JP2011237471A - レンズ鏡胴、撮像装置および情報装置 - Google Patents

レンズ鏡胴、撮像装置および情報装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 遊びによる影響を抑制するための付勢力を、小さな変動幅でしかも沈胴状態では作用しないようにして、駆動電力を増大させることなく、沈胴によるコンパクト化を充分に達成し、撮影状態におけるレンズ群の位置および姿勢を適切に規制して良好な画質を得る。
【解決手段】 カムフォロワ30aを突出形成したバネ受け部材30に板バネ31の一端を固定する。板バネ31の当接部31aが、回転筒小25の段差部25bを光軸に沿う右向きの付勢力で付勢すると、カムフォロワ30aには反力としての左向きの付勢力が発生する。バネ受け部材30の両側縁が直進溝26aの段差部に係合し、バネ受け部材30を光軸に沿って直進スライド可能としている。ライナー部材大26の外側の回転筒大27の内側には、カムフォロワ30aが嵌合するカム溝27aを形成し、回転筒大27の相対的な回転により、バネ受け部材30を光軸に沿って直進スライドさせる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、いわゆる沈胴式のレンズ鏡胴に係り、特に一つの形態では複数のレンズ群の少なくとも一部を沈胴して収納し、他の一つの形態では複数のレンズ群の少なくとも一部を所定位置まで繰り出して使用するとともに、複数のレンズ群を相対的に移動させて焦点距離を変更するズームレンズに好適なレンズ鏡胴、撮像装置および情報装置に関するものである。
ディジタルカメラ等の撮像装置においては、撮像画像の高画質化、つまり焦点距離変更可能なズームレンズ等の撮像レンズの高性能化およびユーザの要求による小型化等の進展に伴い、撮影時以外にレンズ鏡筒の少なくとも一部が撮像装置本体内に収納される、いわゆる沈胴式の撮影レンズを用いるものが増加している。さらには、単なる小型化ではなく、より一層の薄型化の要求により、沈胴収納状態でのレンズ鏡胴部分の厚み寸法を極限にまで減らすことが重要となってきている。
しかしながら、レンズ鏡胴を沈胴式にすると各レンズ枠や筒体の重層段数が増加し、各段間の可動部分の遊びの累積によってレンズ間の光軸方向の移動位置や各光軸位置の誤差が拡大し、撮像された画像の画質が落ちてしまう。また、遊びが多いと撮像装置の向きによっても撮像される画質の低下が生じてしまう。
すなわち、沈胴式のレンズ系等のように、各群がそれぞれ1つ以上のレンズからなる複数のレンズ群の少なくとも一部を光軸方向に沿って進退移動する場合には、移動を可能とするために、各群間の可動部分に、ある程度の遊びが存在する。レンズ群の数が多くなり、レンズ群の動作が複雑になればなるほど、レンズ保持枠のみならず、カム筒、回転筒やライナー部材(直進筒)等の相対的に移動する可動部分の数が増え、レンズ系全体での遊びの大きさが累積的に大きくなる。そのため、撮影状態においてレンズ系を伸長した状態でレンズ系の少なくとも一部が本来の光軸に対して傾斜してしまったり、レンズ群相互間の光軸位置のずれを生じたりすることによって、予定した光学性能を維持することができなくなるおそれがある。
しかも、これらの傾斜の大きさおよび傾斜方向が、そのレンズ系を用いている撮像装置の向き(構え方)、すなわち横位置(横持ち)か、縦位置(縦持ち)か、どちらの向きの縦位置(縦持ち)か、などによって変動し、レンズ系が本来有している光学性能を充分に発揮することができないことがある。
また、撮影状態から沈胴状態とするのに、レンズ系の一部を光軸外に退避させ、それによって空いた光軸上の空間を利用して他のレンズを収容して沈胴効果を高めて沈胴状態とするレンズ系も開発されている。このレンズ系では、沈胴状態から撮影状態とするのに、沈胴状態から光軸上のレンズ群を撮影位置に移動させ、それによって空いた光軸上の空間に光軸外に退避していた一部のレンズ系を進入させ全体の光軸位置を揃えて撮影状態とする。このようなレンズ系においては、光軸内と光軸外との間で移動する1つ以上のレンズからなるレンズ群を保持するレンズ保持枠が、光軸上での移動のみのレンズ系に関する可動部分の動作範囲に比して三次元的に広い範囲で動作することとなる。このように光軸方向以外の方向の移動を伴うため、光軸位置のずれ、あるいは光軸に直交する方向の遊びが大きくなりがちであり、可動部分の遊びの大きさが方向によって異なったり、レンズ系の向きやレンズ系の移動方向によっては弱い力で光軸位置のずれを生じたりするおそれもある。
そのため、各レンズ群間の遊び、いわゆるガタ、の影響を抑制するための構造が、特許文献1(特開2007−114533号)および特許文献2(特開2009−244613号)等に開示されている。
特許文献1(特開2007−114533号)には、直進するライナーに設けられたカムフォロワを、撮影状態にあるときにのみ、光軸に直交する方向に付勢して、各レンズ群間の遊びの影響を低減する板バネを設ける構造が示されている。この構造は、光軸に直交する方向に付勢するため、各レンズ群の可動部の遊びが大きい場合には、レンズ群相互間の光軸位置のずれが特定方向に偏ることが懸念される。
特許文献2(特開2009−244613号)には、撮像レンズ系のレンズ群間に光軸方向にバネを張設し、各レンズ群を光軸方向について互いに近接させる方向に付勢する構造が示されている。この構造は、レンズ群数、すなわち沈胴段数が少なく、相対的な移動ストロークが小さい場合には、効果的であるが、レンズ群数、すなわち沈胴段数が多くなると、相対的な移動ストロークが大きくなり、バネによる付勢力の変動が大きくなる。そのため、バネで付勢しているレンズ群間の距離が大きくなった場合に、バネの張力による付勢力が著しく大きくなり、レンズ群の移動に対する抵抗が大きくなると共に常時付勢力が与えられていることから、駆動源となるモータの電力消費が増大するという問題がある。
上述したように、多段の沈胴鏡胴においては、複数の筒体間の遊びによる影響を抑制する付勢力を必要な状態でのみ作用させ且つ付勢力の変動幅を小さくして、複数の筒体間の遊びによる影響を効果的に抑制して、沈胴によるコンパクト化を充分に達成しつつ、撮影状態におけるレンズ群の位置および姿勢を適切に規制して良好な画質を得るようにすることが要望されている。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、遊びによる影響を抑制するための付勢力を、小さな変動幅でしかも沈胴状態では作用しないようにして、駆動電力を著しく増大させることなく、沈胴によるコンパクト化を充分に達成しつつ、簡単な構成で撮影状態におけるレンズ群の位置および姿勢を適切に規制して良好な画質を得ることを可能とするレンズ鏡胴、撮像装置および情報装置を提供することを目的としている。
本発明の請求項1の目的は、特に、光軸方向に沿って移動する少なくとも3つ以上の複数の筒体について、簡単な構成で撮影状態における筒体間の遊びによる影響を抑制し、沈胴時の寸法を増大させることなくレンズ性能の向上および取得画像の画質の向上を可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項2の目的は、特に、沈胴状態と撮影状態との間で、光軸方向に沿って移動し且つ相互間で相対的に移動する複数の筒体間の可動部分の遊びによるガタの影響を抑制し、複数の撮影レンズ群の光軸のズレを抑制して撮像画質を向上させることを可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項3の目的は、特に、複数の筒体間に安定して付勢力を作用させて、付勢力の変動幅を抑え、可動部分の遊びによるガタの影響を抑制し、複数の撮影レンズ群の光軸のズレを抑制して撮像画質を向上させることを可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項4の目的は、特に、複数の筒体間に作用させる付勢力の変動幅を抑え、可動部分の遊びによるガタの影響を抑制し、複数の撮影レンズ群の光軸のズレを抑制して撮像画質を向上させることを可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項5の目的は、特に、複数の筒体間に作用させる付勢力の変動を効果的に抑え、可動部分の遊びによるガタの影響を抑制し、複数の撮影レンズ群の光軸のズレを抑制して撮像画質を向上させることを可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項6の目的は、特に、簡単な構成で且つ狭い占有スペースで、複数の筒体間に作用させる付勢力の変動を効果的に抑え、可動部分の遊びによるガタの影響を抑制し、複数の撮影レンズ群の光軸のズレを抑制して撮像画質を向上させることを可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項7の目的は、特に、簡単で且つ簡易な構成で、複数の筒体間に作用させる付勢力の変動を効果的に抑え、可動部分の遊びによるガタの影響を抑制し、複数の撮影レンズ群の光軸のズレを抑制して撮像画質を向上させることを可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項8の目的は、特に、簡易で且つ安定な構成で、複数の筒体間に作用させる付勢力の変動を効果的に抑え、可動部分の遊びによるガタの影響を抑制し、複数の撮影レンズ群の光軸のズレを抑制して撮像画質を向上させることを可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項9の目的は、特に、撮影状態でのみ複数の筒体間に付勢力を作用させてしかもその変動を効果的に抑え、可動部分の遊びによるガタの影響を抑制し、複数の撮影レンズ群の光軸のズレを抑制して撮像画質を向上させることを可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項10の目的は、特に、撮影状態で複数の筒体間にほぼ一定の付勢力を作用させて、可動部分の遊びによるガタの影響を抑制し、複数の撮影レンズ群の光軸のズレを抑制して撮像画質を向上させることを可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項11の目的は、特に、複数の筒体間に安定に付勢力を作用させて、可動部分の遊びによるガタの影響を抑制し、複数の撮影レンズ群の光軸のズレを抑制して撮像画質を向上させることを可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項12の目的は、特に、複数の筒体間に安定に付勢力を作用させて、可動嵌合部分の遊びによるガタの影響を効果的に抑制し、複数の撮影レンズ群の光軸のズレを抑制して撮像画質を向上させることを可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項13の目的は、特に、外観を阻害することなく、複数の筒体間に付勢力を作用させて、可動部分の遊びによるガタの影響を抑制し、複数の撮影レンズ群の光軸のズレを抑制して撮像画質を向上させることを可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項14の目的は、特に、回転筒体とライナー部材間に付勢力を作用させて、可動部分の遊びによるガタの影響を抑制し、複数の撮影レンズ群の光軸のズレを抑制して撮像画質を向上させることを可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項15の目的は、特に、レンズ鏡胴の光軸方向に沿って移動する複数のレンズ群について、簡単な構成で撮影状態における複数の筒体間の遊びによる影響を抑制し、沈胴時の寸法を増大させることなくレンズ性能の向上および取得画像の画質の向上を可能とする撮像装置を提供することにある。
本発明の請求項16の目的は、特に、カメラ機能部のレンズ鏡胴の光軸方向に沿って移動する複数のレンズ群について、簡単な構成で撮影状態における複数の筒体間の遊びによる影響を抑制し、沈胴時の寸法を増大させることなくレンズ性能の向上および取得画像の画質の向上を可能とする情報装置を提供することにある。
請求項1に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、上述した目的を達成するために、
各群がそれぞれ1つ以上のレンズからなる複数のレンズ群の少なくとも1つのレンズ群を保持する少なくとも1つのレンズ枠と、前記少なくとも1つの前記レンズ枠の外周および内周の少なくとも一方に配置された少なくとも3つの筒体を有し、前記少なくとも3つの筒体のうちの少なくとも1つを回転筒体とし、前記回転筒体を回転させて、該回転筒体を光軸方向に沿って移動させ、前記レンズ群およびレンズ枠の少なくとも一部を沈胴させて前記レンズ群を収納する沈胴状態から前記レンズ群およびレンズ枠の少なくとも一部を繰り出して対物側へ移動させて撮影状態とするレンズ鏡胴において、
前記回転筒体の内側および外側のいずれか一方に、前記3つの筒体のうちの他の筒体として、前記回転筒体と相対的に回転可能で且つ光軸方向については前記回転筒体と一体的に直進移動するとともに、前記レンズ枠および前記3つの筒体以外の筒体の少なくとも1つの相対的な回転を規制する直進溝を有するライナー部材を具備し、前記ライナー部材の筒状部分に光軸方向に延びる貫通溝を設け、前記ライナー部材の前記貫通溝部分には、前記回転筒体の回転に伴って前記ライナー部材に対して相対的に光軸方向に沿って移動する前記3つの筒体のその他の筒体と前記回転筒体との間に光軸方向についての付勢力を与える付勢部材を備えることを特徴としている。
請求項2に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項1のレンズ鏡胴であって、
前記付勢部材は、前記ライナー部材の内側および外側の少なくとも一方に配置される前記回転筒体および前記その他の筒体を相対的に光軸方向に付勢することを特徴としている。
請求項3に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項1または請求項2のレンズ鏡胴であって、
前記付勢部材は、付勢力を発生するバネと、このバネを受け且つ前記ライナー部材に対し光軸方向に沿って相対的に移動するバネ受け部材とを有して構成されていることを特徴としている。
請求項4に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項3のレンズ鏡胴であって、
前記バネ受け部材は、前記ライナー部材の貫通溝に沿って光軸方向に移動可能であることを特徴としている。
請求項5に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項3または請求項4のレンズ鏡胴であって、
前記バネ受け部材は、前記回転筒体および前記その他の筒体のいずれか一方に形成されたカム溝に嵌合するカムフォロワを有することを特徴としている。
請求項6に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項3〜請求項5のいずれか1項のレンズ鏡胴であって、
前記バネは、板バネであることを特徴としている。
請求項7に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項3〜請求項5のいずれか1項のレンズ鏡胴であって、
前記バネは、圧縮コイルバネであることを特徴としている。
請求項8に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項6または請求項7のレンズ鏡胴であって、
前記バネは、一端が前記バネ受け部材に固定されていることを特徴としている。
請求項9に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項1〜請求項8のいずれか1項のレンズ鏡胴であって、
前記付勢部材は、沈胴状態では、前記回転筒体と前記その他の筒体の少なくとも一方に接触せず、付勢力を発生しないが、撮影状態では、前記回転筒体と前記その他の筒体の両方に当接して前記回転筒体と前記その他の筒体を光軸方向に相対的に付勢することを特徴としている。
請求項10に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項1〜請求項9のいずれか1項のレンズ鏡胴であって、
前記付勢部材は、撮影状態では、前記ライナー部材および前記回転筒体に対する前記その他の筒体の光軸方向の相対移動に、ほぼ同一の移動速度で追随して光軸方向に相対移動することを特徴としている。
請求項11に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項1〜請求項10のいずれか1項のレンズ鏡胴であって、
前記付勢部材は、同一円周上に少なくとも2つ設けることを特徴としている。
請求項12に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項1〜請求項11のいずれか1項のレンズ鏡胴であって、
前記ライナー部材と前記回転筒体とは、ヘリコイド嵌合していることを特徴としている。
請求項13に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項5のレンズ鏡胴であって、
前記カム溝は、有底溝からなる有底カムであることを特徴としている。
請求項14に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項5のレンズ鏡胴であって、
前記その他の筒体は、前記回転筒体に連動して回転し、前記ライナー部材に対して相対的に光軸方向に沿って移動する他の回転筒体であることを特徴としている。
請求項15に記載した本発明に係る撮像装置は、
撮像用光学系として、請求項1〜請求項14のいずれか1項のレンズ鏡胴を用いた光学系を含むことを特徴としている。
請求項16に記載した本発明に係る情報装置は、
カメラ機能部を有し、且つ前記カメラ機能部の撮像用光学系として、請求項1〜請求項13のいずれか1項のレンズ鏡胴を用いた光学系を含むことを特徴としている。
すなわち、本発明の請求項1のレンズ鏡胴によれば、
各群がそれぞれ1つ以上のレンズからなる複数のレンズ群の少なくとも1つのレンズ群を保持する少なくとも1つのレンズ枠と、前記少なくとも1つの前記レンズ枠の外周および内周の少なくとも一方に配置された少なくとも3つの筒体を有し、前記少なくとも3つの筒体のうちの少なくとも1つを回転筒体とし、前記回転筒体を回転させて、該回転筒体を光軸方向に沿って移動させ、前記レンズ群およびレンズ枠の少なくとも一部を沈胴させて前記レンズ群を収納する沈胴状態から前記レンズ群およびレンズ枠の少なくとも一部を繰り出して対物側へ移動させて撮影状態とするレンズ鏡胴において、
前記回転筒体の内側および外側のいずれか一方に、前記3つの筒体のうちの他の筒体として、前記回転筒体と相対的に回転可能で且つ光軸方向については前記回転筒体と一体的に直進移動するとともに、前記レンズ枠および前記3つの筒体以外の筒体の少なくとも1つの相対的な回転を規制する直進溝を有するライナー部材を具備し、前記ライナー部材の筒状部分に光軸方向に延びる貫通溝を設け、前記ライナー部材の前記貫通溝部分には、前記回転筒体の回転に伴って前記ライナー部材に対して相対的に光軸方向に沿って移動する前記3つの筒体のその他の筒体と前記回転筒体との間に光軸方向についての付勢力を与える付勢部材を備えることにより、
特に、光軸方向に沿って移動する1つの回転筒体とライナー部材間の遊びによるガタを無くし、結果として、撮影状態における回転筒体およびライナー部材の内側の複数の撮影レンズ群の光軸のズレを無くし、沈胴時の寸法を増大させることなくレンズ性能の向上および取得画像の画質を向上させることができる。
本発明の請求項2のレンズ鏡胴によれば、請求項1のレンズ鏡胴において、
前記付勢部材は、前記ライナー部材の内側および外側の少なくとも一方に配置される前記回転筒体および前記その他の筒体を相対的に光軸方向に付勢することにより、
特に、沈胴状態と撮影状態との間で、光軸方向に沿って移動し且つ相互間で相対的に移動する複数の筒体間の可動部分の遊びによるガタを無くすことで、結果として複数の筒体の内側の複数の撮影レンズ群の光軸のズレを無くして撮像画質を向上させることができる。
本発明の請求項3のレンズ鏡胴によれば、請求項1または請求項2のレンズ鏡胴において、
前記付勢部材は、付勢力を発生するバネと、このバネを受け且つ前記ライナー部材に対し光軸方向に沿って相対的に移動するバネ受け部材とを有して構成されることにより、
特に、付勢部材の光軸方向の移動をスムーズにし、複数の筒体間に安定した付勢力を作用させて、付勢力の変動幅を抑え、複数の筒体間の遊びによるガタを無くし、結果として、筒体の内側の複数の撮影レンズ群の光軸のズレを抑制し、撮像画質を向上させることができる。
本発明の請求項4のレンズ鏡胴によれば、請求項3のレンズ鏡胴において、
前記バネ受け部材を、前記ライナー部材の貫通溝に沿って光軸方向に移動可能とすることにより、
特に、複数の筒体間に作用させる付勢力の変動幅を抑え、複数の筒体間の遊びによるガタの影響を抑制し、結果として、複数の筒体の内側の複数の撮影レンズ群の光軸のズレを無くし、撮像画質を向上させることができる。
本発明の請求項5のレンズ鏡胴によれば、請求項3または請求項4のレンズ鏡胴において、
前記バネ受け部材は、前記回転筒体および前記その他の筒体のいずれか一方に形成されたカム溝に嵌合するカムフォロワを有することにより、
特に、複数の筒体間に作用させる付勢力の変動を効果的に抑え、可動部分の遊びによるガタの影響を抑制し、結果として、複数の筒体の内側の複数の撮影レンズ群の光軸のズレを抑制し、撮像画質を向上させることができる。
本発明の請求項6のレンズ鏡胴によれば、請求項3〜請求項5のいずれか1項のレンズ鏡胴において、
前記バネを、板バネとして構成することにより、
特に、簡単な構成で且つ狭い占有スペースで、複数の筒体間に作用させる付勢力の変動を効果的に抑え、可動部分の遊びによるガタの影響を抑制し、結果として、複数の筒体の内側の複数の撮影レンズ群の光軸のズレを抑制し、撮像画質を向上させることができる。
本発明の請求項7のレンズ鏡胴によれば、請求項3〜請求項5のいずれか1項のレンズ鏡胴において、
前記バネを、圧縮コイルバネとして構成することにより、
特に、簡単で且つ簡易な構成で、複数の筒体間に作用させる付勢力の変動を効果的に抑え、可動部分の遊びによるガタの影響を抑制し、結果として、複数の筒体の内側の複数の撮影レンズ群の光軸のズレを抑制し、撮像画質を向上させることができる。
本発明の請求項8のレンズ鏡胴によれば、
請求項8に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項6または請求項7のレンズ鏡胴において、
前記バネは、一端を前記バネ受け部材に固定することにより、
特に、沈胴状態から撮影状態に移行するときに安定して回転筒体と当接して付勢することができ、複数の筒体間に作用させる付勢力を安定して付与させることができ、可動部分の遊びによるガタを無くし、結果として、複数の筒体の内側の複数の撮影レンズ群の光軸のズレを無くし、撮像画質を向上させることができる。
本発明の請求項9のレンズ鏡胴によれば、請求項1〜請求項8のいずれか1項のレンズ鏡胴において、
前記付勢部材は、沈胴状態では、前記回転筒体と前記その他の筒体の少なくとも一方に接触せず、付勢力を発生しないが、撮影状態では、前記回転筒体と前記その他の筒体の両方に当接して前記回転筒体と前記その他の筒体を光軸方向に相対的に付勢することにより、
特に、沈胴と繰り出しの動作時における消費電力を減らすことができる。
本発明の請求項10のレンズ鏡胴によれば、請求項1〜請求項9のいずれか1項のレンズ鏡胴において、
前記付勢部材は、撮影状態では、前記ライナー部材および前記回転筒体に対する前記その他の筒体の光軸方向の相対移動に、ほぼ同一の移動速度で追随して光軸方向に相対移動させることにより、
特に、撮影状態のズーム領域でも複数の筒体間にほぼ一定の付勢力を作用させて、可動部分の遊びによるガタの影響を無くし、結果として、複数の筒体の内側の複数の撮影レンズ群の光軸のズレを無くし、撮像画質を向上させることができる。
本発明の請求項11のレンズ鏡胴によれば、請求項1〜請求項10のいずれか1項のレンズ鏡胴において、
前記付勢部材は、同一円周上に少なくとも2つ設けることにより、
特に、偏り無く、複数の筒体間に安定に付勢力を作用させて、可動部分の遊びによるガタの影響を無くし、結果として、複数の筒体の内側の複数の撮影レンズ群の光軸のズレを無くし、撮像画質を向上させることができる。
本発明の請求項12のレンズ鏡胴によれば、請求項1〜請求項11のいずれか1項のレンズ鏡胴において、
前記ライナー部材と前記回転筒体とが、ヘリコイド嵌合していることにより、
特に、複数の筒体間に安定に付勢力を作用させて、ヘリコイド嵌合部分の遊びによるガタの影響を効果的に抑制し、結果的に複数の撮影レンズ群の光軸のズレを無くし、撮像画質を向上させることができる。
本発明の請求項13のレンズ鏡胴によれば、請求項5のレンズ鏡胴において、
前記カム溝を、有底溝からなる有底カムとすることにより、
特に、外観を阻害することなく、複数の筒体間に付勢力を作用させて、可動部分の遊びによるガタの影響を抑制し、複数の撮影レンズ群の光軸のズレを抑制し、撮像画質を向上させることができる。
本発明の請求項14のレンズ鏡胴によれば、請求項5のレンズ鏡胴において、
前記その他の筒体は、前記回転筒体に連動して回転し、前記ライナー部材に対して相対的に光軸方向に沿って移動する他の回転筒体であることにより、
特に、3つの筒体間に付勢力を作用させて、可動部分の遊びによるガタの影響を抑制し、結果的に、3つの筒体の内側の複数の撮影レンズ群の光軸のズレを無くし、撮像画質を向上させることができる。
本発明の請求項15の撮像装置によれば、
撮像用光学系として、請求項1〜請求項14のいずれか1項のレンズ鏡胴を用いた光学系を含むことにより、
特に、複数の筒体間の遊びによるガタを無くし、結果として、複数の筒体の内側の撮影状態におけるレンズ群間の遊びによる影響を抑制し、沈胴時の寸法を増大させることなくレンズ性能の向上および取得画像の画質を向上させることができる。
本発明の請求項16の情報装置によれば、
カメラ機能部を有し、且つ前記カメラ機能部の撮像用光学系として、請求項1〜請求項13のいずれか1項のレンズ鏡胴を用いた光学系を含むことにより、
特に、簡単な構成で、複数の筒体間の遊びによるガタを無くし、結果として、簡単な構成で撮影状態における複数の筒体間の遊びによる影響を抑制し、沈胴時の寸法を増大させることなくレンズ性能の向上および取得画像の画質の向上を図ることができる。
本発明の第1の実施の形態に係るレンズ鏡胴(カメラコアユニット)の構成を示す沈胴状態の模式的縦断面図であり、(a)は、ほぼ全体を、そして(b)は、(a)におけるB部分の拡大部分詳細図である。 図1のレンズ鏡胴の構成を示す広角(短焦点)撮影状態の模式的縦断面図であり、(a)は、ほぼ全体を、そして(b)は、(a)におけるB部分の拡大部分詳細図である。 図1のレンズ鏡胴の構成を示す望遠(長焦点)撮影状態の模式的縦断面図であり、(a)は、ほぼ全体を、そして(b)は、(a)におけるB部分の拡大部分詳細図である。 図1のレンズ鏡胴の沈胴状態における外観構成を示す模式的斜視図である。 図1のレンズ鏡胴の撮影状態における外観構成を示す模式的斜視図である。 図1のレンズ鏡胴に用いる付勢部材を外周側から見た外観構成を示す模式的斜視図である。 図6の付勢部材を内周側から見た外観構成を示す模式的斜視図である。 図6の付勢部材を示す模式的縦断面図である。 図1のレンズ鏡胴に用いる第1のライナー部材(ライナー部材大)を斜め物体側から見た外観構成を示す模式的斜視図である。 図1のレンズ鏡胴に用いる第1の回転筒体(回転筒大)を斜め像面側から見た外観構成を示す模式的斜視図である。 図1のレンズ鏡胴における第1の回転筒体(回転筒大)、第1のライナー部材(ライナー部材大)、第2の回転筒(回転筒小)および付勢部材の相互連係位置関係を説明するための模式的平面図である。 本発明の第2の実施の形態に係るレンズ鏡胴の構成を示す沈胴状態の模式的縦断面図であり、(a)は、ほぼ全体を、そして(b)は、(a)におけるB部分の拡大部分詳細図である。 図12のレンズ鏡胴の構成を示す広角(短焦点)撮影状態の模式的縦断面図であり、(a)は、ほぼ全体を、そして(b)は、(a)におけるB部分の拡大部分詳細図である。 図12のレンズ鏡胴の構成を示す望遠(長焦点)撮影状態の模式的縦断面図であり、(a)は、ほぼ全体を、そして(b)は、(a)におけるB部分の拡大部分詳細図である。
以下、本発明の実施の形態に基づき、図面を参照して本発明に係るレンズ鏡胴を詳細に説明する。
図1〜図11は、本発明の第1の実施の形態に係るレンズ鏡胴(レンズ鏡胴を含むカメラコアユニット)の構成を示しており、図1〜図5はレンズ鏡胴のほぼ全体の構成を示している。図1は、本発明の第1の実施の形態に係るレンズ鏡胴の上半部分の構成を示す沈胴状態の模式的縦断面図であり、(a)は、ほぼ全体を、そして(b)は、(a)におけるB部分の拡大部分詳細図である。図2は、図1のレンズ鏡胴の上半部分の構成を示す広角(短焦点)撮影状態の模式的縦断面図であり、(a)は、ほぼ全体を、そして(b)は、(a)におけるB部分の拡大部分詳細図である。そして、図3は、図1のレンズ鏡胴の上半部分の構成を拡大して示す望遠(長焦点)撮影状態の模式的縦断面図であり、(a)は、ほぼ全体を、そして(b)は、(a)におけるB部分の拡大部分詳細図である。また、図4は、図1のレンズ鏡胴の沈胴状態における外観構成を示す模式的斜視図であり、図5は、図1のレンズ鏡胴の撮影状態における外観構成を示す模式的斜視図である。
また、図6〜図10は、図1〜図5に用いられている各部分の詳細を模式的に示している。図6は、図1のレンズ鏡胴に用いる付勢部材を外周側から見た外観構成を示す模式的斜視図、図7は、図6の付勢部材を内周側から見た外観構成を示す模式的斜視図、そして、図8は、図6の付勢部材を示す模式的縦断面図である。図9は、図1のレンズ鏡胴に用いる第1のライナー部材(ライナー部材大)を斜め物体側から見た外観構成を示す模式的斜視図であり、そして図10は、図1のレンズ鏡胴に用いる第1の回転筒体(回転筒大)を斜め像面側から見た外観構成を示す模式的斜視図である。
図1〜図10に示すレンズ鏡胴は、第1群レンズ系11、第2群レンズ系12、絞り/シャッタユニット13、第3群レンズ系14、第4群レンズ系15、撮像素子ユニット16、第1群レンズ枠21、第2群レンズ枠22、内カム部材23、ライナー部材小(第2のライナー部材)24、回転筒小(第2の回転筒体)25、ライナー部材大(第1のライナー部材)26、回転筒大(第1の回転筒体)27、固定枠28、圧縮バネ29、バネ受け部材30および板バネ31を具備している。なお、絞り/シャッタユニット13、第1群レンズ枠21、第2群レンズ枠22、回転筒小25およびバネ受け部材30には、それぞれカムフォロワ13a、カムフォロワ21a、カムフォロワ22a、カムフォロワ25aおよびカムフォロワ30aが、圧入等により植設されており、回転筒小25には、さらに段差部25bが形成され、ライナー部材大26には、直進溝26aおよびヘリコイド溝26bが設けられ、回転筒大27には、図10に示すように、カム溝27aが設けられ、そして板バネ31には、当接部31aが形成されている。
図1および図4に示す沈胴状態においては、図1に示す通り、第1群レンズ系11と、第2群レンズ系12と、絞り/シャッタユニット13とは、物体側から、順次、光軸に沿って配置されており、第3群レンズ系14と第4群レンズ系15とは、図示してはいないが、光軸から退避した場所に格納されている。第1群レンズ系11は、第1群レンズ枠21に、そして第2群レンズ系12は、第2群レンズ枠22に、それぞれ保持されている。
この状態から図2、図3および図5に示す撮影状態へ移行するために、図示していない駆動源の駆動力によって第1の回転筒体としての回転筒大27を光軸周りに回転させる。回転筒大27とその外側の固定枠28とは、ヘリコイド嵌合しており、回転筒大27を回転させることによって、回転筒大27を光軸方向に繰り出す。回転筒大27の内側には、第1のライナー部材としてのライナー部材大26が、相対的に回転可能であるが光軸方向には相対移動せず一体的に移動するような嵌合をしており、ライナー部材大26は、固定枠28の直進溝に嵌合することによって、回転することなく回転筒大27と一体的に連動して同じ位置へ直進する。
さらに、ライナー部材大26の内側には、第2の回転筒体としての回転筒小25がヘリコイド嵌合しており、回転筒小25に圧入されたカムフォロワ25aによって、回転筒大27の回転が回転筒小25に伝えられる。すなわち、回転筒大27の内側には、カムフォロワ25aが嵌合する直進溝が形成されており、回転筒大27と回転筒小25は、連動して一体的に回転し、ヘリコイド嵌合しているライナー部材大26に対して回転筒小25が繰り出される。回転筒小25の内側には第1群レンズ枠21に圧入されているカムフォロワ21aに嵌合するカムが形成されており、さらに内側に第2のライナー部材としてのライナー部材小24と直進嵌合している。ライナー部材小24はライナー部材大26と直進嵌合しており、これによって第1群レンズ枠21は回転筒小25の内側に形成されたカムに沿って回転せずに繰り出される。また内カム部材23は、回転筒小25とほぼ一体化されており、第2群レンズ枠22に圧入されたカムフォロワ22aと絞り/シャッタユニット13に圧入されたカムフォロワ13aと嵌合し、カムフォロワ22aとカムフォロワ13aはライナー部材小24の内側に形成された直進溝に嵌合していて、内カム部材23が回転すると内カム部材23に形成されたカムによって第2群レンズ枠22と絞り/シャッタユニット13が光軸方向に繰り出される。なお、撮像素子ユニット16は、撮像素子、撮像素子の信号を取り出すフレキシブルプリント基板(FPC)、撮像素子を固定する押さえおよびゴーストやフレアを防止する遮光シート等が一体化されて構成される。
図2に示すような広角(短焦点)撮影状態に移行する直前に、第3群レンズ系14と第4群レンズ系15が図示していない操作機構により、図2のように光軸位置に挿入され、撮影可能状態となる。さらに、回転筒大27を回転させると変倍動作となり、回転筒小25の内側および内カム23に形成されたカムに沿って第1群レンズ枠21と第2群レンズ枠22と絞り/シャッタユニット13とが、それぞれ所定の位置へ移動される。第3群レンズ系14と第4群レンズ系15は、第1群レンズ枠21、第2群レンズ枠22、絞り/シャッタユニット13とは別のアクチュエータにて駆動されて、所定の位置へ移動される。このようにして、図2に示す広角(短焦点)撮影状態から図3に示す望遠(長焦点)撮影状態までの変倍を行う。
第1群レンズ枠21と第2群レンズ枠22との間には、圧縮バネ29が設置されており、第1群レンズ枠21と第2群レンズ枠22との間は、回転筒小25と内カム23を介して光軸方向に安定して付勢されている(図2に矢印で示す付勢力P29A,P29B)。また、固定枠28と、回転筒大27およびライナー部材大26との間にも安定させるための図示していない付勢部材が固定枠28に設置されており、ライナー部材大26を光軸方向に付勢している(図2に矢印で示す付勢力P26)。
そして、本発明に係る付勢部材は、図6〜図8に詳細に示すように、バネ受け部材30およびバネとしての板バネ31により構成している。この付勢部材によって、回転筒大27およびライナー部材大26と、回転筒小25との間を、光軸に沿う方向に安定して付勢し(図2(b)および図8に矢印で示す付勢力P30,P31)、固定枠28に対して第1群レンズ枠21と第2群レンズ枠22の位置を安定させ、撮影画像の画質を向上させるようにしている。
すなわち、本発明に係る付勢部材は、図6〜図8に示すように、ほぼL字状に形成した樹脂製のバネ受け部材30の屈曲部近傍に断面形状がおおむねS字状に折曲形成した板バネ31の一端を固定して構成している。図6および図8に示すように、バネ受け部材30の外側面のほぼ中央には、カムフォロワ30aを突出形成している。また、バネ受け部材30の屈曲部近傍に一端が固定された板バネ31の他端は当接部31aを形成している。図2(b)および図8に示すように、この板バネ31の当接部31aが、回転筒小25の段差部25bに当接して回転筒小25を光軸に沿う方向への付勢力P31にて付勢すると、バネ受け部材30のカムフォロワ30aには反力としての付勢力P30が発生する。
このように構成された付勢部材は、図9等に示されているライナー部材大26の直進溝26aに、光軸に沿う方向にスライド移動可能に係合配置する。すなわち、ライナー部材大26の直進溝26aは、光軸に沿う方向に延在する貫通溝であり、この直進溝26aの両側縁部は、バネ受け部材30の両側縁に対応して段差部を形成しており、バネ受け部材30の両側縁が直進溝26aの両側縁部の段差部に係合し、バネ受け部材30を光軸に沿って直進スライド可能としている。また、ライナー部材大26の外側に配置される回転筒大27の内側には、バネ受け部材30のカムフォロワ30aが嵌合するカム溝27aを形成しており、回転筒大27の相対的な回転により、カム溝27aおよびカムフォロワ30aを介してバネ受け部材30を光軸に沿って直進スライドさせる。それと同時に、この付勢部材の板バネ31の当接部31aが、回転筒小25の段差部25bに対して光軸に沿う方向への付勢力P31を作用することにより、反力としてバネ受け部材30のカムフォロワ30aに発生する付勢力P30を回転筒大27に伝達する。
上述した付勢部材は、ライナー部材大26の円周上における付勢力が偏らないように複数個、つまり2個以上、等間隔で配置することが望ましく、例えば3個を円周上におおむね等間隔に(120度間隔)配置する。この場合、ライナー部材大26には、光軸方向に沿う直進溝26aを3個形成し、それぞれに付勢部材を配置して、回転筒大27によって挟み込む。
このような付勢部材は、回転筒大27とライナー部材大26との相対的な回転により光軸に沿う方向に移動するが、その移動速度、つまり回転量に対する移動量、を回転筒大27と回転筒小25の変倍動作時の相対移動量とほぼ同等にすることによって、変倍動作時の板バネ31による付勢力をほぼ一定とすることができる。なお、付勢部材を移動させるためのカム溝27aは、沈胴状態では板バネ31の当接部31aが回転筒小25の段差部25bに当接しておらず、撮影状態となる直前に板バネの当接部31aが当接するような形状としている。
図11には、バネ受け部材30と板バネ31からなる付勢部材、付勢部材を光軸方向に移動させるカム溝27a、ヘリコイド嵌合している回転筒小25とライナー部材大26のヘリコイド溝26bの関係を模式的に示している。図11の左端には、回転筒小25の側面段差部25bおよび付勢部材の断面を示しており、その右側には、外側面側から見た付勢部材と、回転筒大27のカム溝27a、ライナー部材大26のヘリコイド溝26bおよび段差部25bの軌跡を展開して示している。
付勢部材を構成するバネ受け部材30と板バネ31は、ライナー部材大26の直進溝26aに光軸に沿う方向にのみ移動可能に設けられ、回転筒大27の内側に形成されているカム溝27aにバネ受け部材30のカムフォロワ30aが嵌合しているので、回転筒大27が回転することによって、バネ受け部材30と板バネ31がカム溝27aに沿って光軸方向に移動する。板バネ31の先端の当接部31aは、図に一点鎖線で示すような軌跡で移動する。一方、回転筒小25は、光軸まわりの回転方向については、回転筒大27と一体的に回転し、ライナー部材大26の内側のヘリコイド26bに沿って繰り出される。回転筒小25の段差25bは図に仮想線(二点鎖線)で示すような軌跡を描き、板バネ31の先端当接部31aの軌跡とは、広角状態の直前でオーバーラップしている。このオーバーラップ量が板バネ31の圧縮量となり、付勢力が作用する。オーバーラップした後は、板バネ31は、付勢部材受け30とともに回転筒小25の繰り出し量と同じ移動量(移動速度)で光軸方向前方に移動するため、付勢力は広角状態から望遠状態まで一定となる。
図12〜図14は、本発明の第2の実施の形態に係るレンズ鏡胴(レンズ鏡胴を含むカメラコアユニット)のほぼ全体の構成を示している。図12は、本発明の第2の実施の形態に係るレンズ鏡胴の構成を示す沈胴状態の模式的縦断面図であり、(a)は、ほぼ全体を、そして(b)は、(a)におけるB部分の拡大部分詳細図である。図13は、図12のレンズ鏡胴の構成を示す広角(短焦点)撮影状態の模式的縦断面図であり、(a)は、ほぼ全体を、そして(b)は、(a)におけるB部分の拡大部分詳細図である。そして、図14は、図12のレンズ鏡胴の構成を示す望遠(長焦点)撮影状態の模式的縦断面図であり、(a)は、ほぼ全体を、そして(b)は、(a)におけるB部分の拡大部分詳細図である。
この場合、付勢部材を構成するバネとして、板バネ31に代えて圧縮バネ41を用いており、回転筒小25の段差25aに当接する当接部41aを有している。図12〜図14の構成では、圧縮バネ41の当接部41aが、段差部25bに当接し、回転筒小25を光軸に沿う方向に押圧して、図13(b)に示す付勢力P41で付勢している。この圧縮バネ41に関連する構成を除き、図1〜図3の場合とおおむね同様である。
さらに、上述した実施の形態のレンズ鏡胴を搭載してディジタルカメラ等の撮像装置を構成しても良く、携帯型情報端末装置等の情報装置のカメラ機能に上述した実施の形態のレンズ鏡胴を搭載しても良い。
11 第1群レンズ系
12 第2群レンズ系
13 絞り/シャッタユニット
14 第3群レンズ系
15 第4群レンズ系
16 撮像素子ユニット
21 第1群レンズ枠
22 第2群レンズ枠
23 内カム部材
24 ライナー部材小(第2のライナー部材)
25 回転筒小(第2の回転筒体)
25a カムフォロワ
25b 段差部
26 ライナー部材大(第1のライナー部材)
26a 直進溝
26b ヘリコイド溝
27 回転筒大(第1の回転筒体)
27a カム溝
28 固定枠
29 圧縮バネ
30 バネ受け部材
30a カムフォロワ
31 板バネ
41 圧縮バネ
25b 段差部
26a 直進溝
26b ヘリコイド溝
27a カム溝
31a、41a 当接部
特開2007−114533号公報 特開2009−244613号公報

Claims (16)

  1. 各群がそれぞれ1つ以上のレンズからなる複数のレンズ群の少なくとも1つのレンズ群を保持する少なくとも1つのレンズ枠と、前記少なくとも1つの前記レンズ枠の外周および内周の少なくとも一方に配置された少なくとも3つの筒体を有し、前記少なくとも3つの筒体のうちの少なくとも1つを回転筒体とし、前記回転筒体を回転させて、該回転筒体を光軸方向に沿って移動させ、前記レンズ群およびレンズ枠の少なくとも一部を沈胴させて前記レンズ群を収納する沈胴状態から前記レンズ群およびレンズ枠の少なくとも一部を繰り出して対物側へ移動させて撮影状態とするレンズ鏡胴において、
    前記回転筒体の内側および外側のいずれか一方に、前記3つの筒体のうちの他の筒体として、前記回転筒体と相対的に回転可能で且つ光軸方向については前記回転筒体と一体的に直進移動するとともに、前記レンズ枠および前記3つの筒体以外の筒体の少なくとも1つの相対的な回転を規制する直進溝を有するライナー部材を具備し、前記ライナー部材の筒状部分に光軸方向に延びる貫通溝を設け、前記ライナー部材の前記貫通溝部分には、前記回転筒体の回転に伴って前記ライナー部材に対して相対的に光軸方向に沿って移動する前記3つの筒体のその他の筒体と前記回転筒体との間に光軸方向についての付勢力を与える付勢部材を備えることを特徴とするレンズ鏡胴。
  2. 前記付勢部材は、前記ライナー部材の内側および外側の少なくとも一方に配置される前記回転筒体および前記その他の筒体を相対的に光軸方向に付勢することを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡胴。
  3. 前記付勢部材は、付勢力を発生するバネと、このバネを受け且つ前記ライナー部材に対し光軸方向に沿って相対的に移動するバネ受け部材とを有して構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレンズ鏡胴。
  4. 前記バネ受け部材は、前記ライナー部材の貫通溝に沿って光軸方向に移動可能であることを特徴とする請求項3に記載のレンズ鏡胴。
  5. 前記バネ受け部材は、前記回転筒体および前記その他の筒体のいずれか一方に形成されたカム溝に嵌合するカムフォロワを有することを特徴とする請求項3または請求項4に記載のレンズ鏡胴。
  6. 前記バネは、板バネであることを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載のレンズ鏡胴。
  7. 前記バネは、圧縮コイルバネであることを特徴とする請求項3〜請求項5のいずれか1項に記載のレンズ鏡胴。
  8. 前記バネは、一端が前記バネ受け部材に固定されていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載のレンズ鏡胴。
  9. 前記付勢部材は、沈胴状態では、前記回転筒体と前記その他の筒体の少なくとも一方に接触せず、付勢力を発生しないが、撮影状態では、前記回転筒体と前記その他の筒体の両方に当接して前記回転筒体と前記その他の筒体を光軸方向に相対的に付勢することを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のレンズ鏡胴。
  10. 前記付勢部材は、撮影状態では、前記ライナー部材および前記回転筒体に対する前記その他の筒体の光軸方向の相対移動に、ほぼ同一の移動速度で追随して光軸方向に相対移動することを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のレンズ鏡胴。
  11. 前記付勢部材は、同一円周上に少なくとも2つ設けることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のレンズ鏡胴。
  12. 前記ライナー部材と前記回転筒体とは、ヘリコイド嵌合していることを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載のレンズ鏡胴。
  13. 前記カム溝は、有底溝からなる有底カムであることを特徴とする請求項5に記載のレンズ鏡胴。
  14. 前記その他の筒体は、前記回転筒体に連動して回転し、前記ライナー部材に対して相対的に光軸方向に沿って移動する他の回転筒体であることを特徴とする請求項5に記載のレンズ鏡胴。
  15. 撮像用光学系として、請求項1〜請求項14のいずれか1項のレンズ鏡胴を用いた光学系を含むことを特徴とする撮像装置。
  16. カメラ機能部を有し、且つ前記カメラ機能部の撮像用光学系として、請求項1〜請求項13のいずれか1項のレンズ鏡胴を用いた光学系を含むことを特徴とする情報装置。
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