JP2011258492A - 発光装置及び発光装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】額縁部の小さな有機EL装置を得る。
【解決手段】基板上に発光領域100と発光領域100の外側に設けられた接続領域とを備える発光装置であって、発光領域100には第1電極52と第2電極56と第1電極52と第2電極56との間に設けられた発光機能層54とを有する発光素子50を有し、接続領域には第2電極56と電気的に接続された第2電極配線22が設けられ、第2電極56は、発光領域100及び接続領域に形成されており、接続領域の少なくとも一部には第2電極56と第2電極配線22との間に第1の層88が設けられており、第2電極56と第2電極配線22とは、第1の層88の少なくとも一部に設けられたレーザーの照射により形成されたコンタクト部24において電気的に接続されていることを特徴とする発光装置。
【選択図】図4

Description

本発明は、発光装置及び発光装置の製造方法に関する。
画像表示可能な発光装置の一つとして、有機EL(エレクトロルミネッセンス)層に電流を印加することにより生じる発光を利用して画像を表示する有機EL装置が知られている。有機EL装置は、陽極(第1電極)と少なくとも有機EL層を含む発光機能層と陰極(第2電極)とが積層されてなる発光素子としての有機EL素子が発光領域内に規則的に配置されており、個々の有機EL素子の発光を制御することで発光領域に画像を形成している。上述の制御は、有機EL素子毎に独立している陽極に電圧を印加することで行われる。そして陰極は、発光領域内で、すなわち全ての有機EL素子間で同電位である。
有機EL装置の形式のひとつとして、基板上に個々の有機EL素子を制御する薄膜トランジスター等からなる素子層が形成されており、有機EL素子は該素子層の上層に層間絶縁膜を介して配置されている形式がある。かかる形式の有機EL装置では、陰極は、発光領域の外側の周辺領域において、素子層と略同一の層に形成された陰極配線と接続されている。そして、例えば特許文献1に示す従来の有機EL装置では、かかる接続が層間絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介して成されている。
図1に、かかる従来の陰極56と陰極配線の接続の態様を示す。基板10上には、有機EL素子と該有機EL素子を制御する制御用薄膜トランジスターが規則的に配置された発光領域100が形成されており、陰極56は該発光領域の周囲まで延在している。すなわち陰極56は、発光領域100内に規則的に配置された一群の制御用薄膜トランジスターを覆うよう形成されている。そして陰極配線は、発光領域100を囲む接続領域26内において、上述の薄膜トランジスターと略同一の層に形成されている。陰極56は、陰極配線等を覆う層間絶縁膜が形成され、陰極配線上の層間絶縁膜にフォトリソグラフィー法によりコンタクトホールが形成された後、発光領域100と該コンタクトホールを覆うように、マスク成膜法(マスク蒸着法又はマスクスパッタ法)により形成される。
特開2003−288994号公報
しかし、上述の従来の有機EL装置は、コンタクトホールが形成された後に陰極56を成膜するため、成膜時に合せずれを考慮して、陰極56と接続領域26とが重なる領域(図1において網状のハッチングが施された領域)を広く設定する必要がある。したがって、基板10内に占める発光領域100が相対的に縮小されることとなり、有機EL装置の額縁部が大きくなってしまうといった課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例にかかる発光装置の製造方法は、基板上に、第1電極と、第2電極と、上記第1電極と上記第2電極との間に設けられた発光機能層とを有する発光素子を備える発光領域と、上記第2電極と電気的に接続された第2電極配線を備える上記発光領域の外側の接続領域と、を有する発光装置の製造方法であって、上記基板上に上記第2電極配線を形成する第1の工程と、上記第2電極配線の少なくとも一部を覆うように第1の層を形成する第2の工程と、上記第2電極配線と上記第1の層とが積層された領域の少なくとも一部を覆うように上記第2電極を形成する第3の工程と、上記第2電極配線と上記第1の層と上記第2電極とが積層された領域にレーザーを照射して上記第1の層の少なくとも一部を除去する第4の工程と、を順に実施することを特徴とする。
このような製造方法であれば、第2電極配線と第2電極とが重なり合った部分を有効に利用できる。したがって合せずれが発生した場合を考慮しても、接続領域を拡大せずに第2電極配線と第2電極との電気的接続を確保することができ、発光装置を狭額縁化することができる。
[適用例2]上述の発光装置の製造方法であって、上記第3の工程において、上記第2電極は、マスク成膜法により形成されることを特徴とする発光装置の製造方法。
このような製造方法であれば、第2電極と第2電極配線が重なった領域にレーザー照射を行うことができるため、成膜精度の不足を補うことができる。したがって、品質等に影響を与えることなく製造コストを低減できる。
[適用例3]本適用例にかかる発光装置は、基板上に、発光領域と、上記発光領域の外側に設けられた接続領域と、を備える発光装置であって、上記発光領域には、第1電極と、第2電極と、上記第1電極と上記第2電極との間に設けられた発光機能層と、を有する発光素子を有し、上記接続領域には、上記第2電極と電気的に接続された第2電極配線が設けられ、上記第2電極は、上記発光領域及び上記接続領域に形成されており、上記接続領域の少なくとも一部には、上記第2電極と上記第2電極配線との間に、第1の層が設けられており、上記第2電極と上記第2電極配線とは、上記第1の層の少なくとも一部に設けられたレーザーの照射により形成されたコンタクト部において電気的に接続されていることを特徴とする。
このような構成であれば、第2電極配線と第2電極とが重なり合った部分を有効に利用できる。したがって、合せずれを考慮して接続領域を拡大せずに、第2電極配線と第2電極と導通すなわち電気的接続を確保でき、発光装置を狭額縁化することができる。
[適用例4]上述の発光装置であって、上記第1の層は、上記発光素子を制御する薄膜トランジスターのゲート絶縁膜であることを特徴とする発光装置。
ゲート絶縁膜は他の層に比べて薄いため、上述のコンタクト部を容易に形成できる。したがってこのような構成であれば、製造コストの増加を抑制しつつ発光装置を狭額縁化することができる。
[適用例5]上述の発光装置であって、上記第1の層は上記発光機能層であることを特徴とする発光装置。
発光機能層を含む発光素子を備える発光装置は、該発光機能層の層厚均一性を向上させるために発光領域の周囲にダミー画素を備える場合が多い。したがって上述の構成であれば、該ダミー画素内に上述のコンタクト部を形成できるため、発光装置をより一層狭額縁化することができる。
[適用例6]本適用例にかかる発光装置は、基板上に、第1電極と、第2電極と、上記第1電極と上記第2電極との間に設けられた発光機能層と、を有する発光素子と、平面視において、上記第1電極が形成されていない領域に、上記第2電極と電気的に接続された第2電極配線と、を有し、上記第2電極と上記第2電極配線とは、上記発光機能層の少なくとも一部に設けられたレーザーの照射により形成されたコンタクト部において電気的に接続されていることを特徴とする。
透明導電性を有する第2電極を介して発光を射出する発光装置の場合、発光領域の中央近傍での発光強度の低下を抑制するために、基板側に第2電極配線を形成する場合が多い。かかる場合において、このような構成であれば第2電極配線とコンタクト部との合せずれを考慮する必要が無くなり、第2電極配線を細く形成できる。したがって、基板の一方の面上に形成される第1電極の面積を増加させることができ、発光強度等を向上できる。また第2電極配線を細く形成できるため、装置全体の形状を狭額縁化することができる。
[適用例7]上述の発光装置であって、上記第1電極と上記第2電極配線とは、第2の層に設けられていることを特徴とする発光装置。
このような構成であれば積層構成を簡略化でき、製造コストを低減できる。
[適用例8]上述の発光装置であって、上記第1電極は、第1の第1電極と、第2の第1電極と、を有し、平面視において、上記第2電極配線は、上記第1の第1電極と、上記第2の第1電極との間に設けられていることを特徴とする発光装置。
このような構成であれば第2電極の面抵抗を発光領域内において一層均一化できる。したがって、発光領域内における発光強度のばらつきが低減された発光装置を得ることができる。
[適用例9]上述の発光装置であって、上記第1電極と上記第2電極配線との間には、層間絶縁膜が設けられ、上記第2電極と上記第2電極配線とは、上記発光機能層及び上記層間絶縁膜の少なくとも一部に設けられたレーザーの照射により形成された上記コンタクト部において電気的に接続されていることを特徴とする発光装置。
このような構成であれば、発光領域内に占める第1電極の面積を増加させることができる。そして、コンタクト部で第1電極と第2電極配線と接続させるため、発光領域内における第1電極の面抵抗を均一化できる。したがって、発光装置の形状等を増加させることなく発光領域内における発光強度のばらつきを低減できる。
従来の有機EL装置の陰極と陰極配線の接続の態様を示す図。 第1の実施形態の有機EL装置の回路構成図。 第1の実施形態の有機EL装置を光が射出される側から見た模式平面図。 第1の実施形態の有機EL装置の模式断面図。 接続領域に対する陰極とコンタクト部との配置の態様を模式的に示す平面図。 第2の実施形態の有機EL装置の模式断面図。 第3の実施形態の有機EL装置の模式断面図。 第4の実施形態にかかる有機EL装置の製造方法を示す工程断面図。 第5の実施形態の有機ELパネルを示す図。 第6の実施形態の有機ELパネルを示す図。 第7の実施形態の有機ELパネルを示す図。 第8の実施形態の有機ELパネルを示す図。 第9の実施形態の有機ELパネルを示す図。 変形例の有機ELパネルを示す図。 電子機器としての携帯電話機の斜視構成図。 電子機器としての有機EL照明装置を示す図。 電子機器としてのヘッドマウントディスプレイを示す図。
以下、本発明を具体化した実施の形態について、発光素子としての有機EL素子が発光領域に規則的に配置されてなる、発光装置としての有機EL装置を例に述べる。なお、以下に示す各図においては、各構成要素を図面上で認識され得る程度の大きさとするため、該各構成要素の寸法や比率を実際のものとは適宜に異ならせてある。
(第1の実施形態)
図2は、本実施形態にかかる有機EL装置1の回路構成を示す図である。有機EL装置1は、規則的に配置された複数の有機EL素子の発光を個別に制御して、発光領域100にカラー画像を形成するアクティブマトリクス型の有機EL装置である。発光領域100には、複数の走査線102と該走査線と直交する複数の信号線104と信号線104と平行に延在する複数の電源供給線106が形成されている。そして、上記3種類の配線で囲まれる区画毎に画素46が形成されている。
画素46は総称であり、具体的には、赤色光を射出する赤色画素46Rと緑色光を射出する緑色画素46Gと青色光を射出する青色画素46Bと3種類が形成されている。かかる夫々の(三原色の)発光色は、後述する発光機能層54(図4参照)に含まれる有機EL層の形成材料により設定される。すなわち、赤色画素46Rの発光機能層54には主として赤色光に相当する光を発光する有機EL層が配置されており、緑色画素46Gの発光機能層54には主として緑色光に相当する光を発光する有機EL層が配置されており、青色画素46Bの発光機能層54には主として青色光に相当する光を発光する有機EL層が配置されている。画素46における有機EL層以外の構成要素は、3種類の画素46(R,G,B)間で共通である。なお、有機EL層は3種類の画素46(R,G,B)間で共通の白色光を発光するタイプのものとして、上述の三原色はカラーフィルターにより形成することもできる。
各々の画素46は、走査線102を介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング用薄膜トランジスター(以下、「TFT」と称する。)108と、スイッチング用TFT108を介して信号線104から供給される画素信号を保持する保持容量110と、保持容量110によって保持された画素信号がゲート電極に供給される駆動用TFT112と、駆動用TFT112を介して電源供給線106から駆動電流が供給される有機EL素子50とを備えている。
有機EL素子50は、駆動用TFT112に接続された第1電極としての画素電極(陽極)52(図4参照)と第2電極としての陰極56との一対の電極と、該一対の電極間に挟持された上述の発光機能層54とで構成されている。画素電極52は画素毎にパターニングされている。一方、陰極56は、本図では画素46毎に図示されているが、実際には少なくとも発光領域100内の全面にマスク成膜法により形成されている。したがって陰極56は、発光領域100内に形成された全ての画素46間で共通の電位を有している。
発光領域100の周辺には、走査線駆動回路120、及び信号線駆動回路130が形成されている。走査線102には、走査線駆動回路120から、図示しない外部回路より供給される各種信号に応じて走査信号が順次供給される。そして、信号線104には信号線駆動回路130から画素信号が供給され、電源供給線106には図示しない外部回路から画素駆動電流が供給される。なお、走査線駆動回路120の動作と信号線駆動回路130の動作とは、同期信号線140を介して外部回路から供給される同期信号により相互に同期が図られている。
走査線102が駆動されスイッチング用TFT108がオン状態になると、その時点の信号線104の電位が保持容量110に保持され、保持容量110の状態に応じて駆動用TFT112のレベルが決まる。そして、駆動用TFT112を介して電源供給線106から画素電極52に駆動電流が流れ、さらに発光機能層54を介して陰極56に駆動電流が流れる。発光機能層54は駆動電流の大きさに応じて発光する。その結果、該発光機能層を備える個々の有機EL素子50、そして該有機EL素子を備える個々の画素46(R,G,B)は、該駆動電流の大きさに応じて、三原色光のいずれかを射出する。そして、かかる任意の強度で射出される三原色光により、発光領域100にカラー画像が形成される。
図3は、本実施形態の有機EL装置1を、光が射出される側から見た模式平面図である。有機EL装置1は、素子基板10と後述する対向基板11(図4参照)とで、上述の有機EL素子50等を挟持しているが、本図では対向基板11の図示を省略している。
図示するように発光領域100は素子基板10の略中央を占めている。素子基板10上における該発光領域以外の領域が、周辺領域(符号無し)である。そして、有機EL装置1においては、該周辺領域のうち、発光領域を囲む環状の領域を接続領域26と定義している。接続領域26の外側には、発光領域100を挟んで対向する素子基板10の2辺に沿って、Y側駆動回路部122が設けられると共に、この2辺に隣接する一辺に沿ってX側駆動回路部132が設けられている。Y側駆動回路部122は走査線駆動回路120が形成されている領域であり、X側駆動回路部132は信号線駆動回路130が形成されている領域である。走査線102及び信号線104は、接続領域26を介してY側駆動回路部122あるいはX側駆動回路部132に至るまで延在している。
周辺領域におけるX側駆動回路部132が設けられた素子基板10の一辺には、実装端子150が接続されている。そして該実装端子には、配線基材300が、例えばTAB(Tape Automated Bonding)方式やCOG(Chip On Grass)方式により実装されている。信号線駆動回路130や走査線駆動回路120を駆動させるための各種信号は、該配線基材を介して、図示しない外部回路(外部装置)から供給される。
接続領域26には、走査線102等のほかに第2電極配線としての陰極配線22(図4参照)が形成されている。陰極配線22は、陰極56と上述の外部回路とを、Y側駆動回路部122あるいはX側駆動回路部132、及び実装端子150等を介して接続する配線である。そして、陰極56と陰極配線22とは、接続領域26内で電気的に接続されている。
上述したように陰極56の電位は、有機EL装置1が備える全ての有機EL素子50間で共通している。したがって、上述の接続は一箇所で行うこともできる。しかし、本実施形態の有機EL装置1では、配線抵抗や接続抵抗等を低減するために、発光領域100の全周においてかかる接続が形成されている。
有機EL素子50は、素子基板10側から画素電極52と発光機能層54と陰極56とが順に積層されて形成されている。したがって、陰極56は対向基板(封止基板)11側に位置している。また陰極配線22は、少なくとも発光機能層54よりは素子基板10側に形成されている。そのため、上述の接続は陰極配線22が形成されている層と陰極56が形成されている層の間の層である第1の層にコンタクト部24(図5参照)を形成することで成されている。
上述したように陰極56は発光領域100及び該発光領域を囲む領域に、導電性層をマスク成膜することで形成されている。上述のコンタクト部24は、かかる陰極56として機能する導電性層が形成された領域に形成される。したがって、陰極56が形成された領域から発光領域100をのぞく領域が接続領域26である。
ここで、陰極56を除く有機EL素子50の構成要素、及び陰極配線22はフォトリソグラフィー法によるパターニングで形成されている。しかし陰極56は、フォトリソグラフィー法に比べて精度が劣るマスク成膜法でパターニングされるため、下層に形成されている陰極配線22に対して若干の合せずれが生じ得る。本実施形態の有機EL装置1は、陰極配線22と陰極56に接続を、該双方の要素が重なり合った部分に陰極56の形成後に形成されたコンタクト部24で上述の接続を得ている。そのため、陰極56となる導電性層がマスク成膜法で形成されているにもかかわらず、接続領域26を増大させることなく上述の接続がなされている。したがって、発光領域100の周囲の周辺領域が縮小されており、有機EL装置全体が平面視において小型化されている。
図4は、有機EL装置1の接続領域26と該接続領域の周辺の一部の断面を拡大して示す模式断面図である。接続領域26に形成された陰極配線22及びコンタクト部24等と共に、接続領域26に隣接する発光領域100に形成された画素46の断面も示している。ただし、本図では画素46の構成要素のうちスイッチング用TFT108と保持容量110については図示を省略して、有機EL素子50と駆動用TFT112のみを図示している。図示するように有機EL装置1は、素子基板10と対向基板11の一対の基板、及び該一対の基板に挟持された各要素で構成されている。以下、かかる各要素について素子基板10側から順に説明する。
本実施形態の有機EL装置1では、素子基板10はガラスから成る。なお、有機EL装置1は、対向基板11側に光を射出するトップエミッション型である。トップエミッション型の有機EL装置においては、一般的に、対向基板11は透明性を必要とするが、素子基板10は不透明基板を用いることができる。しかし有機EL装置1は、コンタクト部24が上述の一対の基板を貼り合せた後のレーザー照射により形成されている。したがって、素子基板10側からレーザー照射を行う場合を考慮すると、素子基板10にも透明性を有する基板を用いることが好ましい。また、後述する半導体層をいわゆる高温プロセスで形成する場合は、耐熱性の高い石英基板等を用いる必要がある。
素子基板10の対向基板11側の面には、SiOn(酸化シリコン)等からなる下地保護膜60が形成されている。該下地保護膜は、素子基板10に含有される可能性のある不純物等が駆動用TFT112等の形成過程において、該不純物が拡散することを防止する機能を果たしている。なお、以下の記載において、対向基板11側の方向を「上面」、「上方」若しくは「上側」と称する。
接続領域26における下地保護膜60の上面には、陰極配線22が形成されており、発光領域100における下地保護膜60の上面には、駆動用TFT112が規則的に形成されている。駆動用TFT112は、ポリ(多結晶)シリコンからなる半導体層71とゲート絶縁膜79とゲート電極75とで構成されている。ゲート電極75はAl(アルミニウム)等からなり、上述の走査線102と同一の層をパターニングして形成されている。ゲート絶縁膜79は、SiOn(酸化シリコン)あるいはSiNn(窒化シリコン)あるいはSiOmn(酸窒化シリコン)からなる。
半導体層71は、ゲート電極75と対向する部分であるチャネル領域72と、該チャネル領域の両側の領域であるソース領域73及びドレイン領域74と、からなる。駆動用TFT112の上面には、SiOn等からなる第1の層間絶縁膜61が形成されている。第1の層間絶縁膜61の、上述のソース領域73及びドレイン領域74と重なる領域には(該第1の層間絶縁膜を選択的に除去して)第1のコンタクトホール67が形成されている。そして、該第1のコンタクトホールに埋設されるようにソース電極77及びドレイン電極78が形成されている。
ソース電極77及びドレイン電極78の上面には、SiOn等からなる第2の層間絶縁膜62が形成されている。そしてドレイン電極78の上面には、該第2の層間絶縁膜を選択的に除去して第2のコンタクトホール68が形成されている。そして、平面視で該第2のコンタクトホールの形成領域及びその周囲の若干の領域を除く領域に反射層63が形成されている。上述したように、本実施形態の有機EL装置1は対向基板11側に光を射出するトップエミッション型である。反射層63はAl等の反射性の高い金属で形成されており、後述する発光機能層54の発光のうち素子基板10側に向かう光を対向基板11側に反射させる機能を果たしている。そして該反射層を覆うように、第1電極としての画素電極52が形成されている。なお、反射層63の上面にはSiOnあるいはSiNnからなる保護膜が形成されているが本図では図示を省略している。
画素電極52はITO(酸化インジウム・錫合金)等の透明導電材料層を、各々の画素46毎に島状にパターニングして形成されている。そして、第2のコンタクトホール68を介してドレイン電極78と接続している。したがって、画素電極52は駆動用TFT112と導通し、電源供給線106から供給される駆動電流を、後述する発光機能層54に供給できる。なお、本実施形態の有機EL装置1はトップエミッション型であるため、画素電極52をAl等の反射性材料で形成することもできる。かかる構成であれば、上述の反射層63は不要となる。
画素電極52の上層には、隔壁30が形成されている。隔壁30は、発光領域100内において画素電極52が形成されていない領域、及び画素電極52の外縁部と重なる領域に形成されている。したがって、平面視において、画素電極52の外縁部には、画素電極52と隔壁30とが重なる環状の領域が形成される。画素電極52がマトリクス状に形成されている場合、隔壁30は平面視で格子状となる。なお、画素電極はマトリクス状ではなく、例えば千鳥状に形成することもできる。
隔壁30で囲まれた画素電極52を底面とする凹部内には発光機能層54が形成されている。そして、発光機能層54の上面には、発光領域100と接続領域26の全域に渡って陰極56が形成されている。画素電極52と発光機能層54と陰極56とで、有機EL素子50が構成される。すなわち、画素電極52と発光機能層54と陰極56との積層体が有機EL素子50である。ただし、本図においては、反射層63も含めて二点鎖線で囲んで部分を有機EL素子50として表示している。
発光機能層54は、画素電極52側から順に、画素電極52から正孔を注入し易くするための正孔注入層と、注入された正孔を発光層へ輸送し易くするための正孔輸送層と、通電によりすなわち正孔と電子の結合により発光する有機EL層と、陰極56から注入された電子を有機EL層へ輸送し易くするための電子輸送層と、陰極56から電子を注入し易くするための電子注入層と、の計5層が積層されて形成されている。本実施形態においてかかる膜層の形成は、マスク蒸着法すなわち、上述の凹部に相当(対応)する開口部を有するマスクを介して上述の各層の形成材料を素子基板の上面に蒸着させる方法で行われる。
上述の各材料層のうち、有機EL層は、上述の3種類の画素46(R,G,B)間で異なっている。すなわち各々の画素46の発光色に合せて形成されている。なお、上述の三原色を有機EL層ではなく、対向基板11側にカラーフィルターを形成することで得ても良い。かかる構成であれば有機EL層も3種類の画素46(R,G,B)間で共通にできる。また、有機EL層を3種類の画素46(R,G,B)間で発光色に合せて個別に形成した上で、カラーフィルターを併用しても良い。また、対向基板11側にカラーフィルターを形成する場合、該カラーフィルター間に光の射出を防ぐ遮光層を形成しても良い。なお、遮光層は隔壁30の上面に形成することもできる。
上述したように、陰極56は、マスク成膜法により接続領域26に至るまで形成されている。また、陰極配線22は周辺領域(符号無し)から接続領域26に至るまで形成されている。そして陰極配線22は、少なくとも接続領域26においては第1の層としてのゲート絶縁膜79で覆われている。そして該接続領域において、陰極56と陰極配線22とは、ゲート絶縁膜79を局所的に破壊又は溶融して形成されたコンタクト部24において電気的に接合されている。そして、本実施形態の有機EL装置1においては、コンタクト部24が、陰極56の形成後に形成されている。より具体的には、素子基板10と対向基板11とが貼り合された後に形成されている。
陰極56の上面には封止層66が形成されている。そして封止層66の上面には、該封止層と一部が重なるように発光領域100を囲む環状のシール材28が形成されている。シール材28は、アクリル等の樹脂材料を印刷法でパターニングして形成されている。
封止層66は、詳しくは電極保護層と緩衝層とガスバリア層との計3層が積層されて構成されている。電極保護層は、SiO2や、Si34等の透明で、かつ、水分を遮断する機能を有する材質から構成されている。緩衝層は、熱硬化性のエポキシ樹脂等の透明な有機緩衝層である。ガスバリア層は、SiO2や、Si34等の透明で、かつ、水分を遮断する機能を有する層であり、発光機能層54への水分等の浸入を防止する機能を有している。シール材28で囲まれた領域内、すなわちシール材28と封止層66とで構成される凹部内には、接着層65が配置されている。対向基板11は、シール材28と接着層65とで素子基板10に貼り合されている。
陰極配線22は、Al等の金属層(導電性層)をフォトリソグラフィー法でパターニングして形成されている。一方、陰極56は上述したように、フォトリソグラフィー法に比べてパターニング精度が低いマスク成膜法で形成されている。したがって、陰極56は形成時(成膜時)に若干の合せずれが発生し得る。したがって、コンタクト部24が前もって形成されている構成の場合、該コンタクト部は接続領域26と陰極56とが確実に重なる領域に形成される必要がある。そのため、上述の合せずれが存在しないと仮定した場合に比べて狭い領域にしかコンタクト部24を形成することはできない。また、より広い領域にコンタクト部24を形成しようとする場合には、接続領域26の面積を増加させる必要がある。
一方、本実施形態の有機EL装置1においては、コンタクト部24が、接続領域26と陰極56とが重なり合った領域に後から形成されているため、合せずれの存在(発生)にもかかわらず、上述の接続領域26と陰極56とが重なり合った領域を有効に利用できる。その結果、合せずれの存在にもかかわらず充分なコンタクト部24を形成でき、表示品質等を向上できる。また、コンタクト部24が形成される領域を同等とする場合において、接続領域の面積の縮小で有機EL装置全体を小型化できる。
また、陰極56と陰極配線22との電気的な接続を安定化できるという効果も得ることができる。コンタクト部の形成をフォトリソグラフィー法で行うと、陰極配線の表面に酸化膜等の導通を妨げる膜層が形成されることがあり、安定した電気的な接続を得られない可能性がある。本実施形態の有機EL装置1は、上述の接続がレーザー照射で形成されるコンタクト部24を介して行われるため、陰極56と陰極配線22との間の導通を確保でき、有機EL装置の信頼性を向上できる。
図5は、接続領域26に対する陰極56とコンタクト部24との配置の態様を模式的に示した平面図である。図5(a)は、陰極56が接続領域26に対して左側にずれた場合すなわち左方向の合せずれが発生した態様を示している。そして図5(b)は、陰極56が接続領域26に対して右側にずれた場合すなわち右方向の合せずれが発生した態様を示している。図5(a)に示す態様と図5(b)に示す態様の双方とも、合せずれの発生にもかかわらず充分なコンタクト部24が確保されており接続領域26と陰極56とが重なり合った領域が有効に利用されている。したがって、表示品質の向上と、接続領域26の小面積化による有機EL装置全体の小型化との内の少なくとも一方が実現されている。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。図6は、本発明の第2の実施形態にかかる有機EL装置2の模式断面図である。図6は上述の図4に相当する図であり、接続領域26と該接続領域の周辺の一部の断面を拡大して示す模式断面図である。本実施形態にかかる有機EL装置2は、第1の実施形態にかかる有機EL装置1と類似した構成を有しており、回路構成及び平面的な構成は略同一である。そこで、上述の図2及び図3に相当する図は省略して、模式断面図のみを図示する。また、第1の実施形態の有機EL装置1の構成要素と共通する構成要素については同一の符号を付与し、説明の記載は一部省略している。
本実施形態の有機EL装置2は、上述の有機EL装置1と同様に、レーザー照射によって形成されたコンタクト部24を介して陰極56と陰極配線22との接続がなされている。ただし、レーザー照射によって絶縁が破壊される膜層が発光機能層54である点で、上記の第1の実施形態の有機EL装置1とは異なっている。図示するように、有機EL装置2の陰極配線22はゲート絶縁膜79の上層に形成されている。そして有機EL装置2は、接続領域26にダミー画素90を有している。
ダミー画素90は、隔壁30等で形成された凹部と該凹部内に形成された発光機能層54とからなる。ダミー画素90は、駆動用TFT112等を有していないため、発光を射出することはない。有機EL装置2では、第1の層間絶縁膜61及び第2の層間絶縁膜62も接続領域26に至るまで形成されている。そして、隔壁30と略同一の平面視形状となるようにパターニングされ、上述の凹部の一部として機能している。
ダミー画素90は、従来の有機EL装置においても、一般的に備えられている例が多い。かかるダミー画素90は、発光機能層54の形成(成膜)時に、層厚等の均一性を向上させる機能を果たしている。基板上に膜層を形成する場合、一般に外側の領域では層厚等のばらつきが増大する傾向がある。発光領域100の外側にダミー画素90を形成して、該ダミー画素の領域にも発光機能層を形成することで、発光領域100内の該発光機能層の層厚の均一性を向上できる。本実施形態の有機EL装置2は、ダミー画素90を陰極配線22上に形成して該ダミー画素内にコンタクト部24を形成している。
図6に示すように、ダミー画素90が形成される領域の少なくとも一部は陰極配線22と重なっている。そして、該領域においては陰極配線22が露出するように第1の層間絶縁膜61と第2の層間絶縁膜62も選択的に除去されている。そして画素電極52と反射層63は発光領域100内の画素46と同様に形成されている。ただし、画素46において反射層63を覆うように形成されていた図示しない保護膜は、ダミー画素90では形成されていない。
ダミー画素90の、画素電極52を底部とする凹部内には画素46と同様に発光機能層54が形成されており、陰極56は該ダミー画素が形成されている領域まで形成されている。そして、陰極配線22と陰極56とが反射層63及び画素電極52を介して積層されている領域の一部において、発光機能層54がレーザー照射により溶融等されてコンタクト部24が形成されている。上記したように反射層63は導電性の高いAlからなり、画素電極52も導電性を有するITOで形成されている。したがって、かかるコンタクト部24により、陰極配線22と陰極56とは、(反射層63と画素電極52を介して)導通が確保される。
本実施形態の有機EL装置2は、コンタクト部24が、接続領域26に形成されたダミー画素90内に形成されていることに特徴がある。上述したようにダミー画素90は発光領域100内における発光機能層54の層厚均一性を向上させる機能を果たしており、発光領域100の周囲の領域である接続領域26内に形成されている。有機EL装置2は、かかるダミー画素90内にコンタクト部24が形成されているため、発光機能層54の層厚均一性を向上しつつ、陰極配線22と陰極56との接続に要する面積を縮小できる。したがって、本実施形態にかかる有機EL装置2は、小型化と表示品質の向上とが両立されている。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。図7は、本発明の第3の実施形態にかかる有機EL装置3の模式断面図である。図7は、上述の図6に相当する図であり、接続領域26と該接続領域の周辺の一部の断面を拡大して示す模式断面図である。本実施形態の説明においても、上述の第2の実施形態と同様に模式断面図のみを図示している。そして、第1の実施形態の有機EL装置1の構成要素と共通する構成要素については同一の符号を付与し、説明の記載は一部省略している。
本実施形態の有機EL装置3は、上述の各実施形態にかかる有機EL装置(1,2)と同様に、レーザー照射によって形成されたコンタクト部24を介して陰極56と陰極配線22との接続がなされている。ただし、レーザー照射によって絶縁が破壊される膜層が第1の層間絶縁膜61である点で、上述有機EL装置1及び有機EL装置2とは異なっている。有機EL装置3においては、陰極配線22が第2の実施形態の有機EL装置2と同様にゲート絶縁膜79の上層に形成されており、第1の層間絶縁膜61が接続領域26に至るまで形成されている。コンタクト部24は、陰極配線22と陰極56が第1の層間絶縁膜61を介して重なり合った部分をレーザーで照射して形成されている。したがって、第1の実施形態の有機EL装置1と同様に接続領域26を縮小でき、発光領域100の面積を同一とした場合において、有機EL装置全体を小型化できる。
また、本実施形態の有機EL装置3は、有機EL装置2と同様に、陰極配線22がゲート絶縁膜79の上層に形成されている。したがって、陰極配線22を走査線102(図2参照)と同一の層にできる。すなわち同一の層をパターニングして、陰極配線22と走査線102を同時に形成できる。したがって、成膜工程の回数等を増加させることなくコンタクト部24を形成でき、製造コストの増加を抑制しつつ有機EL装置全体を小型化できる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態として、本発明の有機EL装置の製造方法について説明する。図8(a)〜図8(d)は本実施形態にかかる有機EL装置の製造方法を示す工程断面図である。以下、工程順に説明する。
まず、図8(a)に示すように、第1の工程として素子基板10上の発光領域100に隣接する領域である接続領域26に、第2電極配線としての陰極配線22を、該接続領域を囲む周辺領域(符号無し)から延在するように形成する。
そして次に第2の工程として、陰極配線22を覆う第1の層88を形成する。第1の層88は有機EL装置の構成要素の何れかであり、該構成要素が接続領域26を超えて周辺領域に至るまで成膜されたものである。上述したように、ゲート絶縁膜79、発光機能層54等を用いることができる。
次に、図8(b)に示すように、第3の工程として、第2電極としての陰極56を発光領域100と接続領域26とを覆うように形成する。本工程は、成膜マスク93を素子基板10上に被せてAl等の導電材料粒子を堆積させるマスク成膜法により行う。陰極56は、素子基板10側から順に画素電極52(図4等参照)と発光機能層54(図4等参照)と陰極56とが積層されてなる有機EL素子50(図4等参照)の最上層である。したがって、陰極56が形成されることで、発光領域100内に有機EL素子50が形成される。
次に、図8(c)に示すように、陰極56上に封止層66と接着層65を形成する。そして、接着層65により対向基板11を貼り合せる。
次に、図8(d)に示すように、第4の工程として陰極配線22と陰極56が平面視で重なる領域にレーザー95を照射して、該領域における第1の層88を除去する。かかる第1の層88が局所的に除去された部分(領域)が、コンタクト部24である。レーザー95は波長1064μmのYAGレーザーを用いることが好ましい。照射時間は1〜100msec、照射面積は1μm2〜10000μm2が好ましい。なお、本図ではレーザー95を対向基板11側から照射するように示しているが、素子基板10側から照射することも可能である。また対向基板11側と素子基板10側の双方から同一の領域に対して照射することもできる。
以上の工程により、陰極配線22と陰極56の導通すなわち電気的接続を確保するコンタクト部24が形成される。本実施形態にかかる有機EL装置の製造方法であれば、陰極配線22と陰極56とが重なった領域を狙ってレーザー95を照射できるため、陰極56が陰極配線22に対してずれて成膜された場合であっても充分なコンタクト部24を形成できる。したがって、あらかじめコンタクトホールを形成する製造方法に比べて接続領域26が占める面積が相対的に縮小された、有機EL装置すなわち小型化された有機EL装置を、表示品質等を損なうことなく得ることができる。
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。上述の第1〜第4の実施形態は、画像表示装置として用いられる有機EL装置を例に説明している。しかし本発明の実施の形態は画像表示装置に限定されるものではなく、照明装置(有機EL照明装置)の構成要素としても実現可能である。本実施形態では照明装置の構成要素として用いられる有機ELパネルを例に説明する。図9は、本発明の第5の実施形態にかかる、有機ELパネル5を示す図である。図9(a)は素子基板10に形成された陰極配線22等を示す模式平面図であり、図9(b)は図9(a)のA−A’線における断面を示す模式断面図である。
図9(a)に示すように、有機ELパネル5は、平面視で周囲を環状のシール材28で囲まれている。そして、該シール材で囲まれた領域内には、平板状の第1電極としての陽極81が形成されている。そして、シール材28と陽極81の間には、該陽極を若干の間隔を持って囲むように、一箇所に切れ目を有する枠状の陰極配線22が形成されている。陽極81は、かかる切れ目から突き出すように形成(パターニング)された突起部を有している。該突起部は環状のシール材28の外側まで延在しており、図示しない電源と電気的に接続されている。また陰極配線22も、該切れ目の近傍においてシール材28の外側まで延在して図示しない電源と電気的に接続される突起部を有している。
図9(b)に示すように、有機ELパネル5は、素子基板10側から順に積層された陽極81と発光機能層54と第2電極としての陰極56を有している。そして、陰極56の上層に充填された接着層65により対向基板11と貼り合されている。上述の陰極配線22は、陽極81と同一の層に形成されている。陰極配線22と陽極81が形成されている層が、第2の層である。
有機ELパネル5は対向基板11側に光を照射する発光装置であるため、陰極56は透明導電材料であるITOで形成されている。そして、陽極81と陰極配線22は透明性を必要としないため、導電性の高いAlで形成されている。
後述するように、陰極56は陰極配線22と電気的に接続されている。そして上述したように、陰極配線22は図示しない電源と電気的に接続されている。したがって、陽極81に電圧が印加されると、該陽極と陰極56との間に発光機能層54を介して電流が流れる。そして該電流値に応じた発光が対向基板11側から射出される。したがって、かかる陽極81と発光機能層54と陰極56の積層体が発光素子として機能している。
発光機能層54と陰極56は、シール材28の内側の全域に形成されている。一方、陽極81は、上述したように陰極配線22の内側に形成されている。したがって、有機ELパネル5においては、陽極81が形成されている領域が光を射出する領域すなわち発光領域である。そして、陽極81とシール材28との間の領域、すなわち陰極配線22が形成されている領域が、発光に寄与しない額縁部である。
上述の陰極56と陰極配線22との接続は、上述の額縁部でなされている。具体的には、発光機能層54を局所的に除去して形成されたコンタクト部24によって、陰極56と陰極配線22とは電気的に接続されている。したがって、コンタクト部24を微細かつ高精度で形成することで陰極配線22の幅を狭くすること、そして額縁部の面積を縮小して、有機ELパネル5全体に占める発光領域の比率を増大させることが可能となる。
本実施形態の有機ELパネル5は、コンタクト部24が上述の各実施形態にかかる有機EL装置のコンタクト部24と同様に、素子基板10と対向基板11とが貼り合された後にレーザーを照射することで形成されている。具体的には、素子基板10と対向基板11とのどちらかの側から、陰極配線22が形成された領域にレーザーを規則的に照射することで形成されている。かかる照射により、発光機能層54が局所的に溶融又は蒸発してコンタクト部24が形成され、陰極56と陰極配線22とが電気的に接続される。
レーザーは、非常に高い精度かつ小面積に照射可能である。したがって、レーザーの照射により、コンタクト部24を例えばフォトリソグラフィー法で形成する場合に比べて高い精度で形成できる。したがって、本実施形態の有機ELパネル5は、陰極56と陰極配線22との電気的接続を損なうことなく、陰極配線22の幅及び該陰極配線とシール材28との間隔、そして該陰極配線と陽極81との間隔を縮小できる。したがって、本実施形態の有機ELパネル5は、上述の額縁部の幅(面積)を縮小でき、発光領域の面積を維持しつつパネル形状を縮小できる。
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態について説明する。図10は本発明の第6の実施形態にかかる、有機ELパネル6を示す図である。図10(a)は素子基板10に形成された陰極配線22等を示す模式平面図であり、図10(b)は図10(a)のB−B’線における断面を示す模式断面図である。
本実施形態の有機ELパネル6は、上述の有機ELパネル5と同様に、シール材28及び接着層65を介して貼り合された素子基板10と対向基板11の一対の基板で構成されている。そして、シール材28で囲まれた領域内に第1電極としての陽極81と発光機能層54と第2電極としての陰極56が積層されてなる発光素子が形成されている点でも、有機ELパネル5と共通している。そして、有機ELパネル6は、第1電極及び陰極配線22の形態が上述の有機ELパネル5と異なっている。
図示するように有機ELパネル6の第1電極は第1の第1電極としての第1陽極83と第2の第1電極としての第2陽極84とに分割されている。そして双方の陽極(83,84)の間に陰極配線22が延在している。なお、双方の陽極(83,84)と陰極配線22の夫々の一部は、環状のシール材28の外側まで延在しており、図示しない電源と電気的に接続されている。
陰極配線22が双方の基板(10,11)の中央を横断するように形成されているため、該陰極配線と陰極56との接続も、該中央においてなされている。すなわち、陰極配線22の形成領域に対して上記双方の基板(10,11)のどちらか一方の側からレーザーを照射して発光機能層54を局所的に溶融又は蒸発させて形成されたコンタクト部24において上述の接続がなされている。
本実施形態の有機ELパネル6は、発光領域(符号なし)の中央を横断する領域で陰極56と陰極配線22との接続がなされているため、該発光領域の中央近傍における陰極56の面抵抗の上昇が抑制される。その結果、該中央近傍において輝度が低下する現象が低減される。したがって本実施形態の有機ELパネル6は、大面積すなわち広い発光領域を有しているにもかかわらず輝度むらが低減されている。
また、陰極56と陰極配線22の導通が確実に得られるという効果も有している。段落(0058)で述べたように、コンタクト部24をフォトリソグラフィー法で形成すると、陰極配線22の表面に酸化膜等の導通を妨げる膜層が形成されることがある。本実施形態の有機ELパネル6は、レーザーの照射で形成されたコンタクト部24において陰極56と陰極配線22とが接続されているため、上述の酸化膜等の影響が低減されている。したがって、陰極56と陰極配線22とが安定した状態で接続されており、信頼性等が向上している。
(第7の実施形態)
次に、第7の実施形態について説明する。図11は本発明の第7の実施形態にかかる有機ELパネル7を示す図である。図11(a)は素子基板10に形成された陰極配線22等を示す模式平面図であり、図11(b)は図11(a)のC−C’線における断面を示す模式断面図である。
本実施形態の有機ELパネル7は、上述の各実施形態の有機ELパネル(5,6)と同様に、シール材28及び接着層65を介して貼り合された素子基板10と対向基板11の一対の基板で構成されている。そして、シール材28で囲まれた発光領域内に第1電極としての陽極81と発光機能層54と陰極56が積層されてなる発光素子が形成されている点でも、上述の有機ELパネル(5,6)と共通している。そして、有機ELパネル7は、陽極81及び陰極配線22の形態が、上述の有機ELパネル(5,6)と異なっている。
図11(a)に示すように、有機ELパネル7の陽極81及び陰極配線22は平面視で櫛歯状にパターニングされている。そして双方の櫛の歯の部分が互いに並行に延在するように配置されている。そのため、有機ELパネル7の陽極81及び陰極配線22は、図11(b)に示すように、同一の面に形成されているにもかかわらず、発光領域の略全域において互いの接触することなく分布している。そして陽極81と陰極配線22の双方は一部が環状のシール材28の外側まで延在しており、図示しない電源と電気的に接続されている。
図示するように、陰極配線22と陰極56の間にはレーザーの照射により発光機能層54を局所的に溶融又は蒸発させて形成されたコンタクト部24が規則的に形成されている。そのため、発光領域の略全域において、陰極56と陰極配線22は電気的に接続されている。上述したように、陰極56を構成するITOはAlに比べて導電性が低いため、発光領域の中央近傍では外縁部に比べて通電量が不足して発光強度が低下する。すなわち、発光領域内において輝度むらが発生する。しかし本実施形態の有機ELパネル7は、発光領域の略全域にAlからなる陰極配線22が形成されており、かつ該全域において陰極56が陰極配線22と接続されているため、陰極56の抵抗が発光領域内において略均一に保たれている。そのため、有機ELパネルが大面積化された場合であっても、発光領域の全域で輝度むらを有さない略均一の発光を射出できる。
また、コンタクト部24が、陰極配線22上にレーザーを照射することで形成されているため、陰極配線22上とコンタクト部24との合せずれが殆んど生じていない。したがって、陰極56との電気的接続を充分に得た上で陰極配線22の線幅を細くでき、その分陽極81の線幅を増加できる。したがって、陽極81の配線抵抗等も低減されており、輝度むらが低減された発光を、消費電力の増加を抑制しつつ射出できる。
(第8の実施形態)
次に、第8の実施形態について説明する。図12は本発明の第8の実施形態にかかる有機ELパネル8を示す図である。図12(a)は素子基板10に形成された陰極配線22等を示す模式平面図であり、図12(b)は図12(a)のD−D’線における断面を示す模式断面図である。そして図12(c)は、図12(a)のE−E’線における断面を示す模式断面図である。
本実施形態の有機ELパネル8は、上述の第5〜第7の実施形態の有機ELパネル(5〜7)と同様に、シール材28及び接着層65を介して貼り合された素子基板10と対向基板11の一対の基板で構成されている。そして、シール材28で囲まれた発光領域内に第1電極としての陽極81と発光機能層54と陰極56が積層されてなる発光素子が形成されている点でも、上述の第5〜第7の実施形態の有機ELパネル(5〜7)と共通している。
有機ELパネル8の陽極81は、発光領域内に、互いに所定の間隔が生じるようにマトリクス状にパターニングされた方形の部分と、隣り合う方形の部分を連結する帯状の部分と、が形成されるようにパターニングされている。陰極配線22は隣り合う陽極81の間を延在するように形成されている。上述したように陽極81がマトリクス状にパターニングされているため、陰極配線22は平面視で格子状となる。そして陽極81と陰極配線22の双方は、一部が環状のシール材28の外側まで延在しており、図示しない電源と電気的に接続されている。
かかる構成により、陰極配線22と陽極81のうちの上述の帯状の部分とは、一部の領域において平面視で交差する。図12(b)に示すように、有機ELパネル8は、かかる領域に局所的に第4の層間絶縁膜86が形成されており、陰極配線22と陽極81との電気的な絶縁が確保されている。そして、図12(b)及び図12(c)に示すように、陰極配線22と陰極56の間にはレーザーの照射により発光機能層54を局所的に溶融又は蒸発させて形成されたコンタクト部24が規則的に形成されている。そのため、発光領域内における格子状の領域において、陰極56と陰極配線22は電気的に接続されている。したがって、有機ELパネル8は、陰極56がITOで形成されているにもかかわらず発光領域の全域において面抵抗が低減されており、上述の有機ELパネル(5〜7)と同様に、輝度むらが低減されている。
本実施形態の有機ELパネル8は、陰極配線22及びコンタクト部24が発光領域内に比較的均一に形成されている点で上述の有機ELパネル7と共通している。しかし、陽極81が略方形である点で、有機ELパネル7と相違している。陽極81が略方形であるため、発光領域内に線状の輝度むらが生じることが低減されている。そのため、例えば照明装置の部品として用いた場合においても高品質の発光を得ることができる。
(第9の実施形態)
次に、第9の実施形態について説明する。図13は本発明の第9の実施形態にかかる有機ELパネル9を示す図である。図13(a)は素子基板10に形成された陰極配線22等を示す模式平面図であり、図13(b)は図13(a)のF−F’線における断面を示す模式断面図である。
本実施形態の有機ELパネル9は、上述の第5〜第8の実施形態の有機ELパネル(5〜8)と同様に、シール材28及び接着層65を介して貼り合された素子基板10と対向基板11の一対の基板で構成されている。そして、シール材28で囲まれた発光領域内に第1電極としての陽極81と発光機能層54と陰極56が積層されてなる発光素子が形成されている点でも、上述の有機ELパネル(5,6)と共通している。陰極56が、別途形成された陰極配線22に接続されている点でも、上述の有機ELパネル(5〜8)と共通している。そして陰極配線22が、陽極81が形成されている層とは別の層に形成されている点で、上述の有機ELパネル(5〜8)と相違している。
図示するように、本実施形態の有機ELパネル9の陰極配線22は、素子基板10上の略全面に形成されている。そして、層間絶縁膜としての第3の層間絶縁膜85で覆われている。そして陽極81は、第3の層間絶縁膜85上に形成されたAl等からなる導電体層をパターニングして形成されている。
陽極81は、図13(a)に示すように規則的に開口領域87が形成されている。すなわち上述のパターニングは上述の導電体層をエッチングして該導電体層を局所的に除去するように行われている。なお、開口領域87は平面視で略円形であるが、方形等の他の形状でも良い。そして開口領域87内、すなわち平面視で導電体層が除去された領域内には、コンタクト部24が形成されている。
コンタクト部24は、上述の有機ELパネル(5〜8)における該コンタクト部と同様の方法で形成されている。すなわち、素子基板10と対向基板11とを貼り合せた後、どちらかの基板(10,11)側からレーザーを照射して形成されている。ここで、本実施形態の有機ELパネル9は第3の層間絶縁膜85を有しているため、コンタクト部24は該第3の層間絶縁膜も貫通する必要がある。したがって、上述のレーザーの照射は、発光機能層54と第3の層間絶縁膜85とを局所的に溶融又は蒸発させて、陰極配線22と陰極56との導通が得られるような強度で行われる。
本実施形態の有機ELパネル9は、陰極配線22が素子基板10上の略全面に形成されている点で、上述の第5〜第8の実施形態の有機ELパネル(5〜8)と異なっている。かかる構成により、該陰極配線に接続される陰極56の面抵抗を極めて低くできる。さらに、陽極81も開口領域87を除き素子基板10上の略全面に形成できるため、発光領域内においてコンタクト部24を比較的均一に分布させることができる。したがって、発光領域内における輝度むら等の発生をより一層低減できる。
なお、本実施形態の有機ELパネル9は、開口領域87が陽極81上にすなわち発光領域の全域において規則的に形成されている。しかし、陰極配線22を陽極81が形成されている層とは別の層に形成するという構成を維持しつつ、開口領域87を陽極81の周囲のみに形成する態様も可能である。具体的には、平面視において図9に示す第5の実施形態の有機ELパネル5におけるコンタクト部24の形成位置と類似する位置にのみ開口領域87を形成して、該開口領域内にコンタクト部24を形成する態様である。
そのような態様の有機ELパネルであれば、発光領域にコンタクト部24を形成しないため、有機ELパネル5と同様に全域から光を射出させることができる。一方で陰極配線22は素子基板10の略全面に形成されているため陰極56の面抵抗は充分に低減できる。したがって、第5の実施形態の有機ELパネル5の長所と第9の実施形態の有機ELパネル9の長所を併せ持つこととなり、例えば照明装置の部品として用いた場合においても高品質の発光を得ることができる。
本発明の実施の形態は、上述の各実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
(変形例1)
図14(a)は、変形例1にかかる有機ELパネル15を示す模式平面図である。有機ELパネル15は、素子基板10上の略全面に陽極81が形成されている点で、上述の有機ELパネル9と共通している。そして、陰極配線22が全面ではなく局所的に形成されている点で、有機ELパネル9と相違している。図示するように、有機ELパネル15の陰極配線22は、陽極81に形成された開口領域87内に平面視で収まるようにパターニングされている。そして、図示しない配線で互いに接続されており、さらに該配線により図示しない電源と接続されている。なお、本図、及び後述する図14(b)では、コンタクト部24の図示を省略している。
本実施形態の有機ELパネル15は、陽極81を広く形成できるという効果を有している。局所的に形成された陰極配線22以外の領域の略全てに陽極81を形成できるため、発光領域内において実際に光が射出される領域を増加させることができる。また、本実施形態の有機ELパネル15は、陰極配線22を任意の位置に形成できるという効果も有している。そのため、例えば発光領域が広い場合に中央部に陰極配線22を形成して、周辺部の照度を向上させることもできる。
(変形例2)
図14(b)は、変形例2にかかる有機ELパネル16を示す模式平面図である。有機ELパネル16は、発光領域の中央を横断する陰極配線22で分割されるようにパターニングされた2つの陽極81を有している点で、図10に示す第6の実施形態の有機ELパネル6と共通している。そして、陰極配線22が発光領域の外縁部に形成されており、平面視で陽極81を囲んでいる点で、有機ELパネル6と相違している。
本変形例の有機ELパネル16は、発光領域の周縁部においても陰極56の面抵抗を低減できるという効果を有している。上述の有機ELパネル6は、陰極56と陰極配線22は、発光領域の中央部でのみ接続されているため周縁部では陰極56の面抵抗が増加する傾向にある。本変形例の有機ELパネル16は、周縁部においても陰極56と陰極配線22とが接続されているため、発光領域内における発光の強度がより一層均一化されている。したがって、照明装置等の部品として用いた場合、品質の向上した照明を得ることができる。
(電子機器)
図15は、上述の第1〜第3の実施形態の有機EL装置1〜3、あるいは第4の実施形態の製造方法で製造された有機EL装置を部品として組み込んだ電子機器としての携帯電話機1300の斜視構成図である。携帯電話機1300は、表示部1301、複数の操作ボタン1302、受話口1303、及び送話口1304を備えている。そして、表示部1301には上述の各実施形態にかかる有機EL装置が用いられている。
上述したように、本実施形態にかかる有機EL装置は、平面視形状内に占める発光領域100の比率が向上している。したがって、かかる有機EL装置を備える携帯電話機1300は、表示部1301の表示品質を損なうことなく小型化が達成されている。
図16は、上述の第5〜第9の実施形態にかかる発光装置としての有機ELパネル5〜9を部品として組み込んだ電子機器としての有機EL照明装置200を示す図である。図16(a)は有機EL照明装置200の斜視構成図であり、図16(b)は有機EL照明装置200の内部構成図である。
図示するように、有機EL照明装置200は、全面に開口部を有する筐体201と、該筐体を支える基台202と、該筐体内固定されたパネル取り付け基台203と、上述の開口部を覆う前面カバー204と、パネル取り付け基台203に配置された有機ELパネル205と、を有している。そして有機ELパネル205には、上述の各実施形態にかかる有機ELパネル5〜9が用いられている。
パネル取り付け基台203は電源コード206により商用電源(不図示)から電力の供給を受けることができる。そして該パネル取り付け基台は変圧機構及び整流機構等を内蔵しており、商用の100Vの交流電力を低圧の直量電力に変換できる。有機ELパネル205はパネル取り付け基台203と電気的に接続されており、上述の陽極81と陰極56との間に直流電圧を印加できる。したがって、有機EL照明装置200の使用者は、図示しないスイッチを操作することで、有機ELパネル205を点灯させることができる。
上述したように、有機ELパネル205は、上述の第5〜第9の実施形態にかかる発光装置としての有機ELパネル(5〜9)の何れかである。そして上述の有機ELパネルは、陰極配線22により陰極56の面抵抗が低減かつ均一化されているため、発光強度のばらつきが低減されている。したがって、有機EL照明装置200は品質の向上した照明を供給できる。また特に、有機ELパネル205として第5の実施形態にかかる額縁面積が縮小された有機ELパネル5を用いた場合、開口部の面積を相対的に増大させることができ、有機EL照明装置200全体を小型化できる。
図17は、上述の第1〜第4の実施形態にかかる有機EL装置1〜3あるいは第4の実施形態の製造方法で製造された有機EL装置を部品として組み込んだ電子機器としてのヘッドマウントディスプレイ(以下、「HMD」と称する。)400を示す図である。なお、上述の有機EL装置1〜3を、本図では有機EL装置410として図示している。
図17(a)は模式斜視図であり、図17(b)は内部構成図である。HMD400は図17(a)に示すように、有機EL装置等を内蔵する筐体402とフレーム404とを有しており、人の頭部450に装着可能である。両眼の夫々に対応する位置(領域)に開口部406を備えている。HMD400の使用者は、該開口部を通して外部を視認できると共に、後述する光学系の切り替えにより筐体402に内蔵される有機EL装置410に形成される画像を視認することもできる。
図17(b)に示すように、筐体402内にはパネル取り付け基板408、及び該パネル取り付け基板の両面に配置された有機EL装置410が配置されている。そして、パネル取り付け基板408の両側には、凸レンズ412と反射ミラー414とを備えた光路系が、左右夫々の眼418に対応するように配置されている。反射ミラー414は、一方の端に回転軸416を有し、該回転軸を中心に所定の範囲内で回転可能である。反射ミラー414が実線で示された位置にあるときは、使用者は、有機EL装置410に形成された画像を該反射ミラー及び凸レンズ412を介して視認できる。そして、反射ミラー414が破線で示された位置にあるときは、使用者は、開口部406により外部を視認できる。
上述したように、有機EL装置410として用いられる有機EL装置1〜4は、陰極56と陰極配線22との接続がレーザーにより形成されるコンタクト部24を介してなされているため額縁面積が縮小されており、全体に小型化されている。したがって、HMD400は、従来の有機EL装置を内蔵するHMDに比べて小型化及び軽量化がなされており、装着感等が向上している。
1…第1の実施形態にかかる発光装置としての有機EL装置、2…第2の実施形態にかかる発光装置としての有機EL装置、3…第3の実施形態にかかる発光装置としての有機EL装置、5…第5の実施形態にかかる発光装置としての有機ELパネル、6…第6の実施形態にかかる発光装置としての有機ELパネル、7…第7の実施形態にかかる発光装置としての有機ELパネル、8…第8の実施形態にかかる発光装置としての有機ELパネル、9…第9の実施形態にかかる発光装置としての有機ELパネル、10…素子基板、11…対向基板、15…変形例1にかかる有機ELパネル、16…変形例2にかかる有機ELパネル、22…第2電極配線としての陰極配線、24…コンタクト部、26…接続領域、28…シール材、30…隔壁、46…画素、46B…青色画素、46G…緑色画素、46R…赤色画素、50…発光素子としての有機EL素子、52…第1電極としての画素電極、54…発光機能層、56…第2電極としての陰極、60…下地保護膜、61…第1の層間絶縁膜、62…第2の層間絶縁膜、63…反射層、65…接着層、66…封止層、67…第1のコンタクトホール、68…第2のコンタクトホール、71…半導体層、72…チャネル領域、73…ソース領域、74…ドレイン領域、75…ゲート電極、77…ソース電極、78…ドレイン電極、79…ゲート絶縁膜、81…第1電極としての陽極、83…第1の第1電極としての第1陽極、84…第2の第1電極としての第2陽極、85…第3の層間絶縁膜、86…第4の層間絶縁膜、87…開口領域、88…第1の層、90…ダミー画素、93…成膜マスク、95…レーザー、100…発光領域、102…走査線、104…信号線、106…電源供給線、108…スイッチング用TFT、110…保持容量、112…駆動用TFT、120…走査線駆動回路、122…Y側駆動回路部、130…信号線駆動回路、132…X側駆動回路部、140…同期信号線、150…実装端子、200…有機EL照明装置、201…筐体、202…基台、203…パネル取り付け基台、204…前面カバー、205…有機ELパネル、206…電源コード、300…配線基材、400…ヘッドマウントディスプレイ、402…筐体、404…フレーム、406…開口部、408…パネル取り付け基板、410…有機EL装置、412…凸レンズ、414…反射ミラー、416…回転軸、418…眼、450…頭部、1300…電子機器としての携帯電話機、1301…表示部、1302…操作ボタン、1303…受話口、1304…送話口。

Claims (9)

  1. 基板上に、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に設けられた発光機能層と、を有する発光素子を備える発光領域と、
    前記第2電極と電気的に接続された第2電極配線を備える前記発光領域の外側の接続領域と、を有する発光装置の製造方法であって、
    前記基板上に前記第2電極配線を形成する第1の工程と、
    前記第2電極配線の少なくとも一部を覆うように第1の層を形成する第2の工程と、
    前記第2電極配線と前記第1の層とが積層された領域の少なくとも一部を覆うように前記第2電極を形成する第3の工程と、
    前記第2電極配線と前記第1の層と前記第2電極とが積層された領域にレーザーを照射して前記第1の層の少なくとも一部を除去する第4の工程と、
    を順に実施することを特徴とする発光装置の製造方法。
  2. 前記第3の工程において、前記第2電極は、マスク成膜法により形成されることを特徴とする請求項1に記載の発光装置の製造方法。
  3. 基板上に、発光領域と、前記発光領域の外側に設けられた接続領域と、を備える発光装置であって、
    前記発光領域には、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に設けられた発光機能層と、を有する発光素子を有し、
    前記接続領域には、前記第2電極と電気的に接続された第2電極配線が設けられ、
    前記第2電極は、前記発光領域及び前記接続領域に形成されており、
    前記接続領域の少なくとも一部には、前記第2電極と前記第2電極配線との間に、第1の層が設けられており、
    前記第2電極と前記第2電極配線とは、前記第1の層の少なくとも一部に設けられたレーザーの照射により形成されたコンタクト部において電気的に接続されていることを特徴とする発光装置。
  4. 前記第1の層は、前記発光素子を制御する薄膜トランジスターのゲート絶縁膜であることを特徴とする請求項3に記載の発光装置。
  5. 前記第1の層は前記発光機能層であることを特徴とする請求項4に記載の発光装置。
  6. 基板上に、第1電極と、第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に設けられた発光機能層と、を有する発光素子と、
    平面視において、前記第1電極が形成されていない領域に、前記第2電極と電気的に接続された第2電極配線と、を有し、
    前記第2電極と前記第2電極配線は、前記発光機能層の少なくとも一部に設けられたレーザーの照射により形成されたコンタクト部において電気的に接続されていることを特徴とする発光装置。
  7. 前記第1電極と前記第2電極配線とは、第2の層に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の発光装置。
  8. 前記第1電極は、第1の第1電極と、第2の第1電極と、を有し、
    平面視において、前記第2電極配線とは、前記第1の第1電極と、前記第2の第1電極との間に設けられていることを特徴とする請求項7に記載の発光装置。
  9. 前記第1電極と前記第2電極配線との間には、層間絶縁膜が設けられ、
    前記第2電極と前記第2電極配線とは、前記発光機能層及び前記層間絶縁膜の少なくとも一部に設けられたレーザーの照射により形成された前記コンタクト部において電気的に接続されていることを特徴とする請求項6に記載の発光装置。
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