JP2011503664A - 放射ビームのコリメーションを向上させる方法および装置 - Google Patents

放射ビームのコリメーションを向上させる方法および装置 Download PDF

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Abstract

放射線をコリメートするための装置は、サブ波長次元の開口と、放射線を放出する能動または受動デバイスと統合された金属膜上に規定される、隣接する一組の溝とを含むことができる。レーザまたは他の放射線放出デバイスのファセット上へのビームコリメータの統合は、ビームのコリメーションおよび偏光選択を提供する。ビーム発散は、従来のレーザの出力と比較して2桁以上低減することができる。開口−溝構造を伴う能動ビームコリメータは、半導体レーザ(例えば、量子カスケードレーザ)、発光ダイオード、光ファイバ、およびファイバレーザ等の、広範囲の光学デバイスと統合することができる。

Description

(政府支援の研究)
本明細書に開示される主題に関する研究のいくつかは、契約番号FA9550−04−1−0434の下で空軍科学研究局によって支援され、米国政府はいくつかの開示される主題に対する一定の権利を有する。
(背景)
ビームコリメート放射線源は、遠視野で光を小角度に集中させる必要がある、ポインティング(例えば、レーザポインタ)、自由空間光通信、または遠隔感知等の、数多くの用途に望ましい。コリメート光源は、レーザ出力を光ファイバおよび導波路に連結する、光通信システムにおける相互接続等の用途にも重要である。光源のコリメーションは、従来、レンズまたは放物面鏡等の、巨大で、通常は高価な光学的構成要素を使用して、外部的に実施される。本明細書では、コリメーションは、低発散(例えば、数度以下)として定義され、半導体レーザの場合、コリメーションを伴わない元々のデバイスの値未満の発散角度(例えば、10度〜数十度)を含む。コリメート源は、低発散を伴う出力ビームを提供するので、このような源は、概して、所望のビーム外形および/または方向性を達成するように、付加的なコリメーションレンズおよび緻密な光学的配列を必要としない。スーパーコリメートビーム(例えば、1度よりもはるかに小さい発散角度)を必要とする状況では、依然として、低開口数(NA)レンズが、コリメート源に使用される場合があるが、これは、高NAレンズを直接的に使用するものと比較して、費用効率が高い解決策である。
数多くの従来の光源の場合、それらの放射線の空間的外形は、本質的に大きい発散角度を有する。例えば、発光ダイオード(LED)のp−n接合からの放射線は、デバイス内部でほぼ等方性である。光出力に対する導波路およびデバイスカプセル化の効果を考慮した場合、LEDの発散角度は、非常に大きいまま(例えば、少なくとも数十度)である。エッジ放出半導体レーザの場合、材料成長方向における発散角度は、一般的に大きい(例えば、数十度)。これは、材料成長方向におけるレーザ導波路のサイズwが、通常は、自由空間内のレーザ波長λと同等、またはそれ未満であるからである。レーザ放出は、このような閉じ込め導波路から自由空間へと伝搬する時に、λ/wによって大まかに推定することができる角度に回折し、1ラジアン、すなわち約60度程度の発散角度を得る。半導体レーザの中で、垂直空洞表面放出レーザ(VCSEL)は、通常、それらが、エッジ放出レーザと比較して、非常に大きい面積を有するので、ビームコリメーションが優れていると考えられている。市販のVCSELは、5〜30度の範囲だが、一般的には約15度の発散角度を有する。しかしながら、VCSELは、より小さい発散角度を達成するにもかかわらず、不安定な出力偏光という固有の問題を有する。
以前に、Lezec他は、入射可視光をコリメートすることができる、受動開口−溝構造を提案および実証した(非特許文献1)。開口−溝構造は、懸垂金属膜上に規定され、周期的溝によって囲まれた中央開口を含んでいた。Lezecの結果は、適切に設計された受動開口−溝構造が、高いパワースループットを有することができ、また、構造から現れるビームが、小さい発散角度を有することができることを示した。しかしながら、これらの結果は、波動光学が、サブ波長開口から現れる光は、本質的に半空間において等方性であるはずで、また、単一のサブ波長開口の伝達効率は、(r/λ<<1、ここで、rは、開口のサイズである、に比例するはずであると示唆しているように、直観に反したものであるとみなされ得る(非特許文献2)。
Lezecの研究のビーム―コリメーション現象は、以下のように理解することができる。開口から出てくる光は、格子に沿って伝搬する表面プラズモンに結合する。表面プラズモンは、金属と誘電体との間の界面に閉じ込められ、かつ該界面に沿って伝搬する、表面電磁波である。これらの表面プラズモンは、周期的格子溝によって自由空間中に散乱する。開口からの直接放出および表面プラズモンの散乱に由来する再放出は、互いに干渉し、コリメートビームを遠視野で生じさせる。
H.J.Lezec他、「Beaming light from a sub−wavelength aperture」、Science 297、820(2002) H.A.Bethe、「Theory of diffraction by small holes」 Phys.Rev.66、163(1944)
(概要)
本発明者らは、大部分の従来の光子デバイスの放射線放出特性は、ビームコリメーションによって大幅に向上させることができるものと認識し、理解した。より具体的には、発明者らは、低減した発散および従来のシステムと比較して同等のレベルのパワースループットを伴う、コリメートされた放射ビームを生成するために、プラズモニックコリメータと称される開口−溝構造の、能動光子デバイスまたは他の放射線放出デバイスとの適合化および統合化における有用性を認識した。サブ波長特徴を伴う好適な金属構造は、レーザの遠視野を直接的に設計する、具体的には、レーザのビーム発散を大幅に低減するために効果的に活用することができる。プラズモニック構造、より全般的には光子結晶を使用した波面エンジニアリングは、レーザ科学および技術における将来の開発に対して広範囲にわたる影響を有し得る。
以上のことを考慮すると、本開示は、概して、デバイスの放射線のコリメーションを向上させるための方法および装置に方向付けられる。本明細書で説明される例示的実施形態では、様々な従来の能動的および受動的な光学デバイスが、光学デバイスから放出される放射線のコリメーションを向上させるように構成される、種々の開口−溝構造と統合される。種々の例示的な実施例において、コリメーション効果を大幅に増加させるために、発明者らは、配設(例えば、配向、間隔、数等)および金属構造の次元(例えば、開口、溝等)を、特定の光学デバイスおよび所望の出力パラメータ(例えば、波長、方向、発散等)で使用するために調整できることを理解した。このように、本明細書で説明される例示的実施形態は、増加したビームコリメーションを伴う改善したデバイスを提供する、様々な従来の光学デバイスとの統合化のための好適な開口−溝配設を実証する。
発明者らは、遠視野でのビームコリメーションを実現するために、近視野内のサブ波長スケールでの光の操作という課題も理解した。したがって、本明細書で開示される種々の概念は、従来のビームコリメーションアプローチの実質的な改良を提供する。開口−溝構造の根底にある物理的な原理は、開示される技術の無数の光学システムへの適用において、かなりの柔軟性を提供する。例えば、偏光制御可能な垂直空洞表面放出レーザから、低発散発光ダイオード、カプラを含まない光ファイバに及ぶ広範囲の応用を、本明細書で開示される方法および装置によって達成することができる。下記にさらに詳しく説明される例示的な一実施形態では、開口−溝構造の量子カスケードレーザのファセットへの組み込みは、未改良の量子カスケードレーザの発散角度よりも2桁以上小さい発散角度を伴う出力ビームをもたらす。ビーム発散の低減は、1次元(すなわち、デバイスの材料成長方向に対して平行)、または2次元(すなわち、材料成長方向に対して平行かつ垂直)のいずれかで達成することができる。開口−溝構造を伴うデバイスのパワースループットは、未改良の量子カスケードレーザのパワースループットに匹敵する。
本構造によって提供され得るさらなる利益は、プラズモニックコリメータが光源と統合される配列に対するいかなる必要性も無いことである。加えて、プラズモニックコリメータの設計をスケーリングすることによって、コリメータを、可視波長から遠赤外線波長に及ぶ広範囲の放出波長を伴うあらゆるタイプの光源に適合させることができる。さらに、プラズモニックコリメータは、ビーム発散を2つの直交方向に本質的に制御することができ、これは、光学経路に沿った収差を低減するために円形断面を伴うコリメートされたビームが必要とされる、一部の応用に有用である。
「光源」という用語は、種々の非干渉性光源(例えば、発光ダイオード)、種々のタイプのレーザ、光ファイバ等が挙げられるが、これに限定されない、様々な能動または受動放射線放出デバイスのうちのいずれか1つ以上を指すものと理解されたい。所与の光源は、可視スペクトルの範囲内、可視スペクトルの範囲外、または両者の組み合わせの電磁放射線を発生するように構成され得る。したがって、「光」および「放射線」という用語は、本明細書で代替可能に使用される。
上述の概念および下記により詳しく論じられる付加的な概念のうちの全ての組み合わせは、本明細書で開示される発明的主題の一部であるものとして意図されていることを理解されたい。また、参照することによっても組み込まれ得る、本明細書に明示的に採用される専門用語は、本明細書で開示される特定の概念に最も整合する意味が与えられるべきであることも理解されたい。
図1は、プラズモニックコリメーションの作用機構を示す図である。 図2は、プラズモニックコリメータの第1の構成の断面を示す図である。本構成では、デバイスファセットへの被覆は、絶縁薄膜と金属厚膜とを含む。開口および溝は、金属厚膜内に規定される。 図3は、プラズモニックコリメータの第2の構成の断面を示す図である。本構成は、最初に、むきだしのデバイスファセット内に彫刻される溝から成り、その後に、絶縁および金属層の堆積、次いで開口部の堆積を行う。 図4は、1次元(1D)プラズモニックコリメータでパターン化した、エッジ放出レーザを示す図である。電場偏光は、垂直であると仮定する。 図5は、1次元(1D)プラズモニックコリメータでパターン化した、エッジ放出レーザを示す図である。電場偏光は、水平であると仮定する。 図6は、2次元(2D)プラズモニックコリメータでパターン化した、エッジ放出レーザを示す図である。 図7は、図5に示されるデバイスのためのデバイスファセット上の表面プラズモンの強度分布を示す図である。電場偏光は、垂直であると仮定する。 図8は、デバイスファセット上の溝の間隔の展開図、およびファセット上の表面プラズモン波長の展開図である。どちらも、開口から離れてわずかに増加している。 図9は、デバイスの放射線がそこを通ってファセット表面上に出る、長方形の開口を示す図である。 図10は、デバイスの放射線がそこを通ってファセット表面上に出る、C字形の開口を示す図である。 図11は、デバイスの放射線がそこを通ってファセット表面上に出る、H字形の開口を示す図である。 図12は、デバイスの放射線がそこを通ってファセット表面上に出る、螺旋形の開口を示す図である。 図13は、デバイスの放射線がそこを通ってファセット表面上に出る、螺旋形の開口の別の実施形態を示す図である。 図14は、そのファセット上に規定される開口アレイ構造を伴う、エッジ放出レーザを示す図である。 図15は、そのファセット上に規定される開口アレイおよび1次元(1D)格子を伴うエッジ放出レーザ示す図である。 図16は、複数の開口および格子を備える開口−溝構造でパターン化した、垂直空洞表面放出レーザ(VCSEL)を示す図である。 図17は、円形格子によって囲まれたリング開口を備えるリング−開口−溝構造でパターン化した、発光ダイオード(LED)を示す図である。 図18は、光ファイバ上のリング−開口−溝構造を示す図である。 図19は、光ファイバのための複数の開口および格子を備える、開口−溝構造を示す図である。 図20は、λ=9.9μmの量子カスケードレーザに関して規定される第1の構成(図2)のプラズモニックコリメータ周辺の強度分布のシミュレーション結果を示す図である。15本の格子溝が存在すると仮定する。 図21は、図20においてシミュレートしたデバイスについて、計算した垂直遠視野強度分布を示す図である。挿入画は、中央ピークの拡大図である。 図22は、λ=9.9μmの量子カスケードレーザに関して規定される第2の構成(図3)のプラズモニックコリメータ周辺の強度分布のシミュレーション結果を示す図である。15本の格子溝が存在すると仮定する。 図23は、図22においてシミュレートした構造について、計算した垂直遠視野強度分布を示す図である。挿入画は、中央ピークの拡大図である。 図24は、制御構造−すなわち、プラズモニックコリメータを伴わない元々のλ=9.9μmの量子カスケードレーザ−に対する、強度分布のシミュレーション結果を示す図である。 図25は、図24においてシミュレートした構造について、計算した垂直遠視野強度分布を示す図である。 図26は、一片の金属膜によって部分的に覆われたその開口を伴う、プラズモニックコリメータの横断面を示す図である。 図27は、図26に示されるプラズモニックコリメータ周辺の強度分布のシミュレーション結果を示す図である。レーザ波長は、9.9μmであり、11本の格子溝(全てが図に示されているわけではない)が存在すると仮定する。 図28は、図27においてシミュレートした構造について、計算した垂直遠視野強度分布を示す図である。挿入画は、中央ピークの拡大図である。 図29は、二重金属導波路を伴うプラズモニックコリメータの横断面を示す図である。外側金属層は、スリット開口アレイでパターン化される。 図30は、図29に示されるプラズモニックコリメータ周辺の強度分布のシミュレーション結果を示す図である。レーザ波長は、9.9μmであり、55個のスリット開口が外側金属層(全てが図に示されているわけではない)に存在すると仮定する。 図31は、図30においてシミュレートした構造について、計算した遠視野強度分布を示す図である。挿入画は、中央ピークの拡大図である。 図32は、二重金属導波路を伴うプラズモニックコリメータを示す図である。外側金属層は、2次元(2D)開口アレイでパターン化される。 図33は、元々のλ=9.9μmのリッジ導波管量子カスケードレーザのファセットの走査電子顕微鏡画像である。 図34は、1次元(1D)プラズモニックコリメータをパターン化した後の、図33に示されるレーザのファセットの走査電子顕微鏡画像である。24本の格子溝が存在する。 図35は、図33に示されるデバイスの、測定した遠視野放出外形を示す図である。 図36は、図34に示されるデバイスの、測定した遠視野放出外形を示す図である。 図37は、図35の矢印に沿った、垂直線走査を示す図である。 図38は、図36の矢印に沿った、垂直線走査を示す図である。左の挿入画は、中央ピークの拡大図である。右の挿入画は、計算したモード外形である。2つの挿入画は、互いに極めて良好に適合している。 図39は、図33および34(すなわち、1次元(1D)プラズモニックコリメータを規定する前、および規定した後)に示されるデバイスが取る、光出力対電流(LI)特性を示す図である。破線の曲線は、元々のパターン化されていないデバイスのものであり、実線の曲線は、プラズモニックコリメータでパターン化したデバイスのものである。挿入画は、1.5Aの駆動電流のパターン化デバイスのレーザスペクトルである。 図40は、元々のλ=8.06μmの埋め込みヘテロ構造量子カスケードレーザのファセットの走査電子顕微鏡画像である。 図41は、図40に示されるデバイスの、測定した遠視野放出外形を示す図である。 図42は、2次元(2D)プラズモニックコリメータをパターン化した後の、図40に示されるレーザのファセットの走査電子顕微鏡画像である。20本の円形格子溝が存在する。挿入画は、拡大図である。 図43は、図42に示されるデバイスの、測定した遠視野放出外形を示す図である。 図44は、20本の円形格子溝でパターン化したデバイスが取る、光出力対電流(LI)特性を示す図である。実線は、元々のパターン化されていないデバイス(図40)のものである。他の曲線は、デバイスを、種々の横方向開口サイズを有するコリメータでパターン化した後のものである。 図45は、2次元(2D)プラズモニックコリメータでパターン化した、λ=9.9μmのリッジ導波管量子カスケードレーザのファセットの走査電子顕微鏡画像である。10本の円形格子溝が存在する。挿入画は、拡大図である。 図46は、図45に示されるデバイスの、測定した遠視野放出外形を示す図である。
(詳細な説明)
以下の文は、デバイスの放射線のコリメーションを向上させるための、本開示による方法および装置に関連する種々の概念、およびそれらの発明的実施形態のより詳細な説明を提供する。上記に導入され下記により詳しく論じられる主題の種々の側面は、その主題がいかなる特定の実施方法にも限定されないので、数多くの方法のうちのいずれかで実施され得るものと理解されたい。特定の実施および応用例は、主として例証を目的として提供される。
発明者らによる関連する研究は、以下の論文において説明されている。N.Yu他、「Quantum cascade lasers with integrated plasmonic antenna−array collimators」、Optics Express 16、19447(2008)、N.Yu他、「Small divergence edge−emitting semiconductor lasers with two−dimensional plasmonic collimators」、Applied Physics Letters 93、181101(2008)、N.Yu他、「Small−divergence semiconductor lasers by plasmonic collimation」、Nature Photonics 2、564(2008)。
プラズモニックコリメータの作用機構は、図1を参照して以下のように説明することができる。プラズモニックコリメータは、開口14と、金属被覆デバイスファセット上にパターン化される格子溝16とを含む。開口14は、放射線が出る領域に位置する。開口14は、少なくとも1次元のサブ波長である。該開口は、デバイスの放射線の一部を表面プラズモン28に結合する。表面プラズモン28は、格子溝16を通って格子溝16によって散乱され、多数の放射線再放出4を生成する。開口14および格子溝16の場所は、開口14からの直接放出2および格子溝16からの全ての再放出4が同位相になる、すなわち位相差が2πの整数倍に等しくなるように選択される。したがって、直接放出2と再放出4との間の強めあう干渉により、デバイス出力の発散が低減される。プラズモニックコリメータ内の開口14および溝16は、コヒーレント光源のアレイとして効果的に機能するが、これは、指向的な放送および宇宙通信に使用される位相アレイアンテナに類似する。理論的には、ビームの発散角度は、格子溝の数Nに反比例するはずであり、小発散ビームのピーク強度は、Nにほぼ比例するはずである。
本開示の種々の実施形態によれば、プラズモニックコリメータの放射線放出デバイス(例えば、レーザ、発光ダイオード、光ファイバ等)への統合化は、一連のステップを含む。最初に、デバイスファセットを、電気絶縁誘電体26(例えば、アルミナまたはシリカ)および厚い金属層29(例えば、金、銅、または銀)の層で被覆することができる。第2に、集束イオンビーム(FIB)ミリング、フォトリソグラフィ、または電子ビームリソグラフィ(EBL)を、厚い金属層の開口−溝構造を規定するために用いることができる。開口14は、放射線がデバイスを出る場所に作成される。開口14は、金属膜を通る開口部であるが、溝の深度は、金属膜の厚さよりも小さい。これらのプロセスの結果として生じる構成を図2に示す。プラズモニックコリメータを作製する代替の方法は、以下の通りである。最初に、溝16を、FIBミリング、フォトリソグラフィ、またはEBLを用いて、むきだしのデバイスファセット24上に切り込むことができる。次に、絶縁誘電体層26および金属膜の薄層を堆積させることができる。最後に、開口14を開くために、FIBミリングを用いることができる。これらのプロセスの結果として生じる構成を図3に示す。ビームコリメーションおよびパワースループットの観点から、図2および3に示される2つの構成は同等である。しかし、あるタイプの放射線放出源の場合、一方の構成のほうが、他の構成と比べて作製し易い場合がある。
インプリントリソグラフィ(S.Y.Chou他、「Imprint lithography with 25−nanometer resolution」、Science、272、85(1996))、およびマイクロコンタクトプリンティング(P.C.Hidber他、「Microcontact printing of Palladium colloids:micron−scale patterning by electroless deposition of copper」、Langmuir、12、1375(1996))等の、軟性リソグラフ法も、プラズモニックコリメータのパターン化に採用することができる。これらの方法は、高スループットおよび費用効率の高い処理を可能にする。
以下の段落では、プラズモニックコリメータを設計するために用いられる物理的な考慮事項を論じる。次いで、特定の放射線源のための正しいタイプのプラズモニックコリメータを選択する問題を論じる。プラズモニックコリメータは、2つのタイプに分けることができる。第1のタイプは、1次元(1D)開口−溝構造を使用して、1Dだけで放射線をコリメートするものであり(図4および5)、第2のタイプは、2次元(2D)開口−溝構造を使用して、完全な、または2Dコリメーション、すなわち、デバイスの放出ファセットの平面内のコリメーションを提供する(図6)。
プラズモニックコリメータの複数の幾何学的パラメータは、所与のファセット領域に対して、最小のビーム発散および最高のパワースループット(例えば、そうしなければ同じである、パターン化されていないレーザの出力スループットの半分以上)を得るように最適化することができる。関連するパラメータの例には、金属膜の厚さ、開口の形状およびサイズ、溝の間隔、開口と最も近い溝との間隔、溝の総数、および各溝の幅および深度が挙げられるが、これに限定されない。
金属膜の厚さは、動作波長(例えば、9.9μmの波長に対して約120nm)において、光学的皮膚深度さの少なくとも数倍(本明細書で使用する場合、「数」とは、例えば、少なくとも3を表し得る)となり得る。これは表面プラズモンが、金属膜を通って透過して、予期しない結果に至ることを防止する。「皮膚深度」は、電磁場がどのくらい深く金属層内に透過することができるのかを特徴付けるために用いることができ、また、電磁場の大きさが、金属層の表面上の値の1/e(ここで、eは、自然数e≒2.718である)に減衰する距離として定義される。
間隔d(i=1、2、3、...n)(図8)は、開口14から現れる放射線2と、格子溝16に由来する再放出4との正しい位相関係を与えるように調整することができ、したがって、それらの間の最大の強めあう干渉を達成する。表面プラズモン波長λspは、開口14周辺の近傍では一定でない(G.Leveque他、「Transient behavior of surface plasmon polaritons scatterd at a subwavelength groove」、Phys.Rev.B、76、155418(2007)、P.Lalanne他、「Interaction between optical nanoo−objects at metallo−dielectric interfaces」、Nat.Phys.2、551(2006))。開口のすぐ近くの表面プラズモン波長、すなわちλsp−nearは、通常、開口から遠く離れた表面プラズモン波長、すなわちλsp−farよりも数パーセント小さい。λsp−nearからλsp−farへの遷移領域は、中間赤外放射線に対しては自由空間波長λの約10倍であり、かつ可視放射線に対してはより小さい。したがって、理想的な設計は、λspの展開に整合させ、よって、直接放出2および再放出4の位相が、正確に2πm(mは、整数)倍異なるように、d(i=1、2、3、...n)に位置付けられる、溝16を有し得る。理想的な構造の一次近似として、d<d=d...=d=Λである設計を選択することができ、ここで、dは、開口と最も近い溝との間隔であり、Λは、格子周期である。dおよびΛは、コリメートされたビームのピーク強度を最大化することによって、シミュレーションで決定することができる。最適パラメータは、λ=9.9μmの量子カスケードレーザに対してd=7.3μmおよびΛ=8.9μmであり、λ=8.06μmの量子カスケードレーザに対してd=6.0μmおよびΛ=7.8μmであることが分かった。
レーザファセットの制限された面積により、格子16は、開口の基板側にだけしか規定され得ない(図1、2、3、および4)。しかしながら、それでも、1つ以上の付加的な溝16’を、開口の反対側、開口14と上部電気接点18との間に含むことができる(図1および4)。これらの付加的な溝16’は、コリメートされたビームの強度を増加させ、かつ背景放射線を低減する。物理的に、これらの付加的な溝16’は、開口14において発生して、レーザの上部接点18に向かって伝搬する表面プラズモンに対するリフレクタとして機能し、それによって、上部接点18における散乱を低減し、かつ格子溝16の効果を最大化する。リフレクタの溝16’の位置は、反射された表面プラズモンと、開口14で発生して格子溝16に向かって伝搬する表面プラズモンとの間の強めあう干渉を最大化するように選択される。図4に示されるレーザの一実施形態では、上部溝16’の中間点は、9.9μmのレーザ波長の場合、開口14の中間から上に3.5μm離間している。
狭幅溝は、個々の溝16が、それぞれ表面プラズモン28の伝搬にわずかな障害しか導かないように選択される。シミュレーションでは、広幅溝は、通常、強すぎる散乱を提供し、したがって、表面プラズモン28の最初の数本の溝への伝搬を制限する。これは、コリメータの効果的な機能が、干渉する再放出4の数に依存するので、制限されたコリメーションをもたらす。
溝深度hは、溝空洞モード、すなわち、溝16の深度に沿った定存波の作成を可能にするように調整される(G.Leveque他、「Transient behavior of surface plasmon polaritons scattered at a sub−wavelength groove」、Phys.Rev.B 76、155418(2007)、L.Martin−Moreno他、「Theory of highly directional emission from a single sub−wavelength aperture surrounded by surface corrugations」、Phys.Rev.Lett.90、167401(2003))。共鳴条件は、表面プラズモン28を自由空間に結合する際に、そうでなければ非効率的である散乱(すなわち、幅の細い溝16)を効率的にする。
発散角度を低減し、かつコリメートされたパワーを増加させるために、事実上実行可能な数の格子溝16を有することは好都合である。しかしながら、溝の追加は、表面プラズモン28がそれらに到達することができる場合にだけしか影響を及ぼさない。したがって、表面プラズモンの伝搬距離は、固有の限界である。プラズモニックコリメータでは、格子溝16による自由空間への所望の散乱は、伝搬距離を制限する主要な因子として作用する。この因子を考慮すると、表面プラズモン28は、中間赤外波長において数百マイクロメートル以上(すなわち、数十の自由空間波長と同等の距離)を伝搬することができる。この伝搬距離は、デバイスの放射線を数度以内にコリメートするのに十分である、少なくとも数十の格子溝16をパターン化できるようにする。
ある設計に対して想定される格子溝の数Nに基づいて、溝幅wを、表面プラズモン28の伝搬範囲が格子溝16の程度と整合するように微調整することができる。この微調整は、格子を最大限に使用させ、最大のパワースループットおよび最小のコリメーション角度を与える。この点で、大きいNを伴う設計は、小さいNを伴う設計よりもわずかに細い(すなわち、表面プラズモンの散乱において効率的でない)溝を有するはずである。
複数の設計パラメータ(すなわち、金属の厚さ、格子溝の位置、リフレクタの溝の位置、格子溝の深度hおよび幅w、ならびに格子溝の数N)に関する上述の考察を、1Dおよび2Dプラズモニックコリメータの両方に適用する。これら2つの差異は、それらの開口および格子溝の形状にある。1Dコリメーションでは、格子は、直線の並列格子溝を伴う1次元であり(図4)、2Dコリメーションでは、格子は、一組の同心円状の溝である(図6)。
1Dコリメーションに対する開口14は、スリットである(図4)。スリットは、デバイスの放射線を表面プラズモン28に効率的に結合するために、格子溝16に対して垂直な方向のサブ波長である。最適なスリット幅は、シミュレーションによって決定することができる。より幅の狭いスリットは、デバイス内部からの放射線を強く後方散乱し、したがって、パワースループットを低減させる。より幅の広いスリットは、デバイスの放射線を表面プラズモンに結合する際に、遠視野での大きい背景に至る。図4に示されるレーザの一実施形態では、最適化されたスリット幅は、約9.9μmのレーザ波長に対して約2μmであり、これは活性領域の厚さに近いことが分かった。格子溝16に平行な他の次元では、スリット開口14は、最大パワー出力を可能にするように、できるだけ幅を広くすることができる。1Dコリメーションは、格子溝16に垂直な方向にだけしかコリメーションを与えない。
2Dコリメーションのための開口14は、垂直方向および横方向の両方のサブ波長である(図6)。これらのサブ波長次元は、デバイスファセット上を2次元で伝搬する表面プラズモン28へのデバイスの放射線の効率的な結合を可能にする。これらの表面プラズモン28は、2D格子溝16によって散乱され、遠視野での完全な、または2Dのコリメーションに至る。ここでも、デバイスのパワースループットとビームのコリメーションとの間にはトレードオフが存在する。開口14が、自由空間波長λよりもはるかに小さい次元を伴う深サブ波長である場合、表面プラズモン28へのデバイスの放射線の結合は有効であるが、パワー伝達は、小さい開口サイズによって大幅に制限される。一方で、例えばλと比較して、開口14が大き過ぎる場合、開口14では制限された回折が続き、大部分を遠視野で直接的に放出して、不十分なビームコリメーションを与える。図6内に示される量子カスケードレーザの一実施形態では、量子カスケードレーザは、垂直磁場によって偏光される横磁気(TM)であるので、表面プラズモン28は、垂直方向に選択的に伝搬する。表面プラズモン28の横方向への幅広い拡散も達成するために、開口の横方向サイズは、サブ波長とするべきである。パワースループットとビームコリメーションとの間の良好なトレードオフは、8.06μmのレーザ波長に対して、垂直サイズが約2μmで、横方向サイズが約4〜6μmの開口である。図7は、2×4μmの開口および20本の格子溝から成る2Dコリメータでパターン化したλ=8μmの量子カスケードレーザに対する、デバイスファセット上の表面プラズモンの分布のシミュレーションを示す。
レーザファセット上の開口14は、様々な構成のうちのいずれかを有することができる。図6および9に示される簡単な構成では、開口14は、矩形状を有する。他の配設では、図10におけるC字形、図11におけるH字形、および図12および13における螺旋形を用いることができる。スロットアンテナ理論は、これらのより複雑な開口が、同じ面積の長方形の開口と比較して、さらに多くのパワースループットを可能にすることができると予測している(R.Azadegan他、「A novel approach for miniaturization of slot antennas」、IEEE Trans.Antennas Propag.51、421(2003))。他の蛇行形状(例えば、S字形)も同様に用いることができる。
源の特性および最終的なコリメートされたビームの所望の特性に基づいて、異なる放射線放出源は、異なるプラズモニックコリメータ設計を用いることができる。
例えば、周知の電場偏光12を有するエッジ放出半導体レーザ(例えば、レーザダイオードまたは量子カスケードレーザ)の場合、1Dコリメーションしか必要としない場合、(図4および5に示されるように)開口14と、電場偏光12に対して垂直に配向される各溝16とを伴うプラズモニックコリメータが好適な選択肢となり得る。量子カスケードレーザの場合、場の偏光は、垂直方向である(図4)。レーザダイオードの場合、場は、水平方向である(図5)。結果的に、2つのデバイスに対する開口−溝構造の配向は異なる。図4および5に示されるように、レーザは、上部電気接点18(金等の導電性金属で形成される)と、活性領域22(半導体量子井戸で形成され、かつ−示されるように、垂直に測定して−開口14とほぼ同じ幅を有する)と、基板24(例えばリン化インジウムで形成される)と、絶縁誘電体26(例えばアルミナで形成される)と、後部電気接点20(金等の導電性金属で形成される)とをさらに含む。
図4に示される一実施形態では、シミュレーションに基づいて、異なる波長を伴う2つのタイプの量子カスケードレーザに対して、表1に示される以下の最適パラメータを使用する。類似の設計手順は、他の波長でのエッジ放出半導体レーザのための最適設計に至る。
エッジ放出半導体レーザに対して2Dコリメーションが想定される場合は、長方形の開口14および円形格子16を伴うプラズモニックコリメータを使用することができる(図6)。表1に示される同じ最適パラメータを、対応するレーザ波長に使用することができる。
エッジ放出半導体レーザのための横方向の(すなわち、材料の成長方向に対して垂直な)ビームのコリメーションは、図14に示されるように、デバイスファセット上に規定される開口アレイ構造42を用いて達成することもできる。開口アレイ42は、電場が同じ偏光を有する、レーザの横モードの部分に位置する。一例として、図14の拡大図は、量子カスケードレーザのTM04モードに対する異なるローブの偏光、および開口アレイ42が、どのように下向きの偏光で2つのローブを遮断するのかを示す。モードの逆偏光された成分からの寄与を排除することによって、横方向に低発散角度を伴う、単一の光ビームを遠視野で発生させることができる。
他の方法で光をコリメートするために、上述の設計構造の組み合わせを採用することができる。例えば、2Dコリメーションは、図15に示されるように、エッジ放出半導体レーザの場合、図4および図14に示される構造の要素を組み合わせることによって達成することができる。
特に不安定な偏光を伴う、垂直空洞表面放出レーザ(VCSEL)の場合、図16に示されるように、多重開口−溝構造が好適な選択肢となり得る。この多重開口−溝構造は、VCSELと統合した時に複数の利点を提供する。例えば、構造は、開口/溝に対して垂直な偏光を伴う場の成分だけが通過できるようにし、明確な偏光のレーザ出力を得る。加えて、VCSELは、エッジ放射レーザと比較して、はるかに大きい放出面積を有するので、多重開口を伴うプラズモニック構造は、大きいパワースループットを可能にすることができる。図16のVCSELは、活性領域22の両側に、上部ブラッグリフレクタ30と、下部ブラッグリフレクタ32とを含む。
光出力が特定の偏光を有さない発光ダイオード(LED)の場合、図17に示されるように、中心リング開口34と、一組の同心円溝16とを備えるリング開口−溝構造を採用することができる。この構造の利点には、あらゆる偏光の光源との使用に対する適用性、および穴−開口と、一組の同心円溝とを備える開口−溝構造と比較して、より高いスループットが挙げられる。図17のLEDは、上部接点18と後部接点20との間に、pドープ領域36と、nドープ領域38とをさらに含む。
光ファイバ40の場合、光出力の所望の偏光に応じて、リング開口−溝構造(図18)または多重開口−溝構造(図19)のいずれかを使用することができる。光ファイバは、他の何らかの光学的構成要素に光を結合するために使用される、能動ファイバデバイス(例えば、ファイバレーザ、エルビウムドープファイバ増幅器)、または受動ファイバとすることができる。
開口−溝構造に基づく量子カスケードレーザためのビームコリメーションのシミュレーションの結果は、プラズモニックコリメータ(図20〜23)の設計の実現可能性および劇的な効果を示すのを援助する。図20は、図2の構成に従ってそのファセット上に規定される、最適化した1Dプラズモニックコリメータを伴う、λ=9.9μmの量子カスケードレーザ周辺の強度分布のシミュレーションの結果を示す。図21は、デバイスについて、計算した遠視野強度分布を示す。
図22および23は、それぞれ、図3の構成に従ってそのファセット上に規定される、最適化した1Dプラズモニックコリメータを伴う、λ=9.9μmの量子カスケードレーザについて、強度分布の2次元シミュレーションおよび計算した垂直遠視野強度分布を示す。これらのシミュレーションおよび計算(図20〜23)では、パターン化した15本の格子溝がレーザファセット上に存在する。プラズモニックコリメータを伴わないレーザ(図24および25)と比較して、上述の2つの設計の場合、材料層に対して垂直なビーム発散において1桁を超える低減が存在することに留意されたい。制御シミュレーションに関して、図24および25は、それぞれ、未改良のλ=9.9μmの量子カスケードレーザ−に対する、強度分布の2Dシミュレーションおよび計算した遠視野強度分布を示す。
金属膜によって部分的に覆われる開口14を伴う代替の設計を図26に示す。本実施形態では、例えばアルミナ、シリカ、またはカルコゲナイドガラスで形成される透明誘電体層48が、開口14を覆って位置付けられる。次いで、金属膜46が、誘電体層48を覆って位置付けられる。金属膜46は、開口14からの全ての放射線を表面プラズモン内に伝達し、該放射線は、格子溝16に向かって伝搬する。この構造の強度分布のシミュレーションを図27に示し、デバイスの計算した遠視野強度分布を図28に示す。シミュレーションおよび計算では、11本の格子溝が存在すると仮定する。
二重金属導波路構造を伴う代替の設計を図29に示す。本実施形態では、例えばアルミナ、シリカ、またはカルコゲナイドガラスで形成される透明誘電体層48が、活性領域22に隣接した開口14を覆って位置付けられる。透明誘電体層48は、外側金属層46と内側金属層50の間にはさまれる。光は、開口14を通って活性領域22から、透明誘電体層48内に進行する。光は、他の実施形態のように、外側金属層46内の一連のスリット開口47を通って透明誘電体層48を出て、強めあう干渉をするように、コリメートされた光出力を生成する。スリット開口47の間隔は、金属−誘電体−金属導波路モードの波長にほぼ等しい。スリット開口の正確な間隔および個々の開口の幅は、単一金属膜のプラズモニックコリメータに対して行われるものに類似する、コンピュータシミュレーションでさらに最適化することができる。この構造の強度分布のシミュレーションを図30に示し、デバイスの計算した遠視野強度分布を図31に示す。シミュレーションおよび計算では、55個のスリット開口が存在すると仮定する。
最後の段落における二重金属導波路構造は、その外側金属層46が1Dスリット開口アレイ47でパターン化されるので、1つの方向にだけしかコリメートしない。その代わりに、図32に見られるように、外側金属層46が、2D開口アレイ49(例えば、長方形の開口、円形の開口、リング開口、C字形またはH字形の開口、螺旋形の開口等)でパターン化される場合、構造は、2次元にコリメートすることができる。横方向および垂直方向における開口49の間隔は、金属−誘電体−金属導波路モードの波長にほぼ等しい。
(実験)
プラズモニックコリメーションを実証するために、モデルシステムとして量子カスケードレーザを使用する。リッジ量子カスケードレーザ上に1Dプラズモニックコリメータを作製した。リッジデバイスは、およそλ=9.9μmで放出し、分子ビームエピタキシによって成長させた。リッジデバイスは、2.1μmの能動領域の厚さ、および種々の活性領域幅を有した。
作製手順は、量子カスケードレーザのリン化インジウム基板内の格子溝の集束イオンビームミリングから始めた。次に、電気的絶縁のために、電子ビーム堆積を用いて厚さ200nmのアルミナ膜をレーザファセット上に堆積させ、熱堆積を用いて厚さ600nmの金膜を堆積させた。溝の壁もアルミナ膜および金膜によって覆われるように、多角堆積を行った。最後に、再び集束イオンビームミリングを用いて、レーザ活性コアの前に金膜を通る開口を開いた。集束イオンビームは、半導体内に滑らかな特徴をミリングするが、金属のミリングは、金属内の大きいサイズの微結晶により、顕著な粗さをもたらすので、−厚い金膜を最初に堆積し、その後に半導体に溝を切り込む代わりに(図3)−いずれかの堆積の前に半導体に溝を切り込む手順を選択する(図2)。
デバイスの2D遠視野放出パターンをマップするために、2つの電動式回転ステージを使用した。試験を行ったデバイスは、回転ステージのうちの一方に装着し、垂直平面内を回転できるようにした。中間赤外テルル化水銀カドミウム検出器を他方のステージに装着し、水平平面内を走査できるようにした。デバイスと検出器との間の距離は、約15cmに一定に保った。測定は、0.25°の分解能で実施した。パワーの測定は、較正付パワーメータで行った。直径6.5mmの金属収集管を有するパワーメータを、2mmのレーザの範囲内に設置し、したがって、レーザファセットの垂線に対して約±60°の角度範囲で、放出されたパワーを収集した。フーリエ変換赤外分光計を、スペクトル測定に使用した。
図33および34は、それぞれ、スリット開口と、24本の溝とを備える、1Dプラズモニックコリメータをパターン化する前、およびパターン化した後の、λ=9.9μmの量子カスケードレーザの走査電子顕微鏡画像を示す。プラズモニック構造をパターン化する前、およびパターン化した後に測定した2D遠視野強度分布は、それぞれ、図35および36に示され、垂直方向の発散の大幅な低減を実証している。レーザの偏光方向の2D遠視野放出の(図35および36の矢印に沿った)線走査は、それぞれ、図37および38に提供され、これらは、(本明細書で参照する場合、半値全幅として測定した)発散角度が、元々のデバイスの約63度から、1Dコリメータを伴うデバイスの約2.4度へと低減されたことを示している。線走査は、コリメータでパターン化したデバイスの背景の平均強度が、中央ローブのピーク値の10%未満であることも示している。図39は、1Dプラズモニックコリメータを規定する前、および規定した後の光出力対電流特性を示し、約100mWの最大出力パワーを実証する。パターン化したデバイスの光出力対電流特性のスロープ効率は、主として、表面プラズモンを自由空間内に結合する、プラズモニック格子の効率によって決定される。より大きいスロープ効率が、より多数の溝を伴う格子と相関することが分かった。図34に示される、24本の溝を伴うデバイスは、約180mWA−1のスロープ効率を有するが、これは、コリメータを伴わない元々のレーザのスロープ効率の約90%である。
2Dプラズモニックコリメータを、リッジ量子カスケードレーザ上、および埋め込みヘテロ構造量子カスケードレーザ上の両方に作製した。リッジデバイスは、およそλ=9.9μmで放出し、分子ビームエピタキシによって成長させた。埋め込みヘテロ構造デバイスは、およそλ=8.06μmで放出し、金属有機気相エピタキシーによって成長させた。リッジデバイスは、2.1μmの能動領域の厚さ、および種々の活性領域幅を有した。全ての埋め込みヘテロ構造デバイスの活性領域は、それぞれ、垂直方向で2.1μmおよび横方向で9.7μmの次元を有した。
2Dプラズモニックコリメーションの作製手順および遠視野測定準備は、本質的に、1Dプラズモニックコリメーションのものと同じであった。
2Dプラズモニックコリメータでパターン化した、λ=8.06μmの埋め込みヘテロ構造量子カスケードレーザについて綿密な研究を行った。パターン化されていないファセットを伴う元々のデバイス(図40)は、それぞれ、横方向においてθ=42度、垂直方向においてθ=74度の発散角度を有した(図41)。代表の埋め込みヘテロ構造量子カスケードレーザは、20本の円形の溝および2.1×1.9μmの開口を備える、プラズモニックコリメータでパターン化した(図42)。パターン化されていないデバイスと比較して、2Dコリメータでパターン化したレーザは、大幅に低減した発散角度を呈し(図43)、θおよびθは、3.7度および2.7度に等しく、元々のデバイスと比較して、横方向および垂直方向において、それぞれ、約10〜30倍の低減を表した。
プラズモニックコリメータは、単一のレーザ波長、例えばλ=8.06μmのために設計されているが、リングコリメータの設計は、レーザのスペクトル広がりに対してロバストである。例えば、最後の段落で論じられる、20本の格子溝でパターン化したデバイスの場合、駆動電流Idr=500mAにおいて、レーザスペクトル幅Δλは、ほぼ0.1μmであり、Δλは、Idr=600mAにおいて、約0.3μmまで急速に増加する。測定した遠視野発散角度は、異なる駆動電流において比較的に安定することが分かった。例えば、Idr=500および600mAにおいて、それぞれ、θは、2.6および2.7度に等しく、一方で、θは、3.7度にとどまる。
上述の横方向開口サイズw(図6の定義を参照のこと)は、θ、θ、およびパワー出力へのこのパラメータの影響を調査するために、集束イオンビームミリングを使用して段階的に増加させた。垂直開口サイズw=1.9μmは、一定のままとした。デバイスのスロープ効率は、開口幅の増加とともに予想通りに増加し、より高い最大パワーに至った(図44)。同時に、横方向発散角度θが増加しても、θはほぼ一定であった(表2)。θの挙動は、横方向開口サイズが増加するにつれて、表面プラズモンへの結合が効率的でなくなることによるものであった。この研究で調査した最も幅の広い開口(8.1μm)の場合、最大出力パワーは、パターン化されていないレーザの50%超であったが、発散角度(θ=2.4度およびθ=4.6度)は、それでも、元々のパターン化されていないデバイスと比較して、大幅に低減された。最大パワーおよび発散角度の横方向開口サイズwへの依存性を、表2に要約する。
リッジ量子カスケードレーザは、半絶縁性側部クラッド層の再成長を必要とする、埋め込みヘテロ構造量子カスケードレーザと比較して、容易に加工することができる。したがって、2Dプラズモニックコリメータが、リッジ導波管を伴うデバイスに対しても機能することを示せば有益である。2Dコリメーションは、図45および46に示されるように、λ=9.9μmのリッジ量子カスケードレーザに関して、成功裏に実証された。λ=8.06μmの埋め込みヘテロ構造デバイスに対する最適設計パラメータの簡単なスケーリングは、リッジデバイスに対して本質的に正しいパラメータを与えることが分かった。最適設計パラメータのリストを、表1に要約する。このデバイスの実験的な性能は、同じ数の溝を伴う埋め込みヘテロ構造デバイスで得られる性能に匹敵するものであった。リッジデバイスの発散角度は、10本の格子溝を伴うデバイスについて、θ=5.0度およびθ=8.1度であった。
結論として、系統的な実験およびシミュレーションは、好適に設計された1Dまたは2Dプラズモニックコリメータの量子カスケードレーザへの統合化が、1Dコリメーションに対する垂直方向、または2Dコリメーションに対する垂直方向および横方向の両方、のいずれかにおいて、ビームの発散角度を10倍を超えて低減することを示している。最適化したデバイスは、パターン化されていないレーザの出力パワーに匹敵する、高い出力パワーを保つ。2Dプラズモニックコリメータの設計は、本明細書では、埋め込みヘテロ構造およびリッジデバイスの両方に適用できることを示す。
本発明の実施形態の説明では、明確にするために特定の専門用語を使用している。説明のために、各特定の用語は、少なくとも、同様の目的を達成するように、同様の様態で動作する全ての技術的および機能的同等物を含むことを意図している。加えて、本発明の特定の一実施形態が複数のシステム要素または方法ステップを含む、一部の事例では、それらの要素またはステップは、単一の要素またはステップに置き換えられ得る。同様に、単一の要素またはステップは、同じ目的で用いられる複数の要素またはステップに置き換えられ得る。さらに、本発明の実施形態について、本明細書で種々の特性のパラメータが指定されている場合、それらのパラメータは、特に明記しない限り、1/20、1/10、1/5、1/3、1/2等だけ、またはそれらの四捨五入した近似値だけ上下に調整することができる。さらに、本発明を、その特定の実施形態を参照して示し、説明してきたが、当業者は、本発明の範囲を逸脱しない範囲で、形態および詳細において種々の置換および改変が行われ得ることを理解されるであろう。さらに、他の側面、機能、および利点も本発明の範囲内である。加えて、一実施形態に関連して本明細書で論じられるステップ、要素、および特徴は、同様に、他の実施形態と連動して用いることができる。本出願の全体を通して引用される、特許および特許出願を含む、全ての参考文献の内容は、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。それらの参考文献の適切な構成要素および方法は、本発明およびその実施形態のために選択され得る。さらに、発明の背景の項で定義される構成要素および方法は、本開示に必要不可欠なものであり、本発明の範囲内で、本開示内の他の場所で説明される構成要素および方法と連動して用いること、またはそれと置換することができる。

Claims (23)

  1. コリメートされた放射線を発生させるための装置であって、
    誘電体材料のファセットを含む放射線放出デバイスであって、該放射線放出デバイスは、放射線放出のための通路を規定する、放射線放出デバイスと、
    該誘電体材料上に被覆される金属膜であって、該金属膜は、少なくとも1つの開口と、該開口から漸増的に離間された一連の溝とを規定し、該少なくとも1つの開口を通って、該通路から放出される放射線が通過することができ、該少なくとも1つの開口において、表面プラズモンを発生させることができる、金属膜と
    を備え、該開口と該最も近い溝との間の距離は、連続的に離間した複数の溝の間の距離とは異なり、該複数の溝は、該開口からの直接放出および該溝からの放射線再放出が、強めあう干渉をして、コリメートされた放射線を遠視野で生成するように、表面プラズモンを散乱させて放射線再放出を生成するように構成されている、装置。
  2. 前記複数の溝は、それぞれ連続的に離間した溝の間の距離が、先行する連続的に離間した溝の間の距離よりも大きくなるように、前記開口から離間している、請求項1に記載の装置。
  3. 前記一連の溝は、前記開口の片側に提供され、少なくとも1つの溝は、該開口の反対側に提供され、該開口の該反対側には、より少ない数の溝が提供される、請求項1に記載の装置。
  4. 前記金属膜は、誘電体基板内の溝上に被覆され、該誘電体基板は、該金属膜内で前記溝の外形を提供する、請求項1に記載の装置。
  5. 前記金属膜は、前記金属膜を通る電磁放射線の透過を防止するように、少なくとも皮膚深度と同程度の厚さを有する、請求項4に記載の装置。
  6. 前記開口は、前記金属膜を通るまっすぐでない経路に沿って延在する、請求項1に記載の装置。
  7. 前記開口は、実質的に一貫した幅を有し、前記金属膜を通って曲折を伴う経路を横断する、請求項6に記載の装置。
  8. 前記開口は、C字形、H字形、および螺旋形から選択される形状を有する、請求項7に記載の装置。
  9. 前記溝は、前記誘電体材料から離れるように面する前記金属膜の表面上にある、請求項1に記載の装置。
  10. 前記放射線放出デバイスは、半導体レーザ、発光ダイオード、光ファイバ、ファイバ増幅器、およびファイバレーザから選択される、請求項1に記載の装置。
  11. コリメートされた放射線を発生させるための装置であって、
    誘電体材料のファセットを含む放射線放出デバイスであって、該放射線放出デバイスは、放射線放出のための通路を規定する、放射線放出デバイスと、
    該誘電体材料上に被覆される金属膜であって、該金属膜は、少なくとも1つの開口と、一連の溝とを規定し、該少なくとも1つの開口を通って、該通路から放出される放射線が通過することができ、該少なくとも1つの開口において、表面プラズモンを発生させることができる、金属膜と
    を備え、該開口は、実質的に一貫した幅を有し、該金属膜を通って曲折を伴う経路を横断し、該溝は、該開口において発生させられる表面プラズモンを散乱させて、放射線再放出を生成するように構成され、該開口からの直接放出および該溝からの該放射線再放出は、強めあう干渉をして、コリメートされた放射線を遠視野で生成する、装置。
  12. コリメートされた放射線を発生させるための装置であって、
    誘電体材料のファセットを含む放射線放出デバイスであって、該放射線放出デバイスは、放射線放出のための通路を規定する、放射線放出デバイスと、
    該誘電体材料上に被覆される金属膜であって、該金属膜は、少なくとも1つの開口と、該開口の片側にある一連の溝と、該開口のもう一方の側にあるより少ない数の溝とを規定し、該少なくとも1つの開口を通って該通路から放出される放射線が通過することができ、該少なくとも1つの開口において、表面プラズモンをそこで発生させることができる、金属膜と
    を備え、該一連の溝は、該開口において発生させられる表面プラズモンを散乱させて、放射線再放出を生成するように構成され、該開口からの直接放出および該一連の溝からの該放射線再放出は、強めあう干渉をして、コリメートされた放射線を遠視野で生成する、装置。
  13. コリメートされた放射線を発生させるための装置であって、
    第1の誘電体材料のファセットを含む放射線放出デバイスであって、該放射線放出デバイスは、放射線放出のための通路を規定する、放射線放出デバイスと、
    該第1の誘電体材料上に被覆される第1の金属膜であって、該第1の金属膜は、少なくとも1つの開口を規定し、該少なくとも1つの開口を通って該通路から放出される放射線が通過することができる、第1の金属膜と、
    該第1の誘電体材料から該第1の金属膜の反対側にある該第1の金属膜上に被覆される透明誘電体層であって、該放出された放射線は、該第1の金属膜内の該開口から該透明誘電体層を通過することができる、透明誘電体層と、
    開口の1次元格子または2次元開口アレイを規定する第2の金属層であって、該開口を通って、該放出された放射線が該透明誘電体層から通過することができ、該開口は、強めあう干渉をしてコリメートされた放射線を遠視野で生成する、複数の放射線放出を可能にするように離間している、第2の金属層と
    を備えている、装置。
  14. コリメートされた放射線を発生させるための方法であって、
    金属膜で被覆される放射線放出デバイスの通路内で放射線を発生させることであって、該金属膜は、該放射線の伝達のための開口と、該開口から漸増的に離間した一連の溝とを規定し、該開口と該最も近い溝との間の距離は、複数の連続的に離間した溝の間の距離とは異なる、ことと、
    該放射線を該金属膜の該開口に通過させて、該開口から伝搬する放出された放射線と、該溝を横断する表面プラズモンとを生成することであって、該溝は、該開口からの直接放出および該溝からの放射線再放出が、強めあう干渉をして、コリメートされた放射線を遠視野で生成するように、表面プラズモンを散乱させて該放射線再放出を生成する、ことと
    を含む、方法。
  15. 前記デバイスから放出される前記放射線は、該放出された放射線の伝搬方向に対して垂直な1次元、または該放出された放射線の伝搬方向に対して垂直な平面のいずれかにおいて、10°未満の半値全幅発散を有する、請求項14に記載の方法。
  16. コリメートされたデバイスから放出される前記放射線は、該放出された放射線の伝搬方向に対して垂直な1次元、または該放出された放射線の伝搬方向に対して垂直な平面のいずれかにおいて、5°未満の半値全幅発散を有する、請求項14に記載の方法。
  17. 前記溝は、前記表面プラズモンに対する共振溝空洞モードを作成する深度を有する、請求項14に記載の方法。
  18. 前記放射線放出デバイスは、自由空間波長λの放射線を放出し、前記溝は、λの20%未満である幅を有する、請求項14に記載の方法。
  19. 前記一連の溝は、前記開口の片側に位置付けられ、少なくとも1つの付加的な溝が、該開口の反対側に提供され、該付加的な溝は、該開口を横断して、表面プラズモンを該一連の溝へと反射するように機能する、請求項14に記載の方法。
  20. コリメートされた放射線を発生させるための装置を製造するための方法であって、
    レーザ活性コアを含む半導体基板上に誘電体膜を堆積させることと、
    次いで、該誘電体膜上に金属膜を堆積させることと、
    次いで、一連の漸増的に離間した溝を該金属膜内にミリングすることであって、該溝は、堆積されたとき該金属膜の厚さ未満の深度を有する、ことと、
    次いで、該レーザ活性コアの前に、該金属膜を通る開口をミリングすることと
    を含む、方法。
  21. 前記漸増的に離間した溝は、集束イオンビームミリング、フォトリソグラフィ、電子ビームリソグラフィ、マイクロコンタクトプリンティング、およびインプリントリソグラフィから選択される方法を介してミリングされる、請求項20に記載の方法。
  22. コリメートされた放射線を発生させるための装置を製造するための方法であって、
    レーザ活性コアを含む半導体基板に、一連の漸増的に離間した溝をミリングすることと、
    次いで、該ミリングした半導体基板上に誘電体膜を堆積させることと、
    次いで、該誘電体膜上に金属膜を堆積させることであって、該金属膜は、下層半導体基板内の該溝に適合する外形を有する、ことと、
    次いで、該レーザ活性コアの前に、該金属膜を通る開口をミリングすることと
    を含む、方法。
  23. 前記漸増的に離間した溝は、集束イオンビームミリング、フォトリソグラフィ、電子ビームリソグラフィ、マイクロコンタクトプリンティング、およびインプリントリソグラフィから選択される方法を介してミリングされる、請求項22に記載の方法。
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