JP2011238486A - 二次電池およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】生産性の向上を図ることが可能な二次電池を提供する。
【解決手段】この二次電池は、側部11bに注液口10aが形成された電池缶10と、電池缶10の内部に収納された電極群1と、注液口10aから電池缶10の内部に注液されることによって電極群1に浸透された電解液とを備えている。そして、側部11cが電極群1を挟んで側部11bと対向する側に配置されており、電解液を側部11b側から側部11c側に向かって流動させるための流路10aが電池缶10の内部に設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、二次電池およびその製造方法に関し、特に、電極群が筐体の内部に収納されている二次電池およびその製造方法に関する。
近年、ノート型パソコンや携帯電話などの携帯機器においては、その電源として、高エネルギー密度を持つリチウム二次電池が広く用いられている。さらに、リチウム二次電池は、特に長寿命を要求される電力貯蔵用蓄電池や電気自動車(ハイブリッド車)用蓄電池としての利用も検討されている。
従来から知られているリチウム二次電池の構成の一例を簡単に説明すると、筐体としては缶(以下、電池缶と言う)が用いられており、その電池缶の内部に電極群が収納されている(たとえば、特許文献1参照)。
電池缶の内部に収納される電極群は、正極板および負極板を含んでおり、それら正極板および負極板がセパレータによって互いに電気的に絶縁された構造を有している。言い換えると、正極板および負極板は、セパレータを挟んで互いに対向するように重ね合わされている。そして、セパレータを挟み込んだ正極板および負極板は捲回され、その状態で電池缶の内部に収納されている。
また、電池缶の内部には電解液が注液されており、その電解液は、電極群(正極板、負極板およびセパレータ)に浸透されている。
なお、電池缶の壁部のうちの所定の壁部には、電池缶の内部に電解液を注液するための注液口が形成されている。そして、リチウム二次電池の製造工程の1つである電解液の注液工程の際に、注液口から電池缶の内部に電解液が注液されることによって、電極群に電解液が浸透される。
特開2006−318892号公報
上記した従来のリチウム二次電池の構成では、電解液の注液工程の際に、注液口から電池缶の内部に電解液を注液すると、電池缶の内部のうちの注液口側(電池缶の注液口が形成された所定の壁部側)の領域に電解液が流れ込み、注液口側に位置する電極群の部分からの電解液の染み込みは良好になされる。その一方、電池缶の内部のうちの注液口側とは反対側の領域には電解液が流れ込み難いので、注液口側とは反対側に位置する電極群の部分からの電解液の染み込みについては少ない。このため、特に、リチウム二次電池が大型である場合、すなわち、電極群のサイズが比較的大きい場合には、電極群への電解液の浸透が十分になされるまでの時間が長くなるので、電解液の注液工程に多くの時間をとられてしまう。その結果、リチウム二次電池の製造速度が遅くなり、生産性を向上させるのが困難になるという問題がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、生産性の向上を図ることが可能な二次電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の局面による二次電池は、所定領域を囲む複数の壁部を有し、その所定領域が収納領域とされているとともに、複数の壁部のうちの第1壁部の側に注液口が形成された筐体と、収納領域に収納され、正極および負極を少なくとも含む電極群と、注液口から収納領域に注液されることによって電極群に浸透された電解液とを備えている。そして、複数の壁部のうちの第2壁部が電極群を挟んで第1壁部と対向する側に配置されており、電解液を第1壁部側から第2壁部側に向かって流動させるための流動促進用の流路が収納領域に設けられている。なお、本発明の「流路」とは、電極群と筐体の壁部との間の隙間などではないし、筐体の剛性を高める目的で形成されたリブによって生じる溝部などでもない。
第1の局面による二次電池では、上記のように、電解液を第1壁部側から第2壁部側に向かって流動させるための流動促進用の流路を収納領域に設けることによって、注液口から収納領域に注液した電解液を電極群に浸透させる工程(電解液の注液工程)の際に、電極群への電解液の浸透速度を速くすることができる。具体的に言うと、注液口から収納領域に電解液が注液された場合(収納領域の第1壁部側に電解液が注液された場合)、その電解液は、電極群の第1壁部側の部分から電極群に染み込んでいく一方、流路にも流れ込んでいく。そして、流路に流れ込んだ電解液は、第1壁部側から第2壁部側に向かって流動するとともに、電極群の第2壁部側の部分からも電極群に染み込んでいく。すなわち、注液口から収納領域に電解液が注液されると、電極群の第1壁部側の部分および電極群の第2壁部側の部分の両方から電極群に電解液が染み込んでいくことになるので、電極群への電解液の染み込みが速やかになされる。これにより、電極群への電解液の浸透が十分になされるまでの時間が短くなり、電解液の注液工程が短縮される。その結果、二次電池の製造速度が速くなるので、生産性を向上させることができる。また、この場合には、電極群への電解液の浸透が良好に行われるので、二次電池を安定して製造することもできる。
上記第1の局面による二次電池において、流路の形状が溝形状であることが好ましい。このように構成すれば、流路に流れ込んだ電解液を第1壁部側から第2壁部側に向かって良好にガイドすることができる。
上記第1の局面による二次電池において、第1壁部から第2壁部に向かう方向に流路が直線的に延びていることが好ましい。このように構成すれば、速やかに、流路に流れ込んだ電解液が第1壁部側から第2壁部側に達する。すなわち、電解液を注液口から収納領域に注液した後に、その電解液が第1壁部側を経て第2壁部側に達するまでの時間が短縮される。これにより、電極群の第2壁部側の部分への電解液の染み込みの開始を早めることができる。
第1壁部から第2壁部に向かう方向に流路が直線的に延びている構成において、流路に沿って延びる直線上に注液口が配置されていることが好ましい。このように構成すれば、注液口から収納領域に注液された電解液の流路への流れ込みがより平易になる。
第1壁部から第2壁部に向かう方向に流路が直線的に延びている構成において、流路の一方の端部が注液口の近傍に配置されていることが好ましい。このように構成すれば、注液口から収納領域に注液された電解液が流路に流れ込み易くなる。このため、注液口から収納領域に注液された電解液の第1壁部側から第2壁部側への流動を良好に行うことができる。
さらに、流路の一方の端部が注液口の近傍に配置されている構成において、流路の一方の端部とは反対側の他方の端部が第2壁部の近傍に配置されていることがより好ましい。このように構成すれば、確実に、流路に流れ込んだ電解液を第1壁部側から第2壁部側に達せさせることができる。
また、第1壁部側から第2壁部側に向かう方向に流路が直線的に延びている構成において、その流路が第1壁部側から第2壁部側に達するまで連続して延びていることが好ましい。このように構成すれば、より速やかに、流路に流れ込んだ電解液を第1壁部側から第2壁部側に向かって流動させることができる。
上記第1の局面による二次電池において、複数の壁部のうちの第3壁部の両端に第1壁部および第2壁部がそれぞれ立設されており、第3壁部の収納領域側に流路が設けられていることが好ましい。このように構成すれば、第3壁部は第1壁部と第2壁部とを繋ぐ壁部であるため、注液口から収納領域に電解液を注液したときに、容易に、電解液を第1壁部側から第2壁部側に向かって良好に流動させることができる。
また、両端に第1壁部および第2壁部がそれぞれ立設された第3壁部の収納領域側に流路が設けられている構成において、底部および底部の外縁に立設された側部を有する収納容器と、収納容器の底部と対向する側の開口を塞ぐ蓋とを含むものが筐体として用いられているとともに、収納容器の底部上に電極群が載置された状態で収納容器の開口が蓋で塞がれており、収納容器の側部のうちの所定側の部分が第1壁部とされているとともに、収納容器の側部のうちの所定側とは反対側の部分が第2壁部とされ、収納容器の底部および蓋の少なくとも一方が第3壁部とされていてもよい。
この場合、第3壁部のうちの電極群と重畳しない箇所に流路の第1壁部側の端部が配置されていることが好ましく、さらに、第3壁部のうちの電極群と重畳しない箇所に流路の第2壁部側の端部が配置されていることがより好ましい。このように構成すれば、注液口から注液された電解液の流路への流れ込みがより良好になり、かつ、その電解液をより確実に第1壁部側から第2壁部側に達せさせることができる。
上記第1の局面による二次電池において、複数の壁部の一部を収納領域側から外側に向かって凹ますことで得られる凹部が流路とされていることが好ましい。このように構成すれば、容易に、収納領域に流路が設けられた構造を得ることができる。
上記第1の局面による二次電池において、複数の壁部の収納領域側の一部上に板状部材が取り付けられているとともに、第1壁部から第2壁部に向かう方向に延びる溝部が板状部材に形成されており、その板状部材の溝部が流路とされていてもよい。このように構成すれば、容易に、収納領域に流路が設けられた構造を得ることができる。また、筐体の剛性を高めることもできる。
上記第1の局面による二次電池において、電極群が少なくとも2つに分離されているとともに、少なくとも2つに分離された電極群の間の間隙が第1壁部から第2壁部に向かう方向に延びており、その間隙が流路とされていてもよい。このように構成すれば、収納領域に流路が設けられた構造を容易に得ることができる。
また、この構成において、少なくとも2つに分離された電極群を固定するための固体部材が間隙に挿入されているとともに、第1壁部から第2壁部に向かう方向に延びる溝部が固定部材に形成されており、その固定部材の溝部が流路とされていてもよい。このように構成すれば、少なくとも2つに分離された電極群を固定しながら、収納領域に流路が設けられた構造を得ることができる。
上記第1の局面による二次電池において、流路が収納領域に複数設けられていれば、二次電池が大型である場合、すなわち、電極群(電極群が収納される収納領域)が比較的大きい場合に、良好に、注液口から収納領域に注液された電解液を第1壁部側から第2壁部側に向かって流動させることができる。
また、上記第1の局面による二次電池において、収納領域が長方形状となっており、第1壁部および第2壁部が収納領域の短手方向に電極群を挟んで互いに対向配置されているとともに、収納領域の短手方向に流路が延びていてもよい。このように構成すれば、収納領域が長方形状の場合に、注液口から注液された電解液の第1壁部側から第2壁部側への流動が速くなり、電極群の第2壁部側の部分への電解液の染み込みの開始を早くすることができる。
本発明の第2の局面による二次電池の製造方法は、所定領域を囲む複数の壁部を有し、その所定領域が収納領域とされているとともに、複数の壁部のうちの第1壁部の側に注液口が形成された筐体を準備する工程と、正極および負極を少なくとも含む電極群を収納領域に収納する工程と、注液口から収納領域に電解液を注液することによって、電極群に電解液を浸透させる工程とを備えている。そして、筐体を準備する工程は、複数の壁部のうちの第2壁部が電極群を挟んで第1壁部と対向する側に配置されているとすると、電解液を第1壁部側から第2壁部側に向かって流動させるための流動促進用の流路を収納領域に設ける工程を含み、電極群に電解液を浸透させる工程は、注液口から収納領域に電解液を注液する際に、少なくとも一度、第1壁部が上側で第2壁部が下側となるように筐体を傾ける工程を含んでいる。
第2の局面では、上記のような工程を経て二次電池を製造することによって、生産性が向上し、二次電池の安定した製造を行うことができる。
以上のように、本発明によれば、容易に、生産性の向上を図ることができる。
第1実施形態による二次電池の分解斜視図である。 第1実施形態による二次電池の電極群の分解斜視図である。 第1実施形態による二次電池の斜視図(収納容器の開口が蓋で塞がれた状態の図)である。 第1実施形態による二次電池の断面図(電池缶の内部に電極群が収納された状態の図)である。 第1実施形態による二次電池の電池缶の内部の平面図(蓋が省略された図)である。 図5の100−100線に沿った断面に対応する図である。 図5の200−200線に沿った断面に対応する図である。 第1実施形態による二次電池の電池缶の内部に電解液を注液したときの状態を表した図である。 第1実施形態による二次電池の電池缶の内部に電解液を注液したときの状態を表した図である。 第1実施形態の第1変形例による二次電池の電池缶(蓋)の平面図である。 図10の100−100線に沿った断面に対応する図である。 図10の200−200線に沿った断面に対応する図である。 第1実施形態の第2変形例による二次電池の電池缶の内部の平面図(蓋が省略された図)である。 第2実施形態による二次電池の電池缶の内部の平面図(蓋が省略された図)である。 図14の100−100線に沿った断面に対応する図である。 図14の200−200線に沿った断面に対応する図である。 第2実施形態による二次電池の電池缶の内部に電解液を注液したときの状態を表した図である。 第2実施形態による二次電池の電池缶の内部に電解液を注液したときの状態を表した図である。 第3実施形態による二次電池の電池缶の内部の平面図(蓋が省略された図)である。 図19の100−100線に沿った断面に対応する図である。 図19の200−200線に沿った断面に対応する図である。 第3実施形態による二次電池の電池缶の内部に電解液を注液したときの状態を表した図である。 第3実施形態による二次電池の電池缶の内部に電解液を注液したときの状態を表した図である。 比較例による二次電池の電池缶の内部の平面図(蓋を省略した図)である。 図24の100−100線に沿った断面に対応する図である。 図24の200−200線に沿った断面に対応する図である。 比較例による二次電池の電池缶の内部に電解液を注液したときの状態を表した図である。 比較例による二次電池の電池缶の内部に電解液を注液したときの状態を表した図である。 本発明の効果を確認するために行った実験の結果を示すグラフである。 本発明の効果を確認するために行った実験の結果を示すグラフである。 本発明の効果を確認するために行った実験の結果を示すグラフである。 第4実施形態による二次電池の電池缶の内部の平面図(蓋が省略された図)である。 図32の200−200線に沿った断面に対応する図である。 第4実施形態による二次電池の電池缶の内部(収納容器の底部上)に取り付けられた板状部材の斜視図である。 第5実施形態による二次電池の分解斜視図である。 第5実施形態による二次電池の電池缶の内部の平面図(蓋が省略された図)である。 図36の200−200線に沿った断面に対応する図である。 第5実施形態の変形例による二次電池の分解斜視図である。 本発明の変形例による二次電池の断面図である。
(第1実施形態)
以下に、図1〜図7を参照して、第1実施形態による二次電池としてのリチウム二次電池の構成について説明する。なお、以下に説明する第1実施形態によるリチウム二次電池は、単電池容量が10Ah以上(好ましくは、50Ah以上)の蓄電池として使用するのに好適であって、長寿命を要求される蓄電池、たとえば、電力貯蔵用蓄電池や電気自動車(ハイブリッド車)用蓄電池などに適用可能なものである。
具体的な構造としては、第1実施形態によるリチウム二次電池は、図1に示すように、電極群1と、その電極群1が内部に収納される電池缶10とを少なくとも備えている。なお、電池缶10は、本発明の「筐体」の一例である。
電池缶10に収納される電極群1は、図2に示すように、複数の電極板(正極2および負極3)を含んでいるとともに、電極板としての正極2および負極3が1つずつ交互に積層された積層構造となっている。また、電極群1は、正極2および負極3に加えて、正極2と負極3との間に挟み込まれたセパレータ4をさらに含んでいる。そして、そのセパレータ4によって、正極2と負極3との間において絶縁が図られている。また、電極群1(正極2、負極3およびセパレータ4)には、正極2と負極3との間でリチウムイオンの移動を可能にするための電解液が浸透されている。
電極群1のうちの正極2は、正極活物質からなる正極活物質層2aが正極集電体(たとえば、アルミニウム箔)2bの両面上に形成された構造となっている。なお、正極2の構造は特に限定されるものではなく、少なくとも正極活物質を含む構造であればよい。
正極2の正極活物質(正極活物質層3aの構成材料)としては、リチウムが含有された酸化物(LiCoO2、LiNiO2、LiFeO2、LiMnO2およびLiMn24)や、その酸化物の遷移金属の一部を他の金属元素で置換した化合物などが挙げられる。なかでも、通常の使用において正極2が保有するリチウムの80%以上を電池反応に利用し得るものを正極活物質として用いれば、過充電などの事故に対する安全性を高めることができる。このような正極活物質としては、LiMn24のようなスピネル構造の化合物や、LiMPO4(Mは、Co、Ni、MnおよびFeから選ばれる1種以上の元素)で表されるオリビン構造の化合物などがある。特に、コストを考慮すると、MnおよびFeのうちの少なくとも一方を含むものを正極活物質として用いるのが好ましく、また、安全性および充電電圧などを考慮すると、LiFePO4を正極活物質として用いるのが好ましい。なお、LiFePO4が安全性に優れているのは、全ての酸素が強固な共有結合によって燐と結合されており、それによって温度上昇による酸素の放出が起こり難くなるためである。
なお、正極2の正極活物質層2aに、正極活物質に加えて、導電材、増粘材および結着材などの正極活物質以外の材料が含有されていてもよい。
正極2の導電材としては、化学的に安定なものを使用するのが好ましい。具体的には、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、グラファイト(天然黒鉛および人造黒鉛)および炭素繊維などの炭素質材料や、導電性金属酸化物などが挙げられる。
正極2の増粘材としては、ポリエチレングリコール類、セルロース類、ポリアクリルアミド類、ポリN−ビニルアミド類およびポリN−ビニルピロリドン類などが挙げられる。このなかでも、ポリエチレングリコール類やセルロース類が好ましく、特に、カルボキシメチルセルロース(CMC)がより好ましい。
正極2の結着材としては、フッ素系ポリマー、ポリオレフィン系ポリマーおよびスチレンブタジエンゴムなどが挙げられる。なお、フッ素系ポリマーには、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリビニルピリジンおよびポリテトラフルオロエチレンなどがあり、ポリオレフィン系ポリマーには、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどがある。
そして、正極2の結着材、増粘材および導電材の混合比としては、それらの種類によって異なるが、100重量部の正極活物質に対して、結着材が1重量部〜50重量部程度、増粘材が0.1重量部〜20重量部程度、導電材が0.1重量部〜50重量部程度であればよい。
このような混合比から外れた比率で各材料(結着材、増粘材および導電材)を混合させると、種々の不都合が発生する場合がある。すなわち、結着材が約1重量部よりも少ないと、結着能力が不十分となることがある一方、結着材が約50重量部よりも多いと、正極2内に含まれる正極活物質が減り、正極2の抵抗や分極が大きくなって放電容量が小さくなることがある。また、増粘材が約0.1重量部より少ないと、増粘能力が不十分となることがある一方、増粘材が約20重量部よりも多いと、正極2内に含まれる正極活物質が減り、正極2の抵抗や分極が大きくなって放電容量が小さくなることがある。さらに、導電材が約0.1重量部より少ないと、正極2の抵抗や分極が大きくなって放電容量が小さくなることがある一方、導電材が約50重量部よりも多いと、正極2内に含まれる正極活物質が減ることで放電容量が小さくなることがある。
また、正極2と対となる負極3は、負極活物質からなる負極活物質層3aが負極集電体(たとえば、銅箔)3bの両面上に形成された構造となっている。なお、負極3の構造は特に限定されるものではなく、少なくとも負極活物質を含む構造であればよい。
負極3の負極活物質(負極活物質層3aの構成材料)としては、リチウムが含有された物質やリチウムの挿入/脱離が可能な物質が用いられる。特に、高いエネルギー密度を持たせるためには、リチウムの挿入/脱離電位が金属リチウムの析出/溶解電位に近いものを用いるのが好ましい。その典型例は、粒子状(鱗片状、塊状、繊維状、ウィスカー状、球状および粉砕粒子状など)の天然黒鉛もしくは人造黒鉛である。また、負極活物質として、メソカーボンマイクロビーズ、メソフェーズピッチ粉末および等方性ピッチ粉末などを黒鉛化して得られる人造黒鉛を使用してもよいし、非晶質炭素を表面に付着させた黒鉛粒子を使用してもよい。
さらに、これらに加えて、リチウム遷移金属酸化物、リチウム遷移金属窒化物、遷移金属酸化物および酸化シリコンなども負極活物質として使用可能である。そのうち、リチウム遷移金属酸化物としてのチタン酸リチウム(Li4Ti512)を使用すると、負極の劣化が少なくなり、長寿命化が図られる。
なお、負極3の負極活物質層3aに、負極活物質に加えて、導電材、増粘材および結着材などの負極活物質以外の材料が含有されていてもよい。これら負極3の導電材、増粘材および結着材としては、正極2の導電材、増粘材および結着材と同じものを使用することができる。
また、正極2と負極3との間に挟み込まれるセパレータ4としては、微多孔性の高分子フィルムを用いることが好ましい。具体的には、ナイロン、セルロースアセテート、ニトロセルロース、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリプロピレン、ポリエチレンおよびポリブテンなどのポリオレフィン高分子からなるフィルムがセパレータ4として使用可能である。
そして、正極2、負極3およびセパレータ4を含む電極群1の内部に浸透させる電解液としては、有機電解液を用いることが好ましい。具体的には、有機電解液の有機溶媒として、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトンなどのエステル類、テトラヒドロフラン、2ーメチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、メトキシエトキシエタンなどのエーテル類、さらに、ジメチルスルホキシド、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、ギ酸メチルおよび酢酸メチルなどが使用可能である。なお、これらの有機溶媒は、単独で使用してもよいし、2種類以上を混合して使用してもよい。
さらに、有機溶媒には電解質塩が含まれていてもよい。この電解質塩としては、過塩素酸リチウム(LiClO4)、ホウフッ化リチウム(LiBF4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)、フッ化リチウム(LiF)、塩化リチウム(LiCl)、臭化リチウム(LiBr)、ヨウ化リチウム(LiI)および四塩化アルミン酸リチウム(AlCl4Li)などのリチウム塩が挙げられる。なお、これらの電解質塩は、単独で使用してもよいし、2種類以上を混合して使用してもよい。
電解質塩の濃度は特に限定されないが、約0.5mol/L〜約2.5mol/Lであれば好ましく、約1.0mol/L〜約2.2mol/Lであればより好ましい。なお、電解質塩の濃度が約0.5mol/L未満の場合には、電解液中においてキャリア濃度が低くなり、電解液の抵抗が高くなる恐れがある。一方、電解質塩の濃度が約2.5mol/Lよりも高い場合には、塩自体の解離度が低くなり、電解液中のキャリア濃度が上がらない恐れがある。
そして、この電解液の電極群1への浸透は、図1に示した電池缶10の内部に電極群1を収納した後、電池缶10の所定の壁部に形成された注液口10aから電池缶10の内部に電解液を注液することによってなされる。
電池缶10の構造としては、収納容器11と蓋12とを組み合わせたものであり、鉄、ニッケルメッキが施された鉄、ステンレススチールおよびアルミニウムなどからなっている。なお、電池缶10の構成材料としては、安価な材料である鉄が好ましい。ただし、長期間の信頼性を確保することを考慮する場合には、ニッケルメッキが施された鉄、ステンレススチールおよびアルミニウムなどを電池缶10の構成材料として用いるのがより好ましい。また、この電池缶10は、収納容器11と蓋12とが組み合わされたときに、外形形状が実質的に偏平角型形状となるように形成されている。
収納容器11は、略長方形状の底面を持つ底部11aと、底部11aの外縁に立設された側部(立設部)11b〜11eとを有し、底部11a上の側部11b〜11eで囲まれた略長方形状の領域が収納領域とされている。さらに、収納容器11の底部11aの収納領域側に向く内壁面(底面)と対向する側は開口されており、それによって、電池缶10の内部への電極群1の挿入が可能となっている。また、収納容器11の側部11bおよび11cには、電極群1に電気的に接続される接続端子11fが設けられている。
ところで、収納容器11の側部11b〜11eのうち、側部11bおよび11cが短辺側の側部であり、側部11dおよび11eが長辺側の側部である。すなわち、収納容器11の側部11bおよび11cが収納領域を挟んで長手方向に対向し、収納容器11の側部11dおよび11eが収納領域を挟んで短手方向に対向していることになる。そして、注液口10aは、収納容器11の側部11bに形成された円形状の貫通孔からなっており、電池缶10の内部に電解液を注液した後に金属球などで封口される。なお、収納容器11の注液口10aが形成された側部11bは、本発明の「第1壁部」の一例であり、収納容器11の収納領域を挟んで側部11bと対向する側部11cは、本発明の「第2壁部」の一例である
また、収納容器11と共に電池缶10をなす蓋12は、主表面が略長方形状(収納容器11の開口と略同じ形状)となるように板状に形成されている。
そして、図3および図4に示すように、収納容器11の底部11a上に電極群1が載置された状態で、収納容器11の開口縁に蓋12の外縁が固定されている。言い換えると、収納容器11の底部11aと蓋12との間に電極群1が挟み込まれ、それによって、電池缶10の内部において電極群1が保持されている。なお、収納容器11に対する蓋12の固定は、たとえば、レーザ溶接などによってなされる。
ここで、第1実施形態では、図1に示すように、電池缶10の内部に流動促進用の流路10bが設けられており、その流路10bにガイドされながら、注液口10aから電池缶10の内部に注液された電解液が所定方向に流動するようになっている。
具体的には、図5〜図7に示すように、収納容器11の底部11aの一部が収納領域側から外側に凹まされており、それによって、収納容器11の底部11aの内壁面に、収納容器11の側部11bから側部11cに向かう方向(長手方向)に延びる細長状の溝部(凹部)が設けられた状態となっている。そして、その収納容器11の底部11aに設けられた細長状の溝部が流路10bとされている。これにより、注液口10aから電池缶10の内部に注液された電解液は、流路10bにガイドされながら、収納容器11の側部11b側から側部11c側に向かって流動される。なお、収納容器11の流路10bが設けられた底部11aは、本発明の「第3壁部」の一例である。
また、流路10bは、長手方向に直線的に連続して延びるように形成されている。さらに、この流路10bの一方の先端部は、収納容器11の側部11bの近傍(注液口10aの近傍)で、かつ、電極群1と重畳しない箇所に配置されており、流路10bの他方の先端部は、収納容器11の側部11cの近傍で、かつ、電極群1と重畳しない箇所に配置されている。そして、流路10bに沿って延びる直線上の所定位置が注液口10aの形成位置とされている。
第1実施形態では、上記のように、電池缶10の内部に流路10bを設けることによって、注液口10aから電池缶10の内部に注液した電解液を電極群1に浸透させる工程(電解液の注液工程)の際において、電極群1への電解液の浸透速度を速くすることができる。具体的に言うと、図8および図9に示すように、注液口10aから電池缶10の内部に電解液が注液された場合、その電解液は、収納容器11の側部11b側に位置する電極群1の部分から電極群1に染み込んでいく一方、流路10bにも流れ込む。そして、流路10bに流れ込んだ電解液は、収納容器11の側部11b側から側部11c側に向かって流動するとともに、収納容器11の側部11c側に位置する電極群1の部分からも電極群1に染み込んでいく。すなわち、注液口10aから電池缶10の内部に電解液が注液されると、収納容器11の側部11b側に位置する電極群1の部分および収納容器11の側部11c側に位置する電極群1の部分の両方から電極群1に電解液が染み込んでいくことになるので、電極群1への電解液の染み込みが速やかになされる。このため、電極群1への電解液の浸透が十分になされるまでの時間が短くなり、電解液の注液工程が短縮される。その結果、リチウム二次電池の製造速度が速くなるので、生産性を向上させることができる。また、この場合には、電極群1への電解液の浸透が良好に行われるので、リチウム二次電池を安定して製造することもできる。なお、図8および図9において、電解液の流動方向は図中の矢印で示されている。
また、第1実施形態では、上記のように、流路10bを溝形状とすることによって、流路10bに流れ込んだ電解液を収納容器11の側部11b側から側部11c側に向かって良好にガイドすることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、電池缶10の壁部(収納容器11の底部11a)を収納領域側から外側に向かって凹ますことで得られる溝部を流路10bとすることによって、容易に、溝形状の流路10bが電池缶10の内部に設けられた状態にすることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、収納容器11の側部11bから側部11cに向かう方向に流路10bを直線的に延ばすことによって、速やかに、流路10bに流れ込んだ電解液が収納容器11の側部11b側から側部11c側に達する。すなわち、電解液を注液口10aから電池缶10の内部に注液した後、その電解液が収納容器11の側部11b側を経て側部11c側に達するまでの時間が短縮される。これにより、収納容器11の側部11c側に位置する電極群1の部分への電解液の染み込みの開始を早めることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、流路10bに沿って延びる直線上に注液口10aが配置されるようにすることによって、注液口10aから電池缶10の内部に注液された電解液の流路10bへの流れ込みがより平易になる。
また、第1実施形態では、上記のように、収納容器11の側部11bの近傍(注液口10aの近傍)で、かつ、電極群1と重畳しない箇所に流路10bの一方の先端部を配置することによって、注液口10aから電池缶10の内部に注液された電解液が流路10bに流れ込み易くなる。このため、注液口10aから電池缶10の内部に電解液を注液したときに、収納容器11の側部11b側から側部11c側への電解液の流動が良好になされることになる。
また、第1実施形態では、上記のように、収納容器11の側部11cの近傍で、かつ、電極群1と重畳しない箇所に流路10bの他方の先端部を配置することによって、より確実に、流路10bに流れ込んだ電解液を収納容器11の側部11b側から側部11c側に達せさせることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、流路10bを収納容器11の側部11b側から側部11c側に達するまで連続して延ばすことによって、より速やかに、流路10bに流れ込んだ電解液を収納容器11の側部11b側から側部11c側に向かって流動させることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、電池缶10の壁部のうち、収納容器11の底部11aに流路10bを設けることによって、収納容器11の底部11aは側部11bと側部11cとを繋ぐ壁部であるため、注液口10aから電池缶10の内部に電解液を注液したときに、容易に、電解液を収納容器11の側部11b側から側部11c側に向かって良好に流動させることができる。
なお、第1実施形態の構成において、図10〜図12に示す第1変形例のように、蓋12の一部を収納領域側から外側に凹ますことにより得られる溝部(凹部)を流路10bとしてもよい。言い換えると、本発明の「第3壁部」、すなわち、流路が設けられた壁部が蓋12であってもよい。この場合にも、第1実施形態と同様の効果を持たせることができる。さらに、収納容器11の底部11aおよび蓋12の両方に溝(凹部)を設け、それらを流路10bとしてもよい。
また、第1実施形態の構成において、図13に示す第2変形例のように、収納容器11の側部11bおよび11cを長辺側の側部とし、かつ、収納容器11の側部11dおよび11eを短辺側の側部としてもよい。すなわち、流路10bが短手方向に延ばされていてもよい。このように構成すれば、注液口10aから電池缶10の内部に電解液を注液したときに、収納容器11の側部11b側から側部11c側への電解液の流動が速くなり、収納容器11の側部11c側に位置する電極群1の部分への電解液の染み込みの開始を早めることができる。
(第2実施形態)
以下に、図14〜図16を参照して、第2実施形態による二次電池としてのリチウム二次電池の構成について説明する。なお、この第2実施形態によるリチウム二次電池の構成は、図14〜図16に示すような電池缶20が用いられていること以外は、上記第1実施形態によるリチウム二次電池の構成と同様である。
第2実施形態の電池缶20は、図14〜図16に示すような収納容器21および蓋22を組み合わせたものであって、鉄、ニッケルメッキが施された鉄、ステンレススチールおよびアルミニウムなどからなっている。また、この電池缶20は、収納容器21と蓋22とが組み合わされたときに、外形形状が実質的に偏平角型形状となるように形成されている。なお、電池缶20は、本発明の「筐体」の一例である。
収納容器21は、略長方形状の底面を持つ底部21aと、底部21aの外縁に立設された側部(立設部)21b〜21eとを有し、底部21a上の側部21b〜21eで囲まれた略長方形状の領域が収納領域とされている。また、収納容器21の底部21aの収納領域側に向く内壁面(底面)と対向する側が開口されているとともに、収納容器21の側部21bに注液口20aが形成されている。さらに、収納容器21の側部21bおよび21cには、電極群1に電気的に接続される接続端子21fが設けられている。そして、収納容器21の側部21b〜21eのうち、側部21bおよび21cが短辺側の側部とされており、側部21dおよび21eが長辺側の側部とされている。なお、収納容器21の注液口20aが形成された側部21bは、本発明の「第1壁部」の一例であり、収納容器21の収納領域を挟んで側部21bと対向する側部21cは、本発明の「第2壁部」の一例である。
また、収納容器21と共に電池缶20をなす蓋22は、主表面が略長方形状(収納容器21の開口と略同じ形状)となるように板状に形成されている。そして、この蓋22は、収納容器21の底部21a上に電極群1が載置された状態で、収納容器21の開口を塞いでいる。
ここで、第2実施形態では、上記第1実施形態と同様、電池缶20の内部に流動促進用の流路20bが設けられており、その流路20bにガイドされながら、注液口20aから電池缶20の内部に注液された電解液が所定方向に流動するようになっている。
すなわち、収納容器21の底部21aの一部が収納領域側から外側に凹まされており、それによって、収納容器21の底部21aの内壁面に、収納容器21の側部21bから側部21cに向かう方向(長手方向)に延びる細長状の溝部(凹部)が設けられた状態となっている。そして、その収納容器21の底部21aに設けられた細長状の溝部が流路20bとされている。なお、収納容器21の流路20bが設けられた底部21aは、本発明の「第3壁部」の一例である。
ただし、第2実施形態では、上記第1実施形態と異なり、流路20bの長手方向の中心付近に仕切り20cが設けられており、その仕切り20cによって、流路20bが2つに分断されている。すなわち、この流路20bは、連続的ではなく断続的に長手方向に延びていることになる。そして、流路20bの分断された一方部分の先端部が、収納容器21の側部21bの近傍(注液口20aの近傍)で、かつ、電極群1と重畳しない箇所に配置されているとともに、流路20bの分断された他方部分の先端部が、収納容器21の側部21cの近傍で、かつ、電極群1と重畳しない箇所に配置されている。なお、注液口20aの形成位置としては、上記第1実施形態と同様、流路20bに沿って延びる直線上の所定位置とされている。
第2実施形態では、上記したような流路20bを電池缶20の内部に設けることによって、電解液の注液工程の際に、電池缶20の内部において電解液が流路20bにガイドされながら流動する。すなわち、図17および図18に示される矢印方向に沿って電解液が流動する。これにより、収納容器21の側部21b側に位置する電極群1の部分および収納容器21の側部21c側に位置する電極群1の部分の両方から電極群1に電解液が染み込んでいくので、電極群1への電解液の染み込みが速やかになされ、電解液の注液工程を短縮することができる。その結果、上記第1実施形態と同様、リチウム二次電池の製造速度が速くなり、生産性の向上を図ることが可能となる。ただし、第2実施形態では、流路20bが分断されているので、その分、電解液の注液工程にかかる時間が長くなる。
第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態の効果と同様である。
なお、第2実施形態の変形例としては、たとえば、上記第1実施形態の変形例を適用したものが考えられる。すなわち、蓋22の一部を収納領域側から外側に凹ますことにより得られる溝部(図示せず)を流路20bとしてもよい。また、収納容器21の側部21bおよび21cを長辺側の側部とするとともに、収納容器21の側部21dおよび21eを短辺側の側部とし、流路20bを短手方向に延ばしてもよい。
(第3実施形態)
以下に、図19〜図21を参照して、第3実施形態による二次電池としてのリチウム二次電池の構成について説明する。なお、この第3実施形態によるリチウム二次電池の構成は、図19〜図21に示すような電池缶30が用いられていること以外は、上記第1実施形態によるリチウム二次電池の構成と同様である。
第3実施形態の電池缶30は、図19〜図21に示すような収納容器31および蓋32を組み合わせたものであって、鉄、ニッケルメッキが施された鉄、ステンレススチールおよびアルミニウムなどからなっている。また、この電池缶30は、収納容器31と蓋32とが組み合わされたときに、外形形状が実質的に偏平角型形状となるように形成されている。なお、電池缶30は、本発明の「筐体」の一例である。
収納容器31は、略長方形状の底面を持つ底部31aと、底部31aの外縁に立設された側部(立設部)31b〜31eとを有し、底部31a上の側部31b〜31eで囲まれた略長方形状の領域が収納領域とされている。また、収納容器31の底部31aの収納領域側に向く内壁面(底面)と対向する側が開口されているとともに、収納容器31の側部31bに注液口30aが形成されている。さらに、収納容器31の側部31bおよび31cには、電極群1に電気的に接続される接続端子31fが設けられている。そして、収納容器31の側部31b〜31eのうち、側部31bおよび31cが短辺側の側部とされており、側部31dおよび31eが長辺側の側部とされている。なお、収納容器31の注液口30aが形成された側部31bは、本発明の「第1壁部」の一例であり、収納容器31の収納領域を挟んで側部31bと対向する側部31cは、本発明の「第2壁部」の一例である。
また、収納容器31と共に電池缶30をなす蓋32は、主表面が略長方形状(収納容器31の開口と略同じ形状)となるように板状に形成されている。そして、この蓋32は、収納容器31の底部31a上に電極群1が載置された状態で、収納容器31の開口を塞いでいる。
ここで、第3実施形態では、上記第1実施形態と同様、電池缶30の内部に流動促進用の流路30bが設けられており、その流路30bにガイドされながら、注液口30aから電池缶30の内部に注液された電解液が所定方向に流動するようになっている。
すなわち、収納容器31の底部31aの一部が収納領域側から外側に凹まされており、それによって、収納容器31の底部31aの内壁面に、収納容器31の側部31bから側部31cに向かう方向(長手方向)に延びる細長状の溝部(凹部)が設けられた状態となっている。そして、その収納容器31の底部31aに設けられた細長状の溝部が流路30bとされている。なお、収納容器31の流路30bが設けられた底部31aは、本発明の「第3壁部」の一例である。
また、流路30bは、長手方向に直線的に連続して延びるように形成されている。さらに、この流路30bの一方の先端部は、収納容器31の側部31bの近傍(注液口30aの近傍)で、かつ、電極群1と重畳しない箇所に配置されており、流路30bの他方の先端部は、収納容器31の側部31cの近傍で、かつ、電極群1と重畳しない箇所に配置されている。
ただし、第3実施形態では、上記第1実施形態と異なり、流路30bが複数設けられており、その複数の流路30bが短手方向に互いに所定の間隔を隔てて並べられている。そして、中央に位置する流路30bに沿って延びる直線上の所定位置が注液口30aの形成位置とされている。
第3実施形態では、上記したような流路30bを電池缶30の内部に設けることによって、電解液の注液工程の際に、電池缶30の内部において電解液が流路30bにガイドされながら流動する。すなわち、図22および図23に示される矢印方向に沿って電解液が流動する。これにより、収納容器31の側部31b側に位置する電極群1の部分および収納容器31の側部31c側に位置する電極群1の部分の両方から電極群1に電解液が染み込んでいくので、電極群1への電解液の染み込みが速やかになされ、電解液の注液工程を短縮することができる。その結果、上記第1実施形態と同様、リチウム二次電池の製造速度が速くなり、生産性の向上を図ることが可能となる。
また、第3実施形態では、上記のように、複数の流路30bが電池缶30の内部に設けられているので、電池缶30が比較的大きいサイズであったとしても、注液口30aから電池缶30の内部に電解液を注液したときに、収納容器31の側部31b側から側部31c側に向かって良好に流動させることができる。
さらに、第3実施形態では、収納容器31の底部31aに複数の溝部(凹部)が形成されていることで、電池缶30の剛性が高まり、それによって、リチウム二次電池が長寿命となる。
第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態の効果と同様である。
なお、第3実施形態の変形例としては、たとえば、上記第1実施形態の変形例を適用したものが考えられる。すなわち、蓋32の一部を収納領域側から外側に凹ますことにより得られる溝部(図示せず)を流路30bとしてもよい。また、収納容器31の側部31bおよび31cを長辺側の側部とするとともに、収納容器31の側部31dおよび31eを短辺側の側部とし、流路30bを短手方向に延ばしてもよい。
次に、上記した第1〜第3実施形態の効果を確認するために行った実験について説明する。なお、この確認実験では、上記した第1〜第3実施形態に対応するリチウム二次電池を実施例1〜3として実際に作製するとともに、従来のリチウム二次電池を比較例として実際に作製した。そして、実施例1〜3および比較例のそれぞれについて評価を行った。
(実施例1〜3および比較例共通)
[正極の作製]
正極活物質としてのLiFePO4(90重量部)と、導電材としてのアセチレンブラック(5重量部)と、結着材としてのポリフッ化ビニリデン(5重量部)とを混合し、溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドンを適量加えて分散させることでスラリーを調製した。そして、このスラリーをアルミニウム箔(厚み:20μm)の両面上に均一に塗布して乾燥させた後、ロールプレスで圧縮し、所望のサイズ(縦140mm×横250mm)に切断することにより、図2に示した板状の正極2を32枚作製した。なお、正極2の厚みは、230μmであった。
[負極の作製]
負極活物質としての天然黒鉛(90重量部)と、結着材としてのポリフッ化ビニリデン(10重量部)とを混合し、溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドンを適量加えて分散させることでスラリーを調製した。そして、このスラリーを銅箔(厚み:16μm)の両面上に均一に塗布して乾燥させた後、ロールプレスで圧縮し、所望のサイズ(縦144mm×横255mm)に切断することによって、図2に示した板状の負極3を33枚作製した。なお、負極3の厚みは、146μmであった。
[電極群の作製]
正極2および負極3を1つずつ交互に積層し、かつ、正極2と負極3との間にセパレータ4を挟み込むことによって、図2に示した積層構造の電極群1を作製した。なお、セパレータ4の枚数は64枚であり、25μmの厚みを有する微多孔性のポリエチレンフィルムを所望のサイズ(縦145mm×横255mm)に切断することで得た。
[電解液の作製]
エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを3:7の容積比で混合した混合溶媒に、LiPF6を1.0mol/Lの割合で溶解させることによって250mlの電解液を調製した。
なお、ここまでの作製プロセスは、実施例1〜3および比較例で共通である。
(実施例1)
[電池缶の作製および電解液の注液]
まず、図5〜図7に示した電池缶10を作製した。なお、電池缶10の構成材料としては、1mmの厚みを有するニッケルメッキされた鉄板を用いた。電池缶10の収納領域の寸法としては、長手方向の長さを320mmとするとともに、短手方向の長さを150mmとし、収納容器11の底部11aと蓋12との間の長さを40mmとした。また、注液口10aの直径を3mmとした。さらに、流路(溝部)10bの寸法としては、短手方向の溝幅を5mmとし、溝深さを2mmとした。
次に、収納容器11の底部11a上に電極群1を載置した後、収納容器11の開口を蓋12で塞いだ。なお、収納容器11の底部11a上に電極群1を載置する際には、収納容器11の側部11b(側部11c)と電極群1との間隔を22.5mmとするとともに、流路10bの長手方向の両端を電極群1から10mmだけ露出させた。
続いて、図8および図9に示したように、注液口10aが斜め上方に向くように電池缶10を傾けて、注液口10aから電池缶10の内部に電解液を注液した(図中の矢印参照)。このときには、電池缶10の内部の注液口10a側に電解液が溜まり、注液口10a側に位置する電極群1の部分から電極群1に電解液が染み込んでいく。また、同時に、電解液は流路10bを流動するために、電池缶10の内部の注液口10a側とは反対側にも電解液が溜まる。これにより、注液口10a側とは反対側に位置する電極群1の部分からも電極群1に電解液が染み込んでいく。
そして、電池缶10の内部の注液口10a側が電解液によって満たされた時に注液を一旦止め、電池缶10の内部の注液口10a側の電解液が電極群1にある程度染み込んだ後で再び注液を開始するという作業を何回か繰り返した。なお、この際、電池缶10の内部の空気は、電極群1と電池缶10の壁部との間の隙間などを介して抜けていく。
(実施例2)
[電池缶の作製および電解液の注液]
まず、図14〜図16に示した電池缶20を作製した。なお、電池缶20の構成材料としては、1mmの厚みを有するニッケルメッキされた鉄板を用いた。電池缶20の収納領域の寸法としては、長手方向の長さを320mmとするとともに、短手方向の長さを150mmとし、収納容器21の底部21aと蓋22との間の長さを40mmとした。また、注液口20aの直径を3mmとした。さらに、流路(溝部)20bの寸法としては、短手方向の溝幅を5mmとし、溝深さを2mmとした。そして、仕切り20cの長手方向の長さ、すなわち、長手方向に隣接する溝部の間隔を20mmとした。
次に、収納容器21の底部21a上に電極群1を載置した後、収納容器21の開口を蓋22で塞いだ。なお、収納容器21の底部21a上に電極群1を載置する際には、収納容器21の側部21b(側部21c)と電極群1との間隔を22.5mmとするとともに、流路20bの長手方向の両端を電極群1から10mmだけ露出させた。
続いて、図17および図18に示したように、注液口20aが斜め上方に向くように電池缶20を傾けて、注液口20aから電池缶20の内部に電解液を注液した(図中の矢印参照)。そして、実施例1と同様、注液の一旦停止および再開を何回か繰り返した。このときの電解液の流動状態としては、実施例1において注液口10aから電池缶10の内部に電解液を注液したときと同様である。
(実施例3)
[電池缶の作製および電解液の注液]
まず、図19〜図21に示した電池缶30を作製した。なお、電池缶30の構成材料としては、1mmの厚みを有するニッケルメッキされた鉄板を用いた。電池缶30の収納領域の寸法としては、長手方向の長さを320mmとするとともに、短手方向の長さを150mmとし、収納容器31の底部31aと蓋32との間の長さを40mmとした。また、注液口30aの直径を3mmとした。さらに、流路(溝部)30bの寸法としては、短手方向の溝幅を5mmとし、溝深さを2mmとした。そして、短手方向に隣接する流路30bの間隔を20mmとした。
次に、収納容器31の底部31a上に電極群1を載置した後、収納容器31の開口を蓋32で塞いだ。なお、収納容器31の底部31a上に電極群1を載置する際には、収納容器31の側部31b(側部31c)と電極群1との間隔を22.5mmとするとともに、流路30bの長手方向の両端を電極群1から10mmだけ露出させた。
続いて、図22および図23に示したように、注液口30aが斜め上方に向くように電池缶30を傾けて、注液口30aから電池缶30の内部に電解液を注液した(図中の矢印参照)。そして、実施例1と同様、注液の一旦停止および再開を何回か繰り返した。このときの電解液の流動状態としては、実施例1において注液口10aから電池缶10の内部に電解液を注液したときと同様である。
(比較例)
[電池缶の作製および電解液の注液]
まず、図24〜図26に示すような電池缶110を作製した。なお、電池缶110の構成材料としては、1mmの厚みを有するニッケルメッキされた鉄板を用いた。電池缶110の収納領域の寸法としては、長手方向の長さを320mmとするとともに、短手方向の長さを150mmとし、収納容器111の底部111aと蓋112との間の長さを40mmとした。また、注液口110aの直径を3mmとした。そして、この比較例では、実施例1〜3とは異なり、流路を設けなかった。
次に、収納容器111の底部111a上に電極群1を載置した後、収納容器111の開口を蓋112で塞いだ。なお、収納容器111の底部111a上に電極群1を載置する際には、収納容器111の側部111b(側部111c)と電極群1との間隔を22.5mmとした。
続いて、図27および図28に示すように、注液口110aが斜め上方に向くように電池缶110を傾けて、注液口110aから電池缶110の内部に電解液を注液した(図中の矢印参照)。そして、実施例1〜3と同様、注液の一旦停止および再開を何回か繰り返した。このときの電解液の流動状態としては、電池缶110の内部の注液口110a側に電解液が溜まり、注液口110a側に位置する電極群1の部分から電極群1に電解液が染み込んでいく。なお、比較例では、実施例1〜3とは異なり、電池缶110の内部の注液口110a側とは反対側には電解液がほとんど溜まらない。
ところで、図中の符号111dおよび111eは、収納容器111の側部であり、図中の符号111fは、接続端子である。
(実施例1〜3および比較例共通)
[電極群に対する電解液の染み込み特性の評価]
上記の実施例1〜3および比較例のそれぞれについて、電解液の注液時間とインピーダンスとの関係を調べた。その結果を図29〜図31に示す。なお、図29〜図31では、比較例のインピーダンスが目標インピーダンスに達したときの電解液の注液時間を100%としている。
図29を参照して、実施例1と比較例とを比べると、実施例1では、目標インピーダンスに達するまでの電解液の注液時間が60%となり、比較例に対して40%の短縮を図ることができた。
また、図30を参照して、実施例2と比較例とを比べると、実施例2では、目標インピーダンスに達するまでの電解液の注液時間が80%となり、比較例に対して20%の短縮を図ることができた。ただし、実施例2では、実施例1と比べて、目標インピーダンスに達するまでの電解液の注液時間が長くなった。
また、図31を参照して、実施例3と比較例とを比べると、実施例3では、目標インピーダンスに達するまでの電解液の注液時間が60%となり、比較例に対して40%の短縮を図ることができた。すなわち、目標インピーダンスに達するまでの電解液の注液時間が実施例1と略同じとなった。
これらの結果から、実施例1〜3では、電極群1への電解液の染み込み速度が速くなったため、電極群1への電解液の浸透が十分になされるまでの時間が短くなったと考えられる。
また、実施例1〜3および比較例のそれぞれのインピーダンスのばらつきを調べたところ、以下の表1に示すようになった。
Figure 2011238486
表1に示す結果から、実施例1〜3の方が比較例よりもばらつきが小さく、リチウム二次電池の作製を安定して行うことができたと言える。
さらに、実施例1および3と実施例2とを比較すると、実施例1および3の方が実施例2よりもばらつきが小さかった。このことから、流路の形状としては、断続的にではなくて連続的に延びる形状であるのがより好ましいと言える。
なお、確認実験で作製したリチウム二次電池の初期電池性能を測定したところ、公称電圧が3.2Vで内部抵抗が3mΩであった。さらに、雰囲気温度が25℃の条件下において、10Aの定電流および3.8Vの定電圧で6時間の充電を行い、10Aで2.25Vまで放電した際の放電容量は50Ahであった。
(第4実施形態)
以下に、図32〜図34を参照して、第4実施形態による二次電池としてのリチウム二次電池の構成について説明する。
この第4実施形態の電池缶40は、図32および図33に示すように、それぞれが所定の金属(鉄、ニッケルメッキが施された鉄、ステンレススチールおよびアルミニウムなど)からなる収納容器41および蓋42を組み合わせたものであって、外形形状が実質的に偏平角型形状となるように形成されている。なお、電池缶40は、本発明の「筐体」の一例である。
収納容器41は、略長方形状の底面を持つ底部41aと、底部41aの外縁に立設された側部(立設部)41b〜41eとを有し、底部41a上の側部41b〜41eで囲まれた略長方形状の領域が収納領域とされている。また、収納容器41の底部41aの収納領域側に向く内壁面(底面)と対向する側が開口されているとともに、収納容器41の側部41bに注液口40aが形成されている。さらに、収納容器41の側部41bおよび41cには、電極群1に電気的に接続される接続端子41fが設けられている。そして、収納容器41の側部41b〜41eのうち、側部41bおよび41cが短辺側の側部とされており、側部41dおよび41eが長辺側の側部とされている。なお、収納容器41の注液口40aが形成された側部41bは、本発明の「第1壁部」の一例であり、収納容器41の収納領域を挟んで側部41bと対向する側部41cは、本発明の「第2壁部」の一例である。
また、収納容器41と共に電池缶40をなす蓋42は、主表面が略長方形状(収納容器41の開口と略同じ形状)となるように板状に形成されている。そして、この蓋42は、収納容器41の底部41a上に電極群1が載置された状態で、収納容器41の開口を塞いでいる。
ここで、第4実施形態では、図34に示すような板状部材43が収納容器41の底部41a上に取り付けられている。すなわち、板状部材43を介して、収納容器41の底部41a上に電極群1が載置されていることになる。なお、板状部材43としては、樹脂板であってもよいし、金属板であってもよい。
この板状部材43には、収納容器41の側部41bから側部41cに向かう方向(長手方向)に延びる細長状の溝部43aが形成されている。これにより、注液口40aから電池缶40の内部に電解液が注液された場合には、その電解液が板状部材43の溝部43aにガイドされながら、収納容器41の側部41b側から側部41c側に向かって流動される。すなわち、第4実施形態では、収納容器41の底部41aに溝部が形成されずに略平坦となっており、収納容器41の略平坦な底部41a上に板状部材43が取り付けられることで、電池缶40の内部に本発明の「流路」が設けられた状態となっている。
ところで、板状部材43に形成された溝部(流路)43aは、長手方向に直線的に連続して延びるように形成されている。そして、収納容器41の側部41bの近傍(注液口40aの近傍)で、かつ、電極群1と重畳しない箇所に溝部(流路)43aの一方の先端部が配置されており、収納容器41の側部41cの近傍で、かつ、電極群1と重畳しない箇所に溝部(流路)43aの他方の先端部が配置されている。
第4実施形態によるリチウム二次電池のその他の構成は、上記第1実施形態によるリチウム二次電池の構成と同様である。
第4実施形態では、上記のように、収納容器41の底部41a上に、収納容器41の側部41bから側部41cに向かう方向に延びる溝部43aを有する板状部材43を取り付けることによって、電池缶40の壁部(収納容器41の底部41aなど)に溝部を形成しなかったとしても、電解液の注液工程の際に、板状部材43の溝部43aを通じて、収納容器41の側部41b側から側部41c側に向かって電解液を流動させることができる。これにより、上記第1実施形態と同様の効果が得られる。
さらに、第4実施形態では、板状部材43が補強部材としても機能するので、電池缶40の剛性を高めることもできる。そして、電池缶40の剛性が高まると、リチウム二次電池の長寿命化が図られる。
また、第4実施形態では、板状部材43の構成材料が電解液によって膨潤する材料であれば、電池缶40の内部における電極群1の保持をより確実に行うことができる。
なお、第4実施形態の構成において、図示しないが、複数の溝部43aを板状部材43に形成してもよい。
(第5実施形態)
以下に、図35〜図37を参照して、第5実施形態による二次電池としてのリチウム二次電池の構成について説明する。
第5実施形態では、上記第4実施形態の電池缶40と同様の電池缶40が用いられている。すなわち、第5実施形態の電池缶40は、収納容器41の底部41aが略平坦となっている。そして、その収納容器41の底部41a上に、2つに分離された電極群1が載置されている。なお、第5実施形態の電極群1の構造としては、2つに分離されていること以外は、上記第1実施形態の電極群1の構造と同じである。
ここで、第5実施形態では、2つの電極群1の間に間隙1aが存在している。そして、その2つの電極群1の間の間隙1aは、収納容器41の側部41bから側部41cに向かう方向(長手方向)に直線的に連続して延ばされている。このため、注液口40aから電池缶40の内部に電解液が注液された場合には、その電解液が2つの電極群1の間の間隙1aにガイドされながら、収納容器41の側部41b側から側部41c側に向かって流動される。すなわち、第5実施形態では、2つの電極群1の間の間隙1aが本発明の「流路」とされている。
第5実施形態では、上記のように、電極群1を2つに分離することによって、電池缶40の壁部(収納容器41の底部41aなど)に溝部を形成しなかったとしても、電解液の注液工程の際に、2つの電極群1の間の間隙1aを通じて、収納容器41の側部41b側から側部41c側に向かって電解液を流動させることができる。これにより、上記第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、第5実施形態の構成において、図38に示す変形例のように、2つの電極群1の間に固定部材44を挿入することによって、2つの電極群1を固定してもよい。この場合には、固定部材44に溝部44aを形成し、その固定部材44の溝部44aを本発明の「流路」とすればよい。
また、第5実施形態の構成において、図示しないが、電極群1を3つ以上に分離し、2つの電極群1の間の間隙1aが複数存在するようにしてもよい。
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、収納容器の底部(蓋)に流路を設けるようにしたが、本発明はこれに限らず、収納容器の側部に流路を設けてもよい。また、収納容器の底部(蓋)および側部の両方に流路を設けてもよい。
さらに、電極群に流路を設けてもよい。具体的には、正極の正極活物質層に溝部を形成し、その正極の溝部を本発明の「流路」としてもよいし、負極の負極活物質層に溝部を形成し、その負極の溝部を本発明の「流路」としてもよい。さらに、正極および負極の両方に、本発明の「流路」となる溝部を形成してもよい。そして、この場合には、本発明の「流路」となる溝部を電池缶の壁部に形成してもよいし、形成しなくてもよい。
また、上記実施形態では、本発明の「第1壁部」に注液口を形成したが、本発明はこれに限らず、本発明の「第1壁部」とは異なる壁部に注液口を形成してもよい。たとえば、第1実施形態の構成を例にとって説明すると、図39に示すように、蓋12のうち、収納容器11の側部11b側の部分に注液口10aを形成してもよい。
また、上記実施形態では、収納領域が長方形状となるように電池缶を形成したが、本発明はこれに限らず、収納領域の形状としては長方形状以外の形状であってもよい。たとえば、収納領域の形状が正方形状であってもよいし、円形状であってもよい。
また、上記実施形態では、収納容器の側部に注液口を形成するようにしたが、本発明はこれに限らず、注液口を蓋に形成してもよい。すなわち、本発明の「第1壁部」に相当するものが蓋で、本発明の「第2壁部」に相当するものが収納容器の底部であってもよい。
また、上記実施形態では、電極群を積層型としたが、本発明はこれに限らず、電極群が捲回型であってもよい。
1 電極群
1a 間隙
2 正極
3 負極
10、20、30、40 電池缶(筐体)
10a、20a、30a、40a 注液口
10b、20b、30b 流路
11、21、31、41 収納容器
11a、21a、31a 底部(第3壁部)
11b、21b、31b、41b 側部(第1壁部)
11c、21c、31c、41c 側部(第2壁部)
12、22、32 蓋
43 板状部材
43a 溝部(流路)
44 固定部材
44a 溝部(流路)

Claims (18)

  1. 所定領域を囲む複数の壁部を有し、前記所定領域が収納領域とされているとともに、前記複数の壁部のうちの第1壁部の側に注液口が形成された筐体と、
    前記収納領域に収納され、正極および負極を少なくとも含む電極群と、
    前記注液口から前記収納領域に注液されることによって前記電極群に浸透された電解液とを備え、
    前記複数の壁部のうちの第2壁部が前記電極群を挟んで前記第1壁部と対向する側に配置されており、
    前記電解液を前記第1壁部側から前記第2壁部側に向かって流動させるための流動促進用の流路が前記収納領域に設けられていることを特徴とする二次電池。
  2. 前記流路の形状が溝形状であることを特徴とする請求項1に記載の二次電池。
  3. 前記第1壁部から前記第2壁部に向かう方向に前記流路が直線的に延びていることを特徴とする請求項1または2に記載の二次電池。
  4. 前記流路に沿って延びる直線上に前記注液口が配置されていることを特徴とする請求項3に記載の二次電池。
  5. 前記流路の一方の端部が前記注液口の近傍に配置されていることを特徴とする請求項3または4に記載の二次電池。
  6. 前記流路の一方の端部とは反対側の他方の端部が前記第2壁部の近傍に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の二次電池。
  7. 前記流路が前記第1壁部側から前記第2壁部側に達するまで連続して延びていることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の二次電池。
  8. 前記複数の壁部のうちの第3壁部の両端に前記第1壁部および前記第2壁部がそれぞれ立設されており、
    前記第3壁部の前記収納領域側に前記流路が設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の二次電池。
  9. 底部および前記底部の外縁に立設された側部を有する収納容器と、前記収納容器の底部と対向する側の開口を塞ぐ蓋とを含むものが前記筐体として用いられているとともに、前記収納容器の底部上に前記電極群が載置された状態で前記収納容器の開口が前記蓋で塞がれており、
    前記収納容器の側部のうちの所定側の部分が前記第1壁部とされているとともに、前記収納容器の側部のうちの所定側とは反対側の部分が前記第2壁部とされ、前記収納容器の底部および前記蓋の少なくとも一方が前記第3壁部とされていることを特徴とする請求項8に記載の二次電池。
  10. 前記第3壁部のうちの前記電極群と重畳しない箇所に前記流路の前記第1壁部側の端部が配置されていることを特徴とする請求項9に記載の二次電池。
  11. 前記第3壁部のうちの前記電極群と重畳しない箇所に前記流路の前記第2壁部側の端部が配置されていることを特徴とする請求項9または10に記載の二次電池。
  12. 前記複数の壁部の一部を前記収納領域側から外側に向かって凹ますことで得られる凹部が前記流路とされていることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の二次電池。
  13. 前記複数の壁部の前記収納領域側の一部上に板状部材が取り付けられているとともに、前記第1壁部から前記第2壁部に向かう方向に延びる溝部が前記板状部材に形成されており、
    前記板状部材の溝部が前記流路とされていることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の二次電池。
  14. 前記電極群が少なくとも2つに分離されているとともに、少なくとも2つに分離された前記電極群の間の間隙が前記第1壁部から前記第2壁部に向かう方向に延びており、
    前記間隙が前記流路とされていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の二次電池。
  15. 少なくとも2つに分離された前記電極群を固定するための固体部材が前記間隙に挿入されているとともに、前記第1壁部から前記第2壁部に向かう方向に延びる溝部が前記固定部材に形成されており、
    前記固定部材の溝部が前記流路とされていることを特徴とする請求項14に記載の二次電池。
  16. 前記流路が前記収納領域に複数設けられていることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の二次電池。
  17. 前記収納領域が長方形状となっており、
    前記第1壁部および前記第2壁部が前記収納領域の短手方向に前記電極群を挟んで互いに対向配置されているとともに、前記収納領域の短手方向に前記流路が延びていることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の二次電池。
  18. 所定領域を囲む複数の壁部を有し、前記所定領域が収納領域とされているとともに、前記複数の壁部のうちの第1壁部の側に注液口が形成された筐体を準備する工程と、
    正極および負極を少なくとも含む電極群を前記収納領域に収納する工程と、
    前記注液口から前記収納領域に電解液を注液することによって、前記電極群に前記電解液を浸透させる工程とを備え、
    前記筐体を準備する工程は、前記複数の壁部のうちの第2壁部が前記電極群を挟んで前記第1壁部と対向する側に配置されているとすると、前記電解液を前記第1壁部側から前記第2壁部側に向かって流動させるための流動促進用の流路を前記収納領域に設ける工程を含み、
    前記電極群に前記電解液を浸透させる工程は、前記注液口から前記収納領域に前記電解液を注液する際に、少なくとも一度、前記第1壁部が上側で前記第2壁部が下側となるように前記筐体を傾ける工程を含んでいることを特徴とする二次電池の製造方法。
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