JP2011256413A - 水素酸素ガス発生燃焼装置及びその使用方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】逆火も爆発も起こりにくい水素酸素ガス発生燃焼装置及びその使用方法を提供する。
【解決手段】水素酸素ガス発生燃焼装置は、水を電気分解する電気分解槽31と、電気分解により発生するガスとこれに混合される液体水分とを分離する第1の気液分離槽34と、ガスを燃焼させるバーナー53を含む水素酸素ガス発生燃焼装置であって、第1の気液分離槽34内及び/又は第1の気液分離槽34とバーナー53との間にガスを冷却する冷却器38を備え、冷却器38より下流側かつバーナー53までの間にガスを暖める加熱器51を備える。この装置の使用方法は、加熱器51で暖めるガス温度T2を、冷却器38で冷却するガス温度T1及びバーナー53が配置されている雰囲気温度T3より高い温度に維持して運転する。
【選択図】図4
【解決手段】水素酸素ガス発生燃焼装置は、水を電気分解する電気分解槽31と、電気分解により発生するガスとこれに混合される液体水分とを分離する第1の気液分離槽34と、ガスを燃焼させるバーナー53を含む水素酸素ガス発生燃焼装置であって、第1の気液分離槽34内及び/又は第1の気液分離槽34とバーナー53との間にガスを冷却する冷却器38を備え、冷却器38より下流側かつバーナー53までの間にガスを暖める加熱器51を備える。この装置の使用方法は、加熱器51で暖めるガス温度T2を、冷却器38で冷却するガス温度T1及びバーナー53が配置されている雰囲気温度T3より高い温度に維持して運転する。
【選択図】図4
Description
本発明は、水を電気分解し、水素ガスと酸素ガス又はこれらの混合ガス(酸水素ガス: oxyhydrogen)を発生させ、燃焼する装置及びその使用方法に関する。
水を電気分解すると水素ガスと酸素ガスが生成すること、水素ガス2モルと酸素ガス1モルを燃焼させると、最高約2800℃の高温の炎が得られることは知られている。酸素と水素が1:2の混合ガス(水素爆鳴気)は、常圧において発火点が約570℃であり、いったん着火すると燃焼し続ける性質がある。電気分解と燃焼の化学式は次のとおりであり、2酸化炭素(炭酸ガス)は生成せず、自然環境を汚さない利点がある。
電気分解:2H2O→2H2+O2
燃焼:2H2+O2→2H2O
酸水素ガスは照明用としてライムライトなどのガス灯、白金加工用トーチ、酸水素ガス吸管、ガラス工芸用バーナー、溶接用バーナーとして使用された例がある。しかし、酸水素ガスは爆発しやすく、取り扱いが極めて危険であり、実用化されているとは言い難い。特許文献1には気液分離方法が提案されており、特許文献2には逆火現象を防止する水タンクが提案されており、特許文献3には電解層の温度を調節することが提案されており、特許文献4には電解液の補充と炎を温度調節することが提案されており、特許文献5には気体漏れ探知機能付き発生器が提案されている。しかし、いずれの提案も酸水素ガスの逆火や爆発を防止するには、未だ十分ではなかった。
電気分解:2H2O→2H2+O2
燃焼:2H2+O2→2H2O
酸水素ガスは照明用としてライムライトなどのガス灯、白金加工用トーチ、酸水素ガス吸管、ガラス工芸用バーナー、溶接用バーナーとして使用された例がある。しかし、酸水素ガスは爆発しやすく、取り扱いが極めて危険であり、実用化されているとは言い難い。特許文献1には気液分離方法が提案されており、特許文献2には逆火現象を防止する水タンクが提案されており、特許文献3には電解層の温度を調節することが提案されており、特許文献4には電解液の補充と炎を温度調節することが提案されており、特許文献5には気体漏れ探知機能付き発生器が提案されている。しかし、いずれの提案も酸水素ガスの逆火や爆発を防止するには、未だ十分ではなかった。
本発明は、前記従来の問題を解決するため、逆火も爆発も起こりにくい水素酸素ガス発生燃焼装置及びその使用方法を提供する。
本発明の水素酸素ガス発生燃焼装置は、水を電気分解する電気分解槽と、前記電気分解により発生するガスと前記ガスに混合される液体水分とを分離する第1の気液分離槽と、前記ガスを燃焼させるバーナーを含む水素酸素ガス発生燃焼装置であって、前記第1の気液分離槽内及び/又は前記第1の気液分離槽と前記バーナーとの間にガスを冷却する冷却器を備え、前記冷却器より下流側かつ前記バーナーまでの間にガスを暖める加熱器を備えたことを特徴とする。
本発明の水素酸素ガス発生燃焼装置の使用方法は、前記の水素酸素ガス発生燃焼装置の使用方法であって、加熱器で暖めるガス温度(T2)を、冷却器で冷却するガス温度(T1)及びバーナーが配置されている雰囲気温度(T3)より高い温度に維持して運転することを特徴とする。
本発明は、第1の気液分離槽内及び/又は前記第1の気液分離槽と前記バーナーとの間にガスを冷却する冷却器を備え、前記冷却器より下流側かつ前記バーナーまでの間にガスを暖める加熱器を備えたことにより、ガスをいったん冷却し、ガス中の水蒸気量を低下させ、その後加熱することにより相対湿度をさらに下げ、ドライガスの状態とし、水の小さなミストの発生を防止し、逆火も爆発も起こりにくい水素酸素ガス発生燃焼装置及びその使用方法を提供できる。
本発明者は、従来の水素酸素ガス発生燃焼装置がなぜ逆火し、爆発するか検討を重ね、次の推論を立てた。
(1)水の電気分解で発生する分解ガスには水分が含まれる
水の電気分解に伴い、発生ガスには液体の水分ないしは高い湿度の水分が不可避的に含まれる。飛沫同伴、又は電気分解時の温度におけるガスに含まれる飽和水蒸気などの状態で、電気分解されたガスには不可避的に液体の水分ないしは高い湿度の水分が含まれる。とくに電気分解中に電気を通電することにより、電解液(水)が発熱し、高温となる。電解液の温度における飽和水蒸気量又はそれに近い水分は必然的に分解ガスに含まれることになる。
(2)分解ガスの供給時に温度が下がり、水蒸気は液体水のミストとなる
分解ガスはバーナーまで送られる間に雰囲気温度まで冷却される。そうすると、水の露点又はそれ以下の温度になる場合があり、この場合、水蒸気は液体の水ミストになる。
(3)水ミストが起こす問題
分解ガスに含まれる液体の水分(水ミスト)がガスとともにバーナーの燃焼ゾーンに入ると、たとえ小さなミストであっても水の液体は水蒸気爆発を起こすのではないかと考えられる。水蒸気爆発は火山の水蒸気爆発と同様、きわめて危険である。水蒸気爆発を起こすと、体積は大きく膨張し、空間の開いているバーナーの前又はガス供給パイプの後ろ側に急激に膨張する。逆火現象は水蒸気爆発によって引き起こされているのではないかと推察される。万一水蒸気爆発でないとしても、液体の水1モル(18g)は22.4リットルの気体となるので体積は著しく膨張する。この体積膨張が一瞬にして起こる場合は、水蒸気爆発と同様にきわめて危険である。
(4)解決手段を導く着想
この推察が正しいとすれば、電気分解によって発生するガスを徹底して乾燥し、小さな液体水のミストすら発生させないようにすれば、爆発も体積膨張も逆火も起こらないのではないかと考えられる。
(1)水の電気分解で発生する分解ガスには水分が含まれる
水の電気分解に伴い、発生ガスには液体の水分ないしは高い湿度の水分が不可避的に含まれる。飛沫同伴、又は電気分解時の温度におけるガスに含まれる飽和水蒸気などの状態で、電気分解されたガスには不可避的に液体の水分ないしは高い湿度の水分が含まれる。とくに電気分解中に電気を通電することにより、電解液(水)が発熱し、高温となる。電解液の温度における飽和水蒸気量又はそれに近い水分は必然的に分解ガスに含まれることになる。
(2)分解ガスの供給時に温度が下がり、水蒸気は液体水のミストとなる
分解ガスはバーナーまで送られる間に雰囲気温度まで冷却される。そうすると、水の露点又はそれ以下の温度になる場合があり、この場合、水蒸気は液体の水ミストになる。
(3)水ミストが起こす問題
分解ガスに含まれる液体の水分(水ミスト)がガスとともにバーナーの燃焼ゾーンに入ると、たとえ小さなミストであっても水の液体は水蒸気爆発を起こすのではないかと考えられる。水蒸気爆発は火山の水蒸気爆発と同様、きわめて危険である。水蒸気爆発を起こすと、体積は大きく膨張し、空間の開いているバーナーの前又はガス供給パイプの後ろ側に急激に膨張する。逆火現象は水蒸気爆発によって引き起こされているのではないかと推察される。万一水蒸気爆発でないとしても、液体の水1モル(18g)は22.4リットルの気体となるので体積は著しく膨張する。この体積膨張が一瞬にして起こる場合は、水蒸気爆発と同様にきわめて危険である。
(4)解決手段を導く着想
この推察が正しいとすれば、電気分解によって発生するガスを徹底して乾燥し、小さな液体水のミストすら発生させないようにすれば、爆発も体積膨張も逆火も起こらないのではないかと考えられる。
空気中における飽和水蒸気量と気温との関係は図1に示される。より具体的にはTetens(1930)の式
E(t)=6.11×10(7.5t/(t+237.3))
により、温度t℃における飽和水蒸気圧E(t)hPaを求め、絶対湿度aの値は、水蒸気の状態方程式から導かれる次式
a=217×e/(t+273.15)
により算出できる。0℃〜100℃の範囲における5℃ごとの飽和水蒸気量を算出すると表1のとおりとなる。
E(t)=6.11×10(7.5t/(t+237.3))
により、温度t℃における飽和水蒸気圧E(t)hPaを求め、絶対湿度aの値は、水蒸気の状態方程式から導かれる次式
a=217×e/(t+273.15)
により算出できる。0℃〜100℃の範囲における5℃ごとの飽和水蒸気量を算出すると表1のとおりとなる。
本発明においては、電気分解ガス中における水蒸気量を問題にしており、空気中における前記表1の飽和水蒸気量とは厳密には異なるが、説明の都合上、前記表1を前提として温度変化させた場合の水蒸気の挙動について説明する。図2は気温を変化させた場合の水蒸気量の関係を示すグラフである。まず電気分解槽の温度をAとすると、電気分解ガスの飽和水蒸気量はw1点である。このガスを温度Bまで下げるとそのときの飽和水蒸気量はw2点となる。水蒸気量xは液体の水となって回収される。次にガスの温度をAまで上げると、ガス中の水蒸気量はw2のままであり、温度Aにおける飽和水蒸気量w1よりかなり少ない量の水蒸気量となる[相対湿度は(w2/w1)×100 %RH]。これにより乾燥ガス(ドライガス)が得られる。また、ガスの温度をCまで上げると、ガス中の水蒸気量はw2のままであり、温度Cにおける飽和水蒸気量w3よりかなり少ない量の水蒸気量となる[相対湿度は(w2/w1)×100 %RH]。これによりさらに相対湿度の低い乾燥ガス(ドライガス)が得られる。
具体的に説明すると、電気分解槽の水の温度が例えば40℃の場合、そのときの飽和水蒸気量は51.1g/m3であり、発生する電気分解ガスをいったん5℃まで冷却すると、そのときの飽和水蒸気量は6.8g/m3となる。この冷却ガスを再度40℃まで加熱しても水蒸気量は6.8g/m3のままであるので、相対湿度は約13.3%RHとなる。電気分解槽の水の温度が例えば50℃であるとし、冷却及び加熱を同様な条件とすると、相対湿度は8.2%RHとなる。両ケースともきわめて乾燥した状態の電気分解ガス(ドライガス)となる。このような乾燥状態の電気分解ガス(ドライガス)であれば、水の小さなミストの発生もなく、逆火も爆発も起こりにくい。
本発明において、水を電気分解する電気分解槽からの電気分解ガスは、H2とO2を別々に取り出してもよいし、H2とO2を混合して取り出してもよい。取り出したガスには飛沫同伴などにより多量の液体水分が含まれているので、取り出したガスをガスと液体水分とに分離する第1の気液分離槽に導く。
気液分離槽で液体水分を分離したガスは、次に冷却器に導き冷却する。冷却温度は0℃を超え、気液分離槽内における気体の温度未満とするのが好ましい。この温度範囲であれば、ガス中の湿度を下げる効果がある。冷却温度が0℃以下では、冷却器の表面に氷が付着するようになり、冷却効果に支障が出る傾向となる。好ましい冷却温度は0℃を超え10℃以下、さらに好ましくい冷却温度は0℃を超え5℃以下である。冷却後の電気分解ガスは、さらに第2の気液分離槽に入れて、液体の水分を除去するのが好ましい。冷却した状態で液体の水分を除去することにより、乾燥ガスが得られる。
冷却したガスは、次に加熱器で暖める。加熱器で暖めるガス温度(T2)は、冷却器で冷却したガス温度(T1)以上であることが好ましく、さらにT2はT1より5℃以上高いことが好ましく、より好ましくはT1より10℃以上高くする。前記の温度に加熱すれば、ガスの相対湿度は下がり、乾燥状態に保たれる。また、加熱装置で暖めるガス温度(T2)は、バーナーが配置されている雰囲気温度(T3)より高いことが好ましく、さらに好ましくはT2はT3より5℃以上高いことが好ましい。これは寒冷地において、冬季の気温が低い場合、雰囲気温度によりバーナー付近のガス供給パイプの温度が下がり、ガス中の相対湿度が上がり、水蒸気ミストの発生が起こるのを防ぐためである。すなわち、いったん冷却したガスであっても、外気温が冷却温度より低いと水蒸気ミストの発生が起こり得る。これを防ぐためにガス温度(T2)は、バーナーが配置されている雰囲気温度(T3)より高いことが好ましい。より好ましくは、加熱器で暖めるガス温度(T2)は15℃以上200℃以下の範囲、さらに好ましくは15℃以上100℃以下である。相対湿度は1〜90%RHが好ましく、さらに好ましくは5〜80%RHである。加熱装置は任意のものを適用できる。例えば、ガス供給パイプの外側にヒーターを配置する。ヒーターは巻き付けヒーターで構成するのが安価で好ましい。別の手段としては、2重管(ジャケット管)とし、内管にはガスを通し、内管と外管の間にはスチームを通してガスを加熱する。さらに別の手段としては、ガスの前記冷却器と前記加熱器とを例えば炭酸ガスを冷媒とする閉ループのパイプでつなぎ、前記加熱器の直前に圧縮機を設けてヒートポンプとし、前記加熱器側サイドを炭酸ガスの超臨界状態で運転するシステムも採用できる。
冷却され加熱された電気分解ガスは、最後にバーナーで燃焼させる。この燃焼用バーナーは任意のものを使用できる。安全性をより高くする観点から、前記加熱装置とバーナーとの間に逆火防止弁をさらに備えることが好ましい。
本発明の水素酸素ガス発生燃焼装置の使用方法は、加熱器で暖めるガス温度(T2)を、冷却器で冷却するガス温度(T1)及びバーナーが配置されている雰囲気温度(T3)より高い温度に維持して運転する。この使用方法により、年間を通じて安全性を確保できる。
次に図面を用いて説明する。図3は本発明の一実施例における水素酸素ガス発生燃焼装置の概略説明図である。この装置は電気分解ガスを酸素ガスと水素ガスに分離して取り出すタイプの装置である。電解セル(電気分解槽)1の中には電解水が充填されており、多数の電極板に電源2から直流電流を流す。水が電気分解されて発生するガスは液体水分を伴っている。パイプ3aからはH2O+O2を第1の気液分離槽4aに取り出し、パイプ3bからはH2O+H2を第1の気液分離槽4bに取り出す。第1の気液分離槽4aでは液体水分5aと気体の酸素ガス(O2)6aに分離され、気体の酸素ガス(O2)6aはパイプ7aから冷却器8aに供給される。冷却器8aで冷却された酸素ガス(O2)はパイプ9aから第2の気体分離層10aに供給され、再度液体水分11aと気体の酸素ガス(O2)12aに分離される。第2の気体分離層10aは必須のものではなく、冷却器8a内で冷却することにより、液体水分とガスに分離することもできる。この場合は冷却器8aの上方の気相部に酸素ガス取り出しパイプをつなぎ、下方のボトム部に液体水分取り出しパイプをつなげる。気体の酸素ガス(O2)12aは酸素ガス供給パイプ20aに取り出され、加熱器21によって加熱され、乾式逆火防止弁22aを通過してバーナー23で燃焼され、炎24となる。
第2の気体分離層10aで分離された液体水分11aはドレインパイプ13aから取り出され、第1の気液分離槽4aから取り出される液体水分5aのドレインパイプ14と合体し、ドレインパイプ15から電解液冷却器16に送り込まれて冷却され、パイプライン17から電解セル(電気分解槽)1に戻される。
パイプ3bから取り出されたH2O+H2は第1の気液分離槽4bで液体水分5bと気体の水素ガス(H2)6bに分離され、気体の水素ガス(H2)6bはパイプ7bから冷却器8bに供給される。冷却器8bで冷却された水素ガス(H2)はパイプ9bから第2の気体分離層10bに供給され、再度液体水分11bと気体の水素ガス(H2)12bに分離される。第2の気体分離層10bは必須ではないことは前記のとおりである。気体の水素ガス(H2)12bは水素ガス供給パイプ20bに取り出され、加熱器21によって加熱され、乾式逆火防止弁22bを通過してバーナー23で燃焼され、炎24となる。第2の気体分離層10bで分離された液体水分11bはドレインパイプ13bから取り出され、第1の気液分離槽4bから取り出される液体水分5bのドレインパイプ14と合体し、ドレインパイプ15から電解液冷却器16に送り込まれて冷却され、パイプライン17から電解セル(電気分解槽)1に戻される。電気分解に必要な新たな水(電解水)は水供給タンク18から供給ライン19を通じて第1の気液分離槽4a又は4bに送り込まれる。各槽には安全弁を設けるのが好ましい。これは以下の実施例においても同じである。
図4は本発明の別の実施例における水素酸素ガス発生燃焼装置の概略説明図である。この装置は電気分解ガスを酸素ガスと水素ガスの混合ガスのまま取り出すタイプの装置である。電解セル(電気分解槽)31の中には水が充填されており、多数の電極板に電源22から直流電流を流す。水が電気分解されて発生するガスは液体水分を伴っている。パイプ33からH2O+H2+O2を第1の気液分離槽34に取り出す。第1の気液分離槽34では液体水分35と気体の水素ガス(H2)と酸素ガス(O2)の混合ガス36に分離される。この混合ガスは酸水素ガスとも言う。混合ガス(H2+O2)36はパイプ37から冷却器38に供給される。冷却器38で冷却された混合ガス(H2+O2)はパイプ39から第2の気体分離層40に供給され、再度液体水分41と気体の混合ガス(H2+O2)42に分離される。第2の気体分離層40は必須のものではなく、冷却器48内で冷却することにより、液体水分と混合ガスに分離することもできる。この場合は冷却器38の上方の気相部に混合ガス取り出しパイプをつなぎ、下方のボトム部に液体水分取り出しパイプをつなげる。気体の混合ガス(H2+O2)42は混合ガス供給パイプ50に取り出され、加熱器51によって加熱され、乾式逆火防止弁52を通過してバーナー53で燃焼され、炎54となる。
第2の気体分離層40で分離された液体水分41はドレインパイプ43から取り出され、第1の気液分離槽34から取り出される液体水分35のドレインパイプ44と合体し、ドレインパイプ45から電解液冷却器46に送り込まれて冷却され、パイプライン47から電解セル(電気分解槽)31に戻される。電気分解に必要な新たな水は水供給タンク48から供給ライン49を通じて第1の気液分離槽34に送り込まれる。
図5は本発明のさらに別の実施例における水素酸素ガス発生燃焼装置の概略説明図である。図5の実施例は、第1の気液分離槽内に冷却器を備えた例である。図5では混合ガスの例を示したが、図4に示す水素ガスと酸素ガスに分離した装置にも適用できる。電解セル(電気分解槽)61の中には水が充填されており、多数の電極板に電源62から直流電流を流す。水が電気分解されて発生するガスは液体水分を伴っている。パイプ63からH2O+H2+O2を第1の気液分離槽64に取り出す。第1の気液分離槽64には冷媒を循環させる冷却パイプ67を設けて液体水分65を冷却する。冷却パイプ67は簡略化して1つのスパイラルで示しているが、2重以上の多重スパイラルとしてもよい。冷却器68からポンプで冷媒をパイプ69から第1の気液分離槽64内の冷却パイプ67に供給し、パイプ70から回収する。第1の気液分離槽64では液体水分65と気体の水素ガス(H2)+酸素ガス(O2)の混合ガス66に分離される。混合ガス(H2+O2)66は混合ガス供給パイプ71に取り出され、加熱器72によって加熱され、乾式逆火防止弁74を通過してバーナー75で燃焼され、炎75となる。加熱器72と乾式逆火防止弁74との間のパイプ73は、外気によって冷やされないように保温しておいてもよい。電気分解に必要な新たな水78は水供給タンク77から供給ライン79を通じて第1の気液分離槽64に送り込まれ、第1の気液分離槽64の液体水分65とともにパイプライン80から電解セル(電気分解槽)61に供給される。
図6は本発明の一実施例におけるヒートポンプを用いた冷却−加熱装置の概略説明図である。この装置は特公平7−18602号によって知られている。電気分解ガスの冷却器と加熱器とを例えば炭酸ガスを冷媒とする閉ループのパイプでつなぎ、加熱器の手前に圧縮機を設けてヒートポンプとし、前記加熱器側サイドを炭酸ガスの超臨界状態で運転するシステムである。好適な作動流体は、たとえば、エチレン(C2H4)、ジボラン(B2H6)、炭酸ガス(CO2)、エタン(C2H6)及び酸化窒素(N2O)とすることができ、とくに好ましくは炭酸ガスである。流れ回路は、熱交換器82に直列連結される圧縮機81と、向流型熱交換器83と、絞り弁84とを含む。蒸発熱交換器85と、液体分離器/レシーバ87と、向流型熱交換器83の低圧側とが、絞り弁84と圧縮機81の流入口90の中間に、流通可能に連結されている。液体レシーバ87は蒸発器流出口86に連結され、またレシーバ87のガス相流出口は向流型熱交換器83に連結されている。向流型熱交換器83はこの装置の機能を達成するために必須であるというものではないが、その効率、特に能力増大要件に対する応答速度を改善する。これはまた、油を圧縮機に戻す作用も有する。そのため、レシーバ87からの液相ライン(図2に破線で示される)が、向流型熱交換器83の前で点88において、あるいはその後で点89において、あるいはこれらの点の間の任意の位置において、吸引ラインに連結される。液体流量、すなわち冷媒および油は、適切な通常の液体流量制限装置(図示されない)により制御される。ある程度過剰の液体冷媒を蒸気ラインに流入させることにより、蒸発器流出口における液体過剰状態が達成される。この装置の熱交換器85は冷却機能を発揮するので、例えば図3の冷却器8a,8b,16、図4の冷却器38,46、図5の冷却器68に配置する。具体的には図6に示す熱交換器85のコイル85b内の流体を冷却コイル85a内の流体で冷却する。熱交換器82は加熱機能を発揮するので、例えば図3の加熱器21、図4の加熱器51、図5の加熱器72に配置する。具体的には図6に示す熱交換器82のコイル82b内の流体を加熱コイル82a内の流体で加熱する。
図7は異なる運転条件における超臨界蒸気圧縮サイクル装置における圧力及びエンタルピの関係を示すグラフである。冷媒は圧縮機81において適切な超臨界圧力まで圧縮され、圧縮機流出口91は、図7において状態「a」として示される。冷媒は熱交換器82を通って循環され、そこで状態「b」まで冷却されて、必要であれば熱を適切な冷却材、たとえば冷却空気又は水に放出する。所望により、冷媒は、状態「d」まで絞り操作される前に、向流型熱交換器83において状態「c」まで、さらに冷却されても良い。絞り弁84での圧力低下により、図7に状態「d」として示されるように、ガス/液体の2相混合体が形成される。冷媒は熱交換器(蒸発器)85において、液相の蒸発により熱を吸収する。蒸発器流出口86における状態「e」から冷媒の蒸気は、向流型熱交換器83において、圧縮機流入口90に流入する前に、状態「f」まで加熱されても良く、圧縮機流入口90の流入によりサイクルが完成される。好ましい実施例においては図2に示されるように、蒸発器流出口86の状態「e」は、蒸発器流出口における液体過剰状態により、2相領域状態にある。超臨界サイクル装置の能力調整は、蒸発器流入口、すなわち図7の点「d」における冷媒の状態を変動させることにより達成される。冷媒の単位質量流量当たりの冷却能力、すなわち、所定の冷却能力は、状態「d」および状態「e」間のエンタルピ差に対応する。このエンタルピ差は、図7において、エンタルピ・圧力線図の水平長さとして示されている。絞り操作は定エンタルピ処理であり、従って点「d」におけるエンタルピは、点「c」におけるエンタルピに等しい。その結果、定冷媒質量流量における冷凍能力(kW)は、点「c」におけるエンタルピを変動させることにより制御され得る。超臨界サイクルにおいては、高圧単相冷媒蒸気は凝縮されないが、熱交換器82において温度が低下される。熱交換器(点「b」)における冷媒の最終温度は、向流が利用される場合、流入冷却空気又は水温より数度高い。そして、高圧蒸気は向流型熱交換器において、数度低い点「c」まで冷却されることができる。しかし、その結果、定冷却空気又は水流入温度において、点「c」における温度は、高サイドにおける圧力レベルとは無関係に、主として一定になる。したがって、装置能力の調整は、点「c」における温度をほぼ一定の状態として、高サイドにおける圧力を変動することにより達成される。臨界点付近での等温線のカーブは、図7に示されるように、圧力によるエンタルピの変動をもたらす。図7は基準サイクル(a−b−c−d−e−f)、高サイド圧力が低下されたことによる低能力のサイクル(a′−b′−c′−d′−e−f)、及び高サイドにおける高圧による高能力のサイクル(a″−b″−c″−d″−e−f)を示している。蒸発器圧力は一定であると仮定される。高圧サイドの圧力は、単相流体により充満されていることから、温度とは無関係である。圧力を変動させるには、高サイドにおける冷媒の質量を変動させること、すなわち、高サイドにおける瞬間的冷媒充填量の所定量を、付加又は除去することが必要である。これらの変動は液体のオーバーフロー又は蒸発器の乾燥化を避けるため、緩衝装置ないしバッファにより処理される。図6に示される好ましい実施例において、高サイドの冷媒質量は絞り弁84の開度を一時的に低減することにより、増大され得る。蒸発器に対する付随して低減される冷媒流量により、蒸発器流出口86における余剰液体量は低減される。しかし、レシーバ87から吸引ラインへの液体冷媒流量は一定である。その結果、レシーバに流入及びそこから流出する液体流量間のバランスはシフトされ、その結果、レシーバの液体残量は減少し、対応して流れ回路の高圧サイドに冷媒が蓄積される。高サイド充填量の増大は、圧力の増大、したがって、冷凍能力の増大を伴う。この回路の低圧サイドから高圧サイドへの質量移転は、冷凍能力と負荷と間のバランスが見出されるまで継続される。絞り弁84の開放により、冷媒の蒸発量はほぼ一定であることから、蒸発器流出口86における余剰液体量が増大される。このレシーバへ流入する液体流量と、レシーバから吸引ラインへの液体流量との差の流量が、蓄積される。その結果、冷媒充填量が流れ回路の高サイドから低サイドへ移送され、レシーバにおいて液体状態で貯蔵され、高サイド充填量は低減される。高サイド充填量、したがって圧力を低減することにより、装置の能力は、バランスが見出されるまで減少される。レシーバから圧縮機吸引ラインへのある程度の液体移送が、レシーバの液相における潤滑剤の蓄積を避けるために必要になる。
電気分解ガス(酸水素ガス)の燃焼の特徴を次の表2にまとめる。
表2から明らかなとおり、電気分解ガス(酸水素ガス)は以下の利点が挙げられる。
(1)電気分解ガス(酸水素ガス)は、通常の気体燃料、液体燃料より燃焼速度が速く燃焼気体体積当たりのエネルギー密度が高い。このことは、通常の気体燃料、液体燃料の燃焼を助長する機能が高いことを意味している。
(2)最小着火エネルギーが小さいため、燃料が着火に至るまでのエネルギーロスを最小限にできる。
(3)最小消炎距離が小さいことから、炎を集中してターゲットに当てることができ、金属の切断、溶接などの作業効率を高くできる。
(4)炭素を含まないため、CO2は発生しない。
(5)用途
以上の利点があることにより、本発明の水素酸素ガス発生燃焼装置は、溶接機、金属切断(溶断)・解体装置、燃焼炉、エンジン、火力発電所の燃焼装置、ごみ焼却設備の燃焼装置、ボイラー燃焼装置、タービンプラントなどに適用できる。また、溶接機、金属切断・解体装置などにおいては、オンデマンドシステム(必要な場合に電気分解からスタートして燃焼に使用する)としても好適である。
(1)電気分解ガス(酸水素ガス)は、通常の気体燃料、液体燃料より燃焼速度が速く燃焼気体体積当たりのエネルギー密度が高い。このことは、通常の気体燃料、液体燃料の燃焼を助長する機能が高いことを意味している。
(2)最小着火エネルギーが小さいため、燃料が着火に至るまでのエネルギーロスを最小限にできる。
(3)最小消炎距離が小さいことから、炎を集中してターゲットに当てることができ、金属の切断、溶接などの作業効率を高くできる。
(4)炭素を含まないため、CO2は発生しない。
(5)用途
以上の利点があることにより、本発明の水素酸素ガス発生燃焼装置は、溶接機、金属切断(溶断)・解体装置、燃焼炉、エンジン、火力発電所の燃焼装置、ごみ焼却設備の燃焼装置、ボイラー燃焼装置、タービンプラントなどに適用できる。また、溶接機、金属切断・解体装置などにおいては、オンデマンドシステム(必要な場合に電気分解からスタートして燃焼に使用する)としても好適である。
以下実施例を用いて、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図3に示す装置を用いて運転した。容積が25リットルの電解セル(電気分解槽)1の中に電解水を20リットル充填し、垂直方向に多数配列させた電極板に電源2から40アンペア、220ボルトの直流電流を流した。定常運転における電解セル(電気分解槽)1の温度は20℃であった。パイプ3aからH2O+O2を第1の気液分離槽4aに取り出し、パイプ3bからH2O+H2を第1の気液分離槽4bに取り出した。第1の気液分離槽4a,4bの容積はそれぞれ3リットルとし、液体水分5a,5bの容積は5リットルとし、温度は25℃であった。第1の気液分離槽4aで液体水分5aと気体の酸素ガス(O2)6aに分離し、気体の酸素ガス(O2)6aはパイプ7aから冷却器8aに供給した。冷却器8aで5℃に冷却した酸素ガス(O2)はパイプ9aから第2の気体分離層10aに供給し、再度液体水分11aと気体の酸素ガス(O2)12aに分離した。第1の気液分離槽4bで液体水分5bと気体の水素ガス(H2)6bに分離し、気体の水素ガス(H2)6bはパイプ7bから冷却器8bに供給した。冷却器8bで5℃に冷却した水素ガス(H2)はパイプ9bから第2の気体分離層10bに供給し、再度液体水分11bと気体の水素ガス(H2)12bに分離した。第2の気体分離層10a,10bの容積は3リットルとした。第2の気体分離層10a,10bから取り出した気体の酸素ガス(O2)12aと気体の水素ガス(H2)12bは供給パイプ20a,20bに取り出し、リボンヒーター加熱器21によって30℃に加熱し、相対湿度を約22%RHとした。次いで逆火防止弁22a,22bを通過させて両者を混合し、バーナー23で燃焼し、酸素水素ガス炎24とした。
図3に示す装置を用いて運転した。容積が25リットルの電解セル(電気分解槽)1の中に電解水を20リットル充填し、垂直方向に多数配列させた電極板に電源2から40アンペア、220ボルトの直流電流を流した。定常運転における電解セル(電気分解槽)1の温度は20℃であった。パイプ3aからH2O+O2を第1の気液分離槽4aに取り出し、パイプ3bからH2O+H2を第1の気液分離槽4bに取り出した。第1の気液分離槽4a,4bの容積はそれぞれ3リットルとし、液体水分5a,5bの容積は5リットルとし、温度は25℃であった。第1の気液分離槽4aで液体水分5aと気体の酸素ガス(O2)6aに分離し、気体の酸素ガス(O2)6aはパイプ7aから冷却器8aに供給した。冷却器8aで5℃に冷却した酸素ガス(O2)はパイプ9aから第2の気体分離層10aに供給し、再度液体水分11aと気体の酸素ガス(O2)12aに分離した。第1の気液分離槽4bで液体水分5bと気体の水素ガス(H2)6bに分離し、気体の水素ガス(H2)6bはパイプ7bから冷却器8bに供給した。冷却器8bで5℃に冷却した水素ガス(H2)はパイプ9bから第2の気体分離層10bに供給し、再度液体水分11bと気体の水素ガス(H2)12bに分離した。第2の気体分離層10a,10bの容積は3リットルとした。第2の気体分離層10a,10bから取り出した気体の酸素ガス(O2)12aと気体の水素ガス(H2)12bは供給パイプ20a,20bに取り出し、リボンヒーター加熱器21によって30℃に加熱し、相対湿度を約22%RHとした。次いで逆火防止弁22a,22bを通過させて両者を混合し、バーナー23で燃焼し、酸素水素ガス炎24とした。
第2の気体分離層10a,10bで分離した液体水分11a,11bはドレインパイプ13a,13bから取り出し、第1の気液分離槽4a,4bから取り出した液体水分5a,5bのドレインパイプ14で合体し、ドレインパイプ15から電解液冷却器16に送り込み、20℃に冷却し、パイプライン17から電解セル(電気分解槽)1に戻した。電気分解に必要な新たな水(電解水)は水供給タンク18から1.6リットル/Hrの供給量で供給ライン19を通じて第1の気液分離槽4aに供給した。各槽には安全弁を設けた。
この装置を用いて、雰囲気温度0〜5℃で24時間連続運転したが、逆火も爆発は1回も起こらなかった。
これに対して冷却装置8a,8b及び加熱装置21のない比較例の装置は、逆火による爆発は10回認められ、その都度逆火防止弁が作動した。また別の比較例として、冷却装置8a,8bを設け、加熱装置21を設けない装置は、逆火による爆発は2回認められ、その都度逆火防止弁が作動した。
(実施例2)
図4に示す装置を用いて運転した。容積が25リットルの電解セル(電気分解槽)31の中に電解を20リットル充填し、垂直方向に多数配列させた電極板に電源32から40アンペア、220ボルトの直流電流を流した。定常運転における電解セル(電気分解槽)31の温度は20℃であった。パイプ33からH2O+H2+O2を第1の気液分離槽34に取り出した。第1の気液分離槽34の容積は5リットルとし、液体水分35の容積は5リットルとし、温度は25℃であった。第1の気液分離槽34で液体水分35と気体の水素酸素混合ガス36に分離し、気体の水素酸素混合ガスはパイプ37から冷却器38に供給した。冷却器38で5℃に冷却した水素酸素混合ガスはパイプ39から第2の気体分離層40aに供給し、再度液体水分41と気体の水素酸素混合ガス42に分離した。第2の気体分離層40の容積は5リットルとした。第2の気体分離層40から取り出した気体の水素酸素混合ガス42は供給パイプ52に取り出し、リボンヒーター加熱器51によって30℃に加熱し、相対湿度を約22%RHとした。次いで逆火防止弁52を通過させて混合ガスをバーナー53で燃焼し、酸素水素ガス炎54とした。
図4に示す装置を用いて運転した。容積が25リットルの電解セル(電気分解槽)31の中に電解を20リットル充填し、垂直方向に多数配列させた電極板に電源32から40アンペア、220ボルトの直流電流を流した。定常運転における電解セル(電気分解槽)31の温度は20℃であった。パイプ33からH2O+H2+O2を第1の気液分離槽34に取り出した。第1の気液分離槽34の容積は5リットルとし、液体水分35の容積は5リットルとし、温度は25℃であった。第1の気液分離槽34で液体水分35と気体の水素酸素混合ガス36に分離し、気体の水素酸素混合ガスはパイプ37から冷却器38に供給した。冷却器38で5℃に冷却した水素酸素混合ガスはパイプ39から第2の気体分離層40aに供給し、再度液体水分41と気体の水素酸素混合ガス42に分離した。第2の気体分離層40の容積は5リットルとした。第2の気体分離層40から取り出した気体の水素酸素混合ガス42は供給パイプ52に取り出し、リボンヒーター加熱器51によって30℃に加熱し、相対湿度を約22%RHとした。次いで逆火防止弁52を通過させて混合ガスをバーナー53で燃焼し、酸素水素ガス炎54とした。
第2の気体分離層40で分離した液体水分41はドレインパイプ43から取り出し、第1の気液分離槽34から取り出した液体水分35のドレインパイプ44で合体し、ドレインパイプ45から電解液冷却器46に送り込み、20℃に冷却し、パイプライン47から電解セル(電気分解槽)31に戻した。電気分解に必要な新たな水(電解水)は水供給タンク48から1.6リットル/Hrの供給量で供給ライン49を通じて第1の気液分離槽34に供給した。各槽には安全弁を設けた。
この装置を用いて、雰囲気温度0〜5℃で24時間連続運転したが、逆火も爆発は1回も起こらなかった。
これに対して冷却装置38及び加熱装置51のない比較例の装置は、逆火による爆発は12回認められ、その都度逆火防止弁が作動した。また別の比較例として、冷却装置38を設け、加熱装置51を設けない装置は、逆火による爆発は5回認められ、その都度逆火防止弁が作動した。
(実施例3)
図5に示す装置を用いて運転した。容積が25リットルの電解セル(電気分解槽)61の中に電解水を20リットル充填し、垂直方向に多数配列させた電極板に電源62から40アンペア、220ボルトの直流電流を流した。定常運転における電解セル(電気分解槽)61の温度は20℃であった。パイプ63からH2O+H2+O2を第1の気液分離槽64に取り出した。第1の気液分離槽64の容積は10リットルとし、液体水分65の容積は15リットルとした。第1の気液分離槽64には冷媒を循環させる冷却パイプ67を設けて液体水分65を20℃に冷却した。冷却器68からポンプで冷媒をパイプ69から第1の気液分離槽64内の冷却パイプ67に供給し、パイプ70から回収した。第1の気液分離槽64で液体水分65と気体の水素ガス(H2)+酸素ガス(O2)の混合ガス66に分離した。水素酸素混合ガス(H2+O2)66は混合ガス供給パイプ71に取り出し、リボンヒーター加熱器72によって30℃に加熱し、相対湿度を約22%RHとした。次いで逆火防止弁74を通過させて混合ガスをバーナー75で燃焼し、酸素水素ガス炎76とした。加熱器72と逆火防止弁74との間のパイプ73は、外気によって冷やされないように保温した。電気分解に必要な新たな電解水78は水供給タンク77から1.6リットル/Hrの供給量で供給ライン79を通じて第1の気液分離槽64に供給し、第1の気液分離槽64の液体水分65とともにパイプライン80から電解セル(電気分解槽)61に供給した。第1の気液分離槽64には安全弁を設けた。
図5に示す装置を用いて運転した。容積が25リットルの電解セル(電気分解槽)61の中に電解水を20リットル充填し、垂直方向に多数配列させた電極板に電源62から40アンペア、220ボルトの直流電流を流した。定常運転における電解セル(電気分解槽)61の温度は20℃であった。パイプ63からH2O+H2+O2を第1の気液分離槽64に取り出した。第1の気液分離槽64の容積は10リットルとし、液体水分65の容積は15リットルとした。第1の気液分離槽64には冷媒を循環させる冷却パイプ67を設けて液体水分65を20℃に冷却した。冷却器68からポンプで冷媒をパイプ69から第1の気液分離槽64内の冷却パイプ67に供給し、パイプ70から回収した。第1の気液分離槽64で液体水分65と気体の水素ガス(H2)+酸素ガス(O2)の混合ガス66に分離した。水素酸素混合ガス(H2+O2)66は混合ガス供給パイプ71に取り出し、リボンヒーター加熱器72によって30℃に加熱し、相対湿度を約22%RHとした。次いで逆火防止弁74を通過させて混合ガスをバーナー75で燃焼し、酸素水素ガス炎76とした。加熱器72と逆火防止弁74との間のパイプ73は、外気によって冷やされないように保温した。電気分解に必要な新たな電解水78は水供給タンク77から1.6リットル/Hrの供給量で供給ライン79を通じて第1の気液分離槽64に供給し、第1の気液分離槽64の液体水分65とともにパイプライン80から電解セル(電気分解槽)61に供給した。第1の気液分離槽64には安全弁を設けた。
この装置を用いて、雰囲気温度0〜5℃で24時間連続運転したが、逆火も爆発は1回も起こらなかった。
これに対して冷却装置67,68及び加熱装置72のない比較例の装置は、逆火による爆発は10回認められ、その都度逆火防止弁が作動した。また別の比較例として、冷却装置67,68を設け、加熱装置72を設けない装置は、逆火による爆発は6回認められ、その都度逆火防止弁が作動した。
以上の実施例から、本発明の水素酸素ガス発生燃焼装置は、逆火も爆発も起こりにくいことが確認できた。
本発明の水素酸素ガス発生燃焼装置は、溶接機、金属切断・解体装置、燃焼炉、エンジン、火力発電所の燃焼装置、ごみ焼却装置の燃焼装置、タービンプラントなどに適用できる。また、溶接機、金属切断・解体装置、ボイラー燃焼装置などにおいては、オンデマンドシステム(必要な場合に電気分解からスタートして燃焼に使用する)としても好適である。
1,31,61 電解セル(電気分解槽)
2,32,62 電源
4a,4b,34,64 第1の気液分離槽
5a,5b,11a,11b,35,41,65 液体水分
6a,6b,12a,12b,36,42,66 電気分解ガス
8a,8b,16,38,46,68 冷却器
10a,10b,40 第2の気液分離槽
21,51,72 加熱器
22a,22b,52,74 逆火防止弁
23,53,75 バーナー
24,54,76 炎
2,32,62 電源
4a,4b,34,64 第1の気液分離槽
5a,5b,11a,11b,35,41,65 液体水分
6a,6b,12a,12b,36,42,66 電気分解ガス
8a,8b,16,38,46,68 冷却器
10a,10b,40 第2の気液分離槽
21,51,72 加熱器
22a,22b,52,74 逆火防止弁
23,53,75 バーナー
24,54,76 炎
Claims (12)
- 水を電気分解する電気分解槽と、
前記電気分解により発生するガスと前記ガスに混合される液体水分とを分離する第1の気液分離槽と、
前記ガスを燃焼させるバーナーを含む水素酸素ガス発生燃焼装置であって、
前記第1の気液分離槽内及び/又は前記第1の気液分離槽と前記バーナーとの間にガスを冷却する冷却器を備え、
前記冷却器より下流側かつ前記バーナーまでの間にガスを暖める加熱器を備えたことを特徴とする水素酸素ガス発生燃焼装置。 - 前記加熱器で暖めるガス温度(T2)は、前記冷却器で冷却するガス温度(T1)を超える温度である請求項1に記載の水素酸素ガス発生燃焼装置。
- 前記加熱器で暖めるガス温度(T2)は、15℃以上200℃以下の範囲である請求項1又は2に記載の水素酸素ガス発生燃焼装置。
- 前記加熱装置で暖めるガス温度(T2)は、前記バーナーが配置されている雰囲気温度(T3)より高い請求項1〜3のいずれか1項に記載の水素酸素ガス発生燃焼装置。
- 前記加熱装置で暖めるガス温度(T2)は、前記バーナーが配置されている雰囲気温度(T3)より5℃以上高い請求項4に記載の水素酸素ガス発生燃焼装置。
- 前記加熱装置は、ガス供給パイプの外側に配置したヒーターで構成する請求項1〜5のいずれか1項に記載の水素酸素ガス発生燃焼装置。
- 前記冷却器は、ガスを0℃を越え〜10℃以下の範囲に冷却する請求項1〜6のいずれか1項に記載の水素酸素ガス発生燃焼装置。
- 前記電気分解槽から発生するガスは、酸素ガスと水素ガスを混合したままとするか、又は酸素ガスと水素ガスに分離して第1の気液分離槽に捕集する請求項1〜7のいずれか1項に記載の水素酸素ガス発生燃焼装置。
- 前記冷却器と前記加熱器との間に、さらに第2の気液分離槽を備えた請求項1〜8のいずれか1項に記載の水素酸素ガス発生燃焼装置。
- 前記加熱装置とバーナーとの間に逆火防止弁をさらに備えた請求項1〜9のいずれか1項に記載の水素酸素ガス発生燃焼装置。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の水素酸素ガス発生燃焼装置の使用方法であって、
加熱器で暖めるガス温度(T2)を、冷却器で冷却するガス温度(T1)及びバーナーが配置されている雰囲気温度(T3)より高い温度に維持して運転することを特徴とする水素酸素ガス発生燃焼装置の使用方法。 - 加熱器で暖めるガス温度(T2)が15℃以上200℃以下の範囲、かつ相対湿度が1〜90%RHの範囲である請求項11に記載の水素酸素ガス発生燃焼装置の使用方法。
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JP2010129941A Withdrawn JP2011256413A (ja) | 2010-06-07 | 2010-06-07 | 水素酸素ガス発生燃焼装置及びその使用方法 |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014223590A (ja) * | 2013-05-16 | 2014-12-04 | エア・ウォーター株式会社 | ガスの減湿装置および方法 |
JP2016089205A (ja) * | 2014-10-31 | 2016-05-23 | 株式会社東芝 | 水素製造装置及び水素製造方法 |
JP2016098387A (ja) * | 2014-11-19 | 2016-05-30 | 株式会社東芝 | 水素製造装置、水素製造方法及び電力貯蔵システム |
WO2016186572A1 (en) * | 2015-05-19 | 2016-11-24 | Lien Chiow Tan | Ambient heat engine |
KR101750308B1 (ko) | 2016-12-28 | 2017-06-26 | 주식회사 에스엠이노베이션 | 대용량 수소 산소 혼합가스 발생 시스템 |
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2010
- 2010-06-07 JP JP2010129941A patent/JP2011256413A/ja not_active Withdrawn
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