JP2011257256A - 橋梁における活荷重無載荷状態時の標高計測方法 - Google Patents

橋梁における活荷重無載荷状態時の標高計測方法 Download PDF

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Abstract

【課題】橋梁に活荷重が作用した状態で、任意点における活荷重無載荷状態の標高を得る。
【解決手段】橋梁外に設置した自動追尾機能付きトータルステーション10により標高計測地点に設置した視準ターゲット11を所定時間の間、小時間間隔で連続的に計測し、計測時間内の最大標高値Hmax、最小標高値Hminのいずれか又は両方及び平均標高値Haveを計測し、これら計測値をたわみ影響線に基づき得られた、最大標高値Hmax、最小標高値Hminのいずれか又は両方、平均標高値Have及び定数kを用いて活荷重無載荷状態の標高H0を求める算出式、例えばH0=Have+(Hmax−Have)*kに代入して、活荷重無載荷状態の標高を求める。
【選択図】図2

Description

本発明は、主として吊橋、斜張橋、アーチ橋、トラス橋などをはじめとする易たわみ性の長大橋梁において、活荷重載荷状態(供用状態)のまま、短時間に精度良く活荷重無載荷状態での標高(形状)を得るための標高計測方法に関する。
吊橋などのたわみやすい長大橋の橋桁の健全性を判定する方法として、全体の形状測定(標高計測)を行い、活荷重無載荷状態時の形状を得て、その形状変化が許容値内であること、さらに過年度の形状と比較してもその変化量が大きくないことを確認する手法が採用されている。
これまでは、車両通行量が少なく温度の安定した深夜に、交通規制を行いながら、路面上を使用した水準測量が採用されてきている。しかし、水準測量では全長にわたり路面の交通規制が必要となること、計測作業には数時間を要することから深夜であっても微小温度変化は避けられずその影響を受けてしまうこと、大型車を含め車両の通行は皆無ではなくそれらのたわみの影響が含まれてしまうこと、さらに連続的に計測を繰り返す必要がある水準測量の作業上の特性から安定した計測値が得られていなかった。
そこで下記特許文献1では、活荷重作用下のままで供用中の橋構造物の活荷重無載荷時形状を得るための計測方法であって、橋外部の固定地点に光波測距儀を設置するとともに、橋の標高計測対象位置にターゲットを設置し、このターゲットの実標高を前記光波測距儀により所定時間の間、微小時間間隔で連続的に計測し、前記所定の計測時間内における平均実標高値を得るとともに、この所定の計測時間内に橋を通過する車両群による平均タワミ値Δhを求め、前記光波測距儀による平均実標高値を前記通過車両群による平均タワミ値Δhにより補正することにより前記標高計測対象位置の活荷重無載荷時標高を求める橋構造物における活荷重無載荷時形状の計測方法が提案されている。
特許第3340393号公報
前記特許文献1に係る計測方法は、計測時間中に橋梁内を通行している大型車の荷重によるたわみ量相当分を計測値から除去することによって無載荷状態の標高に換算する手法(以下、大型車影響評価法という。)である。
しかしながら、この大型車影響評価法を適用するためには計測時間内に通行する大型車の台数、走行車線位置、速度及び車両重量が必要となるため、大型車両の重量を計測するために桁に歪みゲージを貼付して歪みから重量を算出したり、ビデオカメラで撮影を行ったりするため、その分計測に多くの手間が掛かるとともに、計測後のデータ整理も膨大となり、作業費用の増大を招くなどの課題があった。
そこで本発明の主たる課題は、主として吊橋、斜張橋、アーチ橋、トラス橋などをはじめとする易たわみ性の長大橋梁において、活荷重載荷状態(供用状態)のまま、更に大型車の台数、走行車線位置、速度及び車両重量などを一切無関係としながら、短時間に精度良く活荷重無載荷状態での標高(形状)を得るための標高計測方法を提供することにある。
前記課題を解決するために請求項1に係る本発明として、橋梁に活荷重が作用した状態で、任意点における活荷重無載荷状態の標高を得るための計測方法であって、
橋梁外に設置した自動追尾機能付きトータルステーションにより標高計測地点に設置した視準ターゲットを所定時間の間、小時間間隔で連続的に計測し、計測時間内の最大標高値Hmax、最小標高値Hminのいずれか又は両方及び平均標高値Haveを計測し、これら計測値をたわみ影響線に基づき得られた、最大標高値Hmax、最小標高値Hminのいずれか又は両方、平均標高値Have及び定数kを用いて活荷重無載荷状態の標高H0を求める算出式に代入して、活荷重無載荷状態の標高を求めることを特徴とする橋梁における活荷重無載荷状態時の標高計測方法が提供される。
上記請求項1記載の発明は、任意点における活荷重無載荷状態の標高をトータルステーションによるターゲットの視準のみ(標高計測)によって求める手法を提案するものである。すなわち、前記トータルステーションによって、視準ターゲットを所定時間の間、小時間間隔で連続的に計測し、計測時間内の最大標高値Hmax、最小標高値Hminのいずれか又は両方及び平均標高値Haveを計測し、これらの計測値を数式(活荷重無載荷状態の標高H0を求める算出式)に代入するだけで簡単に演算によって活荷重無載荷状態の標高を得るようにしたものである。
先ず、橋梁の任意点におけるたわみ影響線の下で、任意の移動荷重(走行車両)が走行することを考えた場合、この荷重によって発生するたわみの最大値Ymaxと最小値Yminとは、たわみの原因(荷重)が共通しているため、何らかの相関関係(一定比率)にあることに着目し、このたわみ影響線に平均標高値Have(計測値の平均値)の概念を導入すると、最大標高値Hmax、最小標高値Hminのいずれか又は両方、平均標高値Have及び定数kを用いて活荷重無載荷状態の標高H0を求める算出式を導くことができる。従って、トータルステーションによって計測された最大標高値Hmax、最小標高値Hminのいずれか又は両方及び平均標高値Haveを代入するだけで簡単に活荷重無載荷状態の標高を求めることができる。
上記本発明方法の場合は、大型車の台数、走行車線位置、速度及び車両重量などを一切無関係としながら、短時間に精度良く活荷重無載荷状態での標高(形状)を得ることが可能となる。
請求項2に係る本発明として、橋梁に活荷重が作用した状態で、路線方向に所定間隔で設定された多数の標高計測地点の活荷重無載荷状態の標高を得るための計測方法であって、
視準ターゲットとなる全方向プリズムを取り付けた車両を走行させ、各標高計測地点に停車する度に、橋梁外に設置した自動追尾機能付きトータルステーションにより標高計測地点に位置している前記全方向プリズムを所定時間の間、小時間間隔で連続的に計測し、計測時間内の最大標高値Hmax、最小標高値Hminのいずれか又は両方及び平均標高値Haveを計測し、これら計測値をたわみ影響線に基づき得られた、最大標高値Hmax、最小標高値Hminのいずれか又は両方、平均標高値Have及び定数kを用いて活荷重無載荷状態の標高H0を求める算出式に代入して、活荷重無載荷状態の標高を求めることを特徴とする橋梁における活荷重無載荷状態時の標高計測方法が提供される。
上記請求項2記載の発明は、前記請求項1記載の発明を応用して、活荷重が作用した状態で、路線方向に所定間隔で設定された多数の標高計測地点の活荷重無載荷状態の標高を得るための計測方法(第1手法)を提案するものである。
いわば水準測量の要領で、各標高計測地点に作業員を使ってポール状の視準ターゲットを順次設置するような作業手順では計測に多くの時間を要してしまう。従って、視準ターゲットとなる全方向プリズムを取り付けた車両を考案し、この車両を各標高計測地点に所定時間だけ停車させ、これをトータルステーションで視準して標高を得る手順を繰り返すようにすれば、多数の計測地点を短時間で連続的に計測することが可能となる。なお、計測結果は桁の標高値に換算される。
請求項3に係る本発明として、橋梁に活荷重が作用した状態で、路線方向に所定間隔で設定された多数の標高計測地点の活荷重無載荷状態の標高を得るための計測方法であって、
橋梁外に第1自動追尾機能付きトータルステーションと第2自動追尾機能付きトータルステーションとを設置し、橋梁内の基準格点とする標高計測地点に固定的に視準ターゲットを設けるとともに、前記第1自動追尾機能付きトータルステーションにより前記視準ターゲットを視準することにより、前記基準格点位置の活荷重無載荷状態の標高を請求項1記載の方法により予め既知とした上で、視準ターゲットとなる全方向プリズムを取り付けた車両を走行させ、各標高計測地点に停車する度に、前記第1自動追尾機能付きトータルステーションにより基準格点の視準ターゲットを視準して活荷重載荷状態の標高を得ると同時に、前記第2自動追尾機能付きトータルステーションにより前記車両の全方向プリズムを視準して活荷重載荷状態の標高を得て、
前記基準格点における活荷重載荷状態の標高と活荷重無載荷状態の標高との差分を求め、たわみ影響線から求めた前記基準格点と標高計測地点とのたわみ縦距比率を前記差分に乗算して標高計測地点の補正量を算出し、この補正量を標高計測地点の活荷重載荷状態の標高に加減算することにより標高計測地点の活荷重無載荷状態の標高を求めることを特徴とする橋梁における活荷重無載荷状態時の標高計測方法が提供される。
上記請求項3記載の発明は、前記請求項1記載の発明を応用して、活荷重が作用した状態で、路線方向に所定間隔で設定された多数の標高計測地点の活荷重無載荷状態の標高を得るための計測方法(第2手法)を提案するものである。
この第2手法は、同じ橋桁内の二点は同じ載荷荷重によりある一定の比率でたわみが発生することを応用したものであり、無載荷状態標高をあらかじめ求めた(または既知である)補剛桁内基準格点を任意格点の標高計測と同時にある一定時間計測した有載荷状態の標高から、任意格点の無載荷状態標高値を得る方法である。
請求項4に係る本発明として、前記活荷重無載荷状態の標高H0を求める算出式は、下記手順によって求める請求項1〜3いずれかに記載の橋梁における活荷重無載荷状態時の標高計測方法が提供される。
手順1:前記標高計測地点でのたわみ影響線に基づき、たわみ最大値Ymax、たわみ最小値Yminのいずれか又は両方、たわみ平均値Yave及び定数kを用いて、たわみゼロ点Y0を求めるたわみ関係式を導くとともに、既知数とされる前記たわみ最大値Ymax、たわみ最小値Yminのいずれか又は両方、たわみ平均値Yaveから未知数とされる前記定数kを算出する手順。
手順2:前記たわみ関係式は、実橋レベルにおいても再現されるとの前提の下、それぞれの対応関係から、前記たわみ最大値Ymaxを最大標高値Hmax、たわみ最小値Yminを最小標高値Hmin、前記たわみ平均値Yaveを平均標高値Haveに置換した活荷重無載荷状態の標高H0を求める算出式を得る第2手順。
以上詳説のとおり本発明によれば、主として吊橋、斜張橋、アーチ橋、トラス橋などをはじめとする易たわみ性の長大橋梁において、活荷重載荷状態(供用状態)のまま、更に大型車の台数、走行車線位置、速度及び車両重量などを一切無関係としながら、短時間に精度良く活荷重無載荷状態での標高(形状)を得ることが可能となる。
計測対象とした長大吊橋の側面図の一例である。 トータルステーション10による計測概念図の一例である。 トータルステーション10による計測要領図の一例である。 Lc/2点で実際に測定された活荷重載荷状態での補剛桁の時刻歴標高変化図の一例である。 Lc/2点でのたわみ影響線の一例である。 第3発明(第2手法)により補剛桁の標高を計測した縦断形状図の一例である。 補正後の補剛桁の無載荷状態標高計測結果(標準温度換算値)の一例である。 第2手法に係る二点標高評価補正法の原理説明図である。 実施例1[例-1]における車両群が通行した時のLc/2点での補剛桁の標高変化図の一例である。 実施例1[例-1]における理論たわみ発生量(たわみ影響線)の一例である。 実施例1[例-4]におけるLc/2点の標高変化図の一例である。 実施例2[例-1]における補剛桁内基準格点(Lc/2点)の標高計測結果の一例である。 実施例2[例-1]における任意格点(Lc/4点)の標高計測結果の一例である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
図1は本形態例での測定対象とした長大吊橋の側面図である。吊橋1は、側面視で左右両側にそれぞれ主塔2,3を有するとともに、これら主塔2,3からさらに離間する位置にアンカレッジ4,5を有し、前記主塔2,3の塔頂に設置されたケーブル用サドル(図示せず)間に架け渡されたケーブル6の両端を前記アンカレッジ4,5に固定し、このケーブル6の長手方向に沿って所定の間隔をおいた位置から吊り下げられたハンガーロープ7,7…によって両アンカレッジ4,5間に横架された補剛桁8を吊持するものであり、特に長スパン橋梁に適用される橋構造である。
〔第1発明〕
以下、前記長大吊橋1を対象として本発明法によって、任意点(補剛桁中央位置(以下、Lc/2点という。))の活荷重が作用した供用中の状態で、任意点における活荷重無載荷状態の標高を得るための計測方法について説明する。
(装置構成)
図2および図3に示されるように、吊橋1外の地上部分にターゲットに対する視準を自動的に補正する自動追尾機能付きトータルステーション10(以下、単にトータルステーションという。)を設置するとともに、標高計測地点となる前記Lc/2点にミラー11(以下、ターゲットという。)を設置し、前記トータルステーション10によってターゲット11を追尾しながら視準し、所定時間の間、距離L、鉛直角α、水平角βを小時間間隔で連続的に計測し、ターゲット11の置かれた補剛桁8天端の標高(H)を求める。前記トータルステーションは、毎秒2.5回のデータ読み取りが可能であり(実際には1秒毎の計測に設定)、読み取られたデータは、前記トータルステーション10に接続されたコンピューター12に記憶されるようになっている。なお、トータルステーション10の設置座標は予め既知とされる。
本第1発明では、前記トータルステーション10によって、標高計測地点に設置した視準ターゲットを所定時間の間、小時間間隔で連続的に計測し、計測時間内の最大標高値Hmax、最小標高値Hminのいずれか又は両方及び平均標高値Haveを計測し、これら計測値をたわみ影響線に基づき得られた、最大標高値Hmax、最小標高値Hminのいずれか又は両方、平均標高値Have及び定数kを用いて活荷重無載荷状態の標高H0を求める算出式に代入して、活荷重無載荷状態の標高を求めるものである。
(計測原理)
図4にLc/2点で実際に測定された活荷重載荷状態での補剛桁の時刻歴標高変化を示す。図4を一見すると明らかなように、標高は時間経過と共に大きく変化しており、このグラフから活荷重無載荷状態の標高を求めるのは不可能に思える。
線形化たわみ理論によれば「重ね合わせの原理」が成立することから、載荷状態の標高は無載荷状態標高に載荷荷重によるたわみを重ね合わせたものである。つまり、無載荷状態標高は載荷状態の標高から全ての活荷重(軸重)によって発生しているたわみ量相当分を除去することで理論的に求めることができる。しかし、活荷重の載荷パターンは無限に存在するとともに、時々刻々と載荷状態も変化するため、活荷重載荷状態の標高から載荷されているすべての活荷重のたわみ分を1車両毎に計算によって除去することは実際上は不可能である。
考え方の視点を変えて、たわみ影響線の下で、任意の移動荷重群(走行車両群)が走行することを考えた場合、この荷重群によって発生するたわみの最大値Ymaxと最小値Yminとは、たわみの原因(荷重群)が共通しているため、何らかの相関関係(一定比率)にあるものと考えられる。また、図4の標高変化グラフから読み取れる情報は、たわみの最大値Ymaxと、最小値Yminと、平均標高値Have(計測値の平均値)である。前記平均標高値Haveは、測定した標高を時間積分し時間で除算したものであり、標高計測値の平均値である。
そこで、図5に示されるLc/2点でのたわみ影響線(20tf線荷重を想定し、縦軸はそのたわみ量としてある)の下で、このたわみ影響線にたわみ平均値Yave(図5において、面積を時間で割って求めることででき、計測値の平均値に相当する。)の概念を導入すると、たわみ最大値Ymax、たわみ最小値Yminのいずれか又は両方、たわみ平均値Yave及び定数kを用いて、たわみゼロ点Y0を求めるたわみ関係式を導くことができる。
図5のたわみ影響線からは、たわみゼロ点Yoの標高を求める、次のような3つのたわみ関係式が成立する。
第一式…たわみ最大値Ymaxとたわみ平均値Yaveからたわみゼロ点Yoを算出するたわみ関係式
Yo=Yave+(Ymax−Yave)*k1 …(1)
第二式…たわみ最大値Ymax、たわみ最小値Ymin及びたわみ平均値Yaveからたわみゼロ点Yoを算出するたわみ関係式
Yo=Yave+(Ymax−Ymin)*k2 …(2)
第三式…たわみ最小値Yminとたわみ平均値Yaveからたわみゼロ点Yoを算出するたわみ関係式
Yo=Yave+(Yave−Ymin)*k3 …(3)
ここで、Yave、Ymax及びYminは、20tf線荷重を想定した場合、理論上次のような値となる。
Yave(たわみ平均値)=−0.0135m
Ymax(たわみ最大値)=+0.0059m
Ymin(たわみ最小値)=−0.0678m
また、k1、k2及びk3(以下、k値と呼ぶ)は構造物の影響線によって決まる(すなわち構造物によって決まる)定数とする。これらのk値は発生たわみ量から計算で下記のように求めることができる。ただし、Yoはたわみゼロ点のたわみ量(無載荷状態の時のたわみ量)でありYo=0となる。
k1=(Yo−Yave)/(Ymax−Yave)=(0+0.0135)/(0.0059+0.0135)=0.6959
k2=(Yo−Yave)/(Ymax−Ymin)=(0+0.0135)/(0.0059+0.0678)=0.1832
k3=(Yo−Yave)/(Yave−Ymin)=(0+0.0135)/(-0.0135+0.0678)=0.2486
前記たわみ関係式は、実橋レベルにおいても再現されるはずであるから、それぞれの対応関係から、前記たわみ最大値Ymaxを最大標高値Hmax、たわみ最小値Yminを最小標高値Hmin、前記たわみ平均値Yaveを平均標高値Haveに置換すると活荷重無載荷状態の標高H0を求める算出式は下式となる。
第一式 H0=Have+(Hmax−Have)*k1 …(1)’
第二式 H0=Have+(Hmax−Hmin)*k2 …(2)’
第三式 H0=Have+(Have−Hmin)*k3 …(3)’
理論上は、上記第一式〜第三式のいずれを用いても良いことになるが、誤差要因の出方によって、誤差に変動が生じる。後述の実施例1に示されるように、標高計測地点がLc/2点の場合は、第一式が誤差が最も小さくなる。第一式が誤差の変動幅が小さくなる理由は、荷重の大きさ(重量)によって発生する最小たわみ(正)は大きく変動するものの、最大たわみ(負)及び平均たわみの変動幅は小さく、結果として最大たわみと平均たわみとの差から導いている第一式の結果が最も安定しており誤差の変動が小さくなっていることによるものと思われる。
トータルステーション10による計測時間は、計測原理から考えると、少なくとも荷重(車両)が橋に進入してから通過し終える時間(t)は必要である。好ましくは、渋滞や徐行、不確定な誤差要因、精度向上等を考慮すると、その3倍(3*t)程度以上の時間を設定するのが望ましい。
〔第2発明〕
上記第1発明の核として、この方法を利用し、活荷重が作用した状態で、路線方向に所定間隔で設定された多数の標高計測地点の活荷重無載荷状態の標高を得るための計測方法(第1手法)を説明する。
本第1手法は、視準ターゲットとなる全方向プリズムを取り付けた車両を走行させ、各標高計測地点に停車する度に、橋梁外に設置した自動追尾機能付きトータルステーションにより標高計測地点に位置している前記全方向プリズムを所定時間の間、小時間間隔で連続的に計測し、計測時間内の最大標高値Hmax、最小標高値Hminのいずれか又は両方及び平均標高値Haveを計測し、これらをたわみ影響線に基づき得られた、最大標高値Hmax、最小標高値Hminのいずれか又は両方、平均標高値Have及び定数kを用いて活荷重無載荷状態の標高H0を求める算出式に代入して、活荷重無載荷状態の標高を求めるようにするものである。
この計測法は、補剛桁の計測格点が数十点以上と多数ある場合の補剛桁の形状測定あるいは路面の縦断線形の確認作業において極めて有利であり、従来採用されてきた固定点を計測する方法または水準測量に比べより短時間で連続的に計測することが可能である。またこの方法は、作業箇所付近だけの部分的な交通規制だけでも作業が可能である。
なお、全方向プリズムとは、ほぼ同じ平面内であればあらゆる方向から視準が可能であるプリズムであり、これを車両の上部に取り付ける。
全方向プリズムを取り付けた車両(以下、MAT車「Movable-Auto-Tracking(動体自動追尾)」と呼ぶ。)が補剛桁の格点ごとに停止して、Lc/2点と同様に補剛桁の標高を計測する。
〔第3発明〕
上記第1発明を利用し、活荷重が作用した供用中の状態で、橋梁上に所定間隔で設定された多数の標高計測地点の活荷重無載荷状態の標高を得るための計測方法(第2手法)を説明する。
格点ごとに無載荷状態標高を算出するためには、前述の第1手法を適用すれば求めることは可能であるが、この計測法は路面の標高を計測するため、これを補剛桁の標高に換算する必要もあるとともに、計測地点毎にある程度の時間、MAT車を停止させることが条件となるため計測に時間が掛かる。
そこで、橋梁外に第1自動追尾機能付きトータルステーションと第2自動追尾機能付きトータルステーションとを設置し、橋梁内の基準格点とする標高計測地点に固定的に視準ターゲットを設けるとともに、前記第1自動追尾機能付きトータルステーションにより前記視準ターゲットを視準することにより、前記基準格点位置の活荷重無載荷状態の標高を請求項1記載の方法により予め既知とした上で、視準ターゲットとなる全方向プリズムを取り付けた車両を走行させ、各標高計測地点に停車する度に、前記第1自動追尾機能付きトータルステーションにより基準格点の視準ターゲットを視準して活荷重載荷状態の標高を得ると同時に、前記第2自動追尾機能付きトータルステーションにより前記車両の全方向プリズムを視準して活荷重載荷状態の標高を得て、
前記基準格点における活荷重載荷状態の標高(平均標高値Have)と活荷重無載荷状態の標高(平均標高値Have)との差分を求め、たわみ影響線から求めた前記基準格点と標高計測地点とのたわみ縦距比率を前記差分に乗算して標高計測地点の補正量を算出し、この補正量を標高計測地点の活荷重載荷状態の標高に加減算することにより標高計測地点の活荷重無載荷状態の標高を求めるようにする(以下、「二点標高評価補正法」ともいう)。
本第2手法では、基準格点のたわみとの相対差で任意格点の活荷重無載荷の標高を求めるため任意格点の標高が異常値となる可能性を回避し易いなどの利点を有する。
上記計測手法により車両の全方向プリズムを視準して活荷重載荷状態の標高を得た結果を図6に示す。この計測例では、車両によるたわみ発生が大きい中央径間では停止時間を長く(60sec間)とり、たわみ発生の影響が小さい側径間では停止時間を短く(30sec間)したが、全75格点の計測を53分間で終えている。計測は全体を4分割で行っており、橋台〜主塔、主塔〜Lc/2点、Lc/2点〜主塔及び主塔〜橋台で行ったデータを合成したものである。このように4分割をしなくとも計測は可能であるが、主塔やLc/2点のセンターステーにより一時的に視準がさえぎられることやデータの確実な取得とバックアップ保管をするためこのような手法をとった。
階段状に見える各ステップは本来レベルとなるはずであるが、大型車が通過した場合には補剛桁の標高が大きく変化するため凸凹状を呈している部分も何箇所か見受けられるが(同図の拡大図参照)、「二点標高評価補正法」によりその影響を無くすことが可能である。このようにして求めた補剛桁の無載荷状態の標高計測結果(標準温度換算値)を図7に示す。
この「二点標高評価補正法」は、同じ橋桁内の二点は同じ載荷荷重によりある一定の比率でたわみが発生することを応用したものであり、無載荷状態標高をあらかじめ求めた(または既知である)補剛桁内基準格点を任意格点の標高計測と同時にある一定時間計測した有載荷状態の標高から、任意格点の無載荷状態標高値を得る方法である。
図8に示されるように、ある1台の車両だけが本橋を通行したものと仮定する。この時、Lc/2点にはその車両に見合ったたわみが発生し、そのたわみの平均値がΔWL/2であったとする。
一方、Lc/4点には同じ荷重によりたわみが発生するが、Lc/2点のたわみ平均値に対するLc/4点のたわみ平均値の比率をgとすれば、Lc/4点に発生するたわみの値はg*ΔWL/2となる。この比率g(縦距比率)は構造物特有の値でありたわみ影響線から算出できる。
従って、下式(4)により、任意格点の無載荷状態の標高Hjを求めることができる。
Hj=H0−g*Δave …(4)
ここで、Hj:任意格点(j)の無載荷状態標高(m)
H0:基準格点(0)の無載荷状態標高(m)
g :任意格点の基準格点に対する平均たわみ量比率(縦距比率)
Δave:基準格点の平均たわみ量(差分)
この「二点標高評価補正方法」は原理説明図(図8)で述べているように、1台の大型車が完全に通行した場合に成立する方法である。したがって多くの車両が連続して通行するような場合や通過途中の車両があれば、当然補正誤差が発生する。その発生誤差を小さくするには、後述する〔実施例2〕[例-2]より、格点毎の計測時間を約3分(180sec)以上とすればよい。但し、大型車が通行している場合で二点(基準格点、任意格点)ともその大型車が補正対象に完全に含まれるならば、短時間でも発生誤差を小さくすることが可能である。
〔実施例1〕
前記〔第1発明〕の欄では、20tfの単一線荷重を載荷したが、複数の異なる荷重が連行載荷する場合は上式中のYmax,Yymin及びYaveが単一の線荷重載荷の場合と異なるため、k値は上記の値とは異なり任意の値をとることが予想される。従って、複数の車両が連行した場合について、仮想シミュレーションを行い、計測誤差及びk値のバラツキ程度などについて検討した。
[例-1]
無載荷状態標高(Ho=40.000m)が既知である補剛桁上を、5分間の計測時間内に任意の車両(線荷重)8台が通行した場合について、無載荷状態標高を算出した例を示す。重量は4〜28tfとし、橋梁内の通過所要時間は低速車(60sec)及び超低速車(120sec)とした(表-1)。
Figure 2011257256
これらの車両群が通行した時のLc/2点での補剛桁の標高変化図は図9のようである。図9に示した標高図は、各車両によって発生するたわみを無載荷状態の補剛桁(Ho=40.000m)に重ね合わせたものである。図9は無載荷状態標高を40.000mとして設定したものではあるが、この図からは無載荷状態標高がどれほどであるかは皆目見当がつかない。
そこで、〔第1発明〕を適用して、図9から得られた計測値(Hmax、Have及びHmin)だけから本来不明である無載荷状態標高の算出を試みる。ここで全車両による図10のたわみ量(たわみ影響線)から平均値、最大値及び最小値を算出すると表2のようになり、この値からk値は表3のように算出できる。
Figure 2011257256
Figure 2011257256
これらのk値と図9に示す標高の計測結果(表4)をもとに無載荷状態標高を算出する。
Figure 2011257256
第一式による無載荷状態標高の算出
Yo=39.9732+(40.0115-39.9732)*0.7003=Ho(=40.000m)
第二式による無載荷状態標高の算出
Yo=39.9732+(40.0115-39.9079)*0.2586=Ho(=40.000m)
第三式による無載荷状態標高の算出
Yo=39.9732+(39.9732-39.9079)*0.4101=Ho(=40.000m)
この結果、第一式〜第三式とも無載荷状態標高が当初仮定して設定していたHo=40.000mに等しくなり、無載荷状態標高の推定が可能であることが立証できた。
[例-2]
前例において荷重の大きさを任意に変えた場合について無載荷状態標高を算出した例を示す。車両重量は0〜28tfとした全25ケースである(表5)。
Figure 2011257256
この表5において各ケースごとに算出されたk値を使用すれば無載荷状態標高は全て40.000mとなる。しかし、例えばk1では0.55〜0.80に変化しておりこのようにk値が変動するとなると無載荷状態標高の算出の一般式化は容易ではない。
そこで、0.55〜0.80に変化しているk1を0.70(単一線荷重載荷状態の場合のk1=0.6959を丸めた値と同値とした)に、0.10〜0.29に変化しているk2を0.18(同k2=0.1832を丸めた値と同値)に、さらに0.12〜0.48に変化しているk3を0.25(同k3=0.2486を丸めた値と同値)にそれぞれ仮定して、それらの値を使用して算出した無載荷状態標高の計算値が当初仮定した無載荷状態標高Ho=40.000mとどれだけ差があるかを確認した(表6)。
Figure 2011257256
この結果、第一式ではk1=0.70と仮定したとしても±4mm以内に収まることが確認できたものの、第二式、第三式において(単一線荷重載荷状態の場合のk2,k3とした場合には)、15mm程度の誤差は免れないことが確認できた。
このようにk1値を用いた推定式がどのような載荷状態であっても安定して誤差の変動幅が小さくなる理由は、荷重の大きさ(重量)によって発生する最小たわみ(正)は大きく変動するものの、最大たわみ(負)及び平均たわみの変動幅は小さく、結果として最大たわみと平均たわみとの差から導いている第一式の結果が最も安定しており誤差の変動が小さくなっていることによる(図5参照)。
図5は20tf線荷重を載荷した時のLc/2点のたわみ影響線であるが、この図のYmax,Yave及びYminは荷重0tf(無載荷)との差(荷重20tfによる違い)をも表しており、これからYmax,Yaveの値から推定する第一式は変動幅が少なく安定したものになることが理解できる。
これより、載荷状態の標高から無載荷状態標高を算出する方法として、第一式(標高平均値と標高最大値を利用して求める算出式)が極めて有効であることがわかる。なお、これはLc/2点の場合であり、計測地点毎にたわみ影響線の形状が異なるため、第一式はすべてのケースで誤差が最小となるわけではない。
[例-3]
これまでは大型車について全て線荷重として取り扱ってきた。そこで、ここでは多軸車両が通過した場合の影響を検討した。また、計測時間は5分間と固定していたがこれより短時間でも誤差が小さければ問題ないはずであり、計測時間の影響についても検討した。
なお車両重量は任意とし、橋梁内の通過時間が極めて短い高速車(30sec)、中速車(40sec)及び低速車(60sec)の3種類と仮定した。
検討の結果を表7と表8に示す。仮定したk値で算出した無載荷状態の標高計算値は第一式の場合が最も誤差が小さくなった。また、標高値の差は±2mmと小さく、計測時間については、30sec(表7)と短くても300sec(表8)と長くてもほとんど変わらない結果であった。なお、表中の(無)は無載荷状態標高値を、(平)は平均標高値を、(大)は最大標高値をまた(小)は最小標高値を示す。
計測時間30secの時間設定は、高速車が橋を通過するのに要する最小時間として設定されたものであるが、表7の計測結果は、計測時間帯が深夜であり、1台の高速車が通過した場合であったため、このような結果になったものと予測される。従って、渋滞や徐行、不確定要素(外乱)、精度向上を考慮すると、その3倍(3*t)程度以上の時間を設定するのが望ましい。
Figure 2011257256
Figure 2011257256
[例-4]
図11は、実計測結果の無載荷状態標高からk値を算出したものである。Lc/2点の標高変化からもわかるように全く標高が変化していない無載荷状態標高が計測でも得られている(○部分)。この例の無載荷状態標高からk値を算出する(表9)。
Figure 2011257256
無載荷状態標高を図11の標高がほとんど変化していない時間帯の標高47.8278mと一致させるためのk1値を求めるとk1=0.64となる。
このk1は、本橋のたわみ影響線の理論値から求めるならば、前述のように0.70となるはずである。しかるにこの値が0.64となりわずかに異なるが、この理由は実構造物のたわみ影響線が必ずしも理論値通りではない結果と考えることができる。
なお、k1=0.70として算出した標高は47.8290mであり上記の値(47.828m)との差は1mmであり、形状結果を評価する上では問題となる値ではない。
〔実施例2〕
[例-1]
本実施例2では、上記〔第3発明〕によって、超大型車が載荷した条件におけるLc/4点の無載荷状態標高を求めた。補剛桁内基準格点であるLc/2点と任意格点であるLc/4点を同時計測し、Lc/2点の無載荷状態の標高値(第1発明によって求めた。)及び載荷活荷重によるたわみ影響線を用いて算出する。
補剛桁内基準格点であるLc/2点の標高計測結果を図12に示す。また、第1発明によって求めた無載荷時の標高を同図に示す。
上記時間帯におけるLc/2点の載荷状態平均標高値と無載荷状態標高は下記のようである。
(載荷状態平均標高値)=47.819m
(無載荷状態標高値) =47.828m
これより、この時間帯に作用していた活荷重によるたわみの影響値は次のように算出できる。
(活荷重によるたわみの影響値)=(無載荷状態標高値)−(載荷状態平均標高値)
=47.828−47.819
=0.009m
次に、Lc/4点の標高計測結果図(図13)より、Lc/2点の計測と同じ時間帯の標高値は46.249mである。
一方、Lc/2点及びLc/4点のたわみ平均値は各々のたわみ影響線(理論値)から次の値であり、たわみ縦距比率gは下記のような値となる。
(Lc/2点のたわみ平均値)=0.01350m
(Lc/4点のたわみ平均値)=0.00967m
(Lc/4点のたわみ縦距比率)g= 0.716
これより、Lc/4点の補正無載荷状態標高値は下記式により算出できる。
(Lc/4点の補正無載荷状態標高値)=(載荷状態の平均標高値)+(荷重によるたわみ影響値)
=46.249+0.716*0.009
=46.255m
求められた補正無載荷状態標高値を図13に図示しているが、この値は同図の0:28:42〜0:29:00間に出現している大型車が無載荷時寒帯の標高値(46.2545〜46.2548)に同じとなり、この方法の正しさが確認できた。
[例-2]
〔第3発明〕に係る「二点標高評価補正方法」は、原理説明図(図8)で述べているように、1台の大型車が完全に通行した場合に成立する方法である。したがって多くの車両が連続して通行するような場合や通過途中の車両があれば、当然補正誤差が発生する。ここではその発生誤差とそれを小さくする手法を併せて検討した。
一般には計測時間を長くすれば誤差は小さくなることは予想できるが、計測時間が長くなるほど全体作業時間も長くなり予期せぬ温度変化の影響も含まれてしまう。
そこで、全体の計測時間(0:22:00〜0:29:00)のデータを利用して、全計測時間(7分間)を15sec〜420secに任意に細分化して、それぞれの計算で求めた補正無載荷状態標高値(H)と単独で得ている無載荷状態標高(Ho)を比べ発生する誤差を求め、これから最適な計測時間を検討した。
検討は図13に示した Lc/4点における標高計測結果で行ったもので、無載荷状態標高(Ho)は46.255mである。その結果を表10に示す。
Figure 2011257256
表10より、検討結果はおよそ以下のようになる。
(1)計測時間を長くするほど発生誤差を小さく抑えることが可能である。
(2)発生誤差量を数mm程度に抑えるためには約3分(180sec)以上が必要である。
(3)3分(180sec)以下の計測時間では、極端に誤差が大きくなることがある。
(4)特に大型車が通行している場合は、二点(基準格点、任意格点)ともその大型車が補正対象に完全に含まれるならば、短時間でも発生誤差を小さくすることが可能である。
(5)計測時間を比較的長くとっても、大型車が完全に補正対象に含まれていないと誤差が大きくなることもある。
〔他の形態例〕
(1)上記〔発明を実施するための形態〕の説明では、温度に対する補正については行っていないが、基準温度(ex.20℃)における活荷重無載荷時の標高とするには、基準温度に対する差分温度だけ温度補正を行うようにすればよい。一般的には、温度と標高とは一次線形の関係で表すことができるため、予め単位温度当たりの標高補正量を算出しておけば、簡単に温度分を補正することが可能である。
1…吊橋、2・3…主塔、4・5…アンカレッジ(橋台)、6…ケーブル、7…ハンガーロープ、8…補剛桁、10…トータルステーション、11…ターゲット、12…コンピュータ

Claims (4)

  1. 橋梁に活荷重が作用した状態で、任意点における活荷重無載荷状態の標高を得るための計測方法であって、
    橋梁外に設置した自動追尾機能付きトータルステーションにより標高計測地点に設置した視準ターゲットを所定時間の間、小時間間隔で連続的に計測し、計測時間内の最大標高値Hmax、最小標高値Hminのいずれか又は両方及び平均標高値Haveを計測し、これら計測値をたわみ影響線に基づき得られた、最大標高値Hmax、最小標高値Hminのいずれか又は両方、平均標高値Have及び定数kを用いて活荷重無載荷状態の標高H0を求める算出式に代入して、活荷重無載荷状態の標高を求めることを特徴とする橋梁における活荷重無載荷状態時の標高計測方法。
  2. 橋梁に活荷重が作用した状態で、路線方向に所定間隔で設定された多数の標高計測地点の活荷重無載荷状態の標高を得るための計測方法であって、
    視準ターゲットとなる全方向プリズムを取り付けた車両を走行させ、各標高計測地点に停車する度に、橋梁外に設置した自動追尾機能付きトータルステーションにより標高計測地点に位置している前記全方向プリズムを所定時間の間、小時間間隔で連続的に計測し、計測時間内の最大標高値Hmax、最小標高値Hminのいずれか又は両方及び平均標高値Haveを計測し、これら計測値をたわみ影響線に基づき得られた、最大標高値Hmax、最小標高値Hminのいずれか又は両方、平均標高値Have及び定数kを用いて活荷重無載荷状態の標高H0を求める算出式に代入して、活荷重無載荷状態の標高を求めることを特徴とする橋梁における活荷重無載荷状態時の標高計測方法。
  3. 橋梁に活荷重が作用した状態で、路線方向に所定間隔で設定された多数の標高計測地点の活荷重無載荷状態の標高を得るための計測方法であって、
    橋梁外に第1自動追尾機能付きトータルステーションと第2自動追尾機能付きトータルステーションとを設置し、橋梁内の基準格点とする標高計測地点に固定的に視準ターゲットを設けるとともに、前記第1自動追尾機能付きトータルステーションにより前記視準ターゲットを視準することにより、前記基準格点位置の活荷重無載荷状態の標高を請求項1記載の方法により予め既知とした上で、視準ターゲットとなる全方向プリズムを取り付けた車両を走行させ、各標高計測地点に停車する度に、前記第1自動追尾機能付きトータルステーションにより基準格点の視準ターゲットを視準して活荷重載荷状態の標高を得ると同時に、前記第2自動追尾機能付きトータルステーションにより前記車両の全方向プリズムを視準して活荷重載荷状態の標高を得て、
    前記基準格点における活荷重載荷状態の標高と活荷重無載荷状態の標高との差分を求め、たわみ影響線から求めた前記基準格点と標高計測地点とのたわみ縦距比率を前記差分に乗算して標高計測地点の補正量を算出し、この補正量を標高計測地点の活荷重載荷状態の標高に加減算することにより標高計測地点の活荷重無載荷状態の標高を求めることを特徴とする橋梁における活荷重無載荷状態時の標高計測方法。
  4. 前記活荷重無載荷状態の標高H0を求める算出式は、下記手順によって求める請求項1〜3いずれかに記載の橋梁における活荷重無載荷状態時の標高計測方法。
    手順1:標高計測地点でのたわみ影響線に基づき、たわみ最大値Ymax、たわみ最小値Yminのいずれか又は両方、たわみ平均値Yave及び定数kを用いて、たわみゼロ点Y0を求めるたわみ関係式を導くとともに、既知数とされる前記たわみ最大値Ymax、たわみ最小値Yminのいずれか又は両方、たわみ平均値Yaveから未知数とされる前記定数kを算出する手順。
    手順2:前記たわみ関係式は、実橋レベルにおいても再現されるとの前提の下、それぞれの対応関係から、前記たわみ最大値Ymaxを最大標高値Hmax、たわみ最小値Yminを最小標高値Hmin、前記たわみ平均値Yaveを平均標高値Haveに置換した活荷重無載荷状態の標高H0を求める算出式を得る第2手順。
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