JP2011239023A - スイッチドキャパシタ利得段 - Google Patents

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Abstract

【課題】出力電流を増やすことなくセトリング時間を短縮することが可能なスイッチドキャパシタ利得段、及び、これを用いたパイプライン型A/D変換器を提供する。
【解決手段】スイッチドキャパシタ利得段は、第1フェーズではサンプル/ホールド回路(キャパシタCf及びCs、並びに、スイッチSWa〜SWc)を用いて入力電圧Vinのサンプリングを行い、第2フェーズでは増幅器(AMP1及びAMP2)を用いてサンプリング済み入力電圧の増幅出力を行うスイッチドキャパシタ利得段において、入力電圧Vinのサンプリング動作時にのみ、前記増幅器のミラー補償を行うミラー補償部(Cm、SWg)を有する構成とする。
【選択図】図18A

Description

本発明は、パイプライン型A/D[Analog/Digital]変換器などに用いられるスイッチドキャパシタ利得段に関するものである。
図19は、スイッチドキャパシタ利得段の一従来例を示す回路図である。一般的に、スイッチドキャパシタ利得段は、2相クロックφ1(φ1’)、φ2を用いて制御される。第1フェーズ(クロックφ1:オン、クロックφ2:オフ)では、入力電圧VinがキャパシタCf、Csを用いてサンプリングされる。第2フェーズ(クロックφ1:オフ、クロックφ2:オン)では、第1フェーズでサンプリングされた入力電圧Vinが増幅器を用いて利得倍され、出力電圧Voutが出力される。
なお、上記に関連する従来技術の一例としては、特許文献1を挙げることができる。
特開2004−343163号公報
従来、出力電圧Voutの波形には、スイッチドキャパシタ利得段で用いられるスイッチや増幅器の位相余裕度などに起因してオーバーシュートやリンギングが発生し、出力電圧Voutが所望値へセトリングするまでに長時間を要していた(図20を参照)。
本発明は、本願の発明者によって見い出された上記の問題点に鑑み、出力電流を増やすことなくセトリング時間を短縮することが可能なスイッチドキャパシタ利得段、及び、これを用いたパイプライン型A/D変換器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るスイッチドキャパシタ利得段は、第1フェーズではサンプル/ホールド回路を用いて入力電圧のサンプリングを行い、第2フェーズでは増幅器を用いてサンプリング済み入力電圧の増幅出力を行うスイッチドキャパシタ利得段において、前記入力電圧のサンプリング動作時にのみ、前記増幅器のミラー補償を行うミラー補償部を有する構成(第1の構成)とされている。
なお、上記第1の構成から成るスイッチドキャパシタ利得段において、前記ミラー補償部は、前記増幅器の利得段間に接続されたキャパシタと、前記キャパシタに直列接続されて前記入力電圧のサンプリング動作時にのみオンされるスイッチと、を有する構成(第2の構成)にするとよい。
また、本発明に係るパイプライン型A/D変換器は、アナログ入力電圧を複数ステージの低分解能ADCでパイプライン的に変換し、各ステージのデジタル出力に基づいて複数ビットのデジタル出力信号を生成するものであって、前記複数ステージの低分解能ADCは、それぞれ、前記アナログ入力電圧と基準電圧とを比較するサブADCと、前記サブADCの比較結果に基づいてオフセットを決定するオフセット決定部と、前記アナログ入力電圧を所定の利得倍に増幅した上で前記オフセットを与えて出力する請求項1または請求項2に記載のスイッチドキャパシタ利得段とを有する構成(第3の構成)とされている。
なお、上記第3の構成から成るパイプライン型A/D変換器は、前記複数ステージの低分解能ADCで各々得られる1.5ビットないし2ビットのデジタル出力を同一のタイミングでパラレルに出力するシフトレジスタと、前記シフトレジスタから出力されるNステージ目の最下位ビットと(N+1)ステージ目の最上位ビットをオーバーラップして足し合わせることにより、最終的なデジタル出力信号を生成するデジタルエラー訂正回路と、を有する構成(第4の構成)にするとよい。
また、上記第3または第4の構成から成るパイプライン型A/D変換器において、前記複数ステージの低分解能ADCは各々の入出力形式が全差動型である構成(第5の構成)にするとよい。
また、上記第3または第4の構成から成るパイプライン型A/D変換器において、前記複数ステージの低分解能ADCは、各々の入出力形式がシングルエンド型である構成(第6の構成)にするとよい。
本発明に係るスイッチドキャパシタ利得段であれば、出力電流を増やすことなくセトリング時間を短縮することが可能となり、延いては、これを用いたパイプライン型A/D変換器の消費電流を増やすことなく、その動作速度を向上させることが可能となる。
本発明に係るパイプライン型A/D変換器の一構成例を示すブロック図 入出力信号の一覧表 電源・GNDの一覧表 入出力に関するタイミング特性を説明するためのタイミングチャート エラー訂正の原理を説明するための図(コンパレータオフセットなし) エラー訂正の原理を説明するための図(コンパレータオフセットあり) クロック生成回路30の一構成例を示すブロック図 クロック生成回路30の動作を説明するためのタイミングチャート サブADC12の一構成例を示す回路図 サブADC12の入出力動作を示す論理値表 コンパレータ121の一構成例を示す回路図 MDAC11の一構成例を示す回路図(サンプリング期間) MDAC11の一構成例を示す回路図(増幅期間) MDAC11の伝達特性を示す図 OTA部114aの一構成例を示す回路図 CMFB部114bの一構成例を示す回路図 ミラー補償動作を説明するためのタイミングチャート バイアス回路20の一構成例を示す回路図 シフトレジスタ+デジタルエラー訂正回路40の構成例を示すブロック図 シングルエンド型スイッチドキャパシタ利得段の一構成例を示す回路図(サンプリング期間) シングルエンド型スイッチドキャパシタ利得段の一構成例を示す回路図(増幅期間) スイッチドキャパシタ利得段の一従来例を示す回路図 従来における出力電圧Voutの波形図
(ブロック図)
図1は、本発明に係るスイッチドキャパシタ利得段を用いたパイプライン型A/D変換器の一構成例を示すブロック図である。本構成例のパイプライン型A/D変換器1は、互いに縦列接続された9ステージの低分解能ADC10−1〜10−9と、バイアス回路20と、クロック生成回路30と、シフトレジスタ+デジタルエラー訂正回路40と、バッファ50と、を有する。低分解能ADC10−1〜10−9は、それぞれ、1.5ビット/ステージの分解能を有しており、その構成要素として、乗算型DAC11(以下、MDAC11と呼ぶ)と、サブADC12と、を有する。MDAC11は、機能ブロック的に見ると、サンプル/ホールド回路111と、3レベルDAC112と、加算器113と、増幅器114と、を有する。なお、本発明に係るスイッチドキャパシタ利得段は、上記したMDAC11として好適に用いられるものであり、その詳細については後述する。
(入出力信号)
図2は、パイプライン型A/D変換器1で取り扱われる入出力信号の一覧表であり、左から順に、信号名、入力/出力の区分、デジタル/アナログの区分、及び、機能が示されている。INPは、アナログ差動入力信号(正側)である。INMは、アナログ差動入力信号(負側)である。BIASは、OTA[Operational Transconductance Amplifier]用基準電流入力信号である。BIAS_SELは、OTA用基準電流生成切替信号(内/外)であり、その論理レベルが「1(ハイレベル)」であるときに基準電流が外部入力される状態となる。VREFPは、基準電圧(正側)である。VREFMは、基準電圧(負側)である。VCOMは、基準電圧(コモン)である。PSAVEは、パワーセーブ設定信号であり、その論理レベルが「1(ハイレベル)」であるときにパワーセーブ状態となる。MCLKは、マスタークロック信号である。D[9:0]は、10ビットのデジタル出力信号である。なお、アナログ差動入力信号INP、INMについては、GNDでシールドを行い、できるだけ隣接させて配線することが望ましい。また、アナログ差動入力信号INP、INMは、クロック系統やデジタル出力信号D[9:0]と交差させず、デジタル回路や発振回路などのノイズ源となる回路付近に配線しないことが望ましい。
(電源・GND)
図3は、パイプライン型A/D変換器1で取り扱われる電源・GNDの一覧表である。AVDDは、アナログ回路用電源である。DVDDは、デジタル回路用電源である。VSSは、アナログ回路/デジタル回路の共用GNDである。なお、AVDD、DVDD、及び、VSSのI/Oはできるだけ分離し、その間は異電源間I/Oで保護することが望ましい。また、各I/OからAVDD、DVDD、及び、VSSの各端子までは、できるだけ太い幅で短く配線することが望ましい。
(タイミング特性)
図4は、パイプライン型A/D変換器1入出力に関するタイミング特性を説明するためのタイミングチャートであり、上から順に、アナログ差動入力電圧VIND(=VINP−VINM)、マスタークロック信号MCLK、パワーセーブ信号PSAVE、及び、デジタル出力信号D[9:0]が描写されている。本図に示すように、パイプライン型A/D変換器1は、パワーセーブ信号PSAVEがローレベルに立ち下がった後、マスタークロック信号MCLKの立上がりエッジをトリガとして、アナログ差動入力電圧VINDのサンプリングを開始する。なお、TACTはパワーセーブ解除後起動時間、TLATEはパイプライン遅延時間、及び、TDLYは出力遅延時間に相当する。
(動作概要)
パイプライン型A/D変換器1は、マスタークロックMCLKの立ち上がりエッジで取り込まれたアナログ差動入力電圧VINDを9ステージの低分解能ADC10−1〜10−9でパイプライン的に変換し、各ステージのデジタル出力をシフトレジスタ+デジタルエラー訂正回路40で補正することにより、10ビットのデジタル出力信号D[9:0]を生成する。
(1.5ビット/ステージ方式)
パイプライン型A/D変換器1は、各ステージからのデジタル出力に冗長性を持たせた1.5ビット/ステージ方式を採用している。この方式を採用することにより、各ステージ毎のサブADC12を形成するコンパレータの閾値誤差が±0.25VREF(±VREF/4)以内に収まっているならば、この閾値誤差に起因するデジタル出力のエラーを訂正することが可能である。
図5A及び図5Bは、それぞれ、エラー訂正の原理を説明するための図(5ビット、4ステージ)であり、図5Aはコンパレータオフセットなし(全てのステージにおいて、コンパレータの正側閾値が+0.25VREF、負側閾値が−0.25VREFに維持されている状態)の場合を示しており、図5Bはコンパレータオフセットあり(第2ステージにおいて、コンパレータの負側閾値が−0.15VREFにずれている状態)の場合を示している。
なお、各ステージ毎のサブADC12は、それぞれ、入力電圧VINが負側閾値よりも低いときにD=「00」、入力電圧VINが負側閾値よりも高く正側閾値よりも低いときにD=「01」、入力電圧VINが正側閾値よりも高いときにD=「10」のデジタル出力を行うものとする。
また、各ステージ毎のMDAC11は、D=「00」のときにVOUT=2×VIN+VREF、D=「01」のときにVOUT=2×VIN、D=「10」のときにVOUT=2×VIN−VREFのアナログ出力を行うものとする。
図5Aの場合、第1ステージは、VIN=+0.4VREFであり、D=「10」となる。第2ステージは、VIN=−0.2VREF(=2×(+0.4VREF)−VREF)であり、D=「01」となる。第3ステージは、VIN=−0.4VREF(=2×(−0.2VREF))であり、D=「00」となる。第4ステージは、VIN=+0.2VREF(=2×(−0.4VREF)+VREF)であり、D=「01」となる。従って、各ステージのデジタル出力を足し合わせて得られる5ビットのデジタル出力信号D[4:0]は「10101」となる。
図5Bの場合、第1ステージは、VIN=+0.4VREFであり、D=「10」となる。第2ステージは、VIN=−0.2VREF(=2×(+0.4VREF)−VREF)であり、D=「00」となる。第3ステージは、VIN=+0.6VREF(=2×(−0.2VREF)+VREF)であり、D=「10」となる。第4ステージは、VIN=+0.2VREF(=2×(+0.6VREF)−VREF)であり、D=「01」となる。従って、各ステージのデジタル出力を足し合わせて得られる5ビットのデジタル出力信号D[4:0]は「10101」となる。これは、図5Aの場合と同様であり、第2ステージのコンパレータに閾値誤差が生じていた場合であっても、これに起因するデジタル出力のエラーが適切に訂正されていることを示す出力結果となっている。
(クロック生成回路)
図6は、クロック生成回路30の一構成例を示すブロック図である。また、図7は、クロック生成回路30の動作を説明するためのタイミングチャートであり、上から順に、マスタークロック信号MCLK、クロックPH1、クロックPH1AB、クロックPH2、及び、クロックPH2ABが描写されている。
9ステージの低分解能ADC10−1〜10−9のうち、奇数段のステージは、サンプリング期間(PH1=「1」)と増幅期間(PH2=「1」)に分かれて動作するため、クロックPH1とクロックPH2は、各々のハイレベル期間が互いに重複しない構成(いわゆるNon-Overlapped Clock構成)となっている。サンプリング期間が終わる(クロックPH1がローレベルに立ち下がる)より少し前にハイレベルに立ち上がるクロックPH1ABは、クロックフィードスルーによってサンプリング容量に浮遊容量が付いてしまう現象を防止するためのボトムプレートサンプリングと、サブADC12を形成するコンパレータのリセットに使用される。一方、偶数段のステージは、奇数段のステージと半サイクルずれて動作するため、クロックPH1とクロックPH2が逆になり、クロックPH1ABがクロックPH2ABに置き換えられるが、基本的な動作は上記と同様である。なお、パワーセーブ状態(PSAVE=「1」)において、各クロックは、PH1=「0」、PH1AB=「1」、PH2=「1」、PH2AB=「0」に固定される。
(サブADC)
図8は、サブADC12の一構成例を示す回路図である。本構成例のサブADC12はコンパレータ121及び122と、エンコーダ123と、Dフリップフロップ124と、を有し、差動アナログ入力電圧VIN(=VINP−VINM)と基準電圧±VREF/4(ただし、VREF=VREFP−VREFM)を比較し、その比較結果に応じた2ビット3値のデジタル値[B1:B0](00、01、10)を出力する(図9を参照)。また、サブADC12は、MDAC11内に設けられている3レベルDAC112の出力切替信号を生成する。
(コンパレータ)
図10は、コンパレータ121の一構成例を示す回路図である。本構成例のコンパレータ121は、トランジスタM1〜M11と、インバータINV1及びINV2と、を有する。なお、トランジスタM1、M3、M5〜M8、及び、M11は、いずれも、Nチャネル型MOS[Metal Oxide Semiconductor]電界効果トランジスタであり、トランジスタM2、M4、M9、及び、M10は、いずれも、Pチャネル型MOS電界効果トランジスタである。
トランジスタM2、M4、M9、及び、M10のソースは、いずれも電源端に接続されている。トランジスタM2及びM9のドレインは、いずれもトランジスタM1のドレインとインバータINV1の入力端に接続されている。トランジスタM4及びM10のドレインは、いずれもトランジスタM3のドレインとインバータINV2の入力端に接続されている。トランジスタM1及びM2のゲートは互いに接続されており、その接続ノードはインバータINV1の入力端に接続されている。トランジスタM3及びM4のゲートは互いに接続されており、その接続ノードはインバータINV1の入力端に接続されている。インバータINV1の出力端は、OUTP_0の出力端に接続されている。インバータINV2の出力端は、OUTM_0の出力端に接続されている。トランジスタM5及びM7のドレインは、いずれもトランジスタM1のソースに接続されている。トランジスタM6及びM8のドレインは、いずれもトランジスタM3のソースに接続されている。トランジスタM5〜M8のソースは、いずれもトランジスタM11のドレインに接続されている。トランジスタM5のゲートは、INPの入力端に接続されている。トランジスタM6のゲートは、INMの入力端に接続されている。トランジスタM7のゲートは、VREFPの印加端に接続されている。トランジスタM8のゲートは、VREFMの印加端に接続されている。トランジスタM11のソースは、接地端に接続されている。トランジスタM9〜M11のゲートは、いずれもリセット信号RESETの入力端に接続されている。
コンパレータ121の入力部を形成するトランジスタM5〜M8は、いずれも線形領域で動作しており、ゲート幅Wのサイズをアナログ入力電圧側(M5、M6):基準電圧側(M7、M8)=4:1に設計することで、−VREF/4の閾値を設定することができる。すなわち、上記構成から成るコンパレータ121において、VIN<−VREF/4のときには、OUTP_0=「0」、OUTM_0=「1」となり、−VREF/4<VINのときには、OUTP_0=「1」、OUTM_0=「0」となる。
また、RESET=「0」のとき、コンパレータ121は、リセット状態(OUTP_0=「0」、OUTM_0=「0」)となる。一方、RESET=「1」のとき、コンパレータ121は、正入力側(M5、M7)と負入力側(M6、M8)との間に生じる電流量の差に応じてトランジスタM1〜M4で構成されたラッチ出力段の出力論理レベルを変化させることにより、VINと−VREF/4との比較動作(すなわち、上記した出力信号OUTP_0、OUTM_0の生成動作)を行う。
なお、図10では、VINと−VREF/4との比較動作を行うコンパレータ121の回路構成を例に挙げて説明を行ったが、VINと+VREF/4との比較動作を行うコンパレータ122の回路構成についても、基本的には上記と同様であり、VREFPとVREFMを逆に接続してやればよい。
(MDAC)
図11A及び図11Bは、9ステージの低分解能ADC10−1〜10−9のうち、奇数段のステージに含まれるMDAC11の一構成例を示す回路図であり、図11Aはサンプリング期間におけるスイッチ状態、図11Bは増幅期間におけるスイッチ状態を各々示している。なお、偶数段のステージに含まれるMDAC11の構成についても、基本的には奇数段のステージに含まれるMDAC11と同様の構成であり、クロックPH1とクロックPH2の入力先を互いに入れ替えると共に、クロックPH1ABに代えてクロックPH2ABを入力すればよい。
本構成例のMDAC11は、全差動型のスイッチドキャパシタ利得段であって、機能ブロック的に見ると、サンプル/ホールド回路111と、3レベルDAC112と、加算器113と、増幅器114と、を有する。サンプル/ホールド回路111及び加算器113は、キャパシタCf1及びCs1と、キャパシタCf2及びCs2と、スイッチSW11〜SW15と、スイッチSW21〜スイッチS25と、を有する。増幅器114は、OTA[Operational Transconductance Amplifier]部114aと、CMFB[Common Mode Feed Back]部114bと、を有する。
スイッチSW11及びSW12の第1端は、いずれもINP入力端に接続されている。スイッチSW11の第2端は、キャパシタCf1の第1端とスイッチSW15の第1端に接続されている。スイッチSW12の第2端は、キャパシタCs1の第1端とスイッチSW13の第1端に接続されている。スイッチSW13の第2端は、3レベルDAC112の第1出力端に接続されている。キャパシタCf1及びCs1の第2端は、いずれもOTA部11aの非反転入力端(+)とスイッチSW14の第1端に接続されている。スイッチSW14の第2端は、IN_CM入力端に接続されている。スイッチSW15の第2端は、OTA部11aの反転出力端(−)に接続されている。
スイッチSW21及びSW22の第1端は、いずれもINM入力端に接続されている。スイッチSW21の第2端は、キャパシタCf2の第1端とスイッチSW25の第1端に接続されている。スイッチSW22の第2端は、キャパシタCs2の第1端とスイッチSW23の第1端に接続されている。スイッチSW23の第2端は、3レベルDAC112の第2出力端に接続されている。キャパシタCf2及びCs2の第2端は、いずれもOTA部11aの反転入力端(−)とスイッチSW24の第1端に接続されている。スイッチSW24の第2端は、IN_CM入力端に接続されている。スイッチSW25の第2端はOTA部11aの非反転出力端(+)に接続されている。
スイッチSW11及びSW12、並びに、スイッチSW21及びSW22は、いずれもクロックPH1に応じてオン/オフされる。スイッチSW14及びSW24は、いずれもクロックPH1ABに応じてオン/オフされる。スイッチSW13及びSW23、並びにスイッチSW15及びSW25は、いずれもクロックPH2に応じてオン/オフされる。
上記構成から成るMDAC11は、図11Aに示したサンプリング期間(クロックPH1=「1」、クロックPH1AB=「0」、クロックPH2=「0」)と、図11Bに示した増幅期間(クロックPH1=「0」、クロックPH1AB=「1」、クロックPH2=「1」)に分かれて動作する。
なお、上記のサンプリング期間には、スイッチSW11及びSW21、スイッチSW12及びSW22、並びに、スイッチSW14及びSW24がいずれもオンされ、スイッチSW13及びSW23、並びに、スイッチSW15及びSW25がいずれもオフされる。従って、サンプリング期間には、アナログ入力電圧(INP、INM)がキャパシタ(Cs、Cf)によってサンプリングされる。また、サンプリング期間には、アナログ出力電圧(OUTP、OUTM)がCMFB部114bによってコモン電圧OUT_CMにショートされる。
サンプリング期間が終わる少し前には、クロックPH1ABがハイレベルに立ち上げられて、キャパシタ(Cs、Cf)の第2端(OTA側)とコモン電圧IN_CMとをショートしていたスイッチSW14及びSW24がオフされる。これによってキャパシタ(Cs、Cf)に蓄えられた電荷の移動を防止し、アナログ入力側のスイッチSW11及びSW22、並びに、スイッチSW12及びSW22をオフしたときのクロックフィードスルーによる影響を防止することができる。このサンプリング方式は、ボトムプレートサンプリングと呼ばれる。同時に、サブADC12では、アナログ入力電圧(INP、INM)と基準電圧との比較が行われる。
一方、上記の増幅期間には、スイッチSW11及びSW21、スイッチSW12及びSW22、並びに、スイッチSW14及びSW24がいずれもオフされ、スイッチSW13及びSW23、並びに、スイッチSW15及びSW25がいずれもオンされる。従って、増幅期間には、キャパシタCs1及びCs2の第1端が3レベルDAC112の出力端に接続され、キャパシタCf1及びCf2の第1端がOTA部114aの出力端に接続されることにより、フィードバックループが形成される。この増幅期間には、キャパシタ(Cs、Cf)のサンプリング出力と、サブADC12の比較結果に応じた3レベルDAC112の出力(−VREF、0、+VREF)との加算処理が行われると同時に、その加算出力が2倍のゲインで増幅されて次ステージに伝達される。
図12は、MDAC11の伝達特性を示す図である。VIN<−VREF/4のときには、VOUT=2×VIN+VREFとなる。−VREF/4≦VIN<+VREF/4のときには、VOUT=2×VINとなる。+VREF/4≦VINのときには、VOUT=2×VIN−VREFとなる。
(OTA部、CMFB部)
図13は、OTA部114aの一構成例を示す回路図である。本構成例のOTA部114aは、プリアンプ段Xと、カスコード出力段Yと、ミラー補償部Zと、を有する完全差動型とされている。プリアンプ段Xは、Nチャネル型MOS電界効果トランジスタN11〜N15を有する。カスコード出力段Yは、Pチャネル型MOS電界効果トランジスタP11〜P14と、Nチャネル型MOS電界効果トランジスタN18及びN19と、を有する。ミラー補償部Zは、キャパシタCm1及びCm2と、スイッチSW1及びSW2と、を有する。
トランジスタN11及びN12のドレインは、いずれも電源端(不図示)に接続されている。トランジスタN11及びN12のゲートは、いずれもCMFB入力端に接続されている。トランジスタN11及びN12のソースは、それぞれトランジスタN13及びN14のドレインに接続されている。トランジスタN13及びN14のソースは、いずれもトランジスタN15のドレインに接続されている。トランジスタN13のゲートは、INM入力端に接続されている。トランジスタN14のゲートは、INP入力端に接続されている。トランジスタN15のゲートは、NCS入力端に接続されている。トランジスタN15のソースは、接地端(不図示)に接続されている。
トランジスタP11及びP12のソースは、いずれも電源端(不図示)に接続されている。トランジスタP11及びP12ゲートは、いずれもPCS入力端に接続されている。トランジスタP11及びP12のドレインは、それぞれトランジスタP13及びP14のソースに接続されている。トランジスタP13及びP14のゲートは、いずれもPCG入力端に接続されている。トランジスタP13のドレインは、トランジスタN16のドレインとOUTM出力端に接続されている。トランジスタP14のドレインは、トランジスタN17のドレインとOUTP出力端に接続されている。トランジスタN16及びN17のゲートは、いずれもNCG入力端に接続されている。トランジスタN16及びN17のソースは、それぞれトランジスタN18及びN19のドレインに接続されている。トランジスタN18のゲートは、トランジスタN11のソースとトランジスタN13のドレインとの接続ノードに接続されている。トランジスタN19のゲートは、トランジスタN12のソースとトランジスタN14のドレインとの接続ノードに接続されている。トランジスタN18及びN19のソースは、いずれも接地端(不図示)に接続されている。
キャパシタCm1の第1端は、トランジスタN19のゲートに接続されている。キャパシタCm1の第2端は、スイッチSW1の第1端に接続されている。スイッチSW1の第2端は、OUTP出力端に接続されている。キャパシタCm2の第1端は、トランジスタN18のゲートに接続されている。キャパシタCm2の第2端は、スイッチSW2の第1端に接続されている。スイッチSW2の第2端は、OUTM出力端に接続されている。なお、スイッチSW1及びSW2は、いずれもクロックPH1に応じてオン/オフされる。
図14は、CMFB部114bの一構成例を示す回路図である。CMFB部114bは完全差動型のOTA部114aを用いる際に必要となる回路ブロックであり、本構成例のCMFB部114bは、OTA部114aの出力振幅を確保するために、キャパシタC1及びC2と、スイッチSW3〜SW5と、を有する構成(スイッチドキャパシタ型)とされている。キャパシタC1の第1端は、OUTP入力端に接続されるとともに、スイッチSW3を介して、OUT_CM入力端にも接続されている。キャパシタC2の第1端は、OUTM入力端に接続されるとともに、スイッチSW4を介してOUT_CM入力端にも接続されている。キャパシタC1及びC2の第2端は、いずれもCMFB出力端に接続されるとともに、スイッチSW5を介してNCM入力端にも接続されている。なお、スイッチSW3〜SW5は、いずれもクロックPH1に応じてオン/オフされる。
図13で示したように、本構成例のOTA部114aは、その利得段間(より具体的には、カスコード出力段Yの入出力間)に、ミラー補償部Zを有する構成とされている。このような構成とすることにより、OTA部114aの位相余裕度を改善することができるので、出力のオーバーシュートやリンギングを低減して、セトリング時間を短縮することが可能となる。
図15は、ミラー補償動作を説明するためのタイミングチャートであり、上から順に、クロックPH1、クロックPH1AB、クロックPH2、クロックPH2AB、及び、出力電圧Vout(=OUTP−OUTM)が描写されている。なお、出力電圧Voutについて、実線はミラー補償部Zを設けた場合の出力挙動を示しており、破線はミラー補償部Zを設けていない場合の出力挙動(従来挙動)を示している。
ただし、ミラー補償部Zとして単純にキャパシタCm1及びCm2を付加しただけではMDAC11(スイッチドキャパシタ利得段)の出力容量値が増加するため、OTA部114aの出力電流を増やさなければセトリング時間が逆に長くなってしまう場合がある。
そこで、本構成例のOTA部114aは、ミラー補償部Zを形成する回路要素として、キャパシタCm1及びCm2に直列接続されるスイッチSW1及びSW2を追加し、クロックPH1に応じて、MDAC11(スイッチドキャパシタ利得段)のサンプリング動作時にのみ、カスコード出力段Yの入出力間にキャパシタCm1及びCm2を組み込む構成とされている。
このような構成とすることにより、OTA部114aの出力電流を不要に増大させることなく、出力のオーバーシュートやリンギングを低減し、セトリング時間を短縮することが可能となる。
特に、パイプライン型A/D変換器1は、複数のMDAC11(スイッチドキャパシタ利得段)が縦列に接続され、前段の出力電圧が次段でサンプリングされる構成となっている。従って、上記の構成を採用することにより、各段のスイッチドキャパシタ利得段で生成される出力電圧のセトリング時間を短縮してやれば、次段がより早くサンプリング動作を開始することができるようになるので、回路全体の消費電流を増やすことなく、パイプライン型A/D変換器1の動作速度を向上させることが可能となる。
なお、図13及び図14では、奇数段のステージに含まれるOTA部114a及びCMFB部114bを例に挙げて説明を行ったが、偶数段のステージに含まれるOTA部114a及びCMFB部114bの構成についても、基本的には奇数段のステージに含まれるOTA部114a及びCMFB部114bと同様の構成であり、クロックPH1に代えてクロックPH2を入力すればよい。
(バイアス回路)
図16は、バイアス回路20の一構成例を示す回路図である。本構成例のバイアス回路20は、MDAC11のサンプリング期間におけるコモン電圧IN_CMと、OTA部114aの各種バイアス電圧(PCS、PCG、NCM、NCG、NCS)を生成する回路ブロックであり、基準電流生成部21と、低電圧カスコードカレントミラー部22と、パワーセーブ部23と、を有する。
なお、バイアス回路20は、パワーセーブ時(PSAVE=「1」)において、基準電流生成部21をスイッチ211で切り離すとともに、PMOS側出力(PCS、PCG)を電源電圧(AVDD)にプルアップし、NMOS側出力(NCM、NCG、NCS)を基準電圧(VSS)にプルダウンすることで、OTA部114aに流れる電流経路を遮断する機能を備えている。
(シフトレジスタ+デジタルエラー訂正回路)
図17は、シフトレジスタ+デジタルエラー訂正回路40の構成例を示すブロック図である。本構成例のシフトレジスタ+デジタルエラー訂正回路40は、シフトレジスタ41とデジタルエラー訂正回路42を有する。
シフトレジスタ41では、各ステージの1.5ビット出力(Ik_B1、Ik_B0、ただし、k=1〜9)が半サイクルずつ遅れるため、デジタルエラー訂正回路42への出力タイミングを揃えるために、クロックPH1及びPH2をトリガとして動作するDフリップフロップを複数段有している。
例えば、第1ステージの1.5ビット出力(I1_B1、I1_B0)の出力タイミングを第9ステージの2ビット出力(I9_B1、I9_B0)の出力タイミングに揃えるには、クロックPH2をトリガとして動作するDフリップフロップ4段(第2、第4、第6、及び、第8ステージに相当する遅延段)と、クロックPH1をトリガとして動作するDフリップフロップ4段(第3、第5、第7、及び、第9ステージに相当する遅延段)を縦列に用意しておき、これら8段のDフリップフロップを介して第1ステージの1.5ビット出力(I1_B1、I1_B0)をデジタルエラー訂正回路42に出力すればよい。一方、第8ステージの1.5ビット出力(I8_B1、I8_B0)の出力タイミングを第9ステージの2ビット出力(I9_B1、I9_B0)の出力タイミングに揃えるためには、クロックPH1をトリガとして動作するDフリップフロップ(第9ステージに相当する遅延段)を1段だけ用意しておき、これを介して、第8ステージの1.5ビット出力(I8_B1、I8_B0)をデジタルエラー訂正回路42に出力すればよい。
デジタルエラー訂正回路42は、8つの全加算器(FA:Full Adder)を用いて、Nステージ目のLSB(最下位ビット)と(N+1)ステージ目のMSB(最上位ビット)をオーバーラップして足し合わせることにより、サブADC12に含まれるコンパレータのオフセットに起因するデジタル出力エラーを訂正した後(詳細については、先出の図3A及び図3Bを参照)、クロックPH2をトリガとして動作する10桁分のDフリップフロップから10ビットのデジタル信号D[9:0]をパラレルに出力する。
なお、上記の実施形態では、パイプライン型A/D変換器に用いられるスイッチドキャパシタ利得段に本発明を適用した構成を例に挙げて説明を行ったが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、その他の用途に供されるスイッチドキャパシタ利得段にも広く適用することが可能である。
また、本発明の構成は、上記実施形態のほか、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
例えば、上記実施形態では、低分解能ADC10−1〜10−9として、各ステージからのデジタル出力に冗長性を持たせた1.5ビット/ステージ方式を採用した構成を例に挙げて説明を行ったが、本発明の構成はこれに限定されるものではなく、より単純な1ビット/ステージ方式を採用しても構わない。
また、上記実施形態では、ステージを9段接続させた10ビットのA/D変換器について、本発明を適用した構成を例に挙げて説明を行ったが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、ステージの接続数を9段以外にしたA/D変換器に本発明を適用しても構わない。言い換えると、本発明の適用対象は、10ビットのA/D変換器に限定されるものではない。
また、上記実施形態では、MDAC11に含まれる増幅器114の利得を2に設定した構成を例に挙げて説明を行ったが、本発明の構成はこれに限定されるものではなく、増幅器114の利得を2以外に設定しても構わない。
また、上記実施形態では、MDAC11として全差動型のスイッチドキャパシタ利得段を採用した構成を例に挙げて説明を行ったが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、シングルエンド型スイッチドキャパシタ利得段を採用することも可能である。
図18A及び図18Bは、それぞれ、シングルエンド型スイッチドキャパシタ利得段の一構成例を示す回路図であり、図18Aはサンプリング期間におけるスイッチ状態、図18Bは増幅期間におけるスイッチ状態を各々示している。
本構成例のスイッチドキャパシタ利得段は、キャパシタCf、Cs、及び、Cmと、スイッチSWa〜SWgと、アンプAMP1及びAMP2と、を有する。スイッチSWa及びSWbの第1端は、いずれもVin入力端に接続されている。スイッチSWaの第2端は、キャパシタCfの第1端とスイッチSWeの第1端に接続されている。スイッチSWbの第2端は、キャパシタCsの第1端に接続されている。なお、本図では描写が省略されているが、本構成例のスイッチドキャパシタ利得段をパイプライン型A/D変換器のMDACとして用いる場合には、クロックPH2に応じてオン/オフされるスイッチを介して、スイッチSWbの第2端を3レベルDACの出力端に接続すればよい。
キャパシタCf及びCsの第2端は、いずれもスイッチSWc及びSWdの各第1端に接続されている。スイッチSWcの第2端は、コモン電圧端に接続されている。スイッチSWdの第2端は、アンプAMP1の第1入力端とスイッチSWfの第1端に接続されている。アンプAMP1の第2入力端は、コモン電圧端に接続されている。アンプAMPの出力端は、アンプAMP2の入力端に接続されている。アンプAMP2の出力端は、Vout出力端に接続されている。スイッチSWe及びSWfの第2端は、いずれもVout出力端に接続されている。
キャパシタCmの第1端は、アンプAMP2の入力端に接続されている。キャパシタCmの第2端は、スイッチSWgの第1端に接続されている。スイッチSWgの第2端は、アンプAMP2の出力端に接続されている。
スイッチSWa、SWb、SWf、及び、SWgは、いずれもクロックPH1に応じてオン/オフされる。スイッチSWcは、クロックPH1ABに応じてオン/オフされる。スイッチSWd及びSWeは、いずれもクロックPH2に応じてオン/オフされる。
上記構成から成るスイッチドキャパシタ利得段は、図18Aに示したサンプリング期間(クロックPH1=「1」、クロックPH1AB=「0」、クロックPH2=「0」)と図18Bに示した増幅期間(クロックPH1=「0」、クロックPH1AB=「1」、クロックPH2=「1」)に分かれて動作する。
なお、上記のサンプリング期間には、スイッチSWa、SWb、SWc、SWf、及びSWgがいずれもオンされ、スイッチSWd及びSWeがいずれもオフされる。従って、サンプリング期間には、アナログ入力電圧Vinがキャパシタ(Cs、Cf)によってサンプリングされる。また、サンプリング期間には、アナログ出力電圧VoutがスイッチSWfを介してアンプAMP1の第1入力端に帰還入力され、第2入力端のコモン電圧とイマジナリショートされる。
サンプリング期間が終わる少し前には、クロックPH1ABがハイレベルに立ち上げられて、キャパシタ(Cs、Cf)の第2端(アンプAMP1側)とコモン電圧とをショートしていたスイッチSWcがオフされる。これによってキャパシタ(Cs、Cf)に蓄えられた電荷の移動を防止し、アナログ入力側のスイッチSWa及びSWbをオフしたときのクロックフィードスルーによる影響を防止することができる。なお、本構成例のスイッチドキャパシタ利得段をパイプライン型A/D変換器のMDACとして用いる場合には、上記のサンプリング動作と同時に、不図示のサブADCを用いてアナログ入力電圧Vinと基準電圧との比較が行われる。
一方、上記の増幅期間には、スイッチSWa、SWb、SWc、SWf、及び、SWgがいずれもオフされ、スイッチSWd及びSWeがいずれもオンされる。従って、増幅期間には、キャパシタCfの第1端がスイッチSWeを介してアンプAMP2の出力端に接続されることにより、フィードバックループが形成され、キャパシタ(Cs、Cf)のサンプリング出力がアンプAMP1及びAMP2を介して増幅出力される。なお、本構成例のスイッチドキャパシタ利得段をパイプライン型A/D変換器のMDACとして用いる場合には、増幅期間において、キャパシタCsの第1端が不図示の3レベルDACの出力端に接続され、キャパシタ(Cs、Cf)のサンプリング出力と、サブADCの比較結果に応じた3レベルDACの出力(−VREF、0、+VREF)との加算処理が行われる。
ここで、本構成例のスイッチドキャパシタ利得段は、その利得段間(より具体的には、アンプAMP2の入出力間)に、キャパシタCmとスイッチSWgから成るミラー補償部を有し、クロックPH1に応じてスイッチドキャパシタ利得段のサンプリング動作時にのみ、アンプAMP2の入出力間にキャパシタCmを組み込む構成とされている。このような構成とすることにより、アンプAMP1及びAMP2の出力電流を不要に増大させることなく、その位相余裕度を改善することができるので、出力電圧Voutのオーバーシュートやリンギングを低減して、セトリング時間を短縮することが可能となる。
本発明は、例えば、スイッチドキャパシタ利得段を用いたパイプライン型A/D変換器の消費電流を増やすことなく、その動作速度を向上させるための技術として、有用に利用することが可能である。
1 パイプライン型A/D変換器
10−1〜10−9 低分解能ADC
11 乗算型DAC(MDAC)
111 サンプル/ホールド回路
112 3レベルDAC(オフセット決定部)
113 加算器
114 増幅器
114a OTA部
114b CMFB部
12 サブADC
121、122 コンパレータ
123 エンコーダ
124 Dフリップフロップ
20 バイアス回路
21 基準電流生成部
22 カスコードカレントミラー部
23 パワーセーブ部
30 クロック生成回路
40 シフトレジスタ+デジタルエラー訂正回路
41 シフトレジスタ
42 デジタルエラー訂正回路
50 バッファ
M1〜M11 トランジスタ
INV1、INV2 インバータ
Cs1、Cs2、Cs キャパシタ(サンプリング用)
Cf1、Cf2、Cf キャパシタ(フィードバック用)
SW11〜SW15、SW21〜SW25 スイッチ
X プリアンプ段
Y カスコード出力段
N11〜N19 Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ
P11〜P14 Pチャネル型MOS電界効果トランジスタ
Cm1、Cm2、Cm キャパシタ(ミラー補償用)
SW1〜SW5 スイッチ
C1、C2 キャパシタ
SWa〜SWg スイッチ
AMP1、AMP2 アンプ

Claims (6)

  1. 第1フェーズではサンプル/ホールド回路を用いて入力電圧のサンプリングを行い、第2フェーズでは増幅器を用いてサンプリング済み入力電圧の増幅出力を行うスイッチドキャパシタ利得段において、
    前記入力電圧のサンプリング動作時にのみ、前記増幅器のミラー補償を行うミラー補償部を有することを特徴とするスイッチドキャパシタ利得段。
  2. 前記ミラー補償部は、前記増幅器の利得段間に接続されたキャパシタと、前記キャパシタに直列接続されて前記入力電圧のサンプリング動作時にのみオンされるスイッチと、を有することを特徴とする請求項1に記載のスイッチドキャパシタ利得段。
  3. アナログ入力電圧を複数ステージの低分解能ADCでパイプライン的に変換し、各ステージのデジタル出力に基づいて複数ビットのデジタル出力信号を生成するパイプライン型アナログ/デジタル変換器であって、
    前記複数ステージの低分解能ADCは、それぞれ、
    前記アナログ入力電圧と基準電圧とを比較するサブADCと、
    前記サブADCの比較結果に基づいてオフセットを決定するオフセット決定部と、
    前記アナログ入力電圧を所定の利得倍に増幅した上で前記オフセットを与えて出力する請求項1または請求項2に記載のスイッチドキャパシタ利得段と、
    を有することを特徴とするパイプライン型A/D変換器。
  4. 前記複数ステージの低分解能ADCで各々得られる1.5ビットないし2ビットのデジタル出力を同一のタイミングでパラレルに出力するシフトレジスタと、
    前記シフトレジスタから出力されるNステージ目の最下位ビットと(N+1)ステージ目の最上位ビットをオーバーラップして足し合わせることにより、最終的なデジタル出力信号を生成するデジタルエラー訂正回路と、
    を有することを特徴とする請求項3に記載のパイプライン型A/D変換器。
  5. 前記複数ステージの低分解能ADCは、各々の入出力形式が全差動型であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のパイプライン型A/D変換器。
  6. 前記複数ステージの低分解能ADCは、各々の入出力形式がシングルエンド型であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のパイプライン型A/D変換器。
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