JP2011509792A - 授乳を監視するための方法および装置 - Google Patents

授乳を監視するための方法および装置 Download PDF

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Abstract

乳房から授乳される乳幼児によって消費される母乳の量を監視する方法であって、授乳中の乳房の静電容量の変動を決定するステップと、前記静電容量の変動を乳幼児によって消費された母乳の量に相関させるステップとを含む方法。
【選択図】 図1

Description

関連出願
本願は、2008年1月22日に出願された米国特許出願No.61/006558及び2008年5月14日に出願された米国特許出願No.61/053069からの優先権の利益を主張する。上述の文献の内容は参考としてここに完全に述べられているかのように組み入れられる。
発明の分野
本発明は、その一部の実施形態では、授乳に関し、さらに詳しくは、容量測定によって授乳を監視するための方法および装置に関するが、それに限定されない。
授乳は新生児のみならず母親にとっても有益であることが認識されている。小児科医および他の医療提供者は授乳を日常生活の通常の一環として推進し、互いに望む限り授乳を続けるように母親に奨励する。
授乳は、全体的な健康、成長、発達の観点から新生児にとって有益である。特に、授乳は数多くの急性および慢性疾患のリスクを著しく軽減する。例えば、授乳を受ける乳児は下痢症、耳感染症、呼吸器感染症、菌血症、細菌性髄膜炎、ボツリヌス中毒、壊死性腸炎、および尿路感染症にかかる可能性が低いことを研究は示している。加えて、授乳は乳児に親近感、温もり感、および安心感を与える。
多くの研究は、授乳が母親にも有益であることを示している。例えば、統計的に、授乳する母親はより早く通常体重に戻る。授乳はまた、排卵の再開を遅らせる因子の1つとしても知られており、それは子供の間隔を増大させることを希望する母親または家族にとって有益であろう。
時々、授乳を受ける乳児が消費する母乳の量は充分でない。授乳を受ける乳児がストレス状態になったときは、授乳不足がストレスの原因の1つであるか否かを決定するために、授乳を受ける乳児によって消費される母乳の量を監視することが望まれる。授乳を監視するために幾つかの技術が公知である。
最も幅広く採用されている技術は体重減算である。この技術では、授乳の前後に乳児の体重を測定し、2つの体重を減算することによって母乳消費量を算出する。
別の技術は、DalyらのExp.Physiology,77,79‐87(1992)に開示されている。この技術では、授乳の前後に乳房を写真撮影することによって乳房体積の変化を追跡する。
米国特許出願公開第20058271913号および国際特許公開第WO2006/054287号は、乳児がそれを介して乳を吸うシリコン乳首キャップ内部に体積流量センサを配置する技術を開示している。センサからの母乳流量データは母乳量データに変換され、それはディスプレイモニタに表示される。
国際特許公開第WO2006/054287号は、ドップラ偏移の測定を介する授乳監視を開示する。乳首に近接して配置された超音波ドップラ効果送信器および受信器プローブが授乳セッション中に作動して、乳首を介する流量を測定する。流量は母乳量に変換されかつ累積される。
本発明の一部の実施形態の態様では、乳房から授乳される乳幼児によって消費される母乳の量を監視する方法を提示する。該方法は、授乳中の乳房の静電容量の変動を決定するステップと、静電容量の変動を乳幼児によって消費された母乳の量に相関させるステップとを含む。
本発明の一部の実施形態によると、該方法はさらに、変動を決定するために静電容量を測定するステップをさらに含む。
本発明の一部の実施形態によると、静電容量の測定は、静電容量に対する乳房の皮膚の寄与を低減しながら乳房の内部の静電容量を推定するために、実行される。
本発明の一部の実施形態によると、静電容量の測定は、乳房の皮膚に印加される電流に応答して皮膚からサンプリングされる電圧の位相を測定することを含む。
本発明の一部の実施形態によると、位相は、乳房の皮膚に接続された少なくとも4つの電極を介して測定される。
本発明の一部の実施形態によると、該方法はさらに、過去の授乳セッション中に収集した履歴データを用いて相関を補正するステップを含む。
本発明の一部の実施形態によると、該方法はさらに、乳房の電気抵抗を測定するステップと、電気抵抗と静電容量との間の乗算を算出するステップとを含み、母乳の量は乗算に相関される。
本発明の一部の実施形態によると、該方法はさらに、較正データを収集するために、授乳の前に較正測定を実行するステップを含み、乗算は較正データに基づいて補正される。
本発明の一部の実施形態によると、該方法はさらに、乳房全体で腺胞群占有領域を探索するために乗算を使用するステップを含む。
本発明の一部の実施形態によると、該方法はさらに、静電容量に対する乳房の皮膚の寄与を減算するステップを含む。
本発明の一部の実施形態によると、静電容量に対する皮膚の寄与および乳房の総静電容量は、異なる電気回路によって測定される。
本発明の一部の実施形態によると、該方法はさらに、皮膚の厚さを測定するステップを含み、静電容量に対する皮膚の寄与は厚さに基づいて推定される。
本発明の一部の実施形態によると、静電容量は、皮膚との電気的接触を欠く容量測定装置によって測定される。
本発明の一部の実施形態によると、静電容量は少なくとも部分的に、静電容量ブリッジ、LCRメータ、および発振周波数測定装置から成る群から選択される少なくとも1つの装置によって測定される。
本発明の一部の実施形態によると、静電容量は複数の電極を介して測定され、多重化サイクルの異なるサブサイクルで、静電容量を測定するために異なる組の電極が使用されるように、該方法は少なくとも1多重化サイクルを使用する。
本発明の一部の実施形態によると、該方法はさらに、少なくとも1多重化サイクル中に、将来のセッションにおける乳房の容量測定位置を決定するために測定された容量値を用いるステップを含む。
本発明の一部の実施形態によると、該方法はさらに、乳房の異なる深さの測定感度を区別するように、少なくとも1多重化サイクル中に測定された容量値を解析するステップを含む。
本発明の一部の実施形態の態様では、授乳監視システムを提供する。該システムは、授乳中の乳房の静電容量の変動を測定するように適応された容量測定ユニットと、静電容量の変動を乳房から授乳される乳幼児が消費した母乳の量に相関させるための処理ユニットとを含む。
本発明の一部の実施形態によると、容量測定ユニットは、静電容量に対する乳房の皮膚の寄与を低減しながら、乳房の内部の静電容量を測定するように構成される。
本発明の一部の実施形態によると、容量測定ユニットは、乳房の皮膚に印加される電流に応答して皮膚からサンプリングされる電圧の位相に基づいて容量を決定するように構成される。
本発明の一部の実施形態によると、容量測定ユニットは乳房の皮膚に接続可能な少なくとも4つの電極を含む。
本発明の一部の実施形態によると、システムはさらに、過去の授乳セッションで収集した履歴データを格納するための記憶媒体を含み、処理ユニットは履歴データを用いて相関を補正するように構成される。
本発明の一部の実施形態によると、システムはさらに、乳房の電気抵抗を測定するための抵抗測定ユニットを含み、処理ユニットは電気抵抗と静電容量との乗算を算出するように構成され、母乳の量は乗算に相関される。
本発明の一部の実施形態によると、処理ユニットは、授乳の前に収集した較正データに基づいて乗算を補正するように構成される。
本発明の一部の実施形態によると、電気抵抗および静電容量は複数の周波数で測定され、乗算は複数の周波数の各々に対して実行され、母乳の量は少なくとも2つの乗算の組合せに相関される。
本発明の一部の実施形態によると、処理ユニットは、静電容量に対する乳房の皮膚の寄与を減算するように構成される。
本発明の一部の実施形態によると、容量測定ユニットは、皮膚の寄与を測定するように構成された皮膚容量測定回路と、乳房の総静電容量を測定するように構成された総容量測定回路とを含む。
本発明の一部の実施形態によると、システムはさらに、皮膚の厚さを測定するための皮膚厚さ測定装置を含み、処理ユニットは、静電容量に対する皮膚の寄与を厚さに基づいて推定するように構成される。
本発明の一部の実施形態によると、容量測定ユニットは、乳房の皮膚から電気的に絶縁しながら、静電容量を測定するように構成される。
本発明の一部の実施形態によると、容量測定ユニットは、静電容量ブリッジ、LCRメータ、および発振周波数測定装置から成る群から選択される少なくとも1つの装置を含む。
本発明の一部の実施形態によると、静電容量は100MHz未満の周波数で測定される。
本発明の一部の実施形態によると、静電容量は複数の電極を介して測定され、システムは、多重化サイクルの異なるサブサイクルで、静電容量を測定するために異なる組の電極が使用されるように、少なくとも1多重化サイクルを使用するためのコントローラを含む。
本発明の一部の実施形態によると、処理ユニットは、将来のセッションにおける乳房の容量測定位置を決定するために、少なくとも1多重化サイクル中に測定された容量値を使用するように構成される。
本発明の一部の実施形態によると、処理ユニットは、乳房の異なる深さの測定感度を区別するために、少なくとも1多重化サイクル中に測定された容量値を解析するように構成される。
別途定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術的用語および/または科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載される方法および材料と類似または同等である方法および材料を本発明の実施または試験において使用することができるが、例示的な方法および/または材料が下記に記載される。矛盾する場合には、定義を含めて、本特許明細書が優先する。加えて、材料、方法および実施例は例示にすぎず、限定であることは意図されない。
本発明の実施形態の方法および/またはシステムを実行することは、選択されたタスクを、手動操作で、自動的にまたはそれらを組み合わせて実行または完了することを含んでいる。さらに、本発明の装置、方法および/またはシステムの実施形態の実際の機器や装置によって、いくつもの選択されたステップを、ハードウェア、ソフトウェア、またはファームウェア、あるいはオペレーティングシステムを用いるそれらの組合せによって実行できる。
例えば、本発明の実施形態による選択されたタスクを実行するためのハードウェアは、チップまたは回路として実施されることができる。ソフトウェアとして、本発明の実施形態により選択されたタスクは、コンピュータが適切なオペレーティングシステムを使って実行する複数のソフトウェアの命令のようなソフトウェアとして実施されることができる。本発明の例示的な実施形態において、本明細書に記載される方法および/またはシステムの例示的な実施形態による1つ以上のタスクは、データプロセッサ、例えば複数の命令を実行する計算プラットフォームで実行される。任意選択的に、データプロセッサは、命令および/またはデータを格納するための揮発性メモリ、および/または、命令および/またはデータを格納するための不揮発性記憶装置(例えば、磁気ハードディスク、および/または取り外し可能な記録媒体)を含む。任意選択的に、ネットワーク接続もさらに提供される。ディスプレイおよび/またはユーザ入力装置(例えば、キーボードまたはマウス)も、任意選択的にさらに提供される。
本明細書では本発明のいくつかの実施形態を単に例示し添付の図面を参照して説明する。特に詳細に図面を参照して、示されている詳細が例示として本発明の実施形態を例示考察することだけを目的としていることを強調するものである。この点について、図面について行う説明によって、本発明の実施形態を実施する方法は当業者には明らかになるであろう。
図1は、本発明の種々の例示的実施形態に係る、乳房から授乳される乳幼児によって消費された母乳の量を監視するのに適した方法を示すフローチャート図である。
図2は、母乳の量が乳房の静電容量および電気抵抗に相関される実施形態の方法のフローチャート図である。
図3Aは、本発明の種々の例示的実施形態に係る、乳房上の電極構成の略図である。図3Bは、本発明の種々の例示的実施形態に係る、乳房上の別の電極構成の略図である。
図4は、図3の構成の電気的類似物の略図である。
図5は、本発明の種々の例示的実施形態に係る、内部乳房組織の3部品の電気的類似物の略図である。
図6は、容量を測定するためにパッドが使用される、本発明の実施形態の略図である。
図7は、本発明の種々の例示的実施形態に係る、授乳監視システムの略図である。
図8は、搾乳中に圧搾する腺胞を記載する略図である。
図9は、本発明の一部の実施形態によって使用される計算モデルに係る腺胞の配列を記載する略図である。
図10は、本発明の一部の実施形態に従って実施された実験で測定された、ミリリットル単位の消費母乳の量の関数としてのナノファラッド単位の容量を示す。
図11は、本発明の一部の実施形態に従って実施された実験で50kHzの周波数に対して測定された消費母乳の量の関数としての抵抗×容量の乗算を示す。
図12は、本発明の一部の実施形態に従って実施された実験で25kHzの周波数に対して測定された消費母乳の量の関数としての抵抗×容量の乗算を示す。
図13は、本発明の一部の実施形態に従って実施された実験で測定された消費母乳の量の関数としての腺胞の抵抗に対する細胞内水の抵抗の比を示す。
図14は、本発明の一部の実施形態に従って実施された別の組の実験で測定された50kHzの周波数の場合の時間の関数としての容量を示す。
図15は、図14の測定容量を消費母乳の量の関数として示す。
図16は、本発明の一部の実施形態に従って実施された実験で測定された50kHzの周波数の場合の時間の関数としての容量を示す。
図17は、本発明の種々の例示的実施形態に従って、補正手順を使用した後で得られた実験結果のヒストグラムである。
図18は、本発明の一部の実施形態に従って実施された実験で測定された時間の関数としての生の容量信号を示す。
図19は、本発明の一部の実施形態に従って実施された別の組の実験で測定された時間の関数としての生の容量信号を示す。
本発明は、その一部の実施形態では、授乳に関し、さらに詳しくは、容量測定によって授乳を監視するための方法および装置に関するが、それに限定されない。
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳しく説明する前に、本発明は、その適用において、下記の説明に示されるか、および/または図面および/または実施例において例示される構成要素および/または方法の組み立ておよび構成の細部に必ずしも限定されないことを理解しなければならない。本発明は他の実施形態が可能であり、または様々な方法で実施または実行されることが可能である。
本発明の発明者らは、乳房の母乳の量が乳房の静電容量に相関させることができることを発見した。授乳前後の母乳の量は、乳房から授乳される乳幼児によって消費された母乳の量を推定するのに使用できることが認識されている。これは、乳房における母乳の生産率が60ml/時未満(平均約30ml/時)である一方、乳幼児の典型的吸乳率が約400ml/時であるためである。したがって、母乳の量を時間微分して平均生産率を加えると、吸乳率が最大信頼度で誤差7%以内で推算される。
したがって、本発明の発明者らは乳房の静電容量を測定することによって、消費された母乳の量を監視するための技術を考案した。本発明の発明者らの発見に係る、乳房の静電容量に対する母乳の量(体積または質量)の依存性を次に説明する。
母乳は、直径が約0.1mmの小さい腺である乳房の腺胞に貯蔵される。搾乳中に、腺胞は大きさが縮小する。各腺胞の膜はイオン伝導を阻止するので、誘電層として挙動する。AC電界の下で、これらの膜は変位電流を導通し、したがって乳房の静電容量に影響を及ぼす。さらに詳しくは、乳房の静電容量を測定することによって、ランダム配向の腺胞の平均断面を感知することができる。腺胞の平均断面はそれらの平均体積のプロキシであり、したがって乳房における母乳の量のプロキシでもあることが認識される。
いかなる理論にも束縛されることなく、母乳は分子力だけで腺胞内に保持されるので、腺胞の形状および大きさはほぼ普遍的である。腺胞の大きさは上記から自発的排乳を防止しなければならず、かつ下記から比較的低い吸引力による母乳吸引を可能にしなければならない。この近似の下で、測定された静電容量と母乳量との間の関係も普遍的である。
搾乳中に収縮する乳房の組織には2種類ある。腺胞および筋上皮細胞である。筋上皮細胞は腺胞を包囲し、母乳の枯渇を助長するためにオキシトシンホルモンに応答して収縮する。しかし、筋上皮細胞は乳房体積の1〜6%を占めるので、それらの収縮の静電容量に対する影響は無視できるほど小さいと予想される。腺胞と乳首との間の管内の母乳の量は約10mlであり、約200mlを貯蔵する腺胞に比べて小さい。したがって、適正に近似して、平均腺胞体積に対する静電容量の依存性は直線的とみなすことができる。腺胞の静電容量と平均体積との間の関係についての追加的考慮点は、後述する実施例の節で提供する(実施例1参照)。
ここで図面を参照すると、図1および2は、本発明の種々の例示的実施形態に係る、乳房から授乳される乳幼児が消費する母乳の量を監視するのに適した方法を示すフローチャート図である。
別段規定しない限り、下述する操作は、多くの組合せまたは実行順序で、同時にまたは順次に実行することができることを理解されたい。特に、フローチャート図の順序は制限とみなすべきではない。例えば、以下の説明またはフローチャート図に特定の順序で現われる2つ以上の方法ステップは、異なる順序で(例えば逆順で)、または実質的に同時に実行することができる。さらに、下述する幾つかの方法ステップは任意であり、実行されなくてもよい。
該方法は10で開始され、任意選択的に11に続き、そこで授乳中に乳房の静電容量Cが測定される。静電容量は、当業界で公知の任意の測定装置を用いて測定することができる。本発明の一部の実施形態に係る、静電容量を測定するための好適な実施形態を以下に提示する。一部の実施形態では、11は実行されない。これらの実施形態では、該方法は外部情報源から静電容量データを受け取ることが好ましい。
該方法は12に続き、そこで授乳中の静電容量の変動が決定される。該方法は13に進み、そこで静電容量の変動は乳幼児が消費する母乳の量に相関される。本発明の一部の実施形態では、該方法は14に進み、そこで相関は、過去の授乳セッション中に収集した履歴データを用いて補正される。履歴データは、静電容量データおよび/または母乳量データおよび/または連続セッション間の間隔に関するデータを含むことができる。
履歴データは2通り以上のやり方で使用することができる。本発明の一部の実施形態では、履歴データは較正に使用される。本発明の一部の実施形態では、幾つかのセッションで収集された平均値は、抽出される母乳量の精度を経時的に改善するために使用される。一部の実施形態では、履歴データは、例えば静電容量の最新値またはその後続値と履歴データ内の最小静電容量とを比較することによって、乳房の母乳の絶対量を推定するために使用される。任意選択的に、推定は少なくとも部分的に、連続セッション間の間隔および/または過去のセッションで静電容量を測定するために使用した手順(例えば電極配置等)に基づく。
該方法は15で終了する。
図2は、母乳の量が乳房の静電容量および電気抵抗に相関される実施形態の方法のフローチャート図である。該方法は10で開始され、21に続き、そこで静電容量Cが得られ、22に続き、そこで電気抵抗Rが得られる。該方法はCおよび/またはRを直接測定するか、あるいは静電容量および/または抵抗データを外部情報源から受け取ることができる。該方法は次いで23に続くことができ、そこで該方法はR×Cを乗算し、24で該方法はRCの変動を決定し、それらを消費された母乳の量に相関させる。母乳の量を推定するための手段としてRCを使用する利点は、授乳セッション中に発生する乳房の形状の変化に対してそれが実質的に不変であることである。
本発明の一部の実施形態では、授乳セッションの前に、20で示される較正測定が先行し、それは較正データを収集するために実行される。これらの実施形態では、RCの値は較正データを用いて補正され、母乳の量はRCの補正値に相関される。本発明の一部の実施形態に係る好適な校正手順は後で提示する。
本発明の一部の実施形態では、該方法は、上で詳述した通り、過去の授乳セッション中に収集した履歴データ(例えば静電容量、抵抗、母乳量、連続セッション間の間隔)を用いて相関を補正する。
該方法は15で終了する。
本発明の種々の例示的実施形態で、静電容量は、100MHz未満、好ましくは約1kHzないし約100MHz、さらに好ましくは約1kHzないし約10MHz、いっそう好ましくは約1kHzないし約1MHzもしくは約1kHzないし約100kHzもしくは約10kHzないし約100kHzの周波数で測定される。この実施形態の利点は、低周波では乳房の細胞内液が主として誘電性物質としてではなく、イオン溶液としてふるまい、かつ残りの誘電性物質が乳房内部の薄い膜および皮膚に存在することである。
本発明の一部の実施形態では、静電容量の測定は、静電容量に対する皮膚の寄与を低減または最小化しながら、乳房の内部の静電容量を決定するために実行される。内部乳房組織の静電容量の変動は、生物学的誘電性物質の量または形状の変動から引き起こされ、したがって乳房内の母乳の量に対しよく相関する。
以下は、本発明の種々の例示的実施形態に係る、乳房の静電容量を測定するための幾つかの技術の説明である。
一部の実施形態では、測定は、皮膚および内部乳房組織に電流を通し、皮膚から応答電圧をサンプリングすることを含む。これは乳房の皮膚に接続された複数の電極を介して行なうことができる。これらの実施形態では、乳房の静電容量および任意選択的に抵抗は、サンプリングされる電圧の位相に基づいて決定される。
図3は、本発明の一部の実施形態に従って位相を測定するために使用することのできる構成の略図である。図3は4電極構成を使用する実施形態を示すが、電極の数は4以外とすることができることを理解されたい。本発明の種々の例示的実施形態では、少なくとも4つの電極を使用する。
図3に示されているのは、乳房32の皮膚に取り付けられ、4つのワイヤ34‐1、34‐2、34‐3、および34‐4それぞれを介して静電容量測定ユニット36と電気的に連絡した4つの電極30‐1、30‐2、30‐3、および30‐4である。電極は、皮膚に付着させるかあるいは授乳用ブラジャに(例えばブラジャの紐に)狭持させることのできるパッドまたはチップ(図示せず、例えば図6参照)上に形成するかあるいはそれと一体化することができる。電極を皮膚に押し当てるために、アーク、発泡体、またはばねのような押圧機構を使用することができる。
1対の電極(例えば電極30‐1および30‐4)は、AC電流を皮膚に印加する電流対として働くことができ、かつ別の1対の電極(例えば電極30‐2および30‐3)は、皮膚から電圧をサンプリングする電圧対として働くことができる。電圧対の電極は、高入力インピーダンスを特徴とする増幅器38により緩衝されることが好ましい。最小限の電流でまたは電流無しで電圧のサンプリングを確実にするために、増幅器38の入力インピーダンスは少なくとも100MΩまたは少なくとも1GΩであることが好ましい。
乳房における電極の好適な位置は乳房の上部、乳首の約4〜8cm上である。この位置を選択する利点は、乳房のこの部分が略平面状であり、かつ形状が搾乳中に著しく変化しないことである。電極は、電極の皮膚への迅速な付着を可能にするために粘着性にすることのできるパッド(図示せず、図6参照)に配設することができる。
伝達される電流の振幅は、約0.05mAないし約0.5mAであることが好ましい。電流対に印加される信号の振幅は、電極と皮膚との間の電気的接触の質によって変化し得る。一般的に、良好な電気的接触は印加信号の振幅を低下させる。例えば裸で滑らかな導電性電極を使用する場合、所望の電流が生じるように1〜5ボルトのピークピーク振幅を電流対に印加することができる。
電極と皮膚との間の電気的接触は増強させることができ、それによって伝達電流を発生させる信号の振幅が低減される。増強された電気的接触は、皮膚レベルの下深くの電位面からの電圧の感知を促進することもでき、それによって本発明の実施形態で乳腺胞を包含する乳房組織の部分の静電容量の変化を測定することが可能になる。電気的接触は、当業界で公知の任意の接触増強技術を用いて増強することができる。
本発明の一部の実施形態では、導電性電極ゲルを使用する。この目的を達成するために、心電図(ECG)電極に一般的に使用されるゲルを使用することができる。このゲルは皮膚(表皮)の角質層を透過し、皮膚の下の組織との適切な電気的接触を可能にする。電極の接触面は例えば、ゲルと電気化学的に反応して電流を増大させるAgClから作ることができる。この実施形態は、低い周波数、例えば20KHz未満で特に有用である。本発明の一部の実施形態では、金属(例えばステンレス鋼)電極面上に電極ゲルまたはヒドロゲルを使用する。電極の裏面はスクリーン印刷された導電層を含むことができる。この実施形態は、約20KHzないし約1MHzの周波数で特に有用である。電極ゲルの使用は、皮膚への電極の圧力に対する貫通電流の依存性を低減するので、測定一貫性の観点からも有利である。電極ゲルを使用する場合、所望の電流が生じるように、約0.5ボルトのピークピーク振幅を電流対に印加することができる。
本発明の一部の実施形態では、電極面は導電性バルジまたは歯を含む。表面を皮膚に押圧すると、皮膚の静電容量が増大し、それによって皮膚の下の組織への電流のよりよい伝達が促進される。短い歯は皮膚(角質層)の外側不感層を貫通することができず、したがって液体またはゲルを塗布することなく電極ゲルの機能を模倣することができない。電極表面に導電性バルジまたは歯が含まれる場合、所望の電流が生じるように、約0.5ボルトから約1ボルトまでのピークピーク振幅を電流対に印加することができる。
図3の構成の電気的類似物を図4および5に示す。図4および5は単純化された回路であり、それは本発明の範囲をいかなるやり方でも限定するものとみなすべきではないことは理解される。図4の構成部品の値は、ボール電極を皮膚に押し付けた状態で、約10ないし約100KHzの周波数時の典型的な乳房測定結果を示す。
AC発電機はワイヤ34‐1および34‐4を介して、皮膚から内部乳房組織にAC電流を伝達する。伝達電流の振幅および位相は、電流サンプリングおよび測定装置によってサンプリングされる。内部乳房組織の電圧の振幅および位相は、ワイヤ34‐2および34‐3を介して、電圧サンプリングおよび測定装置によってサンプリングされる。特定の理論に束縛されることなく、内部組織は、細胞内水を介するガルバニック(イオン)伝導性のため、抵抗器Rbに相当するものとしてモデル化され(図5参照)、それは、腺胞膜の変位コンダクタンスのため、直列の抵抗器RaおよびコンデンサCaと並列である。内部組織内の電流の通過は、低インピーダンス(約10Ω)の伝導を介してモデル化される(図3参照)。皮膚は、組織よりずっと高い抵抗、および高い静電容量値を有するものとしてモデル化される。
内部乳房組織の静電容量および任意選択的に抵抗は、電圧および電流のサンプリングされた値を用いて算出することができる。特に、静電容量は、関係Zcap=1/(iωC)を用いてi(εlI)/sinΔφと定義される容量性インピーダンスZcapを算出することができる。関係式中、Iは印加電圧、εはサンプリングされた電圧、ΔφはεとIとの間の位相差であり、i=−1であり、ω=2πfであり、fは印加信号の周波数である。母乳の量がRおよびCに相関される実施形態では、乗算RCは次の関係:
を用いて算出することができる。式中、Zresは、(εlI)/cosφと定義される測定された抵抗性インピーダンスである。
電流を知ることも、皮膚における乾燥電極の圧力を検出するために生かせる。抵抗および静電容量は、皮膚における電極の電流および圧力に若干依存する。4線式測定では、乾燥電極間の圧力の均衡(両側間の差)が、静電容量結果を若干変化させる。以下の手順は、均衡を追跡するために使用することができる。電流ワイヤに一時的にスイッチを入れる。最も右側の電極対間に一度、かつ最も左側の電極対に一度、電流が流れ、2つの電流を比較することができる。電流がほぼ同じ(例えば10%以内)である場合には、圧力は均衡しているとみなすことができる。
授乳の前に較正測定が先行する実施形態では、較正はCまたはRCと測定のパラメータとの間の関係として表わすことができる。これらのパラメータは制限無く、電流I、DCバイアスεdc、および電極構成の両側間の均衡IlIを含み、ここでIは信号が例えば電極30‐1および30‐2の間を通過するときに測定された電流であり、Iは例えば電極30‐3および30‐4の間を通過するときに測定された電流である。例えば較正は、例えば次の関係:
による当てはめ手順を含むことができる。式中、a、a、およびaは適合パラメータであり、C、I、およびεdc0は較正中の平均値である。ひとたびa、a、およびaが適合すると、授乳を開始することができ、母乳の量を以下、(RC)compと呼ぶ数量(I/Ia1(εdc/εdc0a2(I/Ia1RCに相関させることができる。較正のパラメータは、百分率誤差の観点から(RC)compのばらつきを低減するように選択することが好ましい。
本発明の種々の例示的実施形態において、静電容量および任意選択的に電気抵抗が複数の周波数で測定される。これらの実施形態において、伝達電流を生じさせる信号は、サンプリングされる周波数の数によって、発振波形の重畳であることが好ましい。母乳の量は、各個別周波数に対し、Cおよび任意選択的にRCの測定値の組合せに基づいて推算することができる。
例えば、一般性を失うことなく、生データを2つの周波数で収集し、次の関係:
に従って、各周波数に対しデータを複素数値電流Iおよび電圧εから抽出された抵抗Rおよび静電容量Cで表現すると想定する。
他方、乳房の3部品電気モデル(図4参照)では、構成部品は次の関係:
を介して解釈される。
一般性を失うことなく、2つの周波数間の比は2であると想定する。より高い周波数に対する抵抗および静電容量の値をRおよびCによって表わし、かつより低い周波数に対する抵抗および静電容量の値をR1/2およびC1/2によって表わし、次の公式:
および
を用いて有用な尺度を得ることができる。
本発明の発明者らが実行した実験で、比R/Rは、RCにほぼ比例することが分かった。この比はまた腺胞および組織の残部の断面積の比にも近似し、したがって、本発明の一部の実施形態に従って、乳房で他の領域に比べて大きい腺胞群が占める領域を探索するために使用することができる。
本発明の発明者らが実行した実験で、母乳の量は次の数量:
に相関させることができることが分かった。ここで記号〈〉は、過去の幾つかの授乳セッション中に収集した履歴データ(本実施例ではRおよびR1/21/2)の平均を表わし、記号Δは、授乳前に測定したR1/21/2の値と授乳後に測定したR1/21/2の値との間の差を表わす。本発明の一部の実施形態では、履歴データ平均の1つ以上が所定の値に置換される。
乳幼児によって消費された全母乳量もまた、静電容量の次の正規化変化:
に相関させることができる。式中、Cは授乳前の静電容量であり、Cは授乳後の静電容量である。
本発明の一部の実施形態では、2組以上の電極(例えば1組当たり4つ以上の電極)が乳房に付着され、推算母乳量の精度を向上するために組間および組の電極間の多重化技術が使用される。この実施形態を図3Bに示す。一般的に30で示す複数の電極が乳房32と接触し、一般的に34で示す複数の接続ワイヤを介してユニット36内のコントローラ40に接続される。提示を明確にするために、図3Bは各個別電極および各個別接続ワイヤに対して一意の参照符号を示していない。また、接続ワイヤの一部しか描かれていないが、マイクロプロセッサを有するコントローラ40に電極をどのように接続するか、当業者にはお分かりであろう。
コントローラ40は、種々の電極間で時分割多重化を実行するように構成することが好ましい。多重化サイクルは2つ以上のサブサイクルを含み、各サブサイクルでコントローラ40は異なる組の電極を選択し、ユニット36は、選択された組の電極を用いて測定を実行する。本発明の一部の実施形態では、コントローラ40は1サブサイクル当たり4つの電極を選択する。これらの実施形態で、ユニット36は上で詳述した通り4線式測定を実行し、それぞれのサブサイクルに対し2つの電極が電流対として働き、それぞれのサブサイクルに対し2つの電極が電圧対として働く。
多重化の使用は、局所的擾乱(例えば電極が血管または別の種類の異質物に近い場合)の測定値に対する影響を軽減する。将来のセッションで電極を付着させるための適切な位置を決定するために、幾つかの組の電極からのデータ収集を使用することもできる。これは、例えば収集したデータ(例えばRCまたはR/Rの値)が他の位置で収集したデータから実質的に逸脱している位置を除外することによって、行なうことができる。
種々の電流および電圧電極対間の多重化は、乳房組織における種々の高さに対する選択的感度を促進することができる。選択的感度は、静電容量トモグラフィに使用されるような種々の解析原理に基づくことができる。そのような解析は、種々の電極組合せによって取得した、搾乳に関連する容量性インピーダンスの変動に対して実行することができる。例えば、2つ以上の電極組合せのΔlog(C)(授乳前後の静電容量対数の差)の値を適切な感度係数と集計することができる。結果は、組織の特定の深さにおけるΔlog(C)の再構築値とすることができる。したがってそのような技術は、単一インピーダンス測定値が処理されるのと同じやり方で、乳腺胞の多い乳房の領域からの応答を捕捉し、搾乳によるそれらの静電容量の変化を抽出することを可能にする。
本発明の一部の実施形態では、測定数量または数量の組合せを母乳の量に相関させながら、総母乳生産率が考慮される。この実施形態は、授乳セッションが比較的長い(例えば30分を超える)ときに特に有用である。平均母乳生産率(1時間当たり約30ml)に授乳持続時間を乗算し、乳房における母乳量の変化を加算することができる。
図6は、静電容量測定ユニットが乳房32の静電容量の変化を感知するための2つ以上の感知電極64‐1および64‐2を有するパッド60を含む実施形態を概略的に示す。電極64‐1および64‐2は、例えば図示するように2線式接続を介して、静電容量測定回路62に接続することができる。図6はパッド60における2つの電極の配設を示すが、必ずしもそうする必要は無く、パッド60は3つ以上の電極を含むことができる。また、パッド60は、パッド60における電極の数とは異なることができる任意の数のワイヤを介して、回路に接続することができる。例えばパッド60は、1対ずつブリッジされ2線式接続を介して回路62に接続された、4つの電極を含むことができる。1つのそのような構成は、電極30‐1が電極30‐2とブリッジされ、かつ電極30‐3が電極30‐4とブリッジされることを除いては、図3に示す構成と同様である。
パッド60は、乳房へのパッドの付着を促進するために、粘着性パッドとすることができる。また、2つの着脱可能な部品を含むパッドも考えられ、その場合、授乳セッションの終了時にパッドの1つの部品は取り外され、もう1つの部品は、次のセッションで電極を付着するための位置をマークするために乳房に残される。授乳の開始時に、パッドが適位置に取り付けられた後、パッドのマーカ部品は授乳の妨げにならないように取り外すことができる。
パッドはまた非粘着性にすることもできる。この実施形態では、パッド60は授乳ブラジャ(例えばブラジャの紐)等に取り付けることができる。取付けは、乳房の形状の変形を最小限または零にして、パッドが例えばアーク、発泡体、またはばねのような押圧機構によって皮膚に押し付けられるようにすることが好ましい。例えばパッドおよび取付け機構は、乳房の輪郭に合わせて調整可能にすることができる。
パッド60の電極は、希望に応じて、皮膚と電気的に接触するか、あるいは皮膚との電気的接触を無くすことができる。電極が皮膚と接触する構成は強い信号の観点から好ましい一方、接触しない構成は、授乳する母親の快適性の観点から好ましい。皮膚に接触することなく測定された静電容量値は電流の影響を受けにくいが、皮膚と直接接触して測定された値と比較して著しく低いことは理解される。それでもなお、非接触構成は乳房の形状の変化に対して充分に敏感であり、したがって乳幼児が消費する母乳の量に相関させることができることを、本発明の発明者らは発見した。
回路62は、感知電極が皮膚に接触しない場合、ピコファラッド以下の範囲の静電容量の変化(例えば0.01〜1pF)に感応し、感知電極が皮膚と接触する場合、ナノファラッド範囲の静電容量の変化(1〜100nF)に感応することが好ましい。本発明の一部の実施形態では、回路62は静電容量ブリッジを含み、一部の実施形態では、回路62はLCRメータを含む。また、回路62が、電極の1つを介してフィードバックループを用いてトランジスタまたは増幅器の発振周波数を検出する、発振周波数測定装置である実施形態も考えられる。
本発明の一部の実施形態では、母乳の量によりよく相関する内部乳房組織の静電容量を分離するために、静電容量に対する皮膚の寄与は測定された静電容量から減算される。
静電容量に対する皮膚の寄与は、2通り以上の仕方で測定することができる。図6に概略的に示す一部の実施形態では、総静電容量は回路62によって測定され、皮膚静電容量は、回路62とは異なる皮膚静電容量測定回路66によって測定される。回路66は例えば、その内容を参照によって本書に援用するRosellらのIEEE、trans.Biomed.Eng35(8)、649(1988)に開示された技術のうちの1つのような、3線式静電容量測定技術を使用することができる。一部の実施形態では、静電容量に対する皮膚の寄与は皮膚の厚さに基づいて推定される。皮膚の厚さは外部情報源からの入力として受け取ることができ、あるいは測定することができる。皮膚の厚さを測定するための非侵襲的技術は当業界で公知である。一部の実施形態では、皮膚の厚さは、皮膚の方向に赤外光を放出し、光を散乱させる血液からの距離に応じて反射光強度を検出する、酸素濃度計によって測定される。測定された距離は乾燥皮膚層の厚さである。
ここで図7を参照すると、それは、本発明の種々の例示的実施形態に係る授乳監視システム70の略図である。システム70は、上述しかつ図1および2のフローチャート図に示した操作のいずれかを実行するために使用することができる。
システム70は、授乳中に乳房の静電容量の変動を測定するように適応された静電容量測定ユニット72と、静電容量の変動を授乳される乳幼児によって消費された母乳の量に相関させるための処理ユニット74とを備える。ユニット74はデジタル処理ユニットであることが好ましい。静電容量測定ユニット72は、静電容量に対する皮膚の寄与を低減しながら、乳房の内部の静電容量を測定するように構成することが好ましい。例えばユニット72は、上で詳述した通り、乳房の皮膚(図示せず、図3および6参照)に接続可能な複数の電極を含むことができる。本発明の種々の例示的実施形態では、ユニット72は、上で詳述した通り、少なくとも部分的に応答電圧の位相に基づいて、静電容量を決定する。システム70はさらに、上で詳述した通り、乳房の電気抵抗を測定する抵抗測定ユニット78を備えることができる。処理ユニット74は、上で詳述した通り、乗算RCを計算し、母乳の量をRCの値に相関させることができる。本発明の種々の例示的実施形態では、システム70は、上で詳述した通り、種々の電極間で時分割多重化を実行するコントローラ40を備える。
ユニット74は、相関の精度を向上するために上記計算手順のいずれかを実行するように構成することができる。したがって、例えば一部の実施形態では、ユニット74は異なる周波数で得た測定値を組み合わせ、一部の実施形態では、ユニット74は較正係数を計算し、一部の実施形態では、ユニット74は過去の授乳セッションで収集した履歴データを用いて相関を補正し、一部の実施形態では、ユニット74は、将来のセッションの適切な測定位置を決定するために、かつ/または乳房の異なる深さにおける測定感度を区別するなどのために、多重化サイクルの種々のサブサイクルで得た測定値を解析する。本発明の種々の例示的実施形態では、システム70は、履歴データを格納するための記憶媒体76を含む。記憶媒体76は不揮発性記憶媒体であることが好ましい。
本発明の一部の実施形態では、処理ユニット74は、静電容量に対する皮膚の寄与を減算するように構成される。これらの実施形態では、静電容量測定ユニット72は、上で詳述した通り、皮膚静電容量測定回路および総静電容量測定回路を含むことが好ましい。システム70はさらに、上で詳述した通り、皮膚の厚さを測定する皮膚厚測定装置80を備えることができる。この実施形態では、処理ユニット74は皮膚の厚さの値を装置80から受け取り、厚さに基づいて静電容量に対する皮膚の寄与を推定する。
システム70はまた、ユーザインタフェースモジュール82およびディスプレイ装置84をも備えることができる。ユーザインタフェース84は、例えば授乳の開始および終了に関してユーザからの入力を受け取るように構成することができる。ディスプレイ装置84は、ユニット74と同一ハウジングに取り付けられたミニアチュアディスプレイとすることができる。ディスプレイ装置84は、監視結果を表示するのに役立つ。ディスプレイは、授乳中の搾乳の進捗を例えば棒グラフの形で示すことができる。最終段階で、ディスプレイ装置84は消費された母乳の量を表示することができる。
本出願から成熟する特許の存続期間の期間中には、多くの関連する容量測定技術が開発されることが予想され、容量測定装置の用語の範囲は、すべてのそのような新しい技術を先験的に包含することが意図される。
本明細書中で使用される用語「約」は、±10%を示す。
用語「例示的」は、本明細書では「例(example,instance又はillustration)として作用する」ことを意味するために使用される。「例示的」として記載されたいかなる実施形態も必ずしも他の実施形態に対して好ましいもしくは有利なものとして解釈されたりかつ/または他の実施形態からの特徴の組み入れを除外するものではない。
用語「任意選択的」は、本明細書では、「一部の実施形態に与えられるが、他の実施形態には与えられない」ことを意味するために使用される。本発明のいかなる特定の実施形態も対立しない限り複数の「任意選択的」な特徴を含むことができる。
用語「含む/備える(comprises、comprising、includes、including)」、「有する(having)」、およびそれらの同根語は、「含むが、それらに限定されない(including but not limited to)」ことを意味する。
用語「からなる(consisting of)」は、「含み、それらに限定される(including and limited to)」ことを意味する。
用語「から本質的になる(consisting essentially of)」は、さらなる成分、工程および/または部分が、主張される組成物、方法または構造の基本的かつ新規な特徴を実質的に変化させない場合にだけ、組成物、方法または構造がさらなる成分、工程および/または部分を含み得ることを意味する。
本明細書中で使用される場合、単数形態(「a」、「an」および「the」)は、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、複数の参照物を包含する。例えば、用語「化合物(a compound)」または用語「少なくとも1つの化合物」は、その混合物を含めて、複数の化合物を包含し得る。
本開示を通して、本発明の様々な態様が範囲形式で提示され得る。範囲形式での記載は単に便宜上および簡潔化のためであり、本発明の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈すべきでないことを理解しなければならない。従って、範囲の記載は、具体的に開示された可能なすべての部分範囲、ならびに、その範囲に含まれる個々の数値を有すると見なさなければならない。例えば、1〜6などの範囲の記載は、具体的に開示された部分範囲(例えば、1〜3、1〜4、1〜5、2〜4、2〜6、3〜6など)、ならびに、その範囲に含まれる個々の数値(例えば、1、2、3、4、5および6)を有すると見なさなければならない。このことは、範囲の広さにかかわらず、適用される。
数値範囲が本明細書中で示される場合には常に、示された範囲に含まれる任意の言及された数字(分数または整数)を含むことが意味される。第1の示された数字および第2の示された数字「の範囲である/の間の範囲」という表現、および、第1の示された数字「から」第2の示された数「まで及ぶ/までの範囲」という表現は、交換可能に使用され、
明確にするため別個の実施形態の文脈で説明されている本発明の特定の特徴が、単一の実施形態に組み合わせて提供されることもできることは分かるであろう。逆に、簡潔にするため単一の実施形態で説明されている本発明の各種の特徴は別個にまたは適切なサブコンビネーションで、あるいは本発明の他の記載される実施形態において好適なように提供することもできる。種々の実施形態の文脈において記載される特定の特徴は、その実施形態がそれらの要素なしに動作不能である場合を除いては、それらの実施形態の不可欠な特徴であると見なされるべきではない。
本明細書中上記に描かれるような、および、下記の請求項の節において特許請求されるような本発明の様々な実施形態および態様のそれぞれは、実験的裏付けが下記の実施例において見出される。
次に下記の実施例が参照されるが、下記の実施例は、上記の説明と一緒に、本発明を非限定様式で例示する。
実施例1
計算モデル
この実施例では、特定の理論に束縛されることなく、腺胞の静電容量と平均体積との間の関係に関する追加的考察を提示する。以下は、本発明の範囲をいかなるやり方でも限定する意図の無い計算モデルに基づく。
図8は、搾乳中に圧搾された単純化された腺胞を表わす略図である。提示を明確にするために、腺胞は短軸cに沿って圧搾された偏球として提示される。
ランダム配向の1つの偏球の平均断面積は、次のように計算することができる[Vickers and Brown Proc.R.Soc.Lond.A、457、283]。
ここでeは、e=(1‐c/α0.5と定義される偏球の楕円率であり、αは偏球の長径の2分の1である(α>c)。(σ)の最右項は0.88に等しい略定数である。
偏球の体積は、次の通りである。
偏球を平坦化すると、αは略一定であり、体積は偏球の面積に目立った変化無くcに比例する。(偏球の表面は、母乳量の変化に適応するために弾性的である必要はない)。
腺胞の均一な密度nを前提として、母乳の量Vは次のように腺胞の体積Vに関連させることができる。
ここでVbreastは乳房の有効体積である。
サンプリングされた体積における多くの腺胞の静電容量は、あたかも各位置に単一腺胞が層状に配設されているかのように、腺胞を計数することによって評価することができる(図9参照)。面積Asampを持つそのような層は、腺胞の全断面積(σ)を次のように画定する。
これは次のように書くことができる。
腺胞による全静電容量は、分離距離Lsampの電位面間で次のようにサンプリングされる。
ここでDeffは電位面間の絶縁材全体の有効幅である。したがって本計算モデルでは、直列の全ての静電容量が、絶縁層の有効厚さを持つ単一コンデンサに総計される。腺胞の各層において絶縁面の断面積は厚さdの膜4つであるので(胞のエンベロープを形成する腺胞の2側面における細胞の2側面)、全有効膜は次のように計算することができる。
したがって、全静電容量は次のように書くことができる。
ここでN=nVbreastは乳房内の腺胞の数である。
いかなる理論にも束縛されることなく、平均的なNでαおよびdは大部分の女性に普遍的な値を有すると想定することができ、さもなければ授乳は乳幼児にとって吸うのが難しくなるか、あるいは母乳が自発的に搾り出される。密度n、乳房における脂肪の量、および乳房の形状は、所与の母乳量Vに対するCの値に影響を及ぼすかもしれない。
実施例2
4線構成を使用する授乳監視
方法
母乳を分泌する11名の母親が合計で60回の搾乳セッションに参加し、そこで母親らは自分の乳児に45mlを超える量の母乳を搾乳または授乳し続けた。母乳の量は、搾乳の場合には搾乳時に約1/2分の数回の中断中に瓶に示される母乳のレベルに従って測定され、授乳の場合には食事前後の乳児の体重に従って測定された。前者の精度は5mlであり、後者は10mlである。搾乳される母乳の濃度を定期的に検査したところ、1グラム/ml(誤差7%以下)と想定することができる。
監視のために4線式ACインピーダンス法を使用した。4つの小児用ECG電極(ConMed Huggables 1620‐003)を乳房の上部で、各被験者に対し乳首から6〜7cm(±1cm)上の固定位置に、1直線に配置した。内側の電圧電極は65mm離され、外側の電流電極は電圧電極からさらに30mm離して配置された。サンプリング信号はボルト単位で波形0.5sin(ωt)+0.5sin(0.5ωt)であり(tは時間を表わす)、ここでω=2πfかつf=50kHzであった。
National Instrument USB‐6251D/A出力により2.5MHzの更新率で波形を発生し、INA117差動増幅器を介して緩衝した。この発振電圧を電流対の1つの電極に接続し、電流対のもう1つの電極は、抵抗器の電圧差に応じて電流をサンプリングするために使用された301オーム(0.1%)の抵抗器を介して大地に接続した。電圧対の電極は各々LT1793 JFet増幅器によって増幅し、NI USB‐6251取得カードのA/D機能によってサンプリングした。
サンプリングされた電圧εは、2つの増幅器の出力の電圧間の差に基づくものであった。サンプリングされた電流および電圧は、1MHzのサンプリングレートで1秒データのバンクサイズから高速フーリエ変換(FFT)を介して受け渡された。各検査周波数のピークを突き止め、次の方程式:
に基づいて、フーリエ変換された電流および電圧の位相および振幅を平行モデルで抵抗Rおよび静電容量Cに変換した。
結果
静電容量C、高い周波数(50kHz)および低い周波数(25kHz)の場合の乗算RC、ならびに消費された母乳の量の関数としての比R/Rの結果を、1回の実験セッションに対し、図10〜13にそれぞれ示す。Cはナノファラッド単位で表わされ(図10)、RCはナノ秒単位で表わされ(図11および12)、比R/Rは無次元である(図13)。消費された母乳の量はミリリットル単位で表わされる。異なる被験者における別の実験セッションの結果を、図14〜16に示す(50kHzの周波数で実施した)。
図11〜13に示す代表的実験セッションでは、以下のプロトコルを使用した。5分の休止(すなわち、搾乳または授乳をしない)、10分の搾乳(6分目から15分目まで)、4分の休止(16分目から19分目まで)、5分の授乳(20分目から24分目まで)、かつ2分の休止(25分目から26分目まで)。搾乳期間中に70mlが搾乳され、授乳期間中に40mlが授乳された。もう一方の乳房も全体で26分間監視したが、母乳は出なかった。
図10〜13の各点は、RおよびCの連続10個のサンプルの平均に基づいており、Cの標準偏差は10個のサンプルから計算した。平均から2%を超える標準偏差を持つ点は破棄した。安定度は約0.2〜1%であった。消費母乳量の関数としてのRCの勾配(図11および12)は、搾乳を開始する直前の最後の2点、および搾乳を停止した直後の最初の2点に基づいて計算した。搾乳量と電気的測定との間のスケーリングを見出すために、勾配を追跡した。
静電容量は、乳房内の腺胞からの母乳の枯渇のため9.5nFの初期値から7.7nFへの低下を示す(図10)。高い周波数(図11)および低い周波数(図12)のどちらでも乗算RCの線形依存性が観察された。他の全てのセッションで同様の挙動が観察された。この代表的セッションにおけるこの勾配Δ(RC)1/2/ΔVは、約−1.05ns/mlである。Rの値はセッション全体でわずかに変化した(R=4520±80ns)。
追加的実験セッションの結果を図14〜16に提示する。図14〜15は、搾乳中の静電容量対時間および対搾乳量の変動を示し、図16は抵抗の変動を示す。図14〜16で、菱形は乳児が乳房に触れる前後の測定値を表わす一方、ドットは乳児が乳房から母乳を吸うときの測定値を表わす(搾乳の軸に沿った後者の位置は一定授乳率を想定している)。乳児が乳房を掴むと形状が変化し、したがって静電容量および抵抗が変化するが、安定した測定値の間の線と比較して抵抗は増加し、静電容量は減少するので、乳児が掴むことによるRCの値における妨害は減少するはずである。160mlの搾乳中に静電容量の値は40%以上減少する一方、抵抗の変化は相対数がずっと小さいことに注目されたい(他の実験的セッションでは、抵抗の変動は搾乳に相関しない)。
考察
60回のセッションから抽出された勾配Δ(RC)1/2/ΔVの標準偏差は、平均勾配値の約25%であることが明らかになった。履歴データを用いてΔ(RC)1/2を補正すると、勾配は標準偏差が平均の約23.5%に低下することを示した。Δ(RC)1/2を補正するために、次の式を使用した。
図17は補正後の勾配のヒストグラムであり、平均勾配は100%にスケーリングされている。値の72%は、平均に対して誤差20%以内の勾配である。100%に対するパーセント単位の差は、所与のセットアップによる電気的測定に基づく母乳量の変化の予測における誤差と解釈することができる。補正後の勾配の平均値は、セットアップを授乳のためのモニタとして使用して、母乳量の変化を決定するために使用することができる。
本実験は、平均勾配を前提として、本発明の一部の実施形態に係るΔ(RC)1/2の差の測定値、ならびにRおよび(RC)1/2の初期値が、任意の女性について消費母乳量を23.5%の精度で予測することを可能にする。
実施例3
非接触構成を使用する授乳監視
乳房上に配置されるが授乳セッション中にはそれらと電気的に接触しない2つの電極間の静電容量を測定することによって、授乳中に乳児によって消費された母乳の量を監視した。
図18および図19は、pF単位の静電容量信号の生データを1回の授乳セッション中の任意の単位の時間の関数として示す。セッション全体で静電容量の連続的変化が観察された。観察された静電容量の変化は、授乳中に乳児が消費した母乳の量のプロキシと解釈される。
消費された母乳の量は、静電容量の次の正規化された変化に相関させることができる。
ここでCは授乳前の静電容量であり、Cは授乳後の静電容量である。
本発明はその特定の実施態様によって説明してきたが、多くの別法、変更および変形があることは当業者には明らかであることは明白である。従って、本発明は、本願の請求項の精神と広い範囲の中に入るこのような別法、変更および変形すべてを包含するものである。
本明細書で挙げた刊行物、特許および特許出願はすべて、個々の刊行物、特許および特許出願が各々あたかも具体的にかつ個々に引用提示されているのと同程度に、全体を本明細書に援用するものである。さらに、本願で引用または確認したことは本発明の先行技術として利用できるという自白とみなすべきではない。節の見出しが使用されている程度まで、それらは必ずしも限定であると解釈されるべきではない。

Claims (36)

  1. 乳房から授乳される乳幼児によって消費される母乳の量を監視する方法であって、授乳中の乳房の静電容量の変動を決定するステップと、前記静電容量の変動を乳幼児によって消費された母乳の量に相関させるステップとを含む方法。
  2. 前記変動を決定するために前記静電容量を測定するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記静電容量の前記測定は、前記静電容量に対する乳房の皮膚の寄与を低減しながら乳房の内部の静電容量を推定するために、実行される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記静電容量の前記測定は、乳房の皮膚に印加される電流に応答して前記皮膚からサンプリングされる電圧の位相を測定することを含む、請求項2に記載の方法。
  5. 前記位相は、乳房の皮膚に接続された少なくとも4つの電極を介して測定される、請求項4に記載の方法。
  6. 過去の授乳セッション中に収集した履歴データを用いて前記相関を補正するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  7. 乳房の電気抵抗を測定するステップと、前記電気抵抗と前記静電容量との間の乗算を算出するステップとをさらに含み、前記母乳の量は前記乗算に相関される、請求項1に記載の方法。
  8. 較正データを収集するために、前記授乳の前に較正測定を実行するステップをさらに含み、前記乗算は前記較正データに基づいて補正される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記電気抵抗および前記静電容量は複数の周波数で測定され、前記乗算は前記複数の周波数の各々に対して実行され、前記母乳の量は少なくとも2つの乗算の組合せに相関される、請求項7に記載の方法。
  10. 乳房全体で腺胞群占有領域を探索するために前記乗算を使用するステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
  11. 前記静電容量に対する乳房の皮膚の寄与を減算するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  12. 前記静電容量に対する前記皮膚の前記寄与および乳房の総静電容量は、異なる電気回路によって測定される、請求項11に記載の方法。
  13. 前記皮膚の厚さを測定するステップをさらに含み、前記静電容量に対する前記皮膚の前記寄与は前記厚さに基づいて推定される、請求項11に記載の方法。
  14. 前記静電容量は、皮膚との電気的接触を欠く容量測定装置によって測定される、請求項1に記載の方法。
  15. 前記静電容量は少なくとも部分的に、静電容量ブリッジ、LCRメータ、および発振周波数測定装置から成る群から選択される少なくとも1つの装置によって測定される、請求項1に記載の方法。
  16. 前記静電容量は100MHz未満の周波数で測定される、請求項2に記載の方法。
  17. 前記静電容量は複数の電極を介して測定され、前記方法は、多重化サイクルの異なるサブサイクルで、前記静電容量を測定するために異なる組の電極が使用されるように、少なくとも1多重化サイクルを使用することを含む、請求項2に記載の方法。
  18. 前記少なくとも1多重化サイクル中に、将来のセッションにおける乳房の容量測定位置を決定するために測定された容量値を用いるステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
  19. 乳房の異なる深さの測定感度を区別するように、前記少なくとも1多重化サイクル中に測定された容量値を解析するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
  20. 授乳監視システムであって、授乳中の乳房の静電容量の変動を測定するように適応された容量測定ユニットと、前記静電容量の変動を乳房から授乳される乳幼児が消費した母乳の量に相関させるための処理ユニットとを含むシステム。
  21. 前記容量測定ユニットは、前記静電容量に対する乳房の皮膚の寄与を低減しながら、乳房の内部の静電容量を測定するように構成される、請求項20に記載のシステム。
  22. 前記容量測定ユニットは、乳房の皮膚に印加される電流に応答して前記皮膚からサンプリングされる電圧の位相に基づいて前記容量を決定するように構成される、請求項20に記載のシステム。
  23. 前記容量測定ユニットは乳房の皮膚に接続可能な少なくとも4つの電極を含む、請求項22に記載のシステム。
  24. 過去の授乳セッションで収集した履歴データを格納するための記憶媒体をさらに含み、前記処理ユニットは前記履歴データを用いて前記相関を補正するように構成される、請求項20に記載のシステム。
  25. 乳房の電気抵抗を測定するための抵抗測定ユニットをさらに含み、前記処理ユニットは前記電気抵抗と前記静電容量との乗算を算出するように構成され、前記母乳の量は前記乗算に相関される、請求項20に記載のシステム。
  26. 前記処理ユニットは、前記授乳の前に収集した較正データに基づいて前記乗算を補正するように構成される、請求項25に記載のシステム。
  27. 前記電気抵抗および前記静電容量は複数の周波数で測定され、前記乗算は前記複数の周波数の各々に対して実行され、前記母乳の量は少なくとも2つの乗算の組合せに相関される、請求項25に記載のシステム。
  28. 前記処理ユニットは、前記静電容量に対する乳房の皮膚の寄与を減算するように構成される、請求項20に記載のシステム。
  29. 前記容量測定ユニットは、前記皮膚の前記寄与を測定するように構成された皮膚容量測定回路と、乳房の総静電容量を測定するように構成された総容量測定回路とを含む、請求項28に記載のシステム。
  30. 前記皮膚の厚さを測定するための皮膚厚さ測定装置をさらに含み、前記処理ユニットは、前記静電容量に対する前記皮膚の前記寄与を前記厚さに基づいて推定するように構成される、請求項28に記載のシステム。
  31. 前記容量測定ユニットは、乳房の皮膚から電気的に絶縁しながら、前記静電容量を測定するように構成される、請求項20に記載のシステム。
  32. 前記容量測定ユニットは、静電容量ブリッジ、LCRメータ、および発振周波数測定装置から成る群から選択される少なくとも1つの装置を含む、請求項20に記載のシステム。
  33. 前記静電容量は100MHz未満の周波数で測定される、請求項20に記載のシステム。
  34. 前記静電容量は複数の電極を介して測定され、システムは、多重化サイクルの異なるサブサイクルで、前記静電容量を測定するために異なる組の電極が使用されるように、少なくとも1多重化サイクルを使用するためのコントローラを含む、請求項20に記載のシステム。
  35. 前記処理ユニットは、将来のセッションにおける乳房の容量測定位置を決定するために、前記少なくとも1多重化サイクル中に測定された容量値を使用するように構成される、請求項34に記載のシステム。
  36. 前記処理ユニットは、乳房の異なる深さの測定感度を区別するために、前記少なくとも1多重化サイクル中に測定された容量値を解析するように構成される、請求項34に記載のシステム。
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