JP2011257224A - 核酸分析デバイス、およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】発光測定により試料中の核酸を分析する、ギャップを有する金属層を用いた核酸分析デバイスを歩留まり良く製造する。
【解決手段】支持基体501に第一の金属層又は絶縁層502を形成し、第二の金属層となる金属膜514を形成し、第二の金属層となる金属膜514をパターニングする。このパターニングした第二の金属層となる金属膜514をマスクとして、支持基体501の表面の法線方向に対し斜め方向から第二の金属層となる金属を積層で成膜することによりギャップを有する第二の金属層503を形成する。核酸分析デバイスの第二の金属層503はプローブが固定されるギャップ504を挟んで段差を有する構造となり、核酸分析の効率向上が図れる。
【選択図】図5

Description

本発明は、核酸分析デバイス、およびその製造方法等の核酸分析技術に関する。
核酸分析デバイスとして、デオキシリボ核酸(Deoxyribonucleic acid:DNA)やリボ核酸(ribonucleic acid:RNA)の塩基配列を決定する新しい技術が開発されてきている。現在、通常用いられている電気泳動を利用した方法においては、予め配列決定用のDNA断片又はRNA試料から逆転写反応を行い合成した相補的DNA(complementary DNA:cDNA)断片試料を調製し、周知のサンガー法によるジデオキシ反応を実行した後、電気泳動を行い、分子量分離展開パターンを計測して解析する。
これに対し、近年、非特許文献1にあるように、基板にDNAなどを固定してその塩基配列を決定する方法が提案されている。基板表面にランダムに分析すべき試料DNA断片を1分子ずつ捕捉し、ほぼ1塩基ずつ伸長させて、その結果を蛍光計測より検出することにより塩基配列を決定するものである。具体的には、まず、DNAポリメラーゼの基質として鋳型DNAに取り込まれてDNA鎖伸長反応を保護基の存在により停止することができ、且つ、検出され得る標識を持つ4種のデオキシヌクレオシド三リン酸(Deoxyribonucleotide tri-phosphate:dNTP)の誘導体(MdNTP)を用いてDNAポリメラーゼ反応を行わせる工程を実施する。次いで取り込まれたMdNTPを蛍光等で検出する工程、及びMdNTPを伸長可能な状態に戻す工程を実施する。
これら3工程を1サイクルとし、該サイクルを繰り返すことにより、試料DNAの塩基配列を決定する。本技術では、DNA断片を1分子ずつ配列決定することができるため、本技術を用いた核酸分析デバイスをアレイ状に数多く並べることによって、同時に数多くの断片を解析することができ、解析スループットを大きくすることができる。また、本方式では、単一DNA分子毎に塩基配列が決定できるため、従来技術の問題であったクローニングやPCR (Polymerase Chain Reaction)等での試料DNAの精製、増幅が不要にできる可能性があり、ゲノム解析や遺伝子診断の迅速化が期待できる。
上述の蛍光等を高感度に検出する方法として、局在型表面プラズモンを利用する技術が挙げられる。特許文献1には30nm以下のギャップの幅をもって配置された複数の金属ナノドットによる検出素子が開示されている。同文献の手法では、ギャップにより局在型表面プラズモンを発生させ、金属ナノドットに標的物質の捕捉体、即ちプローブDNAなどのプローブを固定することで検出の高感度化を図っている。
一方、特許文献2には、斜め方向から膜を形成することにより、金属微小開口を有する光学素子、局在表面プラズモンセンサの製造方法が開示されているが、ギャップを形成するためのマスクを基板(支持基体)のパターニングにより形成している。
特開2007−218900号公報 特開2008−232806号公報 特開2009−300241号公報
P.N.A.S. 2003, Vol. 100, pp. 3960-3964.
しかし、特許文献1の手法では、局在型表面プラズモンが最も強く発生するのはギャップ内であるのに、プローブは金属ナノドットの表面や側面にランダムに固定されるため、強い局在型表面プラズモンの恩恵を受けるのは、金属ナノドットの側面、且つ、ギャップの側面に偶然固定された一部のプローブに捕捉された標的物質のみである。全てのプローブに捕捉された標的物質が強い局在型表面プラズモンの恩恵を受けるためには、プローブがギャップ内に固定される必要がある。
そこで、本願発明者らは先に、プローブをギャップ内に固定するために、ギャップの下にプローブを固定できるナノドットの材料とは異なる層を追加し、ギャップを構成するナノドットの材料にはプローブを固定しない材料を選ぶことを考案し、先に特許出願を行った(特許文献3)。
上記の先願に開示した局在型表面プラズモンを利用した核酸分析デバイスの形態について、図1A、1B、1Cを用いて説明する。発光測定によって核酸を分析する核酸分析デバイスであって、支持基体を備え、支持基体上に形成された第一の金属層又は絶縁層を有し、第一の金属層又は絶縁層上に形成されたギャップを有する第二の金属層を有し、ギャップに光照射により局在型表面プラズモンが発生し、第一の金属層又は絶縁層上に試料中の核酸を分析するためのプローブを有する核酸分析デバイスが挙げられる。このデバイスは、第一の金属層又は絶縁層と第二の金属層との反応性の差を用いて、測定のためのプローブを第一の金属層又は絶縁層上に特異的に配置することができる。プローブに補足された一塩基伸長反応によってDNA二本鎖中に取り込まれたヌクレオチドに付随した蛍光色素のみを数倍から数十倍程度の蛍光増強場に固定でき、プローブに捕捉された蛍光色素のみが強い蛍光を発することから、浮遊する未反応のヌクレオチドに付随している蛍光色素からの蛍光とは区別できる。
局在型表面プラズモンを発生可能なギャップを有した第二の金属層はギャップを挟んで向き合わせた複数の金属体により実現できる。金属体の適切な形状、大きさは、照射する光の波長によって異なる。大きさは励起光を可視光とすると幅・厚さ共に10〜1000nm程度が適しているが、蛍光増強効果を高めるためには幅は100nm以下、厚さは50nm以下が好ましい。第一の金属層又は絶縁層の幅と厚さも同程度であるが、第二の金属層102を形成した面と反対側の裏面より励起光を照射する場合には薄いほど好ましい。上記ギャップの幅は蛍光増強効果を高めるために15nm以下が好ましい。
第二の金属層の形状としては、図1Aのように向き合った三角柱に類した構造体が角柱で結ばれ、角柱にギャップ有する構造や、図1Bのように円柱が角柱で結ばれ、角柱にギャップ有する構造や、図1Cのように大きな角柱が小さな角柱で結ばれ、小さな角柱にギャップ有する構造などが挙げられる。
図2に、図1Aのように向き合った三角柱に類した構造体が角柱で結ばれ、角柱にギャップ有する構造による核酸分析デバイスの形態の例を示す。支持基体201上の第一の金属層202と第二の金属層又は絶縁層203により構成された蝶ネクタイ状の柱の中心に第一の金属層202のギャップが設けられている。このギャップが光照射による局在型表面プラズモンによる蛍光増強場204となる。ギャップの下には測定のためのプローブ206を配置した第二の金属層又は絶縁層203があり、プローブ206に捕捉された測定対象の核酸207の蛍光色素205のみ蛍光増強場204内にあるため蛍光増強の恩恵を受け、浮遊する未反応基質の蛍光色素208とは数倍から数十倍以上の蛍光強度の差がもたらされる。核酸分析デバイスを支持基体201上に100個以上アレイ状に配置することによって同時に数多くの分析を行うことができ、分析スループットを大きくできる。
上記のようなナノメートルオーダーの微細な構造を製造し、かつアレイ状に配置する手法として、半導体デバイスの製造に用いられている、サイドウォールを用いた薄膜プロセスを活用することが挙げられる。しかし、この薄膜プロセスを用い、ギャップを挟んで三角柱の頂点が向かい合った構造による核酸分析デバイスの製造を行ったところ、サイドウォールを用いた一般的な薄膜プロセス(例えば、James D. Plummer, Michael D. Deal, and Peter B. Griffin, SILICON VLSI TECHNOLOGY, Prentice Hall, Inc., New Jersey NJ, 2000, p. 78.を参照。)ではナノメートルオーダーの微細な構造を歩留まり高く製造することは困難であった。
そこで,本発明の目的は、歩留まり高くナノメートルオーダーの微細な構造を製造可能な核酸分析デバイス、および製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明においては、発光測定により試料中の核酸を分析する核酸分析デバイスであって、支持基体と、支持基体上に形成され、光照射により局在型表面プラズモンが発生可能なギャップを有する第二の金属層と、支持基体と第二の金属層の間に、試料中の核酸を分析するためのプローブがギャップ位置に固定される、第二の金属層とは異なる第一の金属層又は絶縁層とを備え、ギャップを有する第二の金属層は、第二の金属層を構成する金属層をパターニングした支持基体の面に対し、斜め方向から第二の金属層を構成する金属を更に積層することにより形成した構成の核酸分析デバイスを提供する。
また、上記の目的を達成するため、本発明においては、発光測定により試料中の核支持基体に第一の金属層又は絶縁層を形成する工程と、第二の金属層となる金属膜を形成する工程と、形成した第二の金属層となる金属膜をパターニングする工程と、パターニングした第二の金属層となる金属膜をマスクとして、支持基体表面の法線方向に対し斜め方向から、更に第二の金属層となる金属を成膜することにより、ギャップを有する第二の金属層を形成する核酸分析デバイスの製造方法を提供する。
本発明によれば、ナノメートルオーダーの微細なギャップを有する金属層を有した高効率の核酸分析デバイスを、高い歩留まりで製造することが可能となる。
核酸分析デバイスの一構造の概略図である。 核酸分析デバイスの他の構造の概略図である。 核酸分析デバイスの他の構造の概略図である。 核酸分析デバイスを用いた分析形態の概略を示す図である。 サイドウォールを用いた拡散分析デバイスの製造法の問題点を説明するためのフロー図である。 第1の実施例に係る、ギャップを挟んだ第二の金属層の膜厚が異なる利点を説明する、核酸分析デバイスの断面形状の概略図である。 ギャップを挟んだ第二の金属層の膜厚が異なる利点を説明する、比較対象の核酸分析デバイスの断面形状の概略図である。 第1の実施例に係る、核酸分析デバイスの製造方法の一例を説明するためのフロー図である。 第1の実施例に係る、ギャップ部分の断面形状の概略図である。 第1の実施例に係る、斜め方向から入射する金属粒子群の支持基体面の法線方向に対する角度とギャップ幅の関係を示す図である。 第1の実施例に係る、ギャップ部分の断面形状の概略図である。 第1の実施例に係る、ギャップ部分の断面形状の概略図である。 第1の実施例に係る、ギャップ部分の断面形状の概略図である。 第1の実施例に係る、斜め方向から入射する金属粒子群の支持基体面の法線方向に対する角度の分布とギャップ幅及び裾引き長さの関係を示す図である。
以下、本発明の核酸分析デバイスの構造、及びその製造方法の実施形態を図面に従い説明するに先立ち、発光測定により試料中の核酸を分析する核酸分析デバイスの構成と、サイドウォールを用いた一般的な薄膜プロセスを用いる製造方法を概説する。
核酸分析デバイスは、支持基体を備え、支持基体上に形成されたギャップを有する第二の金属層を有し、支持基体と第二の金属層の間に第二の金属層とは異なる第一の金属層又は絶縁層を有し、ギャップに光照射により局在型表面プラズモンが発生させ、また第一の金属層又は絶縁層上に、試料中の核酸を分析するためのプローブを固定する。これによりプローブが第一の金属層又は絶縁層上に固定されたギャップへの光照射により表面プラズモン励起させる構造を得る。
支持基体にはガラス基板、サファイア基板、樹脂基板等を用いる。第二の金属層は金、銀、白金、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、アルミニウム、または銅から選ばれる金属を含む一種類以上の金属とすることで、局在型表面プラズモンによる増強効果を高めることができる。第二の金属層は合金や積層、多層構造としても良い。第一の金属層又は絶縁層は、第二の金属層表面との化学的な性質の差を用いて、プローブを特異的に固定化できるものであれば特に制限は無い。また、適した官能基を選択し、それを第一の金属層又は絶縁層に付与するか、あるいはプローブ内の官能基と前記官能基またはこれを反応基点として、さらに修飾が施された官能基を反応させることで所望のプローブを固定化しても良い。
第二の金属層と第一の金属層又は絶縁層の組み合わせとしては、第二の金属層が金、銀、白金、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、ロジウムなどの貴金属から選んだ場合、第一の金属層は、チタン、ニッケル、クロム、鉄、コバルト、カドミウム、アルミニウム、銅、ガリウム、インジウム、ジルコニア、ニオブ、ハフニウム、タンタルなどから選ばれる少なくとも1種類以上の金属、また、これらの合金が挙げられる。または、ITOなどの導電性の酸化膜を用いても良い。
第一の金属層表面上に形成した酸化膜上に、カルボン酸、ホスホン酸、リン酸エステル、有機シラン化合物を反応させることで、プローブを固定するための所望な官能基を導入することができる。第一の金属層がアルミニウム、または銅などから選んだ場合、第二の金属層として、金、銀、水銀、インジウム、パラジウム、ルテニウム、亜鉛から選ばれる少なくとも1種類以上の金属、または、これらの合金が挙げられる。第一の金属表面に、有機硫黄化合物、有機セレン化合物、または、有機テルル化合物などを反応させることで、プローブを固定するための所望な官能基を導入することができる。絶縁層の候補としては、シリコン、チタン、ベリリウム、ジルコニウム、タングステン、ホウ素、ハフニウム、バナジウム、タンタル、アルミニウム、トリウム、モリブデン、鉄などの炭化物、窒化物、ホウ化物、ケイ化物、または酸化物などが挙げられる。
第一の金属層又は絶縁層上に導入される官能基についても特に制限はないが、プローブを固定するための反応基点として、アミノ基、チオール基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アルデヒド基、ケトン基などが挙げられる。さらに、プローブを固定するための反応効率を高める手法として、二価性の化合物を用いて、NHS−エステル基、イミドエステル基、スルフィジル基、エポキシ基、ヒドラジド基などの官能基を導入しても良い。また、増強場内への単分子固定化率を高めるために、アビジン、デンドロン、クラウンエーテルなどの嵩高い化合物を介して、プローブを固定しても良い。
プローブについても、測定対象の核酸を捕捉できるものであれば特に制限はない。核酸を直接捕捉できる様なプローブとしては、酵素などのタンパク質、テンプレート、プライマ、またはこれらの複合体が挙げられる。また、染色体、核様体、細胞膜、細胞壁、ウイルス、抗原、抗体、レクチン、ハプテン、レセプター、ペプチド、スフィンゴ糖、スフィンゴ脂質などを介して、核酸を捕捉しても良い。
次に、この核酸分析デバイスのサイドウォールを用いた一般的な薄膜プロセスによる製造方法を説明する。まず、平滑な支持基体上に第一の金属層又は絶縁層を形成し、その上に厚さ5nm以上のシリコン膜を形成する。次に、局在型表面プラズモンを発生させるギャップを形成するためにリソグラフィによるシリコンのパターニングを行う。その後、絶縁膜をコンフォーマルに形成する。この絶縁膜の厚さによりギャップの幅を制御するため、絶縁膜の厚さは15nm以下が好ましい。絶縁膜を異方性エッチングし、シリコンの側壁に沿った絶縁膜のサイドウォールを形成する。その後、シリコンをエッチングにより除去する。その上に第二の金属層となる金属膜を形成する。尚、第一の金属層又は絶縁層と第二の金属層の接着性が悪い場合は、接着層を第二の金属層よりも先に形成する。サイドウォールを除去すると、第二の金属層にギャップを形成できる。絶縁膜のサイドウォールを用いてギャップを形成することにより、15nm以下の幅の制御も精度良く行え、製造上のばらつきを小さくできる。レジスト膜塗布、リソグラフィにより第一の金属層又は絶縁層と第二の金属層パターニングを行う。中心をギャップに合わせた蝶ネクタイのようにパターニングすると、三角柱に類した構造が向かい合った構造となる。そして、レジスト膜を除去後、プローブを固定する。
しかし、上述した製造プロセスにおいて、サイドウォールを除去後に所望のギャップを有した第二の金属層を得るためには、サイドウォールを支持基体及び第一の金属層又は絶縁層に対して垂直に立たせる必要がある。しかし、サイドウォールを垂直に立たせることが困難な場合がしばしばあり、所望のギャップを有した第二の金属層を得ることができない場合がしばしばある。
図3を用いて、サイドウォールが垂直でない場合に、サイドウォール除去後に所望のギャップを有した第二の金属層を得ることができない場合があることを説明する。なお、同図の左側が断面図を、右側が上面図を示している。
平滑な支持基体301上に第一の金属層又は絶縁層302を形成し(1)、その上に厚さ5nm以上のシリコン309膜を形成する(2)。次に、局在型表面プラズモンを発生させるギャップを形成するためにリソグラフィによるシリコン309のパターニングを行う(3)。その後、絶縁膜310をコンフォーマルに形成する(4)。この絶縁膜310の厚さによりギャップの幅を制御するため、絶縁膜310の厚さは15nm以下が好ましい。絶縁膜310を異方性エッチングし、シリコン309の側壁に沿った絶縁膜310のサイドウォール311を形成する(5)。
ここで、シリコン309のエッチング後にサイドウォール311が垂直でない場合(6)、第二の金属層303の形成時にサイドウォール311の頂上部とサイドウォール311の片側側面に接する第二の金属層303が繋がってしまう(7)。そのため、本来はサイドウォール311の除去と共に除去されるべきサイドウォール311頂上部の第二の金属層303が残ってしまい、所望の形状が得られない(8)。その後、サイドウォール311頂上部に残った第二の金属層303を含んだ第二の金属層の突き出し部分312を除去できたとしてもギャップの幅が所望の幅よりも広がってしまう(9)。ギャップ幅が広がったために、十分な強度の局在型表面プラズモンが発生できない場合、製造不良となるほか、第二の金属層の突き出し部分312を除去できなかった場合も製造不良となる。また、サイドウォールが倒れた場合は、そこで製造不良となる。
シリコン309のエッチング後にサイドウォール311が垂直にならない要因としては、シリコン309のパターニング(3)においてシリコン309を垂直にエッチングできなかった場合や、シリコン309のエッチング後にサイドウォール311が傾いた場合が挙げられる。前者は、シリコン309を垂直にエッチングするにはプロセスマージンの少ないエッチング条件の制御が必要であり、ばらつきによりエッチング条件が変動しやすいことに起因する。後者は、サイドウォール311のアスペクト比が大きいために倒れやすいことに起因する。例えば、第二の金属層303の厚さが50nm、ギャップの幅が15nmの場合、サイドウォール311の幅は15nm、高さは50nmよりも大きいため、アスペクト比は3.3以上となる。第二の金属層303の厚さを変えないままギャップの幅を小さくした場合、アスペクト比は更に大きくなり、傾きやすくなる。
以上のサイドウォールの問題を解決し、所望のギャップを有する第二の金属層を得ることが可能な、本発明の核酸分析デバイスの構成と製造方法を説明する。
すなわち、発光測定により試料中の核酸を分析する核酸分析デバイスであって、支持基体と、この支持基体上に形成され、光照射により局在型表面プラズモンが発生可能なギャップを有する第二の金属層と、支持基体と第二の金属層の間に、試料中の核酸を分析するためのプローブがギャップ位置に固定される、第二の金属層とは異なる第一の金属層又は絶縁層とを備えており、ギャップを有する第二の金属層は、第二の金属層を構成する金属層をパターニングした支持基体の面に対し、斜め方向から第二の金属層を構成する金属を蒸着又はスパッタリングすることにより形成される構成を備えている。
次に、本発明の核酸分析デバイスの製造方法について説明すると、支持基体に第一の金属層又は絶縁層を形成する工程と、第二の金属層となる金属膜を形成する工程と、前記第二の金属層となる金属膜をパターニングする工程と、を有し、パターニングした前記第二の金属層となる金属膜をマスクとして、支持基体の面に対し斜め方向から第二の金属層となる金属を更に成膜することによりギャップを有する第二の金属層を形成する。パターニングされる第二の金属層となる金属膜と、斜め方向から成膜される第二の金属層となる金属は、上述した第二の金属層となる金属中の同一の材料でも異なる材料でも良い。
原理上、本発明を用いてギャップを有する第二の金属層を作製した場合、ナノメートルサイズのギャップを挟んで、対向する第二の金属層は膜厚が異なる構造の核酸分析デバイスとなるが、デバイスの動作に問題はないと共に、一方で、ギャップを挟んで対向する第二の金属層の膜厚が等しい場合と比較して、核酸分析デバイスとして次のような利点がある。
図4Aにおいて、局在型表面プラズモンが生じる空間であるギャップ404の下にある第一の金属層又は絶縁層402上に、試料中の核酸を分析するためのプローブを固定する際、流路等を用いてプローブを含んだ液にデバイスを浸してプローブを導入する。固定する際には液に流れは無いが、流路やデバイスを液で満たす際には液は流れを持っている。同図において、414はパターニングされた第二の金属層であり、415が斜め方向から蒸着又はスパッタリングによって形成された第二の金属層である。
このとき,図4Aのようにギャップ404の上を流れる液が膜厚の厚い第二の金属層414にぶつかるようにデバイスを配置すれば、図4Bのようにギャップを挟んで対向する第二の金属層403の膜厚が等しい場合と比較して、デバイスを液で満たしたときにギャップ404近傍にプローブが存在する可能性が高くなり、第一の金属層又は絶縁層402へのプローブ固定が容易となる。同様に、核酸分析の際にも、液の流れを利用して、蛍光色素を有するヌクレオチド、核酸合成酵素、プライマ及び核酸試料等をギャップ404近傍に存在させれば、核酸分析のスループットが向上する。
本実施例におけるギャップの幅は、前記第二の金属層を構成する金属膜の厚さと、前記第二の金属層を構成する金属膜をパターニングしたときの支持基体に対する垂直性と、前記斜め方向から第二の金属層を構成する金属を成膜するときに入射する金属粒子群の角度及びそのばらつきによって決まる。
第二の金属層を構成する金属膜をパターニングした後の断面形状が順テーパ形状である場合、垂直である場合と比較して部分的にギャップの幅が小さくなり、局在型表面プラズモンの強度が上がる場合がある。一方、逆テーパ形状である場合、垂直の場合と比較して部分的にギャップの幅が大きくなり、局在型表面プラズモンの強度が下がる場合がある。十分な強度の局在型表面プラズモンを発生できるギャップを形成できれば、垂直でも垂直でなくとも良い。
斜め方向から第二の金属層を構成する金属を成膜する工程において、入射する金属粒子群の角度にばらつきがあった場合、ギャップの幅が支持基体と垂直の方向で変わってしまい、ギャップの幅が大きくなる領域と小さくなる領域が発生する場合がある。その場合、局在型表面プラズモンの強度にも分布が発生する。しかし、十分な強度の局在型表面プラズモンを発生できるギャップを形成できれば、金属粒子群が支持基体に対して同一の角度で入射しなくても良い。
図5に第1の実施例に係る核酸分析デバイスと、その製造方法を示した。以下、図5のフロー図を用いて順次説明する。なお、同フロー図の(1)〜(9)の左側が断面図を、右側が上面図を示している。
同図において、まず平滑な支持基体501上に第一の金属層又は絶縁層502を形成し(1)、その上に第二の金属層となる金属膜514を形成する(2)。次に、局在型表面プラズモンを発生させるギャップを形成するためにリソグラフィにより第二の金属層となる金属膜514のパターニングを行う(3)。その後、パターニングした第二の金属層となる金属膜514をマスクとして、支持基体501の面に対し斜め方向から第二の金属層となる金属を蒸着又はスパッタリングする(4)。これにより、ギャップを有する第二の金属層503を形成する。レジスト513塗布(5)、リソグラフィにより第一の金属層又は絶縁層502と第二の金属層503のパターニングを行う(6、7)。中心をギャップに合わせた蝶ネクタイのようにパターニングすると、三角柱に類した構造が向かい合った構造となる。そして、レジスト513膜を除去(8)後、プローブ506を固定する(9)。このパターンニングは、図1B、図1Cに示すようなギャップを有する構造であって良いことは言うまでもない。
本実施例による核酸分析デバイスの製造方法は、従来のサイドウォールを用いた薄膜プロセスによる製造方法と比較して、サイドウォールを用いないため、サイドウォールが垂直でないことに起因した製造不良が発生しないことから歩留まりが高い。更に、工程数が少ないため、低コスト化が図れる。以下で、各工程について詳しく説明する。
(1)第一の金属層又は絶縁層の形成
平滑な支持基体501上に第一の金属層又は絶縁層502を形成する。平滑な支持基体501にはガラス基板、サファイア基板、樹脂基板等を用いる。ギャップを有した第二の金属層503を形成した面と反対側の裏面より励起光を照射する必要がある場合には、光透過性に優れた石英基板やサファイア基板を用いればよい。第一の金属層又は絶縁層502は、上記裏面より励起光を照射する場合にはその厚さは薄いほど好ましく、より好ましくは5〜100nmである。第一の金属層又は絶縁層502は蒸着、スパッタリング、CVD、PVDなどを用いて作られる。第一の金属層又は絶縁層502は、第二の金属層503表面との化学的な性質の差を用いて、プローブを特異的に固定化できるものであれば特に制限は無い。また、適した官能基を選択し、それを第一の金属層又は絶縁層502に付与するか、あるいはプローブ506内の官能基と前記官能基又はこれを反応基点として、さらに修飾が施された官能基を反応させることで所望のプローブ506を固定化しても良い。第一の金属層又は絶縁層502の材料は第二の金属層503との組み合わせで決める。材料の組み合わせの具体例については、(2)で説明する。
(2)第二の金属層となる金属膜の形成
第二の金属層503は金、銀、白金、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、アルミニウム、又は銅から選ばれる金属を含む一種類以上の金属とすることで、局在型表面プラズモンによる増強効果を高めることができる。第二の金属層503は合金や積層(多層)構造としても良い。
第二の金属層503と第一の金属層の組み合わせとしては、第二の金属層503が金、銀、白金、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、ロジウムなどの貴金属から選んだ場合、第一の金属層は、チタン、ニッケル、クロム、鉄、コバルト、カドミウム、アルミニウム、銅、ガリウム、インジウム、ジルコニア、ニオブ、ハフニウム、タンタルから選ばれる少なくとも1種類以上の金属、また、これらの合金が挙げられる。又は、ITOなどの導電性の酸化膜を用いても良い。
第一の金属層表面上に形成した酸化膜上に、カルボン酸、ホスホン酸、リン酸エステル、有機シラン化合物を反応させることで、プローブ506を固定するための所望な官能基を導入することができる。第二の金属層503がアルミニウム、又は銅などから選んだ場合、第一の金属層として、金、銀、水銀、インジウム、パラジウム、ルテニウム、亜鉛から選ばれる少なくとも1種類以上の金属、又は、これらの合金が挙げられる。第一の金属表面に、有機硫黄化合物、有機セレン化合物、又は、有機テルル化合物などを反応させることで、プローブ506を固定するための所望な官能基を導入することができる。絶縁層の候補としては、シリコン、チタン、ベリリウム、ジルコニウム、タングステン、ホウ素、ハフニウム、バナジウム、タンタル、アルミニウム、トリウム、モリブデン、鉄などの炭化物、窒化物、ホウ化物、ケイ化物、又は酸化物などが挙げられる。
第二の金属層503の厚さは、計測時に用いる励起波長により異なる。望ましい厚さは1000nm以下である。一方、第二の金属層となる金属膜514の厚さはギャップの幅を決めるパラメータでもある。第二の金属層となる金属膜514の厚さを100nm以下にすることで15nm以下のギャップも制御性良く形成できる。ギャップの幅の制御に関しては(4)で詳しく説明する。
(3)第二の金属層となる金属膜のパターニング
第二の金属層となる金属膜514にフォトリソグラフィ、エッチングを施し、ギャップを有した第二の金属層503を形成するマスクのパターニングを行う。パターンはギャップを有した第二の金属層503をアレイ状に配置するための所望のパターンに準じる。例えば、1μmピッチで第二の金属層となる金属膜514のパターニングを行った場合、形成領域を1mm x 1mmとすると、100万反応サイトを形成できる。フォトリソグラフィは、既存のi線(波長365nm)、KrFエキシマレーザー(波長248nm)、ArFエキシマレーザー(波長193nm)、X線、又は電子線を光源とした方法を用いることができる。エッチングのパターニングの精度を高めるには、RIE(Reactive Ion Etching)を用いることが好ましい。第二の金属層となる金属膜514をエッチングする際には、ギャップ幅の制御性の観点から、支持基体501に対して垂直にエッチングすることが望ましい。この垂直性がギャップ幅に及ぼす影響に関しては(4)で詳しく説明する。
(4)斜め方向から第二の金属層となる金属を蒸着又はスパッタリング
平滑な支持基体501の表面の法線方向に対して90度未満の角度をつけた、斜め方向から第二の金属層503となる金属を蒸着又はスパッタリングすることにより、ギャップを有する第二の金属層503を形成する。斜め方向から金属が入射すると、パターニングした第二の金属層となる金属膜514がマスクとなり、金属が堆積しない部分が形成され、第二の金属層503のギャップとなる。原理的に、ギャップを挟んで第二の金属層503の厚さが(2)で成膜した第二の金属層となる金属膜の厚さ分だけ異なる。ギャップの幅は、マスクとなる第二の金属層となる金属膜514の厚さと支持基体501に対する垂直性、入射する金属粒子群の角度及びその分布によって決まる。
ギャップの幅をa、パターニングした第二の金属層となる金属膜514の厚さをb、蒸着又はスパッタリングにより斜め方向から入射する金属粒子群の支持基体面501の法線方向に対する角度をθ、斜め方向からの蒸着又はスパッタリングで堆積させる金属の厚さをcとし、第二の金属層となる金属膜514が垂直にパターニングされており、斜め方向から入射する金属粒子群の角度に分布がない場合、ギャップ幅a=b/tan(90°−θ)が成り立つ。このときのギャップ部分の断面形状の概略図と、aとθの関係を図6Aと図6Bにそれぞれ示す。cはbと合わせても1000nm以下とする。図6Bより,bが小さいほどθ(θ<45°)のばらつきに対するaのばらつきが小さくなる。
ここで、第二の金属層となる金属膜514をパターニングする際のエッチングにおいて、第二の金属層となる金属膜514を順テーパ形状にし、垂直にエッチングした場合と比べて幅dだけ裾引きした場合、最小ギャップ幅はa−dとなり、小さくなる。順テーパ形状にした場合のギャップ部分の断面形状外略図を図7に示す。一方、逆テーパ形状にし、垂直にエッチングした場合と比べて裾を幅eだけ後退させた場合、最小ギャップ幅はa以上a+e以下となり、大きくなる。逆テーパ形状にした場合のギャップ部分の断面形状概略図を図8に示す。更に、垂直にエッチングした場合において、斜め方向から入射する金属粒子群の角度θに±αの分布を持たせた場合は、ギャップ幅a=b/tan(90°−θ+α)となり、分布が無い場合よりもギャップ幅が大きくなる。加えて、ギャップを有する第二の金属層503のギャップを挟んで薄い方の金属層が順テーパに類する形状となる。斜め方向から入射する金属粒子群の角度θに±αの分布を持たせた場合のギャップ部分の断面形状概略図を図9に示す。
支持基体を石英ガラス基板、第一の金属層をチタン、第二の金属層503を金とし、斜め蒸着を用いて、b=20nm、c=100nm、θ=30°、α=2°、d=2nmでギャップを形成したところ、ギャップ幅は約9nmであった。この値は計算値ともほぼ一致している。
本実施例を用いて斜め蒸着又はスパッタリングによりギャップを有する第二の金属層503を形成した場合、原理的に、ギャップを挟んで第二の金属層503の平均厚さがbだけ異なる。一方、先願のサイドウォールを用いた薄膜プロセスや、一般的なリソグラフィとエッチングでギャップを有する第二の金属層を形成した場合は、ギャップを挟んだ第二の金属層の平均厚さは一致する。
(2)で形成する第二の金属層となる金属膜514と斜め方向から蒸着又はスパッタリングする金属は同じ材料でも異なる材料でも良いが、第一の金属層又は絶縁層502との化学的な性質の差を用いて、第一の金属層又は絶縁層502にプローブ506を特異的に固定化できるように選ぶ。異なる材料を用いた例としては、第一の金属層をチタン(厚さ10nm)、(2)で形成する第二の金属層となる金属膜514を金(b=20nm、d=2nm)、斜め方向(θ=45°、α=2°)から蒸着する金属を白金(c=50nm)とすることで、約9nmのギャップを挟んで一方が白金層、他方が白金と金の積層であるギャップを有した第二の金属層503を形成できた。
(5)レジスト塗布、(6)パターニング
パターンの大きさや形状は、局在型表面プラズモンの効果に大きく関わる。図1Aに示したような、三角形に類似した形状であれば、三角形の一辺が1000nm以下であることが好ましい。レジスト513としては、電子線用のネガ型レジストを用いることができる。具体的には、TEBN−1(株式会社トクヤマ社製)が挙げられる。レジスト513をスピンナーで塗布した後、ホットプレートで2〜5分程度プリベイクする。加速電圧50〜100kVの電子線で描画した後、乳酸エチル、イソプロパノール、又はエタノールで現像する。
(7)エッチング、(8)レジスト除去
パターニングされたレジスト513をマスクとして、第一の金属層又は絶縁層502と第二の金属層503を加工する。パターン精度を高めるには、微細加工が可能なRIEが望ましい。レジスト513除去には、広く一般的に用いられるオゾンアッシングのプロセスを用いることができる。
(9)プローブ固定
プローブ506が核酸である場合、固定方法には種々の方法が考えられるが、例としてアミノシラン処理を用いる方法を記述する。第一の金属層の表面酸化膜にアミノシラン処理を行い、アミノ基を導入する。その後、ビオチン−スクシンイミド(Pierce社製NHS-Biotin)を反応させた後、ストレプトアビジンを反応する。次に、予めビオチンを末端に修飾しておいたプローブ506を反応させることにより、ギャップを有する第二の金属層503のギャップ中にプローブ506を固定する。これにより、核酸分析デバイスが完成する。
プローブ506が核酸合成酵素のようなタンパク質であっても、プローブ506が核酸の場合と同様の方法で固定化することができる。具体的には、アミノ化された酸化膜上に二価性試薬であるN−(4−Maleimidobutyryloxy)succinimide(同仁化学研究所社製、GMBS)を反応させた後、核酸合成酵素を反応させることで核酸合成酵素を固定することができる。その他、酸化膜上にニトロセルロース、ポリアクリルアミドなどとの物理吸着を利用する方法、ヒスチジンとニッケルイオンやコバルトイオンとの特異的な親和を利用する方法、又はビオチンとアビジンの結合を利用する方法などを用いることができる。
上記はプローブ506が核酸やタンパク質である場合の例であるが、プローブ506は測定対象の核酸を捕捉できるものであれば特に制限はない。核酸を直接捕捉できる様なプローブ506としては、酵素などのタンパク質、テンプレート、プライマ、又はこれらの複合体が挙げられる。また、染色体、核様体、細胞膜、細胞壁、ウイルス、抗原、抗体、レクチン、ハプテン、レセプター、ペプチド、スフィンゴ糖、スフィンゴ脂質などを介して、核酸を捕捉しても良い。
プローブ506を固定するために第一の金属層又は絶縁層502上に導入される官能基についても特に制限はないが、プローブ506を固定するための反応基点として、アミノ基、チオール基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アルデヒド基、ケトン基などが挙げられる。さらに、プローブ506を固定するための反応効率を高める手法として、二価性の化合物を用いて、NHS−エステル基、イミドエステル基、スルフィジル基、エポキシ基、ヒドラジド基などの官能基を導入しても良い。また、増強場内への単分子固定化率を高めるために、アビジン、デンドロン、クラウンエーテルなどの嵩高い化合物を介して、プローブ506を固定しても良い。
以上詳述した本発明は、核酸分析デバイス、およびその製造方法として極めて有用である。
101、201、301、401、501、601、701、801、901…支持基体
102、202、302、402、502、602、702、802、902…第一の金属層又は絶縁層
103、203、303、403、503、603、703、803、903…第二の金属層
104、204、304、504…局在型表面プラズモンが生じる空間
105、205…蛍光色素
106、206、306、506…プローブ
107、207…核酸
208…未反応基質の蛍光色素
309…シリコン
310…絶縁膜
311…サイドウォール
312…第二の金属層の突き出し部分
313、413…レジスト
414、514、614、714、814、914…第二の金属層となる金属膜
415、615、715、815、915…斜め方向からの蒸着又はスパッタリングで堆積した第二の金属層となる金属膜。

Claims (17)

  1. 発光測定により試料中の核酸を分析する核酸分析デバイスであって、
    支持基体と、
    前記支持基体上に形成され、光照射により局在型表面プラズモンが発生可能なギャップを有する第二の金属層と、
    前記支持基体と前記第二の金属層の間に、前記試料中の核酸を分析するためのプローブが前記ギャップ位置に固定される、前記第二の金属層とは異なる第一の金属層又は絶縁層とを備え、
    前記ギャップを有する前記第二の金属層は、前記第二の金属層を構成する金属層をパターニングした前記支持基体の面に対し、斜め方向から前記第二の金属層を構成する金属を積層することにより形成した、
    ことを特徴とする核酸分析デバイス。
  2. 請求項1記載の核酸分析デバイスであって、
    前記支持基体上に形成された前記第二の金属層は、前記ギャップを挟んで、その厚みが異なる、
    ことを特徴とする核酸分析デバイス。
  3. 請求項1記載の核酸分析デバイスであって、
    前記光が蛍光である、
    ことを特徴とする核酸分析デバイス。
  4. 請求項1記載の核酸分析デバイスであって、
    前記支持基体は光学的に透明である、
    ことを特徴とする核酸分析デバイス。
  5. 請求項1記載の核酸分析デバイスであって、
    前記プローブが核酸またはタンパク質から選ばれる一つ以上の高分子である、
    ことを特徴とする核酸分析デバイス。
  6. 請求項1記載の核酸分析デバイスであって、
    前記第二の金属層が、金、銀、白金、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、アルミニウム、または銅から選ばれる金属を含む1種類以上の金属からなる、
    ことを特徴とする核酸分析デバイス。
  7. 請求項1記載の核酸分析デバイスであって、
    前記ギャップを有する第二の金属層が、前記支持基体上にアレイ状に配置されている、
    ことを特徴とする核酸分析デバイス。
  8. 請求項1記載の核酸分析デバイスであって、
    前記ギャップの幅が15nm以下であることを特徴とする核酸分析デバイス。
  9. 請求項1記載の核酸分析デバイスであって、
    前記プローブが単分子である、
    ことを特徴とする核酸分析デバイス。
  10. 請求項1記載の核酸分析デバイスであって、
    前記支持基体上にパターニングされる前記第二の金属層の金属と、パターニングした前記支持基体の面に対し、斜め方向から積層される前記第二の金属層を構成する金属は、同一、或いは異なる金属である、
    ことを特徴とする核酸分析デバイス。
  11. 発光測定により試料中の核酸を分析する核酸分析デバイスの製造方法であって、
    支持基体に第一の金属層又は絶縁層を形成する工程と、
    第二の金属層となる金属膜を形成する工程と、
    前記第二の金属層となる金属膜をパターニングする工程と、
    パターニングした前記第二の金属層となる金属膜をマスクとして、前記支持基体表面の法線方向に対し斜め方向から、更に前記第二の金属層となる金属を成膜することによりギャップを有する第二の金属層を形成する、
    ことを特徴とする核酸分析デバイスの製造方法。
  12. 請求項11記載の核酸分析デバイスの製造方法であって、
    パターニングした前記第二の金属層となる金属膜をマスクとして、前記支持基体表面の法線方向に対し斜め方向から前記第二の金属層となる金属を成膜する際に、蒸着又はスパッタリングを用いる、
    ことを特徴とする核酸分析デバイスの製造方法。
  13. 請求項11記載の核酸分析デバイスの製造方法であって、
    前記支持基体が光学的に透明である、
    ことを特徴とする核酸分析デバイスの製造方法。
  14. 請求項11記載の核酸分析デバイスの製造方法であって、
    前記第二の金属層が、金、銀、白金、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、アルミニウム、又は銅から選ばれる金属を含む1種類以上の金属からなる、
    ことを特徴とする核酸分析デバイスの製造方法。
  15. 請求項11記載の核酸分析デバイスの製造方法であって、
    前記ギャップの幅が15nm以下である、
    ことを特徴とする核酸分析デバイスの製造方法。
  16. 請求項11記載の核酸分析デバイスの製造方法であって、
    前記ギャップを有する第二の金属層が、前記支持基体上にアレイ状に配置する、ことを特徴とする核酸分析デバイスの製造方法。
  17. 請求項11記載の核酸分析デバイスの製造方法であって、
    前記ギャップを挟んで前記第二の金属層の厚さが異なる、
    ことを特徴とする核酸分析デバイスの製造方法。
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