JP2011504807A - 抗菌マトリックス及び濾過システム - Google Patents

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Abstract

抗菌マトリックス及びこのマトリックスを含む濾過システムを提供する。マトリックスは、表面修飾無機成分、及び不規則な、回旋状の表面を有する粒子を含むポリマーバインダーを含む。表面修飾無機成分は、抗菌成分と無機成分との反応生成物を含む。抗菌成分は、エポキシ基を含有する第四級アンモニウム塩を含む。共有結合は、例えば、第四級アンモニウム陽イオンと無機成分のヒドロキシル基との間に存在する。第四級アンモニウム塩は、ポリ(ジメチルジアリルアミンエピクロルヒドリン)であってもよい。更に、第四級アンモニウム塩は、(I)
Figure 2011504807

による式を有してもよく、式中、nは5〜24の範囲である。無機成分は、珪藻土であってもよい。ポリマーバインダーは、超高分子量ポリエチレン(UHMW PE)を含んでもよい。これの作製及び使用方法も提供する。

Description

本発明は、流体濾過システム及びこのシステム内での抗菌マトリックスの使用を開示する。詳細には、活性媒体及びポリマーバインダー含む抗菌ブロックマトリックスを有する水濾過システムを提供する。
流体の濾過は、様々な技術を介して達成することができ、その選択は除去又は低減が標的とされる汚染物質(1種又は複数)により決定される。微粒子は、深層濾過として公知のプロセスを介して最も良く除去される。フィルターは、そのマトリックス中に任意の汚れ又は沈降物を収集保持する。分子レベルで現れる溶解した有機汚染物質は、吸着、又は鉱物及び金属の場合、イオン交換を介して除去することができる。サブミクロンサイズの微生物を含む非常に小さい汚染物質は、多くの場合、膜内の孔が標的汚染物質よりも小さく形成された膜技術の形態を必要とし、又はそれらはある方法で非活性化される。飲用水中の汚染物質は、4つのグループに分類することができる。(i)混濁及び微粒子、(ii)有機ベースの化学物質及び殺虫剤、(iii)鉛等の、健康上の危険を引き起こす、溶解した重金属、及び鉱物等の無機物質、(iv)原生動物、寄生虫、バクテリア及びウイルス等の微生物。
各グループは、異なる特定の技術により処理することができる。複数の種類の汚染物質のグループに適合する濾過に対する伝統的な手法としては、複数の別個の媒体モジュールを分離したハウジング内にて経路に沿って直線状に配置し、各モジュールはシステムのおおよその最適な耐用期間のために、連続的な段階を最終段階まで、保守する寸法を有する。しかしながら、いくつかのフィルターは、単一の濾過技術により数種の汚染物質群を処理するよう設計されている。単一の濾過技術は、消費者用のユースポイント(point-of-use)フィルター等、高い効率及びコンパクトな外形が保証される用途に有用である。
例えば、単一ハウジング内での連続濾過は、覆われた又は襞付きの不織布又は膜の単一の又は複数の層でブロックフィルターを覆って達成され得る(例えば、Hamlin et al.に付与された米国特許出願公開第2004/0206882号)。これらの層は、基本的にモノリシックなブロックに適用され、ここで混合された機能性が、ブレンドされたモノリシック構造としてブロック内に組み込まれる。モノリシック構造内に異なる活性媒体の混合物が使用される場合、得られるブロックは、塔(bed)の全深度において、実質的に等方性の孔サイズ分布、空隙容積、及び外形依存的な水流圧力低下を有する。これらの混合活性媒体ブロックの配合物は、1つの成分と他の成分との機能性の間で適切なトレードオフを有するよう設計され、媒体の費用は、最高のブレンドされた性能をもたらす粒子サイズ分布及び媒体の他の特徴を選択する必要性に影響される。例として、低費用の活性炭媒体の大きい粒子(形成された物品ブロック内に比較的大きい孔をもたらす)は、塩素低減に対する要求に十分であり得る。より小さくて、より高い費用を要する活性媒体粒子(形成された物品ブロック内に比較的小さい孔をもたらす)は、嚢胞に対する要求に必要とされ得る。大きい粒子と小さい粒子とのブレンドは、等方性の孔サイズ分布を形成し、この分布はいずれかの個々の成分ブロックの分布よりも広く、したがって、嚢胞を効率的に保持するには広すぎる。そのようなものとして、ブレンドされたモノリシックブロックは、要求の組み合わせに関する性能において、個々の機能性ほどは有効ではない場合がある。通常用いられる設計上のトレードオフは、まず、重要な若しくは困難な要求を満たす材料の選択及び配合物のブレンドであり、これは材料における費用の妥協、又は完成したモノリシックブロックにおける圧力低下の妥協のいずれかを必要とする。
更に、活性媒体の混合物の限界としては、混合されたシステムにおける機構の希釈の効果であり、全部の濾過及び分離機構が、その効果において相乗的ではないことが挙げられる。動電力学的な捕捉に関しては、一般に、より大きい集団/濃度の活性媒体機能性を有するより小さい容積は、流体の流れに対する作用が、特にこの希釈の効果が、流体経路と粒子表面との間にて幾何学的関係を変化させるものである場合、(例えば、効果的に大きい孔を形成することにより)、より分散かつ希釈された同一の粒子の集団よりも効果的であり得ると考えられている。
前述したトレードオフに加えて、大半の、市販のブレンドされたモノリシックブロックは、溶融流れ及び隣接する活性媒体粒子における活性媒体のコーティングの、望ましくない特性を有するバインダー粒子を使用して製造され、このコーティングは、一般に、ある割合の活性媒体の表面を覆い隠す可能性がある。
高い効率性を有するコンパクトな用途のための濾過媒体及びシステムを提供する、継続した必要性が存在している。ブロックの孔サイズ又は孔サイズ分布に依存しない、ファージ、ウイルス、又はバクテリアを減少させる機構のための、特にブロック孔特性が、嚢胞等の比較的大きい微生物を有効に減少させることができない場合の、ブロック等の深層フィルター媒体に対する必要性も存在している。
コンパクトな用途に適した抗菌マトリックス及び濾過システムを提供する。抗菌マトリックス及び濾過システムを作製する方法も提供する。第一の態様において、分離マトリックスは、表面修飾無機成分、及び不規則な、回旋状の表面を有する粒子を含むポリマーバインダーを含み、表面修飾無機成分は、エポキシ基を含有する第四級アンモニウム塩を含む抗菌成分と無機成分との反応生成物を含み、したがって第四級アンモニウム陽イオンと無機成分との間にて直接的に共有結合を含む。
詳細な実施形態は、超高分子量ポリエチレンを含むポリマーバインダーを提供する。別の実施形態は、略球状の非多孔質構造を有する粒子を更に含むポリマーバインダーを提供する。特定の実施形態では、不規則な、回旋状の表面を有する粒子は、10〜100(又は20〜50、又は更には30〜40)マイクロメートルの範囲の平均粒子サイズを有する。別の特定の実施形態は、略球状の非多孔質構造を有する粒子が、10〜100(又は20〜80、又は更には30〜65)マイクロメートルの範囲の平均粒子サイズを有するということを提供する。
一実施形態において、エポキシ基を含有する第四級アンモニウム塩は、I:
Figure 2011504807
による式を有し、
式中、nは3〜250の範囲である(又は別の実施形態において、nは、5〜24の範囲である)。
一実施形態において、表面修飾無機成分は60〜85重量%の範囲の量で存在し、ポリマーバインダーは15〜40重量%の範囲の量で存在する。詳細な実施形態は、ポリマーバインダーが、超高分子量ポリエチレンと、マトリックスの10〜40重量%の範囲の量で存在する不規則な、回旋状の表面を含む粒子と、マトリックスの40重量%までの量で存在する、略球状の非多孔質構造を有する粒子とを含む、ということを提供する。一実施形態において、表面修飾無機成分は、pH9以上で正のゼータ電位を有する。1つ以上の実施形態において、無機成分は珪藻土である。
所定の実施形態は、MS−2ファージを少なくとも4log減少させるのに効果的なマトリックスを含む。一実施形態において、この減少はマトリックスの耐用年数にわたって生じる。別の実施形態において、この減少はマトリックスの物理的目詰まりの時点まで生じる。
1つ以上の実施形態において、マトリックスは、陽イオン性金属塩前処理を行わない。いくつかの実施形態は、平均直径100マイクロメートルを有する炭素粒子を含む。
別の態様は、フィルター要素であって、ハウジング及びこのハウジング内に配置された分離マトリックスを備え、この分離マトリックスが、表面修飾無機成分、及び超高分子量ポリエチレンポリマーバインダーを含み、表面修飾無機成分が、式Iによる抗菌成分と珪藻土との反応生成物を含み、式中、nは5〜24の範囲であり、式Iの陽イオンと珪藻土との間に直接的に共有結合を含み、超高分子量ポリエチレンが、不規則な、回旋状の表面を有する粒子を含む、フィルター要素を提供する。詳細な実施形態において、不規則な、回旋状の表面を有する粒子は、10〜100マイクロメートルの範囲の平均粒子サイズを有する。
別の態様において、焼結多孔性物品の作製方法は、プロセスタンク内に珪藻土の母材を供給する工程と、エポキシ基を含有する第四級アンモニウム塩を含む抗菌成分を供給する工程と、プロセスタンク内に抗菌成分を噴霧するのと実質的に同時にプロセスタンク内の母材を撹拌して、被覆母剤を形成する工程と、抗菌成分の母材に対する比を、被覆母材がその圧縮点以下であるように維持する工程と、被覆母材を真空下で乾燥する工程と、被覆母材を活性化し、それにより第四級アンモニウム陽イオンと珪藻土との間に共有結合を形成して、表面修飾無機成分を提供する工程と、不規則な、回旋状の表面を有する粒子を含むポリマーバインダーを表面修飾無機成分と共に混合する工程と、不規則な、回旋状の表面を有する粒子と表面修飾無機成分との混合物で金型充填して、マトリックスを形成する工程と、マトリックスを加熱して、ポリマーバインダーを表面修飾無機成分に点溶接し、多孔性焼結物品を形成する工程とを含む。
更なる態様は、活性炭と、Iによる式を有するエポキシ基を含有する第四級アンモニウム塩と珪藻土との反応生成物と、を含む分離媒体であって、式中、nは3〜250の範囲であり、反応生成物は、第四級アンモニウム陽イオンと珪藻土との間にて直接的に共有結合を有する、分離媒体を提供する。詳細な実施形態において、nは5〜24の範囲であり、反応生成物は、少なくとも1ヶ月間、正のゼータ電位を維持する。
別の態様は、水の濾過方法を含み、本方法は、表面修飾無機成分、及び不規則な、回旋状の表面を有する粒子を含むポリマーバインダーを含む、フィルターマトリックスを提供する工程であって、表面修飾無機成分は、エポキシ基を含有する第四級アンモニウム塩を含む抗菌成分と無機成分との反応生成物を含み、したがって第四級アンモニウム陽イオンと無機成分との間にて直接的に共有結合を含む、工程と、水をマトリックスに通過させる工程とを含む。
コンパクトな用途に好適な抗菌マトリックスを有するゾーン形成濾過システムも提供する。抗菌マトリックス及びゾーン形成濾過システムを作製する方法も提供する。第一の態様において、濾過システムは、少なくとも第一のゾーンと第二のゾーンとを備え、第一のゾーンは、表面修飾無機成分、及び不規則な、回旋状の表面を有する粒子を含むポリマーバインダーを含み、表面修飾無機成分は、エポキシ基を含有する第四級アンモニウム塩を含む抗菌成分と無機成分との反応生成物を含み、したがって第四級アンモニウム陽イオンと無機成分との間にて直接的に共有結合を含む。
一実施形態において、第二のゾーンは、表面ふるい、深層ふるい、化学的吸着マトリックス、キレート化マトリックス、触媒マトリックス、又はそれらの組み合わせを含む。別の実施形態において、第一のゾーン及び第二のゾーンは、互いに環状かつ同心に配置されている。詳細な実施形態において、第二のゾーンは第一のゾーンを包囲する。第一のゾーン及び第二のゾーンは層状である、別の詳細な実施形態が提供される。
1つ以上の実施形態において、第二のゾーンは濾過システムの上流地点に位置し、第一のゾーンは濾過システムの下流地点に位置する。
別の態様において、第一の同心ゾーンと、この第一の同心ゾーンを包囲する第二の同心ゾーンとを備える濾過システムであって、第一のゾーンは、表面修飾無機成分、及び不規則な、回旋状の表面を有する粒子を含む第一のポリマーバインダーを含み、表面修飾無機成分は、エポキシ基を含有する第四級アンモニウム塩を含む抗菌成分と無機成分との反応生成物を含み、したがって第四級アンモニウム陽イオンと無機成分との間にて直接的に共有結合を含み、第二のゾーンは、吸着成分、及び第二のポリマーバインダーを含む、濾過システムを提供する。詳細な実施形態は、第二のポリマーバインダーが、不規則な、回旋状の表面を有する粒子を含むということを提供する。別の実施形態において、第一のポリマーバインダーは超高分子量ポリエチレンを含む。
1つ以上の実施形態において、第二のゾーンの吸着成分は活性炭を含み、第二のポリマーバインダーは超高分子量ポリエチレンを含む。更なる実施形態は、第二のゾーンを包囲する第三のゾーンを更に含んでもよく、第三のゾーンは表面ふるいを含む。更に別の実施形態は、第一のゾーンを包囲する第三のゾーンを更に含んでもよく、第一のゾーンは表面ふるいを含む。
更なる態様は、水の濾過方法であって、少なくとも第一のゾーン及び第二のゾーンを備える濾過システムを提供する工程であって、第一のゾーンは、表面修飾無機成分、及び不規則な、回旋状の表面を有する粒子を含むポリマーバインダーを含み、表面修飾無機成分は、エポキシ基を含有する第四級アンモニウム塩を含む抗菌成分と無機成分との反応生成物を含み、したがって第四級アンモニウム陽イオンと無機成分との間にて直接的に共有結合を含む、工程と、水を濾過システムに通過させる工程とを含む。
層状の形態で配置された複数ゾーン形成濾過デバイスの概略図。 環状かつ同心の形態で配置された複数ゾーン形成濾過デバイスの概略図。
本発明のいくつかの例示的な実施形態を記載するに先だって、本発明は、以下の記載に示される構成又はプロセス段階に限定されるものではないことを理解するべきである。本発明は、他の実施形態が可能であり、様々な方法にて実践又は実行される。
動電力学的な吸着に依存し(POU水濾過用の抗菌媒体等)、吸着能力を妨げ又はこの能力に競合して、最終段階ユニットをケーキ形成又は孔閉塞により時期尚早に目詰まりさせることがある汚染物質を含有する環境における時期尚早な破損を実質的に回避する、コンパクト用途に好適な濾過システムを提供する。高く帯電した陽イオン性表面修飾分離媒体と回旋状のプラスチック結合粒子との組み合わせは、焼結孔構造内の流体経路の見かけのサイズよりも遙かに小さい微生物学的な汚染物質を捕捉及び保持することが可能なマトリックスを提供する。
一態様において、別個の位置での汚染物質の除去が最適化され、より長い耐用年数を提供するよう配置され、差圧が低減され、高い効率及び信頼性を有し、連続ゾーン内で下流の濾過機構の保護が向上された、環状の同心濾過ゾーンの配置を提供する。
1つ以上の実施形態における濾過システムは、円筒内で一連の円筒として配置され、この円筒は、それぞれ、それらの全体が参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6,524,477号及び同第7,112,280号(Hughes et al.)に開示されている方法で製造することができる濾過デバイス、又は場合により同時係属の米国特許出願公開第2005/0279696号(Bahm et al.)に開示されている濾過デバイスであってもよい。各円筒は分離ゾーンから構成され、それぞれは特定の必要性、又は補足的な必要性の組み合わせを満たすよう配合され、最も有益な連続において、最も重要な必要性、又は重要な必要性に有用な最も高価な成分のいずれかの機能性を最適化するよう配置されている。利益には、特定の用途の必要性に応じて、最長のシステム耐用期間、最高の効率、最小のコスト、又は最小の圧力低下を挙げることができる。工学的設計原則の適用により、利益の同時最適化は、個々のゾーンの外形を操作して公知の空塔接触時間を有する高い性能ゾーンを達成すること、単純化した配合物、及び良好に制御された特性によって、これらのシステムにおいて実現することができる。一実施形態において、フィルターは、バクテリア及びウイルスを含む、健康上及び審美上の汚染物質の混合物を、市販の住宅用浄水器(water filter)、及び冷却装置を搭載した水サーバーのフィルター等の補足デバイスに関する(California EPA)にて要求されるレベルまで、効果的に低減することが可能である。
図1を参照すると、層状の形態に配置された3つのゾーンを有する例示的な濾過システム10が提供され、第一のゾーン12は抗菌技術を含み、第二のゾーン14は有機吸着技術を含み、第三のゾーン16はふるい技術を含む。図2において、ゾーンが環状の同心形態に配置された別の例示的な濾過システム20が提供され、第一のゾーン12は抗菌技術を含み、第二のゾーン14は有機吸着技術を含み、第三のゾーン16はふるい技術を含む。
別の態様において、回旋状の粒子を含んで、高い動電力学的な吸着能力を有する焼結多孔性物品を形成するバインダープラスチック粒子と組み合わせた、高く帯電された陽イオン性表面修飾分離媒体(活性媒体)材料を含むフィルターマトリックスを提供する。このマトリックスは、マトリックス内で十分な量の別個の回旋状のプラスチック粒子に結合した高く帯電された分離媒体(活性媒体)を含み、このプラスチック粒子は、分離媒体(活性媒体)に点溶接されて、フィルターマトリックスを形成しており、マトリックスは多孔性であり、その有用な用途において小さい圧力低下を有し、焼結多孔性構造内の流体経路の見かけのサイズよりも遙かに小さい微生物学的な汚染物質を補足及び保持することができる。バインダーは、点溶接及びバインダー構造の回旋の両方を利用するよう選択される。点溶接という用語は、UHMW PE等のバインダー粒子の、隣接する粒子との間の結合関係を記載するのに使用され、隣接する粒子は、他のバインダー、活性媒体粒子又は構造部材であってもよい。個々の粒子は、複数の点溶接によって、包囲する複数の粒子に同時に結合されてもよい。UHMW PEバインダー粒子は、高温での焼結工程中、合理的に広範な温度範囲にわたって、粒子の表面のみを軟化させることができる。表面は粘着性となり、隣接する粒子に接触点にて付着するであろう。これは、より低い密度の粒子とは対称的であり、この粒子は一般により低い温度で軟化し、隣接する(非融解)粒子の表面上で容易に融解及び流動する。更に、UHMW PEは焼結工程中、その基本形態を保持し、即ち、回旋状の粒子は米国特許第7,112,280号(Hughes et al.)に提供される記載に従って回旋状を保持する。
更なる態様において、主な機能性活性媒体としての無機珪藻土に共有結合しているポリジアリルアミンエピクロルヒドリンポリマー等の動電力学的に活性な第四級アミンと、小さなサイズの回旋状のUHMW PEバインダー粒子とから形成されたブロックを提供する。このブロックは、環状の同心濾過ゾーンの配置で別個のゾーンとして使用されてもよく、これらのゾーンは別個の位置での汚染物質の除去を最適化する様式で配置され、また延長された耐用期間、差圧の低減、高い効率及び信頼性、並びに連続ゾーン内の流れに沿った濾過機構の向上された保護を提供する。このブロックは、両方ともそれらの全体が参照により本明細書に組み入れられる米国特許第6,524,477号及び同第7,112,280号(Hughes et al.)に開示されている方法を使用して製造することができる。1つ以上の実施形態において、ブロックは、その全体が参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願公開第2005/0211635号(Yeh et al.)に記載されているもの等の、高く帯電された陽イオン性表面修飾珪藻土充填材料を含み、電荷はゼータ電位/流動電位により示され、この材料は、バインダープラスチック粒子と組み合わされて、向上された動電力学的な吸着能力を有する焼結多孔性物品を形成する。この種類のブロックを複数ゾーン環状の同心濾過ゾーンデバイス内に組み込むことにより、California EPAプロトコールに詳細された、4−logウイルスを減少させることができる、並びに6−logバクテリアを減少させることができる効果的な機構が提供される。
以下に、本開示に使用されるものと理解される特定の用語を定義する。
「第四級アンモニウム塩」に対する言及は、陰イオンを伴う第四級アンモニウム陽イオンの塩を意味する。第四級アンモニウム化合物としても公知の第四級アンモニウム陽イオンは、構造NR4+の正に帯電した多原子イオンであり、Rはアルキル基である。アンモニウムイオンNH4+自体及び第一級、第二級、又は第三級アンモニウム陽イオンとは異なり、第四級アンモニウム陽イオンは、それらの溶液のpHとは独立して永久に帯電されている。エポキシ基を含有する1つの例示的な第四級アンモニウム塩は、以下の式Iにより示されている。安定性の目的により、第四級アンモニウム塩はヒドロキシル形態で出荷され、かつて腐食性物質等の活性化剤として明示されたエポキシ基が適用されていることに留意されたい。
Figure 2011504807
式中、nは3〜250である(別の実施形態にて、nは5〜24の範囲である)。
用語「不規則な、回旋状の表面を有する粒子」は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる米国特許第7,112,272号(Hughes et al.)に示される独特の形態を有する粒子を指し、この粒子は、実質的に球形状の粒子と比較して表面積がより大きく、嵩密度がより低い。
「環状の同心」は、円筒の入れ子配置を意味し、各円筒は、重なり合わない外径及び内径を有し、全て共通の中心点を有する。上部(又は断面にて)から見た際、そのような配置は一連の環として現れる。環は、2つの同心円により境界が示され、この2つの同心円の間の領域を含む形である。
2つ以上の濾過ゾーンの位置を記載する用語「層状である」は、ゾーンが軸方向に配置され、即ちゾーンが実質的に重なり合う外径及び内径を有することを意味する。
濾過システムの「上流地点」は、濾過されるべき水又は材料がシステムに入る位置から、システムを下る位置経路(即ち、フィルターの長さの1/4、1/3、1/2)まで延びる軸線領域であり、「下流地点」は、濾過されるべき水又は材料がシステムを退出する位置から、システムを下る位置(即ち、フィルターの長さの1/4、1/3、1/2)まで延びる軸線領域である。
「流体フィルター媒体」は、それらの物理的性質又は表面の化学的性質によって、汚染物質の除去において活性な役割を実行する濾過又は分離物品の成分(1種又は複数)を指す。媒体は、典型的には、機械的、化学的反応、化学的吸着電気化学的吸着、又はキレート化(及び当技術分野にて公知の他の濾過/分離機構)において活性な役割及び機構を有する粒子若しくは粒子の組み合わせ、又は繊維である。代表的な流体フィルター媒体としては、活性炭(AC)、珪藻土(DE)、ポリエチレン粉末、ポリエチレン及びポリプロピレンの繊維、並びにチタンケイ酸塩(ATS,Engelhard Corp,Iselin,NJ)等の鉛吸着成分が挙げられるが、これらに限定されない。AC及びDEの両方は活性な媒体であり、主要な流体濾過成分であり、それらは例えば水等の流体を内部に流し、例えば飲用目的に使用される水等の流入流体中に存在する望ましくない種を以下の機構:機械的ふるい分け、吸着、及び電荷相互作用、の少なくとも1つ以上により、流出流体流の中での存在から機械的に分離及び/又は吸着する。
多種多様な方法及び多数の資源を使用してDEが供給されて、物理的及び化学的特性の両方に多様性を付与する。DEは天然に存在する材料であり、珪藻と称される単細胞植物の骨格残骸から構成されている。珪藻の寿命中、珪藻は水からシリカ及び他の鉱物を抽出し、珪藻が死んだ際、珪藻の骨格形状のみ残留する。DEは異なるサイズ、形状、及び構造の微小粒子の混合物を有するため、それは長い間、濾過媒体又は濾過補助物として使用されてきた。未処理DEの組成物は、大半はシリカであり、一部のアルミナ、酸化カルシウム、酸化鉄、チタニア等を含む。その組成の複雑性にも係わらず、DEの表面は、湿潤環境下でヒドロキシル基に覆われる。本開示は、他の特徴の中でも、そのような表面ヒドロキシル基を使用して荷電抗菌種と反応させ、表面を電荷修飾して、抗菌活性を加工する。活性炭、ポリマー、セラミックス、及び遷移金属は、必要であれば、表面ヒドロキシル基を生成するために一旦処理されると、同様にこのように反応して、抗菌活性を生成すると思われる。
市販されている未処理DEは、商標名Celite 501で販売されている。商標名Celpure S1000及びS300(Advanced Minerals of Santa Barbara,CAから入手可能)で販売されているDEは、前処理されて、金属内容物及び非常に微細なミクロサイズの粒子を除去する。
「繊維」は、約2:1(長さ対幅)よりも大きい縦横比を有する粒子である。
「UHMW PE」又は「UHMWPE」は、超高分子量ポリエチレンを指す。
「点溶接」は、1つの物体が別個の点で、他の物体に結合する表面機構を指す。本用途において、点溶接は、UHMW PE等のバインダー粒子の、隣接する粒子との間の結合関係を記載するのに使用され、隣接する粒子は、他のバインダー、活性媒体粒子、又は構造部材であってもよい。
「フェイルセーフ機構」は、最終フィルターの設計耐用年数の終わりまで、最終フィルターがその汚染物質低減能力を維持することを確実にする機構を意味する。
「抗菌フィルター」は、流体中の微生物(ウイルス、バクテリア、及び嚢胞などの)の汚染を低減するフィルターを意味する。
「吸着」は、ある固体が特定の物質を溶液から優先的にその表面上に濃縮する能力、例えば、固体と、吸着された物質との間の引力の分子間力(ファンデルワールス引力(Vander Waals attraction))を意味する。
「サイズ排除」は、フィルター孔サイズよりも大きいサイズの汚染物質が、単にフィルター孔を強制的に通過できないため濾過流から除去される、濾過機構を意味する。
「機械的妨害」は、流体流中に流れる汚染物質がフィルターの固体マトリックスにより妨害され、汚染物質の流れが遅延又は停止され、最終的に汚染物質のサイズがフィルター孔のサイズよりも小さい可能性があっても、汚染物質の捕捉に繋がる濾過機構を意味する。
「有意に流体の流れを減少させる」は、流れを初期の流速又は定格流速から約5%まで減少させることを意味する。
「凝固」は、液体中の半固体塊の形成のプロセスを意味する。凝固は一般に、液体の粘度の増大をもたらす。
「総有機炭素(TOC)」は、有機分子に共有結合した炭素の量を意味する。腐植酸及びタンニン酸のようなポリアニオン酸は、TOCの源である。
「衝撃充填」に対する言及は、金型に力が付与されて金型内の粒子の少なくとも一部の動きを誘導する、不連続の実質的に垂直な移動を生じ、粒子に金型内でコンパクトな配向をとらせることを意味する。これは、金型が固定されているテーブルに対するハンマー打撃、及び空気圧シリンダーからのテーブルへの打撃等の間接的な方法、並びに一連の振動動作によって金型を変位する任意の直接的な方法を含む。いくつかの実施形態において、衝撃充填は、金型に付与される一連の別個の変位(即ち、衝撃)を含む。衝撃充填は、変位の間に動きがない、又は動きが殆どない期間が存在するという点で振動とは異なる。変位の間の期間は、典型的には少なくとも0.5(いくつかの実施形態では、少なくとも1、2、3、5、又は更には少なくとも10)秒である。金型に適用される変位は、垂直成分を有する。いくつかの好ましい実施形態において、垂直成分(水平成分に対抗して)が金型の動きの大部分(いくつかの実施形態では、実質的に大部分(>75%)又は更にはほぼ全部(>90%))を占める。
用語「圧縮点」は、一般に液体の存在下での固体粒子の挙動に関連した、液体/固体混合物の物理的状態を指す。圧縮点以下(以前)で、混合物は乾燥してふわふわした粉末となる。圧縮点を超えると(過ぎると)、混合物は乾燥して固体集団となる。
約20〜60nmの範囲内で測定するファージ等の非常に小さな汚染物質の保持に関して、フィルターマトリックスの平均孔流速は1つの考慮事項である。しかしながら、1つ以上の実施形態において、活性媒体、例えば電荷修飾DEと、回旋状のUHMW PEとの組み合わせは、焼結孔構造内の流体経路の見かけのサイズよりも遙かに小さい微生物学的な汚染物質を捕捉し、保持することができるマトリックスを提供する。一般に、50%のサンプルが比較的小さく、50%のサンプルが比較的大きい、マイクロメートルでのサイズとして定義される媒体の成分、例えば電荷修飾DE及び回旋状のUHMW PEの平均粒子サイズ(d50)は、実質的に10μm(又は更には5μm)より大きく、粒子間の平均物理的空隙(流体経路を規定する)は、一般に実質的にサブミクロンのスケールではないであろう。即ち、孔サイズを規定する粒子間の物理的空隙は、実質的に0.5マイクロメートル未満ではないであろう。非電荷修飾DE媒体及び回旋状のUHMW PEで作製された構造上の見かけの孔サイズの測定により、平均流孔(MFP)0.5〜1.マイクロメートルが示され、これは配合物及びブロック形状の両方に依存する。MFP測定値は、3.8cm(1.5”)OD及び0.95cm(0.375”)IDの円筒フィルターキャンドルの一部分を保持するよう修正されたPMIキャピラリー・フロー・ポロメーター(Capillary Flow Porometer)から獲得し、圧力及び流れはODからIDへ径方向に導いた。
一般に、小さい活性媒体粒子は、高い活性媒体負荷と、許容可能な取り扱い強度とを有するブロックを形成するために、小さいバインダー粒子を必要とする。更に、バインダーポリマーの形態は、米国特許第7,112,280号(Hughes et al.)に記載されているように、取り扱い強度及び活性媒体負荷特性に影響を与える。DEを媒体として使用すると、最大の割合の媒体を負荷する可能性は、高い取り扱い強度を維持するために、媒体粒子サイズが減少するにつれ低下する。回旋状のUHMW PEバインダー粒子の使用は、この粒子が標準的なUHMW PE球状バインダーと置き換えられた際、所定の割合の媒体において強度を追加する。高い割合の媒体を含有する配合物は、媒体の侵入型空隙特性(interstitial spacing properties)と充填方法とに高く依存し、バインダーによる影響が比較的少ない孔サイズ特性を有するであろう。低い割合の媒体を含有する配合物は、孔サイズ特性に対するバインダーの比較的高い寄与を有するであろう。高い回旋状のバインダー粒子の使用により、DE等の微細な粒子を結合する能力が高まる。
見かけの孔サイズに対する媒体粒子サイズの影響は、物理的孔サイズの実際的な限界が、原材料の選択及び加工の両方により多大に影響されることを示す。ウイルスに対する保護に好適な、孔サイズ排除機構を有するブロックの形成は、小サイズの原材料、又は全体の多孔性及び孔容積を多大に圧縮する従来の原材料を使用するプロセスのいずれかを必要とすると思われる。そのようなプロセス及び材料は、有用な流速で比較的高い圧力低下を有するブロックを形成するであろう。最大圧縮では、回旋状のバインダーポリマーの有益な効果が減少し、特に、好ましい回旋状のバインダーにより提供される空隙の間隔を管理する利益が減少する。
媒体粒子サイズ、バインダー粒子サイズ、形態、製作プロセス、得られる構造、及び試験方法の間の相互作用は、多くの場合、ブロックの微生物サイズ排除能力を正確に予測しない、見かけの孔サイズデータを生じる。その結果、通常、フィルターシステムの抗菌能力を特徴付けるために、微生物学的チャレンジデータが必要となる。例えば、フィルターマトリックスがファージ及びウイルス(0.005〜0.1マイクロメートル)の有効最小4−logの減少を達成するのに好適か否かを決定するためには、ふるい分け又は機械的なサイズ排除除去機構のみ、特に1マイクロメートルを超える公称孔サイズでは、非常に有効なウイルス除去を確実にするに十分ではない。
回旋状のUHMW PEの使用により、非回旋状の類似物と比較して大きい空隙容積、高い活性媒体負荷、及び一般により多くの流路、並びに汚染物質が構造を通して流れる間に、活性吸着表面を見出す機会が提供される。結果として、有用な用途の条件下で、低い圧力低下と、効率的な除去とがもたらされる。
DEに対する表面修飾としての、共有結合した第四級アミンの使用により、環状の同心濾過デバイスの一実施形態に含まれる陽イオン表面修飾分離媒体ゾーンに含まれる、高く帯電された陽イオン性表面が提供される。
表面修飾DEを有する回旋状のUHMW PEからなるフィルターマトリックスを使用することにより、ポリマーマトリックス内に結合した非修飾DEによる、実質的に小さいMS−2の減少が存在することが示される。等価な多孔性において向上された捕捉機構は、DEに対する表面修飾としての共有結合第四級アミンの存在に依存すると思われる。捕捉機構は、動電力学的な吸着であると思われる。DEの表面に共有結合した第四級アミンは、非修飾DEと比較して有意に高いウイルス減少を提供することができる。好ましい活性媒体と、回旋状のUHMW−PEとの独特な組み合わせは、それ自体で、微生物学的な汚染物質MS−2ファージの減少により示される、効率的な動電力学的な捕捉の提供に十分である。
本発明の別の独特な態様は、この動電力学的な捕捉の、効率性の試験に使用されるチャレンジ溶液を伴う利用であり、これは腐植酸又はタンニン酸溶液中のMS−2ファージである。可溶な金属塩の前処理を用いて第四級アミンを包囲する表面を修飾することなく、有効な濾過が達成されている。その結果、タンニン酸環境下で陽イオン性表面修飾分離媒体ゾーンを単独で使用することにより、そのようなフィルターがMS−2粒子を除去する能力、及び有機酸負荷の存在下で有効に機能することが示されている。加えて、本発明の表面修飾分離媒体ゾーンが、第一のゾーンとしてのスリーブ型のプレフィルターと、次の第二のゾーンとしての陽イオン性表面修飾分離媒体ゾーンとを組み合わせて本発明の環状の同心濾過デバイスを形成して、腐植酸環境下でMS−2粒子を除去する能力が示されている。驚くべきことに、陽イオン性表面修飾分離媒体ゾーンは、第一のゾーンのスリーブ型のプレフィルターを有さず単独で試験された際、腐植酸又はタンニン酸試験環境のいずれかにて時期尚早に目詰まりすることが見出された。このような目詰まりは、抗菌機能性の損失無しで生じるため、1)沈殿した金属塩補助物の必要性無しでの目詰まり、及び2)ポリアニオン酸TOC環境下での十分な収容力及びウイルスの有効な吸着を示している。理論に束縛されることを望むものではないが、ポリアニオン酸は、チャレンジ溶液試験環境下で、溶解成分及びコロイド状成分の両方として存在すると思われる。両方とも播種チャレンジ溶液中のMS−2粒子と共に除去される必要がある。ポリアニオン酸のコロイド状成分は、チャレンジ溶液の目詰まり部分である一方、溶解成分は、陽イオン性表面修飾分離媒体の活性位置において微生物学的な汚染物質と競合するように思われる。微生物学的な汚染物質(MS−2を含む)とポリアニオン酸との相互作用が存在するため、これらの種が流体中で互いに接触した際、コロイドが形成され又は生成する可能性がある。しかしながら、非修飾DE等の非活性媒体を含むフィルターブロックに適用された播種チャレンジ試験溶液も目詰まりする一方、微生物学的に活性なMS−2を自由に通過させるため、この相互作用はMS−2汚染物質の微生物学的な活性を非活性化しない。したがって、適度なコロイド低減能力と、場合により更なる化学的除去能力とを有する、第一のゾーンスリーブ等の適切なプレフィルターの使用が、目詰まり前に、及び本発明の別個のゾーンのフィルターの動電力学的な収容力が消耗する前に、第二のゾーンを通過するTOC−調整流体の容積を最適化することによって、システムの性能を整調するよう用いられる。例として、第一のゾーンのプレフィルタースリーブは、数個の設計の1つにおいて、フェイルセーフ機構として構成されてもよい。1つの設計は所定の量のコロイド負荷量を低減させて陽イオン性表面修飾分離媒体ゾーンの耐用期間を延長させるが、所定量の播種チャレンジ試験溶液において、十分なコロイド負荷量を陽イオン性表面修飾分離媒体ゾーンに通過させ、このゾーンを目詰まりさせる。代替的な設計は、所定量のチャレンジ水において、第一のゾーンが目詰まりゾーンとなる地点まで、実質的により大きい部分のコロイド負荷量を低減させる。代替的な設計は、参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願公開第2007/0075025号(Patel et al.)の主題である。
特に指示がない限り、明細書及び特許請求の範囲に使用されている成分量、分子量等の特性、反応条件等を表す全ての数は、全ての例において、用語「約」により修飾されていることを理解されたい。したがって、別途指示がない限り、以下の本明細書及び添付の特許請求の範囲に記載の数値的パラメータは、本開示により得ることが求められる所望の性質に応じて変化し得る近似値である。最低限でも、また特許請求の範囲の等価物の教義の適用を制限する試みとしてではなく、各数値的パラメータは、少なくとも報告された有意な桁の数字に照らし、通常の丸めにより解釈されるべきである。
本発明の広範囲で示す数値的範囲及びパラメータは、近似値であるが、具体例に記載の数値は可能な限り正確に報告する。しかしながら、いずれの数値もそれらの各試験測定値において見られる標準偏差から必然的に生じる特定の誤差を本来含有する。
本開示の具体例及び詳細は水中の微生物減少に関するものであるが、本明細書で考察される技術的原理及び特定の化学的概念は、おそらく気相中の微生物減少にも適用されるであろう。したがって、本開示にて用語流体が使用される場合は常に、流体は例えば水等の液体、及び例えば空気等の気体を含む従来の意味で理解される。
焼結ブロック手順
一般的な手順を使用して、米国特許第6,524,477号及び同第7,112,280号(Hughes et al.)の方法により焼結ブロックを製造する。一般的な手順は、全種類の流体フィルター媒体から形成されたブロック、例えば炭素ブロック、回旋状のUHMW PEバインダー粒子と組み合わせた、主な機能的活性媒体としての無機珪藻土に共有結合した電動力学的に活性な第四級アミンの組み合わせを含むブロック、異なる機能性からなるゾーンを有するゾーン形成ブロックに適用可能である。
一般的な手順:全成分の均質なブレンドが存在するように、製造されるバッチサイズに適した混合容器内で、流体フィルター媒体を予備ブレンドする。ブレンドした成分を、加熱に好適な公称寸法形状を有する金属金型に加える。他の長さは、特定の用途の必要性に応じて生成し得る。金型にブレンド粉末を、振動(両方とも、両方が参照により本明細書に組み入れられる米国特許出願公開第2007/0222101号(Stouffer et al.)及び同第2007/0221569号(Stouffer et al.)に記載されているような古典的な振動又は衝撃振動)条件下で満たして、空気を排除し、金型内の粉末の沈降及び充填を補助する。また、満たした金型を長手方向に圧縮して所望の充填密度、長さ、及び結果として得られるブロック密度としてもよい。次に、金型を密封する。
金型を満たし、充填し、密封した後、金型を名目上177℃+/−3℃の温度に約1時間加熱する。加熱時間及び温度勾配/浸漬条件は、日常的な実験から、ブロックの焼結を完了するよう必要に応じて調整されてもよい。
一般に、金型は、金型からのブロック射出の前に冷却される。例えば、金型は、室温に冷却するのに十分な時間、冷却ラック上に配置されてもよい。又は、金型内のチャネルに冷却液体を強制的に通してもよい。金型の設計は、冷却方法の選択に影響する。興味深いことに、この方法で形成されたブロックは、加熱源から除去されて1分又は2分以内に、金型から熱い状態で射出され、ブロック完全性及び形状、又は重量に不利益を有さずに、自立した状態で冷却された。熱ブロックは特別の取り扱いを必要とし、これは、このブロックが熱い間の取り扱いにより変形又は損傷を幾分か受けやすいと思われるためであり、そのようなものとして、これらの実施例に報告されているブロックは、全て射出前に室温に又はほぼ室温に冷却されている。
冷却及び射出後、ブロックは安全に取り扱われ、測定され、更に加工することができる。ブロックは更に、多様なハウジング又はアダプターに適合するように正確な寸法(ID、OD、長さ)に機械加工され、あるいは必要に応じて成形されてもよい。これは環状の同心濾過複数ゾーンブロックの嵌合表面を正確な直径に形成することができ、又は極めて精密に機械加工できることから、便利な特徴である。これらのブロックの内部孔構造は、一般に等方性であり、頂部から底部まで、内径から外径まで、及びそれぞれの各表面の全ての点で実質的に同一の孔サイズ及び密度を有する。そのようなものとして、機械加工された表面を有するブロックは、一般に、形成された表面と略同一の濾過特性を有し、これは一般に、一表面から他表面への感知される程の勾配が全く存在しないためである。ゾーンは、実質的にその濾過深度を通して首尾一貫している。
ブロックを実例により説明するために、12.7cm〜20.3cm(5”〜8”)の生ブロックを形成する。ブロックの射出後、これらを必要に応じて、標準的な長さにトリミングする。完全生産システムにて、長さは、設計された金型を正確に満たすことにより密接に制御されて、廃棄及びプロセス工程を最小限とする。
炭素ブロックが、抗菌剤コアの第二のゾーンを包囲する第一のゾーンスリーブである、ハイブリッド環状同心濾過ゾーンシステムの形成の予測において、本実施例の炭素ブロックのIDが機械加工されて、コアの予想直径に摺動嵌合をもたらす。完全生産システムにて、炭素ブロックIDは金型及びマンドレル設計により制御され、再度、廃棄及びプロセス工程を最小限とする。
ブロックの物理的寸法を測定し、比較の基礎として、正確な寸法を有する物品の単位長さ当たりの重量に正規化し、スケールアップのための工業的データを提供する。この時点のブロックは、二重開放端である。
そのようなブロックに関するデータ収集のため、ブロックの頂部及び底部にエンドキャップを適用する。頂部エンドキャップは、一般に、ハウジングに適合される好適な形態の出口(例えば、好適なレセプタクル内へのねじ付き接続具又は圧縮接続のためのストロー型の管)を有する。底部エンドキャップは、一般に、出口を有さない固体円盤プレートである。エンドキャップは、当技術分野にて公知のように、ホットメルト糊を使用して適用される。
ブロック調製の、任意の修正は、ブロックの一貫性及び強度を向上させることができる。例えば、粉末の円柱の頂部を満たした後に挿入されたワッシャーを指標付けし、空気シリンダーを用いて粉末円柱頂部上のワッシャーを押し下げて圧縮し、構造、外見を向上させ、また、完成したブロック充填密度を制御する他の手段を提供する。また、小さい添加量の大きい粒子(名目上100マイクロメートルのd50炭素粒子等)を含めることは、補強バー効果(reinforcement bar effect)をもたらす利点を有し、構造及び外見を更に改善する。同一の機能を実行する可能性のある他の粒子は、有機ポリマー材料、又は天然の無機粒子であってもよい。加えて、ブレンド前に、活性媒体をふるいにかけて、任意の大きい癒着粒子を除去することによって、更なる利益が提供される。ふるいにかけられた大きい残留粒子を再粉砕して小さい活性媒体粒子とし、回収及び収率を向上させ得ることが注目されている。
微生物チャレンジ
以下に示す微生物チャレンジは、California Department of Health Services(DHS)による補足デバイス要求を達成するよう修正された、EPAチャレンジ試験、「Guide Standard and Protocol for Testing Microbiological Water Purifiers」(April 1987)の最初の16日の模擬実験であり、2つの別々の播種チャレンジ液体の複数サイクルが、2日間にわたり連続的に試験フィルターを通して流される。これは「2日間試験」と称される。
清潔な、脱塩素水道水を使用した試験フィルターの初期の湿潤中に、初期の流速を確立し、流速を精密絞り弁により目標値に設定し、フィルターを横断する播種していない清潔な水の差圧を記録する。弁は残りの試験に関して調整されず、目詰まり又は流れの減少が生じるとにつれ差圧を自然に蓄積させる。
第一のチャレンジ液体は、播種一般試験水と称される。これは播種(最小10PFU/mL MS−2)脱塩素水道水であり、システムの最小11の空隙容積にて、試験フィルターを通して3つの別個のチャレンジサイクル上で流された後、1日目に、非播種の清潔水の流水サイクルが毎回追従する。MS−2は、当業者に理解されるように培養及び取り扱われた試験生物体である。
第二のチャレンジ液体は、腐植酸又はタンニン酸等のポリアニオン酸を、pH9.0+/−0.2にて最小10mg/Lの総有機炭素まで加えた播種(最小10PFU/mL MS−2)脱塩素水道水である。この第二のチャレンジ液体は、播種チャレンジ水と称される。この液体も、システムの最小11の空隙容積にて、試験フィルターを通して3つの別個のチャレンジサイクル上で流された後、2日目に、非播種の清潔水の流水サイクルが毎回追従する。
両日にまたがる6つの播種サイクル中、流出物を、フィルターの11番目の空隙容積として収集し、残りのPFU/mLに関して試験し、データを当業者に公知のようにlog減少値(LRV)に変換する。目詰まり無しで完了まで行われる両日の試験において、LRVの6つの試験点がある。
両方の種類の播種チャレンジ液体を用いてシステム(及び個々の成分)をチャレンジすることにより、ブレイクスルー(breakthrough)点は、LRVが4.0の下方に低下した際に決定する。
代替的に、目詰まり破損は、フィルターシステムを通る流量が元の値の25%に減少した時点にて決定する。
大半の有用な用途において、初期の清潔水圧力低下(入口の圧力−出口の圧力)は小さいことが望ましいことから、チャレンジ試験の開始時のフィルターを横断する圧力低下も重要である。清潔水流圧力低下(WFdP)は、特定のガロン/分の水流速度において、psidで表される。
ブロック構造及び完全性の非破壊的指示物は、気流圧力低下である(入口の圧力−出口の圧力、これは所定のブロック製品ファミリー内で、孔サイズ及び/又は総多孔性の差異を比較し検査するのに有用であり得る。気流圧力低下(AFdP)は、特定のリットル/分の空気速度において、水のインチで表される。
実例システム設計の考察:商業的に関連する基準である、初期の清潔水流速としての0.03L/s(0.5GPM)及びチャレンジ速度は、20.3cm(8”)の公称長さに許容し得ると思われる。この挙動をモデリングするために、本明細書で使用する12.7cm(5”)モデルシステムに関して、試験初期流速/チャレンジ速度0.02L/s(0.31GPM)を選択し、即ち係数5/8だけ低下させる。モデルフィルターは、スケールでの性能を示すことができることは、当業者に容易に明かとなろう。
(実施例1)
リンカー不在下でのDEのポリ(ジメチルジアリルアミンエピクロルヒドリン)による修飾を、以下のように達成した。全250mLを含む水性溶液を、(i)62.5gのポリ(ジメチルジアリルアミンエピクロルヒドリン)(Ciba Specialty Chemicalsから商標名SolfixEで入手可能、20重量%固体)、(ii)62.5gの5N水酸化ナトリウム(NaOH)、及び(iii)十分な脱イオン水、を加えることにより調製し、総容積250mLとした。1キログラムのDE(商標名Celite 501で販売されており、World Minerals of Santa Barbara,Californiaから入手可能)を3.78L(1ガロン)ガラス広口瓶内に配置した。SolfixE溶液を50mLアリコートに激しく振盪しながら加え、各50mLアリコートを加えた後、ローラージャーミル(roller jar mill)上に30分間配置した。250mLのSolfixE溶液の最終添加後、3.78L(1ガロン)容器を、ローラージャーミル上で1時間混合させた。次に、結果として得られたふわふわした軽量の混合物を3.78L(1ガロン)広口瓶から除去し、ガラスオーブン皿上に配置した。次に、オーブン皿を110℃の対流式オーブン内に一夜配置した。次に、乾燥した処理DE生成物を1.25L(0.33ガロン)の脱イオン水で3回洗浄し、ブフナー漏斗(#415濾紙を有する)を通して真空濾過し、110℃の対流式オーブン内で一夜乾燥した。続いて処理したDEは、1〜3重量%未満の水を含有していた。
(実施例2A)
リンカー不在下での高純度/前処理DEのポリ(ジメチルジアリルアミンエピクロルヒドリン)による修飾を、以下のように達成した。25キログラムの高純度/前処理DE(商標名Celpure S1000で販売)を、すき及び切断具を搭載した容器(Model FM−130、Littleford Day Inc.から入手可能)内に配置して撹拌した。9.4kgのポリ(ジメチルジアリルアミンエピクロルヒドリン)(商標名SolfixEでCiba Specialty Chemicalsから入手可能)(20%固体)、2.3kgの5N NaOH及び25.8kgの脱イオン水(5N NaOH溶液の作製に使用した脱イオン水を含む)を混合して、コーティング溶液を調製した。S1000DEを撹拌する一方で、コーティング溶液を容器内に噴霧した。同時に、容器を蒸気加熱(蒸気温度152±4℃)して、S1000DEを88.1±3.3kPa(26±1インチHg)の真空下で温度約55℃に維持した。全コーティング溶液をS1000DE上に噴霧した後、蒸気を処理S1000DEの温度が約85℃になるまで維持した。次に、加熱蒸気を終了させ、材料を室温に冷却させた。
メタニルイエロー収容力試験を用いて抽出物を測定した。pH=7.0に緩衝した、8ppmのメタニルイエロー(Sigma−Aldrich,Milwaukee,Wisconsinから入手可能)を含有する水性溶液1リットルを調製した。この溶液を、蠕動ポンプ(persistalitic pump)を使用して、934AHガラスフィルター材料、及びメタニルイエロー保持に関して試験される材料0.1gで充填された47mm円筒ハウジングを通して再循環させた。初期(Abs(init))及び最終(Abs(final))可視吸収(波長=430nmにおける)を、UV−可視分光光度計(LKB Ultrospec II、American Instrument Exchange,Haverhill,Massachusettsから入手可能、1.0cm使い捨てプラスチックセルを有する)を使用して測定した。収容力(mg/g)を次のように計算した:収容力=[Abs(init)−Abs(final)/Abs(init)8ppm/wtの試験材料。
実施例2Aに従って調製した表面修飾DEは、最初の濯ぎ後及び複数の洗浄工程後の両方にて、先行技術の方法と比較して減少した抽出物を有した。また、実施例2Aの方法は、先行技術の方法と比較して少ないプロセス工程を有する。
実施例2Aの表面修飾DEのpH5及びpH9での化学的安定性を、関連した電荷収容力、及び周囲の水に放出され得るSolfixE(窒素形態で測定)の量とにより測定した。pH研究は、以下の方法を使用して行った。試験される75グラム(75g)の表面修飾DEを、18クォートの各ガラス広口瓶内に配置した。各広口瓶に750mLの水道水を加えた。広口瓶内の混合物のうちの9個を、硫酸(HSO)を使用してpH=5.0に調整し、クォートガラス広口瓶内の混合物のうちの9個を、水酸化ナトリウム(NaOH)を使用してpH=9.0に調整した。pH調整脱イオン水のみを含む2つのブランクサンプルを試験した。各サンプルを、ブフナー漏斗上で#425濾紙を通して真空濾過し、更に0.2マイクロメートルのZetapor(商標)ナイロン膜(CUNO,Inc,Meriden Connecticutから入手可能)を通して濾過することにより調製した。保管したサンプルを連日振盪し、試験期間中、pHを監視し、週1回調整した。水を20分、72時間、1週間、2週間、3週間、1ヶ月、2ヶ月、4ヶ月及び6ヶ月にてサンプリングした。pH5に関する結果を表1に提供し、pH9に関する結果を表2に提供する。表中、TKNは、水中の全Kjeldahl窒素であり、QAEは、水中の全第四級窒素である。TKN値とQAE値のいずれも、2ヶ月の試験時間枠にわたり、感知されるほどほど変化せず、表面修飾DEはその時間枠にわたり安定であったことを示す。
Figure 2011504807
Figure 2011504807
「ND」=サンプルにおいて分析物を検出せず
実施例2に従って形成したDEの粒子サイズは、凝塊形成が生じるか否かに応じて、約20〜約60マイクロメートルの範囲である。粒子サイズは、凝塊形成の関数であり、噴霧時間/ノズル選択/すき速度/等のプロセスパラメータの操作を介して、要望通り調整することができる。
(実施例2B)
リンカー不在下での高純度/前処理DEのポリ(ジメチルジアリルアミンエピクロルヒドリン)による修飾を、以下のように達成した。この実施例では、DEとポリ(ジメチルジアリルアミンエピクロルヒドリン)溶液との相対的な量を維持して、これらの成分の混合物がその圧縮点を下回るよう保った。この方法では、DEは、過剰な樹脂を有することなく(さもなければ本発明の形成ゾーンから望ましくない初期の水抽出物種を生じる)、DE粒子の表面の均一な修飾を達成するのに必要なある量の電荷修飾樹脂を使用して表面修飾される。結果として、高く帯電された陽イオン性表面修飾分離媒体(活性媒体)が得られる。
未処理かつ完全に乾燥された(1〜3重量%未満の水へ)高純度DE(S1000)50グラムを、約5.5重量%のポリ(ジメチルジアリルアミンエピクロルヒドリン)(SolfixE)を有する水性溶液45グラムにゆっくり加えた。pHをNaOHで約11に調整した。添加をゆっくり行う一方で、S1000を、一定の撹拌の下で、分配が容易で内容物をこぼさない角度で容器を傾斜させて混転した。所望により容器は、撹拌中の水分損失を排除するために、閉鎖システムであってもよかった。
添加が完了した後、容器を更に撹拌して、粒子間の液体の均一な分散を確実にした。容器を約100〜120℃に加熱して、反応を完了させた。水で周囲温度にて24時間抽出されたSolfixEによる総窒素含有量は、2.5ppm未満であった。所定のプロセスにおいて、圧縮点未満に留まらない過剰のSolfixEの使用により、通常、25ppmを超える総窒素抽出物を有する結果となり、これは即ち圧縮点を維持したものと比較して10倍の抽出物である。
(実施例3)
この実施例は、飲用水中の多数の健康上及び審美上の汚染物質の減少をもたらすが、抗菌性の減少は要求しない成分で形成された典型的な炭素ブロック配合物を記載する。
炭素ブロックは、表3aに示す公称割合の成分を含有する配合物を使用して、焼結ブロック手順(Sintered Blocks Procedure)に従って製造された。
Figure 2011504807
実施例3のブロックに使用した金型は、製造環境内で4つのキャビティを有する、名目上長さ25.4cm(10”)のエンジン−ブロック式の金型であった。エンジンブロック金型は、金属(この場合ではアルミニウム)の固体ブロックから機械加工した。エンジンブロックの重量は、充填中、振動表の有意な減衰をもたらした。粉末の円柱は、充填及び振動が完了した後、頂部プレート内の浅い窪みにより圧縮された。熱源として加圧蒸気を使用して、ブロックを加熱した。冷却は、加熱後、システムがおよそ室温となるまで、蒸気チャネルを通して水を汲み上げて行った。ブロックを射出し、更なる加工に送った。ブロックを名目上7.6cmOD×3.8cmID×15.2cm高さ(3”OD×1.5”ID×6”高さ)の最終形状にトリミングし、AP200フィルターハウジング(CUNO,Inc.of Meriden,CTから入手可能)用にアダプターを取り付け(ねじ付き頂部、固体底部)、その後、AFdP(気流圧力低下)及びWFdP(水流圧力低下)に関して試験した。ブロック重量及び長さの物理的特性を測定し、3つの代表的なブロックに関するこれらの測定値の平均を表3bに提供する。
Figure 2011504807
(実施例4)
この実施例は、飲用水中の多数の健康上及び審美上の汚染物質低減を提供するが、抗菌剤低減を要求しない成分で形成された典型的な炭素ブロック配合物を記載する。スリーブとしてのこの炭素ブロックは、試験条件下でウイルスを効果的に低減しない。
炭素ブロックは、実施例3に関する表3aに示す公称割合の成分を含有する配合物を使用して、焼結ブロック手順に従って製造された。
実施例4のブロックに使用した金型は、実施例3で使用したものと同一であった。しかしながら、実施例4では、器具及びプロセス変数(振動及び充填時間等)を変更し、原材料バッチを回転させて、得られたブロックを変化させた。そのようなものとして、一定配合物におけるプロセス及び材料の組み合わせの変化により、ブロックの異なる物理的特性がもたらされる。実施例3と比較した実施例4の長さ−正規化WFdPにおける低下は、実施例4のブロックが、実施例3のブロックと比較して低い密度構造を有することを示す。ブロック重量及び長さの物理的特性を、3つの代表的なブロックに関して測定し、それらを表4bに提供する。
Figure 2011504807
ブロックは、2日目にTOC調整としての腐植酸を使用して、上述した急速2日間の微生物チャレンジに従って試験した。500cc空隙容積MS−2ファージチャレンジ試験結果を、表4c(1日目)及び表4d(2日目)に提供し、予備設定チャレンジ流速は0.02L/s(0.31GPM)であり、ここでNDは、検出されないことを意味する。
Figure 2011504807
Figure 2011504807
抗菌性の減少の可能性を測定する際、任意のサイクルに関する許容可能なチャレンジは4.0LRV以上を示す必要がある。そのようなものとして、これらのブロックのいずれも、いずれのチャレンジ点においても許容可能な基準を通過せず、ブロックはMS−2を減少させるものと考慮できない。しかしながら、いずれの場合も、流速は有意に減少しなかった(初期の清潔水の予備設定流速の25%未満)。
実施例3及び実施例4のブロック配合物は、塩素、味覚、及び匂いの減少に有効な配合物であるが、ウイルス減少には有効ではない。したがって、炭素ブロックを含む2−ゾーンシステムにおける実質的な任意のファージ低減能力は、他のゾーンに起因するであろう。
(実施例5)
この実施例は、飲用水中の多数の健康上及び審美上の汚染物質減少をもたらすが、抗菌剤低減を要求しない成分で形成された典型的な炭素ブロック配合物を記載する。
炭素ブロックは、表5aに示す公称割合の成分を含有する配合物を使用して、焼結ブロック手順に従って製造された。
Figure 2011504807
実施例5のブロックに使用した金型は、試験的な研究室環境内で、アルミニウムパイプストックからある長さに切断して作製したアルミニウムの個々の管を含んでいた。切断した管は名目上長さ20.3cm(8”)を有し、次に個々の底部プレート、マンドレル、及び頂部プレートを嵌合した。表3及び表4を比較して、異なる振動表を使用し、管に適用した。管の振動充填後、管をステーションに再配置し、ここで空気圧シリンダーを個々の管のそれぞれの上方に直接装着し、ピストンが管に向いていた。ワッシャーを粉末円柱の頂部上に配置した。ワッシャーは、管のIDと、マンドレルのODとの間の摺動嵌合を提供する寸法を有していた。ピストンを作動して、ワッシャーを管内に押し下げた。この動作により、ワッシャーは変位して粉末を僅かに圧縮し、マンドレルのアルミニウム管の側壁に対する位置の機械的な指標付けを提供し、これは管とマンドレルとの間の相対的な動作を防止する役割も果たした。この方法で、頂部プレートが金型に固定された際、マンドレルが充填粉末を乱す可能性が低くなった。マンドレル、管シェル、充填粉末、ワッシャー及び頂部プレートを有する底部プレートの完成された組立体を、加熱のために強制ドラフト炉内に配置した。金型を炉から除去し、この金型を周囲空気内の冷却ラック上に配置し、管がほぼ室温に到達するまで、管に送風することにより冷却を行った。ブロック重量及び長さの物理的特性を測定し、3つの代表的なブロックに関するこれらの測定値の平均を表5bに提供する。
Figure 2011504807
実施例5のブロック配合物は、塩素、味覚、及び匂い等の減少に有効な配合物であり、実施例3及び実施例4と比較して名目上軽量な孔構造は、嚢胞の減少に有効であることが示されている。実施例3及び実施例4は、嚢胞の減少には好適ではない。実施例5のブロックは、2−ゾーンシステムでの使用に好適である。
(実施例6)
比較
この実施例では、2つの主な成分、DE及びUHMW PEを有する非修飾DEブロック配合物のウイルス低減能力を測定した。
ブロックは、表6aに示す公称割合の成分を含有する配合物を使用して、焼結ブロック手順に従って製造された。
Figure 2011504807
実施例6のブロック用の金型は、名目上高さ20.3cm(8”)のブロック、3.8cm(1.5”)OD及び0.95cm(0.375”)IDを供給するよう設計された鋼から形成された。蒸気熱源を使用した。ブロック重量及び長さの物理的特性を、好適なエンドキャップを適用した3つの代表的な完全高さのブロックに関して測定した。これらを表6bに提供する。
Figure 2011504807
ブロックは、2日目にTOC調整としての腐植酸を使用して、上述した急速2日間の微生物チャレンジに従って試験した。より効率的な、標準的な冷却装置システムカートリッジ及びハウジング設計により、空隙容積は180ccに低減された。180cc空隙容積MS−2ファージチャレンジ試験結果を、表6c(1日目)及び表6d(2日目)に提供し、予備設定チャレンジ流速は0.03L/s(0.5GPM)であり、ここでNDは、検出されないことを意味する。
Figure 2011504807
得られたデータなし
Figure 2011504807
実施例6の比較ブロックを用いて、MS−2ファージの測定可能な減少は存在しなかった。実施例6で試験した低減された空隙容積と完全な長さ20.3cm(8”)において、腐植酸環境下で目詰まり事象は存在しなかった。
(実施例7)
この実施例では、2つの主な成分、実施例2Aに従って作製した修飾高純度DEと、UHMW PEを有する修飾DEブロック配合物のウイルス低減能力を測定した。
ブロックは、表7aに示す公称割合の成分を含有する配合物を使用して、焼結ブロック手順に従って製造された。
Figure 2011504807
実施例7のブロック用の金型は、実施例5で使用したものと同一であり、名目上高さ20.3cm(8”)のブロック、3.8cm(1.5”)OD及び0.95cm(0.375”)IDを供給するよう設計された寸法を有していた。材料の圧縮に、単に振動のみを使用した。即ち、実施例5で形成したブロックとは異なり、頂部圧縮又はワッシャー挿入は行わなかった。ブロックを長さ12.7cm(5.0”)にトリミングし、AP200試験ハウジング内への挿入に適合させ、プラスチック挿入物を嵌合して、ハウジングとブロックとの組み合わせの空隙容積を180ccに制限した。ブロック重量及び長さの物理的特性を、好適なエンドキャップを適用した3つの代表的な完全長ブロックに関して測定した。これらを表7bに提供する。
Figure 2011504807
ブロックは、2日目にTOC調整としてのタンニン酸を使用して、上述した急速2日間の微生物チャレンジに従って試験した。予備設定チャレンジ流速0.02L/s(0.31GPM)での、180cc空隙容積MS−2ファージチャレンジ試験結果を、表7c(1日目)及び表7d(2日目)に提供する。ここでNDは、検出なしを意味し、FDは流れ減少を意味し、「TE」は、サンプル採取なしを意味する。
Figure 2011504807
Figure 2011504807
チャレンジ試験後、ブロックをハウジングから除去し、ブロックの長さに沿った様々な地点で断面に分割した。Ex.7−Bにて亀裂が見つかり、Ex.7−Cにて、更に小さい亀裂が見つかり、これらは殆どマトリックスの内部であり(表面には見えない)、マトリックスを貫通してブロックのIDへ至っていた。構造内の亀裂の存在は、抗菌性能に欠陥を生じたように思われる。加えて、タンニン酸の存在下で、初期流れ減少(全ブロックは2日目、サイクル6の前、又はその間に目詰まりを起こした)が抗菌収容力の完全な分析を妨げた。Ex.7−Aには、有意な亀裂は全く見つからなかった。タンニン酸によるブロックの貫通は、ブロックのODの周囲の色リングとして可視であり、ブロックの中心への色の有意な貫通は存在しなかった。
(実施例8)
この実施例では、2つの主な成分(実施例2Aに従って作製した修飾高純度DE及びUHMW PEを有する修飾DEブロック配合物)のウイルス低減能力を測定した。
ブロックは、実施例7で使用した公称割合の成分を含有する配合物を使用して、焼結ブロック手順に従って製造された。
実施例8ブロック用の金型は、実施例7で使用したものと同一であったが、振動中の管とマンドレルとの間の差動動作の効果を制限するために、より剛性の中心マンドレルを追加した。ブロックを長さ12.7cm(5.0”)にトリミングし、AP200試験ハウジング内への挿入に適合させ、プラスチック挿入物を嵌合して、ハウジングとブロックとの組み合わせの空隙容積を180ccに制限した。ブロック重量及び長さの物理的特性を、好適なエンドキャップを適用した3つの代表的な完全高さのブロックに関して測定した。これらを表8aに提供する。
Figure 2011504807
ブロックは、2日目にTOC調整としてのタンニン酸を使用して、上述した急速2日間の微生物チャレンジに従って試験した。予備設定チャレンジ流速0.02L/s(0.31GPM)での、180cc空隙容積MS−2ファージチャレンジ試験結果を、表8b(1日目)及び表8c(2日目)に提供する。NDは、検出なしを意味し、FDは流れ減少を意味し、「−」は、サンプル採取なしを意味する。
Figure 2011504807
Figure 2011504807
実施例8のブロックは、タンニン酸環境下で目詰まりせず、またMS−2ファージの早期ブレイクスルーも示さなかった。配合物に変更はなかったが、これらのブロックの製造に使用した研究室プロセス及び機器は変更された。したがって、実施例8のブロックは、ポリアニオン酸環境下での独立型ブロックとして、ウイルス(ファージ)減少による有効な抗菌機能性を有した。対称的に、DEに対する陽イオン性表面修飾を有さない実施例6の類似した独立型物品は、機能的ではない。タンニン酸を用いた後の試験により、おそらくタンニン酸バッチ間の変動性を原因とする、一貫性のないブロックの目詰まり挙動が示された。しかしながら、カリフォルニア州での検定試験に関して、腐植酸は好ましい種である。
(実施例9)
この実施例では、2つの主な成分、実施例2Bに従って作製された修飾高純度DE及びUHMW PE、並びに1種の微量成分を有する修飾DEブロック配合物のウイルス低減能力を測定した。微量成分は、濃度5%の比較的大きい炭素粒子(名目上100um d50の蒸気活性化ヤシ殻炭素)添加物であった。微量成分炭素粒子の添加により、ブロックの構造的特性が向上された。実施例7及び実施例8と同様、高純度Celpure DEを出発物質として選択した。
ブロックは、表9aに示す公称割合の成分を含有する配合物を使用して、焼結ブロック手順に従って製造された。
Figure 2011504807
実施例9のブロック用の金型は、実施例5で使用したものと同一であった。しかしながら、実施例9では、プロセスは、振動させた充填粉末の頂部圧縮、及び粉末とマンドレルの管壁に対する動作とを安定化させるためのワッシャーの使用とを含んでいた。金型を、名目上完全な点まで、激しい振動により充填した。ワッシャーを振動した粉末上に配置し、金型ID及びマンドレルODに摺動嵌合した。ワッシャーを、ワッシャーが金型の内壁とマンドレルとの両方に接触するように、穏やかに粉末内に押し、金型内に押した。マンドレルが管壁に対して動いて粉末充填の乱れを形成しないよう注意した。次に、組立体(粉末、金型、マンドレル及びワッシャー)を、空気シリンダーに装着したプランジャーの下方に注意深く配置した。プランジャーODは、金型のIDより僅かに小さく、マンドレルと係合可能な案内孔を含み、案内孔はマンドレルのODより僅かに大きかった。空気シリンダーが係合され、プランジャーは、ワッシャーを金型キャビティ内に、所望により終点圧力又は終点変位のいずれかまで、更に移動させた。加熱、焼結、冷却、及びブロック射出の後、ワッシャーをブロックの頂部から除去した。
ブロックを長さ12.7cm(5.0”)にトリミングし、AP200試験ハウジング内への挿入に適合させ、プラスチック挿入物を嵌合して、ハウジングとブロックとの組み合わせの空隙容積を180ccに制限した。ブロック重量及び長さの物理的特性を、好適なエンドキャップを適用した3つの代表的な完全高さのブロックに関して測定した。これらを表7bに提供する。
Figure 2011504807
実施例9と実施例6〜8との間の全長の相違は、実施例9のブロック調製に用いた緩い圧縮に起因する。実施例9のブロックは、実施例7及び実施例8等の非圧縮ブロックと比較して、ブロック密度における増大が控えめであり、正規化水流圧力低下における増大も少量のみであった。
ブロックは、2日目にTOC調整としての腐植酸を使用して、上述した急速2日間の微生物チャレンジに従って試験した。空隙容積が180ccであるにも係わらず、等価な500mL空隙容積にてMS−2ファージチャレンジ試験を行った。これは本実施例のブロック上の微生物学的な負荷及び腐植酸負荷を増大させることを意図していた。空隙容積MS−2ファージチャレンジ試験結果を、表9c(1日目)及び表9d(2日目)に提供し、ここで予備設定チャレンジ流速は0.02L/s(0.31GPM)であり、NDは、検出されないこと、及びFDは流れ減少を意味する。
Figure 2011504807
Figure 2011504807
ブロック9−A及びブロック9−Bに関するデータから明らかであり得るように、ブロック配合物のMS−2に対する完全収容力は、早期流れ減少及びブロックの目詰まりにより評価できない。また注目すべきは、2日目、サイクル4でのブロックの試験を妨げるに十分に深刻な、より急速な目詰まりであり、これは、以前の実施例と比較して多量のチャレンジ容積(500mL空隙容積チャレンジ)に起因し得る。ブロック9−Cは、構造的欠陥、即ち試験開始時から明らかであった小穴、小亀裂、又はエンドキャップ漏洩に起因し得る、非濾過流体の小さい及び一定の迂回による問題を有し得る。
(実施例10)
本実施例は、2ゾーンからなる環状の同心配置に構成されたゾーン形成濾過システムのウイルス低減能力を測定した。実施例10では、炭素ブロック(実施例3による)の第一のゾーンを加えて抗菌コアゾーン(実施例9による)を保護した。
一連の実施例3の炭素ブロックを名目上長さ25.4cm(10”)で製造した。一連の実施例9のブロックを、長さ約19.1cm(7.5”)で製造した。実施例9のブロックを、実施例3のブロックのID内に挿入した。両方の一端を留め継ぎ鋸(mitering saw)上で一緒にトリミングして、単一面を形成し、そこに底部エンドキャップを糊付けした。組み合わせを留め継ぎ鋸上で、ブロック本体の長さ12.7cm(5インチ)に再度トリミングして、ねじ付き頂部エンドキャップを装着及び糊付けした。組み合わせ(ハイブリッド)環状同心分離性ゾーンフィルターの物理的特性を試験し、表10aに示した。
Figure 2011504807
環状同心分離性ゾーンフィルターをAP200試験ハウジング内に挿入し、ハウジングとブロックとの組み合わせの空隙容積を制限する挿入物は全く存在しなかった。ブロックは、2日目にTOC調整としての腐植酸を使用して、上述した急速2日間の微生物チャレンジに従って試験した。予備設定チャレンジ流速0.02L/s(0.31GPM)での、500cc空隙容積MS−2ファージチャレンジ試験結果を、表10b(1日目)及び表10c(2日目)に提供し、ここでNDは、検出なしを意味し、FDは流れ減少を意味する。
Figure 2011504807
Figure 2011504807
実施例3によるブロックは、実施例9による抗菌コアがポリアニオン酸汚染物質のコロイド状部分により時期尚早に目詰まりすることから保護し、加えて、許容できない流れ減少を有することなく、試験を耐用年数間の終点まで進行させた(特定容積の播種チャレンジ試験水がシステムを通過した後)。加えて、抗菌コアゾーンは、全MS−2チャレンジと、ポリアニオン酸の溶解部分との両方を効果的に吸着した。効果的なMS−2吸着は、チャレンジサイクルにおける各試験点での4.0を超えるLRV評価により示された。
(実施例11)
ゾーン形成濾過システムに使用される炭素ブロックを、焼結ブロック手順に従って、表11aに示す公称割合の成分を含む配合物を使用して製造した。
Figure 2011504807
実施例11の炭素ブロックに使用した金型は、実施例3で使用したものと同一であった。
(実施例12)
ブロックは、表12aに示す公称割合の成分を含有する配合物を使用して、焼結ブロック手順に従って製造された。
Figure 2011504807
実施例12の炭素ブロックに使用した金型は、実施例5で使用したものと同一であった。
(実施例13)
ブロックは、表13aに示す公称割合の成分を含有する配合物を使用して、焼結ブロック手順に従って製造された。
Figure 2011504807
実施例13の炭素ブロックに使用した金型は、実施例5で使用したものと同一であった。
(実施例14)
抗菌ゾーンにて異なる濃度の活性媒体、抗菌ゾーンと炭素ブロックゾーンとの両方の異なる外形(ID及びODの変動)、及び得られるハイブリッドの物理的特性を用いて、一連のハイブリッド実施例を調製した。それぞれの微生物学的な試験結果も含まれる。「%修飾DE」に対する言及は、実施例2Aに従って調製したコア中のDEのパーセントを意味する。「ふるい有り」に対する言及は、コアブロックを調製するに先立って、修飾DEが400マイクロメートルふるいを介してふるい分けされたことを意味する。「ハイブリッドQ」に対する言及は、フィルターハイブリッドのガロン/分による流速を意味する。媒体に対する言及は、コアの作製に使用されたバインダー及び活性材料の全体を意味する。秒による空塔接触時間を、表14aで「EBCT」と称する。
ハイブリッド実施例の組み合わせ及び性能特性
Figure 2011504807
Figure 2011504807
Figure 2011504807
Figure 2011504807
Figure 2011504807
実施例14のフィルターは、配合物及び外形が、好適なLRV2日目、及びLRV2日目、サイクル6平均を更に達成する一方で、所望のフィルター用途に一致するよう変更できることを示す。
(実施例15)
本実施例は、3ゾーンからなる環状の同心配置に構成されたゾーン形成濾過システムのウイルス低減能力を測定した。実施例15では、炭素ブロック(実施例3による)の第一のゾーンを加えて抗菌コアゾーン(実施例13による)を保護し、ナイロン膜覆いをコアゾーンの周囲に配置した。
一連の実施例3炭素ブロックを名目上長さ25.4cm(10”)で製造した。一連の実施例13ブロックを焼結ブロック手順に従って長さ約20.9cm(8.25”)で製造した後、重量及び長さを測定した。単一層ナイロン膜により5.1cm(2”)OD、1.9cm(3/4”)IDの実施例13のブロックの外側表面を覆った。覆ったコアを実施例3のブロックのID内に挿入した。3−ゾーン単位の一端を留め継ぎ鋸上で一緒にトリミングして、単一面を形成し、そこに頂部エンドキャップを糊付けした。組み合わせを留め継ぎ鋸上で、ブロック本体の長さ12.7cm(5インチ)に再度トリミングして、底部エンドキャップを装着及び糊付けした。ブロック重量及び長さの物理的特性を測定し、6つの代表的なブロックに関する測定値を表15a及び表15bに提供する。
Figure 2011504807
Figure 2011504807
ナイロン膜は、表15cによる物理的特性を有した。
Figure 2011504807
各種類の膜に関する、3つの代表的な環状同心分離性ゾーンフィルターの組み合わせの平均の物理的特性を、表15d及び表15dに示す。
Figure 2011504807
Figure 2011504807
覆った環状同心分離性3−ゾーンフィルターを、AP200試験ハウジング内に挿入し、ハウジングとブロックとの組み合わせの空隙容積を制限する挿入物は全く存在しなかった。MS−2ファージチャレンジ試験を、500mL空隙容積にて予備設定チャレンジ流速0.02L/s(0.31gpm)で行った。フィルターデバイスを一般試験水(mL当たり10プラットホーム単位(PFU/mL)のMS2で播種した脱塩素水道水)及び播種チャレンジ試験水(脱塩素水、腐植酸、10PFU/mLのMS2で播種)でチャレンジした。FDは、流れ減少を意味する。0.8μm膜を使用したサンプルは、初期の流動サンプル75%前に目詰まりした。結果を表15f及び表15gに示す。
Figure 2011504807
Figure 2011504807
全部の場合にて、公称ナイロン膜等級は、抗菌コアのための「フェイルセーフ」を提供し、コアの抗ウイルス枯渇の前に流れを減少させた。効果的なMS−2吸着は、チャレンジサイクルにおける各試験点での4.0を超えるLRV評価により示された。
(実施例16)
本実施例は、3ゾーンからなる環状の同心配置に構成されたゾーン形成濾過システムのウイルス低減能力を測定した。実施例16では、炭素ブロック(実施例3による)の第一のゾーンを加えて抗菌コアゾーン(実施例13による)を保護し、ナイロン膜覆いを炭素コアの外側表面に配置した。
一連の実施例3の炭素ブロックを名目上長さ25.4cm(10”)で製造した。一連の実施例13のブロックを焼結ブロック手順に従って長さ約19.1cm(7.5”)で製造した後、重量及び長さを測定した。5.1cm(2”)OD、1.9cm(3/4”)IDの実施例13ブロックを、実施例3のブロックのID内に挿入した。単一層ナイロン膜により、各炭素の外側表面の周囲を覆った。3−ゾーン単位の一端を留め継ぎ鋸上で一緒にトリミングして、単一面を形成し、そこに頂部エンドキャップを糊付けした。組み合わせを留め継ぎ鋸上で、ブロック本体の長さ12.7cm(5インチ)に再度トリミングして、底部エンドキャップを装着及び糊付けした。ブロック重量及び長さの物理的特性を測定し、6つの代表的なブロックに関する測定値を表16a及び表16bに提供する。
Figure 2011504807
Figure 2011504807
ナイロン膜は、上記の表15cによる物理的特性を有した。
各種類の膜に関する、3つの代表的な環状同心分離性ゾーンフィルターの組み合わせの平均の物理的特性を、表16d及び表16dに示す。
Figure 2011504807
Figure 2011504807
フィルターデバイスは、実施例15に記載したようにチャレンジした。結果を、表16e及び表16fに示す。
Figure 2011504807
Figure 2011504807
全部の場合にて、公称ナイロン膜等級は、抗菌コアのための「フェイルセーフ」を提供し、コアの抗ウイルス枯渇の前に流れを減少させた。効果的なMS−2吸着は、チャレンジサイクルにおける各試験点での4.0を超えるLRV評価により示された。
位置当たりの別個の濾過要素に関して最適化された実施例16の環状の同心濾過ゾーンの配置は、ポリアニオン酸汚染物質のコロイド状部分が3−ゾーン濾過ユニットの膜ゾーンを目詰まりさせた時点まで、連続的な微生物低減の収容力を提供した。
第三の濾過ゾーンの追加は、膜を有さないフィルターと比較して、膜孔サイズに応じて差圧値を適度に増大させた。膜孔サイズの最適化は、濾過特性を特製する利益を提供して、最高レベルの効率及びフィルター信頼性を提供すると共に、複数ゾーン連続ユニットの下流機構の保護を高めることができる。
本明細書全体において「1つの実施形態」、「所定の実施形態」、「1つ以上の実施形態」又は「ある実施形態」に対する言及は、実施形態に関連して記載された特定の特徴、構造、材料又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体で様々な位置にある「1つ以上の実施形態において」、「所定の実施形態において」、「1つ実施形態において」又は「ある実施形態において」等の表現の出現は、必ずしも本発明の同一の実施形態を指すものではない。その上、特定の特徴、構造、材料又は特性は、1つ以上の実施形態において、任意の好適な様式で組み合わせることができる。
本明細書に含まれる物品、機器、及び物品の製造方法は本開示の好ましい実施形態を構成するが、本開示はこれらの物品、機器、及び方法そのものに限定されず、添付の特許請求の範囲に定義される本開示の範囲から逸脱せずに、当該物品、機器及び方法に変更を為し得ることは理解されるべきである。

Claims (45)

  1. 分離マトリックスであって、
    表面修飾無機成分、及び
    不規則な、回旋状の表面を有する粒子を含むポリマーバインダーを含み、
    前記表面修飾無機成分は、エポキシ基を含有する第四級アンモニウム塩を含む抗菌成分と無機成分との反応生成物を含み、したがって前記第四級アンモニウム陽イオンと前記無機成分との間にて直接的に共有結合を含む、分離マトリックス。
  2. 前記ポリマーバインダーが超高分子量ポリエチレンを含む、請求項1に記載のマトリックス。
  3. 前記ポリマーバインダーが、略球状の非多孔質構造を有する粒子を更に含む、請求項1に記載のマトリックス。
  4. 前記不規則な、回旋状の表面を有する前記粒子が、10〜100マイクロメートルの範囲の平均粒子サイズを有する、請求項1に記載のマトリックス。
  5. 前記略球状の非多孔質構造を有する前記粒子が、10〜100マイクロメートルの範囲の平均粒子サイズを有する、請求項3に記載のマトリックス。
  6. 前記エポキシ基を含有する第四級アンモニウム塩が、I:
    Figure 2011504807
    による式を有し、
    式中、nは3〜250の範囲である、請求項1に記載のマトリックス。
  7. 前記nが5〜24の範囲である、請求項6に記載のマトリックス。
  8. 前記表面修飾無機成分が60〜85重量%の範囲の量で存在し、前記ポリマーバインダーが15〜40重量%の範囲の量で存在する、請求項1に記載のマトリックス。
  9. 前記ポリマーバインダーが、超高分子量ポリエチレンと、前記マトリックスの10〜40重量%の範囲の量で存在する不規則な、回旋状の表面を含む前記粒子と、前記マトリックスの40重量%までの量で存在する、前記略球状の非多孔質構造を有する粒子とを含む、請求項3に記載のマトリックス。
  10. 前記表面修飾無機成分が、pH9以上で正のゼータ電位を有する、請求項1に記載のマトリックス。
  11. 前記無機成分が珪藻土である、請求項1に記載のマトリックス。
  12. MS−2ファージを少なくとも4log減少させるのに有効な、請求項1に記載のマトリックス。
  13. 前記減少が前記マトリックスの耐用年数にわたって生じる、請求項12に記載のマトリックス。
  14. 前記減少が前記マトリックスの物理的目詰まりの時点まで生じる、請求項13に記載のマトリックス。
  15. 陽イオン性金属塩前処理を行わない、請求項1に記載のマトリックス。
  16. 平均直径100μmを有する炭素粒子を更に含む、請求項1に記載のマトリックス。
  17. フィルター要素であって、
    ハウジング及び該ハウジング内に配置された分離マトリックスを備え、
    前記分離マトリックスが、表面修飾無機成分、及び超高分子量ポリエチレンポリマーバインダーを含み、
    前記表面修飾無機成分が、式I:
    Figure 2011504807
    による抗菌成分と珪藻土との反応生成物を含み、
    式中、nは5〜24の範囲であり、前記式Iの前記陽イオンと前記珪藻土との間に直接的に共有結合を含み、
    前記超高分子量ポリエチレンが、不規則な、回旋状の表面を有する粒子を含む、フィルター要素。
  18. 前記不規則な、回旋状の表面を有する前記粒子が、10〜100マイクロメートルの範囲の平均粒子サイズを有する、請求項17に記載のフィルター要素。
  19. 焼結多孔性物品の作製方法であって、前記方法は、
    プロセスタンク内に珪藻土の母剤を供給する工程と、
    エポキシ基を含有する第四級アンモニウム塩を含む抗菌成分を供給する工程と、
    前記プロセスタンク内に前記抗菌成分を噴霧するのと実質的に同時に前記プロセスタンク内の前記母剤を撹拌して、被覆母材を形成する工程と、
    前記抗菌成分の前記母材に対する比を、前記被覆母材がその圧縮点以下であるように維持する工程と、
    前記被覆母材を真空下で乾燥する工程と、
    前記被覆母材を活性化し、それにより前記第四級アンモニウム陽イオンと前記珪藻土との間に共有結合を形成して、表面修飾無機成分を提供する工程と、
    不規則な、回旋状の表面を有する粒子を含むポリマーバインダーを前記表面修飾無機成分と共に混合する工程と、
    不規則な、回旋状の表面を有する前記粒子と前記表面修飾無機成分との混合物で金型充填して、マトリックスを形成する工程と、
    前記マトリックスを加熱して、前記ポリマーバインダーを前記表面修飾無機成分に点溶接し、多孔性焼結物品を形成する工程とを含む、方法。
  20. 前記ポリマーバインダーが超高分子量ポリエチレンを含む、請求項19に記載の方法。
  21. 前記エポキシ基を含有する前記第四級アンモニウム塩が、式I
    Figure 2011504807
    による化合物を含み、
    式中、nは5〜24の範囲である、請求項19に記載の方法。
  22. 活性炭と、I:
    Figure 2011504807
    による式を有するエポキシ基を含有する第四級アンモニウム塩と珪藻土との反応生成物と、を含む分離媒体であって、
    式中、nは3〜250の範囲であり、前記反応生成物は、前記第四級アンモニウム陽イオンと前記珪藻土との間にて直接的に共有結合を有する、分離媒体。
  23. 前記nが5〜24の範囲であり、前記反応生成物が、少なくとも1ヶ月間、正のゼータ電位を維持する、請求項22に記載の分離媒体。
  24. 水の濾過方法であって、表面修飾無機成分、及び不規則な、回旋状の表面を有する粒子を含むポリマーバインダーを含む、フィルターマトリックスを提供する工程であって、前記表面修飾無機成分は、エポキシ基を含有する第四級アンモニウム塩を含む抗菌成分と無機成分との反応生成物を含み、したがって前記第四級アンモニウム陽イオンと前記無機成分との間にて直接的に共有結合を含む、工程と、水を前記マトリックスに通過させる工程と含む、方法。
  25. 少なくとも第一のゾーンと第二のゾーンとを備える濾過システムであって、前記第一のゾーンは、
    表面修飾無機成分、及び
    不規則な、回旋状の表面を有する粒子を含むポリマーバインダーを含み、
    前記表面修飾無機成分が、エポキシ基を含有する第四級アンモニウム塩を含む抗菌成分と無機成分との反応生成物を含み、したがって前記第四級アンモニウム陽イオンと前記無機成分との間にて直接的に共有結合を含む、濾過システム。
  26. 前記第二のゾーンが、表面ふるい、深層ふるい、化学的吸着マトリックス、キレート化マトリックス、触媒マトリックス、又はそれらの組み合わせを含む、請求項25に記載のシステム。
  27. 前記第一のゾーン及び前記第二のゾーンが、互いに環状かつ同心に配置されている、請求項25に記載のシステム。
  28. 前記第二のゾーンが前記第一のゾーンを包囲する、請求項27に記載のシステム。
  29. 前記第一のゾーン及び前記第二のゾーンが層状である、請求項25に記載のシステム。
  30. 前記第二のゾーンが前記濾過システムの上流地点に位置し、前記第一のゾーンが前記濾過システムの下流地点に位置する、請求項29に記載のシステム。
  31. 前記ポリマーバインダーが超高分子量ポリエチレンを含む、請求項25に記載のシステム。
  32. 前記ポリマーバインダーが、略球状の非多孔質構造を有する粒子を更に含む、請求項25に記載のシステム。
  33. 前記不規則な、回旋状の表面を有する前記粒子が、10〜100マイクロメートルの範囲の平均粒子サイズを有する、請求項25に記載のシステム。
  34. 前記エポキシ基を含有する前記第四級アンモニウム塩が、I:
    Figure 2011504807
    による式を有し、
    式中、nは3〜250の範囲である、請求項25に記載のシステム。
  35. 前記nが5〜24の範囲である、請求項34に記載のシステム。
  36. 第一の同心ゾーンと、該同第一の同心ゾーンを包囲する第二の同心ゾーンとを備える濾過システムであって、
    前記第一のゾーンは、
    表面修飾無機成分、及び不規則な、回旋状の表面を有する粒子を含む第一のポリマーバインダーを含み、
    前記表面修飾無機成分は、エポキシ基を含有する第四級アンモニウム塩を含む抗菌成分と無機成分との反応生成物を含み、したがって前記第四級アンモニウム陽イオンと前記無機成分との間にて直接的に共有結合を含み、
    前記第二のゾーンが、吸着成分、及び第二のポリマーバインダーを含む、濾過システム。
  37. 前記第二のポリマーバインダーが、不規則な、回旋状の表面を有する粒子を含む、請求項36に記載のシステム。
  38. 前記第一のポリマーバインダーが超高分子量ポリエチレンを含む、請求項36に記載のシステム。
  39. 前記第二のゾーンの吸着成分が活性炭を含み、前記第二のポリマーバインダーが超高分子量ポリエチレンを含む、請求項36に記載のシステム。
  40. 前記第二のゾーンを包囲する第三のゾーンを更に含み、前記第三のゾーンが表面ふるいを含む、請求項36に記載のシステム。
  41. 前記第一のゾーンを包囲する第三のゾーンを更に含み、前記第一のゾーンが表面ふるいを含む、請求項36に記載のシステム。
  42. 濾過システムの作製方法であって、前記方法は、
    プロセスタンク内に珪藻土の母剤を供給する工程と、
    エポキシ基を含有する第四級アンモニウム塩を含む抗菌成分を供給する工程と、
    前記プロセスタンク内に前記抗菌成分を噴霧するのと実質的に同時に前記プロセスタンク内の前記母剤を撹拌して、被覆母材を形成する工程と、
    前記抗菌成分の前記母材に対する比を、前記被覆母材がその圧縮点以下であるように維持する工程と、
    前記被覆母材を真空下で乾燥し、それにより前記第四級アンモニウム陽イオンと前記珪藻土との間に共有結合を形成して、表面修飾無機成分を提供する工程と、
    第一のポリマーバインダーと前記表面修飾無機成分とを混合して、第一のマトリックスを形成する工程と、
    前記第一のマトリックスを加熱し、前記第一のポリマーバインダーを前記表面修飾無機成分に点溶接して、第一の濾過ゾーンを形成する工程と、
    第二のポリマーバインダー、及び化学的吸着マトリックスを含む第二の濾過ゾーンを提供する工程と、
    前記第一の濾過ゾーンを前記第二の濾過ゾーンに隣接して配置し、濾過システムを形成する工程とを含む、方法。
  43. 前記第二の濾過ゾーンが前記第一の濾過ゾーンと同心である、請求項42に記載の方法。
  44. 前記エポキシ基を含有する第四級アンモニウム塩が、式I:
    Figure 2011504807
    による化合物を含み、
    式中、nは5〜24の範囲である、請求項42に記載の方法。
  45. 水の濾過方法であって、少なくとも1つの第一のゾーン及び第二のゾーンを備える濾過システムを提供する工程であって、前記第一のゾーンは、表面修飾無機成分、及び不規則な、回旋状の表面を有する粒子を含むポリマーバインダーを含み、前記表面修飾無機成分は、エポキシ基を含有する第四級アンモニウム塩を含む抗菌成分と無機成分との反応生成物を含み、したがって前記第四級アンモニウム陽イオンと前記無機成分との間にて直接的に共有結合を含む、工程と、水を濾過システムに通過させる工程とを含む、方法。
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