JP2006508326A - 乳癌を検出するためのバイオマーカーの使用 - Google Patents
乳癌を検出するためのバイオマーカーの使用 Download PDFInfo
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Abstract
Description
以下の参考文献もまた、本明細書に参照として取り込まれる。
Jemal A, Thomas A, Murray T., Thun M., Cancer statistics, 2002. CA Cancer J Clin. 2002; 52:23-47. National Cancer Institute. Cancer Net PDQ Cancer Information Summaries. Monographs on"Screening for breast cancer."http://cancer net. nci. nih. gov/pdq. html (Updated January 2001年1月更新). Antman K, Shea S. Screening mammography under age 50. JAMA.1999; 281:1470-2. Chan DW, Beveridge RA, Muss H, Fritsche HA, Hortobagyi G, Theriault R, et al. Use of Truquant BR Radioimmunoassay for early detection of breast cancer recurrence in patients with stage II and stage III disease, J Clin. Oncology. 1997; 15:2322-2328. Karas M, Hillenkamp F. Laser desorption ionization of proteins with molecular masses exceeding 10,000 daltons. Anal Chem. 1988; 60: 2299-2301. Hutchens TW, Yip TT. New desorption strategies for the massspectrometricanalysis of micromolecules. Rapid Commun. Mass Spectrom. 1993; 7: 576-80. Merchant M, Weinberger SR. Recent advancements in surface-enhanced laserdesorption/ionization-time of flight-mass spectrometry. Electrophoresis. 2000; 21:1164-67. Wright Jr GL, Cazares LH, Leung S-M, Nasim S, Adam B-L, Yip T-T, et al. ProteinChipTM surface enhanced laser desorption/ionization (SELDI) mass spectrometry: a novel protein biochip technology for detection of prostate cancer biomarkers in complex protein mixtures. Prostate Cancer Prostate Dis. 1999; 2: 264-76. Hlavaty JJ, Partin AW, Kusinitz F, Shue MJ, Stieg M, Bennett K, Briggman JV. Mass spectroscopy as a discovery tool for identifying serum markers for prostate cancer. Clin. Chem. [Abstract]. 2001; 47:1924-26. Paweletz CP, Trock B, Pennanen M, Tsangaris T, Magnant C, Liotta LA, et al. Proteomic patterns of nipple aspirate fluids obtained by SELDI-TOF: potential for new biomarkers to aid in the diagnosis of breast cancer. Dis Markers. 2001; 17:301- 7. Vlahou A, Schellhammer PF, Medrinos S, Patel K, Kondylis FI, Gong L, et al. Development of a novel proteomic approach for the detection of transitional cell carcinoma of the bladder in urine. Am J Pathol. 2001; 158:1491-502. Patricoin EF III, Ardekani AM, Hitt BA, Levine PJ, Fusaro VA, Steinberg SM, et al. Use of proteomic patterns in serum to identify ovarian cancer. The Lancet. 2002; 359:572-577. Zhang Z, Page G, Zhang H. Applying Classification Separability Analysis to Microarray Data, in Proc. of Critical Assessment of Techniques for Microarray Data Analysis (CAMDA'00), Kluwer Academic Publishers, 2001. Vapnik VN, Statistical Learning Theory, John Wiley & Sons, Inc., New York, 1998. Efron B and Tibshirani R. Bootstrap Methods for Standard Errors, Confidence Intervals, and Other Measures of Statistical Accuracy. Statistical Science. 1986; 1:54- 75.
特に、一つの態様では、本発明のマーカーは、本明細書で特定されている条件下で、特にマススペクトル分析により決定されるような分子量によって特徴づけられる。
他の態様では、当該マーカーは、マーカーのスペクトルピークの大きさ(面積を含む)及び/又は形のようなマーカーのマススペクトル・シグネチャー(signature)の特性、隣接するピークの近接性、大きさ及び形を含む特性等により特徴付けることができる。
さらに他の態様では、当該マーカーは、親和性結合特性、特に特定の条件下におけるIMAC−Ni吸着剤に対する結合力により特徴付けることができる。
好ましい実施の形態では、本発明のマーカーは、このような態様、すなわち分子量、マススペクトル・シグネチャー、及びIMAC−Ni吸着結合のそれぞれによって特徴付けることができる。
本発明のタンパク質バイオマーカーは、本明細書において、マーカーI〜XIVとして指定された以下のものを含む。質量分析法により測定された分子量もまた、各マーカーについて特定される。
マーカーI(BC1):約4.3kDの分子量を持つ
マーカーII(BC2):約8.1kDの分子量を持つ
マーカーIII(BC3):約8.9kDの分子量を持つ
マーカーIV:約4.5kDの分子量を持つ
マーカーV:約4.0kDの分子量を持つ
マーカーVI:約8.3kDの分子量を持つ
マーカーVII:約17kDの分子量を持つ
マーカーVIII:約18kDの分子量を持つ
マーカーIX:約10.2kDの分子量を持つ
マーカーX:約6.0kDの分子量を持つ
マーカーXI:約8.4kDの分子量を持つ
マーカーXII:約7.5kDの分子量を持つ
マーカーXIII:約9.4kDの分子量を持つ
マーカーXIV:約16.3kDの分子量を持つ
マーカーI〜XIVも、マススペクトル・シグネチャーにより特徴付けられる。マーカーI〜XIVのそれぞれのマススペクトルを、図1A〜1Nにそれぞれ示す。
また、マーカーI〜XIVのそれぞれも、本明細書に明記しているように、リン酸緩衝生理食塩水で洗浄した後、IMAC−Ni吸着剤との結合力により特徴付けられる。
(a)被験動物からのサンプルについて、少なくとも1種のバイオマーカーを測定すること、
(ただし、このマーカーは、マーカーI(BC1)、マーカーII(BC2)、マーカーIII(BC3)、マーカーIV、マーカーV、マーカーVI、マーカーVII、マーカーVIII、マーカーIX、マーカーX、マーカーXI、マーカーXII、マーカーXIII、マーカーXIV、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される)、及び
(b)この測定値と乳癌の状態とを相関させること、
からなる被験動物の乳癌の状態を認定する方法を提供する。ある方法では、当該測定工程はサンプル中のマーカーの有無を検出することからなり、他の方法では、当該測定工程はサンプル中のマーカー(又はマーカー群)の量を測定することからなり、他の方法では、当該測定工程はサンプル中のバイオマーカーのタイプを認定することからなる。
ある方法では、当該測定工程はサンプル中のマーカーの有無を検出することからなり、他の方法では、当該測定工程はサンプル中のマーカー(又はマーカー群)の量を測定することからなり、他の方法では、当該測定工程は、サンプル中のバイオマーカーのタイプを認定することからなる。
また本発明は、被験動物の管理後、少なくとも1種のバイオマーカーを再び測定する方法も提供する。このような場合、被験動物の治療を管理する工程は、その後得られた結果に応じて繰り返され、及び/又は変更される。
本発明のマーカーは、各種の分画技術、例えば、質量分析法と併用したクロマトグラフ分離法を用いることにより、あるいは従来の免疫測定法により、サンプル中の他のタンパク質から分離することができる。好ましい実施の形態では、当該分離方法は、質量分析プローブの表面が当該マーカーと結合する吸着剤からなる表面増強レーザー脱離/イオン化(SELDI)質量分析に関連する。
好ましい実施の形態では、この分析法は、乳癌の患者と癌に罹患していないコントロール間の識別に最も寄与しているピークを選別するために、単独で及び相互に比較して用いられる。
これらのマーカーの絶対的な正体(identity)はまだ分かっていないが、このような知識は、患者のサンプル中のマーカーを測定するのに必要ではない。なぜなら、マーカーは、例えば、質量や親和性により十分特徴付けられるからである。分子量及び結合性がこれらのマーカーの特徴であり、検出もしくは単離の手段を制限するものではないことを特筆しておく。さらに、本明細書で記述されている方法又は当該技術分野で周知である他の方法を用いて、当該マーカーの絶対的な正体(identity)を決定することができる。
検出における好ましい方法では、乳癌の臨床病期についての診断及び決定は、被験動物のサンプル中の、少なくとも1種以上のタンパク質バイオマーカーを検出すること(ただし、当該タンパク質マーカーは、マーカーI(BC1)、マーカーII(BC2)、マーカーIII(BC3)、及びこれらの組み合わせから選択される)、及びこの1種以上のタンパク質バイオマーカーの検出と乳癌の診断とを相関させること(ただし、その相関は、それぞれの診断において正常な被験動物と比較しながら、1種以上のタンパク質バイオマーカーの検出を考慮する)からなる。
マーカーI(BC1):約4.3kDの分子量を持つ
マーカーII(BC2):約8.1kDの分子量を持つ
マーカーIII(BC3):約8.9kDの分子量を持つ
癌の異なる悪性度を診断及び識別するための好ましい方法では、当該方法は、生物学的マーカーの第一セットを表す第一データセットを作成するために、バイオチップアレイを用いること、被験動物のサンプル中の少なくとも1種以上のタンパク質バイオマーカーを検出する第一データセットを評価すること、及び正常な被験動物と比較しながら、1種以上のタンパク質バイオマーカーの検出と癌の進行性悪性度とを相関させることからなる。
本発明の一つの態様では、当該方法は、癌の異なる悪性度を診断及び識別するために使用される1種以上のタンパク質バイオマーカーを検出することからなる。ただし、当該1種以上のタンパク質マーカーは、マーカーI(BC1)、マーカーII(BC2)、マーカーIII(BC3)、マーカーIV、マーカーV、マーカーVI、マーカーVII、マーカーVIII、マーカーIX、マーカーX、マーカーXI、マーカーXII、マーカーXIII、マーカーXIV、及びこれらの組み合わせより選択される。
本発明の他の態様では、癌の異なる悪性度を識別するために1種のバイオマーカーが使用される。また、癌を診断するための公知の癌バイオマーカー、例えば乳癌のマーカーであるCA15.3及びCA27.29を1種以上組み合わせて、癌の異なる悪性度を識別するための1種のバイオマーカーも提供する。乳癌のような癌に罹患しやすい、あるいは癌に罹患している患者からのタンパク質プロファイルと正常な被験動物のものと比較するために、1種以上のタンパク質バイオマーカーを使用するのが好ましい。
本発明の他の態様では、患者のサンプルが、血液、血漿、血清、尿、組織、細胞、器官及び膣液からなる群より選択される。
他の好ましい方法では、バイオチップアレイに固定化した被験動物のサンプルについてのデータは、前記のバイオチップアレイをレーザーイオン化して、質量/電荷比の信号強度を検出し、そのデータをコンピュータに読み込み可能な形式に変換し、乳癌に罹患している患者に存在し、癌に罹患していない被験動物コントロールには存在しないマーカーを表す信号を検出するためのユーザー・インプット・パラメータに従って、そのデータを分類するアルゴリズムを実行することにより作成される。
好ましくは、当該バイオチップの表面は、例えばイオン性、アニオン性であり、陽イオン及び陰イオンの混合物からなる固定化されたニッケルイオンからなり、1種以上の抗体、一本鎖又は二本鎖の核酸より構成され、タンパク質、ペプチド又はそれらのフラグメントあるいはアミノ酸プローブより構成され、あるいはファージ・ディスプレイ・ライブラリーより構成される。
レーザー脱離/イオン化質量分析法は、吸着剤が結合した基質を供与すること、被験動物のサンプルをその吸着剤に接触させること、吸着剤が結合した質量分析計の使用に適したプローブにその基質を設置すること、当該マーカー又はマーカー群をプローブから脱離及びイオン化すること、及び質量分析計を用いてその脱離/イオン化されたマーカー又はマーカー群を検出することからなるのが好ましい。
マーカーI及びマーカーII〜XIVより選択される一種以上のバイオマーカーからなる組成物、
マーカーII及びマーカーI,III〜XIVより選択される一種以上のバイオマーカーからなる組成物、
マーカーIII及びマーカーI,II、IV〜XIVより選択される少なくとも一種以上のバイオマーカーからなる組成物、
マーカーIV及びマーカーI,II、III,V〜XIVより選択される少なくとも一種以上のバイオマーカーからなる組成物、
マーカーV及びマーカーI,II、III,IV、VI〜XIVより選択される少なくとも一種以上のバイオマーカーからなる組成物、
マーカーVI及びマーカーI,II、III,IV、V〜XIVより選択される一種以上のバイオマーカーからなる組成物、
マーカーVII及びマーカーI,II、III,IV、V、VI,VIII〜XIVより選択される一種以上のバイオマーカーからなる組成物、
マーカーVIII及びマーカーI,II、III,IV、V、VI,VII〜XIVより選択される一種以上のバイオマーカーからなる組成物、
マーカーIX及びマーカーI,II、III,IV、V、VI,VII,VIII,X〜XIVより選択される一種以上のバイオマーカーからなる組成物、
マーカーX及びマーカーI〜IX,XI〜XIVより選択される一種以上のバイオマーカーからなる組成物、
マーカーXI及びマーカーI〜X,XII〜XIVより選択される一種以上のバイオマーカーからなる組成物、
マーカーXII及びマーカーI〜XI,XIII〜XIVより選択される一種以上のバイオマーカーからなる組成物、
マーカーXIII及びマーカーI〜XII,XIVより選択される一種以上のバイオマーカーからなる組成物、
マーカーXIV及びマーカーI〜XIIIより選択される一種以上のバイオマーカーからなる組成物。これらの組成物において、当該マーカーは、実質的に純粋である及び/又は、例えば血清サンプルから単離されるのが好ましい。
好ましい実施の形態では、定率のバイオマーカーサンプルが、中央値及び平均ランクがピークごとに決定される質量ピークの解析中ランダムに除外される。この解析は、少なくとも約100回行われる。
一つの態様では、コントロールデータセットが作成されるが、これは、正常な被験動物を表すバイオマーカーのコントロールセットを作成すること、当該バイオマーカーのコントロールセットを表すコントロールデータセットを作成するためにバイオチップアレイを用いること、及び、どの質量ピークが癌の進行の異なる悪性度を識別するバイオマーカーを表すかを予測するために、第一データセット及びコントロールデータセットを比較することからなる。
他の態様では、当該方法はさらに、癌に罹患している患者を表すバイオマーカーの第二のセットを作成すること、第一ステージの癌を表す第二のデータセットを作成するためにバイオチップアレイを用いること、及び、どの質量ピークが癌の進行の第一ステージ及び第二ステージを識別するバイオマーカーを表すかを予測するために、第二のデータセットとコントロールデータセットを比較することからなる。
当該方法は、悪性癌のあるステージを表す任意の有望なバイオマーカーの質量ピークを予測するために使用されるデータセットが得られるまで、少なくとも1回以上繰り返される。
当該データベースは、乳癌の任意の病期を検出し、異なる癌の異なる病期を識別する有望なバイオマーカーを評価し、予測するためのデータベースからデータをマイニングするための有望なバイオマーカーである質量ピークを予測するために使用される。
他の好ましい実施の形態では、乳癌のような腫瘍の浸潤前に存在する有望なバイオマーカーを決定するために使用される質量ピークのデータセットを得ることにより、癌患者からの組織サンプルを分析し、正常な被験動物のものと比較する。
本発明の他の態様は、以下に記述する。
特に明記しない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する分野における当業者により一般に理解されている意味を持つ。以下の参考文献は、本発明で使用されている多くの用語の一般的な定義を当業者に提供する:Singleton et al.,Dictionary of Microbiology and Molecular Biology(2nd ed.1994);The Cambridge Dictionary of Science and Technology(Walker ed.,1988);The Glossary of Genetics,5th Ed.,R.Rieger et al.,(eds.),Springer Verlag(1991);及びHale & Marham,The Harper Collins Dictionary of Biology(1991)。本明細書で使われているように、以下の用語は、特に明記しない限り記載された意味を持つ。
「質量分析計」とは、質量電荷比に変換することができる気相イオンのパラメータを測定する気相イオン分光分析装置のことをいう。質量分析計は、一般にイオン源及び質量分析器を含む。質量分析計としては、例えば飛行時間型質量分析計、磁場型質量分析計、四重極型質量分析計、イオントラップ型質量分析計、イオンサイクロトロン共鳴質量分析計、扇形静電分析器及びそれらのハイブリッド型が挙げられる。「質量分析」とは、質量分析計を用いて気相イオンを検出することをいう。
「レーザー脱離質量分析計」とは、検体を脱離、気化及びイオン化させる手段としてレーザー光のエネルギーを利用する質量分析計のことをいう。
「イオン源」とは、気相イオンを供給する気相イオン分光分析装置の部分組立品のことをいう。一つの実施の形態では、当該イオン源は、脱離/イオン化プロセスを介してイオンを供給する。このような実施の形態は、一般に、イオン化エネルギー源(例えばレーザー脱離/イオン化源)と条件検索が可能である関係にあるプローブと、常圧、もしくは減圧下における同時通信で、気相イオン分光分析装置の検出器を、位置的に接合させるプローブインターフェースからなる。
本発明の文中における「プローブ」とは、気相イオン分光分析装置(例えば質量分析計)のプローブインターフェースを接合させ、及びイオン化及び気相イオン分光分析装置に導入させるためのイオン化エネルギーを検体に供給するために利用されるデバイスのことをいう。「プローブ」は、一般に検体がイオン化エネルギー源を供給される面を提供するサンプルからなる固体の基質(弾力性のある基質でも弾力性の無い基質でもどちらでもよい)より構成される。
「表面増強レーザー脱離/イオン化法」、すなわち「SELDI」とは、気相イオン分光分析装置のプローブインターフェースと接合するSELDIプローブの表面に検体が捕捉される、脱離/イオン化気相イオン分光分析(例えば質量分析)における方法のことをいう。「SELDI−MS」では、気相イオン分光分析装置は、質量分析計である。SELDI技術は、例えば米国特許第5,719,060号明細書(Hutchens and Yip)及び米国特許第6,225,047号明細書(Hutchens and Yip)に記載されている。
「生体特異的吸着剤」とは、例えば核酸分子(例えばアプタマー)、ポリペプチド、多糖、脂質、ステロイド、あるいはこれらの抱合体(例えば、糖タンパク質、リポタンパク質、糖脂質、核酸(例えばDNA)−タンパク質抱合体)の生体分子からなる吸着剤のことをいう。ある場合では、当該生体特異的吸着剤は、多タンパク質複合体のような高分子構造体、生体膜あるいはウィルスとすることができる。生体特異的吸着剤としては、例えば抗体、受容体タンパク質、及び核酸が挙げられる。生体特異的吸着剤は、典型的にはクロマトグラフ吸着剤よりもターゲットの検体に対する特異性が高い。SELDIに使用される吸着剤の更なる例は、米国特許第6,225,047号明細書(Hutchens and Yip, “Use of retentate chromatography to generate difference maps”2001年5月1日)中に見出すことができる。
「吸着」とは、吸着剤又は捕捉試薬に対する検体の検出可能な非共有結合のことをいう。
「表面増強感光結合及び放出法(Surface−Enhanced Photolabile Attachment And Release)」すなわち「SEPAR」は、検体に共有結合することができ、次いで光(例えばレーザー光)照射後、プローブの部分における感光結合が切断されることにより検体が脱離することができる表面に結合する部分を有するプローブを使用する、SELDIの変形である。SEPARについては、米国特許第5,719,060号明細書にさらに記述されている。
「検体」とは、検出したいサンプルにおける任意の構成要素のことをいう。この用語は、サンプル中の1種の構成要素だけでなく複数の構成要素においても言及することができる。
アフィニティーキャプチャープローブの吸着性表面に吸着されるサンプルの「複雑度」とは、吸着される、異なるタンパク質種の数を意味する。
「分子結合パートナー」及び「特異的結合パートナー」とは、特異的結合を示す分子ペア、典型的には生体分子ペアのことをいう。分子結合パートナーは、受容体とリガンド、抗体と抗原、ビオチンとアビジン、及びビオチンとストレプトアビジンを含むが、これに限定されない。
「モニタリング」とは、連続的に変わるパラメータの変化を記録することをいう。
「バイオチップ」とは、一般に、吸着剤が結合する平面状の表面を有する固体の基質のことをいう。当該バイオチップの表面は、しばしば複数のアドレス可能な場所を含み、そのそれぞれの場所には吸着剤が結合される。バイオチップは、プローブインターフェースと接合するようになっており、従って、プローブとしても機能することができる。
NP−20バイオチップの場合、酸化ケイ素は親水性のタンパク質を捕捉するための親水性吸着剤として機能する。
「異なった形で存在」という語句は、コントロール被験動物と比較して、ヒト癌を有する患者から採取されたサンプル中に存在するマーカーの量及び/又は頻度の相違のことをいう。例えば、マーカーは、コントロール被験動物のサンプルと比較して、ヒト癌患者のサンプル中で、高い濃度、あるいは低い濃度で存在するポリペプチドであってもよい。また、マーカーは、コントロール被験動物のサンプルと比較して、ヒト癌患者のサンプル中で、高い頻度、あるいは低い頻度で検出されるポリペプチドであってもよい。マーカーは、量、頻度、あるいはその両方の点からみて、異なった形で存在するかもしれない。
また、ヒト癌患者のサンプルにおいてポリペプチドを検出する頻度が、コントロールサンプルと比較して統計的に有意に高い、あるいは低い場合は、ポリペプチドは、二つのサンプルセット間で異なった形で存在する。例えば、他方のサンプルセットと比較して、1つのサンプルセット中に少なくとも約120%、少なくとも約130%、少なくとも約150%、少なくとも約180%、少なくとも約200%、少なくとも約300%、少なくとも約500%、少なくとも約700%、少なくとも約900%、あるいは少なくとも約1000%高頻度、あるいは低頻度にポリペプチドが観察される場合、ポリペプチドは二つのサンプルセット間で異なった形で存在する。
マーカーの「診断量」とは、ヒト癌の診断と一致する被験動物サンプル中のマーカーの量のことをいう。診断量は、絶対量(例えばμg/ml)でも相対量(例えば信号の相対強度)でもどちらでもよい。
マーカーの「コントロール量」とは、任意の量あるいはマーカーのテスト量に対して比較されるべき量の範囲のことをいう。例えば、マーカーのコントロール量は、ヒト癌に罹患していない人におけるマーカーの量であるかもしれない。コントロール量は、絶対量(例えばμg/ml)でも相対量(例えば信号の相対強度)でもどちらでもよい。
「免疫測定法」とは、抗原(例えばマーカー)に特異的に結合する抗体を用いる測定法のことをいう。免疫測定法は、抗原を単離する、対象とする、及び/又は定量するために、特定の抗体の特異的な結合性を利用することにより特徴付けられている。
乳癌の病期に関連する15(14)種のバイオマーカーが同定された。当該14種のバイオマーカーにおけるタンパク質又はタンパク質のフラグメントは、SELDI(表面強調レーザー脱離/イオン化)プロテインチップ/マススペクトルの強度ピークとして表され、分子質量が以下に示す値のあたりに集中している。
マーカーI(BC1): 4283ダルトン
マーカーII(BC2): 8126ダルトン
マーカーIII(BC3): 8932ダルトン
マーカーIV: 4465ダルトン
マーカーV: 4060ダルトン
マーカーVI: 8322ダルトン
マーカーVII: 17046ダルトン
マーカーVIII: 17696ダルトン
マーカーIX: 10240ダルトン
マーカーX: 5891ダルトン
マーカーXI: 8426ダルトン
マーカーXII: 7541ダルトン
マーカーXIII: 9413ダルトン
マーカーXIV: 16244ダルトン
マーカーI〜XIVのこれらの質量は、開示されているSELDI−質量分析のプロトコルにより決定された規定値の0.15%以内の範囲で正確であると考えられる。
マーカーI(BC1): 癌患者のサンプルにおいて下方制御される
マーカーII(BC2): 癌患者のサンプルにおいて上方制御される
マーカーIII(BC3): 癌患者のサンプルにおいて上方制御される
マーカーIV: 癌患者のサンプルにおいて上方制御される
マーカーV: 癌患者のサンプルにおいて上方制御される
マーカーVI: 癌患者のサンプルにおいて上方制御される
マーカーVII: 癌患者のサンプルにおいて上方制御される
マーカーVIII: 癌患者のサンプルにおいて上方制御される
マーカーIX: 癌患者のサンプルにおいて下方制御される
マーカーX: 癌患者のサンプルにおいて下方制御される
マーカーXI: 癌患者のサンプルにおいて上方制御される
マーカーXII: 癌患者のサンプルにおいて下方制御される
マーカーXIII: 癌患者のサンプルにおいて上方制御される
マーカーXIV: 癌患者のサンプルにおいて上方制御される
ヒト癌は、前悪性状態から悪性そして最終的に患者を死に至らしめる転移性疾患への進行を含む多段階のプロセスであるようにみえる。ヒトにおける疫学的研究は、ある病態が悪性腫瘍のリスクの増加に関連しているのを受けて、それを「前癌性」であると規定した。癌予防戦略として、前浸潤性病変を検出し、取り除く前例がある。例えば、子宮頚部の異形成及び上皮内癌は、細胞学的スクリーニング法により子宮頚癌の予防に利用されて成功した前癌性の例である。残念なことに、乳房は、子宮頚部ほど簡単にサンプル採取できないので、乳房の前癌性のためのスクリーニング法の開発には、子宮頚癌を検出するために現在使用されている細胞形態学的スクリーニング法よりも複雑な手段を要する。
好ましい実施の形態では、本発明は、1種以上のマーカー、例えばマーカー4283(BC1),8126(BC2)及び8932(BC3)を用いてヒト癌の診断を補助するための方法を提供する。これらのマーカーは、ヒト癌の診断を補助する際に単独で、あるいは任意のセット中の他のマーカーもしくは全く異なるマーカー(例えばCA15.3やCA27.29)と組み合わせて使用することができる。当該マーカーは、ヒト癌患者(例えば乳癌患者)及びヒト癌を検出することができない正常な被験動物からのサンプル中に異なった形で存在する。例えば、当該マーカーのいくつかは正常な被験動物と比べてヒト癌患者において、高い濃度で発現する及び/又は高い頻度で存在する。従って、人における1種以上のこれらのマーカーの検出は、その人がヒト癌を有しているかもしれない可能性について有用な情報を提供し、また腫瘍の臨床病期を決定することができると考えられる。
これらの方法を用いて、1種以上のマーカーを検出することができる。サンプルは、複数のマーカーの有無について試験されるのが好ましい。単独のマーカーよりも複数のマーカーの有無を検出する方が、診断医により多くの情報を与えることになると考えられる。具体的に、サンプル中の複数のマーカーの検出は、真の陽性診断及び真の陰性診断の割合を増加させ、また偽陽性診断又は偽陰性診断の割合を減少させると考えられる。
次に、マーカー又はマーカー群の検出をヒト癌の推定診断と相関させる。ある実施の形態では、マーカーの量を測らずに、単なるマーカーの有無の検出が有用であり、その検出とヒト癌の推定診断及び腫瘍の臨床病期の決定とを相関させることができる。例えば、これらのバイオマーカーのうち3種(マーカー4283(BC1),8126(BC2),及び8932(BC3))のみを使用することにより、93%の乳癌患者が以下の病期において正確に同定された:ステージ0/I期(93%)、ステージII期(85%)及びステージIII期(94%)。1種のバイオマーカー(BC3)のみを使用しても、ステージ0/I期(88%)、ステージII期(78%)及びステージIII期(92%)を示し、85%の乳癌患者が正確に同定された。こうして、試験される被験動物における1種以上のこれらのマーカーの単なる検出により、その被験動物が腫瘍の異なる臨床病期に進行していることが示される。
同様に、他の実施の形態では、マーカーの検出がさらに、当該マーカーの量が正常な被験動物からの血清サンプル中に含まれる量よりもヒト癌患者からの血清サンプル中に含まれる量が少ない場合における、マーカーの検出とヒト癌の推定診断とを相関させるために、マーカーを定量することを関与させることができる。従って、検査される被験動物において検出されるマーカーの量がコントロール量と比較して低い場合は、検査される当該被験動物が、ヒト癌を有している可能性がより高い。
質量分析により作成されたデータは、次にコンピュータソフトウェアにより分析することができる。ソフトウェアは、質量分析計からの信号をコンピュータに読み込み可能な形式に変換するコードにより構成することができる。また、当該ソフトウェアは、当該信号が本発明のマーカーあるいは他の有用なマーカーに相当する信号における「ピーク」を表しているかどうかを決定するための信号の分析に、アルゴリズムを適用するコードを含むこともできる。また、当該ソフトウェアは、テストサンプルからの信号を、「正常な」及びヒト癌の特徴を示す典型的な信号と比較するアルゴリズムを実行し、またその二つの信号間の適合の接近性を決定するコードを含むこともできる。当該ソフトウェアはまた、どのテストサンプルが最も接近しているかを示すコードも含むことができ、これにより推定診断が提供される。
こうして、本発明は、このような腫瘍に関連するバイオマーカーを同定することにより前浸潤性腫瘍の迅速な同定を提供し、それにより患者は救命治療が与えられるかもしれない。さらに、癌患者の長期治療の費用も削減されると考えられる。
本明細書に記載された1種以上のマーカーを検出するために、任意の適切な方法を用いることができる。これらの方法は、質量分析法(例えばレーザー脱離/イオン化質量分析法)、蛍光法(例えばサンドイッチ免疫測定法)、表面プラズモン共鳴法、偏光解析法及び原子間力顕微鏡法を含むが、これに限定されない。
サンプルはバイオマーカーの検出を行う前に調製するのが好ましい。典型的には、これは検査されるべき被験動物からのサンプルを収集することに関与する。サンプルは、被験動物からの任意の生体サンプルとすることができる。血液、血漿、血清、尿、リンパ液、あるいは管の洗浄液などの生体液又はそれらの由来物質が好ましく、サンプルが血清であるのが最も好ましい。
サンプルをプレ分画し、バイオマーカーを含んでいると決定されたフラクションを集めるのが有用であるかもしれない。プレ分画の方法としては、例えばサイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、ヘパリンクロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、逐次抽出法、ゲル電気泳動法及び液体クロマトグラフィーが挙げられる。検体もまた検出を行う前に改変してもよい。これらの方法は、さらに分析を行う場合、サンプルを単純化するのに有用である。例えば、分析を行う前にアルブミンのような多量のタンパク質を血液から除去することが有用であるかもしれない。しかし、本発明のマーカーは、血液から血清を単離した後は、それ以上分画を行わないでもSELDIにより検出可能である。
このように、サンプル中のタンパク質の結合特性、あるいはサンプル中のタンパク質の特性に基づいて、サンプルの複雑度を減少させる方法はたくさんある。
さらに他の実施の形態では、極性、帯電、サイズのような異なる物理的特性に基づいてサンプル中の生体分子の混合物を分離するために、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いることができる。HPLC装置は、典型的には移動相の貯蔵槽、ポンプ、インジェクター、分離カラム及び検出器より構成される。サンプル中の生体分子は、サンプルのアリコットをカラムに注入することにより分離される。混合物中の異なる生体分子は、移動液相と固定相との間の分配挙動が異なるために、異なる速度でカラムを通過する。1種以上のマーカーの分子量及び/又は物理的特性に相当するフラクションを収集することができる。このフラクションは、次にマーカーを検出するために気相イオン分光分析法により分析することができる。例えば、以下で詳しく説明するMALDI又はSELDI(例えばProteinChip(登録商標)アレイを用いて)のいずれか一方を用いて、当該スポットを分析することができる。
バイオマーカーは、本明細書に記載された任意のバイオチップ、マルチウェルマイクロタイタープレート、又は樹脂のような固体の担体に固定化された捕捉試薬を用いて捕捉されるのが好ましい。特に、本発明のバイオマーカーは、SELDIプロテインバイオチップ上に捕捉されるのが好ましい。捕捉は、クロマトグラフの表面上か生体特異的表面上で行うことができる。本発明のバイオマーカーを捕捉し、検出するために、反応性表面からなる任意のSELDIプロテインバイオチップを用いることができる。しかし、本発明のバイオマーカーは、固定化金属キレートによく結合する。従って、Cu2+やNi2+のような遷移金属イオンをキレート化により吸着するニトリロ酢酸官能基を有するIMAC−3及びIMAC−30バイオチップが、本発明のバイオマーカーを補足する好ましいSELDIバイオチップである。SELDIバイオチップもまた、当該バイオマーカーを特異的に捕捉する抗体を用いて誘導体化することができる、あるいは免疫グロブリンに結合するプロテインAやプロテインGのような捕捉試薬を用いて誘導体化することができる。次に、特定の抗体を用いて溶液中のバイオマーカーを捕捉することができ、その捕捉されたマーカーは、捕捉試薬を介してチップ上で単離することができる。
A.分光分析法
プロテインバイオチップの表面に捕捉された検体は、当該技術分野に公知である任意の方法により検出することができる。この方法としては、例えば質量分析法、蛍光法、表面プラズモン共鳴法、偏光解析法及び原子間力顕微鏡法が挙げられる。質量分析法、特にSELDI質量分析法が、本発明のバイオマーカーの検出に対し特に有用な方法である。好ましくは、レーザー脱離飛行時間型質量分析計を本発明の実施の形態で用いる。
レーザー脱離質量分析法では、マーカーを含む基質又はプローブはインレットシステムに導入される。マーカーはイオン源からのレーザー光により気相中に脱離及びイオン化される。生成されたイオンは、イオン・オプティック・アセンブリ(ion optic assembly)により収集され、次いで飛行時間型質量分析計において、イオンは短時間の高圧領域を通って加速され、高真空チャンバーへと漂流される。高真空チャンバーの末端部では、この加速されたイオンが高感度の検出器の表面を異なる時間に衝突する。この飛行時間はイオンの質量における機能なので、帯電率に対する特定の質量のマーカーの有無を確認するために、イオンが形成されてからイオン検出器に衝突するまでの経過時間を利用することができる。
さらに他の実施の形態では、マーカーを検出し、特徴付けるために全イオン電流測定装置を用いることができる。この装置は、基質が1種のマーカーのみを有する場合に使用することができる。1種のマーカーが基質上にある場合、イオン化されたマーカーから生成された全電流は、マーカーの量及び他の特徴を反映する。マーカーより生成された全イオン流は、次にコントロール(例えば公知の化合物の全イオン流)と比較することができる。マーカーの量及び他の特徴は次に決定することができる。
他の実施の形態では、サンプル中のマーカーを検出及び分析するために免疫測定法を用いることができる。この方法は、(a)マーカーに特異的に結合する抗体を提供すること;(b)サンプルをその抗体に接触させること;及び(c)そのサンプルについてそのマーカーに結合した抗体の複合体の有無を検出することからなる。
マーカーに特異的に結合する抗体を調製するために、精製されたマーカー又はその核酸配列を用いることができる。マーカーについての核酸配列及びアミノ酸配列は、これらのマーカーをさらに特徴付けることによって入手することができる。例えば、各マーカーは、多くの酵素(例えばトリプシン、V8プロテアーゼなど)を用いてマッピングされたペプチドにすることができる。各マーカーから消化により生成されたフラグメントの分子量を用いてSwissProtデータベースのようなデータベースを検索し、その各種酵素により生成された消化フラグメントの分子量と一致する配列を得ることができる。この方法を用いて、他のマーカーの核酸及びアミノ酸の配列を、もしそのマーカーがデータベースにおける公知のタンパク質ならば、同定することができる。
免疫測定法は、サンプル中のマーカーの有無及びサンプル中のマーカーの量を決定するために用いることができる。まず、サンプル中のマーカーのテスト量を上記の免疫測定法を用いて検出することができる。もしマーカーがサンプル中に存在するならば、上記の適切なインキュベーション条件下でマーカーに特異的に結合する抗体を用いて、抗体とマーカーの複合体が形成される。抗体とマーカーの複合体の量は、標準品と比較することにより決定することができる。標準品は、例えば公知の化合物あるいはサンプル中に存在することが公知である他のタンパク質とすることができる。上記のように、マーカーのテスト量は、その測定単位がコントロールと比較することが可能ならば、絶対単位で測定する必要は無い。
質量分析によるデータ作成は、イオン検出器によりイオンを検出することから始まる。典型的なレーザー脱離質量分析計は337.1nmの窒素レーザーを使用することができる。有用なパルス幅は約4ナノ秒であり、一般に約1〜25Jの出力が使用される。検出器に衝突するイオンは電位を生成し、それはアナログ信号をデジタル化して捕集する高速時間配列記録装置によりデジタル化される。サイファージェンのProteinChip(登録商標)システムは、これを実行するためにアナログ・デジタル・コンバータ(ADC)を使用する。ADCは、一定時間ごとに検出器のアウトプットを時間依存性ビン(time−dependent bins)に統合する。時間間隔は、典型的には1から4ナノ秒である。さらに、最終的に分析される飛行時間スペクトルは、典型的にはサンプルに対するイオン化エネルギーの単一パルスからの信号ではなく、多数のパルスからの信号の合計を表す。これはノイズを減少させ、ダイナミック・レンジを増加させる。この飛行時間データは、次にデータ処理される。サイファージェンのProteinChip(登録商標)ソフトウェアでは、データ処理は典型的には、TOFからM/Zへの変換、ベースライン減算、高周波ノイズフィルタリングを含む。
高周波ノイズ信号は、平滑化関数を適用することにより排除される。典型的な平滑化関数は、移動平均機能を各時間依存性ビン(time−dependent bin)に適用される。改良版では、移動平均フィルターは、例えばピークバンド幅の関数としてフィルターのバンド幅が異なる可変幅のデジタルフィルターであり、一般に飛行時間が増加するにつれて広くなる(例えば、国際公開第WO 00/70648号明細書、2000年11月23日(Gavin et al.,“Variable Width Digital Filter for Time−of−flight Mass Spectrometry”)参照)。
本発明の実施の形態で生成されたスペクトルは、分類モデルを使用するパターン認識処理を用いて分類することができる。一般に、スペクトルは少なくとも二つの異なるグループからのサンプルを表し、そのための分類アルゴリズムが探求される。そのグループは、例えば病的対非病的(例えば、癌対非癌)、薬物反応者対薬物非反応者、毒性反応対非毒性反応、病期が進行する人対病期が進行しない人、表現型条件がある人対表現型条件がない人等が挙げられる。
分類モデルは、データ中に存在する目的のパラメータに基づいてデータ本体をクラスに分類しようとする任意の適切な統計的な分類(又は「学習」)法を用いて作成することができる。分類法は、教師付きでも教師なしでもどちらでもよい。教師付き分類及び教師なし分類処理の例は、Jain,“Statistical Pattern Recognition:A Review”,IEEE Transactions on Pattern Analysis and Machine Intelligence,Vol.22,No.1,January 2000に記述されている。
本発明の実施の形態によるトレーニングデータセット及び分類モデルは、デジタルコンピュータにより実行される、あるいは使用されるコンピュータコードにより統合することができる。このコンピュータコードは、光ディスク、磁気ディスク、スティック、テープなど、任意の適切なコンピュータ可読の媒体に保存することができ、且つC,C++、ビジュアルベーシックなどの、任意の適切なコンピュータプログラミング言語で書き込むことができる。
任意のバイオマーカーが個別的に、乳癌の状態の決定を補助するのに有用である。まず、被験動物のサンプル中の選択されたバイオマーカーを本明細書に記述した方法(例えば、SELDI IMAC−Niバイオチップ上で捕捉し、次に質量分析法により検出する)を用いて測定する。次に、その測定値を診断量又は乳癌の状態を癌に罹患していない状態から識別するコントロールと比較する。診断量は、特定のバイオマーカーが癌に罹患していない状態と比較すると、癌の状態において上方制御又は下方制御されるという本明細書での情報を反映する。当該技術分野でよく知られているように、使用される特定の診断量は、診断医の好みに応じて、診断検査の感度又は特異度が増加するように調整することができる。従って、テスト量と診断量を比較することにより、乳癌の状態が示される。
このバイオマーカーを組み合わせて使用するためには、ロジスティック回帰アルゴリズムが有用である。テストデータより診断アルゴリズムを作成するためにUMSAアルゴリズムが特に有用である。このアルゴリズムは、Z.Zhang et al.,Applying classification separability analysis to microaary dataに開示されている。(In:Lin,SM,Johnson,KF,eds.Methods of Microarray data analysis:papers from CAMDA ’00.Boston:Kluwer Academic Publishers,2001:125−136;and Z.Zhang et al.,Fishing Expedition −a Supervised Approach to Extract Patterns from a Compendium of Expression Profiles. In Lin SM, Johnson,KF,eds.Microarray Data Analysis II:Papers from CAMDA ’01.Boston:Kluwer Academic Publishers,2002)
本出願に引用された全ての出版物及び特許文献は、個々の出版物又は特許文献がそのように個別に示されているのと同程度のあらゆる目的で、その全内容は本明細書に参照として取り込まれる。各種の参考文献を本明細書に引用することにより、本出願者らは任意の特定の参考文献が本発明の「先行技術」であるとは認めない。
概説
以下の実施例では、以下に示す材料と方法が使用された。
サンプル
遡及的血清サンプルは、臨床試験におけるジョーンズ・ホプキンス・ジョイント・コミティー(Johns Hopkins Joint Committee on Clinical Investigation)が承認したプロトコルに従って、ジョーンズ・ホプキンスの臨床化学血清バンクから入手した。本試験には、全部で169の検体が含まれた。癌グループは、異なる臨床病期(ステージ0期(n=4)、ステージI期(n=38)、ステージII期(n=37)及びステージIII期(n=24))の乳癌患者から103の血清サンプルより構成された。診断は病理学的に確認し、検体は治療前に入手した。これらの患者のうち、6名の年齢の情報が入手できなかった。残り96名の患者の年齢は34歳から87歳の範囲にわたり、中央値は56歳だった。癌に罹患していないコントロールグループは、25名の良性の乳房疾患(BN)及び41名の健康な女性(HC)からの血清より構成された。21名の健康な女性からは、正確な年齢の情報を入手できなかった。残り20名の健康な女性の年齢は39歳から57歳の範囲にわたり、中央値は45歳だった。良性状態のグループの年齢は21歳から78歳の範囲にわたり、中央値は48歳だった。全てのサンプルは、使用するまで−80℃で保存した。
20μlの各血清サンプルに、30μlの8Mの尿素、1%のCHAPSを含むPBS(pH7.4)を加えた。混合液は4℃で15分間ボルテックスし、PBSで1:40の比となるように希釈した。固定化金属アフィニティーキャプチャーチップ(IMAC3)は、メーカーの使用説明書(サイファージェン・バイオシステムズ社、カリフォルニア州)に従って、50mMのNiSO4で活性化させた。50μlの希釈したサンプルを、96ウェルバイオプロセッサ(サイファージェン・バイオシステムズ社、カリフォルニア州)を用いてプロテインチップアレイ上のスポットにそれぞれアプライした。プラットフォームシェーカー上で室温にて60分間結合させた後、100μlのPBSで5分間のアレイの洗浄を2回行い、次に100μlのdH2Oで2回すばやくリンスした。風乾した後、50%のアセトニトリル及び0.5%のトリフルオロ酢酸で調製した0.5μlの飽和シナピン酸(SPA)を各スポットに2回アプライした。キレート化した金属(ヒスチジン、トリプトファン、システイン又はリン酸化アミノ酸を介して)に結合したタンパク質は、PBS−IIマスリーダーで検出した。強度を240、検出器の感度を8にして、80のレーザーショットを平均化することにより、データを収集した。再現性は2つの代表的な血清サンプル(一つは健常コントロールから、もう一つは癌患者から)を用いて評価した。二つのバイオプロセッサのそれぞれにおいて、一つのIMAC−Niチップの8ベイト表面の全てに、各血清サンプルをスポットした。変動係数は、選択されたマスピークについて評価した。
2K〜150K間のM/Zを有する認定されたマスピーク(S/N>5、及び0.3%のクラスター・マス・ウィンドウ(cluster mass window))を選択し、プロテインチップ・ソフトウェア3.0(サイファージェン・バイオシステムズ社、カリフォルニア州)を用いてピーク強度を全イオン流に対して正規化した。更なる事前の処理工程は、目的のスペクトル(M/Z=2kD〜150kD)の全ての範囲にわたって、より一貫性のあるレベルのデータのばらつきを得るために、ピーク強度のデータに適用された対数変換が含まれた。
乳癌を早期段階で検出することができる有望なバイオマーカーを同定するために、ステージ0〜I期の乳癌患者からの検体のタンパク質プロファイルを癌に罹患していないコントロールのものと比較した。分析は、ProPeakの三種全てのモジュールを用い、複数回繰り返して行った。この繰り返しの過程で、元の完全なスペクトルは、二つの選択された診断グループ間の最適な分離において高レベルの有意性を一貫して実証するマスピークの小さいサブセットまでに削減された。
IMAC−Ni2+チップ上に保持された血清タンパク質は、PBS−IIマスリーダーで分析した。全部で147の2KDを超えるM/Zを有する定量化したマスピーク(S/N>5、及び0.3%のクラスター・マス・ウィンドウ(cluster mass window))を選択した。2KDに満たないM/Zのピークは、マトリックスからの干渉を排除するために除外される。オール・イン・1・プロテイン標準品(All In 1 Protein Standard(サイファージェン・バイオシステムズ社、カリフォルニア州))を用いて外部キャリブレーションにより0.1%の質量の正確性が達成された。このような分析から得られた代表的なスペクトルを図2に示す。対数変換をピーク強度値に適用した。図3のプロットは、対数変換によるばらつき低減及び同等化の効果を示す。
乳癌を早期に検出する可能性があるバイオマーカーを同定するために、早期癌の罹患者を陽性グループ(ステージ0〜I期、n=42)及び癌に罹患していないコントロールを陰性グループ(HC+BN、n=66)として用い、UMSAを実行した。まず、147のマスピーク全ての一次結合から導き出されたUMSAを用いて、二つのグループ間の分離可能度を試験した。早期癌は、全てのタンパク質プロファイルを比較した際に、癌に罹患していないグループから分離することができた。図4Aは、UMSA成分3D空間における早期癌に罹患しているグループ(淡色)と癌に罹患していないグループ(濃色)をプロットしたものである。
一貫して良い成績を示すバイオマーカーを選択するために、ProPeakブートストラップモジュールを用いてUMSAを繰り返し適用し、毎回30%の除外率で合計100回行った。同様の手順を、シミュレートされたランダムデータセットにも適用した。シミュレートされたデータから導き出された最小標準偏差は7だった。実験データでは、15のマスピークがこの値よりも小さい標準偏差を有していた。このマスピークのサブセットは、さらに分析するために、候補バイオマーカーとして選択した。これらの平均ランク及び相当する標準偏差をプロットしたものを図4に示す。
これら3種のバイオマーカーの記述統計を表1に記載する。図7はROC分析の結果を示す。この3種のバイオマーカーのうち、BC3が最も個別的な診断力を示した。癌患者の臨床病期を含む診断グループにわたるBC3の寄与をプロットし、これを図8Aに示す。診断グループを識別するために、0.8のカットオフ値でBC3のみを用いた際の感度及び特異度を表2Aに記載する。
対数変換したピーク強度の推定CVは、BC1については6%、BC2については7%、そしてBC3については13%だった(データは図示せず)。この3種のバイオマーカーのうち、BC3が最も高い13%のCVを有していた。これに対し、癌患者におけるBC3の平均値は、癌に罹患していないコントロールの平均値よりもほぼ90%高かった(表1のデータの基づいて算出)。
図9は、ペアにしたバイオマーカーの全ての組み合わせにおける、癌に罹患していないコントロールに対する全臨床病期の癌患者の分布を比較したものである。この観察に基づいて、3種の選択されたバイオマーカーを組み合わせるために多変量ロジスティック回帰を使用し、単一値の複合指数を作成した。この複合指数の記述統計は、表1に付加する。様々な診断グループにわたる分布をプロットし、これを図8Bに示す。複合指数のROC曲線分析により、個々のバイオマーカーからのものと比較して非常に改善されたAUCが提供された(図7)。
また、pT(腫瘍サイズ)及びpN(リンパ節転移)のカテゴリーに関して、この3種の有望なバイオマーカーのレベルも評価した。有意な相関は何もみられなかった。
乳癌を有している及び有していない女性からの169の血清サンプルのタンパク質プロファイルを分析し、3種のタンパク質(8.9KD、8.1KD、4.3KD)のパネルが、組み合わせて使用することにより、高い感度(ステージ0〜III期:93%)及び高い特異度(健康なコントロール+良性:91%)で乳癌を検出することができることを確認した。この3種のマーカーのうち、8.9KDのタンパク質が最も良い成績を示し、85%の感度及び91%の特異度を達成した。
Claims (57)
- (a)被験動物からのサンプルについて、少なくとも1種のバイオマーカーを測定すること、及び
(b)前記測定値と乳癌の状態とを相関させること、
を含んで成る被験動物の乳癌を認定する方法において、前記バイオマーカーが、
マーカーI(BC1)
マーカーII(BC2)
マーカーIII(BC3)
マーカーIV
マーカーV
マーカーVI
マーカーVII
マーカーVIII
マーカーIX
マーカーX
マーカーXI
マーカーXII
マーカーXIII
マーカーXIV
及び、これらの組み合わせ
からなる群より選択される方法。 - (c)前記の状態に基づいて被験動物の治療を管理することを更に含んで成る、請求項1に記載の方法。
- 被験動物の治療を管理することが、より多くの休息を命令すること、手術を実施すること、及び更なる措置を取らないことより選択される、請求項2に記載の方法。
- (d)被験動物の管理後、前記少なくとも1種のバイオマーカーを測定することを更に含んで成る、請求項2に記載の方法。
- 乳癌の状態が、被験動物の癌のリスク、疾病の有無、疾病の病期、及び治療の有効性からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
- 測定することが、質量分析法により検出することを含んで成る、請求項1に記載の方法。
- 少なくとも1種のバイオマーカーが、マーカーI(BC1)、マーカーII(BC2)、及びマーカーIII(BC3)より選択される、請求項1に記載の方法。
- 被験動物からのサンプルについて、公知の乳癌におけるバイオマーカーを測定すること、及び公知のバイオマーカーの測定値及びマーカーI〜XIVのうちのいずれか1種以上の測定値と、乳癌の状態とを相関させることを更に含んで成る、請求項1に記載の方法。
- 公知のバイオマーカーが、CA15.3又はCA27.29から選択される、請求項8に記載の方法。
- マーカーI(BC1)、マーカーII(BC2)、及びマーカーIII(BC3)を測定することを含んで成る、請求項1に記載の方法。
- 被験動物からのサンプルについて、公知の乳癌におけるバイオマーカーを測定すること、公知のバイオマーカーの測定値及びマーカーI〜XIVのうちのいずれか1種以上の測定値と、乳癌の状態とを相関させることを更に含んで成る、請求項10に記載の方法。
- 公知のバイオマーカーが、CA15.3又はCA27.29から選択される、請求項11に記載の方法。
- 測定することが、
(a)血液又は血液由来物質の被験動物のサンプルを用意すること、
(b)サンプルからマーカーI〜XIVのうち1種以上を、タンパク質バイオマーカーと結合する捕捉試薬を含有する基質の表面に捕捉させること、
を含んで成る、請求項1に記載の方法。 - 基質が、IMAC−Ni表面を含有するSELDIプローブであり、タンパク質バイオマーカーがSELDIにより検出される、請求項13に記載の方法。
- 基質が、マーカーI〜XIVのうち1種以上と結合する生体特異的親和性試薬を含有するSELDIプローブであり、タンパク質バイオマーカーが、SELDIにより検出される、請求項13に記載の方法。
- 基質が、マーカーI〜XVのうち1種以上と結合する生体特異的親和性試薬を含有するマイクロタイタープレートであり、タンパク質バイオマーカーが、免疫測定法により検出される、請求項13に記載の方法。
- 測定することが、バイオマーカー(又はバイオマーカー群)の有無を検出すること、そのマーカー(又はマーカー群)の量を測定すること、及びバイオマーカーのタイプを認定することから選択される、請求項1に記載の方法。
- 少なくとも1種のバイオマーカーが、バイオチップアレイを用いて測定される、請求項1に記載の方法。
- バイオチップアレイが、プロテインチップアレイである、請求項18に記載の方法。
- バイオチップアレイが、核酸アレイである、請求項18に記載の方法。
- 少なくとも1種のバイオマーカーが、バイオチップアレイに固定化されている、請求項18に記載の方法。
- タンパク質バイオマーカーが、SELDIにより測定される、請求項1に記載の方法。
- タンパク質バイオマーカーが、免疫測定法により測定される、請求項1に記載の方法。
- 相関させることが、分類アルゴリズムソフトウェアにより行われる、請求項1に記載の方法。
- サンプルが、血液、血清及び血漿から選択される、請求項1に記載の方法。
- (a)被験動物からのサンプルについて、複数のバイオマーカーを測定すること、
を含んで成る方法において、複数のバイオマーカーが、
マーカーI(BC1)
マーカーII(BC2)
マーカーIII(BC3)
マーカーIV
マーカーV
マーカーVI
マーカーVII
マーカーVIII
マーカーIX
マーカーX
マーカーXI
マーカーXII
マーカーXIII、及び
マーカーXIV
からなる群より選択される方法。 - 複数のバイオマーカーが、マーカーI(BC1)、マーカーII(BC2)、及びマーカーIII(BC3)を含む、請求項26に記載の方法。
- 公知のバイオマーカーを測定することを更に含んで成る、請求項26に記載の方法。
- 公知のバイオマーカーが、CA15.3又はCA27.29から選択される、請求項26に記載の方法。
- タンパク質バイオマーカーが、SELDI又は免疫測定法により検出される、請求項26に記載の方法。
- サンプルが、血液、血清及び血漿から選択される、請求項26に記載の方法。
- (a)被験動物からのサンプルについて、少なくとも1種のバイオマーカーを測定すること、を含んで成る方法において、前記バイオマーカーが、
マーカーI(BC1)
マーカーII(BC2)
マーカーIII(BC3)
マーカーIV
マーカーV
マーカーVI
マーカーVII
マーカーVIII
マーカーIX
マーカーX
マーカーXI
マーカーXII
マーカーXIII、及び
マーカーXIV
及び、これらの組み合わせ
からなる群より選択される方法。 - 公知のバイオマーカーを測定することを更に含んで成る、請求項32に記載の方法。
- 公知のバイオマーカーが、CA15.3又はCA27.29から選択される、請求項33に記載の方法。
- タンパク質バイオマーカーが、SELDI又は免疫測定法により検出される、請求項32に記載の方法。
- サンプルが、血液、血清及び血漿から選択される、請求項32に記載の方法。
- (a)マーカーI(BC1)
マーカーII(BC2)
マーカーIII(BC3)
マーカーIV
マーカーV
マーカーVI
マーカーVII
マーカーVIII
マーカーIX
マーカーX
マーカーXI
マーカーXII
マーカーXIII、及び
マーカーXIV
及び、これらの組み合わせ
からなる群より選択されるバイオマーカーと結合する捕捉試薬、及び
(b)少なくとも1種の前記バイオマーカーを含有する容器、
を含んで成るキット。 - 捕捉試薬が複数のバイオマーカーと結合するキットである、請求項37に記載のキット。
- 捕捉試薬がSELDIプローブであるキットである、請求項37に記載のキット。
- さらにCA15.3又はCA27.29と結合する捕捉試薬を更に含んで成る、請求項37に記載のキット。
- 第一の捕捉試薬が結合しないバイオマーカーの一つに結合する第二の捕捉試薬を更に含んで成る、請求項37に記載のキット。
- (a)マーカーI(BC1)
マーカーII(BC2)
マーカーIII(BC3)
マーカーIV
マーカーV
マーカーVI
マーカーVII
マーカーVIII
マーカーIX
マーカーX
マーカーXI
マーカーXII
マーカーXIII、及び
マーカーXIV
からなる群より選択される、少なくとも1種のバイオマーカーと結合する第一の捕捉試薬、及び
(b)第一の捕捉試薬が結合しない前記バイオマーカーのうち少なくとも一種に結合する第二の捕捉試薬、
を含んで成るキット。 - 少なくとも1種の捕捉試薬が抗体である、請求項42に記載のキット。
- 少なくとも1種の捕捉試薬と結合する、もしくは結合できるMSプローブを更に含んで成る、請求項42に記載のキット。
- 捕捉試薬が、固定化金属キレート(IMAC)である、請求項42に記載のキット。
- 洗浄後、他のバイオマーカーと比較して、捕捉試薬に結合しているバイオマーカーの保持を選択的に可能にする洗浄液を更に含んで成る、請求項42に記載のキット。
- (a)マーカーI(BC1)
マーカーII(BC2)
マーカーIII(BC3)
マーカーIV
マーカーV
マーカーVI
マーカーVII
マーカーVIII
マーカーIX
マーカーX
マーカーXI
マーカーXII
マーカーXIII、及び
マーカーXIV
からなる群より選択される、少なくとも1種のバイオマーカーと結合する第一の捕捉試薬、及び
(b)前記バイオマーカーを検出する前記捕捉試薬の使用説明書
を含んで成るキット。 - 捕捉試薬が抗体である、請求項47に記載のキット。
- 捕捉試薬と結合する、もしくは結合できるMSプローブを更に含んで成る、請求項47に記載のキット。
- 捕捉試薬が、固定化金属キレート(IMAC)である、請求項47に記載のキット。
- 洗浄後、他のバイオマーカーと比較して、捕捉試薬に結合しているバイオマーカーの保持を選択的に可能にする洗浄液を更に含んで成る、請求項47に記載のキット。
- 癌の検出のためのキットの使用説明書を更に含んで成る、請求項47に記載のキット。
- 使用説明書がテストサンプルを捕捉試薬に接触させ、捕捉試薬により保持された1種以上のバイオマーカーを検出する方法を提供する、請求項52に記載のキット。
- (a)マーカーI(BC1)
マーカーII(BC2)
マーカーIII(BC3)
マーカーIV
マーカーV
マーカーVI
マーカーVII
マーカーVIII
マーカーIX
マーカーX
マーカーXI
マーカーXII
マーカーXIII、及び
マーカーXIV
からなる群より選択される、少なくとも2種のバイオマーカーと結合する少なくとも1種の捕捉試薬、
を含んで成る製造品。 - 公知のバイオマーカーと結合する捕捉試薬を更に含んで成る、請求項54に記載の製造品。
- 公知のバイオマーカーがCA15.3又はCA27.29である、請求項55に記載の製造品。
- (a)それぞれの捕捉試薬が、
マーカーI(BC1)
マーカーII(BC2)
マーカーIII(BC3)
マーカーIV
マーカーV
マーカーVI
マーカーVII
マーカーVIII
マーカーIX
マーカーX
マーカーXI
マーカーXII
マーカーXIII、及び
マーカーXIV
からなる群より選択される、異なるバイオマーカーと結合した複数の捕捉試薬、
を含んで成るシステム。
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