JP2011506441A - グリシン輸送体−1阻害薬 - Google Patents

グリシン輸送体−1阻害薬 Download PDF

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Abstract

本発明は、グリシン輸送体1(以下、GlyT−1と称する)阻害薬であることから、統合失調症関連の認知障害、ADHD(注意欠陥過活動性障害)、MCI(軽度認識障害)などのGlyT1の阻害によって治療可能な疾患の治療において有用である化合物を提供する。そのような化合物を含む医薬組成物およびそのような化合物の製造方法も提供される。

Description

本発明は、グリシン輸送体1(以下、GlyT−1と称する)阻害薬であり、従って統合失調症関連の認知障害、ADHD(注意欠陥過活動性障害)およびMCI(軽度認識障害)などのGlyT1の阻害によって治療可能な疾患の治療において有用である化合物を提供する。さらに、そのような化合物を含む医薬組成物およびそのような化合物の製造方法も提供される。
グリシンは、哺乳動物CNSにおける主要な阻害性神経伝達物質であるが、N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体を活性化する上でグルタミン酸とともに内因性の必須コアゴニストとしても働く。グリシンのシナプス作用は、ニューロン膜およびグリア膜にある高アフィニティ輸送体の作用によって終了する。グリシン輸送体1型(GlyT1)は、興奮性シナプスのレベルでグリシン再取込プロセスに関与する。GlyT1の遮断によって、興奮性シナプスでのグリシン濃度が上昇することから、NMDA神経伝達が強化される。統合失調症は前頭前皮質および海馬などの脳領域でのNMDA受容体の機能低下に関連していたことから、GlyT1の阻害薬は、正常なNMDA伝達を回復し、それによって統合失調症の症状を軽減するものと考えられる。統合失調症以外にも、GlyT1阻害薬は、広い認知障害(MCIなど)およびアルツハイマー病などのNMDA伝達障害を特徴とする他の状態で使用することが可能である。
統合失調症に対する既存の治療薬は、その疾患の陽性症状を治療する点のみにおいて有効である。感情鈍麻、引きこもりならびに認知障害などの陰性症状は、主として中脳辺縁系ドーパミン系を標的とする現在の薬物によっては改善されない。従って、統合失調症に関連する陰性症状および認知障害を具体的に改善するためには、その疾患に対する新規な治療が必要とされている。本発明はこのニーズおよび関連するニーズを満たすものである。
1態様では、下記式(I)の化合物:
Figure 2011506441
[式中、
Xは、−CH−または−N−であり;
およびRは独立に水素またはアルキルであり;
およびRは独立に水素、アルキル、ハロアルキル、アルコキシまたはハロアルコキシであり;
n1は0または1でありおよびn2は1または2であり、ただしXが−N−である場合、n1およびn2は1であり;
(i)Xが−CH−である場合、Rは−CHArArまたは−NArArであり、ArおよびArは独立にアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたは複素環であり、上記の各環はR、RまたはRで置換されていても良く、Rはアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニルまたはアシルアミノであり、RおよびRは独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニル、アシルアミノ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたは複素環から選択され、R、RおよびRにおける芳香族または脂環式環は、独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニルまたはアシルアミノから選択されるR、RまたはRで置換されていても良く;
(ii)Xが−N−または−CH−である場合、Rは、
(a)下記式(i)、(ii)または(iii)の環:
Figure 2011506441
(式中、nおよびmは独立に0から2であり;
環B、CまたはDはフェニルまたは5員もしくは6員のヘテロアリール環であり;
YおよびZは独立に、−CH−、−O−、−NH−、−S−、−SO−または−SO−であり;
、RおよびRのうちの2個;R、RおよびR;およびRおよびRのうちの1個は独立に、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、アシル、カルボキシまたはアルコキシカルボニルであり、R、RおよびR;R、RおよびR;およびRおよびRのうちの残りのものは、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニル、アシルアミノ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたは複素環であり、R、R、R、R、R、R、RおよびRにおける芳香環または脂環式環は、独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニルまたはアシルアミノであるR、RおよびRで置換されていても良い。);または
(b)下記式(iv)、(v)、(vi)、(vii)、(viii)または(ix)の環:
Figure 2011506441
(環(iv)、(v)、(vi)、(vii)、(viii)または(ix)において、1個もしくは2個の炭素環原子が、窒素原子によって置き換わっていても良いか、これら環のうちのフェニル環の1個もしくは2個は独立にチエニルまたはチアゾリル環によって置き換わっていても良く;
式(iv)の環中の−−−点線は存在しても良い結合であり;
YおよびZは独立に−CH−、−O−、−NH−、−S−、−SO−または−SO−であり;
環(iv)、(v)、(vi)、(vii)、(viii)および(ix)は独立にR、RおよびRで置換されており、RおよびRは独立に水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、アシル、カルボキシまたはアルコキシカルボニルであり、Rは水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニル、アシルアミノ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたは複素環であり、R、RおよびRにおける芳香環または脂環式環は、独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニルまたはアシルアミノから選択されるR、RまたはRで置換されていても良い。)である。]または
それの製薬上許容される塩が提供されるが、ただし式(I)の化合物は、2−(4−ベンズヒドリルピペリジン−1−イル)酢酸;2−(4−(ナフタレン−1−イル)ピペラジン−1−イル)酢酸;2−(3−ベンズヒドリルピペリジン−1−イル)酢酸および
Figure 2011506441
(Rは下記式の環:
Figure 2011506441
である。)および
Figure 2011506441
(Rは水素であり、Rはメチルであり、またはRおよびRがメチルである。)以外である。
第2の態様において、本発明は、式(I)の化合物、それの製薬上許容される塩、または式(I)の化合物とそれの製薬上許容される塩の混合物;および製薬上許容される賦形剤を含む医薬組成物に関するものである。
第3の態様において、本発明は、患者に対して、下記式(I)の化合物またはそれの製薬上許容される塩を含む医薬組成物を投与する段階を有する、患者におけるGlyT1受容体の阻害によって治療可能な疾患の治療方法に関するものである。
Figure 2011506441
[式中、
Xは、−CH−または−N−であり;
およびRは独立に水素またはアルキルであり;
およびRは独立に水素、アルキル、ハロアルキル、アルコキシまたはハロアルコキシであり;
n1は0または1でありおよびn2は1または2であり、ただしXが−N−である場合、n1およびn2は1であり;
(i)Xが−CH−である場合、Rは−CHArArまたは−NArArであり、ArおよびArは独立にアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたは複素環であり、上記の各環はR、RまたはRで置換されていても良く、Rはアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニルまたはアシルアミノであり、RおよびRは独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニル、アシルアミノ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたは複素環から選択され、R、RおよびRにおける芳香族または脂環式環は、独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニルまたはアシルアミノから選択されるR、RまたはRで置換されていても良く;
(ii)Xが−N−または−CH−である場合、Rは、
(a)下記式(i)、(ii)または(iii)の環:
Figure 2011506441
(式中、nおよびmは独立に0から2であり;
環B、CまたはDはフェニルまたは5員もしくは6員のヘテロアリール環であり;
YおよびZは独立に、−CH−、−O−、−NH−、−S−、−SO−または−SO−であり;
、RおよびRのうちの2個;R、RおよびR;およびRおよびRのうちの1個は独立に、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、アシル、カルボキシまたはアルコキシカルボニルであり、R、RおよびR;R、RおよびR;およびRおよびRのうちの残りのものは、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニル、アシルアミノ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたは複素環であり、R、R、R、R、R、R、RおよびRにおける芳香環または脂環式環は、独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニルまたはアシルアミノであるR、RおよびRで置換されていても良い。);または
(b)下記式(iv)、(v)、(vi)、(vii)、(viii)または(ix)の環:
Figure 2011506441
(環(iv)、(v)、(vi)、(vii)、(viii)または(ix)において、1個もしくは2個の炭素環原子が、窒素原子によって置き換わっていても良いか、これら環のうちのフェニル環の1個もしくは2個は独立にチエニルまたはチアゾリル環によって置き換わっていても良く;
式(iv)の環中の−−−点線は存在しても良い結合であり;
YおよびZは独立に−CH−、−O−、−NH−、−S−、−SO−または−SO−であり;
環(iv)、(v)、(vi)、(vii)、(viii)および(ix)は独立にR、RおよびRで置換されており、RおよびRは独立に水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、アシル、カルボキシまたはアルコキシカルボニルであり、Rは水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニル、アシルアミノ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたは複素環であり、R、RおよびRにおける芳香環または脂環式環は、独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニルまたはアシルアミノから選択されるR、RまたはRで置換されていても良い。)である。]
1実施形態において、前記疾患はADHD(注意欠陥過活動性障害)、MCI(軽度認識障害)または統合失調症関連の認知障害である。
第4の態様において、本発明は、医薬として使用される上記化合物を提供する。
第5の態様において、本発明は、ADHD(注意欠陥過活動性障害)、MCI(軽度認識障害)または統合失調症関連の認知障害を治療するための医薬を製造するための上記化合物を提供する。
定義
別段の断りがない限り、本明細書および特許請求の範囲で使用される下記の用語は、本願に関して定義されるものであり、下記の意味を有する。
「アルキル」とは、1から6個の炭素原子の直鎖飽和1価炭化水素基または3から6個の炭素原子の分岐飽和1価炭化水素基を意味し、例えばメチル、エチル、プロピル、2−プロピル、ブチル(全ての異性体型を含む)、ペンチル(全ての異性体型を含む)などである。
「脂環式」は、非芳香環例えばシクロアルキルまたは複素環を意味する。
「アルキレン」は、別段の断りがない限り1から6個の炭素原子の直鎖飽和2価炭化水素基または3から6個の炭素原子の分岐飽和2価炭化水素基を意味し、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、1−メチルプロピレン、2−メチルプロピレン、ブチレン、ペンチレンなどである。
「アルキルチオ」は、−SR基(Rは上記で定義のアルキルである。)を意味し、例えばメチルチオ、エチルチオなどである。
「アルキルスルホニル」は、−SOR基(Rは上記で定義のアルキルである。)を意味し、例えばメチルスルホニル、エチルスルホニルなどである。
「アミノ」は、−NHを意味する。
「アルキルアミノ」は、−NHR基(Rは上記で定義のアルキルである。)を意味し、例えばメチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノまたは2−プロピルアミノなどである。
「アルコキシ」は、−OR基(Rは上記で定義のアルキルである。)を意味し、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシまたは2−プロポキシ、n−、イソ−またはtert−ブトキシなどである。
「アルコキシカルボニル」は、−C(O)OR基(Rは上記で定義のアルキルである。)を意味し、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどである。
「アルコキシアルキル」は、1から6個の炭素原子の直鎖1価炭化水素基または少なくとも1個の上記で定義のアルコキシ基、好ましくは1個もしくは2個のアルコキシ基で置換された3から6個の炭素の分岐1価炭化水素基を意味し、例えば2−メトキシエチル、1−、2−または3−メトキシプロピル、2−エトキシエチルなどである。
「アルコキシアルキルオキシ」または「アルコキシアルコキシ」は、−OR基(Rは、上記で定義のアルコキシアルキルである。)を意味し、例えばメトキシエトキシ、2−エトキシエトキシなどである。
「アミノアルキル」は、1から6個の炭素原子の直鎖1価炭化水素基または少なくとも1個、好ましくは1個もしくは2個の−NRR′(Rは水素、アルキルもしくは−CORであり、Rはそれぞれ本明細書で定義のアルキルであり、R′はそれぞれ本明細書で定義の水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキルまたはハロアルキルから選択される。)で置換された3から6個の炭素の分岐1価炭化水素基を意味し、例えばアミノメチル、メチルアミノエチル、2−エチルアミノ−2−メチルエチル、1,3−ジアミノプロピル、ジメチルアミノメチル、ジエチルアミノエチル、アセチルアミノプロピルなどである。
「アミノアルコキシ」は、−OR基(Rは上記で定義のアミノアルキルである。)を意味し、例えば2−アミノエトキシ、2−ジメチルアミノプロポキシなどである。
「アミノカルボニル」は、−CONRR′基(Rは独立に、それぞれ本明細書で定義の水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキルまたはアミノアルキルであり、R′はそれぞれ本明細書で定義の水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、複素環アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキルまたはアミノアルキルである。)を意味し、例えば−CONH、メチルアミノカルボニル、2−ジメチルアミノカルボニルなどである。
「アミノスルホニル」は、−SONRR′基(Rは独立に、それぞれ本明細書で定義の水素、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキルまたはアミノアルキルであり、R′はそれぞれ本明細書で定義の水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、複素環アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキルまたはアミノアルキルである。)を意味し、例えば−SONH、メチルアミノスルホニル、2−ジメチルアミノスルホニルなどである。
「アシル」は、−COR基(Rは、それぞれ本明細書で定義のアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環または複素環アルキルである。)を意味し、例えばアセチル、プロピオニル、ベンゾイル、ピリジニルカルボニルなどである。Rがアルキルである場合、その基は本明細書において、アルキルカルボニルとも称される。
「アシルアミノ」は、−NHCOR基(Rは、それぞれ本明細書で定義のアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環または複素環アルキルである。)を意味し、例えばアセチルアミノ、プロピオニルアミノなどである。
「アリール」は、6から10個の環原子の1価単環式または二環式芳香族炭化水素基を意味し、例えばフェニルまたはナフチルである。
「アラルキル」は、−(アルキレン)−R基(Rは上記で定義のアリールである。)を意味する。
「シクロアルキル」は、3から10個の炭素原子の環状飽和1価炭化水素基を意味し、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルなどである。
「シクロアルキルアルキル」は、−(アルキレン)−R基(Rは、上記で定義のシクロアルキルである。)を意味し、例えばシクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルエチルまたはシクロヘキシルメチルなどである。
「カルボキシ」は、−COOHを意味する。
「ジ置換アミノ」は、−NRR′基(RおよびR′は独立に、それぞれ本明細書で定義のアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アシル、スルホニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、複素環アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキルまたはアミノアルキルである。)を意味し、例えばジメチルアミノ、フェニルメチルアミノなどである。
「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード、好ましくはフルオロまたはクロロを意味する。
「ハロアルキル」は、異なるハロゲンで置換されているものを含めて1以上のハロゲン原子、好ましくは1から5個のハロゲン原子、好ましくはフッ素または塩素で置換されている上記で定義のアルキル基を意味し、例えば−CHCl、−CF、−CHF、−CHCF、−CFCFなどがある。アルキルがフッ素のみで置換されている場合、それは本願において、フッ素アルキルとも称される。
「ハロアルコキシ」は、−OR基(Rは、上記で定義のハロアルキルである。)を意味し、例えば−OCF、−OCHFなどがある。Rがハロアルキルであり、そのアルキルがフッ素のみで置換されている場合、それは本願において、フルオロアルコキシとも称される。
「ヒドロキシアルキル」は、1から6個の炭素原子の直鎖1価炭化水素基または1個もしくは2個のヒドロキシ基で置換された3から6個の炭素の分岐1価炭化水素基を意味するが、ただし2個のヒドロキシ基が存在する場合、それらが両方とも同一炭素上にあることはない。代表的な例には、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル、2,3−ジヒドロキシブチル、3,4−ジヒドロキシブチルおよび2−(ヒドロキシメチル)−3−ヒドロキシプロピル、好ましくは2−ヒドロキシエチル、2,3−ジヒドロキシプロピルおよび1−(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
「ヒドロキシアルコキシ」または「ヒドロキシアルキルオキシ」は、−OR基(Rは、上記で定義のヒドロキシアルキルである。)を意味する。
「複素環」は、1個もしくは2個の環原子がN、OまたはS(O)から選択されるヘテロ原子であり、nが0から2からの整数であり、残りの環原子がCである5から8個の環原子の飽和もしくは不飽和1価単環式基を意味する。複素環は、本明細書で定義の(1個の)アリールまたはヘテロアリール環に縮合していても良いが、ただしそのアリールおよびヘテロアリール環は単環式である。単環式アリールまたはヘテロアリール環に縮合した複素環は、本願において、「二環式複素」環とも称される。さらに、複素環中の1個もしくは2個の環炭素原子が、−CO−基によって置き換わっていても良い。より具体的には、複素環という用語には、ピロリジノ、ピペリジノ、ホモピペリジノ、2−オキソピロリジニル、2−オキソピペリジニル、モルホリノ、ピペラジノ、テトラヒドロピラニル、チオモルホリノなどがあるが、これらに限定されるものではない。前記複素環が不飽和である場合、それは1個もしくは2個の環二重結合を含むことができるが、ただしその環は芳香族ではない。複素環基が少なくとも1個の窒素原子を含む場合、それは本明細書においてヘテロシクロアミノとも称され、複素環基の下位集合である。前記複素環基が飽和環であり、上記で言及のアリール環やヘテロアリール環に縮合していない場合、それは本明細書において飽和単環式複素環とも称される。
「複素環アルキル」は、−(アルキレン)−R基(Rは、上記で定義の複素環である。)を意味し、例えばテトラヒドロフラニルメチル、ピペラジニルメチル、モルホリニルエチルなどである。
「ヘテロアリール」は、5から10個の環原子の1価単環式または二環式芳香族基を意味し、1以上、好ましくは1個、2個もしくは3個の環原子はN、OもしくはSから選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子は炭素である。代表例には、ピロリル、チエニル、チアゾリル、イミダゾリル、フラニル、インドリル、イソインドリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キノリニル、イソキノリニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアゾリル、テトラゾリルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
「ヘテロアラルキル」は、−(アルキレン)−R基(Rは上記で定義のヘテロアリールである。)を意味する。
「モノ置換アミノ」は、−NHR基(Rは、それぞれ本明細書で定義のアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アシル、スルホニル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環、複素環アルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキルまたはアミノアルキルである。)を意味し、例えばメチルアミノ、2−フェニルアミノ、ヒドロキシエチルアミノなどである。
本発明は、式(I)の化合物のプロドラッグも含む。プロドラッグという用語は、そのプロドラッグを哺乳動物対象者に投与した時に、式(I)の有効成分を放出することができる共有結合したキャリアを表すものである。有効成分の放出はイン・ビボで起こる。プロドラッグは、当業者に公知の技術によって製造することができる。その技術は概して、所定の化合物中の適切な官能基を修飾するものである。しかしながら、その修飾された官能基は、イン・ビボまたは通常の操作によって最初の官能基を再生するものである。式(I)の化合物のプロドラッグには、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシル基または同様の基が修飾された化合物などがある。プロドラッグの例には、エステル(例えば酢酸、ギ酸および安息香酸の誘導体)、式(I)の化合中のヒドロキシまたはアミノ官能基のカーバメート(例えばN,N−ジメチルアミノカルボニル)、アミド(例えば、トリフルオロアセチルアミノ、アセチルアミノなど)などがあるが、これらに限定されるものではない。式(I)の化合物のプロドラッグも、本発明の範囲に包含される。
本発明は、式(I)の化合物の保護された誘導体も含むものである。例えば、式(I)の化合物がヒドロキシ、カルボキシ、チオールまたは窒素原子を含有するいずれかの基などの基を含む場合、これらの基は好適な保護基によって保護することができる。好適な保護基の完全なリストが、グリーンらの著作(T.W.Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley & Sons,Inc.(1999)(これの開示内容は、参照によって全体が本明細書に組み込まれる。)にある。式(I)の化合物の保護された誘導体は、当業界において公知の方法によって製造することができる。
化合物の「製薬上許容される塩」は、製薬上許容され、親化合物の所望の薬理活性を有する塩を意味する。そのような塩には、
塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸と形成される酸付加塩;またはギ酸、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、グルコヘプトン酸、4,4′−メチレンビス−(3−ヒドロキシ−2−エン−1−カルボン酸)、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、tert−ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などの有機酸と形成される酸付加塩;または
親化合物中に存在する酸性プロトンが金属イオン、例えばアルカリ金属イオン、アルカリ土類イオンまたはアルミニウムイオンによって置き換わっているか、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミンなどの有機塩基と配位している場合に形成される塩などがある。製薬上許容される塩が無毒性であることは明らかである。好適な製薬上許容される塩についての別のデータが、レミントンの著作(Remington′s Pharmaceutical Sciences,17th ed.,Mack Publishing Company,Easton,PA,1985;これは、参照によって本明細書に組み込まれる。)にある。
本発明の化合物は、不斉中心を有する可能性がある。不斉置換された原子を含む本発明の化合物は、光学活性型またはラセミ型で単離することができる。材料の分割などにより、光学活性型を製造する方法は当業界では公知である。具体的な立体化学や異性体型が具体的に示されていない限り、全てのキラル型、ジアステレオマー型、ラセミ型は本発明の範囲に包含される。
式(I)のある種の化合物は、互変異体および/または幾何異性体として存在することができる。個々の形態およびそれらの混合物としての全ての可能な互変異体ならびにシスおよびトランス異性体は、本発明の範囲に包含される。さらに、本明細書で使用される場合、アルキルという用語は、例はわずかしか示していないが、前記アルキル基の全ての可能な異性体型を含むものである。さらに、アリール、ヘテロアリール、複素環などの環状基が置換されている場合、例はわずかしか示していないが、それらは全ての位置異性体を含む。さらに、式(I)の化合物の全ての多形体および水和物が本発明の範囲に含まれる。
「オキソ」または「カルボニル」は、=(O)基を意味する。
「適宜の」または「適宜に」とは、それに続いて記載される事象または状況が生じても良いが、生じる必要があるわけではなく、その記述が、その事象もしくは状況が起こる場合およびそれが起こらない場合を含むことを意味する。例えば、「アルキル基で置換されていても良い複素環基」は、そのアルキルが存在しても良いが、存在している必要があるわけではなく、その記述が、複素環基がアルキル基で置換されている状況と複素環基がアルキルで置換されていない状況を含むことを意味する。
「製薬上許容される担体または賦形剤」とは、安全で、無毒性であり、しかも生物学的にも他の形態でも望ましくないものではない医薬組成物を製造する上で有用な担体または賦形剤を意味し、動物への使用ならびにヒト医薬での使用に許容される担体もしくは賦形剤を包含するものである。本明細書および特許請求の範囲で使用される「製薬上許容される担体/賦形剤」とは、1種類および複数種のそのような賦形剤を含むものである。
「スルホニル」は、−SOR基(Rは、それぞれ本明細書で定義のアルキル、ハロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、複素環または複素環アルキルである。)を意味し、例えばメチルスルホニル、フェニルスルホニル、ベンジルスルホニル、ピリジニルスルホニルなどがある。
本願の特許請求の範囲および明細書での基ArおよびArの定義中の表現「....、前記の環は、・・・から独立に選択されるR、RまたはRで置換されていても良い」および式(I)の化合物に関する特許請求の範囲および明細書中の他の基について使用される同様の表現は、別段の断りがない限り、その環がモノ置換、ジ置換またはトリ置換されていることができることを意味する。
疾患の「治療をすること」または「治療」には、
その疾患を予防すること、すなわちその疾患に曝されるかその疾患の素因を有し得るが、その疾患の症状をまだ経験しておらず示してもいない哺乳動物で、その疾患の臨床症状を生じさせないようにすること;
その疾患を阻害すること、すなわちその疾患またはそれの臨床症状の発生を停止または軽減すること;または
その疾患を軽減すること、すなわちその疾患またはそれの臨床症状の退行を生じさせることが含まれる。
「治療上有効量」は、疾患の治療を目的として哺乳動物に投与した場合に、その疾患のそのような治療を行う上で十分な式(I)の化合物の量を意味する。「治療上有効量」は、その化合物、疾患およびそれの重度ならびに治療を受ける哺乳動物の年齢、体重などに応じて変わるものである。
Figure 2011506441
Figure 2011506441
Figure 2011506441
Figure 2011506441
Figure 2011506441
Figure 2011506441
Figure 2011506441
Figure 2011506441
実施形態
(IA)1実施形態において、式(I)に関する化合物は、下記式:
Figure 2011506441
[式中、
Xは、−CH−または−N−であり;
およびRは独立に水素またはアルキルであり;
およびRは独立に水素、アルキル、ハロアルキル、アルコキシまたはハロアルコキシであり;
は、
(a)Xが−CH−である場合に、−NArArまたは−CHArAr(ArおよびArは独立にアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたは複素環であり、上記の各環はR、RまたはRで置換されていても良く、Rはアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニルまたはアシルアミノであり、RおよびRは独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニル、アシルアミノ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたは複素環から選択され、R、RおよびRにおける芳香族または脂環式環は、独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニルまたはアシルアミノから選択されるR、RまたはRで置換されていても良い。);または
(b)下記式(i)、(ii)または(iii)の環:
Figure 2011506441
(式中、nおよびmは独立に0から2であり;
環B、CまたはDはフェニルまたは5員もしくは6員のヘテロアリール環であり;
YおよびZは独立に、−CH−、−O−、−NH−、−S−、−SO−または−SO−であり;
、R、R、R、R、R、RおよびRのうちの2個は独立に、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、アシル、カルボキシまたはアルコキシカルボニルであり、R、R、R、R、R、R、RおよびRのうちの第3のものは、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニル、アシルアミノ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたは複素環であり、R、R、R、R、R、R、RおよびRにおける芳香環または脂環式環は、独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニルまたはアシルアミノであるR、RおよびRで置換されていても良い。);または
(c)下記式(iv)、(v)、(vi)、(vii)、(viii)または(ix)の環:
Figure 2011506441
(YおよびZは独立に−CH−、−O−、−NH−、−S−、−SO−または−SO−であり;
環(iv)、(v)、(vi)、(vii)、(viii)および(ix)は独立にR、RおよびRで置換されており、RおよびRは独立に水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、アシル、カルボキシまたはアルコキシカルボニルであり、Rは水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニル、アシルアミノ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたは複素環であり、R、RおよびRにおける芳香環または脂環式環は、独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニルまたはアシルアミノから選択されるR、RまたはRで置換されていても良い。)である。]によって表されるか、
それの製薬上許容される塩であるが、ただし式(I)の化合物は、2−(4−ベンズヒドリルピペリジン−1−イル)酢酸;2−(4−(ナフタレン−1−イル)ピペラジン−1−イル)酢酸;
Figure 2011506441
(Rは下記式の環:
Figure 2011506441
である。)および
Figure 2011506441
(Rは水素であり、Rはメチルであり、またはRおよびRがメチルである。)以外である。
(I)実施形態(IA)内において、1実施形態では、式(I)の化合物は、下記式によって表される。
Figure 2011506441
式中、基は上記の(IA)で定義の通りである。
実施形態(I)内では、
(i)ある化合物群において、RおよびRは水素である。
(ii)別の化合物群において、Rは水素であり、Rはアルキルである。
(iii)さらに別の化合物群において、Rは水素であり、Rはメチルである。
(A)実施形態(I)および群(i)から(iii)内では、ある化合物群において、RおよびRは水素である。
(B)実施形態(I)および群(i)から(iii)内では、別の化合物群は、Rが水素であり、Rがメチル、エチルまたはプロピルであって、ピペリジン窒素原子、すなわちピペリジン環中の窒素に対してオルトの炭素原子にあるものである。この群(B)内では、一つの化合物群は、Rがメチルであるものである。この群(B)内では、別の化合物群は、Rがメチルであり、R基を有する炭素原子での立体化学が(R)であるものである。この群内では、さらに別の化合物群は、Rがメチルであり、R基を有する炭素原子での立体化学が(S)であるものである。
(a)実施形態(I)、群(i)から(iii)、(A)、(B)およびそこに含まれる群ならびに群(i)から(iii)、(A)、(B)およびそこに含まれる群の組み合わせの結果として形成される群内では、一つの化合物群は、ArおよびArがフェニルであり、各フェニルが上記の(IA)で定義のように置換されていても良いものである。
群(a)内では、一つの化合物群は、ArおよびArがフェニルであるものである。
群(a)内では、別の化合物群は、Arがフェニルであり、Arがアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシから選択されるRで置換されたフェニルであるものである。
群(a)内では、別の化合物群は、Arがフェニルであり、Arがアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシから選択されるRで置換されたフェニルであり、Rがフェニル環の2位、3位または4位、好ましくは3位にあり、−NAr基に結合した炭素原子が1位にあるものである。
群(a)内では、別の化合物群は、Arがアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシから選択されるRで置換されたフェニルであり、好ましくはRがそのフェニル環の3位にあり、Arがアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシから選択されるRで置換されたフェニルであり、好ましくはRがそのフェニル環の2位、3位もしくは4位、好ましくは3位にあるものである。
群(a)内では、別の化合物群は、ArおよびArがRまたはRで置換されていても良いフェニルであり、RおよびRが独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノまたは5員もしくは6員の5員もしくは6員の複素環もしくはヘテロアリールであるものであり、ただし、前記フェニル環のうちの少なくとも一方が置換されており、すなわち前記フェニル環のうちの一方がモノ置換もしくはジ置換されており、他方が置換されていないか、または両方の環がモノ置換である化合物を包含するものである。
群(a)内では、別の化合物群は、Arがフェニルであり、Arがアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシまたはフェニル、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、フェニルまたは2,2,2−トリフルオロエトキシから選択されるRで置換されたフェニルであり、Rが前記フェニル環の2位、3位または4位、好ましくは3位にあり、−NAr基に結合した炭素原子が1位にあるものである。
(b)実施形態(I)、群(i)から(iii)、(A)、(B)およびそれに含まれる群ならびに群(i)から(iii)、(A)、(B)およびそれに含まれる群の組み合わせの結果として形成される群内で、別の化合物群は、Arがフェニルであり、Arがヘテロアリールであり、それぞれが上記の(IA)で定義のように置換されていても良いものである。
群(b)内では、ある化合物群は、Arがフェニルであり、Arがヘテロアリール、好ましくはピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピリジニルまたはチエニルであり、各ArおよびArは上記の(IA)で定義のように置換されていても良いものである。好ましくは、ArおよびArは独立にRまたはRで置換されていても良く、RおよびRは独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノまたは5員もしくは6員の複素環またはヘテロアリールであるが、ただし、ArおよびArのうちの少なくとも一方は置換されており、すなわち前記フェニルまたはヘテロアリール環のうちの一方がモノ置換もしくはジ置換であり、他方が置換されていないか、または両方の環がモノ置換である化合物が含まれる。
群(b)内では、別の化合物群は、Arがフェニルであり、Arが独立にアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシから選択されるRもしくはRで置換されていても良いピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピリジニルまたはチエニルであるものである。
群(b)内では、別の化合物群は、Arが独立にアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシから選択されるRまたはRで置換されていても良いフェニルであり、Arがピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピリジニルまたはチエニル、好ましくはチエニルであるものである。
(c)実施形態(I)、群(i)から(iii)、(A)、(B)およびそれに含まれる群および群(i)から(iii)、(A)、(B)およびそれに含まれる群の組み合わせの結果として形成される群内では、さらに別の化合物群は、ArおよびArが上記の(IA)で定義のように置換されていても良いヘテロアリールであるものである。
この実施形態(c)内では、ある化合物群はArおよびArがそれぞれ独立にアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシから選択されるRまたはRで置換されていても良いヘテロアリールであるものである。
(d)実施形態(I)、群(i)から(iii)、(A)、(B)およびそれに含まれる群および群(i)から(iii)、(A)、(B)およびそれに含まれる群の組み合わせの結果として形成される群内では、さらに別の化合物群は、Arがフェニルであり、Arが複素環であり、各ArおよびArが上記の(IA)でのように置換されていても良いものである。
この実施形態(d)内では、ある化合物群はArがフェニルであり、Arがテトラヒドロピラニル、ピペリジニルまたはテトラヒドロフラニルであり、各ArおよびArが上記の(IA)でのように置換されていても良いものである。
この実施形態(d)内では、ある化合物群はArがフェニルであり、Arが複素環、好ましくは独立にアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシから選択されるRまたはRで置換されていても良いテトラヒドロピラニル、ピペリジニルまたはテトラヒドロフラニルであるものである。この群内では、別の化合物群は、Arが独立にアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシから選択されるRまたはRで置換されていても良いフェニルであり、Arがテトラヒドロピラニル、ピペリジニルまたはテトラヒドロフラニルであるものである。
(e)実施形態(I)、群(i)から(iii)、(A)、(B)およびそれに含まれる群および群(i)から(iii)、(A)、(B)およびそれに含まれる群の組み合わせの結果として形成される群内では、さらに別の化合物群は、Arがフェニルであり、Arがシクロアルキルであり、各ArおよびArが上記で定義のように置換されていても良いものである。
この実施形態(e)内では、ある化合物群はArがフェニルであり、Arがシクロペンチルまたはシクロヘキシルであり、各ArおよびArが上記で定義のように置換されていても良いものである。
この実施形態(e)内では、ある化合物群はArがフェニルであり、Arがシクロアルキル、好ましくはシクロペンチルまたはシクロヘキシルであり、各ArおよびArが独立にアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシから選択されるRまたはRで置換されていても良いものである。
この実施形態(e)内では、ある化合物群はArがフェニルであり、Arがシクロプロピルであり、Ar上記で定義のように置換されていても良いものである。
この実施形態(e)内では、ある化合物群はArがフェニルであり、Arがシクロプロピルであり、Arが独立にアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシから選択されるRまたはRで置換されていても良いものである。
(f)実施形態(I)、群(i)から(iii)、(A)、(B)およびそれに含まれる群および群(i)から(iii)、(A)、(B)およびそれに含まれる群の組み合わせの結果として形成される群内では、さらに別の化合物群は、ArおよびArが上記で定義のように置換されていても良いヘテロアリールであるものである。
この実施形態(f)内では、ある化合物群は、ArおよびArが、それぞれ独立にアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシから選択されるRまたはRで置換されていても良いヘテロアリールであるものである。
(g)実施形態(I)、群(i)から(iii)、(A)、(B)およびそれに含まれる群および群(i)から(iii)、(A)、(B)およびそれに含まれる群の組み合わせの結果として形成される群内では、さらに別の化合物群は、Arがヘテロアリールであり、Arがシクロアルキルであり、各ArおよびArが上記で定義のように置換されていても良いものである。
(h)実施形態(I)、群(i)から(iii)、(A)、(B)およびそれに含まれる群および群(i)から(iii)、(A)、(B)およびそれに含まれる群の組み合わせの結果として形成される群内では、さらに別の化合物群は、Arが複素環であり、Arがヘテロアリールであり、各ArおよびArが上記で定義のように置換されていても良いものである。
(i)実施形態(I)、群(i)から(iii)、(A)、(B)およびそれに含まれる群および群(i)から(iii)、(A)、(B)およびそれに含まれる群の組み合わせの結果として形成される群内では、さらに別の化合物群は、Arがシクロアルキルであり、Arが複素環であり、各ArおよびArが上記で定義のように置換されていても良いものである。
(j)実施形態(I)、群(i)から(iii)、(A)、(B)およびそれに含まれる群および群(i)から(iii)、(A)、(B)およびそれに含まれる群の組み合わせの結果として形成される群内では、さらに別の化合物群は、Arがシクロアルキルであり、Arがシクロアルキルであり、各ArおよびArが上記で定義のように置換されていても良いものである。
(II)実施形態(IA)内では、別の実施形態において、式(I)の化合物は下記式によって表される。
Figure 2011506441
式中、基は上記の(IA)で定義の通りである。
この実施形態(II)内では、
(i)ある化合物群において、RおよびRは水素である。
(ii)別の化合物群において、Rは水素であり、Rはアルキルである。
(iii)さらに別の化合物群において、Rは水素であり、Rはメチルである。
(A)実施形態(II)および群(i)から(iii)内では、ある化合物群において、RおよびRは水素である。
(B)実施形態(II)および群(i)から(iii)内では、別の化合物群は、Rが水素であり、Rがメチル、エチルまたはプロピルであって、ピペリジン窒素原子、すなわちピペリジン環中の窒素に対してオルトの炭素原子にあるものである。群(B)内では、一つの化合物群は、Rがメチルであるものである。群(B)内では、別の化合物群は、Rがメチルであり、R基を有する炭素原子での立体化学が(R)であるものである。この群内では、さらに別の化合物群は、Rがメチルであり、R基を有する炭素原子での立体化学が(S)であるものである。
(a)実施形態(II)、群(i)から(iii)、(A)、(B)およびそこに含まれる群ならびに群(i)から(iii)、(A)、(B)およびそこに含まれる群の組み合わせの結果として形成される群内では、一つの化合物群は、ArおよびArがフェニルであり、各フェニルが上記の(IA)で定義のように置換されていても良いものである。
群(a)内では、一つの化合物群は、ArおよびArがフェニルであるものである。この実施形態内では、別の化合物群は、Arがフェニルであり、Arがアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシであるRで置換されたフェニルであるものである。
群(a)内では、別の化合物群は、Arがフェニルであり、Arがアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシであるRで置換されたフェニルであり、Rがフェニル環の2位、3位または4位、好ましくは3位にあり、−CHAr基に結合した炭素原子が1位にあるものである。
群(a)内では、別の化合物群は、Arがアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシから選択されるRで置換されたフェニルであり、好ましくはRがそのフェニル環の2位、3位もしくは4位、好ましくは3位にあり、Arがアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、フェニル環のトリフル(triflu)2位、3位もしくは4位、好ましくは3位から選択されるRで置換されたフェニルであるものである。
群(a)内では、別の化合物群は、ArおよびArが、独立にRまたはRで置換されていても良いフェニルであり、RおよびRが独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノまたは5員もしくは6員の5員もしくは6員の複素環もしくはヘテロアリールであるものであり、ただし、前記フェニルのうちの少なくとも一方が置換されており、すなわち前記フェニル環のうちの一方がモノ置換もしくはジ置換されており、他方が置換されていないか、または両方の環がモノ置換である化合物を包含するものである。
群(a)内では、別の化合物群は、Arがフェニルであり、Arがアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシまたはフェニル、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、フェニルまたは2,2,2−トリフルオロエトキシから選択されるRで置換されたフェニルであり、Rが前記フェニル環の2位、3位または4位、好ましくは3位にあり、−NAr基に結合した炭素原子が1位にあるものである。
(b)実施形態(II)、群(i)から(iii)、(A)、(B)およびそれに含まれる群ならびに群(i)から(iii)、(A)、(B)およびそれに含まれる群の組み合わせの結果として形成される群内で、別の化合物群は、Arがフェニルであり、Arがヘテロアリールであり、それぞれが上記の(IA)で定義のように置換されていても良いものである。
群(b)内では、ある化合物群は、Arがフェニルであり、Arがヘテロアリール、好ましくはピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピリジニルまたはチエニルであり、各ArおよびArは上記の(IA)で定義のように置換されていても良いものである。好ましくは、ArおよびArは独立にRまたはRで置換されていても良く、RおよびRは独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノまたは5員もしくは6員の複素環またはヘテロアリールであるが、ただし、ArおよびArのうちの少なくとも一方は置換されており、すなわち前記フェニルまたはヘテロアリール環のうちの一方がモノ置換もしくはジ置換であり、他方が置換されていないか、または両方の環がモノ置換である化合物が含まれる。
群(b)内では、別の化合物群は、Arがフェニルであり、Arが独立にアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシから選択されるRもしくはRで置換されていても良いピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピリジニルまたはチエニルであるものである。
群(b)内では、別の化合物群は、Arが独立にアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシから選択されるRまたはRで置換されていても良いフェニルであり、Arがピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピリジニルまたはチエニル、好ましくはチエニルであるものである。
(c)実施形態(II)、群(i)から(iii)、(A)、(B)およびそれに含まれる群および群(i)から(iii)、(A)、(B)およびそれに含まれる群の組み合わせの結果として形成される群内では、さらに別の化合物群は、ArおよびArが上記の(IA)で定義のように置換されていても良いヘテロアリールであるものである。
群(c)内では、ある化合物群はArおよびArがそれぞれ独立にアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシから選択されるRまたはRで置換されていても良いヘテロアリールであるものである。
(d)実施形態(II)、群(i)から(iii)、(A)、(B)およびそれに含まれる群および群(i)から(iii)、(A)、(B)およびそれに含まれる群の組み合わせの結果として形成される群内では、さらに別の化合物群は、Arがフェニルであり、Arが複素環であり、各ArおよびArが上記の(IA)で定義のように置換されていても良いものである。
この実施形態(d)内では、ある化合物群はArがフェニルであり、Arがテトラヒドロピラニル、ピペリジニルまたはテトラヒドロフラニルであり、各ArおよびArが上記の(IA)で定義のように置換されていても良いものである。
この実施形態(d)内では、ある化合物群はArがフェニルであり、Arが複素環、好ましくは独立にアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシから選択されるRまたはRで置換されていても良いテトラヒドロピラニル、ピペリジニルまたはテトラヒドロフラニルであるものである。この群内では、別の化合物群は、Arが独立にアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシから選択されるRまたはRで置換されていても良いフェニルであり、Arがテトラヒドロピラニル、ピペリジニルまたはテトラヒドロフラニルであるものである。
(e)実施形態(II)、群(i)から(iii)、(A)、(B)およびそれに含まれる群および群(i)から(iii)、(A)、(B)およびそれに含まれる群の組み合わせの結果として形成される群内では、さらに別の化合物群は、Arがフェニルであり、Arがシクロアルキルであり、各ArおよびArが上記で定義のように置換されていても良いものである。
この実施形態(e)内では、ある化合物群はArがフェニルであり、Arがシクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルであり、各ArおよびArが上記で定義のように置換されていても良いものである。
この実施形態(e)内では、ある化合物群はArがフェニルであり、Arがシクロアルキル、好ましくはシクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルであり、各ArおよびArが独立にアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシから選択されるRまたはRで置換されていても良いものである。
この実施形態(e)内では、ある化合物群はArがフェニルであり、Arがシクロプロピルであり、Ar上記で定義のように置換されていても良いものである。
この実施形態(e)内では、ある化合物群はArがフェニルであり、Arがシクロプロピルであり、Arが独立にアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシから選択されるRまたはRで置換されていても良いものである。
(f)実施形態(II)、群(i)から(iii)、(A)、(B)およびそれに含まれる群および群(i)から(iii)、(A)、(B)およびそれに含まれる群の組み合わせの結果として形成される群内では、さらに別の化合物群は、ArおよびArが上記で定義のように置換されていても良いヘテロアリールであるものである。
この実施形態(f)内では、ある化合物群は、ArおよびArが、それぞれ独立にアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシから選択されるRまたはRで置換されていても良いヘテロアリールであるものである。
(g)実施形態(II)、群(i)から(iii)、(A)、(B)およびそれに含まれる群および群(i)から(iii)、(A)、(B)およびそれに含まれる群の組み合わせの結果として形成される群内では、さらに別の化合物群は、Arがヘテロアリールであり、Arがシクロアルキルであり、各ArおよびArが上記で定義のように置換されていても良いものである。
(h)実施形態(II)、群(i)から(iii)、(A)、(B)およびそれに含まれる群および群(i)から(iii)、(A)、(B)およびそれに含まれる群の組み合わせの結果として形成される群内では、さらに別の化合物群は、Arが複素環であり、Arがヘテロアリールであり、各ArおよびArが上記で定義のように置換されていても良いものである。
(i)実施形態(II)、群(i)から(iii)、(A)、(B)およびそれに含まれる群および群(i)から(iii)、(A)、(B)およびそれに含まれる群の組み合わせの結果として形成される群内では、さらに別の化合物群は、Arがシクロアルキルであり、Arが複素環であり、各ArおよびArが上記で定義のように置換されていても良いものである。
(j)実施形態(II)、群(i)から(iii)、(A)、(B)およびそれに含まれる群および群(i)から(iii)、(A)、(B)およびそれに含まれる群の組み合わせの結果として形成される群内では、さらに別の化合物群は、Arがシクロアルキルであり、Arがシクロアルキルであり、各ArおよびArが上記で定義のように置換されていても良いものである。
(III)実施形態(IA)内では、別の実施形態において、式(I)の化合物は、下記式によって表される。
Figure 2011506441
は、式(i)から(iii)の環である。
実施形態(III)内では、
(A)1実施形態において、Xは−CH−である。
(B)別の実施形態において、Xは−N−である。
(i)実施形態AおよびB内では、ある化合物群において、RおよびRは水素である。
(ii)実施形態(III)、AおよびB内では、別の化合物群において、Rは水素であり、Rはアルキルである。
(iii)実施形態(III)、AおよびB内では、さらに別の化合物群において、Rは水素であり、Rはメチルである。
(a)実施形態(III)、A、B、(i)から(iii)およびA、Bおよび(i)から(iii)の組み合わせによって形成される群内では、ある化合物群において、RおよびRは水素である。
(b)実施形態(III)、A、B、(i)から(iii)およびA、Bおよび(i)から(iii)の組み合わせによって形成される群内では、別の化合物群は、Rが水素であり、Rがメチル、エチルまたはプロピルであり、−CRCOH基で置換された環窒素原子に対してオルトである炭素原子にあるものである。この実施形態内では、ある化合物群はRがメチルであるものである。この実施形態内では、ある化合物群はRがメチルであり、R基を有する炭素原子での立体化学が(R)であるものである。この実施形態内では、ある化合物群はRがメチルであり、R基を有する炭素原子での立体化学が(S)であるものである。
(c)実施形態(III)、A、B、(i)から(iii)、(a)および(b)およびそれに含まれる群ならびに群A、B、(i)から(iii)、(a)、(b)およびそれに含まれる群の組み合わせの結果として形成される群内では、ある化合物群はRが式(I)の環であるものである。
この実施形態(c)内では、ある化合物群はRが下記式の環であるものである。
Figure 2011506441
この実施形態(c)内では、ある化合物群はRが下記式の環であるものである。
Figure 2011506441
この実施形態(c)内では、ある化合物群はAが下記式の環であるものである。
Figure 2011506441
この実施形態(c)内では、ある化合物群はAが下記式の環であるものである。
Figure 2011506441
(d)実施形態(III)、A、B、(i)から(iii)、(a)および(b)およびそれに含まれる群および群A、B、(i)から(iii)、(a)、(b)およびそれに含まれる群の組み合わせの結果として形成される群内では、ある化合物群はRが式(II)の環であるものである。
この実施形態(d)内で、さらに別の化合物群は、Aが下記式の環であるものである。
Figure 2011506441
この群内では、ある化合物群はZが−CH−であるものである。この群内では、ある化合物群は、Zが−NH−であるものである。この群内では、ある化合物群はZが−O−であるものである。
この実施形態(d)内では、さらに別の化合物群は、Aが下記式の環であるものである。
Figure 2011506441
(e)実施形態(III)、A、B、(i)から(iii)、(a)および(b)およびそれに含まれる群および群A、B、(i)から(iii)、(a)、(b)およびそれに含まれる群の組み合わせの結果として形成される群内では、ある化合物群は、Rが式(iii)の環であるものである。
この実施形態(e)内では、さらに別の化合物群は、Aが下記式の環であるものである。
Figure 2011506441
この実施形態(e)内では、さらに別の化合物群は、Aが下記式の環であるものである。
Figure 2011506441
Dは5員もしくは6員のヘテロアリール環であるものである。
上記の群(a)から(e)内では、ある化合物群はR、RおよびRが独立に水素、アルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシであるものである。
上記の群(a)から(e)内では、さらに別の化合物群は、R、RおよびRがアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシであり、R、RおよびRが独立に水素、アルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくは水素、メチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシであり、RおよびRが水素であるものである。
(IV)実施形態(IA)内では、別の実施形態において、式(I)の化合物は下記式によって表される。
Figure 2011506441
は、式(iv)から(ix)の環である。
群(IV)内では、
(A)1実施形態において、Xは−CH−である。
(B)別の実施形態において、Xは−N−である。
(i)実施形態(IV)、AおよびB内では、ある化合物群において、RおよびRは水素である。
(ii)実施形態(IV)、AおよびB内では、別の化合物群において、Rは水素であり、Rはアルキルである。
(iii)実施形態(IV)、AおよびB内では、さらに別の化合物群において、Rは水素であり、Rはメチルである。
(a)実施形態(IV)、A、B、(i)から(iii)およびA、Bおよび(i)から(iii)の組み合わせによって形成される群内では、ある化合物群において、RおよびRは水素である。
(b)実施形態(IV)、A、B、(i)から(iii)およびA、Bおよび(i)から(iii)の組み合わせによって形成される群内では、別の化合物群は、Rが水素であり、Rがメチル、エチルまたはプロピルであり、−CRCOH基で置換された環窒素原子に対してオルトである炭素原子にあるものである。この実施形態内では、ある化合物群は、Rがメチルであるものである。この実施形態内では、ある化合物群は、Rがメチルであり、R基を有する炭素原子での立体化学が(R)であるものである。この実施形態内では、ある化合物群は、Rがメチルであり、R基を有する炭素原子での立体化学が(S)であるものである。
(c)実施形態(IV)、A、B、(i)から(iii)、(a)および(b)およびそれに含まれる群および群A、B、(i)から(iii)、(a)、(b)およびそれに含まれる群の組み合わせの結果として形成される群内では、ある化合物群はRが「課題を解決するための手段」で定義のR、RおよびRで置換された下記式(iv)の環であるものである。
Figure 2011506441
この群内では、ある化合物群は(iv)が下記の構造を有するものである。
Figure 2011506441
(d)実施形態(IV)、A、B、(i)から(iii)、(a)および(b)およびそれに含まれる群および群A、B、(i)から(iii)、(a)、(b)およびそれに含まれる群の組み合わせの結果として形成される群内では、ある化合物群は、Rが、「課題を解決するための手段」で定義のR、RおよびRによって置換された下記式(v)の環であるものである。
Figure 2011506441
この群内では、ある化合物群はRが下記の構造を有するものである。
Figure 2011506441
(e)実施形態(IV)、A、B、(i)から(iii)、(a)および(b)およびそれに含まれる群および群A、B、(i)から(iii)、(a)、(b)およびそれに含まれる群の組み合わせの結果として形成される群内では、ある化合物群は、Rが「課題を解決するための手段」で定義のR、RおよびRによって置換された下記式(vi)の環であるものである。
Figure 2011506441
この群内では、ある化合物群はRが下記の構造を有するものである。
Figure 2011506441
(f)実施形態(IV)、A、B、(i)から(iii)、(a)および(b)およびそれに含まれる群および群A、B、(i)から(iii)、(a)、(b)およびそれに含まれる群の組み合わせの結果として形成される群内では、ある化合物群は、Rが「課題を解決するための手段」で定義のR、RおよびRによって置換された下記式(vii)の環であるものである。
Figure 2011506441
この群内では、ある化合物群はRが下記の構造を有するものである。
Figure 2011506441
(g)実施形態(IV)、A、B、(i)から(iii)、(a)および(b)およびそれに含まれる群および群A、B、(i)から(iii)、(a)、(b)およびそれに含まれる群の組み合わせの結果として形成される群内では、ある化合物群は、Rが「課題を解決するための手段」で定義のR、RおよびRによって置換された下記式(ix)の環であるものである。
Figure 2011506441
この群内では、ある化合物群はRが下記の構造を有するものである。
Figure 2011506441
この群内では、ある化合物群は、Yが−CH−であるものである。この群内では、ある化合物群は、Yが−NH−であるものである。この群内では、ある化合物群は、Yが−O−であるものである。
(h)実施形態(IV)、A、B、(i)から(iii)、(a)および(b)およびそれに含まれる群および群I、II、(i)から(iii)、(a)、(b)およびそれに含まれる群の組み合わせの結果として形成される群内では、ある化合物群は、Rが「課題を解決するための手段」で定義のR、RおよびRによって置換された下記式(vi)の環であるものである。
Figure 2011506441
この群内では、ある化合物群はRが下記の構造を有するものである。
Figure 2011506441
この群内では、ある化合物群は、Zが−CH−であるものである。この群内では、ある化合物群は、Zが−NH−であるものである。この群内では、ある化合物群は、Zが−O−であるものである。
上記の群(a)から(h)内では、ある化合物群は、Rがアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシであるものである。
上記の群(a)から(h)内では、ある化合物群は、Rがアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシであり、Rが水素、アルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくは水素、メチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシであるものである。
(V)さらに別の実施形態において、式(I)の化合物は、下記式によって表される。
Figure 2011506441
式中、
Xは−CH−であり;
およびRは独立に水素またはアルキルであり;
およびRは独立に水素、アルキル、ハロアルキル、アルコキシまたはハロアルコキシであり;
n1は0であり、n2は1または2であり;
は「課題を解決するための手段」で定義の通りである。
実施形態(V)では、
(A)1実施形態において、n1は0であり、n2は1である。
(B)別の実施形態において、n1は0であり、n2は2である。
(i)実施形態(V)、AおよびB内では、ある化合物群において、RおよびRは水素である。
(ii)実施形態(V)、AおよびB内では、別の化合物群において、Rは水素であり、Rはアルキルである。
(iii)実施形態(V)、AおよびB内では、さらに別の化合物群において、Rは水素であり、Rはメチルである。
(a)実施形態(V)、A、B、(i)から(iii)およびA、Bおよび(i)から(iii)の組み合わせによって形成される群内では、ある化合物群において、RおよびRは水素である。
(b)実施形態(V)、A、B、(i)から(iii)およびA、Bおよび(i)から(iii)の組み合わせによって形成される群内では、別の化合物群は、Rが水素であり、Rがメチル、エチルまたはプロピルであり、−CRCOH基で置換された環窒素原子に対してオルトである炭素原子にあるものである。この実施形態内では、ある化合物群は、Rがメチルであるものである。この実施形態内では、ある化合物群は、Rがメチルであり、R基を有する炭素原子での立体化学が(R)であるものである。この実施形態内では、ある化合物群は、Rがメチルであり、R基を有する炭素原子での立体化学が(S)であるものである。
(c)実施形態(V)、A、B、(i)から(iii)、(a)および(b)およびそれに含まれる群および群A、B、(i)から(iii)、(a)、(b)およびそれに含まれる群の組み合わせの結果として形成される群内では、ある化合物群は、Rが−CHArArまたは−NArArであり、ArおよびArが独立にアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたは複素環であり、上記の各環がR、RまたはRで置換されていても良く、Rがアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニルまたはアシルアミノであり、RおよびRが独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニル、アシルアミノ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたは複素環から選択され、R、RおよびRにおける芳香族または脂環式環が、独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニルまたはアシルアミノから選択されるR、RまたはRで置換されていても良いものである。
この実施形態(c)内では、ある化合物群において、Rは−CHArArであり、ArおよびArは上記で定義の通りである。この実施形態(c)内では、別の化合物群において、Rは−NArArであり、ArおよびArは上記で定義の通りである。
(i)実施形態(c)およびそれに含まれる実施形態内では、ある化合物群は、ArおよびArがフェニルであり、各フェニルがそこで定義のように置換されていても良いものである。
群(i)内では、ある化合物群は、ArおよびArがフェニルであるものである。
この実施形態(i)内では、別の化合物群は、Arがフェニルであり、Arがアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシであるRで置換されたフェニルであるものである。
群(i)内では、別の化合物群は、Arがフェニルであり、Arがアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシであるRで置換されたフェニルであり、Rが前記フェニル環の2位、3位または4位、好ましくは3位にあり、−CHAr基に結合した炭素原子が1位であるものである。
群(i)内では、別の化合物群は、Arがアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシから選択されるRで置換されたフェニルであり、好ましくはRが前記フェニル環の2位、3位または4位、好ましくは3位にあり、Arがアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメトキシから選択されるRで置換されたフェニルであり、好ましくはRが前記フェニル環の2位、3位または4位、好ましくは3位にあるものである。
群(i)内では、別の化合物群は、ArおよびArが、独立にRまたはRで置換されていても良いフェニルであり、RおよびRが独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノまたは5員もしくは6員の複素環またはヘテロアリールであるものであり、ただし、前記フェニルのうちの少なくとも一つが置換されており、すなわち前記フェニル環のうちの一方がモノ置換もしくはジ置換であり、他方が置換されていないか、両方の環がモノ置換である化合物を含む。
群(i)内では、別の化合物群は、Arがフェニルであり、Arがアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシまたはフェニル、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、フェニルまたは2,2,2−トリフルオロエトキシから選択されるRで置換されたフェニルであり、Rが前記フェニル環の2位、3位または4位、好ましくは3位にあり、−NAr基に結合した炭素原子が1位であるものである。
(ii)実施形態(c)およびそれに含まれる実施形態内では、別の化合物群は、Arがフェニルであり、Arがヘテロアリールであり、それぞれ「課題を解決するための手段」で定義のように置換されていても良いものである。
群(ii)内では、ある化合物群は、Arがフェニルであり、Arがヘテロアリール、好ましくはピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピリジニルまたはチエニルであり、各ArおよびArが「課題を解決するための手段」で定義のように置換されていても良いものである。好ましくは、ArおよびArは独立に、RまたはRで置換されていても良く、RおよびRは独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノまたは5員もしくは6員の複素環またはヘテロアリールであり、ただし、ArおよびArのうちの少なくとも一つが置換されており、すなわち前記フェニルまたはヘテロアリール環のうちの一方がモノ置換またはジ置換であり、他方が置換されていないか、両方の環がモノ置換である化合物が含まれる。
群(ii)内では、別の化合物群は、Arがフェニルであり、Arが独立にアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシから選択されるRまたはRで置換されていても良いピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピリジニルまたはチエニルであるものである。
群(ii)内では、別の化合物群は、Arが独立にアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシから選択されるRまたはRで置換されていても良いフェニルであり、Arがピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピリジニルまたはチエニル、好ましくはチエニルであるものである。
(iii)実施形態(c)およびそれに含まれる実施形態内では、さらに別の化合物群は、ArおよびArが「課題を解決するための手段」で定義のように置換されていても良いヘテロアリールであるものである。
群(iii)内では、ある化合物群は、ArおよびArがそれぞれ独立にアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシから選択されるRまたはRで置換されていても良いヘテロアリールであるものである。
(iv)実施形態(c)およびそれに含まれる実施形態内では、さらに別の化合物群は、Arがフェニルであり、Arが複素環であり、各ArおよびArが上記で定義のように置換されていても良いものである。
この実施形態(iv)内では、ある化合物群は、Arがフェニルであり、Arがテトラヒドロピラニル、ピペリジニルまたはテトラヒドロフラニルであり、各ArおよびArが上記で定義のように置換されていても良いものである。
この実施形態(iv)内では、ある化合物群は、Arがフェニルであり、Arが独立にアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシから選択されるRまたはRで置換されていても良い複素環、好ましくはテトラヒドロピラニル、ピペリジニルまたはテトラヒドロフラニルであるものである。この群内では、別の化合物群は、Arが独立にアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシから選択されるRまたはRで置換されていても良いフェニルであり、Arがテトラヒドロピラニル、ピペリジニルまたはテトラヒドロフラニルであるものである。
(v)実施形態(c)およびそれに含まれる実施形態内では、さらに別の化合物群は、Arがフェニルであり、Arがシクロアルキルであり、各ArおよびArが上記で定義のように置換されていても良いものである。
この実施形態(v)内では、ある化合物群は、Arがフェニルであり、Arがシクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルであり、各ArおよびArが上記で定義のように置換されていても良いものである。
この実施形態(v)内では、ある化合物群は、Arがフェニルであり、Arがシクロアルキル、好ましくはシクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルであり、各ArおよびArが独立にアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシから選択されるRまたはRで置換されていても良いものである。
この実施形態(v)内では、ある化合物群は、Arがフェニルであり、Arがシクロプロピルであり、Arが上記で定義のように置換されていても良いものである。
この実施形態(v)内では、ある化合物群は、Arがフェニルであり、Arがシクロプロピルであり、Arが独立にアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシから選択されるRまたはRで置換されていても良いものである。
(vi)実施形態(c)およびそれに含まれる実施形態内では、さらに別の化合物群は、ArおよびArが上記で定義のように置換されていても良いヘテロアリールであるものである。
この実施形態(vi)内では、ある化合物群は、ArおよびArがそれぞれ独立にアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシから選択されるRまたはRで置換されていても良いヘテロアリールであるものである。
(vii)実施形態(c)およびそれに含まれる実施形態内では、さらに別の化合物群は、Arがヘテロアリールであり、Arがシクロアルキルであり、各ArおよびArが上記で定義のように置換されていても良いものである。
(viii)実施形態(c)およびそれに含まれる実施形態内では、さらに別の化合物群は、Arが複素環であり、Arがヘテロアリールであり、各ArおよびArが上記で定義のように置換されていても良いものである。
(ix)実施形態(c)およびそれに含まれる実施形態内では、さらに別の化合物群は、Arがシクロアルキルであり、Arが複素環であり、各ArおよびArが上記で定義のように置換されていても良いものである。
(x)実施形態(c)およびそれに含まれる実施形態内では、さらに別の化合物群は、Arがシクロアルキルであり、Arがシクロアルキルであり、各ArおよびArが上記で定義のように置換されていても良いものである。
(d)実施形態(V)、A、B、(i)から(iii)、(a)および(b)およびそれに含まれる群および群A、B、(i)から(iii)、(a)、(b)およびそれに含まれる群の組み合わせの結果として形成される群内では、ある化合物群は、Rが式(i)の環であるものである。
この実施形態(d)内では、ある化合物群はRが下記式の環であるものである。
Figure 2011506441
この実施形態(d)内では、ある化合物群はRが下記式の環であるものである。
Figure 2011506441
この実施形態(d)内では、ある化合物群はAが下記式の環であるものである。
Figure 2011506441
この実施形態(d)内では、ある化合物群はAが下記式の環であるものである。
Figure 2011506441
(e)実施形態(V)、A、B、(i)から(iii)、(a)および(b)およびそれに含まれる群および群A、B、(i)から(iii)、(a)、(b)およびそれに含まれる群の組み合わせの結果として形成される群内では、ある化合物群はRが式(II)の環であるものである。
この実施形態(e)内で、さらに別の化合物群は、Aが下記式の環であるものである。
Figure 2011506441
この群内では、ある化合物群はZが−CH−であるものである。この群内では、ある化合物群は、Zが−NH−であるものである。この群内では、ある化合物群はZが−O−であるものである。
この実施形態(e)内では、さらに別の化合物群は、Aが下記式の環であるものである。
Figure 2011506441
(f)実施形態(V)、A、B、(i)から(iii)、(a)および(b)およびそれに含まれる群および群A、B、(i)から(iii)、(a)、(b)およびそれに含まれる群の組み合わせの結果として形成される群内では、ある化合物群は、Rが式(iii)の環であるものである。
この実施形態(f)内では、さらに別の化合物群は、Aが下記式の環であるものである。
Figure 2011506441
この実施形態(f)内では、さらに別の化合物群は、Aが下記式の環であるものである。
Figure 2011506441
Dは5員もしくは6員のヘテロアリール環であるものである。
上記の群(d)から(f)内では、ある化合物群はR、RおよびRが独立に水素、アルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシであるものである。
上記の群(d)から(f)内では、さらに別の化合物群は、R、RおよびRがアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシであり、R、RおよびRが独立に水素、アルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくは水素、メチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシであり、RおよびRが水素であるものである。
(g)実施形態(V)、A、B、(i)から(iii)、(a)および(b)およびそれに含まれる群および群A、B、(i)から(iii)、(a)、(b)およびそれに含まれる群の組み合わせの結果として形成される群内では、ある化合物群はRが「課題を解決するための手段」で定義のR、RおよびRで置換された下記式(iv)の環であるものである。
Figure 2011506441
この群内では、ある化合物群は(iv)が下記の構造を有するものである。
Figure 2011506441
(h)実施形態(V)、A、B、(i)から(iii)、(a)および(b)およびそれに含まれる群および群A、B、(i)から(iii)、(a)、(b)およびそれに含まれる群の組み合わせの結果として形成される群内では、ある化合物群は、Rが、「課題を解決するための手段」で定義のR、RおよびRによって置換された下記式(v)の環であるものである。
Figure 2011506441
この群内では、ある化合物群はRが下記の構造を有するものである。
Figure 2011506441
(i)実施形態(V)、A、B、(i)から(iii)、(a)および(b)およびそれに含まれる群および群A、B、(i)から(iii)、(a)、(b)およびそれに含まれる群の組み合わせの結果として形成される群内では、ある化合物群は、Rが「課題を解決するための手段」で定義のR、RおよびRによって置換された下記式(vi)の環であるものである。
Figure 2011506441
この群内では、ある化合物群はRが下記の構造を有するものである。
Figure 2011506441
(j)実施形態(V)、A、B、(i)から(iii)、(a)および(b)およびそれに含まれる群および群A、B、(i)から(iii)、(a)、(b)およびそれに含まれる群の組み合わせの結果として形成される群内では、ある化合物群は、Rが「課題を解決するための手段」で定義のR、RおよびRによって置換された下記式(vii)の環であるものである。
Figure 2011506441
この群内では、ある化合物群はRが下記の構造を有するものである。
Figure 2011506441
(k)実施形態(V)、A、B、(i)から(iii)、(a)および(b)およびそれに含まれる群および群A、B、(i)から(iii)、(a)、(b)およびそれに含まれる群の組み合わせの結果として形成される群内では、ある化合物群は、Rが「課題を解決するための手段」で定義のR、RおよびRによって置換された下記式(ix)の環であるものである。
Figure 2011506441
この群内では、ある化合物群はRが下記の構造を有するものである。
Figure 2011506441
この群内では、ある化合物群は、Yが−CH−であるものである。この群内では、ある化合物群は、Yが−NH−であるものである。この群内では、ある化合物群は、Yが−O−であるものである。
(l)実施形態(V)、A、B、(i)から(iii)、(a)および(b)およびそれに含まれる群および群A、B、(i)から(iii)、(a)、(b)およびそれに含まれる群の組み合わせの結果として形成される群内では、ある化合物群は、Rが「課題を解決するための手段」で定義のR、RおよびRによって置換された下記式(vi)の環であるものである。
Figure 2011506441
この群内では、ある化合物群はRが下記の構造を有するものである。
Figure 2011506441
この群内では、ある化合物群は、Zが−CH−であるものである。この群内では、ある化合物群は、Zが−NH−であるものである。この群内では、ある化合物群は、Zが−O−であるものである。
上記の群(g)から(l)内では、ある化合物群は、Rがアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシであるものである。
上記の群(g)から(l)内では、ある化合物群は、Rがアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくはメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシであり、Rが水素、アルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシ、好ましくは水素、メチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシであるものである。
(VI)さらに別の実施形態において、式(I)の化合物は、Rが−NArArであり、ArおよびArが「課題を解決するための手段」で定義の通りであるものである。
(VII)さらに別の実施形態において、式(I)の化合物は、Rが−CHArArであり、ArおよびArが「課題を解決するための手段」で定義の通りであるものである。
実施形態(VI)および(VII)内では、1化合物群において、Arはフェニルであり、Arはヘテロアリール、好ましくはピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピリジニルまたはチエニルであり、各ArおよびArは「課題を解決するための手段」で定義の通りであるものである。好ましくは、ArおよびArはそれぞれ独立に、Rおよび/またはRで置換されており、RおよびRは独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノまたは5員もしくは6員の複素環またはヘテロアリールであり、すなわち前記フェニルおよびヘテロアリール環のうちの一方がジ置換であり、他方が置換されていないか、両方の環がモノ置換であるか、一方の環のみがモノ置換である化合物が含まれる。
実施形態(VI)および(VII)内では、別の化合物群において、ArおよびArはフェニルであり、各ArおよびArは「課題を解決するための手段」で定義のように置換されていても良い。好ましくは、ArおよびArはそれぞれ独立に、Rおよび/またはRで置換されており、RおよびRは独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノまたは5員もしくは6員の複素環またはヘテロアリールであり、すなわち前記フェニル環のうちの一方がジ置換であり、他方が置換されていないか、両方の環がモノ置換であるか、一方の環のみがモノ置換である化合物が含まれる。好ましくは、Arはフェニルであり、ArはRで置換されたフェニルであり、Rはアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシまたはフェニル、好ましくはメチル、クロロ、フルオロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたはフェニルであり、好ましくはRは−CH−Ar基または−NAr基に結合した炭素に対してメタの炭素にある。
実施形態(VI)および(VII)内では、別の化合物群において、ArおよびArはそれぞれ独立に、Rおよび/またはRで置換されており、RおよびRは独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノまたは5員もしくは6員の複素環またはヘテロアリール、好ましくはメチル、クロロ、ブロモ、フルオロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、チエニル、ピリジニルまたはピロリジン−1−イルであり、すなわち前記フェニルおよびヘテロアリール環のうちの一方がジ置換であり、他方が置換されていないか、両方の環がモノ置換であり、または一方の環のみがモノ置換である化合物が含まれる。好ましくは、Arはフェニル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、チエニル、ピロリル、ピリジル、テトラヒドロフラニルまたはピリミジニルから選択され、Arは独立に上記のように置換されたフェニルである。
実施形態(VI)および(VII)ならびにそれに含まれる群では、ある化合物群において、RおよびRは水素である。
実施形態(VI)および(VII)ならびにそれに含まれる群内では、ある化合物群において、RおよびRは水素である。好ましくは、RおよびRは、n1が0であり、n2が1である場合には水素である。
実施形態(VI)および(VII)およびそれに含まれる群内では、別の化合物群において、Rは水素であり、Rはアルキルであり、好ましくはRはメチルであり、好ましくはn1およびn2が1である場合に、−CRCOHで置換された窒素に対してオルトの炭素原子にある。
(VIII)さらに別の実施形態において、式(I)の化合物は、Rが式(i)、(ii)または(iii)の環であるものである。
(IX)さらに別の実施形態において、式(I)の化合物は、Rが式(iv)から(ix)の環であるものである。
実施形態(VIII)および(IX)内では、ある化合物群において、RおよびRは水素である。
実施形態(VIII)および(IX)ならびにそれに含まれる群内では、ある化合物群において、RおよびRは水素である。好ましくは、n1が0であり、n2が1である場合、RおよびRは水素である。
実施形態(VIII)および(IX)ならびにそれに含まれる群内では、別の化合物群において、Rは水素であり、Rはアルキルであり、好ましくはRはメチルであり、好ましくはn1およびn2が1である場合に−CRCOHで置換された窒素に対してオルトである炭素原子にある。
(X)さらに別の実施形態において、式(I)の化合物は、RおよびRが水素であるものである。好ましくは、n1が0であり、n2が1である場合に、RおよびRは水素である。
(XI)さらに別の実施形態において、式(I)の化合物は、Rが水素であり、Rがアルキルであり、好ましくはRがメチルであり、好ましくはn1およびn2が1である場合に−CRCOHで置換された窒素に対してオルトである炭素原子にあるものである。
(XII)さらに別の実施形態において、式(I)の化合物は、RおよびRが水素であるものである。この実施形態(XII)内では、ある化合物群において、RおよびRは水素である。この実施形態(XII)内では、別の化合物群において、Rは水素であり、Rはアルキルであり、好ましくはRはメチルであり、好ましくはn1およびn2が1である場合に−CRCOHで置換された窒素に対してオルトである炭素原子にあるものである。
(XIII)さらに別の実施形態において、式(I)の化合物は、ArおよびArがフェニルであるものである。
(XIV)さらに別の実施形態において、式(I)の化合物は、ArおよびArがR、RまたはRで置換されたフェニルであるものである。好ましくは、ArおよびArはそれぞれ独立にRまたはRで置換されていても良く、RおよびRは独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノまたは5員もしくは6員の複素環またはヘテロアリール、好ましくはアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシまたはシアノであり、ただし、ArおよびArのうちの少なくとも一方は置換されており、すなわち、ArおよびArのうちの一方がモノ置換もしくはジ置換であり、他方が置換されていないか両方がモノ置換である化合物が含まれる。
(XV)さらに別の実施形態において、式(I)の化合物は、下記の構造を有する。
Figure 2011506441
好ましくは(b)、(c)または(d);RおよびRは独立にHまたはアルキル、好ましくはHであり;
は水素またはアルキル、好ましくは水素であり;
は水素またはアルキル、好ましくは水素またはメチル、より好ましくは構造(a)および(b)においてRはメチルであり、(c)および(b)においてRは水素であり;
ArおよびArは、独立に水素、アルキル、ハロ、ハロアルキルまたは5員もしくは6員のヘテロアリールから選択されるRおよび/またはRでそれぞれ独立に置換されているフェニルである。好ましくはArはフェニルであり、Arはアルキル、ハロ、ハロアルキルまたは5員もしくは6員のヘテロアリール、より好ましくはメチル、トリフルオロメチルまたはピリジニルから選択されるRで置換されたフェニルであり、さらにより好ましくはRは前記フェニル環の3位にあり、−CHArまたは−NArに結合したフェニル環の炭素原子は1位である。
上記の実施形態は、個々の群およびそれに含まれる下位群の全ての組み合わせを含むものである。
一般的合成計画
本発明の化合物は、下記に示す反応図式に描いた方法によって製造することができる。
これら化合物の製造に用いられる原料および試薬は、アルドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical Co.,Milwaukee,Wis.)、バケム社(Bachem,Torrance,Calif)またはシグマ社(Sigma,St.Louis,Mo.)などの商業的供給者から入手可能であるか、フィーザーらの著作(Fieser and Fieser′s Reagents for Organic Synthesis,Volumes 1−17(John Wiley and Sons,1991));ロッドの著作(Rodd′s Chemistry of Carbon Compounds,Volumes 1−5 and Supplementals(Elsevier Science Publishers,1989);オーガニック・リアクションズ(Organic Reactions,Volumes 1−40(John Wiley and Sons,1991))、マーチの著作(March′s Advanced Organic Chemistry(John Wiley and Sons,4th Edition))およびラロックの著作(Larock′s Comprehensive Organic Transformations (VCH Publishers Inc.,1989))などの参考文献に記載の手順に従って当業者に公知の方法によって製造される。これらの図式は、本発明の化合物を合成することができるいくつかの方法を説明するものに過ぎず、これらの図式に対する各種の変更を行うことが可能であり、本開示に関係する当業者に対して提起される。反応の原料および中間体および最終生成物は、所望に応じて、濾過、蒸留、結晶化、クロマトグラフィーなど(これらに限定されるものではない)の従来の技術を用いて単離および精製することができる。そのような材料は、物理定数およびスペクトルデータなどの従来の手段を用いて特性決定することができる。
異なる内容が具体的に記載されていない限り、本明細書に記載の反応は、大気圧下に約−78℃から約150℃、より好ましくは約0℃から約125℃、最も好ましくはほぼ室温(周囲温度)、例えば約20℃の温度範囲で行われる。
Xが−CH−であり、n1およびn2が1であり、Rが−NArArであり、Ar、Ar、R、R、RおよびRが「課題を解決するための手段」で定義の通りである式(I)の化合物は、下記の図式Aに表示および説明した方法に従って製造することができる。
Figure 2011506441
還元的アミノ化条件下にて、式1のケト化合物(PGはtert−ブトキシカルボニル、ベンジルなどの好適な保護基であり、RおよびRは「課題を解決するための手段」で定義の通りである。)を式2のアミノ化合物(Arは「課題を解決するための手段」で定義の通りである。)で処理することで、式3の化合物が得られる。その反応は代表的には、室温にて、好適な還元剤(例えば、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムなど)および有機酸(例えば、氷酢酸、トリフルオロ酢酸など)の存在下に行う。その反応に好適な溶媒は、ハロゲン化炭化水素(例えば1,2−ジクロロエタン、クロロホルムなど)またはMeOHである。
式1および2の化合物は、市販されているか、当業界で公知の方法によって容易に製造することができる。例えば、Boc−4−ピペリドンおよびアニリンは市販されている。式2の化合物は、当業界で公知の条件下にニトロ基の還元によって相当するニトロ化合物から製造することもできる。
次に、化合物3を、ブッフバルト反応条件下で式4の化合物(Xはハロであり、Arは「課題を解決するための手段」で定義の通りである。)と反応させて、式5の化合物を得る。式4の化合物は市販されているか、当業界で公知の方法によって容易に製造することができる。
5におけるPG基の脱離によって、式6の化合物が得られる。PG基脱離のための反応条件は、保護基の性質によって決まる。例えば、PGがtert−ブトキシカルボニルである場合、それは酸性加水分解反応条件下で脱離させる。それがベンジルである場合、それは接触水素化反応条件下で脱離させる。
化合物6を式7のブロモ酢酸エステル(Rはアルキル、好ましくはメチル、エチル、tert−ブチルなどである。)で処理することで、式8の化合物が得られる。その反応は、トリエチルアミン、DIPEAなどの塩基存在下に、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、DMF、塩化メチレンなどの好適な有機溶媒中で行う。次に、8におけるエステル基の酸性または塩基性加水分解によって、式(I)の化合物が得られる。
式8の化合物をさらに修飾してから、それを式(I)の化合物に変換することができる。例えば、式8の化合物(ArまたはArはハロ基で置換されている。)を、スズキカップリング反応条件下にアリールまたはヘテロアリールボロン酸と反応させて、相当する式8の化合物(ArまたはArは、それぞれアリールまたはヘテロアリール環で置換されている。)を得ることができる。その反応は通常、Pd(PPh、Pd(PPhCl、Pddba、Pd(dppf)Cl・CHClなどの一般的なパラジウム触媒およびNaCOなどの弱塩基の存在下に、水およびアセトニトリル、p−ジオキサン、DMF、THFなどの好適な有機溶媒の溶媒混合物中にて行う。その反応は通常、70から130℃の温度範囲(油浴またはマイクロ波照射)まで加熱する。次に、8におけるエステル基の酸性加水分解によって、式(I)の化合物を得る。
別法として、上記の変換を、スティルカップリング反応条件下で行うことができる。スティル反応条件下で、ArまたはArがハロ基で置換されている化合物8をアリール、ヘテロアリールトリブチルスズ(またはトリメチルスズ)誘導体で処理することで、ArまたはArがそれぞれアリールまたはヘテロアリール環で置換されている式8の化合物が得られる。その反応は通常、Pd(PPh、Pd(PPhCl、Pddba、Pd(dppf)Cl・CHClなどの一般的なパラジウム触媒の存在下に、そしてtBuP、PhP、PhAsなどの追加の配位子を加えたり、それを加えずに、トルエン、アセトニトリル、p−ジオキサン、DMF、THFなどの好適な有機溶媒中で行う。反応温度は、20から150℃の範囲である(室温、油浴またはマイクロ波照射)。次に、8におけるエステル基の酸性加水分解によって、式(I)の化合物が得られる。
ArまたはArが「課題を解決するための手段」で定義のようにモノ置換もしくはジ置換アミノで置換されている式8の化合物は、ArまたはArがニトロ基によって置換されている式8の相当する化合物から、最初にニトロ基を還元してアミノ基とし、次に当業界で公知の条件下にそのアミノ基をアルキル化、アリール化、スルホニル化またはアシル化することで製造することができる。モノ置換アミノは、所望に応じて、そのモノ置換アミノをアルキル化、アリール化、スルホン化またはアシル化することでジ置換アミノに変換することができる。その反応は代表的には、テトラヒドロフランなどの好適な溶媒中、カリウムtert−ブトキシドなどの塩基および18−クラウン−6などの触媒の存在下に行う。次に、8におけるエステル基の酸性加水分解によって、式(I)の化合物が得られる。
ArまたはArがアルコキシ、ハロアルコキシ、ヒドロキシアルコキシまたはアミノアルコキシで置換されている式8の化合物は、ArまたはArがヒドロキシで置換されている相当する式8の化合物を、塩基の存在下にアルキルハライド、アルコキシハライド、アミノアルキルハライドまたはハロアルキルで処理することで製造することができる。次に、8におけるエステル基の酸性加水分解によって、式(I)の化合物が得られる。
同様に、Xが−CH−であり、n1が0であり、n2が1または2であり、Rが−NArArであり、Ar、Ar、R、R、RおよびRが「課題を解決するための手段」で定義の通りである式(I)の化合物は、市販の原料を用いて製造することができる。
変換の実行可能性に基づいて、合成方法におけるより早期の段階で、上記の変換を実施することも可能であることは、当業者には明らかであろう。
Xが−CH−であり、n1が0または1であり、n2が1であり、Rが−CHArArであり、Ar、Ar、R、R、RおよびRが「課題を解決するための手段」で定義の通りである式(I)の化合物は、下記の図式Bに表示および説明した方法に従って製造することができる。
Figure 2011506441
マクマリーカップリング反応条件下に、四塩化チタンおよび亜鉛の存在下にて、PGがtert−ブトキシカルボニルなどの好適な保護基であり、RおよびRが「課題を解決するための手段」で定義の通りである式9のピペリドン化合物を、ArおよびArが「課題を解決するための手段」で定義の通りである式10のケト化合物で処理することで、式11の化合物が得られる。その反応は代表的には、テトラヒドロフランなどの好適な溶媒中で行う。
式9および10の化合物は、市販されているか、当業界で公知の方法によって容易に製造することができる。例えば、1−Boc−4−オキソピペリジン、1−Boc−3−オキソピペリジンおよび1−Boc−3−オキソピロリジンは市販されている。(2−ブロモフェニル)(フェニル)メタノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−フルオロベンゾフェノン、2,4−ジフルオロベンゾフェノン、(4−フルオロフェニル)−(フェニル)メタノン、2−(トリフルオロメチル)−ベンゾフェノン、3−(トリフルオロメチル)−ベンゾフェノン、4−(トリフルオロメチル)−ベンゾフェノン、3,4−ジクロロベンゾフェノン、4−クロロ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、3−ヒドロキシベンゾフェノン、5−クロロ−2−ヒドロキシ−4−メチル−ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−メチル−ベンゾフェノン、3−ベンゾイル−安息香酸、4−ベンゾイル安息香酸、4−ベンゾイルビフェニル、4−アミノ−3−ニトロ−ベンゾフェノン、3−ニトロ−ベンゾフェノン、2−クロロ−5−ニトロ−ベンゾフェノン、4−ニトロ−ベンゾフェノン、2−アミノ−5−ニトロ−ベンゾフェノン、2−アミノ−ベンゾフェノン、3,4−ジアミノ−ベンゾフェノン、2−アミノ−5−クロロ−ベンゾフェノン、4−アミノベンゾフェノン、4−(ジメチルアミノ)−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン、4−メトキシ−ベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチル−ベンゾフェノン、(2,4−ジメチル−フェニル)(フェニル)メタノン、4−メチルベンゾフェノン、3−クロロ−ベンゾフェノン、3,4−ジフルオロベンゾフェノン、4−シアノベンゾフェノン、(3−アミノフェニル)−(フェニル)メタノン、3,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、4−フルオロベンゾフェノン、2−ベンゾイル安息香酸、2−ベンゾイル−ナフタレン、4−クロロ−3−ニトロ−ベンゾフェノン、3,4−ジメチルベンゾフェノン、2,5−ジフルオロ−ベンゾフェノン、1,4−ジベンゾイルベンゼン、4−エチルベンゾフェノン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)−ベンゾフェノン、3−アミノ−ベンゾフェノン、2−メトキシベンゾフェノン、1−ナフチルフェニルケトン、2,3−ジフルオロ−ベンゾフェノン、3,5−ジフルオロベンゾフェノン、2−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)−ベンゾフェノン、4−フルオロ−3−(トリフルオロ−メチル)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−ブロモビフェニル、6−ベンゾイル−2−ナフトール、2−アミノ−4−メチルベンゾフェノン、5−クロロ−2−(メチルアミノ)−ベンゾフェノン、2,5−ジメチル−ベンゾフェノン、2−ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンジルオキシベンゾフェノン、5−クロロ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−フルオロ−3−(トリフルオロメチル)−ベンゾフェノン、4−(ジエチルアミノ)−ベンゾフェノン、3−ブロモベンゾフェノン、2−シアノ−ベンゾフェノン、4−エトキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノンは、ランカスター(Lancaster Synthesis Ltd.);フルカ・ケミー社(Fluka Chemie GMBH);アルドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical Company、Inc.);アルファ・エイサー、エー・マシュー社(Alfa Aesar,A Johnson Matthey Company);アクロス・オーガニクス社(Acros Organics,USA);メイブリッジ(Maybridge);またはVWRインターナショナル(VWR International)から市販されている。
化合物11における二重結合を、H下にPd/Cなどの好適な還元条件下で還元して、式12の化合物を得ることができる。次に、化合物12を、上記の図式Aに記載の方法に従って式(I)の化合物に変換する。
別法として、Xが−CH−であり、n1およびn2が1であり、Rが−CHArArであり、Ar、Ar、R、R、RおよびRが「課題を解決するための手段」で定義の通りである式(I)の化合物は、下記の図式Cに表示および記載の方法に従って製造することができる。
Figure 2011506441
式14の4−ピペリジニルカルボン酸をBocまたはCBzなどの好適な保護基で保護することで、相当する式15の化合物を得る。ジクロロメタンなどの好適な有機溶媒中で化合物15をN−メトキシメタンアミンとカップリングさせることで、式16のワインレブアミドを得る。化合物16を、式ArLiなどの有機リチウムまたは式ArMgX(Xはハロである。)のグリニャル試薬で処理して式17のケト化合物を得て、それを上記で記載の式ArLiの第2の有機リチウム化合物または式ArMgXのグリニャル試薬で処理することで、式18のアルコール化合物を得る。ワンポットでのトリフルオロ酢酸による化合物18での脱水および保護基脱離によって化合物11を得て、それを次に、上記の図式Bに記載の方法に従って式(I)の化合物に変換する。
Xが−N−であり、n1およびn2が1であり、Rが式(i)から(ix)の環であり、R、R、R、RおよびRが「課題を解決するための手段」で定義の通りである式(I)の化合物は、下記の図式Dに表示および記載した方法に従って製造することができる。
Figure 2011506441
LGがハロ、トシレート、メシレート、トリフレートなどの好適な脱離基であり、Rが「課題を解決するための手段」で定義の式(i)から(ix)の環である式19の化合物を、RおよびRが「課題を解決するための手段」で定義の通りである式20のピペラジンで処理することで、式21の化合物を得る。その反応は、アセトニトリル、トルエンなどの好適な有機溶媒中で位行い(トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンなどの塩基存在下または非存在下)、70から150℃の好適な温度での加熱下に行う。
式19の化合物は、市販されているか、当業界で公知の方法によって容易に製造することができる。例えば、LGがハロである式19の化合物は、メタノール、エタノールなどの好適な有機アルコール溶媒中にて水素化ホウ素ナトリウムなどの好適な還元剤を用いて、相当するケトン化合物(すなわち、Rが環中にケト基を有する式(i)、(ii)、(iv)、(v)、(vi)または(viii)の環であるもの)を還元して相当するアルコールを得て、それを塩化チオニル、オキサリルクロライド、トリフェニルホスフィン/四臭化炭素などのハロゲン化剤で処理することで、LGがハロである式19の化合物を得ることで製造することができる。
別法として、そのアルコールを、当業界で公知の条件下にメシルクロライド、トシルクロライド、無水トリフ酸で処理することで、LGがそれぞれメシレート、トシレートまたはトリフレートである式19の化合物を得ることができる。
別法として、還元的アミノ化反応条件下に、ケト化合物から式21の化合物を製造することができる。その反応は代表的には、NaH(OAc)の存在下に、酢酸の存在下もしくは非存在下にて行う。一部の場合において、その反応をTi(OiPr)の存在下に20から80℃で行い、次にメタノールまたはエタノール中でNaBH還元を行うことができる。
1−インダノン、5−メトキシ−1−インダノン、5−ブロモ−1−インダノン、2−メチル−1−インダノン、6−ブロモ−1−インダノン、α−テトラロン、2−メチル−1−テトラロン、6−メトキシ−1−テトラロン、7−メトキシ−1−テトラロン、7−ブロモ−3,4−ジヒドロ−1(2H)−ナフタレノン、6−ブロモ−テトラル−1−オン、9−フルオレノン、2,7−ジブロモ−9−フルオレノン、アントロン、キサントン、3,6−ジメトキシキサントン、チオキサンテン−9−オン、2−(トリフルオロメチル)チオキサンテン−9−オン、ジベンゾスベロン、2−メトキシ−ジベンゾスベロン、ジベンゾスベレノン、ジベンゾ[b,f]チエピン−10(11H)−オン、ジベンゾ[b,f][1,4]チアゼピン−11−[10H]オン、5,10−ジヒドロ−ジベンゾ[b,e][1,4]ジアゼピン−11−オン、8−クロロ−5および10−ジヒドロ−11H−ジベンゾ[b,e][1,4]−ジアゼピン−11−オンおよび7−ブロモ−3,4−ジヒドロ−1(2H)−ナフタレノンなどのケトンは市販されているか、それらは当業界で公知の方法によって製造することもできる。
例えば、環Bがピペラジン環に結合した炭素に対してオルトである環(i)を製造するのに用いることができるケトンは、下記の方法に従って製造することができる。
Figure 2011506441
式23のエポキシド化合物を、環Bが「課題を解決するための手段」で定義の通りであるグリニャル試薬24で処理することで、式25の化合物を得る。その反応は、テトラヒドロフランなどの有機溶媒中にて0℃で臭化銅およびジメチルスルフィドの存在下に行う。次に、25におけるヒドロキシル基を、デス・マーチン試薬などの好適な酸化試薬で、またはスウェルン酸化反応条件下で酸化することで、式(i)の環を得る。式23のエポキシドは、文献(Tetrahedron,1974,30,4013)に記載の方法によって製造することができる。
次に、上記の図式Aに記載の方法に従って、化合物21を式(I)の化合物に変換する。
が式(i)の環であり、環Bがピペラジン環に結合している炭素に結合している式(I)の化合物は、下記に示した方法に従って製造することができる。
Figure 2011506441
およびRが「課題を解決するための手段」で定義の通りであり、PGがBoc、CBzなどの好適な保護基である式26のピペラジン化合物を、弱酸性条件下にKCNまたはTMSCNの存在下に式27のケト化合物で処理することで、式28の化合物を得る。次に、化合物28を、環Bが「課題を解決するための手段」で定義の通りである式24のグリニャル試薬または有機リチウム試薬と反応させて式29の化合物を得て、それについてアミノ保護基を脱離させて、式30の化合物を得る。次に、化合物30を、上記の方法に従って式(I)の化合物に変換する。
式26および27の化合物は市販されているか、それらは当業界で公知の方法によって製造することができる。例えば、1−Boc−ピペラジン、(2R,5S)−2,5−ジメチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、(R)−N−1−Boc−2−(ベンジルオキシメチル)−ピペラジン、2−ヒドロキシメチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル、シクロヘキサノン、2−メチルシクロヘキサノン、3−メチルシクロヘキサノン、4−フェニルシクロヘキサノン、4−tert−ブチルシクロヘキサノン、3,3−ジメチルシクロヘキサノン、シス−3,5−ジメチルシクロヘキサノン、シクロペンタノン、シクロヘプタノンは市販されている。
用途
NMDA受容体は、広範囲のCNSプロセスにおいて中心的であり、ヒトその他の動物種での各種疾患状態において役割を果たすものである。GlyT1輸送体の作用は、NMDA受容体周囲のグリシンの局所濃度に影響する。選択的GlyT1阻害薬は、シナプスからのグリシン脱離を送らせて、シナプスグリシンのレベルを上昇させる。それによって次に、NMDA受容体でのグリシン結合部位の占有が増加し、それによってシナプス前終末からのグルタミン酸放出後のNMDA受容体活性化が増加する。NMDA受容体の効率的な機能には、一定量のグリシンが必要であることから、その局所濃度の変化は、NMDA介在の神経伝達に影響し得る。NMDA介在神経伝達における変化は、認知症、抑鬱および精神病(例:統合失調症および学習障害)および記憶障害(例:注意力欠如障害および自閉症)などのある種の精神神経疾患で示唆されている。
従って、本発明の化合物は、統合失調症または統合失調症を含む精神病(妄想型、解体型、緊張型または未分化型)、統合失調症様障害、統合失調性感情障害、妄想性障害、短期精神異常、二人組精神異常、全身の医学的状態による精神異常および物質誘発もしくは薬物誘発(フェンシクリジン、ケタミンおよび他の解離性麻酔薬、アンフェタミンおよび他の覚醒剤およびコカイン)精神異常(psychosispsychotic disorder)、情動障害関連の精神病、短期反応精神病、統合失調性精神病、分裂病質または統合失調症性人格障害などの「統合失調症スペクトラム」障害、または統合失調症および他の精神病の陽性および陰性の両方の症状を含む精神病関連の病気(大鬱病、躁鬱性(双極性)障害、アルツハイマー病および心的外傷後ストレス症候群など);認知症(アルツハイマー病、虚血、多発脳梗塞性認知症、心的外傷、血管の問題もしくは卒中、パーキンソン病、ハンチントン病、ピック病、クロイツフェルト・ヤコブ病、周生期低酸素症、他の全身の医学的状態または薬物乱用関連のもの)などの認知障害;譫妄、健忘障害または加齢関連認識衰退;急性ストレス障害、広場恐怖症、全般性不安障害、強迫性障害、パニック発作、パニック障害、心的外傷後ストレス症候群、分離不安障害、社会恐怖症、特定恐怖症、物質誘発性不安障害および全身の医学的状態による不安などの不安障害;物質関連の障害および常習行為(物質誘発譫妄、持続性認知症、持続性健忘障害、精神異常または不安障害;アルコール、アンフェタミン類、大麻、コカイン、幻覚剤、吸入剤、ニコチン、オピオイド類、フェンシクリジン、鎮静薬、催眠薬または抗不安薬などの物質の耐性、依存またはそれらからの離脱症状など);双極性障害、抑鬱障害などの気分障害;単極性鬱病、季節性情動障害および産後抑鬱などの抑鬱、月経前症候群(PMS)および月経前不快気分障害(PDD)、全身の医学的状態による気分障害および物質誘発気分障害;学習障害、自閉性障害などの広汎性発達障害、注意欠陥過活動性障害(ADHD)などの注意障害および行動障害;自閉症、抑鬱、良性健忘症、小児期学習障害および閉鎖性頭部外傷などのNMDA受容体関連障害;運動不能症および無動硬直症候群(akinetic rigid syndromes)(パーキンソン病、薬物誘発パーキンソニズム、脳症後パーキンソニズム、進行性I核上麻痺、多系統萎縮症、大脳皮質基底核変性症、パーキンソニズム−ALS認知症の複合および基底核石灰化など)、薬剤誘発パーキンソニズム(神経遮断薬誘発パーキンソニズム、神経遮断薬性悪性症候群、神経遮断薬誘発急性ジストニア、神経遮断薬誘発急性静坐不能、神経遮断薬誘発遅発性ジスキネジアおよび薬剤誘発姿勢振戦など)、ジル・ドゥ・ラ・トゥレット症候群、癲癇、筋肉痙攣および筋痙直関連の障害または振戦などの衰弱などの運動障害;ジスキネジア[振戦(静止時振戦、姿勢振戦および意図振戦など)など]、舞踏病(シデナム舞踏病、ハンチントン病、良性遺伝性舞踏病、神経有棘赤血球症、症候性舞踏病、薬物誘発舞踏病および片側バリズムなど)、ミオクローヌス(全般性ミオクローヌスおよび焦点性ミオクローヌスなど)、チック(単純チック、複雑チックおよび症候性チックなど)およびジストニア(特発性ジストニア、薬物誘発ジストニア、症候性ジストニアおよび発作性ジストニアなどの全般性ジストニアならびに眼瞼痙攣、口部咬筋ジストニア、痙攣性発声障害、痙性斜頸、軸性ジストニア、ジストニア書痙および片麻痺性ジストニアなどの焦点性ジストニアなど);尿失禁;眼損傷、網膜症または眼球の黄斑変性、耳鳴、聴覚障害および聴覚損失および脳浮腫などの神経損傷;嘔吐;ならびに不眠症およびナルコレプシーなどの睡眠障害などの状態または疾患のうちの1以上を含むグルタミン酸作働性神経伝達機能障害関連の各種神経障害および精神障害を治療する上での用途を有する。
上記の障害のうち、統合失調症、双極性障害、単極性鬱病、季節性情動障害および産後抑鬱などの抑鬱、月経前症候群(PMS)および月経前不快気分障害(PDD)、学習障害、自閉性障害などの広汎性発達障害、注意欠陥過活動性障害などの注意障害、トゥレット障害などの自閉性障害、恐怖症および心的外傷後ストレス症候群などの不安障害、認知症関連の認知障害、AIDS認知症、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、痙直、ミオクローヌス、筋痙攣、耳鳴および聴覚障害および聴覚損失の治療が特に重要である。
ある具体的な実施形態において、本発明は、処置を必要とする患者に対して、有効量の本発明の化合物を投与する段階を有する、認知障害の治療方法を提供する。特定の認知障害は、認知症、譫妄、健忘障害および加齢関連認識衰退である。現在、精神障害の診断および統計マニュアル(theDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)(DSM−IV−TR)の第4版の編集版(2000,American Psychiatric Association,Washington DC)に、認知症、譫妄、健忘障害および加齢関連認識衰退などの認知障害を含む診断手段が提供されている。本明細書で使用される場合、「認知障害」という用語は、DSM−IV−TRに記載の精神障害の治療を含むものである。精神障害に別途の命名法、疾病分類および分類システムがあること、そしてこれらのシステムが医学的進歩および科学的進歩に伴って進化することは、当業者には明らかであろう。従って、「認知障害」という用語は、他の診断情報源に記載されている同様の障害を含むものである。
別の具体的な実施形態において、本発明は、処置を必要とする患者に対して、有効量の本発明の化合物を投与する段階を有する、不安障害の治療方法を提供する。特定の不安障害は、全般性不安障害、強迫性障害およびパニック発作である。現在、精神障害の診断および統計マニュアルの第4版の編集版(2000,American Psychiatric Association,Washington DC)に、全般性不安障害、強迫性障害およびパニック発作などの不安障害を含む診断手段が提供されている。本明細書で使用される場合、「不安障害」という用語は、DSM−IV−TRに記載の精神障害の治療を含むものである。精神障害に別途の命名法、疾病分類および分類システムがあること、そしてこれらのシステムが医学的進歩および科学的進歩に伴って進化することは、当業者には明らかであろう。従って、「不安障害」という用語は、他の診断情報源に記載されている同様の障害を含むものである。
別の具体的な実施形態において、本発明は、処置を必要とする患者に対して、有効量の本発明の化合物を投与する段階を有する、統合失調症および精神病の治療方法を提供する。特定の統合失調症または精神病は、妄想型、解体型、緊張型または未分化型の統合失調症および物質誘発精神異常である。現在、精神障害の診断および統計マニュアルの第4版の編集版(2000,American Psychiatric Association,Washington DC)に、妄想型、解体型、緊張型または未分化型の統合失調症および物質誘発精神異常を含む診断手段が提供されている。本明細書で使用される場合、「統合失調症または精神病」という用語は、DSM−IV−TRに記載の精神障害の治療を含むものである。精神障害に別途の命名法、疾病分類および分類システムがあること、そしてこれらのシステムが医学的進歩および科学的進歩に伴って進化することは、当業者には明らかであろう。従って、「統合失調症または精神病」という用語は、他の診断情報源に記載されている同様の障害を含むものである。
別の具体的な実施形態において、本発明は、処置を必要とする患者に対して、有効量の本発明の化合物を投与する段階を有する、物質関連障害および常習行為の治療方法を提供する。特定の物質関連障害および常習行為には、物質乱用によって誘発される持続性認知症、持続性健忘障害、精神異常または不安障害ならびに乱用物質の耐性、それへの依存またはそれからの離脱症状がある。現在、精神障害の診断および統計マニュアルの第4版の編集版(2000,American Psychiatric Association,Washington DC)に、物質乱用によって誘発される持続性認知症、持続性健忘障害、精神異常または不安障害ならびに乱用物質の耐性、それへの依存またはそれからの離脱症状を含む診断手段が提供されている。本明細書で使用される場合、「物質関連障害および常習行為」という用語は、DSM−IV−TRに記載の精神障害の治療を含むものである。精神障害に別途の命名法、疾病分類および分類システムがあること、そしてこれらのシステムが医学的進歩および科学的進歩に伴って進化することは、当業者には明らかであろう。従って、「物質関連障害および常習行為」という用語は、他の診断情報源に記載されている同様の障害を含むものである。
試験
本発明の化合物のGlyT1阻害薬活性は、下記の作業実施例1に記載のイン・ビトロおよびイン・ビボのアッセイを用いて調べることができる。
投与および医薬組成物
概して、本発明の化合物は、同様の用途で用いられる薬剤の許容される投与形態により、治療上有効量で投与される。式(I)の化合物の治療上有効量は、約0.01から約500mg/kg患者体重/日の範囲であることができ、それは単回投与または連続投与することができる。好ましくは、用量レベルは、約0.1から約250mg/kg/日;より好ましくは約0.5から約100mg/kg/日である。好適な用量レベルは、約0.01から約250mg/kg/日、約0.05から約100mg/kg/日または約0.1から約50mg/kg/日であることができる。この範囲内で、用量は、約0.05から約0.5、約0.5から約5または約5から約50mg/kg/日であることができる。経口投与の場合、組成物は好ましくは、約1.0から約1000mgの有効成分、特には約1.0、5.0、10、15、20、25、50、75、100、150、200、250、300、400、500、600、750、800、900および1000mgの有効成分を含む錠剤の形態で提供される。本発明の化合物、すなわち有効成分の実際の量は、治療対象の疾患の重度、対象者の年齢および相対的な健康状態、使用される化合物の効力、投与の経路および形態ならびに他の要素などの多くの要素によって決まる。
概して、本発明の化合物は、経口、全身(例えば、経皮、経鼻または坐剤)または非経口(例えば、筋肉、静脈または皮下)投与という経路のいずれかによって医薬組成物として投与される。好ましい投与方法は、苦痛の程度に従って調節可能である好都合な1日用法・用量を用いる経口投与である。組成物は、錠剤、丸薬、カプセル、半固体、粉剤、徐放製剤、液剤、懸濁液、エリキシル剤、エアロゾルまたは他の適切な組成物の形態を取ることができる。
製剤の選択は、薬剤投与の形態(例えば、経口投与の場合、錠剤、丸薬またはカプセルの形態での製剤が好ましい。)および薬剤物質の生物学的利用能などの各種要素によって決まる。最近、表面積を増やすことで、すなわち粒径を小さくすることで生物学的利用能を高めることができるという原理に基づいて、低い生物学的利用能を示す薬剤について特に、医薬製剤が開発されている。例えば、米国特許第4107288号には、10から1000nmの粒径範囲の粒子を有する医薬製剤が記載されており、その製剤では、活性材料が高分子の架橋マトリクスに担持されている。米国特許第5145684号には、薬剤物質が表面改質剤の存在下にナノ粒子まで粉砕され(平均粒径400nm)、次に液体媒体中に分散されて、顕著に高い生物学的利用能を示す医薬製剤を与える医薬製剤の製造について記載されている。
組成物は、通常、少なくとも一つの製薬上許容される賦形剤と組み合わせた式(I)の化合物から構成される。許容される賦形剤は、無毒性であり、投与を助け、式(I)の化合物の治療上の利点に悪影響を及ぼさないものである。そのような賦形剤は、当業者に入手可能な固体、液体、半固体またはエアロゾル組成物の場合は気体の賦形剤であることができる。
固体医薬賦形剤には、デンプン、セルロース、タルク、グルコース、乳糖、ショ糖、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセリン、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルクなどがある。液体および半固体賦形剤は、グリセリン、プロピレングリコール、水、エタノールおよび石油、動物、植物または合成起源のものなどの各種油、例えば落花生油、大豆油、鉱油、ごま油などから選択することができる。特に注射液に好ましい液体担体には、水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液およびグリコール類などがある。
圧縮ガスを用いて、本発明の化合物をエアロゾルの形態で分散させることができる。この目的に好適な不活性ガスは、窒素、二酸化炭素などである。
他の好適な医薬賦形剤およびそれの製剤は、マーチンの編著(Remington′s Pharmaceutical Sciences,E.W.Martin編集(Mack Publishing Company,第18版、1990))に記載されている。
製剤中の化合物のレベルは、当業者が使用する全範囲内で変動し得るものである。代表的には、その製剤は、重量パーセント(重量%)基準で、製剤全体に基づいて約0.01から99.99重量%の式(I)の化合物を含み、残りは1以上の好適な医薬賦形剤である。好ましくは、その化合物は、約1から80重量%のレベルで存在する。
本発明の化合物は、本発明の化合物または他の薬剤が有用となり得る疾患または状態の治療において1以上の他薬剤と併用することができ、その場合に、薬剤の組み合わせは、いずれかの薬剤単独の場合より安全かつ有効である。そのような他薬剤は、それに対して通常使用される経路および量で、本発明の化合物と同時または順次で投与することができる。本発明の化合物を1以上の他薬剤と同時に使用する場合、そのような他薬剤および本発明の化合物を含む単位製剤での医薬組成物が好ましい。しかしながら、前記併用療法は、本発明の化合物および1以上の他薬剤を、各種の重複計画で投与する治療法を含むこともできる。1以上の他の有効成分との併用で使用される場合、本発明の化合物および前記他の有効成分は、それぞれを単独に使用する場合と比較して、低い用量で用いることが可能であることも想定される。
従って、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物に加えて、1以上の他の有効成分を含むものも包含する。
上記の組み合わせには、本発明の化合物と、1種類の他の活性化合物との組み合わせだけでなく、2種類以上の他の活性化合物との組み合わせも含まれる。同様に、本発明の化合物を、本発明の化合物が有用である疾患または状態の予防、治療、抑制、改善またはリスク低下に用いられる他薬剤と併用することができる。そのような他薬剤は、それに対して通常使用される経路および量で、本発明の化合物と同時または順次で投与することができる。本発明の化合物を1以上の他薬剤と同時に使用する場合、本発明の化合物に加えてそのような他薬剤を含む医薬組成物が好ましい。従って、本発明の医薬組成物は、本発明の化合物に加えて、1以上の他の有効成分をも含むものも包含する。本発明の化合物の第2の有効成分に対する重量比は変動し得るものであり、各成分の有効用量によって決まる。一般に、それぞれの有効用量を用いる。
1実施形態において、本発明の化合物は、抗アルツハイマー薬、β−セクレターゼ阻害薬、γ−セクレターゼ阻害薬、HMG−CoAレダクターゼ阻害薬、イブプロフェンなどのNSAID類、ビタミンEおよび抗アミロイド抗体と併用投与することができる。別の実施形態では、本発明の化合物は、鎮静薬、睡眠薬、抗不安薬、抗精神病薬、抗不安薬、シクロピロロン類、イミダゾピリジン類、ピラゾロピリミジン類、穏和精神安定薬、メラトニン作働薬および拮抗薬、メラトニン作働性薬、ベンゾジアゼピン類、バルビツール酸類、5HT−2拮抗薬、PDE10拮抗薬などと併用投与することができ、その薬剤にはアジナゾラム、アロバルビタール、アロニミド、アルプラゾラム、アミスルプリド、アミトリプチリン、アモバルビタール、アモキサピン、アリピプラゾール、ベンタゼパム、ベンゾクタミン、ブロチゾラム、ブプロピオン、ブスピロン、ブタバルビタール、ブタルビタール、カプリド、カルボクロラール、クロラールベタイン、クロラール水和物、クロミプラミン、クロナゼパム、クロペリドン、クロラゼプ酸、クロルジアゼポキシド、クロレタート、クロルプロマジン、クロザピン、シプラゼパム、デシプラミン、デクスクラモール、ジアゼパム、ジクロラルフェナゾン、ジバルプロエクス、ジフェンヒドラミン、ドクサピン、エスタゾラム、エスクロルビノール、エトミデート、フェノバム、フルニトラゼパム、フルペンチキソール、フルフェナジン、フルラゼパム、フルボキサミン、フルオキセチン、ホサゼパム、グルテチミド、ハラゼパム、ハロペリドール、ヒドロキシジン、イミプラミン、リチウム、ロラゼパム(lorazopam)、ロルメタゼパム、マプロチリン、メクロクアロン、メラトニン、メフォバルビタール、メプロバメート、メタカロン、ミダフルル、ミダゾラム、ネファゾドン、ニソバマート、ニトラゼパム(nitrazopam)、ノルトリプチリン、オランザピン、オキサゼパム、パラアルデヒド、パロキセチン、ペントバルビタール、ペルラピン、ペルフェナジン、フェネルジン、フェノバルビタール、プラゼパム、プロメタジン、プロポフォール、プロトリプチリン、クアゼパム、クエチアピン、レクラゼパム、リスペリドン、ロレタミド、セコバルビタール、セルトラリン、スプロクロン(suproclone)、テマゼパム(temazopam)、チオリダジン、チオチキセン、トラカゾレート、カニルシプロマイン(kanylcypromaine)、トラゾドン、トリアゾラム、トレピパム、トリセタミド、トリクロホス、トリフルオペラジン、トリメトジン、トリミプラミン、ウルダゼパム、ベンラファクシン、ザレプロン、ジプラシドン、ゾラゼパム、ゾルピデムおよびそれらの塩ならびにこれらの組み合わせなどがある。
別の実施形態では、本発明の化合物は、レボドパ(カルビドパまたはベンセラジドなどの選択的脳外デカルボキシラーゼ阻害薬とともにまたはそれを含まずに)、ビペリデンなどの抗コリン薬(適宜に、それの塩酸塩または乳酸塩として)およびトリヘキシフェニジル(ベンズヘキソール)塩酸塩、エンタカポンなどのCOMT阻害薬、MOA−B阻害薬、抗酸化剤、A2aアデノシン受容体拮抗薬、コリン作働薬、NMDA受容体拮抗薬、セロトニン受容体拮抗薬およびアレンテモール、ブロモクリプチン、フェノルドパム、リスリド、ナキサゴリド、ペルゴリドおよびプラミペキソールなどのドーパミン受容体作働薬と併用投与することができる。ドーパミン作働薬が、例えばアレンテモール臭化水素酸塩、ブロモクリプチン・メシル酸塩、フェノルドパム・メシル酸塩、ナキサゴリド塩酸塩およびペルゴリド・メシル酸塩などの製薬上許容される塩の形態であることができることは明らかであろう。リスリドおよびプラミペキソールは、一般的には非塩形態で用いられる。
別の実施形態において、本発明の化合物は、フェノチアジン、チオキサンテン、複素環ジベンゾアゼピン、ブチロフェノン、ジフェニルブチルピペリジンおよびインドロン類の神経遮断薬からの化合物と併用投与することができる。フェノチアジン類の好適な例には、クロルプロマジン、メソリダジン、チオリダジン、アセトフェナジン、フルフェナジン、ペルフェナジンおよびトリフルオペラジンなどがある。チオキサンテン類の好適な例には、クロルプロチキセンおよびチオチキセンなどがある。ジベンゾアゼピンの1例は、クロザピンである。ブチロフェノンの1例は、ハロペリドールである。ジフェニルブチルピペリジンの1例はピモジドである。インドロンの1例は、モリンドロン(molindolone)である。他の神経遮断薬には、ロキサピン、スルピリドおよびリスペリドンなどがある。本発明の化合物と併用する場合、神経遮断薬は製薬上許容される塩の形態であることが可能であることは明らかであり、それにはクロルプロマジン塩酸塩、メソリダジン・ベシル酸塩、チオリダジン塩酸塩、アセトフェナジン・マレイン酸塩、フルフェナジン塩酸塩、フルフェナジン・エナント酸塩、フルフェナジン・デカン酸塩、トリフルオペラジン塩酸塩、チオチキセン塩酸塩、ハロペリドール・デカン酸塩、ロキサピン・コハク酸塩およびモリンドン塩酸塩などがある。ペルフェナジン、クロルプロチキセン、クロザピン、ハロペリドール、ピモジドおよびリスペリドンは一般的には、非塩形態で用いられる。従って本発明の化合物は、アセトフェナジン、アレンテモール、アリピプラゾール、アミスルプリド、ベンズヘキソール、ブロモクリプチン、ビペリデン、クロルプロマジン、クロルプロチキセン、クロザピン、ジアゼパム、フェノルドパム、フルフェナジン、ハロペリドール、レボドパ、レボドパとベンセラジド、レボドパとカルビドパ、リスリド、ロキサピン、メソリダジン、モリンドロン、ナキサゴリド、オランザピン、ペルゴリド、ペルフェナジン、ピモジド、プラミペキソール、クエチアピン、リスペリドン、スルピリド、テトラベナジン、トリヘキシフェニジル、チオリダジン、チオチキセン、トリフルオペラジンまたはジプラシドンと併用投与することができる。
別の実施形態では、本発明の化合物は、ノルエピネフリン再取込み阻害薬(3級アミン三環系および2級アミン三環系など)、選択的セロトニン再取込み阻害薬(SSRI類)、モノアミンオキシダーゼ阻害薬(MAOI類)、モノアミンオキシダーゼの可逆的阻害薬(RIMA類)、セロトニンおよびノルアドレナリン再取込み阻害薬(SNRI類)、コルチコトロピン放出因子(CRF)拮抗薬、アドレナリン受容体拮抗薬、ニューロキニン−1受容体拮抗薬、非定型抗鬱剤、ベンゾジアゼピン類、5−HTA作働薬または拮抗薬、特には5−HTA部分作働薬およびコルチコトロピン放出因子(CRF)拮抗薬などの抗鬱薬または抗不安薬と併用投与することができる。具体的な薬剤には、アミトリプチリン、クロミプラミン、ドクサピン、イミプラミンおよびトリミプラミン;アモキサピン、デシプラミン、マプロチリン、ノルトリプチリンおよびプロトリプチリン;フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチンおよびセルトラリン;イソカルボキサジド、フェネルジン、トラニルシプロミンおよびセレギリン;モクロベミド、ベンラファクシン;デュロキセチン;アプレピタント;ブプロピオン、リチウム、ネファゾドン、トラゾドンおよびビロキサジン;アルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、クロナゼパム(clonazopam)、クロラゼプ酸、ジアゼパム(diazopam)、ハラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム(oxazopam)およびプラゼパム;ブスピロン、フレシノキサン、ジェピロンおよびイプサピロンならびにこれらの製薬上許容される塩などがある。
式(I)の化合物および中間体(基準)についての下記の製造は、当業者が本発明についての理解をさらに深め、本発明を実践できるようにするために提供されるものである。これらは、本発明の範囲を限定するものと考えるべきではなく、本発明を説明し、本発明を代表するものに過ぎない。
合成例
(実施例1)
2−((R)−2−メチル−4−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アンヌレン−5−イル)−ピペラジン−1−イル)酢酸の合成
Figure 2011506441
段階1
1−ベンゾスベロン(0.803mL、5.01mmol)、(R)−2−メチルピペラジン(1.505g、15mmol)のチタン(4+)イソプロポキシド(4.399mL、15mmol)中混合物を80℃で終夜加熱した。冷却して室温とした後、反応混合物をMeOH 30mLで希釈し、水素化ホウ素ナトリウム(0.529mL、15mmol)をゆっくり加えた。室温で20分間撹拌後、溶媒留去して乾固させた。残留物をEtOAc 50mLに再度溶かし、この溶液に、NaHCO 10gおよび水0.5mLを加えて白色スラリーを得た。室温で2時間撹拌後、過剰のEtOAcを用いて混合物を濾過し、濾液を溶媒留去して乾固させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、DCM/MeOH=100:5から100:10から100:15から100:20)によって、(3R)−3−メチル−1−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アンヌレン−5−イル)ピペラジン(860mg、収率70%)をオフホワイトガム状物として得た。
段階2
(3R)−3−メチル−1−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アンヌレン−5−イル)ピペラジン(620mg、2.537mmol)のMeCN中溶液に、2−ブロモ酢酸メチル(466mg、3.044mmol)と次にジイソプロピルエチルアミン(0.884mL、5.074mmol)を加えた。反応混合物を室温で5時間撹拌した。溶媒を高真空下に留去し、残留物をカラム(SiO、ヘキサンからヘキサン/EtOAc=100:10から100:20から100:30から100:40)で処理して、2−((R)−2−メチル−4−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アンヌレン−5−イル)ピペラジン−1−イル)酢酸メチル(800mg、収率99.6%)をガム状物として得た。
段階3
MeOH/THF/HO(3:3:1)14mL中の2−((R)−2−メチル−4−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アンヌレン−5−イル)ピペラジン−1−イル)酢酸メチル(420mg、1.327mμmol)に、水酸化リチウム・1水和物(195mg、4.645mmol)を加えた。室温で3時間撹拌後、HPLC−MSで完全な変換が示された時点で、高真空下に溶媒留去して乾固させた。残留物を水に再度溶かし、2N HClを用いて溶液をpH=4に調節し、DCMで抽出し、NaSOで脱水し、濾過し、溶媒留去して乾固させた。カラムクロマトグラフィー(SiO、DCMからDCM/MeOH=100:10から100:20から100:30)によって、2−((R)−2−メチル−4−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アンヌレン−5−イル)ピペラジン−1−イル)酢酸(360mg、収率89.7%)を白色固体として得た。MS(ESI、陽イオン)m/z:303.2(M+1)。
(実施例2)
2−((R)−2−メチル−4−(2−フェニルシクロヘキシル)ピペラジン−1−イル)酢酸・2塩酸塩の合成
Figure 2011506441
段階1
2−フェニルシクロヘキサノン(1.74g、9.99mmol)、(R)−2−メチルピペラジン(3.00g、30.0mmol)およびチタン(4+)イソプロポキシド(5.85mL、20.0mmol)の混合物を、80℃でN下に終夜加熱した。冷却して室温とした後、MeOH 10mLを加え、次にNaBH(1.13g、30.0mmol)をゆっくり加えた。30分間撹拌後、溶媒を留去し、残留物をEtOAcに再溶解させた。溶液をNaHCO 15gおよび水1mLで処理してスラリーを得た。これを大過剰のEtOAcで濾過した。溶媒を留去し、残留物についてフラッシュクロマトグラフィー(SiO、DCMからDCM/MeOH=100:5から100:10から100:20)を行って、(3R)−3−メチル−1−(2−フェニルシクロヘキシル)−ピペラジン(1.82g、収率70.5%)を無色油状物として得た。
段階2
(3R)−3−メチル−1−(2−フェニルシクロヘキシル)ピペラジン(900mg、3.48mmol)(粗)のMeCN中溶液に、2−ブロモ酢酸tert−ブチル(0.815g、4.18mmol)と次にジイソプロピルエチルアミン(1.21mL、6.97mmol)を加えた。反応液を室温で5時間撹拌した。溶媒を高真空下に留去し、残留物をカラム(SiO、ヘキサンからヘキサン/EtOAc=100:10から100:20から100:30から100:40)で処理して、2−((R)−2−メチル−4−(2−フェニルシクロヘキシル)ピペラジン−1−イル)酢酸tert−ブチル(1.16g、収率89.4%)をガム状物として得た。
段階3
2−((R)−2−メチル−4−(2−フェニルシクロヘキシル)ピペラジン−1−イル)酢酸tert−ブチル(430mg、1.154mmol)の37%HCl(3mL)中混合物を、50℃で3時間撹拌した。LCMSで生成物への完全な変換が示された後、溶液を高真空下に留去して乾固させた。残留物をジエチルエーテルから粉砕し、乾燥させて、2−((R)−2−メチル−4−(2−フェニルシクロヘキシル)ピペラジン−1−イル)酢酸・2塩酸塩(440mg、収率97.9%)をオフホワイト固体として得た。MS(ESI、陽イオン)m/z:317.2(M+1)。同様の手順を用いて、下記の類似化合物を製造した。
2−((R)−4−(6−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1−イル)−2−メチルピペラジン−1−イル)酢酸;
2−((R)−4−(6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−2−メチルピペラジン−1−イル)酢酸;および
2−((R)−4−(5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−2−メチルピペラジン−1−イル)酢酸。
(実施例3)
2−(4−(フェニル(3−(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)ピペリジン−1−イル)酢酸の合成
Figure 2011506441
段階1
Boc−4−ピペリドン(4.0g、20mmol)、アニリン(1.9mL、20mmol)および氷酢酸(1.4mL、24mmol)のジクロロエタン(60mL)中溶液に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(6.0g、28mmol)を少量ずつ室温で加えた。懸濁液を室温で24時間撹拌し、水で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。有機層をNaSOで脱水し、濃縮した。残留物を、0%から30%EtOAc/ヘキサンを用いるISCOによって精製して、4−(フェニルアミノ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(2.5g、収率45%)を得た。
段階2
4−(フェニルアミノ)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(2.30g、8mmol)、1−ヨード−3−(トリフルオロメチル)ベンゼン(1mL、8mmol)、酢酸パラジウム(II)(0.07g、0.3mmol)、rac−2,2′−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1′−ビナフチル(0.2g、0.3mmol)および1.0Mのテトラヒドロフラン中溶液のカリウムtert−ブトキシド(1mL、10mmol)のトルエン中混合物(20mL)を、110℃で18時間加熱した。反応混合物をEtOAcで希釈し、濾過し、1N NaOHおよびブラインで洗浄し、有機層を減圧下に濃縮した。濃HCl(20mL)を残留物に加え、溶液を減圧下に濃縮した。濃HCl(20mL)を残留物に加え、溶液を室温で8時間撹拌し、濃縮した。1N NaOH溶液を加えることでpHを11に調節し、生成物をDCMで抽出した。DCM層を脱水し(NaSO)、減圧下に濃縮した。0%から15%MeOH/DCMを用いるISCOで残留物を精製して、生成物であるN−フェニル−N−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン−4−アミンを得た(1.5g、収率56%)。
段階3
N−フェニル−N−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ピペリジン−4−アミン(1.3g、4.1mmol)のMeCN(15mL)中溶液に、ブロモ酢酸エチル(0.50mL、4.5mmol)と次にトリエチルアミン(1.1mL、8.1mmol)を加えた。反応混合物を室温で4時間撹拌し、水で希釈し、DCMで抽出した。合わせたDCM層を脱水し(NaSO)、濃縮した。0%から15%EtOAc/DCMを用いるISCOで生成物を精製して、2−(4−(フェニル(3−(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)ピペリジン−1−イル)酢酸エチルを得た(1.2g、収率73%)。
段階4
2−(4−(フェニル(3−(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)ピペリジン−1−イル)−酢酸エチル(1.1g、3mmol)および水酸化ナトリウム1N(4mL、4mmol)のMeOH(15mL)中溶液を、撹拌しながら加熱して70℃として2時間撹拌した。冷却して室温としてから、溶媒を減圧下に除去した。残留物を水に溶かし、2N HClを用いてpHを4に調節した。溶液をDCMで抽出した。DCM層を合わせ、脱水し(NaSO)、濃縮した。0%から15%MeOH/DCMを用いるISCOで残留物を精製して、2−(4−(フェニル(3−(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)ピペリジン−1−イル)酢酸を得た(0.8g、収率78%)。MS(ESI、陽イオン)m/z:379.1(M+1)。
同様の手順を用いて、下記の類似化合物を製造した。
2−(3−((3−ブロモフェニル)(フェニル)アミノ)ピロリジン−1−イル)酢酸、2−(3−(フェニル(3−(ピリジン−3−イル)フェニル)アミノ)ピロリジン−1−イル)酢酸および2−(3−(ジフェニルアミノ)−ピロリジン−1−イル)酢酸を、3−オキソピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルならびに適切なアニリン類およびアリールブロマイド類から製造した。
2−(3−(フェニル(4−(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)ピロリジン−1−イル)酢酸;
2−(3−(フェニル(4−(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)ピペリジン−1−イル)酢酸;
2−(3−(フェニル(3−(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)ピペリジン−1−イル)酢酸;
2−(4−(ジフェニルアミノ)−2−メチルピペリジン−1−イル)酢酸;
2−(4−(フェニル(4−(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)ピペリジン−1−イル)酢酸;
2−(2−メチル−4−(フェニル(4−(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)ピペリジン−1−イル)酢酸;および
2−(2−メチル−4−(フェニル(3−(トリフルオロメチル)フェニル)アミノ)ピペリジン−1−イル)酢酸。
(実施例4)
2−(3−(フェニル(4−(トリフルオロメチル)フェニル)メチル)ピペリジン−1−イル)酢酸の合成
Figure 2011506441
段階1
フェニル(4−(トリフルオロメチル)フェニル)メタノン(1.5g、6.0mmol)および3−オキソピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(1.3g、6.5mmol)のTHF(20mL)中溶液に、Zn(1.8g、28.5mmol)を加え、得られた混合物を室温で10分間撹拌し、冷却して0℃とした。これに、TiCl(1.4mL、13.5mmol)を滴下した。反応混合物を最初に室温で15分間、次に50℃で4時間撹拌した。溶媒を減圧下に除去した。次に、それを冷却して0から5℃とし、2N HCl溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をKCO溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に濃縮して粗生成物を得た。それを冷却して0から5℃とし、ペンタンを加え、30分間撹拌し、真空乾燥して、3−(フェニル(4−(トリフルオロメチル)フェニル)メチレン)ピペリジンを灰色固体として得た(1.1g、収率57%)。MS(ESI、陽イオン)m/z:318(M+1)。
段階2
3−(フェニル(4−(トリフルオロメチル)フェニル)メチレン)ピペリジン(1.0g、3.15mmol)のメタノール(25mL)中溶液に、窒素雰囲気下でPd/Cを入れ、ストップコックを用いて水素風船を取り付け、テフロン(登録商標)で覆った。反応混合物を水素雰囲気下に8時間撹拌した。それをセライトで濾過し、そのセライトをメタノールで洗浄し、溶媒を減圧下に除去して粗生成物を得て、それをペンタンから砕いて、純粋な3−(フェニル(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−メチル)ピペリジン(1.0g、収率98%)を灰色油状物として得た。MS(ESI、陽イオン)m/z:320(M+1)。
段階3
3−(フェニル(4−(トリフルオロメチル)フェニル)メチル)ピペリジン(1.0g、3.13mmol)のMeCN(10mL)中溶液にトリエチルアミン(1.3mL、9.4mmol)を室温で加えた。室温で15分間撹拌後、それを冷却して0℃とし、ブロモ酢酸エチル(0.62g、3.71mmol)を滴下した。室温で6時間撹拌後、溶媒を減圧下に除去し、残留物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に濃縮して粗生成物を得た。カラムクロマトグラフィー(SiO、10%から15%酢酸エチル/ヘキサン)によって、2−(3−(フェニル(4−(トリフルオロメチル)フェニル)メチル)ピペリジン−1−イル)酢酸エチル(0.6g、収率48%)を淡黄色固体として得た。MS(ESI、陽イオン)m/z:406(M+1)。
段階4
2−(3−(フェニル(4−(トリフルオロメチル)フェニル)メチル)ピペリジン−1−イル)酢酸エチル(0.5g、1.23mmol)のTHF/MeOH/水(12mL、7:3:2)中溶液に5℃で、LiOH・HO(0.15g、3.7mmol)を加えた。室温で4時間撹拌後、溶媒を減圧下に除去した。残留物を水で希釈し、希HClでpHを4に調節し、酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に濃縮した。残留物を酢酸エチルに溶かし、低温条件でペンタンから砕いて、純粋な2−(3−(フェニル(4−(トリフルオロメチル)−フェニル)メチル)ピペリジン−1−イル)酢酸(0.3g、収率65%)をオフホワイト固体として得た。MS(ESI、陽イオン)m/z:378(M+1)。
同様の手順を用いて、下記の類似化合物を製造した。
2−(4−ベンズヒドリル−2−メチルピペリジン−1−イル)酢酸;
2−(2−メチル−4−(フェニル(3−(トリフルオロメチル)フェニル)メチル)ピペリジン−1−イル)酢酸;
2−(2−メチル−4−(フェニル(4−(トリフルオロメチル)フェニル)メチル)ピペリジン−1−イル)酢酸;
2−(3−(フェニル(3−(トリフルオロメチル)フェニル)メチル)ピペリジン−1−イル)酢酸;および
2−(3−(フェニル(4−(トリフルオロメチル)フェニル)メチル)ピロリジン−1−イル)酢酸。
(実施例5)
2−(4−(フェニル(4−(トリフルオロメチル)フェニル)メチル)ピペリジン−1−イル)酢酸の合成
Figure 2011506441
段階1
1−(tert−ブトキシカルボニル)ピペリジン−4−カルボン酸(11g、48mmol)のDCM(120mL)中溶液に、CDI(11g)を加えた。室温で2時間撹拌後、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩を少量ずつ加えた。混合物を室温で3時間撹拌し、終夜放置した。溶媒を減圧下に除去し、残留物をDCMで抽出し、ブラインおよび水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮して、粗4−(メトキシ(メチル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(8g、収率61%)を白色固体として得て、それを次の段階で直接用いた。
段階2
4−(メトキシ(メチル)カルバモイル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(8.0g、29.4mmol)のTHF(25mL)中溶液に、PhMgCl(8.0g、58.8mmol)を0℃で滴下した。室温で2時間撹拌後、塩化アンモニウム溶液で反応停止し、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に濃縮して、4−ベンゾイルピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(5g、収率59%)を淡黄色固体として得て、それを次の段階に直接用いた。
段階3
1−ヨード−4−(トリフルオロメチル)ベンゼン(0.92g、3.4mmol)の脱水THF中溶液に−78℃で、n−BuLi(3mL、1.6Mのヘキサン中溶液)を滴下し、混合物を同温度で30分間撹拌した。これに、4−ベンゾイルピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(1.0g、3.4mmol)の最小量の脱水THF中溶液を滴下し、得られた反応混合物を2時間かけて昇温させて室温とした。塩化アンモニウム溶液で反応を停止し、酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮して、4−(ヒドロキシ(フェニル)(4−(トリフルオロメチル)フェニル)メチル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(1.0g、収率66%)を淡黄色固体として得て、それをそれ以上精製せずに次の段階で用いた。
段階4
4−(ヒドロキシ(フェニル)(4−(トリフルオロメチル)フェニル)メチル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(1.0g、2.29mmol)の脱水DCM(10mL)中溶液に0℃で、TFA(10mL)を滴下し、得られた溶液を室温で16時間撹拌した。溶媒を減圧下に除去した。残留物をDCMで希釈し、重炭酸ナトリウム溶液および水で洗浄し、硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に濃縮して粗化合物を得て、それをペンタンから砕いて、4−(フェニル(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−メチレン)ピペリジン(0.5g、69%)を灰色固体として得た。MS(ESI、陽イオン)m/z:318(M+1)。
段階5
4−(フェニル(4−(トリフルオロメチル)フェニル)メチレン)ピペリジン(0.5g、1.57mmol)のMeOH(15mL)中溶液に、Pd/C(0.1g)を加え、混合物を3気圧の水素中にて12時間撹拌した。それをシリカゲル層で濾過し、MeOHで洗浄し、濃縮して、粗4−(フェニル(4−(トリフルオロメチル)フェニル)メチル)ピペリジン(0.5g、収率98%)を灰色固体として得て、それをそれ以上精製せずに次の段階で用いた。MS(ESI、陽イオン)m/z:320(M+1)。
段階6
4−(フェニル(4−(トリフルオロメチル)フェニル)メチル)ピペリジン(0.4g、1.25mmol)のMeCN(15mL)中溶液に、トリエチルアミン(0.45mL、3.2mmol)を室温で加えた。室温で10分間撹拌後、それを冷却して0℃とし、ブロモ酢酸エチル(0.27mL、1.62mmol)を滴下した。室温で16時間撹拌後、溶媒を減圧下に除去し、残留物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に濃縮して粗生成物を得た。カラムクロマトグラフィー(SiO、5%から10%酢酸エチル/ヘキサン)によって、2−(4−(フェニル(4−(トリフルオロメチル)フェニル)メチル)ピペリジン−1−イル)酢酸エチル(0.25g、収率52%)を淡黄色固体として得た。MS(ESI、陽イオン)m/z:406(M+1)。
段階7
2−(4−(フェニル(4−(トリフルオロメチル)フェニル)メチル)ピペリジン−1−イル)酢酸エチル(0.2g、0.49mmol)のTHF/MeOH(10mL、1:1)中溶液に、LiOH・HO(0.15g、3.7mmol)を加えた。室温で4時間撹拌後、溶媒を減圧下に除去した。残留物を水で希釈し、希HClでpHを3に調節し、DCMで抽出し、合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に濃縮して、純粋な2−(4−(フェニル(4−(トリフルオロメチル)フェニル)メチル)ピペリジン−1−イル)酢酸(0.07g、収率36%)を白色固体として得た。MS(ESI、陽イオン)m/z:378(M+1)。同様の手順を用いて、下記の類似化合物を製造した。
2−(4−(フェニル(3−(トリフルオロメチル)フェニル)メチル)ピペリジン−1−イル)酢酸;および
2−(4−(フェニル(2−(トリフルオロメチル)フェニル)メチル)ピペリジン−1−イル)酢酸。
(実施例6)
2−(3−(フェニル(m−トリル)メチル)ピロリジン−1−イル)酢酸の合成
Figure 2011506441
段階1
2−メチルベンゾフェノン(2.0g、10.2mmol)およびN−boc−3−ピロリドン(1.89g、10.2mmol)のTHF中混合物に、亜鉛末(3.3g、59mmol)を10から15℃で加え、15分間撹拌した。その反応混合物に、TiCl(4.76g、25mmol)を加え、内容物を60℃とし、8時間撹拌した。反応混合物を放冷して室温とし、希HClを加え、EtOAcで抽出した。有機層を酒石酸ナトリウムカリウム水溶液で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に濃縮して粗生成物を得て、それをn−ヘキサンで洗浄して、(Z)−3−(フェニル(m−トリル)メチレン)ピロリジン1.8gを得た。
段階2
(Z)−3−(フェニル(m−トリル)メチレン)ピロリジン(4.0g、16.1mmol)のメタノール(40mL)中溶液に室温で、10%Pd/C(9.5g)を加え、内容物を約0.34MPa(50psi)の水素雰囲気および室温で12時間水素化した。反応混合物をセライト床で濾過し、その床をメタノールで洗浄した。濾液を減圧下に濃縮して、3−(フェニル(m−トリル)メチル)ピロリジン3.0gを得た。
段階3
3−(フェニル(m−トリル)メチル)ピロリジン(3.0g、12mmol)およびトリエチルアミン(1.8mL、12.9mmol)のジクロロメタン(30mL)中溶液を0℃で10分間撹拌し、ブロモ酢酸メチル(1.5mL、15.8mmol)を滴下した。反応混合物を0℃で3時間撹拌後、反応混合物を昇温させて室温とし、減圧下に濃縮した。残留物に水を加え、水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をジクロロメタンに溶かし、ジエチルエーテルで沈澱させて、2−(3−(フェニル(m−トリル)メチル)ピロリジン−1−イル)酢酸メチル1.6gを得た。
段階4
2−(3−(フェニル(m−トリル)メチル)ピロリジン−1−イル)酢酸メチル(1.5g、4.64mmol)のTHF中溶液に0℃で、水酸化リチウム(0.58g、13.8mmol)の水溶液を加え、反応混合物を4時間撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮した。残留物に水を加え、希HClを用いて水層のpHを3に調節し、30%メタノール/クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に濃縮して、標題化合物0.72gを得た。
同様に、2−(3−ベンズヒドリルピロリジン−1−イル)酢酸をベンゾフェノンから製造した。
(実施例7)
(R)−2−(4−(1−(4−クロロフェニル)シクロヘキシル)−2−メチルピペラジン−1−イル)酢酸の合成
Figure 2011506441
段階1
(R)−2−メチルピペラジン(10g、100mmol)のエタノール中溶液に室温で、KCO(27.6g、200mmol)を加えた。反応混合物を冷却して0℃とし、臭化ベンジル(15.3g、89.5mmol)を加え、反応混合物を加熱して60℃とし、8時間撹拌した。反応混合物を放冷して室温とし、濾過漏斗で濾過し、濾液を減圧下に濃縮してエタノールを除去した。残留物を水で洗浄し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を、5%メタノール/クロロホルムで溶離を行うシリカゲル(100から200メッシュ)カラムクロマトグラフィーによって精製して、純粋な(R)−1−ベンジル−3−メチルピペラジン12.0gを得た。
段階2
(R)−1−ベンジル−3−メチルピペラジン(10g、52.6mmol)のジクロロメタン(30mL)中溶液に室温で、トリエチルアミン(10.6g、106mmol)を加え、反応混合物を1時間撹拌した。その反応混合物に、(BOC)O(13.7g、62.8mmol)を加え、内容物をさらに4時間撹拌した。反応混合物を水で反応停止し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に濃縮して粗生成物を得た。その粗生成物を、10%酢酸エチル/n−ヘキサンで溶離を行うシリカゲル(100から200メッシュ)カラムクロマトグラフィーによって精製して、(R)−4−ベンジル−2−メチルピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル13.0gを得た。
段階3
(R)−4−ベンジル−2−メチルピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(10g、34.5mmol)のメタノール(100mL)中溶液に、Pd/C(1.0g)を加え、反応混合物について、風船圧の水素下に室温で8時間水素化を行った。反応混合物をセライト床で濾過し、その床をメタノールで洗浄した。濾液を減圧下に濃縮して粗生成物を得て、それを、5%メタノール/クロロホルムで溶離を行うシリカゲル(100から200メッシュ)カラムクロマトグラフィーによって精製して、(R)−2−メチルピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル4.8gを得た。
段階4
(R)−2−メチルピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(3.5g、17.5mmol)の水(20mL)中溶液に0℃で、酢酸(2mL)およびシクロヘキサノン(1.7g、12.3mmol)を加えた。その反応混合物に室温で、KCN(1.7g、2.62mmol)を加え、20時間撹拌した。反応混合物を氷水で反応停止し、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に濃縮して、1−(4−クロロフェニル)シクロヘキサンカルボニトリル3.0gを得て、それをそれ以上精製せずに次の段階で用いた。
段階5
1−(4−クロロフェニル)シクロヘキサンカルボニトリル(2.1g、9.6mmol)のTHF(15mL)中溶液に室温で、(4−クロロフェニル)マグネシウムブロマイド(21mmol、1Mのエーテル中溶液21mL)を窒素雰囲気下でゆっくり加えた。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を塩化アンモニウム水溶液で反応停止し、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に濃縮して粗生成物を得た。それを、5%酢酸エチル/n−ヘキサンで溶離を行うシリカゲル(100から200メッシュ)カラムクロマトグラフィーによって精製して、(R)−4−(1−(4−クロロフェニル)シクロヘキシル)−2−メチル−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル0.4gを得た。
段階6
(R)−4−(1−(4−クロロフェニル)シクロヘキシル)−2−メチルピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.80g、2.03mmol)の1,4−ジオキサン(5mL)中溶液に0℃で、飽和ジオキサン−HCl溶液(4mL)を滴下した。反応混合物を昇温させて室温とし、2時間撹拌した。反応混合物を減圧下に濃縮し、残留物を酢酸エチルで洗浄した。10%炭酸ナトリウム水溶液を用いて残留物のpHを7に調節し、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に濃縮して、(R)−1−(1−(4−クロロフェニル)シクロヘキシル)−3−メチルピペラジン0.5gを得た。
段階7
(R)−1−(1−(4−クロロフェニル)シクロヘキシル)−3−メチルピペラジン(0.6g、2.05mmol)のジクロロメタン中溶液に室温で、グリオキサル酸メチル(0.23g、2.61mmol)、酢酸(0.18g、3mmol)およびNa(OAc)BH(1.08g、5.1mmol)を加えた。反応混合物を室温で12時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に濃縮して粗生成物を得た。それを、酢酸エチル/n−ヘキサンで溶離を行うシリカゲル(100から200メッシュ)カラムクロマトグラフィーによって精製して、(R)−2−(4−(1−(4−クロロフェニル)シクロヘキシル)−2−メチル−ピペラジン−1−イル)酢酸メチル0.49gを得た。
段階8
(R)−2−(4−(1−(4−クロロフェニル)シクロヘキシル)−2−メチル−ピペラジン−1−イル)酢酸メチル(0.5g、1.37mmol)のTHF(10mL)およびメタノール(1mL)中溶液に0℃で、LiOH・HO(0.16g、3.81mmol)の水溶液(水1mL)を加えた。反応混合物を4時間撹拌した。メタノールおよびTHFを減圧下に蒸留し、残留物を酢酸エチルで洗浄した。水層のpHを7に調節し、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し、減圧下に濃縮して粗生成物を得て、それを5%から7%メタノール/クロロホルムで溶離を行うシリカゲル(100から200メッシュ)カラムクロマトグラフィーによって精製して、純粋な(R)−2−(4−(1−(4−クロロフェニル)シクロヘキシル)−2−メチルピペラジン−1−イル)酢酸を得た。
同様の手順を用いて、下記の類似化合物を製造した。
2−(4−(1−フェニルシクロヘキシル)ピペラジン−1−イル)酢酸;
(R)−2−(2−メチル−4−(1−フェニルシクロヘキシル)ピペラジン−1−イル)酢酸;および
(R)−2−(2−メチル−4−(1−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)シクロヘキシル)ピペラジン−1−イル)酢酸。
生物実施例
(実施例1)
グリシン輸送体1(GlyT1)取込アッセイ
イン・ビトロ
この細胞に基づくアッセイは、グリシン輸送体1型によるグリシンの取込を試験化合物が阻害する能力を測定するものである。このアッセイでは、ヒトグリシン輸送体1型(Gly−T1)を内因的に発現するヒト胎盤絨毛癌(JAR)細胞を用いた。取込アッセイには、JAR細胞を、96ウェルのサイトスター(cytostar)Tシンチレーティングマイクロプレート(Amersham Biosciences)で、ペニシリン(100μg/mL)およびストレプトマイシン(100μg/mL)の存在下に10%ウシ胎仔血清を含むRPMI1640培地中にて培養した。細胞を細胞4×10個/ウェルの密度で平板培養し、5%COの加湿雰囲気にて37℃で24時間増殖させた。
培地をサイトスタープレートから除去し、化合物の存在下または非存在下に、JAR細胞を、取込緩衝液(120mM NaCl、2mM KCl、1mM CaCl、1mM MgCl、10mM Hepes、5mMアラニン、pH7.5)30μLとともに5分間インキュベートした。次に、取込緩衝液で希釈した[14C]グリシン(101mCi/mmol、パーキン・エルマー(Perkin Elmer)から入手)30μLを各ウェルに加えて、最終濃度5μMとした。室温で所望の時間、通常は1から2時間にわたってインキュベートした後、密閉した96ウェルのサイトスタープレートをトップカウント(TopCount)(パッカード)でカウンティングした。[14C]グリシンの非特異的取込を、10μM冷ALX−5407(シグマ(Sigma))の存在下に測定した。
トップカウントから収集した生データからIC50曲線を得て、社内データ解析ツールであるアクティビティ・ベース(Activity Base)を用いて4パラメータロジスティック方程式に適合させた。
このアッセイでの代表的な数の式(I)の化合物のIC50値近似値を、下記の表に示してある。
Figure 2011506441
イン・ビボアッセイ
雄スプレーグ−ドーリーラット(250から300g)を、経口強制投与によって、1および100mg/kgの範囲の用量でのGlyT1阻害薬で処理する。急性化合物投与から2時間後、CSFを収集し、次に蛍光検出器(ESA社(ESA Inc.,Chelmsford,MA))に連結されたHPLCを用いてグリシン含有量について解析した。
製剤例
以下は、式(I)の化合物を含む代表的な医薬製剤である。
錠剤製剤
下記の成分を十分に混和し、圧縮して個別の分割線が入った錠剤とする。
Figure 2011506441
カプセル製剤
下記の成分を十分に混和し、硬シェルゼラチンカプセルに充填する。
Figure 2011506441
注射製剤
2%HPMC中の本発明の化合物(例えば化合物1)、脱イオン水中の1%Tween80、pH2.2で、少なくとも20mg/mLまでの適量のMSA含有。
上記の発明について、明瞭化および理解を目的として、図示および実施例によって、いくらか詳細に説明した。添付の特許請求の範囲内において、変更および修正を行うことが可能であることは、当業者には明らかであろう。従って理解すべき点として、上記の説明は例示を目的としたものであって、本発明に制限を加えるものではない。従って、本発明の範囲は、上記の説明を基準として決定されるべきものではなく、添付の特許請求の範囲を基準として決定されるべきものであり、そのような特許請求の範囲に該当する均等物の全範囲が含まれる。
本願で引用される全ての特許、特許出願および刊行物は、参照により、あたかも各個々の特許、特許出願または刊行物が個別に示されているのと同程度に、あらゆる面で全体が本明細書に組み込まれるものとする。

Claims (29)

  1. 下記式(I)の化合物または該化合物の製薬上許容される塩。
    Figure 2011506441
    [式中、
    Xは、−CH−または−N−であり;
    およびRは独立に水素またはアルキルであり;
    およびRは独立に水素、アルキル、ハロアルキル、アルコキシまたはハロアルコキシであり;
    n1は0または1でありおよびn2は1または2であり、ただしXが−N−である場合、n1およびn2は1であり;
    (i)Xが−CH−である場合、Rは−CHArArまたは−NArArであり、ArおよびArは独立にアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたは複素環であり、上記の各環はR、RまたはRで置換されていても良く、Rはアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニルまたはアシルアミノであり、RおよびRは独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニル、アシルアミノ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたは複素環から選択され、R、RおよびRにおける芳香族または脂環式環は、独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニルまたはアシルアミノから選択されるR、RまたはRで置換されていても良く;
    (ii)Xが−N−または−CH−である場合、Rは、
    (a)下記式(i)、(ii)または(iii)の環:
    Figure 2011506441
    (式中、nおよびmは独立に0から2であり;
    環B、CまたはDはフェニルまたは5員もしくは6員のヘテロアリール環であり;
    YおよびZは独立に、−CH−、−O−、−NH−、−S−、−SO−または−SO−であり;
    、RおよびRのうちの2個;R、RおよびR;およびRおよびRのうちの1個は独立に、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、アシル、カルボキシまたはアルコキシカルボニルであり、R、RおよびR;R、RおよびR;およびRおよびRのうちの残りのものは、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニル、アシルアミノ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたは複素環であり、R、R、R、R、R、R、RおよびRにおける芳香環または脂環式環は、独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニルまたはアシルアミノであるR、RおよびRで置換されていても良い。);または
    (b)下記式(iv)、(v)、(vi)、(vii)、(viii)または(ix)の環:
    Figure 2011506441
    (環(iv)、(v)、(vi)、(vii)、(viii)または(ix)において、1個もしくは2個の炭素環原子が、窒素原子によって置き換わっていても良いか、これら環のうちのフェニル環の1個もしくは2個は独立にチエニルまたはチアゾリル環によって置き換わっていても良く;
    式(iv)の環中の−−−点線は存在しても良い結合であり;
    YおよびZは独立に−CH−、−O−、−NH−、−S−、−SO−または−SO−であり;
    環(iv)、(v)、(vi)、(vii)、(viii)および(ix)は独立にR、RおよびRで置換されており、RおよびRは独立に水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、アシル、カルボキシまたはアルコキシカルボニルであり、Rは水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニル、アシルアミノ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたは複素環であり、R、RおよびRにおける芳香環または脂環式環は、独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニルまたはアシルアミノから選択されるR、RまたはRで置換されていても良い。)であり、ただし式(I)の化合物は、2−(4−ベンズヒドリルピペリジン−1−イル)酢酸;2−(4−(ナフタレン−1−イル)ピペラジン−1−イル)酢酸;2−(3−ベンズヒドリルピペリジン−1−イル)酢酸および
    Figure 2011506441
    (Rは下記式の環:
    Figure 2011506441
    である。)および
    Figure 2011506441
    (Rは水素であり、Rはメチルであり、またはRおよびRがメチルである。)以外である。]
  2. 前記化合物が、下記式:
    Figure 2011506441
    [式中、
    Xは、−CH−または−N−であり;
    およびRは独立に水素またはアルキルであり;
    およびRは独立に水素、アルキル、ハロアルキル、アルコキシまたはハロアルコキシであり;
    は、
    (a)Xが−CH−である場合に、−NArArまたは−CHArAr(ArおよびArは独立にアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたは複素環であり、上記の各環はR、RまたはRで置換されていても良く、Rはアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニルまたはアシルアミノであり、RおよびRは独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニル、アシルアミノ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたは複素環から選択され、R、RおよびRにおける芳香族または脂環式環は、独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニルまたはアシルアミノから選択されるR、RまたはRで置換されていても良い。);または
    (b)下記式(i)、(ii)または(iii)の環:
    Figure 2011506441
    (式中、nおよびmは独立に0から2であり;
    環B、CまたはDはフェニルまたは5員もしくは6員のヘテロアリール環であり;
    YおよびZは独立に、−CH−、−O−、−NH−、−S−、−SO−または−SO−であり;
    、R、R、R、R、R、RおよびRのうちの2個は独立に、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、アシル、カルボキシまたはアルコキシカルボニルであり、R、R、R、R、R、R、RおよびRのうちの第3のものは、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニル、アシルアミノ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたは複素環であり、R、R、R、R、R、R、RおよびRにおける芳香環または脂環式環は、独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニルまたはアシルアミノであるR、RおよびRで置換されていても良い。);または
    (c)下記式(iv)、(v)、(vi)、(vii)、(viii)または(ix)の環:
    Figure 2011506441
    (YおよびZは独立に−CH−、−O−、−NH−、−S−、−SO−または−SO−であり;
    環(iv)、(v)、(vi)、(vii)、(viii)および(ix)は独立にR、RおよびRで置換されており、RおよびRは独立に水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、アシル、カルボキシまたはアルコキシカルボニルであり、Rは水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニル、アシルアミノ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたは複素環であり、R、RおよびRにおける芳香環または脂環式環は、独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニルまたはアシルアミノから選択されるR、RまたはRで置換されていても良い。)である。]によって表される請求項1に記載の化合物。
  3. 下記の構造を有する請求項2に記載の化合物。
    Figure 2011506441
  4. 下記の構造を有する請求項1に記載の化合物。
    Figure 2011506441
  5. 下記の構造を有する請求項1に記載の化合物。
    Figure 2011506441
  6. 下記の構造を有する請求項2に記載の化合物。
    Figure 2011506441
  7. およびRが水素である請求項1、2、3、4、5または6に記載の化合物。
  8. およびRが水素である請求項1、2、3、4、5、6または7に記載の化合物。
  9. が水素であり、Rがアルキルである請求項1、2、3、4、5、6または7に記載の化合物。
  10. が水素であり、Rがメチルであり、−CRCOH基で置換された窒素に対してオルトである炭素原子にある請求項1、2、3、4、5、6または7に記載の化合物。
  11. ArおよびArがフェニルである請求項1から10のうちのいずれか1項に記載の化合物。
  12. ArおよびArがフェニル、RまたはRで置換されたRである請求項1から10のうちのいずれか1項に記載の化合物。
  13. Arがフェニルであり、ArがRで置換されたフェニルであり、Rがアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、5員もしくは6員の複素環または5員もしくは6員のヘテロアリール環である請求項1から10のうちのいずれか1項に記載の化合物。
  14. Arがフェニルであり、ArがRで置換されたフェニルであり、Rがアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシである請求項1から10のうちのいずれか1項に記載の化合物。
  15. ArおよびArが、独立にアルキル、ハロ、ハロアルキルまたはハロアルコキシから選択されるRまたはRで置換されていても良い請求項1から10のうちのいずれか1項に記載の化合物。
  16. ArおよびArが、独立にメチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシから選択されるRまたはRで置換されていても良い請求項1から10のうちのいずれか1項に記載の化合物。
  17. ArおよびArが、独立にメチル、フルオロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシから選択されるRまたはRで置換されていても良く、−CHフェニル基に結合した炭素に対してメタである炭素原子にある請求項1から10のうちのいずれか1項に記載の化合物。
  18. が、式(i)、(ii)または(iii)の環である請求項1または2に記載の化合物。
  19. が、式(iv)から(ix)の環である請求項1または2に記載の化合物。
  20. およびRが水素である請求項18または19に記載の化合物。
  21. およびRが水素である請求項18、19または20に記載の化合物。
  22. が水素であり、Rがアルキルである請求項18、19または20に記載の化合物。
  23. が水素であり、Rがメチルであり、−CRCOH基で置換された窒素に対してオルトである炭素原子にあり、Xが−CH−である請求項18、19または20に記載の化合物。
  24. 下記式(I)の化合物または該化合物の製薬上許容される塩を含む医薬組成物を患者に対して投与する段階を有する、患者におけるGlyT1受容体の阻害によって治療可能な疾患の治療方法。
    Figure 2011506441
    [式中、
    Xは、−CH−または−N−であり;
    およびRは独立に水素またはアルキルであり;
    およびRは独立に水素、アルキル、ハロアルキル、アルコキシまたはハロアルコキシであり;
    n1は0または1でありおよびn2は1または2であり、ただしXが−N−である場合、n1およびn2は1であり;
    (i)Xが−CH−である場合、Rは−CHArArまたは−NArArであり、ArおよびArは独立にアリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたは複素環であり、上記の各環はR、RまたはRで置換されていても良く、Rはアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニルまたはアシルアミノであり、RおよびRは独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニル、アシルアミノ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたは複素環から選択され、R、RおよびRにおける芳香族または脂環式環は、独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニルまたはアシルアミノから選択されるR、RまたはRで置換されていても良く;
    (ii)Xが−N−または−CH−である場合、Rは、
    (a)下記式(i)、(ii)または(iii)の環:
    Figure 2011506441
    (式中、nおよびmは独立に0から2であり;
    環B、CまたはDはフェニルまたは5員もしくは6員のヘテロアリール環であり;
    YおよびZは独立に、−CH−、−O−、−NH−、−S−、−SO−または−SO−であり;
    、RおよびRのうちの2個;R、RおよびR;およびRおよびRのうちの1個は独立に、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、アシル、カルボキシまたはアルコキシカルボニルであり、R、RおよびR;R、RおよびR;およびRおよびRのうちの残りのものは、水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニル、アシルアミノ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたは複素環であり、R、R、R、R、R、R、RおよびRにおける芳香環または脂環式環は、独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニルまたはアシルアミノであるR、RおよびRで置換されていても良い。);または
    (b)下記式(iv)、(v)、(vi)、(vii)、(viii)または(ix)の環:
    Figure 2011506441
    (環(iv)、(v)、(vi)、(vii)、(viii)または(ix)において、1個もしくは2個の炭素環原子が、窒素原子によって置き換わっていても良いか、これら環のうちのフェニル環の1個もしくは2個は独立にチエニルまたはチアゾリル環によって置き換わっていても良く;
    式(iv)の環中の−−−点線は存在しても良い結合であり;
    YおよびZは独立に−CH−、−O−、−NH−、−S−、−SO−または−SO−であり;
    環(iv)、(v)、(vi)、(vii)、(viii)および(ix)は独立にR、RおよびRで置換されており、RおよびRは独立に水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、アシル、カルボキシまたはアルコキシカルボニルであり、Rは水素、アルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニル、アシルアミノ、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルまたは複素環であり、R、RおよびRにおける芳香環または脂環式環は、独立にアルキル、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アルキルチオ、シアノ、アルコキシ、アミノ、モノ置換アミノ、ジ置換アミノ、スルホニル、アシル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アミノアルキル、ヒドロキシアルコキシ、アルコキシアルコキシ、アミノアルコキシ、アミノスルホニル、アミノカルボニルまたはアシルアミノから選択されるR、RまたはRで置換されていても良い。)である。]
  25. 前記化合物が、
    2−((R)−2−メチル−4−(6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−ベンゾ[7]アンヌレン−5−イル)−ピペラジン−1−イル)酢酸;
    2−((R)−4−(6−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフタレン−1−イル)−2−メチルピペラジン−1−イル)酢酸;
    2−((R)−4−(6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−2−メチルピペラジン−1−イル)酢酸;
    2−((R)−4−(5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル)−2−メチルピペラジン−1−イル)酢酸;
    2−((R)−2−メチル−4−(2−フェニルシクロヘキシル)−ピペラジン−1−イル)酢酸・2塩酸塩;
    2−(4−(フェニル(3−(トリフルオロメチル)−フェニル)アミノ)ピペリジン−1−イル)酢酸;
    (R)−2−(2−メチル−4−ナフト−1−イルピペラジン−1−イル)酢酸;
    2−(4−アントラセン−9−イルピペラジン−1−イル)酢酸;
    (R)−2−(4−アントラセン−9−イル−2−メチル−ピペラジン−1−イル)酢酸;
    2−(4−(1−フェニルシクロヘキシル)ピペラジン−1−イル)酢酸;
    (R)−2−(2−メチル−4−(1−フェニル−シクロヘキシル)−ピペラジン−1−イル)酢酸;
    2−(4−ベンズヒドリル−2−メチル−ピペリジン−1−イル)酢酸;
    2−(4−(フェニル(2−(トリフルオロメチル)−フェニル)−メチル)ピペリジン−1−イル)酢酸;
    2−(4−(フェニル(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−メチル)ピペリジン−1−イル)酢酸;
    2−(4−(フェニル(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−メチル)ピペリジン−1−イル)酢酸;
    2−(2−メチル−4−(フェニル(3−(トリフルオロ−メチル)フェニル)メチル)ピペリジン−1−イル)酢酸;
    2−(2−メチル−4−(フェニル(4−(トリフルオロ−メチル)フェニル)メチル)ピペリジン−1−イル)酢酸;
    2−(4−(ジフェニルアミノ)−2−メチルピペリジン−1−イル)酢酸;
    2−(4−(フェニル(4−(トリフルオロメチル)フェニル)−アミノ)ピペリジン−1−イル)酢酸;
    2−(2−メチル−4−(フェニル(4−(トリフルオロ−メチル)フェニル)アミノ)ピペリジン−1−イル)酢酸;
    2−(2−メチル−4−(フェニル(3−(トリフルオロ−メチル)フェニル)アミノ)ピペリジン−1−イル)酢酸;
    (R)−2−(2−メチル−4−(1−(3−(トリフルオロ−メチル)フェニル)シクロヘキシル)ピペラジン−1−イル)酢酸;
    (R)−2−(4−(1−(4−クロロフェニル)シクロヘキシル)−2−メチルピペラジン−1−イル)酢酸;
    2−(3−(フェニル(4−(トリフルオロメチル)−フェニル)メチル)ピペリジン−1−イル)酢酸;
    2−(3−(フェニル(3−(トリフルオロメチル)−フェニル)メチル)ピペリジン−1−イル)酢酸;
    2−(3−(フェニル(4−(トリフルオロメチル)−フェニル)アミノ)ピペリジン−1−イル)酢酸;
    2−(3−(フェニル(3−(トリフルオロメチル)−フェニル)アミノ)ピペリジン−1−イル)酢酸;
    2−(3−(フェニル(4−(トリフルオロメチル)−フェニル)アミノ)ピロリジン−1−イル)酢酸;
    2−(3−(フェニル(4−(トリフルオロメチル)−フェニル)メチル)ピロリジン−1−イル)酢酸;
    2−(3−(フェニル(m−トリル)メチル)−ピロリジン−1−イル)酢酸;
    2−(3−(ジフェニルアミノ)−ピロリジン−1−イル)酢酸;
    2−(3−((3−ブロモフェニル)(フェニル)−アミノ)ピロリジン−1−イル)酢酸;
    2−(3−(フェニル(3−(ピリジン−3−イル)−フェニル)アミノ)ピロリジン−1−イル)酢酸;
    2−(4−(ジフェニルアミノ)ピペリジン−1−イル)酢酸;
    2−(4−(9H−フルオレン−9−イル)ピペリジン−1−イル)酢酸;
    2−(4−ナフト−1−イルピペリジン−1−イル)酢酸;
    2−(4−(9H−キサンテン−9−イル)ピペリジン−1−イル)酢酸;
    2−(3−(フェニル(3−(チエン−4−イル)−フェニル)アミノ)ピロリジン−1−イル)酢酸;
    2−(3−(フェニル(4−(4−フルオロピリジン−3−イル)−フェニル)アミノ)ピロリジン−1−イル)酢酸;
    2−(3−(フェニル(3−(ピリジン−2−イル)−フェニル)アミノ)ピロリジン−1−イル)酢酸;および
    2−(3−((4−ブロモフェニル)(4−フルオロフェニル)アミノ)ピロリジン−1−イル)酢酸
    から選択される請求項1に記載の化合物または該化合物の製薬上許容される塩。
  26. 請求項2から23および25のうちのいずれか1項に記載の化合物または請求項2から23および25のうちのいずれか1項に記載の化合物およびそれの製薬上許容される塩の混合物ならびに製薬上許容される賦形剤を含む医薬組成物を患者に対して投与する段階を有する、患者でのGlyT1受容体の阻害によって治療可能な疾患の治療方法。
  27. 前記疾患が統合失調症である請求項22または23に記載の方法。
  28. 前記疾患が、統合失調症関連の認知障害である請求項24または26に記載の方法。
  29. 請求項1から23および24のうちのいずれか1項に記載の化合物または請求項1から23および25のうちのいずれか1項に記載の化合物と該化合物の製薬上許容される塩の混合物ならびに製薬上許容される賦形剤を含む医薬組成物。
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