、MOS1トランスポサーゼのDDD触媒ポケットは、HIV−1インテグラーゼに対するこれらの化合物の阻害機構と交差活性における主要な変化を説明する優れた候補となり、なぜならそれは類似した触媒残基を含み、反応に関与する2つのDNA基質の交点に結合するからである。この領域に結合しうる骨格を備えた化合物は、異なる阻害剤の表現型を有することができ、それらの骨格中の軽微な置換の違いの結果として、複合体形成、切除、又はストランド転移の特異的阻害剤となる。
この化合物に対する様々な標的は、このファミリーの化合物の様々な表現型も説明しうる。HIMAR1(MOS1に関連するマリナー・トランスポサーゼ)のN-末端ドメイン中の点突然変異は、トランスポサーゼ-ITR相互作用の変化が多面的な結果を有しうる仕方を説明している。特定の突然変異がトランスポサーゼ-ITR複合体を完全に不安定化する一方で、別のものは複合体を形成させるが、第一又は第二ストランドの切断反応を阻害する(22)。このことはN-末端ドメイン/ITR相互作用を標的とする化合物が、N-末端ドメインにおける突然変異の表現型を反映しうることを暗示している。このファミリーの化合物の標的(1又は複数)の同定は既に進行中であり、なぜならそれが将来の開発のため、及びMos1の転位及びHIV−1の組込過程へのこれらの阻害剤の作用の機構を理解するために必須であると思われるからである。
[DDE酵素阻害剤の交差活性]
機構に関して関連する酵素を阻害するための化合物の能力(交差活性)は、HIV−1インテグラーゼ、ASVインテグラーゼ、及びその他の関連するレトロウイルス・インテグラーゼを阻害する化合物によって説明されている(23)。さらに、ジケト酸タイプのインテグラーゼ阻害剤(5CITEP及びL−708906)は、遠い関連のRAGリコンビナーゼに対しても活性である(24)が、この阻害剤の活性は大きく低下している(100の係数で)。より最近、Tn5トランスポサーゼ阻害剤スクリーニングは、HIV−1インテグラーゼに対して活性な化合物を特定するために用いられた(14)。
本出願に提示した研究は、Tn5とMOS1トランスポサーゼの阻害剤の間の交差活性と、MOS1及びHIV−1インテグラーゼの間の最初の交差活性の新規な実証を構成している。同定した阻害剤の新規なファミリーの交差活性は、MOS1が阻害剤スクリーニングのための優れた代替物を構成することを示している。この代替物は以下の理由で非常に興味深い。第一に、MOS1の転位は、インテグラーゼのように、真核生物環境中で機能し、これは真核生物細胞における阻害試験のための可能性を開く。第二に、MOS1の触媒ドメインの構造は、ASV及びHIV−1のレトロウイルス・インテグラーゼのものと非常に類似している(9、10)。第三に、転位におけるDNA切断の触媒過程は、レトロウイルス・インテグラーゼの成熟の反応に類似しており、第二のストランドの切断の反応は、インテグラーゼの3’成熟活性を模倣している(これら2つの反応ではストランド間中間体又はヘアピンが存在しない)。これまでのところ、Tn5トランスポソゾームがレトロウイルス・インテグラソームのモデルとして用いられてきたが、マリナートランスポソゾームは新規な、おそらくより良い、HIV−1インテグラソームの組織化のためのモデルを構成しうる。それにも関わらず、これら2つのモデル(Mos1及びHIV−1)は本質的な違い、例えば、それらのDNA結合ドメインの構造及び配置、ドナーDNA基質の性質、及びDNA切断反応(単一ストランドの切断に対して二本ストランドの切断)、を示しており、これはこの2つのシステムが完全に入れ替え可能ではないということを念頭に置いておかなければならない。この点で、交差活性をもつ薬剤の使用は、これら2つの酵素の間の類似性及び違いを検出するのに重要なツールを提供する。
[参考文献]

Claims (48)

  1. 下記式(I)を有する、ビス(ヘテロアリール)マレイミド構造を含む分子。
    (式(I)中、
    - R基は、水素、直鎖状又は分枝状アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、テトラゾリル、アシル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルホニル、フェニル、ヒドロキシフェニル、又は以下の基:
    で構成される群から選択され;
    - R基及びR基は、互いに独立に、水素原子、カルボン酸、シアノ、オキシム、オキシムエーテル、テトラゾール、エステル、置換又は非置換のアミド、酸、二塩基酸、シクロアルキルカルボン酸、置換又は非置換のアリール、置換又は非置換のヘテロアリール、及び-CH=CH-CHO基によって構成される群から選択され;
    - Ar及びArは互いに独立に選択され、且つ、置換又は非置換のシクロアルキル、置換又は非置換のヘテロアリール、置換又は非置換のアリール、及び直鎖状又は分枝状のヘテロアルキルによって構成され;且つ、R、R、及びRがともにHであってはならない。)
  2. 及びRが同じである、下記式(Ia)を有する請求項1記載の分子。
  3. Ar及びArが同じである、下記式(Ib)を有する請求項1記載の分子。
  4. 及びRが一方で同じであり、Ar及びArが他方で同じであり、下記式(Ic)を有する請求項1記載の分子。
  5. - ArはRを有する単環式ヘテロアリールによって構成され、R-ピリジル、R-ピラジニル、R-フラニル、R-チエニル、R-ピリミジニル、R-イソオキサゾリル、R-イソチアゾリル、R-オキサゾリル、R-チアゾリル、R-ピラゾリル、R-フラザニル、R-ピロリル、R-ピラゾリル、R-トリアゾリル、R-ピラジニル、及びR-ピリダジニルの群から選択され、前記単環式ヘテロアリールは置換されているか又は非置換であり;且つ
    - Arは、Arとは独立に、Rを有する単環式ヘテロアリールによって構成され、R-ピリジル、R-ピラジニル、R-フラニル、R-チエニル、R-ピリミジニル、R-イソオキサゾリル、R-イソチアゾリル、R-オキサゾリル、R-チアゾリル、R-ピラゾリル、R-フラザニル、R-ピロリル、R-ピラゾリル、R-トリアゾリル、R-ピラジニル、及びR-ピリダジニルの群から選択され、前記単環式ヘテロアリールは置換されているか又は非置換である、請求項1記載の分子。
  6. Ar及び/又はArがフラン基である、請求項1記載の分子。
  7. Ar及びArがフラン基であり、下記式(II)を有する、請求項5記載の分子。
  8. Ar及びArがそれぞれ、R-フラニル基及びR-フラニル基である、請求項5に記載の分子。
  9. 及びRが同じであり、下記式(IIa)を有する、請求項7又は8に記載の分子。
  10. 及び/又はRがCOOHである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の分子。
  11. 及び/又はRがCH=CH-CHOである、請求項1〜9のいずれか一項に記載の分子。
  12. が任意選択により置換されていてもよいフェニル基である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の分子。
  13. が4-ヒドロキシフェニルである、請求項12に記載の分子。
  14. が、
    である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の分子。
  15. がHである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の分子。
  16. - Rが水素であり、Ar及びArがフランである場合に、R及びRがCHOである、式(I)の分子;及び
    - Rがフェニルであり、Ar及びArがフランである場合に、R及びRがCHOである、式(I)の分子、
    ではない、請求項1〜11のいずれか一項に記載の分子。
  17. N-置換されていることを特徴とする、請求項1〜14及び16のいずれか一項に記載の分子。
  18. N-置換されていないことを特徴とする、請求項15又は16に記載の分子。
  19. 下記式(III)〜(VI)によって構成される群から選択される、請求項1〜18のいずれか一項に記載の分子。
  20. インビトロでDDE/DDD酵素阻害活性を有する、請求項1〜19のいずれか一項に記載の分子。
  21. 請求項1〜20のいずれか一項に記載の阻害性分子少なくとも1種を含むことを特徴とする組成物。
  22. さらに、医薬として許容可能な担体を含むことを特徴とする、請求項21に記載の組成物。
  23. 後天性免疫不全症候群に関連した症状の治療において生物学的に活性である追加の化合物をさらに含むことを特徴とする、請求項21又は請求項22に記載の組成物。
  24. DDE/DDD酵素の活性のインビトロでの阻害における、請求項1〜20のいずれか一項に記載の分子の使用。
  25. 前記DDE/DDD酵素がトランスポサーゼ、例えば、MuA、Tn5、又はMOS1である、請求項24に記載の使用。
  26. 前記DDE/DDD酵素がレトロウイルス・インテグラーゼ、例えば、HIV−1ウイルスからのものである、請求項24に記載の使用。
  27. トランスポサーゼのエクスビボでの阻害における、請求項1〜20のいずれか一項に記載の分子の使用。
  28. DDE/DDD酵素の阻害剤として使用するための、請求項1〜20のいずれか一項に記載の分子。
  29. レトロウイルス・インテグラーゼの阻害剤として使用するための、請求項28に記載の分子。
  30. 薬剤として使用するための、請求項1〜20のいずれか一項に記載の分子。
  31. レトロウイルス複製を低減又は抑制するのに用いるための、請求項1〜20のいずれか一項に記載の分子。
  32. 前記レトロウイルスがレンチウイルスである、請求項31に記載の分子。
  33. 前記レンチウイルスが、ヒト向性をもつレンチウイルス、例えば、HIVウイルス(ヒト免疫不全ウイルス)である、請求項32に記載の分子。
  34. 前記HIVウイルスがHIV−1分離株又はHIV−2分離株である、請求項33に記載の分子。
  35. 前記レンチウイルスが、動物向性をもつレンチウイルス、例えば、CAEVウイルス(ヤギ関節炎脳炎ウイルス)、EIAVウイルス(ウマ伝染性貧血ウイルス)、VISNAウイルス、SIVウイルス(サル免疫不全ウイルス)、又はFIVウイルス(猫免疫不全ウイルス)によって構成される群から選択されるレンチウイルスである、請求項32に記載の分子。
  36. HIVによる感染に続く症状及び/又は感染の治療に用いるための、請求項1〜20のいずれか一項に記載の分子。
  37. 後天性免疫不全症候群の治療に用いるための、請求項36に記載の分子。
  38. 薬剤として使用するための、請求項21〜23のいずれか一項に記載の組成物。
  39. レトロウイルス複製を低減又は抑制に用いるための、請求項21〜23のいずれか一項に記載の組成物。
  40. レトロウイルス、特にレンチウイルスのインテグラーゼの阻害剤として用いるための、請求項21〜23のいずれか一項の記載の組成物。
  41. 前記レトロウイルスが、HIVウイルス、特に、HIV−1分離株又はHIV−2分離株である、請求項39又は40に記載の組成物。
  42. 後天性免疫不全症候群の治療に用いるための、請求項21〜23のいずれか一項に記載の組成物。
  43. 固体形態(サシェ、粉末、顆粒、錠剤、座薬、急速放出錠剤、胃抵抗性錠剤、遅延放出錠剤)又は液体(シロップ、注入可能な溶液、点眼液)で投与するための、請求項38〜42のいずれか一項に記載の組成物。
  44. 経口、口腔-経粘膜、経膣、経直腸、非経口(静脈内、筋肉内、又は皮下)、又は経皮で投与するための、請求項38〜42のいずれか一項に記載の組成物。
  45. HIVによる感染による症状及び/又は感染の治療、特に、後天性免疫不全症候群の治療のための薬剤の製造における、請求項1〜20のいずれか一項に記載の分子又は請求項21〜23のいずれか一項に記載の組成物の使用。
  46. レトロウイルス・インテグラーゼ阻害剤をスクリーニングするためのMOS1システムの使用。
  47. 真核生物細胞中で行うことを特徴とする、請求項46に記載の使用。
  48. 前記レトロウイルス・インテグラーゼが、HIVウイルス、特に、HIV−1分離株又はHIV−2分離株のインテグラーゼであることを特徴とする、請求項46又は47に記載の使用。
JP2010544731A 2008-02-04 2009-02-03 ビス(ヘテロアリール)マレイミド骨格を含む分子、及びdde/ddd酵素の阻害におけるそれらの使用 Pending JP2011510958A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
FR0800569A FR2927075A1 (fr) 2008-02-04 2008-02-04 Molecules comprenant un squelette bis-(heteroaryl)maleimide, et leur utilisation dans l'inhibition d'enzymes
PCT/EP2009/051210 WO2009098206A1 (fr) 2008-02-04 2009-02-03 Molecules comprenant un squelette bis-(heteroaryl) maleimide, et leur utilisation dans l'inhibition d'enzymes dde/ddd

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011510958A true JP2011510958A (ja) 2011-04-07

Family

ID=39712702

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010544731A Pending JP2011510958A (ja) 2008-02-04 2009-02-03 ビス(ヘテロアリール)マレイミド骨格を含む分子、及びdde/ddd酵素の阻害におけるそれらの使用

Country Status (6)

Country Link
US (1) US20110124703A1 (ja)
EP (1) EP2240471A1 (ja)
JP (1) JP2011510958A (ja)
CA (1) CA2715483A1 (ja)
FR (1) FR2927075A1 (ja)
WO (1) WO2009098206A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20150284768A1 (en) * 2012-05-29 2015-10-08 The Johns Hopkins University Eukaryotic transposase mutants and transposon end compositions for modifying nucleic acids and methods for production and use in the generation of sequencing libraries

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0619039A (ja) * 1992-07-01 1994-01-28 Mitsubishi Kasei Corp 有機光記録媒体及びその光記録再生方法
JP2000516589A (ja) * 1996-07-29 2000-12-12 エフ・ホフマン―ラ ロシュ アーゲー 細胞増殖阻害のための置換ビスインドリルマレイミド
JP2005531609A (ja) * 2002-06-05 2005-10-20 ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ キナーゼ阻害剤としてのシスインドリル−マレイミド誘導体
JP2005531607A (ja) * 2002-06-05 2005-10-20 ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ キナーゼ阻害剤として置換ピロリン
WO2007006533A2 (en) * 2005-07-11 2007-01-18 Novartis Ag Indolylmaleimide derivatives

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CZ280738B6 (cs) * 1988-02-10 1996-04-17 F. Hoffmann - La Roche And Co., Aktiengesellschaft Substituované pyrroly, jejich použití pro výrobu léčiv a léčiva na jejich bázi
US5380746A (en) * 1989-05-05 1995-01-10 Goedecke Aktiengesellschaft Bis-(1H-indol-3-YL)-maleinimide derivatives, processes for the preparation thereof and pharmaceutical compositions containing them
CN1228082A (zh) * 1996-08-23 1999-09-08 伊莱利利公司 双吲哚基马来酰亚胺的合成
JP2005505595A (ja) * 2001-10-12 2005-02-24 シェーリング コーポレイション Cxc−ケモカインレセプターアンタゴニストとしての3,4−二置換マレイミド化合物
JP2008509889A (ja) * 2004-06-30 2008-04-03 イージェン コーポレーション ペグ化インターフェロンα−1b

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0619039A (ja) * 1992-07-01 1994-01-28 Mitsubishi Kasei Corp 有機光記録媒体及びその光記録再生方法
JP2000516589A (ja) * 1996-07-29 2000-12-12 エフ・ホフマン―ラ ロシュ アーゲー 細胞増殖阻害のための置換ビスインドリルマレイミド
JP2005531609A (ja) * 2002-06-05 2005-10-20 ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ キナーゼ阻害剤としてのシスインドリル−マレイミド誘導体
JP2005531607A (ja) * 2002-06-05 2005-10-20 ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ キナーゼ阻害剤として置換ピロリン
WO2007006533A2 (en) * 2005-07-11 2007-01-18 Novartis Ag Indolylmaleimide derivatives

Non-Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN5011005382; YEH H-C: 'THE COLOURFUL FLUORESCENCE FROM READILY-SYNTHESISED 3,4-DIARYL-SUBSTITUTED MALEIMIDE FLUOROPHORES' CHEMICAL COMMUNICATIONS N3, 20030207, P404-405 *
JPN5011005383; DAVIS P D: 'INHIBITORS OF PROTEIN KINASE C. 1. 2,3-BISARYLMALEIMIDES' JOURNAL OF MEDICINAL CHEMISTRY V35 N1, 1992, P177-184 *
JPN5011005384; PIERS EDWARD: 'IMPROVED SYNTHESIS OF ISOGRANULATIMIDE, A G2 CHECKPOINT INHIBITOR. 以下備考' JOURNAL OF ORGANIC CHEMISTRY V65, 20000128, P530-535, AMERICAN CHEMICAL SOCIETY *
JPN5011005385; ZHANG HAN-CHENG: 'NOVEL INDOLYLINDAZOLYLMALEIMIDES AS INHIBITORS OF PROTEIN KINASE C-BETA: 以下備考' JOURNAL OF MEDICINAL CHEMISTRY V48 N6, 200503, P1725-1728 *
JPN5011005386; BOURDERIOUX: 'SYNTHESIS OF BENZO ANALOGS OF OXOARCYRIAFLAVINS AND CAULERSINE' TETRAHEDRON V63 N38, 20070808, P9465-9475, ELSEVIER SCIENCE PUBLISHERS *
JPN5011005387; MINAMI T: 'REACTIONS OF SULFUR DIIMIDES WITH PHENYL- AND PHENYLCHLOROKETENES' JOURNAL OF ORGANIC CHEMISTRY V39 N9, 1974, P1210-1215 *
JPN5011005388; DUBERNET M: 'SYNTHESIS OF SUBSTITUTED BIS(HETEROARYL)MALEIMIDES' TETRAHEDRON V61 N19, 20050509, P4585-4593, ELSEVIER SCIENCE PUBLISHERS *
JPN6013050825; Wamhoff, Heinrich; Hupe, Hans Juergen: 'Photochemistry of heterocycles. 6. Photoinduced reaction of dihalomaleinimides with thiophene and' Tetrahedron Letters (2), 1978, 125-8 *
JPN6013050826; Inoue, Satoshi; Fukumoto, Yoshiya; Chatani, Naoto: 'A Chelation-Assisted Transformation: Synthesis of Maleimides by the Rh-Catalyzed Carbonylation of Al' Journal of Organic Chemistry 72(17), 2007, 6588-6590 *
JPN7013003775; STN International 72, 20020525 *

Also Published As

Publication number Publication date
FR2927075A1 (fr) 2009-08-07
CA2715483A1 (fr) 2009-08-13
WO2009098206A1 (fr) 2009-08-13
US20110124703A1 (en) 2011-05-26
EP2240471A1 (fr) 2010-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Tramontano et al. Ribonuclease H, an unexploited target for antiviral intervention against HIV and hepatitis B virus
Quashie et al. Novel therapeutic strategies targeting HIV integrase
Di Santo Inhibiting the HIV integration process: past, present, and the future
AU2003219803B2 (en) Method of treating TRX mediated diseases
Aldred et al. Role of the water–metal ion bridge in mediating interactions between quinolones and Escherichia coli topoisomerase IV
Van Calenbergh et al. Drug design and identification of potent leads against mycobacterium tuberculosis thymidine monophosphate kinase
Parolin et al. New anti-human immunodeficiency virus type 1 6-aminoquinolones: mechanism of action
Meadows et al. Current developments in HIV chemotherapy
US20040009890A1 (en) Broad spectrum inhibitors
Andrake et al. Retroviral integrase: then and now
Mouscadet et al. Raltegravir: molecular basis of its mechanism of action
US20100152301A1 (en) Treatment of Viral Infections
Marek et al. Drugging the schistosome zinc-dependent HDACs: current progress and future perspectives
Geronikaki et al. Anti-HIV agents: current status and recent trends
Yi et al. Identification of a broad-spectrum viral inhibitor targeting a novel allosteric site in the RNA-dependent RNA polymerases of dengue virus and norovirus
CN101903038A (zh) 蛋白的热稳定化
EP1063888A1 (en) Novel hiv integrase inhibitors and hiv therapy based on drug combinations including integrase inhibitors
JP2024516821A (ja) 両アレル機能喪失型変異または遺伝子過剰発現変異を有するがんを治療する方法
Di Santo et al. HIV-1 integrase inhibitors that block HIV-1 replication in infected cells. Planning synthetic derivatives from natural products
Jain et al. Hydroxamic acid based Histone Deacetylase inhibitors: Present and future prospectives as anticancer agent
JP2011510958A (ja) ビス(ヘテロアリール)マレイミド骨格を含む分子、及びdde/ddd酵素の阻害におけるそれらの使用
EP4172337A1 (en) Aptamers for personal health care applications
US20050049242A1 (en) Novel HIV integrase inhibitors and HIV therapy based on drug combinations including integrase inhibitors
US10035771B2 (en) Mercaptonicotinic acid compound and preparation method and use thereof
AU2005227400B2 (en) Method of Treating TRX Mediated Diseases

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120112

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130919

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131015

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140331