JP2011509660A - リボ核酸を検出するための組成物、方法およびキット - Google Patents

リボ核酸を検出するための組成物、方法およびキット Download PDF

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Abstract

1つ以上の種のRNA分子を検出するための組成物、方法およびキットが、開示される。1つの実施形態において、第1アダプターおよび第2アダプターは、二本鎖特異的RNAリガーゼ活性を含むポリペプチドを用いて、介在する精製工程を行うことなく、RNA分子に連結される。その連結産物は、逆転写され、次いで、その逆転写産物中のリボヌクレオシドのうちの少なくとも一部が、除去される。プライマーが加えられ、そして増幅産物が生成される。ある特定の実施形態では、少なくとも1種の増幅産物の少なくとも一部の配列が決定され、そして対応するRNA分子の少なくとも一部が、決定される。いくつかの実施形態において、増幅産物種のうちの少なくとも一部が、直接または間接的に検出されることにより、目的のRNA分子の存在および/または量の測定が可能になる。

Description

(分野)
本教示は、概して、コードRNAおよび非コードRNA(ncRNA)を含むがこれらに限定されないリボ核酸(RNA)を検出、増幅および定量するための方法、試薬およびキットに関する。
(緒言)
ゲノムの発現パターンの解析は、様々な疾患状態を含むがこれに限定されない多岐にわたる生物学的プロセスにおける差次的発現の役割に貴重な見識を提供する。そのような解析は、mRNAベースの遺伝子発現解析であるか、低分子非コードRNAベースの発現解析であるかに関わらず、生物科学の多くの学問分野における調査の急速に拡大している手段になっている。低分子非コードRNAの発見は、科学的および医学的な大きな関心領域でもある。ゲノムのどの部分が、いつおよびなぜ転写されるのかを知ることによって、多くの複雑かつ相互に関係する生物学的プロセスがよりよく理解され得ると考えられている。
低分子非コードRNAは、進化の範囲に及ぶ多数の生物における遺伝子制御の重大なエフェクターとして急速に台頭してきた。動物、植物および真菌は、いくつかの異なるクラスの低分子RNAを含む;そのような低分子RNAとしては、miRNA、siRNA、piRNAおよびrasiRNAが挙げられるが、これらに限定されない。これらの小さな遺伝子発現調節因子(modulators)は、典型的には、約18〜40nt長のサイズ範囲内に入るが、しかしながら、細胞性プロセスに対するそれらの作用は、甚大である。それらは、発生上のタイミングおよび細胞運命機序、腫瘍進行、神経発生、トランスポゾンサイレンシング、ウイルス防御および多くのものにおいて決定的な役割を果たすと示されている。それらは、標的に結合し、そしてヘテロクロマチンの修飾、翻訳の阻害、mRNAの崩壊および発生期のペプチド代謝回転機序さえも含む種々の機序によって負の遺伝子発現をもたらすことによって、遺伝子制御において機能する。ゆえに、所与のサンプル中の低分子RNAの同定は、遺伝子発現の解析を大きく促進し得る。
一部の低分子RNAは、ゲノム内の確定した位置から生成される。マイクロRNAは、そのようなクラスである;それらは、典型的には、ポリシストロニック遺伝子クラスターからRNAポリメラーゼIIによって転写されるか、またはプレmRNAイントロンからも生成され得る。これまでに、数千の独特のmiRNA配列が知られている。piRNAまたは内在性siRNAなどの他のクラスの低分子RNAは、典型的には、ゲノム内の確定した遺伝子座から転写されない。代わりに、それらは、ウイルス感染またはレトロトランスポゾン発現などの事象に応答して生成され、そして別途細胞に対して重大な損害をもたらし得るこれらの「外来」配列をサイレンシングするように働く。ncRNAに関する説明は、とりわけ、非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3に見られる。サンプル中の低分子RNAの集団全体を配列決定することにより、これらのRNAのすべてのクラスを一度に同定し、プロファイルまでする直接的な方法がもたらされる。
Eddy,Nat.Rev.Genet.,2001,2:919−29 Mattick and Makunin,Human Mol.Genet.,2006,15:R17−29 Hannonら,Cold Springs Harbor Sympos.Quant.Biol.,2006,LXXI:551−64
(要旨)
本教示は、(i)機能性非翻訳RNA、非コードRNA(ncRNA)および低分子非メッセンジャーRNA(snmRNA)とも称される低分子RNA分子;および(ii)当該分野で公知の方法によって断片化および/または細分されていてもよいし、されていなくてもよい、コードRNAを検出および定量するための方法、試薬およびキットに関する。
ある特定の開示される方法によると、検出される少なくとも1つのRNA分子、少なくとも1つの第1アダプター、少なくとも1つの第2アダプターおよび二本鎖特異的RNAリガーゼを含むライゲーション反応組成物が形成される。第1アダプターは、3’末端上に少なくとも2つのリボヌクレオシドを含む第1オリゴヌクレオチド、および第1オリゴヌクレオチドと第2オリゴヌクレオチドとが共にハイブリダイズするときに一本鎖部分を含む第2オリゴヌクレオチドを含む。第2アダプターは、5’ホスフェート基を含む第3オリゴヌクレオチド、および第3オリゴヌクレオチドと第4オリゴヌクレオチドとが共にハイブリダイズするときに一本鎖部分を含む第4オリゴヌクレオチドを含む。第1アダプターおよび第2アダプターは、二本鎖特異的RNAリガーゼによってライゲーション反応組成物中のRNA分子に連結されて、連結産物が形成される。第1アダプターおよび第2アダプターは、それらの構造に起因して指向的な様式でRNA分子とアニールし、各アダプターは、それがアニールしたRNA分子に、連続的(例えば、第2アダプターおよびRNA分子が、リガーゼと混合され、第2アダプターが、そのRNA分子の3’末端に連結されるときに、続いて第1アダプターが、その連結されたRNA分子−第2アダプターと混合され、次いで、第1アダプターが、そのRNA分子−第2アダプターの5’末端に連結される(第2アダプターをRNA分子に連結する工程と、第1アダプターをRNA分子に連結する工程との間に精製工程が介在する)、例えば、Elbashirら、Genes and Development 15:188−200,2001;Berezikovら、Nat.Genet.Supp.38:S2−S7,2006を参照のこと)ではなく同時またはほぼ同時に連結される。成分がライゲーション反応組成物に加えられる順序は限定されないこと、および任意の順序で成分を加えてもよいことが認識されるだろう。成分を加えるプロセス中に、反応組成物の成分のすべてが加えられる前に、アダプターが、リガーゼの存在下において対応するRNA分子と連結され得る(例えば、限定されないが、第1アダプターが加えられる前に、第2アダプターが、リガーゼの存在下において対応するRNA分子と連結され得る)ならば、および一方のアダプターがRNA分子に連結される時点と他方のアダプターがRNA分子に連結される時点との間に精製手順が存在しないならば、そのような反応も、本教示の意図される範囲内であることが認識されるだろう。RNA指向性DNAポリメラーゼ(時折、RNA依存性DNAポリメラーゼと称される)が、連結産物と混合されることにより、反応混合物が形成され、それは、逆転写産物に適した条件下でインキュベートされる。その逆転写産物は、リボヌクレアーゼ、典型的には、リボヌクレアーゼH(RNaseH)と混合され、リボヌクレオシドのうちの少なくとも一部が、その逆転写産物から消化されることにより、増幅鋳型を形成する。
その増幅鋳型は、少なくとも1つの順方向プライマー、少なくとも1つの逆方向プライマーおよびDNA指向性DNAポリメラーゼ(時折、DNA依存性DNAポリメラーゼと称される)と混合されることにより、増幅反応組成物を形成する。その増幅反応組成物は、増幅産物の生成を可能にするのに適した条件下で熱サイクル反応に供される。いくつかの実施形態において、増幅産物の少なくとも1種が、検出される。いくつかの実施形態において、レポータープローブおよび/または核酸色素を使用することにより、サンプル中のRNA種の少なくとも1つの存在が間接的に検出される。ある特定の実施形態において、増幅反応組成物は、レポータープローブ(例えば、限定されないが、TaqMan(登録商標)プローブ、分子ビーコン、ScorpionTMプライマーなど)または核酸色素(例えば、限定されないが、SYBR(登録商標)Greenもしくは他の核酸結合色素または核酸インターカレート色素)をさらに含む。本教示のある特定の実施形態において、検出は、定量的PCRを含むがこれに限定されない、リアルタイム検出技術またはエンドポイント検出技術を含む。いくつかの実施形態において、増幅産物の少なくとも一部の配列が決定され、それにより、対応するRNA分子の同定が可能になる。いくつかの実施形態において、ライブラリー特異的ヌクレオチド配列を含む増幅産物のライブラリーは、出発物質中のRNA分子から生成され、ここで、増幅産物種のうちの少なくとも一部は、ライブラリー特異的識別子、例えば、限定されないが、ライブラリー特異的ヌクレオチド配列(バーコード配列またはハイブリダイゼーションタグあるいは共通のマーカーもしくは親和性タグを含むがこれらに限定されない)を共有する。いくつかの実施形態において、2つ以上のライブラリーが、組み合わされ、解析され、次いで、結果が、ライブラリー特異的識別子に基づいてデコンボリュートされる(deconvoluted)。
ある特定の開示される方法によると、DNA指向性DNAポリメラーゼ活性とRNA指向性DNAポリメラーゼ活性の両方を含むDNAポリメラーゼであるただ1つのポリメラーゼを、逆転写反応組成物において使用し、さらなるポリメラーゼを使用しない。他の方法の実施形態において、RNA指向性DNAポリメラーゼとDNA指向性DNAポリメラーゼの両方が、逆転写反応組成物に加えられ、さらなるポリメラーゼは、増幅反応組成物に加えられない。
いくつかの実施形態において、サンプル中のRNA分子を検出するための方法は、そのサンプルを少なくとも1つの第1アダプター、少なくとも1つの第2アダプター、および二本鎖特異的RNAリガーゼ活性を含むポリペプチドと合わせ、ライゲーション反応組成物を形成する工程(ここで、少なくとも1つの第1アダプターおよび少なくとも1つの第2アダプターは、そのサンプルのRNA分子に連結されて、同じライゲーション反応組成物において連結産物を形成する)およびその連結産物のRNA分子またはその代用物を検出する工程を包含する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの第1アダプターは、10〜60ヌクレオチドの長さを有し、かつ3’末端上に少なくとも2つのリボヌクレオシドを含む、第1オリゴヌクレオチド、および第1オリゴヌクレオチドに実質的に相補的なヌクレオチド配列を含み、かつ第1オリゴヌクレオチドと第2オリゴヌクレオチドとが二重鎖形成するときに1〜8ヌクレオチドの一本鎖5’部分をさらに含む、第2オリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの第2アダプターは、10〜60ヌクレオチドの長さを有し、かつ5’ホスフェート基を含む第3オリゴヌクレオチド、および第3オリゴヌクレオチドに実質的に相補的なヌクレオチド配列を含み、かつ第3オリゴヌクレオチドと第4オリゴヌクレオチドとが二重鎖形成するときに1〜8ヌクレオチドの一本鎖3’部分をさらに含む、第4オリゴヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、その一本鎖部分は、独立して、縮重ヌクレオチド配列、またはRNA分子の一部に相補的な配列を有する。いくつかの実施形態において、第1オリゴヌクレオチドと第3オリゴヌクレオチドとは、異なるヌクレオチド配列を有する。連結反応組成物において、検出されるRNA分子は、少なくとも1つの第1アダプターの一本鎖部分および少なくとも1つの第2アダプターの一本鎖部分とハイブリダイズする。
いくつかの実施形態において、RNA分子またはその代用物を検出する工程は、連結産物を、i)RNA指向性DNAポリメラーゼ、ii)DNA依存性DNAポリメラーゼ活性およびRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を含むDNAポリメラーゼ、またはiii)RNA指向性DNAポリメラーゼおよびDNA指向性DNAポリメラーゼと合わせる工程;その連結産物を逆転写することにより、逆転写産物を形成する工程;リボヌクレアーゼHを用いて逆転写産物からリボヌクレオシドのうちの少なくとも一部を消化することにより、増幅鋳型を形成する工程;その増幅鋳型を、少なくとも1つの順方向プライマー、少なくとも1つの逆方向プライマー、および連結産物がi)におけるように混合されるときはDNA指向性DNAポリメラーゼと合わせることにより、増幅反応組成物を形成する工程;その増幅反応組成物をサイクル反応に供する(cycling)ことにより、少なくとも1つの増幅産物を形成する工程、およびその増幅産物の少なくとも一部の配列を決定することによって、RNA分子を検出する工程を包含する。
いくつかの実施形態において、RNAライブラリーを生成するための方法は、多数の異なるRNA分子を、多数の第1アダプター種、多数の第2アダプター種および二本鎖特異的RNAリガーゼと合わせることにより、ライゲーション反応組成物を形成する工程(ここで、その少なくとも1つの第1アダプターは、3’末端上に少なくとも2つのリボヌクレオシドを含む第1オリゴヌクレオチド、および第1オリゴヌクレオチドと第2オリゴヌクレオチドとが共にハイブリダイズするときに一本鎖部分を含む第2オリゴヌクレオチドを含み、その少なくとも1つの第2アダプターは、5’ホスフェート基を含む第3オリゴヌクレオチド、および第3オリゴヌクレオチドと第4オリゴヌクレオチドとが共にハイブリダイズするときに一本鎖部分を含む第4オリゴヌクレオチドを含む)、および少なくとも1つの第1アダプターおよび少なくとも1つの第2アダプターをRNA分子に連結することにより、多数の異なる連結産物種を形成する工程(ここで、第1アダプターおよび第2アダプターは、同じライゲーション反応組成物中のRNA分子に連結される)を包含する。その方法は、多数の連結産物種をRNA指向性DNAポリメラーゼと合わせる工程、多数の連結産物種のうちの少なくとも一部を逆転写することにより、多数の逆転写産物種を形成する工程、リボヌクレアーゼH(RNaseH)を用いて多数の逆転写産物のうちの少なくとも一部からリボヌクレオシドのうちの少なくとも一部を消化することにより、多数の増幅鋳型種を形成する工程、その多数の増幅鋳型種を、少なくとも1つの順方向プライマー、少なくとも1つの逆方向プライマーおよびDNA指向性DNAポリメラーゼと合わせることにより、増幅反応組成物を形成する工程、およびその増幅反応組成物をサイクル反応に供することにより、多数の増幅産物種を含むライブラリーを形成する工程(ここで、その増幅産物種のうちの少なくとも一部は、そのライブラリー中の他の増幅産物種のうちの少なくとも一部と共通の識別配列を含む)をさらに含む。
ある特定の本方法を行うためのキットもまた開示される。本教示のこれらの特徴および他の特徴は、本明細書中で示される。
(図面)
以下で説明される図面は、説明するためだけの目的であることを当業者は理解するだろう。これらの図は、本教示の範囲を決して限定しないと意図される。
図1は、本教示の様々な例示的な方法の実施形態の概要の全体像を提供している。 図2A〜図2B:図2Aは、例示的な第1アダプター21および例示的な第2アダプター22を模式的に示しており;図2Bは、例示的なRNA分子23に指向的にアニールされた図1Aに示される例示的な第1および第2アダプターを模式的に示している。第1アダプター21とRNA分子23の5’末端とに対するライゲーション接合点が、矢印24によって示されており、第2アダプター22とRNA分子23の3’末端とに対するライゲーション接合点が、矢印25によって示されている。白長方形は、21Aおよび23などに対するRNA配列を示している。水平の実線は、21Bおよび22Aなどに対するDNA配列を示している。 図3は、本教示の例示的な実施形態の概要の全体像を提供している。低分子RNA分子33の集団を、第1アダプター31および第2アダプター32ならびにRnl2リガーゼと合わせることにより、連結産物34が形成される。アニールしていないアダプターおよび/またはアニールされた望まれない副産物分子35もまた、その連結反応組成物中に存在し得る。その反応組成物を、RNA指向性DNAポリメラーゼと合わせることにより、逆転写産物36が生成され、次いで、その組成物をリボヌクレアーゼHと合わせることにより、増幅鋳型38が生成される。その増幅鋳型38を、DNA指向性DNAポリメラーゼ、順方向プライマー310および逆方向プライマー311と合わせることにより、増幅反応組成物が形成される。この例証となる実施形態において、逆方向プライマーは、時折「バーコード」配列と称される識別配列312をさらに含む。 図4は、本教示の例示的な実施形態の概要の全体像を提供している。この例証となる実施形態において、増幅産物は、ゲル精製され(ゲル精製)、そしてインサート配列(図4において波括弧によって示されている)、第1プライマー領域(図4においてP1として示されている)、およびバーコードまたは識別配列(図4においてbcとして示されている)を含む第2プライマー領域(図4においてP2として示されている)を含む。 図5は、実施例1に記載されるように生成された例示的な増幅産物の電気泳動図を示す。レーン1:10bpDNAラダー(100ng;Invitrogen P/N10821−015,Carlsbad,CA);レーン2:出発物質は100ngの全RNAであり、リガーゼ非含有コントロールである;レーン3:出発物質は100ngの全RNAであり、RT非含有コントロールである;レーン4:出発物質は、100fmolのmirVanaTMReference Panel v.9.1(Applied Biosystems P/N 4388891,Foster City,CA)だった;レーン5:出発物質は、100ngの全RNAだった;そしてレーン6:出発物質は、5μgの全RNAからflashPAGETMFractionator Systemで精製されたRNAだった。 図6は、様々な二本鎖依存性リガーゼを、実施例2に記載されるように単独または組み合わせて用いて生成された例示的な増幅産物の電気泳動図を示している。レーン1:100ngの10bpDNAラダー(Invitrogen);レーン2:10単位のバクテリオファージT4RNAリガーゼ2、200Uの逆転写酵素(RT);レーン3:10単位のバクテリオファージT4RNAリガーゼ2、RTなし;レーン4:10単位のバクテリオファージT4RNAリガーゼI、200UのRT;レーン5:10単位のバクテリオファージT4RNAリガーゼ1、RTなし;レーン6:10単位のバクテリオファージT4DNAリガーゼ、200UのRT;レーン7:10単位のバクテリオファージT4DNAリガーゼ、RTなし;レーン8:各々5単位のバクテリオファージT4RNAリガーゼIおよびバクテリオファージT4DNAリガーゼ、200UのRT;レーン9:各々5単位のバクテリオファージT4RNAリガーゼIおよびバクテリオファージT4DNAリガーゼ、RTなし;およびレーン10:リガーゼなし、200UのRT。 図7Aは、実施例4に記載されるように、ほぼ等モル濃度の約500個の異なる種の合成miRNA分子を含む多数の異なるmiRNA分子、およびバクテリオファージT4のRNAリガーゼ2とともに、様々な第1アダプター、様々な第2アダプター、または様々な第1アダプターと様々な第2アダプターとの組み合わせを含むライゲーション反応組成物において生成された例示的な連結産物(二重ライゲーションの注釈が付けられた矢印によって示されている)の電気泳動図を示している。図7Aの上における数字4、6および8は、反応組成物中の各第1アダプターの第2オリゴヌクレオチドおよび各第2アダプターの第4オリゴヌクレオチドにおける縮重ヌクレオチド配列の数に対応する(図7BにおいてNとして示されている)。X軸:T3−4は、対応するライゲーション産物が、構造T3:27N(図7Bを参照のこと)(この場合、Nは、4個の縮重ヌクレオチドに等しい)を含む第1アダプターだけを含むライゲーション組成物中で生成されたことを示している;T3−6は、対応するライゲーション産物が、構造T3:27N(この場合のNは、6個の縮重ヌクレオチドに等しい)を含む第1アダプターだけを含むライゲーション組成物中で生成されたことを示している;T3−8は、対応するライゲーション産物が、構造T3:27N(この場合のNは、8個の縮重ヌクレオチドに等しい)を含む第1アダプターだけを含むライゲーション反応物中で生成されたことを示している;T7−4は、対応するライゲーション産物が、構造T7:N28(図7Bを参照のこと)(この場合のNは、4個の縮重ヌクレオチドに等しい)を含む第2アダプターだけを含むライゲーション反応物中で生成されたことを示している;T7−6は、対応するライゲーション産物が、構造T7:N28(図7Bを参照のこと)(この場合のNは、6個の縮重ヌクレオチドに等しい)を含む第2アダプターだけを含むライゲーション反応物中で生成されたことを示している;T7−8は、対応するライゲーション産物が、構造T7:N28(この場合のNは、8個の縮重ヌクレオチドに等しい)を含む第2アダプターだけを含むライゲーション反応物中で生成されたことを示している;T3−4+T7−4は、対応するライゲーション産物が、構造T3:27Nを含む第1アダプターおよび構造T7:N28を含む第2アダプター(この場合のNは、両方のアダプターのすべての種において4個の縮重ヌクレオチドに等しい)を含むライゲーション反応物中で生成されたことを示している;T3−6+T7−6は、対応するライゲーション産物が、構造T3:27Nを含む第1アダプターおよび構造T7:N28を含む第2アダプター(この場合のNは、両方のアダプターのすべての種において6個の縮重ヌクレオチドに等しい)を含むライゲーション反応物中で生成されたことを示している;T3−8+T7−8は、対応するライゲーション産物が、構造T3:27Nを含む第1アダプターおよび構造T7:N28を含む第2アダプター(この場合のNは、両方のアダプターのすべての種において8個の縮重ヌクレオチドに等しい)を含むライゲーション反応物中で生成されたことを示している;数字の27は、第1アダプターの第1オリゴヌクレオチドの長さを指し、そして数字の28は、第2アダプターの第3ヌクレオチドの長さを指している。図7Bは、本教示の例示的な第1および第2アダプターを模式的に示しており、ここで、Nは、例示的な第1アダプターまたは第2アダプターの下側の鎖、すなわち、それぞれ第2オリゴヌクレオチドまたは第4オリゴヌクレオチドにおける連なった縮重ヌクレオシドを表している。 図8A:実施例5に記載され、図8Bに示されているように、様々な第1アダプター、様々な第2アダプター、または様々な第1アダプターと様々な第2アダプターとの組み合わせを用いて生成された例示的な連結産物(矢印で示されている)の電気泳動図を示している。X軸:T3r2−6は、対応するライゲーション産物が、T3r2:27 6N(図8Bを参照のこと)(6Nは、6個の縮重ヌクレオチドに等しく、r2は、2つの3’リボヌクレオチドを示している)を含む第1アダプターだけを含むライゲーション反応物中で生成されたことを示している;T7−6は、対応するライゲーション産物が、T7:6N 28(図8Bを参照のこと)(6Nは、6個の縮重ヌクレオチドに等しい)を含む第2アダプターだけを含むライゲーション反応物中で生成されたことを示している;T3r2−6+T7−6は、対応するライゲーション産物が、T3r2:27 6Nを含む第1アダプターおよびT7:6N 28を含む第2アダプター(r2は、2つの3’リボヌクレオチドを示しており、6Nは、両方のアダプターのすべての種において6つの縮重ヌクレオチドに等しい)を含むライゲーション反応物中で生成されたことを示している;rT3−6は、対応するライゲーション産物が、rT3:27 6N(6Nは、6つの縮重ヌクレオチドに等しく、rT3は、すべてがリボヌクレオチドであることを示している)を含む第1アダプターだけを含むライゲーション反応物中で生成されたことを示している。rT7−6は、対応するライゲーション産物が、rT7:6N 28(rT7は、すべてがリボヌクレオチドであることを示しており、6Nは、6つの縮重ヌクレオチドに等しい)を含む第2アダプターだけを含むライゲーション反応物中で生成されたことを示している;そしてrT3−6+rT7−6は、対応するライゲーション産物が、rT3:27 6Nを含む第1アダプターおよびrT7:6N 28を含む第2アダプター(rT3およびrT7は、すべてがリボヌクレオチドであることを示しており、6Nは、両方のアダプターのすべての種において6つの縮重ヌクレオチドに等しい)を含むライゲーション反応物中で生成されたことを示している。図8Bは、本教示の第1および第2アダプターの2つの例示的なセットを模式的に示している(この2セットは、(i)rT3:27 6N(上の第1アダプター)およびrT7:6N 28(上の第2アダプター)、ならびに(ii)T3r2:27 6N(下の第1アダプター)およびT7:6N 28(下の第2アダプター)を含み、ここで、6Nは、例示的な第1アダプターの下側の鎖および例示的な第2アダプターの下側の鎖における連なった6つの縮重ヌクレオシドを表している。 図9A〜図9C。図9Aおよび図9Bは、実施例6に記載されるように本教示のある特定の実施形態に従って生成された例示的な連結産物の電気泳動図を示している。第1アダプターと第2アダプターとの3つの異なる組み合わせを、二重ライゲーション効率について試験した。これらの組み合わせは、第1オリゴヌクレオチドの3’末端上の2つのリボヌクレオシドを除いて上側の鎖(すなわち、第1および第3オリゴヌクレオチド)が両方ともDNAであるか、上側の鎖(すなわち、第1および第3オリゴヌクレオチド)が両方ともRNAであるか、または5’(第1)アダプターにおける上側の鎖(すなわち、第1オリゴヌクレオチド)がRNAかつ3’(第2)アダプターにおける上側の鎖(すなわち、第3オリゴヌクレオチド)がDNAである、第1アダプターおよび第2アダプターを含んでいた。図9Cは、例示的な第1アダプター(rT3:27 6N)および第2アダプター(T7:6N 28)を有する後者のアダプター構造の実施形態の模式図を提供している(図8Bにも個別に記載されている)。 図10Aおよび図10Bは、一連のライゲーション反応組成物を用いて、本教示のある特定の実施形態に従って生成された例示的なライゲーション産物を示している2つの電気泳動図を示しており、そのライゲーション反応組成物の各々は、(1)Rnl2リガーゼ、(ii)2および0.2ピコモル(pmol)という濃度での合成miRNA分子のプール(mirVana miRNA Reference Panel v 9.1,P/N 4388891(Ambion,Austin,TX;本明細書中で記載される)、および(iii)実施例6に示され、記載されるような、10/50、5/25、1/5、1/50、5/50、10/50、25/50、5/100または5/500(上側の鎖/下側の鎖)という上側の鎖と下側の鎖の比での本明細書中に開示されるような第1および第2アダプターを含む。 図11は、核酸の様々な部分集合がサンプルから除去および/または精製されている本教示のある特定の実施形態を模式的に示している。この方法の実施形態は、低分子RNAの検出および単離ならびにホールトランスクリプトーム配列決定に使用され得る。 図12は、実施例7によって提供されるように、同じ例証となる増幅産物のアリコートとともにSOLiDTMSequencing Systemを使用し、例示的な配列決定検出技術を用いて測定されたLog2(FC)(Log2(FC SOLiDTM)としてx軸に示されている)に対する、本教示の1つの方法に従って生成された例証となる増幅産物の例示的なTaqMan(登録商標)ベースの検出を用いて測定された−ΔΔCTのlog倍率変化(FC)(Log2(FC)TaqMan(−ddCt)としてy軸に示されている)のグラフを示している。 図13Aおよび図13Bは、実施例7に記載されるようにSYBR(登録商標)Gold染色を用いて可視化された、本教示のある特定の実施形態によって生成された例示的な増幅産物を含む電気泳動図を示している。 図14は、リアルタイムPCR反応における検出用であるインターカレート色素のSYBR(登録商標)Green(例えば、実施例8)または電気泳動的に分離された増幅産物のSYBR(登録商標)Gold染色(「SYBR(登録商標)アッセイ」)を用いて、本教示に従って生成された例示的な増幅産物を定量することによって目的のRNA分子を検出する工程を含む本教示の様々な実施形態を模式的に示している。LEGenD:リガーゼ高感度遺伝子検出(Ligase Enhanced Gene Detection)とは、本明細書中に提供されるようなアッセイのための二本鎖依存性リガーゼの使用のことを指す。 図15は、実施例8に記載されるような本教示の増幅産物を模式的に示している。P1とは、順方向PCRプライマーの一部のことを指す。P2とは、逆方向PCRプライマーの一部のことを指す。 図16Aおよび図16Bは、実施例8に記載されるように、例示的なサンプル(図16A)またはサンプル中に存在する2つのncRNA分子(内在性miRNAのmiR−16(図16B、菱形の記号が付された上の曲線)およびmiR−21(図16B、四角の記号が付された下の曲線)に加えられる、リアルタイムPCRにおいて検出されたRNA分子の例証となるプロットを示している。図16Aに対する傾きおよびy切片は:SIC34(丸、上の線):y=−3.2568x+32.916、R=0.9918;SIC8(三角):y=−3.4116x+29.444、R=0.9886;SIC37(四角):y=−2.8517x+23.685、R=0.9935;およびSIC36(菱形、下の線):y=−3.0381x+19.587、R=0.999である。 図17は、実施例11に提供されるような低分子RNAライブラリーを生成するためのSOLiDTMSmall RNA Expression Kitの手順の全体像を提供している。サイズ選択された増幅低分子RNAは、「鋳型化ビーズ調製」ステージにおけるSOLiDTMエマルジョンPCR手順に入る。
(例示的な実施形態の説明)
前述の全般的な説明と以下の詳細な説明の両方が、単に例示的かつ説明的であり、本教示の範囲を限定すると意図されないことが理解されるべきである。本願において、特に具体的に述べられない限り、単数形の使用は、複数形を含む。例えば、「順方向プライマー(forward primer)」は、2つ以上の順方向プライマー;例えば、特定の順方向プライマー種の1つ以上のコピーならびに1つ以上の異なる順方向プライマー種が、存在し得ることを意味する。また、「含む(comprise)」、「含む(contain)」および「含む(include)」またはそれらの基語の改変物(例えば、限定されないが、「含む(comprises)」、「含まれる(contained)」および「含む(including)」)の使用は、限定すると意図されない。用語「および/または」は、その用語の前後のことが、共にまたは別々にとられ得ることを意味する。限定としてではなく例示する目的で、「Xおよび/またはY」は、「X」もしくは「Y」または「XおよびY」を意味し得る。
本明細書中で使用される節の表題は、単に構成上の目的のためであって、記載される主題を限定すると決して解釈されるべきでない。特許、特許出願、論文、書籍および専門書を含む、本願において引用される文献および同様のもののすべてが、任意の目的のためにそれらの全体が明確に参考として援用される。援用される文献および同様のものの1つ以上が、本明細書における用語の定義と矛盾するように用語を定義しているか、または使用している場合、本明細書が支配する。本教示は、様々な実施形態とともに記載されるが、本教示がそのような実施形態に限定されると意図されない。それどころか、本教示は、当業者が理解するように、様々な代替物、改変物および等価物を包含する。
用語「またはそれらの組み合わせ」とは、本明細書中で使用されるとき、その用語の前に列挙された項目の順列および組み合わせのすべてのことを指す。例えば、「A、B、Cまたはそれらの組み合わせ」は、以下のもの:A、B、C、AB、AC、BCまたはABCのうちの少なくとも1つ、および特定の文脈において順序が重要である場合は、BA、CA、CB、ACB、CBA、BCA、BACまたはCABのうちの少なくとも1つも含むと意図される。この例に続いて、1つ以上の項目または用語の繰り返し(例えば、BB、AAA、AAB、BBC、AAABCCCC、CBBAAA、CABABBなど)を含む組み合わせが明確に含まれる。特に文脈から明らかでない限り、典型的には任意の組み合わせにおける項目または用語の数について制限がないことを当業者は理解するだろう。
ある特定の開示される方法(例えば、限定されないが、図1に示される例示的な実施形態)によると、検出される少なくとも1つのRNA分子、少なくとも1つの第1アダプター、少なくとも1つの第2アダプターおよび二本鎖特異的RNAリガーゼを含むライゲーション反応組成物が形成される(RNA分子への第1および第2アダプターのハイブリダイゼーションとして示される)。典型的には、出発物質は、多数のRNA種ならびに多数の異なる第1アダプターおよび異なる第2アダプターを含む。
図2Aおよび図2Bに示されるように、少なくとも1つの第1アダプター21は、3’末端上に少なくとも2つのリボヌクレオシドを含む第1オリゴヌクレオチド21A、および第1オリゴヌクレオチド21Aと第2オリゴヌクレオチド21Bとが共にハイブリダイズするときに一本鎖5’部分21Cを含む第2オリゴヌクレオチド21Bを含み(図2A)、ここで、少なくとも1つの第2アダプター22は、5’ホスフェート基(図2Bにおいて「P」として示される)を含む第3オリゴヌクレオチド22A、および第3オリゴヌクレオチド22Aと第4オリゴヌクレオチド22Bとが共にハイブリダイズするときに一本鎖3’部分22Cを含む第4オリゴヌクレオチド22Bを含む(図2A)。この例証となる実施形態において、第1オリゴヌクレオチド内のヌクレオシドのすべてが、リボヌクレオシドであるが、他の実施形態では、第1オリゴヌクレオチドのヌクレオシドのすべておよび2つだけが、リボヌクレオシドであり得るが、但し、第1オリゴヌクレオチド21Aの最も3’側の2つのヌクレオシドは、リボヌクレオシドであり;残り部分の第1オリゴヌクレオチドは、リボヌクレオシド、デオキシリボヌクレオシドまたは両方の組み合わせを含み得ることが認識されるべきである。
図2Aの例証となる第2および第4オリゴヌクレオチドの一本鎖部分(それぞれ、21Bの21Cおよび22Bの22C)は、縮重六量体配列として示されている(NNNNNNとして示されている)。しかしながら、配列特異的一本鎖部分ならびにそれよりも長い一本鎖部分およびそれよりも短い一本鎖部分を有する第1および/または第2アダプターを使用することは、本教示の範囲内である。いくつかの実施形態において、縮重配列は、デオキシリボヌクレオチドである。いくつかの実施形態において、縮重配列の長さは、4、6または8ヌクレオチドである。いくつかの実施形態において、第1オリゴヌクレオチドは、リボヌクレオシドを含み、第2、第3および第4オリゴヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチドを含む。
一本鎖部分21Cを除いて、第1オリゴヌクレオチドと第2オリゴヌクレオチドは、実質的に相補的であるように設計される。その実質的に相補的な部分は、10〜60ヌクレオチドの長さを有し得る。第1オリゴヌクレオチドと第2オリゴヌクレオチドとが、アニールまたは二重鎖形成することにより第1アダプターが形成されるとき、それらは、1つの平滑末端を有し得るか(図2Aおよび図2Bにおけるように)、または一本鎖部分を有する末端と反対の末端に1、2もしくは3ヌクレオチドのオーバーハングを有し得る。そのオーバーハングは、第1オリゴヌクレオチド上に存在してもよいし、第2オリゴヌクレオチド上に存在してもよい。
一本鎖部分22Cを除いて、第3オリゴヌクレオチドと第4オリゴヌクレオチドは、実質的に相補的であるように設計される。その実質的に相補的な部分は、10〜60ヌクレオチドの長さを有し得る。第3オリゴヌクレオチドと第4オリゴヌクレオチドとが、アニールまたは二重鎖形成することにより第2アダプターが形成されるとき、それらは、1つの平滑末端を有し得るか(図2Aおよび図2Bにおけるように)、または一本鎖部分を有する末端と反対の末端に1、2もしくは3ヌクレオチドのオーバーハングを有し得る。そのオーバーハングは、第1オリゴヌクレオチド上に存在してもよいし、第2オリゴヌクレオチド上に存在してもよい。
図1に戻って、ライゲーション反応組成物は、第1アダプターおよび第2アダプターがRNA分子とアニールするのに適した条件下でインキュベートされる。第1および第3オリゴヌクレオチド(「上の鎖」)は、第2および第4オリゴヌクレオチド(「下の鎖」)に対して1:1〜1:10のモル比で存在し得る。いくつかの実施形態において、「上の鎖」と「下の鎖」とのモル比は、1:5または1:2である。二本鎖特異的RNAリガーゼ活性を含むポリペプチドを使用することにより、アニールされた第1アダプター−RNA分子−第2アダプター複合体が連結され、それにより連結産物が形成される(図1における「ライゲーション」として示される)。第1アダプターおよび第2アダプターは、2つの別個の連続的なライゲーション反応(その2つのアダプターをRNA分子に連結する間に1つ以上の分離工程または精製工程が介在する)としてではなく、同じ反応組成物中においてRNA分子に連結される。ライゲーション反応組成物の成分を加える順序および2つのアダプターがRNA分子に連結される順番は、典型的には、提供される本教示の限りではないことが理解されるだろう。
図2Bに示されるように、ある特定の実施形態において、第1および第2アダプターが、RNA分子にハイブリダイズされて、(i)第1アダプターの第1オリゴヌクレオチドの3’末端とRNA分子の5’末端とが、隣接してアニールすることにより、第1ライゲーション接合点(例えば、図2Bにおける24)が形成され(RNA分子と第1アダプターの一本鎖部分との間の相補性に起因して)、そして(ii)第2アダプターの第3オリゴヌクレオチドの5’末端と同じRNA分子の3’末端とが、隣接してアニールすることにより、第2ライゲーション接合点(例えば、図2Bにおける25)が形成され(RNA分子と第2アダプターの一本鎖部分との間の相補性に起因して)、ここで、その第1および第2ライゲーション接合点の両方が、二本鎖特異的RNAリガーゼ活性を含むポリペプチドを使用するライゲーションに適している。いくつかの実施形態において、二本鎖特異的RNAリガーゼ活性を含むポリペプチドは、Rnl2ファミリーリガーゼ(Rnl2リガーゼを含むがこれに限定されない)を含む。
RNA指向性DNAポリメラーゼが、適当なヌクレオチド三リン酸および適切な塩を含む緩衝溶液をとともに、上記連結産物と混合される。この反応混合物は、その連結産物を鋳型として使用して逆転写産物が生成されるのに適した条件下でインキュベートされる(図1において「逆転写」として示されている)。第4オリゴヌクレオチドがRTプライマーとして働くので、別個の逆転写プライマーは必要ない。
いくつかの実施形態において、その逆転写産物は、アレイ上に置かれ、当業者に公知の標準的な方法を用いて検出される。いくつかの実施形態において、その逆転写産物は、ビオチンで標識され、検出は、それに結合するストレプトアビジンを用いることによる。いくつかの実施形態において、その逆転写産物は、ガラス繊維フィルター、ビーズを用いて精製されるか、またはゲル精製される。いくつかの実施形態において、その逆転写産物を、リボヌクレアーゼ活性を含むペプチドと混合されることにより、消化反応組成物を形成し、そしてその逆転写産物からリボヌクレオシドのうちの少なくとも一部を消化するのに適した条件下でインキュベートすることにより、増幅鋳型を形成する。いくつかの実施形態において、リボヌクレアーゼ活性を含むそのペプチドは、リボヌクレアーゼH(RNaseH)活性を含む(図1において「RNaseH消化」と示されている)。
その増幅鋳型を、少なくとも1つの順方向プライマー、少なくとも1つの逆方向プライマー、およびDNA指向性DNAポリメラーゼ活性を含むペプチドと合わせることにより、増幅反応組成物を形成する。RNA指向性ポリメラーゼ活性とDNA指向性ポリメラーゼ活性の両方を有するDNAポリメラーゼが、上記の逆転写反応において使用されるときは、DNA指向性DNAポリメラーゼを含むさらなるペプチドが、加えられる必要はない。その増幅反応組成物を、増幅産物の生成を可能にするのに適した条件下で熱サイクル反応に供する(図1において「増幅」と示されている)。その増幅産物の少なくとも一部の配列が決定され、それにより、対応するRNA分子の検出が可能になる(図1において「配列決定」として示されている)。
図3に模式的に示される1つの例示的な実施形態によると、低分子RNA分子33の集団を、RNA(白四角で示されている)を含む第1オリゴヌクレオチドを含む第1アダプター31および第2アダプター32ならびにRnl2リガーゼと合わせることにより、ライゲーション反応組成物が形成される。そのライゲーション反応組成物を、アニールが生じるのに適した条件下でインキュベートし、そして第1アダプターおよび第2アダプターが、低分子RNA分子とアニールすることにより、RNA分子の5’末端にアニールされた第1アダプターおよび低分子RNA分子の3’末端にアニールされた第2アダプターを含むライゲーション鋳型が形成される。そのリガーゼは、第1アダプターをRNA分子の5’末端に、および第2アダプターをRNA分子の3’末端に、ライゲーション接合点(図3において黒点として示され、矢印によって示されている)において連結することによって、連結産物34を生成する。ライゲーション反応組成物中のアダプターおよびRNA分子の濃度に応じて、いくつかのアニールしていない第1アダプター31および/または第2アダプター32もまた、そのライゲーション反応組成物中に存在し得る。さらに、特に、第1および/または第2アダプターが、縮重配列を含むとき、アニールした望まれない副産物分子35も形成され得る。
連結産物を含む反応組成物は、RNA指向性DNAポリメラーゼと混合され、適当な条件下で逆転写産物36が生成される。逆転写産物36を含む反応組成物は、リボヌクレアーゼHと混合され、そして連結産物のリボヌクレオシドのうちの少なくとも一部が消化され、増幅鋳型38が生成される。この点において、その増幅鋳型が、第2アダプターの第3オリゴヌクレオチドとアニールした逆転写産物のcDNA鎖を本質的に含むことを当業者は認識するだろう。増幅鋳型38は、DNA指向性DNAポリメラーゼ、順方向プライマー310および逆方向プライマー311と混合されることにより、増幅反応組成物が形成される。この例証となる実施形態において、逆方向プライマーは、時折「バーコード」配列と称される識別配列312をさらに含む。所与の増幅反応組成物中の逆方向プライマーのすべてが、同じ識別配列を含み、その配列がその後のアンプリコンに組み込まれる場合、同じ増幅反応組成物から生成されるアンプリコンのすべては、その反応組成物から生じたと同定され得る。
その増幅反応組成物は、温度サイクル反応に供されることにより、ポリメラーゼ連鎖反応の発生が可能になり、複数の増幅産物が生成される。この例証となる実施形態において、その増幅産物は、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)および/または高速液体クロマトグラフィ(HPLC;時折、高圧液体クロマトグラフィと称される)を用いて精製される。その精製された増幅産物は、当該分野で公知の任意の技術を用いて配列決定され、そしてその配列に対応するRNA分子が同定される。開示される方法が、種々の解析(発現プロファイリング、1つ以上の対応するサンプル中の1つ以上の特異的RNA分子の定量(例えば、薬物処置有りおよび無し;悪性組織/腫瘍組織および対応する正常組織サンプル;対応する胚、新生児、青年期および/または成体の組織を用いる発生的研究)および低分子RNA発見を含むがこれらに限定されない)にとって有用であり得ることを当業者は認識するだろう。
増幅産物の複数のライブラリーが生成される場合、各増幅産物ライブラリーは、そのライブラリーに対する独特の識別配列またはバーコードによって同定され得ることが認識されるだろう。いくつかの実施形態において、所与の増幅産物ライブラリーに対するPCRプライマー混合物は、順方向プライマー(説明の目的で、図3における順方向プライマー310を参照のこと)および独特の識別配列またはバーコードを含む逆方向プライマー(説明の目的で、図3における識別子配列312を含む逆方向プライマー311を参照のこと)を含む。そのようなプライマー対を含む増幅反応組成物がサイクル反応に供されるとき、バーコードは、そのライブラリーの増幅産物に組み込まれる。したがって、例示的な第1プライマーが、増幅反応組成物中のこれらの例示的な逆方向プライマーのいずれかとマッチし得ることにより、逆方向プライマーのバーコードまたはその相補物(complement)を含む増幅産物のライブラリーが生成される。
限定としてではなく説明の目的で、例示的な順方向プライマーおよび例示的な逆方向プライマーBC1(実施例11を参照のこと)を含むPCRプライマー混合物を用いて生成される第1ライブラリー中の各増幅産物は、バーコード配列AAGCCCおよび/またはその相補物を含み;例示的な順方向プライマーおよび例示的な逆方向プライマーBC2を含むPCRプライマー混合物を用いて生成される第2ライブラリー中の各増幅産物は、バーコード配列CACACCおよび/またはその相補物を含む;など。したがって、増幅産物の複数のライブラリーが、配列決定の前にプールされ得、各ライブラリーに対応する出発物質中のRNA分子は、標的(RNA分子)配列、またはそのライブラリーに対するバーコードまたは識別配列と組み合わされる配列の少なくとも一部を用いて同定され得る。様々な識別配列が、所与の増幅反応組成物において生成される増幅産物を独自に標識するために使用され得ることを当業者は認識するだろう。
図4は、本教示の別の例示的な実施形態を模式的に示している。この実施形態によると、第1および第2アダプターは、RNA分子とハイブリダイズし(図4においてアダプターハイブリダイゼーションとして示されている)、適当な条件下かつ適切なリガーゼの存在下において、連結産物が生成される(図4においてライゲーションとして示されている)。その連結産物に逆転写酵素が加えられ、適当な条件下で逆転写産物が生成される(図4において逆転写として示されている)。その逆転写産物は、リボヌクレアーゼHで消化され、そして増幅鋳型が形成される(図4においてRNaseHとして示されている)。増幅鋳型、順方向プライマー、逆方向プライマーおよびDNA指向性DNAポリメラーゼを含む増幅反応組成物が形成される。その増幅反応組成物を、線形の増幅の範囲内に留まる数サイクルの熱サイクル反応(一般に、約12〜15サイクルまたは1つの例示的な実施形態によると12〜18サイクル)に供することにより、ポリメラーゼ連鎖反応が生じ、そして増幅産物が生成される(図4においてPCRとして示されている)。この例証となる実施形態において、増幅産物は、ゲル精製される(図4においてゲル精製として示されている)ことにより、精製された増幅産物がもたらされる。適切にサイズ分画されるかまたは断片化されたRNA分子を使用するという条件で、増幅産物は、挿入配列(図4において波括弧によって示されている;ある特定の実施形態において、インサートサイズは、約15塩基対〜約100塩基対である)、第1プライマー領域(図4においてP1として示されている)、およびバーコードまたは識別配列(図4においてbcとして示されている)を含む第2プライマー領域(図4においてP2として示されている)を含む。
本明細書中で使用されるとき、用語「ポリヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」および「核酸」は、交換可能に使用され、ヌクレオチド間ホスホジエステル結合によって連結された2’−デオキシリボヌクレオシド(DNA)およびリボヌクレオシド(RNA)、またはヌクレオチド間アナログおよび関連する対イオン、例えば、H、NH 、トリアルキルアンモニウム、Mg2+、Naなどを含む、ヌクレオシドモノマーの一本鎖および二本鎖のポリマーのことを指す。ポリヌクレオチドは、全体的にデオキシリボヌクレオシド、全体的にリボヌクレオシド、またはそれらのキメラ混合物から構成され得る。以下でさらに説明されるように、例えば、第1アダプターは、3’末端上に少なくとも2つのリボヌクレオシドを有する第1オリゴヌクレオチドを含む。第1オリゴヌクレオチドは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25またはそれ以上のリボヌクレオシドを有し得、いくつかの実施形態では、それらのリボヌクレオシドは、連続している。いくつかの実施形態において、第2、第3または第4オリゴヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチドを含む。そのヌクレオチドモノマー単位は、本明細書中に記載されるヌクレオチドのいずれかを含み得、それらとしては、ヌクレオチドおよびヌクレオチドアナログが挙げられるがこれらに限定されない。ポリヌクレオチドは、時折、当該分野においてオリゴヌクレオチドと称されるとき、典型的には、数モノマー単位から(例えば、5〜40または5〜60)数千モノマーヌクレオチド単位までのサイズの範囲である。特に示されない限り、ポリヌクレオチド配列が示されるときはいつでも、ヌクレオチドが、左から右に向かって5’から3’への順であることが理解されるだろう。
検出されるRNA分子:いくつかの実施形態において、本教示のRNA分子は、全RNA、全RNAのサブセットもしくは画分またはその両方を含む。いくつかの実施形態において、検出されるRNA分子を含むサンプルは、特定のサンプルまたはサンプルのプールから得られるRNAのすべてを含む。他の実施形態において、全RNAは、サブセットに細分され、そして検出されるRNA分子は、その細分されたサブセットの1つ以上に存在する。典型的には、RNA分子は、サンプル中の全RNAまたはRNA分子のサブセットをもたらす当該分野で公知の任意の技術を用いてサンプルから抽出される。
いくつかの実施形態において、検出されるRNA分子は、典型的には、ライゲーション反応組成物を形成する前に断片化される。いくつかの実施形態において、全RNAは、断片化され得るか、または細分されたRNAは、本明細書中に提供される方法を用いて断片化され得、そして解析され得る。いくつかの実施形態において、検出されるRNA分子は、複数の異なるRNA種を含み、それらとしては、ライゲーション産物を生成する前に断片化されてもよいし、されなくてもよい、複数の異なるmRNA種が挙げられるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態において、そのRNAは、当該分野で周知の方法を用いて、化学的に、酵素的に、機械的に、加熱によって、またはそれらの組み合わせによって断片化される。断片化されたRNAは、本明細書中に提供される方法を用いて解析される。したがって、コードRNA(例えば、発現解析の場合)または非コードRNAを含む、DNAから転写される配列が解析される、ホールトランスクリプトーム解析が行われ得る。
いくつかの実施形態において、ある特定のサイズ範囲の低分子RNA分子および/または断片化RNAが、例えば、サイズ分画手順を用いてサンプルから得られる。いくつかの実施形態では、全RNAが断片化され、そして第1および第2アダプターを連結する前にサイズ分画され得るが;他の実施形態では、全RNAが、ライゲーション反応組成物において使用される。限定としてではなく説明の目的で、ある特定の分画技術が図11に示されている。
いくつかの実施形態において、ポリA選択プロセスを行うことにより、ポリAを欠くRNA分子(ポリAマイナスRNA分子)からメッセンジャーRNA(mRNA)が分離される。いくつかの実施形態において、例えば、限定されないが、当該分野で公知のポリA選択技術(オリゴ−dTクロマトグラフィを含むがこれに限定されない)を用いて全RNAからmRNAのうちの少なくとも一部を分離することによって、全RNAが、サブセットに細分される。そのような実施形態において、ポリA+画分またはポリA枯渇画分のいずれかを本教示において使用することにより、その画分中に存在するRNA分子のうちの少なくとも一部が検出され得る。いくつかの実施形態において、両方の画分を別々に使用することにより、各画分中に存在するRNA分子のうちの少なくとも一部が検出され得る。いくつかの実施形態において、目的のRNA分子は、ポリAマイナスRNA分子(例えば、限定されないが、大きい非コードRNA)を含む。
ある特定の実施形態において、mRNA分子の集団またはポリAマイナスRNA分子の集団は、その集団中の豊富なRNA分子(例えば、限定されないが、リボソームRNA)またはハウスキーピング遺伝子もしくは高度に発現される遺伝子からのmRNA(アクチンmRNAおよびグロビンmRNAを含むがこれらに限定されない)の少なくとも1種が枯渇されている。例えば、ある特定のmRNAまたはRNAのクラス(例えば、限定されないが、高コピー数mRNA(例えば、アクチン、GAPDH、グロビンおよび他の「ハウスキーピング」mRNA));およびRNAのクラス(例えば、限定されないが、18S RNAおよび28S RNA)が、全RNAから枯渇されている(例えば、RiboMinus(Invitrogen,Carlsbad,CA)またはGLOBINclearTM(Ambion,Austin,TX)キット(米国特許出願公報US2006/0257902,Methods and Compositions for Depleting Abundant RNA Transcriptsもまた参照のこと)などの市販のキットを用いて)。
化学的断片化という用語は、本明細書中で広い意味において使用され、RNAを含むサンプルを、金属イオン(例えば、限定されないが、亜鉛(Zn2+)、マグネシウム(Mg2+)およびマンガン(Mn2+))および熱に曝露することを含むが、これらに限定されない。
酵素的断片化という用語は、広い意味において使用され、ヌクレアーゼ活性を含むペプチド(例えば、エンドリボヌクレアーゼまたはエキソリボヌクレアーゼ)が、RNA分子のうちの少なくとも一部を切断または消化するのに適した条件下で、そのRNAを含むサンプルを、そのペプチドと混合することを含む。例示的なヌクレアーゼとしては、リボヌクレアーゼ(RNases)(例えば、RNaseA、RNaseT1、RNaseT2、RNaseU2、RNasePhyM、RNaseIII、RNasePH、リボヌクレアーゼV1、オリゴリボヌクレアーゼ(例えば、EC3.1.13.3)、エキソリボヌクレアーゼI(例えば、EC3.1.11.1)およびエキソリボヌクレアーゼII(例えば、EC3.1.13.1))が挙げられるが、これらに限定されないが、しかしながら、1つ以上のより小さい構成成分へのRNA分子の加水分解を触媒する任意のペプチドが、本教示の企図の範囲内である。核酸(例えば、限定されないが、リボザイム)によるRNA分子の断片化もまた、本教示の範囲内である。
機械的断片化という用語は、広い意味において使用され、機械的な力(超音波処理、衝突または物理的衝撃および剪断力を含むがこれらに限定されない)に曝露されるときに核酸が断片化される任意の方法を含む。
いくつかの実施形態において、RNAの非常に小さいフラグメントは、「精製」工程(例えば、限定されないが、本教示に従って残存しているより大きなRNA分子を用いる前の、ゲル電気泳動、ガラス繊維フィルターまたは磁気ビーズを用いる精製)を用いて除去される。
ある特定の実施形態において、本教示の方法は、物理的分離方法を用いて細分されたRNA分子を使用し、その物理的分離方法としては、サイズ分離方法(例えば、遠心分離、カラムクロマトグラフィ/ゲルふるい分けおよび電気泳動的分離)が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、目的のRNA分子の電気泳動的分離は、flashPAGETMFractionator System(Ambion,Austin,TX)、または当該分野で公知の方法に従ってアガロースもしくはポリアクリルアミドゲルからバンドを切り出すことによるサイズ分離を含む。いくつかの実施形態において、ある特定の開示される方法において使用されるRNA分子は、mirVanaTMmiRNA Isolation Kit(Ambion)を含むがこれに限定されない種々のサンプル調製キットおよび試薬のいずれかを用いてサンプル中のRNA分子のサブセットを抽出することによって得られ得る。いくつかの実施形態において、RNAは、免疫沈降され得る。
非コードRNAまたはncRNAという用語は、サイズに関係なく、タンパク質に翻訳されない任意のRNA分子のことを指す。例示的なncRNAとしては、転移RNA(tRNA)、リボソームRNA(rRNA)、マイクロRNA(miRNA)、核内低分子RNA(snRNA)、核小体低分子RNA(snoRNA)、ガイドRNA(gRNA)、エフェレンス(efference)RNA(eRNA)、Piwi相互作用RNA(piRNA)、反復配列関連siRNA(rasiRNA)、シグナル認識粒子RNA、プロモーターRNA(pRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)および転移メッセンジャーRNA(tmRNA)が挙げられる。
RNA分子を再構築するために、より長い分子が、細分および/または断片化され得、そして画分および/またはフラグメントが、検出され得るので、検出されるRNA分子の長さが、本教示の限りではないことを当業者は認識するだろう。いくつかの実施形態において、検出されるRNA分子の長さは、12〜500ヌクレオチド、15〜110ヌクレオチド、15〜100ヌクレオチド、18〜110ヌクレオチド、20〜80ヌクレオチド、25〜約60ヌクレオチド、20〜約45ヌクレオチド、20〜約41ヌクレオチド、20〜約40ヌクレオチド、21、22、23、24もしくは25〜約36、37、38、39、40もしくは41ヌクレオチド、またはそれらの間の任意の整数の範囲である。いくつかの実施形態において、検出されるRNA分子は、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40または41ヌクレオチドの長さを有する。
RNAを細分または断片化するために使用される技術が、本教示の限りでないこと、および典型的には、様々な細分または断片化の技術が、RNA分子の画分またはフラグメントが検出されるかに応じて使用され得ることを当業者は認識するだろう。
ある特定の実施形態において、出発物質は、少なくとも1つの合成RNA分子(例えば、とりわけ、較正または標準化のために使用され得るスパイクインコントロール(spike−in control))を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの合成RNA分子種が、天然に存在するRNA分子を含むサンプルに加えられ、そして少なくとも1つの合成RNA種および少なくとも1つの天然に存在するRNA種の存在が、開示される方法に従って検出される。
いくつかの実施形態において、検出されるRNA分子は、効率的なライゲーションのために5’−モノホスフェートおよび3’−ヒドロキシルを有する。例えば、いくつかの低分子RNAの生合成は、トリホスフェートを含む5’末端を有するRNA分子をもたらす。本教示のある特定の実施形態によると、そのようなRNA分子は、アダプターライゲーションおよび増幅に適さない。したがって、5’キャップ構造を有するインタクトなmRNA分子および5’トリホスフェートを有するRNA分子(C.elegans由来の内在性siRNA(Pak 2007)などの低分子RNAを含む)は、まずキャップ除去酵素(例えば、限定されないが、タバコ酸性ピロホスファターゼ(TAP)、ヌクレアーゼP1、Dcp1pキャップ除去酵素、Dcp2キャップ除去酵素またはDcpSキャップ除去酵素)で処理されることにより、RNA分子の5’末端を5’モノホスフェートに変換されない限り、反応組成物中のハイブリダイズされたアダプターに効率的に連結できない。目的のRNA分子が、5’−トリホスフェートを含む場合、本教示のある特定の実施形態は、タバコ酸性ピロホスファターゼを使用することにより、RNA分子の5’末端を5’モノホスフェートに変換して、ライゲーションに適するものにする。
いくつかの実施形態において、ある特定の断片化技術によって生成されたフラグメントは、はじめは、酵素的ライゲーションに適した末端を有しない;いくつかの実施形態において、そのようなフラグメントは、キナーゼ(例えば、限定されないが、バクテリオファージT4ポリヌクレオチドキナーゼ)で処理されることにより、5’末端または3’末端を本教示に従う連結に適するものにする。
検出されるRNAは、少なくとも1つの第1アダプター、少なくとも1つの第2アダプターと混合され、そしてアニールされて、二本鎖特異的RNAリガーゼを含むポリペプチドが、連結産物を形成し得るので、検出されるRNAは、一本鎖であっても二本鎖であってもよい。
本教示によると、目的のRNA分子は、合成のものであってもよいし、天然に存在するものであってもよい。RNA分子は、当該分野で周知のオリゴヌクレオチド合成法を用いて合成され得る。RNA分子はまた、当該分野で公知の方法に従って、インビボまたはインビトロにおいて生化学的に合成され得、その方法としては、例えば、米国特許第5,958,688号;同第5,723,290号;同第5,514,545号;同第5,021,335号;同第5,168,038号;同第5,545,522号;同第5,716,785号;同第5,891,636号;および同第6,291,170号を含むがこれらに限定されないインビトロ転写技術であるがこれらに限定されない。そのような技術に関する詳細な説明は、とりわけ、Current Protocols in Nucleic Acid Chemistry,Beaucageら、eds.,John Wiley & Sons,New York,New York(2005年5月までの改訂を含む)(本明細書中以後「Beaucageら」);およびBlackburn and Gaitに見られる。RNA分子、アダプターおよびプライマーの合成に有用な自動核酸合成装置は、数多くの供給源(例えば、Applied Biosystems(Foster City,CA)が挙げられる)から市販されている。RNA分子、アダプターおよびプライマーは、当該分野で周知のインビボでの方法および/またはインビトロでの方法を用いて生合成的にも生成され得る。そのような科学技術に関する説明は、とりわけ、SambrookらおよびAusubelらに見られる。第4オリゴヌクレオチドが開始可能な(primeable)基質である限り、ヌクレオシドアナログ(例えば、2’−OMe−、LNA−、ハロ−またはアラビノ−誘導体)またはユニバーサル核酸塩基を、アダプターに組み込むことができる。精製されたRNAまたは部分的に精製されたRNAは、数多くの供給源から市販されており、それらとしては、FirstChoice(登録商標)Total RNA、FirstChoice(登録商標)Poly(A)、FirstChoice(登録商標)Tumor RNAおよびmirVanaTMmiRNA Reference Panel(Ambion,Austin,TX);Reference Total RNA,Human and Mouse,and Universal Reference RNAs(Stratagene,La Jolla,CA);ならびにAmerican Type Culture Collection(ATCC),Manassas,VAが挙げられる。
いくつかの実施形態において、検出されるRNA分子は、サンプル中に存在する。用語「サンプル」は、本明細書中で広い意味において使用され、広範囲の生物学的材料、ならびにRNAを含むかまたは含むと疑われるそのような生物学的材料に由来するかまたはそれらから抽出される組成物を含むと意図される。例示的なサンプルとしては、全血;赤血球;白血球;バフィーコート;毛;爪およびクチクラ材料;頬側スワブ、咽頭スワブ、膣スワブ、尿道スワブ、子宮頸部スワブ、直腸スワブ、病変スワブ、膿瘍スワブ、鼻咽頭スワブなどを含むスワブ;尿;痰;唾液;精液;リンパ液;羊水;脳脊髄液;腹膜滲出液;胸水;嚢胞からの体液;滑液;硝子体液;房水;包液(bursa fluid);眼洗浄液;眼吸引液;血漿;肺洗浄液;肺吸引液;および肝臓、脾臓、腎臓、肺、腸、脳、心臓、筋肉、膵臓、バイオプシー材料などを含む組織が挙げられる。上記の例示的な生物学的サンプルのいずれかから得られた溶解産物、抽出物または材料もまた、本教示の範囲内であることを当業者は認識するだろう。外植される材料、初代細胞、二次細胞株などを含む組織培養細胞ならびに任意の細胞から得られた溶解産物、抽出物または材料もまた、本明細書中で使用されるとき、生物学的サンプルという用語の意図される意味の範囲内である。法医学的、農学的および/または環境的な環境から得られる少なくとも1つのRNA分子を含むかまたは含むと疑われる材料もまた、サンプルという用語の意味の範囲内である。ある特定の実施形態において、サンプルは、合成核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、サンプルは、完全に合成であり、例えば、少なくとも1つの合成核酸配列を含む緩衝溶液を含むコントロールサンプルであるがこれらに限定されない。ある特定の実施形態において、サンプルは、環境的サンプル(例えば、土壌、水または大気サンプル)である。
植物のmiRNAは、3’末端に2’−O−メチル基を有し得、そして本明細書中で言及されるようなライゲーション反応において連結され得る。しかしながら、そのようなライゲーションの効率は、3’末端に2’−OHを有するRNA種と比べて低い。
第1アダプターおよび第2アダプター:上で述べたように、少なくとも1つの第1アダプターは、3’末端上に少なくとも2つのリボヌクレオシドを含む第1オリゴヌクレオチド、および図2Aに示されているように第1オリゴヌクレオチドと第2オリゴヌクレオチドとが共にハイブリダイズするとき、一本鎖5’部分を含む第2オリゴヌクレオチドを含む。第1および第2オリゴヌクレオチドは、以下でさらに説明される一本鎖部分を除いて、実質的に相補的であるように設計される。その実質的に相補的な部分は、10〜60ヌクレオチドの長さを有し得る。いくつかの実施形態において、その実質的に相補的な部分は、10〜40ヌクレオチド、12もしくは15〜30ヌクレオチド、20、21、22もしくは23〜25、27もしくは29ヌクレオチド、またはこれらの範囲のいずれかの間の任意の整数の範囲の長さを有し得る。第1オリゴヌクレオチドと第2オリゴヌクレオチドとが、アニールまたは二重鎖形成することにより第1アダプターが形成されるとき、それらは、1つの平滑末端を有し得るか(図2Aおよび図2Bにおけるように)、または一本鎖部分を有する末端と反対の末端に1、2もしくは3ヌクレオチドのオーバーハングを有し得る。そのオーバーハングは、第1オリゴヌクレオチド上に存在してもよいし、第2オリゴヌクレオチド上に存在してもよい。
また、上で述べたように、少なくとも1つの第2アダプターは、5’ホスフェート基を含む第3オリゴヌクレオチド、および図2Aに示されているように第3オリゴヌクレオチドと第4オリゴヌクレオチドとが共にハイブリダイズするときに一本鎖3’部分を含む第4オリゴヌクレオチドを含む。第3および第4オリゴヌクレオチドは、以下でさらに説明される一本鎖部分を除いて、実質的に相補的であるように設計される。その実質的に相補的な部分は、10〜60ヌクレオチドの長さを有し得る。第3オリゴヌクレオチドと第4オリゴヌクレオチドとが、アニールまたは二重鎖形成することにより第2アダプターが形成されるとき、それらは、1つの平滑末端を有し得るか(図2Aおよび図2Bにおけるように)、または一本鎖部分を有する末端と反対の末端に1、2もしくは3ヌクレオチドのオーバーハングを有し得る。そのオーバーハングは、第1オリゴヌクレオチド上に存在してもよいし、第2オリゴヌクレオチド上に存在してもよい。
いくつかの実施形態において、第1オリゴヌクレオチドが、3’末端上に少なくとも2つのリボヌクレオシドを含むことを除いて、第1、第2、第3および第4オリゴヌクレオチドは、独立して、デオキシリボヌクレオシド、リボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドとリボヌクレオチドの両方を含む。図2Aの例証となる実施形態において、第1オリゴヌクレオチドにおけるヌクレオシドのすべては、リボヌクレオシドであるが、他の実施形態では、第1オリゴヌクレオチドのヌクレオシドのうちのすべておよび2つだけが、リボヌクレオシドであり得るが、但し、第1オリゴヌクレオチドの最も3’側の2つのヌクレオシドは、リボヌクレオシドであり;残りの第1オリゴヌクレオチドは、リボヌクレオシド、デオキシリボヌクレオシドまたは両方の組み合わせを含み得ることが認識されるべきである。いくつかの実施形態において、第2、第3および第4オリゴヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオシドを含み、そして第1オリゴヌクレオチドのすべてが、リボヌクレオシドを含む。いくつかの実施形態において、第1オリゴヌクレオチドは、リボヌクレオシドを含み、そして第2、第3および第4オリゴヌクレオチドは、デオキシリボヌクレオチドを含む。第1および第2アダプターのオリゴヌクレオチドの長さは、互いに独立している。
第1、第2、第3および第4オリゴヌクレオチドの配列は、上に記載されたようにアダプターの二重鎖形成される部分において実質的な相補性が達成されるようなものである。いくつかの実施形態において、第1オリゴヌクレオチドの配列と第3オリゴヌクレオチドの配列とは、異なる。アダプターの二重鎖形成された部分のヌクレオチドの特定の配列は、本明細書中の方法に限定されるものではない。いくつかの実施形態において、アダプター配列の一部は、「プロモーター配列」を含み、それには、適当なポリメラーゼ(例えば、限定されないが、T3RNAポリメラーゼ、T7RNAポリメラーゼまたはSP6RNAポリメラーゼ)を使用した転写の開始に適した配列が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、第1アダプターは、第1プロモーターに対する「プロモーター配列」を含み、そして第2アダプターは、第2プロモーターに対する「プロモーター配列」を含む。
第1オリゴヌクレオチドの3’末端および第3オリゴヌクレオチドの5’末端は、検出されるRNA分子に対するライゲーションに適するものであり、そのRNA分子もまた、ライゲーションに適するものである。「ライゲーションに適した」オリゴヌクレオチドとは、少なくとも1つの検出されるRNA分子、ならびに少なくとも1つの第1アダプターおよび/または少なくとも1つの第2アダプターのことを指し、それらの各々は、適切な反応基を含む。例示的な反応基としては、第1アダプターの第1オリゴヌクレオチドの3’末端上の遊離ヒドロキシル基および検出されるRNA分子の5’末端上の遊離ホスフェート基、検出されるRNA分子の3’末端上の遊離ヒドロキシル基および第2アダプターの第3オリゴヌクレオチドの5’末端上の遊離ホスフェート基が挙げられるが、これらに限定されない。
アダプターの一本鎖部分:例証となる第2および第4オリゴヌクレオチドの一本鎖部分は、縮重六量体配列として図2Aに示されている(NNNNNNとして示されている)。しかしながら、配列特異的一本鎖部分ならびにより長いおよびより短い一本鎖部分を有する第1および/または第2アダプターの使用は、本教示の範囲内である。
いくつかの実施形態において、一本鎖部分は、独立して、デオキシリボヌクレオシド、リボヌクレオシドまたはデオキシリボヌクレオシドとリボヌクレオシドとの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、一本鎖部分は、デオキシリボヌクレオシドを含む。
アダプターの一本鎖部分のいくつかの実施形態において、その一本鎖部分の長さは、1ヌクレオチドもの短さであり、8ヌクレオチドもの長さである。いくつかの実施形態において、一本鎖部分の長さは、2、4、6または8ヌクレオチドである。いくつかの実施形態において、一本鎖部分の長さは、4または6ヌクレオチドである。第2オリゴヌクレオチドの一本鎖部分の長さは、第4オリゴヌクレオチドの一本鎖部分の長さと独立している。
いくつかの実施形態において、一本鎖部分のヌクレオシド配列は、検出される特定のRNA分子の5’配列または3’配列に対して相補的であるように設計される。いくつかの実施形態において、その検出される特定のRNA分子は、少なくとも1つの第1アダプターの一本鎖部分および少なくとも1つの第2アダプターの一本鎖部分とハイブリダイズし、ライゲーション反応が生じ得る。特定の配列にハイブリダイズするために、いくつかの実施形態において、一本鎖部分の長さは、独立して、4〜6ヌクレオチド長である。そのような方法において、RNA分子は、本明細書中の方法によって指向的に検出される。当業者は、検出されるRNA分子の5’配列または3’配列に対応する一本鎖部分を設計することができ、そして本明細書中に提供される検出方法を用いて、そのRNA分子に対応するセンス配列またはアンチセンス配列を検出することができる。
いくつかの実施形態において、一本鎖部分の配列は、縮重配列に対して相補性を有するサンプルのすべてのRNA分子がアダプターの一本鎖部分にアニールすることを可能にする縮重配列であるように設計される。いくつかの実施形態において、縮重一本鎖部分は、1〜8ヌクレオチドの長さを有する。いくつかの実施形態において、縮重一本鎖部分は、4、6または8ヌクレオチドの長さを有する。いくつかの実施形態において、縮重ヌクレオシド配列は、デオキシリボヌクレオチドである。
いくつかの実施形態において、第2または第4オリゴヌクレオチドの一本鎖部分の配列は、縮重配列であり、その第2または第4オリゴヌクレオチドの他の配列は、検出されるRNA分子に対応する配列である。
アニールまたはハイブリダイズ:用語「アニールする」および「ハイブリダイズする」(基語のハイブリダイズするおよびアニールするの変化形を含むがこれらに限定さない)は、交換可能に使用され、二重鎖、三重鎖または他のより高度に整列された構造の形成をもたらす、1つの核酸と別の核酸とのヌクレオチド塩基対形成相互作用を意味する。主要な相互作用は、典型的には、ヌクレオチド塩基特異的であり、例えば、ワトソン−クリックおよびフーグスティーンタイプの水素結合によるA:T、A:UおよびG:Cである。ある特定の実施形態において、塩基スタッキングおよび疎水性相互作用もまた、二重鎖の安定性に寄与し得る。例えば、プライマーが相補的または実質的に相補的な配列にアニールする条件は、例えば、Nucleic Acid Hybridization,A Practical Approach,Hames and Higgins,eds.,IRL Press,Washington,D.C.(1985)およびWetmur and Davidson,Mol.Biol.31:349,1968に記載されているように、当該分野で周知である。通常、アニールが起きるか否かは、とりわけ、核酸の相補的な部分の長さ、pH、温度、一価および二価の陽イオンの存在、ハイブリダイズ領域におけるGおよびCヌクレオチドの割合、媒質の粘度、ならびに変性剤の存在によって影響される。そのような可変項目は、ハイブリダイゼーションに必要な時間に影響する。核酸の相補的な部分におけるある特定のヌクレオチドアナログまたは副溝結合剤の存在もまた、ハイブリダイゼーション条件に影響し得る。したがって、好ましいアニール条件は、特定の適用方法に依存し得る。しかしながら、そのような条件は、過度の実験を行うことなく、当業者によって通例のとおり決定され得る。典型的には、アニール条件は、核酸が、相補的または実質的に相補的な配列と選択的にハイブリダイズするが、反応物中の他の配列に任意の有意な程度でハイブリダイズしないことを可能にするように選択される。
用語「選択的にハイブリダイズする」およびその変化形は、適当な条件下において、所与の配列が、相補的または実質的に相補的な一連のヌクレオチドを含む第2配列とアニールするが、望まれない配列にアニールしないことを意味する。この適用において、1つの配列が、別の配列と選択的にハイブリダイズするかまたはアニールするという記載は、それらの配列の両方の全体が、互いにハイブリダイズする状況およびその配列の一方または両方の一部だけが、他方の配列の全体または他方の配列の一部にハイブリダイズする状況を包含する。この定義の目的で、用語「配列」は、核酸配列、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、プライマー、標的特異的部分、増幅産物特異的部分、プライマー結合部位、ハイブリダイゼーションタグおよびハイブリダイゼーションタグ相補物を含む。
用語「対応する」とは、本明細書中で使用されるとき、その用語が関係するエレメント間の少なくとも1つの特異的な関係性のことを指す。例えば、第1アダプターの一本鎖5’部分は、その一本鎖部分にハイブリダイズする末端のヌクレオチド配列を有するRNA分子に対応する。第2アダプターの一本鎖3’部分は、その一本鎖部分にハイブリダイズする末端のヌクレオチド配列を有するRNA分子に対応する。さらなる例としては、プライマーが、対応する相補的または実質的に相補的な核酸のプライマー結合部分に結合する場合、特定の親和性タグが、対応する親和性タグに結合する場合(例えば、ストレプトアビジンに対するビオチンの結合であるがこれに限定されない)、および特定のハイブリダイゼーションタグが、その対応するハイブリダイゼーションタグ相補物とアニールする場合;などが挙げられる。
この適用において、1つの配列が、別の配列と、同じである、実質的に同じである、相補的である、または実質的に相補的であるという記載は、その両方の配列が、互いに完全に同じであるか、実質的に同じであるか、または相補的であるか、もしくは実質的に相補的である状況、およびそれらの配列の一方の一部分だけが、他方の配列の一部またはその全体と同じであるか、実質的に同じであるか、相補的であるか、または実質的に相補的である状況を包含する。この定義の目的で、用語「配列」は、RNA、DNA、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、プライマー、連結産物、逆転写産物、増幅鋳型、増幅産物、プライマー結合部位、ハイブリダイゼーションタグおよびハイブリダイゼーションタグ相補物を含む。
用語「変性する」または「変性」とは、本明細書中で使用されるとき、二本鎖増幅産物または二本鎖DNAまたはDNA:RNA二重鎖を含む二本鎖ポリヌクレオチドが、2つの一本鎖ポリヌクレオチドに変換される任意のプロセスのことを指す。二本鎖ポリヌクレオチドの変性としては、二重鎖を変性させることによって、その2つの一本鎖成分を放出させるための種々の熱的または化学的な技術が挙げられるが、これらに限定されない。使用される変性技術が、その後の増幅工程および/または検出工程を阻害しないか、またはかなり妨害しない限り、一般に限定されないことを当業者は認識するだろう。
ライゲーション:用語「連結する」またはその形態は、二本鎖特異的RNAリガーゼ活性を含むポリペプチドを使用する酵素的ライゲーションプロセスのことを指すために本明細書中で使用され、ここで、鋳型に隣接してハイブリダイズされるオリゴヌクレオチドの直接隣接した末端間に、ヌクレオチド間結合が形成される。その結合の形成は、二重鎖依存的および二重鎖特異的または鋳型依存的および鋳型特異的とも呼ばれる、二本鎖に依存的および特異的である。そのヌクレオチド間結合としては、3’−リボヌクレオシドと5’−リボヌクレオチドとの間または3’−リボヌクレオシドと5’−デオキシリボヌクレオシドとの間のホスホジエステル結合の形成が挙げられ得るが、これらに限定されない。用語「二本鎖特異的RNAリガーゼ」とは、本明細書中で使用されるとき、特に、オリゴヌクレオチドが鋳型分子に直接隣接してハイブリダイズされるときに、3’末端のリボヌクレオチドを有するオリゴヌクレオチドと5’ホスフェート基を有するオリゴヌクレオチドとの間のニックを優先的に塞ぐかまたは連結するRNAリガーゼ活性を含むポリペプチドのことを指す。例えば、限定されないが、第1アダプターの第1オリゴヌクレオチドの3’末端と第1アダプターがアニールされるRNA分子との間のニックは、図2Bにおいてライゲーション接合点24として模式的に示されている。
ある特定の実施形態において、二本鎖特異的RNAリガーゼ活性を含むポリペプチドは、バクテリオファージT4RNAリガーゼ2(T4Rnl2)(Rnl2の酵素的に活性な変異体またはバリアントを含むがこれらに限定されない)によって例証されるRnl2ファミリーリガーゼである。T4Rnl2は、異なるヌクレオチジルトランスフェラーゼモチーフに起因して、リガーゼのRnl1ファミリーとは異なるRNAリガーゼファミリーに対するプロトタイプリガーゼである(例えば、Ho and Shuman,Proc.Natl.Acad.Sci.99(20):12709−14(2002);およびYinら、J.Biol.Chem.278:17601−08(2003)を参照のこと)。T4Rnl2ファミリーは、とりわけ、ビブリオファージKVP40Rnl2、Trypanosoma brucei(TbREL1およびTbREL2)およびLeishmania tarentolae(LtREL1およびLtREL2)のRNA編集リガーゼ(RELs)、ポックスウイルスAmEPV(エントモポックスウイルス)リガーゼ、バキュロウイルスAcNPVリガーゼ、ならびにバキュロウイルスXcGVリガーゼを含む。いくつかの実施形態において、RELリガーゼを用いるとき、第2および第4オリゴヌクレオチドは、リボヌクレオチドを含み得、そしてある特定の実施形態において、第2および第4オリゴヌクレオチドの一本鎖部分は、リボヌクレオチドを含み得る。
T4Rnl2リガーゼは、NEW ENGLAND BIOLABS(登録商標)(Ipswich,MA)から市販されているか、またはそのリガーゼは、Nandakumarら、JBC 280(25):23484−23489,2005;Nandakumarら、JBC 279(30):31337−31347,2004;およびNandakumarら、Molecular Cell16:211−221,2004に記載されているように単離され得る。T4Rnl2酵素は、ファージT4の遺伝子gp24.1によってコードされる。ある特定の実施形態において、リガーゼ活性を含むポリペプチドは、T4Rnl2もしくはRnl2ファミリーのリガーゼの別のメンバー、またはその酵素的に活性な変異体またはバリアントを含む。
ある特定の実施形態において、二本鎖特異的RNAリガーゼ活性を含むポリペプチドは、Deinococcus radiodurans RNAリガーゼ(DraRnl)(Raymondら、Nucl Acids Res 35(3):839−849,2007)、またはDraRnlタイプのリガーゼ(真菌のMagnaporthe grisea由来のGenBankアクセッション番号XP_367846、Neurospora crassa由来のGenBankアクセッション番号CAE76396、Gibberella zeae由来のアクセッション番号XP_380758またはアメーバであるDictyostelium discoideum由来のアクセッション番号EAL61744を有するリガーゼを含むがこれらに限定されない)である。いくつかの実施形態において、リガーゼは、上で言及したリガーゼ、またはその酵素的に活性な変異体もしくはバリアントのいずれかの組み合わせを含み得る。
ある特定の実施形態において、二本鎖特異的RNAリガーゼ活性を含むポリペプチドが、プレアデニル化(preadenylated)され得るか、第3オリゴヌクレオチドの5’末端のヌクレオチドが、プレアデニル化され得るか、または検出されるRNA分子の5’末端のヌクレオチドが、プレアデニル化され得るか、またはそれらの組み合わせである。Hoら(Structure 12:327−339)は、T4Rnl2のC末端ドメインが、3’−OHと5’−PのRNA末端を塞ぐ際に機能するT4Rnl2に対する機序を示している。Rnl2タンパク質のN末端のセグメント(1〜249)は、自律的なアデニリルトランスフェラーゼ/App−RNAリガーゼドメインとして機能すると報告されている。一般に、RNAリガーゼは、活性化された共有結合性の中間体が関与する一続きの3つのヌクレオチジル移行工程を介して、3’−OHと5’−POのRNAの末端を連結する。RNAリガーゼは、ATPと反応することにより、ピロホスフェートに加えて共有結合性のリガーゼ−AMP中間体を形成する。次いで、AMPは、リガーゼ−アデニレートから5’−PORNA末端に移行されることにより、RNA−アデニレート中間体(AppRNA)を形成する。次いで、リガーゼは、RNA−アデニレート上のRNA 3’−OHによる攻撃を触媒することにより、ホスホジエステル結合を介してその2つの末端を塞ぎ、そしてAMPを放出する。RNAライゲーションに対する機序は、Nandakumarら(同書2005,2004a,2004b)、Yinら(JBC 278:20,17601−17608;Virology 319:141−151,2004)、Hoら[同書;PNAS,99:20,12709−12714,2002)、Gumportら(Gene Amplification and Analysis,Vol 2,Chirikjian,J.G.およびPapas,T.S.編、1981,313−345)およびRaymondら(Nucleic Acids Res.35:3,839−849,2007)によってさらに考察されている。プレアデニル化された物質(例えば、リガーゼ−アデニレート、RNA−アデニレートまたはキメラDNA/RNA−アデニレート)は、本教示のいくつかの実施形態における使用について企図されている。
ある特定の実施形態によると、第1アダプターの少なくとも1種、第2アダプターの少なくとも1種、RNA分子の少なくとも1種、および二本鎖特異的RNAリガーゼ活性を含むポリペプチドは、ライゲーション反応組成物中で混合される。1つのアダプターが、1つの反応において目的のRNA分子の一方の末端に連結され、次いで、別のアダプターが、第2の反応において同じ目的のRNA分子の反対側に連結されるかまたは組み込まれる(ここで、ゲル精製、リン酸化または逆転写の工程が介在することが多い)他の技術とは対照的に、本教示のアダプターの各々は、同じインキュベート期間中に、すなわち、同時またはほぼ同時に、同じ反応組成物において、対応するRNA分子と連結されることが認識されるべきである(例えば、Elbashirら、Genes and Development 15:188−200,2001;Ambros and Lee,Methods in Mol.Biol.265:131−58,2004;Berezikovら、Nature Genet.Supp.38:S2−S7,2006;Takadaら、Nucl.Acids Res.34(17):e115,2006;Michael,Methods in Mol.Biol.342:189−207,2006;およびTakada and Mano,Nature Protocols 2(12):3136−45,2007を参照のこと)。本教示に関して、ライゲーション反応組成物に成分を加える順序は、通常、重大ではなく、特に明確に述べられない限り、用語「ライゲーション反応組成物を形成する」または本明細書中で使用される類似の用語の範囲内に包含されると意図されることが理解されるべきである。したがって、一方のアダプター(例えば、第1アダプター)を、RNA分子およびリガーゼを含む反応組成物に加えた後、続いて他方のアダプター(この例では、第2アダプター)をその反応組成物に連続的に加えることは、一方のアダプターの添加と他方のアダプターの添加の間にインキュベート工程が存在するか否かに関係なく、本教示の意図される範囲内である。
逆転写:いくつかの実施形態において、RNA分子の検出は、連結産物を逆転写することにより、逆転写産物を形成することを含む。用語「逆転写する」および「逆転写」ならびにその形態は、本明細書中で使用されるとき、RNA指向性DNAポリメラーゼ転写活性を有するポリペプチドを用いて、鋳型依存的様式で二本鎖RNA−DNAハイブリッド分子にデオキシリボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドのアナログを連続的に触媒的に付加することに基づいて、連結産物から出発してそのハイブリッド分子を生成するプロセスのことを指す。本教示によると、第2アダプターの第4オリゴヌクレオチドは、ライゲーション産物を逆転写するためのプライマーとして働き得ることにより、逆転写産物を生成する。ゆえに、逆転写のための別個のプライマーの付加は、必要はない。
いくつかの実施形態において、RNA指向性DNAポリメラーゼ転写活性を有するポリペプチドは、MMLV逆転写酵素(その酵素的に活性な変異体またはバリアントを含む)、例えば、限定されないが、ArrayScriptTM逆転写酵素(Ambion)、SuperScriptTM逆転写酵素(Invitrogen);または逆転写活性を含むが、対応する野生型の逆転写酵素と比べてRNAseH活性が低いポリペプチド(例えば、限定されないが、RNaseH−マイナスHIV−1逆転写酵素(Wuら、J.Virol.73(6):4794−4805,1999)などの「RNaseHマイナス」変異体)を含む。
いくつかの実施形態において、RNA指向性DNAポリメラーゼ転写活性は、ある特定の反応条件下において、RNA指向性DNAポリメラーゼ活性を有するDNA指向性DNAポリメラーゼ(例えば、限定されないが、Tth DNAポリメラーゼおよびCarboxydothermus hydrogenoformans由来のDNAポリメラーゼI)によって行われ得る。
リボヌクレアーゼH消化:いくつかの実施形態において、逆転写産物は、リボヌクレアーゼHによって消化されることにより、リボヌクレオシドのうちの少なくとも一部が除去され、それにより増幅鋳型が形成される。用語「消化する」とは、特にリボヌクレアーゼに対する言及において、より小さい成分へのRNAの触媒(例えば、限定されないが、本教示の増幅鋳型として働き得る一本鎖または実質的に一本鎖のcDNA分子を生成するための、RNaseHによる逆転写産物のRNA鎖の切断)のことを指す。
増幅:用語「増幅する」および「増幅」は、広い意味において使用され、典型的には鋳型依存的様式で、増幅鋳型の少なくとも一部、増幅産物の少なくとも一部、またはその両方が、再生成されるかまたは複製される、任意の技術(相補的なコピーの合成を含む)のことを指し、これには、線形または指数関数的に核酸配列を増幅するための広範な技術が含まれるがこれらに限定されない。増幅技術のいくつかの非限定的な例としては、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(逆転写PCR(RT−PCR)、非同調性プライマーPCR、エマルジョンPCR(ePCR)、定量的PCR(qPCR)および非対称性PCRを含むがこれらに限定されない)、プライマー伸長、鎖置換増幅(SDA)、多置換増幅(MDA)、核酸鎖ベースの増幅(NASBA)、ローリングサークル増幅(RCA)、転写媒介性増幅(TMA)、転写など(それらの複合のバージョンまたは組み合わせを含む)が挙げられる。そのような技術に関する説明は、とりわけ、Sambrook and Russell,同書;Sambrookら;Ausubelら;PCR Primer:A Laboratory Manual,Diffenbach,Ed.,Cold Spring Harbor Press(1995);The Electronic Protocol Book,Chang Bioscience(2002);Msuihら、J.Clin.Micro.34:501−07(1996);McPherson and Moller,PCR The Basics,Bios Scientific Publishers,Oxford,U.K.,2000(「McPherson」);Rapley,The Nucleic Acid Protocols Handbook(2000),Humana Press,Totowa,New Jersey(「Rapley」);米国特許第6,027,998号および同第6,511,810号;PCT公開番号WO97/31256およびWO01/92579;Ehrlichら、Science 252:1643−50(1991);Innisら、PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications,Academic Press(1990);Favisら、Nature Biotechnology 18:561−64(2000);Williamsら、Nature Methods 3(7):545−50(2006);およびRabenauら、Infection 28:97−102(2000)に見られる。
増幅は、熱サイクル反応工程(時折、サイクル反応工程または熱的サイクル反応工程と称される)を含み得るか、または等温的に行われ得る。ある特定の実施形態において、増幅工程は:プライマーを、増幅鋳型、増幅産物、またはそれらの相補物の相補的または実質的に相補的な配列とハイブリダイズさせる工程;ポリメラーゼを用いて鋳型依存的様式でヌクレオチドの鎖を合成する工程;および新たに形成された核酸二重鎖を変性することにより、鎖を分離する工程の連続的な工程の少なくとも1つのサイクル、典型的には、複数のサイクルを含む。そのサイクルは、要望どおりに繰り返されてもよいし、繰り返されなくてもよい。いくつかの実施形態において、増幅工程は、サーマルサイクラー(例えば、限定されないが、GeneAmp(登録商標)PCR System 9700、9600、2700または2400サーマルサイクラー(すべてApplied Biosystems製))において増幅反応組成物をサイクル反応に供する工程を包含する。ある特定の実施形態において、新たに形成された核酸二重鎖は、最初に変性されずに、その後の1つ以上の工程において二本鎖の形態で使用され、いずれかの鎖または両方の鎖が、目的の対応するRNA分子に対する代用物として働き得るが、そうである必要はない。ある特定の実施形態において、一本鎖アンプリコンが生成される(例えば、限定されないが、非対称性PCR、非同調性PCRまたは転写)。
プライマー伸長は、ポリメラーゼなどの伸長酵素を用いて、鋳型にアニールされたプライマーを5’=>3’方向で延長することにより、伸長産物を形成する工程(例えば、限定されないが、連結産物を逆転写する工程または増幅鋳型もしくは増幅産物を増幅する工程)を含む増幅技術である。ある特定の実施形態によると、適切な緩衝液、塩、pH、温度およびヌクレオチド三リン酸を用いるとき、ポリメラーゼは、アニールされたプライマーの3’末端から出発して、鋳型鎖に相補的なヌクレオチドを組み込むことにより、相補鎖を生成する。ある特定の実施形態において、プライマー伸長に使用されるポリメラーゼは、5’−エキソヌクレアーゼ活性を欠いているか、または実質的に欠いている。
いくつかの実施形態において、増幅鋳型を、少なくとも1つの順方向プライマー、少なくとも1つの逆方向プライマー、およびDNA指向性DNAポリメラーゼ活性を有するポリペプチドと合わせ、増幅反応組成物が形成される。
用語「DNAポリメラーゼ」は、本明細書中で広い意味において使用され、鋳型依存的様式でデオキシリボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドのアナログを核酸ポリマーに付加すること(例えば、限定されないが、プライマー伸長反応中の、核酸鋳型にアニールされたプライマーの3’末端へのデオキシリボヌクレオチドの連続的な付加)を触媒することができる任意のポリペプチドのことを指す。典型的には、DNAポリメラーゼは、DNA指向性DNAポリメラーゼ、および逆転写酵素を含むRNA指向性DNAポリメラーゼを含む。いくつかの逆転写酵素は、ある特定の反応条件下においてDNA指向性DNAポリメラーゼ活性を有し、それらとしては、AMV逆転写酵素およびMMLV逆転写酵素が挙げられる。いくつかのDNA指向性DNAポリメラーゼは、ある特定の反応条件下において逆転写酵素を有し、例えば、Thermus thermophilus(Tth)DNAポリメラーゼであるがこれに限定されない。DNAポリメラーゼに関する説明は、とりわけ、Lehninger Principles of Biochemistry,3d ed.,Nelson and Cox,Worth Publishing,New York,NY,2000,特にChapter26および29;Twyman,Advanced Molecular Biology:A Concise Reference,Bios Scientific Publishers,New York,NY,1999;Ausubelら、Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,Inc.,2005年5月までの増補を含む(本明細書中以後「Ausubelら」);Lin and Jaysena,J.Mol.Biol.271:100−11,1997;Pavlovら、Trends in Biotechnol.22:253−60,2004;およびEnzymatic Resource Guide:Polymerases,1998,Promega,Madison,WIに見られる。明確に、DNA指向性DNAポリメラーゼおよびRNA指向性DNAポリメラーゼという用語の意図される範囲内であるのは、様々な温度感受性特性を付与するように改変された酵素を含むその酵素的に活性な変異体またはバリアントである(例えば、米国特許第5,773,258号;同第5,677,152号;および同第6,183,998号;ならびにDNA Amplification:Current Techniques and Applications,Demidov and Broude,eds.,Horizon Bioscience,2004,特にChapter1.1を参照のこと)。
酵素の酵素的に活性な変異体またはバリアント:本教示の目的で、特定の酵素または酵素活性を含むポリペプチドが、記載されるかまたは特許請求されるとき、その酵素/ポリペプチドの酵素的に活性な変異体またはバリアントは、特に明確に述べられない限り、含められると意図される。限定としてではなく説明の目的で、用語「Rnl2」または「Rnl2リガーゼ」が、本明細書または添付の請求項において使用されるとき、天然に存在するかまたは野生型のRnl2リガーゼ、ならびにRnl2リガーゼのすべての酵素的に活性な変異体またはバリアントが、特に具体的に述べられない限り、含められると意図される。同様に、RNA指向性DNAポリメラーゼ、リボヌクレアーゼまたはDNA指向性DNAポリメラーゼは、その酵素的に活性な変異体またはバリアントに対する等価物であると考えられる。用語「その酵素的に活性な変異体またはバリアント」とは、所望の酵素活性(例えば、連結、逆転写、消化、増幅またはそれらに見合ったもの)のうちの少なくとも一部を保持する対応する酵素から得られる1つ以上のポリペプチドのことを指す。この用語の範囲内であるのは、特に限定されないが、以下のものである:切断産物(例えば、限定されないが、Klenowフラグメント、Stoffelフラグメントまたは対応する酵素よりも小さいサイズの組換え的に発現されたフラグメントおよび/もしくはポリペプチド)を含むがこれらに限定されない酵素的に活性なフラグメント;対応する酵素の変異型(天然に存在する変異体(例えば、「野生型」またはコンセンサスアミノ酸配列と異なるもの)、物理的および/または化学的な突然変異原を用いて生成された変異体、ならびに遺伝的に操作された変異体(例えば、限定されないが、ランダム突然変異誘発および部位特異的突然変異誘発の技術)を含むがこれらに限定されない);アミノ酸の挿入および欠失、切断型、ならびに核酸ナンセンス変異、ミスセンス変異およびフレームシフト変異に起因する変化(例えば、Sriskanda and Shuman,Nucl.Acids Res.26(2):525−31,1998;Odellら、Nucl.Acids Res.31(17):5090−5100,2003を参照のこと);可逆的に改変されたヌクレアーゼ、リガーゼおよびポリメラーゼ(例えば、限定されないが、米国特許第5,773,258号に記載されているもの);遺伝子シャフリング技術から得られる生物学的に活性なポリペプチド(例えば、米国特許第6,319,714号および同第6,159,688号を参照のこと)、スプライスバリアント、天然に存在するものと遺伝的に操作されたもの両方(但し、それらは1つ以上の対応する酵素に少なくとも部分的に由来する);天然配列の1つ以上のアミノ酸への改変を含む1つ以上のそのような酵素に少なくとも部分的に対応するポリペプチド(そのような改変されたポリペプチドが、所望の触媒活性のうちの少なくとも一部を保持するという条件で、付加、除去またはグリコシル化の変更、ジスルフィド結合、ヒドロキシル側鎖およびホスフェート側鎖または架橋を含むがこれらに限定されない);など。特定の酵素に対する言及において使用されるとき、明確に、用語「その酵素的に活性な変異体またはバリアント」の意味の範囲内であるのは、その酵素の酵素的に活性な変異体、その酵素の酵素的に活性なバリアント、またはその酵素の酵素的に活性な変異体およびその酵素の酵素的に活性なバリアントである。
当業者は、当該分野で公知の適切なアッセイを用いて酵素活性を容易に測定することができる。したがって、ポリメラーゼの触媒活性についての適切なアッセイは、例えば、バリアントが適切な条件下において、鋳型依存的様式でrNTPまたはdNTPを発生中のポリヌクレオチド鎖に組み込む能力を測定することを含み得る。同様に、リガーゼ触媒活性についての適切なアッセイは、例えば、本明細書中で開示される反応基などの適切な反応基を含む隣接してハイブリダイズされたオリゴヌクレオチドを連結する能力を含み得る。そのようなアッセイに対するプロトコルは、とりわけ、Sambrookら、Molecular Cloning,A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Press(1989)(本明細書中以後「Sambrookら」)、Sambrook and Russell,editors,Molecular Cloning,Vol 3,3rd edition,Cold Spring Harbor Press(2001),Ausubelら、およびHousby and Southern,Nucl.Acids Res.26:4259−66,1998)ならびにRnl2リガーゼのファミリーについて以下で引用される参考文献に見られる。
増幅プライマー:用語「プライマー」とは、増幅鋳型、増幅産物またはその両方の、対応するプライマー結合部位に選択的にハイブリダイズし;そしてその対応するポリヌクレオチド鋳型に相補的な配列の合成をその3’末端から可能にする、ポリヌクレオチドのことを指す。「プライマー対」は、増幅産物の一方の鎖またはその相補物にアニールする順方向プライマーおよび逆方向プライマーを含む。プライマー対は、ポリメラーゼ連鎖反応などのある特定の指数関数的な増幅技術において特に有用である。ある特定の実施形態において、プライマー対の順方向プライマーおよび対応する逆方向プライマーは、非同調性プライマーPCRを可能にするために異なる融解温度(Tm)を有する。
本明細書中で使用されるとき、「順方向」および「逆方向」は、増幅鋳型または増幅産物などのポリヌクレオチド配列に対するプライマーの相対的な方向を示すために使用される。限定としてではなく説明の目的で、一本鎖ポリヌクレオチドは、その5’末端が左側で、水平の左から右の方向で描かれると考える。「逆方向」プライマーは、この例証となるポリヌクレオチドの「3’末端」またはその付近の下流のプライマー結合部位と、5’から3’方向に、すなわち右から左にアニールするように設計される。対応する「順方向」プライマーは、そのポリヌクレオチドの「5’末端」またはその付近の上流のプライマー結合部位の相補物と、5’から3’の「順方向」の方向に、すなわち左から右にアニールするように設計される。したがって、逆方向プライマーは、ポリヌクレオチドの「逆方向」または下流のプライマー結合部位に相補的な配列を含み、順方向プライマーは、順方向または上流のプライマー結合部位と同じ配列を含む。この段落において使用されるような用語「3末端」および「5’末端」は、単に例証であり、そのようなプライマー結合部位は、内部に位置し得るので、必ずしもそのポリヌクレオチドのそれぞれの末端のことを文字どおり指さないことが理解されるべきである。むしろ、この例示的なプライマー対の逆方向プライマーが、下流である逆方向プライマー結合部位または対応する順方向プライマーと同じ配列を含む順方向プライマー結合部位の右側とアニールすることは、単なる限定である。当業者によって認識されるように、これらの用語は、限定と意図されず、むしろ、所与の実施形態において例証となる方向を提供する。
プライマーは、アダプターオリゴヌクレオチドのヌクレオチド配列またはアダプターオリゴヌクレオチドに対応するヌクレオチド配列を含み得る。例えば、配列番号5を有する順方向プライマーは、配列番号1を有する第1オリゴヌクレオチドの配列を含む(Uの代わりにTが用いられている)。プライマーとアダプター配列との関係性についてのいくつかの実施形態は、矢印が、順方向および逆方向PCRプライマーまたは順方向および逆方向SYBRプライマーを様々に示している図15の模式図によって理解され得る。P1およびP2は、プライマー部分のことを指す。
本明細書中で使用されるとき、用語「プライマー結合部位」とは、プライマーが、当該分野で公知の種々のプライマーヌクレオチド伸長反応のいずれか(例えば、PCR)のためにアニールし得る鋳型として、直接またはその相補物によって働き得るポリヌクレオチド配列の領域のことを指す。2つのプライマー結合部位が、単一のポリヌクレオチド(例えば、限定されないが、第1伸長産物または第2伸長産物)上に存在するとき、通常、その2つのプライマー結合部位の方向は異なることが、当業者によって認識されるだろう。例えば、プライマー対の1つのプライマーが、第1プライマー結合部位に相補的であり、かつそれにハイブリダイズすることができつつ、そのプライマー対の対応するプライマーは、第2プライマー結合部位の相補物とハイブリダイズするように設計される。別の言い方をすれば、いくつかの実施形態において、第1プライマー結合部位は、センス方向であり得、そして第2プライマー結合部位は、アンチセンス方向であり得る。さらに、「ユニバーサル」プライマーおよびプライマー結合部位は、本明細書中で使用されるとき、通常、特定のアッセイおよび宿主ゲノムにおいてアッセイの特異性を保証するためにできるだけ独特であるように選択される。
いくつかの実施形態において、プライマーおよび/または増幅産物は、「プロモーター配列」を含み、その配列としては、適当なポリメラーゼ(例えば、限定されないが、T3RNAポリメラーゼ、T7RNAポリメラーゼまたはSP6RNAポリメラーゼ)を用いた転写の開始に適した配列が挙げられるが、これらに限定されない。本教示のいくつかの実施形態は、増幅産物にプロモーター配列を組み込む方法において「プロモーター−プライマー」を使用する。いくつかの実施形態において、プロモーター配列は、RNAポリメラーゼの結合に適した非常に多数の様々な配列を含み、その配列は、例えば、第1RNAポリメラーゼの結合に適した第1配列および第2RNAポリメラーゼの結合に適した第2配列であるが、これらに限定されない。プロモーター配列を含む増幅産物がある特定の増幅方法によって増幅されるとき、そのプロモーター配列の相補物は、相補的なアンプリコンにおいて合成され得ることを当業者は理解する。したがって、プロモーター配列の相補物は、本明細書中で使用されるとき、プロモーター配列という用語の意図される意味の範囲内に明確に含められることが理解されるべきである。開示される方法およびキットのいくつかの実施形態は、所望のプロモーター配列を増幅産物に組み込む方法において「プロモーター−プライマー」を使用する。
増幅産物が、ある特定の増幅方法によって増幅されるとき、プライマー結合部位の相補物は、相補的なアンプリコンにおいて合成されることを当業者は理解する。したがって、プライマー結合部位の相補物は、本明細書中で使用されるとき、プライマー結合部位という用語の意図される意味の範囲内に明確に含められることが理解されるべきである。
いくつかの実施形態において、本教示の増幅方法は、Q−PCR反応を含む。用語「定量的PCR」、「リアルタイムPCR」または「Q−PCR」とは、特定の核酸配列に対するポリメラーゼ連鎖反応の結果を定量するために使用される種々の方法のことを指す。そのような方法は、通常、閾値サイクル(C)の決定などの増幅因子を決定するかまたは比較する動力学ベースの系として、または通常、標的および標準的な鋳型の同時の増幅から生成される産物の量を比較する同時増幅方法として、典型的には分類される。多くのQ−PCR技術は、レポータープローブ、インターカレート剤またはその両方を含む。例えば、限定されないが、TaqMan(登録商標)プローブ(Applied Biosystems)、i−プローブ、分子ビーコン、Eclipseプローブ、スコーピオン(scorpion)プライマー、LuxTMプライマー、FRETプライマー、エチジウムブロマイド、SYBR(登録商標)Green I(Molecular Probes)およびPicoGreen(登録商標)(Molecular Probes)。いくつかの実施形態において、検出は、リアルタイム検出装置を含む。例示的なリアルタイム装置としては、ABI PRISM(登録商標)7000 Sequence Detection System、ABI PRISM(登録商標)7700 Sequence Detection System、Applied Biosystems 7300 Real−Time PCR System、Applied Biosystems 7500 Real−Time PCR System、Applied Biosystems 7900 HT Fast Real−Time PCR System(すべてApplied Biosystems製);LightCyclerTMSystem(Roche Molecular);Mx3000PTMReal−Time PCR System、Mx3005PTMReal−Time PCR SystemおよびMx4000(登録商標)Multiplex Quantitative PCR System(Stratagene,La Jolla,CA);ならびにSmart Cycler System(Cepheid,Fisher Scientific配給)が挙げられる。リアルタイム装置に関する説明は、とりわけ、それぞれの製造者のユーザーマニュアル;McPherson;DNA Amplification:Current Technologies and Applications,Demidov and Broude,eds.,Horizon Bioscience,2004;および米国特許第6,814,934号に見られる。
ある特定の実施形態において、増幅反応は、多数の増幅を含み、ここで、多数の異なる増幅鋳型、多数の異なる増幅産物種またはその両方が、多数の異なるプライマー対を用いて同時に増幅される(例えば、Henegariuら、BioTechniques 23:504−11,1997;およびRapley、特にChapter79を参照のこと)。開示される方法のある特定の実施形態は、シングルプレックス(single−plex)増幅反応を含み、それには、平行して行われる多数のシングルプレックス増幅を含む増幅反応(例えば、限定されないが、ある特定のTaqMan(登録商標)Array配置(ここで、約100ヌクレアーゼアッセイが、平行して行われることにより、特異的な増幅産物が存在するか否か、およびその量が決定される))が含まれるがこれに限定されない。
ある特定の実施形態において、増幅反応は、非対称性PCRを含む。ある特定の実施形態によると、非対称性PCRは、(i)プライマー対の対応するプライマーに対して、1つのプライマーが過剰(例えば、限定されないが、5倍、10倍または20倍過剰)である少なくとも1つのプライマー対;(ii)順方向プライマーのみまたは逆方向プライマーのみを含む少なくとも1つのプライマー対;(iii)所与の増幅条件において、1つの鎖の増幅をもたらすプライマーおよび無能にされる対応するプライマーを含む少なくとも1つのプライマー対;または(iv)上記の(i)と(iii)の両方の説明を満たす少なくとも1つのプライマー対を含む増幅組成物を含む。その結果として、増幅鋳型または増幅産物が増幅されるとき、その後の増幅産物の過剰な(その相補物に対して)1つの鎖が生成される。非対称性PCRに関する説明は、とりわけ、McPherson、特にChapter 5;およびRapley、特にChapter64に見られる。
ある特定の実施形態において、一方のプライマーの融解温度(Tm50)が、他方のプライマーのTm50よりも高い、少なくとも1つのプライマー対が使用され得る(時折、非同調性プライマーPCRと称される(A−PCR、例えば、米国特許第6,887,664号を参照のこと))。ある特定の実施形態において、順方向プライマーのTm50は、対応する逆方向プライマーのTm50と少なくとも4〜15℃異なる。ある特定の実施形態において、順方向プライマーのTm50は、対応する逆方向プライマーのTm50と少なくとも8〜15℃異なる。ある特定の実施形態において、順方向プライマーのTm50は、対応する逆方向プライマーのTm50と少なくとも10〜15℃異なる。ある特定の実施形態において、順方向プライマーのTm50は、対応する逆方向プライマーのTm50と少なくとも10〜12℃異なる。ある特定の実施形態において、少なくとも1つのプライマー対において、順方向プライマーのTm50は、対応する逆方向プライマーのTm50と、少なくとも約4℃、少なくとも約8℃、少なくとも約10℃または少なくとも約12℃異なる。
ある特定の増幅の実施形態において、あるプライマー対のプライマーのTm50の相違に加えて、そのプライマー対における他方のプライマーに対して一方のプライマーが過剰でもある。ある特定の実施形態において、そのプライマー対における他方のプライマーに対して一方のプライマーが5〜20倍過剰である。A−PCRのある特定の実施形態において、プライマー濃度は、少なくとも50nMである。
ある特定の実施形態に従うA−PCRにおいて、増幅の第1サイクルにおいて従来のPCRが使用され得、両方のプライマーがアニールし、そして二本鎖のアンプリコンの両方の鎖が増幅される。しかしながら、同じ増幅反応のその後のサイクルにおいて温度を上げることによって、より低いTを有するプライマーが無能にされ得、一方の鎖だけが増幅される。したがって、より低いTを有するプライマーが無能にされるA−PCRのその後のサイクルによって、非対称性増幅がもたらされる。その結果として、標的領域または増幅産物が増幅されるとき、その後の増幅産物の一方の鎖が過剰に(その相補物に対して)生成される。
A−PCRのある特定の実施形態によると、増幅のレベルは、従来のPCRサイクル反応の第1相におけるサイクルの回数を変更することによって制御され得る。そのような実施形態において、最初の従来のサイクルの回数を変更することにより、その後のより高い温度でのPCRのサイクル(ここで、より低いTを有するプライマーは無能になる)に供される二本鎖増幅産物の量が変動し得る。
ある特定の実施形態において、増幅は、インビトロ転写を含む。いくつかの実施形態において、第1アダプター、第2アダプター、第1プライマー、第2プライマーまたはそれらの組み合わせは、プロモーター配列またはその相補物、例えば、限定されないが、プロモーター−プライマーを含む。いくつかの実施形態において、プロモーターを含む逆転写産物またはプロモーターを含む増幅産物は、リボヌクレオチド三リン酸、適切な緩衝液系および適当なRNAポリメラーゼ、例えば、限定されないが、SP6、T3またはT7RNAポリメラーゼと混合され、そして増幅されたRNA(aRNA)が、公知の方法に従って生成される。そのaRNAは、マイクロアレイまたはビーズアレイ解析などのアレイ解析のために使用され得、ここで、そのaRNA種の配列および量が、決定され得る。したがって、ある特定の実施形態において、そのようなaRNAは、対応するRNA分子に対する代用物として働く。
増幅反応を最適化するある特定の方法は、当業者に公知である。例えば、PCRは、アニール、重合および変性に対する時間および温度を変更すること、ならびに反応組成物中の緩衝液、塩および他の試薬を変えることによって、最適化され得ることが知られている。最適化は、使用されるプライマーの設計によっても影響され得る。例えば、プライマーの長さ、ならびにG−C:A−T比は、プライマーのアニールの効率を変化させ得、したがって、増幅反応が変化し得る。増幅の最適化に関する説明は、とりわけ、James G.Wetmur,“Nucleic Acid Hybrids,Formation and Structure”,Molecular Biology and Biotechnology,pp.605−8,(Robert A.Meyers ed.,1995);McPherson,特に、Chapter 4;Rapley;およびProtocols & Applications Guide,rev.9/04,Promega Corp.,Madison,WIに見られる。
本教示に従った増幅産物の精製は、増幅の少なくとも1回のサイクル後の、少なくとも一部の連結されていないアダプター、連結されていないRNA分子、副産物、プライマー、酵素、またはライゲーション反応組成物、増幅反応組成物もしくはその両方の他の成分を除去する任意のプロセスを含む。そのようなプロセスとしては、分子量/サイズ排除プロセス、例えば、ゲル濾過クロマトグラフィまたは透析、配列特異的ハイブリダイゼーションベースの取り出し方法、親和性捕捉技術、沈殿、吸着、ゲル電気泳動、従来のクローニング、コンカテマー化(concatamerization)を用いる従来のクローニング、または他の核酸精製技術が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、増幅産物の精製は、ゲル電気泳動(ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)および/またはアガロースゲル電気泳動を含むがこれらに限定されない)を含む。ある特定の実施形態において、増幅産物は、高速液体クロマトグラフィ(HPLC;時折、高圧液体クロマトグラフィとも称される)を用いて精製される。
検出:目的のRNA分子は、連結産物またはその代用物を検出することによって検出される。いくつかの実施形態において、連結産物は、上に記載されたように逆転写され、そして、その逆転写産物は、アレイ上に置かれ、当業者に公知の標準的な方法を用いて検出される。いくつかの実施形態において、逆転写産物は、ビオチンで標識され、検出は、それに対するストレプトアビジン結合を用いることによる。いくつかの実施形態において、逆転写産物は、ガラス繊維フィルター、ビーズを用いて精製されるか、またはゲル精製される。いくつかの実施形態において、逆転写産物は、リボヌクレアーゼ活性を含むペプチドと混合されることにより、消化反応組成物が形成され、そしてその逆転写産物からリボヌクレオシドのうちの少なくとも一部を消化するのに適した条件下でインキュベートされることにより、増幅鋳型が形成される。
用語「検出する」および「検出」は、本明細書中で広い意味において使用され、特定のRNA分子、すなわち、目的のRNA分子がサンプル中に存在するか否かを判定することができる任意の技術を包含する。いくつかの実施形態において、代用物の存在が、直接または間接的に検出され、それにより、対応するRNA分子の存在または非存在の判定が可能になる。例えば、代用物の存在が、増幅産物または連結産物を鋳型として用いて得られた、標識されたシークエンシング産物のファミリーを検出すること;または増幅産物にアニールされたヌクレアーゼレポータープローブがポリメラーゼによって切断されるときに発生される蛍光を検出することによって検出される(ここで、検出可能なシグナルまたは検出可能なシグナルの変化は、対応する増幅産物および/または連結産物が増幅されていること、例えば、対応するRNA分子がそのサンプル中に存在することを示す)。いくつかの実施形態において、検出は、検出可能なシグナルの定量(定量的PCR(「Q−PCR」)などのリアルタイム検出方法を含むが、これらに限定されない)を含む。いくつかの実施形態において、検出は、鋳型として増幅産物を用いて生成されるシークエンシング産物またはシークエンシング産物のファミリーの配列の決定を含み;いくつかの実施形態において、そのような検出は、シークエンシング産物のファミリーの配列を得ることを含む。いくつかの実施形態において、RNA分子の検出は、例えば、限定されないが、Q−PCR反応組成物中の、核酸色素を含む。連結産物、逆転写産物、増幅鋳型および増幅された配列の各々が、直接または間接的に生成されたRNA分子に対する代用物として働くこと、およびこれらの産物のいずれかを検出することによって、対応するRNA分子が直接または間接的に検出されることを当業者は理解するだろう。
用語「レポータープローブ」とは、対応するアンプリコン(例えば、限定されないが、PCR産物)と特異的にアニールし、そして、放出される波長の強度の変化またはその波長の変化(を含むがこれらに限定されない)が検出されるとき、対応するアンプリコン、例えば、対応するRNA分子の同定、検出および/または定量に使用される、ヌクレオチド、ヌクレオチドアナログ、またはヌクレオチドおよびヌクレオチドアナログの配列のことを指す。したがって、そのアンプリコンを間接的に検出することによって、対応するRNA分子がサンプル中に存在することが判定され得る。ほとんどのレポータープローブが、その作用様式に基づいて分類され得、例えば、限定されないが:TaqMan(登録商標)プローブを含むがこれに限定されないヌクレアーゼプローブ;スコーピオンプライマー、LuxTMプライマー、Amplifluorsなどを含むがこれらに限定されない伸長プローブ;および、分子ビーコン、Eclipse(登録商標)プローブ、ライトアッププローブ、別々に標識されたレポータープローブの対、ハイブリダイゼーションプローブ対などを含むがこれらに限定されないハイブリダイゼーションプローブである。ある特定の実施形態において、レポータープローブは、アミド結合、ロックト核酸(LNA)、ユニバーサル塩基またはそれらの組み合わせを含み、そしてステムループおよびステムレスレポータープローブ構造を含み得る。ある特定のレポータープローブは、別々に標識されるが、他のレポータープローブは、二重標識される。隣接してハイブリダイズされるプローブ間のFRETを含む二重プローブシステムは、レポータープローブという用語の意図される範囲内である。ある特定の実施形態において、レポータープローブは、蛍光レポーター基およびクエンチャー(ダーククエンチャーおよび蛍光クエンチャーを含むがこれらに限定されない)を含む。レポータープローブのいくつかの非限定的な例としては、TaqMan(登録商標)プローブ;Scorpionプローブ(スコーピオンプライマーとも称される);LuxTMプライマー;FRETプライマー;Eclipse(登録商標)プローブ;FRETベースの分子ビーコン、多色分子ビーコン、アプタマービーコン、PNAビーコンおよび抗体ビーコンを含むがこれらに限定されない分子ビーコン;標識されたPNAクランプ、標識されたPNAオープナー、標識されたLNAプローブ、ならびにナノ結晶、金属性ナノ粒子および同様のハイブリッドプローブを含むプローブ(例えば、Dubertretら、Nature Biotech.19:365−70,2001;Zelphatiら、BioTechniques 28:304−15,2000を参照のこと)が挙げられる。ある特定の実施形態において、レポータープローブは、TaqMan(登録商標)MGBプローブおよびTaqMan(登録商標)MGB−NFQプローブ(両方ともApplied Biosystems製)を含むがこれらに限定されない副溝結合剤をさらに含む。ある特定の実施形態において、レポータープローブ検出は、蛍光偏光検出を含む(例えば、Simeonov and Nikiforov,Nucl.Acids Res.30:e91,2002を参照のこと)。
用語「レポーター基」は、本明細書中で広い意味において使用され、任意の識別可能なタグ、標識または部分のことを指す。レポーター基の多くの異なる種が、個別に、または1つ以上の異なるレポーター基と組み合わせて、本教示において使用され得ることを当業者は認識するだろう。ある特定の実施形態において、レポーター基は、蛍光、化学発光、生物発光、リン光、または電気化学的発光シグナルを放射する。レポーター基のいくつかの非限定的な例としては、フルオロフォア、放射性同位体、色素原、酵素、エピトープタグを含むがこれに限定されない抗原、量子ドットなどの半導体ナノ結晶、重金属、色素、リン光基、化学発光基、電気化学的検出部分、結合タンパク質、リン光体、希土類キレート、遷移金属キレート、近赤外色素、電気化学発光標識および質量分析計に適合性のレポーター基(例えば、質量タグ、電荷タグおよび同位体)(例えば、Haff and Smirnov,Nucl.Acids Res.25:3749−50,1997;Xuら、Anal.Chem.69:3595−3602,1997;Sauerら、Nucl.Acids Res.31:e63,2003を参照のこと)が挙げられる。
レポーター基という用語は、マルチエレメントレポーターシステム(ビオチン:アビジン、抗体:抗原などの親和性タグなどを含むが、これらに限定されない)のエレメントも包含し、ここで、検出可能なシグナルに対する可能性をもたらすために、1つのエレメントが、そのシステムの1つ以上の他のエレメントと相互作用する。マルチエレメントレポーターシステムのいくつかの非限定的な例としては、ビオチンレポーター基を含むオリゴヌクレオチドおよびストレプトアビジン結合体化フルオロフォアまたはその逆;DNPレポーター基を含むオリゴヌクレオチドおよびフルオロフォア標識された抗DNP抗体;などが挙げられる。レポーター基を核酸に付着させるための詳細なプロトコルは、とりわけ、Hermanson,Bioconjugate Techniques,Academic Press,San Diego,1996;Current Protocols in Nucleic Acid Chemistry,Beaucageら、eds.,John Wiley & Sons,New York,NY(2000),2005年4月までの増補を含む;およびHaugland,Handbook of Fluorescent Probes and Research Products,9th ed.,Molecular Probes,2002に見られる。
マルチエレメント相互作用レポーター基(例えば、蛍光クエンチャーおよびダーククエンチャー(非蛍光クエンチャーとしても知られる)を含むがこれに限定されないフルオロフォア−クエンチャー対)もまた、レポーター基という用語の意図される範囲内である。蛍光クエンチャーは、フルオロフォアから放射される蛍光シグナルを吸収し得、そして十分な蛍光エネルギーを吸収した後、その蛍光クエンチャーは、特徴的な波長において蛍光を放射し得る(例えば、蛍光共鳴エネルギー転移(FRET))。例えば、限定されないが、FAMTM−TAMRATM色素対は、FAMTM色素に対する励起ピークである492nmにおいて照射され得、TAMRATM色素に対する放射ピークである580nmにおいて蛍光を放射し得る。蛍光レポーター基と適切に対形成されたダーククエンチャーは、フルオロフォアからの蛍光エネルギーを吸収するが、それ自体の蛍光を吸収しない。むしろ、ダーククエンチャーは、吸収されたエネルギーを、典型的には、熱として散逸する。ダーククエンチャーまたは非蛍光クエンチャーのいくつかの非限定的な例としては、Dabcyl、Black Hole Quenchers、Iowa Black、QSY−7、AbsoluteQuencher、Eclipse(登録商標)非蛍光クエンチャー、金属クラスター(例えば、金ナノ粒子)などが挙げられる。フルオロフォア−クエンチャー対を含むある特定の二重標識されたプローブは、その対のメンバーが物理的に分離されるときに蛍光を放射し得、それらは、例えば、限定されないが、TaqMan(登録商標)プローブなどのヌクレアーゼプローブである。フルオロフォア−クエンチャー対を含む他の二重標識されたプローブは、その対のメンバーが空間的に分離されるとき、蛍光を放射し得、それらは、例えば、限定されないが、分子ビーコンなどのハイブリダイゼーションプローブまたはScorpionTMプライマーなどの伸長プローブである。フルオロフォア−クエンチャー対は、当該分野で周知であり、種々のレポータープローブに対して広く使用される(例えば、Yeungら、BioTechniques 36:266−75,2004;Dubertretら、Nat.Biotech.19:365−70,2001;およびTyagiら、Nat.Biotech.18:1191−96,2000を参照のこと)。
用語「核酸色素」とは、本明細書中で使用されるとき、二本鎖ポリヌクレオチドに特異的であるか、または一本鎖ポリヌクレオチドよりも二本鎖ポリヌクレオチドと会合されたときに実質的に強い蛍光シグナルを放射する蛍光性分子のことを指す。典型的には、核酸色素分子は、二本鎖セグメントの主溝もしくは副溝またはその両方において結合することによって、二本鎖セグメントの塩基対の間にインターカレートすることによって、ポリヌクレオチドの二本鎖セグメントと会合する。核酸色素の非限定的な例としては、エチジウムブロマイド、DAPI、Hoechst誘導体(Hoechst33258およびHoechst33342を含むがこれらに限定されない)、ランタニドキレートを含むインターカレーター(例えば、限定されないが、2つの蛍光性の四座配位子型β−ジケトン−Eu3+キレートを有するナフタレンジイミド誘導体(NDI−(BHHCT−Eu3+)、例えば、Nojimaら、Nucl.Acids Res.Supplement No.1,105−06(2001)を参照のこと)、エチジウムブロマイド、およびある特定の非対称性のシアニン色素(例えば、SYBR(登録商標)Green、SYBR(登録商標)Gold、PicoGreen(登録商標)およびBOXTO)が挙げられる。
ある特定の実施形態において、検出は、装置、すなわち、コンピュータアルゴリズムを備え得るが備える必要はない、自動化または半自動化された検出デバイスを用いることを含む。ある特定の実施形態において、検出装置は、グラフ、モニター、電子的スクリーン、磁気媒体、スキャナープリントアウトまたは他の2次元もしくは3次元的ディスプレイ上に伸長産物もしくはその代用物の観察もしくは測定されたパラメータの強度を図画的に表示するため、および/または観察もしくは測定されたパラメータを記録するための、デバイスを備えるか、またはそのデバイスに連結されている。ある特定の実施形態において、検出工程は、少なくとも1つの分離工程と組み合わされるか、または少なくとも1つの分離工程の続きであり、例えば、限定されないが、少なくとも1つの蛍光スキャナー、および図示するか、記録するか、または読み出す、少なくとも1つのコンポーネントを備えたキャピラリー電気泳動装置;吸光度モニターまたは蛍光スキャナーおよびグラフレコーダーと連結されたクロマトグラフィカラム;記録コンポーネントおよび/もしくは検出コンポーネントを備えた質量分析計と連結されたクロマトグラフィカラム;またはスキャナーもしくはCCDカメラなどのデータ記録デバイスを有するマイクロアレイである。ある特定の実施形態において、検出工程は、増幅工程、例えば、限定されないが、Q−PCRなどのリアルタイム解析と組み合わされる。検出工程を行うための例示的なシステムとしては、ABI PRISM(登録商標)Genetic Analyzer装置シリーズ、ABI PRISM(登録商標)DNA Analyzer装置シリーズ、ABI PRISM(登録商標)Sequence Detection Systems装置シリーズおよびApplied Biosystems Real−Time PCR装置シリーズ(すべてApplied Biosystems製);ならびにマイクロアレイおよび関連ソフトウェア(例えば、Applied BiosystemsマイクロアレイおよびApplied Biosystems1700 Chemiluminescent Microarray Analyzer、ならびに、とりわけ、Affymetrix、Agilentから入手可能な、他の市販のマイクロアレイおよび解析システム(Gerryら、J.Mol.Biol.292:251−62,1999;De Bellisら、Minerva Biotec 14:247−52,2002;およびStearsら、Nat.Med.9:140−45(増補を含む),2003もまた参照のこと)またはビーズアレイプラットフォーム(Illumina,San Diego,CA))が挙げられる。例示的なソフトウェアとしては、GeneMapperTMSoftware、GeneScan(登録商標)Analysis SoftwareおよびGenotyper(登録商標)ソフトウェア(すべてApplied Biosystems製)が挙げられる。
ある特定の実施形態において、RNA分子は、増幅産物および/または連結産物の少なくとも一部の質量電荷比(m/z)に基づいて検出および定量され得る。例えば、いくつかの実施形態において、プライマーまたはアダプターは、質量分析適合性のレポーター基(増幅産物に組み込まれ、そして質量分析計での検出に使用され得る、質量タグ、電荷タグ、切断可能な部分または同位体が挙げられるが、これらに限定されない)(例えば、Haff and Smirnov,Nucl.Acids Res.25:3749−50,1997;およびSauerら、Nucl.Acids Res.31:e63,2003を参照のこと)を含む。増幅産物は、対応するRNA分子の存在または非存在の判定を可能にする質量分析によって検出され得る。いくつかの実施形態において、プライマーまたはアダプターは、制限酵素部位、切断可能な部分などを含むことにより、検出のための、増幅産物の一部の放出が容易になる。ある特定の実施形態において、多数の増幅産物は、液体クロマトグラフィまたはキャピラリー電気泳動によって分離され、ESIまたはMALDIに供され、そして質量分析によって検出される。質量分析に関する説明は、とりわけ、The Expanding Role of Mass Spectrometry in Biotechnology,Gary Siuzdak,MCC Press,2003に見られる。
ある特定の実施形態において、レポータープローブまたはレポータープローブの切断された一部などの代用物は、直接または間接的に検出される。例えば、限定されないが、クエンチャー(ステムループビーコンおよびステムフリーのビーコン、TaqMan(登録商標)プローブもしくは他のヌクレアーゼプローブを含む分子ビーコン、LightSpeedTMPNAプローブまたはマイクロアレイ捕捉プローブを含むが、これらに限定されない)を含むレポータープローブへの増幅産物のハイブリダイズ。ある特定の実施形態において、ハイブリダイゼーションは、分子ビーコンおよび増幅産物が、溶液中に存在しないときに生じ、そして検出可能なシグナルまたは異なって検出可能なシグナルが放射される。他の実施形態において、増幅産物は、マイクロアレイなどの固体表面にハイブリダイズするか、または結合され、そして検出可能なシグナルまたは異なって検出可能なシグナルが、放射される(例えば、EviArraysTMおよびEviProbesTM,Evident Technologiesを参照のこと)。
ある特定の実施形態において、検出は、レポーター基の検出可能なシグナルまたはレポーター基の検出可能なシグナルの変化(典型的には、増幅産物の存在に起因する)の測定または定量を含む。限定としてではなく説明の目的で、ハイブリダイズしていないレポータープローブは、低レベルで放出し得るが、増幅産物にハイブリダイズするとき、定量的に増加する検出可能なシグナルを放射し得、そのレポータープローブとしては、ある特定の分子ビーコン、LNAプローブ、PNAプローブおよびライトアッププローブが挙げられるが、これらに限定されない(例えば、Svanikら、Analyt.Biochem.281:26−35,2000;Nikiforov and Jeong,Analyt.Biochem.275:248−53,1999;およびSimeonov and Nikiforov,Nucl.Acids Res.30:e91,2002を参照のこと)。ある特定の実施形態において、検出は、蛍光偏光の測定を含む。
いくつかの実施形態において、特定のRNA分子がサンプル中に存在するか否かの判定は、内標準もしくはコントロール配列(例えば、対応する標的領域のための検量線)、内部サイズ標準またはそれらの組み合わせの評価を含む。いくつかの実施形態において、レーン間、キャピラリー間および/またはアッセイ間のばらつきを説明するために、コントロール配列または内部参照色素が使用される。ある特定の実施形態において、増幅反応または検出技術を検証するために、内部コントロール配列は、平行して増幅される無関係の核酸を含む。
用いられる検出技術が通常は限定されないことを当業者は理解するだろう。むしろ、サンプル中のRNA分子の存在または非存在の判定を可能にするという条件で、多岐にわたる検出方法が、開示される方法およびキットの範囲内である。
いくつかの実施形態において、開示される方法およびキットは、マイクロフルイディクスデバイス、「ラボオンチップ(lab on a chip)」またはマイクロトータル分析システム(μTAS)を含む。いくつかの実施形態において、サンプル調製は、マイクロフルイディクスデバイスを用いて行われる。いくつかの実施形態において、増幅反応は、マイクロフルイディクスデバイスを用いて行われる。いくつかの実施形態において、配列決定またはQ−PCR反応は、マイクロ流体デバイスを用いて行われる。いくつかの実施形態において、増幅産物の少なくとも一部のヌクレオチド配列は、マイクロフルイディクスデバイスを用いて得られる。いくつかの実施形態において、検出は、マイクロ流体デバイス(TaqMan(登録商標)Low Density Array(Applied Biosystems)を含むが、これに限定されない)を含む。例示的なマイクロ流体デバイスに関する説明は、とりわけ、公開PCT出願番号WO/0185341およびWO04/011666;Kartalov and Quake,Nucl.Acids Res.32:2873−79,2004;およびFiorini and Chiu,BioTechniques 38:429−46,2005に見られる。
配列決定:いくつかの実施形態において、増幅産物の少なくとも一部の配列が決定されることにより、目的のRNA分子が検出される。用語「配列決定」は、本明細書中で広い意味において使用され、RNAの少なくとも一部(伸長産物またはベクターインサートの少なくとも一部を含むがこれに限定されない)における少なくとも一部の連続したヌクレオチドの順序を同定することを可能にする当該分野で公知の任意の技術のことを指す。配列決定技術のいくつかの非限定的な例としては、Sangerのジデオキシターミネーター法ならびにMaxamおよびGilbertの化学的切断方法(それらの方法の変法を含む);ハイブリダイゼーションによる配列決定、例えば、限定されないが、マイクロアレイまたはビーズへの増幅産物のハイブリダイゼーション(例えば、ビーズアレイ);ピロシークエンシング(例えば、Ronaghiら、Science 281:363−65,1998を参照のこと);および制限酵素マッピングが挙げられる。いくつかの配列決定方法は、キャピラリー電気泳動およびゲル電気泳動を含むがこれに限定されない電気泳動;質量分析;および単分子検出を含む。いくつかの実施形態において、配列決定は、直接的な配列決定、二重鎖配列決定、サイクル配列決定、一塩基伸長配列決定(SBE)、固相配列決定、またはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、配列決定は、装置、例えば、限定されないが、ABI PRISM(登録商標)377 DNA Sequencer、ABI PRISM(登録商標)310、3100、3100−Avant、3730もしくは3730xl Genetic Analyzer、ABI PRISM(登録商標)3700 DNA AnalyzerまたはApplied Biosystems SOLiDTM System(すべてApplied Biosystems製)、Genome Sequencer 20 System(Roche Applied Science)あるいは質量分析計を用いるシークエンシング産物の検出を含む。ある特定の実施形態において、配列決定は、エマルジョンPCR(例えば、Williamsら、Nature Methods3(7):545−50,2006を参照のこと)を含む。ある特定の実施形態において、配列決定は、ハイスループット配列決定技術、例えば、限定されないが、大規模平行シグネチャー配列決定(massively parallel signature sequencing)(MPSS)を含む。MPSSに関する説明は、とりわけ、Zhouら、Methods of Molecular Biology 331:285−311,Humana Press Inc.;Reinartzら、Briefings in Functional Genomics and Proteomics,1:95−104,2002;Jongeneelら、Genome Research 15:1007−14,2005に見られる。いくつかの実施形態において、配列決定は、増幅産物へのdNTP(dATP、dCTP、dGTP、dTTP、dUTP、dITPまたはそれらの組み合わせを含むがこれに限定されず、また、dNTPのジデオキシリボヌクレオチドバージョンを含む)の組み込みを含む。
核酸分子の少なくとも一部の配列の決定に有用なさらに例示的な技術としては、エマルジョンベースのPCR、それに続く、任意の適当な大規模平行配列決定または他のハイスループット技術が挙げられるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態において、増幅産物の少なくとも一部の配列を決定することによる対応するRNA分子の検出は、増幅産物の定量を含む。いくつかの実施形態において、配列決定は、例えば、「Reagents,Methods,and Libraries For Bead−Based Sequencing」と題されるPCT特許出願公報WO06/084132および「Reagents,Methods,and Libraries for Gel−Free Bead−Based Sequencing」と題されるWO07/121489に記載されているようなSOLiDTMSystem(Applied Biosystems)を用いて行われる。いくつかの実施形態において、増幅産物の定量は、リアルタイムもしくはエンドポイント定量的PCRまたはその両方を含む。いくつかの実施形態において、増幅産物の定量は、検出されるRNA分子の発現プロファイル(例えば、mRNA発現プロファイルまたはmiRNA発現プロファイル)の生成を含む。ある特定の実施形態において、増幅産物の定量は、1つ以上の5’−ヌクレアーゼアッセイ、例えば、限定されないが、TaqMan(登録商標)Gene Expression AssayおよびTaqMan(登録商標)miRNA Assays(マイクロフルイディクスデバイス(低密度アレイを含むが、これらに限定されない)を含み得る)を含む。当該分野で公知の任意の適当な発現プロファイリング技術は、開示される方法の様々な実施形態において使用され得る。
用いられる配列決定方法が、典型的には、本方法に限定されないことを当業者は認識するだろう。むしろ、検出される対応する増幅産物もしくはRNAの少なくとも一部または増幅産物から得られるベクターインサートの少なくとも一部の少なくとも一部の連続したヌクレオチドの順序を提供する任意の配列決定技術が、典型的には、本方法において使用され得る。配列決定技術に関する説明は、とりわけ、McPherson,特に、Chapter5;Sambrook and Russell;Ausubelら;Siuzdak,The Expanding Role of Mass Spectrometry in Biotechnology,MCC Press,2003,特にChapter7;およびRapleyに見られる。いくつかの実施形態において、組み込まれていないプライマーおよび/またはdNTPは、エキソヌクレアーゼIおよびエビアルカリホスファターゼ消化、例えば、限定されないが、ExoSAP−IT(登録商標)試薬(USB Corporation)を含むがこれに限定されない酵素的分解によって、配列決定工程の前に除去される。いくつかの実施形態において、組み込まれていないプライマー、dNTPおよび/またはddNTPは、必要に応じて、ゲル精製もしくはカラム精製、沈降、濾過、ビーズ、磁気分離またはハイブリダイゼーションベースの取り出しによって除去される(例えば、ABI PRISM(登録商標)DuplexTM384Well F/R Sequence Capture Kit,Applied Biosystems P/N 4308082を参照のこと)。
ある特定の実施形態において、用いられる配列決定/再配列決定技術の読み出し長は、効率的に検出され得るRNA分子のサイズが一因であり得ることを当業者は認識するだろう(例えば、Kling,Nat.Biotech.21(12):1425−27を参照のこと)。いくつかの実施形態において、第1サンプル由来のRNA分子から生成された増幅産物は、第1識別配列(時折、本明細書中で「バーコード」と称される)または他のマーカーで標識され、第2サンプル由来のRNA分子から生成された増幅産物は、第2識別配列または第2マーカーで標識され、そして第1識別配列を含む増幅産物および第2識別配列を含む増幅産物は、対応するサンプル中の対応するRNA分子の配列を決定する前にプールされる。ある特定の実施形態において、3つ以上の異なるRNAライブラリー(各々が、そのライブラリーに特異的な識別子配列を含む)が組み合わされる。いくつかの実施形態において、第1アダプター、第2アダプター、順方向プライマー、逆方向プライマーまたはそれらの組み合わせは、識別配列または識別配列の相補物を含む。ある特定の実施形態において、識別配列は、(i)5’−AAGCCC、(ii)5’−CACACC、(iii)5’−CCCCTT、(iv)5’−CATCGG、(v)5−TCGTTG、(vi)5’−GGGCAC、(vii)5’−CCAGAC、(viii)5’−CTCCGT、(ix)5’−CCCTTC、(x)5’−GCGGTC、またはこれらの配列(i)〜(x)のいずれか1つの相補物のうちの1つを含む。いくつかの実施形態において、逆方向プライマーは、実施例11に記載されるような配列番号6または配列番号15〜配列番号23の配列を含む。
ライブラリー:本教示は、RNA分子を検出するための組成物、方法およびキットを提供する。ある特定の実施形態によると、多数の異なる増幅産物種を含むライブラリーが生成され、ここで、増幅産物の少なくとも1種が、サンプル中に存在する低分子RNAの1つの種に対応する。
本教示のある特定の例証となる実施形態によると、例えば、多数の低分子RNA種、多数のmRNA種またはその両方を含むサンプルは、多数の異なる第1アダプター種、多数の異なる第2アダプター種、および二本鎖特異的RNAリガーゼ活性を含むポリペプチドと混合されることにより、ライゲーション反応組成物が形成される。いくつかの実施形態において、そのmRNAは、断片化されているか、望まれない核酸種(例えば、限定されないが、rRNA、高コピー数mRNAまたはゲノムDNA)を枯渇しているか、または枯渇かつ断片化されている。そのライゲーション反応組成物は、アダプター種のうちの少なくとも一部が、対応するRNA分子とハイブリダイズするのに適した条件下で、インキュベートされる。特に明確に述べられない限り、(i)アダプター種を、RNAを含むサンプルと混合し、(ii)そのアダプターと対応するRNA分子とのアニールが可能となるようにインキュベートし、次いで、(iii)その反応組成物にリガーゼを加えるというプロセスが、ライゲーション反応組成物の形成およびインキュベートの意図される範囲内であることが理解されるべきである。
多数の異なるアダプター種は、典型的には、一方の末端に一本鎖縮重配列、ならびにある特定の実施形態において、他方の末端またはその付近に、増幅プライマーもしくはレポータープローブのため、サンプル同定のため(例えば、限定されないが、様々な出発物質から生成されたライブラリーをプールし、続いて、増幅されるライブラリーの供給源を同定すること)、および/またはその後に生成される増幅産物の配列決定のための結合部位として働き得る確定した配列、を有するRNA/DNAオリゴヌクレオチドのセットを含む。ある特定の実施形態において、サンプルをAdaptor Mix Aとハイブリダイズすることによって、増幅産物内のRNA分子に対応する配列の5’末端から、SOLiDTM配列決定に適した増幅産物が得られる。逆に、Adaptor Mix Bとのハイブリダイゼーションによって、SOLiDTM配列決定に適した増幅産物が3’末端から得られる。次いで、二本鎖特異的RNAリガーゼ活性を含むポリペプチドが、その混合物に加えられることにより、ハイブリダイズされたアダプターがその低分子RNA分子に連結される。
ライゲーション反応組成物は、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を含むDNAポリメラーゼと混合され、そして連結産物は、逆転写されることにより、cDNAが生成される。この逆転写産物は、RNaseHと混合されることにより、RNA/cDNA二重鎖から低分子RNAまたは断片化されたmRNAのうちの少なくとも一部が消化され、それによって増幅鋳型が生成される。連結されていないアダプターおよびアダプター副産物の濃度もまた、リボヌクレアーゼ消化プロセス中に低下されることを当業者は認識するだろう。この時点で、反応物は、サンプル中にRNA分子のcDNAコピーを含む。ある特定の配列決定技術に対する増幅産物のインプットの必要条件を満たすために、およびいくつかの実施形態において、増幅産物に識別子配列を付加するために、適切なプライマーセット(ここで、少なくとも1つの順方向プライマー、少なくとも1つの逆方向プライマーまたはその両方が、1つ以上の識別子配列を含み得る)、およびサイクル数に対してプロットされるとき検出が線形の範囲であるPCR増幅サイクルの回数(約12〜15または約12〜18サイクルのPCR)を用いて、逆転写産物が増幅され得る。サイクル数を限定することによって、偽のPCR産物の合成が最小になり、そしてサンプルのRNAプロファイルの完全性が保護されることを当業者は認識するだろう。ある特定の実施形態において、少なくとも1つの順方向プライマー、少なくとも1つの逆方向プライマーまたは少なくとも1つの順方向および少なくとも1つの逆方向プライマーは、1つ以上の識別子配列を含む。ある特定の実施形態は、逆方向プライマー種に特異的な3’(逆方向)プライマー上の6bpの「バーコード」識別子配列を除いて同じヌクレオチド配列を有する10セットのPCRプライマーの使用を含む。
ある特定の実施形態において、増幅反応産物は、サイズ分離、例えば、限定されないが、ゲル電気泳動に供されることにより、増幅産物が所望のサイズ範囲に濃縮され、そしてPCR副産物が除去される。適切にサイズ選択された増幅産物は、エマルジョンPCR(ePCR)工程におけるSOLiDTMSequencing System(Applied Biosystems)ワークフローにおいて使用され得、ここで、その増幅産物は、ビーズに付着され、ePCRを用いてさらに増幅され、最終的に配列決定され、それにより、そのサンプル中の様々なRNA分子の存在、非存在および/または量の決定が可能になる。
ある特定の状況において、増幅産物および/または連結産物は、対応するRNA分子に対する代用物として働き得ること、およびその増幅産物、連結産物またはその両方を検出することによってRNA分子が間接的に検出されること、およびそのような検出は、本教示の範囲内であることを当業者は認識するだろう。
キット:ある特定の本方法を行うためのキットもまた開示される。ある特定のキット実施形態は、第1アダプター、第2アダプター、二本鎖特異的RNAリガーゼ活性を含むポリペプチド、逆転写酵素、リボヌクレアーゼH(RNaseH)、DNAポリメラーゼ、プライマーまたはそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、キットは、RNAから5’ホスフェートを除去するための薬剤、例えば、限定されないが、タバコ酸性ピロホスファターゼをさらに備える。
本教示は、開示されるある特定の方法の実施を促進するように設計されたキットもまた提供する。キットは、開示されるある特定の方法を行うために必要な2つ以上の構成要素を集めることによって、その方法の実施を促進するように働き得る。ある特定の実施形態において、キットは、エンドユーザーによる測定の必要性を最小にするために予め測定された単位量で構成要素を備える。いくつかの実施形態において、キットは、開示される方法の1つ以上を行うための指示書を備える。いくつかの実施形態において、キットの構成要素は、互いと共に機能するように最適化される。
ある特定の実施形態において、キットは、少なくとも1つの第1アダプター種、少なくとも1つの第2アダプター種、二本鎖特異的RNAリガーゼ活性を含むポリペプチド、DNAポリメラーゼ(RNA指向性DNAポリメラーゼ、DNA指向性DNAポリメラーゼ、またはRNA指向性DNAポリメラーゼ活性とDNA指向性DNAポリメラーゼ活性の両方を含むDNAポリメラーゼを含むが、これらに限定されない)、リボヌクレアーゼHまたはそれらの組み合わせを備える。ある特定の実施形態において、リガーゼは、バクテリオファージT4RNAリガーゼ2(Rnl2)またはRnl2ファミリー由来のリガーゼを含む。いくつかの実施形態において、第1アダプター、第2アダプターまたは第1アダプターと第2アダプターの両方は、縮重配列を含む一本鎖部分を含む。
ある特定の実施形態において、キットは、複数の第1アダプター種(ここで、各第1アダプター種は、異なる縮重配列含む)、複数の第2アダプター種(ここで、各第2アダプター種は、異なる縮重配列を含む)、Rnl2ファミリーのリガーゼ、RNA指向性DNAポリメラーゼ、複数の異なる第1プライマー種、DNA指向性DNAポリメラーゼおよびRNaseH(EC3.1.26.4)を備える。いくつかの実施形態において、キットは、タバコ酸性ピロホスファターゼをさらに備える。
ある特定の実施形態において、キットは、複数の第1アダプター種(ここで、第1アダプター種のうちの少なくとも一部は、縮重配列を含む)、複数の第2アダプター種(ここで、第2アダプター種のうちの少なくとも一部は、縮重配列を含む)、二本鎖特異的RNAリガーゼ活性を含むポリペプチド、DNAポリメラーゼ、少なくとも1つのプライマー種およびリボヌクレアーゼを備える。いくつかの実施形態において、キットのDNAポリメラーゼは、RNA依存性DNAポリメラーゼおよびDNA依存性DNAポリメラーゼを含む。さらに、キットは、タバコ酸性ピロホスファターゼを備え得る。
ある特定の実施形態において、キットは、順方向増幅プライマーおよび逆方向増幅プライマーをさらに備える。いくつかの実施形態において、順方向プライマー、逆方向プライマーまたは順方向プライマーと逆方向プライマーの両方は、ユニバーサルプライミング配列またはユニバーサルプライミング配列の相補物を含む。いくつかの実施形態において、キットは、順方向プライマー、逆方向プライマー、またはレポーター基をさらに含む順方向プライマーおよび逆方向プライマーを含む。いくつかのそのような実施形態において、プライマー対の順方向プライマーのレポーター基は、そのプライマー対の逆方向プライマーのレポーター基と異なる。いくつかの実施形態において、キットは、レポータープローブ、核酸色素、レポーター基またはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つをさらに備える。いくつかの実施形態において、キットは、コントロール配列、例えば、限定されないが、ハウスキーピング遺伝子などの内標準配列、または分子サイズ標準もしくは分子量標準を含むポリヌクレオチドラダーをさらに備える。
ある特定のキット実施形態において、第1アダプター、第2アダプター、順方向プライマー、逆方向プライマーまたはそれらの組み合わせは、識別配列または識別配列の相補物を含む。ある特定の実施形態において、識別配列は、(i)5’−AAGCCC、(ii)5’−CACACC、(iii)5’−CCCCTT、(iv)5’−CATCGG、(v)5−TCGTTG、(vi)5’−GGGCAC、(vii)5’−CCAGAC、(viii)5’−CTCCGT、(ix)5’−CCCTTC、(x)5’−GCGGTC、またはこれらの配列(i)〜(x)のいずれか1つの相補物のうちの1つを含む。いくつかの実施形態において、逆方向プライマーは、配列番号6および配列番号15〜配列番号23のうちの1つの配列を含む。いくつかのキット実施形態において、順方向プライマーと逆方向プライマーとの混合物が提供される。いくつかの実施形態において、キットは、複数のプライマー混合物、例えば、限定されないが、(i)第1順方向プライマーおよび第1逆方向プライマーを含むプライマー混合物(ここで、第1逆方向プライマーは、第1識別配列を含む);(ii)第1順方向プライマーおよび第2逆方向プライマーを含むプライマー混合物(ここで、第2逆方向プライマーは、第2識別配列を含む);(iii)第1順方向プライマーおよび第3逆方向プライマーを含むプライマー混合物(ここで、第3逆方向プライマーは、第3識別配列を含む);(iv)第1順方向プライマーおよび第4逆方向プライマーを含むプライマー混合物(ここで、第4逆方向プライマーは、第4識別配列を含む);(v)第1順方向プライマーおよび第5逆方向プライマーを含むプライマー混合物(ここで、第5逆方向プライマーは、第5識別配列を含む);(vi)第1順方向プライマーおよび第6逆方向プライマーを含むプライマー混合物(ここで、第6逆方向プライマーは、第6識別配列を含む);(vii)第1順方向プライマーおよび第7逆方向プライマーを含むプライマー混合物(ここで、第7逆方向プライマーは、第7識別配列を含む);(viii)第1順方向プライマーおよび第8逆方向プライマーを含むプライマー混合物(ここで、第8逆方向プライマーは、第8識別配列を含む);(ix)第1順方向プライマーおよび第9逆方向プライマーを含むプライマー混合物(ここで、第9逆方向プライマーは、第9識別配列を含む);および(x)第1順方向プライマーおよび第10逆方向プライマーを含むプライマー混合物(ここで、第10逆方向プライマーは、第10識別配列を含む)のうちの少なくとも2つを提供する。
いくつかのキット実施形態は、少なくとも1つのアダプター混合物を含み、ここで、各アダプター混合物は、第1アダプターおよび第2アダプター;二本鎖特異的RNAリガーゼ活性を含む少なくとも1つのポリペプチド;逆転写酵素(RNA指向性DNAポリメラーゼ);DNAポリメラーゼ(DNA指向性DNAポリメラーゼ);リボヌクレアーゼ;デオキシリボヌクレオチド三リン酸(dNTP)の混合物;および少なくとも1つの増幅プライマー混合物を含み、ここで、各増幅プライマー混合物は、順方向プライマーおよび逆方向プライマーを含む。いくつかの実施形態において、RNA指向性DNAポリメラーゼおよびDNA指向性DNAポリメラーゼは、ある特定の反応条件下においてDNA指向性DNAポリメラーゼ活性を有するRNA指向性DNAポリメラーゼ、またはある特定の反応条件下においてRNA指向性DNAポリメラーゼ活性を有するDNA指向性DNAポリメラーゼ、例えば、限定されないが、Tth DNAポリメラーゼおよびCarboxydothermus hydrogenoformans由来のDNAポリメラーゼIを含む。いくつかのキット実施形態において、DNA依存性DNAポリメラーゼは、Taq DNAポリメラーゼ(その酵素的に活性な変異体およびバリアントを含む)、例えば、限定されないが、AmpliTaq(登録商標)DNAポリメラーゼおよびAmpliTaq Gold(登録商標)DNAポリメラーゼ(Applied Biosystems)を含む。いくつかの実施形態において、リボヌクレアーゼは、リボヌクレアーゼH(RNaseH)を含む。いくつかのキット実施形態は、少なくとも1つのコントロールRNA分子、例えば、限定されないが、少なくとも1つのポジティブコントロールRNA分子、少なくとも1つのネガティブコントロールRNA分子またはその両方を含む。
固体支持体:ある特定の実施形態において、開示される方法およびキットは、固体支持体を含む。いくつかの実施形態において、固体支持体は、例えば、限定されないが、増幅産物を精製するためおよび/または解析するための、分離工程および/または検出工程において使用される。固体支持体の非限定的な例としては、アガロース、セファロース、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ガラス、メンブレン、シリカ、半導体材料、ケイ素、有機ポリマー;光学的に識別可能なマイクロシリンダー;トランスデューサーを備えたバイオセンサー;適切に処理またはコーティングされた反応容器および表面、例えば、限定されないが、微量遠心チューブまたは反応チューブ、マルチウェルマイクロプレートのウェルならびにガラス、石英またはプラスチックスライドおよび/もしくはカバーガラス;ならびにビーズ、例えば、限定されないが、磁気ビーズ、常磁性ビーズ、ポリマービーズ、金属性ビーズ、色素含浸ビーズまたは色素標識ビーズ、コーティングされたビーズ、ガラスビーズ、ミクロスフェアおよびナノスフェアが挙げられる。任意の数の固体支持体が、開示される方法およびキットにおいて使用され得ること、および固体支持体の形状および組成は、通常限定されないことを当業者は認識するだろう。
上に記載してきた本教示は、実施例を参照することによって、よりよく理解され得る。以下の実施例は、説明するだけの目的のために意図されるものであり、本明細書中の教示の範囲を限定すると決して解釈してはならない。
(実施例1)
(二本鎖特異的RNAリガーゼRnl2を用いた増幅産物の生成)
3つのRNAサンプルの各々:
ヒト胎盤由来の全RNA(100μg,Ambion P/N AM7950)、
合成miRNA分子(mirVanaTMmiRNA Reference Panel v.9.1、100fmol、Ambion P/N 4388891、miRBase Sequence Database Version9.1におけるヒト、マウスおよびラットmiRNA配列の大部分に相当する合成RNAオリゴヌクレオチドの等モルのプール)および
flashPAGETMFractionation Systemを用いて5μgの全RNAから精製された全RNA(ヒト胎盤)
を3μLのハイブリダイゼーション溶液(300mM NaCl、20mM Tris−HCl pH8.0、2mM EDTA)、および以下のとおりオリゴヌクレオチドを含む2μLのアダプターオリゴ混合物と混合した:
3.1μM(5’−上側、すなわち、第1オリゴヌクレオチド)5’−CCUCUCUAUGGGCAGUCGGUGAU−3’、配列番号1;
6.1μM(5’−下側、すなわち、第2オリゴヌクレオチド)5’−NNNNNNATCACCGACTGCCCATAGAGAGG−3’、配列番号2;
3.1μM(3’−上側、すなわち、第3オリゴヌクレオチド)5’−PO−CGCCTTGGCCGTACAGCAG−3’、配列番号3;および
6.1μM(3’−下側、すなわち、第4オリゴヌクレオチド)5’−CTGCTGTACGGCCAAGGCGNNNNNN−3’;配列番号4)
ここで、「N」は、25:25:25:25という比で混合された縮重塩基(A、C、GまたはT)を表す。
その凍結乾燥されたオリゴヌクレオチドを、ヌクレアーゼフリー水(Ambion P/N AM9937)に100μMという原液濃度に再懸濁し、しかるべく希釈した。そのRNA混合物を65℃で10分間加熱した後、16℃で5分間加熱することにより、アダプターをサンプル中の低分子RNAにハイブリダイズさせた。
次いで、そのハイブリダイズしたRNA/アダプターを10μLのライゲーション緩衝液(100mM Tris−HCl pH7.5、20mM MgCl、20mMジチオトレイトール、2mM ATPおよび40%(w/v)PEG−8000)と混合し、合計20μLにおいて20単位のT4RNAリガーゼ2(NEB,Ipswich,MA)を用いて、16℃において16時間連結した。さらに、リガーゼ酵素の代わりにヌクレアーゼフリー水を用いて、全RNAサンプルに対してリガーゼ非含有コントロールを調製した。
その連結産物を、総体積40μLにおいて、200単位のArrayScriptTM逆転写酵素(Ambion P/N AM2048)、4μLの10×RT緩衝液(ArrayScriptTM酵素とともに提供されるもの)および2μLの2.5mM dNTP混合物(Ambion P/N AM8228G)とともに42℃において30分間インキュベートすることによって逆転写した。その逆転写酵素の代わりにヌクレアーゼフリー水を用いて、全RNAサンプルに対してRT非含有コントロールを含めた。
そのサンプルの10μLのアリコートを10単位のRNaseH(Ambion P/N AM2292)とともに37℃で30分間インキュベートすることによって、過剰量のRNA副産物を除去し、そしてRNase処理されたcDNAをPCRによって増幅した。その50μLのPCR反応物は、以下を含んでいた:
38.5μLのヌクレアーゼフリー水(Ambion P/N AM9937)、
5μLのGeneAmp(登録商標)10×PCR緩衝液I(Applied Biosystems P/N N8080246)、
4μLの2.5mM dNTP混合物(Ambion P/N AM8228G)、
0.5μLの50μM順方向PCRプライマー:(5’−CCACTACGCCTCCGCTTTCCTCTCTATGGGCAGTCGGTGAT−3’(配列番号5)、
0.5μLの50μM逆方向PCRプライマー:(5’−CTGCCCCGGGTTCCTCATTCTCTCCAGACCTGCTGTACGGCCAAGGCG−3’)(配列番号6)、
1μLのAmpliTaq(登録商標)DNAポリメラーゼ(Applied Biosystems P/N N8080246)および
0.5μLのcDNAサンプル。
PCR条件は、以下のとおりだった:95℃において5分間の最初の変性の後、95℃30秒(変性)、62℃30秒(アニーリング)および72℃30秒(伸長)を15サイクル。続いて、72℃において7分間、最後の伸長を行った。
10μLの各サンプルを、Gel Loading Buffer II(Ambion P/N AM8547)と1:1で混合し、全体積を1.0mmの6%ポリアクリルアミドゲル上に充填し、1×tris−ホウ酸EDTA泳動緩衝液(Ambion P/N AM9863)中、180ボルト一定において約45分間電気泳動した。そのゲルをカセットから取り出し、1×TBE中において5分間、1×SYBR(登録商標)Gold核酸ゲル染色(Invitrogen P/N S11494)において染色した。そのゲルを、Alpha Innotech FluorChem SP撮像装置を用いて撮像し、そしてその像を、AlphaEase(登録商標)FCソフトウェアバージョン6.0.0を用いて処理した。
図5に見られるように、増幅されたライゲーション産物(増幅産物)は、括弧Aによって示されており;矢印Bは、その増幅反応において増幅されたその反応の望まれない副産物を示しており;括弧Cは、増幅反応組成物中の連結されていない残留アダプターおよびプライマーを示している。
順方向PCRプライマー配列が、順方向プライマーのヌクレオチド19から開始する、第1オリゴヌクレオチドの配列である配列番号1(UがTに置き換わっている)を含むことに注意すること。また、逆方向プライマー配列が、逆方向プライマーのヌクレオチド30から開始する第4オリゴヌクレオチドの配列である配列番号4(UがTに置き換わっている)を含むことに注意すること。ゆえに、この構築物を用いるとき、検出される低分子RNAは、図5に見られるようなゲルフラグメントサイズと等しい長さ、例えば、プライマーの長さの合計よりも短い長さを有する。
(実施例2)
(様々な二本鎖特異的リガーゼを用いた増幅産物の生成)
ヒト胎盤由来の全RNA(500ng,Ambion P/N AM7950)を3μLのハイブリダイゼーション溶液および2μLのアダプターオリゴ混合物と混合し、実施例1におけるようにハイブリダイズさせた。次いで、そのハイブリダイズしたRNA/アダプターを10μLのライゲーション緩衝液(100mM Tris−HCl pH7.5、20mM MgCl、20mMジチオトレイトール、2mM ATPおよび40%(w/v)PEG−8000)と混合し、10単位のバクテリオファージT4RNAリガーゼ2、バクテリオファージT4RNAリガーゼ1(Ambion P/N AM2140)、バクテリオファージT4DNAリガーゼ(Ambion P/N AM2134)またはT4RNAリガーゼIとT4DNAリガーゼとの1:1混合物のいずれかを用いて、合計20μL中、16℃において16時間連結した。さらに、そのリガーゼ酵素の代わりにヌクレアーゼフリー水を用いて、リガーゼ非含有コントロールを調製した。
その連結産物を、実施例1におけるように逆転写し、RNaseHで処理し、増幅した。10μLの各サンプルを、Gel Loading Buffer II(Ambion P/N AM8547)と1:1で混合し、全体積を1.0mmの6%ポリアクリルアミドゲル(Invitrogen P/N EC6265BOX)上に充填し、1×tris−ホウ酸EDTA泳動緩衝液(Ambion P/N AM9863)中、180ボルト一定において約45分間電気泳動した。そのゲルをカセットから取り出し、1×TBE中において5分間、1×SYBR(登録商標)Gold核酸ゲル染色(Invitrogen P/N S11494)において染色した。そのゲルを、Alpha Innotech FluorChem SP撮像装置を用いて撮像し、そしてその像を、AlphaEase(登録商標)FCソフトウェアver.6.0.0を用いて処理した。バンドを、10bpDNAラダー(100ng;Invitrogen P/N10821−015)と比較した。
図6に見られるように、増幅されたライゲーション産物(増幅産物)は、括弧Aによって示されており;矢印Bは、増幅された反応物の望まれない副産物を示しており;括弧Cは、増幅反応組成物中の連結されていない残留アダプターおよびプライマーを示している。驚いたことに、リガーゼRnl2(レーン2)、リガーゼRnl1(レーン4)、リガーゼDnl(レーン6)またはRnl1とDnlの両方の組み合わせ(レーン8)を用いて生成された増幅産物を比較すると、異なる増幅産物プロファイルが観察される。Rnl2リガーゼを用いたときは、この例証となる実施形態において増幅miRNAに対して予想されるサイズ範囲内である110塩基対(bp)〜130bpのサイズ範囲(矢印A)における増幅産物が観察されるが、Rnl1またはDnlを、単独または組み合わせて用いたときは、観察されない。さらに、約100bpの増幅産物の顕著なバンド(図6におけるBの少し上に移動する)が、Rnl1、Dnlまたはその両方に対応するすべてのレーン(逆転写酵素有りおよび無し)において出現しているが、このバンドは、Rnl2を用いたときは観察されない。平行した反応において単独または組み合わせで2つの異なるリガーゼを用いて生成される増幅産物と比較して、Rnl2を用いて生成される増幅産物におけるこの差は、驚くべきことであり、予想外のことである。
(実施例3)
(配列決定のためのバーコード増幅産物の生成)
低分子RNAは、全RNA単離のための手順の後に、mirVanaTMmiRNA Isolation Kit(AM1560,Ambion)を製造者の取扱説明書に従って使用して、HeLa細胞から得られる。
ライゲーション反応組成物を、以下のとおり調製した。ハイブリダイゼーション混合物を、各反応物について:2μLのアダプター混合物(第1アダプターおよび第2アダプター)、3μLの2×ハイブリダイゼーション溶液(300mM NaCl、20mM Tris、2mM EDTA、最終pH8.0)、mirVanaTMmiRNA Isolation Kitからの1〜3μLのRNA分子溶液(1000ナノグラム(ng)のRNAを含む)または1000ngのポジティブコントロール(FirstChoice(登録商標)全RNA:ヒト胎盤;AM7950,Ambion)、および0〜2μLのヌクレアーゼフリー(NF)水(NF水の体積は合計8μL/反応物が得られるように調整される)RNaseフリーの0.2mL薄壁PCRチューブにおいて調製した。ハイブリダイゼーション混合物を含むチューブを、穏やかに混合し、そして65℃10分、次いで、16℃5分にプログラムされたサーマルサイクラーに入れる。そのチューブを16℃で維持し、そして各反応物について最終体積20μLになるように、熱サイクル反応に供した8μLのハイブリダイゼーション混合物、10μLの2×ライゲーション緩衝液(100mM Tris、20mM MgCl、20mM DTT、2mM ATP、40%PEG8000,pH7.0)および2μLのリガーゼ混合物(10U/μLのバクテリオファージT4RNAリガーゼ2(Rnl2)、2U/μLのRNaseインヒビタータンパク質)をこの順序で混合することによって、ライゲーション反応組成物を調製した。上下にピペッティングすることによってそのチューブを混合し、次いで、サーマルサイクラー内、16℃において16時間インキュベートした。典型的には、2時間のインキュベートが、第1アダプターおよび第2アダプターがRNA分子とアニールし、そしてライゲーションが生じることにより連結産物が生成されるのに十分な時間である(例えば、図3における34を参照のこと)。
連結産物を含むチューブを氷上に置き、そして逆転写マスターミックス(RTMM)を以下のとおり調製した。連結産物の各チューブについて、13μLのNF水、4μLの10×RT緩衝液(500mM Tris−HCl pH8.3、750mM KCl、30mM MgCl、50mM DTT、最終pH8.25)、2μLの2.5mM dNTP混合物および1μLのRT酵素混合物(200U/μLのArrayScriptTM逆転写酵素(RNA指向性DNAポリメラーゼ)を混合することにより、RTMMを形成した。20μLのRTMMを、3〜5回、上下にピペッティングすることによって混合しながら各連結産物チューブに加えた後、42℃において30分間インキュベートすることにより、逆転写産物を生成した(例えば、図3における36を参照のこと)。このインキュベートの後、逆転写産物を含む溶液の10μLのアリコートを新しい0.2mLのチューブに移し、それに1μLのRNaseH酵素(10U/μLのE.coli RNaseH)を加えた。そのチューブを穏やかに混合し、37℃において30分間インキュベートし、その間に、逆転写産物が消化され、増幅鋳型(例えば、図3における38を参照のこと)が形成された。
38.5μLのNF水、5μLのGeneAmp(登録商標)PCR緩衝液I、1μLのPCRプライマー混合物(25μM順方向プライマー、25μM逆方向バーコードプライマー)、4μLの2.5mM dNTP混合物および1μLのAmpliTaq(登録商標)DNAポリメラーゼ(5U/μL;DNA指向性DNAポリメラーゼ)を含むPCRマスターミックス(1増幅反応あたり合計49.5μLで行われる)を調製した。この例示的なPCRプライマー混合物は、1つの順方向プライマーおよびバーコード逆方向プライマーを含む。
増幅産物を含む所与の溶液とともに使用するPCRサイクルの適切な回数を決定するために、スモールスケール(すなわち、50μL)のPCR反応が推奨される。49.5μLのこのPCRマスターミックスを、増幅鋳型を含む0.5μLの溶液と、RNaseフリーの0.2mL薄壁PCRチューブ内において混合することによって、スモールスケールの増幅反応組成物を調製した。その増幅反応組成物を、加熱された蓋を備えたサーマルサイクラーに置き、95℃において5分間加熱し、次いで、95℃30秒−62℃30秒−72℃30秒のプロファイルを用いる12〜15サイクルのサイクル反応に供し;次いで、最終伸長工程を72℃において7分間行う。増幅サイクルの最適な回数は、出発増幅反応組成物中の増幅産物の量に依存する。増幅産物を含む増幅反応組成物の5〜10μLのアリコートを、6%未変性tris−ホウ酸EDTA(TBE)アクリルアミドゲルを用いる電気泳動によって解析することにより、増幅サイクルの最適な回数を決定した。そのような決定の後、ラージスケールの増幅を行う。
配列決定および/または他の下流のプロセス用の十分な量の増幅産物を生成するために、よりラージスケールの増幅反応をPCRによって行った。行われる各反応に対して、77μLのNF水(Ambion AM9922)、10×GeneAmp(登録商標)PCR Buffer I(または10×PCR Buffer I,Applied Biosystems P/N N8080160)、2μLのバーコードPCRプライマー(順方向および対象のバーコード逆方向プライマーの混合物)、8μLのdNTP混合物および2μLのAmpliTaq(登録商標)DNA指向性DNAポリメラーゼ(Applied Biosystems P/N N8080160)を混合することによって、マスターミックスを調製した。このマスターミックスの99μLのアリコートおよび増幅鋳型を含む1μLの溶液を、RNaseフリーのPCRプレートの3つの別個のウェルにおいて混合することにより(すなわち、3つ組)、増幅反応組成物を形成した。そのPCRプレートを95℃において5分間加熱することにより、核酸を変性し、前述の温度プロファイル(95℃30秒−62℃30秒−72℃30秒)に従って、予め決定されたサイクル数のサイクル反応に供し、そして最後にそのPCR反応容器を72℃において7分間維持することにより、その増幅反応組成物において増幅産物を生成した。その増幅産物をプールし、5〜10μLのプールされた増幅反応組成物を、前述のように6%未変性TBEアクリルアミドゲル上で電気泳動することによって解析した。
250(250)μLのプールされた増幅産物を、RNaseフリーの1.5mLポリプロピレン微量遠心チューブ内で250μLのフェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(25:24:1,pH7.9)と混合し、ボルテックスすることによって混合した。そのチューブを、室温で12,000rpmにおいて5分間、卓上遠心機を用いて遠心した。水相を計量し、新しいRNaseフリーの1.5mlポリプロピレン微量遠心チューブに移し、そしてそのチューブに、等体積の7.5M酢酸アンモニウムを、1/100体積のグリコーゲン(またはGlycoBlueTMCo−precipitant(Ambion)および0.7体積のイソプロパノールとともに加えた。そのチューブの内容物を完全に混合し、室温において5分間インキュベートし、次いで、室温で12,000rpmにおいて20分間遠心した。得られた上清を取り出して廃棄し、ペレットを1mLの70%(v/v)エタノールで3回洗浄した。ペレットを風乾し、次いで、18μLのヌクレアーゼフリー水に再懸濁し、それに2μLの10×未変性ゲルローディング色素を加える。この懸濁液の10μLを、未変性TBE PAGEゲルの2ウェルの各々に加えた(そのゲルは、他のウェルの1つにマーカーとして10塩基対(bp)分子量のラダー(Invitrogen10821−015)を含む)。色素の前線が、そのゲルの下端から流出しそうになるまで(1.0mm、8cm×8cmゲルの場合約30分)、そのゲルにおいて増幅産物を約140Vで電気泳動する。そのゲルにおける核酸バンドを、SYBR(登録商標)Gold(Invitrogen,Carlsbad,CA)を製造者の指示書に従って使用して染色し、紫外光源を用いて照射した。約100〜150bpのサイズ範囲の核酸を得るために、清浄なかみそりの刃を用いて、そのゲルの増幅産物を含むレーンをスライスした。100bpにおける明確なバンドは、おそらく望まれない副産物であり、ゲルから切り取ったスライス内に含めなかった。同様に、ある特定の配列決定方法(例えば、限定されないが、SOLiDTMSystem(Applied Biosystems)を用いるエマルジョンPCR配列決定)を用いるときは、約200bpより大きい核酸も避けた。
21ゲージの針を用いて、RNaseフリーの0.5mLポリプロピレン微量遠心チューブの底に穴を開け、そして切り取ったゲル片をそのチューブに移す。次いで、この0.5mLチューブをRNaseフリーの1.5mLポリプロピレン微量遠心チューブの内側に置き、そして12,000rpmにおいて3分間遠心することにより、ゲルを粉砕した。その0.5mLチューブを取り出して廃棄し、そしてゲルフラグメントを含む外側の1.5mLチューブを氷上に置く。200(200)μLのPAGE溶出緩衝液(1×TE緩衝液pH7.0中の1.5M酢酸アンモニウム)をチューブに加え、次いで、それを室温において20分間インキュベートした。この第1インキュベートの後、上清を取り出し、RNaseフリーの清浄な1.5mLポリプロピレン微量遠心チューブに移し、そしてさらなる250μlのPAGE溶出緩衝液をその第1チューブ(ゲルフラグメントを含む)に加え、37℃においてさらに40分間インキュベートした。第2インキュベートの後、第2上清を回収し、第1に加えた。残留していたゲル片を、製造者の指示書に従ってスピンカラム(Ambion Cat#10065)および遠心分離を用いて、プールされた上清から除去した。
得られた液体を、RNaseフリーの1.5mLポリプロピレン微量遠心チューブ内で等体積のフェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(25:24:1,pH7.9)と混合し、ボルテックスすることによって混合した。そのチューブを、卓上遠心機を用いて室温で12,000rpmにおいて5分間遠心した。水相を計量し、そしてRNaseフリーの新しい1.5mlポリプロピレン微量遠心チューブに移し、そしてそのチューブに、1/100体積のグリコーゲン(AM9510,Ambion;またはGlycoBlueTMCo−precipitant AM9515,Ambion)および0.7体積のイソプロパノールとともに等体積の7.5M酢酸アンモニウムを加えた。そのチューブの内容物を完全に混合し、室温において5分間インキュベートし、次いで、室温で12,000rpmにおいて20分間遠心した。生じた上清を取り出して廃棄し、ペレットを1mLの70%(v/v)エタノールで3回洗浄した。ペレットを風乾し、次いで、20μLのNF水に再懸濁した。分光光度計を用いてA260を測定することによって、または上に記載されたように6%未変性PAGEゲルにおいて解析することによって、増幅産物を含むDNAを定量した。
増幅産物の配列を決定するために、Applied Biosystems SOLiDTMSystemにおいてUser Guide(Applied Biosystems,P/N4391578;「User Guide」)に従ってエマルジョンPCR(ePCR)を行った。SOLiDTMSystemにおける最大規模のePCRにおいて最も良好な配列決定結果をもたらす増幅産物の濃度を評価するために、製造者の指示書に従って、0.2pg/μL、0.4pg/μL、0.6pg/μLおよび0.8pg/μLという増幅産物濃度において4つの別個のePCR反応を行った後、滴定/QCランを行った(特に、User GuideのChapter3および4を参照のこと)。最適な増幅産物濃度が決定したら、「最大規模」のePCR反応を行った(User GuideのSection3.1,Chapter3を参照のこと)。増幅産物の少なくとも一部の配列を決定することによって、増幅産物が由来するRNA分子を直接または生物情報学的に同定することができ、それによって、そのRNA分子が検出される。そのような配列情報を用いることにより、新規RNA分子(低分子RNA発見を含むがこれに限定されない)が同定され得;そのような配列情報を用いることにより、別の検出されたRNA種の量に対して、出発サンプル中の1つの検出されるRNA分子種の量が定量され得、そしてそのような情報が、とりわけ、目的のmRNA、miRNAまたは他のRNA分子の発現プロファイリングに有用であり得ることを当業者は認識するだろう。
(実施例4)
(アダプターのオーバーハング長の評価)
アダプターの複雑性を最小限にしつつライゲーション効率を最大にするために、様々なオーバーハング長を有する第1および第2アダプターを合成し、評価した。
例示的な第1アダプターは、図7Bにおいて「T3」と示されている第1オリゴヌクレオチド(ここで、その第1オリゴヌクレオチドは、バクテリオファージT3由来のDNA配列および3’末端に2リボヌクレオチドを含んでいた)および図7Bにおいて「27N」と示されている第2オリゴヌクレオチド(ここで、その第2オリゴヌクレオチドは、バクテリオファージT3由来の相補的なデオキシリボヌクレオチド配列および5’末端に4、6または8個の縮重デオキシリボヌクレオチド「N」のオーバーハングを含んでいた)を含んでいた。例証となる第1アダプターの上側の鎖(第1オリゴヌクレオチド)は、図7Bにおいて「T3」と示されているバクテリオファージT3プロモーター由来の27ヌクレオチド配列5’−CUCGAGAAUUAACCCUCACUAAAGGGA−3’(配列番号7)を含んでいた。下側の鎖(第2オリゴヌクレオチド)は、下側の鎖の5’末端に4、6または8個の縮重ヌクレオチド(図7Bにおいて説明の目的で「N」と示されている)を有する、図7Bにおいて説明の目的で「27N」と示されている、上側の鎖の相補的配列5’−(N)4,6,8TCCCTTTAGTGAGGGTTAATTCTCGAG−3’(配列番号8(N=8);2または4個の5’−Nを欠く配列番号8(すなわち、Nは、6または4である))を含んでいた。
例示的な第2アダプターは、図7Bにおいて「T7」と示されている第3オリゴヌクレオチド(ここで、その第3オリゴヌクレオチドは、バクテリオファージT7由来のDNA配列を含んでいた)および図7Bにおいて「N28」と示されている第4オリゴヌクレオチド(ここで、その第4オリゴヌクレオチドは、バクテリオファージT7由来の相補的なデオキシリボヌクレオチド配列および3’末端に4、6または8個の縮重デオキシリボヌクレオチド「N」のオーバーハングを含んでいた)を含んでいた。例証となる第2アダプターの上側の鎖(第3オリゴヌクレオチドは、5’ホスフェート基(POとして示されている)を含む、図7Bにおいて「T7」と示されているバクテリオファージT7プロモーター由来の28ヌクレオチド配列5’−PO−TCCCTATAGTGAGTCGTATTACGAATTC−3’(配列番号9)を含んでいた。下側の鎖(第4オリゴヌクレオチド)は、下側の鎖の3’末端に4、6または8個の縮重ヌクレオチド(図7Bにおいて説明の目的で「N」と示されている)を有する、図7Bにおいて説明の目的で「N28」と示されている、上側の鎖の相補的配列5’−GAATTCGTAATACGACTCACTATAGGGA(N)4,6,8−3’(配列番号10(N=8);2または4個の3’−Nを欠く配列番号10(すなわち、Nは、6または4である))を含んでいた。
2μLの水中の、50ピコモル(pmol)の「T3」第1アダプター(図7Bを参照のこと)、「T7」第2アダプター(図7Bを参照のこと)または、T3第1アダプターとT7第2アダプターの両方(両方が同じ数の縮重ヌクレオチドを有する)を、3μLの2×ハイブリダイゼーション緩衝液(300mM NaCl、20mM Tris pH8、2mM EDTA)とともに95℃において3分間インキュベートし、次いで、22℃に冷却した。温度が22℃に達したら、1μLの0.13μMの5’32P標識合成マイクロRNAプール(mirVanaTMmiRNA Reference Panel 9.0、等モルの濃度のSanger miRBase9.0データベース(microrna.sanger.ac.uk/sequences/)由来の約500個の合成miRNA配列のプール)を各反応チューブに加え、そのチューブを65℃において10分間インキュベートし、次いで、22℃に冷却した。
次いで、反応混合物を16℃において30分間インキュベートし、次いで、14μLのライゲーション酵素混合物(0.5μLのRNAリガーゼ2(10μM)、2μLの10×Rnl2緩衝液(100mM Tris pH7、20mM MgCl、20mMジチオトレイトール、20mM ATP)、1μLのRNase Inhibitor(Ambion AM2682,40U/μL)、10μLの40%PEG8000(Sigma−Aldrich 202452)および0.5μLのRNaseフリー水)を各チューブに加えた。その反応混合物を、16℃においてさらに16時間インキュベートした。次いで、20μLのGel Loading Buffer II(Ambion AM8546G)を各反応物に加え、95℃において5分間加熱した。32P−標識産物を、10%変性PAGEによって分離し、そしてオートラジオグラフィによって可視化した。(i)RNAリガーゼ2とアダプターの両方、または(ii)アダプターだけを欠くコントロール反応物が、図7Aの最初の2レーンに示されている。図7Aに示されるように、第1アダプターと第2アダプターの両方を含むライゲーション反応混合物に対応するゲルのレーンにおいて、相当量の二重ライゲーション産物(連結産物)(すなわち、T3−4+T7−4;T3−6+T7−6;およびT3−8+T7−8)が観察された。ゆえに、4、6および8ヌクレオチドのアダプターオーバーハング長が、低分子RNAの検出をもたらす。
(実施例5)
(アダプター構造)
dsDNA(5’(第1)アダプターの上側の鎖(第1オリゴヌクレオチド)上の2つの3’末端RNA塩基を除く(例えば、図8BにおけるT3r2:27 6NおよびT7:6N 28(数字27および28は、それぞれ、実施例4におけるような第1および第3オリゴヌクレオチドの長さを指す)およびdsRNA−DNAハイブリッド(両方のアダプターに対する、上側(第1および第3オリゴヌクレオチドはRNAである)−下側(第2および第4オリゴヌクレオチドはDNAである)(例えば、図8BにおけるrT3:27 6NおよびrT7:6N28)を含む、6−ヌクレオチド縮重オーバーハングを有する異なる構造の5’(第1)および3’(第2)アダプターを試験した。
図8Bのこの例証となる実施形態において、上部の第1アダプター(rT3:27 6N)は、すべてのヌクレオシドがリボヌクレオシドを含むT3配列(配列番号7)を含む上側の鎖(第1オリゴヌクレオチド)(相補的配列および下側の鎖の5’末端に6つの縮重ヌクレオチドを含む下側の鎖(第2オリゴヌクレオチド)(配列番号8、Nは6である)(説明の目的で「27 6N」と示されている)にアニールしている「rT3」と示されている)を含み;そして他の例証となる第1アダプター(T3r2:27 6N)は、リボースを含む最も3’側の2つのヌクレオシドを除いて、すべてのヌクレオシドがデオキシリボヌクレオシドを含むT3配列を含む上側の鎖(27 6Nと示されている上部の第1アダプターと同じ下側の鎖(配列番号8、Nは6である)にアニールされている「T3r2」と示されている)(3’末端に2つのリボヌクレオチドを有する配列番号7)を含む。
再度、図8Bを参照すると、上部の例証となる第2アダプター(rT7:6N 28)は、説明の目的で「6N 28」と示される下側の鎖(配列番号10、Nは6である)の5’末端に6つの縮重ヌクレオチドを有する相補的配列を含む下側の鎖にアニールされている、説明の目的で「rT7」と示される、T7配列(配列番号9)を含む上側の鎖(第3オリゴヌクレオチド)(ここで、それらのヌクレオシドのすべてがリボヌクレオシドを含み、その配列は、5’ホスフェート基を含む)を含む。他の例証となる第2アダプター(T7:6N 28)は、6N 28と示されている上部の第2アダプターと同じ下側の鎖(配列番号10、Nは6である)にアニールされている説明の目的で「T7」と示されるT7配列(配列番号9)を含む上側の鎖(ここで、それらのヌクレオシドのすべてが、デオキシリボヌクレオシドを含み、その配列は、5’ホスフェート基を含む)を含む。
2μLの水中の、50pmolの第1アダプター、第2アダプターまたは第1アダプターと第2アダプターの両方を、3μLの2×ハイブリダイゼーション緩衝液(300mM NaCl、20mM Tris pH8、2mM EDTA)とともに95℃において3分間インキュベートし、22℃に冷却した。1(1)μLの0.13μM 5’32P−標識miRNAプール(上で言及したようなmirVanaTMmiRNA Reference Panel)を各反応物に加え、次いで、65℃において10分間インキュベートし、22℃に冷却した。
反応混合物を16℃において30分間インキュベートし、次いで、14μLのライゲーション酵素混合物(0.5μLのRNAリガーゼ2(10μM)、2μLの10×Rnl2緩衝液(100mM Tris pH7、20mM MgCl、20mMジチオトレイトール、20mM ATP)、1μLのRNase Inhibitor(Ambion AM2682,40U/μL)、10μLの40%PEG8000(Sigma−Aldrich 202452)および0.5μLのRNaseフリー水)を各チューブに加えた。その反応混合物を16℃においてさらに16時間インキュベートした。次いで、Gel Loading Buffer II(20μL,Ambion AM8546G)を各反応物に加え、95℃において5分間加熱した。32P−標識された産物を10%変性PAGEによって分離し、そしてオートラジオグラフィによって可視化した。図8Aに示されるように、ライゲーション反応混合物が、第1アダプターと第2アダプターの両方を含む(T3r2−6+T7−6;およびrT3−6+rT7−6)が、より多くの望まれない反応副産物(によって示されている)が、混合されたT3r2−6+T7−6アダプターと比べて、混合されたrT3−6+rT7−6アダプターにおいて見られるときにだけ、相当量の連結産物(矢印によって示されている)が観察される。
(実施例6)
(アダプターの組み合わせ)
第1アダプターと第2アダプターとの3つの異なる組み合わせを、二重ライゲーション効率について試験した。これらの組み合わせは、上側の鎖の両方ともがDNAである(すなわち、第1および第3オリゴヌクレオチドは、第1オリゴヌクレオチドが2つの3’リボヌクレオチドを有することを除いて、DNAである)か、上側の鎖の両方とも(すなわち、第1および第3オリゴヌクレオチド)がRNAであるか、または5’(第1)アダプター上の上側の鎖(すなわち、第1オリゴヌクレオチド)がRNAであり、かつ3’(第2)アダプター上の上側の鎖(すなわち、第3オリゴヌクレオチド)がDNAである、第1アダプターおよび第2アダプターを含んでいた(後者のアダプター構造の実施形態の概略図について図9Cを参照のこと)。1(1)μLの各アダプター(各々50μM)を混合し、そして3μLの2×ハイブリダイゼーション緩衝液(300mM NaCl、20mM Tris pH8、2mM EDTA)と95℃において3分間インキュベートし、そして22℃に冷却した。1(1)μLの0.13μMの5’32P−標識合成miRNAプール(上で言及したもの)を各5μLの反応物に加え、次いで、その反応物を65℃において10分間インキュベートし、次いで、22℃に冷却した。
次いで、反応混合物を16℃において30分間インキュベートした後、14μLのライゲーション酵素混合物を各チューブに加えた。0.5μLのRNAリガーゼ2(10μM)、2μLの10×Rnl2緩衝液(100mM Tris pH7、20mM MgCl、20mMジチオトレイトール、20mM ATP)、1μLのRNase Inhibitor(Ambion AM2682,40U/μL)、10μLの40%PEG8000(Sigma−Aldrich 202452)および0.5μLのRNaseフリー水を混合することによって、ライゲーション混合物を調製した。その反応混合物を16℃においてさらに16時間インキュベートした。次いで、20(20)μLのGel Loading Buffer II(Ambion AM8546G)を各反応物に加え、95℃において5分間加熱した。32P−標識された産物を10%変性PAGEによって分離し、そしてオートラジオグラフィによって可視化した。図9Aおよび図9Bは、連結産物の得られた電気泳動図を示している。上側の鎖がDNAまたはRNAであるアダプターは、二重に連結されて、図9Aに示されるように「連結産物」を生成する。
リボヌクレアーゼH(RNaseH)の消化有りおよび無しで、様々な比のアダプター(上側の鎖 対 下側の鎖、すなわち、第1オリゴヌクレオチド 対 第2オリゴヌクレオチドおよび第3オリゴヌクレオチド 対 第4オリゴヌクレオチド)を評価することにより、5’(第1)アダプターと3’(第2)アダプターとの間の直接的なライゲーションによって生成される望まれない副産物を最小限にしつつ二重ライゲーション産物が最大になった(図10Aにおける「連結されたアダプター」)。図10Aの表に示されるように様々な上側/下側の鎖の比を有するアダプターを、6μLの反応混合物中において0.2または2pmolのmirVanaTMmiRNA Reference Panel(上で言及したもの)および3μLの2×ハイブリダイゼーション緩衝液(300mM NaCl、20mM Tris pH8、2mM EDTA)と混合した後、65℃において15分間インキュベートし、16℃において45分間インキュベートした。1μLのRNAリガーゼ2(10μM)、1μLのRNase Inhibitor(Ambion AM2682,40U/μL)、2μLの10×Rnl2緩衝液(100mM Tris pH7、20mM MgCl、20mMジチオトレイトール、20mM ATP)および10μLの40%PEG8000(Sigma−Aldrich 202452)を混合することによって、ライゲーション混合物を調製した。ライゲーション混合物(14μL)を各チューブに加え、16℃において16時間インキュベートした。
16時間のインキュベートの後、500mM Tris−HCl(pH8.3)、750mM KCl、30mM MgClおよび100mM DTTを含む4μLの10×RT緩衝液を、2μLの2.5mM dNTP、1μLのArrayScriptTM逆転写酵素(200U/μL、Ambion AM2048)、1μLのSUPERase−InTMRNaseインヒビター(20U/μL、Ambion AM2694)および12μLのRNaseフリー水と混合し、次いで、合計40μLのRT混合物になるように、20μLのライゲーション反応物に加えた。その逆転写(RT)反応混合物を42℃において30分間インキュベートした。
図10A中のゲルにおいて示されるレーン1〜6のサンプルについて、以下のとおりPCRを行った。そのRT混合物からの1(1)μLのサンプルを、10μLの10×Complete Buffer(Ambion AM2050)、1μLのdNTP(25mM)、0.5μLの5’プライマーおよび0.5μLの3’プライマー(各50μM)、1μLのSuperTaq DNAポリメラーゼ(5U/μL,Ambion AM2050)ならびに86μLのRNaseフリー水と混合した。95℃30秒、50℃30秒および72℃30秒の20サイクルを用いて、PCRを行った。5(5)μLのPCR産物を、10%未変性PAGEゲルに充填し、SYBR(登録商標)Gold(Invitrogen 11494)染色によって可視化した。
図10A中のゲルに示されるレーン7〜12のサンプルについては、RNaseH消化反応を以下のとおり行った後、PCRを行った。5μLのRT反応物を清浄なチューブに移し、0.5μLのリボヌクレアーゼH(RNaseH,10U/μL,Ambion AM2292)と混合し、37℃において30分間インキュベートした。1(1)μLのRNaseH処理サンプルを、先に記載したのと同じ条件におけるPCR反応のために使用した。これらの増幅産物のすべて(RNaseH消化有りと無しの両方)を、図10Aに示されるように、10%未変性PAGEゲルに充填し、電気泳動し、SYBR(登録商標)Gold(Invitrogen 11494)染色によって可視化した。
図10Bに示されている表に示されるような様々な上側/下側の鎖の比を有するアダプターを、6μLの反応混合物中において2pmolの合成mirVanaTMmiRNA Reference Panel(上で言及したもの)および3μLの2×ハイブリダイゼーション緩衝液(300mM NaCl、20mM Tris pH8、2mM EDTA)と混合した後、65℃において15分間、そして16℃において1時間インキュベートした。そのライゲーション、RTおよびRNaseH処理は、先に記載したように行った。1(1)μLのRNaseH処理サンプルを、前に記載したように20サイクルの、SuperTaqTMポリメラーゼ(Ambion AM2050)を用いるPCR増幅のために使用した。5μLの各PCR産物を、図10Bに示されるように、10%未変性PAGEゲルに充填し、電気泳動し、SYBR(登録商標)Gold(Invitrogen 11494)染色によって可視化した。1/50、5/50、10/50、25/50および5/100という上側と下側の鎖のピコモル比を有するアダプターのすべてが、>50bpに移動する所望の産物を生成するのに適格であった。対照的に、5/500というアダプター比の使用は、所望の産物を効率的に生成しなかった。
(実施例7)
(TaqMan(登録商標)miRNAアッセイと本方法の比較;RNA含有量が変動するサンプル)
本実施例は、RT−PCR TaqMan(登録商標)miRNAアッセイと比較した、本方法の定量的な確認を提供する。図12は、5’ヌクレアーゼアッセイを用いて、ヒト胎盤RNAおよびヒト肺RNAから得られたmiRNAの定量結果の相対的な倍率変化(FC)比較を示している散布図を示している(配列決定結果は、本教示のある特定の実施形態に従って得られる)。x軸は、5’ヌクレアーゼアッセイ結果の−ΔΔCTのlog倍率変化((本質的に製造者のプロトコルに従って行われる、TaqMan(登録商標)Human MicroRNA Array v1.0(P/N4384792;Applied Biosystems)およびTaqMan(登録商標)MicroRNA Assay用のMultiplex RT(P/N4383403、4383402、4383401、4383399、4384791、4382898、4383405、4383400および4383404;Applied Biosystems)を用いて生成される)を示しており、y軸は、本教示の実施形態に記載の配列決定データ(SOLiDTMSequencing System(Applied Biosystems)を本質的に製造者のプロトコルに従って用いて生成される)のlog倍率変化を示している。35より高いC値を生成したTaqMan(登録商標)MicroRNA Assays(Applied Biosystems)を陰性であると推定し、解析に含めなかった。SOLiDTM配列決定データの場合、対応する配列が「観察された」と見なされるためには、少なくとも3つの配列タグからのデータが必要だった。このアプローチを用いて、0.88というR値を得た。
本実施例は、いくつかのサンプルタイプが最小の低分子RNAを含むので、全RNAの投入量も提供する。本方法の1つの実施形態を、図に示される量のヒト胎盤(図13A)またはマウス肝臓(図13B)由来の全RNAを用いて行った。通常、5’(第1)アダプターとして、25pmolのRNAの上側の鎖(第1オリゴヌクレオチド)、および5’末端にオーバーハングを形成する6つの縮重DNAヌクレオチドを有する50pmolのDNAの下側の鎖(第2オリゴヌクレオチド)、ならびに3’(第2)アダプターとして、25pmolの5’−リン酸化されたDNAの上側の鎖(第3オリゴヌクレオチド)、および3’末端にオーバーハングを形成する6つの縮重DNAヌクレオチドを有する50pmolのDNAの下側の鎖(第4オリゴヌクレオチド)を含むアダプター混合物A(2μl)(SOLiDTMアダプター混合物A)を、3μlの2×ハイブリダイゼーション緩衝液(300mM NaCl、20mM Tris pH8、2mM EDTA)および示される量を含む1μlの全RNAとともに65℃において10分間、そして16℃において5分間インキュベートした。
1μLのRNAリガーゼ2(10μM)、1μlのRNase Inhibitor(Ambion AM2682、40U/μL)、2μLの10×Rnl2緩衝液(100mM Tris pH7、20mM MgCl、20mMジチオトレイトール、20mM ATP)および10μLの40%PEG8000(Sigma−Aldrich 202452)を混合することによって、ライゲーション混合物を調製した。ライゲーション反応混合物を16℃において16時間インキュベートした。
16時間のインキュベートの後、500mM Tris−HCl(pH8.3)、750mM KCl、30mM MgClおよび100mM DTTを含む4μLの10×RT緩衝液を、2μLの2.5mM dNTP、1μLのArrayScriptTM逆転写酵素(200U/μL,Ambion AM2048)および13μLのRNaseフリー水と混合し、次いで、20μLのライゲーション反応組成物に加えた。その逆転写(RT)反応混合物を42℃において30分間インキュベートした。
次いで、5μLのRT反応物を清浄なチューブに移し、0.5μLのリボヌクレアーゼH(RNaseH,10U/μL,Ambion AM2292)と混合し、37℃において30分間インキュベートした。次いで、0.5μLのRNaseH処理サンプルを5μLの10×AmpliTaq(登録商標)Buffer I(Applied Biosystems N8080171)、4μLのdNTP(2.5mM)、0.5μLの5’プライマーおよび0.5μLの3’プライマー(各50μM)、1μLのAmpliTaq(登録商標)DNAポリメラーゼ(5U/μL、Applied Biosystems N8080171)および38.5μLのRNaseフリー水と混合した。95℃30秒、62℃30秒および72℃30秒の16サイクルを用いてPCRを行った。5(5)μLのPCR産物を10%未変性PAGEゲルに充填し、SYBR(登録商標)Gold(Invitrogen 11494)染色によって可視化した。図13Aによって示されるように、胎盤サンプルは、低分子RNAがかなり豊富であり、本明細書中に示される方法は、≦25ngの全RNAから低分子RNA産物を生成することができることに注意すること。対照的に、図13Bに示されるようなマウス肝臓サンプルは、比べると低分子RNAが非常に少なく、ゆえに、本教示のある特定の実施形態によると、そのようなサンプルを濃縮することによって、よりよい結果がもたらされ得る。
アダプター混合物Aに対する配列は、実施例1の配列番号1〜配列番号4に対するものとおりである。
(実施例8)
(リアルタイムPCRは、動的範囲の低分子RNAライブラリー構築を証明する)
5’−PO4を含む4つの合成RNAオリゴヌクレオチド(スパイクインコントロール、SIC;以下に示される配列)を、1000倍の投入量範囲(1000×混合物において1000、100、10および1pg)にわたる様々な濃度で混合し、そしてその混合物を1×まで段階希釈した。混合物をバックグラウンドとして500ngの胎盤全RNAに加え(図14、図16A)、ライゲーション反応組成物を16℃において2時間(16時間の代わりに)インキュベートしたことを除いて先に記載したように、ライゲーション反応を4つのサンプルに対して行った。
次いで、そのサンプルを、上に記載されたようにRNaseHで処理し、次いで、0.5μLのRNaseH処理サンプルを5μLの10×AmpliTaq(登録商標)Buffer I(Applied Biosystems N8080171)、4μLのdNTP(2.5mM)、0.5μLの5’プライマーおよび0.5μLの3’プライマー(各50μM)、1μLのAmpliTaq(登録商標)DNAポリメラーゼ(5U/μL,Applied Biosystems N8080171)および38.5μLのRNaseフリー水と混合した。95℃30秒、62℃30秒および72℃30秒の15サイクルを用いて、PCRを行った。Qiagen PCR精製キット(Qiagen 28104)によるPCRクリーンアップの後、サンプルを30μLの水に溶出し、さらに1:400比で希釈した。次いで、2μLの希釈サンプルを、12.5μLの2×SYBR(登録商標)Green PCR Master Mix(Applied Biosystems 4309155)、1μlのプライマー混合物(各1μM)および9.5μLの水と混合した(図15に模式的に示されている)。95℃10分間、95℃15秒および68℃1分の後、95℃15秒、60℃1分および95℃15秒の40サイクルを用いて、ABI7500Real−Time PCR System(Applied Biosystems 4351104)においてリアルタイムPCRを行った。
各標的配列に対するサイクル閾値(Cts)(図16A,y軸:平均Ct)を、4つのサンプルインプット(x軸:log(混合物濃度)1000×から1×、図16A)であるlog10値に対してプロットした。図16Bに見られるように、バックグラウンドRNAにおける2つの内在性miRNAコントロール配列(miR−16およびmiR−21)に対するCtは、サンプル間にわたってかなり一定であった。
「スパイクインコントロール」(SIC)としてこの実施例において使用された4つの合成RNAオリゴヌクレオチドは:(1)SIC8:5’−PhosGCGAAUUAAUGAAAGUGGGCA(配列番号11;図16Aにおいて三角を用いて示されるデータ);(2)SIC34:5’−PhosACCCGACAUUAAAGGUGGCAU(配列番号12;図16Aにおいて丸を用いて示されるデータ);(3)SIC36:5’−PhosCUCACAUUUCGGAACUGAUGC(配列番号13;図16Aにおいて菱形を用いて示されるデータ);および(4)SIC37:5’−PhosACGGACCUCGAACUUCACCCA(配列番号14;図16Aにおいて四角を用いて示されるデータ)だった。ゆえに、スパイクインコントロールアッセイは、少なくとも1000倍にわたる動的範囲において低分子RNAを検出する本方法の能力を証明する。
(実施例9)
(1工程RT−PCR)
本実施例は、増幅鋳型および増幅産物を生成するための例示的な方法を提供し、ここで、RNA指向性DNAポリメラーゼおよびDNA指向性DNAポリメラーゼが、逆転写反応組成物に存在する。
ライゲーション反応の後、適切な緩衝液、dNTP、ArrayScriptTM逆転写酵素、AmpliTaq(登録商標)DNAポリメラーゼおよび順方向と逆方向PCRプライマーの両方を含む混合物をライゲーション反応物に直接加え、上下に穏やかに数回(3〜4×)ピペッティングすることによって混合した。次いで、その反応混合物を、サーマルサイクラー内で42℃において30分間インキュベートすることにより、逆転写を可能にし、増幅鋳型を生成した。次いで、RNaseHを反応混合物に加え、サーマルサイクラー内で37℃において30分間インキュベートした。次いで、反応温度を95℃まで上げ、そして5分間保持した後、標準的な増幅サイクル、すなわち、実施例1に記載されているように62℃30秒および72℃30秒を行うことにより、増幅産物を生成した。
(実施例10)
(1つのDNAポリメラーゼを用いた増幅鋳型および増幅産物の生成)
ライゲーション反応の後、適切な緩衝液(最適化された濃度のマンガンとマグネシウムの両方を含む)、dNTP、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性とRNA依存性DNAポリメラーゼ活性の両方を含むDNAポリメラーゼ、および順方向と逆方向PCRプライマーの両方を含む混合物をライゲーション反応組成物に加え、そして上下に穏やかに数回(3〜4×)ピペッティングすることによって混合して、逆転写組成物を形成する。その逆転写組成物をサーマルサイクラー内で42℃において30分間インキュベートすることにより、逆転写酵素活性を可能にして増幅鋳型を生成する。次いで、その反応混合物にRNaseHを加え、サーマルサイクラー内で37℃において30分間インキュベートする。次いで、反応温度を95℃まで上げ、5分間保持した後、標準的な増幅サイクル、すなわち、実施例1に記載されているように62℃30秒および72℃30秒を行うことにより、増幅産物を生成する。
(実施例11)
(低分子RNAライブラリーを生成するための例示的な方法)
本実施例は、図17に示されるような低分子RNAライブラリーを生成するための例示的な方法を提供する。目的のRNA分子が、低分子RNAであるとき、出発物質は、低分子RNA画分を含むべきである。FirstChoice(登録商標)で調製された全RNA(Applied Biosystems)は、miRNAおよび他の低分子RNAを含むと確証されている。あるいは、サンプルの低分子RNA画分を含む全RNAは、全RNAを単離するための手順の後に、mirVanaTMmiRNA Isolation KitまたはmirVanaTMPARISTMKitを、ユーザーマニュアルに従って使用することにより、得てもよい。
RNAサンプルの低分子RNA含有量は、その起源およびRNA単離方法に基づいて大きく変動し得るので、反応において全RNAを使用するか、サイズ選択されたRNAを使用するかを判定するためのサンプルの低分子RNA含有量の評価(例えば、限定されないが、Small RNA Chipを備えたAgilentバイオアナライザーを用いる)が、望ましいことがある。
0.5%より多い低分子RNA(約10〜40ntのサイズ範囲内)を含む全RNAサンプルは、サイズ選択することなく使用され得る。全RNAがその手順において使用されるとき、得られる反応産物は、PAGE精製された低分子RNAサンプルから生成された反応産物よりも大きいサイズ範囲である。さらに、全RNAサンプルからのSOLiDTM配列決定結果は、典型的には、わずかに多いrRNAおよびtRNAの読み出しを含む。
0.5%未満の低分子RNA含有量を含むRNAサンプルは、約18〜40ntのRNA画分について、例えば、限定されないが、PAGEおよび溶出、flashPAGETMFractionatorおよびflashPAGETMReaction Clean−Up Kit(Applied Biosystems)によって、濃縮されるべきである。
様々なサンプルタイプ中の低分子RNAの相対量は、実施例7に記載されたように大きく変動する。例えば、組織サンプル由来のRNAは、典型的には、低分子RNAの豊富に有するのに対し、培養細胞株由来のRNAは、非常に少ない低分子RNAを有することが多い。
推奨される投入RNA量としては:
RNA供給源 量
組織から単離された全RNA 10〜500ng
培養細胞から単離された全RNA 100〜500ng
PAGEを用いてサイズ選択された低分子RNA 1〜200ng
コントロールRNA(ヒト胎盤全RNA) 100ng
が挙げられる。
ハイブリダイゼーションおよびライゲーション:ハイブリダイゼーションおよびライゲーションを以下のとおり行う。アダプター混合物Aを、例えば、低分子RNAの5’末端からのSOLiDTM配列決定のために設計し、アダプター混合物Bを、3’末端からのSOLiDTM配列決定のために設計する。サンプル中の低分子RNAを5’と3’末端の両方から配列決定するために、2つのライゲーションを設定し、1つを各アダプター混合物と共に用いる。各アダプター混合物は、第1、第2、第3および第4オリゴヌクレオチドを含む。アダプター混合物Bは、アダプター混合物Aに対して逆相補方向であり、その結果、増幅産物の各鎖が検出され得る。氷上において、ハイブリダイゼーション混合物を、以下のとおり0.2mLPCRチューブ内で調製する。
ハイブリダイゼーション混合物(8μLの総体積)
量 成分
2μL アダプター混合物AまたはB
3μL ハイブリダイゼーション溶液
1〜3μL RNAサンプル(1〜500ng)
8μLとなるように ヌクレアーゼフリー水 。
その内容物を、穏やかに数回上下にピペッティングすることによって十分に混合し、次いで、軽く遠心することにより、チューブの底に溶液を集めた。その反応物を、加熱された蓋を備え、以下のとおりプログラムされたサーマルサイクラー内に置いた。
アダプターハイブリダイゼーションのインキュベート
温度 時間
65℃ 10分
16℃ 保持 。
そのサンプルを16℃において5分間インキュベートした。その反応物を16℃に維持しつつ、RNAライゲーション試薬を、示される順序で各サンプルに加える。
ライゲーション反応混合物(20μLの最終体積)
量 成分(示される順序で加える)
10μL 2×ライゲーション緩衝液
2μL ライゲーション酵素混合物 。
その混合物を、16℃に設定されたサーマルサイクラー内で16時間インキュベートした。一般に、2時間のインキュベートが、ライゲーションにとって十分であるが、しかしながら、一晩のインキュベートが、わずかに多い量の連結産物をもたらす。
逆転写およびRNaseH消化:上記サンプルを氷上に置き、以下の試薬を混合することによって、逆転写(RT)マスターミックスを氷上で調製した。ピペッティング誤差を補うために、余分な5〜10%の体積をそのマスターミックスに含めた。
RTマスターミックス(1サンプルあたり20μL)
量 成分
13μL ヌクレアーゼフリー水
4μL 10×RT緩衝液
2μL dNTP
1μL ArrayScript逆転写酵素
20μL 1反応あたりの総体積 。
RTマスターミックス(20μL)を各サンプルに加え、そのサンプルを穏やかにボルテックスすることにより、完全に混合し、そして軽く微量遠心することにより、混合物をチューブの底に集めた。次いで、そのサンプルを42℃において30分間インキュベートすることにより、cDNAを合成した。
そのcDNAを−20Cにおいて数週間、長期間貯蔵のために−80℃において保存し得るか、または直ちにRNaseH消化(次)に使用し得る。
RNaseHインキュベートを以下のとおり行った。ある体積(10μL)のRT反応混合物を前の工程(cDNA)から新しいチューブに移した。RNaseH(1μL)を加えた。その混合物を穏やかにボルテックスすることによって混合し、軽く微量遠心することによって、その混合物をチューブの底に集め、そして37℃において30分間インキュベートした。
RNaseH処理の後、サンプルを−20℃において一晩保存し得るか、または直ちにPCRに使用し得る。
低分子RNAライブラリーの増幅:パイロットPCRおよびラージスケールPCR:異なるサンプルタイプが、実質的に異なる量の低分子RNAを含み得るので、SOLiDTM配列決定のために十分なDNAを得るために必要なPCRサイクル数も変動する。50μLの試験的PCRを行うことにより、所与のサンプルタイプに必要なPCRサイクル数を決定した後、3つ以上の複製物の100μLの反応物(ラージスケールPCR)のセットを用いて、SOLiDTM配列決定サンプル調製の次の工程のための鋳型の合成に進んだ。
ほとんどのサンプルが、12〜15サイクルで増幅されるはずである。パイロット実験の場合、比較的多い量の低分子RNAを含む出発物質からのサンプル(すなわち、約200〜500ngの組織由来の全RNAまたは約50〜200ngのサイズ選択された低分子RNA)に対して、12PCRサイクルが推奨され、比較的少ない低分子RNAを含むサンプル(すなわち、組織由来の約1〜200ngの全RNAもしくは培養細胞由来の約100〜500ngの全RNA、またはサイズ選択された1〜50ngの低分子RNAに対しては15サイクルが推奨される。
低分子RNA PCRプライマーセット:SOLiDTM配列決定鋳型の合成のための10個の異なるPCRプライマーセットは、SOLiDTMSmall RNA Expression Kit(Applied Biosystems)とともに提供される。そのプライマーセットは、プライマーの中央付近に位置する6bpのバーコードを除いて同一である。そのPCRプライマーのこのバーコードの特徴によって、多重サンプルの配列決定および解析が可能になる。すなわち、単一のSOLiDTMシークエンシング反応物中において最大10個の異なるサンプル(供給されるSOLiDTMSmall RNA PCR Primer Setsの各々を用いて増幅される)を配列決定することができる。いずれのプライマーセットも使用することができるが、サンプルは、この時点で混合されない。
例示的なPCRプライマーとしては、以下に示される順方向プライマーおよびバーコード逆方向プライマーが挙げられるが、これらに限定されない(個別のバーコード配列に下線が付されている)。
Figure 2011509660
1つの50μLの試験的PCRまたは100μLのラージスケールPCRのために以下のとおり試薬を混合することによって、PCRマスターミックスを氷上で調製した。
Figure 2011509660
その混合物を穏やかにボルテックスすることにより、完全に混合し、そして軽く微量遠心することにより、混合物をチューブの底に集めた(いったん、そのサンプルタイプに対する適切なPCRサイクル数が決定されたら、3つ以上の複製のラージスケールPCRを各サンプルについて行う。反応産物をプールすることにより、ゲル精製およびその後のSOLiDTM配列決定サンプル調製のための材料を十分生成する)。
1つの反応のためのPCRマスターミックスを、PCRプレートのウェルまたは0.2mL PCRチューブにピペットを用いて入れた。試験的PCR(50μL)については、PCRマスターミックスの各アリコートに0.5μLのRNaseH処理cDNAを加えた。ラージスケールPCR(100μL)については、PCRマスターミックスの各アリコートに1μLのRNaseH処理cDNAを加えた。反応が阻害され得るので、50μLのPCRにおける1μL超のcDNAは推奨されない。
加熱された蓋を備えたサーマルサイクラー内にサンプルを置き、以下に示される熱的プロファイルを行った。
PCRサイクル条件
Figure 2011509660
PCR産物(5〜10μL)を未変性6%ポリアクリルアミドゲルにおいて泳動し、そのゲルを製造者の指示書に従ってSYBR(登録商標)Goldで染色する。
図5は、適切なPCRサイクル数を用いて増幅された反応の結果を示している。結果は、実施例1において述べられており、本明細書中では説明のために一般化されている。
低分子RNAから得られた増幅産物は、約108〜130bpに移動する(プライマーの全長は、約89bpであるので、約19〜41bpのRNAが、前述の範囲内で移動する)。
約150および200bpにおけるより大きい分子量バンドが、インプットとして全RNAを用いる反応から予想されるのに対し、これらのより大きい産物は、サイズ選択された低分子RNAをインプットとして用いる反応からは予想されないことに注意すること(図5を参照のこと)。
セルフ連結したアダプターおよびその増幅産物は、89bpのバンドを形成する。このバンドは、典型的には、すべての反応に存在する。さらなる副産物が、約100bpに移動する。不十分に増幅されたサンプルは、約108〜130bpのサイズ範囲において非常に少ない材料を示す。逆に、過剰に増幅されたサンプルは、典型的には、約140〜150bpより大きい反応産物のスメアに加えて、約108〜130bpのサイズ範囲にかなりの量を示す。全RNAインプットから過剰に増幅されたサンプルは、連鎖状のPCR産物を表すより大きい分子量ラダーのバンドも有し得る。
増幅された低分子RNAライブラリーの精製:次いで、低分子RNAから得られたPCR産物を、以下のとおり、ゲルから切り出し、アクリルアミドから溶出し、精製し、そして濃縮した。DNA二重鎖が、アニールしたままであり、かつその後のゲル精製中にそのサイズに従って移動するように、この精製のいずれの工程でもサンプルを加熱しなかった。
等体積のフェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(25:24:1,pH7.9)を各サンプルに加えた。サンプルをボルテックスすることにより混合し、次いで、室温において5分間、13,000×gで遠心した。水(上)相を、新しい1.5mLチューブに移し、移す際に体積を計量した。等体積の5M酢酸アンモニウムを各サンプルに加えた。ある量(1/100体積)のグリコーゲンおよび0.7体積イソプロパノールを加えた(酢酸アンモニウムを加えた後のサンプルの体積をベースラインとして使用する)。その混合物を完全に混合し、室温において5分間インキュベートし、室温において20分間、13,000×gで遠心した。その上清を慎重に取り出し、廃棄した。DNAペレットを、各回1mLの70%エタノールで3回洗浄し、約15分間または目に見えるエタノールの液滴が蒸発するまで、風乾させた。
PAGEゲル、例えば、0.75mmの未変性TBE、6%ポリアクリルアミドゲルを調製した。そのゲルのサイズは重要ではない;ミニゲル(約60〜100cm2)が典型的には、最も簡便である。使用する数時間以内に室内で成形されたゲルのほうが、購入されるプレキャストゲルよりも良好な分解能を提供する。PAGE溶出緩衝液も調製する。例えば、10mLの溶出緩衝液の場合、5mLのTE緩衝液pH8(10mM Tris−HCl,pH8、1mM EDTA)を5mLの5M酢酸アンモニウム(2.5M最終濃度)と混合する;各サンプルについて約450μLが必要である。
針(例えば、21ゲージ)を用いて、各サンプルに対する0.5mL微量遠心管の底の中央に穴を開けた。上で切り出されたゲル片をこれらのチューブ内に入れ、そしてその後の工程における遠心分離によって、DNAを溶出するためにDNA含有ゲル片を粉砕した。20μLの1×非変性ゲルローディング緩衝液中の上記からのDNAペレットを6%未変性TBEポリアクリルアミドゲル上に充填した。DNAラダーまたは同様のラダーをマーカーとして別個のレーンに充填した。そのゲルを約140Vで(ミニゲルの場合、約30分間)または先導する色素の前線がゲルから出そうになるまで泳動し、そして製造者の指示書に従ってSYBR(登録商標)Goldで染色した。105〜150bpのDNAを含むゲル片を、清浄なかみそり刃を用いて切り出し、そして底に穴が開けられた0.5mLチューブの中に入れた(その0.5mLのチューブは、それより大きい1.5mLチューブの内側に入れられている)。13,000×gにおいて3分間微量遠心することによって、そのゲル片を粉砕した。粉砕されたゲル片に、ある量(200μL)のPAGE溶出緩衝液を加え;その混合物を室温において1時間インキュベートし、ゲルフラグメントを放置して、その緩衝液を新しいチューブに移した。その粉砕されたゲル片を、今回は37℃で再度抽出し、その溶出緩衝液を混合した。その混合物をスピンカラムに移し、そして最高速度で5分間遠心することにより、ゲル片を除去する。そのDNAは、流動性だった。
ある量(1/100体積)のグリコーゲンおよび0.7体積イソプロパノールを各サンプルに加えた。そのサンプルを完全に混合し、室温において5分間インキュベートし、そして室温において20分間13,000×gで遠心した。その上清を慎重に取り出して廃棄し、ペレットを風乾し、次いで、20μLのヌクレアーゼフリー水に再懸濁した。
各サンプル中のDNAを、分光光度計においてA260を測定することによって定量し(1A260=50μgDNA/mL)、Agilentバイオアナライザーまたは6%未変性PAGEを用いて、サイズおよび質を確認した。SOLiDTM配列決定に使用され得る最小量のDNAは、20ng/Lにおいて200ngであるが、より多いDNAが好ましい。SOLiDTMSmall RNA Expression Kitの反応産物は、「SOLiDTMSystem Template Bead Preparation」ステージのSOLiDTMサンプル調製ワークフローに入り、ここで、エマルジョンPCRを用いることにより、分子をビーズに接着させる。SOLiDTM配列決定およびエマルジョンPCRは、例えば、公開されているPCT出願の“Reagents,Methods,and Libraries For Bead−Based Sequencingと題されるWO06/084132および“Reagents,Methods,and Libraries for Gel−Free Bead−Based Sequencing”と題されるWO07/121489に記載されている。
(実施例12)
(マッピングおよび転写物のカバー範囲(coverage)に対する本方法の確証)
本実施例は、本方法が、ヒトゲノムまたは他のデータベースに対する配列の短い(25〜70塩基)タグをマッピングするために有用であることを証明することによって本方法の確証を提供し、そして一様な転写物のカバー範囲を提供する。
例えば、異なる条件を試験する少なくとも15個のライブラリーを別々に作製し、プールし、次いで、1回のランで配列決定した。相対的に等しい数のmiRNA配列が、それらのライブラリー間に見られた;検出される等しい数からの任意の偏差は、おそらくプールする工程におけるピペッティングの誤差を表すものである。単一サンプルにおいて、555個のmiRNA中389個が検出された(70%)。検出されなかったmiRNAは、主に、サンプル中に存在しないRNA分子である。
SOLiDTM装置において生成された配列読みだしのcs.fastaファイルを、miRNA、tRNA、rRNA、Refseqsおよびゲノムのデータベースに対してマッピングした。1770万個の読み出しのうち、55%がゲノムに、12%がRefSeq配列に、1%がrRNAに、0.5%がtRNAに、8.25%がmiRNAにマッピングされ、そして23%がマッピングされなかった。一意的にゲノムにマッピングされた読み出しは、クラスター化されていることが見出され、すなわち、約3000個が、少なくとも2つの読み出しおよび<70塩基のサイズを有する。これらの配列は、新規miRNAまたはncRNAに対する候補である。
15個のバーコードライブラリーおよびプールライブラリーのSOLiDTMSystemを用いて配列決定するトランスクリプトームの解析によって、約5916万個の読み出しのうち、36.22%がゲノムに、6.98%がRefSeq配列に、0.32%がrRNAに、そして0.01%がtRNAにマッピングされたことが見出された。
RNA検出は、再現性があると証明された。同一の条件下ではなく同様の条件下において生成された胎盤ポリ(A)RNase III断片化ライブラリーが、良好な再現性(0.97というR2値)および少なくとも5logsにわたる動的範囲の検出を有することが見出された。
SOLiDTMSystemを用いて全体の転写物解析を行い、脳特異的血管新生インヒビター2(BAI2)に対するmRNAに対するカバー範囲が、5’から3’まで均一であることが見出された。そのmRNAのほぼ全長を表す重複する個別の50塩基のタグが観察された。複数回表される特異的なタグは、サンプル内に含まれるmRNAの相対量(すなわち、サンプル中に存在するRNA分子が多いほど、同じ配列タグを捕捉する確率が高くなる)、断片化RNAの切断部位の偏り、またはおそらくPCR増幅アーチファクトを反映し得る。
配列決定タグに対する開始点の密度を、解析されるRNA転写物の長さに対してプロットした。その結果から、タグ密度が、転写物本体にわたって均一であり、5’および3’末端のいちばん端から外れることが示唆される。RNAの末端におけるこの捕捉タグの減少は、すべてのRNAポリメラーゼIIによって生成されるRNA転写物上に含まれる5’キャップに対する連結の非効率を表す。典型的にはポリAテイルを含むmRNAの3’末端に関して、この材料を捕捉および増幅する能力が、妨げられているようであり、そのテイルのホモポリマーの性質におそらく起因して、タグの割合が低い。
本教示の組成物、方法およびキットは、本明細書中で広く、かつ一般的に説明されてきた。一般的な開示の範囲内に入るより狭い種および亜属の分類の各々もまた、本教示の一部を形成する。これは、本教示の一般的な説明を含むが、但しまたは消極的な限定で、取り上げられるものが本明細書中で明示的に列挙されているかいないかに関係なく、その類概念から任意の対象物が除かれる。
開示された教示は、様々な適用法、方法および組成物に関して説明されてきたが、本明細書中の教示から逸脱することなく、様々な変更および改変がなされ得ることが認識されるだろう。前述の実施例は、本教示をよりよく説明するために提供されたものであり、本明細書中の教示の範囲を限定すると意図されない。本教示のある特定の局面は、以下の請求項に照らしてさらに理解され得る。

Claims (38)

  1. サンプル中のRNA分子を検出するための方法であって、該方法は:
    該サンプルを、少なくとも1つの第1アダプター、少なくとも1つの第2アダプター、および二本鎖特異的RNAリガーゼ活性を含むポリペプチドと合わせ、ライゲーション反応組成物を形成する工程であって、ここで、該少なくとも1つの第1アダプターおよび該少なくとも1つの第2アダプターは、該サンプルの該RNA分子に連結されて、同じライゲーション反応組成物中において連結産物を形成し、
    ここで、該少なくとも1つの第1アダプターは:
    10から60ヌクレオチドの長さを有し、かつ3’末端上に少なくとも2つのリボヌクレオシドを含む、第1オリゴヌクレオチド、および
    該第1オリゴヌクレオチドに実質的に相補的なヌクレオチド配列を含み、かつ該第1オリゴヌクレオチドと第2オリゴヌクレオチドとが二重鎖形成するときに1から8ヌクレオチドの一本鎖5’部分をさらに含む、第2オリゴヌクレオチド
    を含み、
    ここで、該少なくとも1つの第2アダプターは:
    10から60ヌクレオチドの長さを有し、かつ5’ホスフェート基を含む、第3オリゴヌクレオチド、および
    該第3オリゴヌクレオチドに実質的に相補的なヌクレオチド配列を含み、かつ該第3オリゴヌクレオチドと第4オリゴヌクレオチドとが二重鎖形成するときに1から8ヌクレオチドの一本鎖3’部分をさらに含む、第4オリゴヌクレオチド
    を含み、
    ここで、該一本鎖部分は、独立して、縮重ヌクレオチド配列または該RNA分子の一部に相補的な配列を有し、
    ここで、該第1オリゴヌクレオチドと該第3オリゴヌクレオチドとは、異なるヌクレオチド配列を有し;
    ここで、該RNA分子は、該少なくとも1つの第1アダプターの該一本鎖部分および該少なくとも1つの第2アダプターの該一本鎖部分とハイブリダイズする、
    工程;ならびに
    該連結産物の該RNA分子またはその代用物を検出する工程、
    を包含する、方法。
  2. 前記RNA分子またはその代用物を検出する工程が:
    前記連結産物を、
    i)RNA指向性DNAポリメラーゼ、
    ii)DNA依存性DNAポリメラーゼ活性およびRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を含むDNAポリメラーゼ、または
    iii)RNA指向性DNAポリメラーゼおよびDNA指向性DNAポリメラーゼ
    と合わせる工程、
    該連結産物を逆転写することにより、逆転写産物を形成する工程、
    リボヌクレアーゼHを用いて、該逆転写産物から前記リボヌクレオシドのうちの少なくとも一部を消化することにより、増幅鋳型を形成する工程、
    該増幅鋳型を、少なくとも1つの順方向プライマー、少なくとも1つの逆方向プライマー、および該連結産物がi)におけるように合わせられるときはDNA指向性DNAポリメラーゼと合わせることにより、増幅反応組成物を形成する工程、
    該増幅反応組成物をサイクル反応に供することにより、少なくとも1つの増幅産物を形成する工程、および
    該増幅産物の少なくとも一部の配列を決定することによって該RNA分子を検出する工程
    を包含する、請求項1に記載の方法。
  3. 二本鎖特異的RNAリガーゼ活性を含む前記ポリペプチドが、Rnl2ファミリーリガーゼを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 二本鎖特異的RNAリガーゼ活性を含む前記ポリペプチドが、バクテリオファージT4RNAリガーゼ2(Rnl2)を含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記第1アダプターの前記一本鎖部分、前記第2アダプターの前記一本鎖部分、または該第1アダプターの該一本鎖部分および該第2アダプターの該一本鎖部分が、縮重配列を含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記第1オリゴヌクレオチドが、少なくとも15リボヌクレオシドを含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記第2アダプターが、少なくとも1つのレポーター基を含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記少なくとも1つの増幅産物が、識別配列を含む、請求項2に記載の方法。
  9. 前記少なくとも1つの順方向プライマーのうちの少なくとも1つ、前記少なくとも1つの逆方向プライマーのうちの少なくとも1つ、またはその両方が、識別配列を含む、請求項8に記載の方法。
  10. 少なくとも1つの第1アダプター、少なくとも1つの第2アダプターまたは少なくとも1つの第1アダプターおよび少なくとも1つの第2アダプターが、識別配列を含む、請求項8に記載の方法。
  11. 前記RNA分子が、低分子非コードRNAである、請求項1に記載の方法。
  12. 前記サンプルが、複数のRNAフラグメントを含み、そして前記検出工程が、発現プロファイルを測定する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  13. 少なくとも1種のRNA分子の濃度が、前記連結産物を形成する前に枯渇されている、請求項12に記載の方法。
  14. 前記サンプルが、複数のメッセンジャーRNA(mRNA)フラグメントを含み、そして前記検出工程が、発現プロファイルを測定する工程を含む、請求項12に記載の方法。
  15. 前記検出工程が、増幅産物の少なくとも一部を配列決定する工程を含み、ここで、該配列決定工程は、大規模平行シグネチャー配列決定反応(massive parallel signature sequencing reaction)、少なくとも1つの増幅産物をマイクロアレイにハイブリダイズさせる工程、または少なくとも1つの増幅産物を配列決定ベクターにクローニングする工程を含む、請求項1に記載の方法。
  16. 前記第1アダプターの前記一本鎖部分、前記第2アダプターの前記一本鎖部分、または該第1アダプターの該一本鎖部分および該第2アダプターの該一本鎖部分が、対応するRNA分子と選択的にハイブリダイズする配列特異的領域を含む、請求項1に記載の方法。
  17. RNA分子を検出するための方法であって、該方法は:
    該RNA分子を、少なくとも1つの第1アダプター、少なくとも1つの第2アダプターおよび二本鎖特異的リガーゼと合わせることにより、ライゲーション反応組成物を形成する工程であって、ここで、該少なくとも1つの第1アダプターは、3’末端上に少なくとも2つのリボヌクレオシドを含む第1オリゴヌクレオチド、および該第1オリゴヌクレオチドと第2オリゴヌクレオチドとが共にハイブリダイズするときに一本鎖部分を含む第2オリゴヌクレオチドを含み、ここで、該少なくとも1つの第2アダプターは、5’ホスフェート基を含む第3オリゴヌクレオチド、および該第3オリゴヌクレオチドと第4オリゴヌクレオチドとが共にハイブリダイズするときに一本鎖部分を含む第4オリゴヌクレオチドを含む、工程、
    該少なくとも1つの第1アダプターおよび該少なくとも1つの第2アダプターを、該RNA分子に連結することにより、連結産物を形成する工程であって、ここで、該第1アダプターおよび該第2アダプターは、同じライゲーション反応組成物中の該RNA分子に連結される、工程、
    該連結産物をRNA指向性DNAポリメラーゼと合わせる工程、
    該連結産物を逆転写することにより、逆転写産物を形成する工程、
    リボヌクレアーゼH(RNaseH)を用いて該逆転写産物から該リボヌクレオシドのうちの少なくとも一部を消化することにより、増幅鋳型を形成する工程、
    該増幅鋳型を、少なくとも1つの順方向プライマー、少なくとも1つの逆方向プライマーおよびDNA指向性DNAポリメラーゼと合わせることにより、増幅反応組成物を形成する工程、
    該増幅反応組成物をサイクル反応に供することにより、増幅産物を形成する工程、ならびに
    該増幅産物の少なくとも一部の配列を決定することによって該RNA分子を検出する工程
    を包含する、方法。
  18. 前記第1アダプターの前記一本鎖部分、前記第2アダプターの前記一本鎖部分、または該第1アダプターの該一本鎖部分および該第2アダプターの該一本鎖部分が、縮重配列を含む、請求項17に記載の方法。
  19. 前記第1オリゴヌクレオチドの少なくとも2つのリボヌクレオシドが、少なくとも15リボヌクレオシドを含む、請求項17に記載の方法。
  20. 前記第2アダプターが、少なくとも1つのレポーター基を含む、請求項17に記載の方法。
  21. 前記増幅産物の少なくとも1つが、識別配列を含む、請求項17に記載の方法。
  22. 前記少なくとも1つの順方向プライマーの少なくとも1つ、前記少なくとも1つの逆方向プライマーの少なくとも1つ、またはその両方が、識別配列を含む、請求項21に記載の方法。
  23. 少なくとも1つの第1アダプター、少なくとも1つの第2アダプター、または少なくとも1つの第1アダプターおよび少なくとも1つの第2アダプターが、識別配列を含む、請求項21に記載の方法。
  24. 前記RNA分子が、低分子非コードRNAである、請求項17に記載の方法。
  25. 前記RNA分子が、複数のメッセンジャーRNA(mRNA)フラグメントを含み、そして前記検出工程が、発現プロファイルを測定する工程を含む、請求項17に記載の方法。
  26. 少なくとも1種のRNA分子の濃度が、前記連結産物を形成する前に枯渇されている、請求項25に記載の方法。
  27. 前記測定工程が、前記増幅産物の少なくとも一部を配列決定する工程を含み、ここで、該配列決定工程が、大規模平行シグネチャー配列決定反応、少なくとも1つの増幅産物をマイクロアレイにハイブリダイズさせる工程、または少なくとも1つの増幅産物を配列決定ベクターにクローニングする工程を含む、請求項17に記載の方法。
  28. 前記二本鎖特異的リガーゼが、Rnl2ファミリーリガーゼを含む、請求項17に記載の方法。
  29. 二本鎖特異的リガーゼが、バクテリオファージT4RNAリガーゼ2(Rnl2)を含む、請求項28に記載の方法。
  30. 前記第1アダプターの前記一本鎖部分、前記第2アダプターの前記一本鎖部分、または該第1アダプターの該一本鎖部分および該第2アダプターの該一本鎖部分が、対応するRNA分子と選択的にハイブリダイズする配列特異的領域を含む、請求項17に記載の方法。
  31. RNA分子を検出するための方法であって、該方法は:
    該RNA分子を、少なくとも1つの第1アダプター、少なくとも1つの第2アダプターおよび二本鎖特異的RNAリガーゼと合わせることにより、ライゲーション反応組成物を形成する工程であって、ここで、該少なくとも1つの第1アダプターは、3’末端上に少なくとも2つのリボヌクレオシドを含む第1オリゴヌクレオチド、および該第1オリゴヌクレオチドと第2オリゴヌクレオチドとが共にハイブリダイズするときに一本鎖部分を含む第2オリゴヌクレオチドを含み、ここで、該少なくとも1つの第2アダプターは、5’ホスフェート基を含む第3オリゴヌクレオチド、および該第3オリゴヌクレオチドと第4オリゴヌクレオチドとが共にハイブリダイズするときに一本鎖部分を含む第4オリゴヌクレオチドを含む、工程、
    該少なくとも1つの第1アダプターおよび該少なくとも1つの第2アダプターを該RNA分子に連結することにより、連結産物を形成する工程であって、ここで、該第1アダプターおよび該第2アダプターが、同じライゲーション反応組成物中の該RNA分子に連結される、工程、
    該連結産物をRNA指向性DNAポリメラーゼと合わせる工程、
    該連結産物を逆転写することにより、逆転写産物を形成する工程、
    リボヌクレアーゼH(RNaseH)を用いて該逆転写産物から該リボヌクレオシドのうちの少なくとも一部を消化することにより、増幅鋳型を形成する工程、
    該増幅鋳型を、少なくとも1つの順方向プライマー、少なくとも1つの逆方向プライマーおよびDNA指向性DNAポリメラーゼと合わせることにより、増幅反応組成物を形成する工程、
    該増幅反応組成物をサイクル反応に供することにより、増幅産物を形成する工程であって、ここで、該増幅反応組成物は、レポータープローブ、核酸色素またはレポータープローブおよび核酸色素をさらに含む、工程、ならびに
    該増幅産物を検出することによって、該RNA分子を検出する工程
    を包含する、方法。
  32. RNAライブラリーを生成するための方法であって、該方法は、
    多数の異なるRNA分子を、多数の第1アダプター種、多数の第2アダプター種および二本鎖特異的RNAリガーゼと合わせることにより、ライゲーション反応組成物を形成する工程であって、ここで、該少なくとも1つの第1アダプターは、3’末端上に少なくとも2つのリボヌクレオシドを含む第1オリゴヌクレオチド、および該第1オリゴヌクレオチドと第2オリゴヌクレオチドとが共にハイブリダイズするときに一本鎖部分を含む第2オリゴヌクレオチドを含み、ここで、該少なくとも1つの第2アダプターは、5’ホスフェート基を含む第3オリゴヌクレオチド、および該第3オリゴヌクレオチドと第4オリゴヌクレオチドとが共にハイブリダイズするときに一本鎖部分を含む第4オリゴヌクレオチドを含む、工程、
    該少なくとも1つの第1アダプターおよび該少なくとも1つの第2アダプターを該RNA分子に連結することにより、多数の異なる連結産物種を形成する工程であって、ここで、該第1アダプターおよび該第2アダプターは、同じライゲーション反応組成物中の該RNA分子に連結される、工程、
    該多数の連結産物種をRNA指向性DNAポリメラーゼと合わせる工程、
    該多数の連結産物種のうちの少なくとも一部を逆転写することにより、多数の逆転写産物種を形成する工程、
    リボヌクレアーゼH(RNaseH)を用いて該多数の逆転写産物のうちの少なくとも一部から該リボヌクレオシドのうちの少なくとも一部を消化することにより、多数の増幅鋳型種を形成する工程、
    該多数の増幅鋳型種を、少なくとも1つの順方向プライマー、少なくとも1つの逆方向プライマーおよびDNA指向性DNAポリメラーゼと合わせることにより、増幅反応組成物を形成する工程、
    該増幅反応組成物をサイクル反応に供することにより、多数の増幅産物種を含むライブラリーを形成する工程であって、ここで、該増幅産物種のうちの少なくとも一部は、該ライブラリー中の他の増幅産物種のうちの少なくとも一部と共通の識別配列を含む、工程
    を包含する、方法。
  33. 前記順方向プライマーのうちの少なくとも一部、前記逆方向プライマーのうちの少なくとも一部、または該順方向プライマーのうちの少なくとも一部および該逆方向プライマーのうちの少なくとも一部が、識別配列または識別配列の相補物を含む、請求項32に記載の方法。
  34. 複数の第1アダプター種、複数の第2アダプター種、Rnl2ファミリーのリガーゼ、RNA指向性DNAポリメラーゼ、複数の異なる第1プライマー種、DNA指向性DNAポリメラーゼおよびRNaseH(EC3.1.26.4)を備えるキットであって、ここで、各第1アダプター種は異なる縮重配列を含み、各第2アダプター種は異なる縮重配列を含む、キット。
  35. タバコ酸性ピロホスファターゼをさらに備える、請求項34に記載のキット。
  36. 複数の第1アダプター種、複数の第2アダプター種、二本鎖特異的RNAリガーゼ活性を含むポリペプチド、DNAポリメラーゼ、少なくとも1つのプライマー種およびリボヌクレアーゼHを備えるキットであって、ここで、該第1アダプター種のうちの少なくとも一部は縮重配列を含み、該第2アダプター種のうちの少なくとも一部は縮重配列を含む、キット。
  37. 前記DNAポリメラーゼが、RNA依存性DNAポリメラーゼおよびDNA依存性DNAポリメラーゼを含む、請求項37に記載のキット。
  38. タバコ酸性ピロホスファターゼをさらに備える、請求項37に記載のキット。
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