JP2011246753A - 脱硫スラグの処理方法、脱流用フラックスの製造方法および脱硫スラグの連続使用方法ならびに脱硫スラグの処理装置 - Google Patents

脱硫スラグの処理方法、脱流用フラックスの製造方法および脱硫スラグの連続使用方法ならびに脱硫スラグの処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】硫化水素やSOxなどの有害物質の大気開放を行うことなく、硫黄分を高温高圧水に抽出・除去した後、フラックスとして使用する脱硫スラグの連続使用方法および処理装置を提供する。
【解決手段】本発明は、脱硫スラグと水とを耐圧容器に収容後、前記耐圧容器を加温することにより収容される水を150〜300℃の高温高圧水とし、生成した前記高温高圧水と前記脱硫スラグとの接触により前記脱硫スラグ中の硫黄分を前記高温高圧水中に抽出する抽出工程と(ステップS106)、前記抽出工程終了後、高温高圧状態を保持しながら前記耐圧容器内の前記高温高圧水を排出する排出工程と(ステップS107)、を含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、溶銑予備処理の過程で発生する脱硫スラグの処理方法、脱流用フラックスの製造方法および脱硫スラグの連続使用方法ならびに脱硫スラグの処理装置に関する。
鋼材品質の要求水準が高度化するのに伴い、鋼材中に含まれる硫黄分濃度の低減が強く求められるようになっている。一般に転炉で脱硫を行うと、フラックス使用量が増大して生産性が低下するため、予備処理によって酸化カルシウム等のフラックスを使用し炉外脱硫を行っている。これらのフラックスは、溶銑中の硫黄分と反応して脱硫スラグとして排出され、土木用やセメント原材料としてリサイクルされている。
脱硫スラグの土工用原料等へのリサイクルでは、加工処理費が高いことや、スラグ処理量増大に伴うリサイクル先の不足などの問題を有するため、製造プロセスのゼロエミッション化を志向し、硫黄分を除去した後、脱硫スラグをフラックスとして再利用することが望まれている。
このような状況に際し、脱硫スラグを二酸化炭素ガス雰囲気下で900℃以上に加熱することにより、製鋼プロセスで脱硫材として再利用可能にする使用済みスラグの硫黄除去方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、還元スラグに熱水または水蒸気を接触させて、還元スラグ中の硫黄分を加水分解することにより硫黄分を低減する還元スラグの処理方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
さらに、水蒸気を15〜50体積%含む70℃以上の気体を流速0.03m/min〜30m/minで吹き付ける低硫黄濃度の脱硫スラグの製造方法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
さらにまた、製鋼スラグを装入した圧力容器に加圧水蒸気を供給し、凝縮した熱水および空気混じり蒸気を排出した後、前記製鋼スラグを2〜10kg/cmGの飽和水蒸気雰囲気化で水和反応させる、製鋼スラグのエージング方法が開示されている(例えば、特許文献4および5参照)。
また、溶融スラグに酸素を含む気体を吹き付けることにより、溶融スラグ中の硫黄を酸化し、除去する方法が開示されている(例えば、特許文献6〜8参照)。
特開2008−308754号公報 特開2008−163391号公報 特許第3193869号公報 特開平9−118549号公報 特開平9−118550号公報 特開昭55−97408号公報 特開昭53−90193号公報 特開昭59−125386号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、900〜1000℃程度にスラグを加熱する必要があり、エネルギーコストが高くなる。
また、特許文献2および3に記載の方法は、スラグ中の硫黄分の加水分解および酸化処理に数日程度の時間を要するとともに、生成した有害な硫化水素やSOxを大気放出することになり好ましくない。
特許文献4および5に記載の方法は、製鋼スラグ中の遊離酸化カルシウム(フリーライム)の水和を目的としたエージング方法であって、製鋼スラグ中の硫黄除去の可能性について何ら記載されておらず、該方法により脱硫されたスラグをフラックスとして使用できるか否かは明らかではない。
また、特許文献6〜8に記載の方法は、溶融したスラグ中に含まれる硫黄についての脱硫方法であり、すでに冷却したスラグには適用できないという問題があった。
本発明は、上記実情に鑑みて考案されたものであり、脱硫スラグを高温高圧水で処理することにより、硫化水素やSOxなどの有害物質の大気や地中へ放出させることなく、硫黄分を硫化物イオンとして高温高圧水に抽出・除去する脱硫スラグの処理方法、前記処理方法にて処理された脱硫スラグから脱流用フラックスを製造する方法、および脱硫スラグの連続使用方法ならびに脱硫スラグの処理装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の脱硫スラグの処理方法は、脱硫スラグと水とを耐圧容器に収容後、前記耐圧容器を加温することにより収容される水を150〜300℃の高温高圧水とし、生成した前記高温高圧水と前記脱硫スラグとの接触により前記脱硫スラグ中の硫黄分を前記高温高圧水中に抽出する抽出工程と、前記抽出工程終了後、高温高圧状態を保持しながら前記耐圧容器内の前記高温高圧水を排出する排出工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明の脱硫スラグの処理方法は、上記発明において、前記排出工程後、前記耐圧容器内に水を供給して前記脱硫スラグに残存する硫黄分を抽出し、抽出した水を排出する再抽出工程を含むことを特徴とする。
また、本発明の脱硫スラグの処理方法は、上記発明において、前記再抽出工程は、前記耐圧容器内に水を供給して前記脱硫スラグに残存する硫黄分を抽出した後、前記耐圧容器内に二酸化炭素を吹き込むことを特徴とする。
また、本発明の脱硫スラグの処理方法は、上記発明において、前記排出工程後または前記再抽出工程後、前記脱硫スラグを500℃以上に加熱する工程を含むことを特徴とする。
また、本発明の脱硫スラグの処理方法は、上記発明において、前記抽出工程に使用する脱硫スラグと水との質量比を1:5以上とすることを特徴とする。
また、本発明の脱硫スラグの処理方法は、上記発明において、前記抽出工程は、脱硫スラグを収容する前記耐圧容器に所定温度に調整した高温高圧水を所定量供給した後、前記耐圧容器内の高温高圧状態を保持しながら、前記高温高圧水を前記耐圧容器内に連続的に供給し、かつ排出させて前記脱硫スラグ中の硫黄分を前記高温高圧水中に抽出することを特徴とする。
また、本発明の溶銑の脱硫用フラックスの製造方法は、上記に記載の処理方法にて処理された脱硫スラグを用いて、溶銑中の硫黄分を除去する為に添加するフラックスを製造することを特徴とする。
また、本発明の脱硫スラグの連続使用方法は、フラックスを溶銑に添加して、添加した溶銑中の硫黄を除去する脱硫工程と、前記脱硫工程で生成した脱硫スラグを溶銑から分離する分離工程と、前記分離工程で取り出した脱硫スラグと水とを耐圧容器に収容後、前記耐圧容器を加温することにより収容される水を高温高圧水とし、生成した前記高温高圧水と前記脱硫スラグとの接触により前記脱硫スラグ中の硫黄分を前記高温高圧水中に抽出する抽出工程と、前記抽出工程終了後、高温高圧状態を保持しながら前記耐圧容器内の前記高温高圧水を排出する排出工程と、を含み、含有硫黄が除去された前記脱硫スラグを、そのまま、またはフラックスと所定割合で混合した後、前記脱硫工程のフラックスとして使用することを特徴とする。
また、本発明の脱硫スラグの連続使用方法は、上記発明において、前記抽出工程は、150〜300℃の高温高圧水を生成し、生成した前記高温高圧水と前記脱硫スラグとの接触により前記脱硫スラグ中の硫黄分を前記高温高圧水中に抽出することを特徴とする。
また、本発明の脱硫スラグの連続使用方法は、上記発明において、前記排出工程後、前記耐圧容器内に水を供給して前記脱硫スラグに残存する硫黄分を抽出し、抽出した水を排出する再抽出工程を含むことを特徴とする。
また、本発明の脱硫スラグの連続使用方法は、上記発明において、前記再抽出工程は、前記耐圧容器内に水を供給して前記脱硫スラグに残存する硫黄分を抽出した後、前記耐圧容器内に二酸化炭素を吹き込むことを特徴とする。
また、本発明の脱硫スラグの連続使用方法は、上記発明において、前記排出工程後または前記再抽出工程後、前記脱硫スラグを500℃以上に加熱する工程を含むことを特徴とする。
また、本発明の脱硫スラグの連続使用方法は、上記発明において、前記抽出工程に使用する脱硫スラグと水との質量比を1:5以上とすることを特徴とする。
また、本発明の脱硫スラグの連続使用方法は、上記発明において、前記抽出工程は、脱硫スラグを収容する前記耐圧容器に所定温度に調整した高温高圧水を所定量供給した後、前記耐圧容器内の高温高圧状態を保持しながら、前記高温高圧水を前記耐圧容器内に連続的に供給し、かつ排出させて前記脱硫スラグ中の硫黄分を前記高温高圧水中に抽出することを特徴とする。
また、本発明の脱硫スラグの処理装置は、脱硫スラグを収容する耐圧容器と、前記耐圧容器に水を供給する供給手段と、前記耐圧容器を加温して前記耐圧容器内の水を150〜300℃の高温高圧水とする加熱手段と、前記耐圧容器内の高温高圧水を排出する排出手段と、前記高温高圧水と前記脱硫スラグとを所定時間接触させることにより前記脱硫スラグ中の硫黄分を前記高温高圧水中に抽出後、前記耐圧容器内の高温高圧状態を保持しながら前記高温高圧水を前記排出手段から排出するよう制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の脱硫スラグの処理装置は、上記発明において、前記耐圧容器内に二酸化炭素を吹き込む二酸化炭素供給手段と、前記二酸化炭素供給手段により供給された二酸化炭素を排出する二酸化炭素排出手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の脱硫スラグの処理装置は、上記発明において、前記供給手段は、150〜300℃の高温高圧水を生成する加熱手段とを備え、前記制御手段は、前記耐圧容器内に前記供給手段から前記高温高圧水を所定量供給した後、前記耐圧容器内の高温高圧状態を保持しながら、前記供給手段と前記排水手段とにより前記高温高圧水を前記耐圧容器内に連続的に供給し、排出させる制御を行なうことを特徴とする。
本発明によれば、溶銑予備処理の過程で発生する脱硫スラグを高温高圧水で短い時間処理するだけで、脱硫スラグ中の硫黄分を高温高圧水に抽出して除去することができるので、溶銑のフラックスとして連続使用することを可能とし、さらに、硫化水素やSOxなどの有害物質の大気開放、あるいは硫酸塩、亜硫酸塩等の地中への溶出を防止することができるため環境への影響を小さくすることができる。
図1は、本発明の実施の形態1に係る処理装置の断面図である。 図2は、本発明の実施の形態1に係る脱硫スラグの連続使用処理のフローチャートである。 図3は、水温と飽和水蒸気圧の関係を示す図である。 図4は、本発明の実施の形態2に係る処理装置の断面図である。 図5は、本発明の実施の形態2に係る脱硫スラグの連続使用処理のフローチャートである。 図6は、本発明の実施の形態3に係る脱硫スラグの連続使用処理のフローチャートである。 図7は、本発明の実施の形態4に係る処理装置の断面図である。 図8は、本発明の実施の形態4に係る脱硫スラグの連続使用処理のフローチャートである。 図9は、高温高圧水のフロー処理を行った場合の溶出水量と硫黄分の溶出率積算値との関係を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る脱硫スラグの連続使用方法および処理装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
水を液体状態のまま高温高圧状態、いわゆる亜臨界状態にすると、イオン積が増大し、大きな加水分解作用を持つことはよく知られている。一方、溶銑予備処理で発生した脱硫スラグ中には、フラックスのカルシウム化合物によって取り込まれた硫化カルシウムのほか、硫黄、亜硫酸塩及びピロ硫酸塩等の硫黄分が含まれる。そして、これら硫黄分は、上記高温高圧水に接触することで加水分解され、主として硫酸塩や亜硫酸塩として高温高圧水中に抽出できることが期待できる。
本発明は、高温高圧水を溶銑予備処理で発生した脱硫スラグに作用させることにより、迅速に、脱硫スラグ中に含まれる硫黄分を高温高圧状態の水で抽出して、析出させることなく排出することにより、脱硫スラグ中の硫黄分を除去し、溶銑の脱硫材として使用できると考え本発明を考案するに至った。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る脱硫スラグの処理装置100の断面図である。処理装置100は、脱硫スラグを収容し、高温高圧水と接触させる反応槽としての役割を果たす耐圧密閉容器3と、耐圧密閉容器3に温水を供給する温水供給ライン系5と、耐圧密閉容器3を加熱し、内部の水を高温高圧水とする加熱用ヒーター4と、高温高圧処理後、耐圧密閉容器3内の高温高圧水を排出する処理水排出ライン系6と、各部を制御する制御部12と、を備える。
耐圧密閉容器3は、脱硫スラグを容器内に収容するための開閉自在の蓋15を有する。耐圧密閉容器3は、本実施の形態1にかかる高温高圧水処理を行うために、0.5〜30Mpa程度の圧力に耐える構造を有するものとする。さらに、収容された高温高圧水に加えられた圧力を逃さない程度に密閉される構造を有する。耐圧密閉容器3は容器移動用レール1上を自在に移動可能な容器移動用台車2上に載置される。容器移動用レール1は、脱硫スラグの載置・放冷場所と耐熱密閉容器3の加熱用ヒーター4とを結ぶように敷設され、脱硫スラグの載置・放冷場所で脱硫スラグを耐熱密閉容器3に収容後、容器移動用台車2で容器移動用レール1上を移動することにより、加熱用ヒーター4内に耐熱密閉容器3を搬送する。
温水供給ライン系5は、耐圧密閉容器3に供給する温水を貯留する温水槽9と、温水槽9内の温水を加熱する加熱用ヒーター7と、温水槽9内の温水の温度を検出する温度センサー8と、耐圧密閉容器3に温水槽9内の温水を送液する送液ポンプ10と、温水供給ライン系5の開閉および供給量を調整する圧力調整弁11と、を備える。本実施の形態では、加熱用ヒーター4の昇温負荷を少なくするため温水供給ライン系5としているが、加熱用ヒーター7を設けず、水を耐熱密閉容器3に供給してもよい。
耐圧密閉容器3に供給される脱硫スラグと水と量比は、脱硫スラグを高温高圧水で処理することにより高温高圧水に溶出した化合物が、処理後、たとえば処理水排出中に配管中に析出して配管詰まりの原因とならないよう、水を脱硫スラグの5倍量以上供給することが好ましい。また、脱硫スラグを高温高圧水中に確実に浸漬させて、高温高圧処理するために、トータルの仕込み量(脱硫スラグと水との合計量)を、耐圧密閉容器3の容積の5%以上とすることが好ましく、1回当たりの処理量増大のためには、50%以上とすることが好ましい。
加熱用ヒーター4は、耐圧密閉容器3を収容するための開閉自在な蓋16と、加熱用ヒーター4内の温度を検出する温度センサー13と、を備える。加熱用ヒーター4は、耐圧密閉容器3内に温水供給ライン系5から供給される温水を高温高圧水とするために、耐圧密閉容器3を所定温度、たとえば、150〜300℃に加熱する。実施の形態1に係る加熱用ヒーター4は、耐熱密閉容器3を収容する構造としているが、耐熱密閉容器3内の水を150〜300℃の高温高圧水とすることが可能であれば、耐熱密閉容器3自体に加熱手段を付加したものとしてもよい。
処理水排出ライン系6は、処理水排出ライン系6の開閉および耐圧密閉容器3内の高温高圧水の排出量を調整する圧力調整弁14を備える。
制御部12は、上記各部と電気的に接続され、各部の処理および動作を制御する。制御部12は、加熱用ヒーター4を制御して高温高圧水を精製し、耐圧密閉容器3内の脱硫スラグと高温高圧水とを所定時間接触させた後、耐圧密閉容器3内の高温高圧状態を保持しながら耐圧密閉容器3内の高温高圧水を排出するよう制御する。高温高圧水の排出は、圧力調整弁14により排出量を調整しながら、高温高圧水排出により耐圧密閉容器3内の圧力および温度が低下しないよう加熱用ヒーター4で加熱しながら行う。
なお、上述したように、高温高圧水の排出は、耐熱密閉容器3内の高温高圧状態を保持したまま行うことが好ましいが、高温高圧水処理後にスラグに残存する硫酸塩等の硫黄分を水で再抽出する場合は、再抽出により脱硫スラグに残存する硫黄分を低減できるので、そのまま耐熱密閉容器3から高温高圧水を排出してもよい。
次に、図2を参照して、脱硫スラグの連続使用処理を行う際のフローについて説明する。図2は、本実施の形態1に係る脱硫スラグの連続使用処理のフローチャートである。
まず、高炉で製造された銑鉄中に、フラックスを添加後、攪拌して脱硫処理を行う(ステップS101)。この脱硫処理(溶銑予備処理)は、銑鉄中に含まれる硫黄分除去を目的とし、転炉操業に先立って、一般的に輸送鍋を反応容器として行なう。攪拌はインペラー攪拌方式で行われることが多い。フラックスとしては、従来から使用されているものをそのまま使用することができる。具体的には、酸化カルシウム(生石灰とも呼ばれる)、または酸化カルシウムとアルミ滓の混合物を主として使用するが、酸化カルシウム、炭酸カルシウムおよび炭化カルシウム等のカルシウム化合物や、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ化合物等の使用も可能である。
ただし、新品のフラックスのみで上記ステップS101の脱硫処理を行う場合は、必ずカルシウム化合物をフラックスとして含有させる。一方、後述するステップS113の脱硫処理にて、処理後の脱硫スラグをそのまま使用せずに新品のフラックスとともに用いる場合は、処理後の脱硫スラグがカルシウム化合物源となるので、追加する新品のフラックスにカルシウム化合物を使用する必要は無い。つまり、脱硫スラグを循環させるための最初のフローに使用するフラックスに対し、循環中に処理後の脱硫スラグと併用するフラックスは、混合物の内容と割合が異なる別のフラックスとしても良い。勿論、混合物の内容と割合が同じである同一のフラックスを使用しても本発明が効果を奏するのは、言うまでも無い。
この脱硫処理で溶銑中の硫黄分は、CaS、CaSO3、CaSO4といったカルシウム化合物として取り込まれる他、亜硫酸塩やピロ硫酸塩としても存在する。その大半は、下記式(1)で示すように硫化カルシウムとなってスラグ中に取り込まれるものと、推定される。
CaO + [S] = CaS + [O] ・・・ (1)
ここで、生成する脱硫スラグは、CaO(水酸化物を含む)が40〜50質量%、Fe、SiO、Al等からなり、SはS換算にて1〜2質量%程度含有する。
続いて、上記の溶銑予備処理で生成した脱硫スラグを輸送鍋から取り出し、冷却する(ステップS102)。
その後、冷却した脱硫スラグを破砕する(ステップS103)。粒径は細かいほど高温高圧水との接触面積を増大させ、均一な脱硫が促進される。処理時間を短縮し、スラグ内部にまで均一に脱硫を行うためには粒径が10mm以下のものを用いるのが好ましい。
続いて、耐圧密閉容器3に破砕した脱硫スラグを装入する(ステップS104)。脱硫スラグを装入した耐圧密閉容器3は、容器移動台車2により容器移動用レール1上を移動して、加熱用ヒーター4内に収容された後、温水供給ライン系5および処理水排出ライン系6と接続される。
接続の後、制御部12は、圧力調整弁11を開とし、耐圧密閉容器3内に温水槽9に貯留された温水を送液ポンプ10により所定量供給する(ステップS105)。供給水量は、装入するスラグ量の5倍量以上とすることが望ましい。本発明では、脱硫スラグが含有する硫黄分を高温高圧水処理することにより処理水側に抽出除去している。高温高圧水処理により加水分解ならびに酸化された脱硫スラグ中の硫黄分を、析出させずにできるだけ多く処理水側に溶出させることができるように、水の供給量をスラグの5倍量以上としている。
制御部12は、温水供給ライン系5の圧力調整弁10を閉処理した後、加熱用ヒーター4を昇温して、耐熱密閉容器3内の水を150〜300℃までの所定温度の高温高圧水とし、一定時間保持して、脱硫スラグを高温高圧水処理する(ステップS106)。処理時間は、脱硫スラグの粒径や硫黄含有量によって最適な処理時間は変動するが、150〜300℃の高温高圧水処理では、2〜3時間程度で十分処理可能である。また、高温高圧水の水圧は、高温高圧水の上記所定温度における水の飽和蒸気圧以上となるように調整する。なお、所定温度における水の飽和蒸気圧の算出方法は、公知の方法や値を用いればよい。図3は、下記式(2)および(3)で示すWagner式により算出した、水温と水蒸気圧との関係を示す図である。図3によれば、水の飽和水蒸気圧はたとえば150℃では0.48MPa、300℃では8.6MPaとなる。これより上記所定温度における水の飽和蒸気圧以上とは、たとえば150℃では0.48MPa以上、300℃では8.6MPa以上となる。
ln(p×[kPa]Pc)=(Aτ+Bτ1.5+Cτ+Dτ)/(T/Tc) ・・・
(2)
τ=1−T[K]/Tc ・・・ (3)
上記式(2)および(3)において、A=−7.76451、B=1.45838、C=−2.7758、D=−1.23303、Tc=647.3K、Pc=22120kPA(使用範囲275K〜647.3K)である。
高温高圧水処理により、脱硫スラグ中の硫黄分、主として硫化カルシウムは、下記式(4)に示すように、高温高圧水で加水分解および酸化処理されて硫酸カルシウムに変換された後、高温高圧水中に抽出されるものと推定される。硫酸カルシウムの溶解度は硫化カルシウムの10倍以上であり、高温高圧処理により硫酸カルシウムに変換されることで、水に溶出し易くなり、脱硫スラグからの除去も容易となる。
2CaS+10HO→HSO+CaSO+Ca(OH)+3H ・・・ (4)
(4)式右辺において、HSOとCaSO中の硫黄分が、高温高圧水中に抽出される。
高温高圧水処理の後、高温高圧状態を保持しながら、耐圧密閉容器3から処理水を排出する(ステップS107)。制御部12は、圧力調整弁14を調整して高温高圧水の排出量を調整するとともに、耐圧密閉容器3内の圧力および温度が低下しないよう加熱用ヒーター4の加熱を制御する。
高温高圧水の排出後、制御部12は、温水供給ライン系5の図示しないバイパスラインから冷水を供給して(ステップS108)、脱硫スラグに残存する硫酸カルシウム等の硫黄分を再度水に抽出させる(ステップS109)。高温高圧処理により発生するものと推定される硫酸カルシウムは、高温高圧状態では常温常圧と比較して多量に水に溶出されるが、飽和量以上の硫酸カルシウム等の硫黄分は固体として析出して脱硫スラグ表面に残存してしまう。フラックスとして使用する場合は、形態如何にかかわらずトータル硫黄分濃度が高ければ性能が低下してしまうため、脱硫スラグの冷水による硫酸カルシウム等の硫黄分の再抽出は、残存硫黄分濃度を低下することが出来るので好ましい。水での再抽出工程は、脱硫スラグからの脱硫効率をより高める場合の工程であり、ステップS107までの工程で硫黄分を除去できる場合には(脱硫スラグ中の硫黄分濃度が大きくない場合や、初期水供給量を大きくした場合等)、必ずしも必要な工程ではない。
水での再抽出工程の後、制御部12は、処理水排出ライン系6の圧力調整弁14を制御して水を排出させ(ステップS110)、圧力調整弁14を開放した状態で、加熱用ヒーター4を昇温させて、処理後の脱硫スラグを乾燥する(ステップS111)。加熱用ヒーター4で加熱乾燥することで、乾燥に要する時間を短縮できるが、必ずしも必要な工程ではなく、自然乾燥としてもよい。
脱硫スラグを乾燥した後、温水供給ライン系5と処理水排出ライン系6との接続を切り離し、耐圧密閉容器3を加熱用ヒーター4外に搬出し、容器移動用台車2で容器移動用レール1上を移送して、溶銑予備処理設備まで搬送する(ステップS112)。
溶銑予備処理設備で、処理された脱硫スラグをそのままで、または新品のフラックスと所定割合で混合した後溶銑に添加して、使用することができる(ステップS113)。なお、処理後の脱硫スラグと新品のフラックスとの混合割合は、行っている脱硫処理が要求する脱硫量に合わせて、適宜決定すればよい。
本実施の形態1の脱硫スラグの連続使用方法および処理装置によれば、イオン積が高い高温高圧水により、脱硫スラグ中の硫黄分を短時間で水に抽出することができるので、硫黄分濃度が低い脱硫スラグとして再生できるため、溶銑予備処理におけるフラックスとしての再利用を可能とする。
(実施の形態2)
本実施の形態2にかかる脱硫スラグの連続使用方法および処理装置は、水酸化カルシウムを炭酸カルシウムに変換することにより、フラックスとしての性能を向上する。
図4は、本発明の実施の形態2に係る脱硫スラグの処理装置200の断面図である。以下、図4を参照して、実施の形態1にかかる処理装置100と異なる部分のみ説明する。
図4に示すように、処理装置200は、二酸化炭素供給ライン系17と二酸化炭素排出ライン系18とをさらに備える。
二酸化炭素供給ライン系17は、二酸化炭素供給ライン系17の開閉および耐圧密閉容器3内への二酸化炭素の供給量を調整する圧力調整弁19を備える。
二酸化炭素排出ライン系18は、二酸化炭素供給ライン系18の開閉および耐圧密閉容器3内からの二酸化炭素の排出量を調整する圧力調整弁20を備える。
制御部22は、耐圧密閉容器3内での脱硫スラグの高温高圧処理終了後、脱硫スラグの冷水での再抽出処理を行う際に、耐圧密閉容器3内に二酸化炭素供給ライン系17の圧力調整弁19を制御して二酸化炭素を供給し、過剰な二酸化炭素を、二酸化炭素排出ライン系18の圧力調整弁20を制御して排出する。
次に、図5を参照して、実施の形態2に係る脱硫スラグの連続使用処理を行う際のフローについて説明する。図5は、本実施の形態2に係る脱硫スラグの連続使用処理のフローチャートである。
ステップS201〜ステップS209は、実施の形態1の連続使用処理のステップS101〜ステップS109と同様にして行なう。
水での再抽出工程の後(ステップS209)、制御部22は、二酸化炭素供給ライン系17の圧力調整弁19を制御して、耐圧密閉容器3内に二酸化炭素を供給する(ステップS210)。供給された二酸化炭素と脱硫スラグ中の水酸化カルシウムとを反応させて、よりフラックス性能の高い炭酸カルシウムとできる。また、水中に溶けたカルシウムも、供給された二酸化炭素と反応させることで炭酸カルシウムとして回収できる。制御部22は、二酸化炭素を過剰量供給し、反応に使用されなかった二酸化炭素は、二酸化炭素排出ライン系18の圧力調整弁20を制御することにより耐圧密閉容器3内から排出する。なお、二酸化炭素供給ライン系17と二酸化炭素排出ライン系18を設置するのに換えて、温水供給ライン系5から炭酸水を供給して、残存する硫酸カルシウムの抽出と、水酸化カルシウムの炭酸処理を同時に行うこととしてもよい。
水酸化カルシウムの炭酸処理後、実施の形態1と同様に、耐圧密閉容器3内の水を排出し(ステップS211)、加熱用ヒーター4の昇温により脱硫スラグを乾燥し(ステップS212)、溶銑予備処理設備まで搬送後(ステップS213)、処理した脱硫スラグを単独で、または新品のフラックスと所定割合で混合した後溶銑に添加して、使用することができる(ステップS214)。なお、処理後の脱硫スラグと新品のフラックスとの混合割合は、行っている脱硫処理が要求する脱硫量に合わせて、適宜決定すればよい。また、この時に混合する新品のフラックスが、カルシウム化合物を含まなくてもよいことは、上述の実施の形態1のステップS113での場合と同様である。
(実施の形態3)
実施の形態3にかかる脱硫スラグの連続使用方法および処理装置は、水酸化カルシウムを炭酸カルシウムに変換後、該炭酸カルシウムまたは残存する水酸化カルシウムを、さらに脱硫能力の高い酸化カルシウムに変換することにより、フラックスとしての性能を向上する。
実施の形態3にかかる脱硫スラグの連続使用方法および処理装置は、実施の形態2にかかる方法および装置により、水酸化カルシウムを炭酸カルシウムに変換後、該炭酸カルシウムまたは残存する水酸化カルシウムを、酸化カルシウムに変換するものであり、実施の形態2の処理装置200を使用して行うことができる。
図6を参照して、実施の形態3に係る脱硫スラグの連続使用処理を行う際のフローについて説明する。図6は、本実施の形態3に係る脱硫スラグの連続使用処理のフローチャートである。
ステップS301〜ステップS311は、実施の形態2の連続使用処理のステップS201〜ステップS211と同様にして行なう。
水酸化カルシウムの炭酸処理後、耐圧密閉容器3内の水を排出し(ステップS311)、加熱用ヒーター4を昇温させて、脱硫スラグを500℃以上に加熱する(ステップS312)。500℃以上に加熱することにより、残存する水分を除去するとともに、変換された炭酸カルシウムから脱炭酸、および未反応の水酸化カルシウムを脱水して、脱硫効率のより高い酸化カルシウムに変換する。
酸化カルシウムに変換後、脱硫スラグを冷却し、溶銑予備処理設備まで搬送し(ステップS313)、処理した脱硫スラグを単独で、または新品のフラックスと所定割合で混合した後溶銑に添加して、使用することができる(ステップS314)。なお、処理後の脱硫スラグと新品のフラックスとの混合割合は、行っている脱硫処理が要求する脱硫量に合わせて、適宜決定すればよい。また、この時に混合する新品のフラックスが、カルシウム化合物を含まなくてもよいことは、上述の実施の形態1のステップS113と実施の形態2でのステップS214での場合と同様である。
本実施の形態3では、水酸化カルシウムを炭酸カルシウムに変換後、該炭酸カルシウムまたは残存する水酸化カルシウムを、さらに脱硫能力の高い酸化カルシウムに変換しているが、耐圧密閉容器3内に水を供給し(ステップS308)、残存する硫酸カルシウム等の硫黄分を再抽出した後(ステップS309)、二酸化炭素の供給を行わずに抽出水を排出し(ステップS311)、スラグを500℃以上で乾燥することにより(ステップS312)、水酸化カルシウムから直接脱水を行い、より脱硫性能の高い酸化カルシウムに変換してもよい。
あるいは、水での再抽出処理および炭酸化処理を行うことなく、高温高圧処下で水を排出後(ステップS307)、スラグを500℃以上で乾燥することにより(ステップS312)、水酸化カルシウムから直接脱水を行い、より脱硫性能の高い酸化カルシウムに変換することも可能である。
(実施の形態4)
本実施の形態4にかかる脱硫スラグの連続使用方法および処理装置は、脱硫スラグと高温高圧水との接触処理を、高温高圧水を直接耐圧容器に連続的に供給しながら、排出するフロー処理とする。本実施の形態4は、高温高圧水の脱硫スラグに対する供給比を大きくすることが出来るので、生成した硫酸カルシウム等の硫黄分の抽出処理能力を向上することができる。
図7は、本発明の実施の形態4に係る脱硫スラグの処理装置300の断面図である。以下、図7を参照して、実施の形態1にかかる処理装置100と異なる部分のみ説明する。
処理装置300は、温水供給ライン系5のかわりに、高温高圧水供給ライン系30を備える。高温高圧水供給ライン系30は、水を貯水する貯水槽31と、供給される水を高温高圧水に変換するコイル33と、コイル33を加熱して高温高圧水を生成させる加熱用ヒーター4と、コイル33を介して密閉耐圧容器3に高温高圧水を送液する送液ポンプ32と、を備える。
コイル33は、耐圧密閉容器3を加熱する加熱用ヒーター4内に収容され、送液ポンプ32により送液された水は、コイル33を循環している間に加熱され、高温高圧水に変換される。送液ポンプ32は、所望の高温高圧水を、コイル33を介して耐圧密閉容器3内に供給するために、所望する圧力以上の最大使用圧力を有するものを使用する。なお、本実施の形態4では、1の加熱用ヒーター4でコイル33と耐圧密閉容器3とを加熱しているが、別の加熱源を備えていてもよい。
制御部34は、各部の処理および動作を制御するとともに、高温高圧水供給ライン系30により耐圧密閉容器3内に高温高圧水を所定量供給した後、耐圧密閉容器3内の高温高圧状態を保持しながら、高温高圧水供給ライン系30と処理水排水ライン系6とにより高温高圧水を耐圧密閉容器3内に連続的に供給し、かつ排出するよう制御する。
次に、図8を参照して、実施の形態4に係る脱硫スラグを高温高圧水で連続使用処理を行う際のフローについて説明する。図8は、本実施の形態4に係る脱硫スラグの高温高圧水による連続使用処理のフローチャートである。
ステップS401〜ステップS404は、実施の形態1の連続使用処理のステップS101〜ステップS104と同様にして行なう。
脱硫スラグを装入した耐圧密閉容器3を加熱用ヒーター4内に収容した後、高温高圧水供給ライン系30および処理水排出ライン系6と接続する。接続の後、制御部34は、加熱用ヒーター4により耐圧密閉容器3およびコイル33の温度を150〜300℃の所定温度に調整する(ステップS405)。
耐圧密閉容器3およびコイル33の温度を調整後、高温高圧水供給ライン系30により耐圧密閉容器3内に高温高圧水を所定量供給する(ステップS406)。貯留槽31に貯留された水は、送液ポンプ32によりコイル33に送液され、所定温度に調整されたコイル33内を循環することにより高温高圧水に変換された後、耐圧密閉容器3内に供給される。
制御部34は、高温高圧水供給ライン系30により耐圧密閉容器3内に高温高圧水を所定量供給した後、高温高圧水供給ライン系30により耐圧密閉容器3内に高温高圧水を続けて供給しつつ、処理水排水ライン系6の圧力調整弁14を調整して耐圧密閉容器3から排出するよう制御する。制御部34は、送液ポンプ32と圧力調整弁14とを調整制御することにより、耐圧密閉容器3内の圧力と温度を保持して、収容する脱硫スラグを高温高圧処理する(ステップS407)。処理時間は、脱硫スラグの粒径や硫黄含有量、ならびに供給する高温高圧水量によっても変動するが、150〜300℃の高温高圧水処理では、2〜3時間程度で十分処理可能である。
高温高圧水処理の後、耐圧密閉容器3から処理水を排出する(ステップS408)。制御部34は、送液ポンプ32を停止の後、耐圧密閉容器3内の圧力および温度が低下しないよう加熱用ヒーター4の加熱を制御しながら、耐圧密閉容器3内の高温高圧水を処理水排出ライン系6から排出する。実施の形態4では、高温高圧水を耐圧密閉容器3に連続的に供給・排出するフロー処理としているため、高温高圧水中に抽出された硫黄分が高温高圧水とともに処理水排出ライン系6から連続的に排出されている。このため、排出する高温高圧水中の硫黄分濃度は実施の形態1に比較して非常に小さい値となる。したがって、高温高圧水で処理後、処理水を排出する前に常圧まで圧力が低下しても硫黄分の再析出が少なく、常圧とした後処理水を排出することとしてもよい。
処理水排出後、制御部34は、排水処理ライン系6の圧力調整弁14を開放した状態で、加熱用ヒーター4を昇温させて、処理後の脱硫スラグを乾燥し(ステップS409)、脱硫スラグを溶銑予備処理設備まで搬送した後(ステップS410)、処理された脱硫スラグを単独で、または新品のフラックスと所定割合で混合した後溶銑に添加して、使用することができる(ステップS411)。なお、処理後の脱硫スラグと新品のフラックスとの混合割合は、行っている脱硫処理が要求する脱硫量に合わせて、適宜決定すればよい。また、この時に混合する新品のフラックスが、カルシウム化合物を含まなくてもよいことは、上述の実施の形態1のステップS113での場合と同様である。
実施の形態4では、高温高圧水の供給と排出を同時に行なうことでフロー処理とすることにより高温高圧水の供給量を大きく設定することができるため、耐圧密閉容器3内への脱硫スラグの初期装入量を実施の形態1に比して大きく設定することが可能となり、時間当たりの処理量を大きくすることができる。また、脱硫スラグに対する高温高圧水量比を大きくすることが容易であるため、硫黄分の除去を確実に行うことが可能となり、脱硫性能に優れるフラックスとして再利用が可能となる。
さらに、実施の形態4のフロー処理で高温高圧水処理したスラグを、さらに二酸化炭素処理して炭酸塩化したり、500℃以上に加熱して脱水処理をすることにより、脱硫性能に優れるフラックスとして再利用が可能となる。
(実施例1)
耐圧容器内に粒径を2mm以下に調整した脱硫スラグ(硫黄含有率1.79%)と、脱硫スラグの5倍量の水を収容し、耐圧容器を密閉した後、75〜300℃に調整したエアオーブン内で6時間保持した。所定時間後、耐圧容器をエアオーブンから取り出し、放冷し、耐圧容器内の水を5Bのろ紙にてろ過し、スラグは常温で静置させて乾燥した。高温高圧処理後のスラグについて、硫黄分の含有率を測定し、処理前の硫黄分含有率に対する割合を、抽出率として求めた。結果を表1に示す。
Figure 2011246753
表1に示すように、加熱温度が増大するほど抽出率も増大し、150℃以上で40%以上の抽出率となった。
高温高圧水の加水分解作用が最も大きくなるのは、水のイオン積が最大になる200〜250℃付近であり、250℃を大幅に超える加熱処理は、設備やエネルギーの面で負荷を与えるとともに、加水分解により生成したと考えられる硫酸塩の溶解度を低下させ、スラグへの硫酸塩残存量が大きくなるおそれがある。また、水の臨界点である374℃、22.1Mpaを超えると水の誘電率も大きく低下するため、加水分解により生成したと考えられる、イオン性物質であるチオ硫酸イオンやオルト硫酸イオンなどの硫黄酸化物イオンの溶解が困難となる。さらに圧力及び温度が大きくなるほど装置構成も大掛かりな設備が必要となるため、実用的には300℃以下の高温高圧水での処理とすることが好ましい。
(実施例2)
高速液体クロマトグラフィーを改造して、脱硫スラグの高温高圧水処理をフロー処理で行った。高速液体クロマトグラフィー装置のカラム部分をステンレス製の耐圧容器に交換し、該耐圧容器に粒径を2mm以下に調整した脱硫スラグ(硫黄含有率1.79%)を10g充填した。該耐圧容器に、250℃、18Mpaの高温高圧水を連続して供給した(0.6ml/hr、総供給量350ml)。耐圧容器から排出された高温高圧水を冷却分取し、水に抽出された硫黄分の溶出量を分析した。結果を図9に示す。
図9は、高温高圧水のフロー処理を行った場合の溶出水量と硫黄分の溶出率積算値との関係を示す図である。図9に示すように、100ml(対スラグ量10倍)で約7割、200mlで90%強の硫黄分が抽出されているのがわかる。高温高圧水は、加水分解および酸化力が非常に高いため、スラグ中の硫黄分は短い時間で硫酸塩等に変換されるものと推定される。脱硫スラグをフラックスとして使用する場合、トータル硫黄量(硫酸塩等を含む)が低ければ低いほど脱硫作用に優れるので、脱硫スラグに対する供給水量を大きくするか、あるいは高温高圧水処理後に水で再抽出処理するのが好ましい。
以上のように、本発明の脱硫スラグの連続使用方法および処理装置は、製鋼プロセスで利用可能であり、特に溶銑予備処理における銑鉄の脱硫工程への利用に適するものである。
1 容器移動用レール
2 容器移動用台車
3 耐圧密閉容器
4、7 加熱用ヒーター
5 温水供給ライン系
6 処理水排出ライン系
8、13 温度センサー
9 温水槽
10、32 送液ポンプ
11、14、19、20 圧力調整弁
12、22、34 制御部
15、16 蓋
17 二酸化炭素供給ライン系
18 二酸化炭素排出ライン系
30 高温高圧水供給ライン系
31 貯水槽
33 コイル
100、200、300 処理装置

Claims (17)

  1. 脱硫スラグと水とを耐圧容器に収容後、前記耐圧容器を加温することにより収容される水を150〜300℃の高温高圧水とし、生成した前記高温高圧水と前記脱硫スラグとの接触により前記脱硫スラグ中の硫黄分を前記高温高圧水中に抽出する抽出工程と、
    前記抽出工程終了後、高温高圧状態を保持しながら前記耐圧容器内の前記高温高圧水を排出する排出工程と、
    を含むことを特徴とする脱硫スラグの処理方法。
  2. 前記排出工程後、前記耐圧容器内に水を供給して前記脱硫スラグに残存する硫黄分を抽出し、抽出した水を排出する再抽出工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の脱硫スラグの処理方法。
  3. 前記再抽出工程は、前記耐圧容器内に水を供給して前記脱硫スラグに残存する硫黄分を抽出した後、前記耐圧容器内に二酸化炭素を吹き込むことを特徴とする請求項2に記載の脱硫スラグの処理方法。
  4. 前記排出工程後または前記再抽出工程後、前記脱硫スラグを500℃以上に加熱する工程を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の脱硫スラグの処理方法。
  5. 前記抽出工程に使用する脱硫スラグと水との質量比を1:5以上とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の脱硫スラグの処理方法。
  6. 前記抽出工程は、脱硫スラグを収容する前記耐圧容器に所定温度に調整した高温高圧水を所定量供給した後、前記耐圧容器内の高温高圧状態を保持しながら、前記高温高圧水を前記耐圧容器内に連続的に供給し、かつ排出させて前記脱硫スラグ中の硫黄分を前記高温高圧水中に抽出することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の脱硫スラグの処理方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の処理方法にて処理された脱硫スラグを用いて、溶銑中の硫黄分を除去する為に添加するフラックスを製造することを特徴とする溶銑の脱硫用フラックスの製造方法。
  8. フラックスを溶銑に添加して、添加した溶銑中の硫黄分を除去する脱硫工程と、
    前記脱硫工程で生成した脱硫スラグを溶銑から分離する分離工程と、
    前記分離工程で取り出した脱硫スラグと水とを耐圧容器に収容後、前記耐圧容器を加温することにより収容される水を高温高圧水とし、生成した前記高温高圧水と前記脱硫スラグとの接触により前記脱硫スラグ中の硫黄分を前記高温高圧水中に抽出する抽出工程と、
    前記抽出工程終了後、高温高圧状態を保持しながら前記耐圧容器内の前記高温高圧水を排出する排出工程と、
    を含み、
    含有硫黄が除去された前記脱硫スラグを、そのまま、またはフラックスと所定割合で混合した後、前記脱硫工程のフラックスとして使用することを特徴とする脱硫スラグの連続使用方法。
  9. 前記抽出工程は、150〜300℃の高温高圧水を生成し、生成した前記高温高圧水と前記脱硫スラグとの接触により前記脱硫スラグ中の硫黄分を前記高温高圧水中に抽出することを特徴とする請求項8に記載の脱硫スラグの連続使用方法。
  10. 前記排出工程後、前記耐圧容器内に水を供給して前記脱硫スラグに残存する硫黄分を抽出し、抽出した水を排出する再抽出工程を含むことを特徴とする請求項8または9に記載の脱硫スラグの連続使用方法。
  11. 前記再抽出工程は、前記耐圧容器内に水を供給して前記脱硫スラグに残存する硫黄分を抽出した後、前記耐圧容器内に二酸化炭素を吹き込むことを特徴とする請求項10に記載の脱硫スラグの連続使用方法。
  12. 前記排出工程後または前記再抽出工程後、前記脱硫スラグを500℃以上に加熱する工程を含むことを特徴とする請求項8〜11のいずれか一つに記載の脱硫スラグの連続使用方法。
  13. 前記抽出工程に使用する脱硫スラグと水との質量比を1:5以上とすることを特徴とする請求項8〜12のいずれか一つに記載の脱硫スラグの連続使用方法。
  14. 前記抽出工程は、脱硫スラグを収容する前記耐圧容器に所定温度に調整した高温高圧水を所定量供給した後、前記耐圧容器内の高温高圧状態を保持しながら、前記高温高圧水を前記耐圧容器内に連続的に供給し、かつ排出させて前記脱硫スラグ中の硫黄分を前記高温高圧水中に抽出することを特徴とする請求項8〜12のいずれか一つに記載の脱硫スラグの連続使用方法。
  15. 脱硫スラグを収容する耐圧容器と、
    前記耐圧容器に水を供給する供給手段と、
    前記耐圧容器を加温して前記耐圧容器内の水を150〜300℃の高温高圧水とする加熱手段と、
    前記耐圧容器内の高温高圧水を排出する排出手段と、
    前記高温高圧水と前記脱硫スラグとを所定時間接触させることにより前記脱硫スラグ中の硫黄分を前記高温高圧水中に抽出後、前記耐圧容器内の高温高圧状態を保持しながら前記高温高圧水を前記排出手段から排出するよう制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする脱硫スラグの処理装置。
  16. 前記耐圧容器内に二酸化炭素を吹き込む二酸化炭素供給手段と、
    前記二酸化炭素供給手段により供給された二酸化炭素を排出する二酸化炭素排出手段と、
    を備えることを特徴とする請求項15に記載の脱硫スラグの処理装置。
  17. 前記供給手段は、150〜300℃の高温高圧水を生成する加熱手段を備え、
    前記制御手段は、前記耐圧容器内に前記供給手段から前記高温高圧水を所定量供給した後、前記耐圧容器内の高温高圧状態を保持しながら、前記供給手段と前記排水手段とにより前記高温高圧水を前記耐圧容器内に連続的に供給し、排出させる制御を行なうことを特徴とする請求項15または16に記載の脱硫スラグの処理装置。
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