JP2011251328A - 鋳造方法 - Google Patents

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拓治 末澤
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Abstract

【課題】本発明は、重力鋳造法において、鋳造に係るサイクルタイムを短縮する技術を提供することを課題とする。
【解決手段】上から下へ延びる主湯道19と、この主湯道19からほぼ水平に分岐する複数本の分岐湯道22と、この分岐湯道22の先端に配置されほぼ水平に延びるキャビティと、主湯道19の途中に外から不活性ガスを吹き込むガス吹き込み機構91と、が備えられている金型を用いて実施する鋳造方法において、主湯道19、分岐湯道22、キャビティの順で注湯する注湯工程と、キャビティに充満させた溶湯が凝固した後に、不活性ガスを主湯道19内へ吹き込みこの不活性ガスを主湯道19の湯口29から外へ排出させるガス吹き込み工程と、からなる。
【選択図】図3

Description

本発明は、鋳造方法の改良に関する。
冷却水通路が備えられ、この冷却水通路に冷却水を通すことでキャビティ及び湯道に充填された溶湯の凝固を促進させるようにした鋳造金型が知られている(例えば、特許文献1(図12)参照。)。
特許文献1を次図に基づいて説明する。但し、要素名は一部変更した。
図10に示されているように、鋳造金型は、固定金型に対向配置される可動金型100を備えている。この可動金型100に、鉛直下向きに主湯道101が延ばされ、この主湯道101から略水平に左右の分岐湯道102、103が延ばされ、左右の分岐湯道102、103から左右のせき104、105を介して鉛直上向きに左右のキャビティ106、107が延ばされている。溶湯は、主湯道101を下降し、左右の分岐湯道102、103を通り、左右のキャビティ106、107に到達する。主湯道101に位置する溶湯の重さを利用して左右のキャビティ106、107に溶湯を充填する重力鋳造法が用いられている。
主湯道101、分岐湯道102、103及び左右のせき104、105の近傍には、冷却水通路108が設けられている。
冷却水通路108は、左右の分岐湯道102、103に沿って水平方向に複数個形成されている水平冷却水通路108aと、主湯道101に沿って高さ方向に複数個形成されている鉛直冷却水通路108bとを連結してなる。冷却水を、図矢印bの如く水平冷却水通路108aから鉛直冷却水通路108bに流すことで、金型の熱を冷却水で吸収させ金型を冷却する。
特許文献1のキャビティ106、107は、鉛直に延びている。すると、主湯道101は、必然的にその高さ寸法が大きくなる。
この主湯道101の高さを小さくすることが要求される場合には、キャビティ106、107を水平に延ばす方法がある。
主湯道101に存在する溶湯の重さ(ヘッド)を利用してキャビティに溶湯を導く重力鋳造法では、主湯道101に少なくともキャビティの体積に相当する体積をもたせている。そのため、金型平面視で主湯道101の断面積は大きなものにする必要がある。
一般に、主湯道101に滞留する溶湯は、その外面から凝固が始まり、徐々に中心へ凝固が進行する。主湯道101の断面積が大きくなると、主湯道101の中心の凝固が完了するまでの凝固所要時間が長くなる。凝固を待って離型を行うため、鋳造に係るサイクルタイムが長くなる。
生産性の向上が求められている中、鋳造に係るサイクルタイムの短縮が求められる。
特開2002−120044公報
本発明は、重力鋳造法において、鋳造に係るサイクルタイムを短縮する技術を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、上から下へ延びる主湯道と、この主湯道からほぼ水平に分岐する複数本の分岐湯道と、この分岐湯道の先端に配置されほぼ水平に延びるキャビティと、主湯道の途中に外から不活性ガスを吹き込むガス吹き込み機構と、が備えられている金型を用いて実施する鋳造方法において、主湯道、分岐湯道、キャビティの順で注湯する注湯工程と、キャビティに充満させた溶湯が凝固した後に、不活性ガスを主湯道内へ吹き込みこの不活性ガスを主湯道の湯口から外へ排出させるガス吹き込み工程と、からなり、このガス吹き込み工程で主湯道内の溶湯の冷却を促すことで、離型までの時間を短縮することを特徴とする。
請求項2に係る発明では、ガス吹き込み工程は、複数回に分けて実施することを特徴とする。
請求項3に係る発明は、ガス吹き込み工程では、主湯道に対してキャビティが下位になるように、金型を傾斜させて実施することを特徴とする。
請求項1に係る発明では、ほぼ水平に延びているキャビティに溶湯を充満させ、この溶湯が凝固した後に、不活性ガスを主湯道内へ吹き込んで、溶湯を撹拌し、用済みの不活性ガスを主湯道の湯口から外へ排出させるガス吹き込み工程が備えられている。
ほぼ水平に延びるキャビティへ溶湯を供給する主湯道は大径となる。大径で断面積が大きくなると凝固所要時間が長くなる可能性がある。
そこで、本発明では、不活性ガスで溶湯を撹拌して冷却を促すようにした。
この結果、凝固所要時間を短縮することができ、鋳造に係るサイクルタイムを短縮することができる。
請求項2に係る発明では、不活性ガスは、主湯道に、複数回に分けて注入する。
仮に、一度に多量の不活性ガスを注入すると、溶湯が湯口からあふれ出る可能性がある。この点、本発明では、不活性ガスは、主湯道に、複数回に分けて注入したので、前記不具合を解消でき、多量の不活性ガスを注入することができる。
請求項3に係る発明では、ガス吹き込み工程では、主湯道に対してキャビティが下位になるように、金型を傾斜させて実施する。
仮に、主湯道とキャビティとが高さ方向略同位置であれば、主湯道の構造によっては、主湯道に注入された不活性ガスの移動が妨げられ、不活性ガスが上方に抜け難くなる可能性がある。
この点、本発明では、ガス吹き込み工程において、カスの吹き込みは、主湯道に対してキャビティが下位になるように、金型を傾斜させて実施するので、主湯道内で不活性ガスの移動が妨げられ難くなり、主湯道に注入された不活性ガスが上方に抜け易くなる。不活性ガスが主湯道内に位置する溶湯から抜け易くなるので、溶湯冷却をより効果的に行わせることができる。
本発明に係る金型構造を説明する断面図である。 金型に備えられている固定型の平面図である。 金型に備えられている湯道ブロックの断面図である。 第1押出しピンの構造を説明する図である。 金型に多孔質フィルタをセットし注湯することを説明する作用図である。 湯道にガスを吹き込むことを説明する作用図である。 ガス吹き込み工程の有無による冷却効果を比較するグラフである。 固定型から可動型を離型させることを説明する作用図である。 図6(a)の変形図である。 従来の技術の基本構成を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、鋳造用の金型10は、固定型プレート11と、この固定型プレート11の上面に取付けられる固定型12と、この固定型12に対向配置される可動型13と、この可動型13と固定型12との間に形成されるキャビティ14と、可動型の上面13aに取付けられる可動型プレート15と、可動型プレートの下面15bで、且つ可動型の左面13cに当接して設けられている上湯道ブロック17と、この上湯道ブロック17に対向配置され、固定型プレートの上面11aに取付けられると共に固定型の左面12cに当接して設けられている下湯道ブロック18と、この下湯道ブロック18と上湯道ブロック17の間に形成され溶湯が通る湯道20と、を備えている。湯道20に、溶湯が注がれる入口としての湯口29が設けられている。
上湯道ブロック17及び可動型プレート15には、鉛直方向上下に第1及び第2の押出しピン穴31、32が開けられ、これらの押出しピン穴31、32に、各々、凝固した鋳物を上湯道ブロック17の壁から離間させる第1及び第2押出しピン41、42が摺動可能に挿入されている。
また、固定型12及び固定型プレート11には、鉛直方向上下に第3及び第4の押出しピン穴33、34が開けられ、これらの押出しピン穴33、34に、各々、凝固した鋳物を固定型側キャビティ81から離間させる第3及び第4押出しピン43、44が摺動可能に挿入されている。
さらに、金型10に、可動型側キャビティ82の下方に開放している溝部51に溜まったガスを外に排出する排出通路56の構成要素としての排出穴が開けられている。排出穴は、可動型13及び可動型プレート15に鉛直方向上下に開けられている第1〜第5の排出穴61〜65と、固定型12及び固定型プレート11に鉛直方向上下に開けられている第6の排出穴66とから構成されている。69は押し湯穴である。固定型12及び可動型13には、図示せぬ冷却水通路が設けられている。
次に、固定型を上から見たときの構成について説明する。
図2に示すように、固定型12は、5つの分割型71〜75と、これらの5つの分割型71〜75の周囲及び下方に設けられ分割型71〜75を支持する固定型ホルダ76とを備え、分割型71〜75及びホルダ部76に鋳物形成面としての6つの固定型キャビティ81が形成されている。
固定型の左面12cに当接し連続するように設けられている下湯道ブロック18に、溶湯が供給される主湯道19と、この主湯道19から6つに分岐して6つのキャビティ14に接続され溶湯を導く第1〜第6の分岐湯道21〜26と、が形成されている。
すなわち、主湯道19から略水平方向に分岐する6本の分岐湯道21〜26が設けられ、これらの分岐湯道21〜26の先端に略水平にキャビティ14が延ばされている。
本実施例では、6つのキャビティ14にて、各々、エンジンのカム軸に供される素材が鋳造される。
なお、鋳造品はカム軸に供される部材に限定されず、長手方向に伸びる軸部と、この軸部に直交配置され鍔状を呈する複数の鍔部とから構成される部材であれば、実施例に限定されることはなく、同様な形状をもつ任意の部材に適用可能である。
図1を併せて参照して、キャビティ14は、固定側キャビティ81と、固定側キャビティ81に対向配置される可動型キャビティ82と、からなり、略水平に延びている。
本発明では、キャビティ14が略水平に配置されているので、キャビティが鉛直方向上下に延びている場合に較べると材料組成をより一層均一にすることができる。
下湯道ブロック18と上湯口ブロック17との境界部分には、溶湯の通路としての湯道20が形成され、この湯道20は、上方に開口する湯口29と、この湯口29を上端部として上から下へ延びる主湯道19と、この主湯道19からほぼ水平に分岐する6本の分岐湯道21〜26と、からなる。これらの分岐湯道21〜26の先端に各々キャビティ14が延ばされている。
主湯道19の途中に、外から不活性ガスを吹き込むガス吹き込み機構91が備えられている。
ガス吹き込み機構91の下部で、且つ主湯道19を横切る位置には、多孔質フィルタ90が配置され、この多孔質フィルタ90の下方位置で、下湯道ブロック18及び固定型プレート11には、ガス抜き穴89が形成されている。
図中、89は冷却ガスが流れる抜き穴、90は主湯道19を横切るように配置され、ガス吹き込み機構を構成する多孔質フィルタである。ガス吹き込み機構の詳細については次図にて説明する。
次に、湯口及びその周辺部の構造について説明する。
図3に示すように、ガス吹き込み機構91は、第1押出しピン穴31に連通するように接続される穴や配管等を含む連結手段95と、この連結手段95に接続されるソレノイドバルブ96と、このソレノイドバルブ96に接続されるスロットルアンドチェックバルブ97と、このスロットルアンドチェックバルブ97に接続されるリリーフバルブ98(レギュレータ98)と、このレギュレータ98に接続されるストップバルブ99と、を主要な構成要素とする。第1押出しピン穴31に、第1押出しピン41が摺動可能に設けられている。この第1押出しピン41の詳細な構造について次図で説明する。111はピンライザである。
図4(a)に示すように、第1押出しピン41は、ピンライザ111に取付けられている鍔部101と、鍔部101から下方に延びているピン部102とからなり、ピン部102の下部に面取り部103が形成されている。
図4(b)に、図4(a)の4(b)−4(b)線断面図が示されている。
断面円形状を有するピン部102に、4つの面取り部103が形成されている。これらの4つの面取り部103と第1押出しピン穴31の間に形成される4つの隙間105に不活性ガスが供給される。これらの隙間105から不活性ガスを主湯道19へ供給させることができる。すなわち、第1押出しピン穴31は、第1押出しピン41をガイドする機能と不活性ガスを主湯道19へ供給する機能を兼ね備えている。
以下、図5〜図7では、鋳造に係る一連の作用(鋳造の1サイクル)を説明する。
図5(a)に示されるように、先ず、固定型(図1、符号12)から可動型(図1、符号13)を離間させた状態で、図矢印a1の如く、下湯道ブロック18に多孔質フィルタ90を配置する。そして、図矢印a2の如く、可動型(図1、符号13)と一体化されている上湯道ブロック17を下降させ型締めを行う。
図5(b)に示されるように、金型10を、図矢印b1の如く、水平面から反時計回りに角度θだけ傾け、この傾けた姿勢のまま、図矢印b2の如く、湯口29から主湯道19、分岐湯道(図2、符号21〜26)、キャビティ(図2、符号14)の順で注湯する(注湯工程)。
なお、本実施例では、θは約10°に設定されているが、この角度に限定されることはなく、溶湯がこぼれない範囲で任意の角度に設定可能なものとする。
図6(a)に示されるように、キャビティ14に充満させた溶湯が凝固した後に、図矢印aの如く、第1押出しピン穴31を介して不活性ガスを主湯道19内へ吹き込み、この不活性ガスを主湯道19の湯口29から外へ排出させる(ガス吹き込み工程)。
このとき、不活性ガスは、多孔質フィルタ90を通過し、ガス抜き穴89から図矢印m1の如く下方に抜け、一部は、主湯道19に沿って図矢印m2の如く湯口29から上方に抜ける。
すなわち、ガス吹き込み工程で主湯道19内の溶湯の冷却を促すことで、離型までの時間を短縮する。ガス吹き込み工程において、ガスの吹き込みは、2回に分けて実施する。
なお、本実施例では、不活性ガスに、窒素が利用されているが、窒素に限定されることはなく、アルゴン、ヘリウム等の他の不活性ガスを利用することは差し支えない。
図6(b)に示されるように、ガス吹き込み工程で所定量のガスが吹き込まれた後、ソレノイドバルブ(図3、符号96)を切り替え、ガスの供給を遮断する一方、ガス吹き込み機構91を開放し、図矢印bの如く第1押出しピン穴31と第1押出しピン41との間に形成した隙間(図4、符号105)から連結手段95を介して主湯道19に溜まったガスを外へ流す。併せて、図矢印m3の如く主湯道19からガスを外に流す。
図7には、多孔質フィルタ90の近傍での温度が示されており、ガス吹き込み工程の有無による冷却作用について比較した例を説明する。
グラフ(1)は、ガス吹き込み工程が備えられていない場合の温度であり、グラフ(2)は、ガス吹き込み工程が備えられている場合の温度である。キャビティに充満させた溶湯が凝固した後、14秒経過後で比較した。
グラフ(2)において、1回の噴射時間は0.7秒、1回の噴射量は2.4L程度、噴射回数は2回噴射したときの温度が示されており、グラフ(1)に較べ、主湯道19の温度を顕著に下げる作用が認められる。なお、不活性ガスの噴射時間を延ばし一度に噴射すると、湯道から外へ溶湯が噴出する可能性があるため噴射回数は、複数回とした。
なお、噴射回数や噴射1回あたりの噴射量は、実施例の条件に限定されることなく任意に設定可能なものとする。
図8に示すように、第1及び第2の押出しピン41、42を図矢印(1)方向に押出し
鋳造品を上湯道ブロック17の壁から離間させながら、可動型(図1、符号13)を図矢印(2)方向に上昇させ固定型12から可動型13を離間させる。そして、鋳造品Wを取り出す。このとき、固定型12側に設けられている第3〜第4押出しピン(図1、符号43、44)を押出すことで、キャビティ14から鋳造品Wを容易に取り外すことが可能になる。キャビティ14から鋳造品Wを取り出すことにより、鋳造の1サイクルが完了する。
本発明の鋳造方法の作用説明を次に述べる。
図6(a)に戻って、金型10を用いて実施する鋳造方法において、ほぼ水平に延びているキャビティ(図1、符号14)に溶湯を充満させ、この溶湯が凝固した後に、不活性ガスを主湯道内へ吹き込んで、溶湯を撹拌し、用済みの不活性ガスを主湯道19の湯口29から外へ排出させるガス吹き込み工程が備えられている。
ほぼ水平に延びるキャビティ14へ溶湯を供給する主湯道は大径となる。大径で断面積が大きくなると凝固所要時間が長くなる可能性がある。
そこで、本発明では、不活性ガスで溶湯を撹拌して冷却を促すようにした。
この結果、凝固所要時間を短縮することができ、鋳造に係るサイクルタイムを短縮することができる。
また、不活性ガスは、不活性ガスは、主湯道19に、複数回に分けて注入される。
仮に、一度に多量の不活性ガスを注入すると、溶湯が湯口29からあふれ出る可能性がある。この点、本発明では、不活性ガスは、主湯道19に、複数回に分けて注入したので、前記不具合を解消でき、多量の不活性ガスを注入することができる。
また、不活性ガスを複数化に分けて注入すると、一度に注入する場合に較べて、不活性ガスが溶湯に接触する時間及び表面積を大きくとることができる。不活性ガスと溶湯との時間及び接触面積が大きくなるので、主湯道19に残留した溶湯の冷却効果を高めることが可能になる。溶湯の冷却効果が高まれば、離型までの時間が短縮されるので、鋳造に係るサイクルタイムが一層短縮される。
なお、本実施例では、不活性ガスは、2回に分けて注入されているが、3回以上の任意の回数にすることは差し支えない。
次に、ガス吹き込み工程の一部を変更し、ガス吹き込み時に、主湯道がキャビティよりも上位となるように金型を傾斜させた変形例について説明する。
図9には、図5(a)の変形例が示されており、ガス吹き込み工程では、主湯道19に対してキャビティ14が下位になるように、金型10を傾斜させて実施する。
仮に、主湯道とキャビティとが高さ方向略同位置であれば、主湯道の構造によっては、主湯道に注入された不活性ガスの移動が妨げられ、上方に抜け難くなる可能性がある。
この点、本発明では、ガス吹き込み工程では、主湯道19に対してキャビティ14が下位になるように、金型10を傾斜させて実施するので、不活性ガスの移動が妨げられる心配はなく、主湯道19に注入された不活性ガスが上方に抜け易くなる。不活性ガスが主湯道19内に残留した溶湯から抜け易くなるので、溶湯の冷却をより効果的に行わせることができる。
以上、説明したように、湯道に残留する溶湯の中心部は、不活性ガスを吹き込むことで冷却され、溶湯の周囲は上湯道ブロック及び下湯道ブロックにて冷却される。
なお、図6(a)と図9に示されているように、不活性ガスの吹き込み中や不活性ガスの開放中に、金型10の姿勢を左右に揺動させ溶湯の冷却を促進させるようにしても良い。
尚、本発明は、実施の形態では重力鋳造(GDC)用金型に適用したが、低圧鋳造(LPDC)用金型にも適用可能であり、その他の鋳造用金型に適用することは差し支えない。
分岐湯道の数及びこの分岐湯道の先端に延ばされているキャビティの数は、実施例の6本の他、2本、3本、4本、5本、7本、8本等任意の数に設定可能である。
本発明は、クランク軸の鋳造に用いられる金型に好適である。
10…金型、14…キャビティ、19…主湯道、21…第1分岐湯道、22…第2分岐湯道、23…第3分岐湯道、24…第4分岐湯道、25…第5分岐湯道、26…第6分岐湯道、29…主湯道の湯口。

Claims (3)

  1. 上から下へ延びる主湯道と、この主湯道からほぼ水平に分岐する複数本の分岐湯道と、この分岐湯道の先端に配置されほぼ水平に延びるキャビティと、前記主湯道の途中に外から不活性ガスを吹き込むガス吹き込み機構と、が備えられている金型を用いて実施する鋳造方法において、
    前記主湯道、前記分岐湯道、前記キャビティの順で注湯する注湯工程と、
    前記キャビティに充満させた前記溶湯が凝固した後に、前記不活性ガスを前記主湯道内へ吹き込みこの不活性ガスを前記主湯道の湯口から外へ排出させるガス吹き込み工程と、からなり、
    このガス吹き込み工程で前記主湯道内の溶湯の冷却を促すことで、離型までの時間を短縮することを特徴とする鋳造方法。
  2. 前記ガス吹き込み工程は、複数回に分けて実施することを特徴とする請求項1記載の鋳造方法。
  3. 前記ガス吹き込み工程では、前記主湯道に対して前記キャビティが下位になるように、前記金型を傾斜させて実施することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の鋳造方法。
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