JP2011230555A - 航空機用操舵装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】航空機用操舵装置1が、操縦桿と第1の連結機構を介して連結された入力クランク6と、昇降舵と第2の連結機構を介して連結された出力クランク7とを備える。両クランク6,7は、同一のクランク中心C1の回りに相対回転可能に配置される。舵角比可変機構25は、入力クランク6と一体回転可能な筒状の入力軸28と、出力クランク29と一体回転可能な出力軸29と、両軸28,29を差動回転可能に連結す波動歯車機構30を含む。入力軸28及び出力軸29の中心軸線がクランク中心C1に一致する状態で、入力軸28内に出力軸29が挿通されている。
【選択図】図3
Description
一方、迎え角等の種々の航空機パラメータを監視し、差し迫った失速状態の場合にパイロットに警報を与える失速警報装置が提案され、また、失速警報の発生と同時にピッチ案内信号の値を減じる案内装置が提案されている(例えば特許文献1を参照)。
また、操縦桿と、翼を駆動する歯車機構をアシストする油圧アクチュエータとをベルクランクにより接続する航空機の翼の構造が提案されている(例えば特許文献3を参照)。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、小型で舵角比可変機構の動作が安定している航空機用操舵装置を提供することを目的とする。
また、上記失速防止制御では、上記操縦桿の反力を増加させるように上記反力モータを駆動制御する場合がある(請求項4)。この場合、失速のおそれがあるときに、操縦桿の反力を増加させることにより、失速のおそれがあることをパイロットに体感上の警告として与えることができる。
また、上記出力軸の軸方向に関して、上記舵角比制御モータと上記出力軸との間に、上記差動機構が配置されている場合がある(請求項8)。この場合、舵角比制御モータおよび舵角比可変機構をクランク中心上に集約して配置することができ、小型化を図ることができる。
なお、上記において、括弧内の数字等は、後述する実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る航空機用操舵装置の概略構成を示す斜視図である。図1を参照して、航空機用操舵装置1は、操舵部材としての操縦桿2と、操縦桿2の一端が連結され、水平な支軸3aの回りに前後に揺動可能なY字状のコントロールヨーク3と、そのコントロールヨーク3の下端の継手4に接続された一端5aを有し、前後方向X1に直線運動するリンクシャフト5と、そのリンクシャフト5の他端5bが回動可能に連結された入力クランク6と、その入力クランク6と同一のクランク中心C1回りに回動可能な出力クランク7とを備えている。
また、航空機用操舵装置1は、左右の昇降舵8,9を一体回動可能に連結する左右のトラニオン10a,10bを有する十字軸10と、出力クランク7の一対の端部7a,7bを十字軸10の上下のトラニオン10c,10dにそれぞれ連結した第1および第2のワイヤ11,12とを備えている。十字軸10の左右のトラニオン10a,10bは、図示しない固定翼としての水平尾翼によって、当該トラニオン10a,10bの軸線10eの回りに回転可能に支持されている。
入力クランク6および出力クランク7は、同一のクランク中心C1を有している。操縦桿2が押し引きされるに伴って、リンクシャフト5が前後方向X1に直線運動すると、入力クランク6が、クランク中心C1の回りに回転運動をし、その入力クランク6の回転運動が、後述する舵角比可変機構(図1では、図示せず)によって、クランク中心C1の回りの出力クランク7の回転運動に変換される。
図2に示すように、リンクシャフト5の他端5bは、クランク中心C1から所定距離オフセットされた位置に配置されたピボット軸18を介して、入力クランク6に回動可能に連結されている。ピボット軸18の軸線18aは、クランク中心C1と平行である。リンクシャフト5の他端5bには、例えば溝形をなすブラケット19が設けられ、ピボット軸18は、ブラケット19および入力クランク6を貫通することにより、ブラケット19および入力クランク6を回動可能に連結している。
図3を参照して、舵角比可変機構25は、入力クランク6と一体回転可能な筒状の入力軸28と、出力クランク7と一体回転可能な出力軸29と、入力軸28および出力軸29を差動回転可能に連結する差動機構としての例えば波動歯車機構30とを備えている。
図5に示すように、クランプ31の円弧端に形成された一対の対向するフランジ32を挿通するねじ33によって、一対のフランジ32間の間隔を縮小することにより、クランプ31によって入力軸28が挟持されている。その結果、入力軸28と入力クランク6とが一体回転可能に連結されている。
第1および第2のサーキュラスプライン37,38には、互いに異なる歯数が設定されている。フレキシブルスプライン39は、略楕円状に撓ませられた状態で、各サーキュラスプライン37,38の内側に配置されている。フレキシブルスプライン39の外歯が、第1および第2のサーキュラスプライン37,38の内歯とそれぞれ部分的に噛合されている。そして、波動発生器14は、舵角比制御モータ26によって駆動されることにより、撓ませられた略楕円形状のフレキシブルスプライン39、即ち、両サーキュラスプライン37,38との噛合部を回転させる。
出力軸29にねじ67により軸受保持環68が一体回転可能に連結されている。その軸受保持環68に保持された軸受69によって、駆動軸46の一端の小径部が、回転可能に支持されている。
具体的には、平行軸歯車機構77は、駆動軸76に一体回転可能に連結された駆動ギヤ78と、第1のサーキュラスプライン37と一体回転する連結筒54の外周に形成された被動ギヤ79と、駆動ギヤ78および被動ギヤ79に噛み合うアイドルギヤ80とを備えている。
図8に示すように、反力モータ27によって駆動ギヤ78が駆動されると、その回転がアイドルギヤ80を介して被動ギヤ79に伝達される。その被動ギヤ79は、図3に示すように、連結筒54、フランジ53および入力軸28を介して、入力クランク6と一体回転可能であるので、図8に示すように、反力モータ27による反力は、入力クランク6、リンクシャフト5およびコントロールヨーク3を介して、操縦桿2に与えられることになる。
次いで、ステップS2では、取り込んだ迎え角βと所定の失速迎え角β1 との差分(β1 −β)が、所定の正値e以上であるか否かを判定する。
一方、ステップS2において、上記の差分(β1 −β)が所定の正値e未満である場合(ステップS2においてNOの場合)には、失速のおそれがあると判断し、ステップS4に進んで、失速防止制御を実行する。
なお、ステップS4において、操縦桿2の反力を増加させることに代えて、操縦桿2を押し戻させるように反力モータ27を駆動制御するようにしてもよい。
これにより、舵角比制御モータ26の駆動軸46の回転が拘束される。その結果、操縦桿2の操舵による入力クランク6の回転が、舵角比可変機構25による一定の減速比の減速を経て出力クランク7に伝わる。従って、フェイル発生に伴う操舵制御の停止時における緊急の操舵を、操縦桿2から昇降舵8,9への機械的な伝動によるマニュアル操舵によって行わせることができる。
例えば、パイロットの操縦桿2の押し引き動作により、リンクシャフト5が図8における左右方向(機体の左右方向)に関して、クランク中心C1側へ移動する動きや、入力クランク6に撓みが生じることがあっても、舵角比可変機構25は入力トルクを受け取り、出力トルクを出力クランク7に良好に伝達することができる。すなわち、クランク構造を採用しつつもクランク構造の揺動、変形等の影響を受けずに、確実なトルク伝達を確保することができ、しかも、舵角比制御モータ26等の搭載性を向上することができる。
また、差動機構としての波動歯車機構30を用いており、入力要素としての第1のサーキュラスプライン37と、出力要素としての第2のサーキュラスプライン38とを差動可能に連結する中間要素としてのフレキシブルスプライン39および波動発生器40を有しており、舵角比制御モータ26により波動発生器40を回転駆動することにより、両サーキュラスプライン37,38間の伝達比を可変することができる。その結果、舵角比を可変することができる。
また、出力軸29の軸方向に関して、舵角比制御モータ26と出力軸29との間に、差動機構としての波動歯車機構構30が配置されているので、舵角比制御モータ26および舵角比可変機構25をクランク中心C1上に集約して配置することができ、小型化を図ることができる。
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、例えば上記の実施の形態では、筒状の入力軸28内に出力軸29を挿通したが、筒状の出力軸内へ入力軸を挿通するようなレイアウトを採用してもよい。また、差動機構として、波動歯車機構30に代えて、公知の遊星歯車機構を用いるようにしてもよい。また、平行軸歯車機構77に代えて、プーリ・ベルト機構を用いてもよい。また、舵角比制御モータ26および反力モータ27の少なくとも一方を同軸モータとしてもよい。また、操舵角センサ84が、舵角比可変機構25の入力軸28の回転角θ1 に基づいて操舵角θC を検出するものであってもよい。また、転舵角センサ85が、舵角比可変機構25の出力軸29の回転角θ2 に基づいて転舵角θE を検出するものであってもよい。その他、請求項記載の範囲で種々の変更を施すことができる。
Claims (9)
- 操縦桿の操舵角に対する翼の転舵角の比である舵角比を可変する舵角比可変機構と、
上記操縦桿と第1の連結機構を介して連結された入力クランクと、
上記翼と第2の連結機構を介して連結された出力クランクと、を備え、
上記入力クランクおよび上記出力クランクは、同一のクランク中心の回りに相対回転可能に配置され、
上記舵角比可変機構は、上記入力クランクと一体回転可能な入力軸と、上記出力クランクと一体回転可能な出力軸と、上記入力軸および上記出力軸を差動回転可能に連結する差動機構と、を含み、
上記入力軸および上記出力軸の中心軸線が上記クランク中心に一致する状態で、上記入力軸および上記出力軸の一方が、筒状をなす他方に挿通されている航空機用操舵装置。 - 請求項1において、上記舵角比可変機構の上記舵角比を変更可能な舵角比制御モータと、
上記操縦桿に伝わる反力を増減する反力モータと、
上記舵角比制御モータおよび上記反力モータを制御する制御装置と、を備え、
上記翼は昇降舵として機能し、 上記制御装置は、迎え角センサにより検出された迎え角と所定の失速迎え角との比較に基づいて、失速防止制御を実行する航空機用操舵装置。 - 請求項2において、上記失速防止制御では、上記操舵角に拘らず上記転舵角を減少させるように上記舵角比制御モータを駆動制御する航空機用操舵装置。
- 請求項2または3において、上記失速防止制御では、上記操縦桿の反力を増加させるように上記反力モータを駆動制御する航空機用操舵装置。
- 請求項2において、上記舵角比制御モータの回転をロック可能なロック機構を備え、
上記制御装置は、舵角比制御モータまたは舵角比制御モータの制御に用いるセンサに異常発生のときに、転舵角を一定に維持した状態で、上記操縦桿を押し戻させるように上記反力モータを駆動制御する航空機用操舵装置。 - 請求項2から5の何れか1項において、上記差動機構は、上記入力軸と一体回転可能な入力要素と、上記出力軸と一体回転可能な出力要素と、入力要素および出力要素を差動可能に連結し、上記舵角比制御モータにより回転駆動される中間要素と、を含む航空機用操舵装置。
- 請求項6において、上記反力モータは、伝達機構を介して、上記入力軸に動力を伝達する航空機用操舵装置。
- 請求項6または7において、上記出力軸の軸方向に関して、上記舵角比制御モータと上記出力軸との間に、上記差動機構が配置されている航空機用操舵装置。
- 請求項2から8の何れか1項において、上記舵角比制御モータおよび上記反力モータのロータの回転軸線は互いに平行である航空機用操舵装置。
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