JP2011232166A - 物理量検出部固定構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転に関する物理量を検出する物理量検出部を基体に固定するための固定構造であり、その物理量検出部に対する外部からの衝撃を緩和しながらも検出対象となる回転をその物理量検出部に選択的に伝達可能な固定構造を提供すること。
【解決手段】回転運動に関する物理量を検出する物理量検出部10を基体12に固定するための物理量検出部固定構造100は、物理量検出部10と基体12との間に配置され、物理量検出部10の並進運動をもたらし得る基体12からの衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収部14と、物理量検出部10と基体12との間に配置され、物理量検出部10の回転運動をもたらす基体12からの回転エネルギーを物理量検出部10に伝達する回転エネルギー伝達部16、18とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】回転運動に関する物理量を検出する物理量検出部10を基体12に固定するための物理量検出部固定構造100は、物理量検出部10と基体12との間に配置され、物理量検出部10の並進運動をもたらし得る基体12からの衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収部14と、物理量検出部10と基体12との間に配置され、物理量検出部10の回転運動をもたらす基体12からの回転エネルギーを物理量検出部10に伝達する回転エネルギー伝達部16、18とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、回転に関する物理量を検出する物理量検出部を基体に固定するための固定構造に関し、特に、その物理量検出部に対する外部からの衝撃を緩和しながらも検出対象となる回転をその物理量検出部に選択的に伝達可能な固定構造に関する。
従来、回転座標系上で並進運動する振動子に対してその並進運動方向と垂直な方向に作用するコリオリ力を検出することによって回転角速度を検出する振動型角速度センサが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
振動子は、櫛形電極によって励振軸方向に反復的に励振されており、その励振軸に垂直な回転軸周りに回転させられると、その励振軸及びその回転軸の双方に垂直な検出軸方向にコリオリ力による検出振動を発生させる。
振動型角速度センサは、この検出振動の振幅を別の櫛形電極によって測定することによりその回転の角速度を検出する。
また、この振動型角速度センサは、回路チップ上に積層される(振動子を含む)センサチップの防振性を向上させるために、その回路チップとセンサチップとの間に配置される接着フィルムの接着面積を小さくしたりその厚みを厚くしたりすることで、そのセンサチップの構造共振周波数がその振動子の励振周波数及びその検出振動の検出周波数よりも低くなるようにしている。
なお、この振動型角速度センサは、そのセンサチップの防振性を向上させるために接着フィルムの接着面積を小さくした結果として生じる角速度の検出感度の低下(回路チップからセンサチップへの回転力の伝わりにくさ)を補うために、複数の接着フィルムのそれぞれをそのセンサチップの中央部からできるだけ離れた位置に対称的に配置するようにしている。
上述の振動型角速度センサとは別に、角速度を検出するためのセンサチップに振動や衝撃が加わったとしても安定した出力が得られるように、回路チップに設けられた弾性体から成る防振部材とセンサチップとを複数箇所で点接触させながらセンサチップを保持する構造が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
この構造は、そのセンサチップの四隅にその防振部材を点接触させるだけでそのセンサチップを3軸方向のそれぞれに柔軟に保持すると共に3軸のそれぞれの周りの回転を防止することによって、そのセンサチップの構造共振周波数を大幅に引き下げ、そのセンサチップに加わる振動エネルギーの全てをその防振部材で減衰させるようにしている。
しかしながら、特許文献1に記載の振動型角速度センサは、センサチップを回路チップに搭載することを主目的とする接着フィルムであり、センサチップの底面に配置される接着フィルムのみを用いてセンサチップの防振性を向上させているので、角速度の検出感度の低下をなるべく犠牲にしないようにその接着フィルムの配置を調整したとしても、回路チップからセンサチップへの回転力の伝達が不十分となることを避けられず、検出すべき角速度を安定的に検出できないおそれがある。
また、特許文献2に記載の構造も、防振部材との点接触のみでセンサチップを保持するので、それら防振部材をセンサチップの四隅に配置しそのセンサチップの回転を抑えるようにしたとしても、回路チップからセンサチップへの回転力の伝達が不十分となることを避けられず、検出すべき角速度を安定的に検出できないおそれがある。
上述の点に鑑み、本発明は、回転に関する物理量を検出する物理量検出部を基体に固定するための固定構造であり、その物理量検出部に対する外部からの衝撃を緩和しながらも検出対象となる回転をその物理量検出部に選択的に伝達可能な物理量検出部固定構造を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明の実施例に係る物理量検出部固定構造は、回転運動に関する物理量を検出する物理量検出部を基体に固定するための物理量検出部固定構造であって、前記物理量検出部と前記基体との間に配置され、前記物理量検出部の並進運動をもたらし得る前記基体からの衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収部と、前記物理量検出部と前記基体との間に配置され、前記物理量検出部の回転運動をもたらす前記基体からの回転エネルギーを前記物理量検出部に伝達する回転エネルギー伝達部とを備えることを特徴とする。
また、本発明の実施例に係る物理量検出部固定構造において、前記衝撃吸収部は、前記回転運動の回転軸に垂直な前記物理量検出部の表面と前記基体との間に配置され、前記回転エネルギー伝達部は、前記回転軸に平行な前記物理量検出部の複数の側面のそれぞれと前記基体との間に配置されることが好ましい。
また、本発明の実施例に係る物理量検出部固定構造において、前記物理量検出部は、多角柱の形状を有し、前記回転エネルギー伝達部の一つは、前記多角柱の頂面又は底面を構成する多角形の頂点に隣接する二辺を形成する二つの側面と接触するように配置されることが好ましい。
また、本発明の実施例に係る物理量検出部固定構造において、前記物理量検出部は、前記回転運動の回転軸に対して線対称又は点対称となる形状を有し、前記回転エネルギー伝達部の二つは、前記回転軸に対して線対称又は点対称となる対を形成するように配置されることが好ましい。
また、本発明の実施例に係る物理量検出部固定構造において、前記衝撃吸収部によって決まる前記物理量検出部の並進モードにおける構造共振周波数は、前記回転エネルギー伝達部によって決まる前記物理量検出部の回転モードにおける構造共振周波数と異なることが好ましい。
上述の手段により、本発明は、回転に関する物理量を検出する物理量検出部を基体に固定するための固定構造であり、その物理量検出部に対する外部からの衝撃を緩和しながらも検出対象となる回転をその物理量検出部に選択的に伝達可能な物理量検出部固定構造を提供することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
図1は、本発明の第一実施例に係る物理量検出部固定構造100を示す概略図であり、図1(A)は、その上面図を示し、図1(B)は、図1(A)のI−I線における断面図を示す。
固定構造100は、物理量検出部10をパッケージ12に固定するための構造であり、固定構造100において、物理量検出部10は、その底面が接着部14を介してパッケージ12の凹部15の内底面に固定され、また、その四つのコーナー部のそれぞれにおける二つの側面が接着部16を介してパッケージ12の凹部15内にある隆起部18に固定される。また、物理量検出部10の電極端子(図示せず。)は、ワイヤー20を介してパッケージ12の配線パターン(図示せず。)に接続される。
物理量検出部10は、回転に関する物理量(回転角、回転角速度、回転角加速度等である。)を検出するための素子であり、例えば、Z軸方向に平行に延びる回転軸R周りの回転角速度を検出するヨーレートセンサである。回転軸R周りの回転は、例えば、図中の二つの矢印で示される時計回りの回転であるが、当然のことながら、反時計回りの回転であってもよい。
本実施例において、物理量検出部10は、シリコーンで形成された半導体素子であり、検出対象となる回転の回転軸Rに垂直な矩形の頂面及び底面とその回転軸Rに平行に延びる四つの側面とで構成される、回転軸Rに対して線対称又は点対称となる四角柱形状を有する。
また、物理量検出部10は、検出対象となる回転の回転軸R周りの回転角速度を検出するために、その回転軸Rに垂直な平面(XY平面)において櫛形電極によりX軸方向に反復的に励振される振動子であり、その回転軸R周りで回転が生じた場合にその回転軸Rに垂直な平面(XY平面)においてコリオリの力によりY軸方向に振動させられる振動子を含み、そのY軸方向の振動を別の櫛形電極を用いて静電的に読み取ることによってその回転角速度を検出する。なお、振動子の励振及びそのコリオリの力による振動の検出は、圧電素子を用いて実現されてもよい。
また、物理量検出部10の振動子を励振させる励振周波数、及び、コリオリの力によって生成される振動の周波数である検出周波数は、所望の検出感度を得るために4kHz〜10kHzに設定されている。
パッケージ12は、物理量検出部10を保持するための部材であり、例えば、セラミックや合成樹脂等の材料で形成され、物理量検出部10を受け入れるため(例えば物理量検出部10の厚みの半分程度を受け入れるため)の凹部15と、その凹部15の四隅のそれぞれで物理量検出部10の四つのコーナー部のそれぞれにおける二つの側面と向き合うよう配置される隆起部18とを有する。
接着部14は、パッケージ12が受けた外部からの熱エネルギーや運動(衝撃)エネルギーを吸収してそれら熱エネルギーや衝撃エネルギーが物理量検出部10に伝達されるのを抑制しながら物理量検出部10をパッケージ12に固定するための部材であり、例えば、物理量検出部10の底面とパッケージ12の凹部15の内底面との間に配置されるシリコーン接着剤で構成される部材である。
また、接着部14は、好適には、ペーストの状態で所定位置に塗布された上で熱処理等によって硬化される接着剤によって形成される。
また、接着部14は、X軸、Y軸、及びZ軸のそれぞれの軸方向(特に、回転軸Rの軸方向)における並進運動をもたらし得る衝撃エネルギーを吸収してその衝撃エネルギーが物理量検出部10に伝達されるのを抑制する。
また、接着部14は、物理量検出部10の並進モードにおける構造共振周波数を決定する要因の一つであり、接着部14との面接触を通じて物理量検出部10をパッケージ12に固定した場合にその構造共振周波数が4kHz〜10kHzとなるようにその厚み、その接触面積、及びその弾性率等が選択される(構造共振周波数は、その厚みが厚い程、その接触面積が小さい程、或いは、その弾性率が低い程、小さくなる。)。構造共振周波数が高すぎると(衝撃エネルギーの伝達が敏感すぎると)外部からの衝撃を受けたときに物理量検出部10が変形し検出性能の悪化を引き起こす場合があるためであり、また、超音波接合等によりワイヤー20を物理量検出部10にボンディングする際に物理量検出部10をある程度の力(接着部14による固定力)で保持する必要があることから構造共振周波数の低減(衝撃エネルギーの伝達防止)にも限界があるためである。
なお、この構造共振周波数が取り得る値(4kHz〜10kHz)は、物理量検出部10における励振周波数及び検出周波数が取り得る値と同じ範囲内のものであり、このままでは検出対象である回転の回転軸R周りの回転周波数が構造共振周波数及び検出周波数に近くなった場合にその回転角速度を過大に検出してしまうおそれがあるが、この問題は、後述の接着部16によって解決が図られることとなる。
このように、接着部14は、物理量検出部10の並進モードにおける構造共振周波数を比較的低い値に設定することにより、例えば回転軸Rの軸方向に作用する衝撃エネルギーであり、回転軸Rの軸方向の並進運動をもたらし得る衝撃エネルギーを吸収し、その衝撃エネルギーがパッケージ12の凹部15の内底面から物理量検出部10の底面に伝達されるのを抑制することができる。
接着部16は、パッケージ12が受けた外部からの運動エネルギー(回転軸R周りの回転エネルギー)を選択的に物理量検出部10に伝達するための部材であり、例えば、物理量検出部10の四つのコーナー部のそれぞれにおける二つの側面とパッケージ12の四隅にある四つの隆起部18のそれぞれとの間に配置される接着剤で形成される部材である。
また、接着部16は、物理量検出部10の回転軸R周りの回転を抑制すべく(すなわち、回転軸R周りの回転をもたらす回転エネルギーが減衰されることなくパッケージ12から物理量検出部10に伝達されるように)、物理量検出部10とパッケージ12との間であり、物理量検出部10の中立面上に描かれる回転軸Rを中心とする円の円周上に直接配置され、好適には、(図1(A)において物理量検出部10を上から見た場合に)接着部16の二つが回転軸Rに対して線対称又は点対称となるように配置される。物理量検出部10の回転軸R周りの回転を効率的に抑制するため(パッケージ12から物理量検出部10へ効率的に回転エネルギーを伝達するため)である。
また、物理量検出部10とパッケージ12との間の隙間に配置される接着部16は、上から視認することができるので、物理量検出部10の影に隠れて見えなくなる接着部14とは異なり、接着不良等の不具合を容易に発見できるという利点を有する。
接着部16は、物理量検出部10の回転モードにおける構造共振周波数(以下、「回転共振周波数」とする。)を決定する要因の一つであり、その回転共振周波数が物理量検出部10の検出周波数よりも顕著に大きくなるように(例えば、「回転共振周波数>21/2×検出周波数」の関係を満たすように)その厚み、その接触面積、及びその弾性率等が選択される。回転共振周波数と検出周波数との間の差が大きい程、物理量検出部10は、回転軸R周りの回転を安定的に検出することができるためである。
また、接着部16は、好適には、ペーストの状態で所定位置に塗布された上で熱処理等によって硬化される接着剤で形成される部材である。なお、接着部16は、回転共振周波数を増大させるために、好適には接着部14よりも大きな弾性率を有する材料(回転エネルギーを伝達し易い材料)で形成されるが、所望の回転共振周波数を得ることができるのであれば接着部14と同じ材料で形成されてもよい。
なお、回転共振周波数と検出周波数との間の差を大きくするためにその回転共振周波数をその検出周波数よりも顕著に小さくすることも考えられるが、その最小値(4kHz〜10kHzの範囲の値である。)が既に接着部14によって決定されているため、接着部16の厚み、接触面積、及び弾性率等は、その回転共振周波数を大きくする方向にのみ調整されるものとする。
このように、接着部16は、物理量検出部10の回転共振周波数を比較的高い値に設定することにより、回転軸R周りの回転運動をもたらし得る回転エネルギーがパッケージ12の隆起部18から物理量検出部10の四つの側面に伝達されるのを促進することができる。
隆起部18は、物理量検出部10とパッケージ12との間の隙間を埋めるために凹部15内に形成される部材であり、好適には、パッケージ12と同じ材料を用いてパッケージ12と一体的に形成される。なお、隆起部18は、パッケージ12とは別の独立した部材として形成されていてもよく、その場合、パッケージ12とは異なる材料で形成されていてもよい。
また、隆起部18は、好適には、物理量検出部10の四つのコーナー部のそれぞれにおける二つの側面のそれぞれと向き合う二つの面を有する補完形状を含むように形成される。
以上の構成により、物理量検出部固定構造100は、物理量検出部10の検出対象である回転運動以外の運動をもたらす運動エネルギーがパッケージ12から物理量検出部10に伝達されるのを接着部14により抑制し、且つ、物理量検出部10の回転共振周波数を物理量検出部10の検出周波数から遠ざけながら、その検出対象である回転運動をもたらす運動エネルギーが選択的にパッケージ12から物理量検出部10に伝達されるのを接着部16により促進するので、回転に関する物理量を物理量検出部10が安定的に検出できるようにする。
また、物理量検出部固定構造100は、接着部16の存在により、回転共振周波数の調整のために必要とされていた接着部14の加工誤差に対する要求精度が緩和されるため、接着部14の厚み不足や接着面積不足等に起因するパッケージ12から物理量検出部10への熱エネルギーや衝撃エネルギーの過剰な伝達を防止することができ、零点温度ドリフト等の不具合の発生を防止することができ、ひいては、歩留まりの低下を防止することができる。
次に、図2を参照しながら、本発明の第二実施例に係る固定構造200について説明する。なお、図2は、固定構造200を示す概略図であり、図2(A)は、その上面図を示し、図2(B)は、図2(A)のII−II線における断面図を示す。また、図2において、図1の固定構造100と共通する構成要素は、同じ参照符号を用いて表されるものとする。
図2の固定構造200は、物理量検出部10とパッケージ12の凹部15の内壁との間で物理量検出部10の周囲全体にわたって接着部16Aが配置され、隆起部18が省略されている点において、物理量検出部10の四つのコーナー部のそれぞれにおける二つの側面とパッケージ12の四隅にある四つの隆起部18のそれぞれとの間にのみ接着部16が配置されている固定構造100と相違するが、その他の点において共通する。
具体的には、接着部16Aは、物理量検出部10がパッケージ12の凹部15内に挿入され接着部14によって凹部15の内底面に固定された際に存在する、物理量検出部10の四つの側面とパッケージ12の凹部15の四つの内壁との間の隙間を埋めるように配置され、物理量検出部10の回転軸R周りの回転を抑制するようにする。
なお、接着部16Aは、物理量検出部10を完全に取り囲むことなく一部で中断され複数の枠部分に分割されていてもよいが、好適には、物理量検出部10の四つのコーナー部を取り囲む部分以外の部分で中断され、対応する二つの枠部分が回転軸Rに対して線対称又は点対称となるように配置される。
以上の構成により、物理量検出部固定構造200は、物理量検出部10の検出対象である回転運動以外の運動をもたらす運動エネルギーがパッケージ12から物理量検出部10に伝達されるのを接着部14により抑制し、且つ、物理量検出部10の回転共振周波数を物理量検出部10の検出周波数から遠ざけながら、その検出対象である回転運動をもたらす運動エネルギーが選択的にパッケージ12から物理量検出部10に伝達されるのを接着部16Aにより促進するので、回転に関する物理量を物理量検出部10が安定的に検出できるようにする。
次に、図3を参照しながら、本発明の第三実施例に係る固定構造300について説明する。なお、図3は、固定構造300を示す概略図であり、図3(A)は、その上面図を示し、図3(B)は、図3(A)のIII−III線における断面図を示す。また、図3において、図1の固定構造100と共通する構成要素は、同じ参照符号を用いて表されるものとする。
図3の固定構造300は、物理量検出部10の四つのコーナー部のそれぞれにおける二つの側面とパッケージ12の四隅にある四つの隆起部18Aのそれぞれとの間に、比較的高い弾力性を有する接着部を配置することなく、それら二つの側面と比較的低い弾力性を有する隆起部18におけるそのコーナー部に対応する補完部分とを直接接触させる点において、物理量検出部10と隆起部18との間に接着部16が配置されている固定構造100と相違するが、その他の点において共通する。
具体的には、パッケージ12の隆起部18Aは、物理量検出部10の側面と向き合う側の面を傾斜面とし、物理量検出部10がパッケージ12の凹部15内に上方から挿入されたときに、物理量検出部10の底面の四辺のそれぞれが四つのコーナー部のそれぞれで隆起部18Aのそれぞれの傾斜面と線接触するように形成される。隆起部18Aが傾斜面を有しない場合、隆起部18Aの形状が、物理量検出部10の凹部15への挿入を妨害するおそれがあるからである。
なお、隆起部18Aは、弾力性を有する材料で形成され、或いは、凹部15の内底面に沿って往復動可能に設置さればね材等によって回転軸Rに近づく方向に付勢され、物理量検出部10の凹部15への挿入が容易となるようにしながらもその挿入後には物理量検出部10を凹部15内に固定できるものであってもよい(すなわち、隆起部18Aは、物理量検出部10を凹部15内に挿入するときには回転軸Rから離れるように引っ込められ、物理量検出部10が凹部15内に挿入された後には回転軸Rに接近するように押し出されて物理量検出部10を両側から挟むように保持するように構成されていてもよい。)。
以上の構成により、物理量検出部固定構造300は、物理量検出部10の検出対象である回転運動以外の運動をもたらす運動エネルギーがパッケージ12から物理量検出部10に伝達されるのを接着部14により抑制し、且つ、物理量検出部10の回転共振周波数を物理量検出部10の検出周波数から遠ざけながら、その検出対象である回転運動をもたらす運動エネルギーが選択的にパッケージ12から物理量検出部10に伝達されるのを隆起部18Aにより促進するので、回転に関する物理量を物理量検出部10が安定的に検出できるようにする。
次に、図4を参照しながら、本発明の第四実施例に係る固定構造400について説明する。なお、図4は、固定構造400を示す概略図であり、図4(A)は、その上面図を示し、図4(B)は、図4(A)のIV−IV線における断面図を示す。また、図4において、図1の固定構造100と共通する構成要素は、同じ参照符号を用いて表されるものとする。
図4の固定構造400は、物理量検出部10Aが回転軸Rに対して線対称又は点対称となる八角柱形状であり、隆起部18が省略され、物理量検出部10Aの八つのコーナー部のうちの四つのコーナー部のそれぞれにおける二つの側面とパッケージ12の凹部15の内壁との間に接着部16Bが配置されている点において、物理量検出部10が四角柱形状であり、物理量検出部10の四つのコーナー部のそれぞれにおける二つの側面とパッケージ12の四隅にある四つの隆起部18のそれぞれとの間に接着部16が配置されている固定構造100と相違するが、その他の点において共通する。
具体的には、接着部16Bは、四つのうちの二つが一組となって回転軸Rに対して線対称又は点対称となるように配置され、物理量検出部10の回転軸R周りの回転を効率的に抑制できるように(パッケージ12から物理量検出部10へ効率的に回転エネルギーを伝達できるように)している。組を構成しない接着部を介して回転エネルギーが伝達されると、その組を構成しない接着部を回転軸とした別の回転が生じてしまい、本来検出すべき回転運動を正確に検出することが困難になる場合があるからである。
なお、接着部16Bは、八つのコーナー部のそれぞれにおける二つの側面とパッケージ12の凹部15の内壁との間に配置され、三組以上のペアを構成するようにしてもよい。
以上の構成により、物理量検出部固定構造400は、物理量検出部10Aの検出対象である回転運動以外の運動をもたらす運動エネルギーがパッケージ12から物理量検出部10Aに伝達されるのを接着部14により抑制し、且つ、物理量検出部10Aの回転共振周波数を物理量検出部10Aの検出周波数から遠ざけながら、その検出対象である回転運動をもたらす運動エネルギーが選択的にパッケージ12から物理量検出部10Aに伝達されるのを接着部16Bにより促進するので、回転に関する物理量を物理量検出部10Aが安定的に検出できるようにする。
次に、図5を参照しながら、本発明の第五実施例に係る固定構造500について説明する。なお、図5は、固定構造500を示す上面図である。また、図5において、図1の固定構造100と共通する構成要素は、同じ参照符号を用いて表されるものとする。
図5の固定構造500は、物理量検出部10Bが回転軸Rに対して線対称又は点対称とはならない五角柱形状であり、隆起部18が省略され、物理量検出部10Bの五つのコーナー部のうちの四つのコーナー部のそれぞれにおける二つの側面とパッケージ12の凹部15の内壁との間に接着部16Cが配置されている点において、物理量検出部10が四角柱形状であり、物理量検出部10の四つのコーナー部のそれぞれにおける二つの側面とパッケージ12の四隅にある四つの隆起部18のそれぞれとの間に接着部16が配置されている固定構造100と相違するが、その他の点において共通する。
具体的には、接着部16Cは、四つのうちの一つが回転軸Rを挟んで反対側にある別の一つとペアを構成するように配置され、物理量検出部10の回転軸R周りの回転を効率的に抑制できるように(パッケージ12から物理量検出部10へ効率的に回転エネルギーを伝達できるように)している。この場合、二つのペアのうちの少なくとも一つのペアは、回転軸Rに対して線対称又は点対称とはならないが、回転軸Rを挟んで反対側に配置されることによって、組を構成しない接着部を単独で配置したときと比べ、不要な回転エネルギーがパッケージ12から物理量検出部10へ伝達されるのを顕著に抑制することができる。
以上の構成により、物理量検出部固定構造500は、物理量検出部10Bの検出対象である回転運動以外の運動をもたらす運動エネルギーがパッケージ12から物理量検出部10Bに伝達されるのを接着部14により抑制し、且つ、物理量検出部10Bの回転共振周波数を物理量検出部10Bの検出周波数から遠ざけながら、その検出対象である回転運動をもたらす運動エネルギーが選択的にパッケージ12から物理量検出部10Bに伝達されるのを接着部16Cにより促進するので、回転に関する物理量を物理量検出部10Bが安定的に検出できるようにする。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなしに上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、上述の実施例において、物理量検出部10、10A、10Bはそれぞれ、四角柱、八角柱、五角柱の形状を有するが、円柱形状又は楕円柱形状を有するものであってもよい。
また、上述の実施例において、接着部14は、物理量検出部10の底面とパッケージ12の凹部15の内底面との間に配置されるが、物理量検出部10の回転軸Rの軸方向の並進運動エネルギーを吸収できる配置であれば、その一部又は全部が物理量検出部10の表面又は側面に配置されていてもよい。
また、上述の第一、第四、及び第五実施例において、接着部16、16B、16Cは、対応するコーナー部を形成する二つの側面の双方と面接触しながら物理量検出部10、10A、10Bの回転軸R周りの回転を抑制するが(パッケージ12から物理量検出部10へ効率的に回転エネルギーを伝達するが)、それら二つの側面のうちの何れか一方のみと面接触しながら物理量検出部10、10A、10Bの回転軸R周りの回転を抑制するようにしてもよい(パッケージ12から物理量検出部10へ効率的に回転エネルギーを伝達するようにしてもよい。)。
また、上述の第一及び第三の実施例において、接着部16又は隆起部18Aは、物理量検出部10の四つのコーナー部のそれぞれにおける二つの側面と接触するよう配置されるが、四つのコーナー部のうちの二つ又は三つのコーナー部のそれぞれにおける二つの側面と接触するよう配置されてもよい。
なお、特許請求の範囲における「回転エネルギー伝達部」は、上述の実施例における接着部16、16A、16B、16C、隆起部18、18A、又はそれらの組み合わせに対応し、特許請求の範囲における「衝撃吸収部」は、上述の実施例における接着部14に対応するものとする。
10、10A、10B 物理量検出部
12 パッケージ
14 接着部
15 凹部
16、16A、16B、16C 接着部
18、18A 隆起部
20 ワイヤー
100、200、300、400、500 物理量検出部固定構造
12 パッケージ
14 接着部
15 凹部
16、16A、16B、16C 接着部
18、18A 隆起部
20 ワイヤー
100、200、300、400、500 物理量検出部固定構造
Claims (5)
- 回転運動に関する物理量を検出する物理量検出部を基体に固定するための物理量検出部固定構造であって、
前記物理量検出部と前記基体との間に配置され、前記物理量検出部の並進運動をもたらし得る前記基体からの衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収部と、
前記物理量検出部と前記基体との間に配置され、前記物理量検出部の回転運動をもたらす前記基体からの回転エネルギーを前記物理量検出部に伝達する回転エネルギー伝達部と、
を備えることを特徴とする物理量検出部固定構造。 - 前記衝撃吸収部は、前記回転運動の回転軸に垂直な前記物理量検出部の表面と前記基体との間に配置され、
前記回転エネルギー伝達部は、前記回転軸に平行な前記物理量検出部の複数の側面のそれぞれと前記基体との間に配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の物理量検出部固定構造。 - 前記物理量検出部は、多角柱の形状を有し、
前記回転エネルギー伝達部の一つは、前記多角柱の頂面又は底面を構成する多角形の頂点に隣接する二辺を形成する二つの側面と接触するように配置される、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の物理量検出部固定構造。 - 前記物理量検出部は、前記回転運動の回転軸に対して線対称又は点対称となる形状を有し、
前記回転エネルギー伝達部の二つは、前記回転軸に対して線対称又は点対称となる対を形成するように配置される、
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の物理量検出部固定構造。 - 前記衝撃吸収部によって決まる前記物理量検出部の並進モードにおける構造共振周波数は、前記回転エネルギー伝達部によって決まる前記物理量検出部の回転モードにおける構造共振周波数と異なる、
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の物理量検出部固定構造。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2010-04-27 JP JP2010102601A patent/JP2011232166A/ja active Pending
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