JP2011237500A - 衣料品への下げ札取付方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】衣料品に縫着されている、当該衣料品の品番,材質,価格等が記載されている下げ札を、取り外そうとする際に、該下げ札を固定している縫糸を取り除くばかりでなく衣料品に傷付けるような事態の発生するのを防止するる。
【解決手段】衣料品への下げ札取付方法であって、表面に下げ札を取り付けてなる衣料品において、下げ札を衣料品に取り付ける際に、水溶性繊維糸を用いて、下げ札を衣料品に縫着する。また、縫着は本縫い系又は環縫い系のいずれかで行う。また、運針数を3cm間で12〜20針とした。そして、水溶性繊維糸は、ポリビニルアルコール系,カルボキシメチルセルロース等のセルロース系,ポリアルキレンオキサイド系水溶性繊維からなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、商品の名称,品番,素材,取扱い方法,産地,社名,価格等を記載したタグ,ラベル等の下げ札を、衣料品に取り付ける取付方法に関するものである。
衣料品などには販売時にタグ,ラベル等の下げ札を取り付けて、その商品に関する情報を示しているが、これら下げ札は、商品が使用者の手に渡った後は取り除かれるのが一般である。
然し、これらの下げ札は、通常多くは衣料品の前身頃或は後身頃の表面上部、即ち、ショーツであればウエスト部あたりに縫い付けられているが、使用に際しては下げ札を取り除くことになり、下げ札を縫い付けた糸を外すときに誤って商品を傷つけるような事態が発生した。これを防止するために、縫着個所の糸を抜き易くした衣類が開発された。
即ち、衣類の表面側にラベルが縫い付けられているラベル取付構造であって、ラベルの表面側に露出する上糸と、衣類の裏面側に露出する下糸とからなる縫糸で本縫いで縫着され、縫い始め位置と縫い終わり位置とはラベルの左右両端より所定寸法離れた位置とされ、縫い終わり位置に連続する後方位置或は縫い始め位置へと連続する前後位置には、0.3cm以上0.2cm以下の長さで上糸或は下糸からなる縫着されていない抜取用糸として縫い始め又は縫い終わり位置とラベルとの間の糸をラベル側方に延在させ、抜取用糸を引張って抜取ることでラベルと衣料の固定が解かれラベルが衣類より取り外される構成としている(特許文献1)。
また,下げ札を衣料に縫着している糸の縫い方向が衣料の伸び方向と直交しているため、試着の際に糸が切れて下げ札が脱落するのを防止した下げ札取付手段が知られている(特許文献2)が、この手段も下げ札を縫い付けている糸を外すときは衣類を傷つける恐れがあった。
特開2007−155922号公報 特開2010−53499号公報
本発明は上記の点に鑑みて、衣料品に縫着されている、当該衣料品の品番,材質,価格等が記載されている下げ札を、取り外そうとする際に、該下げ札を固定している縫糸を取り除くばかりでなく衣料品に傷付けるような事態の発生するのを防止することを目的としている。
請求項1記載の発明は、衣料品への下げ札取付方法であって、表面に下げ札を取り付けてなる衣料品において、下げ札を衣料品に取り付ける際に、水溶性繊維糸を用いて、下げ札を衣料品に縫着することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の下げ札取付方法であって、縫着は本縫い系又は環縫い系のいずれかで行うことを特徴とする。
請求項3記載の発明にあっては、請求項1記載の下げ札取付方法であって、運針数を3cm間で12〜20針としたことを特徴とする。
請求項4記載の発明にあっては、請求項1記載の下げ札取付方法であって、水溶性繊維糸は、ポリビニルアルコール系,カルボキシメチルセルロース等のセルロース系,ポリアルキレンオキサイド系水溶性繊維からなるものであること特徴とする。
肌着等の衣料品において、その製品の品番,素材等の情報を使用者に知らせる為に、ラベル,タグ等の下げ札を製品に縫着しなければならないが、使用時には下げ札を取り外さなければならない。本発明では、下げ札を水溶性繊維糸で衣料品に縫着してあるため、下げ札を取り去る際には、衣料品を洗濯するなどして水溶性繊維糸を溶かすことによって全く衣料品の生地を傷めるようなことが無く下げ札を取り容易に除く事が出来る。
本発明にあっては、衣料品への下げ札縫い付け時に運針数を3cm間で12〜20針としたために、衣料品使用前の環境時にはみだりに縫着部で引きちぎれるような事態は生じないが、該部に力を加えて切断しようとすると容易にきれいに切断することが出来る。
本発明を実施したショーツの正面図。 ショーツへ、下げ札を縫付けた部分の断面図。
本発明を実施した衣料につき図と共に次に説明する。
図1はショーツ1に本発明を実施した例を示すものであって、縦長の帯状の下げ札2の頂部3付近をショーツ1のウエストバンド部4に当てがい、下げ札2の頂辺5に添ってウエストバンド部4の延在する方向に、下げ札2とショーツ1を重ね合わせて、縫い糸6によって縫い合わせる。
下げ札2は、商品の名称,品番,素材,取り扱いに係る注意事項,価格等、その商品についての情報が記載されており、商品購入者は当該商品の使用前後に下げ札2を取り除くが、取り除き作業は、縫目7部分で札を破り取り、更には前記縫糸6に水溶性繊維糸を用いることによって後日の洗濯等により縫糸6を溶解除去し縫糸6と共に下げ札の残部も取り去るようにしている。下げ札2は、前記取り除き操作の際、縫目7部分において切断除去し易いように、紙,フィルム等素材は問わないが、簡単に破り取ることの出来る強度のものが望ましい。
上記下げ札2のショーツ1への縫着は、本縫い系,環縫い系等、特に制限されない。
本発明方法において、下げ札2のショーツ1への取付け時に使用する縫い糸6は水溶性糸とする。水溶性糸は、ポリビニルアルコール系水溶性繊維,カルボキシメチルセルロース等のセルロース系水溶性繊維,ポリアルキレンオキサイド系水溶性繊維等から任意に選択使用出来る。また糸は短繊維からなる紡績糸,長繊維からなるマルチフィラメント糸,ウーリー糸等適宜使用出来る。
上記水溶性糸を用いて下げ札2をショーツ1等に縫い付けるが、本縫いの場合、上糸・下糸(表面側(上)縫糸6a・内面側(下)縫糸6b)の双方又はいずれか一方の糸を水溶性糸とする。
その一例を、いずれか一方の糸の張力を変えて縫着した状態を説明する。
例えば、図2に示すように縫目7の表面側に位置する糸6aと内面側に位置する糸6bの張力を異ならせ、内面側の縫糸6bの張力を大にして本縫いの縫製を行えば、図2に示すように内面側の糸6bは、ほぼ直線状に延在するが、表面側の糸6aは張力が少で各縫目ごとに大きくループ6cを作り表面側から裏面側にまでループ6cが達する縫目となる。
この状態のループ6c構成のもとで、一方の糸、例えば縫糸6bを水溶性繊維糸とし、水に溶解させれば各ループ6cは解放され下げ札は容易に取り外すことが出来る。
下げ札2の取り付けは、縫着時にミシン針による下げ札2の孔明け作業も行うことになる。即ち、切断用のミシン目を入れる作業と同じことを行うことになる。基準間隔内の針数(運針数)が多い程、その部分を引き裂く際容易に分轄出来ることになるが製品を傷める原因ともなる。
本発明における下げ札2縫着時の運針数も重要で本発明の下げ札の縫着では、3cm間に12〜20針が好ましく、12針以下では穴数が少なくミシン目としての効果がなく札を破り難く、20針以上では縫目により製品を傷つけることになる欠点が生ずる。
本発明方法により取り付けられた下げ札2は、ショーツ等衣料の使用前に破り取り、着用後衣料を洗濯機等に入れ20℃±4℃程度の温度で水洗いすることで縫糸6は溶解し、下げ札2の残滓等は容易に取り去ることが可能となる。
以上、上糸と下糸共に水溶性糸を使用した場合、上糸又は下糸のいずれかに水溶性糸を使用した場合、非水溶性の糸のみを使用した場合のそれぞれのケースで運針の条件を変化させた際のタグ取り外しの状況及び糸の残存の有無を調べた表を示す。
Figure 2011237500
表1によると、比較例1,2は共に運針が8針/3cm間隔で、タグ取り外しにおいて、切れ端が残り、運針間隔が広過ぎていることが明らかとなり、実施例1〜4では運針間隔が12針〜18針/3cmとしてタグ取り外しに悪影響はないことが明らかである。
また、実施例3,4は、スパン糸と水溶性ビニロンとを上糸又は下糸に使用した例であるが、スパン糸を使用した上糸又は下糸が残るが取り去ることが出来る状態で、下げ札の除去には影響がないことが明らかとなる。
1 ショーツ
2 下げ札
3 頂部
4 ウエストバンド部
5 頂辺
6 縫糸
6a 表面側縫糸
6b 内面側縫糸
6c ループ
7 縫目

Claims (4)

  1. 表面に下げ札を取り付けてなる衣料品において、下げ札を衣料品に取り付ける際に、水溶性繊維糸を用いて、下げ札を衣料品に縫着することを特徴とする衣料品への下げ札取付方法。
  2. 縫着は本縫い系又は環縫い系のいずれかで行うことを特徴とする請求項1記載の下げ札取付方法。
  3. 運針数を3cm間で12〜20針としたことを特徴とする請求項1記載の下げ札取付方法。
  4. 水溶性繊維糸は、ポリビニルアルコール系,カルボキシメチルセルロース等のセルロース系,ポリアルキレンオキサイド系水溶性繊維からなるものであること特徴とする請求項1記載の下げ札取付方法。
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