JP2011233376A - 色素増感太陽電池におけるバッファ層の形成方法 - Google Patents

色素増感太陽電池におけるバッファ層の形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】基板として、例えば合成樹脂などの高温に弱い材料を用いることができる色素増感太陽電池におけるバッファ層の形成方法を提供する。
【解決手段】透明電極と、対向電極と、これら両電極間に配置される電解質層と、両電極間で且つ透明電極側に配置される光触媒膜とを具備する色素増感太陽電池における上記透明電極と光触媒膜との間に配置されるバッファ層の形成方法であって、液噴霧ノズル61により光触媒前駆体である金属アルコキシドをアルコール液に溶かしてなる混合液Bを透明電極1の表面に塗布した直後に、蒸気噴霧ノズル62にて過熱水蒸気Hを噴霧して焼成させることにより、バッファ層を形成する方法である。
【選択図】図2

Description

本発明は、色素増感太陽電池におけるバッファ層の形成方法に関する。
一般に、色素増感型太陽電池は、ガラス板などの透明基板上に透明導電膜が形成されてなる透明電極と、同様に透明基板の表面に透明導電膜が形成されてなる対向電極と、これら両電極間に配置されるヨウ素系の電解質層と、上記両電極間で且つ上記透明電極の表面に配置される光触媒膜とから構成され、且つこの光触媒膜としては、酸化チタン(TiO)などの金属酸化物を形成した後、ルテニウムなどの光増感色素を染色したものが知られている。
そして、この構成によると、透明電極と電解質層とが接触していることから、電解質に液体を用いた場合には、透明電極から電解質層に電子が漏れ出してしまい、逆電流が発生して発電効率が低下するという問題があった。
この問題を解決するものとして、透明電極と光触媒膜(金属酸化物)との間に酸化チタン、酸化亜鉛などの半導体からなる緻密な膜、所謂バッファ層を形成することで、上記逆電流を防止する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−311162号公報
ところで、上記特許文献1の構成によると、半導体膜を形成する際に、500℃程度の高温で焼結させる必要があるため、透明電極の基板として軽量で且つ安価な合成樹脂を用いることができないという問題があった。
なお、低温でバッファ層を形成する方法も開示されているが、スパッタ法や真空蒸着を用いているため、装置が大掛かりで高価なものになるという問題があった。
そこで、本発明は、基板として、例えば合成樹脂などの高温に弱い材料を用いることができる色素増感太陽電池におけるバッファ層の形成方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の色素増感太陽電池におけるバッファ層の形成方法は、透明電極と、対向電極と、これら両電極間に配置される電解質層と、両電極間で且つ透明電極側に配置される光触媒膜とを具備する色素増感太陽電池における上記透明電極と光触媒膜との間に配置されるバッファ層の形成方法であって、
光触媒の前駆体をアルコール液に溶かしてなる混合液を上記透明電極の表面に塗布するとともに、または塗布した後、過熱水蒸気を噴霧して焼成させることにより、バッファ層を形成する方法である。
また、上記形成方法において、光触媒が、酸化チタン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化亜鉛または酸化ニオブであり、且つ前駆体がその金属アルコキシドとする方法である。
また、上記各形成方法において、混合液を透明電極の表面に塗布する際に、スプレー法、スピンコート法またはディップ法を用いる方法である。
また、上記各形成方法において、過熱水蒸気の温度が100℃を超えて300℃までの範囲であり、
さらに過熱水蒸気の噴霧を二段にて行うとともに、1段目に噴霧する過熱水蒸気の温度が100℃を超えて300℃までの範囲であり、2段目に噴霧する過熱水蒸気の温度範囲が300℃を超えて500℃までの範囲とする方法である。
上記バッファ層の形成方法によると、バッファ層を透明電極に形成する際に、アルコール液に光触媒前駆体を含ませてなる混合液を透明電極の表面に塗布するとともに、または塗布した後、過熱水蒸気を噴霧して焼成するようにしたので、つまり電極全体を加熱する必要がないため、透明電極の基板材料として、合成樹脂などの耐熱性の低い材料を用いることができ、したがって太陽電池そのものの軽量化および低価格化を図ることができる。
また、温度が異なる過熱水蒸気を二段で噴霧することにより、下記のような効果が得られる。すなわち、低温の過熱水蒸気を噴霧して焼成することにより、酸化チタンの加水分解や結晶化が促進される。これによって、バッファ層内の酸化チタン量が増加する。そして、高温の過熱水蒸気を噴霧して焼成することにより、生成した酸化チタン粒子同士や、粒子と透明電極との結合が強固となり、また、余分な水分やアルコール、ごみなどを除去することができる。
本発明の実施の形態に係る色素増感太陽電池の基本構成を示す断面図である。 本発明の実施例1に係るバッファ層の形成方法を説明する側面図である。 同実施例1に係るバッファ層の形成方法に用いられる蒸気噴霧ノズルの外観斜視図である。 本発明の実施例2に係るバッファ層の形成方法を説明する側面図である。 本発明の実施例3に係るバッファ層の形成方法を説明する側面図である。
以下、本発明の実施の形態に係る色素増感太陽電池におけるバッファ層の形成方法を、図面に基づき説明する。
まず、本実施の形態に係る色素増感太陽電池の概略構成を図1に基づき説明する。
この色素増感太陽電池は、図1に示すように、負極としての透明電極1と、正極としての対向電極2と、これら両電極1,2間に配置される電解質層3と、両電極1,2間で且つ透明電極1側に配置される光触媒膜(光触媒層でもある)4とが具備され、さらに上記透明電極1と光触媒膜4との間に、酸化チタン、酸化亜鉛などからなるバッファ層5が設けられて、電子の逆流が防止されている。
上記透明電極1は、透明基板11およびこの透明基板11の表面に形成(配置)された透明導電膜12から構成されており、また対向電極2は、透明基板21およびこの透明基板21の表面に形成(配置)された透明導電膜22から構成されている。
上記各透明基板11,21としては、合成樹脂板、ガラス板などが適宜使用されるが、軽量化および低価格化の点で、ポリエチレン・ナフタレート(PEN)フィルムなどの熱可塑性樹脂が好ましい。なお、ポリエチレン・ナフタレートの他に、ポリエチレン・テレフタレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリオレフィンなどを使用することもできる。
また、透明導電膜12,22として、好ましくは、スズ添加酸化インジウム(ITO)が使用され、この他に、フッ素添加酸化スズ(FTO)、酸化スズ(SnO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、酸化亜鉛(ZnO)などの導電性金属酸化物を含む薄膜を使用することができる。
上記電解質層3としては、例えばヨウ素系電解液が使用される。具体的には、ヨウ素、ヨウ化物イオン、ターシャリーブチルピリジンなどの電解質成分が、エチレンカーボネートやメトキシアセトニトリルなどの有機溶媒に溶解されたものが用いられる。なお、電解質層3は、電解液に限られるものではなく、固体電解質であってもよい。
上記固体電解質としては、例えば、DMPImI(ジメチルプロピルイミダゾリウムヨウ化物)が例示され、このほか、LiI、NaI、KI、CsI、CaIなどの金属ヨウ化物、テトラアルキルアンモニウムヨーダイドなど4級アンモニウム化合物のヨウ素塩などのヨウ化物とIとを組み合わせたもの、LiBr、NaBr、KBr、CsBr、CaBrなどの金属臭化物、およびテトラアルキルアンモニウムブロマイドなど4級アンモニウム化合物の臭素塩などの臭化物とBrとを組み合わせたものなどを適宜使用することができる。
上記光触媒膜4は、光増感色素42が吸着された酸化物半導体層41により形成されており、その製造に際しては、光触媒微粒子つまり金属酸化物微粒子である酸化物半導体を粘性剤とともにアルコール液に溶かしてなるペーストを透明電極1の表面に、正確にはバッファ層5の表面に塗布し、乾燥させた後、光増感色素を酸化物半導体に吸着させることにより得られる。
また、上記酸化物半導体としては、酸化チタン(TiO)、酸化スズ(SnO)、酸化タングステン(WO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニオブ(Nb)などの金属酸化物が用いられ、光増感色素としては、ビピリジン構造若しくはターピリジン構造を含む配位子を有するルテニウム錯体や鉄錯体、ポルフィリン系やフタロシアニン系の金属錯体、またはエオシン、ローダミン、メロシアニン、クマリンなどの有機色素などが用いられる。また、溶媒であるアルコール液としては、プロパノール、t−ブチルアルコール、エトキシエタノール、エタノールなどが用いられる。さらに、加水分解を抑制する目的として、ジエタノールアミンやアセチルアセトンなど、または必要に応じて硝酸、酢酸、塩酸といった酸を加えてもよい。上記粘性剤としては、エチレングリコール、アセチルアセトンなどが用いられる。
また、上記対向電極2としては、透明基板21の表面に透明導電膜22を形成したものとして説明したが、アルミニウム、銅、スズなどの金属シートを用いることもできる。この他、アルミニウム、銅、スズなどの金属またはカーボン製のメッシュ状電極にゲル状固体電解質を保持させることにより当該対向電極を構成してもよく、また、透明基板21の片面に且つ導電性接着剤層でもって当該透明基板21を覆うように形成し、接着剤層を介して、別途形成されたブラシ状カーボンナノチューブ群を当該透明基板21側に転写することで、対向電極2を構成してもよい。
そして、上記透明電極1の表面に設けられるバッファ層5は、光触媒前駆体をアルコール液に溶かしてなる混合液を上記透明電極の表面に数nm〜数十nm程度(好ましくは、数nm〜20nm)の厚さでもって塗布するとともに、または塗布した後、過熱水蒸気を噴霧して焼成させることにより形成される。
例えば、透明電極1としてのPEN−ITOフィルムの表面に、スプレー法を用いて、光触媒前駆体である金属アルコキシド(例えば、チタンアルコキシドが用いられる)をアルコール液に溶かしてなる混合液をスプレー法によりつまり液噴霧ノズルから塗布した後、その直後に、100℃を超えて300℃までの温度範囲に調整された過熱水蒸気を蒸気噴霧ノズルから噴霧して焼成(焼結ともいう)させることにより、所定厚さ、例えば10nm程度のバッファ層5が形成される。
なお、透明基板にフィルムを用いたが、ガラス基板を用いてもよい。上記混合液の塗布方法についてもスプレー法に限られるものではなく、静電スプレー法、スピンコート法、ディップ法などを用いることもできるが、基板表面が粗い場合にはスプレー法が最適である。また、上記静電スプレー法は、透明電極に向かって混合液を塗布すなわち噴霧する液噴霧ノズルの中心に針状電極を配置するとともに、この針状電極と透明電極を載置する印加用電極との間に所定電圧の直流電源を接続し、噴霧時に、針状電極側に正の電圧を印加することにより、噴霧液に帯電させて負の印加用電極上に配置された透明電極の表面に噴霧して付着させる方法である。
また、上記光触媒前駆体として、チタンアルコキシドの他に、チタンテトラエトキシド、四塩化チタン、水酸化チタンなどを用いることができる。なお、光触媒の前駆体については光触媒膜の材質に必ずしも一致する必要はなく、例えば光触媒が酸化チタンである場合、前駆体として酸化ニオブの前駆体を用いることができる。
以下、このバッファ層の形成方法を具体的に示す実施例について説明する。
実施例1では、透明電極としてのPEN−ITOフィルムの表面に、スプレー法を用いて、光触媒前駆体としてのチタン(IV)イソプロポキシド(TTIP)0.05gをプロパノール液99.95gに溶かしてなる混合液を塗布した直後に、100℃を超えて300℃までの温度範囲に調整された過熱水蒸気を噴霧して焼成させることにより、例えば10nm程度のバッファ層を形成した。
この場合、図2に示すように、透明電極1の上方に、混合液Bを噴霧する液噴霧ノズル61および過熱水蒸気Hを噴霧する蒸気噴霧ノズル62が並置され、そして液噴霧ノズル61から混合液Bを噴霧するとともに蒸気噴霧ノズル62から過熱水蒸気Hを噴霧しながら矢印a方向に移動させることにより、透明電極1の表面にバッファ層5が形成される。
なお、両ノズル61,62を移動させない場合には、透明電極1側を矢印b方向に移動させればよい。相対移動速度は、数mm〜1000mm/secの範囲内で行われる。
ここで、蒸気噴霧ノズル62を図3に基づき説明する。
すなわち、この蒸気噴霧ノズル62は、下面が開放され且つ上部側面に飽和水蒸気Sの噴出用開口部(供給口ともいえる)が設けられた細長い箱型形状にされるとともに内部に電気ヒータ(図示せず)が配置されたものである。具体的には、蒸気噴霧ノズル62の噴出用開口部は、透明電極1の前後の移動方向と直交する幅方向で長くされている。
したがって、100℃の飽和水蒸気Sが蒸気噴霧ノズル62に供給されると電気ヒータにより所定温度に、例えば100℃を超えて300℃までの温度に加熱されて、その下面の噴出用開口部から過熱水蒸気Hがバッファ層5の表面に供給されることになる。この意味で、蒸気噴霧ノズル62は、過熱蒸気発生装置付きといえる。なお、液噴霧ノズル61は、蒸気噴霧ノズル62と同じ噴霧範囲に噴霧し得るような噴出用開口部を有するように構成されている。
また、スプレー法による混合液つまり塗布溶液の塗布条件としては、ノズルの種類、塗布溶液粘度、霧化エアー圧、パターン幅、吐出量、吐出圧、ノズルの移動速度、重ね幅、ノズルと塗布面である透明電極との距離などが挙げられるが、これらは使用する吐出機によって異なるため、所望の膜厚が得られるように、適宜塗布条件を選択して塗布すればよい。なお、1回の過熱水蒸気の噴霧では、焼成が不十分である場合には、複数回噴霧してもよい。
本実施例1では、例えば霧化エアー圧が0.3MPa、吐出量が15g/min、ノズルと透明電極との距離が20cm、ノズルの移動速度が100m/minで行われた。
そして、バッファ層を用いずに、市販の低温用酸化チタンペーストを用いて有効径がφ6mmの色素増感太陽電池を作製すると、電池性能は1sun、AM1.5下で電流密度は8.58mA/cm、開放電圧は0.71V、フィルファクタは0.62、変換効率は3.78%であったのに対し、過熱水蒸気を用いてバッファ層を形成したものによると、電流密度は9.00mA/cm、開放電圧は0.72V、フィルファクタは0.65、変換効率は4.20%であった。すなわち、本発明に係る光触媒膜の形成方法により得られたものが優れているのが分かる。
次に、実施例2に係るバッファ層の形成方法について説明する。
本実施例2においては、スプレー法による塗布膜の形成と同時に100℃を超えて300℃までの温度範囲の過熱水蒸気で焼成させることで、上述した実施例1と同じ厚さ程度のバッファ層を形成するようにしたものである。
すなわち、図4に示すように、透明電極1の上方に、実施例1と同様に、混合液を噴霧(塗布)する液噴霧ノズル61および過熱水蒸気を噴霧する蒸気噴霧ノズル62が並置されるとともに、噴霧ノズル61による噴霧領域(塗布領域)に、蒸気噴霧ノズル62からの過熱水蒸気の噴霧領域が重なるように、それぞれの噴出方向が設定される。勿論、実施例1と同様に、両ノズル61,62は、矢印a方向に移動されて、透明電極1の表面に、バッファ層が形成される。また、実施例1同様に、両ノズル61,62を移動させない場合には、透明電極1側を矢印b方向に移動させればよい。相対移動速度は、数mm〜1000mm/secの範囲内で行われる。
次に、実施例3に係るバッファ層の形成方法について説明する。
本実施例3の形成方法は、スプレー法により形成された塗布膜の表面に、100℃を超えて300℃までの温度範囲の過熱水蒸気を噴霧した後、さらに300℃を超えて500℃までの温度範囲の過熱水蒸気を噴霧することで、塗布膜の焼成を瞬時に行う方法である。
すなわち、図5に示すように、透明電極1の上方に、混合液を噴霧する液噴霧ノズル61および過熱水蒸気を噴霧する第1蒸気噴霧ノズル62を並置するとともに、第1蒸気噴霧ノズル62から少し離れた箇所に、やはり過熱水蒸気を噴霧する第2蒸気噴霧ノズル63を配置しておき、そして矢印cで示すように、透明電極1を数mm/sec〜1000mm/secの速度で移動させながら、液噴霧ノズル61から混合液Bを噴霧させるとともに第1蒸気噴霧ノズル62から同時に100℃を超えて300℃までの低温の過熱水蒸気Hを噴霧させた後、さらに第2蒸気噴霧ノズル63から300℃を超えて500℃までの高温の過熱水蒸気H′を噴霧させることにより、バッファ層を形成する。なお、透明電極1を移動せずに、上述した実施例1および実施例2のように、噴霧ノズル61〜63側を矢印d方向に移動させてもよい。
このように、温度の違う過熱水蒸気を二段で噴霧させて、すなわち100℃を超えて300℃までの温度範囲に調整された過熱水蒸気を噴霧することで塗布膜の加水分解や結晶化の促進を図った後、さらに300℃を超えて500℃までの温度範囲に調整された過熱水蒸気を噴霧することで、品質の良いバッファ層を瞬時に形成することができる。
詳しく言えば、低温の過熱水蒸気を噴霧して焼成することにより、酸化チタンの加水分解や結晶化が促進され、これによって、バッファ層内の酸化チタン量が増加する。そして、さらに高温の過熱水蒸気を噴霧して焼成することにより、生成した酸化チタン粒子同士や、粒子と透明電極との結合が強固となり、また、余分な水分やアルコール、ごみなどを除去することができる。
なお、上記各実施例においては、液噴霧ノズルおよび蒸気噴霧ノズルを幅方向で長くされた噴出用開口部を有するものとして説明したが、勿論、通常の円形の噴出用開口部を有するノズルを用いてもよく、この場合、前後の移動に加えて、幅方向で往復移動されることになる。
上記各実施例に係るバッファ層の形成方法によれば、自然乾燥やヒータなどによる焼成工程を省いても光触媒膜を形成することができる。また、過熱水蒸気を用いることで、フィルムや透明導電膜にダメージを与えずに焼成することができる。
1 透明電極
2 対向電極
3 電解質層
4 光触媒膜
5 バッファ層
11 透明基板
12 透明電導膜
21 透明基板
22 透明電導膜
41 酸化物半導体層
42 光増感色素
61 液噴霧ノズル
62 蒸気噴霧ノズル(第1蒸気噴霧ノズル)
63 第2蒸気噴霧ノズル

Claims (5)

  1. 透明電極と、対向電極と、これら両電極間に配置される電解質層と、両電極間で且つ透明電極側に配置される光触媒膜とを具備する色素増感太陽電池における上記透明電極と光触媒膜との間に配置されるバッファ層の形成方法であって、
    光触媒の前駆体をアルコール液に溶かしてなる混合液を上記透明電極の表面に塗布するとともに、または塗布した後、過熱水蒸気を噴霧して焼成させることにより、バッファ層を形成することを特徴とする色素増感太陽電池におけるバッファ層の形成方法。
  2. 光触媒が、酸化チタン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化亜鉛または酸化ニオブであり、且つ前駆体がその金属アルコキシドであることを特徴とする請求項1に記載の色素増感太陽電池におけるバッファ層の形成方法。
  3. 混合液を透明電極の表面に塗布する際に、スプレー法、スピンコート法またはディップ法を用いたことを特徴とする請求項1または2に記載の色素増感太陽電池におけるバッファ層の形成方法。
  4. 過熱水蒸気の温度が100℃を超えて300℃までの範囲であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の色素増感太陽電池におけるバッファ層の形成方法。
  5. 過熱水蒸気の噴霧を二段にて行うとともに、1段目に噴霧する過熱水蒸気の温度が100℃を超えて300℃までの範囲であり、2段目に噴霧する過熱水蒸気の温度範囲が300℃を超えて500℃までの範囲であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の色素増感太陽電池におけるバッファ層の形成方法。
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