JP2011507903A - Nogginに対する感受性が低下したBMP変異体 - Google Patents

Nogginに対する感受性が低下したBMP変異体 Download PDF

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Abstract

本発明は、改変された、非常に強力な骨形成タンパク質を提供する。詳細には、本発明は、BMP−6およびBMP−9が、BMPサブファミリーのタンパク質の他のメンバーであるNogginによる阻害に対して、感受性がより低いという観察に関する。本発明は、BMP−6またはBMP−9の中央部分が別のBMPサブファミリータンパク質の中央部分を置換して、Nogginまたは他のNoggin様アンタゴニストによる阻害に対する耐性をもたらしているキメラ骨形成タンパク質を特徴とする。改変BMP、組成物および使用方法の他の実施形態も含まれる。

Description

関連出願への相互参照
この出願は、2007年12月21日に出願された米国仮特許出願第61/008,754号(この内容は、参考として本明細書に援用される)への優先権およびその利益を主張する。
発明の分野
本発明は、BMP−6およびBMP−9が、タンパク質阻害剤Nogginによる阻害に対して、BMPサブファミリーの他のメンバーよりも高い耐性を示すとの観察に関する。詳細には、本発明は、NogginおよびNoggin様タンパク質に対して感受性が低下している、設計または改変された骨形成タンパク質、ならびに上記設計または改変された骨形成タンパク質を利用する組成物の作製および使用方法に関する。
骨形成タンパク質(BMP)は形質転換成長因子β(TGF−β)のスーパーファミリーに属し、胚パターン形成および組織特化ならびに成体組織で創傷治癒および修復の過程を促進するなどの、細胞および発達の過程の多様なセットを制御する。BMPは、当初、骨および軟骨の形成を誘導するそれらの能力によって単離された。
BMPは、細胞表面でI型およびII型受容体Ser/Thrキナーゼに結合してそれらを一緒にすることによって、シグナル伝達を開始する。これは、II型受容体がI型受容体キナーゼをリン酸化することを可能にする。次に、I型受容体キナーゼは転写因子のSmadファミリーのメンバーをリン酸化し、Smadは核に移行していくつかの遺伝子の発現を活性化する。BMPシグナル伝達は骨折および関連する組織損傷後に誘導可能であり、骨再生および修復をもたらす。他方、隣接細胞は、BMPシグナル伝達に応じて、NogginおよびChordinなどのBMPアンタゴニストを選択的に分泌し、それらがBMPシグナル伝達から逃れるのを可能にする。
アンタゴニストはBMPシグナル伝達の空間的調節をもたらす手助けとなり得るが、上記アンタゴニストは一般に細胞外区画に分泌されるので、それらの作用は、それらが分泌される領域を越えて、骨再生部位の近くまたはその部位おけるBMP活性の低下をもたらし得る。それらのアンタゴニストに対して感受性が低下したBMP分子は、本来のタンパク質と比較して改善された生物活性を有するであろう。そのような改変BMPは、組織再生の分野で治療的有用性を有し、現在用いられる治療用量よりも低いタンパク質レベルで強力な活性を提供するであろう。
したがって、本発明の目的は、治療使用に適する、設計された非常に強力な骨形成タンパク質(BMP)を提供することである。
本発明の目的は、それらのアンタゴニストによる阻害に対して感受性が低下している、設計されたBMPを提供することである。特に、本発明の目的は、Nogginおよび/またはNoggin様タンパク質による阻害に対して感受性が低下している、設計されたBMPを提供することである。
本発明のさらなる目的は、本発明の設計されたBMPをコードする核酸配列、および本発明の設計されたBMPを生成するためのそのような核酸配列の使用方法を提供することである。
したがって、一態様では、本発明は、TGF−βスーパーファミリータンパク質および野生型BMP−6のキメラを含むタンパク質であって、野生型BMP−6の1つまたは複数のアミノ酸配列が、TGF−βスーパーファミリータンパク質における対応する残基位置のアミノ酸配列を置換し、キメラはTGF−βスーパーファミリータンパク質のアンタゴニストによる阻害に耐性であり、TGF−βスーパーファミリータンパク質の生物活性よりも大きな生物活性を示し、さらに、TGF−βスーパーファミリータンパク質は野生型BMP−6ではないタンパク質を特徴とする。一実施形態では、アンタゴニストは、Noggin、Noggin様タンパク質、Cerberus/DANファミリータンパク質、Chordin/SOGファミリータンパク質および上のいずれかの機能的同等物からなる、システインノットタンパク質アンタゴニストの群から選択される。
別の態様では、本発明は、TGF−βスーパーファミリータンパク質および野生型BMP−9のキメラを含むタンパク質であって、野生型BMP−9の1つまたは複数のアミノ酸配列が、TGF−βスーパーファミリータンパク質における対応する残基位置のアミノ酸配列を置換し、キメラはTGF−βスーパーファミリータンパク質のアンタゴニストによる阻害に耐性であり、TGF−βスーパーファミリータンパク質の生物活性よりも大きな生物活性を示し、さらに、TGF−βスーパーファミリータンパク質は野生型BMP−9ではないタンパク質を特徴とする。一実施形態では、アンタゴニストは、Noggin、Noggin様タンパク質、Cerberus/DANファミリータンパク質、Chordin/SOGファミリータンパク質および上のいずれかの機能的同等物からなる、システインノットタンパク質アンタゴニストの群から選択される。
別の態様では、本発明は、改変骨形成タンパク質(BMP)または改変成長分化因子(GDF)を含むタンパク質であって、改変BMPまたはGDFは、対応する未改変の野生型BMPまたは野生型GDFよりも、アンタゴニストによって阻害されず、アンタゴニストの存在下で、対応する未改変の野生型BMPまたはGDFよりも大きな生物活性を有するタンパク質を特徴とする。一実施形態では、アンタゴニストは、Noggin、Noggin様タンパク質、Cerberus/DANファミリータンパク質、Chordin/SOGファミリータンパク質および上のいずれかの機能的同等物からなる、システインノットタンパク質アンタゴニストの群から選択される。
別の態様では、本発明はNogginまたはNoggin様タンパク質による阻害に耐性であるタンパク質であって、改変骨形成タンパク質(BMP)または改変成長分化因子(GDF)を含み、ヒトBMP−6のVal45、Gln48、Asp49、Lys50、Gln53、Ile57、Lys60、Gly61、Ala63、Asn65、Tyr66、Asp68、Glu70、Ser72、Asn76、Ala77、His78、Met79およびAsn80からなる群より選択される少なくとも3つの置換アミノ酸が、野生型BMPまたは野生型GDFにおける対応する位置の少なくとも3つのアミノ酸を置換し、かつ前記少なくとも3つの置換アミノ酸が、前記野生型BMPまたは前記野生型GDFにおける対応する位置の前記少なくとも3つのアミノ酸と異なるタンパク質に関する。
別の態様では、本発明はNogginまたはNoggin様タンパク質による阻害に耐性であるタンパク質であって、改変骨形成タンパク質(BMP)または改変成長分化因子(GDF)を含み、野生型ヒトBMP−6のVal45〜Asn80(配列番号3の残基45〜80)が、他の点では野生型のヒトBMPまたはヒトGDFにおける対応するセグメントを置換し、かつ置換された対応するセグメントが、野生型BMP−6の前記Val45〜Asn80と同一ではないタンパク質に関する。
別の態様では、本発明はNogginまたはNoggin様タンパク質による阻害に耐性であるタンパク質であって、改変骨形成タンパク質(BMP)または改変成長分化因子(GDF)を含み、野生型ヒトBMP−9のVal76〜Thr111(配列番号46の残基76〜111)が、他の点では野生型のヒトBMPまたはヒトGDFにおける対応するセグメントを置換し、かつ置換された対応するセグメントが、野生型BMP−9の前記Val76〜Thr111(配列番号46の残基76〜111)と同一ではないタンパク質に関する。
さらに別の態様では、本発明は、D22S、S24Q、V26L、N29Q、V33I、P36K、H39A、F41N、H44D、P48S、A52N、D53AおよびL55Mからなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を含む改変BMP−2であって、他のすべての残基が、野生型BMP−2と同一であるか、または野生型BMP−2のC末端領域の保存されたシステインドメインと少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を共有する改変BMP−2に関する。
さらに別の態様では、本発明は、以下の位置、すなわちD22、S24、V26、N29、V33、P36、H39、F41、H44、P48、A52、D53およびL55の少なくとも1つにおいてアミノ酸置換を含む改変BMP−2であって、野生型BMP−2のC末端領域の保存されたシステインドメインと少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を共有する改変BMP−2に関する。
別の態様では、本発明は、D24S、S26Q、V28L、N31Q、V35I、P38K、Q41A、F43N、H46D、D48E、P50S、A54N、D55AおよびL57Mからなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を含む改変BMP−4であって、他のすべての残基が、野生型BMP−4と同一であるか、または野生型BMP−4のC末端領域の保存されたシステインドメインと少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を共有する改変BMP−4に関する。
別の態様では、本発明は、以下の位置、すなわちD24、S26、V28、N31、V35、P38、Q41、F43、H46、D48、P50、A54、D55およびL57の少なくとも1つにおいてアミノ酸置換を含む改変BMP−4であって、野生型BMP−4のC末端領域の保存されたシステインドメインと少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を共有する改変BMP−4に関する。
別の態様では、本発明は、R41Q、E53KおよびF58Nからなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を含む改変BMP−5であって、他のすべての残基が、野生型BMP−5と同一であるか、または野生型BMP−5のC末端領域の保存されたシステインドメインと少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を共有する改変BMP−5に関する。
別の態様では、本発明は、以下の位置、すなわちR41、E53およびF58の少なくとも1つにおいてアミノ酸置換を含む改変BMP−5であって、野生型BMP−5のC末端領域の保存されたシステインドメインと少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を共有する改変BMP−5に関する。
別の態様では、本発明は、R48Q、E60K、E68D、A72SおよびS77Aからなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を含む改変BMP−7であって、他のすべての残基が、野生型BMP−7と同一であるか、または野生型BMP−7のC末端領域の保存されたシステインドメインと少なくとも89%のアミノ酸配列同一性を共有する改変BMP−7に関する。
別の態様では、本発明は、以下の位置、すなわちR48、E60、E68、A72およびS77の少なくとも1つにおいてアミノ酸置換を含む改変BMP−7であって、野生型BMP−7のC末端領域の保存されたシステインドメインと少なくとも89%のアミノ酸配列同一性を共有する改変BMP−7に関する。
別の態様では、本発明は、R48Q、E60K、Y65N、E68D、A72SおよびS77Aからなる群より選択される少なくとも2つのアミノ酸置換を含む改変BMP−7であって、他のすべての残基が、野生型BMP−7と同一であるか、または野生型BMP−7のC末端領域の保存されたシステインドメインと少なくとも89%のアミノ酸配列同一性を共有する改変BMP−7に関する。
別の態様では、本発明は、以下の位置、すなわちR48、E60、Y65、E68、A72およびS77の少なくとも2つにおいてアミノ酸置換を含む改変BMP−7であって、野生型BMP−7のC末端領域の保存されたシステインドメインと少なくとも89%のアミノ酸配列同一性を共有する改変BMP−7に関する。
別の態様では、本発明は、R48Q、E60K、Y65N、E68D、A72S、S77AおよびY78Hからなる群より選択される少なくとも3つのアミノ酸置換を含む改変BMP−7であって、他のすべての残基が、野生型BMP−7と同一であるか、または野生型BMP−7のC末端領域の保存されたシステインドメインと少なくとも89%のアミノ酸配列同一性を共有する改変BMP−7に関する。
別の態様では、本発明は、以下の位置、すなわちR48、E60、Y65、E68、A72、S77およびY78の少なくとも3つにおいてアミノ酸置換を含む改変BMP−7であって、野生型BMP−7のC末端領域の保存されたシステインドメインと少なくとも89%のアミノ酸配列同一性を共有する改変BMP−7に関する。
別の態様では、本発明は、N27S、K29Q、M31L、D34Q、L41K、E42G、E44A、F46N、H47Y、E49D、L51E、E53S、R57N、S58A、L60MおよびE61Nからなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を含む改変GDF−5であって、他のすべての残基が、野生型GDF−5と同一であるか、または野生型GDF−5のC末端領域の保存されたシステインドメインと少なくとも87%のアミノ酸配列同一性を共有する改変GDF−5に関する。
別の態様では、本発明は、以下の位置、すなわちN27、K29、M31、D34、L41、E42、E44、F46、H47、E49、L51、E53、R57、S58、L60およびE61の少なくとも1つにおいてアミノ酸置換を含む改変GDF−5であって、他のすべての残基が、野生型GDF−5と同一であるか、または野生型GDF−5のC末端領域の保存されたシステインドメインと少なくとも87%のアミノ酸配列同一性を共有する改変GDF−5に関する。
別の態様では、本発明は、N27S、K29Q、E30D、D34Q、L41K、E42G、E44A、Y46N、H47Y、E48D、V51E、D53S、R57N、S58A、L60MおよびE61Nからなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を含む改変GDF−6であって、他のすべての残基が、野生型GDF−6と同一であるか、または野生型GDF−6のC末端領域の保存されたシステインドメインと少なくとも97%のアミノ酸配列同一性を共有する改変GDF−6に関する。
別の態様では、本発明は、以下の位置、すなわちN27、K29、E30、D34、L41、E42、E44、Y46、H47、E48、V51、D53、R57、S58、L60およびE61の少なくとも1つにおいてアミノ酸置換を含む改変GDF−6であって、他のすべての残基が、野生型GDF−6と同一であるか、または野生型GDF−6のC末端領域の保存されたシステインドメインと少なくとも97%のアミノ酸配列同一性を共有する改変GDF−6に関する。
別の態様では、本発明は、D36S、K38Q、E39D、D43Q、L50K、D51G、E53A、Y55N、H56Y、E58D、L60E、D62S、R66N、S67A、L69Mおよび/またはE70Nからなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を含む改変GDF−7であって、他のすべての残基が、野生型GDF−7と同一であるか、または野生型GDF−7のC末端領域の保存されたシステインドメインと少なくとも87%のアミノ酸配列同一性を共有する改変GDF−7に関する。
別の態様では、本発明は、以下の位置、すなわちD36S、K38、E39、D43、L50、D51、E53、Y55、H56、E58、L60、D62、R66、S67、L69および/またはE70の少なくとも1つにおいてアミノ酸置換を含む改変GDF−7であって、他のすべての残基が、野生型GDF−7と同一であるか、または野生型GDF−7のC末端領域の保存されたシステインドメインと少なくとも87%のアミノ酸配列同一性を共有する改変GDF−7に関する。
さらに別の態様では、本発明は、NogginまたはNoggin様タンパク質による改変骨形成タンパク質(BMP)または改変成長分化因子(GDF)の阻害を調節するための方法であって、改変骨形成タンパク質(BMP)または改変成長分化因子(GDF)を提供する工程を含み、ヒトBMP−6のVal45、Gln48、Asp49、Lys50、Gln53、Ile57、Lys60、Gly61、Ala63、Asn65、Tyr66、Asp68、Glu70、Ser72、Asn76、Ala77、Met79およびAsn80からなる群より選択される少なくとも2つの置換アミノ酸が、野生型BMPまたは野生型GDFにおける対応する位置の少なくとも2つのアミノ酸を置換し、かつ前記少なくとも2つの置換アミノ酸が、前記野生型BMPまたは前記野生型GDFにおける対応する位置の前記少なくとも2つのアミノ酸と異なり、かつ前記提供する工程が、BMPまたはGDFの野生型対応物と比較してNogginまたはNoggin様タンパク質による前記BMPまたはGDFの阻害の調節をもたらす方法に関する。
別の態様では、本発明は、NogginまたはNoggin様タンパク質による骨形成タンパク質(BMP)または成長分化因子(GDF)の阻害を調節するための方法であって、改変BMPまたはGDFタンパク質を提供する工程であり、前記改変タンパク質は、ヒトBMPまたはヒトGDFにおける対応するセグメントを野生型ヒトBMP−6のVal45〜Asn80(配列番号3の残基45〜80)で置換することから生成される工程を含み、置換された対応するセグメントは、野生型BMP−6の前記Val45〜Asn80と同一でなく、前記提供する工程は、BMPまたはGDFの野生型対応物と比較してNogginまたはNoggin様タンパク質による前記BMPまたはGDFの阻害の調節をもたらす方法に関する。
別の態様では、本発明は、野生型のBMPまたはGDFタンパク質に対応するN末端アミノ酸配列およびC末端アミノ酸配列を含む天然に存在しないペプチドであって、前記天然に存在しないペプチドのN末端アミノ酸配列およびC末端アミノ酸配列の各々が、野生型のBMPまたはGDFタンパク質と少なくとも97%のアミノ酸配列同一性を共有し、かつ前記BMPはBMP−6でないという条件で、前記天然に存在しないペプチドが、Val45、Ser46、Gln48、Asp49、Lys50、Gln53、Ile57、Lys60、Gly61、Ala63、Asn65、Tyr66、Asp68、Glu70、Ser72、Asn76、Ala77、Met79およびAsn80からなる群より選択されるBMP−6アミノ酸残基に対応する位置の少なくとも2つのアミノ酸残基を有する、天然に存在しないペプチドに関する。一実施形態では、天然に存在しないペプチドのN末端またはC末端のアミノ酸配列が、野生型のBMPまたはGDFタンパク質と同一である。別の実施形態では、天然に存在しないペプチドが、その野生型のBMPまたはGDF対応物と比較して、NogginまたはNoggin様タンパク質による生物活性阻害の低減を示す。さらに別の実施形態では、本発明は、天然に存在しないペプチドを、薬学的に許容される担体と混合されて含む医薬組成物を提供する。
さらに別の態様では、本発明は、NogginまたはNoggin様タンパク質による改変骨形成タンパク質(BMP)または改変成長分化因子(GDF)の阻害を調節するための方法であって、改変骨形成タンパク質(BMP)または改変成長分化因子(GDF)を提供する工程を含み、ヒトBMP−9のAsn77、Glu79、Ile81、Asp84、Ser85、Ile88、Lys91、Glu92、Glu94、Tyr96、Glu97、Lys99、Gly101、Phe103、Ala107、Asp108、Asp109、Val110またはThr111からなる群より選択される少なくとも2つの置換アミノ酸が、野生型BMPまたは野生型GDFにおける対応する位置の少なくとも2つのアミノ酸を置換し、かつ前記少なくとも2つの置換アミノ酸が、前記野生型BMPまたは前記野生型GDFにおける対応する位置の前記少なくとも2つのアミノ酸と異なり、かつ前記提供する工程が、BMPまたはGDFの野生型対応物と比較して、NogginまたはNoggin様タンパク質による前記BMPまたはGDFの阻害の調節をもたらす方法に関する。
別の態様では、本発明は、NogginまたはNoggin様タンパク質による骨形成タンパク質(BMP)または成長分化因子(GDF)の阻害を調節するための方法であって、改変BMPまたはGDFタンパク質を提供する工程であり、前記改変タンパク質は、ヒトBMPまたはヒトGDFにおける対応するセグメントを野生型ヒトBMP−9のVal76〜Thr111で置換することから生成される工程を含み、置換された対応するセグメントは、野生型BMP−9の前記Val76〜Thr111と同一でなく、前記提供する工程は、BMPまたはGDFの野生型対応物と比較してNogginまたはNoggin様タンパク質による前記BMPまたはGDFの阻害の調節をもたらす方法に関する。
別の態様では、本発明は、野生型のBMPまたはGDFタンパク質に対応するN末端アミノ酸配列およびC末端アミノ酸配列を含む天然に存在しないペプチドであって、前記天然に存在しないペプチドのN末端アミノ酸配列およびC末端アミノ酸配列の各々が、野生型のBMPまたはGDFタンパク質と少なくとも97%のアミノ酸配列同一性を共有し、さらに前記BMPはBMP−9でないという条件で、前記天然に存在しないペプチドが、Asn77、Glu79、Ile81、Asp84、Ser85、Ile88、Lys91、Glu92、Glu94、Tyr96、Glu97、Lys99、Gly101、Phe103、Ala107、Asp108、Asp109、Val110またはThr111からなる群より選択されるBMP−9アミノ酸残基に対応する位置の少なくとも2つのアミノ酸残基を有する、天然に存在しないペプチドに関する。一実施形態では、天然に存在しないペプチドのN末端アミノ酸配列またはC末端アミノ酸配列は、野生型のBMPまたはGDFタンパク質と同一である。別の実施形態では、天然に存在しないペプチドは、その野生型のBMPまたはGDF対応物と比較して、NogginまたはNoggin様タンパク質による生物活性阻害の低減を示す。
さらに別の実施形態では、本発明は、天然に存在しないペプチドを、薬学的に許容される担体と混合されて含む医薬組成物を提供する。
さらに別の実施形態では、本発明は、本発明の改変BMPまたはGDFタンパク質をコードする核酸を提供する。
本発明の他の特徴、目的および利点は、後の「発明を実施するための形態」で明らかである。しかし、「発明を実施するための形態」は本発明の実施形態を示すが、例示のためだけに与えられるもので、限定するものではない。本発明の範囲内の様々な変更および修正は、「発明を実施するための形態」から当業者には明らかとなる。
図は、限定のためではなく、例示のために提供される。
成熟ヒトBMP−7タンパク質のアミノ酸配列(配列番号1)を示す図である。 成熟ヒトBMP−2タンパク質のアミノ酸配列(配列番号2)を示す図である。 成熟ヒトBMP−6タンパク質のアミノ酸配列(配列番号3)を示す図である。 成熟ヒトBMP−4タンパク質のアミノ酸配列(配列番号4)を示す図である。 成熟ヒトBMP−5タンパク質のアミノ酸配列(配列番号5)を示す図である。 成熟ヒトGDF−5タンパク質のアミノ酸配列(配列番号6)を示す図である。 成熟ヒトGDF−6タンパク質のアミノ酸配列を(配列番号7)示す図である。 成熟ヒトGDF−7タンパク質のアミノ酸配列(配列番号8)を示す図である。 BMPおよびTGF−βシグナル伝達の機構の概略図である。そこで示すように、リガンドとの結合後、2つの型のSer/Thrキナーゼ受容体の特異的対は、1つはI型および他はII型にヘテロ二量体化する。次に、II型キナーゼはヘテロ二量体化後にI型受容体キナーゼをリン酸化し、I型受容体キナーゼが、シグナル伝達のためにATPおよびSmadタンパク質基質に結合することを可能にする。リガンドは、シグナル伝達経路に従って3つの群(アビジン、TGF−βおよびBMP)に、または配列類似性および結合様式に従って2つの群(TGF−β/アビジン、およびBMP)に分類することができる。 BMP−7−Noggin構造複合体を表す図である。そこで示すように、BMP−7上のnoggin結合部位は、I型およびII型両受容体結合部位にまたがる。Noggin複合体は、黒のストライプ(右)および灰色のストライプ(左)で表され、BMP−7複合体は、白色(右)および点(左)で表される。 ROSアルカリホスファターゼアッセイにおけるNogginに対するBMPの感受性の比較分析を示す図である。Nogginによるいくつかの例示的なBMPファミリーメンバーの阻害割合を表す。BMP−6は、Nogginによる阻害に最も低感受性である。 図12Aは、ルシフェラーゼレポーター遺伝子アッセイにおけるNogginに対するBMPの感受性の比較分析を示す図である。A−549−BRE細胞でのBMP誘導ルシフェラーゼ阻害によって測定された、Nogginによるいくつかの例示的なBMPおよびGDFファミリーメンバーの阻害割合を表す。BMP−6はNogginによる阻害に最も低感受性であり、それにBMP−7、次いでBMP−2が続き、BMP−4がNogginによる阻害に最も高感受性である。図12Bは、QPCRに基づくID−1遺伝子発現アッセイにおけるNogginに対するBMPの感受性の比較分析を示す図である。Nogginの存在下または非存在下での、いくつかの例示的なBMPファミリーメンバーによるヒト骨髄由来間葉幹細胞(hMSC)の処理の後の、ID−1 mRNAの相対量(RQ)を表す。BMP−6はNogginによる阻害に最も低感受性であり、それにBMP−7、次いでBMP−2が続き、BMP−4がNogginによる阻害に最も高感受性である。 BMP−6のどの領域がNogginに対する感受性の低下にとって重要であるかについて判断するために作製された、BMP−6/BMP−7キメラを示す図である。第一のキメラでは、BMP−7のアミノ酸1〜40(配列番号1の残基1〜40)は、BMP−6の対応するアミノ酸で置換された。第二のキメラでは、BMP−7のアミノ酸45〜80(配列番号1の残基45〜80)は、BMP−6の対応するアミノ酸で置換された。第三のキメラでは、BMP−7のアミノ酸90〜120(配列番号1の残基90〜120)は、BMP−6の対応するアミノ酸で置換された。 野生型BMP−6および野生型BMP−7ならびに3つのBMP−6/BMP−7キメラに対するNogginの異なる濃度(低濃度N1、中濃度N2および高濃度N3)による阻害の程度を示す図である。「40−1」は、BMP−6のアミノ酸1〜40(配列番号3の残基1〜40)がBMP−7の対応するアミノ酸を置換したキメラを示す。「80−1」は、BMP−6のアミノ酸45〜80(配列番号3の残基45〜80)がBMP−7の対応するアミノ酸を置換したキメラを示す。「90−1」は、BMP−6のアミノ酸90〜120(配列番号3の残基90〜120)がBMP−7の対応するアミノ酸を置換したキメラを示す。試験したキメラの中で、キメラ「80−1」が、Noggin阻害に最も耐性である。 成熟したBMP−6、GDF−5、GDF−6およびGDF−7のタンパク質配列のアラインメントを示す図である。 成熟したBMP−6、BMP−7およびBMP−5のタンパク質配列のアラインメントを示す図である。 成熟したBMP−6、BMP−2およびBMP−4のタンパク質配列のアラインメントを示す図である。 成熟したBMP−7の好ましいアミノ酸置換の位置を表す図である。すべての置換の存在を、配列番号9に表す。 成熟したBMP−5の好ましいアミノ酸置換の位置を表す図である。すべての置換の存在を、配列番号10に表す。 図20Aは、BMP−6とBMP−2との間のアミノ酸差の位置を表す図である。それらは、成熟BMP−2のアミノ酸置換の好ましい位置でもある。すべての置換をBMP−2に加える場合、生じる配列を配列番号11に表す。図20Bは、図20Aに表すアミノ酸差を表す図である。それらについては、BMP−7もBMP−6と異なる。これらは、BMP−2の置換の最も好ましい位置である。すべての好ましい置換を加える場合、生じる配列を配列番号12に表す。 図21Aは、BMP−6とBMP−4との間のアミノ酸差の位置を表す図である。それらは、成熟BMP−4のアミノ酸置換の好ましい位置でもある。すべての好ましい置換を加える場合、生じる配列を配列番号13に表す。図21Bは、図21Aに表すアミノ酸差を表す図である。それらについては、BMP−7もBMP−6と異なる。これらは、成熟BMP−4のアミノ酸置換の最も好ましい位置である。すべての好ましい置換を加える場合、生じる配列を配列番号14に表す。 図22Aは、BMP−6とGDF−5との間のアミノ酸差の位置を表す図である。それらは、成熟GDF−5のアミノ酸置換の好ましい位置でもある。すべての好ましい置換を加える場合、生じる配列を配列番号15に表す。図22Bは、図22Aに表すアミノ酸差を表す図である。それらについては、BMP−7もBMP−6と異なる。これらは、成熟GDF−5のアミノ酸置換の最も好ましい位置である。すべての好ましい置換を加える場合、生じる配列を配列番号16に表す。 図23Aは、BMP−6とGDF−6との間のアミノ酸差の位置を表す図である。それらは、成熟GDF−6のアミノ酸置換の好ましい位置でもある。すべての好ましい置換を加える場合、生じる配列を配列番号17に表す。図23Bは、図23Aに表すアミノ酸差を表す図である。それらについては、BMP−7もBMP−6と異なる。これらは、成熟GDF−6のアミノ酸置換の最も好ましい位置である。すべての好ましい置換を加える場合、生じる配列を配列番号18に表す。 図24Aは、BMP−6とGDF−7との間のアミノ酸差の位置を表す図である。それらは、成熟GDF−7のアミノ酸置換の好ましい位置でもある。すべての好ましい置換を加える場合、生じる配列を配列番号19に表す。図24Bは、図24Aに表すアミノ酸差を表す図である。それらについては、BMP−7もBMP−6と異なる。これらは、成熟GDF−7のアミノ酸置換の最も好ましい位置である。すべての好ましい置換を加える場合、生じる配列を配列番号20に表す。 様々な成長因子で処理した後の、ROS17/2.8細胞の用量依存的アルカリホスファターゼ活性を表す図である。 ROS17/2.8細胞でアルカリホスファターゼ活性を誘導することにおける、様々な成長因子のEC50値を表す図である。値は、試料の平均光学濃度の非線形回帰から導いた。様々な成長因子の活性の阻害についてのnogginのIC50値も、提供される。 Nogginの存在下または非存在下でのBMP−6またはBMP−7タンパク質によるhMSCの処理に応じる、定量PCRによって測定された、Id−1、dlx−5、Sp−7、msx−2、nogginおよびアルカリホスファターゼ遺伝子の転写産物の発現レベルを表す棒グラフである。BMP−6は、Noggin阻害に対してBMP−7よりも耐性である。 nogginの濃度の関数としての、精製されたBMP−6、BMP−7およびBMP−7変異体「80−1」の阻害割合を表す線グラフである。キメラ「80−1」は、Nogginに対して野生型BMP−7よりも耐性である。野生型BMP−6およびキメラ「80−1」のNoggin耐性は同等である。 図29Aは、野生型BMP−7(配列番号1の残基48〜48)およびBMP−7「80−1」突然変異体(配列番号32)の位置48〜78の間の、これらの2つのタンパク質の間で異なるアミノ酸残基を表す図である。また、BMP−7復帰突然変異体REVQ48R(配列番号33)、REVK60E(配列番号34)、REVN65Y(配列番号35)、REVD68E(配列番号36)、REVS72A(配列番号37)、REVA77S(配列番号38)およびREVH78Y(配列番号39)を作製するために、特定の残基を野生型BMP−7で見出されるものに復帰させるためにBMP−7「80−1」突然変異体で起こさせた点突然変異も表す。また、100ng/ml、500ng/mlおよび1000mg/mlの3つの濃度のnogginの存在下での、これらの突然変異体の相対活性も示す。図29Bは、前に図29Aで表したように100ng/ml、500ng/mlおよび1000mg/mlの3つの濃度のnogginの存在下での、BMP−6、BMP−7、「80−1」および図29Aで挙げた復帰突然変異体の相対活性を示す棒グラフである。 図30Aは、BMP−7の位置48〜78(配列番号1の残基48〜78)のアミノ酸残基およびBMP−6のそれらの対応する残基を表す図である。BMP−7突然変異体BMP−7 E60K(配列番号21)、BMP−7 Y65N(配列番号30)、BMP−7 Y78H(配列番号32)およびBMP−7 R48Q/E60K/Y65N(配列番号25)を作製するためにBMP−7配列に起こさせた点突然変異を表す。また、100ng/ml、500ng/mlおよび1000mg/mlの3つの濃度のnogginの存在下での、これらの突然変異体の相対活性も示す。図30Bは、前に図30Aで表したように100ng/ml、500ng/mlおよび1000mg/mlの3つの濃度のnogginの存在下での、BMP−6、BMP−7、および図30Aで挙げたBMP−7突然変異体の相対活性を示す棒グラフである。 図31Aは、ヒトBMP−2、BMP−4、BMP−5、BMP−7およびBMP−9の各々の、ヒトBMP−6の残基49〜73に対応する部分のアラインメントを示す図である。図31Bは、100ng/ml、500ng/mlおよび1000ng/mlの3つの濃度のnogginの存在下での、BMP−2、BMP−6、BMP−7および精製されたBMP−7 E60K突然変異体の相対活性を表す棒グラフである。図31Cは、100ng/ml、500ng/mlおよび1000ng/mlの3つの濃度のnogginの存在下での、BMP−6、BMP−2、およびBMP−2 P36K突然変異体の相対活性を表す棒グラフである。 BMP−6およびBMP−7の位置48〜78の間で異なるアミノ酸残基を示す図である。BMP−7突然変異体BMP−7 R48Q/S77A(配列番号22)、BMP−7 R48Q/E60K(配列番号23)、BMP−7 R48Q/E60K/S77A(配列番号24)、BMP−7 R48Q/E60K/Y65N(配列番号25)、BMP−7 E60K/Y65N(配列番号26)、BMP−7 E60K/Y65N/A72S(配列番号27)、BMP−7 R48K/E60K/Y65N/A72S(配列番号28)およびBMP−7 Y65N/Y78H(配列番号29)を作製するために必要とされる点突然変異を表す。 作製された様々なBMP−7突然変異体のサブセット、HEK−293T細胞でのそれらの発現レベル、ルシフェラーゼレポーター遺伝子アッセイ(本明細書で記載される)におけるそれらの活性レベル、およびnogginの存在下でのそれらの阻害レベルを表す図である。 100ng/ml、500ng/mlおよび1000ng/mlの3つの濃度のnogginの存在下での、様々なBMP−7突然変異体の阻害割合を示す棒グラフである。 成熟BMP−9タンパク質のアミノ酸配列を示す図である。
本発明は、BMPシグナル伝達に関して改善された特性を有する、設計または改変BMPを提供する。本発明は、BMP−6およびBMP−9のそれぞれが、タンパク質阻害剤Nogginによる阻害に対して、BMPおよびGDFファミリーの他のメンバーよりも高い耐性を示すとの観察に関する。詳細には、本発明は、NogginおよびNoggin様タンパク質に対して感受性が低下している、設計または改変骨形成タンパク質、ならびに、設計または改変骨形成タンパク質を利用する組成物の作製および使用方法に関する。さらに別の態様では、本発明は、本発明の改変BMPを含む治療組成物を提供する。したがって、本発明は、BMP治療法のかなりの進歩を表す。
本発明の様々な態様が、以下のサブセクションでさらに詳細に記載される。サブセクションの使用は、本発明を限定するものではない。各サブセクションは、本発明の任意の態様に適用することができる。
骨形成タンパク質
BMPは、TGF−βスーパーファミリーに属する。TGF−βスーパーファミリータンパク質は、6個の保存されたシステイン残基を特徴とするサイトカインである(Landerら、(2001年)Nature、409巻:860〜921頁)。ヒトゲノムは、TGF−βスーパーファミリータンパク質をコードする約42のオープンリーディングフレームを含む。TGF−βスーパーファミリータンパク質は、配列類似性およびそれらが活性化する特定のシグナル伝達経路に基づいて、少なくともBMPサブファミリーおよびTGF−βサブファミリーに分類することができる。BMPサブファミリーには、BMP−2、BMP−3(オステオゲニン)、BMP−3b(GDF−10)、BMP−4(BMP−2b)、BMP−5、BMP−6、BMP−7(骨形成タンパク質−1またはOP−1)、BMP−8(OP−2)、BMP−8B(OP−3)、BMP−9(GDF−2)、BMP−10、BMP−11(GDF−11)、BMP−12(GDF−7)、BMP−13(GDF−6、CDMP−2)、BMP−15(GDF−9)、BMP−16、GDF−1、GDF−3、GDF−5(CDMP−1)およびGDF−8(ミオスタチン)が含まれるが、これらに限定されない。BMPは、骨形成タンパク質(OP)、成長分化因子(GDF)または軟骨由来形態形成タンパク質(CDMP)と呼ばれることもある。BMPは、他の動物種にも存在する。さらに、ヒト集団の異なるメンバー間で、BMP配列に多少の対立遺伝子変異が存在する。本明細書で用いるように、特に別途指示されない限り、「BMPサブファミリー」、「BMP」、「BMPリガンド」およびそれらの文法同等物は、BMPサブファミリーメンバーを指す。
TGF−βサブファミリーには、TGF(例えば、TGF−β1、TGF−β2およびTGF−β3)、アクチビン(例えば、アクチビンA)およびインヒビン、マクロファージ阻害のサイトカイン−1(MIC−1)、ミュラー阻害物質、抗ミュラー管ホルモンおよびグリア細胞系由来の神経栄養因子(GDNF)が含まれるが、これらに限定されない。本明細書で用いるように、特に別途指示されない限り、「TGF−βサブファミリー」、「TGF−β」、「TGF−βリガンド」およびその文法の同等物はTGF−βサブファミリーメンバーを指す。
TGF−βスーパーファミリーは、それに代わってシステインノットサイトカインスーパーファミリーのサブセットである。システインノットサイトカインスーパーファミリーの追加メンバーには、血小板由来成長因子(PDGF)、血管内皮成長因子(VEGF)、胎盤成長因子(PIGF)、Noggin、ニューロトロフィン(BDNF、NT3、NT4およびβNGF)、ゴナドトロピン、フォリトロピン、ルトロピン、インターロイキン−17およびコアグロゲンが含まれるが、これらに限定されない。
構造的に、BMPは二量体システインノットタンパク質である。各BMPモノマーは、複数の分子内ジスルフィド結合を含む。さらなる分子間ジスルフィド結合が、ほとんどのBMPで二量体化を媒介する。BMPは、ホモダイマーを形成することができる。一部のBMPは、ヘテロダイマーを形成することができる。
BMPは、本来、長いプロドメイン、1つまたは複数の切断部位、および成熟したドメインを含むプロタンパク質として発現される。その後、このプロタンパク質は細胞機構によって加工され、二量体成熟BMP分子を産する。プロドメインは、BMPの正しい折畳みおよびプロセシングを助けると考えられている。さらに、すべてでなくいくつかのBMPでは、プロドメインは成熟ドメインに非共有結合的に結合することができ、シャペロンならびに阻害剤として作用することができる(例えば、Thiesら(2001年)Growth Factors、18巻:251〜259頁)。
BMP二量体が2つのI型および2つのII型セリン/トレオニンキナーゼ受容体に結合するときに、BMPシグナル伝達が開始される。I型受容体には、ALK−1、ALK−2(ActRIaまたはActRIとも呼ばれる)、ALK−3(BMPRIaとも呼ばれる)およびALK−6(BMPRIbとも呼ばれる)が含まれるが、これらに限定されない。II型受容体には、ActRIIa(ActRIIとも呼ばれる)、ActRIIbおよびBMPRIIが含まれるが、これらに限定されない。ヒトゲノムは、受容体セリン/トレオニンキナーゼファミリーの12個のメンバーを含み、それらには、7つのI型および5つのII型受容体が含まれ、そのすべてはTGF−βシグナル伝達に関与する(Manningら、(2002年)Science、298巻:1912〜1934頁、その開示は参照により本明細書に組み込まれる)。BMP結合に続いて、II型受容体はI型受容体をリン酸化し、I型受容体は転写因子のSmadファミリーのメンバーをリン酸化し、Smadは核に移行していくつかの遺伝子の発現を活性化する。BMPおよびTGF−βシグナル伝達の機構は、図9でさらに図示する。
BMPは阻害剤、溶解性受容体およびデコイ受容体とも相互作用し、その例には、それらに限定されないが、BAMBI(BMPおよびアクチビン膜結合阻害剤)、BMPER(BMP結合性内皮細胞前駆体由来の調節因子)、セルベルス(Cerberus)、コーディン(cordin)、コーディン様、ダン(Dan)、ダンテ(Dante)、フォリスタチン、フォリスタチン関連タンパク質(FSRP)、エクトジン(ectodin)、グレムリン、Noggin、ダン(Dan)およびセルベルス関連タンパク質(PRDC)、スクレロスチン(sclerostin)、スクレロスチン様、SOG、および子宮感作関連遺伝子−1(USAG−1)が含まれる。さらに、BMPは共受容体と相互作用することができ、例えば、BMP−2およびBMP−4は共受容体ドラゴン(DRAGON)(Samadら(2005年)J. Biol. Chem.、280巻:14122〜9頁)、ならびに硫酸ヘパリンおよびヘパリンなどの細胞外マトリックス成分(Irieら(2003年)Biochem. Biophys. Res. Commun.、308巻:858〜865頁)に結合する。
BMPとそれらのアンタゴニストとの間の相互作用
Nogginのような溶解性BMPアンタゴニストは、BMPに結合することができる。BMP上のNoggin結合部位は、I型およびII型両方の受容体の結合部位と重なる。例えば、BMP−7−Noggin複合体を、図10に図示する。さらに、BMP−7へのNoggin結合は、BMP−7がその受容体に結合することおよび/またはそれを活性化することを阻止し得るであろうBMP−7の立体配座変化を誘導する。NogginのようなDANファミリーアンタゴニストは、システインノットタンパク質ファミリーのメンバーである。DANファミリータンパク質およびNogginはこの構造モチーフを共有するので、それらは類似した方法でBMPに結合し得るであろう。コーディン(Chordin)/SOGアンタゴニストは、同様の方法でBMPに結合すると提案されている。したがって、本発明は、Nogginおよび/または他のNoggin様アンタゴニストによる阻害を逃れることができるBMPタンパク質を設計することを企図する。
NogginのようなBMPアンタゴニストは、発達の過程でのBMPシグナル伝達を消去および制限するために重要であり得るであろう。BMPアンタゴニストは、勾配を通して空間調節を提供し得るであろう。成体の脳室下ゾーンの幹細胞での、適切な背腹パターニング、骨格形成およびニューロン分化のために、多少のレベルのアンタゴニスト作用が必要である。しかし、これらのアンタゴニストは細胞外区画に分泌されるので、それらの作用はそれらが分泌される場所を越えることができ、そのことは、BMPシグナル伝達の効力を不幸にも低下させるであろう。本発明は、NogginなどのBMPアンタゴニストによる阻害に対するそれらの感受性を低下させることによって、BMPの効力を高めることを企図する。Noggin機能を阻害することは、BMPの生物活性を増加させ得るであろう。それは、骨の形成もしくは修復を高め、神経芽細胞が増殖することができる神経微小環境をもたらすことができるであろう。本明細書で用いるように、用語「生物活性」は、インビボまたはインビトロでのBMPの任意の測定可能な機能を指す。BMPの生物活性を測定することができる方法のいくつかを、下の「実施例」のセクションに記載する。
Nogginは、それが他のBMPを阻害するのと同じ程度には、BMP−6またはBMP−9を阻害しない(例えば、図11、12A、12Bおよび図31Bを参照)。Nogginに対する感受性の低下に重要なBMP−6の領域は、Val45〜Asn80の領域である。BMP−6のVal45〜Asn80がBMP−7の対応する領域を置換する改変タンパク質が作製されると、生じる改変タンパク質はNogginによる阻害に耐性である。BMP−9のVal76〜Thr111のBMP−9領域がBMP−7の対応する領域を置換し、Nogginによる阻害に耐性である改変タンパク質をもたらすことができることも考えられる。本明細書で用いるように、用語「対応する領域」、「対応する部分」、「対応するアミノ酸(複数可)」、「対応する残基(複数可)」または「対応するアミノ酸配列(複数可)」は、それら2つのタンパク質を当分野の技術者に公知であるいくつかのアラインメントアルゴリズムのいずれかに基づいてアラインメントさせる場合、所与のBMPサブファミリーメンバーの、BMP−6またはBMP−9の関連するアミノ酸とアラインメントする、またはその逆の、1つまたは複数のアミノ酸を指す。また、本明細書で用いるように、用語「中央の領域」または「中央の部分」または「中央のセグメント」は、BMP−6のVal45〜Asn80を、または別のBMPサブファミリーメンバーの対応する領域を指す。BMP−6およびいくつかのBMPサブファミリーメンバーの代表的なアラインメントは、図15、16および17で見ることができる。他のBMPサブファミリーメンバーの対応する部分とのBMP−9の部分のアラインメントは、図31Aで見ることができる。
BMP−6の中央領域は、BMP−7の中央領域と7つのアミノ酸が異なる。したがって、BMP−7の中央のセグメントをBMP−6の対応する残基で置換することは、BMP−7で7つのアミノ酸置換、すなわち、R48Q、E60K、Y65N、E68D、A72S、S77AおよびY78H(配列番号9)を加えることに等しい。したがって、本発明の一実施形態は、位置R48、E60、Y65、E68、A72、S77およびY78の各々でアミノ酸置換を有する改変BMP−7タンパク質である。好ましい実施形態では、改変BMP−7タンパク質は、以下のアミノ酸置換、すなわち、R48Q、E60K、Y65N、E68D、A72S、S77AおよびY78H(配列番号9)のすべてを含む。
さらに、本発明は、位置48、60、65、68、72、77および78に対応するBMPの位置を変化させることによって、Noggin阻害への耐性を有するBMP突然変異体を作製することを企図する。前に述べたように、突然変異体の置換はBMP−6の対応する位置と同じアミノ酸を有する突然変異体をもたらすことができるが、本発明によって、改変BMPで、BMP−6の位置に対応する位置で、BMP−6の対応する位置のアミノ酸と同一でなく、むしろ類似した生化学的性状を有する、すなわち、BMP−6のアミノ酸を保存するアミノ酸を置換することも可能である。例えば、BMP−6のアミノ酸が疎水性である場合、本発明の一実施形態によれば、突然変異体の対応する位置に、異なるがなお疎水性のアミノ酸を置換すること、または、例えばBMP−6残基が親水性の場合、異なるがなお親水性のアミノ酸を置換することが可能である。
本発明の別の実施形態では、改変BMP−7タンパク質は、位置R48、E60、Y65、E68、A72、S77およびY78のうちの1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つにおける置換を有する。
例えば、本発明は、以下の位置、R48、E60、Y65、E68、A72、S77およびY78のうちの少なくとも1つにおいて置換を有する、改変BMP−7を企図する。一実施形態では、改変BMP−7は、位置R48でのアミノ酸置換を有する。例えば、改変は、位置48のR残基の代わりの、Q、N、W、YまたはF残基の置換であってよい。別の実施形態では、改変BMP−7は、位置E60でのアミノ酸置換を有する。例えば、改変は、位置60のE残基の代わりの、K、R、H、NまたはQ残基の置換であってよい。別の実施形態では、改変BMP−7は、位置Y65でのアミノ酸置換を有する。例えば、改変は、位置65のY残基の代わりの、N、Q、H、KまたはR残基の置換であってよい。別の実施形態では、改変BMP−7は、位置E68でのアミノ酸置換を有する。別の実施形態では、改変BMP−7は、位置A72でのアミノ酸置換を有する。例えば、改変は、位置72のA残基の代わりの、S、T、Y、NまたはQ残基の置換であってよい。別の実施形態では、改変BMP−7は、位置S77でのアミノ酸置換を有する。別の実施形態では、改変BMP−7は、位置S78でのアミノ酸置換を有する。
別の実施形態では、本発明は、以下のアミノ酸置換、すなわち、R48Q、E60K、Y65N、E68D、A72S、S77AおよびY78Hの少なくとも1つ、または、BMP−6の対応するアミノ酸を保存するアミノ酸によるこれらの位置の1つまたは複数での置換を有する、改変BMP−7を企図する。
一実施形態では、改変BMP−7は、アミノ酸置換R48Qを有する。一実施形態では、改変BMP−7は、アミノ酸置換E60Kを有する。別の実施形態では、改変BMP−7は、アミノ酸置換Y65Nを有する。別の実施形態では、改変BMP−7は、アミノ酸置換E68Dを有する。別の実施形態では、改変BMP−7は、アミノ酸置換A72Sを有する。別の実施形態では、改変BMP−7は、アミノ酸置換S77Aを有する。別の実施形態では、改変BMP−7は、アミノ酸置換Y78Hを有する。本発明の別の実施形態に従い、改変BMP−7は、位置R48、I57、I112、F117、V123、I124、L125、K126、K127、K129、N130もしくはR134の1つまたは複数の置換、または、BMP−6の対応するアミノ酸を保存するアミノ酸によるこれらの位置の1つまたは複数における置換を含むことができる。
さらに、改変BMP−7は、上記の位置のうちの2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または全12個における置換を含むことができる。
例えば、本発明の一実施形態では、改変BMP−7は、以下の置換、R48A、R48DまたはR48Nのうちの1つを含むことができる。
本発明の別の実施形態によると、改変BMP−7は、位置54の置換を含むことができる。例えば、改変は、D54EまたはD54Rの1つであってよい。
本発明の別の実施形態によると、改変BMP−7は、位置57の置換を含むことができる。例えば、改変は、I57A、I57D、I57PまたはI57Rの1つであってよい。
本発明の別の実施形態によると、改変BMP−7は、位置112の置換を含むことができる。例えば、改変は、I112A、I112H、I112DまたはI112Pの1つであってよい。
本発明の別の実施形態によると、改変BMP−7は、位置117の置換を含むことができる。例えば、改変は、F117A、F117D、F117K、F117TまたはF117Wの1つであってよい。
本発明の別の実施形態によると、改変BMP−7は、位置123の置換を含むことができる。例えば、改変は、V123またはV123Dの1つであってよい。
本発明の別の実施形態によると、改変BMP−7は、位置124の置換を含むことができる。例えば、改変は、I124AまたはI124Dの1つであってよい。
本発明の別の実施形態によると、改変BMP−7は、位置125の置換を含むことができる。例えば、改変は、L125A、L125DまたはL125Rの1つであってよい。
本発明の別の実施形態によると、改変BMP−7は、位置126の置換を含むことができる。例えば、改変は、K126A、K126D、K126H、K126E、K126YまたはK126Wの1つであってよい。
本発明の別の実施形態によると、改変BMP−7は、位置127の置換を含むことができる。例えば、改変は、K127A、K127D、K127H、K127W、K127EおよびK127Rの1つであってよい。
本発明の別の実施形態によると、改変BMP−7は、位置129の置換を含むことができる。例えば、改変は、K129Eであってよい。
本発明の別の実施形態によると、改変BMP−7は、位置130の置換を含むことができる。例えば、改変は、N130Dであってよい。
本発明の別の実施形態によると、改変BMP−7は、位置124の置換を含むことができる。例えば、改変は、R134Eであってよい。
本発明は、位置R48、E60、Y65、E68、A72、S77およびY78のうちの少なくとも2つにおいて置換されている、改変BMP−7を企図する。例えば、一実施形態では、改変BMP−7は、位置R48およびE60で置換を有する。別の実施形態では、改変BMP−7は、位置R48およびS77で置換を有する。別の実施形態では、改変BMP−7は、位置E60およびY65で置換を有する。別の実施形態では、改変BMP−7は、位置Y65およびY78で置換を有する。別の実施形態では、改変BMP−7は、位置S77およびY78で置換を有する。別の実施形態では、改変BMP−7は、位置Y65およびA72で置換を有する。別の実施形態では、改変BMP−7は、位置E60およびA72で置換を有する。別の実施形態では、改変BMP−7は、位置R48およびA72で置換を有する。
別の実施形態では、本発明は、以下のアミノ酸置換、すなわち、R48Q、E60K、Y65N、E68D、A72S、S77AおよびY78Hの少なくとも2つ、または、BMP−6の対応するアミノ酸を保存するアミノ酸によるこれらの位置の1つまたは複数での置換を有する、改変BMP−7を企図する。例えば、一実施形態では、改変BMP−7は、改変R48QおよびS77Aを有する。別の実施形態では、改変BMP−7は、改変R48QおよびE60Kを有する。別の実施形態では、改変BMP−7は、改変E60KおよびY65Nを有する。別の実施形態では、改変BMP−7は、改変Y65NおよびY78Hを有する。別の実施形態では、改変BMP−7は、改変S77AおよびY78Hを有する。別の実施形態では、改変BMP−7は、改変R48AおよびA72Sを有する。別の実施形態では、改変BMP−7は、改変E60KおよびA72Sを有する。さらに別の実施形態では、改変BMP−7は、改変Y65NおよびA72Sを有する。
本発明のさらなる実施形態では、改変BMP−7は、以下の位置、R48、I57、E60、Y65、E68、A72、S77、Y78、I112、F117、V123、I124、L125、K126、K127、K129、N130およびR134の2つ以上で置換を有する。例えば、一実施形態では、改変BMP−7は、位置R48およびF117のそれぞれで置換を有する。特定の実施形態では、改変BMP−7は、改変R48AおよびF117Wを有する。例えば、一実施形態では、改変BMP−7は、位置R48およびF112のそれぞれで置換を有する。特定の実施形態では、改変BMP−7は、改変R48AおよびF112Aを有する。例えば、一実施形態では、改変BMP−7は、位置Y65およびR134のそれぞれで置換を有する。特定の実施形態では、改変BMP−7は、改変Y65NおよびR134Eを有する。例えば、一実施形態では、改変BMP−7は、位置Y78およびR134のそれぞれで置換を有する。特定の実施形態では、改変BMP−7は、改変Y78HおよびR134Eを有する。例えば、一実施形態では、改変BMP−7は、位置K126およびK127のそれぞれで置換を有する。特定の実施形態では、改変BMP−7は、改変K126EおよびK127Eを有する。例えば、一実施形態では、改変BMP−7は、位置R129およびN130のそれぞれで置換を有する。特定の実施形態では、改変BMP−7は、改変R129EおよびN130Dを有する。
本発明は、位置R48、E60、Y65、E68、A72、S77およびY78のうちの3つ以上でアミノ酸置換されている、改変BMP−7も企図する。例えば、一実施形態では、改変BMP−7は、位置E60、Y65およびA72のそれぞれで置換を有する。別の実施形態では、改変BMP−7は、位置R48、E60およびY65のそれぞれで置換を有する。
本発明は、以下のアミノ酸置換、すなわち、R48Q、E60K、Y65N、E68D、A72S、S77AおよびY78Hの少なくとも3つ、または、BMP−6の対応するアミノ酸を保存するアミノ酸によるこれらの位置の1つまたは複数での置換を有する、改変BMP−7を企図する。特定の実施形態では、改変BMP−7は、置換E60K、Y65NおよびA72Sを含む。別の実施形態では、改変BMP−7は、置換R48Q、E60KおよびY65Nを含む。さらに別の実施形態では、改変BMP−7は、置換R48Q、E60KおよびS77Aを含む。
本発明は、位置R48、E60、Y65、E68、A72、S77およびY78のうちの4つ以上でアミノ酸置換されている、改変BMP−7も企図する。例えば、一実施形態では、改変BMP−7は、位置R48、E60、Y65およびA72のそれぞれで置換を有する。例えば、位置R48で、Q、N、W、YまたはF残基が、R残基の代わりに置換される。例えば、位置E60で、K、R、N、HまたはQ残基が、E残基の代わりに置換される。例えば、位置Y65で、N、Q、H、KまたはR残基が、Y残基の代わりに置換される。例えば、位置A72で、S、T、Y、NまたはQ残基が、A残基の代わりに置換される。
本発明は、以下のアミノ酸置換、すなわち、R48Q、E60K、Y65N、E68D、A72S、S77AおよびY78Hの少なくとも4つ、または、BMP−6の対応するアミノ酸を保存するアミノ酸によるこれらの位置の1つまたは複数での置換を有する、改変BMP−7を企図する。例えば、一実施形態では、改変BMP−7は、置換R48Q、E60K、Y65NおよびA72Sを含む。
本発明は、以下の位置、R48、E60、Y65、E68、A72、S77およびY78のうちの5、6または7つすべてでアミノ酸置換されている、改変BMP−7をさらに企図する。一実施形態では、置換は、7つの位置の各々で生成される。さらなる実施形態では、改変BMP−7は、以下のアミノ酸置換、すなわち、R48Q、E60K、Y65N、E68D、A72S、S77AおよびY78Hの5、6または全7個、または、BMP−6の対応するアミノ酸を保存するアミノ酸によるこれらの位置の1つまたは複数での置換を含む。
BMPサブファミリーメンバーは、配列および機能の両方で保存されるので、所与のBMPサブファミリーメンバーの中央領域をBMP−6の対応する領域で置換することは、Nogginへの耐性を与えることが予想される。本発明は、BMP−6のVal45〜Asn80の領域のアミノ酸配列の1つまたは複数が、任意のBMPサブファミリーメンバーの対応する領域の1つまたは複数のアミノ酸配列を置換する、NogginまたはNoggin様タンパク質による阻害に耐性である改変タンパク質を設計することを企図する。
例えば、本発明は、以下の位置、すなわちD22、S24、V26、N29、V33、P36、H39、F41、H44、P48、A52、D53および/またはL55の少なくとも1つにおいてアミノ酸置換を含む、改変BMP−2を企図する。一実施形態では、改変BMP−2は、上記の位置の各々で改変を含む。好ましい実施形態では、改変BMP−2は、S24、P36、F41、H44、P48およびD53の各々で置換を含む。好ましい実施形態では、改変BMP−2は、以下の位置、S24、P36、F41、H44、P48およびD53の1つまたは複数で置換を含む。別の好ましい実施形態では、改変BMP−2は、P36で置換を含む。
本発明は、以下のアミノ酸置換、すなわち、D22S、S24Q、V26L、N29Q、V33I、P36K、H39A、F41N、H44D、P48S、A52N、D53Aおよび/またはL55Mの少なくとも1つ、または、BMP−6の対応するアミノ酸を保存するアミノ酸によるこれらの位置の1つまたは複数での置換を含む、改変BMP−2も企図する。一実施形態では、改変BMP−2は、上記のアミノ酸置換のすべてを含む。好ましい実施形態では、改変BMP−2は、以下のアミノ酸置換、S24Q、P36K、F41N、H44D、P48Sおよび/またはD53Aの各々を含む。好ましい実施形態では、改変BMP−2は、以下のアミノ酸置換、S24Q、P36K、F41N、H44D、P48Sおよび/またはD53Aの1つまたは複数を含む。別の好ましい実施形態では、改変BMP−2は、アミノ酸置換P36Kを含む。
別の実施形態では、本発明は、以下の位置、すなわち、D24、S26、V28、N31、V35、P38、Q41、F43、H46、D48、P50、A54、D55およびL57の少なくとも1つにおいてアミノ酸置換を含む、改変BMP−4に関する。一実施形態では、改変BMP−4は、上記の位置の各々で改変を含む。好ましい実施形態では、改変BMP−4は、以下の位置S26、P38、F43、P50およびA54の1つまたは複数でアミノ酸置換を含む。好ましい実施形態では、改変BMP−4は、以下の位置、S26、P38、F43、P50およびA54の各々でアミノ酸置換を含む。別の好ましい実施形態では、改変BMP−4は、P38で置換を含む。
別の実施形態では、本発明は、以下のアミノ酸置換、すなわち、D24S、S26Q、V28L、N31Q、V35I、P38K、Q41A、F43N、H46D、D48E、P50S、A54N、D55AおよびL57Mの少なくとも1つ、または、BMP−6の対応するアミノ酸を保存するアミノ酸によるこれらの位置の1つまたは複数での置換を含む、改変BMP−4に関する。別の実施形態では、改変BMP−4は、上記のアミノ酸置換のすべてを含む。好ましい実施形態では、改変BMP−4は、アミノ酸置換S26Q、P38K、F43N、P50Sおよび/またはA54Nの1つまたは複数を含む。別の好ましい実施形態では、改変BMP−4は、アミノ酸置換S26Q、P38K、F43N、P50Sおよび/またはA54Nの各々を含む。さらに別の好ましい実施形態では、改変BMP−4は、置換P38Kを含む。
別の実施形態では、本発明は、以下の位置、すなわちR41、E53またはF58の少なくとも1つにおいてアミノ酸置換を含む、改変BMP−5に関する。好ましい実施形態では、改変BMP−5は、位置R41、E53およびF58の各々で置換を含む。さらに別の好ましい実施形態では、改変BMP−5は、位置E53で置換を含む。
別の実施形態では、本発明は、アミノ酸置換、R41Q、E53KまたはF58Nの少なくとも1つ、または、BMP−6の対応するアミノ酸を保存するアミノ酸によるこれらの位置の1つまたは複数での置換を含む、改変BMP−5に関する。好ましい実施形態では、改変BMP−5は、以下のアミノ酸置換、R41Q、E53KまたはF58Nの各々で置換を含む。さらに別の好ましい実施形態では、改変BMP−5は、アミノ酸置換E53Kを含む。
本発明は、改変成長分化因子(GDF)にも関する。GDFも、BMPサブファミリーのメンバーである。
例えば、本発明は、以下の位置、すなわちN27、K29、M31、D34、L41、E42、E44、F46、H47、E49、L51、E53、R57、S58、L60およびE61の少なくとも1つにおいてアミノ酸置換を含む、改変GDF−5を企図する。好ましい実施形態では、改変GDF−5は、位置L41でアミノ酸置換を含む。さらに、本発明は、以下のアミノ酸置換、N27S、K29Q、M31L、D34Q、L41K、E42G、E44A、F46N、H47Y、E49D、L51E、E53S、R57N、S58A、L60MおよびE61Nのうちの少なくとも1つ、または、BMP−6の対応するアミノ酸を保存するアミノ酸によるこれらの位置の1つまたは複数における置換を含む、改変GDF−5を企図する。好ましい実施形態では、改変GDF−5は、アミノ酸置換L41Kを含む。
別の実施形態では、本発明は、位置N27、K29、E30、D34、L41、E42、E44、Y46、H47、E48、V51、D53、R57、S58、L60およびE61の少なくとも1つにおいてアミノ酸置換を含む、改変GDF−6に関する。好ましい実施形態では、改変GDF−6は、位置L41でアミノ酸置換を含む。別の実施形態では、本発明は、アミノ酸置換、N27S、K29Q、E30D、D34Q、L41K、E42G、E44A、Y46N、H47Y、E48D、V51E、D53S、R57N、S58A、L60MおよびE61Nの1つまたは複数、または、BMP−6の対応するアミノ酸を保存するアミノ酸によるこれらの位置の1つまたは複数における置換を含む、改変GDF−6に関する。好ましい実施形態では、改変GDF−6は、アミノ酸置換L41Kを含む。
さらに別の実施形態では、本発明は、以下の位置、すなわちD36、K38、E39D、D43、L50、D51、E53、Y55、H56、E58、L60、D62、R66、S67、L69およびE70の少なくとも1つにおいてアミノ酸置換を含む、改変GDF−7を企図する。好ましい実施形態では、改変GDF−7は、位置L50でアミノ酸置換を含む。さらに別の実施形態では、本発明は、D36S、K38Q、E39D、D43Q、L50K、D51G、E53A、Y55N、H56Y、E58D、L60E、D62S、R66N、S67A、L69MおよびE70Nからなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸置換、または、BMP−6の対応するアミノ酸を保存するアミノ酸によるこれらの位置の1つまたは複数における置換を含む、改変GDF−7を企図する。好ましい実施形態では、改変GDF−7は、アミノ酸置換L50Kを含む。
本発明の前述の実施形態は、本発明の範囲を限定するものではない。具体的に記載されたものの他のBMPサブファミリーメンバーを、同様に改変することができる。追加のアミノ酸の置換、欠失または付加を加えてもよい。要求されるすべては、BMPサブファミリーメンバーの中央部のアミノ酸残基の1つまたは複数が、BMP−6からの対応する1つまたは複数のアミノ酸残基で置換され、その結果、生じるタンパク質が野生型BMPサブファミリーメンバーにも、野生型BMP−6にも同一でなく、天然存在のタンパク質でないことである。
さらに、前に指摘したように、BMP−9もBMP−6のそれに類似した程度のNoggin阻害耐性を有する(図31Bを参照)ので、BMP−9の中央領域、すなわち、図35に示すBMP−9の残基Val76〜Thr111である、BMP−6の残基45〜80に対応するBMP−9の領域に対応するBMP突然変異体が作製されることも、本発明によって企図される。
例えば、本発明の改変BMP−7は、BMP−7の位置S46、R48、L50、Q53、D54、E60、G61、A63、Y66、E68、E70、A72、N76、S77、Y78、M79および/またはN80の任意の1つまたは複数で改変を含むことができる。詳細には、改変BMP−7は、以下の改変、S46N、R48E、L50I、Q53D、D54S、E60K、G61E、A63E、Y66E、E68K、E70G、A72F、N76A、S77D、Y78D、M79Vおよび/またはN80Tの任意の1つまたは複数、または、BMP−9の対応するアミノ酸を保存するこれらの位置のいずれか1つにおけるアミノ酸の置換を含むことができる。
例えば、本発明の改変BMP−2は、BMP−2の位置D22、S24、V26、N29、D30、V33、P36、G37、H38、F40、Y41、H43、E45、P47、H54、L55および/またはN56の任意の1つまたは複数で改変を含むことができる。詳細には、改変BMP−2は、以下の改変、D22N、S24E、V26I、N299D、D30S、V33I、P36K、G37E、H38E、F40Y、Y41E、H43K、E45G、P47F、H54D、L55Vおよび/またはN56Tの任意の1つまたは複数、または、BMP−9の対応するアミノ酸を保存するこれらの位置のいずれか1つにおけるアミノ酸置換を含むことができる。
例えば、本発明の改変BMP−4は、BMP−4の位置D24、S26、V28、N31、D32、V35、P38、G39、Q41、F43、Y44、H46、D48、P50、H56、L57および/またはN568の任意の1つまたは複数で改変を含むことができる。詳細には、改変BMP−4は、以下の改変、D24N、S26E、V28I、N31D、D32S、V35I、P38K、G39E、Q41E、F43Y、Y443、H46K、D48G、P50F、H56D、L57Vおよび/またはN58Tの任意の1つまたは複数、またはBMP−9の対応するアミノ酸を保存するアミノ酸の置換を含むことができる。
例えば、本発明の改変BMP−5は、BMP−5の位置S39、R41、L43、Q46、D47、E53、G54、A56、F58、Y59、D61、E63、S65、N69、A70、H71、M72および/またはN73の任意の1つまたは複数で改変を含むことができる。詳細には、改変BMP−5は、以下の改変、S39N、R41E、L43I、Q46D、D47S、E53K、G54E、A56E、F58Y、Y59E、D61K、E63G、S65F、N69A、A70D、H71D、M72Vおよび/またはN73Tの任意の1つまたは複数、または、BMP−9の対応するアミノ酸を保存するアミノ酸によるこれらの位置の1つまたは複数における置換を含むことができる。
BMP−9の対応するアミノ酸残基に対応するそれらの中央領域で改変を有する、または、BMP−9の中央領域の対応するアミノ酸を保存する、それらの中央領域での置換を有する、本発明による改変GDF−5、−6および−7を作製することもできる。
改変BMPの生成
本明細書で用いるように、「設計されたBMP」、「改変BMP」、「キメラBMP」、「突然変異体BMP」および「変異体BMP」は、特に明記しない限り同等物として用いられる。本明細書で、「設計されたBMP」または「改変BMP」、およびそれらの文法同等物は、野生型または親のBMPと、少なくとも1つのアミノ酸の挿入、欠失または置換が異なる、天然に存在しないBMPを意味する。特に明記しない限り、設計または改変BMPのすべての位置番号付けは、成熟した天然BMPの配列に基づく点に留意する必要がある。設計されたBMPは、変異の所定の性質によって特徴づけられ、それは、BMP配列の天然の対立遺伝子または種間変異からそれらを区別する特徴である。BMP変異体は、1つまたは複数の細胞型で、野生型BMP活性の少なくとも50%を保持しなければならず、それは、下で記載される適当なアッセイを用いて測定される。野生型活性の少なくとも75%、80%、85%、90%または95%を保持する変異体がより好ましく、野生型よりも活性である変異体が特に好ましい。設計または改変BMPは、N末端、C末端または内部に、挿入、欠失および/または置換を含むことができる。好ましい実施形態では、設計または改変BMPは、最も類似するヒトBMP配列と異なる少なくとも1つの残基を有し、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10個またはそれ以上の異なる残基がより好ましい。
さらに、本発明の一実施形態によれば、設計または改変BMPは、野生型BMP−6または野生型BMP−9と同一ではない。
本発明の設計または改変BMPは、対応する野生型BMPタンパク質配列と、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の同一性を維持する。
本発明の設計または改変BMPは、対応する野生型BMPタンパク質配列のC末端領域の保存されたシステインドメインと、少なくとも80%、少なくとも81%、少なくとも82%、少なくとも83%、少なくとも84%、少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%の同一性を維持することができる。
「対応する野生型タンパク質」は、改変BMPの野生型版を意味する。例えば、改変BMPが改変BMP−7である場合、対応する野生型BMPは野生型BMP−7である。
2つのアミノ酸配列、または2つの核酸の同一性割合を測定するために、配列を最適比較のためにアラインメントさせる(例えば、第二のアミノ酸または核酸配列との最適アラインメントのために、ギャップを第一のアミノ酸配列または核酸配列に導入することができる)。2つの配列間の同一性割合は、配列によって共有される同一位置の数の関数である(すなわち、相同性割合=同一位置の数/位置総数×100)。2つの配列間の相同性割合の判定は、数値計算用アルゴリズムを用いて達成することができる。2つの配列の比較のために利用される数値計算用アルゴリズムの好ましい、非限定的例は、KarlinおよびAltschul(1993年)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90巻:5873〜77頁のように修正された、KarlinおよびAltschul(1990年)Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87巻:2264〜68頁のアルゴリズムである。そのようなアルゴリズムは、Altschulら(1990年)J. Mol. Biol. 215巻:403〜10頁のNBLASTおよびXBLASTプログラムに組み込まれる。BLASTヌクレオチド検索は、NBLASTプログラム、スコア=100、ワード長=12で実施することができる。BLASTタンパク質検索は、XBLASTプログラム、スコア=50、ワード長=3で実施することができる。比較目的のためにギャップトアラインメントを得るために、Altschulら、(1997年)Nucleic Acids Research 25巻(17号):3389〜3402頁に記載のGapped BLASTを利用することができる。BLASTおよびGapped BLASTプログラムを利用する場合、それぞれのプログラム(例えば、XBLASTおよびNBLAST)のデフォルトパラメータを用いることができる。
設計または改変BMPは、さらなる改変、例えば安定性もしくは免疫原性などのさらなるタンパク質特性を変化させる突然変異、または、ペグ化またはグリコシル化などの翻訳後改変を可能にするか阻止する突然変異を含むことができる。改変BMPには、それらに限定されないが、1つまたは複数の側鎖または末端の合成誘導体化、グリコシル化、ペグ化、環状置換、環化、タンパク質またはタンパク質ドメインへの融合、およびペプチドタグまたは標識の付加を含む、翻訳と同時またはその後の改変を加えることができる。本明細書で、「設計されたBMP核酸」、「改変BMP核酸」、「キメラBMP核酸」、「変異体BMP核酸」、「突然変異体BMP核酸」および文法同等物は、設計または改変BMPをコードする核酸を意味する。遺伝子コードの同義性のために、極めて多数の核酸を作製することができ、それらのすべては、設計されたBMPのアミノ酸配列を変化させない方法で1つまたは複数のコドン配列を単に改変することによって、本発明の設計または改変BMPをコードする。本出願では、「または」の使用は、特に明記しない限り「および/または」を意味する。
上記のように、BMPは、本来、長いプロドメイン、1つまたは複数の切断部位、および成熟したドメインを含むプロタンパク質として発現される。その後、このプロタンパク質は細胞機構によって加工され、二量体成熟BMP分子を産する。好ましい実施形態では、本発明の改変BMPは、同様の方法で生成される。プロドメインは、BMPの正しい折畳みおよびプロセシングを助けると考えられている。さらに、すべてではないが一部のBMPで、プロドメインは成熟ドメインに非共有結合的に結合することができ、シャペロンならびに阻害剤として作用することができる(例えば、Thiesら(2001年)Growth Factors、18巻:251〜259頁)。好ましくは、本発明の改変BMPは、この形で生成および/または治療的投与される。あるいは、BMPは、それらに限定されないが、直接に生成されるか封入体から再折畳みされる成熟ドメイン、または完全長無傷のプロタンパク質を含む他の形で生成することができる。本発明の改変BMPは、これらおよび他の形で使用されることが予想される。
好ましい実施形態では、本発明の改変骨形成タンパク質は、改変または突然変異体のヒトBMP−7などの、改変BMP−7である。ヒトBMP−7の天然のプロタンパク質のアミノ酸配列を、図1Aに示す。天然の成熟ヒトBMP−7のアミノ酸配列を、図1Bに示す。ヒトBMP−7の成熟した二量体形のサブユニットのアミノ酸配列を図1Bに示すが、各サブユニットは、独立に完全長であるか、またはN末端で切り詰められてもよいことを理解すべきである。例えば、サブユニットは、図1Bに示す完全長成熟形の残基1〜37のいずれか、またはすべてを有することができる。本発明の改変BMP核酸およびタンパク質は、下で詳述する当技術分野で公知であるいくつかの方法を用いて生成することができる。
改変BMPをコードする核酸の調製
本発明は、本明細書に記載される改変BMPをコードする核酸も含む。本明細書に記載される改変BMPをコードする核酸は、当技術分野で公知である方法によって調製することができる。
好ましい実施形態では、改変BMPをコードする核酸は、全遺伝子合成によって、または、野生型または改変型BMPをコードする核酸の部位特異的突然変異によって調製される。鋳型指定連結、再帰的PCR、カセット式変異誘発、部位特異的突然変異、または、当技術分野で周知である他の技術を含む方法を利用することができる(例えば、StrizhovらPNAS 93巻:15012〜15017頁(1996年)、ProdromouおよびPerl、Prot. Eng. 5巻:827〜829頁(1992年)、JayaramanおよびPuccini、Biotechniques 12巻:392〜398頁(1992年)ならびにChalmersらBiotechniques 30巻:249〜252頁(2001年)を参照)。
発現ベクター
好ましい実施形態では、下記成分、および本発明の改変BMPをコードする遺伝子を含む発現ベクターが調製される。様々な宿主細胞のための多種類の適当な発現ベクターおよび適する調節配列が、当技術分野で公知である。発現ベクターは、それらに限定されないが、プロモーター配列、リボゾーム結合部位、転写開始および終止配列、翻訳開始および終止配列、転写終結シグナル、ポリアデニル化シグナル、ならびに、エンハンサーまたはアクティベーター配列を含む、転写および翻訳の調節配列を含むことができる。好ましい実施形態では、調節配列には、プロモーターならびに転写開始および終止配列が含まれる。さらに、発現ベクターは追加の要素を含むことができる。例えば、発現ベクターは2つの複製系を有することができ、このように、2つの生物体で、例えば発現のためには哺乳動物または昆虫の細胞で、またクローニングおよび増幅のためには原核生物の宿主でそれが維持されることを可能にする。さらに、発現ベクターを組み込むために、発現ベクターは宿主細胞のゲノムと相同的な少なくとも1つの配列を、好ましくは、発現構築物に連なる2つの相同配列を含む。組み込まれるベクターは、ベクター内に含ませるために適当な相同配列を選択することによって、宿主細胞の特定の遺伝子座に誘導することができる。ベクターを組み込むための構築物は、当技術分野においては周知である。さらに、好ましい実施形態では、発現ベクターは、形質転換された宿主細胞の選択を可能にするために、選択可能なマーカー遺伝子を含む。選択遺伝子は当技術分野で周知であり、用いる宿主細胞によって異なる。発現ベクターは、自己複製型の染色体外ベクター、または宿主ゲノムに組み込まれるベクターであることができる。
発現ベクターは、宿主細胞からの改変BMPの分泌を提供する、分泌リーダー配列またはシグナルペプチド配列を含むことができる。タンパク質の分泌をもたらす、適する分泌リーダー配列は、当技術分野で公知である。シグナル配列は、一般的に、細胞からのタンパク質の分泌を指示する疎水性アミノ酸で構成される、シグナルペプチドをコードする。タンパク質は、増殖培地中に、または、原核生物の場合は、細胞の内外の膜の間に位置するペリプラズム間隙に分泌される。細菌での発現の場合、変異体BMPをコードする核酸に作動可能的に連結される細菌性分泌リーダー配列が、通常好まれる。
さらに、本発明の改変BMPのプロドメインと成熟領域との間の切断部位は、切断部位がフリンなどのプロテアーゼによってより効率的に切断されるように、当技術分野で公知である技術によって改変することができる。
トランスフェクション/形質転換
改変BMP核酸は、核酸の以降の発現に適する方法で、単独で、または発現ベクターと一緒に細胞に導入される。導入の方法は、標的細胞型によってほぼ決定される。例示的な方法には、CaPO沈殿、リポソーム融合(例えば、試薬Lipofectin(登録商標)またはFuGeneを用いる)、エレクトロポレーション、ウイルス感染(例えば、PCT/US97/01019に概説されている)、デキストラン媒介トランスフェクション、ポリブレン媒介トランスフェクション、プロトプラスト融合、直接微量注入などが含まれる。改変BMP核酸は、宿主細胞のゲノムに安定して組み込まれることができるか、細胞質中に一時的に、または安定して存在することができる。
改変BMPの発現のための宿主
改変BMPの発現に適当な宿主細胞には、酵母、細菌、古細菌、真菌類、ならびに、哺乳動物の細胞を含む昆虫および動物の細胞が含まれる。特に興味があるのは、Saccharomyces cerevisiaeおよびPichia pastorisなどの真菌類、ならびに、293(例えば、293−Tおよび293−EBNA)、BHK、CHO(例えば、CHOK1およびDG44)、COS、Jurkat、NIH3T3などを含む哺乳動物細胞系である。(ATCC細胞系カタログを参照)。改変BMPは、それらに限定されないが、植物(例えばトウモロコシ、タバコおよび藻)および動物(例えばニワトリ、ヤギ、ウシ)を含む、より複雑な生物体で生成することもできる;例えば、Dove, Nature Biotechnol.、20巻:777〜779頁(2002年)を参照。一実施形態では、細胞は、さらに遺伝子操作すること、すなわち、改変BMP核酸を含む発現ベクター以外の外来性の核酸を含むことができる。
発現方法
本発明の改変BMPは、改変BMPをコードする核酸を含む発現ベクターで形質転換した宿主細胞を、改変BMPの発現を誘導するかまたは引き起こすのに適当な条件下で培養することによって生成される。一時的または安定したトランスフェクション方法を用いることができる。改変BMPの発現に適当な条件は、発現ベクターおよび宿主細胞の選択によって異なり、常用の実験を通して当分野の技術者によって容易に確認される。
精製
好ましい実施形態では、改変BMPは発現後に精製または単離される。標準の精製方法には、電気泳動技術、分子技術、免疫学的技術、ならびに、イオン交換、疎水性、親和性および逆相HPLCクロマトグラフィーを含むクロマトグラフィー技術、ならびにクロマトフォーカシングが含まれる。例えば、改変BMPは、標準の抗組換え体タンパク質抗体カラムを用いて精製することができる。タンパク濃縮と併用される、限外ろ過およびダイアフィルトレーション技術も有用である。適する精製技術の一般指針については、Scopes, R.、Protein Purification、Springer−Verlag、NY、第3版(1994年)を参照。必要な精製度は所望の使用によって異なり、一部の例では、精製を必要としない。
翻訳後修飾および誘導体化
作製されると、改変BMPは共有結合的に修飾することができる。したがって、タンパク質の共有結合的および非共有結合的修飾は、本発明の範囲に含まれる。ポリペプチドの標的アミノ酸残基を、選択される側鎖または末端残基と反応することができる有機誘導体化剤と反応させることによって、そのような修飾を改変BMPポリペプチドに導入することができる。修飾のための最適部位は、それらに限定されないが、目視検査、構造解析、配列分析および分子シミュレーションを含む様々な基準を用いて選択することができる。修飾のための部位は、プロドメインまたは成熟したドメインに位置してもよい。
一実施形態では、本発明の改変BMPは、少なくとも1つの元素、同位体または化合物で標識される。一般に、標識は3つの群に分類される:a)放射性同位体または重同位体であってよい同位体標識;b)抗体または抗原であってよい免疫標識;c)染色または蛍光色素。標識は、化合物の任意の位置に組み込むことができる。標識には、それらに限定されないが、ビオチン、タグ(例えば、FLAG、Myc)および蛍光標識(例えば、フルオレセイン)が含まれる。二機能性剤による誘導体化は、より完全に下で記載するように、例えば、抗改変型BMP抗体を精製する方法またはスクリーニングアッセイで用いるために、改変型BMPを水不溶性支持体マトリックスまたは表面に架橋させるために有用である。一般に用いられる架橋剤には、例えば、1,1−ビス(ジアゾアセチル)−2−フェニルエタン、グルタルアルデヒド、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、例えば、4−アジドサリチル酸とのエステル、ホモ二機能性イミドエステル、例えば、3,3’−ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)などのジスクシンイミジルエステル、ビス−N−マレイミド−1,8−オクタンなどの二機能性マレイミド、およびメチル−3−[(p−アジドフェニル)ジチオ]プロピオイミデートなどの剤が含まれる。他の改変には、それぞれ対応するグルタミルおよびアスパルチル残基へのグルタミニルおよびアスパラギニル残基のアミド分解、プロリンおよびリジンのヒドロキシル化、セリルもしくはスレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化、リジン、アルギニンおよびヒスチジン側鎖のアミノ基のメチル化(T.E. Creighton、Proteins: Structure and Molecular Properties、W.H. Freeman & Co.、San Francisco 79〜86頁(1983年))、N末端アミンのアセチル化、および任意のC末端カルボキシル基のアミド化が含まれる。そのような誘導体化は、溶解性、吸収、脳血液関門を越える輸送、血清半減期などを改善することができる。あるいは、改変BMPポリペプチドの改変は、タンパク質の任意の可能な望ましくない副作用を除去または軽減することができる。そのような影響を媒介することができる部分は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第16版、Mack Publishing Co.、Easton、Pa.(1980年)で開示される。
改変BMPの共有結合的改変の別の型は、米国特許第4,640,835号;4,496,689号;4,301,144号;4,670,417号;4,791,192号または4,179,337号に記載の方法により、改変BMPポリペプチドを様々な非タンパク性重合体、例えば、ポリエチレングリコール(「PEG」)、ポリプロピレングリコールまたはポリオキシアルキレンの1つに連結させることを含む。当技術分野で周知であるように、PEG連結を達成するために様々な結合化学を用いることができる。
別の型の改変は、改変BMPへのグリコシドの化学的または酵素的結合である。そのような方法は、当技術分野で、例えば、1987年9月11日に公開のWO87/05330ならびにAplinおよびWriston、CRC Crit. Rev. Biochem.、259〜306頁(1981年)に記載されている。
あるいは、改変BMPポリペプチドに存在する炭水化物部分の除去は、化学的または酵素的に達成することができる。化学的脱グリコシル技術は当技術分野で公知であり、例えば、Hakimuddinら、Arch. Biochem. Biophys.、259巻:52頁(1987年)およびEdgeら、Anal. Biochem.、118巻:131頁(1981年)によって記載されている。ポリペプチド上の炭水化物部分の酵素切断は、Thotakuraら、Meth. Enzymol.、138巻:350頁(1987年)に記載されている、様々なエンド−およびエキソ−グリコシダーゼを用いて達成することができる。
設計されたBMPの生物物理および生化学特性評価
本発明の設計されたBMPは、当技術分野で公知の方法、例えばBiacore方法を用いて、Nogginなどの阻害剤へのそれらの応答によって特徴づけることができる。改変BMPは、骨形成および軟骨形成因子の評価で通常用いられる細胞ベースおよびインビボのアッセイ、例えば、アルカリホスファターゼアッセイ、骨芽細胞増殖アッセイ、骨ノジュールアッセイ、qPCRに基づく遺伝子発現アッセイ、またはBMP−応答要素(BRE)ルシフェラーゼアッセイを用いて特徴づけることもできる。改変BMPの生物物理的および生物化学的特性評価を、下に詳述する。
改変BMPの活性の分析
好ましい実施形態では、野生型および改変BMPの活性は、インビトロ受容体結合アッセイ、細胞ベースの活性アッセイまたはインビボ活性アッセイを用いて分析される。
受容体結合アッセイ
1つまたは複数のBMP受容体に結合する改変BMPの能力に及ぼすNogginの影響は、受容体結合アッセイで測定することができる。例えば、ALK−2、ALK−3、ALK−6、ActRII、ActRIIbまたはBMPRIIへの親和性を測定することができる。適する結合アッセイには、ELISA、蛍光異方性および強度、シンチレーション近接検定(SPA)、Biacore(Pearceら、Biochemistry 38巻:81〜89頁(1999年))、DELFIAアッセイ、およびAlphaScrceen(商標)(PerkinElmer;Bosse R.(Illy C,、およびChelsky D(2002年)から市販)が含まれるが、これらに限定されない。
好ましい一実施形態では、Biacoreまたは表面プラズモン共鳴アッセイが用いられる。例えば、McDonnell(2001年)Curr. Opin. Chem. Biol. 5巻:572〜577頁を参照。一般的に、Biacore実験は、例えば、プロテインA誘導体化チップまたはNTAチップにBMP受容体−Fc融合タンパク質を結合して、各改変BMPを分析物として試験することによって実施することができる。抗BMP抗体をチップに結合するか、改変BMPをチップに結合して、溶解性の受容体またはFc−受容体融合タンパク質を分析物として試験することも可能である。TGF−βアイソフォームのそれらの受容体への結合を特徴づけるために、Biacore実験がこれまで用いられてきた(De Crescenzoら(2001年)J. Biol. Chem.、276巻:29632〜29643頁;De Crescenzoら(2003年)J. Mol. Biol.、328巻:1173〜1183頁)。
あるいは、1つまたは複数のBMP受容体への1つまたは複数の改変BMPの親和性を測定するために、プレートベースの直接結合アッセイが用いられる。この方法は、抗BMPモノクローナル抗体を用いてBMPが捕捉され、次にBMP受容体−Fc融合タンパク質を用いて検出される、修正されたサンドイッチELISAである。
受容体および阻害剤結合を特徴づけるために、AlphaScreen(商標)アッセイ(Bosse R.ら(2002年)Principles of AlphaScreen(商標)、PerkinElmer Literature Application Note Ref #4069. http://lifesciences.perkinelmer.com/Notes/S4069−0802.pdf)を用いることができる。AlphaScreen(商標)は、供与体ビーズが680nmのレーザーによって励起されて一重項酸素を放出する、ビーズベースの非放射性ルミネッセンス近接性アッセイである。一重項酸素は拡散し、受容体ビーズの表面でチオキセン誘導体と反応し、600nmでの蛍光発光をもたらす。供与体および受容体ビーズが、各々がそれぞれリガンドおよび受容体(またはリガンドおよび阻害剤)に連結されるときに起こる分子相互作用によって近接するときだけ、蛍光発光が起こる。この相互作用は、関連する受容体または阻害剤に結合する未標識の改変BMPの適当な量を加えることによって、打ち負かすことができる。
一実施形態では、AlphaScreen(商標)アッセイは、1)第一の適するタグまたは標識によって標識される天然のBMP;2)第一のタグまたは標識に結合することができる供与体ビーズ;3)第二の適するタグまたは標識によって標識されるBMP受容体または阻害剤;4)第二のタグまたは標識に結合することができる受容体ビーズ、および5)競合者として作用する未標識の改変BMP分子(例えば、改変BMP−7)の様々な量を用いて実施される。供与体または受容体ビーズを、天然のBMPまたはBMP受容体を特異的に認識する抗体でコーティングすること、または、受容体を供与体ビーズに、また、リガンドを受容体ビーズに結合することも可能である。代わりの実施形態では、AlphaScreen(商標)アッセイは、1)第一の適するタグまたは標識によって標識されるI型のBMP受容体;2)第一のタグまたは標識に結合することができる供与体ビーズ;3)第二の適するタグまたは標識によって標識されるII型のBMP受容体;4)第二のタグまたは標識に結合することができる受容体ビーズ;5)天然のBMP、および6)競合者として作用する未標識の改変BMP分子(例えば、改変BMP−7)の様々な量を用いて実施される。I型BMP受容体を受容体ビーズに、II型BMP受容体を供与体ビーズに結合することも可能である。
受容体および阻害剤結合を特徴づけるために、蛍光アッセイを用いることもできる。例えば、BMP−7またはBMP−7受容体もしくは阻害剤を、蛍光染料(適する色素の例については、分子プローブカタログを参照)で標識することができる。当技術分野で公知であるように、標識分子の蛍光強度または異等方性は、別の分子との結合後に変わることがある。蛍光アッセイは、1)蛍光標識した天然のBMP(例えば、BMP−7)、2)BMP受容体または阻害剤、および3)競合者として作用する未標識の改変BMP(例えば、改変BMP−7)の様々な量を用いて実施することができる。
さらに、受容体結合親和性を測定するために、シンチレーション近接検定(SPA)を用いることができる。例えば、BMP受容体−Fc融合を、プロテインAコートSPAビーズまたはフラッシュプレートに結合させ、S35標識BMPで処理することができる。結合事象は、光の生成をもたらす。
細胞ベースの活性アッセイ
BMPは、いくつかの型の細胞の増殖および分化を促進する。BMP活性は、例えば、ヒト骨髄由来の間葉性幹細胞(hMSC)、MC3T3−E1(マウスの頭蓋冠に由来する骨芽細胞様細胞)、C3H10T1/2(胚性結合組織に由来するマウス間葉性幹細胞系)、ATDC5(マウス胚性癌腫細胞)、L−6(ラット筋芽細胞細胞系)またはC2C12(マウス筋芽細胞の細胞系)細胞のBMPによって誘導される分化の測定によって監視することができる。分化は、例えば、アルシアンブルーまたはPNPPなどのアルカリホスファターゼまたは熱量測定試薬の発光レポーターを用いて監視することができる(Laveryら、(2008年)、JBC、283巻:20948〜20958頁;Asahinaら(1996年)Exp. Cell Res.、222巻:38〜47頁;Inadaら(1996年)Biochem. Biophys. Res. Commun.、222巻:317〜322頁;Jortikkaら(1998年)Life Sci.、62巻:2359〜2368頁;Chengら(2003年)J. Bone Joint Surgery 95A巻:1544〜1552頁)。
一次細胞で活性を監視するために、ラット肢芽軟骨分化アッセイを用いることもできる。代替実施形態では、レポーター遺伝子またはキナーゼアッセイを用いることができる。BMPはJAK−STATシグナル伝達経路を活性化するので、GFPまたはルシフェラーゼなどのSTAT応答性レポーターを含むBMP応答性細胞系を用いることができる(Kusanagiら(2000年)Mol Biol. Cell.、11巻:555〜565頁)。例えば、腎臓細胞でのBMP活性は、細胞ベースのアッセイを用いて測定することができる。例えば、WangおよびHirschberg(2004年)J. Biol. Chem. 279巻:23200〜23206頁を参照。
BMP活性の動物モデル
一般的に、動物のBMP活性は、皮下注射に続く骨誘導によって測定される。好ましい実施形態では、1つまたは複数の改変BMPの活性は、BMP応答性疾患または状態の動物モデルで測定される。例えば、腎疾患の動物モデルには、それらに限定されないが、ラット腎毒性血清腎炎モデル(Zeisbergら、2003年)、ラット慢性シクロスポリンA誘発腎症モデル(Liら(2004年)Am. J. Physiol. Renal Physiol.、286巻:F46〜57頁)、マウス片側尿管閉塞モデル(Schanstraら(2003年)Thromb. Haemost.、89巻:735〜740頁)、ストレプトゾトシン誘発糖尿病ネフロパシー(Tanedaら(2003年)J. Am. Soc. Nephrol.、14巻:968〜980頁)、抗thy 1.1 mAbおよびHabuヘビ毒誘発糸球体腎炎モデル(Dimmlerら(2003年)Diagn. Mol. Pathol.、12巻:108〜117頁)、およびラット5/6レムナント腎臓モデル(Romeroら(1999年)Kidney Int.、55巻:945〜955頁)が含まれる。肝臓疾患の動物モデルには、それらに限定されないが、ラット胆管連結/切断モデル(Parkら(2000年)Pharmacol. Toxicol.、87巻:261〜268頁)、CCI4プラスエタノール誘発肝損傷(Hallら(1991年)Hepatology、12巻:815〜819頁)、ジメチルニトロソアミン誘発肝硬変(Kondouら(2003年)J. Hepatol.、39巻:742〜748頁)、およびチオアセタミド誘発肝損傷(Mullerら(1988年)Exp. Pathol.、34巻:229〜236頁)が含まれる。肺疾患の動物モデルには、それらに限定されないが、オボアルブミン誘発気道線維症(Kenyonら(2003年)Toxicol. Appl. Pharmacol.、186巻:90〜100頁)、ブレオマイシン誘発肺線維症(Izbickiら(2002年)Int. J. Exp. Pathol.、83巻:111〜119頁)、モノクロタリン誘発肺線維症(Hayashiら(1995年)Toxicol. Pathol.、23巻:63〜71頁)、および選択的照射(Pauluhnら(2001年)Toxicology、161巻:153〜163頁)が含まれる。神経系疾患の動物モデルには、それらに限定されないが、パーキンソン病の動物モデル、例えば6−水酸化ドーパミン(6−OHDA)片側病巣ラットモデル、およびMPTP誘発パーキンソン病、ALSの動物モデル、例えば突然変異体SOD1を発現するラットまたはマウス(Shibataら(2002年)Neuropathology、22巻:337〜349頁)、および、エンドセリンまたはキノリン酸の皮質内微量注入(Gilmourら(2004年)Behav. Brain Res.、150巻:171〜183頁)または大脳動脈閉塞(Merchenthalerら(2003年)Ann. NY Acad. Sci. 1007巻:89〜100頁)によって誘発される脳卒中の動物モデルが含まれる。
製剤および投与
本発明の設計されたBMPは、哺乳動物、好ましくは医薬組成物の一部としてそれを必要とするヒトへの投与のために製剤化することができる。組成物は任意の適する手段、例えば非経口的、経口的または局所的に投与することができる。設計されたBMPが、所望の組織部位に、例えば注射によって局所的に投与されるか、または、例えば静脈内、皮下、筋肉内、眼窩内、眼内、心室内、頭蓋内、包内、脊椎内、くも膜内、腹腔内、口内、直腸、膣、鼻腔内もしくはエアゾール投与によって全身的に投与される場合、組成物は好ましくは水溶液を含む。哺乳動物へのその投与が哺乳動物の正常な電解質および流体容量均衡に悪影響を与えないように、溶液は、好ましくは生理的に許容される。したがって、水溶液は、例えば、正常な生理食塩液(0.9%NaCl、0.15M)、pH7〜7.4を含むことができる。
経口または非経口全身投与のための有用な溶液は、例えば「Remington’s Pharmaceutical Sciences」(Gennaro, A.編、Mack Pub.、1990年、その開示は参照により本明細書に組み込まれる)に記載の、医薬分野で周知である方法のいずれかによって調製することができる。製剤は、例えば、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール、植物起源の油、水素化ナフタレンなどを含むことができる。特に直接投与のための製剤は、グリセロール、および他の高粘度組成物を含むことができる。例えば、ヒアルロン酸、コラーゲン、リン酸三カルシウム、ポリブチレート、ポリ乳酸、ポリグリコリドおよびラクチド/グリコリド共重合体を含む、生体適合性の、好ましくは生体再吸収性重合体は、設計されたBMPのインビボでの放出を制御する有用な賦形剤であることができる。本発明の設計されたBMPのための他の潜在的に有用な非経口送達系は、エチレン酢酸ビニル共重合体粒子、浸透ポンプ、移植可能な注入系およびリポソームを含むことができる。吸入投与のための製剤は、賦形剤として、例えば乳糖を含有することができ、または、例えば、ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル、グリココール酸またはデオキシコール酸を含む水溶液、または、点鼻の形での投与のため、もしくは鼻腔内適用されるゲルとしての油性溶液であってよい。
あるいは、本明細書で記載されるように特定された、設計されたOP−1/BMP−7を含む設計されたBMPは、経口投与することができる。例えば、設計されたBMPの液体製剤は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」(上記)に記載のものなどの、標準の慣行によって調製することができる。次に、投与のために、そのような液体製剤を飲料または別の補助食品に加えることができる。これらの液体製剤のエアゾールを用いて、経口投与を達成することもできる。あるいは、当技術分野で認められた乳化剤を使用して調製された固体製剤は、経口投与に適する錠剤、カプセルまたはロゼンジに形成することができる。
任意選択で、設計されたBMPは、所望の組織による類似体の取込みを増強するための手段を含む組成物に製剤化することができる。例えば、哺乳動物で全身的に提供される場合、テトラサイクリンおよびジホスホン酸(ビスホスホネート)は、骨ミネラルに、特に骨再形成のゾーンに結合することが公知である。したがって、そのような成分は、骨組織への本発明の設計されたBMPの送達を高めるために用いることができる。あるいは、細胞表面抗原などの、所望の標的組織に特異的に結合するアクセス可能な物質に特異的に結合する抗体またはその一部を用いることもできる。所望により、そのような特異的ターゲティング分子は、例えば化学架橋によって、または標準の遺伝子工学技術を用いて本発明の類似体に共有結合で結合させ、例えば、Asp−Pro結合などの酸不安定結合を形成することができる。有用なターゲティング分子は、例えば、米国特許第5,091,513号の教示によって設計することができる。
設計されたBMPのいくつかは、担体マトリックス、すなわち、不溶性ポリマーマトリックスと組み合わせたとき、最も高いレベルの活性をインビボで示すことができることも企図される。例えば、その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,266,683号を参照。現在好ましい担体マトリックスは、性質が異種性、同種異系または自原性である。しかし、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ酪酸、それらの誘導体および共重合体を含む合成材料を、適する担体マトリックスを生成するために用いることもできることが企図される。好ましい合成および天然由来のマトリックス物質、それらの調製、本発明の設計されたBMPでそれらを製剤化する方法、および投与の方法は当技術分野で周知であり、したがって本明細書で詳細には述べない。例えば、米国特許第5,266,683号を参照。
さらに、本発明の設計されたBMPは、単独で、または組織形態形成に対する有益な作用を有することが公知である別の物質と一緒に、それを必要とする哺乳動物に投与することができる。そのような物質(本明細書で、コファクター)の例には、組織の修復および再生を促進し、および/または炎症を阻害する物質が含まれる。骨粗しょう症個体で骨組織増殖を刺激する有用なコファクターの例には、例えば、ビタミンD3、カルシトニン、プロスタグランジン、副甲状腺ホルモン、デキサメタゾン、エストロゲンおよびIGF−IまたはIGF−IIが含まれるが、これらに限定されない。神経組織の修復および再生のための有用なコファクターには、神経成長因子を含めることができる。他の有用なコファクターには、防腐剤、抗生物質、抗ウイルス薬および抗かび剤、鎮痛薬および麻酔薬を含む症状緩和コファクターが含まれる。
好ましくは、改変BMPは、薬学的に許容される、無毒性賦形剤および担体と混合されて、医薬組成物に製剤化される。上記のように、そのような組成物は、全身投与、例えば非経口投与のために、特に液体溶液もしくは懸濁液の形で;経口投与のために、特に錠剤もしくはカプセルの形で;または、鼻腔内に、特に粉末、点鼻薬もしくはエアゾールの形で調製することができる。組織表面への接着が望まれる場合、組成物は、フィブリノーゲン−トロンビン分散剤、または他の生体接着剤、例えば、その開示が参照により本明細書に組み込まれるPCT US91/09275に開示されているものを含むことができる。次に、組成物を所望の組織表面に塗るか、噴霧するか、さもなければ塗布することができる。
組成物は、治療有効量、例えば、所期の効果を誘導するのに十分な時間、標的組織に設計されたBMPの適当な濃度を提供する量で、ヒトまたは他の哺乳動物への非経口または経口の投与のために製剤化することができる。好ましくは、本発明の組成物は、モルフォゲン関連生物反応、例えば組織特異機能の維持または老齢化組織(例えば、骨減少性骨組織)への組織特異表現型の復帰に対する哺乳動物の必要性を緩和または軽減する。
当分野の技術者によって理解されるように、治療組成物中の記載される化合物の濃度は、投与される薬剤の投薬量、使用される化合物の化学特性(例えば、疎水性)および投与経路を含む、いくつかの因子によって異なる。また、投与される薬剤の好ましい投薬量は、疾患のタイプおよび程度、組織喪失または欠陥、特定患者の全体的健康状態、選択される化合物の相対的な生物学的効力、化合物の製剤、製剤中の賦形剤の存在および種類、ならびに投与経路などの変数によっておそらく決まる。一般に、本発明の化合物は、非経口投与のために約0.1〜10w/v%の化合物を含む水性生理的緩衝溶液で提供することができる。一般的な用量範囲は、1日につき体重1kgあたり約10ng〜約1gであり、好ましい用量範囲は、体重1kgあたり約0.1mg〜100mgである。
治療使用
本発明の改変BMPは、骨および軟骨の形態形成の発達カスケードを誘導することができる。したがって、本発明の改変BMPは、体の様々な場所での骨および軟骨の増殖を誘導するために用いることができる。例えば、膝、肘、足首および指関節などの関節の修復が、本発明によって企図される。例えば、本発明の改変BMPは、関節炎または他の軟骨変性疾患の罹患患者で、軟骨を再生するために指示される。さらに、本発明の改変BMPは、損傷による軟骨の裂傷を治療するために指示される。さらに、本発明の改変BMPは、患者で骨増殖を誘導するのに有用である。例えば、本発明の改変BMPは、骨折もしくは骨の切断、骨粗しょう症の患者、または脊椎固定が必要な患者の治療での使用、または、脊柱、脊椎などの修復のために指示される。
本発明の改変BMPは、哺乳動物での骨または骨軟骨と異なる様々な組織のために、骨形態形成および組織形態形成の発達カスケードを誘導することができる。この形態形成活性は、前駆体細胞の増殖および分化を誘導する能力、ならびに、骨、軟骨、非無機物化骨格もしくは結合組織、および他の成体組織の形成をもたらす事象の進行を通して、分化表現型を支持および維持する能力を含む。
例えば、本発明の改変BMPは、代謝性骨疾患において、骨質量の減損を予防し、および/またはそれを増加させるための治療に用いることができる。骨形成タンパク質を用いて代謝性骨疾患で骨質量の減損を予防し、および/またはそれを増加させるための治療の一般方法は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,674,844号で開示される。本発明の改変BMPは、骨切断、骨折および軟骨裂傷などの損傷部位で骨または軟骨を置換または修復するために投与することもできる。本発明の改変BMPは、歯周組織再生のために用いることができる。骨形成タンパク質を用いる歯周組織再生のための一般方法は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,733,878号で開示される。本発明の改変BMPは、肝再生のために用いることができる。骨形成タンパク質を用いる肝再生のための一般方法は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,849,686号で開示される。本発明の改変BMPは、慢性腎不全の治療ために用いることができる。骨形成タンパク質を用いる慢性腎不全の治療のための一般方法は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,861,404号で開示される。本発明の改変BMPは、中枢神経系虚血または外傷の後の機能回復の強化のために用いることができる。骨形成タンパク質を用いる、中枢神経系虚血または外傷の後の機能回復の強化のための一般方法は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,407,060号で開示される。本発明の改変BMPは、樹状成長の誘導のために用いることができる。骨形成タンパク質を用いる樹状成長の誘導のための一般方法は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,949,505号で開示される。本発明の改変BMPは、神経細胞接着の誘導のために用いることができる。骨形成タンパク質を用いる神経細胞接着の誘導のための一般方法は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,800,603号で開示される。本発明の改変BMPは、パーキンソン病の治療および予防のために用いることができる。骨形成タンパク質を用いるパーキンソン病の治療および予防のための一般方法は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,506,729号で開示される。上記の様々な治療使用のために本発明の改変BMPを用いて一般方法を改変することは、当分野の技術者の技術の範囲内である。本発明の改変BMPの治療適用の例示的な実施形態を、下で詳しく記載する。
本発明の改変BMPは、病気の、または損傷を受けた哺乳動物組織の修復のために用いることができる。好ましくは修復する組織を評価し、必要に応じて、過剰な壊死性または妨害する瘢痕組織を、医学分野で公知である外科的、化学的、切断的または他の方法によって除去する。次に、改変BMPを、無菌の生体適合性組成物の一部として、外科的移植または注射によって組織部位に直接提供することができる。あるいは、改変型BMPによって刺激された前駆体細胞を含む無菌の生体適合性組成物を、組織部位に提供することができる。病気であるか損傷された、その部位の既存の組織は、前駆体細胞の増殖および組織特異分化を可能にするのに適当なマトリックスを提供する。さらに、損傷されたまたは病気の組織部位、特に外科的手段によってさらに損傷を受けたものは、形態形成的に寛容な環境を提供する。一部の組織については、改変BMPの全身的供給が十分であることが想定される。
場合により、特に組織損傷が多大な場合、組織は細胞流入および増殖のために十分なマトリックスを提供することができないかもしれない。これらの例では、下で記載の手段のいずれかによって調製される、適する生体適合性製剤化マトリックスと一緒に、改変BMPまたは改変型BMPによって刺激された前駆体細胞を組織部位に提供することが必要であろう。好ましくはマトリックスは組織特異的で、インビボで生物分解性であり、70〜850μm、最も好ましくは150〜420μmの範囲の寸法を有する粒子を含む。
本発明の改変BMPは、損傷の後の瘢痕組織形成を予防するか、実質的に阻害するために用いることもできる。改変BMPが新しい損傷組織部位に提供される場合、それはその部位で組織形態形成を誘導することができ、非分化結合組織へ移動する線維芽細胞の集合を阻止する。好ましくは、改変BMPは、損傷の5時間以内に組織部位に注入される無菌の医薬用製剤として提供される。
例えば、改変BMPは、部分肝切除の後の、かなり傷ついた肝臓組織のタンパク質誘発形態形成のために用いることができる。この一般的なプロトコルの変形形態を、他の組織のために用いることができる。一般的な方法は、組織の基本的に非再生性の部分を切り取り、改変BMPを、好ましくは溶解性の医薬用製剤として切り取られた組織部位へ提供し、創傷を閉じ、その部位を後日調べることを含む。骨と同様に、肝臓は、胎児後の生命で損傷後に再生する能力を有する。
別の例として、本発明の改変BMPは、象牙質形成を誘導するために用いることもできる。今まで、損傷に対する歯髄組織の予測不能な応答は、歯科において基本的な臨床上の問題である。標準の歯科外科的手順を用いて、試料歯の歯髄の真上のエナメルおよび象牙質を(ドリリングによって)除去し、歯冠歯髄組織の部分切断を実施し、止血、歯髄治療の適用を誘導し、標準手順によって空洞を密封、充填することによって、歯髄の小さな領域(例えば、2mm)を外科的に曝露させることができる。
別の例として、中枢神経系(CNS)修復に対する改変型BMPによって誘導される再生的影響は、ラット脳穿刺モデルを用いて評価することができる。簡潔に、雄のLong Evansラットを麻酔し、頭部領域を手術のために調製する。標準の外科的手順を用いて頭蓋冠を露出させ、0.035Kワイヤーを用い、各葉の中心に向かって頭蓋冠を丁度突き通す穴をあけた。次に改変BMPまたはPBSを含む25μlの溶液を、ハミルトン注射器によって各穴に提供する。表面から約3mm下の深さの、下にある皮質、脳梁および海馬に溶液を送達する。次に皮膚を縫合し、動物を回復させる。
手術から3日後、ラットを断頭によって屠殺し、区分けのためにそれらの脳を処理する。瘢痕組織形成は、グリア瘢痕のためのマーカータンパク質であるグリア原線維酸性タンパク質の免疫蛍光染色によって評価し、瘢痕形成の程度を定性的に測定する。
(実施例1)
アルカリホスファターゼ活性のBMP誘導
ラット骨肉腫細胞系ROS 17/2.8でアルカリホスファターゼ(ALP)活性を誘導するBMP−2、BMP−4、BMP−5、BMP−6、BMP−7、GDF−5およびGDF−6の能力を検査した。各成長因子を、9点用量応答において3反復で試験した。詳細には、ROS 17/2.8細胞を、96ウェル組織培養プレートに平板培養した。BMP/GDFを以下の投薬量、6000、2000、666、222、74、24、8、2および0.9ng/mlで細胞に加え、48時間インキュベートした。細胞をその後溶解し、ALP活性を誘導する成長因子の効力を、試料の平均光学濃度(OD)の非線形回帰から誘導されたEC50に基づいて評価した(図26を参照)。
図25で示すように、試験したBMPのすべては頑健な活性を証明したが、GDF−5およびGDF−6は有意に活性が低かった。試験した成長因子の中で、BMP−6はアルカリホスファターゼ活性の誘導において最も高い効力を示し、BMP−7、BMP−4、BMP−2、BMP−5、GDF−5およびGDF−6が続いた(最も高い効力から最も低い効力の順)。
(実施例2)
一団の例示的なBMPおよび関連タンパク質のNoggin阻害
NogginによるBMP阻害は、当初、ROS 17/2.8細胞において、当技術分野で認められるアルカリホスファターゼに基づくアッセイを用いて評価した。簡潔には、ROS 17/2.8細胞を、96ウェル組織培養プレートに平板培養した。BMP−2、−4、−6および−7を、濃度を段々と高めたNogginと混合し、室温で30分間インキュベートした。その後、各BMPの最終濃度が50ng/mlであるように、この混合物をROS細胞に加えた。アッセイは、3反復で実施した。対照ウェルは、Nogginの非存在下で各BMP単独で処理した細胞からなった。処理後48時間、細胞をインキュベートした。細胞をその後溶解し、BMPによって誘導されたアルカリホスファターゼ総活性を、標準のプロトコルに従って測定した。Nogginに対する各BMPの感受性は、阻害率で報告した。試験したNoggin濃度の各々について、阻害率を以下の式によって計算した:
阻害率=((AP対照−AP Noggin)/AP対照)×100
上式で、「AP対照」は、Nogginを含まない対照ウェルでの平均(n=3)アルカリホスファターゼ活性であり;「AP Noggin」は、Nogginの指示濃度で処理されたウェルでの平均(n=3)アルカリホスファターゼ活性である。
図11に示すNoggin用量反応曲線は、データを非線形回帰にあてはめることによって誘導した。次に、分析した各BMPに対応するNogginのIC50値を計算し、結果を図11に示す。これらの結果は、試験した4つのBMPがNogginによって差別的に阻害されることを示す。BMP−4はNoggin阻害に最も感受性であり、BMP−2、BMP−7がそれに続き、BMP−6が最も低感受性である(図11および26を参照)。BMP−4、BMP−2およびBMP−7はNoggin阻害に明らかに感受性であるが、BMP−6はNoggin阻害に著しい耐性を実証し、IC50値は、試験した他のBMPのそれより4〜16倍高く、Noggin阻害に最も低感受性であった(図11および26を参照)。データは、48時間および144時間の時点で再現性があった。
これらのデータは、A549−BRE細胞を用いる、BMPによって誘導された常用のレポーター遺伝子ルシフェラーゼアッセイ(RGA)で確認された。簡潔には、Noggin阻害へのBMPの感受性は、BMP応答要素、BREによって誘起される蛍ルシフェラーゼ遺伝子を含むA549−BRE細胞を用いて試験した。A549−BRE細胞を、96ウェル組織培養プレートの1%FBSを含むF12K培地に播種した。BMP−2、−4、−6および−7を、濃度を段々と高めたNogginと混合し、室温で30分間インキュベートした。その後、各BMPの最終濃度が150ng/mlであるように、この混合物をA549−BRE細胞に加えた。対照ウェルは、Nogginの非存在下で各BMP単独で処理した細胞からなった。処理後24時間、細胞をインキュベートした。細胞をその後溶解し、BMPによって誘導された総ルシフェラーゼ活性は、Bright Glo試薬(Promega)を製造業者の推奨に従って用いて測定した。Noggin阻害に対する各BMPの感受性は、阻害率で報告した。試験した各Noggin濃度について、阻害率を以下の式によって計算した:
阻害率=((Luc対照−Luc Noggin)/Luc対照)×100
上式で、「Luc対照」は、Nogginを含まない対照ウェルでの平均(n=3)ルシフェラーゼ活性であり;「Luc Noggin」は、Nogginの指示濃度で処理されたウェルでの平均(n=3)ルシフェラーゼ活性である。
このアッセイでは、150ng/mlのBMP−6の存在下で達成された最大阻害は、約25%であった(図12A)。
このアッセイは、試験したBMPの内で、BMP−6がNogginによる阻害に最も低感受性であることを確認した。この結果がROS 17.8細胞およびA549−BRE細胞の両方で得られたことを考慮すると、noggin阻害へのBMP−6の耐性は、特定の細胞型またはアッセイ系に限定されなく、むしろBMP−6の内在性の特徴である。
QPCRによるBMPによって誘導されたID−1遺伝子の発現(図12B)を常用の材料および方法を用いて測定した後に、類似したデータがhMSCでも得られた。このアッセイでは、Noggin阻害へのBMPの感受性は、ヒト骨髄由来間葉性幹細胞(hMSC)を用いて試験した。手短に言えば、hMSCを48ウェル組織培養プレートに播種した。BMP−2、−4、−6および−7を、0.5μg/mlまたは1/5μg/mlのNogginと混合し、室温で30分間インキュベートした。その後、各BMPの最終濃度が50ng/mlであるように、この混合物をhMSC細胞に加えた。陽性対照ウェルは、Nogginの非存在下で各BMP単独で処理した細胞からなった。バックグラウンドとも呼ばれる陰性対照ウェルは、媒体単独で処理した細胞からなった。処理後24時間、細胞をインキュベートした。細胞をその後溶解し、ポリA RNAを単離し、cDNAを合成した。BMPによるID−1転写産物の誘導は、7900HTリアルタイムPCRシステム(Applied BioSystems)を製造業者のプロトコルに従って用いて、定量的PCRによって測定した。データ分析のために、標準のデルタ/デルタCt方法を用いた。
図12Bに示すように、NogginおよびBMP−2、−4および−7の存在下でのID−1遺伝子発現は、BMP−2、−4および−7単独の存在下でのID−1遺伝子発現と比較して有意に減少した。対照的に、0.5μg/mlのNogginおよびBMP−6の存在下でのID−1遺伝子発現のレベルは、BMP−6単独の存在下と事実上同じであった。1.5μg/mlのNogginおよびBMP−6の存在下でさえ、ID−1遺伝子発現はNogginのより低い濃度よりも減少したものの、発現レベルは、なお、対照でのID−1のバックグラウンド発現のレベルの2倍以上であった。
(実施例3)
一次ヒト骨髄由来間葉性幹細胞における下流遺伝子のBMP−6誘導は、Noggin阻害に対してより低感受性である。
一次ヒト骨髄由来間葉性幹細胞(hMSC)でのBMP−6刺激の後のシグナル伝達事象に及ぼすnogginの影響を試験した。BMPによる刺激の後、hMSCは、1型および2型受容体のオリゴマー化、および、BMP標的遺伝子の転写調節をもたらすSmad1/5/8のリン酸化を含む、シグナル伝達カスケードを開始する。
標準のプロトコルに従ってnogginの存在下または非存在下で、Id−1、Dlx−5、Sp−7、Msx−2、ALPおよびnoggin自体を含む6つのBMP標的遺伝子の転写産物のレベルを、BMP−6またはBMP−7によって刺激された細胞での定量的ポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)によって比較した。詳細には、hMSCを48ウェル組織培養プレートに播種した。BMP−6およびBMP−7を、1μg/mL Nogginと室温で30分間インキュベートした。次に、この混合物を、BMPの50ng/mLの最終濃度までhMSC培養物に加えた。陽性対照ウェルは、Nogginの非存在下で各BMP単独で処理した細胞からなった。陰性対照ウェルは、未処理の細胞およびNoggin単独で処理した細胞からなった。処理後24時間、細胞をインキュベートした。細胞をその後溶解し、ポリA RNAを単離し、cDNAを合成した。
BMP−6またはBMP−7処理の後のId−1、dlx−5、Sp−7、msx−2、ALPおよびNogginの遺伝子発現の調節をnogginの存在下または非存在下で評価し、結果を図27A〜Fに示す。標的遺伝子Id−1、dlx−5、Sp−7、msx−2およびnogginについては、BMP−7によって媒介された転写の誘導は、nogginによって有意に阻害された(図27A〜E)。対照的に、nogginは、BMP−6によって誘導される、Id−1、Dlx−5、Sp−7およびnogginの転写の誘導に有意に影響を及ぼさなかった(図2A〜CおよびE)。興味深いことに、nogginによるhMSC処理は、いかなるBMPも存在しない場合、ALP遺伝子発現の誘導をもたらした(図2)。この影響は、BMP−6またはBMP−7によって拮抗された(図2F)。
(実施例4)
Noggin阻害への顕著な耐性を有するBMP−7変異体タンパク質
BMP−6がNoggin阻害に耐性であることを考慮すると、この特徴の原因を判断してそれを利用することは、Nogginに同じく耐性である他のBMPの変異体を作出することを可能にするであろう。この目的のために、BMP−6のアミノ酸配列、および、noggin阻害にかなりより感受性であるその最も近いパラログ、BMP−7を比較した。図13は、成熟したBMP−7およびBMP−6の略図を示す。これらの2つのタンパク質は、非常に相同的である。しかし、多様なアミノ酸は、図13に表す3つの領域、領域1〜40、45〜80および90〜120に分類される。BMP−6およびBMP−7の成熟ペプチドの配列アラインメントは、これらの分子がそれらのアミノ末端(図16の残基1〜40)で最も異なることを明らかにした。成熟ペプチドの第一のシステイン以外に、11個の残基だけがBMP−7とBMP−6の間で異なることがわかった(図16を参照)。
nogginに対する耐性の増強を担うBMP−6残基を特定するために、アラインメントに基づき、3つのBMP−6/BMP−7キメラを作出した(図13を参照)。これらの差を抱えるキメラタンパク質は、BMP−7でのその対応する部分に代わってBMP−7配列に置かれるBMP−6断片をもたらす、組換え再構築およびドメインスワッピングによって生成させた。具体的には、3つのBMP−7突然変異体タンパク質を、(1)BMP−7のアミノ末端領域配列Ser1〜Lys40(配列番号1の残基1〜40)をBMP6の配列Ser1〜Lys40(配列番号3の残基1〜40)で(「40−1」キメラまたは変異体と命名)(29個のアミノ酸の差);(2)BMP−7の中央のアミノ酸領域配列Val45〜Asn80(配列番号1の残基45〜80)をBMP−6の配列Val45〜Asn80(配列番号3の残基45〜80)で(「80−1」キメラまたは変異体と命名)(7つのアミノ酸の差);および、(3)BMP−7のカルボキシ末端アミノ酸領域配列Leu90〜Ser120(配列番号1の残基90〜120)をBMP−6の配列Leu90〜Asn120(配列番号3の残基90〜120)で(「90−1」キメラまたは変異体と命名)(5つのアミノ酸の差)置換することによって作製した(図13および16を参照)。
次に、一時的なトランスフェクションによって、3つのキメラをHEK−293T細胞で発現させた。トランスフェクトされた細胞からのならし培地(CM)を収集し、組換え体タンパク質発現について分析し、その後noggin阻害に対する感受性について試験した。ヒトBMP−7成熟ペプチドに対するポリクローナル抗体を用いるウェスタンブロット分析は、ならし培地で正しく処理されたキメラを検出した。これらの3つの突然変異体構築物の中で、40−1および80−1はHEK−293T細胞で類似したレベルで発現されたが、90−1はいくらか低いレベルで発現された。
3つのキメラ、ならびに、野生型BMP−6および野生型BMP−7を発現するプラスミドでトランスフェクトされた細胞からのならし培地を、その後、前述の通り、A549−BRE細胞でのレポーター遺伝子アッセイによってそれらの活性およびnoggin阻害に対する感受性について試験した。Noggin阻害への感受性は、nogginの3つの濃度(N1=100ng/ml、N2=500ng/mlおよびN3=1000ng/ml)の存在下で評価し、結果を図14に示す。
予想通りに、BMP−7は用量依存的に阻害されたが、BMP−6はnogginに顕著な耐性を証明した。40−1および90−1の活性は、野生型BMP−7のそれに類似した程度でnogginによって阻害された。対照的に、また、野生型BMP−6で観察されたように、キメラ80−1は、Nogginの全3つの濃度でnoggin阻害に顕著な耐性を示した。これらの結果は、指1の一部および手首ドメインにわたる成熟ドメインの残基45〜80から延長するBMP−6配列が、noggin耐性を付与する役割を担うことを示唆する。さらに、配列操作によってBMP−6のこの特異的特徴を異なるBMPに組み入れることができることが証明された。
80−1の場合に観察されたnoggin耐性が、発現レベルの差、またはならし培地中の他の要素の存在によるという可能性を排除するために、80−1キメラの生成をスケールアップし、生じたタンパク質をさらなる特性評価のために精製した。この実行のために、HEK−293T細胞での80−1の大規模トランスフェクションを実施した。ならし培地を収集し、分泌された80−1を標準の技術で精製した。
次に、精製された80−1の活性およびnogginへの感受性を、精製された野生型BMP−6および野生型BMP−7と並べて比較した。濃度を段々に増加させたnogginの存在下で、タンパク質(BMP−6、BMP−7および80−1)の各々を100ng/mlで試験した。nogginの完全な用量反応曲線が、3つのタンパク質のそれぞれについて導かれ、それらを図28に示す。予想通り、精製された80−1キメラは、Noggin阻害に対して野生型BMP−7よりも耐性であった。キメラのnoggin反応曲線は、BMP−6のそれに類似し、一時的なトランスフェクションからのCMを用いて上で観察された知見が確認された。
これらの結果は、Noggin阻害に対する耐性を付与するのに重要な残基が、残基Val45とAsn80との間のアミノ酸配列の範囲に位置することを示す。図16の配列アラインメントに示すように、BMP−7およびBMP−6は、この領域において7つのアミノ酸残基が異なる。したがって、80−1は以下のアミノ酸置換、R48Q、E60K、Y65N、E68D、A72S、S77AおよびY78Hを有する、天然のBMP−7の配列を有する。
さらに、これらの3つの突然変異体構築物の中で、40−1および80−1はHEK−293T細胞で類似したレベルで発現されたが、90−1はいくらか低いレベルで発現されたことを考慮すると、80−1突然変異体で見られる突然変異を有するようにBMP−7を突然変異させることは、BMP−7の発現の増加を提供することができ、BMP−7の生成を向上させるために、また最大化するためにも有用であろう。例えば、位置R48、E60、Y65、E68、A72、S77およびY78の突然変異は、同じ発現系で野生型BMP−7の発現レベルを超える、BMP−7の高い発現に寄与することができる。また、二重、三重および四重の突然変異体、すなわち、突然変異体は位置R48、E60、Y65、E68、A72、S77およびY78の2つ以上で改変を有する突然変異体も、同じ発現系で野生型BMP−7を超える、突然変異体BMP−7の高い発現レベルを付与することができる。例えば、位置R48、E60、Y65およびA72で改変を有する突然変異体BMP−7は、同じ発現系で野生型BMP−7を超える、突然変異体BMP−7の高い発現レベルを付与することができる。さらに、改変R48A、E60K、Y65NおよびA72Sを有する突然変異体BMP−7は、同じ発現系で野生型BMP−7を超える、突然変異体BMP−7の高い発現レベルを付与することができる。
(実施例5)
BMP−6の単一の残基が、Noggin阻害に対する耐性の媒介で必要不可欠な役割を演ずる
BMP−6およびBMP−7の成熟ペプチドのアラインメントは、残基45〜80から延長する領域の中で、7つの残基がBMP−6とBMP−7との間で異なることを示した(図16を参照)。noggin耐性を与える役割を担う残基(複数可)をさらに絞り込むために、野生型BMP−7と異なる80−1の7つの残基の各々を、図29Aに示すようにBMP−7のその対応する残基に戻し突然変異させた。この方法で生成された80−1の復帰突然変異体(「Rev」と命名)は、前述の通りに、nogginの3つの濃度(N1=100ng/ml、N2=500ng/mlおよびN3=1000ng/ml)に対するそれらの感受性について試験した。結果を、図29A〜Bに要約する。
80−1の7つの復帰突然変異体のうちの5つ、Rev Q48R(配列番号33)、Rev D68E(配列番号36)、Rev S72A(配列番号37)、Rev A77S(配列番号38)およびRev H78Y(配列番号39)は、3つのnoggin投薬量について図29AおよびBに示す相対活性データが示すように、Nogginに対して80−1および野生型BMP−6と同じくらい耐性であった。これらのデータは、これらの残基がnoggin耐性のために本質的でないことを示唆する。対照的に、リジン60をグルタミン酸に復帰させること(Rev K60E)は、80−1と比較してnogginに対する感受性の顕著な増加をもたらした。図29A〜Bに示すように、Rev K60E(配列番号34)は、Noggin濃度が高くなるに従い、86%、51%および32%の相対活性を有した。この結果は、リジン60(K60)が、noggin阻害への耐性に寄与する重大な残基であることを示唆する。
別の実験セットでは、残基45〜80の間で延長する領域の中でBMP−6とBMP−7との間で異なる残基を標的にする単一または複数の突然変異を有するBMP−7変異体を、図30Aに示すように作製した。これらの実験において、BMP−7残基(複数可)をBMP−6配列中のそれらの対応するアミノ酸で置換するために、部位特異的突然変異誘発を用いた。前述の通り、これらの突然変異体は、その後、一時的なトランスフェクションによって293T細胞で発現された。次に、これらの組換え突然変異体を含むならし培地を、前に記載のアッセイに従って、noggin耐性についてnogginの3つの濃度(N1=100ng/ml、N2=500ng/mlおよびN3=1000ng/ml)でスクリーニングした。
80−1復帰突然変異体で得られた結果と一貫して、突然変異体BMP−7 E60Kは、nogginに対して野生型BMP−7よりも耐性であった。突然変異体Y65Nも、noggin耐性に対して最小限であるが多少の影響を及ぼした。例えば、図30に示すように、野生型BMP−7は1000ng/mlのnogginでわずか15%の相対活性を有したが、BMP−7 E60Kは53%の活性を有した。突然変異体Y78Hはnoggin感受性に対して有意な影響を及ぼさず、野生型BMP−7の15%の相対活性と比較して、1000ng/mlのnogginで31%の相対活性を提供した。これらのデータは、リジン60(K60)がnoggin阻害に対する感受性を与えることにおいて、主要な役割をすることをさらに裏付ける。
興味深いことに、位置48、60および65で突然変異を含む三重突然変異体BMP−7 R48Q/E60K/Y65N(配列番号25)は、noggin耐性をさらに強化した。図30A〜Bに示すように、1000ng/mlのnogginでの三重突然変異体の相対活性は63%であり、73%であったその濃度のBMP−6の活性に非常に近い。図34に示すように、3つの点突然変異の1つずつだけを有するBMP−7突然変異体のNogginによる%阻害はnogginによる阻害に対して様々な程度の耐性を証明したが、三重突然変異体は、最も高いnoggin濃度でBMP−7 E60K突然変異体よりも低い阻害率を示した(図34)。三重突然変異体からのデータは、noggin感受性を媒介することにおいて、これらの残基の間に相乗効果があることを示唆する。
(実施例6)
Noggin感受性を媒介することにおけるBMP−6のK60の機能は、進化の過程で保存されている
細胞外のアンタゴニストとのBMPの相互作用は、これらの成長因子の活性を調節するための重要な負のフィードバックループ機構である。noggin感受性のために重要であることがわかった位置60のBMP−7グルタミン酸残基が他のBMPの間で保存されているかどうかを判断するために、BMP−2、4、5、6、7および9を含む一団のBMPの、この残基を囲むアミノ酸配列を比較したが、それらを、図31Aに示す(アミノ酸はBMP−7に従って番号付けした)。BMP−6およびBMP−9の配列だけが、位置60にリジンを含む。対照的に、BMP−2、−4、−5および−7は、この位置にプロリン残基かグルタミン酸残基を有する。
noggin耐性を与えることにおけるK60の重要性を確認するために、nogginの3つの濃度(N1=100ng/ml、N2=500ng/mlおよびN3=1000ng/ml)で、nogginに対するそれらの感受性について精製された組換え体BMP−2、−6、−7、−9およびBMP−7 E60Kを試験した。結果を、図31Bに示す。前に証明されたように、BMP−2はnoggin阻害に最も感受性で、BMP−7がそれに続いた。対照的に、様々な濃度のnogginの存在下でのそれらの高い相対活性が証明するように、BMP−6、BMP−9 BMP−7 E60Kのすべてはnogginに耐性であった。これらの結果は、noggin耐性を媒介することでのK60の役割をさらに裏付ける。
次に、それがnoggin耐性が増強されたBMP−2突然変異体を生成するかどうかを判定するために、リジン残基をBMP−2配列のBMP−6 K60に対応する位置に導入した。そのような突然変異体を生成し、BMP−2/P36Kと称した。
BMP−2 P36K突然変異体(配列番号40)を、293T細胞にトランスフェクトさせた。次に、BMP−2/P36Kおよび野生型BMP−2および野生型BMP−6構築物のいずれかでトランスフェクトさせた293T細胞からのならし培地を、nogginの3つの濃度(N1=100ng/ml、N2=500ng/mlおよびN3=1000ng/ml)で、noggin感受性について試験した。結果を、図31C示す。予想通りに、BMP−2 P36Kは、野生型BMP−2と比較してnoggin耐性の有意な増加を証明した。しかし、このBMP−2突然変異体は、なおnogginに対して野生型BMP−6よりも感受性で、BMP−2で完全なnoggin耐性を与えるために追加の残基が必要なことを示した。
BMP−6の位置60に対応する残基の点突然変異を有する追加の突然変異体を作製し、これらの突然変異がnoggin阻害に対してより高い耐性を与えるかどうかを判定するために試験する。詳細には、突然変異体BMP−4 P38K(配列番号41)、BMP−5 E53K(配列番号42)、GDF−5 L51K(配列番号43)、GDF−6 L51K(配列番号44)およびGDF−7 L50K(配列番号45)を標準の技術で生成して、293T細胞にトランスフェクトする。これらの突然変異体、ならびに野生型BMP−6、BMP−4、BMP−5、GDF−5、GDF−6およびGDF−7でトランスフェクトさせた293T細胞からのならし培地を、nogginの3つの濃度(N1=100ng/ml、N2=500ng/mlおよびN3=1000ng/ml)で、noggin感受性について試験する。結果は、これらの突然変異体のそれぞれが、それらの野生型対応物を超える、より高いnoggin耐性を有することを示す。
(実施例7)
BMP−6の他の残基がnoggin耐性を与える。
BMP−7と異なる残基45〜80からのBMP−6の部分の残基が、一緒に組み合わせた場合にBMP−7でnoggin耐性を誘導することができるかどうかを判断するために、様々な二重、三重および四重の突然変異体を作製した。BMP−7突然変異体配列を、図32に示す。
作製した5つの突然変異体は、E60K点突然変異に加えて点突然変異を含み、noggin阻害耐性に寄与する他の残基の判定を可能にした。詳細には、突然変異体BMP−7 R48Q/E60K(配列番号23)、BMP−7 R48Q/E60K/S77A(配列番号24)、BMP−7 R48Q/E60K/Y65N(配列番号25)、BMP−7 E60K/Y65N(配列番号26)、BMP−7 E60K/Y65N/A72S(配列番号27)およびBMP−7 R48Q/E60K/Y65N/A72S(配列番号28)を標準の技術によって生成し、その後、293T細胞にトランスフェクトさせ、発現させた。発現された突然変異体、ならびに野生型BMP−6およびBMP−7を含む、トランスフェクトされた293T細胞からのならし培地を、nogginの3つの濃度(N1=100ng/ml、N2=500ng/mlおよびN3=1000ng/ml)で、noggin阻害に対する感受性について試験した。これらの5つの突然変異体のすべては、野生型BMP−7と比較してnoggin阻害に対するより高い耐性を付与し(それらのうちの4つを図34に示す)、位置60に加えての位置がnoggin耐性を付与することができることを示す。詳細には、図34に示すように他の二重および三重突然変異体と比較して、BMP−7 R48Q/E60K/Y65N/A72S(配列番号28)がnoggin阻害に対して最も高い耐性を示した。
BMP−7の位置60にリジンが存在しない場合にnoggin耐性が付与されるかどうかを判断するために、位置60の突然変異を有しない2つの突然変異体も作製した。詳細には、突然変異体BMP−7 R48Q/S77A(配列番号22)およびBMP−7 Y65N/Y78H(配列番号29)を標準の技術によって構築し、その後、293T細胞にトランスフェクトおよび発現させた。発現された突然変異体、ならびに野生型BMP−6およびBMP−7を含む、トランスフェクトされた細胞からのならし培地を、nogginの3つの濃度(N1=100ng/ml、N2=500ng/mlおよびN3=1000ng/ml)で、noggin阻害に対する感受性について試験した。これらの突然変異体の各々は、野生型BMP−7と比較してnoggin阻害に対してより高い耐性を付与し、位置60のリジン以外の他の残基がNoggin耐性に寄与することができることを示した。
(実施例8)
本発明によるBMP突然変異体は、インビボ活性を有する。
ラットモデル
本発明の様々な突然変異体BMPの機能を、インビボバイオアッセイで評価する。参照により本明細書で組み込まれるSampathおよびReddi((1983年)Proc. Natl. Acad. Sci. USA80 6591 6595)によって記載される骨誘導のバイオアッセイを用いて、移植された突然変異体の軟骨内性骨分化活性を監視する。このアッセイは、エーテル麻酔下のレシピエントラットの皮下部位に、検査試料を移植することからなる。28〜32日齢の雄のLong−Evansラットを用いる。無菌条件下で胸部上の皮膚に垂直切開(1cm)を設け、ブラントジセクションによってポケットを作る。適するマトリックスで運ばれる突然変異体BMPの約25mgの試験試料をポケット内に深く移植し、金属皮膚クリップで切開を閉じる。対照ラットには、何も移植しない。移植の日は、実験の1日目と指定する。インプラントは、12日目に除去する。ヘテロトロピック部位は、直伸部位の使用から生じる可能性のある曖昧性なしで、骨誘導の試験を可能にする。
骨誘導活性は、アルカリホスファターゼの特異的活性および12日目のインプラントのカルシウム含有量によって生化学的に測定する。アルカリホスファターゼの特異的活性の増加は、骨形成の開始を示す。他方、カルシウム含有量は、インプラントで形成される骨量に比例する。したがって、骨形成は、ラットで12日目にインプラントのカルシウム含有量を測定することによって計算され、「骨形成単位」で表され、そこにおいて、骨形成1単位は、12日目にインプラントの最大半の骨形成活性に必要とされるタンパク質の量を表す。元の脱ミネラルラット骨基質によって示される骨誘導は、このアッセイでは比較目的のための最大骨分化活性であるとみなされる。
移植されたBMP突然変異体は、(1)1日目の多核白血球による一過性の浸潤;(2)2日目および3日目の間葉性細胞移動および増殖;(3)5日目および6日目の軟骨細胞出現;(4)7日目の軟骨基質形成;(5)8日目の軟骨カルシウム沈着;(6)9日目および10日目の血管侵入、骨芽細胞の出現、および新しい骨の形成;(7)12〜18日目の破骨細胞の出現、骨再形成、および移植されたマトリックスの溶解;ならびに、(8)21日目の小骨での造血骨髄分化を含む、タンパク質誘導軟骨内性骨成長の段階を通して、制御された進行を示す。結果は、新しい骨の形が移植マトリックスの形に適合することを示す。
インプラントでの骨形成の程度を測定するために、組織セクショニングおよび染色が好ましい。インプラントをブアン溶液で固定し、パラフィンに包埋し、6〜8μm切片に切断する。トルイジン青またはヘマトキシリン/エオシンによる染色は、突然変異体BMPの12日目のインプラントにおける、軟骨内性骨の最終的な成長を明らかに証明する。
アルカリホスファターゼ活性を、骨形成のマーカーとして用いる。酵素活性は、インプラントのホモジナイゼーションの後、分光測光法で測定する。活性はインビボで9〜10日でピークに達し、その後徐々に低下する。組織学によっていかなる骨成長も示さないインプラントは、これらのアッセイ条件下でほとんどまたは全くアルカリホスファターゼ活性を有しない。アッセイは、インプラントをラットから取り出した直後に、骨形成の定量化およびその推定値を得るために有用である。あるいは、骨形成量は、インプラントのカルシウム含有量を測ることで求めることができる。
本発明による突然変異体BMPを含むインプラントの組織学的検査は、これらのタンパク質が真の骨形成活性を有することを示す。
ウサギモデル
X線によって実証される骨端閉鎖をもつ、8匹の成熟した(10ポンド未満)ニュージーランドホワイトウサギを試験する。本発明による1つの突然変異体BMP種をそれぞれ含むマトリックスを移植したウサギに、1.5cmの欠損を形成する。対照欠損には、何も移植しない。
8匹の動物(1週後および2週後に、それぞれ1匹の動物を屠殺した)のうち、11個の尺骨欠損を、8週試験の全過程で追跡する。骨−骨膜骨切除の後のすべての症例(n=7)において、無インプラント動物は、8週までにいかなるX線撮影結合も確立しない。すべての無インプラント動物は、4週間後に、および、8週までにわずかにより高い程度で存在する周囲の骨から成長する骨の薄い「シェル」を発達させる。すべての症例(n=4)において、顕著な骨誘導を有するX線撮影結合が、BMP突然変異体を移植した動物で8週までに確立される。無インプラント修復とは対照的に、この骨は、除去された骨の部位にある。
放射線形態計測分析は、8週後の屠殺時に、90%のBMP突然変異体−インプラント骨修復、および18%の無インプラント骨修復を明らかにする。剖検時、BMP突然変異体−インプラント骨は正常に見えるが、「無インプラント」骨部位は欠損部位に線維状軟組織だけを有し、軟骨または骨修復の証拠はない。
別の実験では、1.5cm尺骨欠損の髄腔に本発明のBMP突然変異体タンパク質およびウサギ骨粉末を詰め、骨は介在方法で同種移植する。対照動物には、タンパク質および骨粉末を投与しない。2つの陰性対照尺骨は8週までに治癒せず、古典的な「象牙」状の外観を示す。明確に対照的に、BMP処理インプラントは4週までにX線撮影的に「消失」し、6〜8週までに再ミネラル化が始まる。これらの同種異系移植は、8週までに各末端が治癒し、軽い増殖性骨形成が起こる。したがって、本発明による突然変異体BMPを有するこの考案物は、同種移植修復を促進する役目を果たす。
成熟ウサギの尺骨での1.5cm骨骨膜欠損のこれらの試験は、以下のことを示す。(1)それが、骨成長の研究に適するモデルである;(2)「無インプラント」または陰性対照インプラントは、少量の骨膜型骨を与えるが、髄質または皮質の骨成長を与えない;(3)BMP突然変異体を移植したウサギは、対照群と非常に異なる方法で増殖性骨成長を示す;(4)初期の試験は、外科的欠損の形成からわずか8週間後に、骨が正常な骨強度(正常相関vol:volの100%)の50%を示すことを示す;ならびに、(5)BMP突然変異体−同種異系移植試験は、同種異系移植および骨創の治癒に対する顕著な効果を明らかにする。
(実施例9)
本発明によるBMP突然変異体は、野生型BMPよりも低い量で、インビボ骨形成活性を誘導する。
BMP−7(OP−1)を投与されたインプラント部位は、非インプラント部位と比較して高レベルのnogginを有することが観察された。したがって、インプラント部位で経験されるような、高レベルのBMPの存在は、noggin発現を誘導すると考えられている。BMP−7の影響を中和するために、nogginの発現を増加させる調節機構にBMP−7が関与していると推測される。移植部位で骨形成および軟骨形成活性を誘導するのに高濃度のBMP−7が必要であるので、インプラント部位で骨形成および軟骨形成活性を誘導することにおいて、nogginによって阻害されない本発明による突然変異体BMPが、その野生型対応物よりも低い濃度で有効であることが予測される。これは、BMPにnogginが結合せず、骨および軟骨形成に至るカスケード事象の活性化が阻止されないからである。
この仮説を検証するために、12匹の成熟した(10ポンド未満)ニュージーランドホワイトウサギをとり、1.5cmの欠損を尺骨に形成する。4匹のウサギに、25mgのBMP−7を含むマトリックスを移植する。4匹のウサギに、25mgのBMP−7 E60Kを含むマトリックスを移植する。4匹の対照ウサギについては、欠損に移植しない。
2週間後、ウサギを屠殺し、尺骨を抽出する。対照動物については、周囲の骨から成長する骨の薄い「シェル」が存在する。骨強度を試験して、正常な骨強度(正常な相関vol:volの100%)の5%であることがわかる。BMP−7マトリックスを含有するウサギについては、骨成長は起こるが、平均骨強度は正常な骨強度の5%である。対照的に、BMP−7突然変異体マトリックスウサギについては、骨成長が起こり、平均骨強度は正常な骨強度の50%である。したがって、移植マトリックスで同等の濃度のBMPが提供されると想定すれば、突然変異体BMP−7は同じ期間でより多くの骨形成増殖を誘導することができ、それは、BMP−7突然変異体移植尺骨の増加した骨強度によって表される。
この結果は、別の手法をとることによって検証される。12匹の成熟した(10ポンド未満)ニュージーランドホワイトウサギをとり、1.5cmの欠損を尺骨に形成する。4匹のウサギに、100mgのBMP−7を含むマトリックスを移植する。4匹のウサギに、25mgのBMP−7 E60Kを含むマトリックスを移植する。4匹の対照ウサギについては、欠損に移植しない。
2週間後、ウサギを屠殺し、尺骨を抽出する。対照動物については、周囲の骨から成長する骨の薄い「シェル」が存在する。平均骨強度を試験して、正常な骨強度(正常な相関vol:volの100%)の5%であることが再びわかる。BMP−7マトリックスを含有するウサギについては、骨成長が起こり、平均骨強度は正常な骨強度の45%である。BMP−7突然変異体マトリックスウサギについては、骨成長が起こり、平均骨強度は正常な骨強度の50%である。したがって、結果は、同じ期間で本発明のBMP−7突然変異体のより低い濃度と同じレベルの骨形成増殖を誘導するのに、野生型BMP−7のより高い濃度が必要であることを示す。
(実施例10)
本発明のBMP突然変異体は、ヒト患者で低い濃度で骨および軟骨の増殖を誘導することにおいて選択的である。
2名のヒト患者のそれぞれは、腰椎で後外側融合を達成するための治療を必要とする。1名の患者では、ウシ骨コラーゲンおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム(OP−1(登録商標)Putty、Stryker Biotech、Hopkinton、MAに類似する)のマトリックス中の1.5mgのBMP−7 E60Kを、脊柱の各側の融合を必要とする部位に外科的に移植する。移植の前に、マトリックスを滅菌生理食塩水(0.9%)溶液で再構成する。他の患者では、ウシ骨コラーゲンおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム(OP−1(登録商標)Putty、Stryker Biotech、Hopkinton、MAに類似する)のマトリックス中の3.5mgの野生型BMP−7を、脊柱の各側の融合を必要とする部位に外科的に移植する。
数カ月の第一の期間の後、各患者の脊柱を放射線検査、例えばX線によって調べ、融合箇所での骨成長の存在を判定する。BMP−7 E60Kを投与される患者では、骨成長が融合部位で検出される。しかし、融合は完全でない。野生型BMP−7を投与される患者では、BMP−7 E60Kを投与される患者の場合と同じレベルの骨成長が検出される。また、脊柱の融合は完全でない。
数カ月の第二の期間の後、数カ月の第一の期間と同じく、各患者の脊柱を再び放射線検査、例えばX線によって調べる。各患者で、移植部位の脊柱の融合は完全である。
したがって、突然変異体BMPは、同じ速度の骨成長を促進しつつ、対応する野生型BMPよりも低い濃度で投与することができる。これは、nogginによる阻害に対する突然変異体の耐性に帰することができる。
別の実施例では、2名のヒト患者のそれぞれが、腰椎で後外側融合を達成するための治療を必要とする。1名の患者では、ウシ骨コラーゲンおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム(OP−1(登録商標)Putty、Stryker Biotech、Hopkinton、MAに類似する)のマトリックス中の3.5mgのBMP−7 E60Kを、脊柱の各側の融合を必要とする部位に外科的に移植する。移植の前に、マトリックスを滅菌生理食塩水(0.9%)溶液で再構成する。他の患者では、ウシ骨コラーゲンおよびカルボキシメチルセルロースナトリウム(OP−1(登録商標)Putty、Stryker Biotech、Hopkinton、MAに類似する)のマトリックス中の3.5mgの野生型BMP−7を、脊柱の各側の融合を必要とする部位に外科的に移植する。
数カ月の第一の期間の後、各患者の脊柱を放射線検査、例えばX線によって調べ、融合箇所での骨成長の存在を判定する。BMP−7 E60Kを投与される患者では、骨成長が融合部位で検出され、脊椎骨の融合は完全である。対照的に、野生型BMP−7を投与される患者では、骨成長は移植部位で検出される。しかし、脊柱の融合は完全でない。
数カ月の第二の期間の後、数カ月の第一の期間と同じく、野生型BMP−7投与患者の脊柱を再び放射線検査、例えばX線によって調べる。移植部位の脊柱の融合は完全である。
したがって、突然変異体BMPは、加速された骨成長を達成するために、対応する野生型BMPと同じ濃度で投与することができる。これは、nogginによる阻害に対する突然変異体の耐性に帰することができる。
参照による組込み
本出願で引用されるすべての配列および構造のアクセス番号、刊行物および特許文書は、各個々の刊行物または特許文書の内容が本明細書に組み込まれるのと同程度に、すべての目的のために参照によりそれらの全体が組み込まれる。
(項目1)
TGF−βスーパーファミリータンパク質および野生型BMP−6のキメラを含むタンパク質であって、野生型BMP−6の1つまたは複数のアミノ酸配列が、上記TGF−βスーパーファミリータンパク質における対応する残基位置のアミノ酸配列を置換し、上記キメラは上記TGF−βスーパーファミリータンパク質のアンタゴニストによる阻害に耐性であり、上記TGF−βスーパーファミリータンパク質の生物活性よりも大きな生物活性を示し、さらに、上記TGF−βスーパーファミリータンパク質は野生型BMP−6ではないタンパク質。
(項目2)
改変骨形成タンパク質(BMP)または改変成長分化因子(GDF)を含むタンパク質であって、上記改変BMPまたはGDFは、対応する未改変の野生型BMPまたは野生型GDFよりも、アンタゴニストによって阻害されず、上記対応する未改変の野生型BMPまたはGDFよりも大きな生物活性を有するタンパク質。
(項目3)
上記アンタゴニストが、Noggin、Noggin様タンパク質、Cerberus/DANファミリータンパク質、Chordin/SOGファミリータンパク質および上のいずれかの機能的同等物からなる、システインノットタンパク質アンタゴニストの群から選択される、項目1または2に記載のタンパク質。
(項目4)
NogginまたはNoggin様タンパク質による阻害に耐性であるタンパク質であって、改変骨形成タンパク質(BMP)または改変成長分化因子(GDF)を含み、
(a)ヒトBMP−6のVal45、Gln48、Asp49、Lys50、Gln53、Ile57、Lys60、Gly61、Ala63、Asn65、Tyr66、Asp68、Glu70、Ser72、Asn76、Ala77、His78、Met79およびAsn80からなる群より選択される少なくとも3つの置換アミノ酸が、野生型BMPまたは野生型GDFにおける対応する位置の少なくとも3つのアミノ酸を置換し、かつ
(b)上記少なくとも3つの置換アミノ酸が、上記野生型BMPまたは上記野生型GDFの、対応する位置の上記少なくとも3つのアミノ酸と異なる
タンパク質。
(項目5)
NogginまたはNoggin様タンパク質による阻害に耐性であるタンパク質であって、改変骨形成タンパク質(BMP)または改変成長分化因子(GDF)を含み、
(a)野生型ヒトBMP−6のVal45〜Asn80が、他の点では野生型のヒトBMPまたはヒトGDFにおける対応するセグメントを置換し、かつ
(b)置換された上記対応するセグメントが、野生型BMP−6の上記Val45〜Asn80と同一ではない
タンパク質。
(項目6)
D22S、S24Q、V26L、N29Q、V33I、P36K、H39A、F41N、H44D、P48S、A52N、D53AおよびL55Mからなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を含む改変BMP−2タンパク質であって、他のすべての残基が、野生型BMP−2と同一であるか、または野生型BMP−2のC末端領域における保存されたシステインドメインと少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を共有する、タンパク質。
(項目7)
D24S、S26Q、V28L、N31Q、V35I、P38K、Q41A、F43N、H46D、D48E、P50S、A54N、D55AおよびL57Mからなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を含む改変BMP−4タンパク質であって、他のすべての残基が、野生型BMP−4と同一であるか、または野生型BMP−4のC末端領域における保存されたシステインドメインと少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を共有する、タンパク質。
(項目8)
R41Q、E53KおよびF58Nからなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を含む改変BMP−5タンパク質であって、他のすべての残基が、野生型BMP−5と同一であるか、または野生型BMP−5のC末端領域における保存されたシステインドメインと少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を共有する、タンパク質。
(項目9)
R48Q、E60K、E68D、A72SおよびS77Aからなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を含む改変BMP−7タンパク質であって、他のすべての残基が、野生型BMP−7と同一であるか、または野生型BMP−7のC末端領域の保存されたシステインドメインと少なくとも89%のアミノ酸配列同一性を共有する、タンパク質。
(項目10)
R48Q、E60K、Y65N、E68D、A72SおよびS77Aからなる群より選択される少なくとも2つのアミノ酸置換を含む改変BMP−7タンパク質であって、他のすべての残基が、野生型BMP−7と同一であるか、または野生型BMP−7のC末端領域の保存されたシステインドメインと少なくとも89%のアミノ酸配列同一性を共有する、タンパク質。
(項目11)
R48Q、E60K、Y65N、E68D、A72S、S77AおよびY78Hからなる群より選択される少なくとも3つのアミノ酸置換を含む改変BMP−7タンパク質であって、他のすべての残基が、野生型BMP−7と同一であるか、または野生型BMP−7のC末端領域の保存されたシステインドメインと少なくとも89%のアミノ酸配列同一性を共有する、タンパク質。
(項目12)
N27S、K29Q、M31L、D34Q、L41K、E42G、E44A、F46N、H47Y、E49D、L51E、E53S、R57N、S58A、L60MおよびE61Nからなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を含む改変GDF−5タンパク質であって、他のすべての残基が、野生型GDF−5と同一であるか、または野生型GDF−5のC末端領域の保存されたシステインドメインと少なくとも87%のアミノ酸配列同一性を共有する、タンパク質。
(項目13)
N27S、K29Q、E30D、D34Q、L41K、E42G、E44A、Y46N、H47Y、E48D、V51E、D53S、R57N、S58A、L60MおよびE61Nからなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を含む改変GDF−6タンパク質であって、他のすべての残基が、野生型GDF−6と同一であるか、または野生型GDF−6のC末端領域の保存されたシステインドメインと少なくとも97%のアミノ酸配列同一性を共有する、タンパク質。
(項目14)
D36S、K38Q、E39D、D43Q、L50K、D51G、E53A、Y55N、H56Y、E58D、L60E、D62S、R66N、S67A、L69M、E70Nからなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を含む改変GDF−7タンパク質であって、他のすべての残基が、野生型GDF−7と同一であるか、または野生型GDF−7のC末端領域の保存されたシステインドメインと少なくとも87%のアミノ酸配列同一性を共有する、タンパク質。
(項目15)
NogginまたはNoggin様タンパク質による改変骨形成タンパク質(BMP)または改変成長分化因子(GDF)の阻害を調節するための方法であって、
改変骨形成タンパク質(BMP)または改変成長分化因子(GDF)を提供する工程を含み、
(a)ヒトBMP−6のVal45、Gln48、Asp49、Lys50、Gln53、Ile57、Lys60、Gly61、Ala63、Asn65、Tyr66、Asp68、Glu70、Ser72、Asn76、Ala77、Met79およびAsn80からなる群より選択される少なくとも2つの置換アミノ酸が、野生型BMPまたは野生型GDFにおける対応する位置の少なくとも2つのアミノ酸を置換し、かつ
(b)上記少なくとも2つの置換アミノ酸が、上記野生型BMPまたは上記野生型GDFにおける対応する位置の上記少なくとも2つのアミノ酸と異なり、かつ
(c)上記提供する工程が、上記BMPまたはGDFの野生型対応物と比較して、NogginまたはNoggin様タンパク質による上記BMPまたはGDFの阻害の調節をもたらす
方法。
(項目16)
NogginまたはNoggin様タンパク質による骨形成タンパク質(BMP)または成長分化因子(GDF)の阻害を調節するための方法であって、
改変BMPまたはGDFタンパク質を提供する工程であり、上記改変タンパク質は、ヒトBMPまたはヒトGDFにおける対応するセグメントを野生型ヒトBMP−6のVal45〜Asn80で置換することから生成される工程を含み、置換された上記対応するセグメントは、野生型BMP−6の上記Val45〜Asn80と同一でなく、上記提供する工程は、BMPまたはGDFの野生型対応物と比較してNogginまたはNoggin様タンパク質による上記BMPまたはGDFの阻害の調節をもたらす
方法。
(項目17)
野生型のBMPまたはGDFタンパク質に対応するN末端アミノ酸配列およびC末端アミノ酸配列を含む天然に存在しないペプチドであって、
(a)上記天然に存在しないペプチドのN末端アミノ酸配列およびC末端アミノ酸配列の各々が、上記野生型のBMPまたはGDFタンパク質と少なくとも97%のアミノ酸配列同一性を共有し、かつ
(b)上記BMPがBMP−6ではないという条件で、上記天然に存在しないペプチドが、Val45、Gln48、Asp49、Lys50、Gln53、Ile57、Lys60、Gly61、Ala63、Asn65、Tyr66、Asp68、Glu70、Ser72、Asn76、Ala77、Met79およびAsn80からなる群より選択されるBMP−6アミノ酸残基に対応する位置の少なくとも2つのアミノ酸残基を有する、
天然に存在しないペプチド。
(項目18)
上記N末端アミノ酸配列または上記C末端アミノ酸配列が上記野生型BMPまたはGDFタンパク質と同一である、項目17に記載の天然に存在しないペプチド。
(項目19)
上記ペプチドが、その野生型のBMPまたはGDF対応物と比較して、NogginまたはNoggin様タンパク質による生物活性阻害の低減を示す、項目17に記載の天然に存在しないペプチド。
(項目20)
項目17に記載のペプチドを、薬学的に許容される担体と混合されて含む医薬組成物。
(項目21)
アミノ酸置換P36Kを含む、項目6に記載の改変BMP−2。
(項目22)
アミノ酸置換P38Kを含む、項目7に記載の改変BMP−4。
(項目23)
アミノ酸置換E53Kを含む、項目8に記載の改変BMP−5。
(項目24)
アミノ酸置換E60Kを含む、項目9に記載の改変BMP−7。
(項目25)
アミノ酸置換R48QおよびS77Aを含む、項目10に記載の改変BMP−7。
(項目26)
アミノ酸置換R48QおよびE60Kを含む、項目10に記載の改変BMP−7。
(項目27)
アミノ酸置換E60KおよびY765Nを含む、項目10に記載の改変BMP−7。
(項目28)
アミノ酸置換Y65NおよびY78Hを含む、項目10に記載の改変BMP−7。
(項目29)
アミノ酸置換R134Eをさらに含む、項目28に記載の改変BMP−7。
(項目30)
アミノ酸置換R48Q、E60KおよびS77Aを含む、項目11に記載の改変BMP−7。
(項目31)
アミノ酸置換R48Q、E60KおよびY65Nを含む、項目11に記載の改変BMP−7。
(項目32)
アミノ酸置換E60K、Y65NおよびA72Sを含む、項目11に記載の改変BMP−7。
(項目33)
アミノ酸置換R48Q、E60K、Y65NおよびA72Sを含む、項目11に記載の改変BMP−7。
(項目34)
アミノ酸置換L41Kを含む、項目12に記載の改変GDF−5。
(項目35)
アミノ酸置換L41Kを含む、項目13に記載の改変GDF−6。
(項目36)
アミノ酸置換L50Kを含む、項目14に記載の改変GDF−7。
(項目37)
項目1から14および21から36に記載のタンパク質のいずれか1つをコードする核酸。
(項目38)
項目37に記載の核酸を含むベクター。
(項目39)
項目1から14および21から36に記載のタンパク質のいずれか1つを、薬学的に許容される担体と混合されて含む医薬組成物。
(項目40)
骨または軟骨修復が必要な患者を治療する方法であって、上記患者に項目39に記載の医薬組成物を投与することを含む方法。
(項目41)
上記患者がヒトである、項目40に記載の方法。
(項目42)
R48、E60、Y65、E68、A72、S77およびY78からなる群より選択される少なくとも1つの位置でアミノ酸置換を含む改変BMP−7であって、BMP−7活性を有する改変BMP−7。
(項目43)
置換が位置60で起こる、項目42に記載の改変BMP−7。
(項目44)
上記位置60の置換がK、R、H、NまたはQ残基である、項目43に記載の改変BMP−7。
(項目45)
置換が位置48で起こる、項目42に記載の改変BMP−7。
(項目46)
上記位置48の置換がQ、N、W、YまたはF残基である、項目45に記載の改変BMP−7。
(項目47)
置換が位置65で起こる、項目42に記載の改変BMP−7。
(項目48)
上記位置65の置換がN、Q、H、KまたはR残基である、項目47に記載の改変BMP−7。
(項目49)
置換が位置72で起こる、項目42に記載の改変BMP−7。
(項目50)
上記位置72の置換がS、T、Y、NまたはQ残基である、項目49に記載の改変BMP−7。
(項目51)
置換が位置48、60、65および72で起こる、項目42に記載の改変BMP−7。
(項目52)
置換が位置48、60および65で起こる、項目42に記載の改変BMP−7。
(項目53)
NogginまたはNoggin様タンパク質による改変骨形成タンパク質(BMP)または改変成長分化因子(GDF)の阻害を調節するための方法であって、
改変骨形成タンパク質(BMP)または改変成長分化因子(GDF)を提供する工程を含み、
(a)ヒトBMP−9のAsn77、Glu79、Ile81、Asp84、Ser85、Ile88、Lys91、Glu92、Glu94、Tyr96、Glu97、Lys99、Gly101、Phe103、Ala107、Asp108、Asp109、Val110またはThr111からなる群より選択される少なくとも2つの置換アミノ酸が、野生型BMPまたは野生型GDFにおける対応する位置の少なくとも2つのアミノ酸を置換し、かつ
(b)上記少なくとも2つの置換アミノ酸が、上記野生型BMPまたは上記野生型GDFにおける対応する位置の上記少なくとも2つのアミノ酸と異なり、かつ
(c)上記提供する工程が、上記BMPまたはGDFの野生型対応物と比較して、NogginまたはNoggin様タンパク質による上記BMPまたはGDFの阻害の調節ももたらす
方法。
(項目54)
NogginまたはNoggin様タンパク質による骨形成タンパク質(BMP)または成長分化因子(GDF)の阻害を調節するための方法であって、
改変BMPまたはGDFタンパク質を提供する工程であり、上記改変タンパク質は、ヒトBMPまたはヒトGDFにおける対応するセグメントを野生型ヒトBMP−9のVal76〜Thr111で置換することから生成される工程を含み、置換された上記対応するセグメントは、野生型BMP−9の上記Val76〜Thr111と同一でなく、上記提供する工程は、BMPまたはGDFの野生型対応物と比較してNogginまたはNoggin様タンパク質による上記BMPまたはGDFの阻害の調節をもたらす
方法。
(項目55)
野生型のBMPまたはGDFタンパク質に対応するN末端アミノ酸配列およびC末端アミノ酸配列を含む天然に存在しないペプチドであって、
(a)上記天然に存在しないペプチドのN末端アミノ酸配列およびC末端アミノ酸配列の各々が、上記野生型のBMPまたはGDFタンパク質と少なくとも97%のアミノ酸配列同一性を共有し、さらに、
(b)上記天然に存在しないペプチドが、Asn77、Glu79、Ile81、Asp84、Ser85、Ile88、Lys91、Glu92、Glu94、Tyr96、Glu97、Lys99、Gly101、Phe103、Ala107、Asp108、Asp109、Val110またはThr111からなる群より選択されるBMP−9アミノ酸残基に対応する位置の少なくとも2つのアミノ酸残基を有し、かつ上記BMPがBMP−9でない
天然に存在しないペプチド。

Claims (44)

  1. NogginまたはNoggin様タンパク質による阻害に耐性であるタンパク質であって、改変骨形成タンパク質(BMP)を含み、
    (a)ヒトBMP−6の第一の置換アミノ酸Lys60ならびにヒトBMP−6のVal45、Gln48、Asp49、Lys50、Gln53、Ile57、Gly61、Ala63、Asn65、Tyr66、Asp68、Glu70、Ser72、Asn76、Ala77、His78、Met79およびAsn80からなる群より選択される第二の置換アミノ酸が、野生型BMPにおける対応する位置の少なくとも2つのアミノ酸を置換し、かつ
    (b)前記第一および第二の置換アミノ酸が、前記野生型BMPの、対応する位置の前記少なくとも2つのアミノ酸と異なる
    タンパク質。
  2. NogginまたはNoggin様タンパク質による阻害に耐性であるタンパク質であって、改変骨形成タンパク質(BMP)を含み、
    (a)野生型ヒトBMP−6のVal45〜Asn80が、他の点では野生型のヒトBMPにおける対応するセグメントを置換し、かつ
    (b)置換された前記対応するセグメントが、野生型BMP−6の前記Val45〜Asn80と同一ではない
    タンパク質。
  3. D22S、S24Q、V26L、N29Q、V33I、P36K、H39A、F41N、H44D、P48S、A52N、D53AおよびL55Mからなる群より選択される少なくとも2つのアミノ酸置換を含む改変BMP−2タンパク質であって、一つの置換は、P36Kであり、かつ他のすべての残基が、野生型BMP−2と同一であるか、または野生型BMP−2のC末端領域における保存されたシステインドメインと少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を共有する、タンパク質。
  4. 位置P36におけるアミノ酸置換を含む改変BMP−2タンパク質であって、前記改変BMP−2は、野生型BMP−2のC末端領域における保存されたシステインドメインと少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を共有する、タンパク質。
  5. D24S、S26Q、V28L、N31Q、V35I、P38K、Q41A、F43N、H46D、D48E、P50S、A54N、D55AおよびL57Mからなる群より選択される少なくとも2つのアミノ酸置換を含む改変BMP−4タンパク質であって、一つの置換は、P38Kであり、他のすべての残基が、野生型BMP−4と同一であるか、または野生型BMP−4のC末端領域における保存されたシステインドメインと少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を共有する、タンパク質。
  6. R41Q、E53KおよびF58Nからなる群より選択される少なくとも2つのアミノ酸置換を含む改変BMP−5タンパク質であって、一つの置換は、E53Kであり、他のすべての残基が、野生型BMP−5と同一であるか、または野生型BMP−5のC末端領域における保存されたシステインドメインと少なくとも93%のアミノ酸配列同一性を共有する、タンパク質。
  7. アミノ酸置換E60KならびにR48Q、Y65N、E68D、A72S、S77AおよびY78Hからなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を含む改変BMP−7タンパク質であって、他のすべての残基が、野生型BMP−7と同一であるか、または野生型BMP−7のC末端領域の保存されたシステインドメインと少なくとも89%のアミノ酸配列同一性を共有する、タンパク質。
  8. R48Q、Y65N、E68D、A72SおよびS77Aからなる群より選択される少なくとも2つのアミノ酸置換を含む改変BMP−7タンパク質であって、他のすべての残基が、野生型BMP−7と同一であるか、または野生型BMP−7のC末端領域の保存されたシステインドメインと少なくとも89%のアミノ酸配列同一性を共有する、タンパク質。
  9. R48Q、E68D、A72S、S77A、Y78Hからなる群より選択される少なくとも2つのアミノ酸置換を含む改変BMP−7タンパク質であって、他のすべての残基が、野生型BMP−7と同一であるか、または野生型BMP−7のC末端領域の保存されたシステインドメインと少なくとも89%のアミノ酸配列同一性を共有する、タンパク質。
  10. アミノ酸置換E60KならびにR48Q、Y65N、E68D、A72S、S77AおよびY78Hからなる群より選択される少なくとも2つのアミノ酸置換を含む改変BMP−7タンパク質であって、他のすべての残基が、野生型BMP−7と同一であるか、または野生型BMP−7のC末端領域の保存されたシステインドメインと少なくとも89%のアミノ酸配列同一性を共有する、タンパク質。
  11. R48Q、E60K、Y65N、E68D、A72S、S77AおよびY78Hからなる群より選択される少なくとも3つのアミノ酸置換を含む改変BMP−7タンパク質であって、他のすべての残基が、野生型BMP−7と同一であるか、または野生型BMP−7のC末端領域の保存されたシステインドメインと少なくとも89%のアミノ酸配列同一性を共有する、タンパク質。
  12. アミノ酸置換E60KならびにR48Q、Y65N、E68D、A72S、S77AおよびY78Hからなる群より選択される少なくとも3つのアミノ酸置換を含む改変BMP−7タンパク質であって、他のすべての残基が、野生型BMP−7と同一であるか、または野生型BMP−7のC末端領域の保存されたシステインドメインと少なくとも89%のアミノ酸配列同一性を共有する、タンパク質。
  13. R48Q、E60K、Y65N、E68D、A72S、S77AおよびY78Hからなる群より選択される少なくとも4つのアミノ酸置換を含む改変BMP−7タンパク質であって、他のすべての残基が、野生型BMP−7と同一であるか、または野生型BMP−7のC末端領域の保存されたシステインドメインと少なくとも89%のアミノ酸配列同一性を共有する、タンパク質。
  14. N27S、K29Q、M31L、D34Q、L41K、E42G、E44A、F46N、H47Y、E49D、L51E、E53S、R57N、S58A、L60MおよびE61Nからなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を含む改変GDF−5タンパク質であって、他のすべての残基が、野生型GDF−5と同一であるか、または野生型GDF−5のC末端領域の保存されたシステインドメインと少なくとも87%のアミノ酸配列同一性を共有する、タンパク質。
  15. N27S、K29Q、E30D、D34Q、L41K、E42G、E44A、Y46N、H47Y、E48D、V51E、D53S、R57N、S58A、L60MおよびE61Nからなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を含む改変GDF−6タンパク質であって、他のすべての残基が、野生型GDF−6と同一であるか、または野生型GDF−6のC末端領域の保存されたシステインドメインと少なくとも97%のアミノ酸配列同一性を共有する、タンパク質。
  16. D36S、K38Q、E39D、D43Q、L50K、D51G、E53A、Y55N、H56Y、E58D、L60E、D62S、R66N、S67A、L69M、E70Nからなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸置換を含む改変GDF−7タンパク質であって、他のすべての残基が、野生型GDF−7と同一であるか、または野生型GDF−7のC末端領域の保存されたシステインドメインと少なくとも87%のアミノ酸配列同一性を共有する、タンパク質。
  17. 前記タンパク質が、前記改変タンパク質の野生型BMPの対応物と比較して、NogginまたはNoggin様タンパク質による生物活性阻害の低減を示す、請求項1に記載の改変骨形成タンパク質。
  18. 請求項1に記載のタンパク質を、薬学的に許容される担体と混合されて含む医薬組成物。
  19. アミノ酸置換R48QおよびS77Aを含む、請求項8または9に記載の改変BMP−7。
  20. アミノ酸置換R48QおよびE60Kを含む、請求項7に記載の改変BMP−7。
  21. アミノ酸置換E60KおよびY65Nを含む、請求項7に記載の改変BMP−7。
  22. アミノ酸置換R48Q、E60KおよびS77Aを含む、請求項10に記載の改変BMP−7。
  23. アミノ酸置換R48Q、E60KおよびY65Nを含む、請求項10に記載の改変BMP−7。
  24. アミノ酸置換E60K、Y65NおよびA72Sを含む、請求項10に記載の改変BMP−7。
  25. アミノ酸置換R48Q、E60K、Y65NおよびA72Sを含む、請求項12に記載の改変BMP−7。
  26. アミノ酸置換L41Kを含む、請求項14に記載の改変GDF−5。
  27. アミノ酸置換L41Kを含む、請求項15に記載の改変GDF−6。
  28. アミノ酸置換L50Kを含む、請求項16に記載の改変GDF−7。
  29. 請求項1から28に記載のタンパク質のいずれか1つをコードする核酸。
  30. 請求項29に記載の核酸を含むベクター。
  31. 請求項1から28に記載のタンパク質のいずれか1つを、薬学的に許容される担体と混合されて含む医薬組成物。
  32. 骨または軟骨修復が必要な患者を治療する方法であって、前記患者に請求項31に記載の医薬組成物を投与することを含む方法。
  33. 前記患者がヒトである、請求項32に記載の方法。
  34. 位置E60ならびにR48、Y65、E68、A72、S77およびY78からなる群より選択される少なくとも1つの他の位置でアミノ酸置換を含む改変BMP−7であって、BMP−7活性を有する改変BMP−7。
  35. 前記位置60の置換がK、R、H、NまたはQ残基である、請求項34に記載の改変BMP−7。
  36. 置換が位置48で起こる、請求項34に記載の改変BMP−7。
  37. 前記位置48の置換がQ、N、W、YまたはF残基である、請求項36に記載の改変BMP−7。
  38. 置換が位置65で起こる、請求項34に記載の改変BMP−7。
  39. 前記位置65の置換がN、Q、H、KまたはR残基である、請求項38に記載の改変BMP−7。
  40. 置換が位置65および72で起こる、請求項34に記載の改変BMP−7。
  41. 前記位置72の置換がS、T、Y、NまたはQ残基である、請求項40に記載の改変BMP−7。
  42. 置換が位置48、60、65および72で起こる、請求項34に記載の改変BMP−7。
  43. 置換が位置48、60および65で起こる、請求項34に記載の改変BMP−7。
  44. 置換が位置48、60および77で起こる、請求項30に記載の改変BMP−7。
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