JP2011240228A - 塗装治具の付着塗料除去方法 - Google Patents

塗装治具の付着塗料除去方法 Download PDF

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哲也 森下
Kazuichi Kondo
一市 近藤
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Abstract

【課題】従来多用されている水溶性の剥離洗浄剤におけるような付着塗料除去後の分離作業を必要とせず、廃水処理の問題も発生しない塗装治具の付着塗料除去方法を提供すること。
【解決手段】塗装工程後における塗装治具表面の付着塗料を除去する方法で、1)塗装治具本体11に、硬質で表面不活性(撥水性・撥油性)を示す剥離媒体膜13の下地層15を形成する下地層形成工程、2)塗装作業に先立ち、前記剥離媒体膜下地層の上に伸び100%(2倍)以上のエラストマーの剥離媒体膜13を形成する剥離媒体膜形成工程、3)塗布作業後、前記剥離媒体膜13上に積層された付着塗料層17を、剥離媒体膜13を介して引っ張り剥離する付着塗料層剥離工程、の各工程を経た後、前記2)の剥離媒体膜形成工程に戻る。
【選択図】図2

Description

本発明は、塗装工程後における塗装治具表面の付着塗料を除去する方法に関する。
ここで塗装治具には、被塗装品を塗装又はマスク塗装する際に使用される固定治具又はマスク治具の双方を含む。
従来、上記のような付着塗料の除去に係る先行技術文献として、特許文献1〜4等が存在する。以下、特許文献4の背景技術の項の一部を、適宜、編集上の変更を加えて引用する。なお、本明細書における特許文献1〜3は、特許文献4で引用されている特許文献1〜3と同じである。
「塗装工程において使用される固定治具は、被塗装品を固定するために用いられる治具であり、金属等の材料を使用して形作られた治具である。また、塗装工程において使用されるマスク治具は、被塗装品の所望する領域だけに塗料を付着させるために塗装部位の形状に対応させて形作られた治具であり、塗装部位以外の部分を被覆するようにし、塗料が不必要な部位に付着しないようにするために用いられるものである。そのため、このような塗装用治具類は塗装工程において被塗装品と共に塗料が付着してしまうことが避けられないものであり、かかる塗装用治具類を繰り返し使用するために、従来、剥離洗浄剤を用いて塗装用治具類に付着した塗料の除去と洗浄が行われてきている。
具体的には、剥離洗浄剤である有機塩素系溶剤であるジクロロメタン(塩化メチレン)やトリクレン等の有機溶剤中に塗装用治具類を浸漬させて付着した塗料を溶解し除去する方法、さらに、これらの溶剤に水酸化ナトリウム等のアルカリを添加したものを剥離洗浄剤とすることで付着した塗料を溶解し除去する方法等が挙げられる。
しかしながら、前述のような有機溶剤を使用する方法においては、ジクロロメタンが発ガン性物質であることが指摘されていること、有機塩素系溶剤による作業者への健康面への影響、更には、土壌汚染、オゾン層破壊、地球温暖化等の環境問題という点で問題があった。また、前述のような有機溶剤を使用する方法においては、塗装用治具類から剥離された塗料が溶剤中に溶解し、その溶解した塗料が塗装用治具類に再付着して洗浄力が低下することから、洗浄液(有機溶剤)の交換を比較的頻繁に、且つ定期的に行わなければならなかった。このため、作業効率が低下すること、有機溶剤の新液を大量に追加しなければならないこと、塗料が溶解した溶剤を処理するために必要なコストが生じること等からトータルランニングコストが高くなるという問題もあった。更に、非ハロゲン系の引火し易い溶剤を使用する場合には、火災にも留意する必要があり、防爆設備等の導入も必要となるという問題があった。
このような問題を解決するために、特開平6−262106号公報(特許文献1)においては、マスク治具の表面にフッ素樹脂をコーティングして塗料の密着性を低下させることによって、付着した塗料の剥離を容易にし、剥離洗浄剤(有機溶剤)を用いて完全に除去する方法が開示されている。しかしながら、このような上記公報に記載の方法においては、塗料を剥離させる際に溶剤を使用するため、上記の廃溶剤の処理や作業環境の問題点が懸念されていた。
また、特開2001−104895号公報(特許文献2)においては、グルコン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、リン酸ナトリウムから構成された界面活性剤を溶解した水系の洗浄液をマスク治具に吹き付けて、前記マスク治具の表面に前記界面活性剤膜を形成する剥離膜形成工程と、塗装工程の後に、前記剥離洗浄剤を塗料が付着したマスク治具に吹き付けて、付着した塗料を前記界面活性剤膜とともに洗い落とす洗浄工程とを含むマスク治具の洗浄方法が開示されている。
更に、特開2002−159923号公報(特許文献3)においては、マスキング塗装により塗膜が付着された塗装用マスクに、ポリアクリル酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、リン酸ナトリウムおよびホウ酸ナトリウムを含む加温された水性洗浄液を噴射して前記マスク表面の塗膜を剥離除去するマスクの塗装用洗浄方法が開示されている。
しかしながら、このような特許文献2及び3に記載の水系の洗浄剤を用いるマスク治具の洗浄方法においては、マスク治具に付着した塗料の剥離洗浄性の向上に限界があり、未だ十分なものではなかった。」
そこで、特許文献4では、上記問題点を解決するために、下記構成の「塗装用治具類の剥離洗浄剤」を用いて、塗装治具の付着塗料を除去、即ち、塗装治具を洗浄することが提案されている(請求項1)。
「被塗装品を塗装またはマスク塗装する際に用いた塗装用治具類に付着した塗料を剥離させて洗浄する洗浄方法に用いるための塗装用治具類の剥離洗浄剤において、水溶性ケイ酸塩及び水溶性縮合リン酸塩からなる群から選択される少なくとも1種と水とを含有することを特徴とする塗装用治具類の剥離洗浄剤。」
特開平6−262106号公報 特開2001−104895号公報 特開2002−159923号公報 特開2006−152042号公報
上記特許文献2〜4では、塗膜の剥離除去は、いずれも、水溶性の剥離洗浄剤(剥離膜形成剤)を使用することを前提としている。
このため、洗浄(付着塗料除去)に使用した後の剥離洗浄剤を剥離塗料から分離回収する必要があるとともに、剥離洗浄剤が古くなってくると廃水処理も必要となる。
さらに、昨今、作業環境および地球環境の見地から、従来の溶剤系塗料に代わり水系塗料が主流になりつつある。しかし、水系塗料を用いると、塗装作業に際して、水溶性の剥離洗浄剤で形成された剥離膜が溶解除去されて、治具付着塗料の除去性能が低下するおそれがあると考えられる。
本発明は、上記にかんがみて、従来多用されている水溶性の剥離洗浄剤(剥離膜形成剤)におけるような付着塗料除去後の分離作業を必要とせず、廃水処理の問題も発生しない塗装治具の付着塗料除去方法を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、水系塗料を用いる塗装作業に際して、治具付着塗料の除去性に問題が発生しない塗装治具の付着塗料除去方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題(問題点)を解決するために、鋭意開発に努力をする過程で、下記構成とすれば、上記課題を解決できることを知見して、下記構成の塗装治具の付着塗料除去方法に想到した。
塗装工程後における塗装治具表面の付着塗料を除去する方法であって、
1)塗装治具本体に、硬質で表面不活性(撥水性および撥油性の双方を有する。)を示す下地層を形成する下地層形成工程、
2)塗装工程に先立ち、前記下地層の上に伸び(EB:JIS K 6251)100%(2倍)以上のエラストマー層である剥離媒体膜を形成する剥離媒体膜形成工程、
3)前記塗装工程後、前記剥離媒体膜上に積層された付着塗料層を、前記剥離媒体膜を介して引っ張り剥離する付着塗料層剥離工程、
の各工程を経た後、前記2)の剥離媒体膜形成工程に戻る、ことを特徴とする。
すなわち、硬質で表面が不活性(撥水性・撥油性)な下地層と、伸びが2倍以上を示すエラストマー層である剥離媒体膜とを組み合わせれば、剥離媒体膜上に積層された付着塗料層を、前記剥離媒体膜とともに物理的に一体剥離することが可能であることを知見したものである。
従来は塗装治具の付着塗料をそのように塗装治具に前処理的に設けた剥離媒体膜と物理的に一体剥離する着想、および、当該着想を具体化した発明は、本発明者らが知る限り公知でない。
たとえ当該着想があったとしても、本発明の下地層が示す表面不活性における撥水性(親油性)と撥油性(親水性)とは通常は相反する特性であり、そのような表面特性を有し且つ金属製やプラスチック製の塗装治具本体にも密着性を有する塗膜を形成可能な塗料を、無数に上市されている塗料の中から見つけ出すのは困難であったと考えられる。
また、本発明の塗装治具の付着塗料除去方法は、被塗装物の搬送装置(コンベヤ)や搬送装置の近傍の床面等の非塗装面に付着する付着塗料を除去する方法にも転用可能である。この場合の構成(方法)は、下記の如くになる。
塗装工程後における塗装面に近接する非塗装面に付着する付着塗料を除去する方法であって、
1)前記非塗装面に、硬質で表面不活性(撥水性および撥油性の双方を有する。)を示す下地層を形成する下地層形成工程、
2)塗装工程に先立ち、前記下地層の上に伸び(EB:JIS K 6251)100%(2倍)以上のエラストマー層である剥離媒体膜を形成する剥離媒体膜形成工程、
3)前記塗装工程後、前記剥離媒体膜に積層された付着塗料層を、前記剥離媒体膜とともに引っ張り剥離する付着塗料剥離工程、
の各工程を経た後、前記2)の剥離媒体膜形成工程に戻る、ことを特徴とする。
特に、高温雰囲気(30℃以上)で塗装作業を行なう場合に非塗装面に付着する付着塗料の除去作業が容易になることが期待できる。ここで「塗料」には、粘着剤等の流動性を有して被塗布物に塗装可能なものなら特に限定されず、接着剤、粘着剤等も含む。
本発明の塗装治具の付着塗料除去方法の概略工程図である。 本発明における付着塗料の引張り剥離の説明用モデル断面図である。
以下、本発明を実施の形態に基づいて説明する。
本発明の塗装治具の付着塗料の除去方法は、塗装工程後における塗装治具表面の付着塗料を除去する方法であることを前提とする。
ここで塗装治具(本体)は、金属製とするが、従来、殆ど使用されていない、繊維強化プラスチック(FRP)製やセラミックス製にも、本発明は適用可能である。特に、従来、付着塗料の除去が困難で、軽量且つ錆の問題も発生しないにもかかわらず製造することが躊躇されていたFRP製治具に適用した場合は本発明の効果がより顕著となる。
なお、治具を金属製とする場合は、亜鉛めっき鋼板(トタン)や錫めっき鋼板(ブリキ)製等の防錆処理したものとすることが望ましい。
そして、本発明の塗装治具の付着塗料の除去方法は、下記工程からなるものである(図1参照)。
なお、プライマー膜形成・下地層形成・剥離媒体膜形成の各工程は、総括的に前処理工程に含まれる。
1)下地層形成工程:塗装治具本体11に、硬質で表面不活性(撥水性および撥油性の双方を有する。)を示す剥離媒体膜13の下地層(剥離界面形成膜)15を形成する工程である(図2参照)。
ここで、撥水性および撥油性の双方を有するとは、具体的には、水性・油性インキの双方で筆記不能なことをいう。
そして、表面硬度H以上(通常、H〜2H)で、且つ、塗装治具本体に対する密着性において、碁盤目テープ剥離法(JIS K5400:耐熱衝撃性100サイクル試験後)100/100を示すものであるものが望ましい。
なお、本実施形態で使用する「ウレタンエラストマー塗料」の主剤である「サンフルーレ」(登録商標)に係る商品データシート(昭和電工株式会社発行)において、イソシアナート常温硬化膜(25℃×7日)の碁盤目テープ剥離法(JIS K5400:耐熱衝撃性100サイクル試験後)の下記各種基材に25μmの塗膜を形成した場合の密着性は、全て100/100であることが示されている。
ステンレス(SUS304)、アルミニウム(5052P)、鉄板(SPCC−S8)、ポリカーボネート、アクリル、硬質PVC
表面硬度が低い(H未満)と、剥離媒体膜の下地からの良好な物理的剥離性を安定して確保し難い。すなわち、剥離するには下地が硬くないと剥離性が良好でないことは当業者常識である。
そして、下地層15の膜厚は、10〜50μm(さらには20〜40μm)が望ましい。
膜厚が薄すぎると、剥離媒体膜13の下地層15からの安定した引っ張り剥離性を確保し難い。下地層15の表面が治具本体11から影響を受けて十分な表面不活性(撥水性および撥油性の双方を有する。)を確保し難くなるためである。
下地層15の膜厚が厚いと、材料的に無駄となるとともに、重ね塗りが必要となり、下地層形成の生産性が低下する。
なお、治具本体の材質によっては、下地層が密着性を確保できない場合がある。そのような場合は、下地層と治具本体との間にプライマー層を適宜形成する。例えば、「エクスパー」(富士塗料工業所社製商品名)を好適に使用できる。
下地層を形成する塗料は、塗膜とした場合、剥離界面となる表面側が表面不活性(撥水性および撥油性の双方を有する。)を示しかつ治具本体に接する裏面側が治具本体に対する密着性を有するものならば特に限定されない。
具体的には、反応性ポリオルガノシロキサンをイソシアナートプレポリマー(末端NCO)で硬化させたラダーシリコーン系のウレタンエラストマー系塗料とする。ここで、反応性ポリオルガノシロキサンとして、「サンフルーレ」(登録商標:昭和電工株式会社)又は「サンフルーレ」均等物から選択することができる。
反応性ポリオルガノシロキサンとしては、「サンフルーレ」の商標権者である昭和電工株式会社から出願されている下記構成の反応性ポリメチルシルセスキオキサンの内から適宜使用可能である(特開平7−70321号公報;請求項1)。
「全側鎖有機基のうち50〜99モル%がメチル基であり、1 〜40モル%が架橋性反応基または架橋性反応基を置換基として有する有機基であり、残余が炭素数2〜6個のアルキル基、置換もしくは非置換フェニル基、水酸基または炭素数1〜6個のアルコキシ基であり、末端基が水酸基または炭素数1〜6個のアルコキシ基である数平均分子量500 〜100,000 のポリメチルシルセスキオキサンにおいて、その水酸基およびアルコキシ基の30〜95モル%がトリメチルシリル化されていることを特徴とする。」
2)剥離媒体膜形成工程:塗装工程に先立ち、前記下地層15の上に伸び(EB:JIS K 6251)100%(2倍)以上のエラストマー層である剥離媒体膜13を形成する工程である。
ここで、剥離媒体膜を伸び100%(2倍)以上のエラストマー層とすることにより、実質的な伸びが発生しない剛体である下地層(実体的な剛体である治具本体に密着している薄層)からの引張り剥離性が増大する。この引張り剥離性は、剥離媒体膜がエラストマー層であることと、前記下地層が不活性なことと相乗してより確実なものとなる。
剥離媒体膜が、伸び(EB:JIS K 6251)200〜600%(さらには300〜500%)であることが望ましい。上記引張り剥離性が増大するとともに、引張り剥離作業性が向上する。伸びが小さすぎても大きすぎても、引張り剥離作業性が低下する。即ち、引張り剥離に際して、伸びることにより下地層から剥離媒体膜を剥がし易くなるが、伸びが大きすぎると引っ張り剥離の引っ張り力が剥離媒体膜に対する剥離力として有効に作用し難くなる(引っ張り剥離の作業性が低下する。)。
そして、剥離媒体膜を形成する塗料としては、塗膜とした場合、下地層に所定の濡れ性を有し、耐水・耐溶剤・耐薬品性を有するものなら特に限定されない。
具体的には、下地層を前記シリコーン系ウレタンエラストマーで形成する場合、濡れ性の見地から、脂肪族ポリエーテルウレタン系の一液常温硬化ウレタンエラストマー系塗料で形成することが望ましい。
より具体的には、常温硬化ウレタンエラストマー塗料として「Sancure 2715」(ルーブリゾル(Lubrizol)社(米国)製;登録商標)又は「Sancure 2715」均等物から選択することが望ましい。
参考のために“Sancure 2715"の技術資料シートの一部を引用する。
固形分(solids):38%、
粘度(vixucocity):500cPs
弾性率(modulus) 1100psi
引張り強さ(tensile strength)3300psi
伸び(elongation) 425%
スオード硬度(Sward hardness)14
そして、剥離媒体膜の膜厚は、30〜100μm(さらには40〜80μm)が望ましく、通常、前記下地層と同一又は厚いものとする。
剥離媒体膜13の膜厚が薄すぎては、引張り剥離作業の作業性が低下する。逆に、剥離媒体膜の膜厚が厚すぎても、塗料の無駄使いとなるとともに、重ね塗りが必要となり塗膜形成生産性が低下する。
なお、上記各下地層膜・剥離媒体膜を形成する塗布方法は、特に限定されず、浸漬等でもよいが、スプレー、刷毛等によることが、塗膜形成生産性が良好となり望ましい。
3)塗装工程(塗装作業)
当該塗装工程の塗布態様は、塗装治具を用いる塗装方法であれば、スプレー・浸漬、カーテン・静電塗装等、任意である。また、塗料の種類も、水系、溶剤系、粉体系を問わない。
4)付着塗料層剥離工程
上記塗装工程において被塗装品とともに塗装治具にも塗料が付着する(図2上段)。そして、剥離媒体膜13上に積層された付着塗料層17が被塗装品に悪影響を与えるようになってきたら、さらには、塗料替えする場合、付着塗料層17を剥離媒体膜13を介して手作業等により引っ張り剥離をする(図2下段)。
なお、本発明の塗装治具の塗料除去方法用のセット塗料(前処理用塗料)として、下地層塗料と剥離媒体膜塗料とのセットで販売することができる。
そして、下地層塗料を、反応性ポリオルガノシロキサンをイソシアナートプレポリマー(末端NCO)で硬化させるラダーシリコーン系塗料とし、剥離媒体膜塗料を脂肪族ポリエーテルウレタン系の一液常温硬化ウレタンエラストマー系塗料とする組合わせ(セット)が望ましい。
以下、本発明の効果を確認するために行なった実施例について説明する。
なお、配合単位は、特に断らない限り、質量単位である。
使用した下地層塗料および剥離媒体膜塗料の各組成は下記の通りである。
<下地層塗料>
A液:B液=100:100
(A液:主剤)
「サンフルーレ」(アクリルラダーシリコーン系ポリオール(メタクリル反応性ポリオルガノシロキサン);固形分50%) 60部
ニトロセルロース 3部
エステル系混合溶剤 37部
(B液:硬化剤)
イソシアナートプレポリマー 50部
エステル系溶剤 50部
シンナー/アルコール/ケトン/エステル混合系
<剥離媒体膜塗料>
“Sancure 2715"(脂肪族エーテル系ウレタン樹脂(分子量:約40万);固形分38%) 70部
水(希釈剤) 30部
上記下地層塗料を乾燥膜厚約25μmとなるようにスプレー塗布して常温乾燥(3日)させて下地層15を基材(治具本体)11上に形成した。
該下地層の表面硬さは、鉛筆硬度でH〜2Hであった。
上記下地層15の上に、上記剥離媒体膜塗料を、乾燥膜厚約55μmとなるように塗布して乾燥させて剥離媒体膜13を形成した。
そして、上記のようにして調製したSS製およびFRP(ポリエステル系)製の各塗装用治具を用いて、所定の各被塗装品に対して、(A)「ポリサフPA-4132ブラック」(富士塗料工業所社製商品名;溶剤系)、および(B)「アクアラックフラットXF-1225」(富士塗料工業所社製商品名;水系)を10回塗装後、積層した付着塗料層17を剥離媒体膜13を介して手で引っ張って剥離した。
各塗装治具において、(A)、(B)いずれの場合も、スムーズに塗料が付着した剥離媒体膜を引っ張り剥離できた。また、塗装工程(塗装作業)中に剥離媒体膜が流出することがなかった。
その後、再度、上記剥離媒体膜塗料を同様にして塗布して、塗装作業を継続したが、同様に引っ張り剥離が可能であった。
11 塗装治具本体
13 剥離媒体膜
15 剥離媒体膜の下地層
17 付着塗料層

Claims (10)

  1. 塗装工程後における塗装治具表面の付着塗料を除去する方法であって、
    1)塗装治具本体に、硬質で表面不活性(撥水性および撥油性の双方を有する。)を示す下地層を形成する下地層形成工程、
    2)塗装工程に先立ち、前記下地層の上に伸び(EB:JIS K 6251)100%(2倍)以上のエラストマー層である剥離媒体膜を形成する剥離媒体膜形成工程、
    3)前記塗装工程後、前記剥離媒体膜上に積層された付着塗料層を、前記剥離媒体膜を介して引っ張り剥離する付着塗料層剥離工程、
    の各工程を経た後、前記2)の剥離媒体膜形成工程に戻る、
    ことを特徴とする塗装治具の付着塗料除去方法。
  2. 前記下地層が、表面硬度H以上で、且つ、塗装治具本体に対する密着性において、碁盤目テープ剥離法(JIS K5400:耐熱衝撃性100サイクル試験後)100/100を示すものであるとともに、前記剥離媒体膜が、伸び(EB:JIS K 6251)200〜600%であることを特徴とする請求項1記載の塗装治具の付着塗料除去方法。
  3. 前記下地層および前記剥離媒体膜の各膜厚が、前者:10〜50μm、後者:30〜100μmであり、且つ、前者≦後者であることを特徴とする請求項1又は2記載の塗装治具の付着塗料除去方法。
  4. 前記下地層を、反応性ポリオルガノシロキサンをイソシアナートプレポリマー(末端NCO)で硬化させたラダーシリコーン系のウレタンエラストマー塗料で形成するとともに、前記剥離媒体膜を、脂肪族ポリエーテルウレタン系の一液常温硬化ウレタンエラストマー系塗料で形成することを特徴とする請求項1、2又は3記載の塗装治具の付着塗料除去方法。
  5. 前記反応性ポリオルガノシロキサンとして、「サンフルーレ」(登録商標)又は「サンフルーレ」均等物から選択し、前記常温硬化ウレタン塗料として「Sancure 2715」(登録商標)又は「Sancure 2715」均等物から選択することを特徴とする請求項4記載の塗装治具の付着塗料除去方法。
  6. 前記塗装治具本体が繊維強化プラスチックで形成されたものとすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一記載の塗装治具の付着塗料除去方法。
  7. 被塗装品を塗装又はマスク塗装する際に使用される塗装治具であって、塗装治具本体が10〜50μmの下地層を備え、該下地層が、表面硬度H以上で、且つ、撥水性・撥油性を示すとともに、塗装治具本体に対する密着性において、碁盤目テープ剥離法(JIS K5400:耐熱衝撃性100サイクル試験後)100/100を示すもので、反応性ポリオルガノシロキサンをイソシアナートプレポリマー(末端NCO)で硬化させるラダーシリコーン系塗料により形成されていることを特徴とする塗装治具。
  8. 前記塗装治具本体が繊維強化プラスチック製であることを特徴とする請求項7記載の塗装治具。
  9. 塗装工程後における塗装治具表面の付着塗料を除去する方法に使用する塗装治具の前処理用塗料において、下地層塗料と剥離媒体膜塗料とからなるセット塗料であって、
    前記下地層塗料が、反応性ポリオルガノシロキサンをイソシアナートプレポリマー(末端NCO)で硬化させるラダーシリコーン系塗料であり、
    前記剥離媒体膜塗料が、脂肪族ポリエーテルウレタン系の一液常温硬化ウレタンエラストマー系塗料である、
    ことを特徴とする塗装治具の前処理用塗料。
  10. 塗装工程後における被塗装物の近傍の非塗装面に付着する付着塗料を除去する方法であって、
    1)前記非塗装面に、硬質で表面不活性(撥水性および撥油性の双方を有する。)を示す下地層を形成する下地層形成工程、
    2)塗装工程に先立ち、前記下地層の上に伸び(EB:JIS K 6251)100%(2倍)以上のエラストマー層である剥離媒体膜を形成する剥離媒体膜形成工程、
    3)前記塗装工程後、前記剥離媒体膜上に積層された付着塗料層を、前記剥離媒体膜を介して引っ張り剥離する付着塗料層剥離工程、
    の各工程を経た後、前記2)の剥離媒体膜形成工程に戻る、
    ことを特徴とする非塗装面の付着塗料除去方法。
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CN107073494A (zh) * 2014-10-28 2017-08-18 3M创新有限公司 包括拒液表面的喷雾施用系统部件和方法
JP2018059084A (ja) * 2016-09-29 2018-04-12 日東電工株式会社 構造物上の塗膜、塗膜を形成するための塗料セット及び下塗層用塗料並びに塗工方法

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JP7046542B2 (ja) 2016-09-29 2022-04-04 日東電工株式会社 構造物上の塗膜、塗膜を形成するための塗料セット及び下塗層用塗料並びに塗工方法

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