JP2011233483A - 燃料電池用電極及び燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】間欠運転時の出力維持性能に優れた燃料電池用電極および燃料電池を提供する。
【解決手段】導電性粒子と、前記導電性粒子に担持された触媒と、下記(1)式に示す関係を満たす炭素繊維集合体6とを含む触媒層と、前記触媒層が積層される多孔質基材とを含むことを特徴とする燃料電池用電極。
a>c>b (1)
但し、前記aは第1の断面における前記炭素繊維集合体の触媒層第一辺に平行な長さで、前記cは第2の断面における前記炭素繊維集合体の触媒層第二辺に平行な長さで、前記bは、前記第1の断面及び前記第2の断面における前記炭素繊維集合体の前記触媒層の厚さ方向に平行な長さの平均である。
【選択図】 図5

Description

本発明の実施形態は、燃料電池用電極及び燃料電池に関する。
近年、ノートパソコンや携帯電話等の各種携帯用電子機器を長時間充電なしで使用可能とするために、これら携帯用電子機器の電源に燃料電池を用いる試みがなされている。燃料電池は燃料と空気を供給するだけで発電することができ、燃料を補給すれば連続して長時間発電することが可能であるという特徴を有している。このため、燃料電池を小型化できれば、携帯用電子機器の電源として極めて有利なシステムといえる。なかでも、直接メタノール型燃料電池(DMFC:Direct Methanol Fuel Cell)は小型化が可能であり、さらに燃料の取り扱いも容易であるため、携帯用電子機器の電源として有望視されている。
DMFCは、燃料極と酸化剤極との間に電解質膜を配置した構造の膜電極接合体(燃料電池セル)を備えている。燃料極と酸化剤極はそれぞれガス拡散層と触媒層とを有する。燃料極および酸化剤極の各触媒層は、電解質膜に接している。また、各触媒層は、例えば、Pt等の貴金属粒子をカーボン粒子、炭素繊維等の多孔質の担体に担持させた触媒を、プロトン伝導性を有する高分子バインダーにより一体化することにより形成されている。
このようなDMFCでは、燃料極に燃料のメタノールを導入すると、メタノールはガス拡散層を介して触媒層に達し、その触媒作用によりプロトン、電子および二酸化炭素を生成する。プロトンはプロトン伝導性を有する高分子バインダーの作用により触媒層から電解質膜に移動し、さらに、酸化剤極の触媒層へと移動する。一方、酸化剤極に酸化剤として空気を導入すると、空気はガス拡散層を介して触媒層に達する。そして、この触媒層で、空気中の酸素と燃料極から移動してきたプロトンと燃料極から外部回路を通じて供給される電子とが反応して水を生成するとともに、外部回路を通る電子によって電力が供給される。
酸化剤極の触媒層では、運転中に上記のように水が生成される。酸化剤極の触媒層内の水は、一部が電解質膜を通って燃料極に達し、燃料極におけるメタノールの内部改質反応に供される。また、燃料電池の運転休止中は、発電による水生成が起こらないため、触媒層の乾燥が進行する。よって、燃料電池の間欠長期運転を行うと、運転時の触媒層の湿潤と休止時の触媒層の乾燥とが繰り返されることとなる。その結果、触媒層の変形により触媒層の微細構造が崩壊するため、良好な出力維持性能を得られなかった。
特許文献1は、燃料電池用炭素材料及びこれを含有する分散液に関する。また、特許文献2は、固体高分子型燃料電池用電極及びこれを用いた固体高分子型燃料電池に関し、特許文献3は触媒電極およびその製造方法、並びにそれを用いた燃料電池に関する。
特開2003−208905号公報 特開2007−12325号公報 特開2007−73283号公報
実施形態は、間欠運転時の出力維持性能に優れた燃料電池用電極および燃料電池を提供することを目的とする。
実施形態によれば、導電性粒子と、前記導電性粒子に担持された触媒と、下記(1)式に示す関係を満たす炭素繊維集合体とを含む触媒層と、
前記触媒層が積層される多孔質基材と
を含むことを特徴とする燃料電池用電極である。
a>c>b (1)
但し、前記触媒層における前記多孔質基材が積層される面の第一辺に平行に前記触媒層を切断した断面を第1の断面とし、前記第一辺に垂直な第二辺に平行に前記触媒層を切断した断面を第2の断面とした際、前記aは前記第1の断面における前記炭素繊維集合体の前記第一辺に平行な長さで、前記cは前記第2の断面における前記炭素繊維集合体の前記第二辺に平行な長さで、前記bは、前記第1の断面及び前記第2の断面における前記炭素繊維集合体の前記触媒層の厚さ方向に平行な長さの平均である。
第1の実施形態に係る燃料電池用電極を示す斜視図。 図1の燃料電池用電極に用いられる触媒層を示す斜視図。 図2のIII−III線に沿って切断した触媒層の断面図。 図2のIV−IV線に沿って切断した触媒層の断面図。 第1の断面図の模式図。 第2の断面図の模式図。 第2の実施形態に係る燃料電池を示す内部透視断面図。 図7の燃料電池の燃料分配機構を示す斜視図。 第2の実施形態に係る燃料電池の別な例を示す断面模式図。
(第1の実施形態)
第1の実施形態の燃料電池用電極は、図1に例示されるように、触媒層1と、触媒層1が積層される多孔質基材2とを含む。触媒層1は、導電性粒子と、導電性粒子に担持された触媒と、下記(1)式に示す関係を満たす炭素繊維集合体とを含む。
a>c>b (1)
触媒層の多孔質基材が積層される面の第一辺に平行に触媒層を切断した断面を第1の断面とする。第一辺に垂直な第二辺に平行に触媒層を切断した断面を第2の断面とする。aは、第1の断面中の炭素繊維集合体の長さのうち、第一辺に平行な長さである。cは第2の断面中の炭素繊維集合体の長さのうち、第二辺に平行な長さである。bは、第1の断面及び第2の断面における炭素繊維集合体についての触媒層の厚さ方向に平行な長さの平均である。
炭素繊維集合体は、複数の炭素繊維を含む凝集体である。炭素繊維集合体の表面の少なくとも一部がプロトン伝導体で被覆されていても良い。炭素繊維間は、凝集や、プロトン伝導体による被覆等によって接合されている。炭素繊維集合体は、例えば、楕円もしくは略楕円形状の断面を有する立体形状にすることができる。
炭素繊維は、導電性であっても非導電性であってもよい。導電性の炭素繊維は、カーボンファイバ、カーボンナノファイバ、カーボンチューブ、カーボンナノチューブ、これらを粉砕処理したもの等が挙げられる。また、非導電性の炭素繊維は、綿花、グラスファイバー等が挙げられる。カップ積層型カーボンナノチューブを使用すると、高い出力維持性能が得られる。カップ積層型カーボンナノチューブは、例えば、直径(ピーク値)80〜100nm、長さ数〜十数μm、密度約2g/ccの(株)GSIクレオス製のCarbere(商品名)等が例示される。
導電性粒子は、例えば、活性炭や黒鉛等のカーボン粒子を使用することができる。導電性粒子の平均粒径は、10〜80nmの範囲にすることができる。
導電性粒子に担持される触媒は、例えばPt、Ru、Rh、Ir、Os、Pd等の白金族元素の単体、これらの白金族元素を含有する合金等が挙げられる。この電極を燃料極として使用する場合、メタノールや一酸化炭素等に対して強い耐性を有するPt−RuやPt−Mo等の合金を用いることができる。また、酸化剤極(例えば空気極)として使用する場合は、PtやPt−Ni等の合金を用いることができる。Ptを用いると、高出力が期待できる。但し、触媒はこれらに限定されるものではなく、触媒活性を有する各種の物質を使用することができる。
第1の断面および第2の断面を図2を参照して説明する。第1の断面は、触媒層1の多孔質基材2が積層される面3の第一辺4に平行に触媒層1を切断することにより得られる。第2の断面は、第一辺4に垂直な第二辺5に平行に触媒層1を切断することにより得られる。第1の断面及び第2の断面は、次に説明する方法でそれぞれにつき触媒層1の4箇所から得る。図3に例示されるように、第二辺5の一端から第二辺長さの10%までの領域A1、第二辺5の中央Xを境界とし、境界から第二辺長さの10%までの領域B1,C1、第二辺5の他端から第二辺長さの10%までの領域D1、それぞれの領域において、第一辺4と平行に触媒層1を切断することにより、触媒層1の4箇所から第1の断面を得る。また、図4に例示されるように、第一辺4の一端から第一辺長さの10%までの領域A2、第一辺4の中央Yを境界とし、境界から第一辺長さの10%までの領域B2,C2、第一辺4の他端から第一辺長さの10%までの領域D2、それぞれの領域において、第二辺5と平行に触媒層を切断することにより、触媒層の4箇所から第2の断面を得る。
なお、触媒層の切断は、樹脂包埋法によって行う。電極が例えば膜電極接合体に組み込まれて使用される場合、電極の触媒層に電解質膜が接する。触媒層に接合された電解質膜はそのままとし、触媒層に接合された多孔質基材を触媒層から剥離させる。すなわち、触媒層と電解質膜との積層物を樹脂包埋法によって切断する。
第1の断面の一例の模式図を図5の(a),(b)に、第2の断面の一例の模式図を図6の(a),(b)に示す。図5の(a),(b)及び図6の(a),(b)は、いずれも、多孔質基材側を上、電解質膜側を下にして示されている。図5及び図6では、説明の便宜上、触媒及び導電性粒子の図示を省略している。
図5の(a),(b)に例示されるように、第1の断面に複数の炭素繊維集合体6が存在している。第1の断面に表れる炭素繊維集合体6の形状は、楕円もしくは略楕円形状である。aは、炭素繊維集合体6の長さのうち、触媒層1の第一辺4に平行な長さである。b1は、炭素繊維集合体6における触媒層1の厚さ方向に平行な長さである。図6の(a),(b)に例示されるように、第2の断面に複数の炭素繊維集合体6が存在している。第2の断面に表れる炭素繊維集合体6の形状は、楕円もしくは略楕円形状である。cは、炭素繊維集合体6の長さのうち、触媒層1の第二辺5に平行な長さである。b2は、炭素繊維集合体6における触媒層1の厚さ方向に平行な長さである。a,b1,b2,cの具体的な測定方法を説明する。第1の断面と第2の断面それぞれを(株)ニコン製の走査型電子顕微鏡(SEM)NIKON ESEM−2700Lで観察する。電極を燃料極(アノード)として使用する場合、観察倍率は500倍とする。一方、電極を酸化剤極(カソード)として使用する場合、観察倍率は1000倍とする。第1の断面それぞれにつき少なくとも30個の炭素繊維集合体の長さa,b1を測定し、それぞれの平均値をa,b1として使用する。また、第2の断面それぞれにつき少なくとも30個の炭素繊維集合体の長さc,b2を測定し、それぞれの平均値をc,b2として使用する。bは、b1とb2との平均である。
なお、図5及び図6において、点線で表示されている炭素繊維集合体6は、一部のみが第1,第2の断面に現れているものを示し、測定対象から除外される。
走査型電子顕微鏡(SEM)の計測条件は次の通りである。
加速電圧:20kV
フィラメント:Wフィラメント2.3〜2.4A
真空モード:高真空モード
試料位置:WD=1.5、TILT=0
視野範囲:180mm×230mm
探索時の倍率:1.0kV
計測時の倍率:2.0〜2.5kV
炭素繊維集合体が(1);a>c>bを満足することにより、燃料電池の触媒層が間欠長期運転等で湿潤と乾燥の繰り返しに晒され、変形した際、触媒層に加わる応力を緩和することができるため、触媒層がほぐれて細分化するのを抑制することができる。その結果、触媒間のプロトン伝導パスが分断されるのを抑えることができるため、燃料電池の間欠運転時の出力維持性能を向上することができる。
炭素繊維集合体において、aを3.3μm以上30μm以下にし、かつbを1.4μm以上10μm以下にすることができる。aを3.3μm以上、bを1.4μm以上にすることによって、触媒層に加わる応力を十分に緩和することができるため、触媒層の構造がほぐれるのを抑えることができる。また、aを30μm以下、bを10μm以下にすることによって、触媒層内部で生成される水分の外部への排出を適度なものにすることができ、触媒層の乾燥を抑制することができる。従って、aを3.3μm以上30μm以下にし、かつbを1.4μm以上10μm以下にすることによって、触媒層の乾燥を抑えて燃料電池の間欠運転時の触媒層の変形を少なくすることができるため、触媒層全体に加わる応力を軽減することができ、触媒層の細分化を十分に抑えることができる。その結果、触媒層のプロトン伝導性をより高めることができるため、燃料電池の間欠運転時の出力維持性能をより向上することができる。さらに良好な出力性能が得られる範囲は、aが11μm以上、30μm以下で、bが2.4μm以上、5.5μm以下である。
a>c>bを満たす炭素繊維集合体は、(a/b)で表される比を1.2以上5.5以下にすることができる。(a/b)を1.2以上にすることによって、触媒層に加わる応力を十分に緩和することができるため、触媒層の構造がほぐれるのを抑えることができる。また、(a/b)を5.5以下にすることによって、触媒層内部で生成される水分の外部への排出を適度なものにすることができ、触媒層の乾燥を抑制することができる。従って、(a/b)を1.2以上5.5以下にすることによって、触媒層の乾燥を抑えて燃料電池の間欠運転時の触媒層の変形を少なくすることができるため、触媒層に加わる応力を軽減することができ、触媒層の細分化を十分に抑えることができる。その結果、触媒層のプロトン伝導性をより高めることができるため、燃料電池の間欠運転時の出力維持性能をより向上することができる。さらに良好な出力性能が得られる(a/b)の範囲は、1.2以上、4.6以下である。
a>c>bを満たす炭素繊維集合体の個数は、触媒層10000μm3当たり1個以上27個以下にすることができる。1個以上にすることによって、燃料電池の出力維持性能向上効果を十分に得ることができる。27個以下にすることによって、運転休止中の触媒層の乾燥を抑えることができる。よって、触媒層10000μm3当たりの炭素繊維集合体の個数を1個以上27個以下にすることによって、燃料電池の間欠運転時の出力維持性能をより向上することができる。さらに良好な出力性能が得られる個数範囲は、4以上、10以下である。
触媒層10000μm3当たりの炭素繊維集合体の個数は、以下の方法で算出する。第1の断面(4箇所)および第2の断面(4箇所)それぞれの一定面積当りの炭素繊維集合体の個数を計測し、一定面積当りの炭素繊維集合体の個数の平均値を算出する。得られた平均値を、触媒層10000μm3当たりの炭素繊維集合体の個数に換算する。なお、一部のみが第1,第2の断面に現れている炭素繊維集合体は、測定対象から除外される。
炭素繊維の嵩密度は、0.04〜0.27g/ccの範囲にすることができる。嵩密度を0.04g/cc以上にすることによって、触媒層内部で生成される水分の排出を妨げない程度の緻密性を触媒層が持つことができる。また、嵩密度を0.27g/cc以下にすることによって、触媒層の乾燥を抑制することができる。a>c>bを満たす炭素繊維集合体を用いる際、触媒層中に嵩密度が0.04〜0.27g/ccの炭素繊維を含有させることによって、触媒層内の水分量を適量に維持することができるため、間欠長期運転時の触媒層の変形を抑制することができる。その結果、炭素繊維集合体に加わる応力を軽減することができるため、出力維持性能をより向上させることができる。嵩密度のより好ましい範囲は、0.04〜0.16g/ccである。
集合体を構成する炭素繊維の嵩密度を0.04〜0.27g/ccの範囲にしても良いし、集合体とは別に上記範囲の嵩密度を持つ炭素繊維を触媒層に含有させることも可能である。
ここで、炭素繊維の嵩密度は、JIS K 6720に準拠して測定することができる。具体的には、炭素繊維120ccを嵩密度測定装置のダンパーを差し込んだ漏斗に入れた後、速やかにダンパーを引き抜き、炭素繊維を受器に落とす。受器から盛り上がった炭素繊維をガラス棒ですり落とした後、炭素繊維の入った受器の質量を測定し、次式(2)により算出する。
S=(C−A)/B (2)
但し、Sは嵩密度(g/cc)、Aは受器の質量(g)、Bは受器の内容積(cc)、Cは炭素繊維の入った受器の質量(g)である。
炭素繊維と触媒を担持した導電性粒子(以下、担持触媒と称す)との触媒層における質量比(炭素繊維:担持触媒)は、10:90〜30:70の範囲にすることができる。質量比を10:90以上にすることによって、触媒層内部で生成される水分の排出を円滑に行うことが可能になる。また、質量比を30:70以下にすることによって、触媒層の乾燥を抑えることができる。a>c>bを満たす炭素繊維集合体を用いる際、炭素繊維と担持触媒との質量比を10:90〜30:70の範囲にすることにより、触媒層内の水分量を適量に維持することができるため、間欠長期運転時の触媒層の変形を抑制することができる。その結果、炭素繊維集合体に加わる応力を軽減することができるため、出力維持性能をより向上させることができる。質量比は、25:75〜30:70の範囲がより好ましい。
触媒層は、プロトン伝導体を含有していても良い。プロトン伝導体は、(イ)炭化水素系プロトン伝導体、すなわち、主鎖が炭化水素からなる高分子にプロトン伝導性を付与するためにスルホン酸基、ホスホン酸基、カルボン酸基等のイオン交換基を導入したもの、(ロ)フッ素系プロトン伝導体、主鎖が、フッ素で置換された炭化水素からなる高分子にプロトン伝導性を付与するためにスルホン酸基、ホスホン酸基、カルボン酸基等のイオン交換基を導入したもの、(ハ)主鎖に実質的に炭素原子を含まないポリシロキサン、ポリフォスファゼン等の高分子にプロトン伝導性を付与するためにスルホン酸基、ホスホン酸基、カルボン酸基等のイオン交換基を導入したもの、(ニ)(イ)〜(ハ)のイオン交換基導入前の高分子を構成する繰り返し単位から選ばれる2種以上を繰り返し単位とする共重合体にプロトン伝導性を付与するためにスルホン酸基、ホスホン酸基、カルボン酸基等のイオン交換基を導入したもの等が挙げられる。ここで、「高分子もしくは共重合体にイオン交換基を導入した」とは、「高分子もしくは共重合体骨格にイオン交換基を化学結合を介して導入した」ことを意味する。また、(イ)および(ロ)における主鎖は酸素原子等のヘテロ原子で中断されていてもよい。化学的安定性の観点は、(ロ)のフッ素系プロトン伝導体が優れている。耐熱性の観点は、主鎖に芳香環を有する高分子からなるものが優れている。
(イ)炭化水素系プロトン伝導体の具体例は、主鎖が脂肪族炭化水素からなるものとして、例えば、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリ(α−メチルスチレン)スルホン酸等が挙げられる。また、主鎖に芳香環を有するものとして、例えば、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ(アリーレン・エーテル)、ポリイミド、ポリ(4−フェノキシベンゾイル−1,4−フェニレン)、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニルキノキサレン等の単独重合体のそれぞれにスルホン酸基が導入されたもの、アリールスルホン化ポリベンズイミダゾール、アルキルスルホン化ポリベンズイミダゾール、アルキルホスホン化ポリベンズイミダゾール、ホスホン化ポリ(フェニレンエーテル)等が挙げられる。
(ロ)フッ素系プロトン伝導体の具体例は、例えば、パーフルオロカーボンスルホン酸塩、ホスホン酸基を有するパーフルオロアルキルポリマー、ポリトリフルオロスチレンスルホン酸、ポリトリフルオロスチレンホスホン酸等が挙げられる。
(ニ)のプロトン伝導体における共重合体は、ランダム共重合体、交互共重合体およびブロック共重合体のいずれであってもよい。ランダム共重合体にイオン交換基が導入されたものとしては、例えば、スルホン化ポリエーテルスルホン−ジヒドロキシビフェニル共重合体等が挙げられる。ブロック共重合体にイオン交換基が導入されたものとしては、例えば、スチレン−(エチレン−ブチレン)−スチレントリブロック共重合体にイオン交換基を導入したもの等が挙げられる。
プロトン伝導体のプロトン伝導性やそれ自身の物質安定性の観点は、ペルフルオロスルホン酸塩が優れている。ペルフルオロスルホン酸塩の市販品を例示すると、例えばナフィオン(デュポン社製 商品名)、フレミオン(旭硝子社製 商品名)等が挙げられる。
炭素繊維集合体の表面に存在するプロトン伝導体は、上記の種類から選択したものを使用することができる。
なお、触媒層には、出力維持性能を阻害しない範囲で、担持触媒、炭素繊維およびプロトン伝導体以外の成分、例えばケイ素酸化物(例えばガラス、石英粉、珪石粉、珪藻土、シリカフューム、天然シリカ、コロイダルシリカ等)、アルミニウム酸化物(酸化アルミニウム、アルミナ)、酸化チタン、雲母、絹雲母、ゼオライト、セリサイト、カオリンクレー、カオリン、焼成カオリン(メタカオリン)、石綿、マイカ、タルク、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミ、ジルコニア、カーボン等の粒子が含まれていてもよい。
多孔質基材は、ガス拡散層としての役割を有する。電極を燃料極として使用する場合、触媒層に燃料を均一に供給する機能とともに、触媒層で生成された電子を効率よく外部へ伝達する集電体としての機能を併せ有する。また、この電極を酸化剤極(例えば空気極)として使用する場合、触媒層に酸化剤を均一に供給する機能とともに、外部から供給される電子を効率よく触媒層へ伝達する集電体としての機能を併せ有する。多孔質基材は、例えば、導電性材料で形成することができる。
多孔質基材は、例えば、導電性繊維をシート状に加工したものを挙げることができる。具体的には、カーボンファイバ等で形成されるカーボンクロスやカーボンペーパ等を挙げることができる。カーボンペーパあるいはカーボンクロスは、例えば、繊維径1μm程度以上のカーボンファイバで作製され、気孔率が50%以上のものを使用することができる。多孔質基材は、焼結体であってもよく、金属あるいは金属酸化物(スズ酸化物、チタン酸化物等)を焼結したものを使用することができる。
触媒層の作製方法を以下に説明する。炭素繊維をアルコール系溶媒中に懸濁させた後、得られた溶液を撹拌羽で撹拌しながら超音波振動をかけることにより解砕する。この解砕済み懸濁液に、担持触媒およびプロトン伝導体、あるいは、これらの成分と任意成分とを溶媒に分散させてスラリーを調製する。得られたスラリーを多孔質基材等の基板に、コーターやスプレー等により1回ないし複数回に分けて塗付し乾燥させることにより触媒層を形成することができる。溶媒としては、水、イソプロピルアルコールなどのアルコール、これらの混合物等を用いることができる。
炭素繊維にアルコール系溶媒を混合して単純に混練を行っただけでは、炭素繊維は容易にほぐれない。超音波振動による解砕を行うことによって、a>c>bを満たす炭素繊維集合体を含む触媒層を得ることができる。なお、超音波振動を加える時間を調整することにより、a,b,cの値を制御することができる。
炭素繊維には、予め表面に撥水処理を施しておくことができる。これにより、触媒層内部で生成される水分をより速やかに排出させることが可能となる。撥水処理の方法は特に限定されるものではなく、種々の方法を用いることができる。具体的には、炭素繊維をエタノールの存在下に各種シランカップリング剤と混合する方法、炭素繊維を高温でフッ素と反応させる方法、炭素繊維の水分散液にフッ素樹脂、シリコーン樹脂、シランカップリング剤等の撥水性物質を有機溶剤に溶解した溶液を適下乃至スプレー含浸させる方法等が使用される。均一な撥水処理を行う観点は、炭素繊維を高温でフッ素と反応させる方法が優れている。
撥水性物質は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ化エチレンポリプロピレンコポリマー(FEP)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテルコポリマー(PFA)、エチレン・テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、三フッ化塩化エチレン・エチレンコポリマー(E−CTFE)等のフッ素樹脂が挙げられる。PTFEは、撥水性に優れるため、触媒層からの水分排出を促進する効果が高い。
炭素繊維に対する撥水性物質の割合は、5〜60質量%の範囲にすることができる。炭素繊維に対する撥水性物質の割合を5質量%以上にすることによって、撥水性を十分に付与することができる。当該割合を60質量%以下にすることによって、撥水性物質により炭素繊維の性質が損なわれるのを抑制することができる。炭素繊維に対する撥水性物質の割合のより好ましい範囲は、5〜35質量%の範囲であり、5〜20質量%の範囲がより一層好ましく、10〜18質量%の範囲が特に好ましい。
燃料電池用電極は、燃料極としても酸化剤極(例えば空気極)としても使用することができる。空気極に使用すると、燃料極のみに使用する場合に比して高い出力性能を得ることができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る燃料電池は、燃料極と、酸化剤極(例えば空気極)と、燃料極及び酸化剤極の間に配置された固体電解質膜とを含む。燃料極及び/または酸化剤極に、第1の実施形態の燃料電池用電極が用いられる。
第2の実施形態に係る燃料電池を図7,図8を参照して説明する。
燃料電池100は、膜電極接合体11と、液体燃料Fを収容する燃料収容部13と、燃料供給部12と燃料収容部13とを接続する流路14と、燃料導入部50と、燃料導入部50に燃料を供給する燃料供給部12と、酸化剤導入部40とを有する。
膜電極接合体11は、燃料極15と、空気極16と、燃料極15及び空気極16の間に配置されたプロトン伝導性の電解質膜17とから構成される。
燃料極15は、電解質膜17の一方の面に面して設けられた燃料極触媒層18と、燃料極触媒層18に積層された多孔質基材(図7では燃料極ガス拡散層)19とを有する。空気極16は、電解質膜17の他方の面に面して設けられた空気極触媒層20と、空気極触媒層20に積層された多孔質基材(図7では空気極ガス拡散層)21とを有する。
電解質膜17にはプロトン伝導体が含まれる。プロトン伝導体には、第1の実施形態で説明したのと同様な種類を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
電解質膜17とカバープレート22の間、及び、電解質膜17と燃料供給部12の間には、膜電極接合体11の周囲を取り囲むようにゴム製のOリング23が配置されており、これらによって燃料漏れや酸化剤漏れが防止されている。
酸化剤導入部40は、外部から空気などの酸化剤を取入れ、膜電極接合体11に供給する機能を有し、燃料電池の外装(例えばカバープレート)から、空気極ガス拡散層21に隣接して配置される部材がこの酸化剤導入部40に含まれる。酸化剤導入部40は、例えば、空気極ガス拡散層21に面して設けられた導電層24と、保湿層25と、カバープレート22とを有しているが、この構成に限られるものではなく、導電層24や保湿層25のない構成にすることができる。
導電層24は、必要に応じて設けられるもので、例えば、金、ニッケルなどの金属材料からなる多孔質層(例えばメッシュ)または箔体、あるいはステンレス鋼(SUS)などの導電性金属材料に金などの良導電性金属を被覆した複合材などが用いられる。
保湿層25は、必要に応じて、カバープレート22と空気極16との間に配置される。保湿層25は、空気極触媒層20で生成された水の一部が含浸されて、水の蒸散を抑制すると共に、生成した水の一部をアノード側へ拡散させる機能を有する。また、空気極ガス拡散層に酸化剤である空気を均一に導入し、空気極触媒層20への酸化剤の均一な拡散を促進する機能も有している。この保湿層25は、例えば、ポリエチレン多孔質膜等からなる平板で構成される。
カバープレート22は、酸化剤である空気を取り入れるための開口部としての貫通孔22aを複数有している。カバープレート22は、空気の取り入れ量を調整するものであり、その調整は、空気導入口の個数や大きさ等を変更することで行われる。また、膜電極接合体や保湿層を加圧して密着性を高める役割も果たしている。カバープレート22は、例えば、SUS304のような金属で構成することができるが、これに限定されるものではない。このようなカバープレート22を備えることにより、酸化剤を供給するためのブロワを用いることなく、酸化剤を空気極16に自然供給することができる。なお、酸化剤は、空気に限定されるものではなく、Oを含むガスを使用可能である。
膜電極接合体11の燃料極15側には、燃料供給部としての燃料分配機構12が配置されている。燃料供給部12は、燃料導入部50の燃料取入面に面した燃料排出口を有し、燃料排出口を通して燃料導入部50に燃料を供給する。燃料分配機構12は配管のような液体燃料Fの流路14を介して燃料収容部13と接続されている。燃料分配機構12には燃料収容部13から流路14を介して液体燃料Fが導入される。流路14は燃料分配機構12や燃料収容部13と独立した配管に限られるものではない。例えば、燃料分配機構12と燃料収容部13とを積層して一体化する場合、これらを繋ぐ液体燃料Fの流路であってもよい。燃料分配機構12は流路14を介して燃料収容部13と接続されていればよい。
液体燃料Fを燃料収容部13から燃料分配機構12まで送る機構は特に限定されるものではない。例えば、使用時の設置場所が固定される場合には、重力を利用して液体燃料Fを燃料収容部13から燃料分配機構12まで落下させて送液することができる。また、多孔体等を充填した流路14を用いることによって、毛細管現象で燃料収容部13から燃料分配機構12まで送液することができる。さらに、燃料収容部13から燃料分配機構12への送液は、図7に示すように、ポンプ26で実施してもよい。あるいは、燃料分配機構12から膜電極接合体11への燃料供給が行われる構成であればポンプ26に代えて燃料遮断バルブを配置する構成とすることも可能である。この場合には、燃料遮断バルブは、流路による液体燃料Fの供給を制御するために設けられるものである。
ポンプ26は、燃料収容部13から燃料分配機構12に液体燃料を単に送液する供給ポンプとして機能するものであり、燃料電池セルに供給された過剰な液体燃料を循環する循環ポンプとしての機能を備えるものではない。このポンプを備えた燃料電池は、燃料を循環しないことから、従来のアクティブ方式とは構成が異なり、従来の内部気化型のような純パッシブ方式とも構成が異なる、いわゆるセミパッシブ型と呼ばれる方式に該当する。なお、燃料供給手段として機能するポンプの種類は、特に限定されるものではないが、少量の液体燃料を制御性よく送液することができ、さらに小型軽量化が可能という観点から、ロータリベーンポンプ、電気浸透流ポンプ、ダイアフラムポンプ、しごきポンプ等を使用することが好ましい。ロータリベーンポンプは、モータで羽を回転させて送液するものである。電気浸透流ポンプは、電気浸透流現象を起こすシリカ等の焼結多孔体を用いたものである。ダイアフラムポンプは、電磁石や圧電セラミックスによりダイアフラムを駆動して送液するものである。しごきポンプは、柔軟性を有する燃料流路の一部を圧迫し、燃料をしごき送るものである。これらのうち、駆動電力や大きさ等の観点から、電気浸透流ポンプや圧電セラミックスを有するダイアフラムポンプを使用することがより好ましい。上記したようにポンプを設ける場合、ポンプは、制御手段(図示しない)と電気的に接続され、この制御手段によって、燃料供給部に供給される液体燃料の供給量が制御される。
燃料分配機構12は、図8に示すように、液体燃料Fが流路14を介して流入する少なくとも1個の燃料注入口27と、液体燃料Fやその気化成分を排出する複数個の燃料排出口28とを有する燃料分配板29を備えている。燃料分配板29の内部には図7に示すように、燃料注入口27から導かれた液体燃料の通路となる空隙部30が設けられている。複数の燃料排出口28は燃料通路として機能する空隙部30にそれぞれ直接接続されている。
燃料分配板29は、例えば、液体燃料の気化成分や液体燃料を透過させない材料で構成され、具体的には、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、ポリイミド系樹脂等で構成される。ここで、燃料電池において、燃料分配機構12に導入された液体燃料は、燃料分配板29の複数の開口部から燃料導入部50に導かれ、液体燃料の気化成分がアノード(燃料極)の全面に対して供給される。このように、燃料分配板29によって、アノード(燃料極)に供給される燃料供給量を均一化することが可能となる。
燃料注入口27から燃料分配機構12に導入された液体燃料Fは空隙部30に入り、この燃料通路として機能する空隙部30を介して複数の燃料排出口28にそれぞれ導かれる。複数の燃料排出口28には、例えば液体燃料の気化成分のみを透過し、液体成分は透過させない気液分離体(図示せず)を配置してもよい。これによって、膜電極接合体11の燃料極15には液体燃料の気化成分が供給される。液体燃料の気化成分は複数の燃料排出口28から燃料導入部50の複数個所に向けて排出される。
燃料排出口28は膜電極接合体11の全体に燃料を供給することが可能なように、燃料分配板29の燃料導入部50と対向する面に複数設けられている。燃料排出口28の個数は2個以上であればよいが、膜電極接合体11の面内における燃料供給量を均一化する上で、0.1〜10個/cm2の燃料排出口28が存在するように形成することが好ましい。
上述した燃料分配機構12に導入された液体燃料Fは空隙部30を介して複数の燃料排出口28に導かれる。燃料分配機構12の空隙部30はバッファとして機能するため、複数の燃料排出口28からそれぞれ規定濃度の燃料が排出される。そして、複数の燃料排出口28は膜電極接合体11の全面に燃料が供給されるように配置されているため、膜電極接合体11に対する燃料供給量を均一化することができる。
燃料収容部13には、膜電極接合体11に対応した液体燃料Fが収容されている。液体燃料Fとしては、各種濃度のメタノール水溶液や純メタノール等のメタノール燃料が挙げられる。液体燃料Fは必ずしもメタノール燃料に限られるものではない。液体燃料Fは、例えばエタノール水溶液や純エタノール等のエタノール燃料、プロパノール水溶液や純プロパノール等のプロパノール燃料、グリコール水溶液や純グリコール等のグリコール燃料、ジメチルエーテル、ギ酸、その他の液体燃料であってもよい。いずれにしても、燃料収容部13には膜電極接合体11に応じた液体燃料Fが収容される。
液体燃料の種類や濃度は限定されるものではない。ただし、複数の燃料排出口28を有する燃料分配機構12の特徴がより顕在化するのは燃料濃度が濃い場合である。このため、燃料電池は、濃度が80%以上のメタノール水溶液もしくは純メタノールを液体燃料として用いた場合に、その性能や効果を特に発揮することができる。
燃料導入部50は、燃料分配機構12の燃料排出口28から排出された燃料を膜電極接合体11に供給する機能を有し、燃料極ガス拡散層19と燃料分配機構12との間に配置される部材がこの燃料導入部50に含まれる。燃料導入部50は、燃料極ガス拡散層19に面して設けられ、燃料分配機構12の燃料排出口28と接する燃料取入れ面を有する。ここで燃料取入れ面とは、燃料分配機構12の燃料排出口28と接する層の燃料排出口28側の表面を指す。
図7に示す燃料導入部50には、燃料極ガス拡散層19に面して設けられた導電層24及び燃料拡散層31が含まれている。しかしながらこれに限定されず、燃料拡散層31が含まれなくてもよく、或いは他の層を含んでいてもよい。
導電層24は、必要に応じて設けられるもので、例えば、金、ニッケルなどの金属材料からなる多孔質層(例えばメッシュ)または箔体、あるいはステンレス鋼(SUS)などの導電性金属材料に金などの良導電性金属を被覆した複合材などが用いられる。
燃料拡散層31は、燃料供給部12の燃料排出口28と接する表面を有し、燃料排出口28から排出された燃料を気化燃料として燃料極15に均一に拡散させる役割をなす。
燃料分配機構12から放出された燃料は、燃料導入部50を介して膜電極接合体11に導入される。膜電極接合体11において燃料は燃料極ガス拡散層19を拡散して燃料極触媒層18に供給される。燃料としてメタノール燃料を使用する場合には、次の式(A)に示すメタノールの内部改質反応が生じる。
CHOH+HO → CO+6H+6e …式(A)
内部改質反応で生成されたプロトン(H)は、電解質膜17を伝導し、空気極触媒層20に到達する。空気極ガス拡散層21から供給される気体燃料(たとえば空気)は、空気極ガス拡散層21を拡散して、カソード触媒に供給される。カソード触媒に供給された空気は、次の式(B)に示す反応を生じる。この反応によって、水が生成され、発電反応が生じる。
(3/2)O+6H+6e → 3HO …式(B)
発電反応により生じた水は、空気極16から電解質膜17を通して燃料極触媒層18に供給される。
第2の実施形態に係る燃料電池は、図6〜図7に示す構造に限定されるものではなく、例えば、図8に示す構成にすることができる。なお、図6〜図7で説明したのと同様な部材は同符号を付して説明を省略する。
燃料導入部50の燃料拡散層31は、燃料供給部12側から、拡散シート(日東電工製の商品名サンマップ)51、気液分離膜52、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜53がこの順番で積層されたものである。PTFE膜53に導電層24が積層されている。拡散シート51の表面は、燃料供給部12の燃料排出口28と接している。気液分離膜は、液体燃料の気化成分と液体燃料とを分離し、その気化成分をアノード(燃料極)側に通過させるものである。この気液分離膜は、液体燃料に対して不活性で溶解しない材料でシート状に構成され、具体的には、シリコーンゴム、低密度ポリエチレン(LDPE)薄膜、ポリ塩化ビニル(PVC)薄膜、ポリエチレンテレフタレート(PET)薄膜、フッ素樹脂{例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)など}微多孔膜などの材料で構成される。また、気液分離膜は、周縁から燃料などが漏れないように構成されている。PTFE膜は、水蒸気の透過を抑制し、アノードに過剰量の水蒸気が供給されるのを防止する。
なお、気液分離膜とアノードとの間に、樹脂製のフレーム(図示しない)を設けてもよい。フレームで囲まれた空間は、気液分離膜を拡散してきた気化燃料を一時的に収容する気化燃料収容室(いわゆる蒸気だまり)として機能するとともに、膜電極接合体を密着させる補強板としても機能する。この気化燃料収容室および気液分離膜の透過メタノール量抑制効果により、一度に多量の気化燃料がアノード触媒層に供給されるのを回避することができる。なお、フレームは、短形のフレームで、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK:ヴィクトレックス社商標)等の耐薬性の高いエンジニアリングプラスチックで構成される。
酸化剤導入部40は、空気極16側から、導電層24、PTFE膜54、保湿層25、補強板55、カバープレート56がこの順番に積層された多層構造を有する。補強板55及びカバープレート56は、例えば、SUSから形成され、いずれも、酸化剤である空気を取り入れるための開口部(図示しない)を複数有している。PTFE膜54は、空気極触媒層20で生成された水の一部が含浸されて、水の蒸散を抑制すると共に、空気極触媒層20への空気の均一拡散を促進する。
実施形態に適用可能な燃料電池は、その形態から、液体燃料と酸化剤の供給をポンプなどの補器を用いて行うアクティブ型燃料電池、液体燃料の気化成分をアノードに供給するパッシブ型(内部気化型)燃料電池、図7に例示するセミパッシブ型の燃料電池などが挙げられる。アクティブ型燃料電池では、メタノール水溶液からなる燃料について、その量が一定になるようにポンプで調整しながら膜電極接合体のアノードへ供給する一方、カソードに対しても空気をポンプで供給する方式が採られる。パッシブ型燃料電池では、膜電極接合体のアノードに気化したメタノールを自然供給で送り、一方カソードに対しても外部の空気を自然供給することで、ポンプなどの余計な機器を装備しない方式が採られる。セミパッシブ型の燃料電池は、燃料収容部から膜電極接合体に供給された燃料は発電反応に使用され、その後に循環して燃料収容部に戻されることはない。セミパッシブ型の燃料電池では、燃料を循環させないことから、アクティブ方式とは異なるものであり、装置の小型化等を損なうものではない。また、セミパッシブ型の燃料電池は、燃料の供給にポンプを使用しており、内部気化型のような純パッシブ方式とも異なる。なお、このセミパッシブ型の燃料電池では、燃料収容部から膜電極接合体への燃料供給が行われる構成であればポンプに代えて燃料遮断バルブを配置する構成とすることも可能である。この場合には、燃料遮断バルブは、流路による液体燃料の供給を制御するために設けられる。
上述した実施形態の燃料電池は、各種の液体燃料を使用した場合に効果を発揮し、液体燃料の種類や濃度は限定されるものではない。さらに、上述した実施形態は、燃料電池本体の構成として燃料の供給にポンプを使用したセミパッシブ型のものを例に挙げて説明したが、内部気化型のような純パッシブ型の燃料電池に対しても実施形態を適用することが可能である。
以下、実施例を図面を参照して詳細に説明するが、本発明の実施形態はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例および比較例中の各種物性値等は下記に示す方法で測定した。
[触媒粒子および導電性粒子の平均粒径]
触媒粒子の平均粒径は、X線回折装置(XRD)を用いて測定した。具体的には、触媒粒子が担持された導電性粒子(担持触媒)を乳鉢で触媒粒子が崩れない程度に粉砕した後、アルミ試料板に充填し、(株)リガク製のRigaku−1200Vを用いて測定後、解析ソフトでシャラーの式解析を行い、平均粒径を確認した。また、導電性粒子の平均粒径は、粒度分布計を用いて測定した。具体的には、触媒粒子が担持された導電性粒子を(株)島津製作所製のSHIMAZU SALD−2200粒度分布計を用いて測定した。
[触媒担持量]
ICP発光分光法により測定した。
[a,b,c、長さ比(a/b)、触媒層10000μm3当たりの炭素繊維集合体の個数、炭素繊維の嵩密度]
前述の方法により測定した。
(実施例1)
[空気極の作製]
嵩密度0.04g/ccのカップ積層型カーボンナノチューブを、アルコール系溶媒としてのイソプロパノールに懸濁させた溶液を調製した。得られた懸濁液を撹拌羽で撹拌しながら120分間超音波振動をかけることにより解砕した。この解砕済み懸濁液6.6g(固形分重量で0.5g)に、Pt粒子(触媒粒子)を担持したカーボン粒子(導電性粒子)を1.5g、ナフィオン(商品名)20重量%含有溶液を6g、イオン交換水を5.2gおよびイソプロピルアルコール2.4gを攪拌混合機により混合して、空気極用触媒スラリーを調製した。
撥水処理したカーボンペーパからなる多孔質基材(厚み200μm、面積12cm2、気孔率70体積%)の片面に、上記空気極用触媒スラリーを塗布し乾燥させて厚さ100μmの空気極用触媒層を形成した。
[燃料極の作製]
平均粒径2〜3nmのPt−Ru粒子(触媒粒子)を担持した粒径4〜6nm(平均粒径5nm)のカーボン粒子(導電性粒子)からなる担持触媒(Pt−Ru含有量:54質量%)を1g、ペルフルオロスルホン酸塩溶液(ナフィオン(商品名)20重量%含有)を8.65g、イオン交換水を2.42g、およびイソプロピルアルコール2.28gを攪拌混合機により混合して、燃料極用触媒スラリーを調製した。
空気極で用いたのと同様な種類の多孔質基材の片面に、上記燃料極用触媒スラリーを塗布し乾燥させて厚さ100μmの燃料極用触媒層を形成した。
[燃料電池用膜電極接合体および燃料電池の製造]
上記空気極用触媒層を形成した多孔質基材および上記燃料極用触媒層を形成した多孔質基材をそれぞれ空気極および燃料極として、ペルフルオロスルホン酸塩からなる電解質膜(商品名 ナフィオン112)の両面に、各触媒層を電解質膜側に向けて重ね合わせ、150℃、4MPaで10分間、加熱プレスして膜電極接合体を作製した。
この膜電極接合体を、空気および気化したメタノールを取り入れるための複数の開孔を有する金箔で挟み、アノード導電層およびカソード導電層を形成した。
上記の膜電極接合体(MEA)、アノード導電層、カソード導電層が積層された積層体を樹脂製の2つのフレームで挟み込んだ。なお、膜電極接合体のカソード側と一方のフレームとの間、膜電極接合体のアノード側と他方のフレームとの間には、それぞれゴム製のOリングを挟持してシールを施した。
また、アノード側のフレームは、気液分離膜を介して液体燃料収容室にネジ止めによって固定した。気液分離膜には、厚さ0.2mmのシリコーンシートを使用した。一方、カソード側のフレーム上には、気孔率が28%で、厚さが200μmの多孔質板を配置し、保湿層を形成した。この保湿層上には、空気取り入れのための空気導入口(口径4mm、口数64個)が形成された厚さが2mmのステンレス板(SUS304)を配置してカバープレートを形成し、ネジ止めによって固定し、パッシブ型のDMFCを得た。
(実施例2〜4)
超音波振動による処理時間を下記表1のように変更することにより、炭素繊維集合体のa,b,c、長さ比(a/b)、触媒層10000μm3当たりの炭素繊維集合体の個数を下記表1のように調整すること以外は、実施例1と同様にしてパッシブ型のDMFCを得た。
(実施例5)
炭素繊維の嵩密度及び質量比を下記表1のように変更することにより、触媒層10000μm3当たりの炭素繊維集合体の個数を下記表1のように調整すること以外は、実施例1と同様にしてパッシブ型のDMFCを得た。
(実施例6,7)
超音波振動による処理時間を下記表1のように変更することにより、炭素繊維集合体のa,b,c、長さ比(a/b)、触媒層10000μm3当たりの炭素繊維集合体の個数を下記表1のように調整すること以外は、実施例5と同様にしてパッシブ型のDMFCを得た。
(実施例8)
[燃料極の作製]
嵩密度0.16g/ccのカップ積層型カーボンナノチューブを、アルコール系溶媒としてのイソプロパノールに懸濁させた溶液を調製した。得られた懸濁液を撹拌羽で撹拌しながら120分間超音波振動をかけることにより解砕した。この解砕済み懸濁液6.6g(固形分重量で0.5g)に、Pt−Ru粒子(平均粒径2〜3nm)を担持した粒径4〜6nm(平均粒径5nm)のカーボン粒子(Pt−Ru含有量:54質量%)を1g、ペルフルオロスルホン酸塩溶液(ナフィオン(商品名)20重量%含有)を8.65g、イオン交換水を2.42g、およびイソプロピルアルコール2.28gを攪拌混合機により混合して、燃料極用触媒スラリーを調製した。
実施例1で用いたのと同様な種類の多孔質基材の片面に、上記燃料極用触媒スラリーを塗布し乾燥させて厚さ100μmの燃料極用触媒層を形成した。
[空気極の作製]
Pt粒子を担持したカーボン粒子を1.5g、ナフィオン(商品名)20重量%含有溶液を6g、イオン交換水を5.2gおよびイソプロピルアルコール2.4gを攪拌混合機により混合して、空気極用触媒スラリーを調製した。
実施例1で用いたのと同様な種類の多孔質基材の片面に、上記空気極用触媒スラリーを塗布し乾燥させて厚さ100μmの空気極用触媒層を形成した。
得られた燃料極及び空気極を用いること以外は、実施例1と同様にしてパッシブ型のDMFCを得た。
(比較例1)
炭素繊維集合体を用いないこと以外は、実施例1と同様にしてパッシブ型のDMFCを得た。
(比較例2)
嵩密度0.16g/ccのカップ積層型カーボンナノチューブに乾燥状態でジェットミルにて予備粉砕を行ない、長繊維をメッシュにて取り除いた後、短繊維のみのカーボンナノチューブを、アルコール系溶媒としてのイソプロパノールに懸濁させた溶液を調製した。得られた懸濁液を撹拌羽で撹拌しながら300分間超音波振動をかけることにより解砕した。この解砕済み懸濁液を用いて実施例1で説明したのと同様にして空気極を作製した。得られた空気極から実施例1と同様にしてパッシブ型のDMFCを得た。
(比較例3)
嵩密度0.16g/ccのカップ積層型カーボンナノチューブに乾燥状態で比較例2と同様に予備粉砕を行ない、長繊維をメッシュにて取り除いた後、短繊維のみのカーボンナノチューブを、アルコール系溶媒としてのイソプロパノールに懸濁させた溶液を調製した。得られた懸濁液を撹拌羽で撹拌しながら360分間超音波振動をかけることにより解砕した。この解砕済み懸濁液を用いて実施例1で説明したのと同様にして空気極を作製した。得られた空気極から実施例1と同様にしてパッシブ型のDMFCを得た。
(比較例4)
嵩密度0.16g/ccのカップ積層型カーボンナノチューブに乾燥状態で比較例2と同様に予備粉砕を行ない、長繊維のみをメッシュにて分別し、得られた長繊維のみのカーボンナノチューブを、アルコール系溶媒としてのイソプロパノールに懸濁させた溶液を調製した。得られた懸濁液を撹拌羽で撹拌しながら360分間超音波振動をかけることにより解砕した。この解砕済み懸濁液を用いて実施例1で説明したのと同様にして空気極を作製した。得られた空気極から実施例1と同様にしてパッシブ型のDMFCを得た。
(比較例5)
嵩密度0.16g/ccのカップ積層型カーボンナノチューブに乾燥状態で比較例2と同様に予備粉砕を行ない、長繊維のみをメッシュにて分別し、得られた長繊維のみのカーボンナノチューブを、アルコール系溶媒としてのイソプロパノールに懸濁させた溶液を調製した。得られた懸濁液を撹拌羽で撹拌しながら300分間超音波振動をかけることにより解砕した。この解砕済み懸濁液を用いて実施例1で説明したのと同様にして空気極を作製した。得られた空気極から実施例1と同様にしてパッシブ型のDMFCを得た。
上記したように形成された燃料電池の液体燃料収容室に、純メタノールをポンプで注入し、電圧が安定になるまで待った。その後、初期出力密度及び出力維持率を下記の方法で測定し、その結果を下記表1に示す。
[初期出力密度の測定]
温度25℃、相対湿度50%RHの環境下で、電流値を適宜変化させて、電流・電圧曲線を測定し、単位面積当たりの最大出力を求める。これを初期出力密度とする。比較例1の初期出力密度を1とした相対値を表1に示す。
[維持率の測定]
初期出力密度を測定後、温度25℃、相対湿度50%RH環境下で、0.35V定電圧で2時間運転と2時間休止を100サイクル繰り返した後、再度、電流・電圧曲線を測定し、単位面積当たりの最大出力を求める。次式より、出力密度維持率を算出した。
維持率(%)=(100サイクル後の最大出力密度/初期最大出力密度)×100
Figure 2011233483
表1から明らかな通りに、実施例1〜8は、出力密度維持率が比較例1〜5に比して高く、間欠長期運転時の出力維持性能に優れている。また、実施例1と実施例8を比較することにより、実施例1のように空気極に使用しても、実施例8のように燃料極に使用しても、高い出力密度維持率を得られることがわかる。
比較例1〜5の出力密度維持率が低い原因は、次のように推察される。比較例1は、炭素繊維集合体を用いていないため、カソードフラッディングが生じると共に、触媒層のプロトン伝導性が劣る。比較例2はa=b=cを満たす炭素繊維集合体を用い、比較例3はa=b>cを満たす炭素繊維集合体を用い、比較例4はa>b=cを満たす炭素繊維集合体を用い、比較例5はa>b>cを満たす炭素繊維集合体を用いる。間欠長期運転の際、触媒層は主に面内方向に膨張収縮する傾向がある。比較例2の炭素繊維集合体は、球形に近い形状をしているため、膨張収縮による応力を緩和する作用が十分でない。また、比較例3〜5の炭素繊維集合体は、いずれも、触媒層の厚さ方向の長さが第一辺または第二辺によりも長いため、比較例2と同様に、膨張収縮による応力を緩和する作用が十分でない。よって、比較例2〜5の炭素繊維集合体は、間欠長期運転の際に触媒層がほぐれるため、触媒層中のプロトン伝導パスが分断され、出力低下を招く。
これに対し、実施例1〜8で用いる炭素繊維集合体は、a>c>bを満たすため、膨張収縮による応力を緩和する作用に優れている。その結果、間欠長期運転の際に触媒層がほぐれるのが抑制され、触媒層の微細構造の崩壊が防止されるため、高い出力密度維持率を得られる。
本発明の実施形態は液体燃料を使用した各種の燃料電池に適用することができる。また、燃料電池の具体的な構成や燃料の供給状態等も特に限定されるものではない。実施段階では実施形態の技術的思想を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。さらに、上記実施形態に示される複数の構成要素を適宜組み合わせたり、また実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除する等、種々の変形が可能である。本発明の実施形態は技術的思想の範囲内で拡張もしくは変更することができ、この拡張、変更した実施形態も技術的範囲に含まれるものである。
1…触媒層、2…多孔質基材、3…触媒層における多孔質基材が積層される面、4…第一辺、5…第二辺、6…炭素繊維集合体、11…膜電極接合体(MEA)、12…燃料供給部(燃料分配機構)、13…燃料収容部、14…流路、15…燃料極(アノード)、16…空気極(カソード)、17…電解質膜、18…燃料極触媒層、19…燃料極ガス拡散層、20…空気極触媒層、21…空気極ガス拡散層、22…カバープレート、22a…開口部、23…Oリング、24…導電層、25…保湿層、26…ポンプ、27…燃料注入口、28…燃料排出口、29…燃料分配板、30…空隙部、40…酸化剤導入部、50…燃料導入部、100…燃料電池。

Claims (7)

  1. 導電性粒子と、前記導電性粒子に担持された触媒と、下記(1)式に示す関係を満たす炭素繊維集合体とを含む触媒層と、
    前記触媒層が積層される多孔質基材と
    を含むことを特徴とする燃料電池用電極。
    a>c>b (1)
    但し、前記触媒層における前記多孔質基材が積層される面の第一辺に平行に前記触媒層を切断した断面を第1の断面とし、前記第一辺に垂直な第二辺に平行に前記触媒層を切断した断面を第2の断面とした際、前記aは前記第1の断面における前記炭素繊維集合体の前記第一辺に平行な長さで、前記cは前記第2の断面における前記炭素繊維集合体の前記第二辺に平行な長さで、前記bは、前記第1の断面及び前記第2の断面における前記炭素繊維集合体の前記触媒層の厚さ方向に平行な長さの平均である。
  2. 前記aは3.3μm以上30μm以下であり、前記bは1.4μm以上10μm以下であることを特徴とする請求項1記載の燃料電池用電極。
  3. (a/b)で表される比は1.2以上5.5以下であることを特徴とする請求項2記載の燃料電池用電極。
  4. 前記触媒層10000μm3当たりの前記炭素繊維集合体の個数は1個以上27個以下であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の燃料電池用電極。
  5. 炭素繊維のかさ密度が0.04g/cc以上0.16g/cc以下であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の燃料電池用電極。
  6. 炭素繊維と前記触媒を担持した前記導電性粒子との質量比が、10:90〜30:70であることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の燃料電池用電極。
  7. 燃料極と、酸化剤極と、前記燃料極及び前記酸化剤極の間に配置された固体電解質膜とを備える燃料電池であって、
    前記燃料極及び/または前記酸化剤極に、請求項1〜6いずれか1項記載の燃料電池用電極を用いることを特徴とする燃料電池。
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