JP5285769B2 - 無線通信端末、基地局、無線通信方法および無線通信システム - Google Patents

無線通信端末、基地局、無線通信方法および無線通信システム Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2009年5月26日に出願された日本国特許出願2009−126606号の優先権を主張するものであり、この先の出願の開示全体を、ここに参照のために取り込む。
本発明は、直交周波数分割多元接続(OFDMA:Orthogonal Frequency Division Multiple Acces)を採用した無線通信端末、基地局、無線通信方法及び無線通信システムに関する。
屋外に設置された広域基地局(マクロセル)と無線通信端末(移動局)との間で無線通信を行う場合、建物の影響や無線通信端末の移動によりフェージングが発生し、通信速度が著しく劣化することが多々ある。また近年、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、UMB(Ultra Mobile Broadband)、LTE(Long Term Evolution)及び次世代PHS等で採用されているOFDMA方式の無線通信システムでは、個々のユーザ(無線通信端末)に異なる周波数チャネル(サブチャネル)を割り当てて通信が行われる。このような無線通信システムでは、マルチパスの影響を受け、割り当てられた周波数によっては受信レベルやCINR(Carrier to Interference and Noise Ratio:信号対干渉雑音比)が劣化する。
このような問題に対処するため、OFDMA方式を用いるWiMAXやLTEにおいて、送信側が、所定の規則に基づいて参照信号(パイロットサブキャリア)を挿入したフレームを送信する。そして、受信側が、受信したフレーム内に含まれる参照信号に基づいて補正値を算出し、参照信号以外のデータ信号にその補正値を掛け合わせる。これにより、データ信号(データサブキャリア)の振幅や位相の歪みといったフェージングの影響を低減させる手法が採用されている。なお、この参照信号は、マルチアンテナシステム技術(AAS:Adaptive Array System、MIMO:Multi Input Multi Output)において、送信側のどのアンテナから送信された信号かを受信側で認識するのに利用されてもいる。
また、OFDMA方式を用いる従来の通信技術としては、同時にサポートできるユーザ数及びアンテナ数と、無線チャネル推定に対する精度要求とで、パイロットシンボル数、及び、異なるユーザにおけるパイロットサブキャリアのグループ数をダイナミックに変化させて、できるだけ多くのユーザ数及び/又はアンテナ数を同時にサポートできるようにしたものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−174652号公報
従来のシステム、例えばWiMAXでは、参照信号であるパイロットサブキャリア(Pilot Sub-Carrier)を所定の間隔で配置することが規格化されている。
また、現状のWiMAXやLTEは、屋外の広域基地局でサービスを展開することを前提としている。屋外ではマルチパスが発生するため、パイロットサブキャリアを減少させると、受信信号の位相や振幅の変動を補正することができず、基地局全体のスループットを減少させてしまうおそれがある。これに対し、パイロットサブキャリアの数が多いと、受信側では、パイロットサブキャリアに応じて周波数応答の補正が行われるため、処理負荷がかかり、消費電力の増大や処理速度の遅延につながる。さらに、無線通信端末と基地局との間の無線通信の状態、すなわち伝播環境が良好であれば受信信号の劣化が生じにくく、補正の必要がない場合もある。このような場合に、受信したパイロットサブキャリアを用いた補正処理が行われると、過剰な処理負荷がかかることになる。これらのことは、より省電力化が進む無線通信端末にとって好ましくない。
従って、本発明の目的は、上述した諸課題を解決し、伝播環境が良好であるときに、特に無線通信端末の処理負荷を低下し、さらに無線通信全体のスループットを向上させる、OFDMA方式の無線通信端末、基地局、無線通信方法及び無線通信システムを提供することにある。
上述した諸課題を解決すべく、本発明の一実施例による無線通信端末は、
データ信号及び当該データ信号の補正に用いる参照信号を含むフレームを用いた直交周波数分割多元接続方式で基地局と無線通信を行う無線通信端末であって、
前記基地局との間の無線通信が良好に行い得るか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって無線通信が良好に行い得ると判定された場合、前記参照信号の数を減少させるための通知信号を前記基地局に送信する送信部と、
前記基地局から受信した受信フレームに含まれる前記参照信号を用いて、当該受信フレームに含まれるデータ信号の補正を行う補正部と、
を備え
前記通知信号は、所定の参照信号をヌル信号に置換した送信フレームであることを特徴とする。
本発明の更に他の実施態様による無線通信端末は、
前記判定部は、前記基地局との間の無線通信の状態に応じて、前記参照信号の数を決定する、ことを特徴とする。
また、本発明の他の実施態様による基地局は、
データ信号及び当該データ信号の補正に用いる参照信号を含むフレームを用いた直交周波数分割多元接続方式で無線通信端末と無線通信を行う基地局であって、
前記参照信号の数を減少させるための通知信号を受信した場合、前記参照信号の数を減少させた送信フレームを生成する送信フレーム生成部と、
前記送信フレーム生成部によって生成された前記送信フレームを送信する送信部と、
を備え
前記通知信号は、所定の参照信号をヌル信号に置換した送信フレームであることを特徴とする。
上述したように本発明の解決手段を装置として説明してきたが、本発明はこれらに実質的に相当するシステム、方法、プログラム、プログラムを記録した記憶媒体としても実現し得るものであり、本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。なお、方法やプログラムの各ステップは、データの処理においては必要に応じて、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などの演算処理装置を使用するものであり、入力したデータや加工・生成したデータなどをHDD(Hard Disk Drive)、メモリなどの記憶装置に格納するものである。
例えば、本発明をシステムとして実現させた、本発明の他の実施態様による無線通信システムは、前記無線通信端末と前記基地局とを有することを特徴とする。
また、本発明の他の実施態様による無線通信方法は、
無線通信端末が、データ信号及び当該データ信号の補正に用いる参照信号を含むフレームを用いた直交周波数分割多元接続方式で基地局と無線通信を行う無線通信方法であって、
前記基地局から受信した受信フレームに含まれる参照信号を用いて、当該受信フレームに含まれるデータ信号の補正を行うステップと、
前記受信フレームに含まれる情報に基づいて前記基地局との無線通信を良好に行い得るか否かを判定するステップと、
前記判定するステップにて無線通信を良好に行い得ると判定されると、前記参照信号を減少させた送信フレームを生成するステップと、
前記生成するステップにより生成された前記参照信号の数を減少させた送信フレームを、通知信号として前記基地局に送信するステップと、
を含み、
前記補正を行うステップは、
前記通知信号に応じた前記基地局によって少なくとも1つの参照信号がデータ信号に置換された受信フレームに含まれる参照信号を用いてデータ信号の補正を行い、
前記通知信号は、所定の参照信号をヌル信号に置換した送信フレームであることを特徴とする。
また、本発明の他の実施態様による無線通信方法は、
基地局が、データ信号及び当該データ信号の補正に用いる参照信号を含むフレームを用いた直交周波数分割多元接続方式で無線通信端末と無線通信を行う無線通信方法であって、
前記無線通信端末から、通知信号として参照信号を減少させたフレームを受信すると、少なくとも1つの参照信号をデータ信号に置換した送信フレームを生成するステップと、
前記生成するステップにより生成された前記送信フレームを前記無線通信端末に送信するステップと、
を含み、
前記通知信号は、所定の参照信号をヌル信号に置換した送信フレームであることを特徴とする。
本発明によれば、伝播環境が良好であるときに、特に無線通信端末の処理負荷を低下し、さらに無線通信全体のスループットを向上させる、直交周波数分割多元接続を採用した無線通信端末、基地局、無線通信方法及び無線通信システムを提供することができる。
本発明の一実施例による無線通信端末の概略機能ブロック図である。 本発明の一実施例による基地局の概略機能ブロック図である。 WiMAXのDL PUSCにおけるサブチャネル、クラスタ及びサブキャリアの配置を示す図である。 WiMAXのUL PUSCにおけるサブチャネル、タイル及びサブキャリアの配置を示す図である。 WiMAXにおける基地局200と無線通信端末100と間のイニシャルレンジングのシーケンス図である。 本発明の一実施例による、DL PUSCのクラスタの構成例を示す図である。 本発明の一実施例による、無線通信端末100が自端末の機能を基地局200へ通知するUL PUSCにおけるタイルの構成例を示す図である。 イニシャルレンジング時における、無線通信端末100のパイロットサブキャリア挿入処理の一例のフローチャートである。 本発明の一実施例による、基地局200の受信動作時の処理の一例のフローチャートである。 無線通信端末100との無線通信における、基地局200のパイロットサブキャリア挿入処理の一例のフローチャートである。 本発明の一実施例による、無線通信端末100の受信動作時の処理の一例のフローチャートである。 受信フレーム内のパイロットサブキャリアにより算出された周波数応答の補正値(チャネル補正値)を、周波数方向に隣接するクラスタに適用する場合を説明する概略図である。 受信フレーム内のパイロットサブキャリアにより算出された周波数応答の補正値(チャネル補正値)を、時間方向に隣接するクラスタに適用する場合を説明する概略図である。 無線通信端末100に割り当てられるデータバーストにおけるパイロットサブキャリアの配置例を示す図である。 無線通信端末100に割り当てられたデータバーストにおけるパイロットサブキャリアを、通常よりも少ない数で配置する基地局200の処理の一例のフローチャートである。
以降、諸図面を参照しながら、本発明の実施態様を詳細に説明する。なおこれ以降では、無線通信システムとして、10MHz帯域、FFTサイズ1024のWiMAXシステムを想定して説明する。また、基地局としては、伝播環境の変動が少なく、無線通信端末との無線通信を良好に行い得るフェムトセルを想定して説明する。なお、フェムトセルとは、例えば家の中や小さなオフィス等に設置される小型基地局であり、従来の屋外に設置される基地局(広域基地局、マクロセル)に比べてごく小さい、数メートル〜数10メートル程度のエリアをカバーする基地局である。このフェムトセルは、各家庭に引込まれている一般回線(ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)等のブロードバンド回線)を介して移動体通信網に接続される。
図1は、本発明の一実施例による無線通信端末の概略機能ブロック図である。図1に示すように、無線通信端末100は、送信系として、誤り訂正符号化部101、変調部102、送信フレーム生成部110、CP(Cyclic Prefix)挿入部103、DAC(デジタルアナログコンバータ)104、送信部120及び送信アンテナANT11を備える。送信フレーム生成部110は、サブキャリア割当部112、参照信号挿入部114及びIFFT(Inverse Fast Fourier Transform:逆高速フーリエ変換)部116を備える。また、無線通信端末100は、受信系として、受信アンテナANT12、受信部130、ADC(アナログデジタルコンバータ)105、CP除去部106、受信フレーム解析部150、復調部107及び誤り訂正復号部108を備える。さらに、無線通信端末100は、判定部140を備える。受信フレーム解析部150は、FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)部156、補正部154及びサブキャリア解析部152を備える。
図2は、本発明の一実施例による基地局の概略機能ブロック図である。図2に示すように、基地局200は、送信系として、誤り訂正符号化部201、変調部202、送信フレーム生成部210、CP挿入部203、DAC(デジタルアナログコンバータ)204、送信部220及び送信アンテナANT21を備える。送信フレーム生成部210は、サブキャリア割当部212、参照信号挿入部214及びIFFT部216を備える。また、基地局200は、受信系として、受信アンテナANT22、受信部230、ADC(アナログデジタルコンバータ)205、CP除去部206、受信フレーム解析部250、復調部207及び誤り訂正復号部208を備える。受信フレーム解析部250は、FFT部256、補正部254及びサブキャリア解析部252を備える。さらに、無線通信端末100は、判定部240を備える。
図1,2にそれぞれ示す無線通信端末100及び基地局200の概略機能ブロック図における各構成部の機能はほぼ同様であるため、まとめて説明する。まず、送信系から説明する。誤り訂正符号化部101,201は、MAC層より送られてくるデータビットに対し、FEC(Forward Error Correction:前方誤り訂正)を施す。送信側でFECによってデータに冗長性を付与することにより、受信側は、受信データの誤りを検出し訂正することが可能となる。なお、FECとしては、CC(Convolutional Code:畳み込み符号)、CTC(Convolutional Turbo Code:ターボ符号)及びLDPC(Low Density Parity-check Code:低密度パリティ検査符号)等が考えられ、WiMAXやLTEにおいても、これらのFECが実装されている。
変調部102,202は、誤り訂正符号化部101,201によって誤り訂正符号が付与されたデータに対し、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)やQAM(Quadrature Amplitude Modulation)といったデジタル多値変調を行う。これにより、1つのサブキャリア(Sub-Carrier)で送信できるビット長を増やすことができる。サブキャリア割当部112,212は、変調されたデータをサブキャリアに割り当てる。例えばPUSC(Partial Usage of SubChannels)において、データは、1シンボルにつき720本のデータサブキャリア(Data Sub-Carrier)に割り当てられる。次に、参照信号挿入部114,214は、周波数帯全域に参照信号であるパイロットサブキャリア(Pilot Sub-Carrier)を、周波数帯の中心にDCサブキャリア(DC Sub-Carrier)を挿入し、周波数帯の両側にガードサブキャリア(Guard Sub-Carrier)を挿入する。IFFT部116,216は、隣接するサブキャリア同士の干渉を防ぐべく、上述の処理によって割り当てられたサブキャリアにIFFTを行いそれぞれのサブキャリアに直交性を持たせる。CP挿入部103,203は、IFFTによって形成された時間軸上のフレームの後方1/8(Cyclic Prefix)を、フレームの前方にコピーして付与する。これにより、マルチパス等による遅延が引き起こすシンボル間干渉が防止される。その後、DAC部104,204は、デジタル信号をアナログ信号へ変換する。送信部110,220は、アナログのRF信号を増幅し、送信アンテナANT11,ANT21を介して受信側へ電波を送信する。
次に、受信系について説明する。受信部130,230は、受信アンテナANT12,ANT22で受信した信号(RF信号)を、LNA(Low Noise Amplifier)等により増幅する。ADC部105,205は、増幅されたアナログのRF信号をデジタル信号に変換する。CP除去部106,206は、受信信号からCPを除去する。FFT部156,256は、受信信号にFFTを施し、受信信号を時間領域から周波数領域に変換する。補正部154,254は、周波数領域へ変換された全てのサブキャリアの中から、DCサブキャリア及びガードサブキャリアを取り除く。さらに、補正部254は、受信信号からパイロットサブキャリアを抽出し、クラスタ(Cluster)毎に、周波数応答の補正値を算出する。そして、補正部154,254は、算出した補正値をもとに、クラスタ内のデータサブキャリアを補正する。
サブキャリア解析部252は、補正部254によって補正されたサブキャリアをデータ系列にマッピングする。復調部107,207は、QPSKやQAM等デジタル変調されたデータを復調する。誤り訂正復号部108,208は、復調されたデータを誤り訂正復号した後、MAC層へ出力する。
次に、無線通信端末100に特徴的な機能について説明する。図1に示すように、無線通信端末100は、判定部140を備える。判定部140は、基地局200との間の無線通信が良好に行い得るか判定するようになっている。判定部140は、基地局200との間の無線通信の状態に基づいて(例えば、RSSI(Received Signal Strength Indicator)またはCINR等の無線通信の状態の指標値が所定閾値以上か否かを判定することで)、無線通信が良好に行い得るか判定するようにしてもよい。また、判定部140は、基地局200から受信した受信フレームに含まれる情報に基づいて、基地局200との無線通信を良好に行い得るか否かを判定する。本実施例の場合、基地局200がフェムトセルであるかマクロセルであるかを判定し、基地局200がフェムトセルであれば、無線通信を良好に行い得ると判定される。従って、判定に用いられる情報としては、例えば、基地局200から受信するプリアンブルに含まれる、基地局毎の識別子であるセルID(Cell ID)を用いることができる。また、無線通信システムにおいてマクロセルとフェムトセルとで使用する周波数帯域が分かれている場合には、基地局200から受信する周波数を用いてフェムトセルか否かを判定することができる。
また、無線通信端末100における送信フレーム生成部110は、判定部140によって、基地局200がフェムトセルである、すなわち基地局200との無線通信を良好に行い得ると判定されると、基地局200に送信する送信フレームにおいて、パイロットサブキャリアの数を規格化された数よりも減少させた送信フレームを生成する。すなわち、参照信号挿入部114は、規格値よりも少ない数のパイロットサブキャリアを、基地局に送信する送信フレームに挿入する。そして、送信部120は、パイロットサブキャリアを規格値よりも減少させた送信フレームを、「通知信号」として基地局200に送信する。また、補正部154は、通知信号を受信した基地局200から受信した受信フレームにおいて、規格上、少なくとも1つのパイロットサブキャリアがデータサブキャリアに置換されている場合、その受信フレームに含まれるパイロットサブキャリアを用いて、データサブキャリアの補正を行う。すなわち、無線通信端末100は、従来よりもパイロットサブキャリアの数が少ないフレームを受信し、受信したパイロットサブキャリアのみを用いてデータサブキャリアの補正を行うため、補正処理にかかる負荷が従来よりも低減される。
次に、基地局200に特徴的な機能について説明する。上述のように、無線通信端末100は、「通知信号」としてパイロットサブキャリアが規格値よりも少ないフレームを基地局200へ送信する。基地局200の判定部240は、自局に接続する無線通信端末100が、パイロットサブキャリアが規格値よりも少ないフレームに対応しているか否かを、通知信号の受信の有無によって判定する。基地局200によって通知信号が受信されると、送信フレーム生成部210は、通知信号を送信した無線通信端末100に対して、少なくとも1つのパイロットサブキャリアをデータサブキャリアに置換した送信フレームを生成する。すなわち、参照信号挿入部214は、規格上パイロットサブキャリアを挿入する位置にデータサブキャリアを挿入する。送信部220は、規格化されたパイロットサブキャリアのうち少なくとも1つのパイロットサブキャリアをデータサブキャリアに置換した送信フレームを送信する。なお、基地局200は、通知信号を送信した無線通信端末100に関する情報を記憶部260に格納する。
ここで、無線通信端末100と基地局200との間の無線通信でやり取りされるフレームについて、図を用いて説明する。OFDMAにおいて、サブキャリアへのパイロットサブキャリアの割当てパターンは複数存在するが、ここでは、DL PUSC(Down Link Partially Used SubChannelization)を例として説明する。図3は、WiMAXのDL PUSCにおけるサブチャネル、クラスタ及びサブキャリアの配置を示す図である。図3に示すように、DL PUSCのフレームは、30個のサブチャネルから構成される。サブチャネルは2つのクラスタから構成され、クラスタは、14本のサブキャリアと2つのシンボルの領域で構成される。パイロットサブキャリアPSC11〜PSC14は、フレーム内の全てのクラスタにおいて、図3に示す位置に配置される。また、図4は、WiMAXのUL PUSC(Up Link Partially Used SubChannelization)におけるサブチャネル、タイル(tile)、サブキャリアの配置を示す図である。図4に示すように、UL PUSCのフレームは、35個のサブチャネルから構成される。また、サブチャネルは6つのタイルから構成され、タイルは、4本のサブキャリアと3つのシンボルの領域で構成される。パイロットサブキャリアPSC21〜PSC24は、フレーム内の全てのタイルにおいて、図4に示す位置に配置される。
本発明の一実施例によれば、無線通信端末100と基地局200との間の伝播環境が良好である場合に、送信側でパイロットサブキャリアを用いたデータサブキャリアの周波数誤差の補正が過度に行われることを抑制するために、受信側が、送信フレームに挿入するパイロットサブキャリアの数を規格値よりも減少させる。なおこのとき、基地局200は、無線通信端末100が上述のようなパイロットサブキャリアの数の変更に対応しているか否かの情報を取得する必要がある。本発明の一実施例では、無線通信端末100と基地局200とが無線通信を確立するためにメッセージをやり取りするイニシャルレンジング(Initial Ranging)において、無線通信端末100は、自端末がパイロットサブキャリアの数の変更に対応していることを基地局200へ通知する。
図5は、WiMAXにおける基地局200と無線通信端末100と間のイニシャルレンジングのシーケンス図である。まず、基地局200は、UL-MAPを無線通信端末100へ送信する(ステップT11)。無線通信端末100は、UL-MAPを参照して、自端末に割り当てられたアップリンクバースト(UL Burst)に関する情報を取得する。次に無線通信端末100は、CDMA initial ranging codeを基地局200へ送信することにより、イニシャルレンジングを行う旨を基地局200へ通知する(ステップT12)。CDMA initial ranging codeを受信した基地局200は、MACメッセージであるRNG-RSPを、無線通信端末100に対するダウンリンクバースト(DL Burst)上で送信し(ステップT13)、さらに、無線通信端末100がRNG-REQを基地局200へ送信するのに用いるバーストを指定したUL-MAPを送信する(ステップT14)。無線通信端末100は、指定されたバーストを用いてRNG-REQを基地局200へ送信する(ステップT15)。RNG-REQを受信した基地局200は、RNG-REQを無線通信端末100に送信する(ステップT16)。これらのステップにより、イニシャルレンジングが完了し、基地局200と無線通信端末100との間で通信が確立される。
無線通信端末100は、自端末がパイロットサブキャリアの数の変更に対応していること(自端末の機能)を、ステップT15にて基地局200にRNG-REQを送信する際に、フレーム内のパイロットサブキャリアの数を変更することによって通知する。図7は、本発明の一実施例による、無線通信端末100が自端末の機能を基地局200へ通知するためのタイルの構成例を示す図である。図7におけるタイルTL1は、図4を用いて説明した従来のタイルと同様であり、シンボル#0、シンボル#2に2つずつパイロットサブキャリアPSC21〜PSC24が配置されている。なお、図7では1つのタイルのみを示しているが、パイロットサブキャリアの位置は、フレーム内の全てのタイルにおいて同じである。ここで、タイルTL1′は、本発明の一実施例によるパイロットサブキャリアの配置である。図7に示すように、タイルTL1′は、タイルTL1のシンボル#2内の2つのパイロットサブキャリアをヌルサブキャリアに変更したものである。無線通信端末100は、図5のステップT15にてRNG-REQを基地局200へ送信する際に使用するタイル内のシンボルを、タイルTL1′のように配置する。これにより、基地局200は、無線通信端末100の機能を把握することができ、その後、無線通信端末100に送信するDLBurst内のパイロットサブキャリアをデータサブキャリアに置換して、通信スループットを向上させることができる。
上述の処理を、フローチャートを用いて説明する。図8は、イニシャルレンジング時における、無線通信端末100のパイロットサブキャリア挿入処理の一例のフローチャートである。無線通信端末100の参照信号挿入部114は、フレーム内にDCサブキャリア、ガードサブキャリアを挿入する(ステップS11)。次に、判定部140は、基地局200がフェムトセルであるかマクロセルであるかを判定する(ステップS12)。この判定は、上述したように、基地局200から受信するプリアンブル信号に含まれるセルIDや、基地局200が使用する周波数帯域に基づいて行われる。ステップS12にて、基地局200がフェムトセルでないと判定されると、参照信号挿入部114は、図7に示す通常のタイルTL1に示す位置にパイロットサブキャリアを挿入する(ステップS15)。ステップS12にて、基地局200がフェムトセルであると判定されると、参照信号挿入部114は、RNG-REQを送信するために使用するUL Burstのタイルにおいて、パイロットサブキャリアが配置される位置を、図7のタイルTL1′に示すようにヌルサブキャリアとする(ステップS13)。次に、参照信号挿入部114は、タイル内の所定の位置(規格上の位置)に、パイロットサブキャリアを挿入する(ステップS14)。ステップS14又はステップS15ののち、サブキャリア割当部112は、タイル内のパイロットサブキャリア以外のサブキャリアに、データサブキャリアを割り当てる(ステップS16)。図8に示す処理によって、図7のタイルTL1′に示すような、所定のパイロットサブキャリアがヌルキャリアに置換されたタイルが全フレームにわたって生成される。
このように、本実施例によれば、無線通信端末100がパイロットサブキャリアの変更に対応していることを基地局200へ通知する手段として、通信確立の初期動作(イニシャルレンジング)中にやり取りされるフレームにおいて、パイロットサブキャリアの位置を変化させる。従って、別途新たに通知するためのメッセージの策定といった規格上の変更が必要ない。
次に、無線通信端末100から、図7に示すタイルTL1′のように、パイロットサブキャリアが減少されたフレームを受信した基地局200の処理を、フローチャートを用いて説明する。図9は、本発明の一実施例よる、基地局200の受信動作時の処理の一例のフローチャートである。まず、基地局200の補正部254は、DCサブキャリア、ガードサブキャリアを受信データから取り除く(ステップS21)。判定部240は、無線通信端末100から受信したRNG-REQのUL Burstにおいて、パイロットサブキャリアの数が減少されているか否かを判定する(ステップS22)。ステップS22にて、パイロットサブキャリアの数は減少されていないと判定されると、補正部254は、受信したフレームに含まれているパイロットサブキャリアを用いて、通常行われているように補正値を算出し(ステップS26)、算出した補正値をデータサブキャリアに適用する(ステップS27)。ステップS22にて、パイロットサブキャリアの数が減少されていると判定されると、受信フレーム解析部252は、無線通信端末100がパイロットサブキャリアの数の変更に対応している旨を、後続する復調部207、誤り訂正復号部208、MAC層へと通知し、無線通信端末100の情報を記憶部260に格納する(ステップS23)。そして、補正部254は、UL Burstに含まれるパイロットサブキャリア、すなわち、図7に示すタイルTL1′におけるシンボル#0に配置されているパイロットサブキャリアのみを用いて周波数応答の補正値を算出し(ステップS24)、算出した補正値をデータサブキャリアに適用する(ステップS25)。
次に、イニシャルレンジング後の処理を説明する。無線通信端末100がパイロットサブキャリアの数の変更に対応している旨を通知された基地局200は、パイロットサブキャリアの数を規格値よりも減少させた送信フレームを用いて、無線通信端末100と無線通信を行う。このことを、図を用いて説明する。図6は、本発明の一実施例による、DL PUSCのクラスタの構成例を示す図である。図6におけるクラスタCL1は、図3を用いて説明した従来のクラスタと同様であり、偶数シンボル、奇数シンボル共に2つのパイロットサブキャリア(PSC11〜PSC14)が配置されている。なお、図6では1つのクラスタのみを示しているが、パイロットサブキャリアの位置は、フレーム内の全てのクラスタにおいて同じである。ここで、クラスタCL1′は、本発明の一実施例によるパイロットサブキャリアの配置である。図6に示すように、クラスタCL1′は、クラスタCL1の奇数シンボル内の2つのパイロットサブキャリアPSC13,PSC14を、データサブキャリアDSC13,DSC14に変更したものである。このように、奇数シンボルの2つのパイロットサブキャリアをデータサブキャリアに変更することで、伝送速度及び通信スループットの向上を実現することができる。例えば、マルチアンテナシステムを使用しない場合のWiMAXシステムにおいて、理論上の最大伝送速度は19.44Mbpsであるのに対し、本実施例のようにパイロットサブキャリアをデータサブキャリアに置換したクラスタを用いる場合は、最大伝送速度21Mbpsを実現することができる。
上述の処理を、フローチャートを用いて説明する。図10は、無線通信端末100との無線通信における、基地局200のパイロットサブキャリア挿入処理の一例のフローチャートである。基地局200の参照信号挿入部214は、フレーム内にDCサブキャリア、ガードサブキャリアを挿入する(ステップS31)。次に、判定部240は、無線通信端末100が、パイロットサブキャリアを減少させたフレームに対応しているか否かを判定する(ステップS32)。この判定は、無線通信端末100から通知信号を受信したか否か、すなわち、無線通信端末100から受信したRNG-REQのUL Burstにおいて、パイロットサブキャリアが例えば図7のタイルTL1′のように配置されているか否かで行うことができる。ステップS32にて、無線通信端末100がパイロットサブキャリアを減少させたフレームに対応していないと判定されると、参照信号挿入部214は、図6に示す通常のクラスタCL1に示す位置にパイロットサブキャリアを挿入する(ステップS36)。ステップS32にて、無線通信端末100がパイロットサブキャリアを減少させたフレームに対応していると判定されると、参照信号挿入部214は、無線通信端末100へのDL Burstにおけるクラスタにおいて、パイロットサブキャリアが配置される位置を、図6のクラスタCL1′のようにデータサブキャリアDSC13,DSC14とする(ステップS33)。すなわち、奇数シンボルにパイロットサブキャリアを配置しないようにする。次に、参照信号挿入部114は、クラスタ内の所定の位置(規格上の位置)に、パイロットサブキャリアを挿入する(ステップS34)。すなわち、図6の例では、偶数シンボルにパイロットサブキャリアを挿入する。ステップS34又はステップS36ののち、サブキャリア割当部212は、クラスタ内のパイロットサブキャリア以外のサブキャリアに、データサブキャリアを割り当てる(ステップS35)。図10に示す処理によって、図6のクラスタCL1′に示すような、所定のパイロットサブキャリアがデータサブキャリアに置換されたクラスタが全フレームにわたって生成される。
なお、図6では、奇数シンボルに配置されるパイロットサブキャリアをデータサブキャリアに置換したクラスタの例を示したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、偶数シンボルのパイロットサブキャリアをデータサブキャリアに変更してもよいし、奇数シンボルと偶数シンボルの両者のパイロットサブキャリアのうち少なくとも1つのパイロットサブキャリアを残すように、パイロットサブキャリアをデータサブキャリアに変更してもよい。
次に、無線通信端末100の受信動作時の処理について説明する。図11は、本発明の一実施例による、無線通信端末100の受信動作時の処理の一例のフローチャートである。まず、無線通信端末100の補正部154は、DCサブキャリア及びガードサブキャリアを受信データから取り除く(ステップS41)。判定部140は、イニシャルレンジング完了後に基地局200から受信したDL Burstにおいて、パイロットサブキャリアの数が減少されているか否かを判定する(ステップS42)。ステップS42にて、パイロットサブキャリアの数は減少されていないと判定されると、補正部154は、受信したフレームに含まれているパイロットサブキャリアを用いて、通常行われているように補正値を算出し(ステップS45)、算出した補正値をデータサブキャリアに適用する(ステップS46)。ステップS42にて、パイロットサブキャリアの数が減少されていると判定されると、補正部254は、DL Burstに含まれるパイロットサブキャリア、すなわち、図6に示すクラスタCL1′における偶数シンボルに配置されているパイロットサブキャリアのみを用いて周波数応答の補正値を算出し(ステップS43)、算出した補正値をデータサブキャリアに適用する(ステップS44)。
このように、本発明の一実施例によれば、パイロットサブキャリアの数を減少させたフレームが送受信されるため、受信側において、パイロットサブキャリアを用いた補正処理に伴う負荷が低減される。このことは、特に、省電力化が進む無線通信端末にとって有利である。また、パイロットサブキャリアの代わりにデータサブキャリアが送信されるため、通信スループットを向上させることが可能となる。
上述では、無線通信端末100において、クラスタ毎に補正値を算出する実施例について説明した。しかしながら、伝播環境が良好になると、複数のクラスタにわたって、算出された補正値がほぼ等しくなることが考えられる。例えば、基地局200として屋内に設置されるフェムトセルを利用する場合は、無線通信端末100を有するユーザが時速3km以上で移動することはまれである。従って、無線通信端末100が受信する信号において周波数は大きく変動せず、位相の変動は一定になると考えられる。そのため、隣接するクラスタであれば、受信データの変動は少ない。そのような場合に、クラスタ毎に補正値を算出することは、無線通信端末100にとって無駄な演算処理となり好ましくない。従って、基地局200と無線通信端末100との間の無線通信が安定している場合は、無線通信端末100において、複数のクラスタにわたって同じ補正値を適用することができる。このことを、以下に図を用いて説明する。
図12は、受信フレーム内のパイロットサブキャリアにより算出された周波数応答の補正値(チャネル補正値)を、周波数方向に隣接するクラスタに適用する場合を説明する概略図である。図12には、縦軸を周波数方向、横軸を時間方向とするフレーム構成の一部を示してある。図12において、矩形部分は1つのクラスタを示している。なお、図12の各クラスタにおけるパイロットサブキャリアの配置は、上述の例えば図6のクラスタCL1′のように、パイロットサブキャリアを減少させたものとすることができる。図12において、クラスタ内に同じ番号が付与されているものは、それらのクラスタ内のうちいずれか1つのクラスタに含まれるパイロットサブキャリアで算出された補正値を用いて、同じ番号が付与されているクラスタ全てのデータサブキャリアが補正されることを示している。
まず、図12(a)の例では、各クラスタ(1)〜(12)において求められた補正値を用いて、各クラスタに含まれるデータサブキャリアの周波数補正が行われる。図12(b)の例では、周波数方向に隣接する2つのクラスタ毎、すなわちサブチャネル毎において、データサブキャリアの補正が行われる。このとき、補正値は、1つのクラスタに含まれるパイロットサブキャリアのみを用いて算出することができる。図12(c)の例では、周波数方向に隣接するサブチャネル2つ毎に補正値が適用される。
さらに、基地局200は、100フレーム、1000フレームにわたって補正値をモニタし、補正値から周波数変動が大きくないと判定した場合には、1つのクラスタにおいて算出した補正値の適用範囲を、周波数方向及び時間方向に拡大することもできる。図13は、受信フレーム内のパイロットサブキャリアにより算出された周波数応答の補正値(チャネル補正値)を、時間方向に隣接するクラスタに適用する場合を説明する概略図である。図13(a)は、各クラスタで補正値を算出する場合、図13(b)は、時間方向に隣接する4つのクラスタ毎に補正値を算出する場合を示している。図13のように、時間方向に補正値の適用範囲を拡大していく場合は、例えば、基地局200と無線通信端末100との間の無線通信が開始されてから、例えば100フレーム又は1000フレームといった期間までは通常の方法で、クラスタ毎に補正値の算出を行う。その後、伝播環境が緩やかであると判定された場合に、補正値を適用させる範囲(クラスタ)を増加させる。これにより、無線通信端末100における演算処理が軽減し、負荷を低減することができる。全てのクラスタで補正処理を行う場合と比較すると、サブチャネル毎では1/2に、サブチャネル2つ毎では1/4に、全時間方向に適用した場合には、1/60に処理を低減することが可能になる。
また、基地局200がフェムトセルである場合など、伝播環境が良好で受信信号の周波数変動が生じにくい環境において、無線通信端末100における補正演算の負荷を低減し、さらに通信スループットを向上させるために、パイロットサブキャリアの数を規定値よりも大幅に削減することも考えられる。このような場合に、無線通信端末100に割り当てられるデータバーストにおけるパイロットサブキャリアの配置例を、図14に示す。基地局200は、自局に接続する、パイロットサブキャリアの数を減少させたフレームに対応する無線通信端末100に対し、割り当てられたデータバーストにおけるパイロットサブキャリアを、図14に示すように、通常よりも少ない数で配置する。図14の例では、時間方向の先頭シンボル、周波数方向の先頭から4番目のサブキャリアと最後尾から4番目のサブキャリア、さらに、時間方向の最後尾のシンボル、周波数方向の先頭のサブキャリアと最後尾から2番目のサブキャリアの4つのサブキャリアに、パイロットサブキャリアが配置されている。
なお、DL Burstにおけるパイロットサブキャリアの位置は、無線通信端末100によって送信された通知信号に基づき決定する。例えば、無線通信端末100がイニシャルレンジング時に送信する通知信号におけるパイロットサブキャリアの配置パターンと、DL Burstにおけるパイロットサブキャリアの配置パターンとの関連付けを、基地局200及び無線通信端末100の双方で格納しておく。このようにすれば、無線通信端末100は、DL Burstにおいてどの位置にパイロットサブキャリアが配置されているかを判定することができる。例えば、判定部140は、当該無線通信端末100と基地局200との間の無線通信の状態に応じてこれから使用する参照信号の数を決定するようにしてもよい。また、基地局200と無線通信端末100とは、参照信号の数とパイロットサブキャリアの配置とを予め対応付けた配置情報を互いに保有しており、参照信号の数が決定された場合、その配置情報に従ってパイロットサブキャリアの配置を知ることができる。
例えば、参照信号の数は、基地局200と無線通信端末100との間の通信品質の度合い(例えば、通信品質がRSSIであればその数値)に応じて決定され、決定された参照信号の数を含む上記通知信号が基地局200に送信されてもよい。
また、判定部240は、当該基地局200と無線通信端末100との間の無線通信の状態に応じてこれから使用する参照信号の数を決定し、決定された参照信号の数をWiMAXに規定された信号に含めて無線通信端末100に通知してもよい。
図14に示すデータバーストを受信した無線通信端末100は、4つのパイロットサブキャリアを用いて周波数補正を行う。すなわち、4つのパイロットサブキャリアを用いて算出した補正値を、バースト内の全てのデータサブキャリアに適用する。これにより、無線通信端末100において、周波数補正の演算を軽減することができる。さらにデータサブキャリアが増加するため、通信スループットを向上させることもできる。
上述の処理を、フローチャートを用いて説明する。図15は、パイロットサブキャリアの数を減少させたフレームに対応する無線通信端末100に対し、割り当てられたデータバーストにおけるパイロットサブキャリアを、通常よりも少ない数で配置する基地局200の処理の一例のフローチャートである。基地局200の参照信号挿入部214は、フレーム内にDCサブキャリア、ガードサブキャリアを挿入する(ステップS51)。次に、判定部240は、無線通信端末100が、パイロットサブキャリアを減少させたフレームに対応しているか否かを判定する(ステップS52)。この判定は、無線通信端末100から通知信号を受信したか否か、すなわち、無線通信端末100から受信したRNG-REQのUL Burstにおいて、パイロットサブキャリアが例えば図7のタイルTL1′のように配置されているか否かで行うことができる。ステップS52にて、無線通信端末100がパイロットサブキャリアを減少させたフレームに対応していないと判定されると、参照信号挿入部214は、図6に示す通常のクラスタCL1に示す位置にパイロットサブキャリアを挿入する(ステップS54)。ステップS52にて、無線通信端末100がパイロットサブキャリアを減少させたフレームに対応していると判定されると、参照信号挿入部214は、無線通信端末100へのDL Burstにおいて、パイロットサブキャリアを、図14に示すように配置する(ステップS53)。すなわち、無線通信端末100へのパイロットサブキャリアの数を規定値よりも減らして配置する。
図15に示す処理によって、図14に示すような、規定値よりも減少させた数のパイロットサブキャリアが配置されたデータバーストが生成される。基地局200によって生成された、例えば図15のようにパイロットサブキャリアの数が少ないDL Burstを受信した無線通信端末100は、DL Burstにおけるパイロットサブキャリアの配置パターンを自端末で指定しているため、どのサブキャリアがパイロットサブキャリアであるかを判定することができる。従って、無線通信端末100の補正部154は、4つのパイロットサブキャリアを抽出し、それらに基づいて補正値を算出する。その後、フレーム全体のデータサブキャリアに、算出した補正値に基づいて補正をかけることができる。基地局200がフェムトセルのような周波数変動が少ない無線通信の場合は、上述のように少ないパイロットサブキャリアから補正値を算出しても、十分に補正の効果を得ることができる。
本発明の利点を再度述べる。本発明によれば、伝播環境が良好であり、受信信号に周波数誤差等が生じにくい場合に、基地局と無線通信端末とで送受信するフレームに含まれる参照信号数を減少させることにより、受信側における周波数応答の補正が行われる回数を削減することができる。従って、受信側での処理負荷を低減することができ、特に、端末における処理遅延や消費電力の増大を回避することが可能となる。さらに、パイロットサブキャリアの代わりにデータサブキャリアをフレームに挿入するため、通信スループットを向上させることができる。
特許文献1のような参照信号グループの位置を変更した旨を基地局へ通知するのに、例えばMAC層のメッセージを用いることを仮定した場合、端末側において参照信号グループの増減の判定を行う必要が生じる。このことは、端末側の処理を増加させることになり、端末における消費電流の増加や、処理遅延によるスループットの劣化が発生するおそれがある。本願発明によれば、フレームにおいて参照信号の数が変更されている旨や、参照信号がデータ信号に置換されている旨を双方で通知する手段としては、通信を確立するための初期動作中にやり取りされるフレームにおいて、参照信号の位置を変化させるだけである。従って、端末の処理負荷の増加や、新たなメッセージの策定を行う必要がない。
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップなどを1つに組み合わせたり、あるいは分割したりすることが可能である。また、上述の実施例では、無線通信システムとしてWiMAXを想定して説明した。しかしながら、本発明はこれに限られるものではなく、LTE等、OFDMA方式を採用する無線通信システムに適用することが可能である。
100 無線通信端末
200 基地局
101,201 誤り訂正符号化部
102,202 変調部
103,203 挿入部
104,204 DAC
105,205 ADC
106,206 CP除去部
107,207 復調部
108,208 誤り訂正復号部
110,210 送信フレーム生成部
112,212 サブキャリア割当部
114,214 参照信号挿入部
116,216 IFFT部
120,220 送信部
130,230 受信部
140,240 判定部
150,250 受信フレーム解析部
152,252 サブキャリア解析部
154,254 補正部
156,256 FFT部
260 記憶部
ANT11,ANT21 送信アンテナ
ANT12,ANT22 受信アンテナ
PSC11〜PSC34 パイロットサブキャリア
TL1,TL1′ タイル
CL1,CL1′ クラスタ
DSC13,DSC14 データサブキャリア

Claims (6)

  1. データ信号及び当該データ信号の補正に用いる参照信号を含むフレームを用いた直交周波数分割多元接続方式で基地局と無線通信を行う無線通信端末であって、
    前記基地局との間の無線通信が良好に行い得るか否かを判定する判定部と、
    前記判定部によって無線通信が良好に行い得ると判定された場合、前記参照信号の数を減少させるための通知信号を前記基地局に送信する送信部と、
    前記基地局から受信した受信フレームに含まれる前記参照信号を用いて、当該受信フレームに含まれるデータ信号の補正を行う補正部と、
    を備え
    前記通知信号は、所定の参照信号をヌル信号に置換した送信フレームであることを特徴とする無線通信端末。
  2. 前記判定部は、前記基地局との間の無線通信の状態に応じて、前記参照信号の数を決定する、ことを特徴とする請求項1に記載の無線通信端末。
  3. データ信号及び当該データ信号の補正に用いる参照信号を含むフレームを用いた直交周波数分割多元接続方式で無線通信端末と無線通信を行う基地局であって、
    前記参照信号の数を減少させるための通知信号を受信した場合、前記参照信号の数を減少させた送信フレームを生成する送信フレーム生成部と、
    前記送信フレーム生成部によって生成された前記送信フレームを送信する送信部と、
    を備え
    前記通知信号は、所定の参照信号をヌル信号に置換した送信フレームであることを特徴とする基地局。
  4. 請求項1に記載の無線通信端末と、請求項に記載の基地局とを有する、ことを特徴とする無線通信システム。
  5. 無線通信端末が、データ信号及び当該データ信号の補正に用いる参照信号を含むフレームを用いた直交周波数分割多元接続方式で基地局と無線通信を行う無線通信方法であって、
    前記基地局から受信した受信フレームに含まれる参照信号を用いて、当該受信フレームに含まれるデータ信号の補正を行うステップと、
    前記受信フレームに含まれる情報に基づいて前記基地局との無線通信を良好に行い得るか否かを判定するステップと、
    前記判定するステップにて無線通信を良好に行い得ると判定されると、前記参照信号を減少させた送信フレームを生成するステップと、
    前記生成するステップにより生成された前記参照信号の数を減少させた送信フレームを、通知信号として前記基地局に送信するステップと、
    を含み、
    前記補正を行うステップは、
    前記通知信号に応じた前記基地局によって少なくとも1つの参照信号がデータ信号に置換された受信フレームに含まれる参照信号を用いてデータ信号の補正を行い、
    前記通知信号は、所定の参照信号をヌル信号に置換した送信フレームであることを特徴とする無線通信方法。
  6. 基地局が、データ信号及び当該データ信号の補正に用いる参照信号を含むフレームを用いた直交周波数分割多元接続方式で無線通信端末と無線通信を行う無線通信方法であって、
    前記無線通信端末から、通知信号として参照信号を減少させたフレームを受信すると、少なくとも1つの参照信号をデータ信号に置換した送信フレームを生成するステップと、
    前記生成するステップにより生成された前記送信フレームを前記無線通信端末に送信するステップと、
    を含み、
    前記通知信号は、所定の参照信号をヌル信号に置換した送信フレームであることを特徴とする無線通信方法。
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