JP2011505970A - 歯内再生治療法及びそれを送達するキット - Google Patents

歯内再生治療法及びそれを送達するキット Download PDF

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Abstract

本発明により、不健全な又は壊死した歯髄組織を歯の歯根内部から除去し、前記除去した歯髄組織を歯内再生治療で作出された新しい血管組織に交換する新規な方法及びキットが提供される。本発明は、現在行われている歯根治療法に代わる治療法や、歯科材料を使った根管充填法を提供する。
【選択図】図2

Description

本発明は、歯科の専門的一分野であり、一般的に根管治療と知られる歯内治療の実施に関する。本発明の実施形態は、歯内治療手法に用いる方法及びキットに関する。
一般的に根管療法として知られる歯内治療の実施は、歯髄及び歯根周辺組織を扱う歯科の専門的一分野である。歯髄(神経、細動脈、小動脈、リンパ組織、及び線維組織を含む)は罹患したり損傷するものであり、通常はそれ自身では修復不可能である。歯髄が死滅し又は壊死性である場合に歯内治療が必要となる。「根管」は歯の象牙質内の主根管を指す一般用語である。根管は歯髄腔からなり、歯内部の天然の空洞の一部である。根管は、歯髄組織として知られる高度に血管化(vascularized)した疎性結合組織で満たされている。歯髄組織では、通常は虫歯又は歯牙破析に起因して感染、疾患、及び/又は炎症が生じ、その結果、微生物(主として口腔細菌叢からの細菌又はその副産物)が髄腔又は根管に進入する。感染した組織は、歯内療法として知られて一般的に「根管治療」と言われる外科処置により除去されることが多い。
再生医療とは、医療の進歩を実現するために、生物医学画像と前駆細胞と三次元足場材料と、生物機能を亢進又は交換する適切な生化学因子又は遺伝子療法との組合せの使用のことをいう。組織工学的治療法の利用が再生医療の基本である。実際には、再生医療は、種々の臓器及び組織の中でも骨、軟骨及び血管等の構造的及び機能的組織を修復する用途又はそれらに代替する用途に関する。再生医療の原則は、特に歯髄組織の再生及び血行再建(revascularization)による歯内組織工学に適用される。歯髄組織の再生及び血行再建を行うことが可能となる結果、歯科材料を用いて根管を充填することだけでなく、現行の根管治療法に明らかに代わる方法が患者にもたらされる。
本発明の実施形態は、歯の根管内部から不健全な歯髄組織を除去し、かかる歯髄組織を歯内再生治療で作製された新たな血管化組織と交換する新規な方法を提供する。
本発明はいくつかの実施形態において、歯の根管内部から不健全な歯髄組織を除去し、かかる歯髄組織を歯内再生治療で作製された新たな血管化組織に代替する新規なキットも提供する。
本発明は、不健全な又は壊死性の歯髄組織の除去後に、インビボ歯、エックスビボ歯又は再移植歯の根管の消毒、洗浄及び血行再建を行うための方法、組成物、デバイス及びキットについて記載するものである。
いくつかの実施形態で本発明は、根管充填材として現在、歯内治療に使用されているガッタパーチャ、三酸化物鉱物骨材(MTA:mineral trioxide aggregate)及び/又は歯科用セメントの使用に直接代わる代替物として使用することができる。
歯内再生治療の概略図である。 歯内再生治療の方法の例を示すフローチャート図である。 本発明の歯内再生治療キットの例を説明するフローチャート図である。 根管内部の血行再建された代替組織の作製を示す図である。 歯内再生治療における生体適合性測定を示す図である。歯髄幹細胞(A)、及び歯周組織幹細胞(B)等の他の細胞型の生存、死、付着、及び増殖に基づいて図1、2又は3に示す歯内再生治療の一部として用いられる足場、ファイル(file)/洗浄器具、生物材料、消毒剤、及び薬剤の生体適合性及び細胞毒性を試験する。インビボでの臨床試験又は動物試験を行う前に、抜歯した歯及び細胞培養技術を用いてこれらの手順についてインビトロで試験してもよい。 歯内再生治療における有効性測定を示す。血流のドップラー(Doppler)測定及び電気歯髄活力テスト(electrical pulp vitality testing)等の非侵襲法を用いてインビボの歯の根管内再生組織の有効性を測定する。臨床試験では、治療の成果を患者に尋ねてもよい。血行再建された根管に関連する組織再生を評価するために抜歯してもよい。或いは、臨床試験又は動物試験に先立ち、歯内再生手法のインビトロでの有効性を測定するため、抜歯した歯を歯内組織再生の様々な態様に供してもよい。これらの測定法には、走査型透過電子顕微鏡法を用いる細胞生存アッセイ及び根管表面への付着、並びに組織学的方法が含まれる。以下の画像は、歯髄組織除去後の消毒した根管に移植する歯髄構築物を作製するために、歯髄幹細胞を播種したコラーゲン足場の有効性試験の結果を示す。幹細胞を含む移植した足場と根管表面との間で付着性が観察された(A)。幹細胞は、培養14日後まで足場に付着していた(B)。足場内の代替歯髄細胞の組織学的観察によると、かかる細胞が活発に代謝しており(C)、前記構築物に活力がある(vital)ことが示唆される。 歯内再生治療に用いる幹細胞及び足場の供給源、保存(banking)、及び送達を示す図である。 歯内再生治療用の歯髄幹細胞の保存について示す図である。 コラーゲン足場を含み血行再建された歯根管内における細胞の再増殖及び組織再生を示す図である。 P15ペプゲンを含み血行再建された歯根管内における細胞の再増殖及び組織再生を示す図である。 血塊を含み血行再建された歯根管内における細胞の再増殖及び組織再生を示す図である。 歯内再生治療後の歯根管内における細胞の再増殖及び組織再生を示す図である。 歯内再生治療後の血行再建された根管における細胞の再増殖を示す図である。
本発明の前記の態様及び他の態様を以下に、より詳細に記載する。以下の見出しは構成上の目的だけでつけており、別途具体的に示さない限り、本明細書を分割するものでも特別な意味をもつものでもない。
歯内治療
1つの実施形態において本発明は、歯根管内部から不健全な歯髄組織を除去し、この歯髄組織を歯内再生治療で作出された新たな血管化組織と交換する方法を提供する。この方法には、(a)根管系へのアクセスオープニングを形成する、(b)根管系から不健全な又は壊死性の歯髄組織を除去する、(c)根管系の洗浄及び消毒を行う、(d)根尖を器具で操作することにより根管系への血流を起こす、並びに(e)歯髄前駆細胞及び/又は成長因子を含んでいてもよい足場(例えば硬質材料又は注入用材料)を根管系に挿入するステップのいずれか又は全てを含めることができる。本明細書において根管に対する器具操作とは、通常は歯内ファイル及び/又は超音波チップである歯科器具を灌流液(例えばNaOCl)と、さらに任意でスメア層除去剤(例えばEDTA)と組み合わせて使用する象牙質及び歯髄組織の制御除去を意味する。
本明細書に記載の方法は任意で、感染予防のために根管への歯冠アクセス及び/又は根尖アクセスに術後用シーラントを適用してもよい。
歯のプレパレーション
歯について、不健全な又は壊死性の歯髄組織を除去する根管治療が必要であると判断する。外科処置の前に歯に麻酔をかけることができる。根管へのアクセスを形成するため、歯冠又は歯根尖を通るオープニングを形成する。歯科用ハンドピース及び歯科用バー(bur)を使用して象牙質から根管にかけてアクセスプレパレーションを形成してもよい。次に、ファイル、灌流液、酸、キレート剤及び/又はこれらの好適な同等物等を用いて不健全な又は壊死性の歯髄組織を根管から除去する。歯内根管治療法によって殆ど全ての壊死性歯髄組織を除去した後に根管を消毒する。
血行再建
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法には血行再建術が含まれる。血行再建術は、根管に新たな、追加の、又は増強された血流をもたらす外科処置である。血行再建術にはいくつかの利点がある。この処置は技術的に容易であり、高価なバイオテクノロジーを使うことなく現在入手可能な器具及び薬剤を用いて行うことができる。さらに、患者自身の血球を使って根管系内部の組織を再生することにより、免疫拒絶や、歯髄を組織工学的に作製された構築物と交換する際の病原体感染の可能性が回避される。さらに、根尖孔が拡大すると、血管化が促進されるだけでなく、栄養素が拡散することにより初期の細胞生存量が維持されることも可能になる。
本発明の別の実施形態によると、壊死性根管系を洗浄及び消毒した後、オーバーインスツルメンテーションを施すことによって根管系への出血を確立することにより、前記根管系の血行再建を行う。1つの実施形態では、歯根尖に器具操作を施すことにより根管内に血液が流れる。別の実施形態では、根管用灌流液(NaOCl及びクロルヘキシジン)と抗生物質(例えばシプロフロキサシン、メトロニダゾール、及びミノサイクリンペーストを混合したもの)とを数週間、併用することにより根管系が消毒され、剥離した壊死歯の血行再建が増強される。
約1.1mmの根尖オープニングを設けて剥離歯及び/又は壊死歯への再移植を行うことにより、血行再建の可能性を高くすることができる。完全に形成された(「封鎖された」)根尖部を有する壊死歯髄の血行再建には、体系的な(systemic)出血が根管系にもたらされるように、歯根尖に器具操作を行って約1〜2mmの根尖直径を得ることが必要な場合がある。
前駆細胞
本発明の方法では、以下に記載の足場を患者に移植すると同時に、任意で前駆細胞を加えてもよい。歯髄には歯髄幹細胞と呼ばれる前駆細胞集団が含まれ、未熟歯の場合はヒト剥脱乳歯由来幹細胞(SHED)が含まれる。歯髄幹細胞は、その前身である象牙芽細胞のように象牙質マトリックスを合成・分泌するらしいことから象牙芽様細胞(odontoblastoid)ともいう。甚だしい歯髄損傷、機械的暴露、又は虫歯による暴露の後、象牙芽細胞は創傷部位の下方にて修復不可能に損傷している場合が多い。象牙芽細胞は、有糸分裂後の最終分化細胞であり、増殖して下部の修復不可能な象牙芽細胞に代わることはできない。象牙芽様細胞の歯髄幹細胞は、内在未分化間葉細胞である。これらの細胞の起源は、一次象牙芽細胞と関連している可能性がある。なぜなら、象牙芽細胞分化において基底膜に介される誘導シグナルに対して、歯発達の過程で歯乳頭の神経堤由来細胞集団だけが特異的に応答することができるからである。修復性歯質形成が誘導されることにより、若い歯と古い歯の両方とも損傷への応答能力を示すので、コンピテントな歯髄幹細胞の小集団が人生を通して歯髄中に存在する可能性が示唆される。
前駆細胞は、例えば以下の4つの手法を用いることにより、細胞の混合集団から同定及び単離することができる。それら4つの手法とは、i)蛍光抗体選別法(FACS)と呼ばれる方法において特異的抗体マーカーで細胞を染色し、フローサイトメトリーを用いる手法、ii)免疫磁気ビーズ選択法、iii)免疫組織化学的染色法、並びにiv)表現型(外観)、走化性、増殖、分化及び鉱化作用を含むがこれらに限定されることのない生理学的及び組織学的基準による手法である。タンパク質マーカーCD34を用いるFACSは、末梢血、臍帯血及び細胞培養物からCD34発現ヒト幹細胞を分離するために広く使用されている。様々なタイプの前駆細胞は、その膜上で種々のタンパク質を発現するため、同じ前駆細胞タンパク質マーカーで同定することはできない。最も研究が進んでいる歯の前駆細胞は歯髄幹細胞である。ヒト歯髄幹細胞は、フォン・ヴィレブランド因子CD146、α−平滑筋アクチン、及び3G5タンパク質を発現する。ヒト歯髄幹細胞はまた、増殖、分化及び鉱化作用に関する特異的なパターンを有し、線維芽細胞の表現型も有する。
本発明の一実施形態では、自己(患者自身の)細胞からの歯髄前駆細胞は、口腔粘膜バイオプシーに由来する。別の実施形態で歯髄幹細胞は、疾患や病原体を有さない精製された同種の歯髄幹細胞株に由来する。さらに別の実施形態で歯髄幹細胞は、実験室で培養した異種(動物)の歯髄幹細胞に由来する。
別の実施形態では、自己細胞由来の前駆細胞は出産後に冷凍保存された臍帯幹細胞に由来する。自己幹細胞は、回収やシリンジでの送達が比較的容易で、新たな歯髄の再生を誘導する能力を有する細胞である。ヒトの自己歯髄幹細胞株を使用すると、患者が自らの細胞をバイオプシーで提供する必要がないという点でも有利である。さらに、細胞を精製して細胞数を増大させると、細胞を精製し及び/又は細胞数が増大するまで患者は待たされてしまうものの、より小規模の組織バイオプシーを回収すればすむようになる。
本発明の別の実施形態では、歯髄前駆細胞は、抜歯した歯、又はインサイチューでの乳歯又は永久歯、及び周辺口腔組織を供給源としている。歯髄前駆細胞は、歯髄組織、歯周組織、根尖乳頭組織又はセメント質をこれらに限定されることなく含む歯組織から、細胞培養で細胞を増殖させることにより、又は幹細胞マーカーによる細胞選別法により回収することができる。歯組織は、細胞培養のための準備として、酵素で消化するか、機械的な操作を行って分離する。次にかかる組織を細胞培養プレート上で乾燥させるか、固体ガラス若しくはプラスチックカバースリップの下で固定化する。例えば1〜50%濃度の細胞栄養培地にウシ血清又はその合成代用物の存在下若しくは不在下にて組織を浸し、例えば温度37℃及び1〜10%CO雰囲気下のインキュベーター内で保持した。
いくつかの実施形態で細胞培養物は、必要に応じていくつもの添加剤で任意に処理することができる。例えば、細胞培養物を感染から防ぐために抗生物質及び抗菌剤を加えることができる。必須タンパク質を供するために培養培地にビタミンC及びL−グルタミン酸を加えることもできる。増殖因子等の生物活性分子を培養培地に加えてもよい。
細胞がコンフルエントになったら、例えばEDTAを含む/含まないトリプシン処理によって細胞を培養ディッシュから回収し、遠心分離にかけ、細胞培養培地を含む細胞培養プレートに再懸濁させる。どの時点でも、回収した細胞を例えば10%DMSOを含むウシ血清、合成血清若しくは細胞培養培地を含む凍結培地に再懸濁させることができる。凍結倍地中の細胞は少量定量ずつゆっくりと凍結し、超低温フリーザーに移して保存するか、液体窒素を含むタンクに移して保存することができる。別の実施形態では各定量細胞に、ドナーと対応させるための、又はドナーに関する情報を特定するためのコードを付す。細胞はどの時点であっても保存状態から取り出して培養増殖させ、細胞の生存能力を確保することができる。別の実施形態では、凍結した定量細胞を毎年又は数年おきに解凍する。
細胞を凍結した場合、かかる細胞を、欠損した、消失した、疾患状態の、破損した、又は損傷した歯、骨又は軟骨を再生するための再生歯科治療の一部として使用することが必要になったとき、それら細胞を凍結保存状態から取り出し、培養培地に懸濁し、コンフルエントになるまでインキュベーターで保持する。細胞が既に培養されている場合はコンフルエントになるまで培養する。コンフルエント細胞は、細胞総数を増やすために別のプレートに移す。本発明の別の実施形態では、十分な数の細胞が作られたら、例えばトリプシン処理により回収し、組織工学的に作製された足場として周知である三次元生物材料上に播種する。
三次元構築物
本発明の別の実施形態では、歯髄前駆細胞は、細胞の組織化(organization)及び血管化をサポートできる三次元足場へと組織化される。このことは、歯髄構築物を作製するために歯髄前駆細胞を播種された多孔質ポリマー足場を用いることにより達成できる。これらの細胞を足場上に播種し、直ちにヒト又は動物の口腔組織内に移植し、或いは別の実施形態では、細胞及び足場構築物は、ヒト又は動物の口腔組織内への移植に先立ち、数日間、数週間、さらには数ヶ月間、細胞培養中で保持してもよい。
組織足場は、均一な大きさ、色及び/又は形状で作製することができる。歯の場合、天然歯の大きさ、色及び形状の範囲内での合成構築物を作製できる。歯髄、歯周組織、セメント質、エナメル質、骨組織、及び/又は口腔粘膜組織の場合、組織工学的に作製された足場の大きさ、形状及び性質によって組織の大きさ、厚さ及び外観を決定することができる。
いくつかの実施形態では、ヒドロキシルアパタイト(ハイドロキシアパタイト)、細胞接着分子、ヘパリン硫酸プロテオグリカン、コンドロイチン硫酸プロテオグリカン、ケラチン硫酸プロテオグリカン等の細胞外マトリックスのプロテオグリカンマトリックス成分、又はラミニン、ヒアルロン酸、コラーゲン、フィブロネクチン及びエラスチン等の非プロテオグリカンマトリックス成分の中から1又は2以上を用いて足場をコーティングすることができる。
1つの実施形態では、足場にはさらに、細胞の生存及び増殖を促進する栄養成分や、根管系における細菌の内部増殖を防ぐ抗生物質が含まれていてもよい。また、足場は、代替組織が必要とする本質的な機械的及び生物学的機能を有していてもよい。例えば、歯髄が露出している歯では、象牙質片が修復象牙質ブリッジの形成を促進することがわかっている。したがって、本発明の別の実施形態で象牙質片は、歯髄前駆細胞が付着するためのマトリックスを提供し、また、成長因子の貯蔵場所としても機能する。
いくつかの実施形態で足場は生分解性であるため、外科処置による除去が必要とされることなく周辺組織に吸収される。いくつかの実施形態で足場は、細胞と栄養成分双方の構造の全体にわたって細胞が容易に播種及び拡散されるよう、多孔質であり適切な孔サイズを有する。
いくつかの実施形態で、足場の分解が生じる速度は、足場近傍の組織形成速度と一致する。すなわち、細胞がその周囲に細胞自身の天然マトリックス構造を作り上げるときに、足場は構造的完全性を提供しなければならない。同様に、新たに形成された組織が単独で機械的付加を受け止められるまでに成長する頃には、足場は分解し始めなければならない。
本発明の足場は、生分解性又は恒久的である天然材料又は合成材料から作製できる。一般的な合成材料としては、ゼラチン、ポリ乳酸(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)及びポリカプロラクトンが含まれるが、これらに限定されるものではない。これらは全てヒト体内で分解する一般的なポリエステル材料である。これらの足場は、種々多様な前駆細胞型の増殖をサポートする能力を有する分解性線維構造体であるため、既に組織工学用途に使用されて成功を得ている。
足場は天然材料から作られてもよく、天然材料としては、コラーゲン等の数種のタンパク質材料、リン酸カルシウム、フィブリン、並びにキトサン及びグリコサミノグリカン(GAG)等のポリ多糖材料が含まれるが、これらに限定されるものではない。これら足場材料の殆どは生体適合性と生分解性を有し、根管内における新たな組織の再生を可能にする。しかし、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のある種の足場材料は恒久的な非分解性足場材料であるため、根管内に残留する。
本発明の1つの実施形態では、組織工学的に作製された硬質足場構造は、根管系の歯髄前駆細胞の組織化及び血管化を補佐する。別の実施形態では、組織工学的に作製された歯髄組織が、ポリマーヒドロゲル、ゼラチン及び寒天ゲル等の軟質三次元足場マトリックスに投与される。ヒドロゲル及び他のゲル製剤は注入用足場であり、シリンジによる送達が可能である。注入用足場の利点の1つは、非侵襲性であって根管系への送達が容易である点である。さらに別の実施形態で注入用足場は、光重合性の足場、又は所望の組織部位に移植された後に硬構造を形成できる足場である。
別の実施形態において組織構築物は、ヒト又は動物の単一又は複数の被移植部に完全に適合させるため、X線写真、及び/又は磁気共鳴画像、及び/又はmicro-CTX線断層撮影から収集したデータを用いてコンピュータソフトウエアで設計してもよい。
さらに別の実施形態では、三次元足場は、移植前にインビトロ又はインサイチューで前駆細胞をかかる足場に播種することなく、ヒト又は動物に外科的に移植される。その代わり、足場を定着させて、消失した、欠損した、疾病状態の、又は損傷した歯組織を再生するために、被移植者自身の前駆細胞を活性化及び動員する医薬化合物(例えば薬物、生物製剤、アジュバント)を含む薬剤を前記被移植者に処方する。
成長因子及び細胞移動における分子制御
本発明の方法の別の実施形態には、根管内組織の血行再建及び再生を促進する有効な治療法の提供が含まれる。これらの方法には、成長因子や成長因子産生を促進できる化合物を患者に投与することが含まれ得る。
例えば、患者における成長因子応答を促進するため、象牙質(例えば片状の象牙質)を使用することができる。象牙質には、組織応答性促進能を有するタンパク質が数多く含まれている。成長因子は一旦放出されると、歯髄−象牙質修復応答である三次象牙質形成に関わる事象の多くにおいてシグナル伝達に重要な役割を果たすことができる。成長因子、特に形質転換成長因子β(TGFβ)ファミリーに属する成長因子は、象牙芽細胞の分化における細胞シグナル伝達や、象牙質マトリックスの分泌促進に重要である。これらの成長因子は象牙芽細胞によって分泌されて象牙質マトリックス内に沈着するが、この象牙質マトリックスにおいて前記成長因子は象牙質マトリックスの他の成分との相互作用を介して活性形態で保護される。象牙質タンパク質の精製画分を加えることによっても三次象牙質マトリックスの分泌増大を促進することができる。
歯の発達及び再生における成長因子の別の重要なファミリーは骨形態形成タンパク質(BMP)である。ヒト組換えBMP2は、成熟歯髄幹細胞の象牙芽様形態への分化を培養下で促進する。TGFB1−3及びBMP7における同様の効果が培養した歯切片で明らかにされている。組換えBMP−2、−4、−7はインビボで修復象牙質の形成を誘導する。ヒト組換えインスリン様成長因子−1をコラーゲンと共に適用すると、完全な象牙質ブリッジ形成及び管状象牙質形成が誘導されることが示された。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書記載の方法の一部としてBMPを投与することができる。
本発明の別の実施形態には、前駆細胞の方向性移動を容易にするための、医薬化合物の本明細書記載の方法における使用が含まれる。前駆細胞又は幹細胞の方向性移動は、胚発生や、成体における恒常性の維持及び損傷臓器/組織の修復に必要となり得る。例えば、前駆細胞は移動しなければ、機能的臓器及び組織の発達に貢献できないであろう。なぜなら全ての前駆細胞は、それが機能することが要求される部位に移動しなければならないからである。
GTPアーゼのRhoファミリーは、その位置と活性化状態の両方によって調節される細胞内メッセンジャーの一ファミリーを構成する。このファミリーは、接着及び移動を含む、前駆細胞の殆ど全ての機能に大きく影響する。例えば、Rhoは細胞の収縮及び解離に重要な効果を示すが、Racは極性細胞の方向性移動に必要とされる効果を示す。Cdc42は、Racが活性化するのと殆ど同じ受容体を活性化するが、その効果は、細胞形態学及び葉状仮足形成に関わる効果に限定されているようである。いくつもの研究でRacは、Rhoが現実に不活性化又は崩壊している移動細胞のリーディングエッジ(leading edge)において明らかにされている。他方、移動幹細胞のテーリングエッジ(tailing edge)では、活性化されたRhoが、そのエフェクターであるRhoキナーゼPak−1と会合している。Pak−1のキナーゼ活性は、Pak−1が、GTPを「活性化する」形態でRacと関与するときに増強される。
腫瘍抑制タンパク質p27kipは核内で、そのアミノ末端領域(N)においてサイクリンとサイクリン依存性キナーゼ(CDK)との複合体と結合し、細胞増殖を抑制する。p27kip1は、リン酸化(P)することにより細胞質に移動すると考えられ、Bessen et al.が示しているように細胞質において、そのカルボキシ末端(C)でRhoAと結合し、グアニンヌクレオチド交換因子(GEF)によりRhoA活性化を仲介(interfaces)する。RhoA、Cdc42、及びRacは細胞移動に必要な細胞骨格変化を調節する。Cdc42及びRacは主として極性細胞の前側で活動し、前進運動に必要なアクチン駆動型突出及び新たな接着形成を調節する。RhoAはROCKタンパク質を介し主として極性細胞の後ろ側で活動し、接着斑として知られる接着部位のターンオーバーを(他のプロセスの間で)決定することにより、後退を生じさせる。FAKは、RhoA活性化を妨げることにより、細胞型依存的に細胞移動を阻害若しくは促進する。
いくつかの実施形態において、歯髄前駆細胞の移動は、Rac/Rhoキナーゼの活性化バランスによって制御され得る。Racが活性化されると細胞が前方に移動し、Rhoキナーゼが活性化されると、細胞はその位置に留まる。したがって、本発明の1つの実施形態では、本明細書記載の組織工学的治療法の一部として歯髄前駆細胞の移動を制御するために、薬物療法においてGTPアーゼのRhoファミリーを標的として送達する。
再生歯内治療の生体適合性及び有効性測定
本発明の別の実施形態では、歯髄幹細胞や、歯周幹細胞を含むその他の前駆細胞型の生存、死、付着及び増殖を用いることにより、本明細書記載の再生歯内治療の一部として使用される足場、ファイル/洗浄器具、生物材料、消毒剤、及び薬剤の生体適合性及び細胞毒性を試験することができる。インビボでの臨床試験又は動物試験の前に、抜歯した歯と細胞培養法若しくはアッセイとを用いてその手順をインビトロで試験することができる。
本発明の別の実施形態では、インビボの歯の根管内における再生組織の有効性を、血流に対するドップラー測定法及び電気歯髄活力テスト等の非侵襲的方法によって測定することができる。臨床試験の場合、研究者が関心をもつ質的又は量的特徴に基づいて治療の成果を評定するように患者に依頼することができる。
血行再建された根管に関連した組織再生を評価するために抜歯してもよい。或いは、抜歯した歯について臨床試験又は動物試験を行う前に、それらの歯を使って歯内組織再生に関する種々の観点から再生歯内手法のインビトロでの有効性を測定してもよい。かかる測定方法には、走査型透過電子顕微鏡法を用いる細胞生存アッセイや根管表面への付着性観察、並びに組織学的方法が含まれる。
歯内治療キット
本発明はまた、本明細書に記載の方法で用いるキット、及び他の適切な歯科用途に用いるキットにも関する。これらのキットは、前記方法の一部として記載した例示成分、並びに以下に記載する成分のいずれであっても含むことができる。
本発明のいくつかの実施形態では、開業医が総合的な歯内再生治療を行うことを可能にする足場(本明細書中、「インプラント型マトリックス」とも言う)をキットに含めてもよい。かかるキットは、消毒液、単離歯髄細胞、又は歯内ファイルのいずれか又は全てをさらに含むこともできる。キットには、例えば足場、マニュアル及び/又は電動式歯内ファイルを含めることもでき、灌流液/消毒液及び酸/キレート剤は壊死歯髄組織の洗浄及び根管の消毒に使用される。
いくつかの実施形態では、キットに含まれるインプラント型マトリックスは、本明細書記載の方法に用いるために包装されたヒドロゲルであり得る。キットに含まれるインプラント型マトリックスは、コラーゲン、フィブリン、キトサン、グリコサミノグリカン、及びこれらの混合物といった材料のうち少なくとも一部から構成することができる。キットに含まれるインプラント型マトリックスは、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、及びこれらの混合物といった材料のうち少なくとも一部から構成することができる。キットに含まれるインプラント型マトリックスは、多血小板血漿、血液、又は任意の血清産物の少なくとも一部から構成することができる。
いくつかの実施形態ではキットは抗生物質を含む。抗生物質は、例えばインプラント型マトリックスの一部としてもよく、個別に包装してキットに含めてもよい。
いくつかの実施形態でキットは、幹細胞又は他の単離された歯髄細胞を含む。いくつかの実施形態でこれらの細胞は、フォン・ヴィレブランド因子CD146、α−平滑筋アクチン、及び3G5タンパク質のうち少なくとも1つを発現することができる。
本発明のキットはまた、形質転換増殖因子βファミリーメンバー、骨形態形成タンパク質、インスリン様増殖因子−I又は−II、コロニー刺激因子、上皮細胞増殖因子、線維芽細胞増殖因子、インスリン様増殖因子−I又は−II、インターロイキンIL−1〜IL−13、血小板由来増殖因子、及び神経成長因子からなる群から選択される細胞増殖因子も含んでいてもよい。
本発明のその他の特徴は、以下の実施例の記載によって明らかになるであろう。かかる実施例は本発明を説明するためのものであり、本発明はそれら実施例に限定されるものではない。
[実施例]
歯の洗浄及び形成(shaping)
施設内倫理委員会の承認を受けて、ヒト被験者を登録し、或いは抜歯した歯を用いる。歯のプレパレーションは通常の歯内治療用に行う。根管の作業長は、15Kファイル(Dentsply Tulsa Dental社製、オクラホマ州ツルサ)が根尖孔で見えたときの長さから1mmを差し引いたものとする。歯を洗浄し、回転式器具のProtaper 及び ProFile(Dentsply Tulsa Dental社製、オクラホマ州ツルサ)を使用して形成する。SX、S1、S2、F1、F2、F3及び35/.06のファイルをこの順番で使用して根管に器具操作を行った。洗浄及び形成を過程で、各サイズの器具をそれぞれ使用した後に6%次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)(Clorox社製、カリフォルニア州オークランド)の灌流液を1mlずつ使用する。プラスチック製の細ニードル(Ultradent Products社製、ユタ州サウスジョルダン)を用いる生体力学的プレパレーションの間に合計6mlの灌流液を使用する。次いで、17%EDTA(PulpDent社製、マサチューセッツ州ウオータータウン)3mlを1分間適用し、最後に6mlの6%NaOClで洗い流した。
歯の消毒
歯の消毒は、6%NaOCl(Clorox社製、カリフォルニア州オークランド)に5分間浸漬させることにより行う。次に標本を滅菌食塩水で洗浄し、さらに2回洗浄する。器具で操作した歯をハンクス平衡塩溶液(HBSS、BD Biosciences社製、ニュージャージー州フランクリンレイク)中で3日間、5℃で保持する。
歯髄前駆細胞
歯髄前駆細胞は、ボランティア患者から回収したヒト剥脱乳歯(SHED)から得て、使用する前に凍結する。これらの細胞をダルベッコ改変イーグル培地(DMEM、BD Biosciences社製、ニュージャージー州フランクリンレイク)で培養する。細胞培養物は、5%COの湿気環境下にて37℃で保持し、培養培地は60日まで2日毎に補充する。コンフルエントになった細胞培養物をトリプシン処理(0.25%トリプシン/EDTA、Mediatech, Inc.社製、バージニア州ハーンドン)によって回収する。
洗浄及び形成した歯への歯髄組織構築物の移植
OPLA(Open-cell polylactic acid)足場、リン酸カルシウム足場、及びウシ皮膚(BD Biosciences社製、マサチューセッツ州ベッドフォード)から作ったコラーゲン足場の3種類の三次元足場を調べた。円筒状足場の各々を2片にスライスし、長さ約5mm、幅2mm、推定体積0.01195cmの足場を得る。かかる足場を中性リン酸緩衝生理食塩水(PBS)に浸漬し、5℃で保存する。細胞を播種する24時間前にPBSをDMEMに置き換える。
最初の2つの処理群はコントロールである。第1群は、洗浄及び形成した根管を足場又は細胞なしで含む群であり、第2群は、15本の歯の根管を洗浄及び形成し、その根管に足場の不在下でSHED×10個を注入した群である。残りの群は、実験的処理群である。OPLA足場を含む第3群は、細胞を適用する前に培養条件を同じにするために37℃で30分間インキュベートする。歯髄構築物は、OPLA足場の各々に滅菌マイクロシリンジを使ってSHED×10個を播種することにより、移植の24時間前に作製する。次にかかる構築物を15本の洗浄・形成後の歯の根管に滅菌鉗子及び歯内充填器(Miltex Inc.社製、ペンシルベニア州ヨーク)を用いて移植する。第4群は、足場をウシコラーゲンから作製すること以外は、第3群と同じ足場を含む。第5群は、足場をリン酸カルシウムから作製すること以外は、第3群と同じ足場を含む。第6群は、PBS(pH7.4)中の0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)50μlに含まれる50ngのBMP−2を各足場に加えること以外は、第3群と同じ足場を含む。第7群は、PBS(pH7.4)中の0.1%BSA50μlに含まれる50ngのTGF−β1(Sigma-Aldrich社製、ミズーリ州セントルイス)を各足場に加えること以外は、第3群と同じ足場を含む。第8群は、PBS(pH7.4)中の0.1%BSA50μlに含まれる50ngのβ−グリセロホスフェートを各足場に加えること以外は、第3群と同じ足場を含む。細胞、足場及び歯髄構築物を含む全ての歯は、1mlのDMEM培養培地に浸漬し、24ウエルの培養プレート(BD Biosciences社製、マサチューセッツ州ベッドフォード)で1日、7日又は14日間保持する。
走査電子顕微鏡法のプレパレーション
10%中性緩衝ホルマリン溶液に18℃で24時間浸漬することにより歯を固定する。次いで、これらの歯を四酸化オスミウム(1%v/v)で2時間、後固定(postfixed)し、その後、80%、90%、95%の勾配系のエタノール溶液中でそれぞれ15分間脱水し、続いて100%エタノールで10分間ずつ3回の脱水を行う。エタノール溶液から歯を取り出し、ヘキサメチルジシラザン中に5分間載置し、脱水した標本を固定する。走査型電子顕微鏡(SEM)で視覚化するための準備として、歯を縦軸に沿ってチゼルで半分に破砕する。その歯を濾紙上で30分間乾燥させる。接着剤アラルダイトラピッド(Devon Ltd.,社製、アイルランド シャノン)を使い、アルミニウム製ステレオスキャンスタブに歯標本を載置する。かかる載置した乾燥標本に対し、20〜30nm厚さのゴールド/パラジウム金属薄層コーティングをCressington Sputter Coater model 108 Auto(英国ワットフォード)を用いて行う。
組織工学的に作製された組織に対する走査電子顕微鏡法
Quanta 200 走査型電子顕微鏡(SEM)(FEI社製、オレゴン州ヒルズボロ)で標本を観察する。デジタル画像解析ソフトウエアを使用して倍率2000倍のSEM顕微鏡写真を得る。各根管のそれぞれ全体をスキャンし、全表面のトポグラフィー概観図を得る。歯髄構築物内から根管象牙質にかけての細胞付着を顕微鏡写真で視覚化する。組織工学的に作製された歯髄構築物が根管に付着する効果を半定量的基準により評価する。
非ヒト霊長類であるカニクイザル(M. fascicularis)の上顎歯14本(n=14)に対し、標準的な歯内技術による器具操作を行ってISOに基づく根尖サイズ40を得た。3種類の異なる再生治療を根管空隙に試みた。第一に、骨再生材料であるP15−ペプゲンを移植した。第二に、組織工学的に作製された本発明のコラーゲン足場を移植した。第三に、15Kファイルを用いて根尖をプローブし、血塊を刺激した。
7日後に、前記非ヒト霊長類を犠牲にし、その歯を組織学的分析に供し、光学顕微鏡(×200)で観察した。白血球が一番多く根管空隙に集まったのはコラーゲン足場の場合であり、それら白血球は均等な分布を示していた。P15−ペプゲン骨再生材料の場合に集まった白血球は、コラーゲン足場の場合よりも少なかった。P15−ペプゲンはゲルバインダーを含む粒状固形材だが、白血球は足場の内部ではなくその周辺にみられた。比較の結果、血塊の場合に根管内の細胞は最も少なかった。これらの結果から、根管内における組織再生を実現するためには、組織工学的に作製された足場を移植するケース及び骨増強剤を使用するケースの方が血塊利用のケースよりも好適であることが示される。
2.材料及び方法
2.1.動物の使用
概ね7歳の非ヒト霊長類カニクイザル1匹の全ての前歯及び小臼歯(口蓋管)並びに大臼歯(口蓋管)に通常の歯内根管治療法を施した。外科処置を行う間、このカニクイザルに全身麻酔をかけ、外科処置後には歯科的手法に伴う痛み又はストレスを最小限にするために鎮痛剤を与えた。
2.2.全身麻酔
非ヒト霊長類カニクイザルを10〜15mg/kgのケタミンで麻酔し、1.5%濃度のイソフルランで保持した。歯科的処置の間、このサルに挿管した。処置の間、心拍数、呼吸数、及び足趾ピンチ反射(深部痛評価)をモニターした。
2.3.歯科治療
臨床歯科的処置で通常使用されるのと同じ処置により前記非ヒト霊長類の歯を処置した。各歯のX線写真を撮影し、根管における処理前と処理後の変化を比較した。ラバーダムクランプに固定したラバーダムを使用して、手術野を2%クロロヘキシジンで消毒した。歯科用ハンドピースを使用して、各歯の歯冠内に歯髄腔へのアクセスキャビティーをカットした。アクセスキャビティーをカットする間、ウオータースプレーで歯を冷却した。
2.4.根管に対する器具操作及び灌流
パッシブステップバック(passive step back)技術の回転式器具Protaper及び Profile GTX(Tulsa Dentsply社製、オクラホマ州ツルサ)サイズ40.04を併用し、歯内用細ファイルで歯に対する器具操作を行った。洗浄及び形成を行う過程で、各サイズの器具をそれぞれ使用した後に灌流液(6%NaOCl、Clorox社製、カリフォルニア州オークランド)を5mlずつ使用した。全ての群において、プラスチック製の細ニードル(Ultradent Products社製、ユタ州サウスジョルダン)を用いて生体力学的プレパレーションを行う間に合計25〜30mlの灌流液を使用した。次いで、腐食液(17%EDTA、PulpDent社製、マサチューセッツ州ウオータータウン)2mlを15秒間適用した。そして灌流液10mlで最後に15秒間洗い流した。管についても最後に10mlの滅菌食塩水で超音波活性化によって洗い流した。
15Kファイルを使用して歯根尖に器具操作を行い、洗浄した根管系内に出血を生じさせた。以下の表1に示すように、歯を3つの異なる処理群に無作為に分類した。すなわち、1.ポジティブコントロールとして、足場又は充填材を挿入せずに3本の歯(n=3)の根管系内に血塊を形成した群、2.6本の歯(n=6)について、組織工学的に作製されたウシコラーゲン足場(BD Biosciences社製、ニュージャージー州フランクリンレイク)を洗浄した根管系内に挿入した群、3.5本の歯(n=5)について、P15−ペプゲン(Dentsply Friadent社製、ドイツ マンハイム)と呼ばれる注入用足場を洗浄した根管系に挿入した群に分類した。各処理群の足場又は血塊には、自己治癒性ガラスイオノマー(Fuji II、GC社製、日本、東京)を用いた最終的修復の前に、生体適合性ベースとして4mmのMTAを配置した。
Figure 2011505970
2.5.安楽死
組織学的分析用に組織を回収するために非ヒト霊長類であるカニクイザル(M. fascicularis)を7日目に安楽死させた。
2.6.組織の回収及び組織学的処理
回収した組織を光学顕微鏡による組織学的処理に付した。抜歯した歯を4%パラホルムアルデヒドで24時間固定し、脱塩溶液(VWR社製、ジョージア州スワニー)で脱塩した。歯を洗浄した後に勾配系のアルコールで脱水し(70%、80%、90%、95%で2時間ずつ)、次いで、100%エタノール中で2時間脱水し、パラフィンワックスブロックに包埋し、ミクロトームで5ミクロン厚の薄片に切り分けた。歯の組織学的薄片をガラススライド上に回収し、65℃で12時間保持した。これらの薄片を以下のプロトコールによりヘマトキシリン及びエオシンで染色した。すなわち、キシレン(3分間)、キシレンと100%アルコール(50/50、浸漬)、95%エタノール(3分間)、70%メタノール(1分間)、水(1分間)、ヘマトキシリン(2分間)、流水(浸漬)、酸アルコール(浸漬)、水(浸漬)、13%アンモニア(浸漬)、流水(5分間)、80%エタノール(浸漬)、エオシン(15秒間)、95%エタノール(3回浸漬)、100%エタノール(3分間)、及びキシレン(1分間又はスライド上に固定されるまで)というプロトコールで染色を行った。かかる組織をSure-Mount接着剤(Triangle Biomedical Sciences社製、ノースカロライナ州ダーラム)を塗布したカバースリップを用いてガラススライド上に密封した。
2.7.根管内の細胞の組織学
歯の根管内における、宿主免疫応答によって送達された細胞数を顕微鏡野毎にカウントし、その細胞型と、その1)有核細胞及び2)非有核細胞の割合とを調べた。有核細胞の根管内局在については次の基準を使用した。すなわち、1)細胞不在、2)周辺に局在、3)中央に局在、及び4)均等に分布、という基準を用いた。
2.8.統計分析
全ての実験から得た生データを分散分析(ANOVA)試験により調べ、最終的に、汎用的な方法であるシェッフェの事後分析法(Scheffe、1953年)並びに最も保守的な多重比較法(Dawson-Saunders and Trapp、1994年)で調べた。
3.結果
3.1.再生された根管内の細胞数
宿主の免疫応答によって送達され、根管で再増殖する細胞の数は、組織工学的に作製されたコラーゲン足場を移植したときに最大数を示した(図9)。マテリアルを何も加えなかった場合は、多くの赤血球が根管で再増殖し、根管空隙が血塊で満たされた(図10)。一部の細胞がP15ペプゲンと根管壁との間の空間で再増殖したが、マテリアルを貫通して根管中心部で再増殖した細胞は皆無だったか、殆どなかった(図11)。血行再建された根管で、最も多くの数の細胞が再増殖していたのは、歯内再生治療Aを行った場合であった。
3.2.血行再建された根管における細胞の再増殖
白血球が組織再生のための前駆細胞であることから、歯内再生後に血行再建された根管内における宿主の体内白血球の局在を評価した。P15−ペプゲンを移植した再生根管では、足場の周辺でまさに白血球及び赤血球が観察された(図13)。コラーゲン足場では白血球の均一な分布がみられ、赤血球は周辺部に分布していた(図13)。血行再建された根管内で形成された血塊には主として赤血球が含まれ、白血球はその周辺に僅かに認められるだけであった(図13)。
前記の教示に照らして多数の修正や変更を本発明に施すことが可能である。したがって、添付のクレームの範囲内において、本明細書に具体的に記載されているのとは別のやり方で本発明を実施することができると理解されるべきである。

Claims (32)

  1. 以下のステップ(a)〜(d)を含む歯内再生方法。
    (a)根管系から不健全な又は感染した歯髄組織を除去するステップ
    (b)前記根管系の血行再建を行うステップ
    (c)足場、歯髄前駆細胞、及び成長因子を単独又は組み合わせて前記根管系に挿入するステップ、並びに
    (d)感染予防のため、根管への歯冠アクセス及び/又は根尖アクセスに術後用シーラントを適用するステップ
  2. 足場が硬質である、請求項1に記載の方法。
  3. 足場が注入用である、請求項1に記載の方法。
  4. 血行再建が、根尖を器具で操作することにより、又は根尖を除去することにより、根管系内への血流を起こして達成される、請求項1に記載の方法。
  5. 根管内用灌流液及び抗生物質を用いて根管系を消毒し、血行再建を増強させる、請求項1に記載の方法。
  6. 歯髄前駆細胞が、口腔粘膜バイオプシー由来の自己細胞から得られる、請求項1に記載の方法。
  7. 歯髄前駆細胞が、疾患及び病原体を有さないと予想される、精製された同種歯髄幹細胞株に由来する、請求項1に記載の方法。
  8. 歯髄前駆細胞が、実験室で増殖された異種歯髄幹細胞に由来する、請求項1に記載の方法。
  9. 歯髄前駆細胞が、臍帯幹細胞に由来する自己細胞から得られる、請求項1に記載の方法。
  10. 歯髄前駆細胞が、抜歯した若しくはインサイチューの乳歯若しくは永久歯、及び/又は周辺口腔組織から得られる、請求項1に記載の方法。
  11. 歯髄前駆細胞が、細胞の組織化及び血管化をサポートできる三次元足場に構成されている、請求項1に記載の方法。
  12. 三次元足場が、歯髄構築物を作製するために歯髄前駆細胞を播種された多孔質ポリマー足場である、請求項1に記載の方法。
  13. 足場が、細胞の生存及び増殖を促進するための栄養素、及び抗生物質をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  14. 足場が象牙質片を含む、請求項1に記載の方法。
  15. 足場マトリックスがポリマーヒドロゲルを含む、請求項1に記載の方法。
  16. インプラント型足場マトリックス、消毒液、及び単離された歯髄細胞を含む歯内治療キット。
  17. インプラント型足場マトリックスがヒドロゲルである、請求項16に記載のキット。
  18. インプラント型足場マトリックスが、コラーゲン、フィブリン、キトサン、及びグリコサミノグリカンからなる群から選択される材料を含む、請求項16に記載のキット。
  19. インプラント型足場マトリックスが、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、及びポリカプロラクトンからなる群から選択される材料を含む、請求項16に記載のキット。
  20. 足場が抗生物質を含む、請求項16に記載のキット。
  21. 単離された歯髄細胞が幹細胞である、請求項16に記載のキット。
  22. 単離された歯髄細胞が、フォン・ヴィレブランド因子CD146、α−平滑筋アクチン、及び3G5タンパク質のうち少なくとも1つを発現する、請求項16に記載のキット。
  23. 灌流液をさらに含む、請求項16に記載のキット。
  24. 酸及びキレート剤からなる群から選択される根管洗浄剤をさらに含む、請求項16に記載のキット。
  25. 歯内ファイルをさらに含む、請求項16に記載のキット。
  26. 形質転換増殖因子βファミリーメンバー、骨形態形成タンパク質、インスリン様増殖因子−I又は−II、コロニー刺激因子、上皮細胞増殖因子、線維芽細胞増殖因子、インスリン様増殖因子−I又は−II、インターロイキンIL−1〜IL−13、血小板由来増殖因子、及び神経成長因子からなる群から選択される細胞増殖因子をさらに含む、請求項16に記載のキット。
  27. インプラント型足場マトリックス、消毒液、洗浄液、及び歯内ファイルを含む歯内治療キット。
  28. 洗浄液が酸又はキレート剤である、請求項27に記載のキット。
  29. インプラント型足場マトリックスが、コラーゲン、フィブリン、キトサン、及びグリコサミノグリカンからなる群から選択される材料を含む、請求項27に記載のキット。
  30. インプラント型足場マトリックスが、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、及びポリカプロラクトンからなる群から選択される材料を含む、請求項27に記載のキット。
  31. インプラント型足場マトリックスが抗生物質を含む、請求項27に記載のキット。
  32. インプラント型足場マトリックスが、多血小板血漿、血液、又は任意の血清産物である、請求項27に記載のキット。


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