JP2011232526A - 電気泳動表示装置の駆動方法、並びに電気泳動表示装置及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】電気泳動表示装置において、簡便な方法で秘匿データの埋め込み及び読み出しを行う。
【解決手段】電気泳動表示装置の駆動方法は、共通電極に第1粒子及び第2粒子を互いに層をなすように引き寄せることで第1の色を表示する第1表示工程と、共通電極に第1粒子及び第2粒子を互いに混在した状態となるように引き寄せることで第2の色を表示する第2表示工程と、画素電極に第1粒子及び第2粒子を互いに層をなすように引き寄せると共に共通電極に第3粒子を引き寄せることで第3の色を表示する第3表示工程と、画素電極に第1粒子及び第2粒子を互いに混在した状態となるように引き寄せると共に共通電極に第3粒子を引き寄せることで第3の色を表示する第4表示工程とを備える。第3表示工程及び第4表示工程によって第3の色を表示する画素のうち一方には、視覚できない秘匿データが埋め込まれる。
【選択図】図4
【解決手段】電気泳動表示装置の駆動方法は、共通電極に第1粒子及び第2粒子を互いに層をなすように引き寄せることで第1の色を表示する第1表示工程と、共通電極に第1粒子及び第2粒子を互いに混在した状態となるように引き寄せることで第2の色を表示する第2表示工程と、画素電極に第1粒子及び第2粒子を互いに層をなすように引き寄せると共に共通電極に第3粒子を引き寄せることで第3の色を表示する第3表示工程と、画素電極に第1粒子及び第2粒子を互いに混在した状態となるように引き寄せると共に共通電極に第3粒子を引き寄せることで第3の色を表示する第4表示工程とを備える。第3表示工程及び第4表示工程によって第3の色を表示する画素のうち一方には、視覚できない秘匿データが埋め込まれる。
【選択図】図4
Description
本発明は、電気泳動表示装置の駆動方法、並びに電気泳動表示装置及び該電気泳動表示装置を備えた電子機器の技術分野に関する。
この種の電気泳動表示装置では、電気泳動粒子を含む電気泳動素子を挟持する一対の基板の各々に設けられた画素電極及び共通電極間に電位差を与えて、電気泳動粒子を移動させることで画像が表示される。電気泳動素子は、例えば黒色粒子及び白色粒子を含んでおり、これら2種類の粒子の各々が共通電極側に引き寄せられることによって、黒色又は白色の2つの階調が表示される。更には、黒色及び白色以外の色(例えば、赤色や青色等)の電気泳動粒子や、着色された溶媒等を用いることで、3色以上の階調を表示可能とする技術が提案されている(例えば、特許文献1、並びに非特許文献1参照)。
他方で、上述したような電気泳動表示装置は、一度表示させた画像を保持し続けるという特性を持っている。このため、メモリー等に記憶された電子データにセキュリティ対策を施すと共に、表示された画像データに対しても、同様にセキュリティ対策を施すことが求められる。セキュリティ対策としては、例えばデータ中に電子透かしを埋め込むという技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
Takashi Kitamura, "Challenge to Color Electronic Paper Based on Particle Control Technologies", IDW, p.537 (2009)
しかしながら、特許文献2に係る技術では、透かしデータの作成や読み出しのために、空間周波数の解析など高性能で複雑な演算処理機能を持った情報処理機器が必要となってしまうため、結果として機器導入のコストアップを招いてしまう。一方で、このようなコストアップを避けるには演算性能を落とさざるを得ないが、容易に透かしを作成したり、速やかに透かしを読み出したりする要求に応えることができず不十分である。
特に電気泳動表示装置においては、埋め込まれた透かしデータを画像から読み出す際に、先ずどの部分に透かしデータが埋め込まれているかを入手することが求められる。よって、暗号化手法など別途の手段を入手して読み出すには手間がかかる。また、読み出し機器の導入時のコストアップにも繋がるおそれがある。
以上のように、電気泳動表示装置におけるセキュリティ対策は、実践上の様々な不都合を有しているという技術的問題点がある。
本発明は、例えば上述した問題点に鑑みなされたものであり、極めて簡便な方法で透かしデータの埋め込み及び読み出しを行うことが可能な電気泳動表示装置の駆動方法、並びに電気泳動表示装置及び電子機器を提供することを課題とする。
本発明の電気泳動表示装置の駆動方法は上記課題を解決するために、画素毎に設けられた画素電極と、前記画素電極と対向するように配置された共通電極と、互いに同じ極性に帯電されており単位質量あたりの電荷量が異なる第1粒子及び第2粒子、並びに前記第1粒子及び前記第2粒子とは異なる極性に帯電された第3粒子を含む電気泳動素子とを備える電気泳動表示装置の駆動方法であって、前記画素電極に前記第3粒子を引き寄せると共に、前記共通電極に前記第1粒子及び前記第2粒子を互いに層をなすように引き寄せることで、第1の色を表示する第1表示工程と、前記画素電極に前記第3粒子を引き寄せると共に、前記共通電極に前記第1粒子及び前記第2粒子を互いに混在した状態となるように引き寄せることで、前記第1の色とは異なる第2の色を表示する第2表示工程と、前記画素電極に前記第1粒子及び前記第2粒子を互いに層をなすように引き寄せると共に、前記共通電極に前記第3粒子を引き寄せることで、前記第1の色及び前記第2の色とは異なる第3の色を表示する第3表示工程と、前記画素電極に前記第1粒子及び前記第2粒子を互いに混在した状態となるように引き寄せると共に、前記共通電極に前記第3粒子を引き寄せることで、前記第3の色を表示する第4表示工程とを備え、前記第3表示工程によって前記第3の色を表示する前記画素及び第4表示工程によって前記第3の色を表示する前記画素のうち一方には、視覚できない秘匿データが埋め込まれる。
本発明の電気泳動表示装置の駆動方法によれば、例えば画素毎に画素電極が設けられた素子基板と、共通電極が設けられた対向基板との間に電気泳動素子が挟持されてなる電気泳動表示装置が駆動される。電気泳動素子は、互いに同じ極性に帯電されており単位質量あたりの電荷量が異なる第1粒子及び第2粒子、並びに第1粒子及び第2粒子とは異なる極性に帯電された第3粒子を有しており、各粒子が表示面側に位置する共通電極に引き寄せられることによって、それぞれの粒子に応じた色が表示可能とされている。
第1の色を表示すべき画素においては、画素電極に第3粒子が引き寄せられると共に、共通電極に第1粒子及び第2粒子が互いに層をなすように引き寄せられる。即ち、共通電極の電気泳動素子と対向する面には、第1粒子の層及び第2粒子の層が形成される。そして、第1粒子及び第2粒子のうち共通電極側に層を形成する粒子が、共通電極側から視覚可能となる。よって、共通電極側から画像を見る閲覧者は、第1粒子及び第2粒子のうち共通電極側に引き寄せられた粒子の色を視覚することになる。即ち、ここでの第1の色は、第1粒子及び第2粒子のうち、共通電極側に引き寄せられる粒子に対応した色といえる。
第1粒子及び第2粒子は互いに同じ極性に帯電しているが、単位質量あたりの電荷量が異なるため、電圧に応じた移動速度が異なる。即ち、第1粒子及び第2粒子は、互いに異なる速度で共通電極に引き寄せられる。この結果、共通電極の表面には第1粒子の層及び第2粒子の層が形成される。
第2の色を表示すべき画素においては、画素電極に第3粒子が引き寄せられると共に、共通電極に第1粒子及び第2粒子が互いに混在するように引き寄せられる。即ち、上述した第1の色を表示する場合のように第1粒子及び第2粒子の層は形成されず、共通電極の電気泳動素子と対向する面には、第1粒子の層及び第2粒子の層が混ざり合った状態で引き寄せられる。よって、共通電極側から画像を見る閲覧者は、第1粒子及び第2粒子の両方を視覚することになる。即ち、ここでの第2の色は、第1粒子及び第2粒子の色が混ざり合った色といえる。
第1粒子及び第2粒子は、上述したように電圧に応じた移動速度が異なる。しかしながら、画素電極及び共通電極間に鋸波のような電圧を印加することで、移動速度の差を相殺することができる。よって、第1粒子及び第2粒子は電荷量の大きさによらず、互いに近い移動速度で共通電極に引き寄せられる。この結果、共通電極の表面には第1粒子の層及び第2粒子が混在する状態となる。
第3の色を表示すべき画素においては、第1の色及び第2の色を表示すべき画素とは異なり、2種類の画素が存在することとなる。具体的には、第3表示工程では、画素電極に第1粒子及び第2粒子が互いに層をなすように引き寄せられると共に、共通電極に第3粒子が引き寄せられる。即ち、画素電極側には、上述した第1の色を表示する場合の共通電極側と同様に、第1粒子の層及び第2粒子の層が形成される。一方で、共通電極側には、第1粒子及び第2粒子とは異なる極性に帯電している第3粒子が引き寄せられる。よって、共通電極側から画像を見る閲覧者は、第3粒子の色を視覚することになる。即ち、ここでの第3の色は、第3粒子に対応した色といえる。
他方、第4表示工程では、画素電極に第1粒子及び第2粒子が互いに混在するように引き寄せられると共に、共通電極に第3粒子が引き寄せられる。即ち、画素電極側には、上述した第2の色を表示する場合の共通電極側と同様に、第1粒子の層及び第2粒子が混ざり合った状態で引き寄せられる。一方で、共通電極側には第3粒子が引き寄せられる。この場合も、共通電極側から画像を見る閲覧者は、第3粒子に対応した第3の色を視覚することになる。
本発明では特に、同じ第3の色を表示する画素であっても、上述したように2種類の画素が存在する。即ち、第3表示工程によって第3の色を表示する画素、及び第4表示工程によって第3の色を表示する画素が存在する。これらの画素は、第1粒子及び第2粒子が、画素電極側でどのような状態となっているか(即ち、互いに層をなしているか、或いは互いに混在しているか)が異なるのみであり、共通電極側から見る分には区別がつかない。よって、これらの2種類の画素を使い分けることで、表示画像中に視覚することができない秘匿データを埋め込むことができる。
例えば、秘匿データが埋め込まれない画素は、第3表示工程によって、画素電極に第1粒子及び第2粒子が互いに層をなすように引き寄せられる。一方で、秘匿データが埋め込まれる画素は、第4表示工程によって、画素電極に第1粒子及び第2粒子が互いに混在するように引き寄せられる。このようにすれば、各画素は共に第3の色を表示しているにもかかわらず、確実に異なる粒子状態を有する画素となる。従って、データ作成者が秘匿データを埋め込んだ画像を閲覧する閲覧者は、秘匿データの有無、或いは秘匿データがどこに存在するかを視覚的に判別することができない。
尚、埋め込まれた秘匿データを表示画像から読み出す際には、例えば書き込み時に画素電極側に引き寄せられた粒子の状態によって、読み出し時の共通電極側の粒子の状態が違ってくるような電圧を、画素電極及び共通電極間に印加すればよい。このようにすれば、秘匿データ読み出し時において、秘匿データが埋め込まれた画素と、埋め込まれなかった画素とで互いに異なる色が表示されることになる。よって、閲覧者は秘匿データを視覚的に判別することが可能となる。
以上説明したように、本発明の電気泳動表示装置の駆動方法によれば、極めて簡便な方法で秘匿データの埋め込み及び秘匿データの読み出しを行うことが可能である。
本発明の電気泳動表示装置の駆動方法の一態様では、前記第3表示工程及び前記第4表示工程によって前記第3の色が表示されている前記画素において、前記画素電極及び前記共通電極に第1電圧を印加することで、埋め込まれた前記秘匿データを視覚可能とする秘匿データ読出工程を備える。
この態様によれば、画像を閲覧する閲覧者が、画像中に埋め込まれた秘匿データを読み出そうとする際に、画素電極及び共通電極間に第1電圧が印加される。尚、ここでの「第1電圧」とは、書き込み時に画素電極側に引き寄せられた粒子の状態によって、読み出し時の共通電極側の粒子の状態が違ってくるような電圧であり、例えば矩形波の電圧であればよい。
第1電圧が印加されると、秘匿データが埋め込まれた画素と、埋め込まれなかった画素とでは互いに異なる色が表示されることになる。例えば、第3表示工程によって、画素電極に第1粒子及び第2粒子が互いに層をなすように引き寄せられていた場合には、各粒子は相対的な位置を保ったまま共通電極に引き寄せられる。よって、共通電極の表面には、第1粒子の層及び第2粒子の層が形成される。従って、閲覧者は、第1粒子に対応した色及び第2粒子に対応した色のいずれかを視覚することになる。
他方、第4表示工程によって、画素電極に第1粒子及び第2粒子が互いに混在するように引き寄せられていた場合にも、各粒子は相対的な位置を保ったまま共通電極に引き寄せられる。よって、共通電極の表面には、第1粒子及び第2粒子が混じった状態で引き寄せられる。従って、閲覧者は、第1粒子及び第2粒子が混じった色(即ち、第2の色)を視覚することになる。
以上のように、本態様では、秘匿データが埋め込まれた画素と埋め込まれなかった画素において異なる色を表示させることが可能である。よって、視覚できない秘匿データを確実に読み出すことができる。また、第3の色を表示している画素すべてに同様の電圧(即ち、第1電圧)を印加すれば済むため、閲覧者は、どの部分に秘匿データが埋め込まれているかを知らなくても、容易に秘匿データを読み出すことができる。
本発明の電気泳動表示装置の駆動方法の一態様では、前記第3表示工程及び前記第4表示工程によって前記第3の色が表示されている前記画素において、前記画素電極及び前記共通電極に第2電圧を印加することで、埋め込まれた前記秘匿データを読み出せないようにする秘匿データ消去工程を備える。
この態様によれば、画像に埋め込まれた秘匿データを何らかの理由で消去したい場合に、画素電極及び共通電極間に第2電圧が印加される。尚、ここでの「第2電圧」とは、書き込み時に画素電極側に引き寄せられた粒子の状態を、秘匿データが埋め込まれているか否かにかかわらず同様の状態とするような電圧であり、例えば鋸波の電圧であればよい。
第2電圧が印加されると、秘匿データが埋め込まれた画素と、埋め込まれなかった画素との粒子状態が互いに同じになる。例えば、第3表示工程によって、画素電極に第1粒子及び第2粒子が互いに層をなすように引き寄せられていた場合には、第2電圧によって、第1粒子及び第2粒子が互いに混じった状態とされる。一方で、第4表示工程によって、画素電極に第1粒子及び第2粒子が互いに混在するように引き寄せられていた場合にも、第2電圧によって、第1粒子及び第2粒子が互いに混じった状態とされる。よって、秘匿データが埋め込まれた画素と埋め込まれなかった画素は、互いに同じ粒子状態となる。言い換えれば、埋め込まれた秘匿状態が消去された状態となる。
以上のように、本態様では、秘匿データを読み出せないようにすることができるため、秘匿データのセキュリティをより高めることが可能である。また、第3の色を表示している画素すべてに同様の電圧(即ち、第2電圧)を印加すれば済むため、どの部分に秘匿データが埋め込まれているかを知らなくても、容易に秘匿データを消去することができる。
本発明の電気泳動表示装置は上記課題を解決するために、画素毎に設けられた第1画素電極及び第2画素電極と、前記第1画素電極及び前記第2画素電極と対向するように配置された共通電極と、第1の色に対応する第1粒子及び第2の色に対応する第2粒子を含む電気泳動素子と、前記第1画素電極及び前記第2画素電極、並びに前記共通電極の各々に電位を供給することで画像を表示するように制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記第1画素電極及び前記第2画素電極に前記第2粒子を引き寄せると共に、前記共通電極に前記第1粒子を引き寄せることで第1の色を表示する第1表示手段と、前記第1画素電極及び前記第2画素電極に前記第1粒子を引き寄せると共に、前記共通電極に前記第2粒子を引き寄せることで第2の色を表示する第2表示手段と、前記第1画素電極に前記第1粒子を引き寄せると共に、前記第2画素電極に前記第2粒子を引き寄せることで前記第1の色及び前記第2の色とは異なる第3の色を表示する第3表示手段と、前記第1画素電極に前記第2粒子を引き寄せると共に、前記第2画素電極に前記第1粒子を引き寄せることで前記第3の色を表示する第4表示手段とを有しており、前記第4表示手段によって前記第3の色を表示する前記画素は、前記第3表示手段によって前記第3の色を表示する前記画素とは異なり、視覚できない秘匿データが埋め込まれる。
本発明の電気泳動表示装置は、例えば画素毎に画素電極が設けられた素子基板と、共通電極が設けられた対向基板との間に電気泳動素子が挟持されてなる。電気泳動素子は、互いに同じ極性に帯電されており単位質量あたりの電荷量が異なる第1粒子及び第2粒子、並びに第1粒子及び第2粒子とは異なる極性に帯電された第3粒子を有しており、各粒子が表示面側に位置する共通電極に引き寄せられることによって、それぞれの粒子に応じた色が表示可能とされている。
本発明では、上述した画素を制御部が駆動する。制御部は、例えば一対の基板と電気的に接続されるフレキシブル基板上に集積回路として設けられており、装置の動作全体を制御する。そして特に、制御部は上述した本発明の電気泳動表示装置の駆動方法における各工程と同様の動作を行う。よって、本発明の電気泳動表示装置の駆動方法の場合と同様に、極めて簡便な方法で秘匿データの埋め込み及び秘匿データの読み出しを行うことが可能である。
尚、本発明の制御部は、上述した本発明の電気泳動表示装置の駆動方法の一態様である秘匿データ読出工程に対応する動作を行う秘匿データ読出手段や、秘匿データ消去工程に対応する秘匿データ消去手段を有するように構成されてもよい。この場合、より確実且つ容易に秘匿データの読み出し及び消去が可能となる。
本発明の電気泳動表示装置の他の態様では、前記画素電極は、透光性を有している。
この態様によれば、画素電極が透光性を有しているため、画素電極側から見て、画素電極に、どの色の粒子が引き寄せられているかを視覚できる。即ち、埋め込まれた秘匿データを、通常とは異なる側の面から確認することができる。
上述した構成において、データ作成者側しか裏面(即ち、画素電極側の面)を見られないようにすれば、データ作成者のみが裏面を利用して秘匿データの確認を行えるような構成にできる。或いは、秘匿データを閲覧させたい閲覧者のみが裏面を見られるようにすれば、秘匿データの読み出し手段として、裏面からの確認を利用することができる。
本発明の電気泳動表示装置の他の態様では、前記第1画素電極及び前記第2画素電極は、遮光性を有している。
この態様によれば、画素電極が遮光性を有しているため、画素電極側から見て、画素電極に、どの色の粒子が引き寄せられているかを視覚することはできない。即ち、埋め込まれた秘匿データは、通常と異なる側の面からも確認することはできない。よって、秘匿データのセキュリティを高めることが可能である。
尚、仮に画素電極が遮光性を有していなくとも、電気泳動素子から見て画素電極側に存在するいずれかの部材が遮光性を有していれば同様の効果を得ることができる。また、セキュリティを高める観点からすれば、画素電極のみならず、画素電極側に存在する多くの部材が遮光性を有していることが好ましい。
本発明の電子機器は上記課題を解決するために、上述した本発明の電気泳動表示装置(但し、その各種態様も含む)を備える。
本発明の電子機器によれば、上述した本発明に係る電気光学装置を具備してなるので、簡便な方法で透かしデータを埋め込み及び読み出し可能な、例えば、腕時計、電子ペーパー、電子ノート、携帯電話、携帯用オーディオ機器などの各種電子機器を実現できる。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。
以下では、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
<電気泳動表示装置及びその駆動方法>
本実施形態に係る電気泳動表示装置及びその駆動方法について、図1から図14を参照して説明する。尚、以下の実施形態では、本発明の電気泳動表示装置の一例としてTFTアクティブマトリクス駆動方式の電気泳動表示装置を挙げて説明する。
本実施形態に係る電気泳動表示装置及びその駆動方法について、図1から図14を参照して説明する。尚、以下の実施形態では、本発明の電気泳動表示装置の一例としてTFTアクティブマトリクス駆動方式の電気泳動表示装置を挙げて説明する。
先ず、本実施形態に係る電気泳動表示装置の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る電気泳動表示装置の全体構成を示すブロック図である。
図1において、本実施形態に係る電気泳動表示装置1は、表示部3と、コントローラ10と、走査線駆動回路60と、データ線駆動回路70と、共通電位供給回路220とを備えている。
表示部3には、m行×n列分の画素20がマトリクス状(二次元平面的)に配列されている。また、表示部3には、m本の走査線40(即ち、走査線Y1、Y2、…、Ym)と、n本のデータ線50(即ち、データ線X1、X2、…、Xn)とが互いに交差するように設けられている。具体的には、m本の走査線40は、行方向(即ち、X方向)に延在し、n本のデータ線50は、列方向(即ち、Y方向)に延在している。このm本の走査線40とn本のデータ線50との交差に対応して画素20が配置されている。
コントローラ10は、走査線駆動回路60、データ線駆動回路70及び共通電位供給回路220の動作を制御する。コントローラ10は、例えば、クロック信号、スタートパルス等のタイミング信号を各回路に供給する。
走査線駆動回路60は、コントローラ10から供給されるタイミング信号に基づいて、走査線Y1、Y2、…、Ymの各々に走査信号をパルス的に順次供給する。
データ線駆動回路70は、コントローラ10から供給されるタイミング信号に基づいて、データ線X1、X2、…、Xnに画像信号を供給する。画像信号は、高電位VH(例えば15V)又は低電位VL(例えば0V)の2値的な電位をとる。
共通電位供給回路220は、共通電位線93に共通電位Vcomを供給する。尚、共通電位Vcomは一定の電位であってもよいし、例えば書き込む階調に応じて変化してもよい。
本実施形態では、後述するように、画素20に共通電位Vcomと同一の電位が供給される。これは、例えば共通電位供給回路220から出力される共通電位Vcomが高電位VH又は低電位VLと同一の電位とされることで実現されてもよいし、データ線駆動回路70から高電位VH及び低電位VLに加えて、共通電位Vcomと同一である他の電位が供給されることで実現されてもよい。
尚、コントローラ10、走査線駆動回路60、データ線駆動回路70及び共通電位供給回路220には、各種の信号が入出力されるが、本実施形態と特に関係のないものについては説明を省略する。
図2は、画素の電気的な構成を示す等価回路図である。
図2において、画素20はトランジスタ24と、画素電極21と、共通電極22と、電気泳動素子23と、保持容量27とを備えて構成されている。
トランジスタ24は、例えばN型トランジスタで構成されている。トランジスタ24は、そのゲートが走査線40に電気的に接続されており、そのソースがデータ線50に電気的に接続されており、そのドレインが画素電極21及び保持容量27に電気的に接続されている。トランジスタ24は、データ線駆動回路70(図1参照)からデータ線50を介して供給される画像信号を、走査線駆動回路60(図1参照)から走査線40を介してパルス的に供給される走査信号に応じたタイミングで出力する。
画素電極21には、データ線駆動回路70からデータ線50、トランジスタ24を介して、画像信号が供給される。画素電極21は、電気泳動素子23を介して共通電極22と互いに対向するように配置されている。
共通電極22は、共通電位Vcomが供給される共通電位線93に電気的に接続されている。
電気泳動素子23は、電気泳動粒子をそれぞれ含んでなる複数のセルから構成されている。
保持容量27は、誘電体膜を介して対向配置された一対の電極からなり、一方の電極が、トランジスタ24及び画素電極21に電気的に接続され、他方の電極が共通電位線93に電気的に接続されている。保持容量27によれば、画像信号を一定期間だけ維持することができる。
次に、本実施形態に係る電気泳動表示装置の表示部の具体的な構成について、図3を参照して説明する。
図3は、本実施形態に係る電気泳動表示装置の表示部の部分断面図である。
図3において、表示部3は、素子基板28と対向基板29との間に電気泳動素子23が挟持される構成となっている。尚、本実施形態では、対向基板29側に画像を表示することを前提として説明する。
素子基板28は、例えばガラスやプラスチック等からなる基板である。素子基板28上には、ここでは図示を省略するが、図2を参照して上述したトランジスタ24、保持容量27、走査線40、データ線50、共通電位線93等が作り込まれた積層構造が形成されている。この積層構造の上層側に複数の画素電極21がマトリクス状に設けられている。
対向基板29は、例えばガラスやプラスチック等からなる透明な基板である。対向基板29における素子基板28との対向面上には、共通電極22が複数の画素電極9aと対向してベタ状に形成されている。共通電極22は、例えばマグネシウム銀(MgAg)、インジウム・スズ酸化物(ITO)、インジウム・亜鉛酸化物(IZO)等の透明導電材料から形成されている。
素子基板28と対向基板29との間には、画素を区画する隔壁88が形成されている。素子基板28、対向基板29、隔壁88に囲まれた領域(以下「セル」とも呼ぶ)には、分散媒81と、分散媒81中に分散された複数の白色粒子82と、複数のシアン粒子83と、複数の黄色粒子84とが封入されている。即ち、電気泳動素子23は、分散媒81、白色粒子82、シアン粒子83、黄色粒子84を含んで構成されている。
なお、電気泳動素子23は、各画素に1つのマイクロカプセルを有する構成であってもよい。この場合、マイクロカプセル内に分散媒81、白色粒子82、シアン粒子83、黄色粒子84を封入する。また、マイクロカプセルは、例えば樹脂等からなるバインダー及び接着層によって素子基板28及び対向基板29間で固定される。
分散媒81は、白色粒子82、シアン粒子83及び黄色粒子84をセル内(言い換えれば、被膜85内)に分散させる媒質である。分散媒81としては、水や、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール、メチルセルソルブ等のアルコール系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル等の各種エステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、ペンタン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ベンゼン、トルエンや、キシレン、ヘキシルベンゼン、へブチルベンゼン、オクチルベンゼン、ノニルベンゼン、デシルベンゼン、ウンデシルベンゼン、ドデシルベンゼン、トリデシルベンゼン、テトラデシルベンゼン等の長鎖アルキル基を有するベンゼン類等の芳香族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1、2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素、カルボン酸塩やその他の油類を単独で又は混合して用いることができる。また、分散媒81には、界面活性剤が配合されてもよい。
白色粒子82は、本発明の「第3粒子」の一例であり、例えば二酸化チタン、亜鉛華(酸化亜鉛)、三酸化アンチモン等の白色顔料からなる粒子(高分子或いはコロイド)である。白色粒子82は、例えば負に帯電されている。
シアン粒子83は、本発明の「第1粒子」の一例であり、例えばフタロシアニンブルー、インダスレンブルー等のシアン色顔料からなる粒子(高分子或いはコロイド)である。シアン粒子83は、例えば正に帯電されている。
黄色粒子84は、本発明の「第2粒子」の一例であり、例えばカドミウムイエロー、チタンイエロー等の黄色顔料からなる粒子である。黄色粒子84は、例えば正に帯電されている。
尚、シアン粒子83及び黄色粒子84は、互いに同じ極性に帯電されているが、単位質量あたりの電荷量が異なる。例えば、シアン粒子83の電荷量は、31.0μC/g、黄色粒子84の電荷量は、67.1μC/gとされる。これにより、電圧を印加した場合のシアン粒子83及び黄色粒子84の挙動を、互いに異なるものとすることができる。
尚、これらの粒子には、必要に応じ、電解質、界面活性剤、金属石鹸、樹脂、ゴム、油、ワニス、コンパウンド等の粒子からなる荷電制御剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シラン系カップリング剤等の分散剤、潤滑剤、安定化剤等を添加することができる。
また、白色粒子82、シアン粒子83及び黄色粒子84に用いる顔料を、例えば黒色や赤色等の顔料に代えることによって、黒色、赤色等を表示することができる。
次に、本実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法について、図4から図14を参照して説明する。尚、以下では、本実施形態に特有である工程のみを詳細に説明し、その他の工程については適宜説明を省略するものとする。
先ず、図4から図9を参照して、表示データの書き込み動作について説明する。
図4は、画素電極及び共通電極間に印加される電圧の変化を示すグラフであり、図5は緑表示を行う画素の書き込み時の電気泳動粒子を示す概念図である。また図6は、白表示を行う画素の書き込み時の電気泳動粒子を示す概念図(その1)であり、図7は、シアン表示を行う画素の書き込み時の電気泳動粒子を示す概念図である。さらに図8は、白表示を行う画素の書き込み時の電気泳動粒子を示す概念図(その2)であり、図9は、緑表示を行う画素の書き込み時の電気泳動粒子を示す概念図である。
図4において、先ず共通電極22側の電位が低くなるように電圧を印加する。この場合、電気泳動素子23における各粒子は、図5に示すようになる。具体的には、画素電極21側に負に帯電した白色粒子82が引き寄せられ、共通電極22側に正に帯電したシアン粒子83及び黄色粒子84が引き寄せられる。シアン粒子83及び黄色粒子84は互いに混じった状態で、共通電極22に引き寄せられる。よって、表示面からは、シアン粒子83及び黄色粒子84の両方が視覚可能となる。この結果、表示部3には、シアンと黄色が混じった緑色が表示される。
続いて、共通電極22側の電位が高くなるように矩形波の電圧を印加する。この場合、電気泳動素子23における各粒子は、図6に示すようになる。具体的には、画素電極21側に正に帯電したシアン粒子83及び黄色粒子84が引き寄せられ、共通電極22側に負に帯電した白色粒子82が引き寄せられる。よって、表示面からは白色粒子84が視覚可能となり、白色が表示される。
ここで特に、矩形波の電圧が印加された場合には、各粒子は相対的な位置関係を維持しつつ移動する。例えば、シアン粒子83及び黄色粒子84は、図5に示したように互いに混じり合った状態で共通電極22側から画素電極21側に移動する。よって、画素電極21には、シアン粒子83及び黄色粒子84が混じり合った状態で存在することになる。
続いて、共通電極22側の電位が低くなるように鋸波の電圧を印加する。この場合、電気泳動素子23における各粒子は、図7に示すようになる。具体的には、画素電極21側に負に帯電した白色粒子82が引き寄せられ、共通電極22側に正に帯電したシアン粒子83及び黄色粒子84が引き寄せられる。
ここで特に、鋸波の電圧が印加された場合には、先ず共通電極22に単位質量あたりの電荷量が小さいシアン粒子83が引き寄せられる。そして、その後に単位質量あたりの電荷量が大きい黄色粒子84が引き寄せられる。このため、共通電極22には、シアン粒子83の層及び黄色粒子84の層が形成される。これにより、表示面からはシアン粒子83が視覚可能となり、シアンが表示される。
続いて、共通電極22側の電位が高くなるように鋸波の電圧を印加する。この場合、電気泳動素子23における各粒子は、図8に示すようになる。具体的には、画素電極21側に正に帯電したシアン粒子83及び黄色粒子84が引き寄せられ、共通電極22側に負に帯電した白色粒子82が引き寄せられる。よって、表示面からは白色粒子84が視覚可能となり、白色が表示される。
画素電極21側においては、図7に示す場合と同様に、先ず単位質量あたりの電荷量が小さいシアン粒子83が引き寄せられる。そして、その後に単位質量あたりの電荷量が大きい黄色粒子84が引き寄せられる。このため、画素電極22には、シアン粒子83の層及び黄色粒子84の層が形成される。従って、図6で示すような場合及び図8で示すような場合は、共に白色を表示しているものの、画素電極側の粒子状態が互いに異なったものとなる。
続いて、共通電極22側の電位が低くなるように矩形波の電圧を印加する。この場合、電気泳動素子23における各粒子は、図9に示すようになる。具体的には、画素電極21側に負に帯電した白色粒子82が引き寄せられ、共通電極22側に正に帯電したシアン粒子83及び黄色粒子84が引き寄せられる。
矩形波の電圧が印加されることで、各粒子は相対的な位置関係を維持しつつ移動する。即ち、シアン粒子83及び黄色粒子84は、図8に示したように上層側に黄色粒子84の層、下層側にシアン粒子83の層が形成された状態で、画素電極21側から共通電極22側に移動する。よって、共通電極22には、シアン粒子83の層及び黄色粒子84の層が形成される。これにより、表示面からは黄色粒子84が視覚可能となり、黄色が表示される。
以上のように、本実施形態に係る電気光学装置の駆動方法では、緑色、白色、シアン、黄色の4色を表示することが可能である。そして特に、白色については、図6及び図8に示したように、2通りの表示方法がある。これらの方法によって白色が表示される画素20は、シアン粒子83及び黄色粒子84が、画素電極21側にどのような状態で引き寄せられているかが異なるのみであり、共通電極22側から見る分には区別がつかない。よって、これらの2種類の画素20を使い分けることで、表示画像中に視覚することができない秘匿データを埋め込むことができる。
具体的には、秘匿データが埋め込まれない画素20は、図6に示した方法によって、画素電極21にシアン粒子83及び黄色粒子84が互いに混じり合った状態で引き寄せられる。一方で、秘匿データが埋め込まれる画素20は、図7に示した方法によって、画素電極21にシアン粒子83及び黄色粒子84が互いに層をなすように引き寄せられる。このようにすれば、各画素は共に白色を表示しているにもかかわらず、確実に異なる粒子状態を有する画素となる。従って、画像閲覧者に、秘匿データの有無、或いは秘匿データがどこに存在するかを視覚的に判別できないようにして、確実に秘匿データを埋め込むことができる。
次に、図10から図14を参照して、上述したデータ書き込み動作に加えて、埋め込まれた秘匿データの読み出し及び消去動作について説明する。
図10は、書き込まれるデータを種類別に示すマトリックス図である。
図10において、本実施形態に係る電気泳動表示装置内では、各画素20に表示されるデータは、シアン、黄、緑、白A(即ち、秘匿データを有さない白)及び白B(即ち、秘匿データを有する白)の5種類に分けられる。各画素20では、表示すべき色に応じて、画素電極21及び共通電極22に、それぞれに電圧が印加される(例えば、図4から図9参照)。
図11は、書き込み時の表示面側の色を種類別に示すマトリックス図である。
図11において、書き込みが行われた各画素20の表示面(即ち、共通電極22側の面)で表示される色は、シアン、黄、緑、白の4種類となる。即ち、秘匿データを有さない白(即ち、白A)と、秘匿データを有する白(即ち、白B)は、各粒子の状態は異なるものとされるが、視覚的には同じ白となり判別できない。
図12は、書き込み時の裏面側の色を種類別に示すマトリックス図である。
図12において、書き込みが行われた各画素20の裏面側(即ち、画素電極21側)で表示される色は、緑、シアン、白の3種類となる。具体的には、表示面側においてシアン、黄色及び緑色が表示されている画素20では、それぞれ白色が表示される。そして、白Aが書き込まれた画素20では緑色、白Bが書き込まれた画素20ではシアンがそれぞれ表示される。即ち、裏面側から見れば、秘匿データを判別することができてしまう。
これに対し、裏面側から秘匿データを確認できないようにするには、画素電極21(或いは、画素電極側に位置する他の部材)を、遮光性を有する部材から構成すればよい。一方で、作為的に裏面側から秘匿データを確認できるようにするには、画素電極21を、透光性を有する部材から構成すればよい。
図13は、秘匿データ読み出し時の表示色を種類別に示すマトリックス図である。
図13において、秘匿データを読み出す際には、表示面に白色が表示されている画素20において、共通電極22側の電位が低くなるように矩形波の電圧が印加される。このようにすれば、書き込み時に画素電極21側に引き寄せられていたシアン粒子83及び黄色粒子84が、相対的な位置を保ちつつ、共通電極22側に引き寄せられる。
具体的には、秘匿データを有しない画素20(即ち、白Aが書き込まれた画素20)は、書き込み時においてシアン粒子83及び黄色粒子84が互いに混じり合うように画素電極21に引き寄せられている。このため、矩形波の電圧を印加すると、シアン粒子83及び黄色粒子84が互いに混じり合った状態で共通電極22に引き寄せられる。即ち、図5に示すような状態となり、緑色が表示される。
一方で、秘匿データを有する画素20(即ち、白Bが書き込まれた画素20)は、書き込み時においてシアン粒子83及び黄色粒子84が互いに層をなすように画素電極21に引き寄せられている。このため、矩形波の電圧を印加すると、シアン粒子83及び黄色粒子84が互いに層をなした状態で共通電極22に引き寄せられる。即ち、図9に示すような状態となり、黄色が表示される。
以上のように、矩形波の電圧を印加することで、秘匿データが埋め込まれた画素と埋め込まれなかった画素において異なる色を表示させることが可能である。よって、視覚できない秘匿データを確実に読み出すことができる。また、本実施形態では特に、白色を表示している画素20すべてに同様の電圧を印加すれば済むため、どの部分に秘匿データが埋め込まれているかを知らなくても、容易に秘匿データを読み出すことができる。
図14は、秘匿データ消去時の表示色を種類別に示すマトリックス図である。
図14において、秘匿データを消去する際には、表示面に白色が表示されている画素20において、共通電極22側の電位が低くなるように鋸波の電圧が印加される。このようにすれば、書き込み時に画素電極21側に引き寄せられていたシアン粒子83及び黄色粒子84が、互いに層をなすように共通電極22側に引き寄せられる。
具体的には、秘匿データを有しない画素20(即ち、白Aが書き込まれた画素20)及び秘匿データを有する画素20(即ち、白Bが書き込まれた画素20)の両方において、先ず単位質量あたりの電荷量が小さいシアン粒子83が共通電極22に引き寄せられる。続いて、単位質量あたりの電荷量が大きい黄色粒子84が共通電極22に引き寄せられる。これにより、図7に示すような状態となり、シアンが表示される。
以上のように、鋸波の電圧を印加することで、秘匿データが埋め込まれた画素と埋め込まれなかった画素とで同じ色を表示させることが可能である。即ち、秘匿データが埋め込まれた画素及び埋め込まれなかった画素の粒子状態を、互いに同じにすることができる。よって、秘匿データは消去された状態となり、読み出し不可能となる。また、本実施形態では特に、白色を表示している画素20すべてに同様の電圧を印加すれば済むため、どの部分に秘匿データが埋め込まれているかを知らなくても、容易に秘匿データを消去することができる。
以上説明したように、本実施形態に係る電気泳動表示装置の駆動方法によれば、極めて簡便な方法で秘匿データの埋め込み、読み出し及び消去を行うことが可能である。
<電子機器>
次に、上述した電気泳動表示装置を適用した電子機器について、図15及び図16を参照して説明する。以下では、上述した電気泳動表示装置を電子ペーパーに適用した場合を例にとる。
次に、上述した電気泳動表示装置を適用した電子機器について、図15及び図16を参照して説明する。以下では、上述した電気泳動表示装置を電子ペーパーに適用した場合を例にとる。
図15は、配布時の電子ペーパーくじを示す平面図である。
図15に示すように、電子ペーパーくじ1000は、領域1000aに囲まれた中心部分に位置する領域1000bが、上述した実施形態に係る電気泳動表示装置を、画像を表示する表示部として備えている。電子ペーパーくじ1000は可撓性を有し、従来の紙と同様の質感及び柔軟性を有する書き換え可能なシートからなる。
ここで、電子ペーパーくじの領域1000bには、その配布時においては白色が表示されているのみである。即ち、秘匿データを有さない白A及び秘匿データを有する白Bが混在しているものの、それらの存在や位置が視覚的には判別できないようにされている。
図16は、秘匿データ読み出し時の電子ペーパーくじを示す平面図である。
図16に示すように、電磁ペーパーくじにおいて所定の電圧を印加すると、秘匿データが埋め込まれた画素と秘匿データが埋め込まれなかった画素とで異なる色が表示され、それまで視覚できなかった文字が浮かび上がる。
例えば、上述した電気泳動表示装置のように、白粒子82、シアン粒子83及び黄色粒子84を備えている場合には、秘匿データが埋め込まれなかった画素において緑色が表示され、秘匿データが埋め込まれた画素において黄色が表示される。従って、緑色の背景に、黄色の文字が浮かび上がる。
尚、秘匿データの読み出しは、どのような秘匿データかにかかわらず、所定の電圧を印加するだけでよいので、例えば安価で簡易な読み出し専用機が1台あれば済む。よって、機器の導入コストを抑制することができる。また、使用後の電子ペーパーくじ1000は、回収し再利用することが可能である。
尚、これらの他に、腕時計、携帯電話、携帯用オーディオ機器などの電子機器の表示部に、上述した本実施形態に係る電気泳動表示装置を適用することができる。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う電気泳動表示装置の駆動方法、並びに電気泳動表示装置及び電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
3…表示部、10…コントローラ、20…画素、21画素電極、22…共通電極、23…電気泳動素子、24…トランジスタ、27…保持容量、28…素子基板、29…対向基板、40…走査線、50…データ線、60…走査線駆動回路、70…データ線駆動回路、82…白色粒子、83…シアン粒子、84…黄色粒子、88…隔壁、93…共通電位線、220…共通電位供給回路
Claims (7)
- 画素毎に設けられた画素電極と、前記画素電極と対向するように配置された共通電極と、互いに同じ極性に帯電されており単位質量あたりの電荷量が異なる第1粒子及び第2粒子、並びに前記第1粒子及び前記第2粒子とは異なる極性に帯電された第3粒子を含む電気泳動素子とを備える電気泳動表示装置の駆動方法であって、
前記画素電極に前記第3粒子を引き寄せると共に、前記共通電極に前記第1粒子及び前記第2粒子を互いに層をなすように引き寄せることで、第1の色を表示する第1表示工程と、
前記画素電極に前記第3粒子を引き寄せると共に、前記共通電極に前記第1粒子及び前記第2粒子を互いに混在した状態となるように引き寄せることで、前記第1の色とは異なる第2の色を表示する第2表示工程と、
前記画素電極に前記第1粒子及び前記第2粒子を互いに層をなすように引き寄せると共に、前記共通電極に前記第3粒子を引き寄せることで、前記第1の色及び前記第2の色とは異なる第3の色を表示する第3表示工程と、
前記画素電極に前記第1粒子及び前記第2粒子を互いに混在した状態となるように引き寄せると共に、前記共通電極に前記第3粒子を引き寄せることで、前記第3の色を表示する第4表示工程と
を備え、
前記第3表示工程によって前記第3の色を表示する前記画素及び第4表示工程によって前記第3の色を表示する前記画素のうち一方には、視覚できない秘匿データが埋め込まれる
ことを特徴とする電気泳動表示装置の駆動方法。 - 前記第3表示工程及び前記第4表示工程によって前記第3の色が表示されている前記画素において、前記画素電極及び前記共通電極に第1電圧を印加することで、埋め込まれた前記秘匿データを視覚可能とする秘匿データ読出工程を備えることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示装置の駆動方法。
- 前記第3表示工程及び前記第4表示工程によって前記第3の色が表示されている前記画素において、前記画素電極及び前記共通電極に第2電圧を印加することで、埋め込まれた前記秘匿データを読み出せないようにする秘匿データ消去工程を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気泳動表示装置の駆動方法。
- 画素毎に設けられた画素電極と、
前記画素電極と対向するように配置された共通電極と、
互いに同じ極性に帯電されており単位質量あたりの電荷量が異なる第1粒子及び第2粒子、並びに前記第1粒子及び前記第2粒子とは異なる極性に帯電された第3粒子を含む電気泳動素子と、
前記画素電極及び前記共通電極の各々に電位を供給することで画像を表示するように制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、
前記画素電極に前記第3粒子を引き寄せると共に、前記共通電極に前記第1粒子及び前記第2粒子を互いに層をなすように引き寄せることで、第1の色を表示する第1表示手段と、
前記画素電極に前記第3粒子を引き寄せると共に、前記共通電極に前記第1粒子及び前記第2粒子を互いに混在した状態となるように引き寄せることで、前記第1の色とは異なる第2の色を表示する第2表示手段と、
前記画素電極に前記第1粒子及び前記第2粒子を互いに層をなすように引き寄せると共に、前記共通電極に前記第3粒子を引き寄せることで、前記第1の色及び前記第2の色とは異なる第3の色を表示する第3表示手段と、
前記画素電極に前記第1粒子及び前記第2粒子を互いに混在した状態となるように引き寄せると共に、前記共通電極に前記第3粒子を引き寄せることで、前記第3の色を表示する第4表示手段と、
を備え、
前記第3表示手段によって前記第3の色を表示する前記画素及び第4表示手段によって前記第3の色を表示する前記画素のうち一方には、視覚できない秘匿データが埋め込まれる
ことを特徴とする電気泳動表示装置。 - 前記画素電極は、透光性を有していることを特徴とする請求項4に記載の電気泳動表示装置。
- 前記画素電極は、遮光性を有していることを特徴とする請求項4に記載の電気泳動表示装置。
- 請求項4から6のいずれか一項に記載の電気泳動表示装置を具備してなることを特徴とする電子機器。
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JP2010102319A JP2011232526A (ja) | 2010-04-27 | 2010-04-27 | 電気泳動表示装置の駆動方法、並びに電気泳動表示装置及び電子機器 |
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CN118011702A (zh) * | 2024-04-09 | 2024-05-10 | 惠科股份有限公司 | 显示面板和显示装置 |
-
2010
- 2010-04-27 JP JP2010102319A patent/JP2011232526A/ja not_active Withdrawn
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