JP2011254810A - クローン病の活動性の分類 - Google Patents

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Abstract

【課題】高度な医学的知識を有することなく、かつ、速やかにクローン病の活動性を分類するための方法及びキットを提供すること。
【解決手段】本発明のクローン病の活動性を分類する方法は、被検者の腸内細菌叢を分析することにより、被検者のクローン病の活動性を分類する方法であり、前記被検者から採取された試料中の前記腸内細菌叢を分析する分析工程と前記腸内細菌叢に含まれる細菌やその割合に基づいて、前記被検者のクローン病の活動性を分類する工程とを有することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、クローン病の活動性の分類に関するものである。
クローン病は、病因が未だ明確になっていない慢性腸疾患であり、難治性特定疾患に指定されている。クローン病は、炎症症状の急性増悪・再燃(炎症の悪化)と寛解(炎症の緩和〉を繰り返し、長い経過のなかで徐々に病気が進行していく疾患であり、現在のところ病気を完治させる治療法は見つかっていない。
治療方針としては、速やかにクローン病か否かの鑑別診断を行い、診断後には早期に炎症症状(活動期、急性増悪期、開始期)を緩和(寛解導入)し、再燃を予防(寛解維持)することで、QOLを高めることに主眼がおかれる。
クローン病の鑑別診断は、臨床所見を把握して、消化管X線造影検査、内視鏡検査、生検を行うことにより、縦走潰瘍、敷石像および非乾酪性類上皮細胞肉芽腫のような主要所見、および、縦列する不整形潰瘍またはアフタ、上部消化管と下部消化管の両者に認められる不整形潰瘍またはアフタのような副所見の有無を確認し、これら所見に基づいて、鑑別が行われてきた(例えば、非特許文献1参照)。しかしながら、特異的な所見は無く、確定診断は消去法で行われており、特に潰瘍性大腸炎、ベーチェット病や腸結核との鑑別が重要とされる。
クローン病と診断された場合、活動期(開始期)には寛解導入を目的とした治療が行われ、いったん寛解導入されたら長期に寛解を維持することを目的とした治療が行われる。つまり、クローン病が活動期、寛解期(寛解導入期または寛解維持期)のいずれであるかを分類し、その活動性に応じて治療方法を選択するため、治療を行う上でクローン病の活動性の把握が不可欠となっている。現在、クローン病の活動性の分類は、主にCDAI(Crohn’s Disease Activity Index)という過去1週間の軟便または下痢の回数、過去1週間の腹痛、過去1週間の主観的な一般症状・患者が現在有している所見等をスコア化する指標を用いて行われ、一般的にCDAI≧150を活動期、CDAI<150を寛解期と定義している。一方、血沈亢進、CRP上昇、血小板増加、アルブミン低下および総コレステロール低下等の臨床検査値の変動に基づいて活動性が分類されることもある。
一方、安藤朗等により、T−RFLP解析(Terminal Restriction Fragment Length Polymorphism)を用いて、腸内細菌の割合や腸内細菌の分類群を解析し、クラスター分類することにより、クローン病患者と健常人が区別可能であることが報告された。しかしながら、得られたクラスター分類は、クローン病の活動性とは関連性がないことが報告されている(非特許文献3)。
樋渡信夫、クローン病の診断基準案(2002)(厚生科学研究費補助金特定疾患対策研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」班 平成13年度研究報告書〉,p76〜77,2002 Best,W.R.,et al.Gastroenterology 70;439−444,1976 A.Andoh et al.Alimentary Pharmacology & Therapeutics 29,75−82(2008)
クローン病の病勢変化の診断(クローン病の活動性の分類)には、高度な医学的知識を有する専門医の判断が必要であり、特に活動性を分類するためにCDAIを実施する場合には1週間を要するため、クローン病の活動性の決定に至るまでには、かなりの時間を要し、寛解導入のための治療を早期に開始できないでいるのが実情である。本発明の目的は、高度な医学的知識を有することなく、かつ、速やかにクローン病の活動性を分類する方法を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
(1)被検者の腸内細菌叢を分析することにより、被検者のクローン病の活動性を分類する方法であって、
前記被検者から採取された試料中の前記腸内細菌叢を分析する分析工程と
前記腸内細菌叢に含まれる細菌の種類やその割合に基づいて、前記被検者のクローン病の活動性を分類する工程とを有する、クローン病の活動性を分類する方法。
(2)前記分析工程において、前記腸内細菌叢の分析は、分子生物学的手法を用いて行われる上記(1)に記載のクローン病の活動性を分類する方法。
(3)前記分子生物学的手法は、
前記被験者から採取した試料中に含まれる細菌からDNAを抽出する抽出工程と、
前記DNAの一部を増幅させる増幅工程と、
増幅された前記DNAの一部を切断することにより末端制限フラグメントを得る切断工程と、
前記末端制限フラグメントの長さに応じて、前記腸内細菌叢に含まれる細菌の種類を分析する分析工程とを有するT−RFLP法である上記(2)に記載のクローン病の活動性を分類する方法。
(4)前記工程において、多変数判別式を用いて、前記被検者のクローン病の活動性を分類する、上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のクローン病の活動性を分類する方法。
(5)前記工程において、多変数判別式として、ロジスティック回帰式を用いて、判別値を求め、該判別値に基づいてクローン病の活動性を分類する上記(4)に記載のクローン病の活動性を分類する方法。
(6)前記工程において、前記判別値に基づいてクローン病の活動性を分類ための閾値は、0.5である上記(5)に記載のクローン病の活動性を分類する方法。
(7)前記工程において、多変数判別式を用いて、前記被験者がクローン病の活動期または寛解期のいずれであるかを分類する上記(1)ないし(6)のいずれかに記載のクローン病の活動性を分類する方法。
(8)クローン病の活動性に適した栄養剤を選択する方法において、
(a)前記被検者から採取された試料中の前記腸内細菌叢を分析する分析工程、
(b)前記腸内細菌叢に含まれる細菌やその割合に基づいて、前記被検者のクローン病の活動性を分類する工程、
(c)被験者のクローン病の活動性が活動期と分類された場合には寛解導入に適した栄養剤を選択し、被験者のクローン病の活動性が寛解期と分類された場合には寛解維持に適した栄養剤を選択する工程
を含むクローン病の活動性に適した栄養剤を選択する方法。
(9)クローン病の活動性に影響を与える栄養剤のスクリーニング方法において、
(a)前記被検者から採取された栄養剤の投与前と投与後の試料中の前記腸内細菌叢を分析する分析工程、
(b)前記腸内細菌叢に含まれる細菌やその割合に基づいて、前記被検者のクローン病の活動性を分類する工程、
(c)栄養剤投与前のクローン病の活動性と栄養剤投与後のクローン病の活動性とを比較し、投与によりクローン病の活動性を変化させる栄養剤を選択する工程
を含むスクリーニング方法。
(10)上記(9)に記載のスクリーニング方法により選択された、クローン病の活動性を変化させる栄養剤。
(11)寛解期のクローン病患者と比較して活動期のクローン病患者において減少している細菌又はその細菌を増加させるための薬剤を含む、活動期のクローン病患者の寛解導入剤。
(12)寛解期のクローン病患者と比較して活動期のクローン病患者において増加している細菌を減少させるための薬剤を含む、活動期のクローン病患者の寛解導入剤。
(13)被検者から採取された試料中の腸内細菌叢に含まれる細菌の種類やその割合を分析するための手段を含む、
クローン病の活動性を分類するためのキット。
本発明によれば、被検者の腸内細菌叢を分析することで、高度な医学的知識を有することなく、かつ、速やかにクローン病の活動性の分類を行うことができる。
試料中の腸内細菌叢を分析する分析工程を説明するための図である。 制限酵素としてHhaIを用いた際に、キャピラリーDNAシーケンサーにより得られた、末端制限フラグメントのプロファイルを示す図である。 制限酵素としてMspIを用いた際に、キャピラリーDNAシーケンサーにより得られた、末端制限フラグメントのプロファイルを示す図である。 末端制限フラグメントの患者群(活動期及び寛解期)および健常人群におけるピーク強度を示す図である。 本発明の判別式の汎用性を検証した結果を示す図である。
以下、本発明の被検者のクローン病の活動性を分類する方法を好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
本発明のクローン病の活動性を分類する方法は、被検者の腸内細菌叢を分析することにより、被検者のクローン病の活動性を分類する方法であり、被検者から採取された試料中の腸内細菌叢を分析する分析工程と、腸内細菌叢に含まれると推察される細菌の種類に基づいて、被検者のクローン病の病態を判別する工程とを有することを特徴とする。
かかる分類方法によれば、被検者の腸内細菌叢を分析して、腸内細菌叢に含まれる細菌の種類を推察することにより、高度な医学的知識を有することなく、かつ、速やかにクローン病の活動性を分類することができる。
また、本実施形態の方法により、患者(被検者)が活動期または寛解期(寛解導入期または寛解維持期)であるかを分類することにより、その病態に適した栄養剤を選択し、患者に投与することが可能となる。例えば、活動期であると分類された場合は、中心静脈栄養および経腸栄養により経過観察する必要があることから、適した栄養剤の剤形として点滴または点滴+経腸栄養剤を選択することができる。さらに、活動期には積極的に腸内菌叢を変える、抗生剤やプロバイオティクスとの併用や、プロバイオティクスとしての栄養剤を選択することもできる。
また、寛解期であると分類された場合は、経腸栄養剤または経腸栄養剤+米飯を中心とした食事を選択することができる。経腸栄養剤としては、成分栄養剤や消化態栄養剤が挙げられる。
また、従来の方法では、クローン病の活動性を決定するまでにかなりの時間を要したことから、投与した栄養剤の影響を経時的に観察することは困難であったが、本実施形態の方法では、患者(被検者)が活動期または寛解期(寛解導入期または寛解維持期)であるかを速やかに分類できることから、他の因子による影響を最小限にし、投与された栄養剤の影響を観察することができる。さらに、本実施形態の方法では、患者(被検者)が活動期、寛解期(寛解導入期または寛解維持期)であるかを速やかに分類できることから、クローン病の活動性に影響を与える栄養剤を速やかにスクリーニングすることも可能となった。
また、以下の実施例に記載されるように、活動期のクローン病患者、寛解期のクローン病患者の間で特定の細菌の割合が異なる傾向が示された。このことは、活動期のクローン病患者の腸内細菌叢を寛解期のクローン病患者の腸内細菌叢へと近づけることにより、クローン病患者を寛解導入させる可能性を示している。
寛解期のクローン病患者と比較して活動期のクローン病患者において減少している細菌の割合を増加させて、寛解期のクローン病患者の腸内細菌叢へと近づけることにより、活動期のクローン病患者を寛解導入させる可能性を示している。そのような細菌の割合を増加させる手段としては、減少した細菌そのものの投与や、減少した細菌の割合を増加させることができる薬剤の投与などが考えられる。寛解期のクローン病患者と比較して活動期のクローン病患者において割合が減少している細菌としては、例えば末端制限フラグメントとしてH57、H186、H320、H376、H561、H603、H1079、M81、M96、M133、M190、M202、M221、M297、M302、M902にピークを持つ細菌群が挙げられる。
一方、寛解期のクローン病患者と比較して活動期のクローン病患者において増加している細菌の割合を減少させて、寛解期のクローン病患者の腸内細菌叢へと近づけることにより、活動期のクローン病患者を寛解導入させる可能性を示している。そのような細菌の割合を減少させる手段としては、増加した細菌の割合を減少させることができる薬剤の投与などが考えられる。寛解期のクローン病患者と比較して活動期のクローン病患者において割合が増加している細菌としては、例えば末端制限フラグメントとしてH214、H226、H579、M32、M63、M70、M90、M94、M142、M166、M285、M494、M499、M556、M563にピークを持つ細菌群が挙げられる。
特定の細菌の割合を増加又は減少させることができる薬剤は、T−RFLP解析を用いた腸内細菌の割合や腸内細菌の分類群を解析する技術を用いて、抗生剤やプロバイオティクスとしての栄養剤などからスクリーニングすることができる。
また、一実施態様として、被検者から採取された試料中の腸内細菌叢を分析するための手段を含む、クローン病の活動性を分類するためのキットが提供される。本実施形態のキットを用いることにより、被検者から採取された試料中の腸内細菌叢を分析し、分析された腸内細菌叢に含まれると推察される細菌の種類や割合に基づいて、高度な医学的知識を有することなく、かつ、速やかに被検者のクローン病の病態を判別することができる。
本実施態様のキットにおける上記腸内細菌叢を分析するための手段は、腸内細菌叢に含まれると推測される細菌の種類及び割合を分析するための試薬であってもよく、好ましくは細菌の種類を識別可能なDNA領域をPCR法を用いて増幅するためのプライマー又はプローブを含む試薬である。上記のプライマー又はプローブは、蛍光標識されていてもよい。
また、上記手段として、DNAを切断し、生じた末端制限フラグメントが由来する細菌の種類を推察するための制限酵素であってもよく、そのような制限酵素は、細菌の種類に応じて、切断された末端制限フラグメントの長さに差異が生じるようにDNAを切断する制限酵素であってもよい。
また、上記キットは、採用する検出・定量方法に応じて任意の試薬、バッファー、容器等を含み得る。例えば、PCR用には、バッファー、dNTP、DNAポリメラーゼ及びコントロールDNA(例えばE.coliの16SrDNA)などを含み得る。さらに、採取された試料を保存するためのバッファーを含むバッファー及び/又は指示書をさらに含んでもよい。指示書により、分析された腸内細菌叢の結果に基づいて、医学的知識を用いることなく機械的な判断工程を用いてクローン病の活動性を分類することができる。
以下、本発明のクローン病の活動性を分類する方法の各工程について、順次説明する。
[S1:被検者から採取された試料中の腸内細菌叢を分析する分析工程]
図1は、試料中の腸内細菌叢を分析する分析工程を説明するための図である。
ここで、腸内細菌叢に含まれる細菌の種類を分析する方法としては、各種手法を用いることができ、特に限定されるものではなく、例えば、培養法や、T−RFLP法、DGGE(Denaturing Gradient Gel Electrophoresis)法のような分子生物学的手法等を用いることができるが、これらの中でも、分子生物学的手法を用いるのが好ましい。腸内細菌叢には、100種類にもおよぶ細菌が含まれており、これら多数の細菌を培養法により培養し、その種類を同定することは、これら細菌中には嫌気性細菌等も含まれていることから、その培養条件の設定には困難性を伴うため、時間と労力を非常に要することとなる。これに対して、分子生物学的手法は、PCR法により増幅させた特定の遺伝子断片の種類に基づいて腸内細菌叢中の細菌の種類を同定する方法であり、培養法のように培養条件に左右されず、腸内細菌叢中に含まれる細菌を比較的容易に同定することができる。
さらに、上述した分子生物学的手法の中でも、T−RFLP法を用いるのが好ましい。T−RFLP法によれば、DGGE法のように、アニーリング温度の違いによりDNAの増幅効率に差が生じてしまうことに起因して、解像度や再現性に間題が生じることがないため、かかる観点から、分子生物学的手法として好適に選択される。
以上のことから、本実施形態では、腸内細菌叢に含まれる細菌の種類を分析する方法として、T−RFLP法を用いる場合を一例にして説明する。
(S11)まず、被検者から、例えば、糞便等の試料を採取する。
そして、この試料を、バッファー等に懸濁し糞便懸濁液を調製する。
(S12)次に、糞便懸濁液中に含まれる細菌のDNAを抽出することによりDNA抽出液を得る(抽出工程)。
この細菌からのDNAの抽出は、例えば、Marmur法(J,Marmur,J・MoI.BioI.(1961)3:208−218)、酵素法の改良法(G,Voordouwetal,Appln.Ellviron,Microbiol.(1991)57:3070−3078)、ベンジルクロライド法(NucleicAcids Res.(1993〉21:5279−5280)、ビーズ・フェノール法(Biotechniques(2000)28:640−646)等の各種手法を用いて行われる。
(S13)次に、DNA抽出液中に含まれるDNAの一部を、例えばPCR法を用いて増幅させる(増幅工程)。
ここで、各細菌が備える遺伝情報をコードするDNAは、細菌の特性がその種類に応じて記録されており、細菌毎に特徴的な配列を有している。
そのため、PCR法を用いて増輻させるDNAの領域は、腸内細菌叢に含まれる細菌同士間でその配列が相違し、その配列の違いに基づいて細菌の種類を識別可能な領域が選択される。
このように細菌の種類が識別可能な領域としては、特に限定されないが、例えば、細菌のリボソーマルRNAの16SrRNAサブユニットをコードした16SrDNAを用いるのが好ましい。この16SrDNAは、1500bp程度の塩基長を有するものであり、細菌同士間においてわずかながらに配列が相違することから、後工程において、この配列の相違に基づいて、細菌の分析を行うことが可能となる。
そのため、細菌の種類が識別可能な領域として、16SrDNAを増幅させる場合には、プライマー対(フォアードプライマーおよびリバースプライマー)としては、この16SrDNAを増幅可能なものが選択され、例えば、配列番号1および配列番号2のプライマー対、配列番号1および配列番号3のプライマー対、配列番号4および配列番号5のプライマー対ならびに配列番号6および配列番号7のプライマー対等を用いることができる。
なお、これらフォアードプライマーおよびリバースプライマーの少なくとも一方の末端を、予め、6−FAM(6−カルボキシフルオレセイン)、TET(6−カルボキシ−4,7,2’,7’−テトラクロロフルオレセイン)、HEX(6−カルボキシ−2’,4’,7’,4,7−ヘキサクロロフルオレセイン)のような蛍光プローブを用いて蛍光標識しておく。これにより、後工程において、制限酵素により切断された末端制限フラグメント(T−RF)の長さを容易に識別することができるようになる。
また、PCR法を用いてDNAの一部を増幅させる際の条件は、特に限定されないが、例えば、変性温度を94℃として5分間維持し、その後、94℃×1分間、55℃×1分間、72℃×1分間を1サイクルとして、これを30サイクル行った後、72℃を5分間維持することとするのが好ましい。
(S14)次に、増幅されたDNAの一部を制限酵素で切断する(切断工程〉。
ここで、腸内細菌叢に含まれる細菌の種類に応じて、16SrDNAの配列がわずかながらに相違するため、増幅されたDNAを制限酵素で切断すると、制限酵素により切断される部位が細菌毎に異なることとなる。そのため、細菌の種類に応じて、DNAが切断された末端制限フラグメントの長さに差異が生じる。
DNAを切断するための制限酵素としては、特に限定されないが、4塩基認識制限酵素が好ましく用いられ、具体的には、例えば、HhaI(配列GCGCを認識)、MspI(配列CCGGを認識)、Mbol(配列GATCを認識)、MaeII(配列ACGTを認識)、HpaII(配列CCGGを認識)およびRsaI(配列GTACを認識)等が挙げられる。これらの制限酵素によれば、細菌の種類に応じて末端制限フラグメントの長さに差異が生じるように確実にDNAを切断することができる。
(S15)次に、DNAが切断された末端制限フラグメントの長さに応じて、その末端制限フラグメントが由来する細菌の種類を推察することにより、腸内細菌叢に含まれる細菌の種類を分析する(分析工程)。
本実施形態では、上述のように、末端制限フラグメントが蛍光プローブにより蛍光標識されているため、キャピラリーDNAシーケンサーを用いて、切断された末端制限フラグメントの長さを特定することができる。
そして、キャピラリーDNAシーケンサーを用いて検出された末端制限フラグメントの長さから、Genbank(米国)、EMBL(EU)、DDBJ(日本)のような公共データベースに登録されている16SrDNAの情報に基づいて、その末端制限フラグメント由来する細菌の種類を推察することができる。
以上のような工程を経ることにより、T−RFLP法を用いて、腸内細菌叢に含まれる細菌の種類を推察することができる。
[S21被検者のクローン病の活動性を分類する工程]
前記工程[S1]のようにして、各被検者の試料中に含まれる細菌の種類、すなわち各被検者の腸内細菌叢に含まれる細菌の種類を推察することができる.
ここで、現在、クローン病の発症には、遺伝的素因を起因とする免疫応答の異常が関与していると考えられている。
本発明者は、かかる点に着目し、腸内細菌叢が、この異常を来した免疫応答の標的となっているものと推察し、患者の腸内細菌叢に含まれる細菌の種類と、健常人の腸内細菌叢に含まれる細菌の種類とを比較検討し、さらには、患者の活動期における腸内細菌叢に含まれる細菌の種類と、患者の寛解期(寛解導入期+寛解維持期)における腸内細菌叢に含まれる細菌の種類とを比較検討すること、および、患者の活動期における腸内細菌叢に含まれる細菌の種類と、患者の寛解期における腸内細菌叢に含まれる細菌の種類とを比較検討することにより、これら同士の間に含まれている腸内細菌叢の細菌の種類やその割合に基づいて、被検者のクローン病の活動性を分類し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
そこで、本実施形態では、前記工程[S1]において、腸内細菌叢に含まれる細菌の種類をT−RFLP法を用いて分析された分析結果に基づいて、被検者のクローン病の活動性を分類する場合を一例にして説明する。
(S21)まず、本発明者は、クローン病と診断された被験者のうち、治療開始前にCDAIが150未満のものを除外し、治療開始前にCDAIが150以上のものを活動期クローン病患者と判断した。
また、[S21]の活動期クローン病患者に対して、治療を開始して治療により、CDAIが150未満となったものを寛解導入(寛解導入期)と判断し、さらに、CDAIが150未満の状態を6〜12週間以上維持されたものを寛解維持(寛解維持期)と判断した。
そして、前記工程[S1]において説明した手順により、T−RFLP法を用いた腸内細菌叢に含まれる細菌の種類の分析を、活動期、寛解期(寛解導入期+寛解維持期)について実施した。
(S22)ここで、本発明者の検討により、前記工程(S21)において、各患者の活動期及び寛解期(寛解導入期+寛解維持期)でそれぞれ観察された、キャピラリーDNAシーケンサーのプロファイルに違いが認められることが判ってきた。すなわち、各細菌に由来する末端制限フラグメント(T−RF)のピーク強度(面積値(OTU))に違いが認められることが判ってきた。かかる傾向は、前記工程(S21〉に用いる制限酵素の種類を代えても同様に認められた。
その結果、ある特定の細菌に由来する末端制限フラグメントのピーク強度の平均値が、健常人群と患者群間だけでなく、患者群間で異なる傾向が見られた。
例えば、制限酵素としてHhaIを用いた場合には、末端制限フラグメントとして、57bp(H57)、186bp(H186)、214bp(H214)、226bp(H226)、320bp(H320)、376bp(H376)、561bp(H561)、579bp(H579)、603bp(H603)、および1079bp(H1079)の塩基対を有するものに由来するピーク強度が患者群間で異なる傾向が見られた。
また、制限酵素としてMspIを用いた場合には、末端制限フラグメントとして、32bp(M32)、63bp(M63)、70bp(M70)、81bp(M81)、90bp(M90)、94bp(M94)、96bp(M96)、133bp(M133)、142bp(M142)、166bp(M166)、190bp(M190)、202bp(M202)、221bp(M221)、285bp(M285)、297bp(M297)、302bp(M302)、494bp(M494)、499bp(M499)、556bp(M556)、563bp(M563)および974bp(M974)の塩基対を有するものに由来するピーク強度が患者群間で異なる傾向が見られた。
(S23)前記工程(S22)で示したように、末端制限フラグメントに由来するピーク強度が、クローン病の病態に強い相関関係を有していることが判ってきた。
そこで、本発明者は、各患者の活動期ならびに寛解期(寛解導入期および寛解維持期)の各細菌に由来する末端制限フラグメント(T−RF)のピーク強度(面積値(OTU))を用いて、CDAI≧150またはCDAI<150を識別する多変数判別式を求めた。
多変数判別式としては、ロジスティック回帰式、線形判別式および重回帰式等が挙げられるが、本実施形態では、ロジスティック回帰式を用いて判別式を求めた。
すなわち、判別値πは下記判別式1で表わされ、下記判別式1中の変数xは下記式2で表わすことができる。
π=1/[1+exp(−x)]・・・式1
x=(A+A・X+A・X+・・・+A・X)・・・式2
(但し、式2中、A、A、A、・・・Aは、それぞれ係数を表し、X、X、X、・・・Xは、選択された末端制限フラグメントのピーク強度(面積値(OTU))を表す。)
ロジスティック回帰式を用いた判別式の変数として用いる末端制限フラグメントのピーク強度は、例えばステップワイズ法により選択することができる。ステップワイズ法とは回帰分析、判別分析の変数選択手法の一つであり、特定の独立変数の中から変数増加法、変数減少法、変数増減法のいずれかを用いて、定法により有用な変数を選択することができる。本発明の一実施形態では、以下の実施例で示すように、変数としてM90、M96、M32、H579、H320、M81、M166、H603、M297、M974を選択して判別式を作成することにより、クローン病の活動性を分類することができる。
そして、かかる判別式1を用いて、各被検者の末端制限フラグメントに由来するピーク強度から判別値πを求め、判定のための閾値(カットオフ値)πを0.5としたとき、被検者のクローン病の活動性を好適に分類できることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、かかる判別式1を用いて、例えば、患者(被検者)が活動期か寛解期(寛解導入期+寛解維持期)であるかの分類(病勢診断)を行うことができる。
一方、ステップワイズ法で選択された変数以外にも、同定された細菌の種類の生物学的背景を基準にして、ロジスティック回帰式に用いる独立変数を選択することも可能である。本発明の他の実施形態では、独立変数を増減させることにより、より高い識別率を有する判別式を作製することも可能であるが、高い識別率を有するが故、試験した患者群への特異性が高くなり、汎用性が失われる判別式となる可能性が考えられる。
以上、本発明のクローン病の活動性を分類する方法を好適実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば、本発明のクローン病の活動性を分類する方法は、任意の目的の工程が1または2以上追加されていてもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.被験者の選定
まず、クローン病患者として診断された患者のうち、CDAIが150未満の患者を除外し、CDAIが150以上の患者を56名、活動期の患者として選定した。その後の治療により、CDAIが150未満となった患者を寛解導入(寛解導入期)したと判断し、さらに、CDAIが150未満の状態を6〜12週間以上維持されたものを寛解維持(寛解維持期)したものと判断した。
なお、活動期の患者71名のうち、治療の途中で手術適応になった患者を除外した結果、51名が寛解導入し、さらに、そのうち42名が寛解維持された。
2.腸内細菌叢に含まれる細菌の16SrDNAの増幅
<2−1>まず、各被検者から採取した糞便について、MP BioMedicals社製 Fast Prep FP100A Instrumentキットを用いて、Trisバッファー(100mM Tris−HCl(pH9.0)、40mM EDTA、4M Guanidium thiocyanate)に懸濁した後、ジルコニウムビーズを加えて振とうし、糞便懸濁液を被験者毎に調製した。
なお、各被検者からの糞便の採取は、活動期(71名)、寛解導入期(51名)および寛解維持期(42名)の最大3回実施した。
<2−2>次に、糞便懸濁液をPrecision System Science社製 Magtration System 12GC and GC Series Magtration−MegaZorbDNA Common キットを用いて、ビーズ・フェノール法に供し、糞便懸濁液中に含まれる細菌からDNAを抽出することにより、DNA抽出液を得た。
<2−3>次に、6−FAMで蛍光標識された配列番号8のプライマーをフォアードプライマーとして、配列番号9のプライマーをリバースプライマーとして用意し、Quiagen社製HotSter Taq Master Mixキットを用いて、PCR法により、16SrDNAを増幅させた。
なお、16SrDNAを増幅させた際の条件は、変性温度を94℃として5分間維持し、その後、94℃×1分間、55℃×1分間、72℃×1分間を1サイクルとして、これを30サイクル行った後、72℃を5分間維持することとした。
以上のような工程を経て、各被検者の腸内細菌叢に含まれる細菌に由来する16SrDNAが増幅されたサンプルを被検者毎に調製した。
3.増幅させた16SrDNAに基づく腸内細菌叢に含まれる細菌の種類の分析
<3−1>まず、各被験者の増幅された16SrDNAを含有するサンプルを、4塩基認識制限酵素であるHhaIを用いて切断した。
<3−2>次に、制限酵素による処理が施された16SrDNAを含有するサンプルを、キャピラリーDNAシーケンサー(Applied Biosystems社製、ABI PRISM 310 Genetic Analyser)を用いて、末端制限フラグメント(T−RF)の長さを求め、得られた末端制限フラグメント(T−RF)の長さから細菌の種類を推察した。
<3−3>4塩基認識制限酵素としてHhaIに代えてMspIを用いて、前記工程<3−1>および前記工程<3−2>と同様の工程を行い、末端制限フラグメント(T−RF)の長さを求めるとともに、得られた末端制限フラグメント(T−RF)の長さから細菌の種類を推察した。
なお、制限酵素としてHhaIおよびMspIを用いた際に、キャピラリーDNAシーケンサーにより得られた、末端制限フラグメントのプロファイルと、末端制限フラグメントの長さから推察された細菌の種類とを、それぞれ、図2および図3に示す。
各患者の活動期及び寛解期(寛解導入期+寛解維持期)でそれぞれ観察された、キャピラリーDNAシーケンサーのプロファイルを比較したところ、そのパターンにいくつかの違いが認められた。
なお、各プロファイルに認められたピークに示す記号は、アルファベットが用いた制限酵素の頭文字を示し、数字がT−RFの長さ(塩基長)を示す。
4.健常人群および患者群における腸内細菌叢に含まれる細菌の種類の差異の検討
<4−1>まず、制限酵素としてHhaIを用いた場合について、健常入群および患者群(活動期〜寛解維持期)毎に、キャピラリーDNAシーケンサーにより観察されたプロファイルに基づいて、各長さの末端制限フラグメントのピーク強度の平均値を求めた。
<4−2>4塩基認識制限酵素としてHhaIに代えてMspIを用いた場合についても、前記工程<4−1>と同様にして、各長さの末端制限フラグメントのピーク強度の平均値を求めた。
得られた結果を表1および表2に示す。
Figure 2011254810
Figure 2011254810
表1に示すように、制限酵素としてHhaIを用いた場合には、末端制限フラグメントとして、H57、H186、H214、H226、H320、H376、H561、H579、H603及びH1079に由来するピーク強度が、健常人群、患者群(活動期)および患者群(寛解期)間で異なる傾向が見られた。
また表2に示すように、制限酵素としてMspIを用いた場合には、末端制限フラグメントとして、M32、M63、M70、M81、M90、M94、M96、M133、M142、M166、M190、M202、M221、M285、M297、M302、M494、M499、M556、M563及びM974に由来するピーク強度が、健常人群、患者群(活動期)および患者群(寛解期)間で異なる傾向が見られた。
すなわち、これら末端制限フラグメントに由来するピーク強度が、クローン病の病態に強い相関関係を有していると考えられた。
5.末端制限フラグメントのピーク強度の平均値を変数とした判別式を用いた、クローン病の活動性の分類
<5−1>腸内細菌叢に含まれる細菌の種類やその割合がクローン病の病態に強い相関関係を有していることが推察されたことから、活動期、寛解期をあわせたピークサンプルから、半数に当たる84サンプルを抽出し、そのデータを基にロジスティック回帰式を用いてクローン病の活動性を分類するための判別式を作成した。変数としては、ステップワイズ法により、判別に最適な変数として、M90、M96、M32、H579、H320、M81、M166、H603、M297、M974が選択され、以下の式3が得られた。
π=1/[1+exp(−x)]・・・式1
x=(−0.1799+0.2114×M90−0.0777×M96+2.3598×M32+0.1702×H579−1.2176×H320−0.2047×M81+0.3752×M166−1.8335×H603−0.0620×M297−0.1843×M974)・・・式3
判定方法:πが0.5未満=寛解期(CDAI<150)
πが0.5以上=活動期(CDAI≧150)
<5−2>式3の判別式によりCDAIの値が予測可能かどうかを確認するために、クローン病と診断された患者の腸内細菌叢の解析データを式3に入力し、πの値を求めた。判別式により予測されたCDAIの値と、定法により求めたCDAIの値と比較し、CDAIの値が予測可能であった確率(識別率)を算出した。結果を以下の表3に示す。
Figure 2011254810
識別率=(26+33)/82=72.0%
6.末端制限フラグメントのピーク強度の平均値を変数とした判別式の汎用性の検証
<6−1>末端制限フラグメントのピーク強度の平均値を変数とした判別式の汎用性を、クロスバリデーション法により検証した。<5−1>で求めた判別式を用いて、判別式の作成において抽出されなかった残84サンプルの活動性を予測できるかどうかを検証した。
<6−2>結果を表4及び図5に示す。結果より、本発明の判別式が高い汎用性を有することが示された。
Figure 2011254810
識別率=(20+38)/82=70.7%
以上、本発明を実施例に基づいて説明した。この実施例はあくまで例示であり、種々の変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。

Claims (11)

  1. 被検者の腸内細菌叢を分析することにより、被検者のクローン病の活動性を分類する方法であって、
    前記被検者から採取された試料中の前記腸内細菌叢を分析する分析工程と
    前記腸内細菌叢に含まれる細菌の種類やその割合に基づいて前記被検者のクローン病の活動性を分類する工程とを有する、クローン病の活動性を分類する方法。
  2. 前記分析工程において、前記腸内細菌叢の分析は、分子生物学的手法を用いて行われる請求項1に記載のクローン病の活動性を分類する方法。
  3. 前記分子生物学的手法は、
    前記被験者から採取した試料中に含まれる細菌からDNAを抽出する抽出工程と、
    前記DNAの一部を増幅させる増幅工程と、
    増幅された前記DNAの一部を切断することにより末端制限フラグメントを得る切断工程と、
    前記末端制限フラグメントの長さに応じて、前記腸内細菌叢に含まれる細菌の種類を分析する分析工程とを有するT−RFLP法である請求項2に記載のクローン病の活動性を分類する方法。
  4. 前記工程において、多変数判別式を用いて、前記被検者のクローン病の活動性を分類する、請求項1ないし3のいずれかに記載のクローン病の活動性を分類する方法。
  5. 前記工程において、多変数判別式として、ロジスティック回帰式を用いて、判別値を求め、該判別値に基づいてクローン病の活動性を分類する請求項4に記載のクローン病の活動性を分類する方法。
  6. 前記工程において、前記判別値に基づいてクローン病の活動性を分類するための閾値は、0.5である請求項5に記載のクローン病の活動性を分類する方法。
  7. 前記工程において、多変数判別式を用いて、前記被験者がクローン病の活動期または寛解期のいずれであるかを分類する請求項1ないし6のいずれかに記載のクローン病の活動性を分類する方法。
  8. クローン病の活動性に適した栄養剤を選択する方法において、
    (a)前記被検者から採取された試料中の前記腸内細菌叢を分析する分析工程、
    (b)前記腸内細菌叢に含まれる細菌やその割合に基づいて、前記被検者のクローン病の活動性を分類する工程、
    (c)被験者のクローン病の活動性が活動期と分類された場合には寛解導入に適した栄養剤を選択し、被験者のクローン病の活動性が寛解期と分類された場合には寛解維持に適した栄養剤を選択する工程
    を含むクローン病の活動性に適した栄養剤を選択する方法。
  9. クローン病の活動性に影響を与える栄養剤のスクリーニング方法において、
    (a)前記被検者から採取された栄養剤の投与前と投与後の試料中の前記腸内細菌叢を分析する分析工程、
    (b)前記腸内細菌叢に含まれる細菌やその割合に基づいて、前記被検者のクローン病の活動性を分類する工程、及び
    (c)栄養剤投与前のクローン病の活動性と栄養剤投与後のクローン病の活動性とを比較し、投与によりクローン病の活動性を変化させる栄養剤を選択する工程
    を含むスクリーニング方法。
  10. 請求項9に記載の方法によりスクリーニングされた、クローン病の活動性を変化させる栄養剤。
  11. 被検者から採取された試料中の腸内細菌叢を分析するための手段を含み、
    前記腸内細菌叢に含まれると推察される細菌の種類やその割合に基づいて、前記被検者のクローン病の活動性を分類するためのキット。
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