JP2011502945A - カーボンナノチューブの保護 - Google Patents

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Abstract

本発明は、カーボンナノチューブと、高温にさらされたときにカーボンナノチューブを損傷または分解(例えば、酸化による)から保護する保護材料とを含む組成物に関する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、35U.S.C.§119(e)の下で2007年11月15日に出願された米国仮特許出願第60/988,144号(この参照によって、全ての目的のために本明細書の一部としてその全体が援用される)からの優先権を主張し、その利益を主張する。
本発明は、カーボンナノチューブおよび保護材料を含む組成物に関する。本発明は、さらに、組成物を印刷してそれを酸素含有雰囲気中で焼成するための方法と、このような方法によって製造されるデバイスとに関する。
カーボンナノチューブ(「CNT」)は、エレクトロニクスおよび材料産業においてますます多くの用途を見出している。様々な用途において、カーボンナノチューブは加工中に高温で酸素含有雰囲気に暴露され、そのような種類の環境への暴露は、CNTの最終用途の性能に有害である。またCNTはその最終用途の間にも攻撃的な化学条件に暴露され、老化および所望の特性の早期の損失をもたらし得る。
カーボンナノチューブは、円筒に巻き取られたグラファイトシートから本質的に得られる自己構築(self−assembling)ナノ構造である[非特許文献1]。このようなナノ構造は、単一の円筒形チューブで構成される場合には単層カーボンナノチューブ(SWNT)と呼ばれる[非特許文献2および3]。2つまたはそれ以上の同心チューブを有するCNTは、それぞれ、二層カーボンナノチューブ(DWNT)および多層カーボンナノチューブ(MWNT)と呼ばれる。SWNTの直径は、通常、約0.4nm〜3nmの範囲であり、長さは約10nm〜0.1センチメートルの範囲であり得る。本明細書における使用に適したCNTとしては、単層カーボンナノチューブ(SWNT)、二層カーボンナノチューブ(DWNT)、多層カーボンナノチューブ(MWNT)、小径カーボンナノチューブ(SDCNT、これらが有するチューブ層の数に関係なく、通常約3nm未満の直径を有する)、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
CNTは、導電性および高強度複合体、高容量電池のための電極材料、効率的な電界放出ディスプレイおよび放射線源、ならびに機能性ナノスケールデバイスを含む様々な種類の用途における使用を見出している[非特許文献4]。しかしながら、その広範な使用に対する第1の障害は、その合成、特にその精製に関連する高いコストにある。CNTの製造方法は全て、炭素系不純物を有する生成物を生じる。さらに、CNTの製造方法の大部分は金属触媒または支持金属触媒を使用し、これらは、炭素被覆された不純物として生成物中に残存する。
一般に、「非精製CNT」または「未処理(raw)CNT」という用語は、通常は、合成触媒残渣と、そして多くの場合、他の形態の炭素とまだ結合されている、製造されたままの状態のCNTおよび不純物を含むCNT材料を指す。いくつかの合成触媒残渣は、CNTの酸化または他の分解手段のための触媒であり得る。その他の非精製CNTは、レーザーアブレーションにより調製されて、合成触媒からのニッケルおよびコバルト残渣を含有するものを含む。
SWNTは、現在、アーク放電、レーザーファーネスアブレーション(特許文献1に記載される)、および化学蒸着(CVD)を含む様々な方法で製造されている。HiPco法は、金属触媒高圧一酸化炭素法である。これらの材料の製造の規模を拡大するための努力がなされているが、現在知られている全ての合成方法は、生成物中に大量の不純物をもたらす。例えば、炭素被覆された金属残渣は、通常、HiPco法により生じるCNT材料の20〜30重量%を構成し(非特許文献5)、そしてアーク放電法で形成される生成物の約60重量%は、ナノチューブでない炭素である。
カーボンナノチューブを組み込んだ組成物は、電界放出ディスプレイデバイス、およびその製造方法において有用であり、これらは特許文献2〜5において議論されており、それぞれ、全ての目的のために本明細書の一部としてその全体が援用される。
CNTが暴露され得る化学的に攻撃的な条件には、250℃よりも高い温度の酸素含有雰囲気への暴露、および電界放出ディスプレイデバイスが動作される条件が含まれる。科学的に攻撃的な条件には、超高層大気および大気圏外空間におけるフリーラジカル種および強力な放射線への暴露も含まれ得る。
カーボンナノチューブは、例えば、フラットパネルディスプレイの製造および動作中に損傷を与える条件を経験し得る。電界放出電子源、すなわち電界放出材料または電界エミッタ(カーボンナノチューブなど)を用いるカソードと、電界エミッタにより放出される電子による照射時に光を放出することができるリン光体とを有するフラットパネルディスプレイが提唱されている。フラットパネルディスプレイは、一連の高解像度の印刷ステップにより基材上に所望の材料を付着させることによって放出構造を構築して製造される。基材は、ペースト組成物が接着し得る任意の材料でよい。ペーストが非導電性であり、非導電性基材が使用される場合、カソード電極としての役割を果たし、電圧を印加して電子を針状炭素に供給するための手段を提供するために、導電体フィルムが必要とされるであろう。ケイ素、ガラス、金属、またはアルミナなどの耐火材料は、基材としての役割を果たすことができる。ディスプレイ用途のために、好ましい基材はガラスであり、ソーダ石灰ガラスが特に好ましい。ガラス上での最適な導電率のために、空気または窒素中(しかし、空気中が好ましい)、500〜550℃において、銀ペーストをガラス上に前焼成することができる。そのように形成した導電層は、次に、エミッタペーストによって重ね刷りすることができる。
様々な方法を使用して、上記のようなディスプレイにおける放出源としての役割を果たすためにカーボンナノチューブを基材に取り付けることができる。しかしながら、取付け手段は、電界エミッタカソードが入れられる装置の製造条件下、およびその使用の周囲の条件下、例えば、通常は真空条件および約450℃までの温度において耐性であり、その完全性を保持しなければならない。一般に、カーボンナノチューブを酸素保護材料と一緒に基材に取り付けるために適用できる組成物では、有機材料が使用される。好ましい方法は、カーボンナノチューブおよび有機ポリマーを含有するペースト組成物を所望のパターンで基材上にスクリーン印刷し、次に乾燥したパターン化ペーストを焼成することである。またペーストは、ガラスフリット、金属粉末もしくは金属塗料、またはこれらの混合物を含有してもよい。様々な種類の用途、例えばより細かい解像度を必要とする用途のために、好ましい方法は、光開始剤および光硬化性モノマーをさらに含むペーストをスクリーン印刷し、所望のペーストを光パターニングし、得られたパターン化ペーストを焼成することを含む。
カーボンナノチューブを含有する印刷可能な組成物は、通常、インク媒体中に懸濁される。媒体の役割は、微粒子成分、すなわちCNTおよびその他の任意の固体成分をペーストまたはインク中に懸濁および分散させ、そしてスクリーン印刷などの典型的なパターニング法のために適切なレオロジーを提供することである。媒体は、通常、高分子パッケージおよび溶媒を含むであろう。印刷可能な組成物中で使用することができるポリマーの例は、種々の分子量のエチルセルロースなどのセルロース樹脂およびアルキド樹脂である。高分子パッケージは、通常、選択された溶媒中に完全に溶解できるように選択され得る。
インク媒体中の溶媒は、必要な流動性および乾燥特性をペーストまたはインクに付与する。ブチルカルビトール、酢酸ブチルカルビトール、ジブチルカルビトール、フタル酸ジブチルおよびテルピネオールは、有機ベースの系のために有用な溶媒の例である。水も溶媒として使用することができる。これらのおよび他の溶媒は、所望の粘度および揮発度要件を得るように配合される。界面活性剤は、粒子の分散を改善するために使用することができる。オレイン酸およびステアリン酸のような有機酸、ならびにレシチンまたはGafac(登録商標)ホスファートなどの有機ホスファートは、典型的な界面活性剤である。DNAおよびRNAは、CNTのための界面活性剤として使用され得る。
スクリーン印刷されたペーストが光パターニングされる場合、ペーストは、光開始剤と、現像可能な結合剤と、例えば、少なくとも1つの重合可能なエチレン基を有する少なくとも1つの付加重合可能なエチレン性不飽和化合物で構成される光硬化性モノマーとを含有する。DuPontからのFodel(登録商標)ペースト組成物などの光画像形成可能な厚膜配合物は、この目的に適している。これらは、光開始剤および光モノマーなどの光画像形成可能な成分を含有する有機媒体中に、微粒子の形態の固体と、場合により、少量の低融点ガラスフリットとを含有する。通常、制御された厚さを有する均一なペースト層が基材上にスクリーン印刷される。層は低温で焼成されて乾燥される。所望のパターンを有するコンタクトフォトマスクが膜と直接接触して配置され、紫外線(UV)放射に暴露される。次に、膜は、弱い炭酸ナトリウム水中で現像される。これらのスクリーン印刷された厚膜を光画像形成することによって、10μmほどの小さい造作寸法を生じることができる。
米国特許第6,183,714号明細書 米国特許出願公開第02/074,932号明細書 米国特許出願公開第04/017,141号明細書 米国特許出願公開第04/169,166号明細書 米国特許出願公開第04/170,925号明細書
Iijima,Nature,1991,354,56−58 Iijimaら,Nature 1993,363,603−605 Bethuneら,Nature 1993,363,605−607 Baughmanら,Science,2002,297,787−792 Nikolaevら,Chem.Phys Lett.,1999,313,91−97
従って、カーボンナノチューブを有する組成物において、デバイスの製造または動作によって生じる攻撃的で損傷の可能性のある条件(上記の多くの条件など)に暴露されている間、カーボンナノチューブを保護し得る保護材料が必要とされている。保護材料が、所望の保護を提供するためにカーボンナノチューブに対するコーティングとして適用される必要がなければ、特に有用であり得る。
一実施形態では、本発明は、カーボンナノチューブおよび1つまたは複数の保護材料を含む物質の組成物を提供し、この組成物は、純粋なCNT(CNT neat)の酸化開始温度を少なくとも約5℃上回る酸化開始温度(勾配(ramped)熱重量分析により決定される場合)を有する。
別の実施形態では、本発明は、カーボンナノチューブおよび1つまたは複数の保護材料を含む物質の組成物を提供し、この組成物のサンプルは、約350C〜約450Cの範囲の温度で1時間実行される等温熱重量分析の最後に、試験の開始時のサンプル重量の少なくとも約85%である質量を有する。
さらなる実施形態では、本発明は、カーボンナノチューブと、B、Mo、TaおよびWからなる金属の群、ならびに/またはMoP、MoB、WP、WO、WO、LaB、TaN、TaS、MoO、BC、ビスマスガラス、AlB12、BN、MgB、ZrB、TiB、AsB、CeB、YB12、MgB、TaB、TaB、NbB、MoS、Sb、GeSe、Al、TiN、GeO、MoSi、およびWSからなる化合物の群から選択される1つまたは複数の材料とを混合物で含む物質の組成物を提供する。
さらに別の実施形態では、本発明は、カーボンナノチューブを保護するための材料の試験方法を提供する。
熱勾配(thermal ramping)を用いる初期試験の図である:a)硫化モリブデンによる抗酸化保護、b)タングステン粉末による抗酸化保護、c)WOにより実証される無効果、d)NiCoOにより実証される酸化促進(pro−oxidation)。 二次等温試験の図である:a)モリブデンナノ粉末、b)六ホウ化ランタン、c)リン化タングステン、d)タングステンナノ粉末。 保護および非保護および窒素焼成カーボンナノチューブエミッタの性能:◇窒素雰囲気中で焼成、○MoS保護を用いて空気中で焼成、□保護剤を用いずに空気中で焼成。
本明細書には保護材料が開示されており、そのうちの1つまたは組み合わせは、組成物中にカーボンナノチューブと混合されて、攻撃的で損傷の可能性のある条件への暴露中にカーボンナノチューブを保護する。本明細書の保護材料は、例えば、高温で生じ得る酸化に対する耐性をカーボンナノチューブに付与することができ、さらに、CNTの急速な酸化の開始が生じる温度を高くすることができる。本発明は特定の動作理論に限定されないが、保護材料によって提供されるCNTにおける有益な効果は、CNTの近くにおける気相ラジカルの捕獲または分解に関連することができ、酸化に対する犠牲的な材料をCNTの近くに提供するか、あるいはCNTの表面を酸化に対してより耐性にする。
本発明において使用するのに適した保護材料には、B、Mo、TaおよびWからなる金属の群、ならびに/またはMoP、MoB、WP、WO、WO、LaB、TaN、TaS、MoO、BC、ビスマスガラス、AlB12、BN、MgB、ZrB、TiB、AsB、CeB、YB12、MgB、TaB、TaB、NbB、MoS、Sb、GeSe、Al、TiN、GeO、MoSi、およびWSからなる化合物の群から選択される1つまたは複数の材料が含まれる。本明細書
において使用されるような保護材料は、Aldrich(Milwaukee,WI)またはAlpha Aesar(A Johnson Matthey Co.子会社(Ward Hill,MA))などの業者から市販されている。
代替実施形態では、本発明において使用するのに適した保護材料には、BおよびWからなる金属の群、ならびに/またはMoP、MoB、WP、WO、LaB、TaS、BC、AlB12、BN、MoS、SbおよびWSからなる化合物の群から選択される1つまたは複数の材料が含まれる。
さらなる代替実施形態では、本発明において使用するのに適した保護材料には、B、Mo、TaおよびWからなる金属の群、ならびに/またはMoB、WP、WO、WO、LaB、TaN、MoO、BC、ビスマスガラス、MoS、およびMoSiからなる化合物の群から選択される1つまたは複数の材料が含まれる。
さらなる代替実施形態では、本発明において使用するのに適した保護材料には、B、Mo、TaおよびWからなる金属の群、ならびに/またはMoB、WP、WO、WO、LaB、TaN、MoO、BC、ビスマスガラス、MoS、MoP、TaS、AlB12、BN、SbO、WS、およびMoSiからなる化合物の群から選択される1つまたは複数の材料が含まれる。
さらなる代替実施形態では、本発明において使用するのに適した保護材料には、BおよびWからなる金属の群、ならびに/またはMoB、WP、WO、LaB、BC、およびMoSからなる化合物の群から選択される1つまたは複数の材料が含まれる。
本明細書において使用するための保護材料は、本明細書で開示される保護材料の全群の全てのメンバーのうちのいずれか1つまたは複数でよい。しかしながら、保護材料はまた、本明細書で開示される保護材料の全群の部分群のメンバーのうちのいずれか1つまたは複数であってもよく、ここで、部分群は全群から1つまたは複数の他のメンバーを除外することにより形成される。結果として、このような場合の保護材料は、全群の個々のメンバーの種々の異なる組み合わせの全てにおいて保護材料の全群から選択され得る任意のサイズの部分群内の保護材料のうちのいずれか1つまたは複数であり得るだけではなく、部分群内のメンバーは、このようにして、部分群から除外された全群のメンバーの1つまたは複数の不在下で選択および使用され得る。保護材料の全群から種々のメンバーを除外することによって形成される部分群は、さらに、選択された個々のメンバーを除く全群の他の全てのメンバーの不在下で保護材料が使用されるように、全群の個々のメンバーであってもよい。
本明細書において使用されるような保護材料は、カーボンナノチューブが使用され得るデバイス上に付着または被覆されるか、あるいは適用される組成物中で、これらをカーボンナノチューブと混合することによって使用される。例えば、保護材料は、カーボンナノチューブと共に、上記のようにスクリーン印刷のために使用されるかあるいはパターニングのために使用される種類のインクまたはペースト中に懸濁され得る。本発明の組成物において、組成物は、組成物の全重量を基準として約0.01重量%〜約30重量%、または約0.01重量%〜約20重量%、または約0.01重量%〜約10重量%の量(種々の実施形態において)のカーボンナノチューブを含有し得る。
本明細書において開示される保護材料は、カーボンナノチューブを有する材料の組成物において、純粋なカーボンナノチューブ(すなわち、保護材料と混合されていない)の同じ条件下での性能と比較したときに、(a)酸化の開始が起こる温度の上昇、および/または(b)酸化による重量損失の量の低減を生じることができるとして、保護材料の分類を可能にする試験条件下での性能によって特徴付けられる。酸化温度の上昇および/または重量損失の低減などを生じるとしての本明細書の保護材料の分類は、同じ条件下で(a)酸化温度の上昇または重量損失の低減を組成物にほとんどまたは全く付与しない、および/または(b)組成物中のCNTの酸化を実際に促進すると思われる他の材料(本明細書での使用に適さない)の分類と対比される。
保護材料として本明細書で使用するのに適した材料の有利な性能と、本明細書における使用に適さない材料の不利な性能とを実証する1つの方法は、熱重量分析(「TGA」)、例えば勾配または等温TGAなどの使用を含む。TGAは、当該技術分野において知られており、E2008−08およびE2402−05などのASTM標準に記載されている技法である。このような目的のためのTGAは、例えば、TA Instruments−Waters LLC(109 Lukens Drive,New Castle DE 19720)から得られるHi−Res TGA 2950熱重量アナライザーにおいて実行することができ、TA Instrumentsのソフトウェア−「Universal Analysis 2000」ソフトウェア(バージョン3.88)を用いて得られる結果の分析を含む。
カーボンナノチューブおよび保護材料の組成物がTGAにより分析される場合、サンプルは、例えば、約25重量%のCNTおよび約75重量%の保護材料を含有し得る。分析は空気または選択される気体中で実行することができ、温度プロファイルは、例えば、室温(例えば、約25℃)で開始され、そしてサンプルの温度は、約10℃/分で約500℃まで勾配させることができる。ソフトウェアを用いて、初期重量に接するラインを引き、急速な重量損失の開始後に曲線の傾斜に接する第2のラインを引くことができる。これらの2本のラインの交差点を酸化開始温度とすることができる。次に、純粋なCNTの酸化開始温度をCNTおよび保護材料の組成物の酸化開始温度から差し引くことができる。試験すべきサンプルが、吸収された水分の乾燥による少量の初期重量損失を示す場合、初期重量を200℃における重量とすることによってこれに対する補正が行われ、その後の重量は全てその重量を基準とする。
上記のようにして勾配TGAにより試験される場合、本明細書において使用されるような保護材料を含有する組成物は、純粋なCNTの酸化開始温度を少なくとも約5℃、または少なくとも約10℃、または少なくとも約15℃、または少なくとも約20℃、または少なくとも約25℃上回る酸化開始温度(種々の実施形態において)を有し得る。
あるいは、カーボンナノチューブおよび保護材料の組成物が勾配TGAによって分析される場合、サンプルは、例えば、約25重量%のCNTおよび約75重量%の保護材料を含有し得る。分析は空気または選択される気体中で実行することができ、温度プロファイルは、例えば、室温(例えば、約25℃)で開始され、そしてサンプルの温度は、約10℃/分で約500℃まで勾配させることができる。得られる温度曲線のグラフ表示の変曲点は、200℃と450℃との間の最終重量保持パーセントとして記録される。本明細書において使用されるようなCNTおよび保護材料の組成物は、約350℃またはそれよりも高い変曲点と、約85%よりも高い、または約90%よりも高い、または約95%よりも高い、または約98%よりも高い約200℃と約450℃との間の最終重量保持(種々の実施形態において)とを有し得る。
あるいは、カーボンナノチューブおよび保護材料の組成物がTGAにより分析される場合、サンプルは、例えば、約25重量%のCNTおよび約75重量%の保護材料を含有し得る。分析は空気または選択される気体中で実行することができ、温度プロファイルは例えば室温で開始され、そしてサンプルの温度は、できるだけ急速に(例えば、約200℃/分の速度で)選択される温度まで勾配させることができ、次に、サンプルがその温度で60分にわたって経験する重量損失量が決定される。等温重量損失の測定のために選択される温度は、例えば、約350℃またはそれ以上、約400℃またはそれ以上、約425℃またはそれ以上、あるいは約450℃またはそれ以上などの、酸化が起こり得るレベルまで上昇される温度でよい。上記のような試験を実行する前に、保護材料において同じ選択温度で1時間等温TGAを実施して、保護材料自体に起因するいずれの質量変化も決定および適切に補正することが必要な場合もある。
上記のようにして等温TGAにより選択温度で試験される場合、本明細書において使用されるような保護材料を含有する組成物は、試験の最後に、試験開始時のサンプル重量の少なくとも約85%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約98%である(種々の実施形態において)質量を有し得る。
一般に、25%またはそれ以上の重量損失はカーボンナノチューブの完全な損失を示すが、場合によっては、保護材料はいくらかの水を保持し、従って、通常、200℃よりも前の初期重量損失が観察される。これは分析に組み込まれる。いくつかの候補無機酸化保護添加剤は実際に酸化され、酸素が保有される場合には重量が上昇し、さらに候補材料の一部が気相種として失われると減少し得る。これらの効果は通常明らかである。最後に、重量損失が瞬間的であるいくつかの場合が存在し得る。これは、通常、円滑で連続的な酸化ではなく実際の火炎による燃焼の現れである。
本明細書の組成物は、カソードアセンブリ、三極管アセンブリおよび/または電界放出デバイス、ならびにこれらの製造方法において有用であり、これらは、米国特許出願公開第02/074,932号明細書、米国特許出願公開第04/017,141号明細書、米国特許出願公開第04/169,166号明細書、および米国特許出願公開第04/170,925号明細書において議論されており、これらはそれぞれ、全ての目的のために本明細書の一部としてその全体が援用される。カソードアセンブリは、基材、カソード電極、電界エミッタ、および電荷散逸(charge dissipation)層を順不同に含有し得る。三極管アセンブリは、カソードアセンブリと同じ要素に加えて、ゲート電極を含有し得る。電界放出デバイスは、カソードアセンブリまたは三極管アセンブリおよびアノードアセンブリを含有し、ここでアノードアセンブリは、基材、アノード電極およびリン光体層を含有し得る。本発明の組成物は、電子放出材料のCNTを含有するので、電界エミッタとしての役割を果たすことができる。
以下の実施例は、本発明の特定の実施形態を実証するために提供され、本発明はいかなる点でもこれらの実施例に限定されない。以下の実施例において開示される方法は単に本発明の例示的な実施形態を表すだけであり、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、類似または同様の結果を得ながらも、本明細書に記載される特定の実施形態において多くの変更がなされ得ることは認識されるべきである。
一般的な手順
米国特許第6,183,714号明細書に従ってファーネスレーザーアブレーションにより調製されるカーボンナノチューブは、Aldrich(Milwaukee,WI)またはAlpha Aesar(A Johnson Matthey Co.子会社(Ward Hill,MA))から購入される候補保護材料と共に粉末状にした。候補保護材料は研究室用ミルで粉末状にした[CertiPrep 5100 ミキサー/ミル、SPEX,LLC(Metuchen,NJ)]。カーボンナノチューブ(約25mg)を2mLステンレス鋼粉砕バイアルに添加し、次に約75mgの候補保護材料を添加した後、7mmのステンレス鋼粉砕ボールを添加した。容器にフタをし、エレクトリカルテープ(electrical tape)により密封した後、小型研究室用ミルに5分入れた。次に、微粉化サンプルを熱重量分析により分析した。
熱重量分析は、Hi−Res TGA 2950熱重量アナライザー(TA Instruments−Waters LLC(109 Lukens Drive,New Castle,DE 19720))において実行した。結果の分析は、TA Instrumentsのソフトウェア(「Universal Analysis 2000」ソフトウェア、バージョン3.88)を用いて実行した。約2〜15mgのサイズのサンプルをオープン白金パン内に秤量した。40ml/分の気体流量の空気中で分析を実行した。室温で分析を開始し、10℃/分で500℃まで勾配させた。サンプルの多くは、吸収された水分の乾燥による少量の初期重量損失を示した。これを補正するために、初期重量を200℃における重量であるとし、その後の重量は全てその重量を基準とした。機器と共に利用可能なソフトウェアを使用して、初期重量に接するラインを引き、急速な重量損失の開始後に曲線の傾斜に接する第2のラインを引いた。これらの2本のラインの交差点を酸化開始温度とした。純粋なナノチューブの酸化開始温度を、ナノチューブと候補保護材料との粉末状混合物の酸化開始温度から差し引いた。次に、純粋なナノチューブの開始温度を粉末状混合物の開始温度から差し引くことによって保護指数(Protection Index)を計算した。5よりも大きいPIの値が望ましいと考えた。20よりも大きいPI値が好ましい。
5よりも大きいPIを与えるサンプルは、CNTに保護を付与すると言われた。負のPI値を与えるサンプルは酸化促進剤であり、実際に、CNTをより酸化しやすくする。この種類の化合物には、触媒残渣中に見ることができる酸化鉄、酸化コバルトおよび酸化ニッケルが含まれた。これらには、Ag、SnO、TiO、V、Cr、Fe、NiCoO、NiO、CuO、SiO、PdO、PtO、PbOおよびRuOも含まれた。
一般に、25%の重量損失はカーボンナノチューブの完全な損失を示したが、考慮すべきさらなる因子が存在した。候補無機酸化保護添加剤がいくらかの水を保持している場合、通常、200℃よりも前の初期重量損失が観察された。これは、分析に組み込まれた。いくつかの候補無機酸化保護添加剤は実際に酸化され、酸素が保有される場合には重量が上昇し、あるいはさらに候補材料のいくらかの断片が気相種として失われると減少し得る。これらの効果は通常明らかであった。最後に、重量損失が瞬間的であり得るいくつかの場合が存在した。これは、通常、円滑で連続的な酸化ではなく実際の火炎による燃焼の現れであった。
実施例1−硫化モリブデンの初期評価
ファーネスレーザーアブレーションによって調製されたカーボンナノチューブ(25mg)を硫化モリブデン(75mg、Alfa Aesar、ロット#100935、[1317−33−5]、FW160.08)と混ぜ合わせた。研究室用ミル[CertiPrep 5100ミキサー/ミル、SPEX,LLC(Metuchen,NJ)]の2mLのステンレス鋼粉砕バイアル内に、混合物を7mmのステンレス鋼粉砕ボールと共に入れた。容器にフタをし、エレクトリカルテープにより密封した後、5分間粉砕した。次に、十分に混合した微粉化サンプルを熱重量分析により分析した。
熱重量分析は、Hi−Res TGA 2950熱重量アナライザーにおいて実行した。結果の分析は、TA Instrumentsのソフトウェアを用いて実行した。約2〜15mgのサイズのサンプルをオープン白金パン内に秤量した。40ml/分の気体流量の空気中で分析を実行した。周囲温度で分析を開始し、10℃/分で500℃まで勾配させた。熱痕跡は図1Aに示される。酸化の開始は、保護されていないカーボンナノチューブで観察された320℃よりも十分高い454℃で生じた。従って、この硫化モリブデンは、CNTに対する保護を提供するとみなされた。
実施例2−多数のサンプルの初期評価
この方法によって評価されるその他の化合物は、表1に列挙される。サンプル乾燥の補正により、200℃において全ての質量は100%であるようにされる。添加剤を含まないカーボンナノチューブの対照サンプルは表の中央に示され、そのすぐ上または下の化合物は、統計的に対照と異ならない。図1に示される説明となる例は、観察される挙動の範囲を実証する。図1Aは、実施例1において上記で議論されるように有用な保護材料の硫化モリブデンである。図1Bは、タングステン粉末の保護効果を示す。図1Cは、酸化タングステンが実質的に効果を表示しないことを示す。図1Dは、NiCoOが酸化促進剤であり、早期の酸化の開始を引き起こすことを示す。
Figure 2011502945
Figure 2011502945
実施例3−混合保護剤の初期評価
保護材料の組み合わせの効力を試験するために、カーボンナノチューブと、表1に示される試験からのAlB12およびAlNとの予混合サンプルを十分に混ぜ合わせて混合した。次に同じ方法でサンプルを試験し、400℃において酸化の開始を示した。これは、AlB12およびAlNについてそれぞれ380℃および376℃であることが分かった個々のそれぞれよりも改善されている。
二次等温評価のための一般的な手順
上記のスクリーニング法において有望なサンプルに二次試験を受けさせた。二次試験では、予備スクリーンからの粉砕サンプルをTGAにより再度試験した。サンプルはできるだけ急速に(約200℃/分)所望の温度まで加熱され、次にその温度で1時間、質量を時間の関数として監視した。これらの実験は、350℃、400℃、425℃および450℃で実行した。重量損失パーセントは、これらの温度のそれぞれにおける酸化速度を示した。いくつかの保護材料は温度の全てにおいて酸化安定性を付与したが、他のものはより低い温度のいくつかにおいてのみ安定性を付与した。保護材料がゆっくり酸化すると質量が実際に上昇するいくつかの興味深い場合が存在した。これらの材料ついて、ナノチューブの有無による2つの酸化速度を比較して基本的なCNTの酸化がないことを確信できるように、カーボンナノチューブを含まない保護材料において対照試験を実行した。サンプルは、カーボンナノチューブの少なくとも半分が1時間の加熱に耐える場合に、この試験に合格と言われた。
実施例4−モリブデンナノ粉末の二次等温評価
ファーネスレーザーアブレーションによって調製されたカーボンナノチューブ(25mg)をモリブデンナノ粉末(75mg、AldrichカタログNo.577987−5g、<100nm)と混ぜ合わせた。研究室用ミル[CertiPrep 5100ミキサー/ミル、SPEX,LLC(Metuchen,NJ)]の2mLのステンレス鋼粉砕バイアル内に、混合物を7mmのステンレス鋼粉砕ボールと共に入れた。容器にフタをし、エレクトリカルテープにより密封した後、5分間粉砕した。次に、十分に混合した微粉化サンプルを熱重量分析により分析した。
熱重量分析は、Hi−Res TGA 2950熱重量アナライザーにおいて実行した。結果の分析は、TA Instrumentsのソフトウェアを用いて実行した。約2〜15mgのサイズの4つの異なるサンプルをオープン白金パン内に秤量した。40ml/分の気体流量の空気中で分析を実行した。室温(約25℃)で分析を開始し、できるだけ急速に350℃まで勾配させ、次に、その温度で60分間にわたって重量損失パーセントを監視した。別のサンプルを400℃、425℃および450℃において同様に分析した。熱痕跡は図2Aに示される。勾配プロセス中の初期重量損失の後、350℃および400℃で1時間にわたって重量は事実上変化せず、425℃では3%増加し、450℃では8%の質量が増加した。従って、モリブデンナノ粉末は、CNTに対する保護を提供するとみなされた。
実施例5−多数のサンプルの二次評価
初期スクリーンで保護的であるとみなされ、二次的な方法によって評価されたその他の化合物は表2に列挙される。1つまたは複数の条件下で、最初の5つのサンプルは実際に質量が増大し、保護材料がいくらかの酸化を受けたことを示すことに注意する。従って、最初の化合物のケイ化モリブデンは、少なくとも部分的に酸化されて酸化モリブデンおよび二酸化ケイ素になった。別の材料の犠牲的な酸化は、カーボンナノチューブを酸化から保護する手段である。サンプル乾燥の補正により、全ての質量は350℃の初期重量において100%であるようにされる(350−I)。
添加剤を含まないカーボンナノチューブの対照サンプルは表の中央に示され、そのすぐ上または下の化合物は、統計的に対照と異ならない。図2に示される説明となる例は、観察される挙動の範囲を実証する。図2Aは、実施例3からの良好な保護材料のモリブデンナノ粉末である。図2Bは六ホウ化ランタンの保護効果を示し、全ての温度において質量のほんのわずかな減少が存在する。図2Cは、リン化タングステンが350℃において保護的であり、より高い温度では有効性が減少するので、全てのカーボンナノチューブが450℃で1時間後に消失することを示す。図2Dは、タングステンナノ粉末は350℃および400℃においていくらかの保護を提供するが、より高い温度では、その後のタングステンナノ粉末の酸化および重量増加によって覆われる比較的急速な初期重量低下が存在することを示す。
Figure 2011502945
電界放出デバイスにおける酸化保護を評価するための一般的な方法
2つの電極(一方はアノードまたはコレクタの役割を果たし、他方はカソードの役割を果たす)で構成されるフラットプレート放出測定装置を用いて、得られたサンプルに対して電界放出試験を実行した。カソードは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ホルダーに取り付けられた銅ブロックからなる。銅ブロックをPTFEの1インチ×1インチ(2.5cm×2.5cm)の凹領域に配置し、サンプル基材を銅ブロックに取り付け、銅テープによって銅ブロックとサンプル基材との間に電気接点を作製する。高電圧リードを銅ブロックに取り付ける。アノードは、距離を隔ててサンプルと平行に保持する。この距離は変えることができるが、一度選択したら、サンプルにおける所与の一連の測定に対して固定したままにした。他に記載されない限り、1.25mmの間隔を使用した。アノードは、化学蒸着により付着された酸化インジウムスズで被覆されたガラスプレートからなる。次に、Electronic Space Products Internationalから入手される標準的なZnSベースのリン光体Phosphor P−31、タイプ139で被覆される。電極は、酸化インジウムスズコーティングに取り付けられる。
試験装置を真空系に挿入し、系を排気して、1×10−5トル(1.3×10−3Pa)のより低い基準圧力にした。60Hzの周波数で通常パルス幅が3μ秒の負電圧パルスをカソードに印加し、放出電流を印加電圧の関数として測定した。放出電流の結果としてリン光体によって放出される画像をカメラで記録する。
実施例6−硫化モリブデンによって保護された電界放出デバイスにおける酸化保護の評価
ファーネスレーザーアブレーションより調製されるカーボンナノチューブを3つの異なる条件下で調査した。3つのサンプルについて、印加電圧の関数としての放出電流を測定した。全てを1/1000負荷サイクルで測定した。3つ全てをベルト炉において420℃で焼成し、次にテープ活性化した。結果は、図3に示される。一番上の曲線は、窒素雰囲気中で焼成された非保護の材料であり、系の最適な性能を示す。一番下の曲線は、窒素中ではなく空気中で420℃において焼成した同じサンプルである。カーボンナノチューブの酸化のために、放出は著しく低下する。中央の曲線は、空気中で420℃において焼成された同じ材料であるが、硫化モリブデンナノ粒子を含有する材料である。放出は窒素中で焼成されたサンプルよりも低下されるが、空気中で硫化モリブデンなしに焼成されたサンプルよりも著しくよい。
本明細書において数値の範囲が列挙または確立される場合、その範囲はその両端点ならびに範囲内の個々の整数および分数を全て含み、そして、表示範囲内の値のより大きい群の部分群を形成するためにこれらの端点ならびにその中の整数および分数の種々の可能な組み合わせの全てによって形成されるその範囲内のより小さい範囲のそれぞれも、これらのより狭い範囲のそれぞれが明白に列挙された場合と同じ程度まで含む。本明細書において数値の範囲が表示値よりも大きいと記載される場合、その範囲はそれでもなお有限であり、本明細書において記載される本発明の文脈の中で動作可能な値によってその上端において束縛される。本明細書において数値の範囲が表示値よりも小さいと記載される場合、その範囲はそれでもなおゼロでない値によってその下端において束縛される。
本明細書において、他に明確に記載されない限り、あるいは用法の文脈によってそうではないと指示されない限り、本明細書において列挙される量、サイズ、範囲、配合、パラメータ、ならびにその他の量および特徴は、特に「約」という用語によって修飾される場合には、正確であることもあるが正確である必要はなく、概数であってもよいし、そして/あるいは表示されるよりも大きくても小さくても(所望されるように)よく、これは、許容範囲、換算係数、四捨五入、測定誤差などを反映すると共に、本発明の文脈の中で表示値の機能的および/または動作可能な等値を有する範囲外の値を表示値の中に含めることも示される。

Claims (10)

  1. カーボンナノチューブおよび1つまたはそれ以上の保護材料を含む組成物であって、純粋なCNTの酸化開始温度を少なくとも約5℃上回る酸化開始温度(勾配熱重量分析によって測定して)を有する組成物。
  2. 組成物の全質量を基準として約0.01質量%〜約20質量%の量のカーボンナノチューブを含む請求項1に記載の組成物。
  3. さらに、ポリマー、溶媒、光開始剤、結合剤、光硬化性モノマー、光酸発生剤および酸可溶化成分のうちの1つまたはそれ以上を含む請求項1に記載の組成物。
  4. 印刷可能なペーストまたはインクの形態である請求項1に記載の組成物。
  5. 組成物のサンプルが、約350℃〜約450℃の範囲の温度で1時間実行された等温熱重量分析の最後に、試験開始時のサンプルの質量の少なくとも約85%である質量を有する請求項1に記載の組成物。
  6. 保護材料が、B、Mo、TaおよびWからなる金属の群、ならびに/またはMoP、MoB、WP、WO、WO、LaB、TaN、TaS、MoO、BC、ビスマスガラス、AlB12、BN、Ta、MgB、ZrB、TiB、AsB、CeB、YB12、MgB、TaB、TaB、NbB、MoS、およびWSからなる化合物の群から選択される1つまたはそれ以上の材料を含む請求項1に記載の組成物。
  7. 保護材料が、B、Mo、TaおよびWからなる金属の群、ならびに/またはMoB、WP、WO、WO、LaB、TaN、MoO、BC、ビスマスガラス、MoS、MoP、TaS、AlB12、BN、SbO、WS、およびMoSiからなる化合物の群から選択される1つまたはそれ以上の材料を含む請求項1に記載の組成物。
  8. 請求項1に記載の組成物を含むカソードアセンブリ、三極管アセンブリまたは電界エミッタ。
  9. カーボンナノチューブおよび1つまたはそれ以上の保護材料を含む組成物であって、組成物のサンプルが、約350℃〜約450℃の範囲の温度で1時間実行された等温熱重量分析の最後に、試験開始時のサンプルの質量の少なくとも約85%である質量を有する組成物。
  10. カーボンナノチューブと、B、Mo、TaおよびWからなる金属の群、ならびに/またはMoP、MoB、WP、WO、WO、LaB、TaN、TaS、MoO、BC、ビスマスガラス、AlB12、BN、Ta、MgB、ZrB、TiB、AsB、CeB、YB12、MgB、TaB、TaB、NbB、MoS、およびWSからなる化合物の群から選択される1つまたはそれ以上の材料とを混合物で含む物質の組成物。
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