JP2011257141A - 流量センサ - Google Patents

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和男 臼井
Kiyoshi Otsuka
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Abstract

【課題】熱応力によって、流量の検出精度が低下することが抑制された流量センサを提供する。
【解決手段】被検出流体の流量を測定するセンシング部を備えたセンサ部と、被検出流体が流れる流路内に、センサ部を設けるためのホルダと、センサ部をホルダに接着固定する接着部と、を備える流量センサであって、ホルダにおける、接着部が設けられた部位の剛性が、ホルダにおける、接着部が設けられていない部位の剛性と比べて、低い。
【選択図】図2

Description

本発明は、被検出流体の流量を測定するセンシング部を備えたセンサ部と、被検出流体が流れる流路内に、センサ部を設けるためのホルダと、センサ部をホルダに接着固定する接着部と、を備える流量センサに関するものである。
従来、例えば特許文献1に示されるように、板状の検出素子と、該検出素子を所定の位置に設置するための収納部と、検出素子と収納部とを固着するためのダイボンド部と、を備える流量センサが提案されている。検出素子における被検出流体に晒される表面には、金属薄膜より成る発熱抵抗体と温度計測用抵抗体とが形成されており、被検出流体による発熱抵抗体の温度変化によって生じる、発熱抵抗体の抵抗変化に基づいて、流量が検出される。
特許第3555017号公報
ところで、上記したように、特許文献1に示される流量センサは、収納部、ダイボンド部、及び検出素子によって構成されるが、それぞれの形成材料は異なる。そのため、収納部とダイボンド部との線膨張係数差に起因する熱応力が、収納部とダイボンド部とで発生し、ダイボンド部と検出素子との線膨張係数差に起因する熱応力が、ダイボンド部と検出素子とで発生する。この熱応力が、検出素子に印加されると、ピエゾ効果によって、検出素子に形成された発熱抵抗体の抵抗が変動して、流量の検出精度が低下する虞がある。
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、熱応力によって、流量の検出精度が低下することが抑制された流量センサを提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、被検出流体の流量を測定するセンシング部を備えたセンサ部と、被検出流体が流れる流路内に、センサ部を設けるためのホルダと、センサ部をホルダに接着固定する少なくとも1つの接着部と、を備える流量センサであって、ホルダにおける、接着部が設けられた部位の少なくとも1つの剛性が、ホルダにおける、接着部が設けられていない部位の剛性と比べて、低いことを特徴とする。
このように本発明によれば、ホルダにおける、接着部が設けられた部位の少なくとも1つの剛性が、ホルダにおける、接着部が設けられていない部位の剛性と比べて、低くなっている。これによれば、ホルダと接着部との線膨張係数差に起因する熱応力が接着部で発生し、接着部とセンサ部との線膨張係数差に起因する熱応力がセンサ部で発生したとしても、ホルダにおける接着部が設けられた部位が、その熱応力によって変形し易くなっているので、センサ部に印加される熱応力が小さくなる。この結果、熱応力によって、流量の検出精度が低下することが抑制される。
なお、請求項1に記載したように、ホルダにおける、接着部が設けられた部位の剛性が、ホルダにおける、接着部が設けられていない部位の剛性と比べて低い構成としては、例えば、請求項2又は請求項3に記載の構成を採用することができる。請求項2では、ホルダにおける、接着部が設けられた部位の少なくとも一部の厚さが、ホルダにおける、接着部が設けられていない部位の厚さよりも薄い構成となっており、請求項3では、ホルダにおける、接着部が設けられた部位の一部に、貫通孔が形成された構成となっている。
請求項4に記載のように、接着部としては、接着シートを採用することができる。これによれば、例えば、請求項3に記載のように、ホルダにおける、接着部が設けられた部位の一部に、貫通孔が形成された構成においても、接着部が、貫通孔から落ちることが抑制される。また、接着部が、液状の接着剤が固化して成る構成とは異なり、接着部の形成時に、接着剤が塗れ広がることが抑制される。これにより、予期していない部位が接着部によって機械的に接続されることが抑制される。
請求項5に記載のように、ホルダは、接着部が設けられる底部と、該底部の縁に沿って形成された、センサ部の周囲を囲む側壁部と、を有し、センサ部は、半導体基板を有し、センシング部は、半導体基板における底部との対向面の裏面側に形成されており、半導体基板におけるセンシング部の形成面と、側壁部の上面とが、平行となっている構成が好ましい。
例えば、接着部が被検出流体に含まれる水分を吸収して膨張すると、センサ部の底部に対する設置角度が変化して、センサ部に当たる被検出流体の角度が変化する。その結果、センシング部の近くで乱流が発生し、流量の検出精度が低下する虞がある。
これに対して、請求項5に記載の発明では、接着部が、被検出流体に含まれる水分によって膨張した場合においても、ホルダにおける接着部が設けられた部位が、その膨張に応じて変形し易くなっているので、センサ部のホルダに対する設置角度が変化することが抑制される。この結果、センサ部と側壁部との平行性が規定され、センシング部の近くで乱流が発生することが抑制される。
請求項6に記載のように、半導体基板におけるセンシング部の形成面と、側壁部の上面とが、面一となった構成が好ましい。例えば、半導体基板の形成面が、側壁部の上面よりも低い場合、形成面に被検出流体が流れ難くなる、という不具合が生じる。これとは反対に、半導体基板の形成面が、側壁部の上面よりも高い場合、半導体基板の側壁に、被検出流体が衝突し、センシング部の近くで乱流が発生する、という不具合が生じる。これらに対して、本発明では、半導体基板の形成面と側壁部の上面とが面一となっているので、上記した不具合が生じることが抑制される。
請求項7に記載のように、接着部と側壁部との間に、空間がある構成が良い。これによれば、接着部が、側壁部の方へ膨張することができるので、接着部の膨張によって、センサ部のホルダに対する設置角度が変動することが抑制される。
第1実施形態に係る流量センサの概略構成を示す平面図である。 図1のII−II線に沿う断面図である。 第2実施形態に係る流量センサの概略構成を示す断面図である。 図3に示す貫通孔の配置を説明するための平面図である。 流量センサの変形例を示す断面図である。 流量センサの変形例を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る流量センサの概略構成を示す平面図である。図2は、図1のII−II線に沿う断面図である。なお、図1に示す白抜き矢印は、被検出流体の流れ方向を示しており、紙面上方が上流に相当し、紙面下方側が下流に相当する。また、図1においては、後述するメンブレン12を破線で示し、後述する設置部35を一点鎖線で示している。更に、図2においては、後述する本体部31と整流部32との境を、破線で示している。
図1に示すように、流量センサ100は、要部として、被検出流体の流量を測定するセンサ部10と、被検出流体が流れる流路内にセンサ部10を設けるホルダ30と、センサ部10をホルダ30に接着固定する接着部50と、を有する。図2に示すように、センサ部10の半導体基板11が、接着部50の固定部51と規定部52とを介して、ホルダ30の整流部32の底部33に接着固定されている。そして、半導体基板11の周囲が、整流部32の側壁部34によって囲まれて、半導体基板11の一面11aと、側壁部34の上面34aとが、面一となっている。
センサ部10は、半導体基板11と、該半導体基板11の一面11aに形成されたセンシング部(図示略)と、を有する。センシング部は、金属薄膜から成る発熱抵抗体(図示略)と温度計測用抵抗体(図示略)とを有する。被検出流体によって、発熱抵抗体の温度が変化すると、それに伴って発熱抵抗体の抵抗も変化する。被検出流体の流量と温度の変化量とは比例し、温度の変化量と抵抗の変化量とは比例の関係にある。したがって、発熱抵抗体の抵抗変化を測定することで、流量を検出することができる。なお、一面11aが、特許請求の範囲に記載の形成面に相当する。
図1及び図2に示すように、半導体基板11には、一面11aの裏面11bが局所的に凹んで、局所的に厚さが薄くなったメンブレン12が形成されている。メンブレン12の一面11a側に、上記したセンシング部が形成されており、このメンブレン12によって、センシング部と半導体基板11とが熱的に分離され、半導体基板11の熱によって、発熱抵抗体や温度計測用抵抗体の温度(抵抗)が変動することが抑制されている。なお、上記したメンブレン12は、半導体基板11における接着部50が接着される端部13とは反対側の端部14の一部を、異方性エッチングによって、裏面11bから一面11aに向かって、部分的に除去することで形成される。
ホルダ30は、本体部31と、整流部32と、を有する。本実施形態では、本体部31と整流部32とが、射出成形によって一体に形成されており、本体部31から突き出した整流部32が、流路内に配置されている。整流部32は、底部33と、底部33におけるセンサ部10が接着固定される上面33aの縁に沿って、センサ部10の周囲を囲むように形成された側壁部34と、を有する。
底部33は平板状を成し、底部33における接着部50が設けられる設置部35は、上面33aの裏面である下面33bが局所的に凹んで、局所的に厚さが薄くなっている。これにより、設置部35の剛性が、底部33の他の部位よりも小さくなっており、底部33の他の部位と比べて変形し易くなっている。
側壁部34は環状を成し、側壁部34の内側に、センサ部10が設けられている。側壁部34は、直方形状の4つの壁部によって構成されており、側壁部34の上流側の壁部が、主として、センシング部に、流れの乱れた被検出流体が流れることを抑制する機能を果たす。
例えば、整流部32が、上記した底部33のみを有する場合、半導体基板11における上流側の側面に被検出流体が衝突する。すると、その衝突によって、半導体基板11の上流側で被検出流体の流れが乱れる。その流れの乱れた被検出流体がセンシング部に流れると、流量の検出精度が低下する虞がある。
これに対して、本実施形態で示したように、整流部32が、底部33と側壁部34とを有する場合、側壁部34における上流側の壁部に被検出流体が衝突する。すると、その衝突によって、側壁部34の上流側の壁部で被検出流体の流れが乱れる。このように、整流部32が、側壁部34を有する場合においても、被検出流体の流れは乱れる。しかしながら、その流れの乱れる位置とセンシング部との距離が、側壁部34の上流側の壁部の幅と、側壁部34と半導体基板11との間の隙間分、整流部32が底部33のみを有する構成よりも長くなる。その結果、側壁部34の上流側の壁部で流れが乱れた被検出流体がセンシング部に到達するまでに、半導体基板11の一面11aと面一とされた側壁部34の上面34aで整流される。これにより、流れの乱れた被検出流体がセンシング部に流れることが抑制される。
接着部50は、センサ部10(半導体基板11)をホルダ30(底部33)に接着固定するための固定部51と、側壁部34の上面34aと半導体基板11の一面11aとの平行性(面一)を規定するための規定部52と、を有する。固定部51及び規定部52それぞれは、平面形状が矩形とされた接着シートであり、半導体基板11におけるメンブレン12が形成された端部14とは反対側の端部13と、設置部35との間に設けられている。固定部51と規定部52とは、所定距離離れて設けられており、これによって、半導体基板11が、複数点で設置部35に接着固定されている。また、図1に示すように、接着部50(固定部51及び規定部52それぞれ)は、側壁部34と接触しておらず、接着部50と側壁部34との間には、空間が形成されている。
次に、本実施形態に係る流量センサ100の作用効果を説明する。上記したように、ホルダ30の設置部35は、局所的に厚さが薄くなっており、設置部35の剛性が、底部33の他の部位よりも小さくなっている。これにより、設置部35が、底部33の他の部位と比べて変形し易くなっている。これによれば、ホルダ30と接着部50との線膨張係数差に起因する熱応力が接着部50で発生し、接着部50とセンサ部10(半導体基板11)との線膨張係数差に起因する熱応力がセンサ部10で発生したとしても、設置部35が、その熱応力によって変形し易くなっているので、センサ部10に印加される熱応力が小さくなる。この結果、熱応力によるピエゾ効果によって、センシング部の発熱抵抗体の抵抗が変動して、流量の検出精度が低下することが抑制される。
また、接着部50が、被検出流体に含まれる水分によって膨張した場合においても、設置部35が、その膨張に応じて変形し易くなっているので、センサ部10のホルダ30(底部33)に対する設置角度が変化することが抑制される。すなわち、半導体基板11の一面11aと側壁部34の上面34aとの面一性が損なわれることが抑制される。この結果、面一性が損なわれたことによって、センシング部を流れる被検出流体の流れが乱れて、流量の検出精度が低下することが抑制される。
以上のようにして、線膨張係数差に起因する熱応力や、被検出流体の水分による接着部50の膨張によって、流量の検出精度が低下することが抑制される。
本実施形態では、接着部50が、固定部51と、規定部52と、を有し、これらによって、半導体基板11が、複数点で設置部35に接着固定されている。これによれば、線膨張係数差に起因する熱応力や、被検出流体の水分による接着部50の膨張によって、センサ部10のホルダ30(底部33)に対する設置角度が変化しようとした場合においても、センサ部10が、複数点で設置部35に接着固定されているので、半導体基板11の一面11aと側壁部34の上面34aとの面一性が損なわれることが抑制される。
本実施形態では、接着部50(固定部51及び規定部52それぞれ)は、側壁部34と接触しておらず、接着部50と側壁部34との間には、空間が形成されている。これによれば、接着部50が、側壁部34の方向へ自由に膨張することができるので、接着部50における側壁部34の方向への膨張によって、センサ部10のホルダ30に対する設置角度が変動すること、及び、半導体基板11の一面11aと側壁部34の上面34aとの面一性が損なわれることが抑制される。
なお、固定部51及び規定部52それぞれの体積は、等しい構成が好ましい。これによれば、固定部51及び規定部52それぞれの体積の膨張度合いが等しくなるので、半導体基板11の一面11aと側壁部34の上面34aとの平行性を保つことができる。
本実施形態では、接着部50(固定部51及び規定部52それぞれ)が、接着シートである。これによれば、接着部50が、液状の接着剤が固化されてなる構成とは異なり、接着部50の形成時に、接着剤が塗れ広がることで、予期していない部位が接着部50によって接続されることが抑制される。
本実施形態では、固定部51及び規定部52それぞれが、半導体基板11におけるメンブレン12が形成された端部14とは反対側の端部13と、設置部35との間に設けられている。これによれば、固定部51及び規定部52それぞれが、半導体基板11におけるメンブレン12が形成された端部14と、設置部35との間に設けられた構成とは異なり、固定部51及び規定部52によって、メンブレン12の近くを流れる被検出流体の流れを乱すことが抑制される。
なお、本実施形態では、規定部52が、接着部50の一部に含まれ、規定部52によって、センサ部10とホルダ30とが接着固定される例を示した。しかしながら、規定部52が、接着部50の一部に含まれない構成を採用することもできる。例えば、規定部52が、ホルダ30に含まれる構成を採用することもできる。すなわち、規定部52が、本体部31と整流部32と共に、射出成形によって一体に形成されても良い。この場合、規定部52は、センサ部10とホルダ30とを機械的に接続する機能は果たさないが、接着部50(固定部51)と共に、センサ部10を支持する機能を果たす。これによれば、固定部51と規定部52とによって、半導体基板11が、複数点で設置部35に支持されるので、線膨張係数差に起因する熱応力や、被検出流体の水分による接着部50の膨張によって、半導体基板11の一面11aと側壁部34の上面34aとの面一性が損なわれることが抑制される。なお、この変形例の場合、規定部52を、底部33における設置部35以外の部位に形成しても良い。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を、図3及び図4に基づいて説明する。図3は、第2実施形態に係る流量センサの概略構成を示す断面図であり、第1実施形態で示した図2に対応している。図4は、図3に示す貫通孔の配置を説明するための平面図である。なお、図4においては、貫通孔36の配置を説明するために、センサ部10と接着部50とを省略している。
第2実施形態に係る流量センサ100は、第1実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。なお、第1実施形態に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付与するものとする。
第1実施形態では、ホルダ30の設置部35が、局所的に厚さが薄くなっており、設置部35の剛性が、底部33の他の部位よりも小さくなっている例を示した。これに対し、本実施形態では、第1実施形態に係る流量センサ100の設置部35に、貫通孔36が形成された点を特徴とする。この貫通孔36は、図3及び図4に示すように、平面形状が矩形を成し、複数の貫通孔36が、設置部35に等間隔で形成されている。
これによれば、被検出流体に含まれる水分を吸収して膨張した接着部50の一部が、貫通孔36に入り込むので、接着部50の膨張によって、センサ部10のホルダ30に対する設置角度が変化すること、すなわち、半導体基板11の一面11aと側壁部34の上面34aとの面一性が損なわれることが、第1実施形態で示した構成と比べてより効果的に抑制される。
また、設置部35に貫通孔36が形成されているので、設置部35の剛性が、第1実施形態で示した構成と比べて、より小さくなっている。このように、設置部35が、底部33の他の部位と比べてより変形し易くなっているので、センサ部10に印加される熱応力がより小さくなる。この結果、熱応力によるピエゾ効果によって、センシング部の発熱抵抗体の抵抗が変動して、流量の検出精度が低下することがより効果的に抑制される。
なお、本実施形態においても、固定部51(接着部50)が、接着シートとなっている。これによれば、本実施形態で示したように、設置部35に貫通孔36が形成された構成においても、接着部50が、液状の接着剤が固化されてなる構成とは異なり、接着部50が貫通孔36から抜け落ちることが抑制される。
上記したように、本実施形態では、厚さが局所的に薄くなった設置部35に、貫通孔36が形成された例を示した。しかしながら、図5に示すように、設置部35の厚さが底部33の他の部位の厚さと同一の構成において、設置部35に貫通孔36が形成された構成を採用することもできる。これにおいても、被検出流体に含まれる水分を吸収して膨張した接着部50の一部が、貫通孔36に入り込むので、接着部50の膨張によって、センサ部10のホルダ30に対する設置角度が変化することが抑制される。図5は、流量センサの変形例を示す断面図である。
また、図6に示すように、設置部35の厚さが底部33の他の部位の厚さと同一の構成において、設置部35に、未貫通の貫通孔、すなわち、溝部37が形成された構成を採用することもできる。図6では、溝部37が、底部33における上面33aが局所的に凹むように形成されている。これによれば、被検出流体に含まれる水分を吸収して接着部50が膨張したとしても、その膨張した接着部50の一部が溝部37に入り込むので、接着部50の膨張によって、センサ部10のホルダ30に対する設置角度が変化することが抑制される。更に言えば、接着部50が、底部33から外部に露出していないので、底部33側の接着部50に、被検出流体が接触することが抑制される。これにより、被検出流体に含まれる水分が接着部50に吸収されることが抑制されるので、接着部50が膨張することが抑制される。この結果、接着部50の膨張によって、センサ部10のホルダ30に対する設置角度が変化することが抑制される。図6は、流量センサの変形例を示す断面図である。
なお、図2に示すように、第1実施形態に記載の構成においても、接着部50が、底部33から外部に露出していない。したがって、第1実施形態に記載の構成においても、底部33側の接着部50に、被検出流体が接触することが抑制される。これにより、被検出流体に含まれる水分が接着部50に吸収されることが抑制されるので、接着部50が膨張することが抑制される。この結果、接着部50の膨張によって、センサ部10のホルダ30に対する設置角度が変化することが抑制される。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
各実施形態では、設置部35が1つの例を示した。しかしながら、設置部35は、複数でも良い。
各実施形態では、設置部35の形状を工夫することで、設置部35の剛性が、底部33の他の部位よりも小さい例を示した。しかしながら、例えば、ホルダ30を、形成材料固有の剛性が異なる2種類の樹脂を2色成形して、ホルダ30における、設置部35の形成材料固有の剛性が、底部33の他の部位の形成材料固有の剛性よりも低い構成とすることで、設置部35の剛性が、底部33の他の部位よりも小さい構成を実現することもできる。これによっても、線膨張係数差に起因する熱応力や、被検出流体の水分による接着部50の膨張によって、流量の検出精度が低下することが抑制される。なお、この変形例において、各実施形態やその変形例で示したように、設置部35の形状を工夫することで、設置部35の剛性を更に低下して、底部33の他の部位と比べてより変形し易くしてもよい。
各実施形態では、半導体基板11の一面11aと、側壁部34の上面34aとが、面一となっている例を示した。しかしながら、接着部50の膨張による、一面11aの上下動を考慮して、一面11aにおける底部33の上面33aからの高さが、上面34aにおける底部33の上面33aからの高さよりも若干低い構成を採用しても良い。これによれば、接着部50の膨張によって、一面11aにおける底部33からの高さが、上面34aにおける底部33からの高さよりも高くなることが抑制される。したがって、半導体基板11の上流側の側面に被検出流体が衝突し、その衝突によって流れの乱れた被検出流体がセンシング部に流れることが抑制される。なお、この変形例においても、一面11aと上面34aとが平行となっている。
各実施形態では、固定部51(接着部50)が、接着シートである例を示した。しかしながら、接着部50としては、上記例に限定されず、例えば、濡れ性が低下された接着剤を用いて形成しても良い。この接着剤の主な構成材料としては、エポキシ樹脂を採用することができる。
第1実施形態では、規定部52の平面形状が、矩形である例を示した。しかしながら、規定部52の形状としては、上記例に限定されず、例えば、円柱状を採用することができる。
また、この規定部52を、第1実施形態に係る流量センサ100のみが有する例を示した。しかしながら、規定部52を、第2実施形態に係る流量センサ100及びその変形例に示される流量センサ100が有しても良い。
10・・・センサ部
11・・・半導体基板
12・・・メンブレン
30・・・ホルダ
32・・・整流部
33・・・底部
34・・・側壁部
35・・・設置部
36・・・貫通孔
37・・・溝部
50・・・接着部
51・・・固定部
52・・・基底部
100・・・流量センサ

Claims (7)

  1. 被検出流体の流量を測定するセンシング部を備えたセンサ部と、
    前記被検出流体が流れる流路内に、前記センサ部を設けるためのホルダと、
    前記センサ部を前記ホルダに接着固定する少なくとも1つの接着部と、を備える流量センサであって、
    前記ホルダにおける、前記接着部が設けられた部位の少なくとも1つの剛性が、前記ホルダにおける、前記接着部が設けられていない部位の剛性と比べて、低いことを特徴とする流量センサ。
  2. 前記ホルダにおける、前記接着部が設けられた部位の少なくとも一部の厚さが、前記ホルダにおける、前記接着部が設けられていない部位の厚さよりも薄いことを特徴とする請求項1に記載の流量センサ。
  3. 前記ホルダにおける、前記接着部が設けられた部位の一部に、貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の流量センサ。
  4. 前記接着部は、接着シートであることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の流量センサ。
  5. 前記ホルダは、前記接着部が設けられる底部と、該底部の縁に沿って形成された、前記センサ部の周囲を囲む側壁部と、を有し、
    前記センサ部は、半導体基板を有し、
    前記センシング部は、前記半導体基板における前記底部との対向面の裏面側に形成されており、
    前記半導体基板における前記センシング部の形成面と、前記側壁部の上面とが、平行となっていることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の流量センサ。
  6. 前記半導体基板における前記センシング部の形成面と、前記側壁部の上面とが、面一となっていることを特徴とする請求項5に記載の流量センサ。
  7. 前記接着部と前記側壁部との間に、空間があることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の流量センサ。
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