次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、実施例では、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技を行なうパチンコ機を例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機について)
図1に示すように、実施例に係るパチンコ機10は、矩形枠状に形成されて、遊技店の図示しない設置枠台に固定される固定枠としての外枠12を備えている。また、パチンコ機10には、後述する遊技盤30(図2参照)が着脱可能に保持される本体枠としての中枠14が、外枠12の開口前面側に開閉および着脱可能に組み付けられている。更に、パチンコ機10では、遊技盤30の裏側に対して、各種図柄を変動表示可能な図柄表示装置24が着脱し得るよう配設されている(図11参照)。中枠14の前面側には、遊技盤30を透視保護するガラス板16aを備えた装飾枠としての前枠16が開閉可能に組付けられると共に、前枠16の下方にパチンコ球(遊技球)を貯留する下球受け皿18が開閉可能に組付けられる(図1参照)。なお、実施例では、前枠16の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿20が一体的に組付けられており、前枠16の開閉に合わせて上球受け皿20も一体的に開閉するよう構成される。
前記中枠14の右下方位置には、該中枠14に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル22が設けられている(図1参照)。パチンコ機10は、操作ハンドル22の操作により打球発射装置が作動することで、上球受け皿20に貯留されたパチンコ球が遊技盤30に向けて発射されるようになっている。実施例では、図柄表示装置24として、各種図柄を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、ドラム式の表示装置やドットマトリックス式の表示装置、7セグメントディスプレイ、その他の各種図柄を停止および変動表示可能な表示装置を採用し得る。また、上球受け皿20は、前枠16と別体に形成して中枠14に対して開閉可能に組み付けるようにしてもよく、また上下の球受け皿18,20の一方を省略して1つの球受け皿のみ設ける構成であってもよい。
(遊技盤について)
図11に示すように、遊技盤30は、前面(遊技盤面)にパチンコ球が流下可能な遊技領域30aが画成される盤本体32と、この盤本体32の後面に組付けられる裏ユニット42とから基本的に構成される。図柄表示装置24は、裏ユニット42の後側に着脱可能に配設される。
図2または図3に示すように、前記盤本体32は、所定板厚の略矩形状に形成された合板の表面にセルを貼付けた板状の部材である。盤本体32の前面には、略円形状に湾曲形成したレール34が配設されて、このレール34によりパチンコ球が流下可能な遊技領域30aが画成され、打球発射装置から発射されたパチンコ球が遊技領域30aで流下するようになっている。また、盤本体32には、前後に貫通する装着口32a(図4または図11参照)が遊技領域30aに複数開設されて、各装着口32aに対して各種部品が前側から取付けられる。盤本体32には、遊技領域30aの最下部位置に、該遊技領域30aに打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口32bが開設されている。盤本体32には、遊技領域30aに対応して多数の遊技釘が植設されており、遊技領域30aを流下するパチンコ球が遊技釘に接触することでパチンコ球の流下方向を不規則に変化させたり、パチンコ球を一定方向に誘導するようになっている。なお、装着口32aの形成数や大きさは、盤本体32に対して取付けられる各種部品の個数や配設位置等に応じて適宜決定される。
前記盤本体32には、遊技領域30aの略中央に設けられた装着口(図示せず)に、前後に開口する窓口36aが形成された枠状装飾体36(図2参照)が取付けられ、窓口36aを介して図柄表示装置24の表示面が遊技盤30の前側に臨むよう構成されている。また、枠状装飾体36の下方には、遊技領域30aを流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞装置38や特別入賞装置40が取付けられている(図2参照)。パチンコ機10は、始動入賞装置38の入賞口38aにパチンコ球が入賞することで、図柄表示装置24に図柄を変動表示する図柄変動演出が展開され、図柄変動演出の結果、図柄表示装置24に所定の図柄組み合わせ(例えば同一図柄の3つ揃い等)で図柄が停止表示されると、特別入賞装置40が開放して所謂大当りが発生し、特別入賞装置40の入賞口40aが開放されて遊技者が多数の賞球を獲得可能な機会が与えられるようになっている。
図11〜図14に示すように、裏ユニット42は、前方へ開口する略矩形箱状に形成されて、前端部が盤本体32の後面に固定されている。遊技盤30では、盤本体32と裏ユニット42における該盤本体32に対向する設置板44との間に、部材を設置するための空間が画成される。裏ユニット42には、設置板44の後側に、図柄表示装置24が着脱可能に取付けられると共に、設置板44における図柄表示装置24の表示面に対応する位置に、前後に開口する表示開口部44a(図13参照)が開設されている。遊技盤30では、裏ユニット42の表示開口部44aに臨ませた図柄表示装置24の表示面が枠状装飾体36の窓口36aを介して前側から視認し得るようになっている。また、裏ユニット42における設置板44の前面には、各種の演出装置100,200や飾り部材が配設されて(図12参照)、枠状装飾体36の窓口36aを介して遊技盤30の前面に露出するようになっている(図2参照)。すなわち、裏ユニット42は、パチンコ機10の遊技演出に関わる図柄表示装置24や演出装置100,200の設置部材として機能している。このように、遊技盤30には、裏ユニット42の表示開口部44a、枠状装飾体36の窓口36a、裏ユニット42の設置板44に設置された飾り部材等に囲まれて、図柄表示装置24による図柄変動ゲームが行われる表示部26が設けられる(図2参照)。なお、表示部26は、遊技盤30において前側から図柄表示装置24による図柄変動ゲームを視認可能な領域である。
(第1可動演出装置)
次に、第1可動演出装置100について、図15〜図40を主に参照して詳細に説明する。第1可動演出装置100は、裏ユニット42における表示開口部44aの上側に延在する設置板44の上辺部44bに設置され(図12参照)、枠状装飾体36の窓口36aを介して後述する装飾部材46,48に隠されていない部分が前側に露出するようになっている(図2参照)。第1可動演出装置100は、裏ユニット44の上辺部44bに取り付けられた上部発光手段(発光手段)102と(図13参照)、この上部発光手段102を覆うように裏ユニット42の上辺部44bに設けられた装置本体部106と、この装置本体部106に設けられた回転可動体(第1の可動体)130と、この装置本体部106の前側に設けられた装飾可動体(第2の可動体)150とから基本的に構成される(図5、図7、図9、図21または図26参照)。第1可動演出装置100は、単数または複数の回転可動体130を備えており、実施例では2基の回転可動体130,130を備えている。装置本体部106は、回転可動体130を動作する駆動モータ(第1の駆動手段)132を有する第1駆動機構と(図36参照)、装飾可動体150を動作する作動モータ(第2の駆動手段)168を有する第2駆動機構(図34,図35,図37〜図39参照)とを備えている。第1可動演出装置100は、回転可動体130および装飾可動体150を連動または独立して動作演出可能で、回転可動体130および装飾可動体150の動作と連動または独立して上部発光手段102によって発光演出可能に構成される。
図12に示すように、前記第1可動演出装置100は、装置本体部106が表示部26の上側に設けられており、装置本体部106の前側に設けられた装飾可動体150が、表示部26の外側(上側)に位置する待機位置(第1の位置:図2〜図5参照)から表示部26に向けて動作するようになっている(図6〜図9参照)。また、第1可動演出装置100は、装飾可動体150が待機位置から表示部26側に変位した動作位置を越えると、待機位置と動作位置との間での変位姿勢(以下、進退姿勢という)から表示部26に向けて揺動するように姿勢変位するよう構成される(図6〜図9参照)。ここで、裏ユニット42の上縁部には、設置板44における上辺部44bの前側に離間して装飾部材46が取り付けられており(図13または図14参照)、この装飾部材46が枠状装飾体36の窓口36aを介して前側に臨むようになっている(図2または図3参照)。なお、装飾部材46は、光を透過可能に構成され、実施例では磨りガラス状の部材が用いられている。
前記第1可動演出装置100の上部は、裏ユニット42の上辺部44bと装飾部材46との間に挟まれて配設され(図4参照)、待機位置にある装飾可動体150の上部が装飾部材46の後側に位置して隠されている(図2または図3参照)。実施例の第1可動演出装置100では、装飾可動体150が遊技盤面に沿って表示部26に対して進退移動するように構成されるので、装飾可動体150が待機位置と動作位置との間で進退移動する方向が上下方向となり、表示部26の上辺に沿う軸線を支点として装飾可動体150が進退姿勢と表示部26側に傾いた揺動姿勢との間で揺動される。
前記上部発光手段102は、左右幅が表示部26の左右の幅と略同一で、上下幅が裏ユニット42の上辺部44bの上下の幅と略同一に設定された基板の前側に、複数のLED(発光体)104を備えている(図13参照)。上部発光手段102では、LED104が基板の前側に規則的に並べて配置されており、左右方向に一定間隔で並べたLED104の行が、上下に離間して複数行(実施例では3行)配置されている(図5参照)。ここで、実施例の上部発光手段102では、上下に隣り合うLED104が鉛直方向に並び、複数のLED104が方形(碁盤目状)に配置されている。また、上部発光手段102は、LED104の各行が回転可動体130および後述する段差部112a,112b,112dに対応するように配置されている。なお、以下の説明において各行のLED群を区別する場合は、最も上に位置するLED104の行を上段発光群104Aといい、最も下に位置するLED104の行を下段発光群104Cといい、上段発光群104Aと下段発光群104Cとの間に位置するLED104の行を中段発光群104Bという。
前記装置本体部106は、上部発光手段102を被覆可能で、かつ回転可動体130を収容可能な大きさで形成されたケース状の部材であって、駆動モータ132およびこの駆動モータ132から回転可動体130に動力を伝える伝達手段134と、作動モータ168およびこの作動モータ168から装飾可動体150に動力を伝える作動手段170との設置基盤となっている(図34または図35参照)。第1可動演出装置100は、裏ユニット42の上辺部44bに取り付けられる上部発光手段102を除いて、装置本体部106、回転可動体130、装飾可動体150および駆動機構を装置本体部106を介してユニットとして取り扱い可能であって、これらを裏ユニット42に対して一体的に着脱することができる。
前記装置本体部106は、遊技盤30の前側に露出する部位が少なくとも光を透過可能に構成され、実施例では、全体が光が透過する合成樹脂で形成されている。なお、本願において「光を透過可能」とは、光の透過率が極めて高く、その部分を通して向こう側が透けて見える状態である「透明」や、この「透明」と同様に光が透過する性質を有しているが、透過する光が拡散されるため、または透過率が低いために、「透明」と違ってその部分を通して向こう側の形状等を明確に認識できない、または全く認識できない状態、例えば磨りガラスや乳白色プラスティック等の状態を指す。
前記装置本体部106は、ベース部材108と、このベース部材108の前側を覆うカバー部材112と、ベース部材108の右側部に取り付けられた右サイドカバー116と、ベース部材108の左側部に取り付けられた左サイドカバー124とから基本的に構成される(図29、図34または図35参照)。装置本体部106には、ベース部材108とカバー部材112との間に回転可動体130を収容可能な回転空間106aが画成される(図21または図26参照)。また、装置本体部106には、ベース部材108の右側部に取り付けられた右サイドカバー116とカバー部材112の右側部との間に前方に開口するアーム挿通溝106bが形成されると共に、ベース部材108の左側部に取り付けられた左サイドカバー124とカバー部材112の左側部との間に前方に開口するアーム挿通溝106bが形成されている(図29参照)。なお、アーム挿通溝106b,106bは、装置本体部106の上下幅おおよそ全体に亘って開口し、アーム挿通溝106b,106bに挿入された装飾可動体150の後述するアーム156の変位を許容するようになっている。装置本体部106は、カバー部材112、右サイドカバー116および左サイドカバー124がベース部材108に対してネジ止め固定される。
前記装置本体部106では、ベース部材108およびこのベース部材108の前側を覆うカバー部材112の左右(装飾可動体150の進退移動方向と交差する側部)の夫々にサイドカバー116,124が設けられている(図15〜図18参照)。装置本体部106は、装飾可動体150の動作によりカバー部材112が見えたり隠れたりする(図15または図24参照)。サイドカバー116,124の前側には、裏ユニット42に設けられた別の装飾部材48が延在し、この別の装飾部材48の後側に隠されて、サイドカバー116,124が前側から視認不能になっている(図12参照)。
前記ベース部材108は、略矩形状の板状部110の周端縁に後方へ向けて壁状部が延出するよう形成された後方に開口するトレイ形状を基本とし、左右の壁状部後端に外側方へ延出する鍔状部が夫々設けられている(図34または図35参照)。なお、ベース部材108は、無色透明の合成樹脂素材で形成されている。ベース部材108は、壁状部で上部発光手段102を囲うと共に該壁状部の後端および鍔状部を裏ユニット42の前面に突き当てて裏ユニット42に取り付けられ、板状部110が壁状部の内側に収容された上部発光手段102の前側に位置するようになっている(図5、図7および図9参照)。ベース部材108は、裏ユニット42の上辺部44bに突設された位置決め突起45(図14参照)が左右の鍔状部の夫々に貫通形成された位置決め孔108a(図16、図23、図25または図28参照)に嵌合するようになっている。左右の位置決め孔108a,108aは、上下に互い違いに配置され、実施例では右側の位置決め孔108aが鍔状部の上側に偏倚して設けられるのに対し、左側の位置決め孔108aが鍔状部の下側に偏倚して設けられる(図16参照)。
前記ベース部材108は、上部発光手段102のLED104に対応してLED開口110aが板状部110に貫通形成され(図16、図23、図25または図28参照)、LED104がLED開口110aに前後方向で整合するようになっている(図5、図7および図9参照)。実施例のベース部材108は、LED104の夫々に対応してLED開口110aが設けられ、複数のLED104が上下に三段で並べて設けられているのに対応して、左右方向に一定間隔で並べたLED開口110aの行が、上下に離間して3行形成されている(図16参照)。上段発光群104Aに対応するLED開口110aは、中段発光群104Bおよび下段発光群104Cに対応するLED開口110aと比べて、装飾可動体150の待機位置と動作位置との進退移動方向(上下方向)の幅が大きく設定され、この進退移動方向と交差する方向(左右方向)の幅が、各段同じに設定されている。このように、LED開口110aを設けて、このLED開口110aにLED104を臨ませて配置することでで、板状部110がLED104の熱影響を受け難くなり、LED104の発光により生じた熱をLED開口110aを介して放散できる。また、板状体110は、LED104に対応する部位にLED開口110aを設けてあるので、剛性の低下を最小限に抑えることができる。なお、装置本体部106は、基板から前方に突出するLED104をLED開口110aに収容すれば、板状部110の厚みを有効利用して前後スペースのコンパクト化を図ることもできる。
前記カバー部材112は、ベース部材108の板状部110の前側を少なくとも覆う大きさに形成された板状の部材であって(図34または図35参照)、装置本体部106において装飾可動体150の変位によって前側に露出する意匠部分を構成している(図7または図9参照)。カバー部材112は、装飾可動体150の変位方向(実施例では上下方向)に階段状に段差部112a,112b,112c,112dが設けられている(図21または図26参照)。カバー部材112は、表示部26から離間する側(上)から表示部26側(下)に向かうにつれて前方へ突出し、最も前方に位置する段差部112cから表示部26側に向かうにつれて後方へ凹むように側面視略山形に形成されている。
前記カバー部材112は、ベース部材108の板状部110の上部を覆う第1段差部112aと、この第1段差部112aの表示部26側(下側)に連設され、第1段差部112aより板状部110から前方へ離間する第2段差部112bと、この第2段差部112bの表示部26側(下側)に連設され、第2段差部112bより板状部110から前方へ離間する第3段差部112cと、この第3段差部112cの表示部26側(下側)に連設され、第2段差部112bと板状部110に対する前後位置が略同一である第4段差部112dとを備えている(図21または図26参照)。カバー部材112では、第2段差部112b(第4段差部112d)と第3段差部112cとの間の前後差よりも、第1段差部112aと第2段差部112bとの間の前後差が大きく設定されている。カバー部材112では、最も前方に位置する第3段差部112cが装飾可動体150の進退移動方向(実施例では上下方向)において表示部26側(下側)に偏倚して配置されている。
前記カバー部材112は、ベース部材108の板状部110の中間部位から下部にかけて第2段差部112b、第3段差部112cおよび第4段差部112dで覆い、装置本体部106では、板状部110と第2段差部112b、第3段差部112cおよび第4段差部112dとの間に回転可動体130が収容される(図21または図26参照)。また、カバー部材112は、第4段差部112dの表示部26側(下側)に連設されて後方へ向けて延出する部分で、ベース部材108の下面を構成する壁状部の下側を覆うようになっている。なお、カバー部材112は、上下方向の形状が湾曲または屈曲して階段状に形成されるものの、左右方向の形状が後述する光拡散構造に由来する細かい凹凸を除いて基本的に水平になっている。
ここで、本願で云う光拡散構造とは、例えば光透過性を有する部材の表面に凹凸を形成するような表面加工や、光反射性を有する微粒子を含有する光拡散インクを種々の濃度分布で光透過性を有する部材の表面に印刷または塗布等する加工や、部材を構成する樹脂自体に光反射性を有する微粒子を分散させる例えばラメ加工や、透過する光の屈折率を変える加工等を指し、1つの加工だけであっても、複数の加工を組み合わせてもよい。なお、表面加工の具体例としては、溝加工、ダイヤモンドカット加工、シボ加工、ブラスト加工などが挙げられ、光の屈折率を変える加工としては、部材の表面に該部材と屈折率が異なる微細な凹凸を設けたシートレンズの如きものが挙げられる。
前記カバー部材112は、光を透過可能な合成樹脂素材から形成されて、装飾可動体150の変位によって前側に露出する部位に少なくとも光拡散構造が設けられている。なお、実施例では、カバー部材112のおおよそ全体に光拡散構造が設けられている。ここで、光拡散構造の態様としては、カバー部材112の段差部112a,112b,112c,112d毎に異なるように設定しても、複数の段差部112a,112b,112c,112dまたは段差部112a,112b,112c,112d全体で共通に設定してもよい。実施例のカバー部材112では、装飾可動体150が遊技盤面に沿って表示部26に対して進退移動する際の移動領域に対応する第1段差部112aと、装飾可動体150が遊技盤面に沿う軸線を支点として揺動する際の移動領域に対応する第2〜第4段差部112b,112c,112dとが、光拡散構造の態様が相違するよう構成されている(図29参照)。より具体的には、カバー部材112では、第1段差部112aに磨りガラス状の光拡散構造が採用され、第2〜第4段差部112b,112c,112dが細かい凹凸形状による光拡散構造となっている。なお、第2〜第4段差部112b,112c,112dは、凹凸形状からなる光拡散構造が、凹溝の延在方向および凸条の延在方向を回転可動体130の回転方向と関連付けてある。
前記カバー部材112は、第1段差部112aが上段発光群104Aの前側を覆い、第2段差部112bが中段発光群104Bの前側を覆い、第4段差部112dが下段発光群104Cの前側を覆うよう構成される(図21または図26参照)。すなわち、カバー部材112は、第1段差部112aが上段発光群104Aとの距離が第2段差部112bと中段発光群104Bとの距離より近く、第2段差部112bと中段発光群104Bとの距離が第4段差部112dと下段発光群104Cとの距離と同一になっている。なお、実施例のカバー部材112では、第2段差部112bにおける第3段差部112cとの接続部位に中段発光群104Bが相対し、第4段差部112dにおける第3段差部112cとの接続部位に下段発光群104Cが相対するよう配置される。
前記右サイドカバー116は、右側に開口する略トレイ形状の第1右覆部(第1の板部)118と、この第1右覆部118の開口端縁に突き当てて取り付けられる板状の第2右覆部(第2の板部)120と、この第2右覆部120に開口端縁を突き当てて取り付けられる左側に開口する略トレイ形状の第3右覆部122とから構成される(図15〜図18,図34または図35参照)。右サイドカバー116は、ベース部材108の右側部に複数突設された取付ボス部109に対し、第1右覆部118に貫通形成した取付ボス孔118aを嵌合すると共に、隣り合う取付ボス部109,109の間に第1右覆部118を挟んで、該第1右覆部118が取り付けられる(図32参照)。また、右サイドカバー116は、第1右覆部118の右側に突き出した取付ボス部109に対して第2右覆部120を突き当ててネジ止めすることで、第2右覆部120が固定されると共に(図30参照)、ベース部材の右側部と第2右覆部120との間に挟まれて第1右覆部118が固定される。更に、右サイドカバー116は、第2右覆部120に対して第3右覆部122がネジ止め固定される。ここで、第2右覆部120を固定するネジ固定部位は、第3右覆部122から外れた位置に設けられ(図19参照)、第3右覆部122を取り外すことなく、第1右覆部118および第2右覆部120をベース部材108から取り外し可能になっている。そして、右サイドカバー116には、第1右覆部118および第2右覆部120の間と、第2右覆部120および第3右覆部122の間との夫々に、後述する第2駆動機構の構成部材が設置される収容空間116a,116bが画成される(図30〜図32参照)。なお、右サイドカバー116の構成部材は、何れも無色透明の合成樹脂素材で形成されている。
前記左サイドカバー124は、左側に開口する略トレイ形状の第1左覆部126と、右側に開口する略トレイ形状の第2左覆部128とを、互いの開放端縁を突き合わせて構成されるケース状の部材である(図15〜図18,図34または図35参照)。左サイドカバー124は、ベース部材108の左側部に突き出した取付ボス部109に対して第1左覆部126を突き当ててネジ止めすることで、第1左覆部126がベース部材108に固定される(図34または図35参照)。また、左サイドカバー124は、第1左覆部126に対して第2左覆部128がネジ止め固定される。ここで、第1左覆部126を固定するネジ固定部位は、第2左覆部128から外れた位置に設けられ、第2左覆部128を取り外すことなく、第1左覆部126をベース部材108から取り外し可能になっている(図20参照)。そして、左サイドカバー124には、第1左覆部126と第2左覆部128との間に、後述する第1駆動機構の構成部材が設置される配設空間124aが画成される(図33参照)。なお、左サイドカバー124の構成部材は、何れも無色透明の合成樹脂素材で形成されている。
前記回転可動体130は、ベース部材108とカバー部材112との間の回転空間106aに回転可能に収容され、前側をカバー部材112で覆われている(図21または図26参照)。回転可動体130は、遊技盤面に沿う方向に延在する軸線回りに回転可能に支持され、実施例では回転可動体13が表示部26の上辺に沿って軸線が延在するように設置されている。回転可動体130は、軸線に沿って長手が延在する棒状の部材であって(図36参照)、実施例では中空の円筒状に形成されている。そして、回転可動体130は、円筒部分の中心を通る軸線を中心として回転するようになっている。第1可動演出装置100は、複数(実施例では2基)の回転可動体130,130を備えており、これらの回転可動体130,130が軸線を互いに平行にして設けられている。実施例では、同一形状で同一の径の2基の回転可動体130,130が、上下に離間して平行に配置され、前後方向の位置関係が揃えられている(図21参照)。なお、2基の回転可動体130,130を区別する場合は、上側に位置する回転可動体に「上段」を付して符号に「A」を付加し、下側に位置する回転可動体に「下段」を付して符号に「B」を付加する。
前記回転可動体130は、上部発光手段102のLED104の前側に重なるように配置されている(図21または図26参照)。ここで、第1可動演出装置100では、回転可動体130の軸線と各段のLED104からなる発光群との並びとが同一方向に延在すると共に平行であって、回転可動体130に重なる発光群のLED104と回転可動体130においてLED104に臨む周面との前後の位置関係が同一になっている。より具体的には、上段回転可動体130Aは、中段発光群104Bの前側に重なるように配置される。 一方、下段回転可動体130Bは、下段発光群104Cの前側に重なるように配置される。すなわち、第1可動演出装置100は、回転可動体130の軸線に沿って並べて配置したLED104(中段発光群104Bおよび下段発光群104C)と、回転可動体130の後側から外れた位置に配置したLED104(上段発光群104A)とを有している。
前記回転可動体130は、カバー部材112の段差部112b,112c,112dに対応して配置され、対応の段差部112b,112c,112dの後側に重なっている(図21または図26参照)。ここで、第1可動演出装置100では、回転可動体130の軸線がカバー部材112のに対して左右方向に平行であって、回転可動体130に重なるカバー部材112の段差部112b,112c,112dと回転可動体130の前後の位置関係が左右方向で同一になっている。具体的には、上段回転可動体130Aは、第2段差部112bにおける第3段差部112cとの接続部位の後側に軸線が延在し、第2段差部112bおよび第3段差部112cの後側に重なるように配置される(図21または図26参照)。一方、下段回転可動体130Bは、第4段差部112dにおける第3段差部112cとの接続部位の後側に軸線が延在し、第3段差部112cおよび第4段差部112cの後側に重なるように配置される(図21または図26参照)。
前記第1可動演出装置100では、上段回転可動体130Aが中段発光群104Bと第2段差部112bおよび第3段差部112cとの間に挟まれ、中段発光群104Bから直進した光が、上段回転可動体130A、第2段差部112bおよび第3段差部112cの上側領域を主に介して装置本体部106の前側に照射されるようになっている(図21または図26参照)。また、第1可動演出装置100では、下段回転可動体130Bが下段発光群104Cと第3段差部112cおよび第4段差部112dとの間に挟まれ、下段発光群104Cから直進した光が、下段回転可動体130B、第3段差部112cの下側領域および第4段差部112dを主に介して装置本体部106の前側に照射されるようになっている。更に、第1可動演出装置100では、上段発光群104Aの前側に第1段差部112aが位置して、上段発光群104Aから直進した光が、第1段差部112aを介して装置本体部106の前側に照射されるようになっている。
前記回転可動体130は、無色透明の合成樹脂素材で形成されている。回転可動体130は、周面に光拡散構造が設けられ、上部発光手段102のLED104から入射した光を乱反射し得るようになっている。実施例の回転可動体130には、光拡散構造として、シボ加工のような不規則な凹凸形状が周面に設けられている。すなわち、回転可動体130は、軸線回りに回転することで、周面に設けた光拡散構造の凹凸形状と上部発光手段102のLED104との関係が変動し、回転可動体130の静止状態での光拡散態様と異なる光拡散態様になる。
実施例の回転可動体130は、裏ユニット42の上辺部44bに第1可動演出装置100が設置されるので、軸線が表示部26の上辺に合わせて左右方向に水平に延在するように遊技盤面に沿わせて支持される。回転可動体130は、筒状本体の両端に軸部材131が夫々嵌め込まれ、この軸部材131の筒状本体から突出する部分が装置本体部106に対して回転可能に支持されている(図34または図35参照)。回転可動体130は、該回転可動体130の左端部に突出する軸部材131をベース部材108の左側部に貫通形成された支持軸孔108bに挿入すると共に、回転可動体130の右端部に突出する軸部材131を、ベース部材108の右側部に前側に開放するように凹設された支持凹部108cとカバー部材112の右側部に後側に開放するように凹設された支持凹部112eとの間で挟持して、回転可能に支持されている。
前記回転可動体130を回転する第1駆動機構について説明する。第1駆動機構は、1つの駆動モータ132と、この駆動モータ132の動力を複数の回転可動体130,130の夫々に伝達する伝達手段134とから構成され(図36参照)、単一の駆動モータ132によって複数の回転可動体130が同期して回転するようになっている。また、第1駆動機構は、複数の回転可動体130,130を同一の回転方向へ回転するよう構成される。第1駆動機構の伝達手段134は、駆動モータ132の出力軸132aに固定されたソケット136と、ベース部材108の左側部に回転可能に支持され、ソケット136に接続する伝達軸138と、この伝達軸138のソケット136に接続する端部と反対側の端部に固定された第1伝達歯車140と、ベース部材108の左側部に回転可能に支持され、第1伝達歯車140に噛み合う第2伝達歯車142と、上段回転可動体130Aにおける左側の軸部材131の外周に設けられ、第2伝達歯車142に噛み合う上段ギア部144とを備えている(図34または図35参照)。また、伝達手段134は、ベース部材108の左側部に回転可能に支持され、上段ギア部144に噛み合う第3伝達歯車146と、下段回転可動体130Bにおける左側の軸部材131の外周に設けられ、第3伝達歯車146に噛み合う下段ギア部148とを備えている。なお、伝達歯車140,142,146およびギア部144,148は、何れも平歯車である。
前記駆動モータ132は、左サイドカバー124の第2左覆部128の外側に取り付けられ(図15〜図18または図20参照)、第2左覆部128を貫通して左サイドカバー124の配設空間124aに臨む出力軸132aの先端にソケット136が固定されている(図36参照)。伝達軸138は、第1左覆部126を貫通して左サイドカバー124の配設空間124aに臨む端部が、ソケット136に対して挿脱可能に接続するようになっている。伝達手段134では、ソケット136の受け口が多角形(実施例では六角形)に形成されると共に、これに対応して伝達軸138の挿入端が多角形(実施例では六角形)に形成され、ソケット136に対し出力軸132aの回転方向に伝達軸138が連動するよう構成される。すなわち、第1駆動機構は、第2左覆部128を第1左覆部126から取り外せば、ソケット136が伝達軸138から外れ、第2左覆部128を第1左覆部126に取り付ければ、ソケット136と伝達軸138とが接続される。また、第1駆動機構は、左サイドカバー124全体をベース部材108の左側部から取り外せば、ソケット136が伝達軸138から外れ、左サイドカバー124をベース部材108の左側部に取り付ければ、ソケット136と伝達軸138とが接続される。更に、第1駆動機構は、駆動モータ132を第2左覆部128から取り外せば、ソケット136が伝達軸138から外れ、駆動モータ132を第2左覆部128に取り付ければ、ソケット136と伝達軸138とが接続される(図33参照)。このように、第1駆動機構は、駆動モータ132と、ベース部材108側に設けた伝達軸138とを簡単に切り離しまたは接続することができ、例えば駆動モータ132の取り替え時等に便利である。
前記第1駆動機構は、駆動モータ132の出力軸132aが、上段回転可動体130Aより上側で後側に偏倚した位置に突出し、この出力軸132aの右側に相対して伝達軸138が配置されている(図33参照)。第1伝達歯車140は、ベース部材108の左側部の内側(回転空間106a)に設置され、伝達軸138より前側でかつ上側に偏倚した位置に軸支されて第2伝達歯車142が設置されている(図36参照)。ここで、カバー部材112には、第2伝達歯車142に対応する第1段差部112aの一部に切欠口112fが貫通形成され、ベース部材108との間が狭い第1段差部112aにおいて第2伝達歯車142との干渉を回避している(図29参照)。そして、第2伝達歯車142は、上段回転可動体130Aの上側から上段ギア部144に噛み合っている。第3伝達歯車146は、上下方向の位置が上段回転可動体130Aおよび下段回転可動体130Bの間であって、上段回転可動体130Aおよび下段回転可動体130Bの軸線より前側に設置されている。第3回転歯車146は、上下方向の位置がカバー部材112において第3段差部112cに対応して配置されており、最も前方に位置する第3段差部112cの後側のスペースを用いて第3伝達歯車146が収容されている。このように、伝達手段134の第1〜第3伝達歯車140,142,146は、ベース部材108とカバー部材112との間の回転空間106aを有効利用して設置されている。なお、第3伝達歯車146は、ベース部材108の左側部に取り付けられる支持片114(図34または図35参照)に回転可能に支持されている。
前記装飾可動体150は、遊技盤面に沿う方向へ進退移動する態様と(図38(a)参照)、遊技盤面に沿う方向に延在する軸線を支点として揺動する態様(図38(b)参照)との夫々で動作するよう構成される。具体的には、装飾可動体150は、カバー部材112の前面全体を覆う待機位置と(図2〜図5または図15参照)、この待機位置から表示部26側に向けてスライド変位して、カバー部材112の少なくとも一部を前側に臨ませる動作位置(図38(a)の点線参照)との間で、進退姿勢を保ったまま表示部26に対して進退移動するようになっている。また、装飾可動体150は、表示部26の上辺に沿う軸線を支点として動作位置から表示部26側に向けて揺動し(図6〜図9、図24または図38(b)参照)、カバー部材112の前側に臨ませる領域を動作位置より拡大する揺動姿勢(第2の位置)に動作するようになっている。すなわち、装飾可動体150は、動作位置を越えた表示部26側において進退姿勢と揺動姿勢との間で揺動するよう構成される。
前記装飾可動体150は、第1装飾面152と、この第1装飾面152と交差する方向に延在する第2装飾面154と、第1装飾面152の左右の側縁に夫々設けられ、後方へ向けて延出するアーム156とを備えている(図34または図35参照)。装飾可動体150は、第1装飾面152と第2装飾面154とが断面略逆「L」字状になるように形成された板状の部材であって(図19または図20参照)、左右のアーム156,156が装置本体部106に対して進退移動および揺動可能に支持されている。装飾可動体150では、第1装飾面152における表示部26と反対側の縁部(実施例では上縁部)に第2装飾面154が設けられ、第2装飾面154が第1装飾面152に対して斜めに延在するように形成されている。装飾可動体150は、進退姿勢において第1装飾面152が前側に臨むと共に第2装飾面154が第1装飾面152の上縁部から後方へ向けて延出するように構成され、この進退姿勢において第2装飾面154が前から後に向かうにつれて第1装飾面152より離れる方向へ傾斜している。
前記装飾可動体150は、揺動姿勢において第2装飾面154が前側に臨むと共に、第1装飾面152が第2装飾面154の下縁部から後方へ向けて延出するように構成される(図26参照)。すなわち、装飾可動体150は、進退移動に際して前側に臨む装飾面152が変わらないものの、揺動することで前側に臨ませる装飾面を第1装飾面152または第2装飾面154に切り替えることができるようになっている。なお、実施例の装飾可動体150は、進退姿勢で第1装飾面152が遊技盤面に略平行な関係で延在し、揺動姿勢で第2装飾面154がカバー部材112の第1〜第3段差部112a,112b,112cのなす山形状に沿う遊技盤面に対して傾いた関係で延在している(図9または図26参照)。
前記装飾可動体150は、第1装飾面152がカバー部材112の前面に略整合する大きさに設定され、進退姿勢での第2装飾面154の前後方向の幅が第1装飾面152と比べて小さく設定されている(図19または図20参照)。また、装飾可動体150は、第1装飾面152および第2装飾面154とで左右方向の幅が略同一となっている。装飾可動体150は、進退姿勢にある待機位置で、第1装飾面152がカバー部材の第3段差部112cより前側に延在し、第1装飾面152および第2装飾面154によってカバー部材112の前面全体を覆うようになっている(図21参照)。また、装飾可動体150は、進退姿勢にある待機位置で、第2装飾面154がカバー部材112の第1段差部112aの上部前側に位置し、第1装飾面152より後方へ延出する第2装飾面154が第1段差部112aと第3段差部112cとの前後差に収容される(図5または図21参照)。
前記装飾可動体150は、進退姿勢にある動作位置で、カバー部材112に対して下側にずれて第1段差部112aの上部領域を開放するものの、第2装飾面154がカバー部材112の第1段差部112aの下部前側に位置し、第1装飾面152より後方へ延出する第2装飾面154が第1段差部112aと第3段差部112cとの前後差に収容される。装飾可動体150は、揺動姿勢で第1段差部112a、第2段差部112bおよび第3段差部112cを開放する一方、第2装飾面154でカバー部材112の第4段差部112dを覆うようになっている(図9または図26参照)。装飾可動体150は、揺動姿勢で第1装飾面152がカバー部材112の下側に位置し、第2装飾面154より後方へ延出する第1装飾面152が第4段差部112dと裏ユニット42の上辺部44bとの前後差に収容される(図9参照)。このように、第1可動演出装置100では、装飾可動体150が進退移動または揺動しても、カバー部材112の第4段差部112dの前側が第1装飾面152または第2装飾面154によって常に覆われており(図9参照)、第1段差部112a、第2段差部112bおよび第3段差部112cを、装飾可動体150の動作に応じて被覆または開放し得るよう構成される(図5、図7または図9参照)。
前記装飾可動体150は、全体が無色透明な合成樹脂素材を基本として構成され、第1装飾面152および第2装飾面154に光拡散構造が設けられている(図22参照)。また、装飾可動体150は、第1装飾面152および第2装飾面154の夫々に、パチンコ機のモチーフに合わせた飾り部152a,154aが設けられている(図22または図24参照)。第1装飾面152および第2装飾面154の基本的な光拡散構造は、凹凸形状であって、これとは別に第1装飾面152に設けた飾り部152aが磨りガラス状の光拡散構造とされている。また、第2装飾面154の飾り部154aには、有色透明に構成した部位が設けられている。すなわち、装飾可動体150は、第1装飾面152と第2装飾面154との間で、飾り部152a,154aの形状(意匠形状)および光拡散構造が相違するよう構成され、揺動によって第1装飾面152と第2装飾面154とを切り替えることで、意匠形状および光の拡散態様を切り替えることができる。
前記装飾可動体150のアーム156は、第1装飾面152の各側縁から後方へ延出する板状の部分であって、延出端(後端)が表示部26側(下方)に更に延出し、側面視で略逆「L」字形状に形成されている(図34、図35または図38参照)。なお、アーム156は、第1装飾面152と一体的に形成されている。各アーム156は、対応する側にある装置本体部106のアーム挿通溝106bに前側から挿入され、対応する側のサイドカバー116,124に対して進退移動および揺動可能に支持されている(図31参照)。アーム156は、装飾可動体150を揺動した際に、該アーム156の第1装飾面152から後方へ延出する部位とこの延出端から下方へ延出する部位とがなす下方に開放した凹部分に、ベース部材108の下端より突出する取付ボス部109およびこの取付ボス部109の下側を覆いサイドカバー116,124の内側面に当接するカバー部材112の下面が収まるようになっている(図26参照)。このように、装飾可動体150は、揺動に際してアーム156と装置本体部106との干渉を回避できるので、揺動可能範囲を広く設定することができる。
前記装飾可動体150を動作する第2駆動機構について説明する。第2駆動機構は、装飾可動体150を揺動可能に支持する支軸(第1の軸)158と、この支軸158を案内する第1ガイド部(第1のガイド部)160と、支軸158と離間して設けられた作動軸(第2の軸)162と、この作動軸162を案内する第2ガイド部(第2のガイド部)164と、作動軸162および第2ガイド部164を第1ガイド部160に沿って相対的に進退移動する作動モータ(駆動手段)168とを備えている(図34、図35、図38または図39参照)。また、第2駆動機構は、作動モータ168の動力を伝達する作動手段170を有している(図30、図31、図34または図35参照)。第2駆動機構は、第1ガイド部160に案内される支軸158と第2ガイド部164に案内される作動軸162との相対的な位置関係の変化に応じて、装飾可動体150を複数の態様で動作するよう構成される(図38参照)。すなわち、第2駆動機構は、支軸158と作動軸162との相対的な位置関係を保ったまま案内することで、装飾可動体150をスライド変位し(図38(a)参照)、作動軸162と支軸164との相対的な位置関係が変わるように設定することで(図38(b)参照)、支軸158を支点として装飾可動体150を回転変位するよう構成される。
前記支軸158は、軸線が遊技盤面に沿う方向に延在するように設けられ、実施例では表示部26の上辺に対して軸線が平行に延在するよう形成されている。支軸158は、円柱形状であって、左右のアーム156,156の夫々に左右対称な位置関係で設けられている(図35参照)。左右で対をなす支軸158,158は、アーム156の外側面に互いに離間する方向へ突設され、右側のアーム156に設けられた支軸158が右サイドカバー116の第1右覆部118に向けて突出し、左側のアーム156に設けられた支軸158が左サイドカバー124の第1左覆部126に向けて突出するようになっている。また、各支軸158は、アーム156の延出端における表示部26側(下部)に設けられている(図38または図39参照)。
前記作動軸162は、その軸線が支軸158の軸線と同一方向に延在するように形成され、支軸158と平行な関係で設けられている。すなわち、作動軸162は、軸線が遊技盤面に沿う方向に延在するように設けられ、実施例では表示部26の上辺に対して軸線が平行に延在するよう形成されている。また、作動軸162は、円柱形状であって、左右のアーム156,156の夫々に左右対称な位置関係で設けられている(図35参照)。左右で対をなす作動軸162,162は、アーム156の外側面に互いに離間する方向へ突設され、右側のアーム156に設けられた作動軸162が右サイドカバー116の第1右覆部118に向けて突出し、左側のアーム156に設けられた作動軸162が左サイドカバー124の第1左覆部126に向けて突出するようになっている。また、各作動軸162は、アーム156の延出端における表示部26から離間する側(上部)に設けられ、装飾可動体150の進退姿勢において支軸158より僅かに前側に配置されている(図38(a)参照)。
前記第1ガイド部160は、支軸158の軸線と交差する方向に延在するように設けられ、支軸158と係合したもとで該第1ガイド部160の延在方向に沿って支軸158を案内するよう構成されている(図38または図39参照)。ここで、第1ガイド部160は、直線状に延在するように設けられている。実施例の第1ガイド部160は、裏ユニット42の上辺部44bにおいて表示部26に対して進退する方向(上下方向)に沿って長手辺が延在するように形成されている。また、第1ガイド部160は、短手辺の幅が支軸158の外形寸法(外径)と略同一に設定した長孔形状であって(図31または図32参照)、支軸158を収容して短手辺に沿う方向への移動を規制する一方、長手辺に沿う方向の移動を許容するようになっている。
前記第1ガイド部160は、アーム156の外側面に相対するサイドカバー116,124に夫々設けられ、左右の対をなす第1ガイド部160,160は、装飾可動体150を挟んで左右対称な位置関係で配置されている。すなわち、右側の支軸158を支持する第1ガイド部160は、右サイドカバー116の第1右覆部118において右側のアーム156に相対する板部分に貫通形成され、左側の支軸158を支持する第1ガイド部160は、左サイドカバー124の第1左覆部126において左側のアーム156に相対する板部分に貫通形成されている。第1ガイド部160は、第1右覆部118および第1左覆部126の上下方向の中間部位から下部にかけて長手辺が延在するように形成され、前後方向において後側へ偏倚した位置に配置されている(図31または図32参照)。第2駆動機構は、装飾可動体150の待機位置において、支軸158が第1ガイド部160の上端に位置し(図38(a)参照)、装飾可動体150の動作位置並びに進退姿勢と揺動姿勢との間の姿勢変位において、支軸158が第1ガイド部160の下端に位置するよう構成される(図38(b)参照)。
前記第2ガイド部164は、作動軸162の軸線と交差する方向に延在するように設けられ、作動軸162と係合したもとで該第2ガイド部164の延在方向に沿って作動軸162を案内するよう構成されている(図38または図39参照)。第2ガイド部164は、第1ガイド部160に並行に延在する第1ガイドライン(第1のガイドライン:直線部分)165と、この第1ガイドライン165に連なるように設けられて、弧状に延在する第2ガイドライン(第2のガイドライン:直線部分)166とを有している(図32または図33参照)。第1ガイドライン165は、直線状の第1ガイド部160に対して平行な関係で直線状に延在するように設けられている。すなわち、実施例の第2ガイド部164は、裏ユニット42の上辺部44bにおいて表示部26に対して進退する方向(上下方向)に沿って第1ガイドライン165の長手辺が延在するように形成される。第2ガイド部164は、第2ガイドライン166の長手辺が弧状に延在するよう形成され、該長手辺によって第2ガイドライン166の弧形状が規定される。また、第2ガイド部164は、短手辺の幅が作動軸162の外形寸法(外径)と略同一に設定した長孔形状であって(図31参照)、作動軸162を収容して短手辺に沿う方向への移動を規制する一方、長手辺に沿う方向の移動を許容するようになっている。
実施例の第2ガイドライン166は、支軸158を中心とする円弧状に形成されている(図38(b)または図39(b)参照)。より具体的には、第2ガイドライン166は、支軸158が第1ガイド部160の下端に位置した場合を基準として、支軸158を中心として作動軸162を回転した際に描く軌跡に沿って形成されている。また、第2ガイドライン166は、第1ガイドライン165に対して第1ガイド部160から離れる方向に湾曲するように設けられる(図32または図33参照)。第2ガイドライン166は、第1ガイドライン165から離れるにつれて前側に偏倚する弧状であり、すなわち前側に凸になる湾曲形状になっている。なお、第2ガイド部164は、第1ガイドライン165と第2ガイドライン166との接続部位が滑らかに接続されている。
前記第2ガイド部164は、アーム156の外側面に相対するサイドカバー116,124に夫々設けられ、左右の対をなす第2ガイド部164,164は、装飾可動体150を挟んで左右対称な位置関係で配置されている。すなわち、右側の作動軸162を支持する第2ガイド部164は、右サイドカバー116の第1右覆部118において右側のアーム156に相対する板部分に貫通形成されている。一方、左側の作動軸162を支持する第2ガイド部164は、左サイドカバー124の第1左覆部126において左側のアーム156に相対する板部分に貫通形成されている。第2ガイド部164は、第1右覆部118および第1左覆部126の上下方向の上部から中間部位にかけて第1ガイドライン165の長手辺が延在するように形成され、前後方向において第1ガイド部160より前側へ偏倚した位置に第1ガイドライン165が配置されている(図32または図33参照)。また、第2ガイド部164は、第1右覆部118および第1左覆部126の上下方向の中間部位から下部にかけて第2ガイドライン166の長手辺が延在するよう形成され、第1ガイド部160の前側に第2ガイドライン166が配置されている。また、第2ガイド部164は、第1ガイド部160の上方に位置する第1ガイドライン165が、前後方向で該第1ガイド部160の一部に重なり、第1ガイド部160の上側のスペースを有効利用している。
前記支軸158および作動軸162は、軸棒と、この軸棒に回転可能に嵌められる軸キャップとから構成される(図34または図35参照)。軸棒は、金属製の丸棒材であって、右端がアーム156に固定されている。軸キャップは、合成樹脂の成形品であって、軸棒の外径に合わせて形成された貫通孔を有する円筒状本体と、この円筒状本体の一端に半径方向外方へ延出するよう形成されたフランジとから構成されている。支軸158および作動軸162は、対応のガイド部160,164に挿入した軸棒に対して貫通孔を嵌め合わせて軸キャップが取り付けられる。なお、軸キャップは、フランジの外径が軸溝の短手辺より大きく設定され、対応のガイド部160,164の開口縁内側面から装飾可動体150側へ突出するよう設けられた開口突起160a,164a(図34または図35参照)に対し、フランジが当接するようになっている。
前記第2駆動機構では、装飾可動体150の待機位置で作動軸162が第1ガイドライン165の上端に位置し(図38(a)または図39(a)参照)、装飾可動体150の動作位置で作動軸162がガイドライン165と第2ガイドライン166との接続部位に位置するようになっている。また、作動軸162は、装飾可動体150の揺動姿勢で作動軸162が第2ガイドライン166の下端に位置するようになっている(図38(a)または図39(a)参照)。また、第2駆動機構は、作動軸162および第2ガイド部164の相対的な進退移動に伴って作動軸162が第2ガイドライン166に移行した際に、第1ガイド部160の下端部で支軸158を移動規制するよう構成される。すなわち、第2駆動機構では、揺動変位の途中で支軸158が第1ガイドライン165の下端部で移動規制されたもとで作動軸162が第2ガイドライン166に案内されるようになっている。
前記第2駆動機構は、支軸158および作動軸162の少なくとも一方を、作動モータ168によって第1ガイド部160の長手辺に沿う方向へ進退移動するよう構成される。なお、実施例の第2駆動機構では、作動モータ168に接続する作動手段170が右側の作動軸162に連係し(図31参照)、この作動軸162を第1ガイド部160の長手辺に沿う方向(実施例では上下方向)へ進退移動して、第2ガイド部164に対して作動軸162が相対的に変位される。第1可動演出装置100は、アーム156に設けられた支軸158および作動軸162が連動して変位し、作動軸162が第1ガイドライン165に案内されたもとで装飾可動体150を姿勢保持したまま進退移動し、作動軸162が第2ガイドライン166に案内されたもとで装飾可動体150を揺動するようになっている。
前記作動モータ168は、右サイドカバー116の第3右覆部122の外側面に取り付けられ(図15〜図19参照)、出力軸168aが第3右覆部122を介して第2右覆部120と第3右覆部122との間に画成される第2収容空間116bに突出するよう設けられる。作動モータ168は、装置本体部106の右側面において中央部に配置される(図19参照)。なお、作動モータ168としては、正逆回転駆動可能なものが用いられ、例えばステッピングモータが好適である。
前記第2駆動機構において、作動モータ168から作動軸162に動力を伝達する作動手段170について説明する。作動手段170は、作動モータ168の出力軸168aに固定される第1作動歯車172と、この第1作動歯車172に噛み合う第2作動歯車(回転具)174と、この第2作動歯車174の回転中心より偏倚した部位に設けられ、第2作動歯車174と共に回転する連動軸176とを備えている(図34、図35または図37参照)。また、作動手段170は、連動軸176に連係し、該連動軸176の上下方向(第1ガイド部160の長手辺に沿う方向)の変位に連動して上下方向へスライド変位するスライド部材178を備え、このスライド部材178に作動軸162が連係されている(図38参照)。すなわち、作動手段170は、作動モータ168の回転駆動が連動軸176およびスライド部材178の連係によって該スライド部材178の直線的なスライド変位に変換される。
前記第1作動歯車172および第2作動歯車174は、右サイドカバー116における第2右覆部120および第3右覆部122の間の第2収容空間116bに収容されている(図37参照)。第2作動歯車174は、回転軸が第2右覆部120と第3右覆部122との対向面間に挟まれて左右両側から支持され、スライド部材178との係合下に回転変位をスライド変位に変換する連動軸176を安定して回転変位できるようになっている。第2作動歯車174は、右サイドカバー116において後側に偏倚した部位に突出する出力軸168aより前側に回転軸が配置され(図37参照)、第1作動歯車172の前側で互いに噛み合っている。なお、実施例の第1作動歯車172および第2作動歯車174は、何れも平歯車である。
前記連動軸176は、第2作動歯車174の外周縁から半径方向外側に延出する腕部175に設けられている(図30または図37参照)。連動軸176は、円柱形状であって、腕部175の後面に後方へ向けて突出するように形成されている(図34または図35参照)。連動軸176は、第2右覆部120に該連動軸176の回転軌跡に合わせて貫通形成された軸溝121を介して第1右覆部118と第2右覆部120との間の第1収容空間116aに突出するようになっている(図30参照)。軸溝121は、第2作動歯車174の回転軸を中心とする円弧状であって、第2作動歯車174の回転中心を通る鉛直線上または該鉛直線上から僅かにずれて上端部が位置すると共に、該鉛直線上に下端部が位置している。すなわち、軸溝121は、第2作動歯車174の回転軸を中心とする180°または180°を僅かに越えた範囲で設けられ、連動軸176は、180°の範囲で回転変位が可能になっている。また、連動軸176は、第2作動歯車174の回転軸より後側の領域を主に回転変位するように設定され、これに対応して軸溝121が、第2作動歯車174の回転軸より後側に主に形成されている。
前記連動軸176は、軸棒と、この軸棒に回転可能に嵌められる軸キャップとから構成される(図34または図35参照)。軸棒は、金属製の丸棒材であって、右端が腕部175に固定されている。軸キャップは、合成樹脂の成形品であって、軸棒の外径に合わせて形成された貫通孔を有する円筒状本体と、この円筒状本体の一端に半径方向外方へ延出するよう形成されたフランジとから構成されている。連動軸176は、軸溝121を介して第2右覆部120の左方に突出した軸棒に対して貫通孔を嵌め合わせて軸キャップが取り付けられる。なお、軸キャップは、フランジの外径が軸溝121の短手辺より大きく設定され、第2右覆部120の左面に軸溝121の開口縁から左方へ突出するよう設けられた支持突起(図示せず)に対し、フランジが当接するようになっている。
前記スライド部材178は、合成樹脂素材からなる略矩形の板状部材であって、第1右覆部118と第2右覆部120との間の第1収容空間116aに収容されている(図31参照)。ここで、スライド部材178は、第1ガイド部160の長手辺に沿う方向(実施例では上下方向)の移動が許容される一方、この上下方向以外の前後方向および左右方向の移動が第1右覆部118および第2右覆部120によって規制される。スライド部材178には、該スライド部材178の移動許容方向と交差する方向(実施例では前後方向)に長手辺が延在する長孔形状の連動口180が貫通形成されると共に、この連動口180と平行して作動口182が貫通形成されている(図31参照)。すなわち、作動口182は、連動口180と同様の長孔形状であって、スライド部材178の移動許容方向と交差する方向(実施例では前後方向)に長手辺が延在するよう形成されている。スライド部材178では、連動口180と作動口182とが上下の関係で配置され、作動口182が連動口180の下側に設けられる。
前記スライド部材178では、連動口180の長手方向の幅が第2作動歯車174の回転に伴う連動軸176の前後方向の変位幅と同じかまたは長く設定されている。また、スライド部材178は、該スライド部材178を上下方向に移動すれば、連動口180が第2作動歯車174の回転に伴う連動軸176の前後方向の変位範囲に重なるように構成される。一方、連動口180は、短手方向の幅が連動軸176の外径に合わせて設定されている。そして、スライド部材178の連動口180には、軸溝121を介して第1収容空間116aに突出する連動軸176が挿入される(図31参照)。スライド部材178は、連動口180の前後幅で連動軸176の前後方向の変位を許容しつつ、該連動軸176の上下方向の変位に連動して、上下方向へスライド変位するようになっている。
前記スライド部材178では、作動口182の長手方向の幅が、第2ガイド部164による案内に伴う作動軸162の前後方向の変位幅と同じかまたは長く設定されている。一方、作動口182の短手方向の幅は、作動軸162の外径に合わせて設定されている(図31参照)。スライド部材178は、該スライド部材178を上下方向に移動した際に、作動口182が支軸158を支点とする作動軸162の揺動に伴う該作動軸162の前後方向の変位範囲に重なるように構成される。そして、スライド部材178の作動口182には、第2ガイド部164を介して第1収容空間116aに突出する作動軸162が挿入される(図31参照)。スライド部材178は、連動軸176に連動して上下方向へスライド変位することで、第2ガイド部164に案内される作動軸162の前後方向の変位を許容しつつ、作動軸162を上下方向へ移動するようになっている。第2駆動機構では、スライド部材178による作動軸162の上下方向の移動に連動して、支軸158も第1ガイド部160で移動規制されない範囲で該第1ガイド部160に沿って上下方向に移動するようになっている。
前記第1可動演出装置100では、装飾可動体150のアーム156に臨む第1右覆部(第1の板部)118に第1ガイド部160および第2ガイド部164が貫通形成されると共に(図32参照)、第1右覆部118とこの第1右覆部118に対向する第2右覆部(第2の板部)120に挟んでスライド部材178が進退移動可能に設けられる。そして、第1可動演出装置100では、装飾可動体150に設けられた作動軸162が第2ガイド部164を介してスライド部材178の作動口182に挿入され、スライド部材178に対して作動軸162が連係される(図31参照)。このように、スライド部材178を第1右覆部118と第2右覆部120との間の対向する板部分の間に挟むことで、作動モータ168から装飾可動体150に対して駆動力を伝達するスライド部材178を安定して支持でき、装飾可動体150をがたつきなく円滑に動作することができる。
前記右サイドカバー116の第1右覆部118には、スライド部材178に臨む右面に規制片118bが突出形成されている(図31または図34参照)。規制片118bは、第1右覆部118の前側に延在する前壁からスライド部材178の前後寸法だけ離間した位置に、第1右覆部118の上下に亘って形成される。スライド部材178は、第1右覆部118の前壁と規制片118bとの間に配置され、前壁と規制片118bとに挟まれて前後方向の移動が規制される(図31参照)。スライド部材178には、前縁に前方に突出して当接突起178aが上下に離間して複数設けられ、後縁に後方へ突出して当接突起178aが上下に離間して複数設けられている。実施例のスライド部材178では、当接突起178aが前縁および後縁の上端と下端とに夫々設けられ、前縁の当接突起178aが第1右覆部118の前壁に当接すると共に、後縁の当接突起178aが第1右覆部118の規制片118bに当接するようになっている。このように、スライド部材178は、当接突起178aで前壁または規制片118bに当接するよう構成して、前壁または規制片118bとの接触面積を小さくすることで、前後方向のがたつきを抑えつつスライド部材178のスライド変位に伴う摺動負荷を軽減している。
前記第1右覆部118の右面には、右方へ突出する支持突起118cが設けられている(図32参照)。支持突起118cは、第1右覆部118の右面からの突出寸法が規制片118bより低く設定されている。第1右覆部118には、第2ガイド部164の開口縁と、第2ガイド部164の前側の上下に亘る部位と、第1ガイド部160の前側の開口縁に沿う部位とに支持突起118cが設けられている。一方、第2右覆部120の左面には、前述した軸溝121の開口縁に設けられた支持突起に加えて、第1右覆部118において第2ガイド部160の前側に上下に亘って設けられた支持突起118cより僅かに後側に偏倚する位置に、上下に延在する支持突が設けられると共に、第1右覆部118の規制片118bより僅かに前側に偏倚する位置に、上下に延在する支持突起(何れも図示せず)が設けられている。スライド部材178は、左面が第1右覆部118の支持突起118cに当接すると共に、右面が第2右覆部120の支持突起に当接し、左右に対向する支持突起に挟まれて左右方向の移動が規制される。このように、スライド部材178は、対向する右覆部118,120の支持突起で支持するよう構成して、右覆部118,120との接触面積を小さくすることで、左右方向のがたつきを抑えつつスライド部材178のスライド変位に伴う摺動負荷を軽減している。
前記第1右覆部118には、装飾可動体150の右側のアームに対向する左面に、第1ガイド部160および第2ガイド部164の開口縁を囲むように突出形成された開口突起160a,164aが設けられている(図24参照)。支軸158および作動軸162は、前述した軸キャップの円筒状本体が対応のガイド部160,164に挿入される一方、軸キャップのフランジが開口突起160a,164aに当接するよう構成されている。すなわち、装置本体部106は、第1右覆部118に開口突起160a,164aを設けることで、アーム156(装飾可動体150)との間の摺動負荷を軽減している。
前記装置本体部106では、第1右覆部118と第2右覆部120との間の第1収容空間116aにスライド部材178を収容し(図31参照)、第2右覆部120と第3右覆部122との間の第2収容空間116bに第1作動歯車172および第2作動歯車174を収容している(図30参照)。このように、第1可動演出装置100は、スライド変位するスライド部材178と回転する作動歯車172,174とを別々の収容空間116a,116bに収容することで、両者の干渉を回避することができる。
前述のように装飾可動体150は、表示部26の上辺に沿う方向に離間して対向する一対のアーム156,156でカバー部材112を左右から挟み、左右のアーム156,156に設けられた一対の支軸158,158および一対の作動軸162,162で装置本体部106に対して支持されている(図24参照)。そして、装飾可動体150は、右側の支軸158側に作動モータ168およびこの作動モータ168に連係する作動手段170が設けられ、作動モータ168および作動手段170によって右側の作動軸162を介して駆動される。すなわち、装飾可動体150は、動力で動かされるのは右側のアーム156だけである。
前記装飾可動体150は、左側の支軸158が付勢手段184で付勢されるようになっている(図33参照)。付勢手段184としては、ばねまたはゴム等の弾性体等の原動機を用いない手段が採用され、実施例ではコイルばねが用いられている。付勢手段184は、左サイドカバー124における第1左覆部126の左面に突出形成されて、第1ガイド部160の上側に位置する固定片126aと、第1左覆部126に開設された第1ガイド部160を介して左方へ突出する左側の支軸158との間に架設されている(図33または図39参照)。固定片126aは、第1ガイド部160の表示部26から離間する側の端部(上端)より上側に設けられ、第1ガイド部160の延在ライン上に配置されている。付勢手段184は、左サイドカバー124において第1左覆部126と第2左覆部128との間に画成される配設空間124aに収容され、支軸158を固定片126a側に近づける方向へ付勢力が働くよう構成されている。すなわち、左側の支軸158には、装飾可動体150が表示部26に対して進退移動する方向のうち、表示部26から離れる方向(動作位置から待機位置へ向かう方向)へ付勢力が働くように構成される(図39参照)。また、付勢手段184は、第2駆動機構により右側のアーム156を介して動作される装飾可動体150の表示部26側へ向かう方向(待機位置から動作位置へ向かう方向)の動作に際し、左側の支軸158の変位によって引っ張られて伸張するようになっている。第1可動演出装置100のように装飾可動体150が上下方向に進退移動する構成において、付勢手段184の付勢力が左側の支軸158を介してかかる装飾可動体150の荷重と同じまたは小さく設定されている。
前記第1左覆部126には、装飾可動体150の左側のアーム156に対向する右面に、第1ガイド部160および第2ガイド部164の開口縁を囲むように突出形成された開口突起160a,164aが設けられている(図24、図34または図35参照)。支軸158および作動軸162は、前述した軸キャップの円筒状本体が対応のガイド部160,164に挿入される一方、軸キャップのフランジが開口突起160a,164aに当接するよう構成されている。すなわち、装置本体部106は、第1左覆部126に開口突起160a,160bを設けることで、アーム156(装飾可動体150)との間の摺動負荷を軽減している。
前記第1可動演出装置100は、装飾可動体150の位置検出を行う位置検出手段を備えている(図30参照)。位置検出手段は、装置本体部106等の固定側に設けられる位置センサ部186と、装飾可動体150や作動手段170等の動作側に設けられ、位置センサ部186の検出対象となる検出片188とから構成され、位置センサ部186による検出片188の有無の検出によって、装飾可動体150の位置が判定される。位置センサ部186としては、光や磁気等を用いる近接センサ、検出片188との接触による機械的変動に基づく機械式センサ等その他のものを採用でき、実施例ではフォトセンサが採用されている。位置センサ部186は、基板と、この基板の一面に対向配置した発光部および受光部とから構成され、右サイドカバー116における第2右覆部120と第3右覆部122との間の第2収容空間116bに設置されている(図30参照)。より具体的には、位置センサ部186は、第2作動歯車174の前側に位置して第2右覆部120と第3右覆部122との間に基板が挟持され(図15または図22参照)、発光部および受光部が後方へ突出するように設置されている(図40参照)。ここで、位置センサ部186は、第2作動歯車174の前側に位置し、発光部と受光部とが左右に対向する関係で並んでいる。
前記検出片188は、第2作動歯車174の外周縁から半径方向外側に延出するように設けられている(図30参照)。検出片188は、一箇所だけ形成された切り欠き部分を除いて第2作動歯車174の歯部分の左側周縁から延出するよう形成されている。第1可動演出装置100では、装飾可動体150の待機位置に対応する第2作動歯車174の回転角度において、切り欠き部分が位置センサ部186の発光部と受光部との間に臨むように構成され、この際に連動軸176が第2作動歯車174の回転軸の上側に位置するようになっている。すなわち、第1可動演出装置100は、位置センサ部186によって検出片188を検出しないときに装飾可動体150の待機位置にあり、位置センサ部186が検出片188を検出したときに装飾可動体150が待機位置から外れた動作状態にある。なお、検出片188の切り欠き部分は、位置センサ部186の発光部および受光部の上下幅程度に設定されている。
前記第1可動演出装置100は、装飾可動体150を待機位置で保持するロック機構を備えている。ロック機構は、待機位置での連動軸176の位置設定と、待機位置において連動軸176の特定方向の回転だけを許容し、特定方向と反対の回転を規制する規制部121aとで構成される(図40参照)。第2駆動機構は、第2作動歯車174の正回転により装飾可動体150を待機位置から動作位置へ変位する一方、第2作動歯車174の逆回転により装飾可動体150を動作位置へ変位するよう構成される(図37参照)。連動軸176は、装飾可動体150が進退する方向に沿う(実施例では上下方向)に沿う第2作動歯車174の回転中心を通るライン上(図40参照)またはこのライン上から第2作動歯車174の逆回転方向にずれて、待機位置で位置するよう設定される。また、連動軸176は、待機位置で第2作動歯車174の回転中心を挟んで表示部26から離間する側(実施例では上側)に位置している。そして、連動軸176は、装飾可動体150の待機位置において第2作動歯車174を正回転すると、第2作動歯車174の回転中心を通るラインより後側の領域に向けて回転変位するようになっている。連動軸176が挿入される軸溝121は、前述の如く、第2作動歯車174の回転中心を通るラインに対して第2作動歯車174の上側で重なる部位と、第2作動歯車174の回転中心を通るラインに対して第2作動歯車174の下側で重なる部位との間に亘って、第2作動歯車174の回転中心を通るラインの後側の領域に設けられている。すなわち、連動軸176は、第2作動歯車174の正回転に伴う変位が軸溝121に沿って許容されるものの、第2作動歯車174の逆回転方向への変位が軸溝121の上端で規制される。このように、実施例では、軸溝121の上端が待機位置にある連動軸176の逆回転方向の回転を規制する規制部121aとして機能する。
前記第1可動演出装置100では、第1駆動機構の駆動モータ132が左サイドカバー124に設けられ、ベース部材108とカバー部材112との間の回転空間106aにおける左側および左サイドカバー124に伝達手段134が設けられている。すなわち、第1駆動機構の駆動モータ132および伝達手段134が装置本体部106の左側にまとめて設置されている。これに対して、第1可動演出装置100では、第2駆動機構の作動モータ168および作動手段170が右サイドカバー116に設けられ、第2駆動機構の作動モータ168および作動手段170が装置本体部106の右側にまとめられている。このように、第1可動演出装置100は、2つの可動体130,150を備えると共に、夫々の可動体130,150に対応してモータ132,168およびこのモータ132,168の動力を伝える手段134,170を備えており、これらの可動体130,150を挟んでモータ132,168およびこのモータ132,168の動力を伝える手段134,170の組が左右に振り分けられている。第1可動演出装置100は、回転可動体130を動作する第1駆動機構と装飾可動体150を動作する第2駆動機構を左右にバランスよく振り分けることで、可動部分の干渉を回避でき、装置全体をコンパクトにできる。また、第1可動演出装置100は、裏ユニット42の上辺部44bの左右方向に長いスペースを有効利用でき、前後または上下方向の寸法を抑えることができる。
前記第1可動演出装置100は、第1駆動機構の伝達手段134を構成する伝達歯車140,142,146をベース部材108とカバー部材112との間の回転空間106aに設置し、装置本体部106の左側に設けられる第2駆動機構の付勢手段184を左サイドカバー124の配設空間124aに設置している。また、第1駆動機構は、左サイドカバー124の配設空間124aにおいてソケット136により駆動モータ132の出力軸132aと伝達軸138とを接続しているだけであり、駆動モータ132の出力軸132a、ソケット136および伝達軸138が配設空間124aで最短距離となる左右方向に通るようになっている。なお、実施例では、駆動モータ132の出力軸132a、ソケット136および伝達軸138が、左サイドカバー124の配設空間124aにおいて第1ガイド部160の上側で、第1ガイドライン165の後側のスペースを通っている。しかも、駆動モータ132の出力軸132a、ソケット136および伝達軸138は、左右方向に沿う自身の軸線回りでその場で回転するので、回転しても上下左右前後方向に変位しない。
このように、第1可動演出装置100では、左側の支軸158および作動軸162を支持および案内するガイド部160,164が左サイドカバー124の第1左覆部126に形成されると共に、左側の支軸158を付勢する付勢手段184が左サイドカバー124の配設空間124aに延在しているが、第1駆動機構の伝達手段134(ソケット136および伝達軸138)が左サイドカバー124において前述の如くコンパクトに構成されている。これにより、第1駆動機構の構成要素と第2駆動機構の構成要素との干渉を回避でき、左側の支軸158および作動軸162を支持および案内するガイド部160,164を大きく設定することができる。すなわち、装置本体部106の限られたスペースを有効利用して、装飾可動体150を大きく動作させることができる。
前記回転可動体130の動作について説明する。駆動モータ132を駆動すると、該駆動モータ132の出力軸132aに固定したソケット136を介して接続する伝達軸138が回転され、これにより第1伝達歯車140が回転する(図36参照)。第1伝達歯車140に噛み合う第2伝達歯車142が回転し、第2伝達歯車142に噛み合う上段ギア部144を介して上段回転可動体130Aが軸線回りに回転される。また、上段回転可動体130Aの軸線を挟んで第2伝達歯車142と反対側で上段ギア部144に噛み合う第3伝達歯車146が回転し、この第3伝達歯車146に噛み合う下段ギア部148を介して下段回転可動体130Bが軸線回りに回転される。ここで、下段回転可動体130Bは、上段回転可動体130Aの上段ギア部144に噛み合う第3伝達歯車146によって回転されるので、上段回転可動体130Aおよび下段回転可動体130Bが同期して回転される。また、伝達手段134では、上段ギア部144と下段ギア部148とを直接ではなく第3伝達歯車146を介在させて連係することで、上段回転可動体130Aと下段回転可動体130Bとの回転方向を一致させている。
前記第1可動演出装置100は、中段発光群104Bおよび下段発光群104Cを発光すると、前側に位置する回転可動体130を介して光が前側に照射される(図21または図26参照)。回転可動体130には、周面に光拡散構造を有しているので、回転可動体130が静止状態であっても光拡散構造により中段発光群104Bおよび下段発光群104Cの光が拡散される。第1可動演出装置100は、回転可動体130を回転することで、回転可動体130の周面に設けられた不規則な凹凸形状からなる光拡散構造も回転する。回転可動体130は、軸線回りの回転によって、LED104側(後側)に位置する光拡散構造の凹凸形状および該回転可動体130の軸線を挟んで前側に位置する光拡散構造の凹凸形状が入れ替わるように、光拡散構造の凹凸形状の位置が移り変わる。また、回転可動体130は、軸線回りの回転によって、光拡散構造の凹凸形状の位置が移り変わることで、前後方向に重なる光拡散構造の凹凸形状の関係も移り変わる。すなわち、回転可動体130は、回転により該回転可動体に形成された光拡散構造とLED104との関係を変動させることができる。
このように、回転可動体130のLED104に臨む光拡散構造の凹凸形状が変われば、LED104から照射された光の反射する方向が変わり、透明な回転可動体130の周面を透過する際に光が屈折する方向も変わるので、回転可動体130の回転に伴って光拡散構造による光の拡散態様を複雑に変化させることができる。しかも、回転可動体130は、円筒形であるので、LED104の光が一面だけを通るのではなく、光が対向する2面を通るので、光の反射や屈折が複合的に生じ、光の拡散態様が更に複雑に変化する。このように、第1可動演出装置100は、LED104の前側に設けた回転可動体130の回転により該回転可動体130に形成された光拡散構造とLED104との関係が変動することで、LED104の点滅や発光色の変化等による発光パターンの変化に加えて、光の拡散態様が複雑に変化することで、遊技者から視認可能な発光態様を変えることができる。従って、第1可動演出装置100によれば、より効果的な発光演出を行うことができる。
前記第1可動演出装置100は、回転可動体130が、該回転可動体130の軸線に沿って並べて配置した複数のLED104の前側に重なるように設置されるので(図21または図26参照)、回転可動体130に対してLED104から光を適切に入射させることができ、回転可動体130の回転に伴う発光態様の変化をより強調し得る。また、第1可動演出装置100は、軸線を平行な関係で配置した2基の回転可動体130,130を備えているので、2基の回転可動体130,130の間で光を反射させて、回転可動体130,130の回転に伴う発光態様の変化をより複雑にできる。しかも、上下の回転可動体130,130は、同一方向に回転されるので、2基の回転可動体130,130の回転による発光態様の変化に関連性が生じ、回転可動体130,130の回転に伴う発光態様の変化をより強調し得る。
前記第1可動演出装置100は、回転可動体130を複数設置することで、1つ1つの回転可動体130の外径を大きくすることなく、上部発光手段102の前側の広い範囲を回転可動体130で覆うことができる。第1可動演出装置100は、1つ1つの回転可動体130の外径を比較的小さく設定できるので、装置本体部106の前後方向の寸法をコンパクトにでき、装置本体部106の前側に装飾可動体150を設けて該装飾可動体150を動作させるスペースを確保し得る。
前記装飾可動体150の動作について説明する。第1可動演出装置100は、装飾可動体150が待機位置において表示部26の外側に位置し、装置本体部106のカバー部材112の前面全体を覆っている(図2〜図5参照)。また、装飾可動体150は、待機位置で第2装飾面154全体が装飾部材46の後側に位置し、第2装飾面154が装飾部材46によって隠されている(図2参照)。第1可動演出装置100は、装飾可動体150が待機位置から表示部26側(下方)へ遊技盤面に沿ってスライド変位することで動作位置になるが、ロック機構によって作動モータ168の駆動によらない連動軸176の変位が規制されているので、待機位置で確実に保持できる。
前記第1可動演出装置100は、作動モータ168を正駆動することで、第1作動歯車172を介して第2作動歯車174が正回転方向に回転される(図37参照)。この際、ロック機構は働かず、第2作動歯車174の正回転に伴って連動軸176が軸溝121に沿って変位する。連動軸176は、スライド部材178の連動口180に挿入されているので、第2作動歯車174の回転中心を中心として正回転方向へ回転変位する連動軸176によって連動口180の下縁が押されて、スライド部材178は表示部26側(下方)へスライド変位する(図37参照)。ここで、連動口180は、前後方向に長手辺が延在しているので、連動軸176の回転に伴う前後方向の変位が連動口180の長手辺に沿って許容されるので、スライド部材178が連動軸176の上下方向の変位だけに連動してスライド変位する。スライド部材178の作動口182には、装飾可動体150の右側の作動軸162が挿入されているので、スライド部材178の下方変位につれて作動口182の上縁に押されて作動軸162が下方へ移動する(図38参照)。このように、作動手段170によれば、第2作動歯車174の回転に伴って回転変位する連動軸176とこの連動軸176が挿入されるスライド部材178の連動口180との連係によって、作動モータ168の回転をスライド部材178の進退移動に円滑に変換し得る。
前記第2ガイド部164の第1ガイドライン165の上端に位置していた作動軸162は、スライド部材178に連動して、直線状に形成された第1ガイドライン165に案内されたもとで直線的に下方変位する(図38参照)。また、作動軸162の下方変位に伴って装飾可動体150およびこの装飾可動体150に設けられた支軸158が下方変位する。装飾可動体150は、作動軸162が遊技盤面に沿って直線状に延在する第1ガイドライン165で案内されると共に、支軸158が遊技盤面に沿って直線状に延在する第1ガイド部160で案内されて、作動軸162と支軸158との相対的な位置関係が変化しないから、第1装飾面152が前側に臨んで遊技盤面に沿う進退姿勢を保ったまま表示部26側に向けてスライド変位する(図38(a)参照)。装飾可動体150は、一方(実施例では右側)の作動軸162を作動モータ168で動かすことで、左右の作動軸162,162および左右の支軸158,158の夫々が、装飾可動体150を挟んで左右対称な関係で形成された対応のガイド部160,164で案内されたもとで、装飾可動体150全体が動作する。左側の支軸158は、装飾可動体150の表示部26に向けたスライド変位に際して、付勢手段184の付勢力に抗して変位する(図39参照)。
前記第1可動演出装置100は、待機位置より動作位置側にずれた位置と動作位置との間で、作動モータ168を逆駆動することで、第1作動歯車172を介して第2作動歯車174が逆回転方向に回転される。スライド部材178は、第2作動歯車174の回転中心を中心として逆回転方向へ回転変位する連動軸176によって、連動口180の上縁が押されて表示部26から離れる側(上方)へスライド変位する。また、作動軸162は、スライド部材178の上方変位につれて作動口182の下縁に押されて上方へ移動する。この際、作動軸162は、スライド部材178に連動して、直線状に形成された第1ガイドライン165に案内されたもとで直線的に上方変位する。また、作動軸162の上方変位に伴って装飾可動体150およびこの装飾可動体150に設けられた支軸158が上方変位する。装飾可動体150は、作動軸162が遊技盤面に沿って直線状に延在する第1ガイドライン165で案内されると共に、支軸158が遊技盤面に沿って直線状に延在する第1ガイド部160で案内されて、作動軸162と支軸158との相対的な位置関係が変化しないから、第1装飾面152が前側に臨んで遊技盤面に沿う進退姿勢を保ったまま表示部26から離間する側に向けてスライド変位する。
このように、第1可動演出装置100は、作動軸162が第1ガイドライン165に案内されたもとで、作動モータ168を正逆駆動することで、装飾可動体150を進退姿勢を保ったまま遊技盤面に沿って表示部26に対して進退移動させることができる。なお、第1可動演出装置100は、作動モータ168のステップ数制御等によって、待機位置と動作位置との間における任意の幅で、装飾可動体150を進退移動させることができる。また、第1可動演出装置100は、作動モータ168の正逆駆動の繰り返し制御によって、任意の周期で進退姿勢を保ったまま装飾可動体150を進退移動することができる。
前記第1可動演出装置100は、装飾可動体150の動作位置においてスライド部材178を作動モータ168の正駆動によって更に下方変位すると、スライド部材178に連動して作動軸162が更に下方変位して(図37参照)、第1ガイドライン165から第2ガイドライン166に移行し、第2ガイドライン166の湾曲形状に沿って案内される(図38参照)。作動軸162は、湾曲形状の第2ガイドライン166に案内されることで、支軸158から前側に離れるように変位するように相対的な位置関係が変わるから、装飾可動体150の第1装飾面152が支軸158を支点として前側へ傾くように姿勢変位する。支軸158は、進退姿勢から揺動姿勢への姿勢変位途中で第1ガイド部160の下端部に移動規制され(図38(b)点線参照)、支軸158が停止した状態で作動軸162が支点を中心とする円弧状に第2ガイドライン166に沿って案内される。ここで、作動軸162は、湾曲形状の第2ガイドライン166に案内されることで、スライド部材178に押される上下方向の変位と共に前後方向に変位するが、作動口182が前後方向に長手辺が延在する長孔形状であるので、スライド部材178に対する作動軸162の前後方向の変位が許容される。このように、装飾可動体150は、作動軸162が湾曲形状の第2ガイドライン166で案内されると、下方変位につれて支軸158に対する作動軸162の前後の位置関係が変わるので、第1装飾面152が前側に臨んで遊技盤面に沿う進退姿勢から支軸158を支点として前側に傾くように揺動する。そして、装飾可動体150は、作動軸162が第2ガイドライン166の下端部に位置した際に(図38(b)一点鎖線参照)、第2装飾面154が前側に臨む揺動姿勢となり、前側に臨む装飾面が進退姿勢と切り替わる。
前記第1可動演出装置100は、装飾可動体150の揺動姿勢でスライド部材178が作動モータ168の逆駆動によって上方変位すると、スライド部材178に連動して作動軸162が第2ガイドライン166に沿って案内されたもとで上方へ変位する。この際、作動軸162は、支軸158に近づく後側にも変位するから、装飾可動体150の第1装飾面152が支軸158を支点として後側へ傾くように姿勢変位する。ここで、作動軸162が支軸158を中心とする湾曲形状の第2ガイドライン166に案内されていると、中心となる支軸158の位置が変わらないので、初期段階では支軸158が停止した状態で作動軸162だけが第2ガイドライン166に沿って変位し、途中から作動軸162と支軸158とが対応のガイド部160,166に沿って変位する。このように、装飾可動体150は、作動軸162が湾曲形状の第2ガイドライン166で案内されると、上方変位につれて支軸158に対する前後の位置関係が変わるので、装飾可動体150が第2装飾面154が前側に臨んで遊技盤面に沿う揺動姿勢から支軸158を支点として後側に傾くように揺動する。そして、装飾可動体150は、作動軸162が第1ガイドライン165と第2ガイドライン166との接続部位に位置した際に、第1装飾面152が遊技盤面に沿って前側に臨む進退姿勢となり、前側に臨む装飾面が揺動姿勢と切り替わる。また、第1可動演出装置100は、装飾可動体150の進退姿勢と揺動姿勢との変位に際して、第1ガイド部160の下端部で支軸158の下方移動を規制するので、装飾可動体150を安定して揺動させることができる。
前記第1可動演出装置100は、装飾可動体150の待機位置において、表示部26の上外側に位置して第1装飾面152を前側に臨ませると共に、少なくとも第2装飾面154が表示部26の上外側に固定された装飾部材46の後側に隠れるように構成される(図2〜図5参照)。また、第1可動演出装置100は、装飾可動体150が待機位置と装飾部材46の下方から外れた動作位置との間で進退姿勢を保ったまま表示部26に対して直線的に往復移動するようになっている。そして、装飾可動体150は、動作位置を越えた表示部26側で該表示部26の上辺に沿う軸線を支点として揺動し(図6または図7参照)、前側に臨ませる第1装飾面152または第2装飾面154に切り替えるよう揺動される。装飾可動体150は、進退姿勢において、表示部26の表示面より前側に突出する装置本体部106の前側に第1装飾面152および第2装飾面154が延在するように取り付けられ、この際、第2装飾面154が装置本体部106の第3段差部112cと第1段差部112aとがなす段差部分の前側に収容される(図5参照)。一方、装飾可動体150は、揺動姿勢で第2装飾面154を前側に臨ませた際に、第1装飾面152が装置本体部106の表示部26側(下側)で該装置本体部106の前面と表示部26の表示面との段差部分に収容される(図9参照)。このように、第1可動演出装置100は、表示部26の表示面と装置本体部106との間にできる段差部分を有効利用して、揺動した装飾可動体150の第1装飾面152を収容することで、装飾可動体150を大きく揺動させることができ、また装飾可動体150を大きく設定することも可能となる。
このように、第1可動演出装置100は、作動軸162が第1ガイドライン165に沿って案内されている間は、第1ガイド部160に沿って案内される支軸158と作動軸162との相対的な位置関係が変わらないので、装飾可動体150を第1ガイド部160に沿って進退移動することができる。また、作動軸162が第2ガイドライン166に沿って案内されている間は、第1ガイド部160に支持される支軸158と作動軸162との相対的な位置関係が変わり、作動軸162が弧状の第2ガイドライン166に沿って案内されたもとで、装飾可動体150が揺動される。このように、第1可動演出装置100は、軸158,162とガイド部160,162との関係による簡単な第2駆動機構によって、1つの作動モータ168で装飾可動体150を進退移動または揺動に切り替えることができる。そして、第1可動演出装置100は、装飾可動体150を異なる態様で動作することによって、動作演出の幅を広げることができ、より遊技者を惹き付ける動作演出を行うことができる。また、第1可動演出装置100は、軸158,162とガイド部160,162との関係を変えることで、進退移動する範囲や揺動する範囲、揺動する方向、進退移動と揺動との順序を簡単に変えることができ、設計の自由度が高い。しかも、第1可動演出装置100は、装飾可動体150の進退移動または揺動の切り替えを、1つの作動モータ168の駆動による軸158,162とガイド部160,162との関係によって行うことができるから、第2駆動機構をコンパクトにできる。従って、第1可動演出装置100によれば、進退移動と揺動との2つの態様で変位する装飾可動体150の動作を、1つの作動モータ168による簡単、コンパクトな第2駆動機構で達成し得る。
前記第1可動演出装置100は、第1ガイド部160を遊技盤面に沿って表示部26に向けて延在する直線状に形成すると共に、第2ガイド部164の第1ガイドライン165を第1ガイド部160と並行する直線状に形成することで、装飾可動体150の第1装飾面152の遊技盤面に沿う姿勢を保ったまま表示部26に対して進退移動することができる。装飾可動体150は、待機位置から動作位置に向けて下方にずれると、表示部26の外側から表示部26の前側に突き出て、揺動姿勢で表示部26の前側に重なる範囲が最大となる(図8参照)。このように、装飾可動体150を、遊技者が注視している表示部26に向けて動かすことで、遊技者の注意をより集め易い。しかも、進退移動に際し、装飾可動体150を直線的にスライド変位することで、装飾可動体150の揺動変位との間で動作の差が大きくなり、進退移動と揺動との切り替わりによる意外性が増す。
前記第2ガイド部164の第2ガイドライン166は、第1ガイドライン165に対して第1ガイド部160から離れるように湾曲形成されているので(図32または図33参照)、第1ガイド部160と第2ガイドライン166とを例えば前後方向の関係で並設した際に、第2ガイドライン166の延在ラインが第1ガイド部160に交わらず、第2ガイドライン166の延在長さや曲線半径を大きく設定することができる。そして、第2ガイドライン166の延在長さや曲線半径を大きく設定することで、装飾可動体150を大きく揺動させることができる。
例えば、装飾可動体150のように、揺動によって装飾面152,154が切り替わる動作を行う際に、進退姿勢で前側に臨む第1装飾面152だけでなく、切り替え後に前側に臨む第2装飾面154までも前側から見えてしまうと、装飾面152,154の切り替えによる演出効果を減じてしまう。特に、装飾可動体150は、第1装飾面152に対して第2装飾面154を斜めに延在するよう形成することで、第2装飾面154が前側から見え易くなるが、待機位置で装飾部材46の後側に第2装飾面154を隠すことができる(図2または図3参照)。第1可動演出装置100によれば、装飾可動体150の進退姿勢において第2装飾面154が装飾部材46の後側に隠されて、第1装飾面152だけを前側から視認できるから、装飾部材46から外れた位置で第1装飾面152から第2装飾面154に切り替わった際の意外性が増して、装飾面152,154の切り替えによる演出効果を向上することができる。
前記第1可動演出装置100は、装飾可動体150が装飾部材46の後側に重なる待機位置から動作位置までの間において、後面が遊技盤面に沿って延在する装飾部材46に並行するように進退移動する。すなわち、装飾可動体150は、装飾部材46の後側に重なっている領域で装飾部材46に沿ってスライド変位するから、装飾部材46との干渉を回避でき、装飾部材46の下側にずれた位置で揺動するから、前側に傾いても装飾部材46と干渉することはない。このように、第1可動演出装置100は、装飾部材46との干渉を回避しつつ、1つの装飾可動体150で多彩な動作演出を行うことができる。
前記装飾可動体150は、左右2つの支軸158,158および作動軸162,162を介して対応のガイド部160,164によって左右両側から支持されているので、安定性を向上することができる。第1可動演出装置100は、作動モータ168で駆動されない右側の支軸158に付勢手段184を設け(図39参照)、右側の支軸158を付勢手段184の付勢力によって該支軸158の移動を補助している。付勢手段184は、装飾可動体150の待機位置において、右側の支軸158が動作位置側へ変位しないように付勢して、装飾可動体150が左右方向に傾かないように適正な姿勢を維持するのを助け、装飾可動体150が待機位置から動作位置に移動する際に、右側の支軸158に対して適度な抵抗となることで、装飾可動体150が左右方向で適正な姿勢を維持したまま移動するように補助している。そして、付勢手段184は、装飾可動体150が動作位置から待機位置への移動する際に、右側の支軸158に待機位置に向けた付勢力が加えるので、装飾可動体150は、左右方向で適正な姿勢を維持したまま移動するように補助される。このように、装飾可動体150は、作動モータ168で駆動されない右側の支軸158を付勢手段184の付勢力で補助することで、動作の安定性を向上できる。特に、実施例の第1可動演出装置100のように、装飾可動体150が待機位置から動作位置へ向けて下降して、動作位置から待機位置へ向けて上昇する構成では、付勢手段184で装飾可動体150の右側の支軸158にかかる荷重を受けることで、動作の安定に高いレベルで寄与できる。
前記第1可動演出装置100では、待機位置において装飾可動体150の荷重が動作位置へ向けてかかったり、またパチンコ球の衝撃等によって装飾可動体150に荷重に加えて動作位置へ向けて力が装飾可動体150に加わる場合がある。この際、装飾可動体150の荷重等は、装飾可動体150から作動軸162およびスライド部材178を介して連動軸176に対して動作位置へ向かう側(下向き)に加わる(図40矢印参照)。実施例の連動軸176は、装飾可動体150の待機位置において、第2作動歯車174の上側で、かつ該第2作動歯車174の回転中心を通る上下ライン上に位置しているから、回転中心を通る上下ラインに沿って下方に変位することはできない。また、待機位置に対応する位置での連動軸176は、規制部121aとしての軸溝121の上端にも阻まれるので下方へ変位できない。仮に、待機位置に対応する位置での連動軸176が、第2作動歯車174の上側で、かつ該第2作動歯車174の回転中心を通る上下ラインから第2作動歯車174の逆回転方向にずれた位置に設定される場合は、連動軸176に下方へ向けてかかる力が第2作動歯車174を逆回転方向に始動するよう作用する。この場合であっても、連動軸176が規制部121aとしての軸溝121の上端によって第2作動歯車174の逆回転方向の変位が規制されているので、連動軸176が作動モータ168の駆動による第2作動歯車174の回転に伴う以外に変位することはない。このように、第1可動演出装置100は、装飾可動体150の待機位置で連動軸176に待機位置から動作位置へ向かう方向へ力が加わっても、連動軸176が回転変位しない。
前記第1可動演出装置100は、第2作動歯車174を作動モータ168で正回転駆動しなければ、装飾可動体150に対して衝撃や荷重等により力が加わっても装飾可動体150を待機位置から動作位置に動作させることができない。ロック機構は、待機位置での連動軸176の位置設定と、待機位置において連動軸176の特定方向の回転だけを許容し、特定方向と反対の回転を規制する規制部121aとで構成されるので、特に部材を付加する必要がなく、非常に簡易である。また、ロック機構は、装飾可動体150の待機位置においてだけ連動軸176の逆回転を規制する構成であり、装飾可動体150の待機位置と動作位置との間の動作に際して、第2作動歯車174および連動軸176の変位に邪魔にならないので、規制部121aを動作させる必要がなく、規制部121aの構成を簡単にできる。
前記第1可動演出装置100は、装飾可動体150が動作することで、装飾可動体150で覆われるカバー部材112の範囲が変化するようになっている。第1可動演出装置100は、装飾可動体150の待機位置でカバー部材112の前面全体が装飾可動体150で覆われて第1装飾面152が前側に臨み、上部発光手段102によってカバー部材112を介して第1装飾面152が発光演出される(図2〜図5、図21参照)。この際、上部発光手段102は、各LED104、単位数のLED104群または各段の発光群104A,104B,104Cを独立したパターンで発光したり、LED全体を発光させることで、例えば第1装飾面152の飾り部152aを強調するように発光する等の任意の領域を発光させたり、第1装飾面152全体を発光させることができる。
前記第1可動演出装置100は、装飾可動体150の動作位置で、カバー部材112の第1段差部112aの前側から装飾可動体150がずれて第1段差部112aが露出し、第2〜第4段差部112b〜112dが装飾可動体150の第1装飾面152で覆われている。これにより、第1可動演出装置100では、上部発光手段102によって、第1段差部112aが発光演出されると共に、第2〜第4段差部112b〜112dを介して第1装飾面152が発光演出される。この際、上部発光手段102は、各LED104、単位数のLED104群または各段の発光群104A,104B,104Cを独立したパターンで発光したり、LED全体を発光させることで、例えば上段発光群104Aだけを発光して第1段差部112aを強調するように発光する等の任意の領域を発光させたり、中段発光体104Bおよび/または下段発光体104Cを発光して第2〜第4段差部112b,112c,112dを介して第1装飾面152を発光させることができる。
前記第1可動演出装置100は、装飾可動体150の揺動姿勢で、カバー部材112の第1〜第3段差部112a,112b,112cの前側から装飾可動体150がずれて第1〜第3段差部112a,112b,112cが露出し、第4段差部112dが装飾可動体150の第2装飾面154で覆われている(図8、図9または図26)。これにより、第1可動演出装置100では、上部発光手段102によって、第1〜第3段差部112a,112b,112cが発光演出されると共に、第4段差部112dを介して第2装飾面154が発光演出される。この際、上部発光手段102は、各LED104、単位数のLED104群または各段の発光群104A,104B,104Cを独立したパターンで発光したり、LED全体を発光させることで、例えば上段発光群104Aおよび/または中段発光群104Bを発光して第1段差部112aおよび/または第3段差部112cを強調するように発光する等の任意の領域を発光させたり、下段発光体104Cを発光して第4段差部112dを介して第2装飾面154を発光させることができる。
このように、第1可動演出装置100は、装飾可動体150がカバー部材112に重なる領域に対応するLED104によってカバー部材112を介して装飾可動体150の重なり部位が発光演出される一方、装飾可動体150の動作によりカバー部材112が露出する領域に対応するLED104によって該カバー部材112の露出した領域が発光演出されるようになっている。第1可動演出装置100では、カバー部材112が露出する領域と比べてカバー部材112に装飾可動体150が重なる領域が、装飾可動体150の存在分だけ発光態様を変化させることができる。すなわち、第1可動演出装置100は、装飾可動体150の動作によってカバー部材112に対して重なる領域を変化させることで、前面の発光態様を変化させることができ、効果的な発光演出を行うことができる。また、上部発光手段102は、LED104をカバー部材112の段差部112a,112b,112dおよび装飾可動体150の重なり領域に合わせて配置することで、発光態様の変化をより強調し得る。しかも、カバー部材112は、装飾可動体150の動作により露出する第1段差部112aと第2および第3段差部112b,112cとが、異なる光拡散構造とされているので、段差部112a,112b,112cの光拡散構造の違いによっても発光態様を変化させることができる。更に、装飾可動体150は、第1装飾面152がカバー部材112に重なる進退姿勢だけでなく、この第1装飾面152と異なる光拡散構造とされた第2装飾面154がカバー部材112に重なる揺動姿勢に切り替わるので、装飾面152,154の光拡散構造の違いによっても発光態様を変化させることができる。更にまた、第1可動演出装置100は、第2段差部112b、第3段差部112cおよび第4段差部112dと上部発光手段102との間に回転可動体130,130が配設されているので、回転可動体130,130によって発光態様を変化させることができる。
前記第1可動演出装置100は、待機位置にある装飾可動体150の第1装飾面152によって前面が平面的な意匠形状が構成され、装飾可動体150が動作位置に移動することで、カバー部材112の第1段差部112aと第1装飾面152との間に段差ができ、前面の立体的な意匠形状が変わる。第1可動演出装置100は、装飾可動体150が揺動することで、装飾面152,154の傾斜も変化するので、前面の立体的な意匠形状が更に変わる。第1可動演出装置100は、動作位置から揺動姿勢に揺動することで、カバー部材112の第1段差部112a、第2段差部112bおよび第3段差部112cによる階段状の意匠形状が露出すると共に、装飾可動体150の第2装飾面154と第3段差部112cとの間の段差ができ、カバー部材112の段差とカバー部材112と装飾可動体150とがなす段差とによって、前面の立体的な意匠形状が更に変わる。このように、第1可動演出装置100は、装飾可動体150の動作によって前面の立体形状を変えることで、形状的な演出態様を変化させることができる。
より具体的には、装飾可動体150は、待機位置から揺動姿勢へ動作することで、カバー部材112の第1段差部112a、第2段差部112bおよび第3段差部112cを順に露出し、第1装飾面152だけの平面形状、第1段差部112aと第1装飾面152との2段、第1段差部112aと第2段差部112bと第2装飾面154との3段、第1段差部112aと第2段差部112bと第3段差部112cと第2装飾面154との4段に変化する。装飾可動体150は、揺動姿勢から待機位置へ動作することで、第3段差部112c、第2段差部112bおよび第1段差部112aを順に隠すようになっている。すなわち、第1可動演出装置100は、装飾可動体150を待機位置から揺動姿勢へ動作すれば段差の数が順に増える一方、装飾可動体150を揺動姿勢から待機位置へ動作すれば、段差の数が順に減る。そして、第1可動演出装置100の前面に形成される段差は、待機位置側から表示部26側に向かうにつれて階段状になる。このように、第1可動演出装置100は、カバー部材112と装飾可動体150とがなす段差と、カバー部材112に形成された段差部112a,112b,112cとが階段状の一体的な意匠形状を構成するから、形状的な演出態様の変化をより強調することができる。しかも、装飾可動体150は、装飾面152,154を切り替えることができるので、形状的な演出態様を更に変化させることができる。
前記第1可動演出装置100は、装飾可動体150の第1装飾面152が待機位置から動作位置に亘って上下の回転可動体130,130の前側に重なるようになっている。この際、第1可動演出装置100は、上段発光群104Aから照射した光によりカバー部材112の第1段差部112aを主に介して装飾可動体150の第1装飾面152の上部が発光演出され、中段発光群104Bから照射した光により上段回転可動体130Aおよび第2段差部112bを主に介して第1装飾面152の中間部位が発光演出され、下段発光群104Cから照射した光により下段回転可動体130Bおよび第4段差部112dを主に介して第1装飾面152の下部が発光演出される(図5または図21参照)。ここで、第1可動演出装置100は、回転可動体130を回転することで、部材の重なりの相違による発光態様の変化だけでなく、発光態様を更に複雑に変化させることができる。
前記第1可動演出装置100は、揺動姿勢で上段回転可動体130Aの前側から装飾可動体150がずれて、下段回転可動体130Bの前側に装飾可動体150の第2装飾面154が重なるようになっている(図9または図26参照)。この際、第1可動演出装置100は、上段発光群104Aから照射した光によりカバー部材112の第1段差部112aが主に発光演出され、中段発光群104Bから照射した光により上段回転可動体130Aを主に介して第2段差部112bが主に発光演出され、下段発光群104Cから照射した光により下段回転可動体130Bおよび第4段差部112dを主に介して第2装飾面152が発光演出される。ここで、第1可動演出装置100は、回転可動体130を回転することで、部材の重なりの相違による発光態様の変化だけでなく、発光態様を更に複雑に変化させることができる。
このように、第1可動演出装置100は、回転可動体130および装飾可動体150の夫々または連動した動作によって、回転可動体130と装飾可動体150との位置関係が変わり、上部発光手段102のLED104の発光パターンの変化に加えて発光演出態様を変えることができ、効果的な発光演出を行うことができる。また、第1可動演出装置100は、回転可動体130の回転によってLED104の光の拡散態様を変えることができ、これに加えて装飾可動体150の動作によって回転可動体130との位置関係を変えることで、複雑に発光態様を変化させることができる。第1可動演出装置100は、回転可動体130と装飾可動体150との間にカバー部材112が設けられているので、このカバー部材112を透過する光の屈折や拡散等によって、更に発光態様を変えることができる。
前記第1可動演出装置100によれば、進退移動および揺動とを行う装飾可動体150の動作による動作演出と、装飾可動体150の動作による前面の意匠形状の変化による演出とが行われる。また、第1可動演出装置100によれば、回転可動体130の回転による発光態様の変化と、装飾可動体150の動作によりカバー部材112の重なりが変化することによる発光態様の変化と、装飾可動体150の動作により回転可動体130との位置関係が変化することによる発光態様の変化とが複合的に生じ、バラエティに富んだ発光演出を行い得る。
(第2可動演出装置)
次に、第2可動演出装置200について、主に図41〜図59を参照して詳細に説明する。第2可動演出装置200は、裏ユニット42における表示開口部44aの右側に延在する設置板44の右辺部44cに設置され(図12参照)、枠状装飾体36の窓口36aを介して前側に部分的(後述する装飾カバー部210の装飾部分212)に露出するようになっている(図2参照)。第2可動演出装置200は、主可動体(第1の可動体)220と、従可動体(第2の可動体)250と、主可動体220および従可動体250を動作する動作機構とを備えている(図41〜図59参照)。第2可動演出装置200では、主可動体220、従可動体250および動作機構が設置基体202に設置されてユニット化され、設置基体202を介して一体的に取り扱い可能で、裏ユニット42の右辺部44c前面に一体的に着脱可能になっている。第2可動演出装置200では、表示部26の外側に設置基体202が取り付けられ、この設置基体202に設けられた主可動体220が、表示部26の右周辺部に位置する第1姿勢と(図3または図41参照)、この第1姿勢より表示部26の中央側に位置する第2姿勢(図10または図50参照)とに回転変位するよう構成される。また、第2可動演出装置200には、従可動体250が設置基体202の前側に設けられ、表示部26の外側に位置する従可動体250が、主可動体250に連動して回転変位するよう構成されている(図2または図10参照)。なお、第1姿勢にある主可動体250は、表示部26の周辺部において表示部26の前側に一部重なっても、全体が表示部26の外側に位置してもよい。
前記設置体202は、裏ユニット42における右辺部44cの前面に当接する基盤部(ケース)204と、この基盤部204の前方に離間して、基盤部204の前側を覆うように設けられる装飾カバー部(装飾部材)210とから基本的に構成される(図41〜図46、図54または図55参照)。基盤部204は、後半体206と前半体208とを組み合わせて構成されるケース状の部材である。基盤部204は、後半体206で後側が構成されると共に前半体208で前側が構成され、後半体206と前半体208とが前後に分割可能になっている。後半体206および前半体208は、板材の周縁に壁が立設された略トレイ形状に夫々形成され(図54または図55参照)、壁の開放端を互いに突き合わせて組み付けられている。基盤部204には、後面を構成する板材と前面を構成する板材との間に、動作機構の構成部材が収容される設置空間204aが画成される(図47参照)。
前記基盤部204は、表示部26側となる左側面の中間部位が所要の上下幅で開口し(図46参照)、この開口部204bを介して動作機構の構成部材(後述のリンク部材270)が設置空間204aに出入りするようになっている。基盤部204は、後半体206および前半体208の何れもが無色透明の合成樹脂素材で形成されて、設置空間204aに設置される動作機構の構成部材を外側から視認可能になっている。設置基体202は、基盤部204の長手辺を表示部26の右側辺に沿わせて裏ユニット42の右辺部44c前面に設置され、基盤部204の後半体206後面に突設された複数の当接リブ207(図42参照)が裏ユニット42の前面に線または点で当接し、基盤部204の後面と裏ユニット42の前面との間に隙間があくようになっている。
前記装飾カバー部210は、基盤部204の前側に位置して、窓口36aを介して前側に臨む装飾部分212と、この装飾部分212の下側に位置して、基盤部204の下側に突き出た突出部分214とを有し(図48または図49参照)、この突出部分214の前面にLED基板50および特別図柄表示装置52が設置されている(図41参照)。装飾カバー部210は、前面を構成する板部分の端縁部から後方へ延出する脚片216が複数設けられ、この脚片216の後端を基盤部204の前半体208前面に突き合わせて基盤部204に対して例えばネジ等で固定されている(図49参照)。設置基体202は、基盤部204の前面から装飾カバー部210が離間するように設けられて、基盤部204と装飾カバー部210との間に、主可動体220用の収容スペース202aが画成される(図43〜図46参照)。装飾カバー部210は、装飾部分212が基盤部204の外形形状におおよそ合わせて形成されると共に、基盤部204の外形より僅かに大きく設定され、後側に位置する基盤部204を隠している。また、装飾カバー部210は、外面が光を反射するように、例えばメッキ加工や塗装等の処理または素材で構成されている。装飾カバー部210は、表示部26から離れる側の側部(右側部)に通孔210aが上下に離間して複数設けられ、装飾カバー部210の後面に取り付けられた別のLED基板54のLED56が通孔210aを介して前側に臨むようになっている。
前記主可動体220は、パチンコ機のモチーフに合わせた所要の意匠形状(実施例では槍形状)に形成されている(図50または図56参照)。主可動体220は、設置基体202に回転変位可能に設けられた第1可動部材(第1部材)222と、この第1可動部材222にスライド変位可能に設けられた第2可動部材(第2部材)236と、第2可動部材236に設けられ、第2可動部材236と共にスライド変位する可動体発光手段(発光手段)248とを備えている(図54または図55参照)。主可動体220は、第1可動部材222および第2可動部材236の夫々が動作機構に連係し、動作機構によって第1可動部材222および第2可動部材236が連動するようになっている。
前記主可動体220は、第1可動部材222の一方の端部が設置基体202の基盤部204に回転可能に支持されて、全体として揺動すると共に、第2可動部材236が第1可動部材222に対して進退移動するようになっている。主可動体220は、第1可動部材222が、表示部26の右周辺部に位置する第1姿勢と(図3、図56または図58(a)参照)、この第1姿勢より表示部26の中央側に突出する第2姿勢(図10、図50または図58(b)参照)との間で前記支持部位を支点として回転変位するようになっている。また、主可動体220は、第2可動部材236が、第1可動部材222に重なる第1位置と(図56または図58(a)参照)、第1可動部材222から突出する第2位置(図50または図58(b)参照)との間で第1可動部材222に沿って進退移動するよう構成される。そして、主可動体220は、第1可動部材222と第2可動部材236とが、1つの動作モータ(駆動手段)254の駆動に連動して動作するよう構成され、第1可動部材222の第1姿勢で第2可動部材236が第1位置となり(図3、図56または図58(a)参照)、第1可動部材222の第2姿勢で第2可動部材236が第2位置になるよう設定される(図10、図50または図58(b)参照)。なお、主可動体220は、第2可動部材236の第1可動部材222に対する進退移動方向の一端部が設置基体202に支持され、この一端部から該進退移動方向に離れる他端部が先端となる。
前記第1可動部材222は、概略筒状に形成された部材であって、主可動体220において支持部位側を構成している(図50または図56参照)。第1可動部材222は、後面を構成するスライドベース224と、このスライドベース224の前側に取り付けられる意匠カバー(カバー部)228と、この意匠カバー228と並べてスライドベース224の前側に取り付けられる補助カバー230とを備えている(図54または図55参照)。なお、符号234は、第1可動部材222において表示部26側に突出する後述する歯列部262の前側を覆う補助意匠カバーである(図56参照)。ここで、第1可動部材222では、意匠カバー228が該第1可動部材222の先端側に配置され、補助カバー230が第1可動部材222の支持部位側に配置されている(図56参照)。
前記第1可動部材222は、スライドベース224の一端部に前後方向に貫通するように形成された軸通孔224aに対して、基盤部204における前半体208に前方に向けて突出するよう設けられた揺動軸209を挿入することで、揺動軸209を中心に回転可能に支持される(図54または図55参照)。第1可動部材222では、軸通孔224aがスライドベース224の一端部において表示部26側の縁に偏倚して設けられている。第1可動部材222は、表示部26の外側に位置する揺動軸209に支持され、表示部26の右周辺部に位置する第1姿勢と(図3、図56または図58(a)参照)、この第1姿勢より表示部26の中央側へ位置する第2姿勢(図10、図50または図58(b)参照)とに回転変位するよう構成される。
前記第1可動部材222は、支持部位側から第2姿勢で表示部26の中央側に突出する先端側へ向けて長手辺が延在するよう形成されている(図56参照)。第1可動部材222は、正面視においてこの長手辺と交差する短手辺に沿う方向で表示部26側の縁に偏倚した部位を支持することで、例えば表示部26と離れる側を支持した場合と比べて同じ回転角度であれば、第2姿勢で表示部26の中央側へより突出させることができる。
前記第1可動部材222は、第1姿勢で揺動軸209の上方に先端が位置し、表示部26から右外側に退避した位置になっている(図3参照)。ここで、第1可動部材222は、第1姿勢で長手辺が表示部26の右辺におおよそ沿って延在し、表示部26の右側の上下スペース(裏ユニット42の右辺部44cの前側)を用いて長手辺が収容される。第1可動部材222は、第1姿勢で設置基体202における基盤部204と装飾カバー部210との間の収容スペース202aに収容され(図46参照)、装飾カバー部210の後側にほぼ全体が隠れるよう構成される(図41参照)。第1可動部材222は、揺動軸209の上方に位置する先端が表示部26側に傾くように回転変位されて第1姿勢から第2姿勢へ移行し、第1姿勢から表示部26側へ傾けることで、設置基体202の収容スペース202aから突き出て表示部26の前側に臨むようになっている(図10参照)。実施例の第1可動部材222は、揺動軸209を中心に反時計回りに回転変位することで、第1姿勢から第2姿勢へ向けて回転変位し、揺動軸209を中心に時計回りに回転変位することで、第2姿勢から第1姿勢へ向けて回転変位するようになっている。また、第1可動部材222は、第2姿勢で意匠カバー228が設置基体202の収容スペース202aの外側に露出するものの、意匠カバー228より支持部位側に配置した補助カバー230は第1姿勢から第2姿勢に亘って収容スペース202aに収容されたままである。なお、第1可動部材222は、第1姿勢と第2姿勢との間において約90°の角度で回転変位するよう設定される(図57参照)。
前記第1可動部材222の構成部材について説明する。スライドベース224は、板状の部材であって、意匠カバー228および補助カバー230の設置基盤としてだけでなく、第2可動部材236の設置基盤としても機能している(図54または図55参照)。スライドベース224には、第2可動部材236の第1可動部材222に対する進退移動方向に沿ってスライドガイド226が設けられている。すなわち、実施例のスライドガイド226は、スライドベース224の支持部位側と先端側との間に延在する長手辺に沿って形成されている。また、スライドガイド226は、前後方向に貫通形成された長孔であって、長手辺がスライドベース224の長手辺に沿って延在するよう形成されている。スライドベース224には、該スライドベース224の短手方向(第2可動部材236の第1可動部材222に対する進退移動方向と交差する方向)に離間してスライドガイド226が複数設けられ、複数のスライドガイド226は互いに平行な関係で形成される。
実施例のスライドベース224は、短手方向の中央部に設けられたセンターガイド(溝)226Aと、このセンターガイド226Aを挟んで両側に設けられた一対のサイドガイド226B,226Bとを備えている(図54または図55参照)。ここで、センターガイド226Aは、サイドガイド226Bにおける第1可動部材222の先端側の端部より先端側に延びるように形成され、スライドベース224の先端まで延在している。サイドガイド226Bは、スライドベース224の中間部位に位置するセンターガイド226Aの支持部位側の端部より支持部位側に延びるように形成されている。スライドベース224には、スライドガイド226の開口縁を囲んで当接突部224bが前後の両面に設けられている。なお、スライドベース224の後面に形成される当接突部224bは、センターガイド226Aを囲うものに比べてサイドガイド226Bを囲うものが低く設定されている。
前記意匠カバー228は、平たい軒樋状の部材であって(図54または図55参照)、前面を構成する部分における支持部位側の側縁の夫々に後方へ延出する部分を、スライドベース224の対応する側縁に突き当ててスライドベース224に対して取り付けられている。第1可動部材222には、前面をスライドベース224から離間して設けた意匠カバー228によって、スライドベース224との間に先端側から支持部位側に亘って連通するトンネル状の第2可動部材236用の設置スペース222aが画成される(図47参照)。意匠カバー228は、第1可動部材222の長手辺に沿う側縁に支持部位側の端から中間部位にかけて後方へ延出する部位が設けられ、後方へ突出する部分より先端側に突出する前面部分が先端側に向かうにつれて細くなるように形成されている(図56参照)。なお、実施例の意匠カバー228は、光を反射するよう構成されている。
前記補助カバー230は、スライドベース224の支持部位側において表示部26から離間する側(右側部)に設けられている(図56参照)。補助カバー230は、前面がスライドベース224より離間し、スライドベース224との間に空間が画成されている。補助カバー230の後面には、第1可動部材222の短手方向に離間して一対の通路片232,232が後方へ延出するように形成されている(図55参照)。第1可動部材222には、該第1可動部材222の長手方向(第2可動部材236の進退移動方向)に延在する一対の通路片232,232と該補助カバー230の前面とによって、第2可動部材236に設けた可動体発光手段248に接続する配線Hが収容される配線通路(通路)223が画成される(図44または図47参照)。一対の通路片232,232は、スライドベース224の支持部位側の端縁を越えて突出形成されると共に、補助カバーの230の前面が両通路片232,232の突出部分の途中まで両通路片232,232の間に延在するように形成されている。すなわち、配線通路223は、スライドベース224の支持部位側の端縁を越えて突出して設けられ、突出端部の前面より両側面が突出している。補助カバー230は、第1可動部材222が第1姿勢と第2姿勢との間で回転変位しても、設置基体202の装飾カバー部210の後側に位置し、装飾カバー部210によって常に隠されるようになっている(図41または図50参照)。補助カバー230は、無色透明の合成樹脂素材で構成され、外方から配線通路223に収容された配線Hを視認できるようになっている。
前記第2可動部材236は、第1可動部材222に対して該第1可動部材222の支持部位との先端部との間に延在する長手辺に沿って進退移動可能に設けられる。第2可動部材236は、第1可動部材222に重なる第1位置と(図56参照)、第1可動部材222の先端側から突出する第2位置(図50参照)との間で進退移動するようになっている。第2可動部材236は、第1可動部材222の第1姿勢で第1位置となり、第1可動部材222の第2姿勢で第2位置となるように、動作機構によって第1可動部材222の回転変位に連動するよう構成される。第2可動部材236は、第1可動部材222におけるスライドベース224と意匠カバー228との間の設置スペース222aに設けられ、第1位置で設置スペース222aに全体的に収容されて意匠カバー228の後側に隠れるようになっている(図46または図56参照)。第2可動部材236は、第2位置で設置スペース222aの先端側から突き出て、支持部位側に位置する意匠カバー228と共に一体的な意匠形状を形成するようになっている(図50参照)。主可動体220は、支持部位側から表示部26への突出端に向けて長手辺が延在する長尺な形状に、第2位置で第1可動部材222より突き出た第2可動部材236によって全体としてなるよう構成されている。
実施例の第2可動部材236は、第1可動部材222に対する進退移動方向に沿って長手辺が延在するように形成された長尺な部材である。第2可動部材236は、少なくとも先端部(第2位置側の端部)が、第1可動部材222の前面を構成する意匠カバー(カバー部)228の先端部に合わせた形状で形成されている(図54または図55参照)。第2可動部材236は、正面視での先端部の外形形状が支持部位側から先端側に向かうにつれて細くなるよう形成され、第1位置において先端部を意匠カバー228の先端部に揃えて意匠カバー228の後側に収容される。
前記第2可動部材236は、該第2可動部材236の後面を構成する保持板238と、この保持板238の前側に取り付けられた光を透過可能な透光カバー(光透過部材)240と、この透光カバー240の後側に配置された光拡散シート242とを備えている(図54または図55参照)。また、第2可動部材236には、保持板238と透光カバー240の間に可動体発光手段248が設けられ、この可動体発光手段248の前側に光拡散シート242が配置されている。第2可動部材236は、略トレイ形状の透光カバー240の内側に保持板238を嵌め合わせて(図53参照)、保持板238と透光カバー240との間に画成されるスペースに可動体発光手段248が収容保持されている。保持板238と透光カバー240との間のスペースは、支持部位側に開口しており、この開口を介して可動体発光手段248に接続する配線Hが通るようになっている。
前記第2可動部材236は、保持板238の後面に後方へ向けて突出する取付軸244が、第1可動部材222のスライドベース224のスライドガイド226で保持されて、第1可動部材222に対して取り付けられる(図51、図53または図58参照)。保持板238には、支持部位側に第2可動部材236の進退移動方向と交差する方向(短手方向)に離間して一対の取付軸244,244が設けられ(図55参照)、一対の取付軸244,244が対応する側にあるサイドガイド226B,226Bに夫々挿入保持される。ここで、取付軸244は、サイドガイド226Bの長手辺に沿う移動が許容されて、第2可動部材236がサイドガイド226Bの長手辺に沿って進退移動可能になっている。一方、取付軸244は、外形寸法がサイドガイド226Bの短手辺方向の幅と略同一に設定してあるので、第2可動部材236の進退移動方向と交差する方向の移動がサイドガイド226Bで規制される。また、第2可動部材236は、保持板238より透光カバー240が後方に突出しており、透光カバー240の側縁部がサイドガイド226Bの開口縁に突出した前側の当接突部224bの外側方に位置するようになっている。すなわち、第2可動部材236は、透光カバー240の対向する側縁部の間に一対のサイドガイド226B,226Bの当接突部224b,224bの外側縁を挟んで、進退移動方向と交差する方向の移動が規制される。また、第2可動部材236は、保持板238の後面がスライドガイド226の開口縁に突出する前側の当接突部224bで支持されて、両者の接触面積を最小限に抑えて第1可動部材222に対する円滑な進退移動を達成している。
前記第2可動部材236には、保持板238の後面に後方へ向けて突出する連結軸246が、一対の取付軸244,244と別に設けられている(図53参照)。連結軸246は、保持板238の中央部に設けられて(図55参照)、第2可動部材236の短手方向において一対の取付軸244,244の間に位置し、第1可動部材222におけるスライドベース224のセンタガイド226Aに挿入されて、後端をスライドベース224の後側に臨ませている。
前記取付軸244および連結軸246は、軸棒と、この軸棒に回転可能に嵌められる軸キャップとから構成される(図54または図55参照)。軸棒は、金属製の丸棒材であって、前端が保持板238に固定されている。軸キャップは、合成樹脂の成形品であって、軸棒の外径に合わせて形成された貫通孔を有する円筒状本体と、この円筒状本体の一端に半径方向外方へ延出するよう形成されたフランジとから構成されている。取付軸244および連結軸246は、スライドガイド226に挿入した軸棒に対して貫通孔を嵌め合わせて軸キャップが取り付けられる。なお、軸キャップは、フランジの外径がスライドガイド226の短手辺より大きく設定され、スライドベース224の後面にスライドガイド226の開口縁から後方へ突出するよう設けられた当接突部224aに対し、フランジが当接するようになっている(図53参照)。
前記透光カバー242は、第2可動部材236の第2位置で意匠カバー228から突き出て露出する部材であって(図52参照)、実施例では、前面が無色透明に形成されると共に、側面に光拡散構造が設けられている。光拡散シート242は、可動部発光手段248の前側を覆うように設置され、可動部発光手段248から照射された光を拡散している。また、光拡散シート242は、前面が無色透明に形成された透光カバー240を介して可動部発光手段248が前側から見えないように隠す、目隠しとしても機能している。
前記第2可動部材236は、進退移動方向の寸法が意匠カバー228の前面と略同一に設定され(図46参照)、進退移動方向と交差する方向の寸法が設置スペース222aの幅より僅かに小さく設定されている。すなわち、第2可動部材236は、第1位置で意匠カバー228の後側の設置スペース222aを最大限に利用して収容される。そして、第2可動部材236は、第2位置にスライド変位した際に、意匠カバー228の先細りの先端部に隠される部位を除いて透光カバー240が露出するようになっている(図52参照)。
前記可動体発光手段248は、基板の前面に複数のLED248aが設置されたLED基板が用いられている(図54参照)。実施例の可動体発光手段248は、複数のLED248aが基板の短手方向中央部に長手方向(進退移動方向)に並べて配置されている。可動部発光手段248は、第2可動部材236と共に進退移動し、光拡散シート242および透光カバー240を介して前側へ光を照射し得るようになっている。可動体発光手段248は、基板の支持部位側において表示部26から離間する側(右側部)に、配線Hが接続されるソケット248bが設けられている。ソケット248bは、第1可動部材222の配線通路223の先端側に対向する位置に配置され、支持部位側に接続開口が臨んでいる。
前記従可動体250は、設置基体202の装飾カバー部210の前側に設けられている(図45または図46参照)。従可動体250は、装飾カバー部210を前後方向に貫通すると共に回転可能に支持された接続軸252の上端に固定され(図55参照)、装飾カバー部210に対して回転変位可能に構成される。従可動体250は、主可動体220の支持部位から外れた位置に支持され、表示部26側に偏倚した部位に支持された主可動体220に対して表示部26から離れる側(右側)で、主可動体220の先端側(上方)にずれた位置にずらして設置されている(図56参照)。従可動体250は、装飾カバー部210の装飾部分212の前側に設置されて露出しており、前側から視認可能になっている(図2参照)。
前記従可動体250は、略十字形状に形成されている(図41参照)。従可動体250は、主可動体220における第2可動部材236の進退移動方向(長手辺)に沿うライン(以下、連係ラインという。)上に支持部位が配置されている。より具体的には、従可動体250は、主可動体250の略中央を通る連係ライン上に配置され、略十字形状の一方の長尺な部位が該連係ラインに沿って延在し、略十字形状の他方の長尺な部位が該連係ラインと交差する方向に延在するようになっている(図50または図56参照)。このように、従可動体250は、主可動体220の連係ラインに沿って長手辺が延在する長尺な形状を有している。また、従可動体250は、動作機構の第2連係手段272によって、主可動体220の回転変位方向と同じ方向に回転変位するように連動される。実施例の従可動体250は、主可動体220における第1姿勢から第2姿勢への反時計回りの回転変位に同期して反時計回りに回転変位すると共に、主可動体220における第2姿勢から第1姿勢への時計回りの回転変位に同期して時計回りに回転変位するようになっている。なお、主可動体220の支持部位は、連係ラインより表示部26側にずれた位置に設定されている(図56参照)。
前記動作機構は、動作モータ(駆動手段)254と、この動作モータ254の動力を伝達し、第1可動部材222と第2可動部材236とを連動する第1連係手段256と、主可動体220の動作に従可動体250を連動する第2連係手段272とを備えている(図58または図59参照)。動作モータ254は、出力軸254aを基盤部204の設置空間204aに臨ませて基盤部204における前半体208の前面に設置されている(図44または図46参照)。動作モータ254は、主可動体220の支持部位の下方に配置され、前側を設置基体202の装飾カバー部210の突出部分214で覆われている(図46参照)。動作モータ254としては、正逆回転駆動が可能なステッピングモータ等が採用される。
前記第1連係手段256は、動作モータ254の出力軸254aに固定された第1連係歯車(歯車)258と、この第1連係歯車258に噛み合うと共に、主可動体220の第1可動部材222の支持部位側の端部(下端部)に設けられた歯列部(歯部)262に噛み合う第2連係歯車(歯車)260とを備えている(図58参照)。すなわち、第1連係手段256は、動作モータ254を駆動すると第1連係歯車258、第2連係歯車260および歯列部262を介して動力を第1可動部材222に伝達して、主可動体220を揺動するようになっている。また、第1連係手段256は、第2連係歯車260に噛み合う第3連係歯車(歯車)264と、この第3連係歯車264に噛み合う第4連係歯車(回転部材)266と、この第4連係歯車の回転中心より離れた位置に一端が回転可能に接続されると共に、他端が主可動体220の第2可動部材236に回転可能に接続されたリンク部材270とを備えている(図58参照)。このように、第1連係手段256は、第1連係歯車258、第2連係歯車260および第3連係歯車264を介して回転される第4連係歯車266の回転変位がリンク部材270によって、第2可動部材236の第1可動部材222に対するスライド変位に変換している。
前記第1連係手段は、第1〜第4連係歯車258,260,264,266およびリンク部材270が基盤部204の設置空間204aに基本的に収容され(図46参照)、主可動体220の後側に位置する基盤部204に収容されることで、基盤部204と装飾カバー部210との間に配設される可動体発光手段248用の配線Hと仕切られている。第2〜第4連係歯車260,264,266は、基盤部204における前半体208の後面に回転可能に軸支されている。第2連係歯車260は、基盤部204の前半体に前方に突き出るように形成された突覆部208a(図54または図55参照)に前側が収容され、突覆部208aの上側に設けられた開口部分を介して上側に位置する歯列部262に噛み合っている(図46参照)。なお、歯列部262は、第1可動部材222の支持部位を中心とする円弧状に歯が並ぶように形成され、第1可動部材222のスライドベース224の支持部位側の端縁に設けられている。
前記第3連係歯車264は、前半体208を挟んで第1可動部材222の後側に位置するように設置され(図58参照)、第2連係歯車260の後側部分に噛み合っている。すなわち、第2連係歯車260には、前後にずれて歯列部262と第3連係歯車264とが噛み合っており、第2連係歯車260によって両者262,264が同時に回転される。ここで、動作機構では、基盤部204の左側(表示部26側)の下部に設置された動作モータ254の左上側に第2連係歯車260が配置されると共に、この第2連係歯車260の左上側に第3連係歯車264が配置され、動作モータ254の出力軸254a、第2連係歯車260および第3連係歯車264の回転支点が一直線状に並んでいる(図58参照)。
前記第4連係歯車266は、前半体208を挟んで第1可動部材222の後側に位置するように設置されている(図58参照)。ここで、第4連係歯車266は、第1可動部材222の後側に重なるように配置されている。第4連係歯車266は、第3連係歯車264の右上側に配置され、該第4連係歯車266の回転支点が第2連係歯車260の回転支点の上方に位置している。第4連係歯車266の後面には、丸棒状の補助ガイド片267が後方に突出するように設けられている(図55参照)。補助ガイド片267は、第4連係歯車266の回転に伴う該補助ガイド片267の回転軌跡に沿って基盤部204の後半体206に貫通形成された円弧長孔形状の補助ガイド溝206aに挿入されている(図42または図53参照。すなわち、第4連係歯車266は、補助ガイド片267が補助ガイド溝206aに案内されるので、リンク部材270による第2可動部材236の進退移動に伴い第4連係歯車266に力が加わっても、補助ガイド片267と補助ガイド溝206aとの係合下にがたつきなく安定して回転できる。
前記第4連係歯車266は、周面から半径方向外側に向けて延出するジブ(腕部)268を備えており、このジブ268の延出端にリンク部材270の一端が接続されている(図58参照)。リンク部材270は、棒状の部材であって、ジブ268の後面に一端が接続され、前側に突出する他端が、保持板238の後面に突出形成されてセンタガイド226Aを介して後側に臨む連結軸246に接続されている。基盤部204の前半体208には、リンク部材270の他端の変位軌跡に対応して表示部26側に開放する切り欠き208bが形成され(図54参照)、この切り欠き208bを介して第1姿勢で前半体208の前側に位置する連結軸246に対してリンク部材270の他端が接続されている。なお、基盤部204の後半体206には、前半体208の切り欠き208bに対向して切り欠き206bが形成され(図42、図49、図51および図53参照)、リンク部材270の他端後面に突出する軸が後半体206に干渉しないようになっている。
前記第2可動演出装置200には、動作モータ254よって回転される第4連係歯車266と、センタガイド226Aに沿って案内される連結軸246と、第4連係歯車266と連結軸246とを接続するリンク部材270とによって、第4連係歯車266の回転を連結軸246のセンタガイド226Aに沿う往復移動に変換するクランク機構が構成される(図58参照)。第1連係手段256は、第4連係歯車266の回転によってリンク部材270の一端が第1可動部材222の先端に対して接離するように変位し、これによりリンク部材270の他端で連結軸246を押したり引いたりするようになっている。すなわち、第1連係手段256は、リンク部材270の一端が第1可動部材222の先端側に近づくように変位する際に、第1可動部材222の先端側から第2可動部材236が押し出され、リンク部材270の一端が第1可動部材222の支持部位側に近づくように変位する際に、第1可動部材222の支持部位側へ第2可動部材236が引っ張られる。ここで、第1連係手段256は、リンク部材270の一端が第1可動部材222の先端から遠くなる支持部位側に位置する際に、第2可動部材236が第1可動部材222に重なる第1位置となり、リンク部材270の一端が第1可動部材222の先端に最も近づいた際に、第2可動部材236が第1可動部材222の先端から突出する第2位置となるように設定される。
より具体的には、第4連係歯車266の上方に第1可動部材222の先端が位置しているので、第1連係手段256は、第2可動部材236の第1位置において、リンク部材270の一端が第4連係歯車266の下方に位置すると共にリンク部材270の他端が第4連係歯車266の上方に位置するように、リンク部材270の一端と他端とが第4連係歯車266の回転中心を挟んで対向するように構成される(図58(a)参照)。リンク部材270は、第2可動部材236の第1位置において、第4連係歯車266を跨ぐように延在し、実施例では第4連係歯車266の後側に重なり、基盤部204の設置空間204aに収容される。ここで、リンク部材270には、中途部位に第4連係歯車266の半径方向に曲げて形成された湾曲部270aが設けられ(図58参照)、第2可動部材236の第1位置において第4連係歯車266の後側に重なった際に、第4連係歯車266の後面に突出する回転軸が湾曲部270aの間に収まるようになっている。すなわち、リンク部材270は、第2可動部材236の第1位置において、一端と他端とが第4連係歯車266の回転中心を挟んで一直線上に並ぶが、該リンク部材270の中途部位に形成された湾曲部270aにより回転軸との干渉を回避できる。従って、第1連係手段256は、第4連係歯車266の後側の狭いスペースを有効利用してリンク部材270を収容することができ、前後寸法をコンパクトにできる。
前記第1連係手段256は、第2可動部材236の第2位置において、リンク部材270の一端が第1可動部材222の先端側に位置すると共にリンク部材270の他端が第1可動部材222の先端側に位置し、リンク部材270の一端および他端が第4連係歯車266の回転中心と一直線上に並ぶように構成される(図58参照)。ここで、主可動体220は、第2可動部材236の第2位置で第1可動部材222が第2姿勢となって傾いているので、第4連係歯車266の表示部26側に位置したリンク部材270が第4連係歯車266から表示部26側に向かうにつれて斜め上方に傾斜するように延在している。この際、リンク部材270は、設置空間204aから基盤部204の表示部26側に開設された開口204bから延出し、第1可動部材222および第2可動部材236の後側に進退移動方向に沿って延在している。
前記第1連係手段256は、第2連係歯車260、第3連係歯車264および第4連係歯車266の組み合わせによって、第1可動部材222の回転変位方向と第4連係歯車266(リンク部材270の一端)の回転変位方向とが反対になるように設定される。すなわち、リンク部材270の一端は、第1可動部材222が第1姿勢から第2姿勢へ反時計回りに回転変位するのに対して時計回りで回転変位し、第1可動部材222が第2姿勢から第1姿勢へ反時計回りに回転変位するのに対して反時計回りで回転変位するようになっている。また、第1連係手段256は、第1可動部材222の第1姿勢と第2姿勢との間の回転角度と同一または略同一の回転角度だけ第4連係歯車266を回転するよう構成される。すなわち、第2可動部材236を第1位置と第2位置との間で変位する第4連係歯車266の回転角度(第4連係歯車266の回転中心を中心とするリンク部材270の一端の回転角度)は、第2連係歯車260、第3連係歯車264および第4連係歯車266の組み合わせによって、第1可動部材222の第1姿勢と第2姿勢との間の回転角度に合わせられている。
次に、主可動体220の動作に連動して従可動体250を動作する第2連係手段272について説明する。第2連係手段272は、主可動体220に設けられた案内部231と、一端が従可動体250を支持する接続軸252に接続されると共に他端が案内部231に係合する連結リンク(連結部)274を備えている(図56または図59参照)。第2連係手段272は、主可動体220の回転変位に伴って案内部231に連結リンク274の他端が案内されることで、該連結リンク274の一端を回転変位するよう構成される。案内部231は、主可動体220における第1姿勢および第2姿勢に亘って装飾カバー部210の後側に位置する第1可動部材222の補助カバー230に設けられている(図56参照)。実施例の案内部231は、補助カバー230に前後方向に貫通形成された長孔であって、主可動体220の支持部位と従可動体250の支持部位との間に延在するように設けられている。また、案内部231は、従可動体250の支持部位側が凸(主可動体220の支持部位側が凹)となる弧状に延在するように形成されている。案内部231は、第1姿勢と第2姿勢との間の回転変位に亘って、連結リンク274の他端が一端を中心に描く回転軌跡に重なるように設けられている。案内部231は、連結リンク274の他端に重なる位置の開口縁が当該位置での連結リンク274の他端が一端を中心に描く回転軌跡との接線に対して交差するように形成されている。
前記連結リンク274は、装飾カバー部210の後側に突出する従可動体250の接続軸252に一端が固定され、第1可動部材222と装飾カバー部210との間に該装飾カバー部210の後面に沿って延在している(図46または図47参照)。連結リンク274の他端には、後方へ突出する円柱状の係合軸275が設けられ、この係合軸275を案内部231に前側から挿入して、連結リンク274の他端が案内部231に係合される(図58参照)。そして、連結リンク274は、主可動体220の回転変位につれて変位する案内部231に係合軸275が押されて、一端に固定された接続軸252を回転変位するようになっている。このように、第2連係手段272は、案内部231と連結リンク274との連係によって、主可動体220の回転変位に連動して従可動体250を回転変位するようになっている。
前記第2可動演出装置200は、主可動体220の位置検出を行う原点検出手段を備えている(図54または図55参照)。原点検出手段は、設置基体202等の固定側に設けられる原点センサ部276と(図52参照)、主可動体220や第1連係手段256等の動作側に設けられ、原点センサ部276の検出対象となる検出板225(図58参照)とから構成され、原点センサ部276による検出板225の有無の検出によって、主可動体220の位置が判定される。原点センサ部276としては、光や磁気等を用いる近接センサ、検出板225との接触による機械的変動に基づく機械式センサ等その他のものを採用でき、実施例ではフォトセンサが採用されている。原点センサ部276は、基盤部204前面における表示部26と離れる側(右側)に設置され、発光部と受光部とが前後に対向する関係で並んでいる。検出板225は、第1可動部材222のスライドベース224の右方に延出するように設けられている。第2可動演出装置200では、主可動体220の第1姿勢で検出板225が原点センサ部276の発光部と受光部との間に臨むように構成される。すなわち、第2可動演出装置200は、原点センサ部276によって検出板225を検出しないときに主可動体220が第1姿勢以外の動作状態にあり、原点センサ部276によって検出板225を検出したときに主可動体220が第1姿勢になっている。
前記主可動体220には、第2可動部材236に設けた可動体発光手段248のソケット248bが、補助カバー230に画成された配線通路223に対して第2可動部材236の進退移動方向に並ぶように配置されている。主可動体220には、スライドベース224と補助カバー230との間に中継基板278が設置されている(図44または図47参照)。中継基板278は、長方形であって、スライドベース224の支持部位側の前面に長辺を短手方向に沿わせて取り付けられ、少なくとも一部を配線通路223に対して前後方向(実施例では後側)に重なるように配置されている。中継基板278には、配線通路223の後側に重なる部位前面に、可動体発光手段248に接続する配線Hが接続する第1ソケット278aが設けられ、配線通路223から外れる表示部26側の部位前面に、制御手段側に繋がる配線Hが接続される第2ソケット278bが設けられている(図54参照)。また、中継基板278の前側には、基板カバー280が取り付けられ、第2ソケット278bの前側を除く部分を覆っている。第1ソケット278aの前側は、基板カバー280で覆われ、この基板カバー280によって配線通路223と第1ソケット278aとが仕切られている。基板カバー280には、配線通路223に対応する部位における先端から進退移動方向に沿って遠ざかる方向の端縁に、前方へ傾斜する誘導片280aが設けられている(図44または図47参照)。配線通路223は、基板カバー280(中継基板278)より進退移動方向において延出するように形成され、該配線通路223において基板カバー280で塞がれる中継基板278に対応する部位より延出する部位の中継基板278側(後側)が開放されている。すなわち、配線通路223は、中継基板278に対応する部位が基板カバー280で塞がれ、この部位より下方(先端から進退移動方向に沿って遠ざかる方向)に延出する部位に中継基板278側(後側)に開放する開放部分が設けられる。
前記配線Hは、可動体発光手段248のソケット248bに一端を接続して、配線通路223を通って進退移動方向に延在し、配線通路223の延出端部から先端側に向けて湾曲させて、基板カバー280の後側で第1ソケット278aに他端が接続される。すなわち、配線Hは、第1可動部材222の支持部位側において前後の関係で重なるように湾曲し、配線通路223の開放部分によって第2可動部材236の進退移動に伴う配線Hの湾曲部分の進退移動方向の変位および径の大小変化が許容される。そして、主可動体220では、第1可動部材222の支持部位側の端部から先端部に向けて配線通路223に挿通して可動体発光手段248に接続した配線Hが、第2可動部材236の進退移動につれて配線通路223を進退移動するよう構成される。配線通路223は、該配線通路223の前記開放部分を介して配線Hの湾曲部分が伸縮するように構成される。なお、配線Hとしては、フラットハーネスが採用されている。フラットハーネスは、丸線状の配線と比べて、ある軸を中心に曲がるように設定し易い利点がある。
前記主可動体220は、第2可動部材236の第1位置で発光体ソケット248bが第1ソケット278aに近づいているので、配線Hの湾曲部分が配線通路223の開放部分を介して突出すると共に径が大きくなっている。ここで、主可動体220の下方部位には、歯車等の動作する部材が設けられておらず、装飾カバー部210に隠されている。主可動体220は、第2可動部材236が第1位置から第2位置に向けて変位すると、第1ソケット278aから発光体ソケット248bが離れるので、進退移動方向に沿って延在する配線通路223に案内されたもとでて配線Hが引っ張られ、湾曲部分が径が小さくなりつつ先端側に変位する。この際、進退移動方向に幅を持って開口する配線通路223の開放部分で、配線Hの湾曲部分の変位が許容される。主可動体220は、第2可動部材236が第2位置から第1位置に向けて変位すると、第1ソケット278aに発光体ソケット248bが近づくので、進退移動方向に沿って延在する配線通路223に案内されたもとでて配線Hが押され、湾曲部分が径が大きくなりつつ先端側から離間する方向へ変位する。この際、進退移動方向に幅を持って開口する配線通路223の開放部分で、配線Hの湾曲部分の変位および拡径が許容される。
このように、第1可動部材222に画成された配線通路223に沿って、第2可動部材236と共に進退移動する可動体発光手段248の配線Hが進退移動するので、主可動体220自身や動作機構に対する配線Hの干渉を回避できる。また、配線通路223の開放部分を介して配線Hの湾曲部分の伸縮が許容されるので、配線Hに負荷がかかり難く、第2可動部材236の円滑な進退移動を許容し得る。第2可動演出装置200は、第1連係手段256が基盤部204の設置空間204aに収容されているので、基盤部204と装飾カバー部210との間の収容スペース202aに延在する可動体発光手段248の配線Hと第1連係手段256との干渉を回避することができる。
前記第2可動演出装置200の動作について説明する。主可動体220は、表示部26の周辺部にある演出動作前の待機状態において、第1可動部材222が表示部26の周辺部に位置する第1姿勢にあり、この際、第2可動部材236が第1可動部材222に重なる第1位置にあるので、進退移動方向の寸法が第1可動部材222分となるコンパクトな状態になっている(図3、図46または図56参照)。主可動体220は、上下方向に連係ラインが延在する姿勢にあり、従可動体250が一方の長尺な部位を連係ラインに沿って延在させた姿勢になっている。ここで、主可動体220は、収容スペース202aに収容されて装飾カバー部210に隠されており、前側からほぼ見えない状態になっている(図46または図56参照)。このように、主可動体220は、待機状態で第1可動部材222分のスペースがあれば配置することができ、比較的小さな収容スペース202aで適切に目隠しすることができる。また、主可動体220は、表示部26の周辺部で場所を比較的とらないので、当該周辺部に設置する部材や装置の配置や大きさの自由度が高くなる。第2可動演出装置200は、主可動体220の第1可動部材222および第2可動部材236が、同じ動作モータ254を駆動源としているので、第1可動部材222および第2可動部材236を動作させる動作機構もコンパクトである。
前記第2可動演出装置200は、動作モータ254を正駆動することで、第1連係歯車258を介して第2連係歯車260が回転し、これにより歯列部262を介して第2連係歯車260に接続する第1可動部材222が、支持部位を中心に表示部26側に傾くように反時計回りに回転変位する(図58参照)。これに同期して、第2連係歯車260に噛み合う第3連係歯車264を介して第4連係歯車266も回転し、リンク部材270の一端が第4連係歯車266の下方から時計回りに変位される。そして、リンク部材270の一端が第1可動部材222の先端に近づくように変位するので、リンク部材270の他端に連結軸246が押されて、第1可動部材222に対し第2可動部材236が第1位置から第2位置へ向けてスライド変位する。このように、第2可動演出装置200は、1つの動作モータ254の駆動により、第1可動部材222の第1姿勢から第2姿勢への回転変位に連動して、第2可動部材236を第1位置から第2位置へスライド変位させることができる。すなわち、主可動体220は、第2可動部材236が第1可動部材222から次第に突き出ることで全体として伸張しつつ、支持部位を中心に回転変位して、装飾カバー部210の後側から表示部26の前側に現れる。主可動体220は、第1可動部材222の第2姿勢で表示部26の中央部側に向けて最大限傾くと共に、第2可動部材236が第1可動部材222に対して最も突出した第2位置となる(図58(b)参照)。従って、主可動体220は、第1可動部材222に該第1可動部材222から突出する第2可動部材236を足し合わせた大きさに、第1姿勢と比べて大型化し、遊技者の興味を惹き付けることができる。
前記第2可動演出装置200は、動作モータ254を逆駆動することで、第1連係歯車258を介して第2連係歯車260が回転し、これにより歯列部262を介して第2連係歯車260に接続する第1可動部材222が、支持部位を中心に右周辺部に向けて時計回りに回転変位する(図58参照)。これに同期して、第2連係歯車260に噛み合う第3連係歯車264を介して第4連係歯車266も回転し、リンク部材270の一端が第4連係歯車266の左方から反時計回りに変位される。そして、リンク部材270の一端が第1可動部材222の先端から遠ざかるように変位するので、リンク部材270の他端に連結軸246が引っ張られて、第1可動部材222に対し第2可動部材236が第2位置から第1位置へ向けてスライド変位する。このように、第2可動演出装置200は、1つの動作モータ254の駆動により、第1可動部材222の第2姿勢から第1姿勢への回転変位に連動して、第2可動部材236を第2位置から第1位置へスライド変位させることができる。すなわち、主可動体220は、第2可動部材236が第1可動部材222に次第に重なることで全体として縮小しつつ、支持部位を中心に回転変位して、表示部26の前側から装飾カバー部210の後側に隠れる。主可動体220は、第1可動部材222の第1姿勢で表示部26の右外側に退避すると共に、第2可動部材236が第1可動部材222に重なり、第1可動部材222分の大きさまで小さくなる。
より具体的には、前記第1連係手段256は、主可動体220が第1姿勢から第2姿勢に変位するにつれて、第1可動部材222が反時計回りに回転変位するのでリンク部材の他端も反時計回りに回転変位するのに対し、第1姿勢で他端に対して第4連係歯車を挟んで支持部位側(下方)に位置していたリンク部材270の一端が、第4連係歯車266の回転に伴って時計回りに回転する(図58参照)。すなわち、リンク部材270は、一端と他端とが互いに迎えに行く関係で回転変位するので、第4連係歯車266の最小限の回転によって第2可動部材236が第1位置から第2位置に移行する。そして、主可動体220の第1姿勢から第2姿勢までの回転角度と、第4連係歯車266の第1姿勢から第2姿勢までの回転角度とが合わせてあるから、第2姿勢でリンク部材270の一端および他端と第4連係歯車266の回転中心とが一直線上に並ぶ。
前記第1連係手段256は、主可動体220が第2姿勢から第1姿勢に変位するにつれて、第1可動部材222が時計回りに回転変位するのでリンク部材270の他端も時計回りに回転変位するのに対し、第2姿勢で他端と第4連係歯車266の回転中心と並んでいたリンク部材270の一端が、第4連係歯車266の回転に伴って反時計回りに回転する(図58参照)。すなわち、リンク部材270は、一端と他端とが互いに離れる関係で回転変位するので、第4連係歯車266の最小限の回転によって第2可動部材236が第2位置から第1位置に移行する。そして、主可動体220の第2姿勢から第1姿勢までの回転角度と、第4連係歯車266の第2姿勢から第1姿勢までの回転角度とを合わせてあるから、第1姿勢でリンク部材270の一端および他端が第4連係歯車266の回転中心を挟んで対向する。
前記第2可動演出装置200は、主可動体220が表示部26の周辺部に退避した第1姿勢でコンパクトであるものの、主可動体220が表示部26の前側を動作する際に第1姿勢より大きくなるので、遊技者の興味を惹き付けることが十分にできる。このように、第2可動演出装置200によれば、主可動体220が動作時に目を惹く大きさであるものの、表示部26の周辺部に退避した時に主可動体220がコンパクトになるので、動作時の優れた演出効果と待機時の省スペース化を両立し得る。第2可動演出装置200は、主可動体220が回転変位に合わせて伸縮する複合的な動作をするので、動作による演出効果が高く、遊技者の興趣を向上できる。第2可動部材236は、第1可動部材222の前側を構成する意匠カバー228に合わせた形状で形成されているので、意匠カバー228の後側の設置スペース222aを最大限に活用して、第2可動部材236を大きく設定することができる。これにより、主可動体220は、第2可動部材236を第1可動部材222に沿ってスライド変位した際に、第1可動部材222からの突出寸法を大きく設定することができ、動作時に全体として大型化することができる。しかも、主可動体220は、表示部26の外側に設けた装飾カバー部210に隠れた状態から表示部26の前側に現れるので、動作による演出の意外性を向上できる。また、第2可動部材236には、可動体発光手段248が設けられているので、第2可動部材236の進退移動または主可動体220の動作に連動して、または独立して、発光演出を行うことができる。
前記第1連係手段256では、第4連係歯車266とリンク部材270とによるクランク機構によって、動作モータ254の回転駆動を第2可動部材236のスライド変位に変換している。第2可動演出装置200は、コンパクトなクランク機構によって、第1可動部材222の回転変位に連動して第2可動部材236を進退移動させることができる。第1連係手段256は、第2可動部材236の第1位置で、リンク部材270の一端と他端とが第4連係歯車266の回転中心を挟んで対向するように構成することで、リンク部材270が第4連係歯車266に重なるように配置されるから、第4連係歯車266の前後スペースを有効利用してリンク部材270を最もコンパクトに収納することができる。第1連係手段256は、第2位置でリンク部材270の一端および他端と第4連係歯車266の回転中心とが一直線上に並ぶように構成することで、第2位置で第2可動部材236を第1可動部材222から最も突出させることができる。
前記第1連係手段256は、第1可動部材222の第1姿勢で、リンク部材270の一端が第4連係歯車266より第1可動部材222の支持部位側に位置し、第1可動部材222の第2姿勢で、リンク部材270の一端が第4連係歯車266より第2可動部材236が突出する側に位置する(図58参照)。これにより、第1可動部材222の第1姿勢と第2姿勢との間の回転変位に対応する第4連係歯車266の回転に伴うリンク部材270の一端の進退移動方向に沿う変動幅を最も大きくすることができる。しかも、リンク部材270は、第4連係歯車266の半径方向外側に延出するジブ268にを接続してあるので、第4連係歯車266の回転角度当たりの進退移動方向への変動幅が更に大きくなる。すなわち、リンク部材270の一端の進退移動方向の変動幅を大きくすれば、リンク部材270の他端に接続する第2可動部材236における第1位置と第2位置との間の進退移動幅を大きくすることができる。
前記第1連係手段256は、第1可動部材222の歯列部262に噛み合う第2連係歯車260から分岐して、第2可動部材236を動作するクランク機構を構成する第4連係歯車266が回転される。すなわち、第1連係手段256は、第1可動部材222と第2可動部材236の動きの同期がとり易く、第1可動部材222の回転変位に連動して、第2可動部材236を合理的に進退移動し得る。しかも、第2連係歯車260と第4連係歯車266との間には、第3連係歯車264が介在しているので、これらの連係歯車260,264,266のギヤ比を変えることで、第2連係歯車260と第4連係歯車266とを直接接続する場合と比べて、第1可動部材222の回転変位と第2可動部材236の進退移動の関係を簡単に調節することができる。
前記第2可動演出装置200では、第1姿勢にある主可動体220の案内部231に対して連結リンク274の係合軸275が係合され、案内部231によって係合軸275の回転方向の変位が規制されたもとで、従可動体250が保持されている。この際、連結リンク274は、接続軸252の下方に位置している(図59参照)。第2可動演出装置200では、第1姿勢にある主可動体220が第2姿勢に向けて回転変位すると、主可動体220の案内部231に係合した連結リンク274の係合軸275が該案内部231の開口縁に押されて上方へ回転変位する。これにより、従可動体250は、主可動体220の連係ラインの傾きに合わせて一方の長尺な部位を傾けるように反時計回りに回転変位する。第2可動演出装置200では、第2姿勢にある主可動体220が第1姿勢に向けて回転変位すると、主可動体220の案内部231に係合した連結リンク274の係合軸275が該案内部231の開口縁に押されて下方へ回転変位する。これにより、従可動体250は、主可動体220の連係ラインの傾きに合わせて一方の長尺な部位を傾けるように時計回りに回転変位する。このように、第2可動演出装置200は、主可動体220と従可動体250の回転変位方向を揃えることで、両可動体220,250の動きの相関によって演出効果を向上することができる。しかも、主可動体220と従可動体250とを、長手辺に沿って延在する連係ラインで揃えて形成することで、、両可動体220,250の動きの相関性を増すことができ、演出効果を向上することができる。
前記第2可動演出装置200によれば、1つの動作モータ254によって主可動体220とこの主可動体220に連動して従可動体250を回転変位することができるので、動作機構をコンパクトにできる。また、従可動体250は、主可動体220に設けた案内部231と連結リンク274との連係だけで主可動体220に連動されるので、動作機構に要する部品点数が少なく、よりコンパクトにできる。そして、主可動体220の支持部位と従可動体250の支持部位とをずらして配置したとしても、第2連係手段272によって主可動体220に連動して従可動体250を動作させることができる。第2連係手段272は、連結リンク274の他端に重なる位置の案内部231の開口縁が、当該位置での連結リンク274の他端が一端を中心に描く回転軌跡との接線に対して交差するように、弧状に形成されているので、案内部231によって主可動体220の回転変位につれて連結リンク274の係合軸275の回転変位を許容しつつ押すことができる。すなわち、第2可動演出装置200は、案内部231と連係リンク274との係合下に従可動体250を円滑に回転変位することができ、主可動体220に第2連係手段272によって従可動体250を連動することにより主可動体220の動作を阻害しない。
(変更例)
前述した実施例の構成に限定されず、以下のように変更することも可能である。
(1)可動演出装置の配置は実施例に限定されるものではなく、第1可動演出装置を表示部の側方や下方に配置しても、第2可動演出装置を表示部の上方や下方に配置してもよい。(2)第1可動演出装置の装飾可動体は、表示部に対し並行または斜行するように動作してもよく、待機位置から揺動した後にスライド変位する構成であってもよい。
(3)可動演出装置の駆動源としては、モータに限定されずソレノイドを用いてもよい。
(4)発光体としては、LEDに限定されず、ランプや有機EL等、光を照射し得るものであれば採用可能である。また、LEDとしては、単色で発光するものや、多色(フルカラー)で発光し得るものであっても何れであってもよい。
(5)実施例では、複数の回転可動体が同一形状で同一径であるが、形状を変えてもよく(例えば、断面円形の回転可動体と断面多角形の回転可動体との組み合わせ)、外形寸法についても変えてもよい。
(6)回転可動体の軸線を表示部と交差するように設定してもよい。
(7)実施例では、作動軸を駆動するように構成したが、支軸を駆動しても、支軸と作動軸を同時に駆動してもよい。また、第2ガイド部を動かすことで、作動軸を変位してもよい。
(8)装置本体側に支軸および作動軸を設け、装飾可動体側にガイド部を設けてもよい。
(9)実施例の「同一」、「平行」、「直線」等の用語は、数学的な意味に限定されず、目的を達成できる範囲で多少ずれていてもよい。
(10)装飾可動体は、直線的な進退移動に限られず、第1ガイド部と第2ガイド部の第1ガイドラインとを並行する波線とすることで、例えば前後方向等の進退移動方向と交差する方向へ揺れながら進退移動させることができる。
(11)実施例では、裏ユニットに可動演出装置を配設したが、これに限らず、盤本体に可動演出装置を取付けるようにしても、また遊技盤に配設される部材(例えば枠状装飾体)に設けるようにしてもよい。
(12)実施例では、遊技機としてパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、アレンジボール機やピンボール機、スロットマシン機等の各種遊技機を採用し得る。
(13)光の演出態様の変化とは、部材に設けられた光拡散構造と発光体との位置変化や光拡散構造の重なりによる変化だけでなく、部材に施された色と発光体との位置変化や色の重なり等による変化など、これらの組み合わせを含む。