JP2011253961A - 信号端子を有するセラミックス回路基板の製造方法 - Google Patents

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卓 藤田
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Abstract

【課題】表面に金属回路板および金属放熱板を備えたセラミックス回路基板の金属回路板に厚さ1mm以上の信号端子を超音波接合した際に、セラミックス基板にクラックや割れが発生するのを防止した信号端子を有するセラミックス回路基板の製造方法を提供する。
【解決手段】セラミックス基板11の一方の表面に金属回路板12を備え、もう一方の表面に金属回路板12より厚さの厚い金属放熱板を備えたセラミックス回路基板20の金属回路板12の表面に厚さ1.0mm以上の信号端子13の一部を積層し、超音波ホーンを信号端子13に押圧して金属回路板12と信号端子13とを接合する信号端子を有するセラミックス回路基板の製造方法において、信号端子13のホーン押圧箇所15の外縁と金属回路板12の外縁との距離を0.5mm以上とし、かつ信号端子13のホーン押圧箇所15の外縁と信号端子13の接合面の外縁との距離を0.5mm以上とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属回路板に信号端子を超音波接合によって圧着接合したセラミック回路基板の製造方法に関するものである。
近年、電動車両用インバータとして高電圧、大電流動作が可能なパワー半導体モジュール(例えばIGBTモジュール)が用いられている。こうした半導体モジュールには、セラミックス基板上に銅やアルミニウムなどからなる金属回路板等がろう付けなどの方法で形成された回路基板に半導体チップが接合され、搭載された形態のものが用いられる。この回路基板から出力を外部に取り出す、あるいはこれに信号を入力する形態は様々であるが、特に大電流を流す場合には、厚さ1mm以上の厚い金属板で構成された信号端子を設け、信号端子をセラミックス基板の外側にはみ出した形態で設置する。信号端子においてセラミックス基板から充分離れた箇所に接続孔(外部配線接続部)が設けられ、ここに外部配線をビス止め等の方法で固定することによって大電流の信号を外部配線に取り出す、あるいは半導体チップに電流を流すことができる。なお、セラミックス基板の金属回路板が形成された面と反対側の面には、半導体チップで発生した熱を放熱するため、ろう付けなどの方法で金属放熱板が形成される。
信号端子と金属回路板は、半田や超音波接合法などで直接接合されるが、半田を用いて接合する場合は、半導体チップを実装するときの加熱温度で接合がはずれないように、その加熱温度より融点が高い半田が必要であったり、半導体モジュールとして使用されるときに発生する熱・振動により半田にクラックが発生して、信頼性が劣化する場合があった。このため、より信頼性の高い超音波接合法が用いられるようになってきた。超音波接合法による金属回路板と信号端子の接合は、信号端子と金属回路板を積層した後に振動するホーンを信号端子表面に圧着し、積層部に加圧しつつ超音波を印加して行われる。これにより、信号端子と金属回路板中の金属原子が相互拡散した領域である接合部を形成して直接接合する技術である。超音波接合では、半田による接合と異なり、常温における接合も可能である。
上記の金属回路板に信号端子を接合したセラミック回路基板において、特に、大電流を信号端子に流す場合には、信号端子を厚くし、セラミックス基板から大きく離れた箇所に接続孔(外部配線接続部)を設ける必要がある。従って、接続孔への外部配線の接続時や、これが組み込まれた装置の使用時において、信号端子と金属回路板との接合部に大きな負担がかかる。これに対処するために、これらの接合強度と接合面積を充分大きくすることが必要になる。しかしながら、超音波接合法で信号端子と金属回路板を接合する際に、充分な接合強度を得る目的で加圧力を高くしたり、超音波のパワーを高くした場合、セラミックス基板は脆性材料であるため、接合部直下のセラミックス基板にクラックや割れが生ずることがある。
この点を改善して超音波接合を利用して信号端子を有するセラミックス回路基板を作成する技術は、例えば特許文献1に記載されている。この技術においては、金属回路板と信号端子との融着部外縁から金属回路板の外縁までの距離を1mm以上として金属回路板と信号端子との接合強度を5kN/m以上とすることにより、超音波接合時の高圧力が金属回路板の端部に集中せず、良好に分散し、また、瞬間的に発生する500℃以上の高熱が分散して放熱するため、金属回路板と信号端子との融着部分に充分な拡散層を形成しつつ、セラミック基板の部分的クラックの発生を防止することができるとしている。その結果、セラミックス基板の機械強度が高く信号端子と金属回路板との接合信頼性の高いセラミックス回路基板とすることができるとしている。
特開2002−164461号公報
前記セラミックス回路基板にSiC半導体チップのように特に大電流で動作する電子部品を搭載する場合、信号端子の電気抵抗を充分に小さくするためには信号端子をこれに応じて1mm以上に厚く、かつその面積を大きくして接合面積を確保することが必要になる。この厚い信号端子を介して超音波接合を行う場合、超音波パワー厚い信号端子により分散するため、充分な接合強度および接合面積を得るためには、ホーンの加圧力及び超音波の印加パワーを従来技術以上に高くすることが必要となり、特許文献1の金属回路板と信号端子との融着部外縁から金属回路板の外縁までの距離や金属回路板と信号端子の接合強度を規定する技術を用いた場合でも接合部近傍のセラミックス基板にクラックや割れを生ずることがあった。
また、半導体チップでの大電流により発生する熱を放散させる目的で、金属回路板が形成された面と反対側の面に形成された金属放熱板に、金属回路板より厚さの厚いものを形成した場合は、セラミックス基板と金属回路板及び金属放熱板をろう付けなどの方法で接合する際に、厚さの異なる金属板によってセラミックス回路基板に反りが発生する。この反りが発生したセラミックス回路基板の金属回路板表面に、厚さ1.0mm以上の厚い信号端子の一部を積層し、超音波ホーンを信号端子に押圧して超音波を印加して前記金属回路板と前記信号端子とを圧着接合する場合、押圧力が部分的に集中してしまい、信号端子と金属回路板との間の充分な接合強度および接合面積が得られないのとともに、セラミックス回路基板にクラックや割れが生じるという問題もあった。
本発明は、斯かる問題点に鑑みてなされたものであり、上記問題点を解決し、信号端子と金属回路板を超音波で接合した際に、セラミックス回路基板にクラックや割れが生じにくいセラミックス回路基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に対応すべく鋭意検討した結果、以下の発明に想到した。
本発明は、セラミックス基板の一方の表面に金属回路板を備え、もう一方の表面に前記金属回路板より厚さの厚い金属放熱板を備えたセラミックス回路基板の前記金属回路板の表面に厚さ1.0mm以上の信号端子の一部を積層し、超音波ホーンを前記信号端子に押圧して超音波を印加することによって前記金属回路板と前記信号端子とを接合する信号端子を有するセラミックス回路基板の製造方法において、前記信号端子のホーン押圧箇所の外縁と前記金属回路板の外縁との距離を0.5mm以上とし、かつ前記信号端子のホーン押圧箇所の外縁と信号端子の接合面の外縁との距離を0.5mm以上とすることを特徴とする。
本発明の信号端子を有するセラミックス回路基板の製造方法において、前記金属回路板の厚さが0.5〜2mm、前記金属放熱板の厚さが1〜5mmであることが好ましい。
本発明の信号端子を有するセラミックス回路基板の製造方法において、前記信号端子の厚さが1〜3mmであることが好ましい。
本発明の信号端子を有するセラミックス回路基板の製造方法において、前記前記金属回路板の表面に信号端子の一部を積層し、超音波ホーンを信号端子に押圧して超音波を印加することによって前記金属回路板と前記信号端子とを圧着接合する前に、前記セラミックス回路基板の金属回路板を備えた面及び金属放熱板を備えた面に10MPa以上の加圧力を加えることが好ましい。
本発明は、セラミックス基板の一方の表面に金属回路板を備え、もう一方の表面に金属放熱板を備えたセラミックス回路基板の前記金属回路板の表面に信号端子を超音波接合する際に、前記信号端子のホーン押圧箇所の外縁と前記金属回路板の外縁との距離および前記ホーン押圧箇所の外縁と信号端子の接合面の外縁との距離の何れをも0.5mm以上としているため、信号端子の厚さを1mm以上とし、セラミックス基板の一方の表面に金属回路板を備え、もう一方の表面に前記金属回路板より厚さの厚い金属放熱板を備えたセラミックス回路基板の場合であっても、超音波接合による押圧力が金属回路板の端部に集中せず、良好に分散し、金属回路板と信号端子間の高い接合強度が得られ、セラミックス基板にクラックや割れが発生するのを防止することができる。
本発明の実施の形態に係る回路基板の平面図である。 図1におけるA−A断面図である。 図1に示す信号端子のホーン押圧箇所15の要部拡大図である。
以下、本発明の実施形態を具体的に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識にも基づいて、以下の実施形態に対して、適宜変更、改良が加えられたものも本発明の範囲内に入る。
図1及び図2は、本発明の信号端子を有するセラミックス回路基板の製造方法の一実施形態を示す模式的な図面であり、図1は、信号端子を有するセラミックス回路基板10の平面図、図2は図1におけるA−A断面の断面図である。
本発明の信号端子を有するセラミックス回路基板20の製造方法において、セラミックス基板11の一方の表面に金属回路板12を備え、もう一方の表面に前記金属回路板より厚さの厚い金属放熱板17を備えたセラミックス回路基板20の前記金属回路板12の表面に厚さ1.0mm以上の信号端子13の一部を積層し、前記信号端子のホーン押圧箇所15の外縁と前記金属回路板12の外縁との距離18が0.5mm以上、かつ前記信号端子のホーン押圧箇所15の外縁と信号端子の接合面の外縁との距離19が0.5mm以上となるように、超音波ホーンを前記信号端子に押圧して超音波を印加して、前記金属回路板と前記信号端子を超音波接合する。信号端子の厚さが1.0mm以上の厚い信号端子の場合、充分な接合強度を得ようとして超音波ホーンの加圧力や超音波パワーを高くするとセラミックス基板に割れが発生し易くなり、またセラミックス基板の両面に厚さの異なる金属回路板及び金属放熱板を形成したセラミックス回路基板の場合、反りが発生するため、超音波ホーンの加圧による応力集中によりセラミックス基板に割れが発生し易くなるが、ホーン押圧箇所15の外縁から金属回路板12との外縁までの距離18を0.5mm以上とすることに加え、ホーン押圧箇所15の外縁から信号端子13の接合面の外縁までの距離19を0.5mm以上とすることにより、超音波接合による押圧力が金属回路板の端部に集中せず、良好に分散し、ホーン圧着箇所15の直下において信号端子13と金属回路板12とが接触した箇所には、信号端子と金属回路板との相互拡散による接合部16が形成され、信号端子13と金属回路板12とが接合される。これにより、金属回路板と信号端子間の高い接合強度が得られ、セラミックス基板11にクラックや割れが発生するのを防止することができる。なお、図2ではホーン押圧箇所15と接合部16は同一寸法としているが、接合部16の面積は超音波接合条件によりホーン押圧箇所の面積より大きくなる場合、或いは小さくなる場合もあるが、接合強度や電気伝導の観点から接合部16の面積は少なくとも押圧箇所15の面積よりも大きい方が好ましい。ホーン押圧箇所15の外縁から金属回路板12との外縁までの距離を及び/又は、ホーン押圧箇所15の外縁から信号端子13の接合面の外縁までの距離が0.5mm未満の場合は、金属回路板もしくは信号端子の端部に超音波接合時の荷重が集中してしまい、金属回路板12の下のセラミックス基板11にクラックが発生しやすくなる。
図3は図1に示す信号端子のホーン押圧箇所15の要部拡大図である。ホーン自体は略矩形だが、ホーンの先端が幾つかの尖部を有する形状となっているため、押圧箇所は図3に示すような形状となる。ホーン押圧箇所15の外縁から金属回路板12との外縁までの距離18とは、ホーン押圧箇所の最外縁部と金属回路板の外縁との距離のことを示す。また、ホーン押圧箇所15の外縁から信号端子13の接合面の外縁までの距離19とは、ホーン押圧箇所の最外縁部と信号端子13の接合面の外縁との距離19のことを示す。ここでホーン押圧箇所15の外縁から金属回路板12との外縁までの距離及び、ホーン押圧箇所15の外縁から信号端子13の接合面の外縁までの距離は、0.5mm〜5mmが好ましく、1mm〜3mmがより好ましい。
セラミックス回路基板20はセラミックス基板11の一方の表面に金属回路板12及びもう一方の表面に金属回路板12より厚さの厚い金属放熱板17をろう付けで接合してセラミックス回路基板を製造する。ろう材としては、例えば銀(Ag)−銅(Cu)−チタン(Ti)系の活性金属ろう材を用い、700℃以上でこれらを接合する。このとき、セラミックス基板に接合された金属回路板と金属放熱板の厚さが異なるため接合に伴い、セラミックス基板に反りが発生する。その反りの大きさは6.5〜15μm/mm程度である。ここで、反りは、セラミックス基板、金属回路板、金属放熱板の寸法の影響を受けるため、セラミックス回路基板の全反り量をセラミックス基板の長手方向の寸法で除して示す。
また、セラミックス回路基板20はセラミックス基板11上にパターン化されていない板状の銅又は銅合金の板を同様にろう付けによって接合し、その後で銅又は銅合金の板をリソグラフィ、エッチングによってパターニングしてもよい。
セラミックス基板11は機械的強度が高く、かつ電気絶縁性および熱伝導率が高いセラミックス材料、例えば窒化珪素で構成されていることが好ましい。特に焼結助剤成分としてMgO及びYを用いた窒化珪素は70W/mK以上の熱伝導率が得られることからより好ましい。またセラミックス基板11の厚さは、熱伝導性及び強度の観点から0.2mm〜0.96mmが好ましく、0.32mm〜0.64mmがより好ましい。また、その形状は任意であるが、例えば矩形形状が好ましい。
金属回路板12及び金属放熱板17は電気伝導度及び熱伝導率が高い銅や銅合金で形成され、この回路基板に搭載される半導体チップの配線となり、かつ半導体チップからセラミックス基板11への放熱も行う。銅や銅合金の中でも熱伝導性や電気伝導度の観点から純銅(無酸素銅)好ましい。 金属回路板12の厚さは0.5〜2mm、金属放熱板17の厚さは1〜5mmであることが、電気抵抗を小さくし、かつ軽量化する観点から好ましい。
信号端子13の一部は金属回路板12に積層され、外部に配線を引き出すために金属回路板12に接合される。従って、信号端子13も配線の一部となるため、金属回路板12と同様の材質である銅又は銅合金が用いられ、金属回路板12と同様にその形状も適宜パターニングされた後に超音波接合を行う。また銅や銅合金の中でも熱伝導性や電気伝導度の観点から純銅(無酸素銅)好ましい。また、超音波接合時の相互拡散均一化のために、金属回路板及び信号端子は同一素材にすることが望ましい。更に、その厚さについては、金属回路板12と同様であり、電気抵抗を小さくする観点及び軽量化の観点から、厚さは1〜3mmが好ましい。
接続孔14は、信号端子13における外部配線が接続しやすい平面部において、セラミックス基板11から充分離れた距離に設定される。信号端子13においては、図1中の左側の金属回路板12に接する箇所と、右側の接続孔14が設けられた箇所が平面状となるように図1中の2箇所で90度ずつ屈曲した形状とされ、この加工は通常の板金加工を用いて行われる。
本発明の信号端子を有するセラミックス回路基板の製造方法において、前記ホーン押圧箇所15の面積および接合部16の面積は前記信号端子の電流が流れる方向と略垂直方向の断面積よりも大きいことが好ましい。
また、信号端子13と金属回路板12を超音波接合する際に、信号端子13にスリットを形成した上で複数回に分けて接合されても良い。スリットを形成することで、1つの端子に複数回の超音波接合を施しても、2回目以降の接合時にそれまでに接合された接合部への応力が著しく減少し、基板クラック等の発生を抑制することができる。
超音波ホーンを前記信号端子に押圧して超音波を印加して、前記金属回路板と前記信号端子を超音波接合する際の条件は、押圧圧力が20〜50MPa、超音波の周波数が20kHz、振幅が20〜50μmで時間が0.5〜2秒で行うことが、金属回路板と信号端子間の高い接合強度を得、セラミックス基板にクラックや割れが発生するのを防止する観点から好ましい。
本発明の信号端子を有するセラミックス回路基板の製造方法によればセラミックス回路基板に6.5μm/mm以上の反りが発生していたとしても、金属回路板と信号端子間の高い接合強度が得られ、セラミックス基板にクラックや割れが発生するのを防止することができるが、前記金属回路板の表面に信号端子の一部を積層し、超音波ホーンを信号端子に押圧して超音波を印加することによって前記金属回路板と前記信号端子とを圧着接合する前に、前記セラミックス回路基板の金属回路板を備えた面及び金属放熱板を備えた面に10MPa以上の加圧力を加えることにより、セラミックス回路基板の反りを減少させることができるため、よりその効果が大きい。具体的には、セラミックス回路基板より面積の大きく、厚さが10mm以上の2枚のステンレス板でセラミックス回路基板を挟み込み、プレス機により10MPa以上の加圧力をることにより、反りを減少させることができる。加圧力は10MPa以上であれば、反りを減少させることが可能となるが、特に50MPa以上の場合は反りを3μm/mm以下とすることができるためその効果が大きく、50MPa以上が好ましい。またプレス機の能力を考慮して、設備費を低減させるためには60MPa以下が好ましい。
また、超音波接合を行う前に、信号端子13及び金属回路板12の表面に酸化皮膜が発生しているような場合では、酸化皮膜除去工程を行うことがより好ましい。ここで、酸化皮膜除去工程とは、銅の酸化膜(Cu2O、CuO)を除去する工程である。具体的には、酸性溶液、例えば硫酸又は塩酸を含む液に信号端子13及び金属回路板12の接合面を浸漬することによりなされる。例えば、濃度5%の硫酸水溶液に、25℃で3min浸漬する。これにより、銅原子の相互拡散がより高い効率で行われ、高い接合強度(大きな接合面積)を得ることがより容易となる。また、超音波接合を行う直前には、信号端子13及び金属回路板12の表面汚れを除去するために、アルコールやアセトンなどで洗浄することが望ましい。
以上述べたように、本発明の信号端子を有するセラミックス回路基板は、金属回路板と信号端子との接合強度を充分に高くすることができるとともに、セラミックス基板のクラックや割れを防止することができる。特に、信号端子が1mm以上に厚く、金属回路板より厚さの厚い金属放熱板を備えた場合においても、充分な接合強度を得ることができるとともにセラミックス基板のクラックや割れを防止することができる。従って、信頼性の高い信号端子を有するセラミックス回路基板を製造することができる。
以上のようにして得られた信号端子を有するセラミック回路基板は、半導体チップ等の電子部品を金属回路板12上に搭載し、半導体モジュールとされる。この場合には、はんだを用いて半導体チップを搭載、あるいは半導体チップからの配線を金属回路板12に接続することができる。ただし、前記の超音波接合は常温で行うことができるため、信号端子13を接合する前に半導体チップを予め搭載しておくことも可能である。この半導体モジュールにおいては、搭載された半導体チップを大電流で動作させることができ、かつ信号端子13と金属回路板12との間の接合強度を高くすることができるため、半導体モジュールの信頼性が高くなる。特にこうした半導体チップとしては、SiC半導体素子のように、大電圧、大電流で動作するものを用いることもできる。
信号端子は図1に示す形態としたが、金属回路板に複数箇所において超音波接合された形態であってもよい。外部配線接続部についても、接続孔に配線をビス止めする形態ではなく、配線をはんだ付けで接続できる形態としてもよい。
(実施例1〜4,比較例1〜4)
窒化珪素粉末、酸化マグネシウム粉末及び酸化イットリウム粉末を用い、公知の方法で混合、成形、焼成、加工を行い、相対密度98%、熱伝導率85W/mK、曲げ強度750MPaの材料特性を有し、厚さ0.6mm、幅45mm、長さ70mmの窒化珪素を主結晶とするセラミックス基板を製造した。
得られたセラミックス基板の1方の面に厚さ1mm、幅10mm、長さ45mmの板無酸素銅の銅板を2枚、および、もう一方の面に厚さ4mm、幅40mm、長さ65mmの板無酸素銅の銅板を準備し、銀(Ag)−銅(Cu)−チタン(Ti)系活性金属ろう材を用いて、700℃以上で接合して、図1に示すセラミックス回路基板20を各々10枚得た。得られたセラミックス回路基板の反りを、レーザ変位センサを用いて、回路基板の裏面、すなわち放熱板の中心部を長さ方向に測定し、反り量(μm)をセラミックス回路基板20の長手方向の寸法(70mm)で除して算出した。いずれも放熱板の面は凹形状となっており、その大きさを表1に示す。
信号端子13は、幅9mm、長さ50mm、厚さ1mmで、2ヶ所で屈曲した形状とした。金属回路板12と当接する部分は、長さ10mm、垂直部分は20mmであり、金属回路板との接合部16とは反対側の端部には、φ4mmのビス止め用の穴を形成した。一方、金属回路板の信号端子14の当接する部分の長さは、長手方向で10mmである。
金属回路板12の表面に信号端子13を接触配置させ、次に信号端子13の表面に6mm×4.5mmの略矩形を有する超音波ホーンを用い44.5MPaの圧力で押圧し、20kHzの超音波を用いた振幅20〜40μmの振動を約1秒加えることにより金属回路板と信号端子とを接合した。このとき、超音波ホーンが押圧される位置を調整することにより、実施例1〜4、比較例1〜4の信号端子を有するセラミックス回路基板をそれぞれ10枚製造した。ホーン押圧箇所の外縁と信号端子の接合面の外縁、金属回路板の外縁との距離は、セラミックス回路基板および信号端子の位置をずらして押圧することで調整した。例えば、信号端子の金属回路板と当接する幅9mm×長さ10mmの面の中心に6mm×4.5mmのホーンを押圧することで、金属回路板の幅方向に1.5mm、長手方向に2.75mmの押圧箇所の外縁との距離となるが、金属回路板の幅方向に1mmずらすと片側0.5mm、その反対側2.5mmが、ホーン押圧箇所の外縁と信号端子の接合面の外縁との距離となる。
なお、信号端子のホーン押圧箇所15の外縁と金属回路板12の外縁との距離18および前記信号端子のホーン押圧箇所15の外縁と信号端子13の接合面の外縁との距離19は、信号端子および金属回路板が長方形であることから4方向存在するが、このうち最も短い距離を表1に記載した。
(比較例5)
信号端子13の幅を6mmとした以外は実施例1と同様にして比較例5の信号端子を有するセラミックス回路基板20を10枚製造した。
(実施例5〜8)
実施例1〜4と同様に、セラミックス回路基板20を各10枚製造した。これらのセラミックス回路基板の両面に幅100mm×長さ100mm、厚さ10mmの2枚のステンレス板を配置し、プレス機を用いて10〜60MPaの圧力を加えて、1分間保持して、表1に示すようにセラミックス回路基板の反りを減少させた。その後実施例1〜4と同様の方法で、金属回路板と信号端子を超音波接合により接合した。
(比較例6)
比較例3と同様に、セラミックス回路基板20を10枚製造した。このセラミックス回路基板の両面に幅100mm×長さ100mm、厚さ10mmの2枚のステンレス板を配置し、プレス機を用いて60MPaの圧力を加えて、1分間保持して、表1に示すようにセラミックス回路基板の反りを減少させた。
得られた実施例1〜8、比較例1〜6の信号端子を有するセラミックス回路基板のセラミックス基板のクラック発生数を以下の方法で測定した。超音波接合後に回路板周辺のセラミックス基板のカラーチェックを行い、クラックを目視で確認した。結果を表1に示す。表1のクラック発生数は実施例1~8、比較例1~6共に、信号端子を有するセラミックス回路基板20を10枚作成したため、合計20箇所の超音波接合箇所周辺のセラミックス基板に対してカラーチェックを行い、クラックの有無を確認し、クラックが発生した数を記した。
実施例1〜8の信号端子を有するセラミックス回路基板20は、比較例1〜6の信号端子を有するセラミックス回路基板20に比べて、前記信号端子のホーン押圧箇所の外縁と前記金属回路板の外縁との距離18を0.5mm以上とし、かつ前記信号端子のホーン押圧箇所の外縁と信号端子の接合面の外縁との距離19を0.5mm以上としているため、セラミックス基板のクラック発生数が少ないことがわかる。中でも実施例4〜8の信号端子を有するセラミックス回路基板は、金属回路板12と信号端子13とを超音波で圧着接合する前に、前記セラミックス回路基板の金属回路板を備えた面及び金属放熱板を備えた面に10MPa以上の加圧力を加えているため、セラミックス基板のクラック発生数が極めて少ないことがわかる。
中でも、金属回路板12と信号端子13とを超音波で圧着接合する前に、前記セラミックス回路基板の金属回路板を備えた面及び金属放熱板を備えた面に50MPa以上の加圧力を加えた、実施例7および8の信号端子を有するセラミックス回路基板は、回路基板の反りが3μm/mmとなるため、セラミックス基板のクラック発生数は皆無であった。
10 回路基板
11 セラミックス基板
12 金属回路板
13 信号端子
14 接続孔(外部配線接続部)
15 ホーン圧着箇所
16 接合部
17 金属放熱板
18 信号端子のホーン押圧箇所の外縁と金属回路板の外縁との距離
19 信号端子のホーン押圧箇所の外縁と信号端子の接合面の外縁との距離19
20 セラミックス回路基板

Claims (4)

  1. セラミックス基板の一方の表面に金属回路板を備え、もう一方の表面に前記金属回路板より厚さの厚い金属放熱板を備えたセラミックス回路基板の前記金属回路板の表面に厚さ1.0mm以上の信号端子の一部を積層し、超音波ホーンを前記信号端子に押圧して超音波を印加することによって前記金属回路板と前記信号端子とを接合する信号端子を有するセラミックス回路基板の製造方法において、前記信号端子のホーン押圧箇所の外縁と前記金属回路板の外縁との距離を0.5mm以上とし、かつ前記信号端子のホーン押圧箇所の外縁と信号端子の接合面の外縁との距離を0.5mm以上とすることを特徴とする信号端子を有するセラミックス回路基板の製造方法。
  2. 前記金属回路板の厚さが0.5〜2mm、前記金属放熱板の厚さが1〜5mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の信号端子を有するセラミックス回路基板の製造方法。
  3. 前記信号端子の厚さが1〜3mmであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の信号端子を有するセラミックス回路基板の製造方法。
  4. 前記金属回路板の表面に信号端子の一部を積層し、超音波ホーンを信号端子に押圧して超音波を印加することによって前記金属回路板と前記信号端子とを圧着接合する前に、前記セラミックス回路基板の金属回路板を備えた面及び金属放熱板を備えた面に10MPa以上の加圧力を加えることを特徴とする請求項1乃至4に記載の信号端子を有するセラミックス回路基板の製造方法。
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