JP2011250635A - ワイヤハーネス導通検査方法およびワイヤハーネス導通検査プログラム - Google Patents

ワイヤハーネス導通検査方法およびワイヤハーネス導通検査プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】作成すべき部位毎コネクタ・配線情報の決定、およびそのパターンの数の増減の調整をすることにより、正否判定工程に要する時間と正否判定工程の精度を最適化する。
【解決手段】車両空間を区分けする各分割領域にワイヤハーネスが配索される場合に該車両が満たす仕様を参照し、所定の仕様を実現する、各分割領域に配索されるワイヤハーネスについて記述された部位毎コネクタ・配線情報を作成し、作成した前記部位毎コネクタ・配線情報に対して、電線の接続の誤りの有無を検査する。
【選択図】図8

Description

本発明は、ある車種に対して作成された、補機に接続される電線及びコネクタに関する配線情報により構成される補機毎配線情報(より詳細には、その車種のグレード毎、およびオプション機能の有無毎に応じて作成された補機毎配線情報)に記述されている回路線の始点−終点の接続と、分割領域毎に設計されたワイヤハーネスを構成するコネクタ情報により構成される部位毎コネクタ情報および分割領域毎に設計されたワイヤハーネスを構成する配線情報により構成される部位毎配線情報(部位毎コネクタ情報および部位毎配線情報は、該補機毎配線情報に基づいて作成された実体配線図および該車種の補機仕様表に基づき展開された図。以後、部位毎コネクタ情報および部位毎配線情報を総して、「部位毎コネクタ・配線情報」と称する。)に記述されている電線の接続と、を比較し、部位毎コネクタ・配線情報に記述されている電線の接続の誤りの有無を検査するためのワイヤハーネス導通検査方法およびワイヤハーネス導通検査プログラムに関する。
ある車両に配索するワイヤハーネスを設計する際、そのワイヤハーネスを構成する電線の接続を表す設計図を作成する必要がある。以下、ワイヤハーネスを設計する過程を説明する。
ある車両に配索するワイヤハーネスを設計するに当たって、該当車両の補機毎配線情報と補機仕様表の2つの仕様書が必要となる。まず補機毎配線情報と、その補機毎配線情報に基づいて作成される実体配線図について説明する。補機毎配線情報および実体配線図は、近年では、CAD(Computer Aided Design)によって設計されることができる(例えば特許文献1)。
補機毎配線情報は、ヘッドランプシステム、エアバックシステム、エアコンシステム、エンジンコントロールシステム、アンチロックブレーキシステム等の、車両に搭載され、それぞれ独立して駆動するシステム毎に用意されるものである。このシステムを駆動するためには、このシステムを構成する電気部品(例えば、バッテリー、ECU(Electronic Control Unit)、駆動機)間を信号線、電源線およびアース線によって繋ぐ必要があるが、補機毎配線情報には、これら信号線、電源線およびアース線の電線の始点と終点がどの電気部品のどの端子に接続されるか、および、どの電線に結線されるのか、などの回路線としての接続情報と、信号線、電源線およびアース線の電線を電気部品に接続する補機についての補機情報と、が示されている。尚、補機毎配線情報は、複数の電気部品から構成されるシステムの回路図を表すことを主な目的としているため、電線に関しての情報は含まれていない。
そこで、この補機毎配線情報に上述した電線の情報を付加した実体配線図を作成する。実体配線図には、電気部品間を繋ぐ補機毎配線情報に記述された回路線に上述した電線の情報が付加して記述されるとともに、車両空間を機能別に分割した、ワイヤハーネスを配索可能な領域(エンジンルーム、車室内壁、またはトランクルームなど。以後、これらの領域のことを分割領域と称する。)毎に区分けされている。例えば、補機毎配線情報に記述されているある回路線が複数の分割領域を跨いで複数の電気部品に接続されている場合、該回路線は、実体配線図において、その始点と終点にて電気部品の端子に接続される端子またはコネクタについての情報が記述されるとともに、その分割領域に位置する各電線(分割領域単位でワイヤハーネスが配索されるため、各分割領域の電線を連結して複数の電気部品の端子間を接続する必要がある。)の情報、および各分割領域に位置する電線の端部を接続するコネクタ、JB(Junction Box)、JC(Joint Connector)などの補機についての情報(電線の端部を溶接や、突き合わせ圧着して接続する場合にはその旨の情報)が記述されている。このように電線の情報が記述された実体配線図が、車両に搭載されたシステム毎に作成される。
続いて、補機仕様表について説明する。
補機仕様表には、汎用型のワイヤハーネスの構成(そのワイヤハーネスの品番、そのワイヤハーネスが適用可能な仕様の組合せ、そのワイヤハーネスを配索可能な適用車両の識別情報、および該適用車両の配索可能な分割領域など)がワイヤハーネス毎にマトリクス状に記述されている。
このようにして作成した実体配線図および補機仕様表に基づいて、続いて、部位毎コネクタ・配線情報を作成する。部位毎コネクタ・配線情報には、実体配線図に記述された電線を含みつつ(すなわち、車両に搭載されたシステムを全て駆動させることができつつ)、対象となる車両の分割領域毎に配索可能なワイヤハーネスが記述されている。部位毎コネクタ・配線情報を作成するには、概略的には、次の工程を経て該当分割領域に配索可能なワイヤハーネスを補機仕様表から特定する。まず、車両に搭載されたシステム全ての実体配線図を参照し、該当分割領域において該システムを全て駆動させるために必要とされる必須の仕様コードを特定する。その特定した仕様コードを参照し、該仕様コードを全て組合せに含むワイヤハーネスを特定する。この工程を全ての分割領域に対して実行することによって、対象となる車両の分割領域毎に配索可能なワイヤハーネスを特定する。
上述した部位毎コネクタ・配線情報を作成する部位毎コネクタ・配線情報作成工程を経た後、続いて、補機毎配線情報の記述と部位毎コネクタ・配線情報の記述が一致するか、つまり、補機毎配線情報における電気部品間を繋ぐ回路線の始点および終点と、部位毎コネクタ・配線情報における電気部品間を繋ぐ電線の接続の始点および終点が、一致するか、その正否を判定する正否判定工程に移る。
特開2000−163453号公報
対象となる車両の分割領域毎に配索可能なワイヤハーネスを特定することによって部位毎コネクタ・配線情報を作成する際、分割領域に配索可能なワイヤハーネスの候補が複数存在する場合がある。仮に、車両空間が3つの分割領域によって区分けされる場合であって該分割領域に配索可能なワイヤハーネスの候補がそれぞれ2パターンあるとき、部位毎コネクタ・配線情報は8(2×2×2)パターン作成され、そのそれぞれに対して正否判定工程を実施する必要がある。
しかしながら、分割領域に配索可能なワイヤハーネスの候補が増えれば増えるほど、部位毎コネクタ・配線情報も増えることになる。その結果、部位毎コネクタ・配線情報それぞれに対して実施される正否判定工程に多大な時間を要することになってしまう。一方で、作成すべき部位毎コネクタ・配線情報のパターンの個数を絞り込み、正否判定工程に要する時間を短縮することも考えられる。しかし、その絞り込み手法によっては、正否判定工程の精度を落とすことに繋がる。このように、正否判定工程に要する時間と正否判定工程の精度はトレードオフの関係にあり、作成すべき部位毎コネクタ・配線情報の決定、およびそのパターンの数の増減の調整することにより、その時間とその精度を最適化することが好ましい。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、作成すべき部位毎コネクタ・配線情報の決定、およびそのパターンの数の増減の調整をすることにより、正否判定工程に要する時間と正否判定工程の精度を最適化することができるワイヤハーネス導通検査方法およびワイヤハーネス導通検査プログラムを提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係るワイヤハーネス導通検査方法は、下記(1)〜(2)を特徴としている。
(1) 車両空間を区分けする各分割領域にワイヤハーネスが配索される場合に該車両が満たす仕様を参照するステップと、
所定の仕様を実現する、各分割領域に配索されるワイヤハーネスについて記述された部位毎コネクタ・配線情報を作成する作成ステップと、
作成した前記部位毎コネクタ・配線情報に対して、電線の接続の誤りの有無を検査する検査ステップと、
を有すること。
(2) 車両空間を区分けする分割領域のうち、所定の第1の分割領域を特定する第1特定ステップと、
前記第1の分割領域に配索可能な第1のワイヤハーネスのうちの所定の一つについて少なくとも記述された部位毎コネクタ・配線情報を作成する作成ステップと、
を有すること。
前述した目的を達成するために、本発明に係るワイヤハーネス導通検査プログラムは、下記(3)を特徴としている。
(2) コンピュータに、上記(1)または(2)の構成のワイヤハーネス導通検査方法の各ステップを実行させるためのワイヤハーネス導通検査プログラム。
上記(1)または(2)の構成のワイヤハーネス導通検査方法および上記(3)のワイヤハーネス導通検査プログラムによれば、作成すべき部位毎コネクタ・配線情報の決定、およびそのパターンの数の増減の調整をすることにより、正否判定工程に要する時間と正否判定工程の精度を最適化することができる。
本発明のワイヤハーネス導通検査方法およびワイヤハーネス導通検査プログラムによれば、作成すべき部位毎コネクタ・配線情報の決定、およびそのパターンの数の増減の調整をすることにより、正否判定工程に要する時間と正否判定工程の精度を最適化することができる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
補機毎配線情報に記述された電気部品を繋ぐ回路線の概略図(図1(a))、および部位毎コネクタ・配線情報に記述された電気部品を繋ぐ電線の接続の概略図(図1(b)〜図1(f)) 正否判定工程の処理を説明するフローチャート 本発明に係る実施の形態のワイヤハーネス導通検査方法における、分割領域の繋がりの有無を説明する図。(a)は車両Aに関するもの、(b)は車両Bに関するもの 本発明に係る実施の形態のワイヤハーネス導通検査方法による、正否判定工程をすべき部位毎コネクタ・配線情報のパターン作成個数の概念図(車両Aに対応するもの) 従来の、正否判定工程をすべき部位毎コネクタ・配線情報のパターン作成個数の概念図(車両Aに対応するもの) 本発明に係る実施の形態のワイヤハーネス導通検査方法による、正否判定工程をすべき部位毎コネクタ・配線情報のパターン作成個数の概念図(車両Bに対応するもの) 部位毎コネクタ・配線情報の作成の要否の関係の一例を説明する図 部位毎コネクタ・配線情報の作成の要否の関係の他例を説明する図 本発明に係る実施の形態のワイヤハーネス導通検査装置の機能ブロック図
以下、本発明に係る実施の形態のワイヤハーネス導通検査方法について説明する。
本発明に係る実施の形態のワイヤハーネス導通検査方法について説明する前に、まず、補機毎配線情報における電気部品間を繋ぐ回路線の始点および終点と、部位毎コネクタ・配線情報における電気部品間を繋ぐ電線の接続の始点および終点が、一致するか、その正否を判定する正否判定工程の一例について説明する。
[正否判定工程の概要]
図1には、補機毎配線情報に記述された電気部品を繋ぐ回路線の概略図(図1(a))、および部位毎コネクタ・配線情報に記述された電気部品を繋ぐ電線の接続の概略図(図1(b)〜図1(f))を示している。図2には、正否判定工程の処理を説明するフローチャートを示している。
[背景技術]において説明したように、補機毎配線情報には、信号線、電源線およびアース線の電線の始点と終点がどの電気部品のどの端子に接続されるか、および、どの電線に結線されるのか、などの回路線としての接続情報が示されている。図1(a)には、電気部品である2つのECUが記述されており、うち一方のECUの端子「A01」が他方のECUの端子「B01」に回路線を介して接続されることが記述されている。まず、補機毎配線情報に記述されている、回路線によって繋がれた第1の電気部品(ECU)の第1の端子(「A01」)と第2の電気部品(ECU)の第2の端子(「B01」)を、該補機毎配線情報から参照する(参照ステップ:S201)。
他方、[背景技術]において説明したように、部位毎コネクタ・配線情報には、実体配線図に記述された電線を含みつつ(すなわち、求められる仕様を満たしつつ)、対象となる車両の分割領域毎に配索可能なワイヤハーネスが記述されている。このため、部位毎コネクタ・配線情報を参照して、部位毎コネクタ・配線情報に記述されたこのワイヤハーネスの情報に基づいて、該部位毎コネクタ・配線情報に記述されている第1の電気部品(ECU)の第1の端子(「A01」)に一端が接続された第1番目の電線を特定する(第1特定ステップ:S202。)。[正否判定工程の概要]では、部位毎コネクタ・配線情報から第1番目の電線を特定することができた場合について以降説明する。
図1(b)〜図1(f)では、第1の電気部品(ECU)の第1の端子(「A01」)に一端が接続された電線の線幅を、図1(a)の回路線よりも広くしている。これにより、図1では、回路線と電線とを区分けしている。ところで、2つの電気部品は複数の分割領域を跨いで配置されることが多々あり、この場合、各分割領域に配索された各ワイヤハーネスを繋ぎ合わせてその2つの電気部品の端子間を接続することになる。このため、第1特定ステップにて特定した第1番目の電線W1の他端が、図1(b)に示すように同一の分割領域1内において第2の電気部品(ECU)の第2の端子(「B01」)に接続されているとは限らない。
そこでこのような事情を踏まえ、まず、第1番目の電線の他端に接続された端子が第2の電気部品(ECU)の第2の端子(「B01」)と一致するか否かを判別する(第1判別ステップ:S203)。図1(b)に示すように、第1番目の電線W1の他端が同一の分割領域1内において第2の電気部品(ECU)の第2の端子(「B01」)に接続されており、補機毎配線情報に記述されている第2の電気部品(ECU)の第2の端子(「B01」)と一致すると判別されれば(S203、Y)、部位毎コネクタ・配線情報に記述されている第1の電気部品(ECU)の第1の端子(「A01」)と第2の電気部品(ECU)の第2の端子(「B01」)は導通が図られているとみなし(導通成功:S207)、図1(a)の回路線に関する正否判定工程を終了する。
他方、第1判別ステップにて、第1番目の電線の他端に接続された端子が第2の電気部品(ECU)の第2の端子(「B01」)と一致しない場合(S203、N)がある。この場合、部位毎コネクタ・配線情報を参照して、部位毎コネクタ・配線情報に記述されたこのワイヤハーネスの情報に基づいて、該部位毎コネクタ・配線情報に記述されている該第1番目の電線の他端に一端が接続された第2番目の電線を特定する(第2特定ステップ:S204)。第2特定ステップを具体的に説明すると、例えば、図1(c)に示すように、第1番目の電線W1の他端に接続された補機(図1(c)では電線W1の他端に端子「C01」が接続され、その端子「C01」がコネクタC1に収容されている。)を分割領域1に配索されるワイヤハーネスの情報から特定し、コネクタC1に嵌合される補機(図1(c)ではコネクタC2)を、分割領域1に隣り合う分割領域2に配索されるワイヤハーネスの情報から特定し、コネクタC2に収容された端子のうちの端子「C01」に接続される端子「C02」が一端に接続された第2番目の電線W2を特定する。
さらに、第2番目の電線の他端に接続された端子が第2の電気部品(ECU)の第2の端子(「B01」)と一致するか否かを判別する(第2判別ステップ:S205)。図1(c)に示すように、第2番目の電線W2の他端が、分割領域2において第2の電気部品(ECU)の第2の端子(「B01」)に接続されており、補機毎配線情報に記述されている第2の電気部品(ECU)の第2の端子(「B01」)と一致すると判別されれば(S205、Y)、部位毎コネクタ・配線情報に記述されている第1の電気部品(ECU)の第1の端子(「A01」)と第2の電気部品(ECU)の第2の端子(「B01」)は導通が図られているとみなし(導通成功:S207)、図1(a)の回路線に関する正否判定工程を終了する。
ところで、第2判別ステップにて、第2番目の電線の他端に接続された端子が第2の電気部品(ECU)の第2の端子(「B01」)と一致しない場合もある。この場合、部位毎コネクタ・配線情報を参照して、部位毎コネクタ・配線情報に記述されたこのワイヤハーネスの情報に基づいて、該部位毎コネクタ・配線情報に記述されている該第2番目の電線の他端に一端が接続された第3番目の電線を特定する(第3特定ステップ:S204)。第3特定ステップを具体的に説明すると、例えば、図1(d)に示すように、第2番目の電線W2の他端に接続された補機(図1(d)では電線W2の他端に端子「C03」が接続され、その端子「C03」がコネクタC3に収容されている。)を分割領域2に配索されるワイヤハーネスの情報から特定し、コネクタC3に嵌合される補機(図1(d)ではコネクタC4)を、分割領域2に隣り合う分割領域3に配索されるワイヤハーネスの情報から特定し、コネクタC4に収容された端子のうちの端子「C03」に接続される端子「C04」が一端に接続された第3番目の電線W3を特定する。
さらに、第3番目の電線の他端に接続された端子が第2の電気部品(ECU)の第2の端子(「B01」)と一致するか否かを判別する(第3判別ステップ:S205)。図1(d)に示すように、第3番目の電線W3の他端が、分割領域3において第2の電気部品(ECU)の第2の端子(「B01」)に接続されており、補機毎配線情報に記述されている第2の電気部品(ECU)の第2の端子(「B01」)と一致すると判別されれば、部位毎コネクタ・配線情報に記述されている第1の電気部品(ECU)の第1の端子(「A01」)と第2の電気部品(ECU)の第2の端子(「B01」)は導通が図られているとみなし(導通成功:S207)、図1(a)の回路線に関する正否判定工程を終了する。
第3判別ステップ(S205)にて、第3番目の電線の他端に接続された端子が第2の電気部品(ECU)の第2の端子(「B01」)と一致しない場合には、以降、部位毎コネクタ・配線情報に記述されたこのワイヤハーネスの情報に第W4、W5、・・・Wn番目の電線W4、W5、・・・Wnについての情報がある限り、第4、第5、・・・第n特定ステップ(S204)、および、第4、第5、・・・第n判別ステップ(S205)をnを繰り上げ(S209)、順次実施する(ただし、nは2以上の整数。)。
一方、部位毎コネクタ・配線情報に記述されたこのワイヤハーネスの情報に電線W(n−1)に接続される電線Wnについての情報が無くなり(S206、N。ただし、nは2以上の整数。)、第n特定ステップにて第n番目の電線Wnを特定できず、したがって、第(n−1)番目の電線W(n−1)が補機毎配線情報に記述されている第2の電気部品(ECU)の第2の端子(「B01」)と一致しない場合には、部位毎コネクタ・配線情報に記述されている第1の電気部品(ECU)の第1の端子(「A01」)と第2の電気部品(ECU)の第2の端子(「B01」)は導通が図られていないとみなし(導通失敗:S208)、図1(a)の回路線に関する正否判定工程を終了する。
尚、図1(a)〜図1(d)では、主に、各分割領域に配索された各ワイヤハーネスのコネクタを繋ぎ合わせて複数の分割領域に跨って連結された電線を形成し、2つの電気部品の端子間を該電線によって接続する場合についてその概略を説明した。このようにコネクタによって複数の分割領域に跨って電線を連結させる以外に、JBまたはJCを介して、電線を連結させる場合もある(図1(e)参照。)。また、一つの分割領域内においても複数本の電線が連結されている場合もある(図1(f)参照。)。この2つの場合についても説明する。まず、JBを介して電線を連結させる場合について説明する。第1特定ステップ(S202)および第1判別ステップ(S203)は、上述した、コネクタによって複数の分割領域に跨って電線を連結させる場合と同様であるため、その説明を省略する。また、JCを介して電線を連結させる場合も、JBを介して電線を接続させる場合と考え方は共通であるため、その説明を省略する。
第1判別ステップ(S203)にて、第1番目の電線の他端に接続された端子が第2の電気部品(ECU)の第2の端子(「B01」)と一致しない場合(S203、N)を説明する。この場合、部位毎コネクタ・配線情報を参照して、部位毎コネクタ・配線情報に記述されたこのワイヤハーネスの情報に基づいて、該部位毎コネクタ・配線情報に記述されている該第1番目の電線の他端に一端が接続された第2番目の電線を特定する(第2特定ステップ:S204)。第2特定ステップを具体的に説明すると、図1(e)に示すように、第1番目の電線W1の他端に接続された補機(図1(e)では電線W1の他端に端子「#01」が接続され、その端子「#01」がコネクタCaに収容されている。)を分割領域1に配索されるワイヤハーネスの情報から特定し、コネクタCaに嵌合されるコネクタ嵌合位置Aを備えるJBを対応表から特定し、そのJB内で電線やバスバーなどを介してコネクタ嵌合位置Aに接続されるコネクタ嵌合位置B、Dを特定し、各コネクタ嵌合位置B、Dが嵌合する各コネクタCb、Cdに収容された端子「%01」、「#03」が一端に接続された第2番目の電線W21、W22を特定する。
さらに、第2番目の電線の他端に接続された端子が第2の電気部品(ECU)の第2の端子(「B01」)と一致するか否かを判別する(第2判別ステップ:S205)。図1(e)に示すように、第2番目の電線W21およびW22の他端のいずれかが、分割領域2において第2の電気部品(ECU)の第2の端子(「B01」)に接続されており、補機毎配線情報に記述されている第2の電気部品(ECU)の第2の端子(「B01」)と一致すると判別されれば、部位毎コネクタ・配線情報に記述されている第1の電気部品(ECU)の第1の端子(「A01」)と第2の電気部品(ECU)の第2の端子(「B01」)は導通が図られているとみなし(導通成功:S207)、図1(e)の回路線に関する正否判定工程を終了する。
JB(またはJC)を介して電線を連結させる場合は、一つの電線に連結される電線が複数あるため、これらの複数の電線それぞれにおいて、その他端が回路線の終点に一致しないか判別する必要がある。この点が、コネクタによって複数の分割領域に跨って電線を連結させる場合とは異なる。
続いて、一つの分割領域内においても複数本の電線が連結されている場合について説明する。第1特定ステップ(S202)および第1判別ステップ(S203)は、上述した、コネクタによって複数の分割領域に跨って電線を連結させる場合と同様であるため、その説明を省略する。
第1判別ステップ(S203)にて、第1番目の電線の他端に接続された端子が第2の電気部品(ECU)の第2の端子(「B01」)と一致しない場合(S203、N)を説明する。この場合、部位毎コネクタ・配線情報を参照して、部位毎コネクタ・配線情報に記述されたこのワイヤハーネスの情報に基づいて、該部位毎コネクタ・配線情報に記述されている該第1番目の電線の他端に一端が接続された第2番目の電線を特定する(第2特定ステップ:S204)。第2特定ステップを具体的に説明すると、例えば、図1(f)に示すように、第1番目の電線W1の他端に接続された連結箇所(図1(f)では電線W1の他端は、例えば溶接や突き合わせ圧着されることによって他の電線の一端と連結されており、その溶接や突き合わせ圧着箇所を識別する番号として「%E1」が割り当てられている。)を分割領域1に配索されるワイヤハーネスの情報から特定し、連結箇所「%E1」が一端に接続された第2番目の電線W2を特定する。
さらに、第2番目の電線の他端に接続された端子が第2の電気部品(ECU)の第2の端子(「B01」)と一致するか否かを判別する(第2判別ステップ:S205)。図1(f)に示すように、第2番目の電線W2の他端が、分割領域1において第2の電気部品(ECU)の第2の端子(「B01」)に接続されており、補機毎配線情報に記述されている第2の電気部品(ECU)の第2の端子(「B01」)と一致すると判別されれば、部位毎コネクタ・配線情報に記述されている第1の電気部品(ECU)の第1の端子(「A01」)と第2の電気部品(ECU)の第2の端子(「B01」)は導通が図られているとみなし(導通成功:S207)、図1(f)の回路線に関する正否判定工程を終了する。
以上、正否判定工程の処理について説明した。図1(a)〜図1(f)を参照して説明したように、補機毎配線情報を参照して回路線の始点−終点を特定し、部位毎コネクタ・配線情報を参照して特定した、回路線の始点に一端が接続された第1番目の電線の他端、または、第(n−1)番目の電線の他端に一端が接続された第n番目の他端(ただし、nは2以上の整数。)が回路線の終点に一致するか、または、第n番目の電線Wnが存在せず、したがって第(n−1)番目の電線W(n−1)が回路線の終点に一致しないか、を帰納的に解析するものである。このように、第1番目の電線W1、第2番目の電線W2、・・・、第N番目の電線WNと電線を特定しながらそれらの電線の他端が回路線の終点に一致するか否かを判別する処理を総して「多階層検査」と称する。また、その「多階層検査」のうち、回路線の始点に一端が接続された第1番目の電線W1を特定し(第1特定ステップ:S202)、その電線W1の他端が回路線の終点に一致するか否かを判別する(第1判別ステップ:S203)処理を「単階層検査」と称し、第n番目の電線Wn(ただし、nは2以上の整数。)を特定し(第n特定ステップ:S204)、その電線Wnの他端が回路線の終点に一致するか否かを判別する(第n判別ステップ:S205)処理をS206およびS209の処理を含めて「n階層検査」と称する。例えば、図1(b)の場合は単階層検査で第1番目の電線W1の他端が回路線の終点に一致したことになり、図1(c)、図1(e)および図1(f)の場合は2階層検査で検査が第2番目の電線W2(図1(e)の場合は第2番目の電線W22)の他端が回路線の終点に一致したことになり、図1(d)の場合は3階層検査で第3番目の電線W3の他端が回路線の終点に一致したことになる。
尚、本発明に係る実施の形態のワイヤハーネス導通検査方法に適用可能な正否判定工程は、上記[正否判定工程の概要]にて説明したものに限られない。[正否判定工程の概要]にて説明した正否判定工程は一例に過ぎないことに留意されたい。
[組合せ増減工程]
〔組合せ増減工程の目的〕
ところで、上記[正否判定工程の概要]にて説明したように、正否判定工程では、参照ステップS201にて参照したひとまとまりの補機毎配線情報(ひとまとまりの補機毎配線情報は、ヘッドランプシステム、エアバックシステム、エアコンシステム、エンジンコントロールシステム、アンチロックブレーキシステム等のそれぞれ独立して駆動するシステム毎に一つ指定された、複数の補機毎配線情報から構成される。)と、第1特定ステップS202および第2特定ステップS204にて参照したひとまとまりの部位毎コネクタ・配線情報(ひとまとまりの部位毎コネクタ・配線情報は、分割領域毎に一つのワイヤハーネスが指定された、複数の部位毎コネクタ・配線情報から構成される。)と、を用いて、導通の有無が検査される。
このとき、[発明が解決しようとする課題]にて説明したように、ある分割領域に配索可能なワイヤハーネスの候補が複数存在する場合、その候補のいずれか一つが該分割領域に配索されたひとまとまりの部位毎コネクタ・配線情報を作成し、その部位毎コネクタ・配線情報それぞれについて正否判定工程を実施しなければならない。例えば、分割領域Aに配索可能なワイヤハーネスの候補がA−1、A−2、A−3の3つある場合、ワイヤハーネスの候補のA−1、A−2、A−3のいずれか一つが該分割領域Aに配索されるワイヤハーネスとして指定されたひとまとまりの部位毎コネクタ・配線情報を合計3つ作成し、部位毎コネクタ・配線情報それぞれについて正否判定工程を実施しなければならない。さらに、例えば、分割領域Aに配索可能なワイヤハーネスの候補がA−1、A−2、A−3の3つ、分割領域Bに配索可能なワイヤハーネスの候補がB−1、B−2、B−3の3つある場合、分割領域Aに配索可能なワイヤハーネスの候補のA−1、A−2、A−3のいずれか一つ、および分割領域Bに配索可能なワイヤハーネスの候補のB−1、B−2、B−3のいずれか一つが、該分割領域Aおよび該分割領域Bに配索されるワイヤハーネスとして指定されたひとまとまりの部位毎コネクタ・配線情報を合計9つ(3×3)作成し、部位毎コネクタ・配線情報それぞれについて正否判定工程を実施しなければならない。要は、配索可能なワイヤハーネスの候補が分割領域Aにa個、分割領域Bにb個、分割領域Cにc個、・・・ある場合、その組合せの数(a×b×c×・・・)個だけ、ひとまとまりの部位毎コネクタ・配線情報を作成し、部位毎コネクタ・配線情報それぞれについて正否判定工程を実施しなければならない。その組合せの数は、車両によるが、10万以上にも及ぶことがある。
しかしながら、分割領域に配索可能なワイヤハーネスの候補が増えれば増えるほど、ひとまとまりの部位毎コネクタ・配線情報も増えることになる。その結果、ひとまとまりの部位毎コネクタ・配線情報それぞれに対して実施される上述の正否判定工程に多大な時間を要することになってしまう。一方で、作成すべき部位毎コネクタ・配線情報のパターンの数を絞り込み、正否判定工程に要する時間を短縮することも考えられる。しかし、その絞り込み手法によっては、正否判定工程の精度を落とすことに繋がる。このように、正否判定工程に要する時間と正否判定工程の精度はトレードオフの関係にあり、その時間とその精度を最適化できるよう考慮した上で、作成すべき部位毎コネクタ・配線情報の決定、およびそのパターンの個数の増減の調整をできることが好ましい。
これから説明する組合せ増減工程の目的は、正否判定工程に要する時間と正否判定工程の精度を最適化するために、作成すべき部位毎コネクタ・配線情報の決定、およびそのパターンの数の増減の調整をすることにある。以下では、まず、作成すべき部位毎コネクタ・配線情報の数を絞り込む組合せ絞込工程、すなわち、作成すべき部位毎コネクタ・配線情報の数を減らす手法について説明し、その後、作成すべき部位毎コネクタ・配線情報を追加する組合せ追加工程、すなわち、作成すべき部位毎コネクタ・配線情報の数を増やす手法について説明する。
[組合せ絞込工程]
〔組合せ絞込工程の概要〕
図3に示す、本発明に係る実施の形態のワイヤハーネス導通検査方法における、分割領域の繋がりの有無を説明する図を参照して、組合せ絞込工程の概要を説明する。
図3では、車両空間が分割領域A、B、Cの3つに区分けされた状態を示している。ここでは、グレードおよびオプション機能の有無毎によって特定される一車種の車両空間を表しているものとする。一つの車種を特定すれば、その車両に搭載される、ヘッドランプシステム、エアバックシステム、エアコンシステム、エンジンコントロールシステム、アンチロックブレーキ等の、それぞれ独立して駆動するシステムが特定される。本明細書では、ある車両が明確に満たさなければならないシステムの集まりを「仕様」と定義し、その集まりを構成する個別のシステムを識別するための情報を「仕様コード」と称する。
図3(a)では、ヘッドランプシステム(仕様コード「HLS」で表される。)、エアバックシステム(仕様コード「AiBS」で表される。)、エアコンシステム(仕様コード「ACS」で表される。)、エンジンコントロールシステム(仕様コード「ECS」で表される。)、アンチロックブレーキシステム(仕様コード「AnBS」で表される。)が仕様として満たされた車両Aを想定している。また、図3(b)では、ヘッドランプシステム(仕様コード「HLS」で表される。)、エアバックシステム(仕様コード「AiBS」で表される。)、エアコンシステム(仕様コード「ACS」で表される。)、エンジンコントロールシステム(仕様コード「ECS」で表される。)、アンチロックブレーキシステム(仕様コード「AnBS」で表される。)が仕様として満たされた車両Bを想定している。尚、車両Aおよび車両Bは、同一の車両であるものの、グレードおよびオプション機能の有無が異なる車種であるものとする。
複数の分割領域によって車両空間が区分けされた車両には、仕様コードは、その仕様コードによって識別されるシステムを駆動させるために必要なワイヤハーネスが配索されるべき分割領域毎に割り当てられる。例えば、図3(a)に示す車両Aには、ヘッドランプシステムを識別する仕様コードが分割領域AおよびBに、エアバックシステムを識別する仕様コードが分割領域BおよびCに、エアコンシステムを識別する仕様コードが分割領域A、BおよびCに、エンジンコントロールシステムを識別する仕様コードが分割領域AおよびBに、アンチロックブレーキシステムを識別する仕様コードが分割領域A、BおよびCに、それぞれ割り当てられている。また、例えば、図3(b)に示す車両Bには、ヘッドランプシステムを識別する仕様コードが分割領域AおよびBに、エアバックシステムを識別する仕様コードが分割領域BおよびCに、エアコンシステムを識別する仕様コードが分割領域BおよびCに、エンジンコントロールシステムを識別する仕様コードが分割領域AおよびBに、アンチロックブレーキシステムを識別する仕様コードが分割領域BおよびCに、それぞれ割り当てられている。
続いて、上述した仕様コードを分割領域毎に見てみる。図3(a)に示す車両Aには、分割領域Aには、仕様コード「HLS」、「ACS」、「ECS」、「AnBS」の合計4つの仕様コードが割り当てられ、分割領域Bには、仕様コード「HLS」、「AiBS」、「ACS」、「ECS」、「AnBS」の合計5つの仕様コードが割り当てられ、分割領域Cには、仕様コード「AiBS」、「ACS」、「AnBS」の合計3つの仕様コードが割り当てられている。また、図3(b)に示す車両Bには、分割領域Aには、仕様コード「HLS」、「ECS」の合計2つの仕様コードが割り当てられ、分割領域Bには、仕様コード「HLS」、「AiBS」、「ACS」、「ECS」、「AnBS」の合計5つの仕様コードが割り当てられ、分割領域Cには、「AiBS」、「ACS」、「AnBS」の合計3つの仕様コードが割り当てられている。
このように、各分割領域に割り当てられる仕様コードの個数は異なる。仕様コードが多く割り当てられた分割領域ほどその分割領域に位置する電線は多く存在し、したがって、該分割領域に配索可能なワイヤハーネスは他の分割領域に配索可能なワイヤハーネスと電線の接続箇所が多く、これらのワイヤハーネスの導通検査を実施する必要性が高いと言える。一方、仕様コードが少なく割り当てられた分割領域に位置する電線は少なく、したがって、該分割領域に配索可能なワイヤハーネスは他の分割領域に配索可能なワイヤハーネスと電線の接続箇所が少なく、該分割領域に配索可能なワイヤハーネスの導通検査を実施する必要性が低いと言える。
さらに、上述した仕様コードの関係を2つの分割領域を中心に見てみる。図3(a)に示す車両Aでは、分割領域A−分割領域Bには、仕様コード「HLS」、「ACS」、「ECS」、「AnBS」が共通し、分割領域B−分割領域Cには、仕様コード「AiBS」、「ACS」、「AnBS」が共通し、分割領域C−分割領域Aには、仕様コード「ACS」、「AnBS」が共通している。このように、ある分割領域Xと、別の分割領域Yとに、少なくとも一つの仕様コードが共通している場合、以降、「分割領域X−Y間で繋がりがある」と称する。そうすると、図3(a)に示す車両Aでは、分割領域A−分割領域B間、分割領域B−分割領域C間、分割領域C−分割領域A間で繋がりがあると言える。
一方、図3(b)に示す車両Bでは、分割領域A−分割領域Bには、仕様コード「HLS」、「ECS」が共通し、分割領域B−分割領域Cには、仕様コード「AiBS」、「ACS」、「AnBS」が共通し、分割領域C−分割領域Aには、共通する仕様コードが無い。そうすると、図3(b)に示す車両Bでは、分割領域A−分割領域B間、分割領域B−分割領域C間で繋がりがあると言えるものの、図3(a)に示す車両Aとは異なり、分割領域C−分割領域A間では繋がりがない。
本発明に係る実施の形態のワイヤハーネス導通検査方法による組合せ絞込工程では、分割領域に割り当てられた仕様コードの個数、および、2つの分割領域間での繋がりの有無に基づいて、正否判定工程の対象となるひとまとまりの部位毎コネクタ・配線情報のパターン作成個数を効率的に減らす。
〔組合せ絞込工程の詳細〕
図4に示す、本発明に係る実施の形態のワイヤハーネス導通検査方法による、正否判定工程をすべき部位毎コネクタ・配線情報のパターン作成個数の概念図を参照して、組合せ絞込工程の詳細を説明する。尚、図4の概念図は、図3(a)に示す車両Aに対応するものである。
図4に示すように、図3(a)に示す車両Aの各分割領域A、B、Cに割り当てられる仕様コードの個数は、分割領域Aには4個、分割領域Bには5個、分割領域Cには3個である。ここで、まず、仕様コードが最も多く割り当てられた分割領域を特定する(この分割領域を、以後メイン1と称する)。図3(a)に示す車両Aでは、分割領域Bがメイン1であることがわかる。このようにして特定されたメイン1は、当該車両Aにおいて、仕様コードが最も多く割り当てられた分割領域であり、このため、他の分割領域との繋がりが最も多い分割領域と言える。
続いて、メイン1(分割領域B)と繋がりのある分割領域のなかから、割り当てられた仕様コードの個数が最も多い分割領域を特定する(この分割領域を、以後メイン2と称する)。図3(a)に示す車両Aでは、メイン1と繋がりのある分割領域は、分割領域AおよびCであり、また、分割領域AおよびCのうち、割り当てられた仕様コードの個数が多いものは分割領域Aである。このため、分割領域Aがメイン2であることがわかる。このようにして特定されたメイン2は、当該車両Aにおいて、メイン1と共通する仕様コードの個数が最も多い分割領域であり、このため、メイン1と繋がりのある分割領域のなかでその繋がりが最も深いと言える。
このようにして特定されたメイン1−メイン2に配索可能なワイヤハーネスは、当該車両Aにおいて、最も電線の接続箇所が多いため、それらのワイヤハーネスの導通検査を実施する必要性が最も高いと言える。逆に、メイン1−分割領域Cに配索可能なワイヤハーネス、およびメイン2−分割領域Cに配索可能なワイヤハーネスは、当該車両Aにおいて、メイン1−メイン2に配索可能なワイヤハーネスよりも電線の接続箇所が少ないため、それらのワイヤハーネスの導通検査を実施する必要性が低いと言える。
本発明に係る実施の形態のワイヤハーネス導通検査方法では、配索可能なワイヤハーネスの候補が分割領域Aにa個、分割領域Bにb個、分割領域Cにc個ある場合、メイン1またはメイン2のいずれにも該当しなかった分割領域に配索可能なワイヤハーネスの候補の全てを部位毎コネクタ・配線情報に記述する対象とせず、メイン1(分割領域B)およびメイン2(分割領域A)毎にワイヤハーネスの候補の一つが指定されたひとまとまりの部位毎コネクタ・配線情報を合計(a×b)個だけパターンを作成し、その(a×b)個の部位毎コネクタ・配線情報それぞれについて正否判定工程を実施する。尚、メイン1またはメイン2のいずれにも該当しなかった分割領域には、その分割領域に配索可能なワイヤハーネスの候補のうちの任意の一つを部位毎コネクタ・配線情報に記述する対象とする。このようにしても、ひとまとまりの部位毎コネクタ・配線情報のパターン作成個数は(a×b)個である。
従来方法では、分割領域A、B、C毎に一つのワイヤハーネスが指定されたひとまとまりの部位毎コネクタ・配線情報を作成しなければならない。この結果、図5に示す、従来の、正否判定工程をすべき部位毎コネクタ・配線情報のパターン作成個数の概念図のように、配索可能なワイヤハーネスの候補が分割領域Aにa個、分割領域Bにb個、分割領域Cにc個ある場合、その組合せの数(a×b×c)個だけ、ひとまとまりの部位毎コネクタ・配線情報を作成し、(a×b×c)個の部位毎コネクタ・配線情報それぞれについて正否判定工程を実施しなければならない。
一方、本発明に係る実施の形態のワイヤハーネス導通検査方法では、配索可能なワイヤハーネスの候補が分割領域Aにa個、分割領域Bにb個、分割領域Cにc個、・・・ある場合、絞り込まれた2つの分割領域(図4では分割領域A、Bに絞り込まれている。)毎に一つ指定されたひとまとまりの部位毎コネクタ・配線情報を(a×b)個だけ作成し、(a×b)個の部位毎コネクタ・配線情報それぞれについて正否判定工程を実施する。従来方法に比して、〔(a×b×c)−(a×b)〕の部位毎コネクタ・配線情報の作成を省き、それにより〔(a×b×c)−(a×b)〕個の部位毎コネクタ・配線情報の正否判定工程に要する時間を短縮することができる。
さらに、本発明に係る実施の形態のワイヤハーネス導通検査方法の理解を助けるために、図6に示す、本発明に係る実施の形態のワイヤハーネス導通検査方法による、正否判定工程をすべき部位毎コネクタ・配線情報のパターン作成個数の概念図を参照して、組合せ絞込工程を説明する。尚、図6の概念図は、図3(b)に示す車両Bに対応するものである。
図6に示すように、図3(b)に示す車両Aの各分割領域A、B、Cに割り当てられる仕様コードの個数は、分割領域Aには2個、分割領域Bには5個、分割領域Cには3個である。ここで、まず、仕様コードが最も多く割り当てられた分割領域を特定する。図3(b)に示す車両Bでは、分割領域Bがメイン1であることがわかる。
続いて、メイン1(分割領域B)と繋がりのある分割領域のなかから、割り当てられた仕様コードの個数が最も多い分割領域を特定する。図3(b)に示す車両Bでは、メイン1と繋がりのある分割領域は、分割領域AおよびCであり、また、分割領域AおよびCのうち、割り当てられた仕様コードの個数が多いものは分割領域Cである。このため、分割領域Cがメイン2であることがわかる。
このようにして特定されたメイン1−メイン2に配索可能なワイヤハーネスは、当該車両Bにおいて、最も電線の接続箇所が多いため、それらのワイヤハーネスの導通検査を実施する必要性が最も高いと言える。逆に、メイン1−分割領域Aに配索可能なワイヤハーネス、およびメイン2−分割領域Aに配索可能なワイヤハーネスは、当該車両Bにおいて、メイン1−メイン2に配索可能なワイヤハーネスよりも電線の接続箇所が少ないため、それらのワイヤハーネスの導通検査を実施する必要性が低いと言える。
本発明に係る実施の形態のワイヤハーネス導通検査方法では、配索可能なワイヤハーネスの候補が分割領域Aにa個、分割領域Bにb個、分割領域Cにc個ある場合、メイン1またはメイン2のいずれにも該当しなかった分割領域に配索可能なワイヤハーネスの候補の全てを部位毎コネクタ・配線情報に記述する対象とせず、メイン1(分割領域B)およびメイン2(分割領域C)毎にワイヤハーネスの候補の一つが指定されたひとまとまりの部位毎コネクタ・配線情報を合計(b×c)個だけパターンを作成し、その(b×c)個の部位毎コネクタ・配線情報それぞれについて正否判定工程を実施する。従来方法に比して、〔(a×b×c)−(b×c)〕の部位毎コネクタ・配線情報の作成を省き、それにより〔(a×b×c)−(b×c)〕個の部位毎コネクタ・配線情報の正否判定工程に要する時間を短縮することができる。
以上、本発明に係る実施の形態のワイヤハーネス導通検査方法によれば、従来方法に比して部位毎コネクタ・配線情報のパターン作成個数を減らすことができ、それにより正否判定工程に要する時間を短縮することができる。
尚、上述のメイン1を特定するに当たって、複数の分割領域において仕様コードの個数が同数であることが考えられる。このような場合には、仕様コードの個数が同数の複数の分割領域のなかからいずれか一つを選ぶ必要があるが、このとき、例えば、それら複数の分割領域に配索可能なワイヤハーネスの候補の数の大小を比較し、その候補の数が最も多い分割領域をメイン1として特定する。同様に、上述のメイン2を特定するに当たっても、複数の分割領域において仕様コードの個数が同数であることが考えられる。このような場合にも、例えば、それら複数の分割領域に配索可能なワイヤハーネスの候補の数の大小を比較し、その候補の数が最も多い分割領域をメイン2として特定したり、あるいは、それら複数の分割領域それぞれとメイン1に共通する仕様コードの個数の大小を比較し、その個数が最も多い分割領域をメイン2として特定する。
[組合せ追加工程]
次に、組合せ追加工程の詳細を説明する。
〔組合せ追加工程の一例〕
上述した[組合せ絞込工程]では、作成すべき部位毎コネクタ・配線情報の作成パターン個数を絞り込む組合せ絞込工程について説明した。しかし、この組合せ絞込工程のみでは、導通検査を行うべき重要度が最も高い、メイン1−メイン2間に配索されるワイヤハーネスの組合せについては、正否判定工程を実施できるものの、それ以外の2つの分割領域に配索されるワイヤハーネスの組合せについては、正否判定工程を実施できない。このため、あるシステムを駆動する上で基幹となる電線が、メイン1およびメイン2以外の2つの分割領域に配索されるワイヤハーネスを介して連結されている場合、その電線についての導通検査が実施されない。このようなあるシステムを駆動する上で基幹となる電線を含むワイヤハーネスについては、そのワイヤハーネスがメイン1およびメイン2に配索されるものでなくても、作成すべき部位毎コネクタ・配線情報のパターンに追加し、その部位毎コネクタ・配線情報についても正否判定工程を実施すべきである。以下、ひとまとまりの部位毎コネクタ・配線情報のパターンを増加する組合せ追加工程の一例について説明する。尚、〔組合せ追加工程の一例〕では、上述した[組合せ絞込工程]にてパターンを絞り込んだ部位毎コネクタ・配線情報に対して別のパターンを追加する場合について説明するが、本発明の〔組合せ追加工程の一例〕は、上述した[組合せ絞込工程]にてパターンを絞り込んだ部位毎コネクタ・配線情報に対してのみ適用可能な手法ではなく、上述した[組合せ絞込工程]以外の手法によってその数が減らされた部位毎コネクタ・配線情報のパターンに対しても、別のパターンを追加することができる。
メイン1およびメイン2を特定する手順については[組合せ絞込工程]にて説明した通りであるため、説明を省略する。以降では、図4に示すように、分割領域Bがメイン1として特定され、分割領域Aがメイン2として特定された場合を説明する。
続いて、メイン1およびメイン2以外の分割領域の中から一つの任意の分割領域を選択し、その分割領域に配索可能なワイヤハーネスの中から導通検査すべき任意のワイヤハーネスを選択する。ここでは、メイン1およびメイン2以外の分割領域の中から分割領域Cを選択したとする。また、メイン2である分割領域Aに配索可能なワイヤハーネスの候補がA−1、A−2、A−3の3個、メイン1である分割領域Bに配索可能なワイヤハーネスの候補がB−1、B−2、B−3の3個、分割領域Cに配索可能なワイヤハーネスの候補がC−1、C−2、C−3の3個あり、分割領域Cに配索可能なワイヤハーネスC−1、C−2、C−3の中から導通検査すべき任意のワイヤハーネスとしてワイヤハーネスC−1を選択したとする。
上述したワイヤハーネスC−1が部位毎コネクタ・配線情報のパターンに対して新たに追加されるべき別のパターンとして特定された場合、図7の部位毎コネクタ・配線情報の作成の要否の関係の一例を説明する図に示すように、ひとまとまりの部位毎コネクタ・配線情報がパターンとして作成される。すなわち、分割領域A、B、Cに配索されるワイヤハーネスとして、
組合せNo.1(A−1、B−1、C−1)
組合せNo.4(A−1、B−2、C−1)
組合せNo.7(A−1、B−3、C−1)
組合せNo.10(A−2、B−1、C−1)
組合せNo.13(A−2、B−2、C−1)
組合せNo.16(A−2、B−3、C−1)
組合せNo.19(A−3、B−1、C−1)
組合せNo.22(A−3、B−2、C−1)
組合せNo.25(A−3、B−3、C−1)
のように各ワイヤハーネスが指定されたひとまとまりの部位毎コネクタ・配線情報を9個作成する。尚、組合せNo.1、4、7、10、13、16、19、22、25は、ワイヤハーネスA−1、A−2、A−3とワイヤハーネスB−1、B−2、B−3の組合せに対応する。このように、組合せ絞込工程によって、メイン1およびメイン2毎にワイヤハーネスが一つ指定されたひとまとまりの部位毎コネクタ・配線情報それぞれに対して、分割領域Cに配索可能なワイヤハーネスの候補のうちのワイヤハーネスC−1を組合せに追加したものをひとまとまりの部位毎コネクタ・配線情報として作成する。これにより、組合せ追加工程によって導通検査すべきワイヤハーネスが指定された部位毎コネクタ・配線情報を作成することにより正否判定工程の精度を向上することができる。
尚、メイン1およびメイン2以外の分割領域の中から一つの任意の分割領域を選択すると説明したが、メイン1およびメイン2を除く分割領域のなかで、メイン1およびメイン2と繋がりのある分割領域のなかから、割り当てられた仕様コードの個数が最も多い分割領域を選択するようにしてもよい。このようにして特定された分割領域(サブと称することがある。)は、メイン1およびメイン2と共通する仕様コードの個数が最も多い分割領域であり、このため、メイン1およびメイン2の両方と繋がりのある分割領域のなかでその繋がりが最も深いと言える。これは、すなわち、メイン1−サブ、およびメイン2−サブに配索可能なワイヤハーネスは、電線の接続箇所が多いため、それらのワイヤハーネスの導通検査を実施する必要性が最も高いということと同義である。したがって、このように分割領域を選択することは、正否判定工程の精度の向上に寄与する。
尚、選択した分割領域に配索可能なワイヤハーネスの中から導通検査すべき任意のワイヤハーネスを選択すると説明したが、それらのワイヤハーネスによってどのシステムを駆動させることができるかわかっている場合には、その駆動させることができるシステムの数、システムの重要度、などに基づいて、ワイヤハーネスを選択することが好ましい。
〔組合せ追加工程の他例〕
以下、ひとまとまりの部位毎コネクタ・配線情報のパターン数を増加する組合せ追加工程の他例について、図8の部位毎コネクタ・配線情報の作成の要否の関係の一例を説明する図を参照して説明する。図8では、分割領域Aに配索可能なワイヤハーネスの候補がA−1、A−2、A−3の3個、分割領域Bに配索可能なワイヤハーネスの候補がB−1、B−2、B−3の3個、分割領域Cに配索可能なワイヤハーネスの候補がC−1、C−2、C−3の3個ある場合の、ひとまとまりの部位毎コネクタ・配線情報の全ての組合せ(3×3×3)を記載している。
各分割領域に配索されるワイヤハーネスをそれぞれ選択すると、そのワイヤハーネスを接続したときに車両が満たす仕様を特定することができる。例えば、図8の組合せNo.1では、分割領域Aに配索されるワイヤハーネスとしてA−1を、分割領域Bに配索されるワイヤハーネスとしてB−1を、分割領域Cに配索されるワイヤハーネスとしてC−1を、それぞれ選択した場合、それらのワイヤハーネスが配索され、互いに接続された車両は「HLS」、「AiBS」、「ACS」、「ECS」、「AnBS」の仕様を満たす。同様に、図8の組合せNo.4では、分割領域Aに配索されるワイヤハーネスとしてA−1を、分割領域Bに配索されるワイヤハーネスとしてB−2を、分割領域Cに配索されるワイヤハーネスとしてC−1を、それぞれ選択した場合、それらのワイヤハーネスが配索され、互いに接続された車両は「HLS」、「AiBS」、「ACS」、「ECS」の仕様を満たす。このように、図8の全ての組合せNo.1〜No.27に関して、それらのワイヤハーネスが配索され、互いに接続された車両が満たす仕様を特定することができる。このように車両が満たす仕様を特定できるのは、各分割領域に配索されるワイヤハーネスが特定された結果、各分割領域に配置された電気部品間の接続が特定され、その電気部品の駆動の可否、ひいてはあるシステムの駆動の可否が判別できるようになるためである。システムの駆動が可能と判別できれば、車両が満たす仕様の仕様コードを特定できる。
図8の組合せNo.18、24では、それらのワイヤハーネスが配索され、互いに接続された車両が満たす仕様が無い。ひとまとまりの部位毎コネクタ・配線情報の組み合わせのなかにはこのような車両が満たす仕様が無いものもあるが、このような組合せのひとまとまりの部位毎コネクタ・配線情報に対する正否判定工程は、正否判定工程に要する時間の短縮化の観点から避けるべきである。一方、図8の組合せNo.1、3、8、12、13、16、21、25では、それらのワイヤハーネスが配索され、互いに接続された車両が満たす仕様は、「HLS」、「AiBS」、「ACS」、「ECS」、「AnBS」の合計5つと最多である。ひとまとまりの部位毎コネクタ・配線情報の組み合わせのなかにはこのような車両が満たす仕様を全て有するものもあるが、このような組合せのひとまとまりの部位毎コネクタ・配線情報に対する正否判定工程は、正否判定工程の精度の向上の観点から実施するべきである。
このため、各分割領域に配索されるワイヤハーネスがそれぞれ指定されることによって特定される仕様コードに基づき、作成すべきひとまとまりの部位毎コネクタ・配線情報のパターンを決定する。図8では、組合せNo.1〜No.27のうち、車両が満たす仕様が最多となる組合せNo.1、3、8、12、13、16、21、25を、作成すべきひとまとまりの部位毎コネクタ・配線情報の対象としている。
上述した[組合せ絞込工程]にて部位毎コネクタ・配線情報のパターンを絞り込んだ後、〔組合せ追加工程の他例〕にてその部位毎コネクタ・配線情報に別のパターンを追加する場合、[組合せ絞込工程]にて部位毎コネクタ・配線情報のパターンが組合せNo.1、4、7、10、13、16、19、22、25に絞り込まれ、〔組合せ追加工程の他例〕にて部位毎コネクタ・配線情報のパターンにNo.3、8、12、21が追加される。この結果、No.1、3、4、7、8、10、12、13、16、19、21、22、25の合計13個のひとまとまりの部位毎コネクタ・配線情報が作成されることになる。
尚、車両が満たす仕様が最多となるNo.1、3、8、12、13、16、21、25を、作成すべきひとまとまりの部位毎コネクタ・配線情報の対象とするように述べたが、車両が満たす仕様が最多となるという条件に本発明が限られるものではない。例えば、車両の安全性を確保するある仕様を含むという条件で、作成すべきひとまとまりの部位毎コネクタ・配線情報の対象を選択してもよい。要は、各分割領域に配索されるワイヤハーネスがそれぞれ指定されることによって特定される仕様コードに基づき、作成すべきひとまとまりの部位毎コネクタ・配線情報のパターンを決定すればよい。
また、[組合せ絞込工程]にて部位毎コネクタ・配線情報のパターンを絞り込んだ後、〔組合せ追加工程の他例〕にてその部位毎コネクタ・配線情報に別のパターンを追加する場合について説明したが、[組合せ絞込工程]を経ずに、〔組合せ追加工程の他例〕のみよって部位毎コネクタ・配線情報のパターンを決定してもよい。これは、すなわち、〔組合せ追加工程の他例〕が組合せ絞込工程の一実施形態になり得ることを示している。
以上、本発明に係る実施の形態のワイヤハーネス導通検査方法によれば、組合せ絞込工程によって作成すべき部位毎コネクタ・配線情報を絞り込むことにより正否判定工程に要する時間を短縮するとともに、組合せ追加工程によって導通検査すべき重要度の高いワイヤハーネスが指定された部位毎コネクタ・配線情報を作成することにより正否判定工程の精度を向上することができる。この結果、正否判定工程に要する時間と正否判定工程の精度の最適化を図ることができる。
以降、本発明に係る実施の形態のワイヤハーネス導通検査装置の構成を説明する。まず、図9に示す、本発明に係る実施の形態のワイヤハーネス導通検査装置の機能ブロック図を参照して、本発明に係る実施の形態のワイヤハーネス導通検査装置の構成を説明する。
[ワイヤハーネス導通検査装置の構成]
本発明に係る実施の形態のワイヤハーネス導通検査装置は、入力部311、データベース部312、プログラム記憶部313、データ記憶部314、表示部315、処理部316を含んで構成される。本発明のワイヤハーネス導通検査装置は、例えば汎用PCによって構成される場合、入力部311はキーボード、マウス、テンキーなどの各種入力インタフェースによって実現され、データベース部312及びプログラム記憶部313は、ハードディスクドライブ(HDD)によって実現され、データ記憶部314はRAM(Random Access Memory)によって実現され、表示部315はCRTディスプレイ、液晶ディスプレイなどの各種出力デバイスによって実現され、処理部316は、CPU(Central Processing Unit)によって実現される。データベース部312には、補機毎配線情報のデータ、および部位毎コネクタ・配線情報のデータ(必要に応じて、該補機毎配線情報に基づいて作成された実体配線図のデータ)が記憶されているとともに、補機仕様表のデータが記憶されている。また、プログラム記憶部313には、上述の多階層検査および組合せ増減工程(組合せ絞込工程および組合せ追加工程)を処理部316に実行するためのプログラムが記録されている。また、データ記憶部314には、多階層検査および組合せ増減工程(組合せ絞込工程および組合せ追加工程)を実行している処理部316から入出力されるデータが記録される。本発明のワイヤハーネス導通検査装置に多階層検査および組合せ増減工程(組合せ絞込工程および組合せ追加工程)を実行させようとする者は、表示部315を視認しながら入力部311を使って、処理部316に演算させるための各種操作を行う。
311 入力部
312 データベース部
313 プログラム記憶部
314 データ記憶部
315 表示部
316 処理部

Claims (3)

  1. 車両空間を区分けする各分割領域にワイヤハーネスが配索される場合に該車両が満たす仕様を参照するステップと、
    所定の仕様を実現する、各分割領域に配索されるワイヤハーネスについて記述された部位毎コネクタ・配線情報を作成する作成ステップと、
    作成した前記部位毎コネクタ・配線情報に対して、電線の接続の誤りの有無を検査する検査ステップと、
    を有することを特徴とするワイヤハーネス導通検査方法。
  2. 車両空間を区分けする分割領域のうち、所定の第1の分割領域を特定する第1特定ステップと、
    前記第1の分割領域に配索可能な第1のワイヤハーネスのうちの所定の一つについて少なくとも記述された部位毎コネクタ・配線情報を作成する作成ステップと、
    を有することを特徴とするワイヤハーネス導通検査方法。
  3. コンピュータに、請求項1または2に記載のワイヤハーネス導通検査方法の各ステップを実行させるためのワイヤハーネス導通検査プログラム。
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