JP2008005238A - 無線通信制御方法及び基地局 - Google Patents
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Abstract
【課題】受信品質の劣化を解消するとともに、無線リソースの利用効率を向上することができる無線通信制御方法及びそれを用いた基地局を提供する。
【解決手段】複数の無線通信端末を接続する基地局は、各無線通信端末に対しアップリンク通信のための送信帯域を割り当て、基地局には既知の送信電力で各無線通信端末から送信された信号を受信し、その受信電力を測定し、受信電力の最も小さい無線通信端末を基準端末として選択する。各無線通信端末の受信電力と基準端末の受信電力との差分を算出し、各無線通信端末に対し、当該無線通信端末の現在の送信電力より前記差分だけ小さい新たな送信電力を通知し、新たな送信電力を通知した無線通信端末に対し、基準端末に割り当てられた送信帯域よりも広い送信帯域を割り当てる。
【選択図】 図15
【解決手段】複数の無線通信端末を接続する基地局は、各無線通信端末に対しアップリンク通信のための送信帯域を割り当て、基地局には既知の送信電力で各無線通信端末から送信された信号を受信し、その受信電力を測定し、受信電力の最も小さい無線通信端末を基準端末として選択する。各無線通信端末の受信電力と基準端末の受信電力との差分を算出し、各無線通信端末に対し、当該無線通信端末の現在の送信電力より前記差分だけ小さい新たな送信電力を通知し、新たな送信電力を通知した無線通信端末に対し、基準端末に割り当てられた送信帯域よりも広い送信帯域を割り当てる。
【選択図】 図15
Description
本発明は、複数の無線通信端末を接続する基地局における無線通信制御方法に関する。
OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)などに代表される、複数の周波数サブキャリアに送信データをマッピングすることで無線通信を行う「マルチキャリア無線通信システム」がある。この種の無線通信システムでは、複数の無線通信端末が異なる周波数サブキャリアを用いることで同時に無線通信を行う。
一般的に、基地局は所定の範囲の通信エリアを有し、複数の無線通信端末は当該通信エリアの範囲内に点在していることから、基地局との距離は無線通信端末毎に異なる。したがって、基地局が送信した無線信号が各無線通信端末に到来する際の信号電力、及び各無線通信端末が送信した無線信号が基地局に到来する際の信号電力は異なる。これは、基地局との距離に応じて無線伝搬路による損失が異なることに起因する。
マルチキャリア無線通信システムを、上りリンク、すなわち無線通信端末から基地局に対する無線通信に適用する場合、上述した基地局に到来する際の信号電力の差は受信品質の劣化を引き起こす。
上述した受信品質の劣化を回避するために、各無線通信端末が送信する無線信号の信号電力を、基地局に到来する際にはそれぞれの受信電力が同程度となるよう制御する技術がある。このような技術は一般的に「送信電力制御」と称される。
マルチキャリア無線通信システムにおける上りリンクの送信電力制御としては、例えば特許文献1に示されるように、基地局が、予め各無線通信端末が送信した無線信号を受信する際の受信電力目標値を設定しておき、各無線通信端末との距離に応じて、各無線通信端末が送信した無線信号の受信電力が上述した目標値となるよう各無線通信端末の送信電力を決定する方法がある。なお、特許文献1に示された送信電力制御方法では、各無線通信端末が必要以上、すなわち基地局における受信電力が上述した目標値となる以上の送信電力で無線信号を送信しないため、例えば隣接する基地局と無線通信を行う他の無線通信端末に対する干渉を低減する効果も得られている。
特開2004−214746 図1−図2
上述した従来技術では、基地局に近い無線通信端末は送信電力を低くするよう制御されるため、当該無線通信端末が許容されている最大の送信電力で無線信号を送信した場合と比較すると通信速度の低下は否めない。換言するならば、無線通信端末が有する無線リソースの利用効率を低下させていることとなる。さらに、各無線通信端末の送信電力は、基地局における受信電力が所定の目標値となるよう制御されるため、全ての無線通信端末にて上述した無線リソースの利用効率が低下してしまう可能性がある。
このような送信電力制御方法は、全ての基地局が同一の周波数帯域にて無線通信を行う条件下では、隣接する基地局と無線通信を行う他の無線通信端末への干渉を低減させるため、各無線通信端末の無線リソース利用効率は低下しているものの、無線通信システム全体では高いスループットが得られる。
しかしながら、隣接する基地局が異なる周波数帯域にて無線通信を行う条件下では、各無線通信端末の無線リソース利用効率の低下に起因して、無線通信システム全体でも必ずしも高いスループットが得られるとは限らない。
そこで、本発明は、隣接する複数の基地局が異なる周波数帯域にて無線通信を行う無線通信システムに適しており、受信品質の劣化を解消するとともに、各無線通信端末の無線リソースの利用効率を必要以上に低下させることなく無線通信を行うことを可能とする無線通信制御方法及び当該方法を用いた基地局を提供することを目的とする。
複数の無線通信端末を無線接続する基地局は、(a)アップリンク通信のための送信帯域を割り当て、(b)前記無線通信端末から送信された信号を受信し、(c)受信された信号の受信電力を測定し、(d)前記受信電力の最も小さい無線通信端末を基準端末として選択し、(e)前記受信電力と前記基準端末から送信された信号の受信電力との差分を算出し、(f)前記複数の無線通信端末に対し、受信された信号の送信電力より前記差分だけ小さい新たな送信電力を示す送信電力パラメータを通知し、(g)前記送信電力パラメータを通知した無線通信端末に対し、前記基準端末に割り当てられた送信帯域よりも広い送信帯域を割り当てる。
受信品質の劣化を解消するとともに、無線リソースの利用効率を向上することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る無線通信制御方法を適用する無線通信システムの構成例を示している。説明を簡単にするために、1つの基地局101、3つの無線通信端末201、202及び203で構成されるものとする。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、任意数の基地局および任意数の無線通信端末により可能である。
図1において、基地局101は所定の範囲の通信エリア111を有している。無線通信端末201、202および203は、基地局101の通信エリア111内に存在し、基地局101と無線通信を行う。
ここで、各無線通信端末の存在する位置に注目する。無線通信端末201は相対的に基地局に最も近い位置に存在しており、無線通信端末203は相対的に基地局に最も遠い位置に存在している。無線通信端末202はこれらの間に存在している。このように、複数の無線通信端末は上述した通信エリア111の範囲内に点在していることから、基地局との距離は無線通信端末毎に異なっている。
図2は、本発明の実施形態に係る無線通信システムで用いる無線通信方式を説明するための図である。図2に示す無線通信方式は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)などに代表される、複数の周波数サブキャリアを用いて無線通信を行うマルチキャリア無線通信方式である。より詳細には、図3に示したように複数の周波数サブキャリアを分割して、それぞれ異なる無線通信端末に割り当てる。このような無線通信方式は、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)と称される。図3に示した例では、N個の無線通信端末が同時に通信を行うことができる。
図4は、本発明の実施形態に係る無線通信システムで用いるフレームフォーマットを説明するための図である。図4において、所定の長さをもって繰り返されるフレームは、基地局から無線通信端末への下りリンク通信に適用される複数のスロット(DLスロット)及び無線通信端末から基地局への上りリンク通信に適用される複数のスロット(ULスロット)により構成されている。図4では1つのフレームに含まれるスロット数は下りリンク及び上りリンクそれぞれ「4」としているが任意の数により構成することが可能である。
各スロットは、当該スロットを受信する際のタイミング基準を算出するための複数のタイミング同期用シンボル(Sync)、無線伝搬路によるひずみ成分を推定するための複数の伝送路推定用シンボル(Pilot)、複数のデータシンボル(Data)及びスロット間の境界に付与されるガードシンボル(Guard)により構成されている。なお、Sync、Pilot、Dataシンボルのそれぞれの先頭部分には、当該シンボルの一部をコピーしたサイクリックプレフィックス(CP)が含まれている。各シンボル内のCPによりマルチパス等の無線伝搬路ひずみに対する耐性を向上させている。
図5は、図4に示したフレームフォーマットを適用した場合の、各無線通信端末に対する周波数サブキャリアの割り当て方法の例を説明するための図である。図5では、複数のサブキャリアを含むサブブロックを1単位として、このサブブロックを割り当てることにより、各無線通信端末に対し周波数を割り当てている。
第1スロット(DLスロット(1)及びULスロット(1))に注目すると、サブブロック(1)には1番目の第1の無線通信端末が、サブブロック(2)には2番目の第2の無線通信端末が、サブブロック(4)には3番目の第3の無線通信端末が割り当てられており、サブブロック(3)には無線通信端末が割り当てられていない。また、第4スロット(DLスロット(4)及びULスロット(4))に注目すると、サブブロック(2)には4番目の第4の無線通信端末が、サブブロック(3)には5番目の第5の無線通信端末が割り当てられており、サブブロック(1)及び(4)には無線通信端末が割り当てられていない。さらに、第2スロット(DLスロット(2)及びULスロット(2))及び第3スロット(DLスロット(3)及びULスロット(3))に注目すると、いずれの無線通信端末も割り当てられていない。このような状況は、例えば他の基地局が当該スロットを用いて無線通信を行っている場合などが考えられる。
このように、本発明の実施形態に係る無線通信制御方法を適用する無線通信システムでは、無線通信端末に対し、サブブロック(周波数)とスロット(時間)を割り当てる。
なお、図5の例では全てのサブキャリアを4つのサブブロックに分割しているが任意の数に分割することが可能である。また、同一のスロット番号を有する下りリンクと上りリンクのスロットは同一の無線通信端末に割り当てられているが、下りリンクと上りリンクで異なるスロットに割り当てることも可能である。
(第1の実施形態)
図6は、本発明の第1の実施形態に係る無線通信制御方法を適用する基地局の構成例の要部を示す図である。図6において、基地局は、アンテナ1、無線処理部2、A/D変換部3、CP除去部4、S/P変換部5、マルチキャリア復調部6、第1の分離部7、当該基地局が収容可能(通信可能)な無線通信端末は最大N台であるとすると、N個の第2の分離部8−1〜8−N(以下、N個の第2の分離部を区別する必要のない場合には第2の分離部8と呼ぶ)、N台の無線通信端末のそれぞれに対応するN組の[伝送路補償部11、伝送路推定部16、電力測定部17、P/S変換部12、復調部13、復号部14、及びI/Fバッファ15]を含み、さらに、制御部20、送信制御部21、D/A変換部22、無線処理部23、アンテナ24を含む。
図6は、本発明の第1の実施形態に係る無線通信制御方法を適用する基地局の構成例の要部を示す図である。図6において、基地局は、アンテナ1、無線処理部2、A/D変換部3、CP除去部4、S/P変換部5、マルチキャリア復調部6、第1の分離部7、当該基地局が収容可能(通信可能)な無線通信端末は最大N台であるとすると、N個の第2の分離部8−1〜8−N(以下、N個の第2の分離部を区別する必要のない場合には第2の分離部8と呼ぶ)、N台の無線通信端末のそれぞれに対応するN組の[伝送路補償部11、伝送路推定部16、電力測定部17、P/S変換部12、復調部13、復号部14、及びI/Fバッファ15]を含み、さらに、制御部20、送信制御部21、D/A変換部22、無線処理部23、アンテナ24を含む。
制御部20は、通信パラメータ制御部31、通信パラメータ記憶部32、通信リソース制御部33、通信リソース記憶部34を含む。
図6の基地局の動作を説明する。複数の無線通信端末が送信した無線信号はアンテナ1により受信され、無線処理部2にて電力増幅、帯域制限、ダウンコンバート、直交復調などの所定の無線処理によりベースバンドアナログ信号に変換される。
ベースバンドアナログ信号はA/D変換部3にてベースバンドデジタル信号に変換されCP除去部4に入力される。以後、当該ベースバンドデジタル信号を受信信号と称する。CP除去部4ではSyncシンボルを用いてタイミング基準が算出され、これに基づきCPが除去される。S/P変換部5では受信信号がシリアル信号からパラレル信号に変換される。この時、マルチキャリア復調部6に入力されるS/P変換部5の出力は上述した無線通信方式における全サブキャリア数に対応する。マルチキャリア復調部6では例えば高速フーリエ変換(FFT)によりマルチキャリア復調が行われる。
第1の分離部7では多重された各無線通信端末の受信信号が分離される。したがって、これより後の処理は多重された無線通信端末毎に行われる。第2の分離部8では、受信信号がPilotシンボル及びデータシンボルに分離され、Pilotシンボルは伝送路推定部16に入力され、Dataシンボルは伝送路補償部11に入力される。
伝送路推定部16ではPilotシンボルを用いて無線伝搬路におけるひずみが推定され、伝送路補償部11では伝送路推定部16での伝送路推定結果を用いて、Dataシンボル信号に対し無線伝搬路のひずみが補償される。無線伝搬路のひずみが補償された後のDataシンボル信号は、P/S変換部12でパラレル信号からシリアル信号に変換され、さらに復調部13で復調が行われ、復号部14で誤り訂正復号及び誤り検出が行われる。誤りなく受信された場合I/Fバッファ15を介して上位レイヤへと運ばれる。
電力測定部17では、伝送路推定部16での伝送路推定結果を用いて、サブキャリア毎に受信電力及び所望信号電力対雑音及び干渉電力比SINR(Signal-to-interference and Noise power Ratio)が測定される。測定結果は制御部20へ通知される。
制御部20の動作の詳細は後述するが、簡単には、各無線通信端末に割り当てるスロット(時間)及びサブブロック(サブキャリア(周波数))などの通信リソースを決定し、各無線通信端末に対し決定された通信リソースを記憶するとともに、各無線通信端末の通信パラメータを決定し、各無線通信端末に対し決定された通信パラメータを記憶する。通信パラメータとは送信電力(あるいは送信電力パラメータ)や変調方式及び符号化率(MCSセット)などの所定のパラメータである。決定された通信リソースや通信パラメータは送信制御部21によりデジタルベースバンド信号に変換され、その後、D/A変換部22によりアナログベースバンド信号に変換され、無線処理部23により直交変調、アップコンバート、帯域制限、電力増幅等の所定の無線処理が行われて、アンテナ24より送信される。
図7は、本発明の第1の実施形態に係る無線通信制御方法を適用する無線通信端末の構成例の要部を示す図である。図7において、無線通信端末は、アンテナ51、無線処理部52、A/D変換部53、受信制御部54、制御部55、アンテナ71、無線処理部72、D/A変換部73、CP付加部74、P/S変換部75、マルチキャリア変調部76、多重部77、S/P変換部78、変調部79、符号化部80、I/Fバッファ81、Pilot生成部82、Sync生成部83を含む。
制御部55は、通信パラメータ記憶部61及び通信リソース記憶部62を含む。
続いて、図7の無線通信端末の動作を説明する。基地局から送信された通信リソースや通信パラメータはアンテナ51により受信され、無線処理部52にて電力増幅、帯域制限、ダウンコンバート、直交復調などの所定の無線処理によりベースバンドアナログ信号に変換される。ベースバンドアナログ信号はA/D変換部53にてベースバンドデジタル信号に変換されて、受信制御部54により復調などの所定の処理が行われ制御部55に入力される。
一方、上位レイヤより通知されたデータは、I/Fバッファ81を介して符号化部80に入力される。符号化部80では、入力されたデータに対し、誤り検出符号化を行うとともに、所定の符号化率及び符号化方式により符号化を行い、得られた符号化データを変調部79へ出力する。変調部79では、入力された符号化データを、所定の変調方式により変調し、S/P変換部78へ出力する。所定の符号化率及び符号化方式、所定の変調方式は基地局より通知された通信パラメータに従うものであり、制御部55より設定される。
続いてS/P変換部78は、入力された符号化データをシリアル信号からパラレル信号に変換し、多重部77へ入力する。この時、多重部77に入力されるS/P変換部78からの出力は、基地局より通知された通信リソースに従うものであり、当該無線通信端末に割り当てられたサブキャリア数に対応する。これも制御部55より設定される。
Pilot生成部82は予め定められたパターンを有する信号を多重部77に入力する。Sync生成部83も同様に予め定められたパターンを有する信号を多重部77に入力する。多重部77は入力されたそれぞれの信号を図4に示したフレームフォーマットに従いマルチキャリア変調部76に入力する。
マルチキャリア変調部76では、例えば逆高速フーリエ変換(IFFT)によりマルチキャリア変調を行い、得られた変調信号をP/S変換部75へ出力する。変調信号はP/S変換部75によりパラレル信号からシリアル信号に変換され、CP付加部74によりCPが付加された後、D/A変換部73によりアナログベースバンド信号に変換され、さらに、無線処理部72により直交変調、アップコンバート、帯域制限、電力増幅等の所定の無線処理が行われて、アンテナ71より送信される。
なお、基地局より通知された通信パラメータに含まれる送信電力あるいは送信電力パラメータにより無線通信端末の送信電力が決定される。この時、制御部55は、マルチキャリア変調部76あるいは無線処理部72に対して当該送信電力を設定することで、基地局の制御に従う所望の送信電力を実現する。
次に、図8を用いて、本実施形態に係る無線通信制御方法を実現する、基地局と無線通信端末間の制御シーケンスを説明する。ここでは、図5に示したスロット番号「1」のULスロット(1)を例にとり、無線通信端末201、202、203が順に基地局に対して接続を要求し無線通信を行い、さらに、図9に示したように無線通信端末203が無線通信を終了する場合のシーケンスを説明する。
図8において、まず無線通信端末201が基地局に対して接続要求を通知する(ステップS1−1)。これを受けて基地局は当該無線通信端末に対して割り当て可能な通信リソースが存在するかを確認し、存在する場合にはその旨を接続要求応答として当該無線通信端末に対して通知する(ステップS2−1)。ここでは、図5に示すスロット番号「1」のサブブロック(1)が割り当てられたものとする。
続いて無線通信端末201は割り当てられた通信リソースを用いて通信パラメータ測定信号(基準信号)を送信する(ステップS3−1)。なお、無線通信端末201が通信パラメータ測定信号を送信する時の送信電力は予め定められた基準送信電力(許容されている最大の送信電力あるいは当該最大送信電力以外の予め定められた送信電力)とする。
当該測定信号を受信した基地局は、受信電力及びSINRを測定するとともに受信電力から無線伝搬路による伝搬損失を算出し、これらを通信パラメータ記憶部32に記憶する。さらに、記憶された測定結果ならびに算出結果から通信パラメータを決定する(ステップS4−1)。決定された通信パラメータは通信パラメータ通知信号により無線通信端末201に対して通知され(ステップS5−1)、通知された通信リソース及び通信パラメータにより無線通信が行われる(ステップS6−1)。
続いて、無線通信端末202が基地局に対して接続要求を通知する(ステップS1−2)。これを受けて基地局は当該無線通信端末に対して割り当て可能な通信リソースが存在するかを確認し、存在する場合にはその旨を接続要求応答として当該無線通信端末に対して通知する(ステップS2−2)。ここではスロット番号「1」のサブブロック(2)が割り当てられたものとする。
続いて無線通信端末202は割り当てられた通信リソースを用いて通信パラメータ測定信号を送信する(ステップS3−2)。
当該測定信号を受信した基地局は受信電力及びSINRを測定するとともに受信電力から無線伝搬路による伝搬損失を算出し、これらを通信パラメータ記憶部32に記憶する。さらに、記憶された全ての無線通信端末の測定結果ならびに算出結果から通信パラメータを決定する(ステップS4−2)。決定された通信パラメータは通信パラメータ通知信号により無線通信端末202に対して通知される(ステップS5−2)。なお、ステップS4−2では、無線通信端末202に対し通信パラメータを決定するとともに、先に無線通信を行っていた無線通信端末201に対する通信パラメータを変更する場合もある。この場合には、無線通信端末201の新たな通信パラメータも決定する。ステップS5−2では、決定された新たな通信パラメータが無線通信端末201に対しても通知される。
その後、通知された通信リソース及び通信パラメータにより、無線通信端末201及び基地局、無線通信端末202及び基地局は無線通信を行う(ステップS6−2)。
続いて、無線通信端末203が基地局に対して接続要求を通知する(ステップS1−3)。これを受けて基地局は当該無線通信端末203に対して割り当て可能な通信リソースが存在するかを確認し、存在する場合にはその旨を接続要求応答として当該無線通信端末203に対して通知する(ステップS2−3)。ここではスロット番号「1」のサブブロック(4)が割り当てられたものとする。
続いて無線通信端末203は割り当てられた通信リソースを用いて通信パラメータ測定信号を送信する(ステップS3−3)。当該測定信号を受信した基地局は受信電力及びSINRを測定するとともに受信電力から無線伝搬路による伝搬損失を算出し、これらを通信パラメータ記憶部32に記憶する。さらに、記憶された全ての無線通信端末の測定結果ならびに算出結果から通信パラメータを決定する(ステップS4−3)。決定された通信パラメータは通信パラメータ通知信号により無線通信端末203に対して通知される(ステップS5−3)。なお、ステップS4−3では、無線通信端末203に対し通信パラメータを決定するとともに、先に無線通信を行っていた無線通信端末201及び202に対する通信パラメータを変更する場合もある。この場合には、無線通信端末201及び202の新たな通信パラメータも決定する。ステップS5−3では、決定された新たな通信パラメータが無線通信端末201及び202に対しても通知される。
その後、通知された通信リソース及び通信パラメータにより、無線通信端末201及び基地局、無線通信端末202及び基地局、無線通信端末203及び基地局は無線通信を行う(ステップS6−3)。
続いて、無線通信端末203が接続終了要求を基地局に対して通知する(ステップS11)。これを受けて基地局は当該無線通信端末203に対して割り当てていた通信リソースを開放するとともに、接続終了応答を当該無線通信端末203に対して通知する(ステップS12)。これにより無線通信端末203の通信は終了する。なお、この時、無線通信端末203に割り当てていた通信リソースを解放したことにより、他に無線通信を行っている無線通信端末201及び202に対する通信パラメータを変更する場合もある。この場合、無線通信端末201及び202に対し、新たな通信パラメータを計算し(ステップS4−3)、当該新たな通信パラメータを無線通信端末201及び202に通知する(ステップS5−4)。
その後、通知された通信リソース及び通信パラメータにより、無線通信端末201及び基地局、無線通信端末202及び基地局は無線通信を行う(ステップS6−4)。
次に、図10及び図11を用いて、第1の実施形態に係る送信電力制御方法について説明する。すなわち、図6の基地局による、各無線通信端末に対する送信電力制御方法を説明する。ここで説明する送信電力制御処理は、基地局の制御部20の通信パラメータ制御部31にて行われる。ここでは、図5に示したスロット番号「1」のULスロット(1)に、各無線通信端末201〜203に通信リソースを割り当てる場合を例にとり説明する。
まず、図10を用いて、図8のステップS4−1、ステップS4−2、ステップS4−3にて、送信電力制御が行われない場合について説明する。図10は、図8に示したように無線通信端末201、202、203が順に基地局に対して接続要求を行い、それぞれの無線通信が開始された後の状態(図8のステップS6−3)を示している。図10ではそれぞれの無線通信端末は例えば許容される最大の送信電力(Pmax)で無線通信を行っている。
これまで説明したように、それぞれの無線通信端末と基地局との距離は異なるため無線伝搬路によりそれぞれ異なる伝搬損失を受ける。一般に伝搬損失は通信装置間の距離が大きいほど大きくなる。したがって、基地局が受信する際の受信電力はそれぞれの無線通信端末により異なり、基地局との距離が大きい無線通信端末(図10では、無線通信端末203)ほど受信電力が小さくなるため、例えばサブキャリア間干渉や量子化雑音の影響により受信品質の劣化が生じるようになる。
続いて、図11を用いて、図8のステップS4−1、ステップS4−2、ステップS4−3にて、送信電力制御が行われる場合について説明する。図11は、図8に示したように無線通信端末201、202、203が順に基地局に対して接続要求を行い、無線通信を開始した後の状態を順に示している。
まず、図11(a)では、無線通信端末201が接続要求を行い、無線通信を開始した後の状態(図8のステップS6−1)を示している。この場合、当該スロットで(同一時間帯で)無線通信を行っている他の無線通信端末が存在していないため、上述したような受信品質の劣化は生じない。よって無線通信端末201は許容される最大の送信電力(Pmax)で無線信号を送信している。
図11(b)では、無線通信端末202が接続要求を行い、無線通信を開始した後の状態(図8のステップS6−2)を示している。この場合、当該スロットで(同一時間帯で)無線通信を行っている無線通信端末が複数存在することから、図8のステップS4−2では送信電力制御が行われている。具体的には、基地局は、基地局との距離が相対的に近い、すなわち伝搬損失が相対的に小さい無線通信端末201の送信電力を許容される最大送信電力(Pmax)からΔP201だけ小さくする。基地局との距離が相対的に遠い、すなわち伝搬損失が相対的に大きい無線通信端末202の送信電力は許容される最大送信電力(Pmax)とする。ΔP201は、無線通信端末201及び無線通信端末202の送信電力がPmaxの場合の無線通信端末202の伝搬損失と無線通信端末201の伝搬損失との差分(無線通信端末202の伝搬損失>無線通信端末201の伝搬損失)に相当する。あるいは、無線通信端末201及び無線通信端末202の送信電力が送信電力がPmaxの場合の無線通信端末202に対応する受信電力と無線通信端末201に対応する受信電力との差分(無線通信端末202に対応する受信電力<無線通信端末201に対応する受信電力)に相当する。
これにより、基地局が、無線通信端末201及び202が送信した無線信号を受信する際の受信電力は概ね一致することとなり、上述したような受信品質の劣化は生じない。
図11(c)では、無線通信端末203が接続要求を行い、無線通信を開始した後の状態(図8のステップS6−3)を示している。この場合、当該スロット(同一時間帯で)で無線通信を行っている無線通信端末が複数存在することから、図8のステップS4−3では送信電力制御が行われている。具体的には、基地局は、基地局との距離が相対的に近い、すなわち伝搬損失が相対的に小さい無線通信端末201及び202の送信電力を許容される最大送信電力(Pmax)からそれぞれΔP201´及びΔP202だけ小さくする。基地局との距離が最も遠い、すなわち伝搬損失が最も大きい無線通信端末203の送信電力は許容される最大送信電力(Pmax)とする。これにより、基地局がそれぞれの無線通信端末が送信した無線信号を受信する際の受信電力は概ね一致することとなり、上述したような受信品質の劣化は生じない。
さらに、無線通信端末203が接続を終了した後は、図8のステップS13において、無線通信端末201及び202の送信電力は再度図11(b)に示した状態に制御される。
ここで、図12及び図13を用いて上述した送信電力制御方法を補足する。図12は基地局の制御部20に含まれる通信リソース記憶部34の構成例を示したものであり、図13は通信パラメータ記憶部32の構成例を示したものである。
図12において、通信リソース記憶部34は、スロット毎及びサブブロック毎に当該通信リソースを割り当てた無線通信端末の識別子(ID)を記憶する。無線通信端末の識別子としては、無線通信端末固有のID、通信を開始する際に割り当てるテンポラリのID、IPアドレス、電話番号などを用いることができる。ここでN/Aとは例えば他の基地局が当該通信リソースを用いて無線通信を行っている場合など、当該通信リソースが利用できないことを示している。
図12では、図5に示したように、スロット番号「1」の1番目のスロットでは、サブブロック(1)が第1の無線通信端末(ID=201の無線通信端末201)に、サブブロック(2)が第2の無線通信端末(ID=202の無線通信端末202)に、サブブロック(4)が第3の無線通信端末(ID=203の無線通信端末203)に割り当てられている。
4番目のスロットではサブブロック(2)が第4の無線通信端末(ID=204)に、サブブロック(3)が第5の無線通信端末(ID=205)に割り当てられている。なお、1番目のスロットのサブブロック(3)、4番目のスロットのサブブロック(1)及び(4)はどの無線通信端末にも割り当てられていないことを示しており、2番目のスロット及び3番目のスロットは全てのサブブロックが利用できないことを示している。
図13において、通信パラメータ記憶部32は、通信リソースを割り当てた無線通信端末の識別子、当該無線通信端末から送信された通信パラメータ測定信号から測定された当該無線通信端末の受信電力、SINR、当該無線通信端末の伝搬損失及び送信電力パラメータを記憶する。なお、説明を簡単にするため、「差分」は2つの値のうち大きい方の値から小さい方の値を差し引いた正の値であるとする。
伝搬損失は、図6の電力測定部17により測定された受信電力により算出される。より具体的には、基地局にとっては既知の情報である各無線通信端末が信号を送信する際の送信電力と、当該信号の受信電力から算出される。
通信パラメータ測定信号の送信電力(基準送信電力)は、基地局にとって既知の情報であり、許容されている最大の送信電力あるいは当該最大送信電力以外の予め定められた送信電力である。各無線通信端末の送信電力は、通信パラメータ測定信号の送信電力(基準送信電力)あるいは、当該基準送信電力から送信電力パラメータだけ小さい値であり、各無線通信端末の送信電力パラメータは、基地局により算出・決定されるため、通信パラメータ測定信号の送信電力から当該無線通信端末の送信電力パラメータを差し引いた結果得られる当該無線通信端末の通信用信号の現在の送信電力も基地局にとって既知の情報である。そこで、ここでは、各無線通信端末の送信電力と測定された受信電力の差分を伝搬損失として定義する。すなわち、通信パラメータ制御部31は、各無線通信端末から送信される信号の送信電力と、電力測定部17で測定された受信電力との差分を算出し、これが伝搬損失となる。
SINRは図6に示した電力測定部17により測定されたSINRであり、送信電力パラメータは上述したΔP201やΔP202、ΔP201´に対応する。
なお、通信パラメータ記憶部32は、基地局が無線通信端末からの接続要求を受信し、さらに通信パラメータ測定信号を受信した際に、図8のステップS4−1、ステップS4−2、ステップS4−3、ステップS4−4で、通信パラメータ算出処理を行うことにより、更新してもよいし、所定の周期毎に更新してもよい。
次に、図14に示すフローチャートを参照して、図8のステップS4−1、ステップS4−2、ステップS4−3、ステップS4−4の通信パラメータ制御部31における通信パラメータ算出処理について説明する。図10及び図11をもって説明した送信電力制御方法は、図14をもって説明される通信パラメータ算出処理に含まれるものである。なお、ここでは、図8に示したような無線通信端末から通信パラメータ測定信号を受信した際に行う場合を例に説明する。
図14の通信パラメータ算出処理では、まず無線通信端末が基地局に通知した要求種別を識別する(ステップS41)。要求種別とは、接続要求または接続終了要求である。接続要求である場合、要求を行った無線通信端末から送信された通信パラメータ測定信号を受信した際の受信電力及びSINRを測定するとともに伝搬損失を算出し、通信パラメータ記憶部32に記憶する(ステップS42)。接続終了要求である場合、要求を行った無線通信端末の通信パラメータを通信パラメータ記憶部32より削除する(ステップS43)。
これに続き、通信パラメータ記憶部32を参照して、通信リソースが割り当てられている無線通信端末の数を求める(ステップS44)。通信リソースが割り当てられている無線通信端末が複数存在する場合、ステップS45へ進み、当該複数の無線通信端末の中で最も受信電力が小さい無線通信端末を基準端末として選択する。なお、各無線通信端末の送信電力が上記基準送信電力である場合には、当該複数の無線通信端末の中で最も伝搬損失が大きい無線通信端末を基準端末として選択してもよい。
そして、ステップS46へ進み、通信パラメータ制御部31は、基準端末の受信電力(あるいは伝搬損失)を用いて、通信リソースが割り当てられている各無線通信端末の送信電力パラメータを決定し、通信パラメータ記憶部32に記憶する。
ここでは、通信リソースが割り当てられている複数の無線通信端末のうちステップS45で選択された基準端末以外の各無線通信端末の新たな送信電力パラメータは、当該無線通信端末の現在の送信電力パラメータに、当該無線通信端末の受信電力と、当該基準端末の受信電力との差分(正の値)を加えた値である。各無線通信端末の送信電力が上記基準送信電力である場合には、当該無線通信端末の伝搬損失と当該基準端末の伝搬損失との差分(正の値)であってもよい。
従って、各無線通信端末の新たな送信電力は、現在の送信電力より、当該無線通信端末の受信電力と基準端末の受信電力との差分、あるいは、当該無線通信端末の伝搬損失と当該基準端末の伝搬損失との差分だけ小さくなる。
その後、ステップS45で選択された基準端末(最も受信電力が小さい無線通信端末、あるいは、各無線通信端末の送信電力が上記基準送信電力である場合には、伝搬損失が最も大きい無線通信端末)の新たな送信電力パラメータを0dBと決定し、記憶する。(ステップS47)。
さらに、当該基準端末のSINRから、当該SINRに対応するMCSセット(変調方式及び符号化率)を決定する(ステップS48)。
なお、通信パラメータ制御部31は、例えば、SINRの値と、当該SINRの値に最適なMCSセットとを対応付けたテーブルを予め記憶し、このテーブルを参照して、当該基準端末のSINRに対応するMCSセットを決定する。
なお、図14では、全ての無線通信端末に同一のMCSセットが適用される。
一方、ステップS44において、通信リソースが割り当てられている無線通信端末の数が1つの場合、ステップS47へ進み、当該無線通信端末の送信電力パラメータを0dBと決定し、これを記憶し、ステップS48では、当該無線通信端末のSINRからMCSセットを決定する。
ステップS46及びステップS47で決定された、各無線通信端末の新たな送信電力あるいは送信電力パラメータ、ステップS48で決定された変調方式や符号化率は各無線通信端末へ通知される。
このように、通信パラメータ制御部31は、接続要求や終了要求を受けたとき、あるいは定期的に、当該基地局に接続された複数の無線通信端末のそれぞれから(当該基地局では既知である送信電力で)送信された信号の受信電力を用いて、当該複数の無線通信端末のうち、受信電力が最も小さい(伝搬損失が最も大きい)無線通信端末(例えば図1や図9では、無線通信端末203)を基準端末として選択する。この基準端末から送信される信号の受信電力に、他の無線通信端末に対応する受信電力を揃える為に、当該他の無線通信端末(例えば、無線通信端末201、202)の新たな送信電力を決定する。すなわち、ここでは、当該他の無線通信端末の受信電力と、基準端末の受信電力との差分を算出し、当該他の無線通信端末に対し、現在の送信電力より当該差分だけ小さい新たな送信電力を決定する。
現在の送信電力が、前回の送信電力制御により算出及び通知された送信電力パラメータに基づく送信電力である場合には、前回の送信電力パラメータに今回算出された差分を加算することにより新たな送信電力パラメータを決定する。すなわち、この場合、新たな送信電力パラメータは、通信パラメータ測定用信号の送信電力と新たな送信電力との差分を示している。
基準端末の新たな送信電力パラメータは「0dB」であり、新たな送信電力も基準送信電力(例えば、通信パラメータ測定用信号の送信電力Pmax)となる。
図11(c)に示すように、当該基地局に接続されている複数の無線通信端末のうち、伝搬損失が最も大きい無線通信端末(無線通信端末203)からは、通信パラメータ測定用信号の送信電力(Pmax)で信号が送信され、それ以外の他の無線通信端末(無線通信端末201、202)からは、通信パラメータ測定用信号の送信電力より上記送信電力パラメータで表された「差分」だけ小さい送信電力(無線通信端末201の新たな送信電力はPmax-ΔP201、無線通信端末202の新たな送信電力はPmax-ΔP202)で信号が送信される結果、基地局では、当該基地局に接続された全ての無線通信端末から送信される信号を受信する際の受信電力がほぼ等しくなる。
続いて、図11とは異なる他の送信電力制御方法について、図15を参照して説明する。
図11の説明と同様に、ここで説明する送信電力制御は、基地局の制御部20の通信パラメータ制御部31にて行われるものであり、図5に示したスロット番号「1」のULスロット(1)を例にとり説明する。
図15は、図8に示したように無線通信端末201、202、203が順に基地局に対して接続要求を行い、無線通信を開始した後の状態を順に示している。
図15(a)では、無線通信端末201が接続要求を行い、無線通信を開始した後の状態(図8のステップS6−1)を示している。この場合、当該スロットで(同一時間帯で)無線通信を行っている他の無線通信端末が存在していないため受信品質の劣化は生じない。よって無線通信端末201は許容される最大の送信電力(Pmax)で無線信号を送信している。
続いて、図15(b)では、無線通信端末202が接続要求を行い、無線通信を開始した後の状態(図8のステップS6−2)を示している。この場合、当該スロットで(同一時間帯で)無線通信を行っている無線通信端末が複数存在することから送信電力制御が行われる。具体的には、基地局は、基地局との距離が相対的に近い、すなわち伝搬損失が相対的に小さい無線通信端末201の送信電力を許容される最大送信電力(Pmax)からΔP201だけ小さくする。基地局との距離が相対的に遠い、すなわち伝搬損失が相対的に大きい無線通信端末202の送信電力は許容される最大送信電力(Pmax)とする。ΔP201は、無線通信端末202の伝搬損失と無線通信端末201の伝搬損失との差に相当する(無線通信端末202の伝搬損失>無線通信端末201の伝搬損失)。これにより、基地局が、無線通信端末201及び202が送信した無線信号を受信する際の受信電力は概ね一致することとなり、上述したような受信品質の劣化は生じない。
しかしながら、無線通信端末201は許容される最大送信電力で送信していないことから、通信リソースを最大限利用していない。換言すると通信リソースの利用効率が低下してしまっている。そこで、通信リソース制御部33が、同一タイムスロット内の未使用通信リソース(サブブロック)を無線通信端末201に対して割り当てる。
例えば、ここでは、通信リソース制御部33が、サブブロック(3)及び(4)をさらに無線通信端末201に対して割り当てる。通信パラメータ制御部31は、無線通信端末201に対し新たに割り当てられたサブブロック(3)及び(4)での送信電力が、サブブロック(1)と同様に、許容される最大送信電力(Pmax)からΔP201だけ小さくした値に決定する。
無線通信端末201は、サブブロック(1)、(3)及び(4)を用いて、許容される最大送信電力(Pmax)からΔP201だけ小さくした値の送信電力にて通信を行う。
これにより、受信品質の劣化を生じさせることなく、無線リソースの利用効率の低下を補うことができる。
図15(c)では、無線通信端末203が接続要求を行い、無線通信を開始した後の状態(図8のステップS6−3)を示している。図15(b)の状態では、無線通信端末201に複数のサブブロックを割り当てているため全てのサブブロックが使用されている。このような状態で新たに無線通信端末203が接続要求を行った場合、まず、通信リソース制御部33は、複数のサブブロックが割り当てられている無線通信端末201から1つのサブブロック(ここでは、例えばサブブロック(4))の割り当てを外し、当該サブブロック(4)を無線通信端末203に割り当てる。この場合、当該スロットで無線通信を行っている無線通信端末が複数存在することから送信電力制御が行われる。具体的には、基地局は、基地局との距離が相対的に近い、すなわち伝搬損失が相対的に小さい無線通信端末201及び202の送信電力を許容される最大送信電力(Pmax)からそれぞれΔP201´及びΔP202だけ小さくする。基地局との距離が最も遠い、すなわち伝搬損失が最も大きい無線通信端末203の送信電力は許容される最大送信電力(Pmax)とする。
これにより、基地局がそれぞれの無線通信端末が送信した無線信号を受信する際の受信電力は概ね一致することとなり、上述したような受信品質の劣化は生じない。また、送信電力を最も低下させている無線通信端末201に対して複数のサブブロックを割り当てている(すなわち、受信電力が最も小さい(伝搬損失が最も大きい)無線通信端末に割り当てている帯域よりも広い帯域を割り当てている)ことから、受信品質の劣化を生じさせることなく、無線リソースの利用効率の低下を補うことができる。
なお、無線通信端末203が接続を終了した後は、図8のステップS13において、無線通信端末201及び202の送信電力は再度図15(b)に示した状態に制御される。
次に、図16及び図17に示すフローチャートを参照して、図15に示した送信電力制御方法を実現するための通信パラメータ制御部31及び通信リソース制御部33の処理動作について説明する。なお、ここでは、図8に示したような無線通信端末から通信パラメータ測定信号を受信した際に行う場合を例に説明する。また、図16の通信パラメータ制御部31の処理動作のうち、図14と同一部分には同一符号を付し、異なる部分について説明する。すなわち、図14のステップS46が、図16では、ステップS46a〜ステップS46cに置き換わっている。
図16のステップS45において、通信リソースが割り当てられている複数の無線通信装置のうち、受信電力が最も小さい無線通信端末が基準端末として選択されると、ステップS46aへ進み、この選択された基準端末の受信電力を用いて、通信リソースが割り当てられている複数の無線通信端末のうち、当該基準端末以外の各無線通信端末に対し送信電力パラメータを決定し、通信パラメータ記憶部32に記憶する。ここでは、図14のステップS46と同様、通信パラメータ制御部31は、各無線通信端末の現在の送信電力パラメータに、当該無線通信端末の受信電力と基準端末の受信電力との差分(正の値)を加えることにより、各無線通信端末の新たな送信電力パラメータを決定する。
各無線通信端末の送信電力パラメータを決定した後、通信リソース記憶部34を参照して、通信リソースの割り当て状況から、当該スロットに未使用通信リソース(サブブロック)が存在するか否かをチェックする(ステップS46b)。当該スロットに未使用通信リソース(サブブロック)が存在する場合、ステップS46cへ進み、通信リソース制御部33へ通信リソース制御処理(図17)を依頼する。
通信リソース制御部33で通信リソース制御処理を行った後、あるいは、ステップS46bにおいて、当該スロットにて未使用通信リソース(サブブロック)が存在しない場合、ステップS47へ進む。
ステップS46a及びステップS47で決定された、各無線通信端末の新たな送信電力あるいは送信電力パラメータ、ステップS46cで、送信電力が基準端末の送信電力よりも小さい無線通信端末に対し新たな送信帯域が割り当てられた場合には当該新たな送信帯域、ステップS48で決定された変調方式や符号化率は各無線通信端末へ通知される。
図17は、図16のステップS46cにおいて通信リソース制御部33で実行される通信リソース制御処理を説明するためのフローチャートである。
図17の通信リソース制御処理では、まず、通信パラメータ記憶部32を参照して、新たな送信電力パラメータが最も大きい(基準送信電力と新たな送信電力との差分が最も大きい)無線通信端末、すなわち送信電力を最も低下させている無線通信端末を選択する(ステップS61)。例えば、図15(b)の場合、無線通信端末201を選択する。そして、当該選択された無線通信端末に対して、1つの未使用通信リソースの割り当てを決定する(ステップS62)。このとき、通信リソース記憶部34に、当該選択された無線通信端末に対し新たに割り当てた通信リソース、すなわち、サブブロックを記憶する。
続いて、ステップS63において、割り当てたことにより送信電力の低下が補償されているかを判断する。送信電力の低下を補償するとは、例えば、通信リソースを新たに追加したことによる送信電力の増加量が、送信電力制御による低下量を超えることを意味する。
例えば、図15(b)において、無線通信端末201に対し、サブブロック(1)以外に、さらに未使用のサブブロックを1つ割り当てると、無線通信端末201が使用可能な帯域は2倍となり、その結果、送信電力も2倍となるから3dB増加させることができる。また、サブブロック(1)以外に、さらに未使用のサブブロックを3つ割り当てると、無線通信端末201が使用可能な帯域は4倍となり、その結果、送信電力も4倍となるから6dB増加させることができる。
そこで、ステップS63では、サブブロックをさらに割り当てて帯域を広くすることによる送信電力の上昇量と、送信電力制御による低下量(例えば新たな送信電力パラメータと現在の送信電力パラメータとの差分、または基準送信電力と新たな送信電力との差分)とを比較し、当該上昇量が当該低下量を越えるあるいは以上となるとき、割り当てたことにより送信電力の低下が補償されたと決定する。
補償できていない場合は、ステップS64へ進み、通信リソース記憶部34を参照して、当該スロットに、他に未使用通信リソース(未使用のサブブロック)が存在するかをチェックする。存在する場合には、ステップS62に戻り、当該選択された無線通信端末に対してさらに未使用の通信リソースの割り当てを決定し、以後上記同様の処理を繰り返す。ステップS64において、未使用の通信リソースが存在しない場合には、通信リソース制御処理を終了する。
ステップS63において、送信電力の低下が補償されている場合には、ステップS65へ進み、通信パラメータ記憶部32を参照して、送信電力制御により送信電力を低下させている他の無線通信端末、すなわち、送信電力パラメータが0dBでない他の無線通信端末が存在するか否かをチェックする(ステップS65)。存在する場合には、ステップS66へ進み、その中で最も送信電力を最も低下させている(送信電力パラメータの大きさが最も大きい)無線通信端末を決定し、ステップS64へ進む。その後の処理は上記同様である。ステップS65において、送信電力パラメータが0dBでない他の無線通信端末が存在しない場合には、通信リソース制御処理を終了する。
以上説明したように、あるスロット(通信リソースの割り当てを行う所定の時間単位)に、複数の無線通信端末を複数のサブブロックに割当てる場合には送信電力制御を行い、さらに、送信電力制御を行った場合に、当該スロットに未使用の通信リソース(サブブロック)が存在する場合には、送信電力制御により送信電力を低下させた無線通信端末に対して当該未使用の通信リソースをさらに割り当てることで、各無線通信端末の無線リソースの利用効率を必要以上に低下させることなく無線通信を行うことが可能となる。
(第2の実施形態)
図18、図19及び図20を用いて第2の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態は通信パラメータ算出処理を所定の周期をもって定期的に実施する場合に好適である。
図18、図19及び図20を用いて第2の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態は通信パラメータ算出処理を所定の周期をもって定期的に実施する場合に好適である。
図18は、第2の実施形態に係る基地局の構成例を示したものである。なお、図18において図6と同一部分には同一符号を付し、異なる部分について説明する。すなわち、図18では、復号部14により誤り訂正復号化した結果に対する誤りの有無が制御部20に出力されること、及び制御部20が通信状態記憶部35を備えることが、図6と異なる。
図19は通信状態記憶部35の構成例を示したものである。図19において、通信状態記憶部35は、通信リソースを割り当てた無線通信端末の識別子(端末番号)、及び通信状態として無線通信端末毎に算出した所定数の復号結果に誤りが発生した割合(誤り発生率)を記憶している。図19に示した状態では、無線通信端末201、202、204の誤り発生率は10%より小さく、無線通信端末203は25%、無線通信端末205は20%である。
図20は第2の実施形態の通信パラメータ制御部31における通信パラメータ算出処理を説明するためのフローチャートである。なお、図20において、図14と同一ステップには同一符号を付し、異なる部分について説明する。すなわち、図20では、図14のステップS45とステップS46の間に、ステップS51〜ステップS52が追加されている。
なお、図14のステップS44〜ステップS48を図20の処理に置き換えて用いることができる。また、図16のステップS44〜ステップS48を図20の処理に置き換え、さらに、図20のステップS46を図16のステップS46a〜ステップS46cに置き換えて用いることにより、通信パラメータの算出とともに通信リソース制御処理を実施する場合にも適用可能である。
さらに、図14及び図16に示したように接続要求や終了要求を受けたときのみならず、定期的に通信パラメータを算出する場合には、図20の処理動作をそのまま実施すればよい。また定期的に通信パラメータの算出及び通信リソースの制御処理を行う場合には、図20のステップS46を図16のステップS46a〜ステップS46cに置き換えればよい。
図20において、ステップS44及びステップS45の処理は、図14,図16のステップS44及びステップS45と同様である。
図20のステップS45において、通信リソースが割り当てられている複数の無線通信装置のうち、受信電力が最も小さい無線通信端末が基準端末として選択されると、ステップS51へ進み、通信状態記憶部35から、基準端末の通信状態(ここでは、誤り発生率)を読み出す。ステップS52へ進み、読み出された通信状態が予め定められた閾値よりも小さい場合にはそのまま処理を終了する。
ステップS52において、読み出された通信状態が上記閾値以上の場合には、送信電力制御を行うことを決定し、ステップS46へ進む。
図20のステップS46以降の処理は、図14と同様である。すなわち、ステップS45で選択された基準端末の受信電力を用いて、通信リソースが割り当てられている各無線通信端末の送信電力パラメータを決定し、通信パラメータ記憶部32に記憶する。
また、図20のステップS46を図16のステップS46a〜ステップS46cに置き換えて、各無線通信端末の送信電力パラメータの算出と、サブブロックの割当を行うようにしてもよい。
ステップS48では、基準端末のSINRからMCSセットを決定する。第2の実施形態では、送信電力制御を行う場合には、全ての無線通信端末には同一のMCSセットが適用される。
一般に、伝搬損失が相対的に大きな無線通信端末の通信状態は、伝搬損失が相対的に小さな無線通信端末と比較すると劣悪である。これは、図10をもって説明したように、送信電力制御が行われていない場合、基地局が受信する際の受信電力はそれぞれの無線通信端末により異なり、基地局との距離が大きい無線通信端末ほど受信電力が小さくなるために発生するサブキャリア間干渉や量子化雑音の影響などによる可能性が高い。しかしながら、上記誤り発生率が許容される範囲内である限り、当該無線通信端末と基地局の無線通信は少なくとも維持することは可能である。
従って、上述したように、通信リソースの割り当てを行う所定の時間単位にて複数の無線通信端末が同時に無線通信を行い、さらに、必要な場合にのみ、具体的には、基地局からの距離が最も遠い、すなわち受信電力が最も小さい(伝搬損失が最も大きい)無線通信端末の通信状態(例えば誤り発生率)が所定の閾値を超えるほど悪い場合にのみ、送信電力制御を実施することにより、各無線通信端末の無線リソースの利用効率を必要以上に低下させることなく無線通信を行うことが可能となる。
(第3の実施形態)
図21及び図22を用いて、第3の実施形態について説明する。なお、第3の実施形態は通信パラメータ算出処理を所定の周期をもって定期的に実施する場合に好適である。
図21及び図22を用いて、第3の実施形態について説明する。なお、第3の実施形態は通信パラメータ算出処理を所定の周期をもって定期的に実施する場合に好適である。
図21は、第3の実施形態に係る基地局の構成例を示したものである。なお、図21において図6と同一部分には同一符号を付し、異なる部分について説明する。すなわち、図21では、A/D変換部3から、A/D変換部3に入力される信号の電力が制御部20に出力されている点が図6と異なる。
A/D変換部3では、多重された各無線通信端末が送信した信号(多重化信号)の多重化された状態での受信電力を測定する。この測定された多重化信号の受信電力が、制御部20へ出力される。
図22は第3の実施形態の通信パラメータ制御部31における通信パラメータ算出処理を説明するためのフローチャートである。なお、図22において、図14と同一ステップには同一符号を付し、異なる部分について説明する。すなわち、図22では、図14のステップS45とステップS46の間に、ステップS55〜ステップS56が追加されている。
なお、図14のステップS44〜ステップS48を図22の処理に置き換えて用いることができる。また、図16のステップS44〜ステップS48を図22の処理に置き換え、さらに、図22のステップS46を図16のステップS46a〜ステップS46cに置き換えて用いることにより、通信パラメータの算出とともに通信リソース制御処理を実施する場合にも適用可能である。
さらに、図14及び図16に示したように接続要求や終了要求を受けたときのみならず、定期的に通信パラメータを算出する場合には、図22の処理動作をそのまま実施すればよい。また定期的に通信パラメータの算出及び通信リソースの制御処理を行う場合には、図22のステップS46を図16のステップS46a〜ステップS46cに置き換えればよい。
図22において、ステップS44及びステップS45の処理は、図14,図16のステップS44及びステップS45と同様である。
図22のステップS45において、通信リソースが割り当てられている複数の無線通信装置のうち、受信電力が最も小さい無線通信端末を基準端末として選択されると、ステップS55へ進み、通信パラメータ記憶部を参照し、当該基準端末の受信電力を読み出す。ステップS56へ進み、読み出された基準端末の受信電力と、A/D変換部3から出力された受信電力との差が予め定められた閾値よりも小さい場合にはそのまま処理を終了する。
ステップS56において、基準端末の受信電力が上記閾値以上の場合には、送信電力制御を行うことを決定し、ステップS46へ進む。
図22のステップS46以降の処理は、図14と同様である。すなわち、通信パラメータ制御部31は、各無線通信端末の現在の送信電力パラメータに、当該無線通信端末の受信電力と基準端末の受信電力との差分(正の値)を加えることにより、各無線通信端末の新たな送信電力パラメータを決定し、通信パラメータ記憶部32に記憶する。
また、図22のステップS46を図16のステップS46a〜ステップS46cに置き換えて、各無線通信端末の送信電力パラメータの算出と、サブブロックの割当を行うようにしてもよい。
ステップS48では、ステップS45で選択された無線通信端末のSINRからMCSセットを決定する。第3の実施形態では、送信電力制御を行う場合には、全ての無線通信端末には同一のMCSセットが適用される。
一般に、A/D変換部3で行われるA/D変換では量子化雑音が発生する。量子化雑音については、A/D変換部3に入力される多重化信号の電力に対して、相対的に小さい電力で受信される無線通信端末に対する受信信号への影響が大きい。上述したように、伝搬損失が相対的に大きな無線通信端末の通信状態は伝搬損失が相対的に小さな無線通信端末と比較すると劣悪である。これは、送信電力制御が行われていない場合、基地局が受信する際の受信電力はそれぞれの無線通信端末により異なり、基地局との距離が大きい無線通信端末ほど受信電力が小さくなるため、上述した量子化雑音が発生している可能性がある。しかしながら、A/D変換部3で測定される多重化信号の電力との差が許容される範囲内である限り、量子化雑音の影響はさほど大きくないと考えられる。
従って、上述したように、通信リソースの割り当てを行う所定の時間単位にて複数の無線通信端末が同時に無線通信を行い、さらに、必要な場合にのみ、具体的には、A/D変換部3で測定される多重化信号の受信電力と、基地局からの距離が最も遠い、すなわち伝搬損失が最も大きい無線通信端末の受信電力とに、所定の閾値を超えるほどの差が存在する場合にのみ送信電力制御を実施することにより、各無線通信端末の無線リソースの利用効率を必要以上に低下させることなく無線通信を行うことが可能となる。
なお、マルチキャリア復調部6では、IFFT(逆高速フーリエ変換)などのマルチキャリア復調処理において、一定のビット幅を維持するようデジタル信号処理が行われる場合には、オーバフローやアンダーフロー(復調に必要な情報成分がクリップや丸めにより失われる)が発生する可能性がある。
A/D変換部3で測定される多重化信号の受信電力と、伝搬損失が最も大きい無線通信端末の受信電力とに、所定の閾値を超えるほどの差が存在する場合、マルチキャリア復調部6で行われるマルチキャリア復調処理の演算におけるアンダーフローにより、伝搬損失が最も大きい無線通信端末からの信号成分が失われてしまう可能性がある。
このことからも、A/D変換部3で測定される多重化信号の受信電力と、伝搬損失が最も大きい無線通信端末の受信電力とに、所定の閾値を超えるほどの差が存在する場合に、当該基地局に接続されている複数の無線通信端末に対応する受信電力を、当該伝搬損失の最も大きい無線通信端末に対応する受信電力に揃えるように、送信電力制御を行うことは意義のあることである。
以上説明したように、上記第1乃至第3の実施形態によれば、複数の無線通信端末を接続する基地局が、各無線通信端末から送信される信号を受信する際の受信電力を、当該複数の無線通信端末のうち受信電力の最も小さい無線通信端末(基準端末)からの信号を受信する際の受信電力に揃えるために、各無線通信端末の送信電力を制御する(送信電力制御)。より具体的には、各無線通信端末に対し、当該無線通信端末の受信電力と、上記基準端末の伝搬損失との差分を求め、各無線通信端末の現在の送信電力から当該差分だけ小さい新たな送信電力を決定する。
このような構成により、基地局101が、各無線通信端末201〜203から送信される信号を受信する際の受信電力はほぼ一致し、サブキャリア間干渉や量子化雑音の影響により、基地局101から最も遠い(伝搬損失の最も大きい/受信電力の最も小さい)無線通信端末203からの信号の受信品質の劣化が生じることはなくなる。すなわち、基地局101は、各無線通信端末201〜203から送信される信号を高い受信品質で受信することが可能となる。
また、新たな送信電力が上記基準送信電力よりも小さい無線通信端末(新たな送信電力が基準端末の新たな送信電力よりも小さい無線通信端末)に対し(特に、最も送信電力の小さい無線通信端末に対し)、基準端末(あるいは新たな送信電力が最も大きい無線通信端末)に割り当てられる送信帯域よりも広い帯域の送信帯域を割り当てることにより、上記送信電力制御により低下させられた送信電力を、送信帯域幅を大きくすることで補うことが可能となり、結果として各無線通信端末の無線リソースの利用効率を必要以上に低下させることなく無線通信を行うことが可能となる。
本発明の実施の形態に記載した本発明の手法は、コンピュータに実行させることのできるプログラムとして、磁気ディスク(フレキシブルディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(CD−ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの記録媒体に格納して頒布することもできる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
101…基地局
201〜203…無線通信端末
20…制御部
31…通信パラメータ制御部
32…通信パラメータ記憶部
33…通信リソース制御部
34…通信リソース記憶部
35…通信状態記憶部
201〜203…無線通信端末
20…制御部
31…通信パラメータ制御部
32…通信パラメータ記憶部
33…通信リソース制御部
34…通信リソース記憶部
35…通信状態記憶部
Claims (9)
- 複数の無線通信端末を無線接続する基地局における無線通信制御方法において、
アップリンク通信のための送信帯域を割り当てるステップと、
前記無線通信端末から送信された信号を受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信された信号の受信電力を測定する測定ステップと、
前記受信電力の最も小さい無線通信端末を基準端末として選択する選択ステップと、
前記受信電力と前記基準端末から送信された信号の受信電力との差分を算出する算出ステップと、
前記複数の無線通信端末に対し、前記受信ステップで受信された信号の送信電力より前記差分だけ小さい新たな送信電力を示す送信電力パラメータを通知する通知ステップと、
前記送信電力パラメータを通知した無線通信端末に対し、前記基準端末に割り当てられた送信帯域よりも広い送信帯域を割り当てる割当ステップと、
を含む無線通信制御方法。 - 複数の無線通信端末を無線接続する基地局における無線通信制御方法において、
前記無線通信端末に対し、当該無線通信端末から前記基地局へのアップリンク通信のための送信帯域を割り当てるステップと、
前記無線通信端末から予め定められた基準送信電力で送信された信号を受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信された信号の受信電力を測定する測定ステップと、
前記複数の無線通信端末のうち、前記受信電力の最も小さい無線通信端末を基準端末として選択する選択ステップと、
前記受信電力と前記基準端末から送信された信号の受信電力との差分を算出する算出ステップと、
前記複数の無線通信端末に対し、前記基準送信電力より前記差分だけ小さい当該無線通信端末の新たな送信電力あるいは当該差分を通知する通知ステップと、
前記新たな送信電力を通知した無線通信端末に対し、前記基準端末に割り当てられた送信帯域よりも広い送信帯域を割り当てる割当ステップと、
を含む無線通信制御方法。 - 前記基準端末から送信された信号を受信した際に得られるSINR(Signal-to-interference and Noise power Ratio)から、前記複数の無線通信端末で共通の変調方式及び符号化率を選択するステップをさらに含み、
前記通知ステップは、さらに、選択された変調方式及び符号化率を各無線通信端末へ通知することを特徴とする請求項1または2記載の無線通信制御方法。 - 前記基準送信電力は、許容される最大の送信電力であることを特徴とする請求項2記載の無縁通信制御方法。
- 前記受信ステップで受信された各無線通信端末から送信された信号を復号する際に得られる誤り発生率を記憶手段に記憶するステップをさらに含み、
前記選択ステップは、前記複数の無線通信端末のうち、前記受信電力が最も小さく、且つ前記誤り発生率が予め定められた閾値以上の無線通信端末を前記基準端末として選択することを特徴とする請求項1または2記載の無線通信制御方法。 - 前記受信ステップで受信された前記複数の無線通信端末からの信号を含む多重化信号の受信電力を測定するステップをさらに含み、
前記選択ステップは、前記複数の無線通信端末のうち、前記受信電力が最も小さく、且つ当該受信電力と前記多重化信号の受信電力との差が予め定められた閾値以上の無線通信端末を前記基準端末として選択することを特徴とする請求項1または2記載の無線通信制御方法。 - 前記複数の無線通信端末は同一タイムスロットに割り当てられていることを特徴とする請求項1または2記載の無線通信制御方法。
- 複数の無線通信端末を無線接続する基地局において、
アップリンク通信のための送信帯域を割り当てる第1の割り当て手段と、
前記無線通信端末から送信された信号を受信する受信手段と、
前記受信ステップで受信された信号の受信電力を測定する測定手段と、
前記受信電力の最も小さい無線通信端末を基準端末として選択する選択手段と、
前記受信電力と前記基準端末から送信された信号の受信電力との差分を算出する算出手段と、
前記複数の無線通信端末に対し、前記受信ステップで受信された信号の送信電力より前記差分だけ小さい新たな送信電力を示す送信電力パラメータを通知する通知手段と、
前記送信電力パラメータを通知した無線通信端末に対し、前記基準端末に割り当てられた送信帯域よりも広い送信帯域を割り当てる第2の割当手段と、
を備えた基地局。 - 複数の無線通信端末を接続する基地局において、
各無線通信端末に対し、当該無線通信端末から前記基地局へのアップリンク通信のための送信帯域を割り当てる第1の割当手段と、
各無線通信端末から予め定められた基準送信電力で送信された信号を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信された各信号の受信電力を測定する測定手段と、
前記複数の無線通信端末のうち、前記受信電力の最も小さい無線通信端末を基準端末として選択する選択手段と、
各無線通信端末の前記受信電力と前記基準端末の受信電力との差分を算出する算出手段と、
各無線通信端末に対し、前記基準送信電力より前記差分だけ小さい当該無線通信端末の新たな送信電力あるいは当該差分を通知する通知手段と、
前記新たな送信電力を通知した無線通信端末に対し、前記基準端末に割り当てられた送信帯域よりも広い送信帯域を割り当てる第2の割当手段と、
を備えた基地局。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006172910A JP2008005238A (ja) | 2006-06-22 | 2006-06-22 | 無線通信制御方法及び基地局 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006172910A JP2008005238A (ja) | 2006-06-22 | 2006-06-22 | 無線通信制御方法及び基地局 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008005238A true JP2008005238A (ja) | 2008-01-10 |
Family
ID=39009259
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006172910A Abandoned JP2008005238A (ja) | 2006-06-22 | 2006-06-22 | 無線通信制御方法及び基地局 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008005238A (ja) |
-
2006
- 2006-06-22 JP JP2006172910A patent/JP2008005238A/ja not_active Abandoned
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