JP2011257009A - 軸受装置および軸受装置の組立方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】組立作業の効率を高めて生産性の向上を図ることができる軸受装置を提供する。
【解決手段】軸受装置10は、内輪14と外輪13との間に複数の転動体15が配設された転がり軸受11と、該転がり軸受11をハウジングに固定すべく、外輪13の外周部に嵌合される固定プレート12と、を備える。外輪13の外周部には、係止溝19が形成され、固定プレート12の内周部には、径方向内側に突出する係止爪21が円周方向に等間隔で複数箇所形成される。そして、外輪13の外周部に固定プレート12の内周部を嵌合することにより、係止爪21が外輪13の軸方向の端部から係止溝19までの外周面を乗り越えて該係止溝19に係止される。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、トランスミッションにおけるギヤ等の回転支持部に用いられる軸受装置および該軸受装置の組立方法に関する。
従来のこの種の軸受装置としては、例えば、図7に示すように、内輪1と外輪2との間に複数の転動体3が配設された転がり軸受4と、該転がり軸受4の外輪2の軸方向端面に当接して転がり軸受4をハウジングHに固定する固定プレート5と、を備えるものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、自動車の小型化と共にトランスミッションの小型化が要請されており、このような要請に応える軸受装置として、図8に示すように、転がり軸受4の外輪2の外周面の軸方向端部に小径段部6を設け、該小径段部6に固定プレート7を嵌合固定したものがある(例えば、特許文献2参照)。
この軸受装置では、外輪2の小径段部6に固定プレート7を外挿した後、固定プレート7の内周部周縁の円周方向の複数箇所を軸方向に押圧成形する。これにより、小径段部6に外挿された固定プレート7の内周部に径方向内側に突出する係止爪8を円周方向の複数箇所に形成し、該係止爪8を小径段部6の外周面に形成した係止溝9に係止させる。
この軸受装置によれば、外輪2の軸方向端面に固定プレート5を当接させる場合(図7)に比べて軸方向の寸法を短くすることができ、トランスミッションの小型化を図ることができる。
特開2004−028123号公報 独国特許出願公開102004031830号明細書
しかし、上記特許文献2では、固定プレート7を外挿した後に内周部の周縁の円周方向の複数箇所を軸方向にプレスして、該固定プレート7の内周部に外輪2の係止溝9に係止する係止爪8を形成するため、固定プレート7の内周部に係止爪8が適切に形成されたか否かの確認が難しい。このため、軸受装置の組立作業の効率が低下して生産性に劣るという問題がある。
本発明は、このような不都合を解消するためになされたものであり、その目的は、組立作業の効率を高めて生産性の向上を図ることができる軸受装置および該軸受装置の組立方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 内輪と外輪との間に複数の転動体が配設された転がり軸受と、該転がり軸受をハウジングに固定すべく、転がり軸受の外輪の外周部に嵌合される固定プレートと、を備える軸受装置であって、
外輪の外周部に形成された係止溝と、固定プレートの内周部の円周方向の複数箇所に径方向内側に突出して設けられた係止爪と、を備え、
外輪の外周部に固定プレートの内周部を嵌合することにより、係止爪が、外輪の軸方向の端部から係止溝までの外周面を乗り越えて係止溝に係止されることを特徴とする軸受装置。
(2) 外輪の軸方向の端部外周部に固定プレートが嵌合される小径段部を設け、該小径段部の外周面に係止溝を形成したことを特徴とする(1)に記載の軸受装置。
(3) 内輪と外輪との間に複数の転動体が配設された転がり軸受と、該転がり軸受をハウジングに固定すべく、転がり軸受の外輪の外周部に嵌合される固定プレートと、を備える軸受装置の組立方法であって、
固定プレートの内周部の周縁の円周方向の複数箇所を軸方向に押圧成形して径方向内側に突出する係止爪を形成しておき、
外輪の外周部に固定プレートの内周部を嵌合することにより、係止爪を、外輪の軸方向の端部から該外輪の外周部に形成された係止溝までの外周面を乗り越えさせて該係止溝に係止させることを特徴とする軸受装置の組立方法。
本発明によれば、軸受装置を組み立てる際に、固定プレートの内周部に係止爪が適切に形成されたか否かの確認が不要となるため、軸受装置の組立作業の効率が高まって、生産性の向上を図ることができる。
本発明に係る軸受装置の一実施形態を説明するための要部断面図である。 外輪の小径段部の外周部に固定プレートが嵌合固定された状態を示す斜視図である。 図2の背面側から見た斜視図である。 固定プレートの内周部に係止爪を形成する工程を説明するための図であり、(A)は係止爪の形成前の固定プレートの状態を示す要部断面図、(B)は係止爪の形成後の固定プレートの状態を示す要部断面図である。 外輪の小径段部に固定プレートを嵌合する工程を説明するための要部断面図である。 固定プレートの係止爪が外輪の係止溝に係止された状態を示す要部断面図である。 従来の軸受装置を説明するための要部断面図である。 従来の他の軸受装置を説明するための要部断面図である。
以下、本発明に係る軸受装置の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。 図1は本発明に係る軸受装置の一実施形態を説明するための要部断面図、図2は外輪の小径段部の外周部に固定プレートが嵌合固定された状態を示す斜視図、図3は図2の背面側から見た斜視図、図4は固定プレートの内周部に係止爪を形成する工程を説明するための要部断面図、図5は外輪の小径段部に固定プレートを嵌合する工程を説明するための要部断面図、図6は固定プレートの係止爪が外輪の係止溝に係止された状態を示す要部断面図である。
本実施形態の軸受装置10は、図1に示すように、転がり軸受11と、該転がり軸受11をハウジング(不図示)に固定すべく、転がり軸受11の外周部に嵌合される固定プレート12と、を備える。
転がり軸受11は、内周面に外輪軌道面13aを有する外輪13と、外周面に内輪軌道面14aを有する内輪14と、内輪軌道面14aと外輪軌道面13aとの間に円周方向に転動可能に配設された複数の転動体15と、複数の転動体15を円周方向に略等間隔に保持する保持器16と、外輪13の軸方向の両端部内周部にそれぞれ装着されて、軸受空間と外部との間をシールするシール部材17と、を有する。
また、外輪13の軸方向の端部外周部には、固定プレート12が嵌合される小径段部18が形成されており、該小径段部18の外周面の軸方向内側寄りには、係止溝19が周方向全周に沿って形成されている。
一方、固定プレート12は、図2および図3に示すように、外形が略三角形のフランジ状をなしており、三角形状の3つの頂点側にはボルト(不図示)の挿通穴20が形成されている。なお、図2および図3では、便宜上、転がり軸受10の外輪13のみを図示している。
また、図1および図3に示すように、固定プレート12の内周部には、外輪13の小径段部18に形成された係止溝19に係止される係止爪21が径方向内側に突出して形成されている。この係止爪21は、本実施形態では、円周方向に略等間隔で3箇所形成されており、また、3箇所の係止爪21は、固定プレート12の三角形状の3つの頂点側にそれぞれ配置されている。
次に、図4〜図6を参照して、軸受装置10の組立方法について説明する。
本実施形態では、固定プレート12を外輪13の小径段部18に嵌合する前に、予め固定プレート12の内周部に係止爪21を形成する。
すなわち、図4に示すように、固定プレート12の内周部周縁の円周方向に等間隔の3箇所をプレス装置等により軸方向に押圧成形して、前記周縁部分の肉を固定プレート12の内周面から径方向内側に膨出させ、これにより、係止爪21を形成する。係止爪21の先端位置は、固定プレート12の内周部の軸方向の略中央部に配置されている。
また、固定プレート12の前記押圧位置の反対側の端部内周縁は、押圧前の内周面と略同径とされ、該端部内周縁から係止爪21の先端までの間は径方向内側に滑らかに膨出する凹曲面22で接続されている。
そして、図5に示すように、固定プレート12の内周部を凹曲面22側から外輪13の小径段部18に嵌合することにより、係止爪21が、外輪13の小径段部18側の端面から係止溝19までの外周面を乗り越えて該係止溝19に係止され(図6参照)、これによ
り、軸受装置10が組み立てられる。
以上説明したように、本実施形態の軸受装置10によれば、固定プレート12を外輪13の小径段部18に嵌合したときに、該固定プレート12の内周部に予め形成した係止爪21を小径段部18の係止溝19に係止させるようにしているため、軸受装置10を組み立てる際に、固定プレート12の内周部に係止爪21が適切に形成されたか否かの確認が不要となる。これにより、軸受装置10の組立作業の効率を高めることができ、生産性の向上を図ることができる。
なお、本発明の内輪、外輪、転動体、転がり軸受、固定プレート、係止溝、係止爪、小径段部等の構成は、上記一実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では、固定プレート12の内周部に3箇所の係止爪21を形成した場合を例示したが、これに限定されず、固定プレート12の内周部に4箇所以上の係止爪21を形成してもよい。
また、上記実施形態では、小径段部18の外周面の周方向に全周に係止溝19を形成した場合を例示したが、これに限定されず、例えば、小径段部18の外周面の複数箇所に周方向に延びる係止溝を形成するようにしてもよい。
10 軸受装置
11 転がり軸受
12 固定プレート
13 外輪
14 内輪
15 転動体
18 小径段部
19 係止溝
21 係止爪
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 内輪と外輪との間に複数の転動体が配設された転がり軸受と、該転がり軸受をハウジングに固定すべく、転がり軸受の外輪の外周部に嵌合される固定プレートと、を備える軸受装置であって、
外輪の外周部に形成された係止溝と、固定プレートの内周部の円周方向の複数箇所に径方向内側に突出して設けられた係止爪と、を備え、
外輪の外周部に固定プレートの内周部を嵌合することにより、係止爪が、外輪の軸方向の端部から係止溝までの外周面を乗り越えて係止溝に係止され
嵌合した前記係止爪と前記係止溝との間には、軸方向且つ径方向に隙間が形成されることを特徴とする軸受装置。
(2) 外輪の軸方向の端部外周部に固定プレートが嵌合される小径段部を設け、該小径段部の外周面に係止溝を形成したことを特徴とする(1)に記載の軸受装置。
(3) 内輪と外輪との間に複数の転動体が配設された転がり軸受と、該転がり軸受をハウジングに固定すべく、転がり軸受の外輪の外周部に嵌合される固定プレートと、を備える軸受装置の組立方法であって、
固定プレートの内周部の周縁の円周方向の複数箇所を軸方向に押圧成形して径方向内側に突出する係止爪を形成しておき、
外輪の外周部に固定プレートの内周部を嵌合することにより、係止爪を、外輪の軸方向の端部から該外輪の外周部に形成された係止溝までの外周面を乗り越えさせて該係止溝に係止させ
嵌合した前記係止爪と前記係止溝との間には、軸方向且つ径方向に隙間が形成されることを特徴とする軸受装置の組立方法。

Claims (3)

  1. 内輪と外輪との間に複数の転動体が配設された転がり軸受と、該転がり軸受をハウジングに固定すべく、前記転がり軸受の前記外輪の外周部に嵌合される固定プレートと、を備える軸受装置であって、
    前記外輪の外周部に形成された係止溝と、前記固定プレートの内周部の円周方向の複数箇所に径方向内側に突出して設けられた係止爪と、を備え、
    前記外輪の外周部に前記固定プレートの内周部を嵌合することにより、前記係止爪が、前記外輪の軸方向の端部から前記係止溝までの外周面を乗り越えて前記係止溝に係止されることを特徴とする軸受装置。
  2. 前記外輪の軸方向の端部外周部に前記固定プレートが嵌合される小径段部を設け、該小径段部の外周面に前記係止溝を形成したことを特徴とする請求項1に記載の軸受装置。
  3. 内輪と外輪との間に複数の転動体が配設された転がり軸受と、該転がり軸受をハウジングに固定すべく、前記転がり軸受の前記外輪の外周部に嵌合される固定プレートと、を備える軸受装置の組立方法であって、
    前記固定プレートの内周部の周縁の円周方向の複数箇所を軸方向に押圧成形して径方向内側に突出する係止爪を形成しておき、
    前記外輪の外周部に前記固定プレートの内周部を嵌合することにより、前記係止爪を、前記外輪の軸方向の端部から該外輪の外周部に形成された係止溝までの外周面を乗り越えさせて該係止溝に係止させることを特徴とする軸受装置の組立方法。
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