JP2011231087A - 光感受性物質を有効成分とする抗ウィルス剤 - Google Patents

光感受性物質を有効成分とする抗ウィルス剤 Download PDF

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Abstract

【課題】個々の動物種毎の調製を要さず、極めて広範囲のウィルスに適用可能な抗ウィルス剤を提供すること。
【解決手段】フェオフォーバイドa又はその塩を有効成分とする抗ウィルス剤とする。
【選択図】なし

Description

本発明は光感受性物質を有効成分とする抗ウィルス剤に関し、より詳しくはフェオフォーバイドa又はその塩を有効成分とする抗ウィルス剤に関する。
フェオフォーバイドaは、植物で光合成を行っているクロロフィルの誘導体の1つである光感受性物質である。フェオフォーバイドaは、400〜420nmの波長領域と600〜700nmの波長領域との2つの領域で吸収極大を示し、これらの吸収波長領域の光で光励起反応を引き起こすことが報告されている(非特許文献1、非特許文献2)。
フェオフォーバイドaはまた、水に対する溶解度が極めて低いことが知られている。この問題に対する、フェオフォーバイドaの調製方法としては、(a)フェオフォーバイドaを有機溶媒のジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、それを燐酸緩衝液にて希釈して使用する方法、(b)フェオフォーバイドaの粉末を少量のアルカリ水溶液とともにペースト状に練り、燐酸緩衝液にて希釈して使用する方法、(c)フェオフォーバイドaをアルブミンに溶解して使用する方法、及び(d)フェオフォーバイドaをリピオドール(油剤)に溶解して使用する方法等が提案されており、更に、本発明者の一人は、フェオフォーバイドaの分子変性を生じることなく、安定な形でフェオフォーバイドaの水溶性塩を形成することに成功している(特許文献1)。
本発明者らはまた、フェオフォーバイドaナトリウム塩の水溶液が、可視光を効率よく吸収して光励起化学反応を引き起こし、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(以下、「MRSA」と省略する)に対して殺菌効果を奏することを見出し、一定量の光の存在下でフェオフォーバイドa水溶液を噴霧、散布又は清拭し、室内に光を照射することからなる室内の消毒方法(特許文献2)並びにフェオフォーバイドaのナトリウム塩を含むMRSA関節炎の治療用薬剤(特許文献3、非特許文献3から6)を提案している。
また、フェオフォーバイドa又はそのナトリウム塩は、以前から癌治療で用いられている光感受性物質ヘマトポルフィリン誘導体よりも、高い抗腫瘍効果を持つことが明らかになっており、種々の癌の治療への応用が検討されている。(非特許文献2、7から11)
ところで、現在様々な抗ウィルス剤が開発され、臨床応用されている。例えば、ヘルペスウィルスに対する治療薬としては、アシクロビル、バラシクロビル、ペンシクロビル、ファムシクロビル、ビダラビン、イドクスウリジン、ソリブジン、ブリブジンなどが使用され、インフルエンザウィルスに対する治療薬としては、オセルタミビル、ザナミビル、ペラミビルなどのNA(ノイラミターゼ)阻害剤、アマンタジン、又はリマンタジンなどが使用され、エイズウィルスに対する治療薬としては、ネビラジン、エファビレンツ、デラビルジンなどの逆転写酵素阻害剤が使用され、C型肝炎ウィルスに対する治療薬としては、リバビリンなどが使用されている。
これらの抗ウィルス剤は、各ウィルスの特性に着目し、それぞれのウィルスに特異的に作用するものであり、日本又は諸外国で使用されている。
特許第2963178号公報 特開平2004−261595 特開2007−84452
小林・小宮山、日本臨床、53(6)、207−214(1995) 小林、井上、仲里ら、第12回光線力学学会(12thJCIPA)プログラム/抄録集、平成14年(2002年)5月25日、5「Na−フェオフォーバイドaによるガンの光治療に関する基礎研究」 Yamamoto T., Saito A., Matsuzaki H., Ryu J., Sano K., Kobayashi M., Nakazato M.(2003) Bactericidal Effect of Photodynamic Therapy(PDT) using Sodium Pheophorbide a on methicillin-resistant Staphylococcus aureus(MRSA) 日大医学雑誌62(12):644-649 平良勝章(日本大 医 整形外科)、齋藤明義(日本大 医 整形外科)、山本亨(日本大 医 整形外科)、入内島崇紀(日本大 医 整形外科)、相澤信(日本大 医 解剖学)、仲里正孝(クロロフィル研)、齋藤順平(日本大 歯)、Na−フェオフォーバイドαを用いたPDTによるMRSA関節炎マウスモデルの殺菌効果の検討−細菌に対するPDT効果、日本レーザー医学会誌、27(2):139, 2006 平良勝章(日本大 医 整形外科)、斎藤明義(日本大 医 整形外科)、山本亨(日本大 医 整形外科)、入内島崇紀(日本大 医 整形外科)、根岸慎一(日本大 医 整形外科)、龍順之助(日本大 医 整形外科)、実験的メチシリン耐性黄色ぶどう球菌(MRSA)関節炎のマウスモデルにおけるNa−Pheophorbide αを使用した光力学療法(PDT)の有効性、日大医学雑誌、65(1):38-43,2006 山本亨(日本大 医 整形外科)、斎藤明義(日本大 医 整形外科)、松崎浩巳(日本大 医 整形外科)、龍順之助(日本大 医 整形外科)、佐野和三(日本大 医 駿河台病院 臨床検査部)、小林正美(筑波大 物質工学系)、仲里正孝(クロロフィル研)、光感受性物質Na−フェオフォーバイドaを用いた光線力学的治療(PDT)によるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)殺菌効果の検討、日大医学雑誌、62(12): 644-649、2003 山本、斉藤、松崎、劉、佐野、第12回光線力学学会(12thJCIPA)プログラム/抄録集、平成14年(2002年)5月25日、5「Na−フェオフォーバイドaによるガンの光治療に関する基礎研究」 色素による核酸の光切断−ガンの光治療への応用−小林正美、小宮山真、日本臨牀, 53(6) : 1519-1526, 1995. Hashimoto Y., Hirano T., Yamaguchi N.(1995) Effect of Intra-tumor Photodynamic Therapy on Canine Transmissible Sarcoma with Photofrin(PHE)and Excimer Dye Laser. 日本レーザー医学会誌. 16(1): 1-9 Hayashi H., Nakajima S., Samejima N.(1985) Basic Study for Cancer Therapy with Porphyrinderivatives and Pheophorbide Derivatives. 北海道医学雑誌 60(3):391-403 Yamashita Y., Moriyasu F., Tamada T., Kawasaki T., Ono S., Kimura T., Kajimura K., Someda H., Hamato N., Uchino H., Sakai M. (1990) Evalution of Photodynamic Therapy Using Pheophorbide-a as a Photosensitizer. 日本癌治療学会誌. 25(6): 1123-1128
これに対し、広範囲のウィルスに効果を有する抗ウィルス剤としてインターフェロンが使用されている。しかし、インターフェロンは、動物種特異性があるため、個々の動物種ごとに調製しなくてはならない。従って、動物種を超えて適用可能且つ広範囲のウィルスに効果を示す抗ウィルス剤が開発されれば、臨床上大きな貢献をもたらすことが期待される。
本発明者らは、上記のような抗ウィルス剤の現状にあって、個々の動物種ごとの調製を要しないフェオフォーバイドa又はその塩が極めて広範囲のウィルスに対して有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、フェオフォーバイドa又はその塩を含む抗ウィルス剤を提供するものである。
本発明の抗ウィルス剤は、フェオフォーバイドa又はその塩を有効成分とするため、個々の動物種毎の調製を必要としない。また、RNAウィルスかDNAウィルスを問わず広範囲に効果があり、これまでに無い広範囲の適応症を有する抗ウィルス剤を提供することができる。また、原因は定かでないが、エンベロープを有するウィルスに対して、エンベロープの無いウィルスに比べより高い抗ウィルス活性を有する傾向が認められている。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の本質に反しない限り他の実施形態をも包含する。
本発明の抗ウィルス剤は、上記の通り、フェオフォーバイドa又はその塩を有効成分とし、ウィルス性疾患に適用する点を特徴とする。本発明で用いられるフェオフォーバイドaは、(C3232O(COOH)COOCH)の化学式で表される化合物である。
フェオフォーバイドaは、高等植物に存在するクロロフィルaを例えばエーテル等の溶媒中で強塩酸などの強酸で処理してマグネシウムを脱離すると共に加水分解して、長い疎水性の側鎖(フィチル基)を脱離することにより得ることができる。市販品としてはクロロフィルム研究所のフェホオーバイド(商品名)がある。
フェオフォーバイドaは疎水性のため生体内で析出してしまうという問題が指摘されているが、(a)フェオフォーバイドaを有機溶媒ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解し、それを燐酸緩衝液にて希釈して使用する方法、(b)フェオフォーバイドaの粉末を少量のアルカリ水溶液とともにペースト状に練り、燐酸緩衝液にて希釈して使用する方法、(c)フェオフォーバイドaをアルブミンに溶解して使用する方法、及び(d)フェオフォーバイドaをリピオドール(油剤)に溶解して使用する方法等で、この問題を軽減することができる(特許文献1)。しかし、これらの方法でも依然生体内で沈着することがあると言われている。
この点、本発明者の1人が開発したフェオフォーバイドaを塩にする方法では、上記(a)から(d)の方法が抱える問題をも解消できるため特に好ましい。フェオフォーバイドaの塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられ、生体中での安全性の点でナトリウム塩が好ましい。
フェオフォーバイドaの塩は、特許文献1及び2に記載の方法で得ることができ、具体的には、水酸化ナトリウムなどの水酸化塩をn−プロピルアルコール若しくはイソプロピルアルコール又はそれらの混合液中に溶解して水酸化塩溶液を調製し、この溶液に相溶性のある溶媒中にフェオフォーバイドaを溶解してフェオフォーバイドa溶液を調製し、当該溶液と前記水酸化ナトリウム溶液とを混合・溶解させることにより、安定な形でフェオフォーバイドaの水溶性塩を形成することができる。
以下に、フェオフォーバイドaナトリウムの合成、フェオフォーバイドaナトリウムの水溶液の調製、並びにフェオフォーバイドaナトリウムのHPLC(高機能性液体クロマトグラフィー)分析及び紫外−可視吸収スペクトルによる同定の一例を示す。
(1)フェオフォーバイドaナトリウムの合成
フェオフォーバイドa 500mgを300mlのエーテルに溶解する。一方、水酸化ナトリウム100mgを30mlのn−プロピルアルコール又はイソプロピルアルコールに溶解する。次いでフェオフォーバイドaのエーテル溶液中に水酸化ナトリウムのn−又はイソプロピルアルコール溶液を攪拌しながら滴下する。この際、反応の進行状態は、濾紙上に溶液を一滴落とすことにより沈澱の生成を観察するという方法で確認し、その終点は沈澱の周囲に広がる溶液の色が無色となった時とする。
次に上記沈澱(フェオフォーバイドaナトリウム)を含有する溶液を遠心管に入れ遠心分離(2500rpm、2分間)することにより沈澱部分を分離することができる。上澄みを捨て、遠心管底部に残る固形分を真空乾燥機にて乾燥することにより粉末状フェオフォーバイドaナトリウム塩を得ることができる。
(2)フェオフォーバイドaナトリウムの水溶液の調製
フェオフォーバイドaナトリウム約10mgに2mlの蒸留水を入れ軽く振るとフェオフォーバイドaナトリウムは溶解し、透明な溶液が形成される。その溶液のpHは約9.2〜9.5を示すため、燐酸緩衝液(pH7.4又は7.8)を用い、適宜適当な濃度に希釈して使用する。
(3)フェオフォーバイドaナトリウムのHPLC(高機能性液体クロマトグラフィー)分析及び紫外−可視吸収スペクトルによる同定
フェオフォーバイドaナトリウムを希塩酸により脱ナトリウム化し、そのエーテル溶液を得る。次いでこの溶液と既知のフェオフォーバイドaとの両サンプルのHPLC分析及び吸収スペクトルの測定を行い、比較検討する。
HPLC分析では、既知のフェオフォーバイドaのチャートと上記エーテル溶液のチャートを、保持時間について比較し、両者が一致すれば、フェオフォーバイドaの存在を確認することができる。HPLC分析の分離条件の一例を以下に示す。
カラム・・・ODS SSCpack 4×250mm
溶離液・・・アセトニトリル:0.1%リン酸溶液:テトラヒドロフラン=88:10:2
流量・・・1.0ml/分、波長・・・410nm、チャート速度・・・0.5cm/分温度・・・12℃
吸収スペクトルの吸収波長についても、上記エーテル溶液と既知のフェオフォーバイドa溶液とがほぼ完全に一致し、これによってもフェオフォーバイドaの存在を確認できる。
本発明の抗ウィルス剤は、フェオフォーバイドa又はその塩の他、賦形剤、結合剤、増粘剤、担体、添加剤等の他の成分を含むことができ、これらは、目的とする抗ウィルス剤の剤型、投与形態、又はその他の条件に応じて、適宜好適なものを選択すればよく、この技術分野で知られたものを用いればよい。
また、本発明の抗ウィルス剤では、他の活性成分を含んでもよい。そのような活性成分の典型例としては、インターフェロン、DNA合成阻害剤、プロテアーゼ阻害剤等の他の抗ウィルス剤を挙げることができ、これら従来の抗ウィルス剤は、本発明の抗ウィルス剤と全く作用機序が異なるため、併用による相加又は相乗作用が期待される。また、インターフェロン等の他の抗ウィルス剤をフェオフォーバイドa又はその塩と共に全身投与して、又は、インターフェロン等の他の抗ウィルス剤を全身投与しフェオフォーバイドa又はその塩を治療部位に局所投与して、その後光照射を局所的に行なう治療は、全身投与による効果と局所投与によるメリットを生かすことができ併用療法として有効である可能性がある。
本発明の抗ウィルス剤は、様々なウィルス性疾患の治療に効果があり、RNAウィルスによる疾患でもDNAウィルスによる疾患でも有効である。また、本発明の抗ウィルス剤は2本鎖核酸を破壊することで抗ウィルス作用を発現すると考えられ、2本鎖RNAウィルス及び2本鎖DNAウィルスのみならず、複製過程で2本鎖核酸を形成する総ての1本鎖RNAウィルス及び1本鎖DNAウィルスにも効果が期待できる。また、本発明の抗ウィルス剤は、後述する実施例で示す通り、一定の条件下ではDNAウィルスよりもRNAウィルスに対してより低濃度で抗ウィルス効果を奏する傾向が認められている。また、エンベロープを有しないウィルスに比べ、エンベロープを有するウィルスに対して優位に高い抗ウィルス活性を示す傾向が認められている。
本発明の抗ウィルス剤が適用可能なRNAウィルスを具体的に挙げると、これらに限定されるものではないが、トガウィルス科(Togaviridae)、フラビウィルス科(Flaviviridae)、ピコルナウィルス科(Picornaviridae)、カリシウィルス科(Caliciviridae)、アストロウィルス科(Astroviridae)、パラミクソウィルス科(Paramyxoviridae)、ラブドウィルス科(Rhabdoviridae)、フィロウィルス科(Filoviridae)、オルトミクソウィルス科(Orthomyxoviridae)、アレナウィルス科(Arenaviridae)ブニヤウィルス科(Bunyaviridae)、レトロウィルス科(Retrovirinae)、ヘパドナウィルス科(Hepadnaviridae)等に属する1本鎖RNAウィルス、或いはレオウィルス科(Reoviridae)等に属する2本鎖RNAを遺伝子とするウィルスが挙げられる。
また、本発明の抗ウィルス剤が適用可能なDNAウィルスとしては、これらに限定されるものではないが、ポックスウィルス科(Poxviridae)、ヘルペスウィルス科(Herpesviridae)、又はアデノウィルス科(Adenoviridae)等に属する2本鎖DNAウィルス、パピローマウィルス科(Papillomaviridae)、ポリオーマウィルス科(Polyomavirus)、サコウィルス科(Circoviridae)、又はパルボウィルス科(Parvoviridae)等に属する1本鎖DNAウィルスが挙げられる。
トガウィルス科(Togaviridae)に属するウィルスとしては、ゲタウィルス(Getah virus)、東部ウマ脳炎ウィルス(Eastern equine encephalitis virus)、西部ウマ脳炎ウィルス(Western equine encephalitis virus)、ベネズエラウマ脳炎ウィルス(Venezuelan equine encephalitis virus)、チクングニヤウィルス(Chikungunya virus)、シンドビスウィルス(Sindbis virus)、セムリキ森林ウィルス(Semliki Forest virus)、バルマ森林ウィルス(Barmah forest virus)、マヤロウィルス(Mayaro virus)、ロスリバーウィルス(Ross river virus)、等のアルファウィルス(Alphavirus)属のウィルス、風疹ウィルス(Rubella virus)等のルビウィルス(Rubivirus)属のウィルス等が挙げられる。
フラビウィルス科(Flaviviridae)に属するウィルスとしては、日本脳炎ウィルス(Japanese encephalitis virus)、黄熱病ウィルス(Yellow fever virus)、デング熱ウィルス(Dengue fever virus)、西ナイル熱ウィルス(West Nile virus)、クンジンウィルス(Kunjin virus)、セントルイス脳炎ウィルス(St. Louis encephalitis virus)等のフラビウィルス(Flavivirus)属のウィルス;C型肝炎ウィルス(Hepatitis C virus)等のへパシウィルス(Hepacivirus)属のウィルス;牛ウィルス性下痢ウィルス1型 および2型(Bovine viral diarrhea virus 1 and 2)、豚コレラウィルス(Classical swine fever virus)、ボーダー病ウィルス(Border disease virus)等のペスチウィルス(Pestivirus)属のウィルスが挙げられる。
ピコルナウィルス科(Picornaviridae)に属するウィルスとしては、ポリオウィルス(Poliovirus)、コクサッキーウィルス(Coxsackievirus)、エコーウィルス(Echovirus)、エンテロウィルス(Enterovirus)等のエンテロウィルス(Enterovirus)属のウィルス;ヒトライノウィルスAおよびB(Human rhinovirus A and B)等のライノウィルス(Rhinovirus)属のウィルス;A型肝炎ウィルス(Hepatitis A virus)等のヘパトウィルス(Hepatovirus)属のウィルス ;口蹄疫ウィルス(Foot-and-mouth disease virus)等のアフトウィルス(Aphthovirus)属のウィルスが挙げられる。
カリシウィルス科(Caliciviridae)に属するウィルスとしては、ノーウォークウィルス(Norwalk virus)等のノロウィルス(Norovirus)属のウィルスが挙げられる。
アストロウィルス科(Astroviridae)に属するウィルスとしては、ヒトアストロウィルス(Human astrovirus)等のママストロウィルス(Mamastrovirus)属のウィルスが挙げられる。
パラミクソウィルス科(Paramyxoviridae)に属するウィルスとしては、牛パラインフルエンザウィルス3型(Bovine parainfluenzavirus 3)、ヒトパラインフルエンザウィルス1型〜4型(Human parainfluenza virus 1〜4)、センダイウィルス(Sendai virus)等のレスピロウィルス(Respirovirus)属のウィルス;ヒトパラインフルエンザウィルス2型(Human parainfluenza virus 2)、ムンプスウィルス(Mumps virus)等のルブラウィルス(Rubulavirus)属のウィルス;麻疹ウィルス(Measles virus)等のモルビリウィルス(Morbillivirus)属のウィルス;ニューカッスル病ウィルス(Newcastle disease virus)等のアビュラウィルス(Avulavirus)属のウィルス;RSウィルス(Respiratory syncytial virus)等のニューモウィルス(Pneumovirus)属のウィルス;ヒト・メタニューモウィルス(Human metapneumovirus)等のメタニューモウィルス(Metapneumovirus)属のウィルスが挙げられる。
ラブドウィルス科(Rhabdoviridae)に属するウィルスとしては、狂犬病ウィルス(Rabies virus)などのリッサウィルス(Lyssavirus)属のウィルス;水胞性口炎インディアナウィルス(Vesicular stomatitis Indiana virus)を始めとした各種水胞性口炎ウィルスなどのベシキュロウィルス(Vesiculovirus)属のウィルス、牛流行熱ウィルス(Bovine ephemeral fever virus)などのエフェメロウィルス(Ephemerovirus)属のウィルスが挙げられる。
フィロウィルス科(Filoviridae)に属するウィルスとしては、ビクトリア湖マールブルクウィルス(Lake Victoria marburgvirus)などのマールブルグウィルス(Marburgvirus)属のウィルス;スーダンエボラ出血熱ウィルス(Sudan ebora virus)、ザイールエボラ出血熱ウィルス(Zaire ebola virus)、象牙海岸エボラ出血熱ウィルス(Cote d'Ivoire ebora virus)、レストンエボラ出血熱ウィルス(Reston ebora virus)等のエボラウィルス(Ebola virus)属のウィルスが挙げられる。
オルトミクソウィルス科(Orthomyxoviridae)に属するウィルスとしては、A型インフルエンザウィルス(Influenzavirus A)属、B型インフルエンザウィルス(Influenzavirus B)属、又はC型インフルエンザウィルス(Influenzavirus C)属のウィルスが挙げられる。
アレナウィルス科(Arenaviridae)に属するウィルスとしては、ラッサ熱ウィルス(Lassa virus)、リンパ球性脈絡髄膜炎ウィルス(lymphocytic choriomeningitis virus)、ブラジル出血熱ウィルス(Brazilian hemorrhagic fever virus)、ベネズエラ出血熱の原因となるガナリトウィルス(Guanarito virus)、アルゼンチン出血熱の原因となるフニンウィルス(Junin virus)、ボリビア出血熱の原因となるマチュポウィルス(Machupo virus)等のアレナウィルス(Arenavirus)属のウィルス;D型肝炎ウィルス(hepatitis delta virus)等のデルタウィルス(Deltavirus)属のウィルスが挙げられる。
ブニヤウィルス科(Bunyaviridae)に属するウィルスとしては、カリフォルニア脳炎ウィルス(California encephalitis virus)等のオルソブニヤウィルス属(Orthobunyavirus)のウィルス;リフトバレー熱ウィルス(Rift Valley fever virus)等のフレボウィルス(Phlebovirus)属のウィルス;ハンターンウィルス(Hantaan virus)等のハンタウィルス(Hantaviruses)属のウィルスが挙げられる。
レトロウィルス科(Retroviridae)に属するウィルスとしては、ヒト免疫不全ウィルス1および2(Human immunodeficiency virus 1 and 2)等のレンチウィルス(Lentivirus)属のウィルス;ヒトリンパ球向性ウィルス1、2および3(Human T-lymphotropic virus 1, 2 and 3)などのデルタレトロウィルス(Deltaretrovirus)属のウィルスが挙げられる。
レオウィルス科(Reoviridae)に属するウィルスとしては、哺乳動物オルトレオウィルス(Mammalian orthoreovirus)等のオルソレオウィルス(Orthoreovirus)属のウィルス;ブルータングウィルス(Bluetongue virus)等のオルビウィルス(Orbivirus)属のウィルス;ロタウィルス A(Rotavirus A)等のロタウィルス(Rotavirus)属のウィルスが挙げられる。
ヘパドナウィルス科(Hepadnaviridae)に属するウィルスとしては、B型肝炎ウィルス(Hepatitis B virus)等のオルソヘパドナウィルス(Orthohepadnavirus)属のウィルスが挙げられる。
ポックスウィルス科(Poxviridae)に属するウィルスとしては、天然痘ウィルス(Variola virus)、牛痘ウィルス(Cowpox virus)等のオルソポックスウィルス(Orthopoxvirus)属;偽牛痘ウィルス(Pseudocowpox virus)等のパラポックスウィルス(Parapoxvirus)属;鶏痘ウィルス(Fowlpox virus)等のアビポックスウィルス(Avipoxvirus)属のウィルスが挙げられる。
ヘルペスウィルス科(Herpesviridae)に属するウィルスとしては、ヒトヘルペスウィルス1および2(Human herpesvirus 1 and 2)等のシンプレックスウィルス(Simplexvirus)属のウィルス;牛ヘルペスウィルス1(Bovine herpesvirus 1)、水痘・帯状疱疹の原因ウィルスであるヒトヘルペスウィルス3(Human herpesvirus 3)等のワリセロウィルス(Varicellovirus)属のウィルス;ヒトヘルペスウィルス5(Human herpesvirus 5)等のサイトメガロウィルス(Cytomegalovirus)属のウィルス;ヒトヘルペスウィルス6および7(human herpesvirus 6 and 7)等のロゼオロウィルス(Roseolovirus)属のウィルス;バーキットリンパ腫ウィルスであるヒトヘルペスウィルス4(Human herpesvirus 4)等のリンホクリプトウィルス(Lymphocryptovirus)属のウィルス;カポジ肉腫関連ヘルペスウィルスであるヒトヘルペスウィルス8(Human herpesvirus 8)等のラディノウィルス(Rhadinovirus)属のウィルスが挙げられる。
アデノウィルス科(Adenoviridae)としては、ヒトアデノウィルスA〜F(Human adenovirus A〜F)などのマストアデノウィルス(Mastadenovirus)属のウィルスが挙げられる。
パピローマウィルス科(Papillomaviridae)に属するウィルスとしては、アルファパピローマウィルス(Alphapapillomavirius)属、ベータパピローマウィルス(Betapapillomavirius)属、ガンマパピローマウィルス(Gammaphapapillomavirius)属に分類されている各種ヒトパピローマウィルス(Human papillomavirus)などのウィルスが挙げられる。
ポリオーマウィルス科(Polyomaviridae)に属するウィルスとしては、JCポリオーマウィルス(JC Polyomavirius)等のポリオーマウィルス(Polyomavirius)属のウィルスが挙げられる。
サコウィルス科(Circoviridae)に属するウィルスとしては、ブタサコウィルス1及び2(Porcine circovirus 1 and 2)等のサコウィルス(Circoovirus)属のウィルス;ニワトリ貧血症ウィルス(Chicken anemia virus)等のジロウィルス(Gyrovirus)属のウィルスが挙げられる。
パルボウィルス科(Parvoviridae)に属するウィルスとしては、ネコ白血球減少症ウィルス(Feline panleukopenia virus)、ブタパルボウィルス(Porcine parvovirus)等のパルボウィルス(Parvovirus)属のウィルス;ヒトの伝染性紅斑ウィルス(Erythema infectiosum virus)等のエリスロウィルス(Erythrovirus)属のウィルスが挙げられる。
本発明の抗ウィルス剤は、後述する実施例で実証する通り、エンベロープを有しないウィルスに比べ、エンベロープを有するウィルスに対して優位に高い抗ウィルス効果を奏する傾向が認められており、このようなウィルスとしては、パラミクソウィルス科(Paramyxoviridae)、オルトミクソウィルス科(Orthomyxoviridae)、ブニヤウィルス科(Bunyaviridae)、ラブドウィルス科(Rhabdoviridae)、コロナウィルス(Coronaviridae)科、トガウィルス(Togaviridae)科、フラビウィルス科(Flaviviridae)、アルテリウィルス科(Arteriviridae)、レトロウィルス科(Retroviridae)、ヘルペスウィルス科(Herpesviridae)、ポックスウィルス科(Poxviridae)等に属するウィルスを挙げることができる。このようなウィルスの典型例としては、フラビウィルス科(Flaviviridae)ではペスチウィルス(Pestivirus)属のウィルス、レスピロウィルス(Respirovirus)属のウィルスが挙げられ、ヘルペスウィルス科(Herpesviridae)ではワリセロウィルス(Varicellovirus)属のウィルスが挙げられ、ラブドウィルス科(Rhabdoviridae)ではベシキュロウィルス(Vesiculovirus)属のウィルスが挙げられ、トガウィルス(Togaviridae)科ではアルファウィルス属(Alphavirus)のウィルスが挙げられる。
本発明の抗ウィルス剤は、上記のウィルス並びにそれに類似した増殖様式をとる総てのウィルスによって引き起こされる疾患全般に適用可能と考えられ、例えば、感冒、インフルエンザ、咽頭炎、喉頭炎、気管支炎等の呼吸器系ウィルス性疾患、麻疹、耳下腺炎、風疹、突発性発疹、水痘・帯状疱疹、結節等の皮膚疾病、口唇ヘルペス、性器ヘルペス等の粘膜疾病、B型肝、C型肝炎等の肝炎、バーキットリンパ腫、肝細胞癌、子宮頸癌、成人T細胞白血病、カポジ肉腫等のウィルス性腫瘍、ヒト免疫不全症候群、風疹ウィルスによる発熱及び皮膚病変等に有効と考えられる。本発明の抗ウィルス剤は、自然光の照射によりその効果を増強できると考えられるため、特に自然光の照射を受け得る組織(例えば、皮膚、眼、外耳、毛髪等)のウィルス性疾患への適用は有益と考えられる。
本発明の抗ウィルス剤は、剤型について特に制限は無く投与形態に応じて、種々の剤型を選択することができ、例えば 内服用としては、錠剤、チュアブル錠、発泡錠、トローチ剤、ドロップ剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、顆粒剤、散剤、丸剤、ドライシロップ剤、浸剤・煎剤等の固形剤;舐剤、ホイップ剤、チューインガム剤、ゼリー剤等の半固形剤、シロップ剤、ドリンク剤、懸濁剤、酒精剤等の液剤を挙げることができ、外用剤としては、坐剤、パップ剤、プラスター剤等の固形剤;軟膏剤、クリーム剤、ムース剤、インヘラー剤、ナザールジェル剤等の半固形剤;液剤、点眼剤、エアゾール剤、噴霧剤、スプレー剤等の液剤を挙げることができ、内用固形剤としては、口腔内崩壊錠を挙げることができる。
また、本発明の抗ウィルス剤は、投与形態についても特に制限は無く適応疾患、投与部位等に応じて、種々の投与形態を選択することができ、直接目的部位に投与する方法の他、静脈内投与(例えば注射、点滴)、筋肉内投与、皮下投与、経皮投与、経鼻投与、経肺投与などの非経口投与、或いは口腔内投与、舌下投与などの経口投与で投与することができる。
もっとも、投与後、後述する光照射を行なって抗ウィルス効果の増強を図る場合には、照射された光がフェオフォーバイドa又はその塩まで到達して光励起反応を引き起こす必要がある。従って、典型的な使用態様は、外用剤用の剤型として、目的部位に直接適用する態様であると考えられる。例えば、ヒトではポックスウィルス科のウィルス、単純ヘルペスウィルス、麻疹ウィルス、風疹ウィルス、パピローマウィルスなど、又は動物では水胞性口炎ウィルス、ゲタウィルスなどの感染で体表に引き起こされる結節、水疱、発疹、又は良性腫瘍のイボ等を治療する場合、或いはヒトヘルペスウィルスによる口唇ヘルペス又は性器ヘルペス等を治療する場合には、患部に本発明の抗ウィルス剤を、塗布、散布、パップ、皮下投与、又はスプレーし、所望の光源で投与部位を光照射することにより治療を行なう。
他方、予め血管やリンパ管を通じてフェオフォーバイドa又はその塩を体内の目的部位に到達させた後、外科的措置で当該部位を露出したり、所望の光を放出可能なマイクロファイバーを当該部位に到達させることで、所望の光照射を行なうこともできると思われる。また、気管や消化管に挿入可能で所望の光照射機能と本発明の抗ウィルス剤を投与する機能を備えたマイクロ装置を用いることで、これらの器官に発現したウィルス性疾患にも応用することができると思われる。
本発明の抗ウィルス剤は、光照射をしなくとも一定の効果を得ることはできるが、上述の通り、本発明の抗ウィルス剤を投与後、治療部位を光照射することでより高い抗ウィルス効果を達成することができる。
光照射を行なう場合、フェオフォーバイドaが400〜420nmの波長領域と600〜700nmに大きなQ吸収帯(吸収極大は410nmと667nm)を有するため、この波長領域の光を利用することが好ましく、600〜700nmの波長領域の赤色光は細胞透過性が大きいので、この波長領域を利用することが特に好ましい。
具体的には、600〜700nmの波長の光を含む赤色光、ハロゲン光、レーザー光、特に670nmの半導体レーザー光、太陽光、蛍光灯の光(白色光)を使用することができる。太陽光や蛍光灯の光(白色光)は、日常的に採取可能な光源を用いるため特別な装置を要しない点で利点を有し、一方レーザー光、特に670nmの半導体レーザー光は、細胞透過性が大きな点並びに指向性が高く局所的な照射が容易な点で利点を有する。
なお、具体的照射条件は、光源、照射部位、照射環境等に応じて適宜好適な条件を選択することが好ましい。
光照射を行なう場合には、光照射の前に、本発明の抗ウィルス剤を予め投与しておき、光励起反応が引き起こされない状態で(例えば暗所にて)フェオフォーバイドaに処理対象のウィルス感染組織を一定時間接触させておくことが好ましい。後述する実施例で示す通り、光照射前のこのような処理は、抗ウィルス活性を増強する。
このような前処理は、通常、少なくとも30分間行い、1時間以上行なうことがより好ましい。
フェオフォーバイドa又はその塩の溶液中の濃度は、投与形態、治療対象、治療を行なう組織、感染ウィルス等によって変動するが、前処理を行った後光照射を行なう場合には、抗ウィルス活性を発現させるために、通常、0.05μg/mlより大きな濃度が要求され、抗ウィルス活性を確実に発現させるためには、0.2μg/ml以上の濃度とすることが好ましく、0.3μg/ml以上の濃度とすることがより好ましく、0.5μg/ml以上の濃度とすることがより好ましい。
前処理を行わずに光照射を行なう場合には、同様に投与形態、治療対象、治療を行なう組織、感染ウィルス等によって変動するが、抗ウィルス活性を発現させるために、通常、0.5μg/ml以上のフェオフォーバイドa又はその塩の濃度が要求され、抗ウィルス活性を確実に発現させるためには、2.0μg/ml以上の濃度とすることが好ましく、5.0μg/ml以上の濃度とすることがより好ましい。
光照射を伴わない場合には、より高濃度のフェオフォーバイドa又はその塩が要求され、通常、0.5μg/mlより高い濃度が要求される。但し、この条件では、後述する実施例で示す通り、RNAウィルスの方がDNAウィルスより低濃度で抗ウィルス効果を発現する傾向が認められている。このため、RNAウィルスに対して抗ウィルス効果を確実に発現させるためには、3.0μg/ml以上の濃度とすることが好ましく、5.0μg/ml以上の濃度とすることがより好ましい。一方、DNAウィルスに対して抗ウィルス効果を確実に発現させるためには、より高濃度のフェオフォーバイドa又はその塩を用いることが好ましく、具体的には、5.0μg/ml以上の濃度とすることが好ましく、7.0μg/ml以上の濃度とすることがより好ましい。
一方、フェオフォーバイドaが高濃度で存在する場合には、細胞に悪影響を及ぼし、副作用を伴う可能性がある。このため、50μg/ml以下の濃度とすることが好ましく、20μg/ml以下の濃度とすることがより好ましく、10μg/ml以下の濃度とすることが特に好ましい。なお、前処理を行った後光照射を行なう場合には、抗ウィルス効果と細胞への悪影響の両面から、0.2μg/mlから3μg/mlとするのが特に好ましい。
以上の通り、本発明の抗ウィルス剤は、広範囲のウィルス性疾患の治療に有効であり、所定の光照射、更には前処理を組み合わせることにより高い抗ウィルス効果を達成することができ、今までに無い広範囲のウィルス性疾患に適用可能な治療薬を提供することができる。
以下、本発明の抗ウィルス剤を、抗ウィルス活性を評価する各種試験により説明する。但し、以下の試験は、本発明を限定することを意図するものではない。
1.試験で用いた材料及び方法
実施した各試験では、以下の材料及び評価方法を共通に使用した。
A.フェオフォーバイドaナトリウム(以下では、「Na-Phde a」と省略する)
試験で用いたNa-Phde aは、クロロフィル研究所から入手したフェホオーバイド(商品名)を使用した。また、入手したNa-Phde aはPBSに1mg/mlの濃度で溶解して濾過滅菌し、使用するまでは遮光して−20℃に凍結保存した。
B.培養細胞、細胞培養液、培養維持液およびウィルス液
培養細胞として牛腎由来の株化細胞であるMDBK細胞を使用した。
細胞の培養には5%牛胎子血清、0.3%TPBを含むEagle MEMを使用し、7.5%NaHCO3でpHを7.2に調整し、抗生物質(100u/ml penicilline、100r/ml streptomycin)を加えて使用した。
細胞を37℃で24時間培養後、ウィルスを接種した。ウィルス接種後の培養の維持には2%牛胎子血清、0.3%TPBを含むEagle MEMをpH7.2に調整して使用した。ウィルス接種後、MDBK細胞を維持液中で細胞変性効果(cytopathic effect、以下では、「CPE」と省略する)が細胞の80%以上に出現するまで培養を持続してウィルス液を得た。
C.抗ウィルス効果及びNa-Phde aの細胞への影響の評価方法
様々な濃度のNa-Phde aを等量のウィルス液又はPBSで希釈した等量のウィルス液と混合して試験液とした。対照にはNa-Phde aを含まないPBSとウィルス液又はPBSで希釈したウィルス液とを等量混合したものを使用した。前処理後、又は照射後に、各試験液(対照液を含む)を、96穴プレートを用いて10倍段階希釈した後、各ホールに培養したMDBK細胞を接種し、COインキュベター内で1時間感作した。その後、各ホールから接種液を吸引除去した後、各ホールに維持液を加え、37℃で約12時間培養した。翌日、CPEの出現について観察し、Na-Phde aの細胞毒性を評価した。5日間培養を継続し、CPEの発現を指標に各試験液中のウィルス感染価を計算した。
2.評価試験
[試験1]Na-Phde aの濃度及び前処理時間と抗ウィルス効果との関係
この試験の目的は、Na-Phde aと対象ウィルスを暗室で一定時間接触させる前処理時間並びにNa-Phde a濃度と、抗ウィルス効果との関係を検証することにある。
この試験では、マイナス1本鎖RNAウィルスである水胞性口炎ウィルス(vesicular stomatitis virus:VSV)のウィルス液を用いた。このウィルス液を1、0.1及び0.01μg/mlの3段階の濃度のNa-Phde aと等量混合したものを試験液とした。また、同じウィルス液を等量のPBSと混合したものを対照液とした。
これらの3段階の濃度のNa-Phde aと混合したウィルス液を暗室に置き、経時的(30分、1時間、2時間、3時間)にその一部を小シャーレに移した。対照液も同様の操作をした。
次いで、小シャーレに移した試験液及び対照液を、20Wの蛍光灯で30cmの距離から30分照射した。照射終了後各液について、CPEの出現を指標に、Na-Phde aの細胞への影響及び抗ウィルス効果を評価した。試験結果をまとめて以下の表1に示す。
Figure 2011231087

*1:表中のウィルス感染価の単位はTCID50/0.1mlである
*2:ウィルス液と等量混合した後の濃度を示す
Na-Phde aの濃度と抗ウィルス効果の関係については、上記の通り、0.5μg/mlのNa-Phde a濃度では、VSVの感染価が107.0 TCID50/0.1ml(対照液)から100.5 TCID50/0.1ml以下に低下した。0.05μg/mlの濃度では103.5〜104.0 TCID50/0.1mlに、0.005μg/mlの濃度では103.75〜104.0TCID50/0.1mlに、それぞれ低下した。
前処理時間と抗ウィルス効果との関係については、30分〜3時間の範囲で、所望の抗ウィルス効果を達成し得、1時間以上の前処理でより確実に所望の抗ウィルス効果を達成し得ることが実証された。
これらの結果を参考に、以後の実験では、Na-Phde aの暗室における前処理時間を1時間に統一して行った。
[試験2]RNAウィルスとDNAウィルスに対する抗ウィルス効果の比較
この試験の目的は、RNAウィルスとDNAウィルスに対して、暗室での前処理及び光照射の各条件の有無でどのような抗ウィルス効果の相違を生じるかを検証することである。
RNAウィルスの試料として、マイナス1本鎖RNAウィルである水胞性口炎ウィルス(vesicular stomatitis virus:VSV)のウィルス液を、DNA ウィルスの試料として、2本鎖DNAウィルスである牛ヘルペスウィルス1(Bovine Herpesvirus 1:BHV-1)のウィルス液を用い、どちらもPBSで約100倍に希釈して使用した。
Na-Phde aの濃度を100、10、1、0.1及び0.01μg/mlの5段階とした各濃度のPhde aを含むPBS液を作製し、それぞれPBSで希釈した各ウィルス液と当量混合したしたものを、それぞれの試験液とした。また、各PBS希釈ウィルス液を等量のPBSと混合したものを、それぞれの対照液とした。
次いで、各試験液及び対照液を、それぞれ、以下の条件で処理した。
1)前処理(暗室にて1時間放置)と光照射(20Wの蛍光灯で30cmの距離から30分照射)を行なった
2)前処理を行なわずに光照射だけ行なった
3)前処理だけ行ない、光照射は行なわなかった
4)暗室における前処理と光照射の何れも行なわなかった
上記処理後、抗ウィルス効果及びNa-Phde aの細胞への影響をCPEの出現により評価した。試験結果をまとめて以下の表2に示す。
Figure 2011231087

*1:表中のウィルス感染価の単位はTCID50/0.1mlである
*2:PBS希釈ウィルス液とPBSとを等量混合した後の濃度を示す
*3:表の網かけの部分は、試験液を接種した細胞にCPEが起きたがウィルスが回収されなかった試料を示す。従って、これらの試験におけるCPEの発現はNa-Phde aの毒性によるものと考えられる。
Figure 2011231087

*1:表中のウィルス感染価の単位はTCID50/0.1mlである
*2:PBS希釈ウィルス液とPBSとを等量混合した後の濃度を示す
*3:表の網かけの部分は、試験液を接種した細胞にCPEが起きたがウィルスが回収されなかった試料を示す。従って、これらの試験におけるCPEの発現はNa-Phde aの毒性によるものと考えられる。
上記の通り、暗室での前処理及び光照射の両方を行うと、BHV-1とVSVの両方のウィルスに対して、Na-Phde a濃度0.5μg/mlで、両ウィルスの感染性が完全に失われた。
一方、Na-Phde a濃度が50μg/mlの試験液を接種した細胞では細胞の変性(CPE)が起きたが、感染性のあるウィルスは回収できなかった。したがってNa-Phde a濃度が50μg/mlの試験液で生じたCPEはNa-Phde aの毒性によるものと考えられた。
また、Na-Phde a濃度が0.05μg/ml以下の試験液を接種した細胞では、CPE発現が時間とともに増大し、そこから感染性のあるウィルスが回収された。従って、Na-Phde a濃度が0.05μg/ml以下の試験液でのCPE発現は、ウィルス増殖によるものと考えられた。
暗室での前処理は行わず、光照射のみを行った場合は、暗室での前処理を行なった場合に比べより高濃度のNa-Phde aが要求され、Na-Phde aの濃度が5μg/ml以上でBHV-1及びVSVに対する所望の抗ウィルス作用が認められた。なお、Na-Phde aの濃度が0.5μg/mlでも若干ではあるが抗ウィルス作用が認められた。
前処理の有無に関係なく光照射を行わないと、Na-Phde aの抗ウィルス効果は更に低下する傾向が認められ、BHV-1ではNa-Phde aが50μg/mlの濃度で抗ウィルス効果が認められ、VSVではNa-Phde aが5μg/mlの濃度で所望の抗ウィルス効果が認められた。よって、光照射を行わない条件下では、RNAウィルスであるVSVの方が、DNAウィルスであるBHV-1よりも、Na-Phde aによる抗ウィルス効果が大きい事が示された。
[試験3]各種ウィルスに対するNa-Phde aの抗ウィルス効果の差異
この試験の目的は、様々なウィルスを用いて、ウィルス核酸構造やエンベロープの有無によって、Na-Phde aの抗ウィルス効果に差異がみられるかを検証することにある。
試験対象ウィルスとして、DNAウィルスでエンベロープを有する牛ヘルペスウィルス1(Bovine Herpesvirus 1: BHV-1)、DNAウィルスでエンベロープの無い牛アデノウィルス7型(Bovine Adenovirus 7: BAdV-7)、マイナス1本鎖RNAウィルスでエンベロープを有する水胞性口炎ウィルス(vesicular stomatitis virus: VSV)及び牛パラインフルエンザ3(Bovine Parainfluenzavirus 3: BPIV-3)、並びにプラス1本鎖RNAウィルスでエンベロープを有する牛ウィルス性下痢ウィルス(Bovine Viral Diarrhea virus: BVDV)及びゲタウィルス(Getahvirus: GETV)を用いた。
試験に供した試験液は、100、10、1、0.1及び0.01μg/mlの5段階のNa-Phde濃度のPBSと各ウィルスのPBS液希釈液(各ウィルス液をPBSで約100倍に希釈したもの)を等量混合して調製した。対照液はPBSと各PBS希釈ウィルス液を等量混合して調製した。
次いで、各試験液及び対照液を暗室にて1時間放置して前処理を行った後、20Wの蛍光灯で30cmの距離から30分照射した。
照射後、抗ウィルス効果及びNa-Phde aの細胞への影響をCPEの出現により評価した。試験結果をまとめて以下の表4に示す。
Figure 2011231087

*1:表中のウィルス感染価の単位はTCID50/0.1mlである。
*2:PBS希釈ウィルス液とPBSとを等量混合した後の濃度を示す。
*3:網かけの部分は、細胞変性が起きたがウィルス産生がみられなかった試料を示し、太枠で囲った部分は、ウィルス産生とNa-Phde aの両方が原因で細胞変性が起きたところを示す。
上記の通り、BHV-1、VSV、BVDV、及びGETVでは、0.5μg/ml のNa-Phde a 濃度の水溶液でCPE発現が完全に阻止された。
一方、これらのウィルスでは、Na-Phde a濃度5μg/mlで弱いCPEが、50μg/mlの水溶液では明瞭なCPEが発現したが、そこから感染性のあるウィルスは回収されなかった。したがって、Na-Phde a のこれらの濃度で起きたCPEは、Na-Phde a の毒性によるものと考えられた。
また、BHV-1、BVDV及びGETAに対しては、Na-Phde a が0.005μg/ml以下の濃度で、VSV対しては、Na-Phde a が0.05μg/ml以下の濃度で有意な抗ウィルス作用は認められなかった。これらの濃度の試験液からは感染性のあるウィルスが回収され、これらの濃度で起きたCPEは、ウィルスによるものと考えられた。
BPIVとBAdV-7では、Na-Phde a濃度50μg/ml〜0.005μg/mlの間で完全にCPEを抑えることができなかった。
BAdV-7では、Na-Phde a 濃度50μg/ml及び5μg/mlで、Na-Phde a とウィルス増殖の両方が原因のCPEを起こしており、0.5μg/mlで、ウィルス増殖によるCPEを生じた。
以上の結果から、エンベロープを欠くウィルスに比べ、エンベロープを有するウィルスに対してより高い抗ウィルス効果を奏することが予想された。理論に拘泥するものではないが、この原因は、エンベロープを有するウィルスの方が、Na-Phde aが効率よくビリオン内に取り込まれ、核酸の塩基を効率的に酸化できたためと思われる。
本発明の抗ウィルス剤を臨床応用する場合、典型的には、病変部にNa-Phde aを投与後、一定時間暗所に置いた後に光照射をする使用態様が望ましいと思われる。例えば今回実験で用いたVSVやGETVによる、水胞性口炎やゲタウィルス感染症では体表に水疱や発疹が形成されるので、体表の病変部に本発明の抗ウィルス剤を塗布し、対象動物を暗い場所に置くか、塗布した部位を遮光したのち、太陽光で光照射を行うと効果が得られると思われる。また、気管や食道に挿入できる光源が開発されれば、呼吸器疾病を起こす、BHV-1、BVDV、BPIVによる動物への感染症及びこれらに類似したウィルスによるヒトの感染症の治療にも有用であると思われる。

Claims (10)

  1. フェオフォーバイドa又はその塩を含む抗ウィルス剤。
  2. 前記ウィルスが、エンベロープを有するウィルスである、請求項1に記載の抗ウィルス剤。
  3. 前記ウィルスが、RNAウィルスである、請求項1又は2に記載の抗ウィルス剤。
  4. 前記ウィルスが、DNAウィルスである、請求項1又は2に記載の抗ウィルス剤。
  5. 前記RNAウィルスが、トガウィルス科(Togaviridae)、フラビウィルス科(Flaviviridae)又はラブドウィルス科(Rhabdoviridae)に属するウィルスである、請求項3に記載の抗ウィルス剤。
  6. 前記DNAウィルスが、ヘルペスウィルス科(Herpesviridae)又はアデノウィルス科 (Adenoviridae)に属するウィルスである、請求項4に記載の抗ウィルス剤。
  7. 前記ウィルスによる疾患が、呼吸器系疾患又は皮膚疾患である、請求項1から6の何れか1項に記載の抗ウィルス剤。
  8. 前記フェオフォーバイドa又はその塩を投与後、治療部位に光照射することによりウィルスによる疾患を治療するための請求項1から7の何れか1項に記載の抗ウィルス剤。
  9. 前記光照射の前に、前記フェオフォーバイドa又はその塩を、処理対象のウィルスが感染している組織に接触させる、請求項8に記載の抗ウィルス剤。
  10. 前記光照射の前に、フェオフォーバイドa又はその塩を、処理対象のウィルスが感染している組織に少なくとも30分接触させる、請求項9に記載の抗ウィルス剤。
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