JP2011256504A - 裾上げ用クリップ - Google Patents

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Abstract

【課題】生地への装着を容易とすると共に、生地の挟持力をアップして縫製工場等への搬送途中での滑りやずれを防止し、顧客の注文寸法通りの裾上げを可能とした裾上げ用クリップを提供すること。
【解決手段】枢軸1によって開閉可能に枢着され、該枢軸よりも先端側を挟持部2とし、後端側を開閉操作部3とし、常時、ばねによって先端側の挟持部に閉合力を付与された一対のクリップ片4,5を主体とし、このクリップ片の前記挟持部の外面に前記枢軸付近から先端側に向けて目盛6を設けた裾上げ用クリップであって、前記一対のクリップ片の挟持部の内面に滑り止め手段を設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、ズボンやスカート等の裾上げ時に使用する衣類の裾上げ用クリップに関するものである。
従来、ズボンやスカート等の裾上げは、売り場の試着室等で顧客が当該衣服を試着した状態で店員等が裾を折り返して適切な裾長さとなる位置にまち針を刺して折り返し位置を決定し、該まち針を刺したままで衣服を脱ぎ、これを縫製工場等に送って裾の縫製仕上げを行い顧客の注文寸法通りに裾上げをしていた。
ところが、これであると、顧客が衣服を脱ぐときにまち針で怪我をする場合があり、また、衣服を取り扱う店員や縫製工がまち針で怪我をする恐れもあった。
このような問題を解決するものとして、従来、先端部分を先鋭化したプラスチック製平板状のスケール本体の基部を除く周縁部に略U字状のスリットを設けて該スリットの内側を押え板とし、スリットの外側を受け枠として、これら押え板と受け枠とがクリップ作用をするように構成すると共に、この押え板の表面に目盛を施して、ズボンやスカートの裾の折り返し丈の採寸に用いる洋裁用スケールが公知である(特許文献1参照)。
また、従来、クリップ片に目盛を標記し、挟持した部分の長さを計測できるようにした目盛付きクリップが公知である(特許文献2,3参照)。
実公昭52−27001号公報 実開平3−93179号公報 実用新案登録第3094320号公報
ところが、特許文献1のものは、開閉操作手段がないため、生地への着脱、特に、装着が容易とは云えないのみならず、生地の挟持力が弱く、縫製工場等への搬送途中等で外れたり、ずれやすいという欠点があった。
また、特許文献2のものは、生地への装着は容易であるが、クリップのふところが浅く、生地を深く挿入できないため、裾上げ寸法を正確に計測・表示できない欠点があった。
また、特許文献3のものは、クリップ片のふところが深いので生地を奥まで深く挿入できるが、生地の挟持面がフラットであるため、滑りやすく、ずれやすいため、試着室で設定した寸法が縫製工場へ搬送する途中で狂いやすく、顧客の注文寸法通りの裾上げができない場合が生じる欠点があった。
本発明は、従来技術の上記欠点に鑑みて提案されたもので、生地への装着を容易とすると共に、生地の挟持力をアップして縫製工場等への搬送途中での滑りやずれを防止し、顧客の注文寸法通りの裾上げを可能とした裾上げ用クリップを提供することを目的としている。
前記目的を達成するために本発明は、枢軸によって開閉可能に枢着され、該枢軸よりも先端側を挟持部とし、後端側を開閉操作部とし、常時、ばねによって先端側の挟持部に閉合力を付与された一対のクリップ片を主体とし、このクリップ片の前記挟持部の外面に前記枢軸付近から先端側に向けて目盛を設けた裾上げ用クリップであって、前記一対のクリップ片の挟持部の内面に滑り止め手段が設けてあることを特徴としている。
この構成によれば、試着室等で裾上げ寸法を採寸する場合、従来のまち針のような怪我の心配もなく正確に寸法を採寸して注文書などに記載・表示することができると共に、一対のクリップ片の挟持部の内面に設けた滑り止め手段によって生地の挟持力がアップし、生地の滑りやずれが防止されるため、縫製工場等への搬送途中での生地に対するクリップ片の滑りやずれを防止し、顧客の注文寸法通りの裾上げが可能となる。
前記滑り止め手段は、前記挟持部の長手方向全長に亘って設けるか、又は、長手方向の先端側だけ、後端側だけ、中央部だけ、或いは、長手方向に適宜の間隔で分散して設けてあるかの何れか1つを採用すればよい。
また、前記滑り止め手段は、ゴム又は鋸歯状凹凸部で構成するか、或いは、前記一対のクリップ片の挟持部の一方の内面に凸リブを設け、他方の内面に前記凸リブと係合する凹溝を設け、この凹溝に滑り止めゴムを設けた構成とするかの何れか1つを採用すればよい。
これらの構成によれば、生地の挟持力がアップし、生地の滑りやずれが防止されるため、縫製工場等への搬送途中での生地に対するクリップ片の滑りやずれを防止し、顧客の注文寸法通りの裾上げが可能となる。
前記一対のクリップ片の挟持部の先端側に幅方向両側に広くされた拡幅部を備えているのが好ましい。
この構成によれば、挟持部の先端側に設けた拡幅部によって、生地の挟持力及び滑り止めを一層アップさせることができる。
本発明によれば、生地への装着を容易とすると共に、生地の挟持力をアップして縫製工場等への搬送途中での滑りやずれを防止し、顧客の注文寸法通りの裾上げを可能とした裾上げ用クリップを提供することができる。
本発明に係る裾上げ用クリップの使用状態の斜視図である。 (A)(B)(C)は、それぞれ異なる滑り止め手段を採用した図1の一対のクリップ片の幅方向に沿う断面図である。 滑り止め手段のさらに別の実施形態の斜視図である。 本発明に係る裾上げ用クリップの別の実施形態を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
本発明に係る裾上げ用クリップは、図1に示すように、枢軸1によって開閉可能に枢着され、該枢軸1よりも先端側を挟持部2とし、後端側を開閉操作部3とし、常時、ばね(図示省略)によって先端側の挟持部2に閉合力を付与された一対のクリップ片4,5を主体とし、このクリップ片4,5の前記挟持部2の外面に前記枢軸1付近から先端側に向けて目盛6を設け、前記一対のクリップ片4,5の挟持部2の内面に滑り止め手段7が設けてある。目盛6は、一対のクリップ片4,5の一方だけに設けてもよく、両方に設けてもよい。
前記滑り止め手段7は、前記挟持部2の長手方向全長に亘って設けるか、又は、長手方向の先端側だけ、後端側だけ、中央部だけ、或いは、長手方向に適宜の間隔で分散して設けてあるかの何れか1つが採用される。
また、前記滑り止め手段7は、図2(A)に示すように、板状のゴム7aを貼り付けるか、又は、図2(B)に示すように、鋸歯状凹凸部7bを設けるか、或いは、図2(C)に示すように、前記一対のクリップ片4,5の挟持部2の一方の内面に凸リブ7cを設け、他方の内面に前記凸リブ7cと係合する凹溝7dを設け、この凹溝7dに滑り止めゴム7eを設けた構成とするかの何れか1つを採用すればよい。
また、図3に示すように、一対のクリップ片4,5の長手方向に沿う両側に鋸歯状凹凸部7fを形成して滑り止め手段7としてもよい。
図4は、本発明に係る裾上げ用クリップの別の実施形態を示す斜視図であって、枢軸1によって開閉可能に枢着され、該枢軸1よりも先端側を挟持部2とし、後端側を開閉操作部3とし、常時、ばね(図示省略)によって先端側の挟持部2に閉合力を付与された一対のクリップ片4,5を主体としてある点は、図1の実施形態と同様である。また、このクリップ片4,5の前記挟持部2の外面に前記枢軸1付近から先端側に向けて目盛6を設けてあることも図1の実施形態と同様である。そして、前記一対のクリップ片4,5の挟持部2の内面に設ける滑り止め手段7として、一方のクリップ片4の挟持部2の内面にゴム凸部7gを長手方向に適宜の間隔で複数に分散して設置し、これに対応するスリット状凹部7hと凹穴7iを他方のクリップ片5に設けたものである。
図4においては、ゴム凸部7gを把持部2の長手方向の4箇所に分散して設けた場合を例示しているが、設置個数は、これに限定されず、複数であればよい。また、把持部2の先端のゴム凸部7gは他のものよりも大きくしているが、同一であってもよい。なお、各ゴム凸部7gは、それぞれの設置位置に対応する位置でクリップ片4の幅方向中央に小穴を明けて、この小穴に圧入し、接着剤で接着固定させている。
上記ゴム凸部7gに対応する凹部として、図4は、先端を凹穴7iとし、他の部分は共通のスリット状凹部7hとした場合を例示しているが、これに制約されず、例えば、スリット状凹部7hの代わりに全てのゴム凸部7gに対して凹穴7iとしてもよく、或いは、スリット状凹部7hを先端のゴム凸部7gまで延長してあってもよい。
この図4の実施形態の構成によれば、ゴムの使用量が少なく、加工も容易であり、コスト削減が図れると共に、各ゴム凸部7gの位置で生地をゴム凸部7gでスリット状凹部7hや凹穴7iに向けて凸状に押し込んでゴム凸部7gとスリット状凹部7hや凹穴7iの周縁で挟み込んでピンポイント状に挟持させることができるため、生地の滑り止め作用が十分であり、しかも、複数箇所で挟持させていることによって、クリップ片4,5のずれや滑りを防止させることができ、生地を損傷させる心配もなく、特に、薄い生地から分厚い生地まで幅広く対応でき、どのような厚みの生地に対しても、十分な挟持力と滑り止め作用が得られる利点がある。
前記一対のクリップ片4,5の挟持部2の先端側に、図1及び図4に示すように、幅方向両側に広くされた拡幅部4a,5aを設けるのが挟持力を強くする上で好ましい。
前記一対のクリップ片4,5は、アルミ板材、ステンレス板材、銅板材、その他の金属板材のプレス製品、又は、プラスチック材の射出成型品によって両方ともを構成してもよく、或いは、一方のクリップ片4を金属板材で構成し、他方のクリップ片5をプラスチック材で構成してもよい。
前記一対のクリップ片4,5は、横幅を例えば、12〜13mmとし、長さを100〜120mmとし、大、中、小の3段階程度を製作して用途等に応じて使い分けるようにするのが好ましい。なお、寸法やサイズ等は、適宜変更可能である。
本発明に係る裾上げ用クリップは、以上の構成からなるもので、次にその使用例を説明する。
図1は、ズボン又はスカート等の衣服の裾生地8の折り返し部分に本発明に係る裾上げ用クリップを適用したもので、この場合、一対のクリップ片4,5を裾生地8の折り返し部分に差し込んで挟持させたものである。このクリップ片4,5は、1本〜複数本をズボン又はスカート等の裾生地の折り返し部分に差し込んで使用するものである。
例えば、衣服の売り場の試着室等において、顧客が着用したズボンやスカートの裾を折り返して所望の長さとし、その状態を店員又は顧客自身が本発明に係るクリップを装着使用することによって、裾上げ寸法の計測と設定が同時にでき、その場合、従来のまち針のような怪我の心配もなく正確に寸法を採寸して注文書などに記載・表示することができる。そして、一対のクリップ片4,5の挟持部2の内面に設けた滑り止め手段7によって生地の挟持力がアップし、生地の滑りやずれが防止されるため、縫製工場等への搬送途中での生地に対するクリップ片4,5の滑りやずれを防止し、顧客の注文寸法通りの裾上げが可能となる。また、縫製工程においても、本発明のクリップ片4,5は薄いため、縫製ミシンによる生地送りを妨げず、装着したままで裾上げ寸法に生地を挟持させてミシン針による縫製を行わせ、ミシン針がクリップ片4,5の挟持位置に来ると、一旦、外して縫製方向の前方又は後方の未縫製位置へ差し替え、その際、目盛6を見て所定の裾上げ寸法に設定し、正確に挟持させて引き続いて次の縫製を行わせることができ、その際においても、まち針のような怪我の心配もない。
本発明に係る裾上げ用クリップの実施形態は、以上からなるが、本発明は、この実施形態にのみ制約されるものではなく、例えば、クリップ片4,5の形状や寸法、滑り止め手段7の構成は、特許請求の範囲内で自由に変更して実施することができる。
本発明の裾上げ用クリップは、ズボンやスカートの裾上げの他、コート類の裾上げや袖長さの調整等、衣類の寸法調整用具として広く利用することができる。
1 枢軸
2 挟持部
3 開閉操作部
4,5 一対のクリップ片
4a、5a 拡幅部
6 目盛
7 滑り止め手段
7a ゴム
7b 鋸歯状凹凸部
7c 凸リブ
7d 凹溝
7e 滑り止めゴム
7f 鋸歯状凹凸部
7g ゴム凸部
7h スリット状凹部
7i 凹穴
8 裾生地

Claims (5)

  1. 枢軸(1)によって開閉可能に枢着され、該枢軸(1)よりも先端側を挟持部(2)とし、後端側を開閉操作部(3)とし、常時、ばねによって先端側の挟持部(2)に閉合力を付与された一対のクリップ片(4,5)を主体とし、このクリップ片(4,5)の前記挟持部(2)の外面に前記枢軸(1)付近から先端側に向けて目盛(6)を設けた裾上げ用クリップであって、
    前記一対のクリップ片(4,5)の挟持部(2)の内面に滑り止め手段(7)が設けてあることを特徴とする裾上げ用クリップ。
  2. 前記滑り止め手段(7)は、前記挟持部(2)の長手方向全長に亘って設けるか、又は、長手方向の先端側だけ、後端側だけ、中央部だけ、或いは、長手方向に適宜の間隔で分散して設けるかの何れか1つであることを特徴とする請求項1に記載の裾上げ用クリップ。
  3. 前記滑り止め手段(7)は、ゴム(7a、7g)又は鋸歯状凹凸部(7b、7f)で構成するか、或いは、前記一対のクリップ片(4,5)の挟持部(2)の一方の内面に凸リブ(7c)を設け、他方の内面に前記凸リブ(7c)と係合する凹溝(7d)を設け、この凹溝(7d)に滑り止めゴム(7e)を設けた構成とするかの何れか1つであることを特徴とする請求項1又は2に記載の裾上げ用クリップ。
  4. 枢軸(1)によって開閉可能に枢着され、該枢軸(1)よりも先端側を挟持部(2)とし、後端側を開閉操作部(3)とし、常時、ばねによって先端側の挟持部(2)に閉合力を付与された一対のクリップ片(4,5)を主体とし、このクリップ片(4,5)の前記挟持部(2)の外面に前記枢軸(1)付近から先端側に向けて目盛(6)を設けた裾上げ用クリップであって、
    前記一対のクリップ片(4,5)の挟持部(2)の内面に滑り止め手段(7)が設けてあり、この滑り止め手段(7)は、一方のクリップ片(4)の挟持部(2)の内面にゴム凸部(7g)を長手方向に適宜の間隔で複数に分散して設置し、これに対応するスリット状凹部(7h)と凹穴(7i)又はこれらの何れか一方、或いは、各ゴム凸部(7g)に対応する凹部を他方のクリップ片(5)に設けたことを特徴とする裾上げ用クリップ。
  5. 前記一対のクリップ片(4,5)の挟持部(2)の先端側に幅方向両側に広くされた拡幅部(4a,5a)を備えていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の裾上げ用クリップ。
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