JP2011235711A - 操舵補助装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】操舵が危険領域に近づいたときに操縦者に機体を安定させる操舵を促すことができる操舵補助装置を提供することを目的とする。
【解決手段】操舵補助装置1は、操縦者のエルロン操舵、エレベータ操舵、ラダー操舵の各操舵に対して付加操舵反力を生じさせるモータ31,33,35と、操舵の危険領域を特定する反力制御演算部61と、を備え、反力制御演算部61は、操縦者の操舵が危険領域近づくほど、モータ31,33,35による付加操舵反力を、操舵を戻す方向に大きく発生させる。
【選択図】図3
【解決手段】操舵補助装置1は、操縦者のエルロン操舵、エレベータ操舵、ラダー操舵の各操舵に対して付加操舵反力を生じさせるモータ31,33,35と、操舵の危険領域を特定する反力制御演算部61と、を備え、反力制御演算部61は、操縦者の操舵が危険領域近づくほど、モータ31,33,35による付加操舵反力を、操舵を戻す方向に大きく発生させる。
【選択図】図3
Description
本発明は、操舵補助装置に関するものである。
従来、このような分野の技術として、下記特許文献1に記載の操舵装置が知られている。この装置は、ステアバイワイヤ式のステアリングホイールに操舵反力を付与するアクチュエータを備えている。そして、車両の旋回中にオーバーステア傾向になりカウンタステアが必要になったときに、操舵装置は、上記操舵反力を一瞬だけ低下させる。このように操舵反力を一瞬だけ低下させることで、カウンタステアを行うべきタイミングを運転者に知らせることが提案されている。
しかしながら、操舵反力を一瞬だけ低下させてオーバーステア傾向を運転者に認識させた後、元の操舵反力に再度戻るので、運転者に操舵装置を戻させ車体姿勢を安定させる操作を促す作用としては、不十分な場合もある。本発明は、操舵が危険領域に近づいたときに操縦者に機体を安定させる操舵を確実に促すことができる操舵補助装置を提供することを目的とする。
本発明の操舵補助装置は、操縦者の操舵に対して操舵反力を生じさせる操舵反力発生手段と、操舵の危険領域を特定する危険領域判定手段と、を備え、操縦者の操舵が危険領域近づくほど、操舵反力発生手段による操舵反力を、操舵を戻す方向に大きく発生させることを特徴とする。
この操舵補助装置によれば、操縦者の操舵が危険領域に近づくほど操舵を戻す方向に操舵反力が大きくなるので、操縦者に対して操舵を戻すことを確実に促すことができる。そして、操縦者は、操舵が危険領域に近づいていることを認識しさらに操舵を戻すことにより機体を安定させる操舵を行うことができる。
また、本発明の操舵補助装置は、操縦者による操舵が危険領域に突入する直前に、操舵反力発生手段による操舵反力を一瞬だけ低下させることとしてもよい。
この構成によれば、操縦者は、操舵反力が一瞬だけ低下することをもって、操舵が危険領域に突入することを認識することができる。
本発明の操舵補助装置によれば、操舵が危険領域に近づいたときに操縦者に機体を安定させる操舵を確実に促すことができる。
以下、図面を参照しつつ本発明に係る操舵補助装置の好適な実施形態について詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る操舵補助装置1が適用される航空機100の操縦系統を示し、図2は、航空機100の舵(エルロン、エレベータ、ラダー)を示す。以下、説明中で「前後」、「左右」等の語を用いる場合は、航空機100の機体の前後左右を基準とする。図に示すように、航空機100は、操縦席に設けられたグリップ11とペダル13とを備えている。以下、グリップ11とペダル13とを合わせて「操縦装置」と称する場合がある。グリップ11は前後方向に延びるシャフト15に取り付けられている。グリップ11は、上記シャフト15等を含む所定の駆動機構を介しケーブル17によってエルロン21及びエレベータ23に連結されている。同様に、左右のペダル13は、それぞれ左右方向に延びるシャフト19に取り付けられている。左右のペダル13は、上記シャフト19等を含む所定の駆動機構を介しケーブル17によってラダー25に連結されている。
図1は、本実施形態に係る操舵補助装置1が適用される航空機100の操縦系統を示し、図2は、航空機100の舵(エルロン、エレベータ、ラダー)を示す。以下、説明中で「前後」、「左右」等の語を用いる場合は、航空機100の機体の前後左右を基準とする。図に示すように、航空機100は、操縦席に設けられたグリップ11とペダル13とを備えている。以下、グリップ11とペダル13とを合わせて「操縦装置」と称する場合がある。グリップ11は前後方向に延びるシャフト15に取り付けられている。グリップ11は、上記シャフト15等を含む所定の駆動機構を介しケーブル17によってエルロン21及びエレベータ23に連結されている。同様に、左右のペダル13は、それぞれ左右方向に延びるシャフト19に取り付けられている。左右のペダル13は、上記シャフト19等を含む所定の駆動機構を介しケーブル17によってラダー25に連結されている。
航空機100の操縦者は、グリップ11を手で把持し左右に回転させる操舵(以下「エルロン操舵」という)により、左右のエルロン21を駆動し機体のロール角を変更することが可能である。また、操縦者は、グリップ11を前後に押し引きする操舵(以下「エレベータ操舵」という)により、エレベータ23を駆動し機体のピッチ角を変更することが可能である。また、操縦者は、足で左右のペダル13の何れかを選択的に踏み込む操舵(以下「ラダー操舵」という)により、ラダー25を駆動し機体のヨー角を変更することが可能である。なお、以上の操縦系統の構成は公知のものであるので、更なる詳細な説明は省略する。
航空機100では、グリップ11の前方において、グリップ11の回転に追従する歯車15aが、シャフト15に固定されている。更に、グリップ11の前方には、機体フレームに固定されるモータ(操舵反力発生手段)31が設けられており、モータ31の回転軸に取り付けられた歯車31aが、歯車15aと噛み合っている。この構成により、モータ31を駆動すると、歯車31a,15aを介してシャフト15にトルクが付与され、エルロン操舵に対する操舵反力をグリップ11に付与することができる。
また、グリップ11の前方において、シャフト15の側面にはラック15bが形成されている。更に、グリップ11の前方には、機体フレームに固定されるモータ(操舵反力発生手段)33が設けられており、モータ33の回転軸に取り付けられた歯車33bが、ラック15bと噛み合っている。この構成により、モータ33を駆動すると、歯車33b及びラック15bを介してシャフト15に軸方向の力が付与され、エレベータ操舵に対する操舵反力をグリップ11に付与することができる。
また、ペダル13の下方において、ペダル13の前後動に追従して回転する歯車19aが、シャフト19に固定されている。更に、ペダル13の下方には、機体フレームに固定されるモータ(操舵反力発生手段)35が設けられており、モータ35の回転軸に取り付けられた歯車35aが、歯車19aと噛み合っている。この構成により、モータ35を駆動すると、歯車35a,19aを介してシャフト19にトルクが付与され、エレベータ操舵に対する操舵反力をペダル13に付与することができる。
なお、グリップ11及びペダル13には、各舵の動圧に由来する操舵反力がケーブル17を通じて作用する。上記のモータ31,33,35よる操舵反力は、上記の各舵の動圧に由来する操舵反力と同じ方向に加えて付与される場合もあり、上記の各舵の動圧に由来する操舵反力を打ち消す方向に加えて付与される場合もある。以下、各舵の動圧に由来する操舵装置への操舵反力を「動圧操舵反力」と称し、動圧操舵反力に加えてモータ31,33,35により操舵装置へ付与する操舵反力を「付加操舵反力」と称する。
図3に示すように、操舵補助装置1は、上記モータ31,33,35のPMW制御を行うことで、操縦者のエルロン操舵、エレベータ操舵、及びラダー操舵に対する各付加操舵反力を制御する。操舵補助装置1は、前述のモータ31,33,35と、航空機100の機体状態量(機体速度、操舵角、機体の回転角度、機体の角速度、角加速度、翼面気流状態量(揚力推定)、推力等)を検出する機体状態量検出部51と、制御コンピュータ53とを備えている。機体状態量検出部51は、例えば、ジャイロ装置、加速度センサ、GPS装置などを含んでいる。また、操舵補助装置1は、グリップ11の回転位置、グリップ11の前後位置、及びペダル13の位置をそれぞれ検出するための3つのポテンショメータ55を備えている。これらのポテンショメータ55は、それぞれモータ31,33,35の近傍に取り付けられている。
制御コンピュータ53は反力制御演算部61を備えており、反力制御演算部61は、各モータ31,33,35でグリップ11及びペダル13に付与すべき各付加操舵反力を演算する。反力制御演算部61には、各ポテンショメータ55からの信号がAD変換部63を介して入力されると共に、機体状態量検出部51からの信号が入力される。反力制御演算部61は、得られた機体状態量、グリップ11の位置、及びペダル13の位置に基づいて、付与すべき各付加操舵反力を算出する。そして反力制御演算部61は、算出した各付加操舵反力に対応する各制御信号を、各モータ31,33,35に対し、DA変換部65及びI/Oインターフェース部67を介して送信する。
続いて、グリップ11及びペダル13に対しモータ31,33,35で付与すべき各付加操舵反力を、操舵補助装置1が決定する処理について、図4及び図5を参照しながら説明する。なお、エルロン操舵、エレベータ操舵、及びラダー操舵に対応する3つの各付加操舵反力は、すべて同様の思想に基づく同様の処理でそれぞれ決定されるものである。従って、以下では、エルロン操舵に対して付与すべき付加操舵反力の決定処理を代表例として説明し、重複する説明を省略する。
この航空機100の操舵補助装置1は、図4に示すように、操縦者によるエルロン操舵の操舵角が危険操舵角領域Aに到達した場合には、操舵を戻す方向の付加操舵反力aが付与される。また、エルロン操舵の操舵角が通常操舵角領域Bにあるときには、操舵を戻す方向の付加操舵反力bが加えられる。この付加操舵反力bは、操舵角が危険操舵角領域Aに近づくほど大きくなり、その増加率も危険操舵角領域Aに近づくほど大きくなる。
なお、図4中の破線は動圧操舵反力を示し、実線は動圧操舵反力と付加操舵反力とを合わせた操舵反力を示す。また、図4の縦軸上で動圧操舵反力がゼロとなる操舵角は、目標ロール角に対応する操舵角であり、すなわち、機体のロール角を目標ロール角に維持するための操舵角である。動圧操舵反力がゼロとなるこの操舵角は、現在の機体の状態によって決まる。また、危険操舵角領域Aの位置や通常操舵角領域Bの幅も目標ロール角によって変化する。また、危険操舵角領域Aとは、例えば、規定等により定められた安全な機体のロール角の範囲を超えるようなロール角を発生させる操舵領域であり、現在の機体状態量や操縦装置位置に応じて変化する。例えば、航空機100の上昇旋回時で推力が最大のときに、機体のロール角は±15°以下に抑えなくてはならないといった規定が存在すれば、ロール角が−15°を下回るか+15°を超えるような操舵角の範囲が危険操舵角領域Aに該当する。
具体的な処理としては、図5に示すように、制御コンピュータ53の反力制御演算部61は、機体状態量検出部51から各種の機体状態量を取得する(S101)。ここで取得される機体状態量には、例えば、機体速度、操舵角、機体の回転角度、機体の角速度、角加速度、翼面気流状態量(揚力推定)、推力等が含まれる。次に、反力制御演算部61は、ポテンショメータ55からの信号に基づいて操縦装置の位置(ここでは、グリップ11の回転位置)を検出する(S103)。次に、反力制御演算部61は、機体状態量及び操縦装置の位置に基づいて、危険操舵角範囲を算出する(S105)。このように、反力制御演算部61は、操舵の危険領域を特定する危険領域判定手段として機能する。
次に、反力制御演算部61は、機体反力を算出する(S107)。機体反力は、例えば、エルロン操舵方向のヒンジモーメントであり、下の数式で算出される。
ヒンジモーメント=機体動圧・操舵角・操舵入力補正係数
なお、操舵入力補正係数は、機体特性により異なる係数である。操舵角は、エルロン操舵に係るグリップ11の回転位置であり、ポテンショメータ55で検出される。すなわち、ヒンジモーメントは、エルロン操舵に対する動圧操舵反力である。
ヒンジモーメント=機体動圧・操舵角・操舵入力補正係数
なお、操舵入力補正係数は、機体特性により異なる係数である。操舵角は、エルロン操舵に係るグリップ11の回転位置であり、ポテンショメータ55で検出される。すなわち、ヒンジモーメントは、エルロン操舵に対する動圧操舵反力である。
次に、反力制御演算部61は、上記の動圧機体反力にモータ31で加えるべき付加操舵反力を算出する(S109)。この付加操舵反力は、下の数式(1)で算出される。
付加操舵反力=最大負荷力・負荷補正係数/(安全操舵角−現状操舵角) …(1)
最大負荷力としては、設計上規定されている最大操舵力(エルロン操舵では、例えば40Nm)等が用いられる。負荷補正係数は、機体特性により異なる係数である。安全操舵角は、機体の安全姿勢に対応するグリップ11の操舵角である。現状操舵角は、ポテンショメータ55で検出されるグリップ11の操舵角である。また、現在からT秒後に危険操舵角に突入すると予想される場合に加えるべき付加操舵反力は、下の数式(2)で表される。
付加操舵反力=最大負荷力・負荷補正係数/(安全操舵角−T秒後の操舵角)…(2)
付加操舵反力=最大負荷力・負荷補正係数/(安全操舵角−現状操舵角) …(1)
最大負荷力としては、設計上規定されている最大操舵力(エルロン操舵では、例えば40Nm)等が用いられる。負荷補正係数は、機体特性により異なる係数である。安全操舵角は、機体の安全姿勢に対応するグリップ11の操舵角である。現状操舵角は、ポテンショメータ55で検出されるグリップ11の操舵角である。また、現在からT秒後に危険操舵角に突入すると予想される場合に加えるべき付加操舵反力は、下の数式(2)で表される。
付加操舵反力=最大負荷力・負荷補正係数/(安全操舵角−T秒後の操舵角)…(2)
次に、反力制御演算部61は、操舵速度(グリップ11の角速度)に基づき、T秒後の危険操舵角への到達時間を算出する(S111)。操舵速度(グリップ11の角速度)は、ポテンショメータ55で検出される。次に、反力制御演算部61は、現在のエルロン操舵の操舵角が危険操舵角に到達しているか否かを判定する(S113)。この処理S113で、現在のエルロン操舵の操舵角が危険操舵角に到達していると判定される場合には(S113でYes)、上式(1)で加えるべき付加操舵反力を算出する(S115)。
一方、処理S113で、現在のエルロン操舵の操舵角が危険操舵角に到達していないと判定される場合には(S113でNo)、T秒後のエルロン操舵の操舵角が危険操舵角に到達しているか否かを判定する(S117)。この処理S117で、T秒後のエルロン操舵の操舵角が危険操舵角に到達していると判定される場合には(S117でYes)、上式(2)で加えるべき付加操舵反力を算出する(S119)。また処理S117で、T秒後のエルロン操舵の操舵角が危険操舵角に到達していないと判定される場合には(S117でNo)加える付加操舵反力はなしとする(S121)。
その後、処理S123では、処理S115で求められる付加操舵反力と処理S119で求められる付加操舵反力とのうち、何れか大きい方を選択し(S123)、選択された付加操舵反力を、グリップ11に付与する(S125)。具体的には、処理S125では、反力制御演算部61が、選択された上記付加操舵反力に対応するトルクを発生するように、モータ31に駆動信号を送信する。その後、処理をS101に戻す。以上の処理により、図4に示すように、操縦者のエルロン操舵が危険操舵角に近づくほど操縦者の操舵を戻す方向に付加操舵反力が大きくなるように、モータ31で付加操舵反力を発生させることができる。
このように、エルロン操舵の操舵角が危険操舵角に到達する前においても操舵を戻す方向の付加操舵反力をグリップ11に付与し、その付加操舵反力の大きさが危険操舵角に近づくほど連続的に大きくなるようにする。この場合、グリップ11に作用する力は、一般男性が容易に操作できない程度の操舵力の大きさ(例えば、片手あたり25Kg)になるようにすることが好ましい。従って、操縦者は危険操舵角に近づくほど徐々に増加する操舵反力をグリップ11から感じることで、操舵が危険操舵角に近づいていることを認識することができる。従って、操舵が危険操舵角に近づいている場合に、操縦者にグリップ11を戻す操作を確実に促すことができる。そして、操縦者が操舵反力に従ってグリップ11位置を戻すことにより、機体を安定させる操舵が行われる。
前述のとおり、エレベータ操舵、及びラダー操舵に対する付加操舵反力も、上記のエルロン操舵と同様の処理により決定され、機体の安定を図ることができる。
(第2実施形態)
本実施形態の操舵補助装置は、図6に示すように、操縦者による操舵が危険操舵角に突入する直前に、付加操舵反力を一瞬だけ低下させる点において、第1実施形態の操舵補助装置1と異なる。このため、本実施形態の操舵補助装置は、第1実施形態の操舵補助装置1に比べて、付加操舵反力を、操舵補助装置1が決定する処理が異なる。本実施形態の操舵補助装置の反力制御演算部61は、図7に示す処理を行う。図7に示すように、反力制御演算部61は、処理S123と処理S125との間で、現在が、エルロン操舵の操舵角が危険操舵角に到達する1秒前であるか否かを判定する(S131)。この処理S131で、現在が、エルロン操舵の操舵角が危険操舵角に到達する1秒前であると判定された場合(S131でYes)には、処理S123で選択された付加操舵反力に、下式(3)で示される付加操舵反力を更にプラスする(S133)。
付加操舵反力
=−最大負荷力・負荷補正係数/(安全操舵角−(T-1)秒後の操舵角)…(3)
本実施形態の操舵補助装置は、図6に示すように、操縦者による操舵が危険操舵角に突入する直前に、付加操舵反力を一瞬だけ低下させる点において、第1実施形態の操舵補助装置1と異なる。このため、本実施形態の操舵補助装置は、第1実施形態の操舵補助装置1に比べて、付加操舵反力を、操舵補助装置1が決定する処理が異なる。本実施形態の操舵補助装置の反力制御演算部61は、図7に示す処理を行う。図7に示すように、反力制御演算部61は、処理S123と処理S125との間で、現在が、エルロン操舵の操舵角が危険操舵角に到達する1秒前であるか否かを判定する(S131)。この処理S131で、現在が、エルロン操舵の操舵角が危険操舵角に到達する1秒前であると判定された場合(S131でYes)には、処理S123で選択された付加操舵反力に、下式(3)で示される付加操舵反力を更にプラスする(S133)。
付加操舵反力
=−最大負荷力・負荷補正係数/(安全操舵角−(T-1)秒後の操舵角)…(3)
実際には、式(3)の右辺はマイナスの値になるので、式(3)による操舵反力は、操縦者の操舵の方向と同じ方向に付与され、その結果、処理S133では、処理S123で選択された付加操舵反力が低減されることになる。すなわち、操縦者がグリップ11から感じる操舵反力が低減することとなる。そして処理S125では、低減された付加操舵反力がグリップ11に付与される(S125)。一方、処理S131で、現在が、エルロン操舵の操舵角が危険操舵角に到達する1秒前ではないと判定された場合(S131でNo)には、何ら処理を行わず、処理S123で選択された付加操舵反力が処理S125でグリップ11に加える(S125)。
以上の処理により、図6に示すように、操縦者のエルロン操舵が危険操舵角に突入する直前(ここでは1秒前)である場合には、エルロン操舵に対する操舵反力を一瞬だけ低下させ不連続にすることができる。図6の例の場合、危険操舵角に突入する1秒前では、一瞬だけ付加操舵反力が動圧操舵反力とは反対の方向(操縦者のエルロン操舵を後押しする方向)に付与されることで、この一瞬だけグリップ11に作用する操舵反力(動圧操舵反力と付加操舵反力とを合わせた操舵反力)がほぼゼロになっている。従って、操縦者は、グリップ11の操舵反力が一瞬だけ低下することをもって、操舵が危険領域に突入することを認識することができる。なお、本実施形態において、前述した第1実施形態の処理と同一又は同等の処理には、図7に対して図5と同一の符号を付し重複する説明を省略する。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。例えば、上記の第1及び第2実施形態では、本発明を航空機の操舵補助装置に適用した例を説明しているが、本発明は、航空機のみならず、車両(自動車)やホバークラフト等といった他の乗物の操舵補助装置にも同様に適用が可能である。
1…操舵補助装置、31,33,35…モータ(操舵反力発生手段)、61…反力制御演算部(危険領域判定手段)、100…航空機。
Claims (2)
- 操縦者の操舵に対して操舵反力を生じさせる操舵反力発生手段と、
前記操舵の危険領域を特定する危険領域判定手段と、を備え、
前記操縦者の操舵が前記危険領域近づくほど、前記操舵反力発生手段による操舵反力を、前記操舵を戻す方向に大きく発生させることを特徴とする操舵補助装置。 - 前記操縦者による操舵が前記危険領域に突入する直前に、
前記操舵反力発生手段による前記操舵反力を一瞬だけ低下させることを特徴とする請求項1に記載の操舵補助装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010107550A JP2011235711A (ja) | 2010-05-07 | 2010-05-07 | 操舵補助装置 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103213673A (zh) * | 2013-05-06 | 2013-07-24 | 西北工业大学 | 一种用于双y型无刷直流电动舵机的控制方法和驱动装置 |
-
2010
- 2010-05-07 JP JP2010107550A patent/JP2011235711A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103213673A (zh) * | 2013-05-06 | 2013-07-24 | 西北工业大学 | 一种用于双y型无刷直流电动舵机的控制方法和驱动装置 |
CN103213673B (zh) * | 2013-05-06 | 2015-07-15 | 西北工业大学 | 一种用于双y型无刷直流电动舵机的控制方法和驱动装置 |
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