JP2011231193A - バイオマスのガス化装置及びガス化方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ガス化炉内に形成されるバイオマスの充填移動層におけるガス流の圧力損失を低くして、安定したガス化を行えるバイオマスのガス化装置及びガス化方法を提供することを課題とする。
【解決手段】竪型のガス化炉3の上部からバイオマスを供給してバイオマスの充填移動層を該ガス化炉3内に形成し、該ガス化炉3の下部からガス化剤を供給し、充填移動層の降下せるバイオマスを、上昇するガス化剤と向流接触させ熱分解させて生成ガスを得るガス化炉を備えるバイオマスガス化装置において、バイオマスを分級して所定粒径以下のバイオマスの細粒物の重量比率が所定値以下である粒度分布調整バイオマスを得る振動篩1と、振動篩1からの粒度分布調整バイオマスをガス化炉3に供給するバイオマス供給装置2とを有する。
【選択図】図1
【解決手段】竪型のガス化炉3の上部からバイオマスを供給してバイオマスの充填移動層を該ガス化炉3内に形成し、該ガス化炉3の下部からガス化剤を供給し、充填移動層の降下せるバイオマスを、上昇するガス化剤と向流接触させ熱分解させて生成ガスを得るガス化炉を備えるバイオマスガス化装置において、バイオマスを分級して所定粒径以下のバイオマスの細粒物の重量比率が所定値以下である粒度分布調整バイオマスを得る振動篩1と、振動篩1からの粒度分布調整バイオマスをガス化炉3に供給するバイオマス供給装置2とを有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、ガス化炉でバイオマスからガスを生成するバイオマスのガス化装置及びガス化方法に関する。
製木材端材、樹皮、木屑、間伐材など林産資源に由来する木質系バイオマス(単にバイオマスという)をガス化し、生成ガスを、例えばガスエンジンの燃料として供給するガス化炉が非特許文献1に開示されている。このガス化炉ではバイオマスをガス化炉の上部から供給し、ガス化炉内にバイオマスが堆積した充填移動層を形成する。この充填移動層は上部から乾燥領域、熱分解領域、還元領域、酸化領域を形成するようになり、ガス化反応の進行に応じてバイオマスは充填移動層上部から下部へと下降する。ガス化炉の下部からガス化剤として水蒸気と空気を供給し、ガス化炉内でガス流れは、ガス化炉の下部から上部へ流れ、生成ガスは上部のガス排出口から取り出される。
ガス化炉の上部から供給されたバイオマスは、ガス化炉内で生成したガスの熱により乾燥されて乾燥領域を上部に形成する。この乾燥領域から下降したバイオマスは熱分解領域で熱分解され、CH4,CO,H2等の可燃性ガスと、CO2,H2O,ガス状タール等の生成ガスと、固定炭素を生じる。可燃性ガスとCO2,H2O,ガス状タール等の生成ガスは上昇し、固定炭素が下降する。熱分解領域から下降した固定炭素は還元領域でガス化剤としての水蒸気とガス化反応してCO,H2を生成し、CO,H2は上昇する。還元領域の下方の酸化領域では、還元領域から下降した残存する固定炭素、液状タール、未熱分解バイオマスが空気により部分酸化・燃焼され、ガス化反応、熱分解、乾燥に必要な熱を発生し、燃焼ガスは熱を伴い上昇する。充填移動層の下部から燃焼灰が外部へ排出される。
JFEエンジニアリング社カタログ(カタログ番号:CA3047)「JFE-フェルント式 木質バイオマスガス化発電システム」JFEエンジニアリング株式会社発行、2004年
非特許文献1に記載のバイオマスのガス化装置により、安定したガス化反応を維持するためには、ガス化剤をバイオマスの充填移動層に満遍なく均一に通気させ、ガス化剤とバイオマスを十分に接触させる必要がある。また、ガス化剤は比較的低い圧力(数キロパスカル程度)で充填移動層に供給されるため、充填移動層におけるガス化剤流れの圧力損失を低く保つ必要もある。充填移動層内で圧力損失が所定の上限を超える領域があると、その領域におけるガス化剤の流れが遮断若しくは阻害され、ガス化反応の安定性が損なわれてしまう。その結果、時間あたりにバイオマスをガス化処理するガス化処理量が定格値よりも少なくなるという問題が生じる。そのため、充填移動層全体でガス化剤が均一に通気することと、圧力損失を低くすることが望まれる。
バイオマスの充填移動層における通気性と圧力損失は、バイオマスの粒度分布に大きく影響される。粒経が大きく、かつその粒径が狭い範囲で分布している粒度分布のバイオマスを用いると、バイオマス同士間には適度な空隙があり、ガス化剤が均一に通気し、充填移動層の圧力損失を低くすることができる。しかしながら、ガス化原料のバイオマスとして木屑を用いる場合、粒経が大きくかつ粒径が狭い範囲で分布している粒度分布の木屑はパルプ原料等としての使途があるため高価である。これに対し、細粒物も含まれ、粒径が広い範囲で分布している粒度分布のバイオマスが安価であり、バイオマスをガス化して利用することの経済性が優れているが、このようなバイオマスを用いると、ガス化剤の充填移動層内での通気が不均一になったり、圧力損失が大きくなり、ガス化反応を安定して行うことができず、ガス化処理量が定格値よりも少なくなるという問題が生じる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、細粒物も含まれ、粒径が広い範囲で分布している粒度分布のバイオマスをガス化原料として用いる際に、バイオマスの充填移動層内の均一なガス流れを形成でき、充填移動層の圧力損失を低くすることができ、安定したガス化を行うことができるバイオマスのガス化装置及びガス化方法を提供することを課題とする。
<本発明に至るまでの経緯>
本発明者らは、ガス化炉に供給するバイオマスに占める細粒物の重量比率に上限を設けることにより、細粒物によるガス化層への悪影響を抑制し、バイオマスの充填移動層内の均一なガス流れを形成でき、充填移動層の圧力損失を低くすることができ、その結果、安定したガス化反応を維持できることを見出した。
本発明者らは、ガス化炉に供給するバイオマスに占める細粒物の重量比率に上限を設けることにより、細粒物によるガス化層への悪影響を抑制し、バイオマスの充填移動層内の均一なガス流れを形成でき、充填移動層の圧力損失を低くすることができ、その結果、安定したガス化反応を維持できることを見出した。
非特許文献1のガス化装置を用い、バイオマス中の細粒物の重量比率を変えて、細粒物の重量比率と一日あたりの安定運転時間との関係を調べた。細粒物とは粒径10mm以下のものであるとした。その理由は、細粒物の影響を考慮することが必要な廃棄物固形化燃料の規格において粉化物が粒径9.5mm以下の細粒物と定められている(JIS Z7302-10「廃棄物固形化燃料−第10部:粉化度試験方法」参照)ことによる。安定運転時間とは充填移動層内をガス化剤が均一に流通し、充填移動層の圧力損失が異常に高くなることなく、バイオマスを定格量でガス化することができる時間である。
粒径10mm以下の細粒物は、充填移動層で密に堆積し空隙が形成されにくいため、良好な通気経路が確保できないので通気抵抗が大きくなり、ガス流れに偏流が生じ、通気抵抗の比較的小さな箇所にガスが集中して通過する吹き抜けが起こるなど、ガス流れが不均一になり、また通気抵抗が大きいため圧力損失が大きくなる。バイオマス中の粒径10mm以下細粒物の重量比率が高いと圧力損失が大きく、重量比率が低いと圧力損失が小さい。
細粒物の重量比率と一日あたりの安定運転時間との関係を、添付図の図3に示す。
粒径10mm以下の細粒物の重量比率が32重量%の場合は、圧力損失が高くガス化剤の流通が阻害されバイオマスを定格量でガス化することができず、安定運転が全くできなかった。細粒物の重量比率が小さくなると、安定運転時間は増加し、粒径10mm以下の細粒物の重量比率が20重量%の場合に、安定運転時間が24時間となり、安定したガス化反応を維持できる。
バイオマスを充填移動層ガス化炉でガス化する場合に、粒径10mm以下のバイオマスの重量比率が20重量%以下であるように粒度分布調整したバイオマスをガス化炉へ供給することにより、充填移動層内の均一なガス流れを形成でき、充填移動層の圧力損失を低くすることができ、その結果、安定したガス化反応を維持できることを見出した。
このような経緯のもとで、課題の解決のために、本発明では、次のごとくの構成の装置発明そして方法発明に至った。
[装置発明]
本発明のバイオマスガス化装置は、竪型のガス化炉の上部からバイオマスを供給してバイオマスの充填移動層を該ガス化炉内に形成し、該ガス化炉の下部からガス化剤を供給し、充填移動層の降下せるバイオマスを、上昇するガス化剤と向流接触させ熱分解させて生成ガスを得るガス化炉を備えており、次の第一装置発明そして第二装置発明として構成される。
本発明のバイオマスガス化装置は、竪型のガス化炉の上部からバイオマスを供給してバイオマスの充填移動層を該ガス化炉内に形成し、該ガス化炉の下部からガス化剤を供給し、充填移動層の降下せるバイオマスを、上昇するガス化剤と向流接触させ熱分解させて生成ガスを得るガス化炉を備えており、次の第一装置発明そして第二装置発明として構成される。
<第一装置発明>
かかるバイオマスガス化装置において、本発明では、第一装置発明として、バイオマスを分級して所定粒径以下のバイオマスの細粒物の重量比率が所定値以下である粒度分布調整バイオマスを得る振動篩と、振動篩からの粒度分布調整バイオマスをガス化炉に供給するバイオマス供給装置とを有することを特徴としている。
かかるバイオマスガス化装置において、本発明では、第一装置発明として、バイオマスを分級して所定粒径以下のバイオマスの細粒物の重量比率が所定値以下である粒度分布調整バイオマスを得る振動篩と、振動篩からの粒度分布調整バイオマスをガス化炉に供給するバイオマス供給装置とを有することを特徴としている。
本発明において、振動篩は、篩上に粒径10mm以下のバイオマスの細粒物の重量比率が20重量%以下である粒度分布調整バイオマスを得る目開きのスクリーンを有していると共に、そのための運転条件が定められることが好ましい。
さらに、本発明において、振動篩は、運転条件として、スクリーンへのバイオマス供給量、振動数、スクリーンでのバイオマスの滞留時間のうちの少なくとも一つを設定可能となっていることが好ましい。
<第二装置発明>
本発明においては、第二装置発明として、バイオマスを所定粒径以下の細粒物と所定粒径より大きい粗粒物とに分級する分級装置と、分級装置により分級された細粒物と所定粒径より大きい粗粒物とを混合して細粒物の重量比率が所定値以下である粒度分布調整バイオマスを得る粒度分布調整装置と、粒度分布調整バイオマスをガス化炉に供給するバイオマス供給装置とを有することを特徴としている。
本発明においては、第二装置発明として、バイオマスを所定粒径以下の細粒物と所定粒径より大きい粗粒物とに分級する分級装置と、分級装置により分級された細粒物と所定粒径より大きい粗粒物とを混合して細粒物の重量比率が所定値以下である粒度分布調整バイオマスを得る粒度分布調整装置と、粒度分布調整バイオマスをガス化炉に供給するバイオマス供給装置とを有することを特徴としている。
本発明において、分級装置は粒径10mm以下のバイオマスを細粒物として分級する目開きの篩を有し、粒度分布調整装置は粒径10mm以下のバイオマスの重量比率が20重量%以下である粒度分布調整バイオマスを得るようになっていることが好ましい。
[方法発明]
本発明のバイオマスガス化方法では、竪型のガス化炉の上部からバイオマスを供給してバイオマスの充填移動層を該ガス化炉内に形成し、該ガス化炉の下部からガス化剤を供給し、充填移動層の降下せるバイオマスを上昇するガス化剤と向流接触させ熱分解させて生成ガスを得る。
本発明のバイオマスガス化方法では、竪型のガス化炉の上部からバイオマスを供給してバイオマスの充填移動層を該ガス化炉内に形成し、該ガス化炉の下部からガス化剤を供給し、充填移動層の降下せるバイオマスを上昇するガス化剤と向流接触させ熱分解させて生成ガスを得る。
<第一方法発明>
かかるバイオマスガス化方法において、本発明では、第一方法発明として、バイオマスを分級して所定粒径以下のバイオマスの細粒物の重量比率が所定値以下である粒度分布調整バイオマスを得る粒度分布調整工程と、粒度分布調整バイオマスをガス化炉に供給するバイオマス供給工程とを有することを特徴としている。
かかるバイオマスガス化方法において、本発明では、第一方法発明として、バイオマスを分級して所定粒径以下のバイオマスの細粒物の重量比率が所定値以下である粒度分布調整バイオマスを得る粒度分布調整工程と、粒度分布調整バイオマスをガス化炉に供給するバイオマス供給工程とを有することを特徴としている。
本発明において、粒度分布調整工程は、振動篩により篩上に粒径10mm以下のバイオマスの細粒物の重量比率が20重量%以下にすることが好ましい。
<第二方法発明>
本発明においては、第二方法発明として、バイオマスを所定粒径以下の細粒物と所定粒径より大きい粗粒物とに分級する分級工程と、分級工程により分級された細粒物と粗粒物とを混合して細粒物の重量比率が所定値以下である粒度分布調整バイオマスを得る粒度分布調整工程と粒度分布調整バイオマスをガス化炉に供給するバイオマス供給工程とを有することを特徴としている。
本発明においては、第二方法発明として、バイオマスを所定粒径以下の細粒物と所定粒径より大きい粗粒物とに分級する分級工程と、分級工程により分級された細粒物と粗粒物とを混合して細粒物の重量比率が所定値以下である粒度分布調整バイオマスを得る粒度分布調整工程と粒度分布調整バイオマスをガス化炉に供給するバイオマス供給工程とを有することを特徴としている。
本発明において、分級工程は粒径10mm以下のバイオマスを細粒物として分級し、
粒度分布調整工程は粒径10mm以下のバイオマスの重量比率が20重量%以下にすることが好ましい。
粒度分布調整工程は粒径10mm以下のバイオマスの重量比率が20重量%以下にすることが好ましい。
以上のように、本発明装置そして本発明方法によれば、ガス化炉内の充填移動層のバイオマスは、所定粒径以下の細粒物が全バイオマスに対して所定以下の重量比率となるので、細粒物も含まれていて、粒径が広い範囲で分布している粒度分布のバイオマスをガス化原料として用いる際に、充填移動層内の均一な高温ガスの上昇流を形成でき、充填移動層での圧力損失を低くすることができ、安定したガス化を行うことができるバイオマスのガス化装置及びガス化方法を提供することができる。
以下、添付図面にもとづき本発明の実施形態を説明する。
<第一実施形態>
図1は本発明の第一実施形態としてのバイオマスのガス化装置の概要構成図である。
図1は本発明の第一実施形態としてのバイオマスのガス化装置の概要構成図である。
本実施形態装置は、供給されたバイオマスを所定粒径以下の細粒物を全バイオマスに対して所定以下の重量比率の粒度分布調整バイオマスとするための振動篩1と、この粒度分布調整バイオマスを受けてこれを供給するバイオマス供給装置2と、該バイオマス供給装置2からバイオマスの供給を受けるガス化炉3とを有している。
振動篩1は、篩(スクリーン)の目開きが所定寸法を適宜変更できるように、スクリーン自体を取替え自在となっている。本実施形態では、一例として目開きは10mmより或る程度大きくなっている。また、振動篩1は、スクリーン上に供給されるバイオマス量、スクリーンの振動数、バイオマスのスクリーン上での滞留時間等の運転条件を適宜設定できるようになっている。したがって、例えば、目開きが10mmのスクリーンを用いても、上記運転条件を選定することで、所定粒径として設定された10mm以下の粒径のものがスクリーンから落下して排出されても、10mm以下の粒径のものがある程度、スクリーン上に残り、スクリーン上のバイオマス全体に対する重量比率を適宜調整可能となる。
かかる振動篩1のスクリーンの選定、運転条件の設定は、次の点に留意してなされる。
スクリーン上へ受け入れるバイオマス原料の粒度分布と、ガス化炉へ搬出する搬出量の条件から最適なスクリーン長さ及び幅を決定する。
振動篩により粒度分布調整バイオマスを得る粒度分布調整効率は、スクリーン上のバイオマス原料の層厚と供給してから搬出するまでのスクリーン上に滞留させる滞留時間に依存するので、上記粒度分布調整効率が高くなるように滞留時間を設定する。
スクリーン上のバイオマス原料の層厚は、スクリーン入口側にゲートを設けて、所定の一定層厚に設定する。滞留時間はスクリーンの振動数に依存しているので、篩分け後にスクリーン上のバイオマスが粒径10mm以下のバイオマスの重量比率が20重量%以下であるようにスクリーンの振動数を設定し、滞留時間を定める。目開きが10mmよりある程度大きい(例えば15mm程度)スクリーンを用いるのは、このような目開きのスクリーンを用いると粒径10mm以下の細粒物を効率よく篩下へ篩い分けることができるためである。
バイオマス供給装置2は、コンベア、スクリューフィーダ等の搬送装置とすることができ、これによりバイオマスをガス化炉3に供給する。
ガス化炉3は、竪型炉として形成されており、側部上部に上記バイオマス供給装置2からのバイオマスを受け、下部から高温のガス化剤を受けるようになっている。また、上部には生成ガスを排出するガス排出口が設けられている。
上記ガス化炉3に、バイオマスがガス化炉3の上部から供給され、ガス化炉3内にバイオマスが堆積した充填移動層を形成する。この充填移動層は上部から乾燥領域、熱分解領域、還元領域、酸化領域を形成するようになり、ガス化反応の進行に応じてバイオマスは充填移動層上部から下部へと下降する。ガス化炉3の下部からガス化剤として水蒸気と空気を供給し、ガス化炉3内でガス流れは、ガス化炉3の下部から上部へ流れ、生成ガスは上部のガス排出口から取り出される。
ガス化炉3の上部から供給されたバイオマスは、生成したガスの熱により乾燥されて乾燥領域を上部に形成する。この乾燥領域から下降したバイオマスは熱分解領域で熱分解され、CH4,CO,H2等の可燃性ガスと、CO2,H2O,ガス状タール等の生成ガスと、固定炭素を生じる。可燃性ガスとCO2,H2O,ガス状タール等の生成ガスは上昇し、固定炭素が下降する。熱分解領域から下降した固定炭素は還元領域でガス化剤としての水蒸気とガス化反応してCO,H2を生成し、CO,H2は上昇する。還元領域の下方の酸化領域では、還元領域から下降した残存する固定炭素、液状タール、未熱分解バイオマスが空気により部分酸化・燃焼され、ガス化反応、熱分解、乾燥に必要な熱を発生し、燃焼ガスは熱を伴い上昇する。充填移動層の下部から燃焼灰が外部へ排出される。
このような本実施形態では、バイオマスの充填移動層を形成するガス化炉3でガス化する際に、粒径10mm以下のバイオマスの重量比率が20重量%以下であるように粒度分布調整したバイオマスをガス化炉3へ供給することにより、充填移動層内の均一なガス流れを形成でき、充填移動層の圧力損失を低くすることができ、その結果、安定したガス化反応を維持できる。
<第二実施形態>
図1の第一実施形態では、バイオマスの粒度分布調整を振動篩のみで行ったが、図2に示される第二実施形態では、分級装置と粒度分布調整装置を用いて行う点に特徴がある。この第二実施形態でのバイオマス供給装置とガス化炉は、第一実施形態の場合と同じであるので、同一符号を付してその説明は省略する。
図1の第一実施形態では、バイオマスの粒度分布調整を振動篩のみで行ったが、図2に示される第二実施形態では、分級装置と粒度分布調整装置を用いて行う点に特徴がある。この第二実施形態でのバイオマス供給装置とガス化炉は、第一実施形態の場合と同じであるので、同一符号を付してその説明は省略する。
図2において、分級装置4は、バイオマスを所定粒径(例えば10mm)以下の細粒物と所定粒径より大きい粗粒物とに分級するものであり、図1における振動篩を用いることができる。
粒度分布調整装置5は、上記分級装置4により分級された細粒物を、その供給量を調整した後に、下述の混合装置5Cへ供給する細粒物供給装置5Aと、上記分級装置4により分級された粗粒物を、その供給量を調整した後に、下述の混合装置5Cへ供給する粗粒物供給装置5Bと、供給された細粒物と粗粒物を混合し、粒径10mm以下のバイオマスの重量比率が20重量%以下である粒度分布調整バイオマスを得る混合装置5Cとを有している。
なお、本実施形態において、分級装置4と、細粒物供給装置5Aそして粗粒物供給装置5Bとの間に、バイオマスを一時貯留する貯留槽をそれぞれ設けてもよいし、混合装置5Cとバイオマス供給装置2との間にバイオマスを一時貯留する貯留槽を設けてもよい。
このような本実施形態によれば、第一実施形態にように振動篩の運転条件を設定しなくとも、混合装置での細粒物と粗粒物の混合の比率を変えるだけで、適切なバイオマスの粒径分布を得る。
1 振動篩
2 バイオマス供給装置
3 ガス化炉
4 分級装置
5 粒度分布調整装置
2 バイオマス供給装置
3 ガス化炉
4 分級装置
5 粒度分布調整装置
Claims (9)
- 竪型のガス化炉の上部からバイオマスを供給してバイオマスの充填移動層を該ガス化炉内に形成し、該ガス化炉の下部からガス化剤を供給し、充填移動層の降下せるバイオマスを、上昇するガス化剤と向流接触させ熱分解させて生成ガスを得るガス化炉を備えるバイオマスガス化装置において、
バイオマスを分級して所定粒径以下のバイオマスの細粒物の重量比率が所定値以下である粒度分布調整バイオマスを得る振動篩と、
振動篩からの粒度分布調整バイオマスをガス化炉に供給するバイオマス供給装置とを有することを特徴とするバイオマスのガス化装置。 - 振動篩は、篩上に粒径10mm以下のバイオマスの細粒物の重量比率が20重量%以下である粒度分布調整バイオマスを得る目開きのスクリーンを有していると共に、そのための運転条件が定められることとする請求項1に記載のバイオマスのガス化装置。
- 振動篩は、運転条件として、スクリーンへのバイオマス供給量、振動数、スクリーンでのバイオマスの滞留時間のうちの少なくとも一つを設定可能となっていることとする請求項2に記載のバイオマスのガス化装置。
- 竪型のガス化炉の上部からバイオマスを供給してバイオマスの充填移動層を該ガス化炉内に形成し、該ガス化炉の下部からガス化剤を供給し、充填移動層の降下せるバイオマスを、上昇するガス化剤と向流接触させ熱分解させて生成ガスを得るガス化炉を備えるバイオマスガス化装置において、
バイオマスを所定粒径以下の細粒物と所定粒径より大きい粗粒物とに分級する分級装置と、
分級装置により分級された細粒物と所定粒径より大きい粗粒物とを混合して細粒物の重量比率が所定値以下である粒度分布調整バイオマスを得る粒度分布調整装置と、
粒度分布調整バイオマスをガス化炉に供給するバイオマス供給装置とを有することを特徴とするバイオマスのガス化装置。 - 分級装置は粒径10mm以下のバイオマスを細粒物として分級する目開きの篩を有し、粒度分布調整装置は粒径10mm以下のバイオマスの重量比率が20重量%以下である粒度分布調整バイオマスを得るようになっていることとする請求項4に記載のバイオマスのガス化装置。
- 竪型のガス化炉の上部からバイオマスを供給してバイオマスの充填移動層を該ガス化炉内に形成し、該ガス化炉の下部からガス化剤を供給し、充填移動層の降下せるバイオマスを上昇するガス化剤と向流接触させ熱分解させて生成ガスを得るバイオマスガス化方法において、
バイオマスを分級して所定粒径以下のバイオマスの細粒物の重量比率が所定値以下である粒度分布調整バイオマスを得る粒度分布調整工程と、
粒度分布調整バイオマスをガス化炉に供給するバイオマス供給工程とを有することを特徴とするバイオマスのガス化方法。 - 粒度分布調整工程は、振動篩により篩上に粒径10mm以下のバイオマスの細粒物の重量比率が20重量%以下にすることとする請求項6に記載のバイオマスのガス化方法。
- 竪型のガス化炉の上部からバイオマスを供給してバイオマスの充填移動層を該ガス化炉内に形成し、該ガス化炉の下部からガス化剤を供給し、充填移動層の降下せるバイオマスを上昇するガス化剤と向流接触させ熱分解させて生成ガスを得るバイオマスガス化方法において、
バイオマスを所定粒径以下の細粒物と所定粒径より大きい粗粒物とに分級する分級工程と、
分級工程により分級された細粒物と粗粒物とを混合して細粒物の重量比率が所定値以下である粒度分布調整バイオマスを得る粒度分布調整工程と、
粒度分布調整バイオマスをガス化炉に供給するバイオマス供給工程とを有することを特徴とするバイオマスのガス化方法。 - 分級工程は粒径10mm以下のバイオマスを細粒物として分級し、
粒度分布調整工程は粒径10mm以下のバイオマスの重量比率が20重量%以下にすることとする請求項8に記載のバイオマスのガス化方法。
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WO2013172301A1 (ja) | 2012-05-18 | 2013-11-21 | 株式会社ジャパンブルーエナジー | バイオマスのガス化装置 |
CN104726137A (zh) * | 2015-03-04 | 2015-06-24 | 湖南谷力新能源科技股份有限公司 | 一种高利用率的生物质气化反应装置 |
-
2010
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