JP2011510650A - 敗血症性ショックの間に死亡する危険が高い患者を迅速に決定する方法及びキット - Google Patents

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Abstract

本発明は、重症敗血症及び敗血症性ショックのような重症医療症候群の治療の分野に関する。特に、本発明は、2つの臓器不全を伴う重症敗血症の患者について、例えば1つの更なる臓器不全を伴う敗血症性ショックの患者について死亡の危険性を早期に評価し、治療上の決定を補助する方法及びキットを提供する。本発明の方法は、HLA-DRB4、FOSB、GPR109B、RBP7、TLR7、IL15、HLA-C、AMFR、LOC96610、IRF5、MGC29506、EDG3、IGLV1-44、IFIT2、IFI44、EPSTI1、TNFRSF17、AREG、THBS1、CTLS1、TFPI、PHACTR2、PFKFB2及びCHIT1からなる群より選択される1つ又は幾つかの遺伝子の発現プロフィールの分析に基づく。
【選択図】なし

Description

本発明は、重症敗血症又は敗血症性ショックのような重篤な医学的症候群の治療の分野に関する。詳細には、本発明は、2つの臓器不全を伴う重症敗血症の患者について、例えば1つの更なる臓器不全を伴う敗血症性ショックの患者について死亡の危険性を早期に評価し、治療上の決定を補助する方法及びキットを提供する。
敗血症性ショックは、集中治療援助や感染巣撲滅の抗感染ストラテジーのかいもなく予後が悪い、敗血症の最も重篤な臨床症状である。敗血症症候群は、微生物又はその抗原性画分の異常な存在に対する宿主応答に関連する症状として定義される。局所感染は、初期段階では特に先天免疫を制御する血液免疫細胞を活性化し、次に獲得免疫を活性化して、種々の理由で全身に広がり得る。血中での強力な免疫活性化は、次に、最初の感染に関係しない臓器を標的にし、該臓器に免疫毒性及び機能不全を導き得る。敗血症性ショックの高い死亡率(約50%)は、臓器不全、併存症及び微生物の病原性の組合せに起因する。集中的な蘇生にもかかわらず、死亡は進展の種々の時期に起こり、最も頻繁には最初の1週間の間に起こり得る。
敗血症性ショックの治療は、主に、抗菌化学療法、可能であれば感染源の除去及び臓器不全の援助からなる。他の提案されている病態生理学的療法は未だ評価中である。敗血症性ショックにおいて、コルチコステロイドは、ミネラルコルチコイドと組み合わせた場合には特に、関連する副腎不全の患者の死亡率を低減できた(Annane及びBellissant, 2000)。多臓器不全(例えば、敗血症性ショックと1つの更なる臓器不全)の患者において、活性化プロテインC(APC、ドロトレコギンアルファとも呼ばれる)だけが、重篤な出血は増加したにもかかわらず、無作為臨床試験で効力が証明されている(Bernardら, 2001)。しかし、この進歩的な薬剤の費用及び潜在的な危険が広範な使用を制限している。
現在まで、敗血症性ショックの初期に患者の転帰を高い信頼性で予測する生物学的マーカーは証明されていない。よって、今日まで、非常に早期の段階で、非常に高価なハイテク薬剤を真に必要とする患者を、過剰処置を避けなければならない患者と区別することは不可能である。所与の重篤度について転帰の点で患者を識別する助けとなり得る臨床的又はルーチンの生物学的パラメータがないので、そのような特徴についての迅速な検査を有することは、治療ストラテジーを作る上での大きな助けとなるだろう。
過去10年間に、敗血症に適用される遺伝子技術の急激な開発及び使用は、異なる遺伝子型に関連する敗血症感受性についての情報をもたらした。このようなアプローチは重要であるが、この構成性の遺伝子型は改変できないので、特異的なストラテジーの適用を可能にしない。機能的ゲノム法の最近の進展は、汎ゲノム(pangenomic)マイクロチップを用いる場合は特に、遺伝子の機能性を分析するためのツールとなっている。このような技術は、癌における予後のフットプリントを規定するために用いられている(van't Veerら, 2002)。最近、このアプローチを用いて、炎症性の刺激(細菌エンドトキシン)を与えられた健常ヒト対象における白血球遺伝子発現パターンの変化が分析された。急性全身性炎症に対するヒト白血球応答は、白血球の生体エネルギー論の一過性の調節不全(Belikovaら, 2007)及び翻訳機構のモジュレーション(Calvanoら, 2005)を含む。
上記に関して、本発明者らは、良好な予後の患者と比較して、白血球細胞における遺伝子発現の正又は負の改変の制限された数が、死亡の危険が高い患者の同定を可能にし得るという仮説をたてた。敗血症性ショックを有する48名の患者の白血球細胞について汎ゲノムマイクロチップで行うマイクロアレイ技術を用いて、本発明者らは、予後の良し悪しを示す初期遺伝子発現のプロフィールを同定した。下記に示すように、これら結果は、見出された興味対象遺伝子の幾つかに適用されたリアルタイムPCRにより妥当とされた。これら遺伝子の1つ(HLA-DRB4分子をコードする遺伝子)について、遺伝子発現は、この遺伝子の遺伝子型決定を行った生存者と死亡患者との間で第0日において非常に大きく異なっていた。このことは、発現に従うこの遺伝子の存在又は不在を示した。
よって、本発明は、少なくとも2つの臓器不全を伴う重症敗血症の患者、特に少なくとも1つの更なる臓器不全を伴う敗血症性ショックの患者の転帰を示す初期の生物学的フットプリント又はプロフィールを提供する。このフットプリントは、マイクロアレイ又は他の任意の技術(例えば感度及び迅速さ(数時間)の点で今日最も有効であるリアルタイムPCR)により得ることができる。HLA-DRB4の状態は、遺伝子型決定によっても決定できる。本発明によるゲノム及び/又は遺伝子型決定検査は、敗血症性ショックの発症後数時間以内に転帰を予測するために用いることができるが、どの患者が進歩的な薬物を与えられる候補者であるかを決定するために用いることもできる。この後者の薬理ゲノム学的観点は、これら進歩的な薬物がより適切に用いられるようになるので、敗血症性ショック治療の費用に対して大きな影響を有するだろう。検査は、所与の治療に対する患者の応答を検証するために用いることもできる。
第0日での主成分分析(PCA)(これは、発現プロフィールの類似性に従って患者をグラフに示すことを可能にする)を示す。黒の点は非生存患者を表し、灰色の点は生存患者を表す(n=48名の患者)。 第0日での死亡 対 生存患者(n=48)の分類後の第0日での遺伝子発現プロフィールのデンドログラムを示す。上は29セットのプローブについてのデンドログラムを示し、下は8セットのプローブについてのデンドログラムを示す。プローブセットの強度は、FC>2及びp値<0.1の基準に従って選択した。 B4発現状態に従う、第0日から第28日までのカプラン-メイヤーの図を示す。この図は、第0日でのHLA-DRB4+遺伝子発現とHLA-DRB4-遺伝子発現との間の死亡率の劇的な違いを示す。 交差検定により作成されたROC(受信者動作特性)曲線を示し、29セット(A)又は8セット(B)のプローブを用いて構築されたモデルにおける選択されたカット閾値に従う特異性(Sp)及び感度(Ss)を表す。
本明細書において、以下の定義を用いる。
− 「重症敗血症」は、少なくとも1つの臓器機能不全を伴う敗血症症候群と定義される。
− 「敗血症性ショック」は、昇圧剤を必要とする低血圧症(これは第1の臓器不全を構成する)を伴う重症敗血症症候群と定義される。
− 第0日とは、重症敗血症の、2つの臓器不全の発症後の24時間をいう。よって、敗血症性ショックの場合には特に、第0日は、敗血症性ショックの、2番目の臓器不全の発症後の24時間の期間のことをいう。
− 「HLA-DRB4」とは、文脈に応じて、タンパク質又は該タンパク質をコードする遺伝子のいずれかをいう。予後遺伝子マーカーとして、HLA-DRB4は、ゲノムレベル(DNA)若しくはmRNAレベル又はタンパク質レベルのいずれかで検出できる。以下において、この遺伝子又は他の興味対象遺伝子に言及する場合、同じ記載が遺伝子及び該遺伝子がコードするタンパク質について用いられ、遺伝子の発現レベルは転写レベル(mRNA)又は翻訳レベル(タンパク質)のいずれかで測定できると理解される。
− 「代表的集団」とは、少なくとも2つの臓器不全を伴う、転帰が既知である重症敗血症に罹患した患者の集団である。代表的集団は、各群(生存 対 死亡)少なくとも10名で、少なくとも40名の患者を含まなければならない。患者は、敗血症生存運動(Surviving Sepsis Campaign)(Dellingerら, 2008)の推奨に従って看護されていなければならない。もちろん、当業者は、本発明を実施するためにより多い集団を用いることを選択でき、代表的集団のメンバーは、選択バイアスなしに選択されなければならない。
− 以下において、かつ異なる定義が明記される特定の場合を除いて(例えばある患者のデータを同じ患者の以前に得られたデータと比較する場合)、対象者における遺伝子の「過剰発現」及び「過少発現」は、該遺伝子の発現レベルを、代表的集団(集団の全ての対象者を含む)中の同遺伝子の平均発現と比較することにより決定される。該対象者における該遺伝子の発現レベルは、集団の対象者における同遺伝子の発現レベルを測定するために用いたものと同じ技術を用いることにより測定されると理解される。次いで、遺伝子は、発現が代表的集団中の平均発現より上回る(倍数変化>1.2)と過剰発現していると見なされ、該平均発現より下回る(倍数変化<-1.2)と過小発現していると見なされる。
第1の実施形態によると、本発明は、HLA-DRB4(ヒト白血球抗原-DRB4)、FOSB(FBJマウス骨肉腫ウイルス癌遺伝子ホモログB)、GPR109B(Gタンパク質共役型受容体、HM74)、RBP7(レチノール結合タンパク質7)、TLR7(Toll様受容体7)、AREG(アンフィレギュリン(amphiregulin))、THBS1(トロンボスポンジン1)、CTSL1(カテプシンL1)、IL15(インターロイキン15)、HLA-C(主要組織適合性複合体、クラスI、C)、AMFR(自己分泌型細胞運動刺激因子受容体(autocrine motility factor receptor))、LOC96610(KIAA0187遺伝子産物に類似する機能未知のタンパク質(hypothetical protein similar to KIAA0187 gene product))、IRF5(インターフェロン調節因子5)、MGC29506(機能未知のタンパク質MGC29506)、EDG3(内皮分化、スフィンゴ脂質Gタンパク質共役型受容体、3)、IGLV1-44(免疫グロブリンラムダ可変1-44)、IFIT2(テトラトリコペプチドリピート含有インターフェロン誘導タンパク質2(interferon-induced protein with tetratricopeptide repeats 2))、IFI44(インターフェロン誘導タンパク質44)、EPSTI1(上皮間質相互作用1)、TNFRSF17(腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリー、メンバー17)、TFPI(組織因子経路インヒビター)、PHACTR2(ホスファターゼ及びアクチンレギュレーター2)、PFKFB2(6-ホスホフルクト-2-キナーゼ/フルクトース-2,6-ビホスファターゼ2及びCHIT1(キチナーゼ1)から選択される1つの遺伝子又は2、3、4若しくはそれより多い遺伝子のセットの、少なくとも2つの臓器不全を伴う重症敗血症の患者についての予後マーカーとしての使用に関する。治療ストラテジーの決定及び/又は少なくとも2つの臓器不全を伴う重症敗血症の患者についての薬剤の影響の決定において医師を補助するためのマーカーとしての上記の遺伝子又は遺伝子セットの使用も、本発明の一部である。好ましい実施形態において、上記の遺伝子の少なくとも1つ、2つ又は3つは、HLA-DRB4、AREG、FOSB、GPR109B、RBP7、TLR7、THBS1及びCTLS1から選択され、更により好ましくはHLA-DRB4、AREG及びFOSBからなる群より選択される。
下記でより詳細に記載するように、少なくとも2つの臓器不全を伴う重症敗血症の患者において第0日に測定される、HLA-DRB4、FOSB、GPR109B、RBP7、TLR7、IL15、HLA-C、AMFR、LOC96610、IRF5、MGC29506、EDG3、IGLV1-44、IFIT2、IFI44、EPSTI1及びTNFRSF17から選択される1つ又は幾つかの遺伝子のアップレギュレーション及び/又はAREG、THBS1、CTLS1、TFPI、PHACTR2、PFKFB2及びCHIT1から選択される1つ又は幾つかの遺伝子のダウンレギュレーションは、良好な予後を示す。
重症敗血症は、非常に不均質な症候群であるので、1つの遺伝子のみの発現レベルを見るよりむしろ、幾つかの遺伝子を連係して分析することがより適切であり得る。
よって、本発明は、少なくとも2つの臓器不全を伴う重症敗血症の対象者についての予後をインビトロにて確認(establish)する方法であって:
(i)前記対象者の試料から、HLA-DRB4、FOSB、GPR109B、RBP7、TLR7、IL15、HLA-C、AMFR、LOC96610、IRF5、MGC29506、EDG3、IGLV1-44、IFIT2、IFI44、EPSTI1、TNFRSF17、AREG、THBS1、CTLS1、TFPI、PHACTR2、PFKFB2及びCHIT1から選択される少なくとも2つの遺伝子を含む遺伝子セットの発現プロフィールを得る工程、及び
(ii)得られた発現プロフィールを、1つ又は2つの参照発現プロフィールと比較して、前記対象者の予後を確認する工程
を含む方法にも関する。
上記の方法を行うために、参照発現プロフィールは、代表的集団から得られる。もちろん、参照プロフィールを確立するためと、試験される対象者の発現プロフィールを得るために使用される技術は同じである。
2つの参照発現プロフィールを用いる場合、一方は、重症敗血症により死亡した上記集団の対象者から得られ、他方の参照プロフィールは、生存した上記集団の対象者から得られる。この場合、予後を確認するため、試験される対象者の発現プロフィールを、これら参照プロフィールのそれぞれと比較する。このような比較を行うための多くの統計学的技術が記載されており、当業者はこれらのいずれも自由に選択できる。
1つの参照プロフィールのみを用いる場合、これは、代表的集団の全ての対象者から得られる。例えば、参照プロフィールは、考慮する遺伝子セットのそれぞれの遺伝子について、代表的集団全体中の上記遺伝子の平均発現レベルを決定することにより得ることができる。
測定したプロフィールを参照プロフィールと比較するために、プロフィールの異なる成分のそれぞれの独立した比較より大きい検出力を提供する任意の適切な統計学的方法を用いて、上記プロフィールの異なる成分を重みづけすることが有利である。
1つの参照プロフィールのみを用いる本発明の方法の好ましい実施形態によると、該方法は、以下の工程:
(i)n個(n≧2)の遺伝子の発現レベルを患者の生体試料中で測定する工程であって、これら遺伝子の少なくとも2つが、HLA-DRB4、FOSB、GPR109B、RBP7、TLR7、IL15、HLA-C、AMFR、LOC96610、IRF5、MGC29506、EDG3、IGLV1-44、IFIT2、IFI44、EPSTI1、TNFRSF17、AREG、THBS1、CTLS1、TFPI、PHACTR2、PFKFB2及びCHIT1からなる群より選択される工程、
(ii)下記式:
に従ってスコアを算出する工程、及び
(iii)工程(ii)で得られたスコアを、予め決定した閾値との比較によって解釈する工程
を含む。
上記の方法において、回帰係数
は、代表的集団から集めたデータから、PLS-R又はSVMのような任意の多変量法により算出できる。閾値は、同じ代表的集団から、所望の感度および特異性に応じて、当業者により決定される。このような等式の2つの例を、関連する閾値及び分割表(試験される集団に関する)とともに、下記の実験の部に開示する。
上記の方法の好ましい実施形態において、工程(i)で選択される遺伝子の1つ、2つ又は3つは、HLA-DRB4、AREG及びFOSBからなる群より選択される。この実施形態によると、更なる遺伝子は、限定されないが、GPR109B、RBP7、TLR7、THBS1及びCTLS1から選択できる。例えば、工程(i)で選択される遺伝子セットは、n個の遺伝子(n≧8)を含むことができ、その中にはHLA-DRB4、AREG、FOSB、GPR109B、RBP7、TLR7、THBS1及びCTLS1遺伝子が含まれる。
この方法の別の好ましい実施形態によると、工程(i)で選択される遺伝子セットは、HLA-DRB4、FOSB、GPR109B、RBP7、TLR7、IL15、HLA-C、AMFR、LOC96610、IRF5、MGC29506、EDG3、IGLV1-44、IFIT2、IFI44、EPSTI1、TNFRSF17、AREG、THBS1、CTLS1、TFPI、PHACTR2、PFKFB2及びCHIT1遺伝子を含み、このリストに挙げられていない他の遺伝子を該遺伝子セットに加えることができると理解される。実際に、このリストに挙げられた遺伝子は、ある制限を示すマイクロアレイ技術を用いて同定されており、別の技術による更なる適切な遺伝子の同定を構想しなければならない。
上記の方法は、少なくとも1つの更なる臓器不全を伴う敗血症性ショックの患者についての予後を確認するために有利に用いることができる。これら方法を用いることにより、医師は、重症敗血症又は敗血症性ショックの患者の死亡の危険性を、第2の臓器不全の発症(又は患者が入院時にすでに2つの臓器不全を有する場合は該患者の入院後)から数時間以内に、早期に評価する。
上記方法の特定の実施形態によると、生体試料は、成熟顆粒球を除去後の白血球細胞を含む。或いは、全血又は末梢血単核細胞(PBMC)のような生体試料を用いて、上記方法を行うことができる。
HLA-DRB4状態及び/又は上記スコア
から、本発明は、医師が、施術する薬理学的処置を迅速に決定することを補助し、そのことも本発明の一部である。例えば、上記方法は、所与の患者が、活性化プロテインC(APC、ドロトレコギンアルファとも呼ばれる)の良好な候補者であるかを決定するために用いることができる。この特定の実施形態において、HLA-DRB4発現がないこと又はスコア
は、不良予後の危険性を示し、該患者へのAPCの投与が適切であることを示す。
本発明の別の態様は、少なくとも2つの臓器不全を伴う重症敗血症の対象者が、所与の医薬製品の投与により利益を得ることができるかを決定する方法である。実際に、本発明者らは、第0日の発現プロフィールに依存して、ある高価な分子の投与が必要であり得るか、又は逆に、有益であるよりむしろより危険であり得ることに気付いた。特に、患者におけるHLA-DRB4状態は、考慮されるべき重要な基準であるようである。よって、本発明は、少なくとも2つの臓器不全を伴う重症敗血症の対象者が、ある所与の医薬製品の投与の恩恵を得ることができるかを決定する方法であって、前記対象者がHLA-DRB4を発現するかをインビトロで決定する工程を含む方法に関する。
上記方法のある特定の態様によると、患者におけるHLA-DRB4発現の不在が、該患者への活性化プロテインC(APC、ドロトレコギンアルファとも呼ばれる)の投与が適切であることを示す。
代わりに又は補足的に、上記患者におけるAREG及び/若しくはFOSB遺伝子又は上記で列挙した他の遺伝子の発現レベルを測定して、医師が該患者に対して施す薬理学的処置を迅速に決定することを補助できる。例えば、HLA-DRB4発現がない場合、FOSB、GPR109B、RBP7、TLR7、IL15、HLA-C、AMFR、LOC96610、IRF5、MGC29506、EDG3、IGLV1-44、IFIT2、IFI44、EPSTI1及びTNFRSF17から選択される1若しくは数個の遺伝子のアップレギュレーション、並びに/又はAREG、THBS1、CTLS1、TFPI、PHACTR2、PFKFB2及びCHIT1から選択される1若しくは数個の遺伝子のダウンレギュレーションは、該患者が活性化プロテインCに対して良好に応答する者であることを示す。
ある特定の実施形態において、スコアを上記のように患者について算出でき、医師は、HLA-DRB4状態及び/又は上記のスコアを考慮して、患者が特定の処置(活性化プロテインCのような)を必要とするかを決定する。
本発明の別の観点は、施されたハイテク処置の有効性を評価することに関し、これは、上記の群において選択される1つ又は幾つかの遺伝子の発現レベルを測定する工程を含む。この方法を行う場合、発現レベルは、好ましくは、上記のハイテク処置の開始の1、2及び/又は3日後に測定される。
本発明の別の観点は、(新たなハイテク)処置の有効性を評価することに関する。この処置は、それ自体で、応答する者と応答しない者との間の遺伝子発現の異なる改変を誘導し得る。実際に、本発明者らは、患者がある特定の処置に対して良好な応答者である場合、上記のマーカー遺伝子の発現レベルの正常化が、処置開始の後の数時間及び/又は数日で観察できることを観察している。よって、本発明は、少なくとも2つの臓器不全を伴う重症敗血症の患者、特に少なくとも1つの更なる臓器不全を伴う敗血症性ショックの患者に対して行われた処置の有効性を評価する方法に関し、該方法は、該患者におけるHLA-DRB4、FOSB、GPR109B、RBP7、TLR7、IL15、HLA-C、AMFR、LOC96610、IRF5、MGC29506、EDG3、IGLV1-44、IFIT2、IFI44、EPSTI1、TNFRSF17、AREG、THBS1、CTLS1、TFPI、PHACTR2、PFKFB2及びCHIT1からなる群より選択される1つ、2つ若しくはそれより多い遺伝子の発現レベルを、上記薬理学的処置の開始前及び開始後に1回、2回、3回若しくはそれより多く測定する工程を含む。この方法を行う場合、発現レベルは、好ましくは、該薬理学的処置の開始後1、2及び/又は3日後に測定する。任意に、スコア
は、各時点について上記のようにして算出される。次いで、得られる発現プロフィール(又はスコア)を互いに比較する。
上記方法の特定の実施形態において、薬理学的処置の開始後のFOSB、GPR109B、RBP7、TLR7、IL15、HLA-C、AMFR、LOC96610、IRF5、MGC29506、EDG3、IGLV1-44、IFIT2、IFI44、EPSTI1及びTNFRSF17から選択される1若しくは数個の遺伝子のアップレギュレーション、及び/又はAREG、THBS1、CTLS1、TFPI、PHACTR2、PFKFB2及びCHIT1から選択される1若しくは数個の遺伝子のダウンレギュレーションは、上記の処置が患者にとって有益であることを示し、本明細書におけるアップレギュレーション又はダウンレギュレーションは、D0での最初の測定と、薬理学的処置を行った後の測定との間の患者におけるある所与の遺伝子の発現レベルの進展に相当することが理解される。スコア
が上記のようにして算出される場合、該スコアの増加も、該患者による、処置に対する良好な応答を示す。
本発明は、重症敗血症の治療、特に敗血症性ショックの治療において医薬製品を評価する臨床試験に参加する患者を選択するための方法にも関する。実際に、新しい薬剤の将来の開発及び臨床試験の性能は、予後が悪い患者のみが含まれることにより評価中の薬剤なしで回復するであろう患者からの「ノイズ」を排除すれば、補助されるであろう。よって、上記方法のいずれかにより対象者についての予後をインビトロで確認する工程を含む、少なくとも2つの臓器不全を伴う重症敗血症の治療における医薬製品を評価するための臨床試験に参加する対象者を選択するための方法も、本発明の一部である。この方法に従えば、臨床試験に参加する対象者は、好ましくは、予後が悪い対象者であり、すなわち、参照を規定するために代表的集団を用いる場合、第0日の発現プロフィール(上記で規定される遺伝子セットについて)が、生存した対象者の群のプロフィールより重症敗血症により死亡した対象者のプロフィールに類似する対象者である。スコア
が上記のようにして算出される場合、臨床試験に参加する対象者は、予め決定された閾値を下回るスコアを有する者である。或いは、当業者は、対象者のHLA-DRB4状態の決定によってのみ参加する対象者を選択できる。なぜなら、このことが臨床的に適切なようであるからである。
本発明による方法を実施する場合、選択された遺伝子の発現レベルは、mRNAレベル又はタンパク質レベルのいずれかで任意の技術により測定できる。本発明による方法の好ましい実施形態において、これら遺伝子の転写レベルが測定される。当業者は、このような測定を行う幾つかの技術を知っており、この関係において最も簡便な技術を用いるであろう。考慮される特定のパラメータは、結果の迅速性、信頼性及び測定費用である。例えば、興味対象の遺伝子をコードするmRNAのレベルは、リアルタイムRT-PCRにより測定できる。HLA-DRB4についてそのような測定を行う詳細なプロトコルは、プライマー配列を含めて、下記の実験の部に記載されるが、当業者は、このプロトコルを完璧に改変できる。或いは、選択された遺伝子をコードするmRNAのレベルは、標準的なチップ又は本発明の方法を実施するために特別に設計されたチップを用いるマクロアレイ又はマイクロアレイにより測定できる。上記方法の特定の実施形態において、HLA-DRB4、FOSB、GPR109B、RBP7、TLR7、IL15、HLA-C、AMFR、LOC96610、IRF5、MGC29506、EDG3、IGLV1-44、IFIT2、IFI44、EPSTI1、TNFRSF17、AREG、THBS1、CTLS1、TFPI、PHACTR2、PFKFB2及びCHIT1からなる群より選択される1つ又は幾つかの遺伝子の発現レベルが、マイクロアレイにより測定される。
下記の実験の部に記載されるように、本発明者らは、HLA-DRB4遺伝子が患者のゲノム中に存在する場合、この遺伝子が常に発現されることを観察した。よって、上記方法は、HLA-DRを遺伝子型決定する工程を含み得る。HLA-DR遺伝子座は、1つだけのアルファ遺伝子と、DRB1、DRB3、DRB4及びDRB5と呼ばれる4つの機能的ベータ遺伝子とを含む。100を超える異なる対立遺伝子がDRB1をコードし、DRB1は13の異なるハプロタイプDR1〜DR16にグループ分けされるが、DRB3、4及び5については対立遺伝子多様性がほとんどない。現在では、特定のDRB1対立遺伝子が、DRB4と常に関連することが確立されている(Bodmerら, 1992;Nepom及びErlich, 1991)。実際に、DRB1におけるDR4、DR7又はDR9対立遺伝子の存在は、ゲノム中にDRB4遺伝子が存在することを意味する。その結果、本発明による方法は、DRB1遺伝子座又はDRB4遺伝子座のいずれか(又は両方)を遺伝子型決定する工程を含み得る。もちろん、このような遺伝子型決定工程は、HLA-DRB4(推定)遺伝子の転写レベルの決定の代わりに又はそれに加えて行うことができる。Pachotらにより記載されるような半自動化された方法(Pachotら, 2007)のような当業者に公知の任意の技術を用いてこの遺伝子型決定を行うことができる。
上記の方法は、代わりに又は更に、患者の試料において、上記のリストに列挙された遺伝子によりコードされるタンパク質の1つ又は幾つかのレベルを測定する工程も含み得る。このことは、当業者が適切であると考える任意のイムノアッセイにより行うことができる。
本発明の別の重要な観点は、上記方法のいずれかを行うためのキットである。特定の実施形態において、本発明によるキットは、一対、二対又は三対のプライマーを含み、各対のプライマー対は、HLA-DRB4、AREG及びFOSBから選択される遺伝子に特異的である。このようなキットは、1又は数個の選択された遺伝子の一部分のリアルタイム増幅を行うためのプローブも含み得る。HLA-DRB4遺伝子の一部分のリアルタイム増幅のためのプライマーセット及びプローブは、下記の実験の部に記載される。もちろん、当業者は、HLA-DRB4に特異的な異なるプライマー及びプローブを用いることを選択して、本発明によるキットを構築でき、本明細書に記載される配列は限定的でない。本発明のキットの別の実施形態において、キットは、HLA-DRB4遺伝子の遺伝子型決定に適合されている。この実施形態によると、キットは、例えば、DNA抽出のための試薬を含み得る。本発明によるキットは、少なくとも2つの臓器不全を伴う重症敗血症の転帰の予測における選択された遺伝子の発現レベルの妥当性に言及する注意書きも含むことが有利であろう。
もちろん、本発明によるキットは、一対又は数対の更なるプライマーを更に含むことができ、ここで、各対のプライマーは、18S rRNA、GPR109B、RBP7、TLR7、IL15、HLA-C、AMFR、LOC96610、IRF5、MGC29506、EDG3、IGLV1-44、IFIT2、IFI44、EPSTI1、TNFRSF17、THBS1、CTLS1、TFPI、PHACTR2、PFKFB2及びCHIT1遺伝子からなる群より選択される1つの配列に特異的である。
上記キットにおいて、プライマー及び/又はプローブは、有利に標識できる。当業者に知られる任意の標識技術をこの目的のために用いることができる。
増幅反応を行うための試薬及び/又は酵素も、このようなキットに含めることができる。当業者は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)のような増幅反応を行うためにどの試薬及び酵素を用い得るか(よって、キットに導入できるか)を完璧に知っている。
本発明によるキットの別の実施形態において、このキットは、HLA-DRB4、AREG、FOSB、GPR109B、RBP7、TLR7、IL15、HLA-C、AMFR、LOC96610、IRF5、MGC29506、EDG3、IGLV1-44、IFIT2、IFI44、EPSTI1、TNFRSF17、THBS1、CTLS1、TFPI、PHACTR2、PFKFB2及びCHIT1からなる群より選択される少なくとも2つの遺伝子に特異的な核酸のハイブリダイゼーションを可能にするチップを含む。
このようなキットは、有利には、結果をどのように解釈するかを説明する使用注意書きも含むことが好ましい。
本発明によるキットは、全血試料又は単離PBMCのいずれかから上記方法を実施するために設計されることができる。後者の場合、キットは、PBMC単離のための試薬も任意に含むことができる。
本発明の他の特徴は、本発明の枠内で実施され、本発明の範囲を限定することなく要求される実験的支持を提供する生物学的アッセイについての以下の記載によっても明らかになる。
材料及び方法
患者
他施設治験は、Cochin Hospital倫理委員会(# CCPPRB 2061)により承認され、ACCP/SCCMコンセンサスに従って定義された敗血症性ショックを有する、フランスの4つの集中治療室(AP-HParisの2つの内科ICU及び2つの外科ICU)の患者に関するものであった。患者は、書面でのインフォームドコンセントを近親者から得た後に参加した。参加基準:敗血症に関する逐次臓器不全評価(Vincentら, 1998)により規定される少なくとも2つの臓器不全を伴う敗血症性ショックの患者であって、第2の臓器不全が生じた後24時間以内の患者。排除基準:年齢が18歳未満;過去6ヶ月以内の癌治療;免疫疾患又は血液学的疾患についての最近の治療;6ヶ月を下回る推定余命。1回目の血液採取に対応する参加当日を、第2の臓器不全の発症後24時間以内で、第0日とした。血液試料は、EDTAに加える15mlであった。
28日間のフォローアップの間に16名の患者が死亡したが、50%はAPCによる処置を受けていた。(48患者中)APCで処置された12患者のうち、8患者(67%)が死亡した。
トータルRNAの単離
白血球細胞を、勾配遠心分離(Histopaque, Sigma, St Quentin Fallavier, France)により単離して、成熟多形核細胞を除去した。トータルRNAを、Qiagen Rneasyキット(Qiagen GmbH, Germany)を用いて抽出した。全てのRNA試料を、RNアーゼフリーのDNアーゼで処理した。
マイクロアレイ手順
RNA試料の質を、RNA 6000 Nanoチップ(Agilent technologies, Palo Alto, CA, USA)を用いて評価し、RNA試料の量を、分光光度計NanoDrop ND-1000(Labtech international Biotech, Ringmer, UK)を用いて260nmの吸光度を測定することにより評価した。cRNAの調製は、製造業者のプロトコルに従って行った(Affymetrix, Santa Clara, CA USA)。簡潔には、5μgのRNA試料を用い、T7-オリゴ(DT)プライマーとSuperscript II逆転写酵素とを用いて第1鎖cDNAを作製した。第2鎖の合成は、大腸菌(E. coli)の酵素カクテル(DNAリガーゼ及びDNAポリメラーゼI)、RnアーゼHを用い、続くT4 DNAポリメラーゼとのインキュベーションにより行った。2本鎖cDNAの洗浄は、GeneChip Sample Cleanup Module(Affymetrix)を用いて行った。インビトロ転写は、T7 RNAポリメラーゼと、相補RNA(cRNA)増幅及びビオチン標識用のビオチン化ヌクレオチドアナログ/リボヌクレオチドミックス(GeneChip IVT Labelingキット)との存在下で行った。得られたビオチン化cRNAを、GeneChip Sample Cleanup Moduleを用いて洗浄し、260nmの吸光度測定(NanoDrop)により定量した。5μgのトータルRNAを用いて、50〜80μgの精製cRNAを得た。次いで、20μgの試料由来cRNAを、フラグメント化バッファー中で94℃にて35分間インキュベートして、平均サイズを約35〜200ヌクレオチドに減少させ、最後にハイブリダイゼーションバッファーに加えた。フラグメント化cRNAは、Affymetrix HG-U133 Plus 2.0アレイ上で、45℃にて16時間、ハイブリダイゼーション内部対照(bioB、bioC、bioD、cre及びオリゴヌクレオチドB2)と共にハイブリダイズさせた。洗浄及び染色手順は、Affymetrix Fluidics Station 450で行った。プローブアレイを、非ストリンジェント洗浄バッファーA(6×SSPE、0.01% Tween20)中で30℃にて10回の洗浄、続いてストリンジェントバッファーB(100mM MES、0.1M [Na+]、0.01% Tween20)中で50℃にて6回の洗浄に曝した。ビオチン化cRNAを、ストレプトアビジン-フィコエリトリンコンジュゲート(SAPE、10μg/ml)を用いて5分間、35℃にて染色し、非ストリンジェントバッファーAで再び洗浄した(30℃にて10回の洗浄)。ヤギIgG(0.1mg/ml)及びビオチン化抗ストレプトアビジン抗体(3μg/ml)を用いる抗体増幅工程を加え、続いて更なるSAPE染色を行った(各工程、35℃にて5分間)。最後に、アレイを非ストリンジェントバッファーAで35℃にて15回洗浄した後に、Affymetrix GeneChip Scanner 3000でスキャンした。
アレイは、約22400個のUnigeneクラスタに相当する約54600のヒトプローブセットを含む。CELファイルをGCOS(GeneChip(登録商標)Operating Software)を用いて作製した。データの正規化は、単一工程でチップ内及びチップ間の正規化を行うGC-ロバストマルチアレイ平均(GC-RMA)を用いて行った。
リアルタイムPCR
マイクロアレイ分析により得られた遺伝子の発現レベルを確証するために、リアルタイムPCRを、8個の最も重要な遺伝子及び内因性対照である真核生物18S rRNAについて行った。逆転写反応を、確立された方法又は製造業者の仕様書(High Capacity cDNA Archiveキット, Applied Biosystems, Foster City, CA, USA)に従って行った。簡潔には、プローブは、遺伝子の5'末端に、6-カルボキシ-フルオレセインホスホルアミダイト(FAM色素)標識を、副溝結合剤及び非蛍光消光剤を3'末端に含有し、エキソン接合部をまたいでハイブリダイズするように設計されている。アッセイは、それぞれ900nM及び250nMのプライマー及びプローブ濃度で提供される。
HLA-DRB4についての遺伝子発現アッセイを、以下のプライマー及びプローブを用いて行った(3つとも同じ濃度で用いた):
フォワードプライマー:TTTGTGCTTCCCTTTACCTAAACTG (配列番号1);
リバースプライマー:AATAATGCAATGTGTGGCACAAG (配列番号2);及び
プローブ:CCTGCCTCCCGTGCATCTGTACTCC (配列番号3)。
他の選択したアッセイは、「在庫の(inventoried)」アッセイとして参照する(inventoried Assay ID, Applied Biosystems)。これらアッセイについての情報を下記の表1及び2に示す。
異なる日に行ったPCR間の変動の可能性を管理するために、2つのタイプの陰性PCR対照を行った。各増幅プレート及び各TaqMan遺伝子発現アッセイについて鋳型なしのRTによるPCR基質=鋳型なし対照(NTC)。PCRミックスが汚染されていないことは、ポリメラーゼなしのRTから得られるPCR基質(=増幅なし対照、NAC)(これは蛍光シグナルを生じないはずである)を見ることにより確認した。真核生物18SリボソームRNAを、内因性RNA対照として用いた(アッセイID: Hs99999901_s1;Applied Biosystems)。
メッセンジャーRNA(mRNA)のレベルを、第0日に、Rotorgene 3000(Corbett Life Sciences, Sydney)でTaqMan遺伝子発現アッセイを用いて測定した。遺伝子は、死亡患者と生存患者との間でマイクロアレイでの発現が異なることを理由に選択した。
遺伝子型決定
生存者と死亡患者との間でHLA-DRB4発現に大きな差があるので(FC>5)、この遺伝子の遺伝子型決定を全ての患者において行った。HLA-DRB4型同定のために用いたゲノムDNAは、新鮮な末梢血白血球からの塩析技術により抽出した。HLA-DRB4試料は、ポリメラーゼ連鎖反応-配列特異的プライマー(PCR-SSP)増幅(one Lambda, Inc., Canoga Park, CA又はGenovision)を用いる高分解能のDNAベース型決定(対立遺伝子レベル)で型決定した。
統計学
標準的統計解析:定量結果は、中央値±四分位範囲(IQR)で表した。患者の臨床特徴の比較は、第0日に、定量測定についてはマン-ホイットニー検定を用い、定性測定についてはフィッシャーの正確確率検定を用いて行った。p<0.05を、統計的に有意であるとみなした。
マイクロアレイ解析:生存患者と非生存患者との間の発現が有意に異なる遺伝子を、Bioconductorの統計学的パッケージ(http://www.bioconductor.org)を用いて同定した。GC-RMA(遺伝子チップロバストマイクロアレイ平均)正規化(Irizarryら, 2003)の後に、データを、第0日の転帰について対応なしのt検定に供した。全体的な転写プロフィールを、第0日にて主成分分析(PCA)の2つの第1因子による2次元空間で視覚化した(図1)。24個の遺伝子に対応する29セットのプローブを第0日に同定し(表3及び4)、階層的クラスタリング法を用いて解析した。これらのうち、p値及び倍数変化(FC)による分類を考慮して、8つの遺伝子をトップリストとして更に選択した(表2)。
妥当性についてのマイクロアレイとPCRとの相関
Ct (Ctgene - Ct18S)と、蛍光強度の2を底とする対数(log2int)との間の線形の相関関係を、スピアマン相関検定により研究した。p<0.05を、統計学的に有意であるとみなした。
予測モデルの構築
予測モデルは、当業者に公知の任意の多変量法を用いることにより構築できる。今回の場合、部分最小二乗回帰を用いたが、サポートベクターマシンのような他の方法もこの目的に用いることができる。これら方法の原理は、以下のように思い出される。
多変量法:導入
多くの方法が、回帰係数βを推定することを目的とする;分類目的のための最も効率的な最新のアプローチ(Rosipalら, 2003;Tenenhausら, 2007)のなかでも、部分最小二乗回帰(PLS-R)及びサポートベクターマシン(SVM)を下記で更に説明する。
部分最小二乗回帰
サポートベクターマシン
サポートベクターマシン(SVM)(Boserら, 1992;Vapnik, 1998)は、2つのクラスの観測(例えば「死亡患者」対「生存患者」)を分離する最適分離超平面(いわゆるマージン)を求める。マージンは、超平面とその最近接点との間の距離として定義される。最適分離超平面の選択は、熟練した分類者が新たな観測を予測するような改善を生じる(Vapnik, 1998)。
この数は、通常、交差検定により選択される。
実行
a)Rソフトウェア(バージョン2.5.1)を用いて、本研究の患者を分類した。PLS-Rモデルについて「pls」パッケージを用い、SVMモデルについて「e1071」パッケージを用いた。これらのパッケージの照合は、以下のとおりである:
− Ron Wehrens及びBjorn-Helge Mevik (2007). pls: Partial Least Squares Regression (PLSR) and Principal Component Regression (PCR). R package version 2.0-1 (http://mevik.net/work/software/pls.html).
− Evgenia Dimitriadou, Kurt Hornik, Friedrich Leisch, David Meyer及びAndreas Weingessel (2006). e1071: Misc Functions of the Department of Statistics (e1071), TU Wien. R package version 1.5-16。
b)ブートストラップ分割学習技術を用いて、予測精度を推定した:
− 総データセットの2/3を、トレーニングセットとして無作為に選択した
− 各トレーニングセットについて、1個抜き交差検定技術に基づいて分類者のパラメータh又はλをコンピュータで算出した
− これを100回反復して、予測精度の平均を正確に推定した。
興味対象の遺伝子は、マイクロアレイの異なる発現により選択した(上記を参照)(倍数変化>2及びp値<0.1)。転帰と相関する29個の選択したプローブセットに関連する24個の遺伝子(表3及び4)をグループ分けして、データセットにおいて遭遇する相関させたデータ状況を扱うために有用な(相関行列により検証されるように)、部分最小二乗(PLS)回帰に基づいて予測モデルを構築した。それぞれの遺伝子の相対的貢献度に、係数により重みづけし、新しい個体についての転帰の推定を可能にする等式に入れた。29プローブセットを含む最初の等式を構築した(等式2)。更に、本発明者らは、現在の臨床の関係における遺伝子発現の検出の利用可能な方法により適合された、8個の選択された遺伝子(表2)を含む等式(等式3)を構築した。もちろん、更なる患者データをモデルに含めて、係数の精度を改良することができる。
統計学的ストラテジー:
表3及び4に示す興味対象の遺伝子のリストに基づいて、種々の工程を行って、1つの臓器不全と敗血症性ショックの第0日での予後評価を必要とする新しい患者を分類するために有用な、関連する閾値を決定した。
IDとシンボルは、BioConductorからのライブラリーhgu133plu2 (v. 1.16.0)を用いて対応させた。データをまず中央にし、補正し、表5にまとめる。
結果
48名の患者の臨床及び炎症の状態
結果は、中央値(四分位範囲IQR)として表す。トレーニング集団の48名の患者は、66歳(22 IQR)であった。参加時に、彼らは以下の特徴を有していた:1)59(15 IQR)のSAPSII及び10(4 IQR)のSOFAスコア(Vincentら, 1998)、2)炎症性パラメータとして、2765(2909 IQR) AB/Cの単球HLA-DR発現及び175(500 IQR)pg/mlの血漿IL-10(IL-12p40は検出不能)。48名の患者のうち、16名は28日間の研究期間中に死亡した。死亡患者は、参加の第0日に、SAPSII (71 (21 IQR)対56 (16 IQR)、p=0.0002)について生存者と異なっていたが、年齢、第0日での単球HLA-DR発現IL-10及び敗血症関連臓器不全スコア(SOFA)については差がなかった。
マイクロアレイ実験
2名の患者について、技術的な問題から解釈可能なデータが得られなかった。第0日の敗血症性ショック患者の非管理のトランスクリプトームデータは、臨床アイテムに従って患者を分類することを可能にしなかった。患者の分類が結果に基づく場合、29プローブセットのセット(24遺伝子転写産物)は、生存者と非生存者との間で有意に異なっていた(表3および4)。HLA-DRB4は生存者において最大のFC(FC>5)を示し、HLA-DRB4を発現する患者の群(陽性)と、低い強度を示す群(陰性)との間で蛍光の大きな差を示した。第0日に、陽性のHLA-DRB4発現は、3名(陽性発現を示す患者の18%)を除いて生存患者に相当した(表6)。HLA-DRB4発現が陰性の群は、高い死亡の危険性を有し、患者の54%だけが生存した。
HLA-DRB4発現は、HLA-DRB4タンパク質をコードし、HLAクラスII遺伝子クラスタに属し、敗血症における重要な炎症マーカーであると記載されている(Dockeら, 1997;Venetら, 2007)。我々の集団において、HLA-DRB4転写産物の過剰発現は、良好な転帰と関連した。死亡患者と生存患者との間の発現に非常に大きな差があるので、この遺伝子の遺伝子型決定を行う動機づけがあった。
興味深いことに、遺伝子型決定の結果を無視した担当医師により決定されてAPC処置を受けた(12名の処置患者のうち8名)者はほとんど、HLA-DR B4発現が陰性の群であった。
表6は、転帰との関連におけるマイクロアレイ技術、リアルタイムPCR(qPCR)又は遺伝子型決定を用いて得られたHLA-DRデータをまとめる。
リアルタイムPCRによる妥当性
48個の試料のうち3個のみが、HLA-DRB4リアルタイムPCRデータと比較して誤っていた(表6)。残りの試料については、リアルタイムPCRデータは、両方の方法を用いて試験した最良の3つの遺伝子についてのマイクロアレイを用いて得られたデータとよく一致した(HLA-DRB4についてr=0.083、p<0.0003;THBS1についてr=0.60、p<0.002;AREGについてr=0.68、p<0.0001)。マイクロアレイデータからわかるように、リアルタイムPCRにより測定されるHLA-DRB4遺伝子発現は、転帰と強く関連した(スピアマン検定;p<0.0001)。
HLA-DR遺伝子型決定
遺伝子HLA-DRB4の存在が、遺伝子HLA-DRB1上の特定の対立遺伝子と関連することが知られている(Bodmerら, 1992;Nepom及びErlich, 1991)。HLA-DRB4の存在と関連する対立遺伝子は、B1*04、B1*07及びB1*09であり、本研究で調べた集団における関連が確認された。興味深いことに、HLA-DRB4は、それがPCRで発現される場合に常に存在し、それがPCRで発現されない場合は常に存在しなかった。その結果、HLA-DRB4遺伝子の存在又は不在は、患者の転帰と強く関連した(p= 0.041)。マイクロアレイとPCRとの間の不一致は、ほとんど観察されなかった。存在する場合、これは、マイクロアレイを用いて非発現HLA-DRB4として計数される、非機能的対立遺伝子組成の遺伝子型決定における存在に起因し得る。この希な配置は、遺伝子型決定と、機能的ゲノム(又は機能的ゲノムのみ)との両方を行うことが好ましい場合があることを示唆する。3つのHLA-DRB4対立遺伝子が、以下のようにHLA-DRB1対立遺伝子と関連することが観察された:B4*0103は5個のB1* 0401、1個のB1*0404、1個のB1*0402、1個のB1*07及び1個のB1*09対立遺伝子と関連し、B4*0101及びB4*01030102Nは5個のB1*07対立遺伝子と関連した。1名の患者(GAM 5066)について、遺伝子型決定ではヌル対立遺伝子と判明したが、HLA-DRB4遺伝子発現がマイクロアレイとPCRとの両方で見出されたことに注目することが驚くべきことである。
HLA-DRB4遺伝子の発現、次いで存在は、この敗血症性ショック集団において良好な転帰と関連した。表6は、マイクロアレイ及びリアルタイムPCRの両方により行ったHLA-DRB4決定の結果を、研究した集団における転帰と関連させてまとめる。図3は、B4発現状態に基づく第0日から第28日までの転帰の生命表法曲線を示す。これは、第0日でのHLA-DRB4+とHLA-DRB4-遺伝子発現との間の死亡率の劇的な差を示す。
予測モデル:
表7及び8は、PLS回帰により得られるβjの推定値を示す。
新しい患者の遺伝子発現プロフィールから、この等式を用いて、この患者の転帰を予測できる。等式は、モデルを計算するための患者の学習セットのサイズの増加により、時間とともに改良される。
交差検定により得られたROC(受信者動作特性)曲線は、感度と特異性についての指標を与える。これらの曲線を図4に示す。
閾値は、最良の精度又は感度を与えるものである。
29個のプローブセットを考慮した等式について、分割表の2つの例を以下に示す。
8個のプローブセットのモデルについて、閾値=0.03での精度と感度の最良の組み合わせ(それぞれ75及び88%)は、以下の表11を与える(特異性=72%)。
実際問題として、新しい患者は、予後に関して、次のように分類される:
考察
現在まで、予後が重篤な(40〜50%の死亡率)敗血症性ショック患者における転帰を良好に予測するために適切なバイオマーカーは、証明されていなかった。このようなマーカーは、援助となる看護及び資源を適応し、先端技術の高価な薬剤を与えなければならないか又は調べる必要があるかを決定するための最初の選別のために重要であろう。SAPS II又はSOFAスコア決定のような評点システムを除いて、転帰との関連が見出されていなかった。これらのスコアを用いることに対する興味は、見積もるために24時間待つ必要があることにより妨げられ、この遅延は、決定を行うためには長いだろう。
医療関係者は、敗血症性ショックの発症と回復不能な組織損傷との間の治療ウインドウが短いことを確信している。敗血症性ショック患者において早期に行われる積極的な蘇生が、死亡率を約40%低減させる(Riversら, 2001)が、24時間後に行われる同じストラテジーは予後を変化させないことが示されている。その結果、活性化プロテインC(APC)のような敗血症性ショックにおける先端技術の薬剤の有効性は、時間依存的である。死亡率の危険性が高い患者の迅速な決定が、よって、正当化される。更に、新しい薬剤の更なる開発及び臨床試験の性能が、予後が悪い患者のみが含まれることにより、補助されるであろう。
現在までに、遺伝子ごと又はタンパク質ごとのアプローチにより、敗血症性ショックと治療の転帰との描写を得ることはできていない。このことは、細胞性改変の複雑性、系の相互作用及び冗長性、微生物の影響並びに併存症のような複合因子を原因とする。このことを理由として、マイクロアレイ技術を用いることが可能なので、多重アプローチを用いることが適切なようである。
このようなアプローチに適する組織は、全ての不全な臓器及び血液細胞に関することができる。組織試料は、制限がある。なぜなら、特に凝固について重症状態の患者において生検を行うことは倫理的に困難であるからである。更に、臓器不全は、決定を行うには長すぎるある程度の遅延の後に生じる。血液細胞研究は、よって、手ごろであるようである。なぜなら、循環する免疫細胞は活性化され、離れた組織細胞の応答を知らせるからである。細胞の数は組織試料と比較して少ないが、これは採取が容易であり、マイクロアレイのためのRNA材料の量は以前より小さくなっている。このアプローチは、健常なボランティアにおける幾つかのマイクロアレイ研究のために用いられている(Calvanoら, 2005)。
研究した敗血症性ショック集団は、SAPS IIに関連する予測される死亡率により示されるように、高い死亡の危険性を有した(34%)。
遺伝子HLA-DRB4の発現は、敗血症性ショックにおける良好な転帰と強く関連しているようであった。この分子は、初期の免疫応答の間に、抗原提示細部(単球、マクロファージBリンパ球又は樹状細胞)によるTリンパ球への抗原の提示に含まれるMHCクラスIIシステムに属する。HLA-DRB4遺伝子は、多発性硬化症及び関節リウマチのような多数の自己免疫障害に関連する(Holoshitzら, 1992)高度に多形性の遺伝子座(6p21)上にある。この遺伝子座についての多形性が、DRB4の存在又は不在を含むことは十分に確立されている。よって、白人集団の50%が、そのゲノム中にDRB4遺伝子のコピーを全く有さない。このような特徴は、群の間の発現レベルで観察された大きな違いを説明できるだろう。HLA-DRB遺伝子は、全て同じクラスタ上にあり、機能的に重複している。4つの異なる遺伝子だけが機能的タンパク質をコードする(DRB1、DRB3、DRB4及びDRB5)。更に、3つの偽遺伝子が知られている。DRB1がヒトにおいて構成性であることが見出されるならば、その他の遺伝子は、幾つかの特定のハプログループにのみ存在する。この重要な知見により、本発明者らは、この遺伝子座の広範な遺伝子型決定を進めた(表6)。マイクロアレイ、遺伝子型決定及びqPCRからのデータを集めることにより、本発明者らは、機能的HLA-DRB4タンパク質を発現する患者を、そうでない患者から分けることができた。この分析は、DRB4遺伝子を有する/発現する患者が、敗血症性ショックから生存するより大きい見込みを有していたことを示す。図4からわかるように、HLA-DRB4を発現する敗血症患者の82%が、DRB4陰性患者における54%未満と比較して、参加の4週間後にまだ生存している。しかし、HLA-DRB4タンパク質と敗血症における生存との間の機械的な結びつきを作るのは困難である。なぜなら、現在までに、この分子に対してほとんど注意が払われてこなかったからである。1つの仮説は、炎症性応答を制限し得るスーパー抗原を提示できないことに関するだろう(Hermanら, 1990)。
本発明は新しい患者を分類するために用いられなければならないので、この目的のための方法を提案することが重要であった。マイクロアレイにより測定される興味対象の29個(又は8個)のプローブセットの蛍光に基づいて提案されたモデルは、新しい患者を分類するために適する-0.24 (又は8プローブセットについて0.03)の閾値の値を決定することを導く分類モデルを構築することを可能にした。医療診断での使用において、精度は主要な問題ではない。種々の誤分類にかかる費用のために、感度及び特異性がより関連する。診断及び治療上の決定は、感度レベルの調整に相当し、この決定が、不安定な分類費用を理由として、転帰の予測のために非常に重要である。感度は、特異性よりはるかに重要である。なぜなら、高い死亡の危険性の患者を軽視することは、重篤な誤りであるからである。提案されたモデルは、特異性を損なう高い感度を示し、このことは、死亡危険性の良好な推定を意味する。提案される処置はいずれの重篤な有害結果ももたらさないので偽性診断の可能性は害になる結果をもたらさないことから、特異性が低いことは許容できる。提案されるモデルは、これらの目標によく一致するようである。
最後に、モデルは、時間とともに改良される。なぜなら、更なる患者の数が、モデルの係数をよりよく規定する助けとなるからである。
結論として、敗血症性ショック患者において、成熟PMNを除いた後の白血球細胞に対して全ゲノムマイクロアレイ法を用いることにより、予後フットプリントが得られた。敗血症性ショックの第0日に、24個の遺伝子(29個のプローブセットにより検出される)が、その後4週間以内の転帰を予測することが証明された。これらのうち、HLA-DRB4は強い決定因子であり、その発現は良好な予後と関連する。生存者と非生存者との間の発現における大きな違いは、遺伝子型決定と対応する。発現は、遺伝子の構成的な存在と常に関連するが、過小発現又は発現がないことは、この遺伝子の構成的な不在に常に相当した。28個のその他の選択された遺伝子の発現レベルは、特にHLA-DRB4の発現が陰性である場合に、決定することが重要である。

Claims (23)

  1. HLA-DRB4、FOSB、GPR109B、RBP7、TLR7、IL15、HLA-C、AMFR、LOC96610、IRF5、MGC29506、EDG3、IGLV1-44、IFIT2、IFI44、EPSTI1、TNFRSF17、AREG、THBS1、CTLS1、TFPI、PHACTR2、PFKFB2及びCHIT1からなる群より選択される少なくとも1つの遺伝子の、少なくとも2つの臓器不全を伴う重症敗血症の患者の予後マーカーとしての使用。
  2. 前記少なくとも1つの遺伝子が、HLA-DRB4、AREG、FOSB、GPR109B、RBP7、TLR7、THBS1及びCTLS1からなる群より選択される請求項1に記載の使用。
  3. 前記少なくとも1つの遺伝子が、HLA-DRB4、AREG及びFOSBからなる群より選択される請求項1又は2に記載の使用。
  4. 少なくとも2つの臓器不全を伴う重症敗血症の対象者についてインビトロで予後を確認する方法であって、以下の工程:
    (i)前記対象者からの試料から、HLA-DRB4、FOSB、GPR109B、RBP7、TLR7、IL15、HLA-C、AMFR、LOC96610、IRF5、MGC29506、EDG3、IGLV1-44、IFIT2、IFI44、EPSTI1、TNFRSF17、AREG、THBS1、CTLS1、TFPI、PHACTR2、PFKFB2及びCHIT1からなる群より選択される少なくとも2つの遺伝子を含む遺伝子セットの発現プロフィールを得る工程、及び
    (ii)得られた発現プロフィールを、1又は2の参照発現プロフィールと比較して、前記対象者の予後を確認する工程
    を含む方法。
  5. 以下の工程:
    (i)n個(n≧2)の遺伝子の発現レベルを患者の生体試料中で測定する工程であって、これら遺伝子の少なくとも2つが、HLA-DRB4、FOSB、GPR109B、RBP7、TLR7、IL15、HLA-C、AMFR、LOC96610、IRF5、MGC29506、EDG3、IGLV1-44、IFIT2、IFI44、EPSTI1、TNFRSF17、AREG、THBS1、CTLS1、TFPI、PHACTR2、PFKFB2及びCHIT1からなる群より選択される工程、
    (ii)下記式:
    に従ってスコアを算出する工程、及び
    (iii)工程(ii)で得られたスコアを、予め決定した閾値との比較によって解釈する工程
    を含む請求項4に記載の方法。
  6. 工程(i)で選択される遺伝子の少なくとも1つが、HLA-DRB4、AREG及びFOSBからなる群より選択される請求項4又は5に記載の方法。
  7. 工程(i)で選択される遺伝子セットが、HLA-DRB4、AREG及びFOSBを含む請求項4〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 工程(i)で選択される遺伝子セットが、HLA-DRB4、AREG、FOSB、GPR109B、RBP7、TLR7、THBS1及びCTLS1を含む請求項4〜6のいずれか1項に記載の方法。
  9. 工程(i)で選択される遺伝子セットが、HLA-DRB4、FOSB、GPR109B、RBP7、TLR7、IL15、HLA-C、AMFR、LOC96610、IRF5、MGC29506、EDG3、IGLV1-44、IFIT2、IFI44、EPSTI1、TNFRSF17、AREG、THBS1、CTLS1、TFPI、PHACTR2、PFKFB2及びCHIT1を含む請求項4〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 少なくとも1つの更なる臓器不全を伴う敗血症性ショックの患者についての予後を確認するための請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用又は請求項4〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記生体試料が、(i)全血試料、又は(ii)末梢血単核細胞を含む血液画分若しくは該単核細胞からなる血液画分、又は(iii)成熟顆粒球を除去後の白血球細胞を含む血液画分若しくは該白血球細胞からなる血液画分である請求項4〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 少なくとも2つの臓器不全を伴う重症敗血症の対象者が、医薬製品投与の恩恵を得ることができるかを決定するための方法であって、前記患者がHLA-DRB4を発現するかをインビトロで決定する工程を含む方法。
  13. HLA-DRB4発現の不在が、前記患者への活性化プロテインCの投与が適切であることを示す請求項12に記載の方法。
  14. HLA-DRB4発現の不在下で、FOSB、GPR109B、RBP7、TLR7、IL15、HLA-C、AMFR、LOC96610、IRF5、MGC29506、EDG3、IGLV1-44、IFIT2、IFI44、EPSTI1及びTNFRSF17から選択される1若しくは数個の遺伝子のアップレギュレーション、及び/又はAREG、THBS1、CTLS1、TFPI、PHACTR2、PFKFB2及びCHIT1から選択される1若しくは数個の遺伝子のダウンレギュレーションが、前記患者が活性化プロテインCに対して良好に応答する者であることを示す請求項12又は13に記載の方法。
  15. 少なくとも2つの臓器不全を伴う重症敗血症の対象者に施された医薬的処置の有効性をインビトロで評価するための方法であって、以下の工程:
    (i)前記医薬的処置の開始前に前記対象者から得られた試料から、HLA-DRB4、FOSB、GPR109B、RBP7、TLR7、IL15、HLA-C、AMFR、LOC96610、IRF5、MGC29506、EDG3、IGLV1-44、IFIT2、IFI44、EPSTI1、TNFRSF17、AREG、THBS1、CTLS1、TFPI、PHACTR2、PFKFB2及びCHIT1からなる群より選択される少なくとも2つの遺伝子を含む遺伝子セットの発現プロフィールを決定する工程、
    (ii)前記医薬的処置の開始後に前記対象者から得られた少なくとも1つの別試料から、(i)と同じ遺伝子セットの発現プロフィールを決定する工程、及び
    (iii)得られた発現プロフィールを比較する工程
    を含む方法。
  16. 前記医薬的処置の開始の後のFOSB、GPR109B、RBP7、TLR7、IL15、HLA-C、AMFR、LOC96610、IRF5、MGC29506、EDG3、IGLV1-44、IFIT2、IFI44、EPSTI1及びTNFRSF17から選択される1若しくは数個の遺伝子のアップレギュレーション、並びに/又はAREG、THBS1、CTLS1、TFPI、PHACTR2、PFKFB2及びCHIT1から選択される1若しくは数個の遺伝子のダウンレギュレーションが、前記処置が患者に有益であることを示す請求項15に記載の方法。
  17. 少なくとも2つの臓器不全を伴う重症敗血症の治療において医薬製品を評価する臨床試験に参加する対象者を選択するための方法であって、請求項4〜11のいずれか1項に記載の方法により、前記対象者についての予後をインビトロで確認する工程を含む方法。
  18. 臨床試験に参加する前記対象者が予後不良の者である請求項17に記載の方法。
  19. 一対又は数対のプライマーを含み、各対が、HLA-DRB4、AREG及びFOSBから選択される遺伝子に特異的である請求項4〜18のいずれか1項に記載の方法を行うためのキット。
  20. 追加の一対又は数対のプライマーを更に含み、各対が、18S rRNA、GPR109B、RBP7、TLR7、IL15、HLA-C、AMFR、LOC96610、IRF5、MGC29506、EDG3、IGLV1-44、IFIT2、IFI44、EPSTI1、TNFRSF17、THBS1、CTLS1、TFPI、PHACTR2、PFKFB2及びCHIT1遺伝子からなる群より選択される1つの配列に特異的である請求項20に記載のキット。
  21. 増幅反応を行うための試薬及び/又は酵素を更に含む請求項19又は20に記載のキット。
  22. HLA-DRB4、AREG、FOSB、GPR109B、RBP7、TLR7、IL15、HLA-C、AMFR、LOC96610、IRF5、MGC29506、EDG3、IGLV1-44、IFIT2、IFI44、EPSTI1、TNFRSF17、THBS1、CTLS1、TFPI、PHACTR2、PFKFB2及びCHIT1からなる群より選択される少なくとも2つの遺伝子に特異的な核酸のハイブリダイゼーションを可能にするチップを含む請求項4〜18のいずれか1項に記載の方法を行うためのキット。
  23. PBMC単離のための試薬を更に含む請求項19〜22のいずれか1項に記載のキット。
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