JP6057775B2 - ガスタービンプラント及びその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガスタービンプラントに係り、特に、水分や分子量の大きい炭化水素分を含んだ燃料ガスを燃料として発電を行なうガスタービン発電プラントに関する。
近年、ガスタービン発電プラントにおいては天然ガスや軽油などの化石燃料に加えて、多様な燃料を使用するニーズが増えている。その中で、地球温暖化抑制、二酸化炭素排出量低減の観点から、植物を原料としたバイオマス燃料を利用する動きが活発化している。バイオマス燃料のひとつとして、 除間伐材や林地残材などの木質バイオマスを熱分解して生成するバイオマスガス化ガスがある。バイオマスガス化ガスは、成分中に可燃成分である水素、メタン、一酸化炭素に加え、不活性成分である水蒸気や二酸化炭素、窒素分を含む燃料である。
一方、ガスタービン発電プラントやコンバインドサイクル発電プラントにおいては、熱効率の向上は重要な課題である。熱効率を向上する手段として、燃料ガスをガスタービン燃焼器に供給する前に加熱するための燃料加熱装置を備えたガスタービンプラントが提案されている。燃料を加熱すると燃料の保有する熱量が増加し、少量の燃料でより多くの仕事を発生することが可能となる。特許文献1においては、燃料を加熱するための熱交換媒体として排熱回収ボイラの給水や蒸気、電気ヒータなどが例示されている。
特許第4458648号公報
本発明の目的は、例えばバイオマスガス化ガスのような水分や分子量の大きい炭化水素分を含む燃料をガスタービンの発電プラントに用いる場合において、プラント熱効率の低下を抑制しながら、燃料ガスを加温することで燃料配管に水や分子量の大きい炭化水素分の凝縮を抑制し、かつ窒素酸化物の排出量を低減可能なガスタービン発電プラントを提供することにある。
本発明は、空気を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機で圧縮された空気と燃料とを燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼器と、前記燃焼器で生成された燃焼ガスによって駆動されるタービンと、前記燃料として水分や分子量の大きい炭化水素分を含んだ燃料ガスを前記燃焼器に供給する燃料ガス系統とを備えたガスタービンプラントにおいて、熱交換用空気と前記燃料ガスとを熱交換して前記燃料ガスを加温する熱交換器と、前記圧縮機の吐出空気の一部を前記熱交換用空気として前記熱交換器に供給する熱交換用空気系統と、前記熱交換器を通過した低温空気を前記燃焼器に供給するための低温空気系統とを備え、前記燃料ガス系統が、前記燃料ガスを前記熱交換器に被加熱媒体として供給すると共に前記熱交換器を通過して加温された前記燃料ガスを前記燃焼器に供給する系統であって、前記燃料ガス系統と前記低温空気系統とが互いに独立して存在することを特徴とする。
本発明によれば、例えばバイオマスガス化ガスのような水分や分子量の大きい炭化水素分を含む燃料をガスタービンの発電プラントに用いる場合において、プラント熱効率の低下を抑制しながら、燃料ガスを加温することで燃料配管に水や分子量の大きい炭化水素分の凝縮を抑制し、かつ窒素酸化物の排出量を低減可能なガスタービン発電プラントを提供することができる。
本発明の第1実施例におけるガスタービンガスタービン発電システムの系統図 本発明の第1実施例におけるガスタービン燃焼器の断面図 本発明の第1実施例におけるガスタービン燃焼器の拡大断面図 本発明の第1実施例におけるガスタービン負荷と燃料流量、空気流量比率の関係を示す図 従来のガスタービン発電プラントにおける燃料切替時のバイオマスガス化ガスおよびバイオマスガス化ガス系統の温度の時間変化を示す図 本発明の第1実施例におけるガスタービン発電プラントにおける燃料切替時のバイオマスガス化ガスおよびバイオマスガス化ガス系統の温度の時間変化を示す図 本発明の第1実施例における熱交換用空気比率とバイオマスガス化ガス温度、低温空気温度およびバーナ近傍の酸素濃度の関係を示す図 本発明の第2実施例におけるガスタービンガスタービン発電システムの系統図 本発明の第2実施例におけるガスタービン負荷と燃料流量、空気流量比率の関係を示す図 本発明の第2実施例における天然ガス温度と燃料圧力比の関係を示す図
バイオマスガス化ガスは成分中に不活性成分である水蒸気や二酸化炭素、窒素分を含む燃料である。このため、ガスタービン燃焼器に供給する前にバイオマスガス化ガスの燃料温度が低下した場合、燃料配管中に水分が凝縮する可能性がある。凝縮した水が配管中に溜まり、燃焼器に多量に供給された場合、燃焼温度の低下や燃焼不安定、火炎喪失を引き起こす可能性がある。
また、バイオマスガス化ガスの可燃成分中に含まれる炭化水素のうち、分子量の大きい成分は燃料ガス温度が低下した場合に凝縮し、燃料配管中に固着する可能性がある。このため、バイオマスガス化ガスの燃料温度が低下した場合、分子量の大きい炭化水素分が燃料配管に固着し燃焼器に供給される燃料が不均一となることで燃焼器出口の燃焼ガス温度分布に偏差が生じ、また局所的な温度低下による火炎喪失を引き起こす可能性がある。
これらの課題を解決するため、バイオマスガス化ガスの燃料ガス温度を高く保つ必要がある。この時、特許文献1に記載の燃料加熱装置を用いた場合、熱交換媒体として排熱回収ボイラの給水や蒸気を利用した場合においては、ガスタービンの低負荷条件などにおいては熱交換量が不足してバイオマスガス化ガスの燃料温度を十分に高く保つことができない可能性がある。
また、熱交換媒体として電気ヒータなどを用いた場合においては、燃料ガスを加熱するための追加の動力が必要となるためプラントの熱効率が低下するという課題がある。特に、バイオマスガス化ガスは天然ガスなどと比べて燃料発熱量が低い低カロリーガスであり、天然ガスなどの高カロリーガスと比較して燃料流量が増加するため、これらの問題は顕著である。
また、バイオマスガス化ガスのような低カロリーガスは、天然ガスなどの高カロリー燃料に比べて火炎温度が低く燃焼速度が遅いため、燃えにくい燃料である。このような難燃性ガスを安定に燃焼するため、燃焼器においては燃料と空気を別々の流路から供給する拡散燃焼方式を採用するのが一般的である。拡散燃焼方式は、燃料と空気を予め混合してから供給する予混合燃焼方式と比べて局所的な燃焼温度が高くなる。さらに、バイオマスガス化ガスを加熱した場合、燃料ガスのエンタルピー増加分だけ燃焼器の局所的な最高温度が増大する。窒素酸化物(NOx)の排出量は燃焼温度が高くなるほど指数関数的に増加するため、バイオマスガス化ガスを加温するほど窒素酸化物(NOx)の排出量が増大するという課題がある。
そこで、以下に説明する本発明の実施例は、水分や分子量の大きい炭化水素分を含んだ燃料ガスを燃料とするガスタービン発電プラントにおいて、圧縮機吐出空気の一部を熱交換用空気として供給する熱交換用空気系統と、前記熱交換用空気と燃料ガスを熱交換し燃料ガスを加温するための熱交換器と、熱交換器を通過した低温空気を燃焼器に供給するための低温空気系統を備えたことを基本構成としている。
このような構成を備えることにより、燃料を加温するための動力が不要となりプラント熱効率の低下を抑制できる。また、燃料ガスを加温することで配管中に水や分子量の大きい炭化水素分が凝縮することを抑制でき、ガスタービン発電プラントの信頼性を向上することができる。また、熱交換により温度が低下した低温空気を燃焼器に供給することで燃焼器内部に形成される局所的な高温領域の温度を低減し、NOx排出量を低減することができる。
以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。
図1に、本発明の第1実施例におけるガスタービン発電システムを示す。ガスタービンは、圧縮機1、燃焼器2、タービン3、発電機4等で構成される。
ガスタービンは、圧縮機1が大気より吸込んだ圧縮空気101を圧縮し、燃焼空気102として燃焼器2へと供給する。燃焼器2では、圧縮機1による燃焼空気102と天然ガス201(着火から定格負荷運転時に供給)またはバイオマスガス化ガス202(部分負荷から定格負荷運転時で供給)を混合し、燃焼ガスを発生させてタービン3に供給する。タービン3は燃焼ガスの供給により回転動力が与えられ、タービン3の回転動力が圧縮機1及び発電機4に伝達される。圧縮機1に伝えられた回転動力は圧縮動力に用いられ、発電機4伝えられた回転動力は電気エネルギーに変換される。
天然ガス燃料系統301は遮断弁51、流量調節弁52を備え、着火から部分負荷条件において天然ガス201を燃焼器2に供給する。バイオマスガス化ガス系統302は、遮断弁51、流量調節弁52、熱交換器5を備え、部分負荷条件から定格負荷条件においてバイオマスガス化ガス202を燃焼器2に供給する。熱交換空気系統303は遮断弁51、流量調節弁52を備え、圧縮空気101の一部を熱交換用空気103として熱交換器5に供給する。熱交換用空気103は圧縮機1での圧縮過程により高温となっており、熱交換器5においてバイオマスガス化ガス202を加熱する。バイオマスガス化ガス202との熱交換によって低温となった熱交換用空気103は、低温空気104として低温空気系統304を通じて燃焼器2に供給する。
図2に本実施例における燃焼器2の断面図を示す。燃焼器2は、圧力容器である外筒10と、内部に燃焼室12を形成する円筒状のライナ13と、外筒10とライナ13の間にあって燃焼室を冷却するためのフロースリーブ11と、外筒10と低温空気系統304を接続して低温空気104を供給するための空気配管14を備える。フロースリーブ11およびライナ13には、空気配管14の同軸上に空気孔15、16を設け、低温空気104が燃焼室12に流入するように構成している。
また、燃焼室12の上流には、燃焼室12に燃料と空気を噴出し火炎を形成するためのバーナ401を配置している。燃焼器2に供給された燃焼空気102は、フロースリーブ11とライナ13との空間内を流れ、ライナ13を冷却しながらライナ13の側壁に設けた冷却孔およびバーナ401に設けた空気噴孔402から燃焼室12内に供給される。
図3にバーナ401の拡大断面図および正面図を示す。バーナ401は、内周スワラ403、外周スワラ404、パイロットバーナ405を備えた2重旋回構造としている。パイロットバーナ405はパイロットガス噴孔406を備え、着火から定格負荷運転時において天然ガス201を供給する。内周スワラ403には内周スワラガス噴孔407と空気噴孔402を交互に配置し、その外側に設けた外周スワラ404には、外周スワラガス噴孔408を配置し、部分負荷から定格負荷運転時においてバイオマスガス化ガス202を供給する。内周スワラガス噴孔407および外周スワラガス噴孔408は旋回角を設けることで循環ガス領域をバーナの半径方向中心部近傍に形成し、燃焼安定性を強化するように構成している。
また、内周スワラ403において、内周スワラガス噴孔407と空気噴孔402を交互に配置することで、燃料と空気を別々の流路より供給する拡散燃焼により、安定燃焼することができる。一方、外周スワラガス噴孔408から供給されるバイオマスガス化ガス202は空気噴孔402から供給される燃焼空気102やライナ13に供給される燃焼空気と混合し、内周スワラ403の下流に形成される内周火炎501を基点として、外周スワラ404下流に外周火炎502が形成される。外周火炎502の形成によって、内周火炎501周囲の温度が高くなるため、保炎を強化できる。
以上述べてきた燃焼器2の運転方法について、図1、2、3および図4に示すガスタービン負荷と燃料流量、空気流量比率の関係をもとに説明する。まず、図1、2に示すように、ガスタービンの起動時には起動用モータなどの外部動力によってガスタービンを駆動し、燃焼器2の着火に必要な燃焼空気102および天然ガス101をパイロットバーナ405に供給し、点火栓により着火して燃焼器2内に火炎を形成する。燃焼器2の着火後、燃焼ガス105がタービン3に供給され、天然ガス101の流量増加とともにタービン3が昇速し、起動用モータの離脱によりガスタービンが自立運転に入り、無負荷定格回転数に到達する。
ガスタービンが無負荷定格回転数に到達後は、発電機4の併入、さらには天然ガス201の流量増加によりタービン3の入口ガス温度が上昇し、負荷が上昇する。負荷が上昇し、燃焼器出口の燃焼ガス温度が上昇し燃焼安定性が高くなることで、バイオマスガス化ガス202への燃料切替が可能となる。燃料切替が可能となったら、熱交換空気系統303の遮断弁51および流量調節弁52を開き、熱交換空気系統303および熱交換器5に熱交換用空気103を供給する。
熱交換用空気103は圧縮機1の圧縮工程により高温であるため熱交換用空気103の流通により熱交換器5の温度が上昇する。熱交換器5の温度が所定の温度まで上昇したことを確認後、図4に示すように天然ガス201の流量を低減しながらバイオマスガス化ガス202の流量を増加し、燃料切替を実施する。図3に示すようにバイオマスガス化ガス202の専焼条件であっても内周スワラ403に形成される内周火炎501と外周スワラ404に形成される外周火炎502の相互作用によって、火炎を安定に保持できる。燃料切替後は熱交換器5において熱交換用空気103とバイオマスガス化ガス202の熱交換をし、バイオマスガス化ガス202の温度が低下することを抑制する。
図5に、従来のガスタービン発電プラントにおける燃料切替時のバイオマスガス化ガス202およびバイオマスガス化ガス系統302の温度の時間変化の一例を示す。バイオマスガス化ガスが流れ始める前においては、バイオマスガス化ガス系統302の温度は大気温度であり、バイオマスガス化ガス202の温度と同等以下となっている。このため、従来のガスタービン発電プラントにおいては、燃料切替時においてバイオマスガス化ガス202がバイオマスガス化ガス系統302に流れ始めると、低温のバイオマスガス化ガス系統302に熱を奪われて過渡的に温度が低下し、バイオマスガス化ガス202中の水分が凝縮する露点以下となる可能性があった。
特に、発熱量が低く燃料流量の多いバイオマスガス化ガス202のような燃料は、それを流通するためのバイオマスガス化ガス系統302の配管径も大型化する。配管系の大型化にともない配管の熱容量も増大するため、天然ガス201と比べてバイオマスガス化ガス202の過渡的な温度低下は顕著である。
これに対して、図6に本実施例のガスタービン発電プラントにおける燃料切替時のバイオマスガス化ガス202およびバイオマスガス化ガス系統302の温度の時間変化の一例を示す。本実施例においては、熱交換器5においてバイオマスガス化ガス202の温度を加温しているため、燃料切替時に一時的な温度降下が生じてもバイオマスガス化ガス202の温度を露点以上に保ち、水や分子量の大きい炭化水素分の凝縮を防ぐことができる。
図7に圧縮空気101に対する熱交換用空気103の比率とバイオマスガス化ガス202の温度、低温空気104の温度およびバーナ401近傍の酸素濃度の関係を示す。熱交換用空気103の比率を高くすることで、バイオマスガス化ガス202と熱交換用空気103との熱交換が促進されるため、バイオマスガス化ガス202の温度が高くなり、熱交換器5出口における低温空気104の温度は低下する。このため、バイオマスガス化ガス系統302に水や分子量の大きい炭化水素分の凝縮を防止するためには、熱交換用空気103の比率をφ1以上とする必要がある。
一方、熱交換用空気103の比率が高くなると、空気配管14から燃焼器2に供給される空気の割合が増加する。このため、バーナ401に設けた空気噴孔402から供給される空気の割合が低下し、バーナ401近傍の酸素濃度が低下する。酸素濃度が低下し、バイオマスガス化ガス202を燃焼するために必要な酸素が不足すると、火炎温度が低下して火炎の安定性が低下し、バーナ401近傍で内周火炎501、外周火炎502を保持できなくなって火炎を喪失する可能性がある。このため、熱交換用空気103の比率をφ2以下とする必要がある。
すなわち、熱交換用空気比率をφとした時、式1の条件を満たすことにより、水や分子量の大きい炭化水素分の凝縮を防止すると共に、火炎の安定性を確保する事ができる。
(式1)・・・φ1≦φ≦φ2
熱交換用空気103は熱交換器5やバイオマスガス化ガス202の加温により温度が低下し、低温空気104として燃焼器2に供給される。燃焼器2に供給された低温空気104はフロースリーブ11およびライナ13に設けた空気孔15、16を通じて燃焼室2に流入する。このとき、空気配管14および空気孔15、16を適切な位置および大きさとし、低温空気104が内周火炎501まで到達するようにすることが望ましい。内周火炎501は、内周スワラ403において内周スワラ403のガス噴孔407と空気噴孔402を交互に配置して燃料と空気が拡散燃焼するように構成しており、火炎温度が高く燃焼安定性が高い。
一方、窒素酸化物 (NOx)の排出量は火炎温度が高くなるほど指数関数的に増加するため、NOx排出量低減のためには内周火炎501の温度を低減することが有効である。燃焼空気102よりも温度の低い低温空気104を内周火炎501積極的に供給することで内周火炎501の火炎温度を低減しNOx排出量を低減できる。
本実施例において、熱交換器5は圧縮機1および燃焼器2の近傍に配置することが望ましい。これにより熱交換用空気103が圧縮機1、熱交換器5、燃焼器2と流れる過程における圧力損失の増加を抑えることができる。また、熱交換器5において加熱したバイオマスガス化ガス202の温度が燃焼器2に到達するまでに周囲との熱交換により温度が低減することを抑制することができる。
本実施例の特徴は、圧縮機吐出空気の一部を熱交換用空気として供給する熱交換用空気系統と、熱交換用空気と燃料ガスを熱交換し燃料ガスを加温するための熱交換器と、熱交換器を通過した低温空気を燃焼器に供給するための低温空気系統を備えたことを特徴とする。加熱するための熱媒体として圧縮機吐出空気を利用するため、燃料を加温するための動力が不要となりプラント熱効率の低下を抑制できる。
また、バイオマスガス化ガスのように組成中に水分や分子量の大きい炭化水素分を含んだ燃料ガスを加温することで、配管中に水や分子量の大きい炭化水素分が凝縮することを抑制でき、ガスタービン発電プラントの信頼性を向上することができる。また、熱交換により温度が低下した低温空気を燃焼器に供給することで燃焼器内部に形成される局所的な高温領域の温度を低減し、NOx排出量を低減することができる。
なお、本実施例では燃料ガスとしてバイオマスガス化ガスを例に説明したが、バイオマスガス化ガス以外に高炉ガスなどの低カロリー燃料や燃料組成中に水分を含んだ燃料ガスを用いた場合も同様の効果が得られる。
図8に本発明の第2実施例におけるガスタービン発電システムの系統図を示す。本実施例では第1実施例の構成に加え、天然ガス燃料系統301から分岐して熱交換器5により補助燃料である天然ガス201を加熱する第2の天然ガス燃料系統305を設置したことを特徴とする。本実施例は第1の実施例よりも水分や不活性成分の比率が高く発熱量の低い燃料ガスを燃料とするガスタービン発電プラントに適する。
図9に本発明の第2実施例におけるガスタービン負荷と燃料流量、空気流量比率の関係を示す。バイオマスガス化ガス202の組成中の水分や不活性成分の比率が高く発熱量が低い場合、燃料の燃焼速度が低下しより燃えにくい難燃性の燃料となる。このため、燃料をバイオマスガス化ガス202専焼に切り替えた場合、燃焼安定性が低下して燃焼器2において火炎が不安定となる可能性がある。そこで、本実施例においては、バイオマスガス化ガス202の組成に応じて、燃料切替後にも天然ガス201をパイロットバーナ405に供給する。発熱量が高く天然ガス201をパイロットバーナ405から補助的に供給することで、内周火炎501の火炎温度を高くし、燃焼安定性を向上できる。
このとき、バイオマスガス化ガス202を主燃料とするガスタービン発電プラントにおいて、補助燃料として供給する天然ガス201の流量を低減することが求められる。しかし、天然ガス201の流量を低減した場合、パイロットバーナ405において天然ガス201の供給圧力と燃焼器2内部の圧力との間に十分な差圧を確保できなくなる。この場合、天然ガス201の流量に偏差が生じたり、燃焼振動や燃焼不安定を引き起こしたりする可能性がある。
この課題を解決するため、本実施例においては第2の天然ガス燃料系統305を設置し、熱交換器5により天然ガス201を加熱することを特徴とする。図10に天然ガス温度と燃料供給圧力比の関係を示す。燃料圧力比は天然ガス温度の増加にともない上昇する。このため、第2の天然ガス燃料系統305から供給した天然ガスは熱交換器5において熱交換用空気103により加熱され、パイロットバーナ405における圧力比を燃焼振動や燃焼不安定を引き起こす圧力比の下限値よりも高く保つことができる。
なお、本実施例ではバイオマスガス化ガス202を加温する熱交換器と天然ガス201を加温する熱交換器を一つの熱交換器5として集約させた構成としているが、バイオマスガス化ガス202を加温する熱交換器と天然ガス201を加温する熱交換器とを別の熱交換器としてそれぞれ設けても良い。
1…圧縮機、2…燃焼器、3…タービン、4…発電機、5…熱交換器、10…外筒、11…フロースリーブ、12…燃焼室、13…ライナ、14…空気配管、15…空気孔(フロースリーブ)、16…空気孔(ライナ)、51…遮断弁、52…流量調節弁、101…圧縮空気、102…燃焼空気、103…熱交換用空気、104…低温空気、105…燃焼ガス、201…天然ガス、202…バイオマスガス化ガス、301…天然ガス燃料系統、302…バイオマスガス化ガス系統、303…熱交換空気系統、304…低温空気系統、305…第2の天然ガス燃料系統、401…バーナ、402…空気噴孔、403…内周スワラ、404…外周スワラ、405…パイロットバーナ、406…パイロットガス噴孔、407…内周スワラガス噴孔、408…外周スワラガス噴孔、501…内周火炎、502…外周火炎

Claims (5)

  1. 空気を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機で圧縮された空気と燃料とを燃焼させて燃焼ガスを生成する燃焼器と、前記燃焼器で生成された燃焼ガスによって駆動されるタービンと、前記燃料として水分や分子量の大きい炭化水素分を含んだ燃料ガスを前記燃焼器に供給する燃料ガス系統とを備えたガスタービンプラントにおいて、
    熱交換用空気と前記燃料ガスとを熱交換して前記燃料ガスを加温する熱交換器と、前記圧縮機の吐出空気の一部を前記熱交換用空気として前記熱交換器に供給する熱交換用空気系統と、前記熱交換器を通過した低温空気を前記燃焼器に供給するための低温空気系統とを備え
    前記燃料ガス系統が、前記燃料ガスを前記熱交換器に被加熱媒体として供給すると共に前記熱交換器を通過して加温された前記燃料ガスを前記燃焼器に供給する系統であって、
    前記燃料ガス系統と前記低温空気系統とが互いに独立して存在することを特徴とするガスタービンプラント。
  2. 請求項1に記載のガスタービンプラントにおいて、
    前記燃料ガス以外の燃料を補助燃料として前記燃焼器に供給する補助燃料系統と、前記補助燃料系統から分岐した第二の補助燃料系統と、前記第二の補助燃料系統を流下する前記補助燃料と前記熱交換用空気とを熱交換して前記補助燃料を加温する第二の熱交換器とを備えたことを特徴とするガスタービンプラント。
  3. 請求項2に記載のガスタービンプラントにおいて、
    記熱交換器または前記第二の熱交換器のうち、少なくともいずれか一方に流入する前記熱交換用空気の流量を制御する手段を備えたことを特徴とするガスタービンプラント。
  4. 請求項1乃至3の何れか一項に記載のガスタービンプラントの制御方法において、
    前記熱交換用空気と前記燃料ガスを熱交換させて前記燃料ガスを加温して前記燃焼器に供給するとともに、前記熱交換器を通過した低温空気を前記燃焼器に供給することを特徴とするガスタービンプラントの制御方法。
  5. 請求項2に記載のガスタービンプラントの制御方法において、
    前記補助燃料の燃料流量が少ない条件で前記熱交換用空気と前記補助燃料とを熱交換させて前記補助燃料を加温して前記燃焼器に供給することを特徴とするガスタービンプラントの制御方法。
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