JP2011233980A - 端末制御装置、通信端末及び通信システム並びに通信端末の制御方法 - Google Patents

端末制御装置、通信端末及び通信システム並びに通信端末の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】通信端末での電池残量が少なくなった場合に、通信端末の送信品質の低下を抑制しつつ、通信端末の電池の消費電力を低減することが可能な技術を提供する。
【解決手段】変調方式決定部380は、電池を有し、当該電池から供給される電力を使用して動作を行う通信端末が送信に使用する多値変調方式を決定する。送信レベル制御部381は、通信端末の送信信号レベルを制御する。通信端末の電池についての電池残量がしきい値よりも少なくなると、変調方式決定部380が、変調多値数が小さくなるように通信端末の多値変調方式を変更し、送信レベル制御部381が、変調方式決定部380での多値変調方式の変更に応じて通信端末の送信信号レベルを小さくする。
【選択図】図3

Description

本発明は、通信端末の電池の消費電力を低減する技術に関する。
特許文献1,2には、通信端末の電池の消費電力を低減する技術が開示されている。特許文献1,2の技術では、通信端末の電池についての電池残量が零となり当該通信端末が動作できなくなることを防止するために、通信端末での電池残量が少なくなると、通信端末の電池の消費電力を低減している。
また非特許文献1には、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)と呼ばれる、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式で通信を行う無線通信技術が開示されている。また、非特許文献2には、次世代PHS(Personal Handyphone System)についての規格が記載されている。この規格はXGP(eXtended Global Platform)と呼ばれている。
特開平11−220437号公報 特開2000−174696号公報
さて、通信端末の送信信号レベルを小さくすると、通信端末の送信電力が低減することから、通信端末の送信信号レベルを小さくすることによって、通信端末の電池の消費電力を低減することができる。しかしながら、この場合には、通信端末での送信品質が低下する可能性がある。
そこで、本発明は上述の点に鑑みて成されたものであり、通信端末での電池残量が少なくなった場合に、通信端末の送信品質の低下を抑制しつつ、通信端末の電池の消費電力を低減することが可能な技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る端末制御装置は、通信端末を制御する端末制御装置であって、電池を有し、当該電池から供給される電力を使用して動作を行う第1通信端末が送信に使用する多値変調方式である第1多値変調方式を決定する変調方式決定部と、前記第1通信端末の送信信号レベルである第1送信信号レベルを制御する送信レベル制御部とを備え、前記第1通信端末の電池についての電池残量が第1しきい値よりも少なくなると、前記変調方式決定部が、変調多値数が小さくなるように前記第1多値変調方式を変更し、前記送信レベル制御部が、前記変調方式決定部での前記第1多値変調方式の変更に応じて前記第1送信信号レベルを小さくする。
また、本発明に係る端末制御装置の一態様では、前記第1通信端末の送信周波数帯域である第1送信周波数帯域を決定する帯域決定部がさらに設けられ、前記第1通信端末の電池についての電池残量が前記第1しきい値よりも少なくなると、前記第1通信端末の送信電力が低減されるように、前記変調方式決定部での前記第1多値変調方式の変更に応じて、前記送信レベル制御部が前記第1送信信号レベルを小さくしかつ前記帯域決定部が前記第1送信周波数帯域を広げる。
また、本発明に係る端末制御装置の一態様では、前記変調方式決定部は、電池を有し、当該電池から供給される電力を使用して動作を行う第2通信端末が送信に使用する多値変調方式である第2多値変調方式も決定し、前記帯域決定部は、前記第2通信端末の送信周波数帯域である第2送信周波数帯域も決定し、前記第2通信端末の電池についての電池残量が第2しきい値以上であって、前記第1通信端末の電池についての電池残量が前記第1しきい値よりも少なくなると、前記帯域決定部が、前記第1通信端末の前記第1送信周波数帯域を広げることに応じて、前記第2通信端末の前記第2送信周波数帯域を狭くし、前記変調方式決定部が、前記帯域決定部が前記第2送信周波数帯域を狭くすることに応じて、変調多値数が大きくなるように前記第2通信端末の前記第2多値変調方式を変更する。
また、本発明に係る端末制御装置は、通信端末を制御する端末制御装置であって、電池を有し、当該電池から供給される電力を使用して動作を行う第1通信端末が送信に使用する多値変調方式である第1多値変調方式を決定する変調方式決定部と、前記第1通信端末の送信信号レベルである第1送信信号レベルを制御する送信レベル制御部と、前記第1通信端末の送信周波数帯域である第1送信周波数帯域を決定する帯域決定部とを備え、前記第1多値変調方式の変調多値数が2M(Mは1以上の整数)の場合であって、かつ前記第1通信端末の電池についての電池残量が第1しきい値以上の場合に、前記第1通信端末の伝送レートをN倍(Nは2以上の整数)にする第1の状況では、前記変調方式決定部が変調多値数が2(M×N)となるように前記第1多値変調方式を変更し、前記送信レベル制御部が前記変調方式決定部での前記第1多値変調方式の変更に応じて前記第1送信信号レベルを大きくし、前記第1多値変調方式の変調多値数がMの場合であって、かつ前記第1通信端末の電池についての電池残量が前記第1しきい値よりも少ない場合に、前記第1通信端末の伝送レートをN倍にする第2の状況では、前記帯域決定部が前記第1送信周波数帯域をN倍し、前記第2の状況において前記第1送信周波数帯域がN倍されることによって前記第1通信端末の送信電力が増加する量が、前記第1の状況において前記第1多値変調方式の変更に応じて前記第1送信信号レベルが大きくされることによって前記第1通信端末の送信電力が増加する量よりも小さい。
また、本発明に係る端末制御装置の一態様では、前記変調方式決定部は、電池を有し、当該電池から供給される電力を使用して動作を行う第2通信端末が送信に使用する多値変調方式である第2多値変調方式も決定し、前記帯域決定部は、前記第2通信端末の送信周波数帯域である第2送信周波数帯域も決定し、前記第2通信端末の電池についての電池残量が第2しきい値以上であって、前記第1通信端末の電池についての電池残量が前記第1しきい値よりも少ない場合に、前記第1通信端末の伝送レートをN倍にする前記第2の状況では、前記帯域決定部が、前記第1通信端末の前記第1送信周波数帯域をN倍にすることに応じて、前記第2通信端末の前記第2送信周波数帯域を狭くし、前記変調方式決定部が、前記帯域決定部が前記2送信周波数帯域を狭くすることに応じて、変調多値数が大きくなるように前記第2通信端末の前記第2多値変調方式を変更する。
また、本発明に係る端末制御装置の一態様では、前記第1通信端末の電池についての電池残量が、前記第1しきい値よりも少なくなり、その後当該第1しきい値よりも小さい第3しきい値よりも少なくなると、前記変調方式決定部が、前記第1通信端末が使用可能な多値変調方式のうち変調多値数が最小の多値変調方式となるように前記第1多値変調方式を変更し、 前記送信レベル制御部が、前記変調方式決定部での前記第1多値変調方式の変更に応じて前記第1送信信号レベルを小さくし、前記帯域決定部が前記第1送信周波数帯域を狭くする。
また、本発明に係る端末制御装置の一態様では、前記端末制御装置は、前記第1通信端末と通信を行う基地局に設けられている。
また、本発明に係る端末制御装置の一態様では、前記端末制御装置は、前記第1通信端末と通信を行う基地局を制御するゲートウェイ装置に設けられている。
また、本発明に係る通信端末は、上記の端末制御装置によって制御される上記の第1通信端末である通信端末であって、前記第1通信端末の電池の電池残量を検出する電池残量検出部と、前記電池残量検出部で検出される電池残量が上記の第1しいき値よりも少ないか否かを判定する判定部とを備える。
また、本発明に係る通信システムは、上記の端末制御装置と、上記の第1通信端末とを備える。
また、本発明に係る通信端末の制御方法は、電池を有し、当該電池から供給される電力を使用して動作を行う通信端末を制御する制御方法であって、前記通信端末の電池についての電池残量がしきい値よりも少なくなると、(a)前記通信端末が送信に使用する多値変調方式を、変調多値数が小さくなるように変更する工程と、(b)前記工程(a)での前記多値変調方式の変更に応じて前記通信端末の送信信号レベルを小さくする工程とを備える。
また、本発明に係る通信端末の制御方法は、電池を有し、当該電池から供給される電力を使用して動作を行う通信端末を制御する制御方法であって、(a)前記通信端末において送信に使用される多値変調方式の変調多値数が2M(Mは1以上の整数)であって、前記通信端末の電池についての電池残量がしきい値以上の場合に、前記通信端末の伝送レートをN倍(Nは2以上の整数)にする工程と、(b)前記通信端末において前記多値変調方式の変調多値数が2Mであって、前記通信端末の電池についての電池残量がしきい値よりも少ない場合に、前記通信端末の伝送レートをN倍にする工程とを備え、前記工程(a)では、前記多値変調方式が、変調多値数が2(M×N)となるように変更されるともに、当該多値変調方式の変更に応じて前記通信端末の送信信号レベルが大きくされ、前記工程(b)では、前記通信端末の送信周波数帯域がN倍され、前記工程(b)において前記送信周波数帯域がN倍にされることによって前記通信端末の送信電力が増加する量が、前記工程(a)において前記多値変調方式の変更に応じて前記送信信号レベルが大きくされることによって前記通信端末の送信電力が増加する量よりも小さい。
本発明によれば、通信端末の電池についての電池残量が少なくなると、通信端末で使用される多値変調方式の変調多値数が小さくなり、それに応じて通信端末の送信信号レベルが小さくなる。したがって、通信端末の電池残量が少なくなった場合に、当該通信端末での送信品質の低下を抑制しつつ、当該通信端末での電池の消費電力を低減することができる。
また、本発明の一態様によれば、通信端末の電池についての電池残量が少なくなると、通信端末の送信電力が低減されるように、多値変調方式の変更に応じて送信信号レベルが小さくされかつ送信周波数帯域が広げられる。したがって、電池残量が少なくなった場合に、通信端末での送信品質の低下を抑制するとともに、通信端末での伝送レートの低下を抑制しつつ、通信端末での電池の消費電力を低減することができる。
また、本発明の一態様によれば、電池残量が十分な通信端末については、電池残量が少なくなった通信端末の送信周波数帯域が広げられることに応じて、送信周波数帯域が狭くされ、それに応じて、変調多値数が大きくなるように多値変調方式が変更される。したがって、電池残量が少なくなった通信端末の送信周波数帯域を確保しつつ、電池残量が十分な通信端末での伝送レートの低下を抑制することができる。
また、本発明によれば、通信端末の電池残量が少ない場合には、通信端末の送信電力の増加が少ない方法、つまり、送信周波数帯域をN倍にすることによって、伝送レートをN倍にしているため、電池残量が少ない場合に電池の消費電力を低減することができる。一方で、通信端末の電池残量が十分な場合には、通信端末の多値変調方式の変調多値数を2(M×N)とすることによって伝送レートをN倍にしているため、システムの周波数帯域を有効利用することができる。
また、本発明の一態様によれば、通信端末の電池についての電池残量がさらに少なくなると、通信端末で使用される多値変調方式が、変調多値数が最小のものに変更され、それに応じて通信端末の送信信号レベルが小さくなり、さらに送信周波数帯域が狭くなる。したがって、通信端末の電池残量が非常に少ない場合に、通信端末での電池の消費電力を十分に低減することができる。
本発明の実施の形態に係る通信システムの構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係る通信端末の構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係る基地局の構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係るTDDフレームの構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係る通信システムの動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る通信システムの動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る基地局の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る通信端末の状態の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る通信端末の状態の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る通信端末の状態の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る通信システムの動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る通信システムの動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る基地局の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る通信端末の状態の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る通信端末の状態の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る通信端末の状態の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る通信システムの変形例の構成を示す図である。
図1は本発明の実施の形態に係る通信システム1の構成を示す図である。本実施の形態に係る通信システム1は、例えば、WiMAXに準拠した通信システムである。図1に示されるように、通信システム1は、それぞれが通信端末2とOFDMA方式で通信する複数の基地局3と、「ASN(Access Service Network)ゲートウェイ」と呼ばれるゲートウェイ装置4と、サーバ装置5とを備えている。ゲートウェイ装置4は、複数の基地局3とネットワーク6を通じて接続されており、当該複数の基地局3を制御する。またゲートウェイ装置4は、ネットワーク7を通じてサーバ装置5と接続されている。各基地局3は、ゲートウェイ装置4を通じて、他の基地局3及びサーバ装置5と通信することができる。
図2は各通信端末2の構成を示す図である。図2に示されるように、通信端末2は、アンテナ20と、送受信切替部21と、送信アンプ22と、受信アンプ23と、送信信号処理部24と、受信信号処理部25とを備えている。通信端末2は、さらに、電池26と、電池残量検出部27と、記憶部28と、制御部29とを備えている。
送受信切替部21は、制御部29の制御によって、送信アンプ22及び受信アンプ23のどちらか一方にアンテナ20を接続することによって、通信端末2の送信及び受信を切り替える。
送信アンプ22は、送信信号処理部24から入力される搬送帯域の送信信号を増幅してアンテナ20に入力する。これにより、アンテナ20から送信信号が無線送信される。本実施の形態では、通信端末2と基地局3とはOFDMA方式で通信することから、アンテナ20からの送信信号はOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号となる。受信アンプ23は、アンテナ20で受信される、基地局3からのOFDM信号を増幅して受信信号処理部25に入力する。
電池26は、通信端末2の電源電力を出力する。つまり、通信端末2は、電池26から供給される電力を使用して動作を行う。電池残量検出部27は、電池26の出力電圧を検出し、当該出力電圧に基づいて電池26についての電池残量を求める。電池残量検出部27は、定期的に、例えば数秒ごとに電池残量を求める。
記憶部28は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等で構成されており、プログラム等の各種情報を記憶する。電池残量検出部27で検出された電池残量は記憶部28に記憶される。
送信信号処理部24は、制御部29で生成される送信用の複素シンボルに対してIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)処理を行って、ベースバンドのOFDM信号を生成する。送信信号処理部24は、生成したベースバンドのOFDM信号に対してアップコンバートを行って搬送帯域のOFDM信号を生成する。この搬送帯域のOFDM信号は、搬送帯域の送信信号として送信アンプ22に入力される。
受信信号処理部25は、受信アンプ23から出力されるOFDM信号に対してダウンコンバートを行って、ベースバンドのOFDM信号を生成する。そして、受信信号処理部25は、ベースバンドのOFDM信号に対してFFT(Fast Fourier Transform)処理を行って、サブキャリアごとに複素シンボルを生成する。この複素シンボルは制御部29に入力される。
制御部29は、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)等で構成されており、通信端末2の全体動作を統括的に管理する。制御部29の各種機能は、制御部29のCPUやDSPが記憶部28内のプログラムを実行することによって実現される。
制御部29は、受信信号処理部35から入力される複素シンボルを、基地局3が送信に使用する多値変調方式に基づいてビットデータに変換する。これより、制御部29では、基地局3が通信端末2に送信したビットデータが取得される。また、制御部29は、基地局3からのビットデータ等に基づいて、送信用のビットデータを生成する。そして、制御部29は、生成した送信用のビットデータを、通信端末2の送信周波数帯域における各サブキャリアに割り当てる。制御部29は、送信周波数帯域の各サブキャリアについて、当該サブキャリアに割り当てたビットデータを、通信端末2が送信に使用する多値変調方式に応じた複素シンボルに変換する。この送信用の複素シンボルは送信信号処理部24に入力される。
なお、通信端末2の送信周波数帯域、言い換えれば、通信端末2が送信に使用するサブキャリアは基地局3で決定される。また、通信端末2が送信に使用する多値変調方式も基地局3で決定される。「多値変調方式」という用語には、BPSK(Binary Phase Shift Keying)が含まれない場合があるが、本願発明での「多値変調方式」はBPSKをも含む概念である。本実施の形態に係る通信システム1では、通信端末2が送信に使用することが可能な多値変調方式としては、例えば、64QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、16QAM及びQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)の3種類がある。以後、通信端末2が使用可能な多値変調方式を「使用可能変調方式」と呼び、そのうちの通信端末2が実際に使用する多値変調方式を「使用変調方式」と呼ぶことがある。なお、当然に使用可能変調方式にBPSKを含めても良い。
また、制御部29は、記憶部28から電池残量を定期的に、例えば数秒ごとに読み出す。そして、制御部29は、電池残量が少ないかどうかを判定する。このように、制御部29は、電池26についての電池残量が少ないかどうかを判定する判定部としても機能する。制御部29において電池残量が少ないと判定された場合には、通信端末2から、基地局3及びゲートウェイ装置4を通じてサーバ装置5にアラームが通知される。このアラームの通知に関しては、後で詳細に説明する。
次に基地局3の構成について説明する。図3は各基地局3の構成を示す図である。図3に示されるように、基地局3は、アンテナ30と、送受信切替部31と、送信アンプ32と、受信アンプ33と、送信信号処理部34と、受信信号処理部35とを備えている。基地局3は、さらに、記憶部36と、ネットワーク通信部37と、制御部38とを備えている。
送受信切替部31は、制御部38の制御によって、送信アンプ32及び受信アンプ33のどちらか一方にアンテナ30を接続することによって、基地局3の送信及び受信を切り替える。
送信アンプ32は、送信信号処理部34から入力される搬送帯域の送信信号(搬送帯域のOFDM信号)を増幅してアンテナ30に入力する。これにより、アンテナ30から送信信号が無線送信される。受信アンプ33は、アンテナ30で受信される、通信端末2からのOFDM信号を増幅して受信信号処理部35に入力する。
記憶部36は、ROMやRAM等で構成されており、プログラム等の各種情報を記憶する。ネットワーク通信部37は、ゲートウェイ装置4と通信を行う。ネットワーク通信部37は、ゲートウェイ装置4から受信したデータを制御部38に出力するとともに、制御部38からのデータをゲートウェイ装置4に送信する。
送信信号処理部34は、制御部38で生成される送信用の複素シンボルに対してIFFT処理を行って、ベースバンドのOFDM信号を生成する。送信信号処理部34は、生成したベースバンドのOFDM信号に対してアップコンバートを行って搬送帯域のOFDM信号を生成する。この搬送帯域のOFDM信号は送信アンプ32に入力される。
受信信号処理部35は、受信アンプ33から出力されるOFDM信号に対してダウンコンバートを行って、ベースバンドのOFDM信号を生成する。そして、受信信号処理部35は、ベースバンドのOFDM信号に対してFFT処理を行って、サブキャリアごとに複素シンボルを生成する。この複素シンボルは制御部38に入力される。
制御部38は、CPUやDSP等で構成されており、基地局3の全体動作を統括的に管理する。制御部38の各種機能は、制御部38のCPUやDSPが記憶部36内のプログラムを実行することによって実現される。
制御部38は、受信信号処理部35から入力される複素シンボルを、通信端末2の使用変調方式に基づいてビットデータに変換する。これより、制御部38では、通信端末2が基地局3に送信したビットデータが取得される。そして、制御部38は、取得した通信端末2からのビットデータのうち、ゲートウェイ装置4向けのデータをネットワーク通信部37に出力する。
また、制御部38は、通信対象の各通信端末2について、当該通信端末2への送信用のビットデータを、ネットワーク通信部37からのデータ等に基づいて生成する。そして、制御部38は、通信対象の各通信端末2について、当該通信端末2に割り当てた周波数帯域における各サブキャリアに送信用のビットデータを割り当てる。そして、制御部38は、各サブキャリアついて、当該サブキャリアに割り当てたビットデータを、基地局3が送信に使用する多値変調方式に応じた複素シンボルに変換する。この送信用の複素シンボルは送信信号処理部34に入力される。
さらに、制御部38には、図3に示されるように、機能ブロックとしての変調方式決定部380、送信レベル制御部381及び帯域決定部382が設けられている。
変調方式決定部380は、通信対象の各通信端末2について、使用可能変調方式から使用変調方式を決定する。変調方式決定部380は、例えば、通信端末2からの送信信号についてのCINR(Carrier to Interference plus Noise Ratio:信号対干渉雑音比)を求めて、当該CINRに基づいて当該通信端末2の使用変調方式を決定する。具体的には、変調方式決定部380は、通信端末2についてのCINRがしきい値α1以上の場合には、当該通信端末2の使用変調方式に64QAMを採用する。変調方式決定部380は、通信端末2についてのCINRがしきい値α2以上(α2<α1)であってしきい値α1未満の場合には、当該通信端末2の使用変調方式に16QAMを採用する。変調方式決定部380は、通信端末2についてのCINRがしきい値α3以上(α3<α2)であってしきい値α2未満の場合には、当該通信端末2の使用変調方式にQPSKを採用する。
変調方式決定部380は、通信端末2の使用変調方式を決定すると、当該使用変調方式を示すビットデータを生成する。このビットデータを「使用変調方式通知信号」と呼ぶ。通信端末2の使用変調方式を示す使用変調方式通知信号は、当該通信端末2向けの送信信号に含められて、当該通信端末2に送信される。
通信端末2では、制御部29が基地局3からの使用変調方式通知信号を取得すると、制御部29は、当該使用変調方式通知信号が示す使用変調方式に基づいて、基地局3向けの複素シンボルを生成する。このように、通信端末2での使用変調方式は基地局3によって制御される。なお、CINRについては、通信端末2からのパイロット信号等の既知信号に基づいて求めることができる。
送信レベル制御部381は、通信端末2の送信信号レベル、言い換えれば送信信号の振幅を制御する。送信レベル制御部381は、通信端末2の送信信号レベルを制御するための送信レベル制御信号を生成する。この送信レベル制御信号は、通信端末2の送信信号レベルの変化量を例えば単位dBで示している。送信レベル制御部381で生成された、通信端末2についての送信レベル制御信号は、当該通信端末2向けの送信信号に含められて、当該通信端末2に送信される。
通信端末2では、制御部29が基地局3からの送信レベル制御信号を取得すると、制御部29は、当該送信レベル制御信号が示す変化量(例えば+6dB)だけ、基地局3向けの複素シンボルの振幅を変化させる。これにより、当該通信端末2の送信アンプ32の送信信号レベルが、送信レベル制御信号が示す変化量だけ変化する。その結果、当該通信端末2の送信電力が、送信レベル制御信号が示す変化量だけ変化する。このように、通信端末2の送信信号レベルは基地局3によって制御される。
帯域決定部382は、通信端末2の送信周波数帯域を決定する。言い換えれば、帯域決定部382は、通信端末2が送信に使用するサブキャリアを決定する。帯域決定部382は、通信端末2の送信周波数帯域を決定すると、当該送信周波数帯域を示すビットデータを生成する。このビットデータを「送信帯域通知信号」と呼ぶ。通信端末2の送信周波数帯域を示す送信帯域通知信号は、当該通信端末2向けの送信信号に含められて、当該通信端末2に送信される。
通信端末2では、制御部29が基地局3からの送信帯域通知信号を取得すると、制御部29は、当該送信帯域通知信号が示す送信周波数帯域における各サブキャリアに対して、基地局3向けのビットデータを割り当てる。そして、制御部29は、送信帯域通知信号が示す送信周波数帯域における各サブキャリアについて、当該サブキャリアに割り当てたビットデータを、使用変調方式に応じた複素シンボルに変換する。これにより、通信端末2は、送信帯域通知信号が示す送信周波数帯域を用いて基地局3と通信を行うようになる。このように、通信端末2の送信周波数帯域は基地局3によって制御される。
以上のような構成を有する通信システム1では、基地局3と通信端末2との間の双方向通信にはTDD(Time Division Duplexing:時分割複信)方式が使用される。図4は基地局3と通信端末2との間で使用されるTDDフレーム100の構成を示す図である。
図4に示されるように、TDDフレーム100は、基地局3から通信端末2へ信号を送信するための下りサブフレーム101と、通信端末2から基地局3に信号を送信するための上りサブフレーム102とで構成されている。そして、TDDフレーム100内には、基地局3が送信から受信に切り替える際のガード時間であるTGG(Transmit Transition Gap)と、基地局3が受信から送信に切り替える際のガード時間であるRTG(Receive Transition Gap)が設けられている。
下りサブフレーム101と上りサブフレーム102のそれぞれは、OFDMシンボルの番号で与えられる時間軸と、サブチャネルの番号で与えられる周波数軸とから成る2次元で表現される。ここで、OFDMA方式では、複数のサブキャリアが複数のサブチャネルにグループ分けされ、通信端末2へのサブキャリアの割り当ては、サブチャネル単位で行われる。OFDMA方式では、各通信端末2に対する無線リソースの割り当てが、周波数軸と時間軸とで表現される2次元で行われる。
下りサブフレーム101には、例えば、プリアンブル領域101a、FCH(Frame Control Header)領域101b、DL−MAP(Downlink Map)メッセージ101c、UL−MAP(Uplink Map)メッセージ101d及び下りバースト領域101eが配置される。下りサブフレーム101における、プリアンブル領域101a等の各領域の範囲は、サブチャネル数とOFDMシンボル数とで決定される。
一方で、上りサブフレーム102には、例えば、レンジング領域102a、CQICH領域102b、ACK領域102c、及び上りバースト領域102dが配置される。下りサブフレーム101と同様に、上りサブフレーム102における、レンジング領域102a等の各領域の範囲は、サブチャネル数とOFDMシンボル数とで決定される。
プリアンブル領域101aには、通信端末2が基地局3との同期をとるために必要な信号が含められる。FCH領域101bには、DL−MAPメッセージ101cの長さと、そこで使用されている誤り訂正符号の方式及び繰り返し符号の繰り返し数を示すDLFP(Downlink Frame Prefix)などが含められる。通信端末2はDLFPの内容に従ってDL−MAPメッセージ101cを復調する。
下りバースト領域101eには、DL−MAPメッセージ101cによって、少なくとも一つの通信端末2が割り当てられている。下りバースト領域101eには、割り当てられている少なくとも一つの通信端末2へのデータが含められる。
DL−MAPメッセージ101cは、それが属する下りサブフレーム101において通信を行う各通信端末2に対する無線リソースの割り当てを示している。DL−MAPメッセージ101cには、下りバースト領域101eにどの通信端末2が割り当てられているのか、下りバースト領域101eに割り当てられた各通信端末2について、下りバースト領域101eのどの領域が割り当てられているかなどの情報が含まれている。したがって、DL−MAPメッセージ101cによって、それが属する下りサブフレーム101で通信を行う通信端末2と、当該通信端末2と通信を行う際に使用される周波数帯域(サブチャネル)と、当該通信端末2と通信を行う時間帯とが特定される。各通信端末2では、制御部29が、取得したDL−MAPメッセージ101cの内容を解析することによって、自装置向けのデータが基地局3からどの時間帯(OFDMシンボル)でどの周波数帯域(サブチャネル)を使用して送信されるかを知ることができる。その結果、各通信端末2では、基地局3からの自装置向けのデータを適切に取得することができる。
UL−MAPメッセージ101dは、それが属する下りサブフレーム101に続く上りサブフレーム102において通信対象となる各通信端末2に対する無線リソースの割り当てを示している。UL−MAPメッセージ101dには、上りバースト領域102dに対してどの通信端末2が割り当てられているのか、上りバースト領域102eに対して割り当てられている各通信端末2について、上りバースト領域102eのどの領域が割り当てられているかなどの情報が含まれている。したがって、UL−MAPメッセージ101dによって、それが属する下りサブフレーム101に続く上りサブフレーム102において通信を行う通信端末2と、当該通信端末2が送信に使用するサブチャネル(送信周波数帯域)と、当該通信端末2が送信を行う時間帯とが特定される。各通信端末2では、制御部29が、取得したUL−MAPメッセージ101dの内容を解析することによって、基地局3向けのデータをどの時間帯でどの周波数帯域を使用して送信するべきかを知ることができる。上述の基地局3で生成される、使用変調方式通知信号、送信レベル制御信号及び送信帯域通知信号はUL−MAPメッセージ101dに含められる。
上りバースト領域102dには、UL−MAPメッセージ101dによって、少なくとも一つの通信端末2が割り当てられている。上りバースト領域102dには、それに割り当てられている少なくとも一つの通信端末2が送信するデータが含められる。基地局3は、上りバースト領域102dが占める周波数帯域から、通信対象の各通信端末2の送信周波数帯域を決定する。
レンジング領域102aには、帯域要求やレンジングを行うための信号が含められる。CQICH領域102bにはチャネル品質情報が含められる。ACK領域102cには、基地局3からのHARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)に対するACK(Acknowledgement)あるいはNACK(Negative Acknowledgement)が含められる。
本実施の形態に係る通信システム1では、以上のような構成を有するTDDフレーム100が使用されて、通信端末2と基地局3との間の通信が行われる。
<通信端末の電池残量が少なくなった場合の通信システムの動作>
本実施の形態に係る通信システム1では、通信端末2が有する電池26について電池残量が少なくなると、当該通信端末2に対する基地局3の制御によって、当該通信端末2では、電池26の消費電力が低減されるようになる。そして、当該通信端末2での電池残量がさらに少なくなって当該電池残量が非常に少なくなると、当該通信端末2に対する基地局3の制御によって、当該通信端末2の送信電力が非常に小さくなる。その結果、電池残量が非常に少なくなった通信端末2では、電池26の消費電力がさらに低減されるようになる。以下に、通信システム1でのこの動作について説明する。以下では、一例として、基地局3が3つの通信端末2(以後、通信端末2A〜2Cと呼ぶ)と通信している場合に、通信端末2Aだけにおいて電池残量が少なくなった場合の通信システム1の動作について説明する。
図5は、通信端末2Aにおいて電池残量がある程度少なくなった場合の通信システム1の動作を示すフローチャートである。図6は、通信端末2Aにおいて電池残量が非常に少なくなった場合の通信システム1の動作を示すフローチャートである。
図5に示されるように、ステップs1において、通信端末2Aの制御部29が、記憶部28内の電池26の電池残量がしきい値th1よりも少なくなったと判定すると、制御部29は、ステップs2において、記憶部28内の第1アラームフラグをオンにする。この第1アラームフラグは、通信端末2において電池残量がある程度少なくなっていることを示すための情報である。第1アラームフラグが、オン(例えば“1”)のときには電池残量がある程度少ないことを意味している。第1アラームフラグをオンにするかどうかのしきい値th1は例えば30%に設定される。つまり、電池残量が30%よりも少なくなると第1アラームフラグはオンとなる。ここで、電池残量がX%ということは、電池26の現在の電荷量が、新しいもの電荷量、あるいは電池26が二次電池であれば充電が完了したもの電荷量に対してX%であることを意味する。
次にステップs3において、制御部29は、第1アラームフラグがオンになったことを通知するための第1アラーム通知信号を生成する。この第1アラーム通知信号は、サーバ装置5向けの送信信号に含められて、通信端末2Aから送信される。
次にステップs4において、サーバ装置5が、通信端末2Aからの第1アラーム通知信号を基地局3及びゲートウェイ装置4を通じて受信すると、ステップs5において、サーバ装置5は、通信端末2Aの電池残量がある程度少ないことを通知するための通知信号を、ゲートウェイ装置4を通じて、通信端末2Aと通信する基地局3に送信する。基地局3は、この通知信号を受信すると、ステップs6において、通信端末2Aに対して、その電池26の消費電力を低減するための制御(以後、「電池消費低減制御」と呼ぶ)を行う。
図7は電池消費低減制御を行う基地局3の動作を示すフローチャートである。図7に示されるように、電池消費低減制御では、まずステップs21において、制御部38の変調方式決定部380は、通信端末2Aの現在の使用変調方式を確認する。変調方式決定部380は、現在の使用変調方式が、使用可能変調方式のうち、変調多値数が最小の多値変調方式ではない場合には、つまり64QAMあるいは16QAMの場合には、ステップs22において、変調多値数が小さくなるように通信端末2Aの使用変調方式を変更する。本実施の形態では、変調多値数が1段階だけ小さくなるように使用変調方式を変更する。具体的には、現在の使用変調方式が64QAMの場合には使用変調方式を16QAMに変更し、現在の使用変調方式が16QAMの場合には使用変調方式をQPSKに変更する。そして、変調方式決定部380は、変更後の使用変調方式を通知するための使用変調方式通知信号を生成する。この使用変調方式通知信号は通信端末2Aに送信される。
なお、基地局3は、通信端末2に対して電池消費低減制御を行う際には、CINRに基づいて当該通信端末2の使用変調方式を決定しない。基地局3は、電池消費低減制御以外、つまり通常制御を通信端末2に対して行う際には、上述のようにして、CINRに基づいて当該通信端末2の使用変調方式を決定する。
次にステップs23において、送信レベル制御部381は、ステップs22での使用変調方式の変更に応じて、通信端末2Aの送信信号レベルを小さくする。
ここで、一般的に、通信システムでは、多値変調方式の種類ごとに、その多値変調方式を用いて送信する際に送信品質が良好となるためのCINRの指標値が定められている。一例を挙げれば、送信品質が良好となるためには、CINRが、64QAMでは18dB、16QAMでは12dB、QPSKでは6dB必要であるといった、CINRの指標値が定められている。CINRに基づいて使用変調方式を決定する際に用いられる上述のしきい値α1,α2,α3は、このCINRの指標値が設定される。
例えば、しきい値α1には、64QAMで送信した場合に送信品質が良好となるために最低必要なCINRである18dBが設定される。しきい値α2には、16QAMで送信した場合に送信品質が良好となるために最低必要なCINRである12dBが設定される。しきい値α3には、QPSKで送信した場合に送信品質が良好となるために最低必要なCINRである6dBが設定される。以後、ある多値変調方式で送信した場合に送信品質が良好となるために最低必要なCINRを、当該多値変調方式についての「最低必要CINR」と呼ぶ。
したがって、多値変調方式を64QAMから16QAMに変更する場合には、それらの最低必要CINRの差分だけ、つまり6dBだけCINRが低下したとしても良好な送信品質を維持することができる。逆に言うと、送信品質を維持しながら多値変調方式を16QAMから64QAMに変更するためには、それらの最低必要CINRの差分だけ、つまり6dBだけCINRを大きくする必要がある。
同様に、多値変調方式を16QAMからQPSKに変更する場合には、それらの最低必要CINRの差分だけ、つまり6dBだけCINRが低下したとしても良好な送信品質を維持することができる。逆に言うと、送信品質を維持しながら多値変調方式をQPSKから16QAMに変更するためには、それらの最低必要CINRの差分だけ、つまり6dBだけCINRを大きくする必要がある。
以上の点に鑑みて、ステップs23においては、通信端末2Aの電池26の消費電力を低減するために、ステップs22での使用変調方式の変更に応じて通信端末2Aの送信信号レベルを6dB(64QAMと16QAMの最低必要CINRの差分、16QAMとQPSKの最低必要CINRの差分)だけ小さくする。つまり、当該送信信号レベルを1/4倍にする。これにより、通信端末2Aの送信電力が6dB小さくなって通信端末2AについてのCINRが6dB低下するものの、使用変調方式の変調多値数が小さくなっているため、通信端末2Aの送信品質を維持することができる。
なお、通信端末2の送信信号レベルを6dB上げると、通信端末2の送信信号のCINRも6dB向上することから、通信端末2の送信信号レベルを6dB上げることによって、当該通信端末2の送信品質を維持しつつ、当該通信端末2の使用変調方式をQPSKから16QAMに、あるいは16QAMから64QAMに変更することができる。
ステップs23では、送信レベル制御部381が、通信端末2Aの送信信号レベルを6dBだけ小さくするための送信レベル制御信号を生成する。この送信レベル制御信号は通信端末2Aに送信される。
なお、最低必要CINRには、例えば、それに対応する多値変調方式で送信された信号を受信して得られる受信信号についてのビットエラーレートが所定値以下となるために最低必要なCINRが設定される。
次にステップs24において、制御部38の帯域決定部382は、通信端末2Aの送信周波数帯域を広げることが可能かを判断する。帯域決定部382は、例えば、上述の上りバースト領域102dにおいて使用していない周波数帯域(サブチャネル)がある場合や、基地局3が通信する他の通信端末2B,2Cの送信周波数を狭くして伝送レートを低減できる場合には、通信端末2Aの送信周波数帯域を広げることができる。また、他の通信端末2B,2Cの伝送レートを低減できない場合であっても、通信端末2B,2Cについて、変調多値数が大きくなるように多値変調方式を変更し、この変更に応じて、CINRが必要量だけ大きくなるように送信信号レベルを上げるとともに送信周波数帯域を狭くすることによって、通信端末2B、2Cの伝送レートを維持できる場合には、通信端末2Aの送信周波数を広げることができる。
ステップs24において、帯域決定部382は、通信端末2Aの送信帯域周波数を広げることが可能であると判断すると、ステップs25において、ステップs22での多値変調方式の変更に応じて通信端末2Aの送信周波数帯域を広げる。具体的には、帯域決定部382は、通信端末2Aの送信周波数帯域を2倍に広げる。ステップs22では、通信端末2Aの使用変調方式の変調多値数が1/4倍となるため、このままでは通信端末2Aの伝送レートが1/2倍になってしまう。そこで、通信端末2Aの送信周波数帯域を2倍に広げることによって、通信端末2Aの伝送レートを維持することができる。帯域決定部382は、変更後の送信周波数帯域を通知するための送信帯域通知信号を生成する。この送信帯域通知信号は通信端末2Aに送信される。
なお、ステップs25において、上りバースト領域102dにおいて空きの周波数帯域が少ない等の理由で、通信端末2Aの送信周波数帯域が2倍まで広げることができない場合には、可能なだけ広げるだけでも良い。この場合であっても、使用変調方式の変調多値数の低下による伝送レートの低下を抑制することができる。
上述のステップs21において、通信端末2Aの現在の使用変調方式が、使用可能変調方式のうち変調多値数が最小の多値変調方式の場合には、つまりQPSKの場合には、ステップs26において、変調方式決定部380は通信端末2Aの現在の使用変調方式を維持し、送信レベル制御部381は通信端末2Aの現在の送信信号レベルを維持し、帯域決定部382は通信端末2Aの現在の送信周波数帯域を維持する。
また上述のステップs24において、通信端末2Aの送信周波数帯域が広げられない場合には、帯域決定部382は通信端末2Aの現在の送信周波数帯域を維持する。この場合には、ステップs22での使用変調方式の変調多値数の低減によって通信端末2Aの伝送レートが低下することになる。
図8は通信端末2Aの電池残量がしきい値th1よりも少なくなる直前の通信端末2A〜2Cの使用変調方式、送信周波数帯域、その帯域幅、送信電力、伝送レートの一例を示す図である。図9は、通信端末2Aの電池残量がしきい値th1よりも少なくなって上述のステップs25が実行された直後の通信端末2A〜2Cの使用変調方式、送信周波数帯域、その帯域幅、送信電力、伝送レートの一例を示す図である。
図8,9と後述の図10,14〜16では、「端末2A〜2C」がそれぞれ通信端末2A〜2Cを示しており、「帯域幅」が送信周波数帯域の帯域幅を示している。また、送信電力、送信周波数帯域の帯域幅及び伝送レートの値は、通信端末2A〜2Cの間での相対値を示している。
図8の例では、通信端末2Aの電池残量が少なくなる前においては、通信端末2A〜2Cの使用変調方式は、それぞれ、16QAM、QPSK、QPSKとなっている。また、通信端末2A〜2Cの送信周波数帯域の帯域幅はすべて“10”となっている。また、通信端末2A〜2Cの伝送レートは、それぞれ、“200”、“100”、“100”となっている。そして、通信端末2A〜2Cの送信電力は、それぞれ、“40”、“10”、“10”となっている。
このような通信端末2A〜2Cと基地局3が通信している場合において、通信端末2Aの電池残量がしきい値th1よりも少なくなると、上述のステップs22において、通信端末2Aの使用変調方式が16QAMからQPSKに変更される。そして、ステップs23において、通信端末2Aの送信信号レベルが6dB小さくされる。その後、ステップs25において、通信端末2B,2Cの送信周波数帯域が1/2倍にされるとともに、通信端末2Aの送信周波数帯域が2倍にされる。このとき、通信端末2B,2Cの使用変調方式がQPSKから16QAMに変更され、この変更に応じて、通信端末2B,2Cの送信信号レベルが6dB大きくされる。その結果、通信端末2A〜2Cの多値変調方式、送信周波数帯域、その帯域幅、送信電力、伝送レートは図9のようになる。
図9に示されるように、通信端末2Aの伝送レートについては、16QAMからQPSKに変更されることによって1/2倍となるものの、送信周波数帯域(送信に使用されるサブキャリアの数)が2倍となるため、結局、電池残量が少なくなる前の値、つまり“200”が維持されている。通信端末2Aの送信電力については、送信信号レベルが1/4倍になるとともに送信周波数帯域が2倍となっているため、結局、電池残量が少なくなる前の1/2倍、つまり“20”となっている。したがって、通信端末2Aの電池26の消費電力が低減する。
一方で、電池残量が十分な通信端末2B,2Cについては、送信品質を維持しながら使用変調方式をQPSKから16QAMに変更するために送信信号レベルを6dB(4倍)大きくし、さらに送信周波数帯域を1/2倍にしていることから、通信端末2B,2Cの送信電力は、通信端末2Aの電池残量が少なくなる前の値の2倍、つまり“20”となっている。通信端末2B,2Cの伝送レートについては、QPSKから16QAMに変更されることによって2倍となるものの、送信周波数帯域が1/2倍となるため、結局、通信端末2Aの電池残量が少なくなる前の値、つまり“100”が維持されている。
このように、通信端末2Aの電池残量がしきい値th1より少なくなると、電池消費低減制御が行われて、通信端末2Aの使用変調方式の変調多値数が小さくなり、それに応じて通信端末2Aの送信信号レベルが小さくなる。したがって、通信端末2Aの電池残量が少なくなった場合に、通信端末2Aの送信品質の低下を抑制しつつ、通信端末2Aの電池26の消費電力を低減することができる。
また、電池消費低減制御では、ステップs23,s25において、通信端末2Aの送信電力が低減されるように、ステップs22での通信端末2Aの使用変調方式の変更に応じて通信端末2Aの送信信号レベルが小さくされつつ通信端末2Aの送信周波数帯域が広げられる。そのため、通信端末2Aについて、電池残量が少なくなった場合に、送信品質の低下を抑制するとともに、伝送レートの低下を抑制しつつ電池26の消費電力を低減することができる。
また、図9に示されるように、電池残量が十分な通信端末2B,2Cについては、電池残量が少なくなった通信端末2Aの送信周波数帯域が広げられることに応じて、送信周波数帯域が狭くされ、その送信周波数帯域が狭くされることに応じて、変調多値数が大きくなるように使用変調方式が変更される。したがって、電池残量が少なくなった通信端末2Aの送信周波数帯域を確保しつつ、電池残量が十分な通信端末2B,2Cでの伝送レートの低下を抑制することができる。
上述の図5のステップs6の後に、通信端末2Aの電池残量がさらに少なくなり、図6に示されるように、ステップs11において、通信端末2Aの制御部29が、記憶部28内の電池26の電池残量がしきい値th2(<th1)よりも少なくなったと判定すると、制御部29は、ステップs12において、記憶部28内の第2アラームフラグをオンにする。この第2アラームフラグは、通信端末2において電池残量が非常に少なくなっていること、言い換えれば、当該電池残量が無くなりそうになっていることを示すための情報である。第2アラームフラグが、オン(例えば“1”)のときには電池残量が非常に少なくなっていることを意味している。第2アラームフラグをオンにするかどうかのしきい値th2は例えば10%に設定される。
次にステップs13において、制御部29は、第2アラームフラグがオンになったことを通知するための第2アラーム通知信号を生成する。この第2アラーム通知信号は、サーバ装置5向けの送信信号に含められて、通信端末2Aから送信される。
次にステップs14において、サーバ装置5が、通信端末2Aからの第2アラーム通知信号を基地局3及びゲートウェイ装置4を通じて受信すると、ステップs15において、サーバ装置5は、通信端末2Aの電池残量が非常に少なくなっていることを通知するための通知信号を、ゲートウェイ装置4を通じて、通信端末2Aと通信する基地局3に送信する。基地局3は、この通知信号を受信すると、ステップs16において、通信端末2Aに対して、その送信電力を非常に小さくするための制御(以後、「最低送信電力制御」と呼ぶ)を行う。
最低送信電力制御では、変調方式決定部380が、通信端末2Aの使用可能変調方式のうち変調多値数が最小の多値変調方式を、本例ではQPSKを通信端末2Aの使用変調方式に決定する。このとき、ステップs6の前の使用変調方式がQPSK以外であって、ステップs6において使用変調方式が変更される場合には、この変更に応じて、送信レベル制御部381は通信端末2Aの送信信号レベルを小さくする。具体的には、使用変調方式が16QAMからQPSKに変更される場合には、送信信号レベルを6dB小さくし、使用変調方式が64QAMからQPSKに変更される場合には、送信信号レベルを12dB小さくする。そして、帯域決定部382は、通信端末2Aの送信周波数帯域の帯域幅が予め定められた最低帯域幅となるように、当該送信周波数帯域を設定する。この最低帯域幅は、通信端末2の使用変調方式が変調多値数が最小の多値変調方式(本例ではQPSK)に設定された場合において、当該通信端末2の送信周波数帯域として基地局3が設定できる、予め定められた最低の帯域幅である。言い換えれば、最低帯域幅は、通信端末2の使用変調方式の変調多値数が最小に設定された場合において、基地局3が通信端末2の伝送レートとして最低限必要な値を確保するために必要な、予め定められた送信周波数帯域の帯域幅である。例えば、最低帯域幅には、1サブチャネル分の帯域幅が採用される。これにより、通信端末2Aは、伝送レートが低くなるものの、送信電力を十分に小さくした状態で基地局3と通信することができる。よって、電池残量が非常に少ない場合には、通信端末2Aの伝送レートを犠牲にしつつ、通信端末2Aでの電池26の消費電力を十分に低減することができる。
図10は、通信端末2A〜2Cが上述の図9のような状態において、通信端末2Aに対して最低送信電力制御が行われた後の通信端末2A〜2Cの使用変調方式、送信周波数帯域、その帯域幅、送信電力、伝送レートを示す図である。
図10に示されるように、通信端末2Aの使用変調方式は、変調多値数が最小のQPSKとなっている。そして、通信端末2Aの送信周波数帯域の帯域幅が最低帯域幅の“10”に設定されている。したがって、通信端末2Aの送信周波数帯域が1/2倍となっている。その結果、通信端末2Aの送信電力及び伝送レートは1/2倍となっている。
なお、通信端末2Aに対して最低送信電力制御を行った後に、通信端末2B,2Cの使用変調方式、送信周波数帯域及び送信信号レベルを、図10に示されるように、通信端末2Aの電池残量がしきい値th1よりも少なくなる前の状態(図8の状態)に戻すことが望ましい。これにより、通信端末2B,2Cの伝送レートを維持しつつ、通信端末2B,2Cの電池26の消費電力を低減できる。
このように、通信端末2Aの電池26についての電池残量がさらに少なくなり、当該電池残量がほとんど無くなった場合において、通信端末2Aの使用変調方式を、変調多値数が最小のものに変更し、それに応じて通信端末2Aの送信信号レベルを小さくし、さらに通信端末2Aの送信周波数帯域を狭くすることによって、通信端末2Aの電池残量が非常に少ない場合に、通信端末2Aでの電池26の消費電力を十分に低減することができる。
<電池残量が回復した場合の通信システムの動作>
次に通信端末2Aの電池残量が回復した場合の通信システム1の動作について説明する。図11は当該動作を示すフローチャートである。通信端末2Aの電池残量は、電池26が新しいもの交換されたり、二次電池の電池26が充電されると、回復することになる。
図11に示されるように、ステップs31において、通信端末2Aの制御部29が、記憶部28内の電池26の電池残量がしきい値th3以上になったと判定すると、制御部29は、ステップs32において、記憶部28内の第1及び第2アラームフラグをオフにする。このしきい値th3は、電池残量が回復したかどうかを判定するためのしきい値である。しきい値th3は、電池残量が少なくなったことを判定するための上述のしきい値th1と同じであっても良いが、両者のしきい値にヒステリシスを持たせるために、しきい値th1よりも大きい値に設定することが望ましい。しきい値th3は例えば40%に設定される。
次にステップs33において、制御部29は、第1及び第2アラームフラグがオフになったことをサーバ装置5に通知するためのアラーム解除通知信号を生成する。このアラーム解除通知信号は、サーバ装置5向けの送信信号に含められて、通信端末2Aから送信される。
次にステップs34において、サーバ装置5が、通信端末2Aからのアラーム解除通知信号を基地局3及びゲートウェイ装置4を通じて受信すると、ステップs35において、サーバ装置5は、通信端末2Aの電池残量が回復したことを通知するための通知信号を、ゲートウェイ装置4を通じて、通信端末2Aと通信する基地局3に送信する。基地局3は、この通知信号を受信すると、ステップs36において、通信端末2Aに対して通常制御を行う。通常制御においては、通信端末2Aの使用変調方式はCINRに基づいて決定される。例えば、通信端末2Aの現在の使用変調方式がQPSKであって、通信端末2AのCINRがα2(12dB)以上α1(18dB)未満の場合には、通信端末2Aの使用変調方式がQPSKから16QAMに変更される。
<通信端末がハンドオーバした後の通信システムの動作>
次に通信端末2Aがハンドオーバを行った後の通信システム1の動作について説明する。図12は当該動作を示すフローチャートである。図12に示されるように、ステップs41において通信端末2Aがハンドオーバを行うと、ステップs42において、通信端末2Aの制御部29は、記憶部28内の第1及び第2アラームフラグの状態を確認する。
ステップs42において、第1及び第2アラームフラグがともにオンであると、つまり、通信端末2Aの電池残量が非常に少ない場合には、ステップs43において、通信端末2Aは、基地局3及びゲートウェイ装置4を通じてサーバ装置5に上述の第2アラーム通知信号を送信する。
次にステップs44において、サーバ装置5は、第2アラーム通知信号を受信すると、通信端末2Aの電池残量が非常に少なくなっていることを通知するための通知信号を、ゲートウェイ装置4を通じて、通信端末2Aのハンドオーバ先の基地局3に送信する。ハンドオーバ先の基地局3は、この通知信号を受信すると、ステップs45において、通信端末2Aに対して上述の最低送信電力制御を行う。
一方で、ステップs42において、第1アラームフラグのみがオンであると、つまり、通信端末2Aの電池残量がある程度少なくなっている場合には、ステップs46において、通信端末2Aは、基地局3及びゲートウェイ装置4を通じてサーバ装置5に上述の第1アラーム通知信号を送信する。
次にステップs47において、サーバ装置5は、第1アラーム通知信号を受信すると、通信端末2Aの電池残量がある程度少なくなっていることを通知するための通知信号を、ゲートウェイ装置4を通じて、通信端末2Aのハンドオーバ先の基地局3に送信する。ハンドオーバ先の基地局3は、この通知信号を受信すると、ステップs48において、通信端末2Aに対して上述の電池消費低減制御を行う。
<通信端末の伝送レートを大きくする場合の基地局の動作>
次に通信端末2Aの伝送レート(送信ビットレート)を大きくする場合の基地局3の動作について説明する。図13は当該動作を示すフローチャートである。図13に示されるように、ステップs51において、基地局3の制御部38は、上りサブフレーム102のレンジング領域102aに含まれる、通信端末2Aからの帯域要求によって、通信端末2Aの伝送レートを大きくする、例えばN倍(Nは2以上の整数)にする必要が発生したと判定すると、ステップs52において、制御部38は、過去のサーバ装置5からの上述の通知信号に基づいて、通信端末2Aの電池残量の状態を判断する。
ステップs52において、通信端末2Aの電池残量が非常に少ないと判断されると(電池残量<しきい値th2)、制御部38は、電池26の消費電力が増大して電池残量がすぐに零になることを防止するために、ステップs53において、通信端末2Aの使用変調方式及び送信周波数帯域を変更せずに、通信端末2Aの伝送レートを維持する。
ステップs52において、通信端末2Aの電池残量がある程度少ないと判断されると(しきい値th2≦電池残量<しきい値th1)、ステップs54において、帯域決定部382は、上述の図7のステップs24と同様に、通信端末2Aの送信周波数帯域を広げることが可能かを判断する。そして、帯域決定部382は、通信端末2Aの送信周波数帯域を広げることが可能である場合には、ステップs55において、通信端末2Aの送信周波数帯域をN倍に広げて、N倍に広げた送信周波数帯域を示す送信帯域通知信号を生成する。この送信帯域通知信号は通信端末2Aに送信される。なお、通信端末2Aの送信周波数帯域をN倍にできない場合には、帯域決定部382は、通信端末2Aの送信周波数帯域を可能なだけ広げる。ステップs54において、通信端末2Aの送信周波数帯域を広げることができないと判断されると、上述のステップs53が実行されて、通信端末2Aの伝送レートが維持される。
ステップs52において、通信端末2Aの電池残量が十分にあると判断されると(しきい値th1≦電池残量)、ステップs56において、変調方式決定部380が、変調多値数が大きくなるように通信端末2Aの使用変調方式を変更することが可能かを判断する。例えば、現在の使用変調方式がQPSKや16QAMであれば、変調多値数が大きくなるように使用変調方式を変更することができる。変調方式決定部380は、変調多値数が大きくなるように使用変調方式を変更することが可能である場合には、ステップs57において、変調多値数がN乗されるように使用変調方式を変更する。つまり、変調方式決定部380は、使用変調方式の現在の変調多値数が2M(Mは1以上の整数)のとき、変調多値数が2(M×N)となるように使用変調方式を変更する。例えば、N=2の場合であって、現在の使用変調方式がQPSK(変調多値数=4=22)の場合には、使用変調方式を16QAM(変調多値数=16=2(2×2))に変更する。また、N=3の場合であって、現在の使用変調方式がQPSK(変調多値数=4=22)の場合には、使用変調方式を64QAM(変調多値数=64=2(2×3))に変更する。なお、変調多値数が2(M×N)となるように使用変調方式を変更できない場合には、変調方式決定部380は、変調多値数ができるだけ大きくなるように使用変調方式を変更する。ステップs56において、変調多値数が大きくなるように通信端末2Aの使用変調方式を変更することができないと判断されると、上述のステップs53が実行されて、通信端末2Aの伝送レートが維持される。
ステップs57が実行されると、ステップs58において、送信レベル制御部381は、送信品質を維持するために、ステップs56での使用変調方式の変更に応じて、通信端末2Aの送信信号レベルを大きくする。例えば、ステップs56において、使用変調方式がQPSKから64QAMに変更された場合には、送信信号レベルを12dB大きくする。また、ステップs56において、使用変調方式がQPSKから16QAMに変更された場合には、送信信号レベルを6dB大きくする。送信レベル制御部381は、送信信号レベルを大きくするための送信レベル制御信号を生成する。この送信レベル制御信号は通信端末2Aに送信される。
図14はステップs51が実行される直前の通信端末2A〜2Cの使用変調方式、送信周波数帯域、その帯域幅、送信電力、伝送レートの一例を示す図である。図15は、ステップs51において通信端末2Aの伝送レートを2倍にする必要が発生したと判断された後にステップs55が実行された直後の通信端末2A〜2Cの使用変調方式、送信周波数帯域、その帯域幅、送信電力、伝送レートの一例を示す図である。図16は、ステップs51において通信端末2Aの伝送レートを2倍にする必要が発生したと判断された後にステップs58が実行された直後の通信端末2A〜2Cの使用変調方式、送信周波数帯域、その帯域幅、送信電力、伝送レートの一例を示す図である。
図14の例では、ステップs51の実行前の通信端末2A〜2Cの使用変調方式はすべてQPSKとなっている。また、通信端末2A〜2Cの送信周波数帯域の帯域幅はすべて“10”となっている。また、通信端末2A〜2Cの伝送レートはすべて“100”となっている。そして、通信端末2A〜2Cの送信電力はすべて“10”となっている。
このような通信端末2A〜2Cと基地局3が通信している場合において、ステップs52において通信端末2Aの電池残量がある程度少ないと判断されると、ステップs55において、通信端末2B、2Cの送信周波数帯域が1/2倍に狭められるとともに、通信端末2Aの送信周波数帯域が2倍に広げられる。このとき、通信端末2B,2Cの使用変調方式がQPSKから16QAMに変更され、この変更に応じて、通信端末2B,2Cの送信信号レベルが6dB大きくされる。その結果、通信端末2A〜2Cの多値変調方式、送信周波数帯域、その帯域幅、送信電力、伝送レートは図15のようになる。図15に示されるように、通信端末2Aでは、送信周波数帯域が2倍になったことに応じて、伝送レート及び送信電力がともに2倍になっている。
一方で、図14の状態の通信端末2A〜2Cと基地局3が通信している場合において、ステップs52において通信端末2Aの電池残量が十分であると判断されると、ステップs57において、通信端末2Aの使用変調方式が、その変調多値数が2乗されるようにQPSKから16QAMに変更される。そして、ステップs58において、通信端末2Aの送信品質を維持するために、使用変調方式がQPSKから16QAMに変更されたことに応じて通信端末2Aの送信信号レベルが6dB大きくされる。その結果、通信端末2A〜2Cの多値変調方式、送信周波数帯域、その帯域幅、送信電力、伝送レートは図16のようになる。図16に示されるように、通信端末2Aでは、使用変調方式の変調多値数が22倍になったことに応じて伝送レートが2倍になり、送信信号レベルが4倍になったことに応じて送信電力が4倍になっている。
このように、本実施の形態では、使用変調方式の変調多値数が2Mである通信端末2Aの伝送レートをN倍にする場合において、通信端末2Aの送信周波数帯域をN倍にする際(ステップs55)の通信端末2Aの送信電力の増加量(図14,15の例では“10”)は、変調多値数が2(M×N)となるように通信端末2Aの使用変調方式を変更し、この変更に応じて送信信号レベルを大きくする際(ステップs57,s58)の通信端末2Aの送信電力の増加量(図14,16の例では“30”)よりも小さくなっている。したがって、通信端末2の電池残量が少ない場合に、ステップs55を実行することによって、通信端末2Aの送信電力の増加が少ない方法で通信端末2Aの伝送レートをN倍にすることができる。よって、通信端末2Aの電池残量が少ない場合に、その電池26の消費電力を低減することができる。
一方で、通信端末2Aの電池残量が十分な場合には、通信端末2Aの送信周波数帯域を広げることなく、通信端末2Aの使用変調方式の変調多値数を2(M×N)とすることによって通信端末2Aの伝送レートをN倍にしているため、通信システム1の周波数帯域を有効利用することができる。
<変形例>
上記の例では、通信端末2は、電池残量が少なくなると、サーバ装置5向けの第1アラーム通知信号あるいは第2アラーム通知信号を生成し、それをサーバ装置5に送信している。そして、サーバ装置5が基地局3に対して当該通信端末2の電池残量が少なくなったことを通知している。本発明の実施の形態はこれに限られず、通信端末2が、電池残量が少なくなったことを直接基地局3に通知しても良い。この場合には、通信端末2は、基地局3向けの第1アラーム通知信号あるいは第2アラーム通知信号を生成する。基地局3は、自装置向けの第1アラーム通知信号を受信すると、通信端末2に対して電池消費低減制御を行う。また基地局3は、自装置向けの第2アラーム通知信号を受信すると、通信端末2に対して最低送信電力制御を行う。
また、上記の例では、基地局3に対して、変調方式決定部380、送信レベル制御部381及び帯域決定部382を有する、通信端末2を制御する端末制御装置が設けられていたが、図17に示されるように、当該端末制御装置をゲートウェイ装置4に設けても良い。つまり、ゲートウェイ装置4が、基地局3を通じて、通信端末2の使用変調方式、送信信号レベル及び送信周波数帯域を制御しても良い。この場合には、ゲートウェイ装置4で生成された使用変調方式通知信号、送信レベル制御信号及び送信帯域通知信号は、基地局3を通じて通信端末2に送信される。
また、上述のしきい値th1〜th3については、複数の通信端末2の間で同じ値を採用しても良いし、通信端末2の個体差を考慮して各通信端末2に個別に設定しても良い。
また、上記の例では、通信端末2についての使用可能変調方式として、64QAM、16QAM及びQPSKの3種類の多値変調方式が採用されていたが、2種類の多値変調方式を採用しても良いし、4種類以上の多値変調方式を採用しても良い。また、使用可能変調方式として、64QAM、16QAM及びQPSK以外の多値変調方式、例えば8PSKや256QAMを採用しても良い。
また、上記の例では、本発明の実施の形態として、WiMAXに準拠した通信システムについて説明したが、本願発明は、他の通信システム、例えば、LTE(Long Term Evolution)に準拠した通信システムや、上述の非特許文献2に記載されている次世代PHSに準拠した通信システムにも適用することができる。
1 通信システム
2 通信端末
3 基地局
4 ゲートウェイ装置
26 電池
27 電池残量検出部
29 制御部
380 変調方式決定部
381 送信レベル制御部
382 帯域決定部

Claims (12)

  1. 通信端末を制御する端末制御装置であって、
    電池を有し、当該電池から供給される電力を使用して動作を行う第1通信端末が送信に使用する多値変調方式である第1多値変調方式を決定する変調方式決定部と、
    前記第1通信端末の送信信号レベルである第1送信信号レベルを制御する送信レベル制御部と
    を備え、
    前記第1通信端末の電池についての電池残量が第1しきい値よりも少なくなると、
    前記変調方式決定部が、変調多値数が小さくなるように前記第1多値変調方式を変更し、
    前記送信レベル制御部が、前記変調方式決定部での前記第1多値変調方式の変更に応じて前記第1送信信号レベルを小さくする、端末制御装置。
  2. 請求項1に記載の端末制御装置であって、
    前記第1通信端末の送信周波数帯域である第1送信周波数帯域を決定する帯域決定部をさらに備え、
    前記第1通信端末の電池についての電池残量が前記第1しきい値よりも少なくなると、
    前記第1通信端末の送信電力が低減されるように、前記変調方式決定部での前記第1多値変調方式の変更に応じて、前記送信レベル制御部が前記第1送信信号レベルを小さくしかつ前記帯域決定部が前記第1送信周波数帯域を広げる、端末制御装置。
  3. 請求項2に記載の端末制御装置であって、
    前記変調方式決定部は、電池を有し、当該電池から供給される電力を使用して動作を行う第2通信端末が送信に使用する多値変調方式である第2多値変調方式も決定し、
    前記帯域決定部は、前記第2通信端末の送信周波数帯域である第2送信周波数帯域も決定し、
    前記第2通信端末の電池についての電池残量が第2しきい値以上であって、前記第1通信端末の電池についての電池残量が前記第1しきい値よりも少なくなると、
    前記帯域決定部が、前記第1通信端末の前記第1送信周波数帯域を広げることに応じて、前記第2通信端末の前記第2送信周波数帯域を狭くし、
    前記変調方式決定部が、前記帯域決定部が前記第2送信周波数帯域を狭くすることに応じて、変調多値数が大きくなるように前記第2通信端末の前記第2多値変調方式を変更する、端末制御装置。
  4. 通信端末を制御する端末制御装置であって、
    電池を有し、当該電池から供給される電力を使用して動作を行う第1通信端末が送信に使用する多値変調方式である第1多値変調方式を決定する変調方式決定部と、
    前記第1通信端末の送信信号レベルである第1送信信号レベルを制御する送信レベル制御部と、
    前記第1通信端末の送信周波数帯域である第1送信周波数帯域を決定する帯域決定部と
    を備え、
    前記第1多値変調方式の変調多値数が2M(Mは1以上の整数)の場合であって、かつ前記第1通信端末の電池についての電池残量が第1しきい値以上の場合に、前記第1通信端末の伝送レートをN倍(Nは2以上の整数)にする第1の状況では、前記変調方式決定部が変調多値数が2(M×N)となるように前記第1多値変調方式を変更し、前記送信レベル制御部が前記変調方式決定部での前記第1多値変調方式の変更に応じて前記第1送信信号レベルを大きくし、
    前記第1多値変調方式の変調多値数がMの場合であって、かつ前記第1通信端末の電池についての電池残量が前記第1しきい値よりも少ない場合に、前記第1通信端末の伝送レートをN倍にする第2の状況では、前記帯域決定部が前記第1送信周波数帯域をN倍し、
    前記第2の状況において前記第1送信周波数帯域がN倍されることによって前記第1通信端末の送信電力が増加する量が、前記第1の状況において前記第1多値変調方式の変更に応じて前記第1送信信号レベルが大きくされることによって前記第1通信端末の送信電力が増加する量よりも小さい、端末制御装置。
  5. 請求項4に記載の端末制御装置であって、
    前記変調方式決定部は、電池を有し、当該電池から供給される電力を使用して動作を行う第2通信端末が送信に使用する多値変調方式である第2多値変調方式も決定し、
    前記帯域決定部は、前記第2通信端末の送信周波数帯域である第2送信周波数帯域も決定し、
    前記第2通信端末の電池についての電池残量が第2しきい値以上であって、前記第1通信端末の電池についての電池残量が前記第1しきい値よりも少ない場合に、前記第1通信端末の伝送レートをN倍にする前記第2の状況では、
    前記帯域決定部が、前記第1通信端末の前記第1送信周波数帯域をN倍にすることに応じて、前記第2通信端末の前記第2送信周波数帯域を狭くし、前記変調方式決定部が、前記帯域決定部が前記2送信周波数帯域を狭くすることに応じて、変調多値数が大きくなるように前記第2通信端末の前記第2多値変調方式を変更する、端末制御装置。
  6. 請求項2及び請求項4のいずれか一つに記載の端末制御装置であって、
    前記第1通信端末の電池についての電池残量が、前記第1しきい値よりも少なくなり、その後当該第1しきい値よりも小さい第3しきい値よりも少なくなると、
    前記変調方式決定部が、前記第1通信端末が使用可能な多値変調方式のうち変調多値数が最小の多値変調方式となるように前記第1多値変調方式を変更し、
    前記送信レベル制御部が、前記変調方式決定部での前記第1多値変調方式の変更に応じて前記第1送信信号レベルを小さくし、
    前記帯域決定部が前記第1送信周波数帯域を狭くする、端末制御装置。
  7. 請求項1及び請求項4のいずれか一つに記載の端末制御装置であって、
    前記端末制御装置は、前記第1通信端末と通信を行う基地局に設けられている、端末制御装置。
  8. 請求項1及び請求項4のいずれか一つに記載の端末制御装置であって、
    前記端末制御装置は、前記第1通信端末と通信を行う基地局を制御するゲートウェイ装置に設けられている、端末制御装置。
  9. 請求項1及び請求項4のいずれか一つに記載の端末制御装置によって制御される前記第1通信端末である通信端末であって、
    前記第1通信端末の電池の電池残量を検出する電池残量検出部と、
    前記電池残量検出部で検出される電池残量が前記第1しいき値よりも少ないか否かを判定する判定部と
    を備える、通信端末。
  10. 請求項1及び請求項4のいずれか一つに記載の端末制御装置と、
    前記第1通信端末と
    を備える、通信システム。
  11. 電池を有し、当該電池から供給される電力を使用して動作を行う通信端末を制御する制御方法であって、
    前記通信端末の電池についての電池残量がしきい値よりも少なくなると、
    (a)前記通信端末が送信に使用する多値変調方式を、変調多値数が小さくなるように変更する工程と、
    (b)前記工程(a)での前記多値変調方式の変更に応じて前記通信端末の送信信号レベルを小さくする工程と
    を備える、通信端末の制御方法。
  12. 電池を有し、当該電池から供給される電力を使用して動作を行う通信端末を制御する制御方法であって、
    (a)前記通信端末において送信に使用される多値変調方式の変調多値数が2M(Mは1以上の整数)であって、前記通信端末の電池についての電池残量がしきい値以上の場合に、前記通信端末の伝送レートをN倍(Nは2以上の整数)にする工程と、
    (b)前記通信端末において前記多値変調方式の変調多値数が2Mであって、前記通信端末の電池についての電池残量がしきい値よりも少ない場合に、前記通信端末の伝送レートをN倍にする工程と
    を備え、
    前記工程(a)では、前記多値変調方式が、変調多値数が2(M×N)となるように変更されるともに、当該多値変調方式の変更に応じて前記通信端末の送信信号レベルが大きくされ、
    前記工程(b)では、前記通信端末の送信周波数帯域がN倍され、
    前記工程(b)において前記送信周波数帯域がN倍にされることによって前記通信端末の送信電力が増加する量が、前記工程(a)において前記多値変調方式の変更に応じて前記送信信号レベルが大きくされることによって前記通信端末の送信電力が増加する量よりも小さい、通信端末の制御方法。
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