JP2011226351A - 筒内噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

筒内噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】必要なときにオイル希釈を抑制することが可能な筒内噴射式内燃機関の燃料噴射装置を提供すること。
【解決手段】内燃機関の気筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射手段と、内燃機関を潤滑するためのオイルを希釈する燃料量(以下、希釈燃料量という)を推定する希釈燃料推定手段と、希釈燃料推定手段により推定された希釈燃料量が所定値以上の場合、燃料噴射手段から噴射される燃料の貫徹力を弱くする貫徹力制御手段とを備えることを特徴とする。これにより、オイル希釈を抑制する必要がある場合を検出すると共に、オイル希釈を抑制することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は燃焼室内に燃料を直接噴射する筒内噴射式内燃機関の燃料噴射制御装置に関する。
従来、筒内に直接燃料を噴射する筒内噴射式内燃機関においては、噴射された燃料が筒内壁面に付着することがある。例えば、筒内壁面の温度が低い場合、気筒内における燃料が気化され難く、筒内壁面に付着した燃料がピストンの上下運動に伴い掻き落とされてしまう。これにより、ピストンの下に設けられたオイルパンに燃料が混入しオイルが希釈されるといった問題が生じる。オイルが希釈されると、オイル粘性が低下して潤滑油としての機能も低下する。
このような問題に対して、特許文献1に筒内壁面の温度が低くオイルが希釈されやすい状態においてオイル希釈を抑制する方法が開示されている。具体的には、筒内壁面の温度が低い場合に噴射する燃料の貫徹力を弱くすることにより、筒内壁面に付着する燃料を低減している。
特開2008−38740
しかしながら、上述した技術では筒内壁面の温度が低い場合において常に噴射する燃料の貫徹力が弱くなるように設定される。そのため、実際にオイル希釈が発生していない状態においても貫徹力を弱く設定することも考えられる。また、筒内壁面の温度が低くない場合に発生するオイル希釈には対応できないという問題がある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、必要なときにオイル希釈を抑制することが可能な筒内噴射式内燃機関の燃料噴射装置を提供することを目的とする。
上記問題を解決するために請求項1に記載の発明は、内燃機関の気筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射手段と、内燃機関を潤滑するためのオイルを希釈する燃料量(以下、希釈燃料量という)を推定する希釈燃料推定手段と、希釈燃料推定手段により推定された希釈燃料量が所定値以上の場合、燃料噴射手段から噴射される燃料の貫徹力を弱くする貫徹力制御手段とを備えることを特徴とする。
上記構成によれば、希釈燃料推定手段により推定された希釈燃料量が所定値以上の場合、貫徹力制御手段が噴射燃料の貫徹力を弱く設定する。つまり、希釈燃料量に基づきオイル希釈の可能性がある場合を検出しているため、筒内壁面の温度によらずオイル希釈を検出することができる。そして、このような場合において確実にオイル希釈を抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、貫徹力制御手段は、内燃機関の冷間時に希釈燃料推定手段により推定された希釈燃料量が所定値以上の場合に実施されることを特徴とする。
上記構成によれば、冷間時、例えば噴射された燃料が気化し難く筒内壁面へ付着する燃料が増加しやすい状態において、希釈燃料量に基づきオイル希釈が生じていると判断された場合にオイル希釈を抑制することができる。
請求項3に記載の発明は、貫徹力制御手段は、内燃機関の暖機後に希釈燃料推定手段により推定された希釈燃料量が所定値以上の場合に実施されることを特徴とする。
内燃機関の暖機後であれば筒内壁面の温度が上昇しているため、冷間時と比較すると筒内壁面に付着する燃料に起因するオイル希釈は発生し難い。しかし、暖機後であってもオイル希釈の抑制が必要となる場合がある。例えば、希釈されたオイルから蒸発した燃料を吸気側に還元するシステム(ブローバイガス還元システム)を備えた内燃機関がある。このシステムにより吸気側に供給される蒸発燃料の量はオイルの希釈度合いに依存する。そのため、暖機後であっても、すでにオイルパンに貯蓄されたオイルが希釈されていた場合、吸気側に供給される燃料が増加し空燃比がリッチとなる。これにより燃焼状態やエミッションが悪化する恐れがある。従って、内燃機関の暖機後においてもオイル希釈を進行させないために筒内壁面に付着する燃料を低減する必要がある。これに対し、上記構成によれば内燃機関の暖機後であっても、オイルが希釈される可能性がある場合を検出し、オイル希釈の抑制を行うことができる。
請求項4に記載の発明は、気筒内に吸入される空気量を検出する吸気量検出手段と、気筒内から排出される排気空燃比を検出する空燃比検出手段とを備え、希釈燃料推定手段は、吸気量検出手段により検出された空気量と空燃比検出手段により検出された空燃比とに基づき、希釈燃料量を推定することを特徴とする。
上記構成によれば、吸入する空気量と、この空気量で行われた燃焼後の排気空燃比とに基づき希釈燃料量を推定する。これにより、燃焼毎の瞬間的な希釈燃料量を推定することができるため、より精度よくオイルが希釈される可能性を検出できる。
また、噴射燃料の貫徹力を弱くする貫徹力制御手段は、請求項5に記載の噴射圧力を低減する方法や、請求項6に記載の噴射燃料を複数回に分けて噴射する方法を用いる方法を用いるとよい
エンジン制御システム全体の概略構成図 ECUで行われるオイル希釈抑制の処理手順を示すフローチャート ECUで行われる希釈燃料推定手段の処理手順を示すフローチャート 第2実施形態においてECUで行われる貫徹力制御の処理手順を示すフローチャート
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について図面に基づいて説明する。図1はエンジン制御システム全体の概略構成を示す図である。なお図1では便宜上1つの気筒のみを示している。
図1に示すように筒内噴射式の内燃機関であるエンジン1の吸気管2の最上流部にはエアクリーナ3が設けられている。このエアクリーナ3の下流側にはDCモータ4によって開度調節されるスロットル弁5が設けられている。DCモータ4がエンジン制御装置6(以下、「ECU」という)からの出力信号に基づいて駆動されることで、スロットル弁5の開度(スロットル開度)が制御され、そのスロットル開度に応じて各気筒ヘの吸入空気量が調節される。スロットル弁5の近傍には、スロットル開度を検出するスロットルセンサ7が設けられている。また、エアクリーナ3とスロットル弁5との間には吸入される空気量(以下、「吸気量」という)を検出するエアフローメータ8が設けられている。
スロットル弁5の下流側には、サージタンク9が設けられ、このサージタンク9に、エンジン1の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド10が接続されている。各気筒の吸気マニホールド9内には吸気ポート11が形成され、この吸気ポート11がエンジン1の各気筒に形成された吸気弁12に連結されている。
エンジン1の各気筒には、各気筒の燃焼室13内に直接燃料を噴射するインジェクタ14が取り付けられている。インジェクタ14への燃料の供給は、燃料ポンプ(図示せず)と高圧ポンプ(図示せず)の2つのポンプによって行われる。燃焼室13へ燃料を直接噴射するには、噴射燃圧が燃焼室13内の圧力よりも高圧である必要がある。そのため、まず燃料タンク(図示せず)内に配置された燃料ポンプ(図示せず)によって吸上げて燃圧を昇圧する(低圧)。さらに燃料配管に設けられた高圧ポンプによって加圧し、デリバリパイプ(図示せず)に圧送する。高圧ポンプによって加圧された燃料は例えば、2〜10MPaの範囲内の所定圧となり、デリバリパイプによって各気筒のインジェクタ14に分配される。この高圧の燃料がインジェクタ14から燃焼室内に噴射され、吸気ポート11から供給される吸気と混合して混合気が形成される。
燃焼室13内の混合気は、エンジン1のシリンダヘッドに取り付けられた点火プラグ15によって点火される。点火プラグ15は各気筒にそれぞれ取り付けられており、各点火プラグ15の火花放電によって気筒内の混合気に点火される。
点火によって混合気が爆発(膨張)し、ピストン16が図1中の下側に移動することによって、コネクティングロッド17を介してクランク軸18が回転する。クランク軸18の径外方にはクランク角センサ19が設けられている。クランク角センサ19は、クランク軸の回転角度(クランク角)を検出しECU6に出力する。また、エンジン1のシリンダブロックには水温センサ20が設けられており、エンジン1の冷却水温を検出しECU6に出力する。
エンジンの排気弁21から排出される排出ガスは、排気マニホールド22を介して一本の排気管23に合流する。この排気管23には、理論空燃比付近で排出ガスを浄化する三元触媒24が接続されている。また、三元触媒24の上流側には空燃比センサ25が設けられており、空燃比センサ25は排出ガスの空燃比(以下、「排気空燃比」という)を検出しECU6に出力している。ECU6では、この排気空燃比に基づき運転状態に応じて設定される最適な空燃比で燃焼が行われるように、インジェクタ14の燃料噴射量を補正する空燃比フィードバックを行っている。
また、クランク軸18の下方にはオイルパン26が設けられている。オイルパン26には、ピストン16の上下運動を潤滑に行うための潤滑用オイルが貯蓄されている。このオイルは、オイルポンプ(図示せず)によって吸引され、オイルジェット機構(図示せず)によって気筒内に噴射されることにより筒内壁面に供給される。そして、筒内壁面に供給されたオイルは、ピストン16の上下運動に伴い掻き落とされてオイルパン26に戻される。このとき、インジェクタ14によって噴射された燃料が筒内壁面に付着していると、オイルと燃料とが混合した状態でオイルパン26に戻されてしまう。これによりオイルパン26に貯蓄されたオイルが燃料によって希釈され、潤滑機能の低下を招くおそれがある。
前述した各種センサの出力信号はECU6に入力される。ECU6は、マイクロコンピュータを主体として、CPU(中央演算処理装置)、ROM(記憶媒体)及びRAM(一時記憶媒体)等から構成されている。ECU6には制御プログラムや制御マップが記憶されており、各種センサ出力に基づき前述したDCモータ4、インジェクタ14、点火プラグ15を制御する。
以下に、ECU6が行うオイル希釈抑制の処理手順について図2及び図3に基づいて説明する。
図2に示す様に、まずステップ100において、オイルを希釈する燃料量S(以下、「希釈燃料量」という)を推定する(請求項でいう希釈燃料推定手段)。希釈燃料量を推定する処理手順ついては後述するが、希釈燃料量Sは燃焼毎に算出される未燃焼の燃料量を所定期間(例えば、4msec)積算した値である。
次にステップ200において、希釈燃料推定手段によって推定された希釈燃料量Sが所定値以上であるか、換言すると、オイル希釈の可能性があるかが判定される。具体的には、希釈燃料量Sが所定値以上である場合は、インジェクタ14から噴射される燃料のうち、燃焼に寄与しない燃料量(希釈燃料量S)が多いため、この希釈燃料量Sがオイルを希釈する可能性が高いと判定する。一方、希釈燃料量Sが所定値よりも少ない場合は、インジェクタ14から噴射される燃料は十分に燃焼に寄与しているため、オイルが希釈される可能性が低いと判定する。
上述した方法によってオイル希釈の可能性について判定が行われ、希釈燃料量Sが所定値以上の場合、つまりオイル希釈の可能性が高い場合はステップ300に移行する。一方、希釈燃料量Sが所定値より少ない場合、つまりオイル希釈の可能性が低い場合は本ルーチンを一旦終了する。この場合は、通常の燃料噴射制御がこの処理とは別の処理を通じて実行される。
ここで所定値の設定について説明する。所定値は、この値を超えるとエンジン1の性能に悪影響を及ぼすオイル希釈が発生する可能性があるという限界の値であり、換言すると、ある程度のオイル希釈であれば許容するという許容値を示す値ということもできる。例えば、冷間時においては、筒内壁面の温度が低いだけでなくオイルパン26に貯蓄されたオイルの温度も低い。オイルの温度が低いと、オイルに含まれる燃料は蒸発し難いため、混入した燃料は蓄積されオイル希釈は悪化していく。一方、内燃機関の暖機後においては、オイルの温度は上昇している。そのため、多少の燃料が混入したとしても希釈されたオイルに含まれる燃料は時間の経過と共に蒸発しオイルは正常な状態に戻る。このように、冷間時と暖機後のオイルの温度によって希釈の進行速度が異なる。よって、所定値はオイルの温度に応じて設定されることが好ましい。例えば、暖機後はオイル希釈の進行速度が遅いため、多少の燃料の混入は許容できる。従って、暖機後は所定値を大きな値に設定するとよい。一方、冷間時はオイル希釈の進行速度が速いため暖機後の所定値に比べて低く設定するとよい。
希釈燃料量Sが所定値以上と判定された場合はステップ300において、噴射される燃料の貫徹力を弱くするため、噴射燃圧を低く設定する(請求項でいう貫徹力制御手段)。具体的には、高圧ポンプの圧送量を少なくすることによって、デリバリパイプに蓄えられる燃料の燃圧を下げる。これにより、インジェクタ14から噴射される燃料の貫徹力を弱くする。
以上の処理手順によって本ルーチンを終了する。本ルーチンは、従来技術のように筒内壁面の温度が低い場合、例えば冷間時だけに実施されるものではなく、暖機後においても実施される。
ここで、前述したステップ100(希釈燃料推定手段)にて行われる希釈燃料量Sの算出方法について説明する。
まずステップ101において、エアフローメータ8から吸気量Gaを取得する。次にステップ102に移行し、取得した吸気量Gaに対してインジェクタ14から噴射された燃料噴射量Qtを取得する。燃料噴射量Qtは、基本燃料噴射量に空燃比フィードバックによる補正が行われることにより算出される。基本燃料噴射量は、吸気量Gaや現在のエンジンの運転状態(例えば回転数や負荷)に基づくマップにより算出される。この燃料噴射量Qtと前述したステップ101にて取得した吸気量Gaとにより形成される混合気によって燃焼が行われる。
ステップ103では、ステップ101の吸気量Gaとステップ102の燃料噴射量Qtとで形成された混合気が燃焼することによって排出される排出ガスの空燃比A/F(以下、「排気空燃比」という)を空燃比センサ25から取得する。
ところで、ステップ102にて取得した燃料噴射量Qtの全てが燃焼で消費されるわけではない。例えば、筒内壁面の温度が低い場合には燃料が気化され難いため、気筒内に噴射された燃料の一部が筒内壁面に付着し、燃焼で消費されることなくそのまま筒内に残留することがある。従って、ステップ103にて取得した排気空燃比A/Fは、実際に燃焼した燃料量Q(以下、「実燃料量」という)と吸気量Gaとによる燃焼の結果であり筒内に残留した未燃焼の燃料を含めたものではない。本発明では、燃焼毎に生じる未燃焼の燃料が蓄積されることによりオイルが希釈されると考え、燃焼毎の希釈燃料量Stを積算したものを希釈燃料量Sという。
ステップ104では、実燃料量Qをステップ101にて取得した吸気量Gaとステップ103にて取得した排気空燃比A/Fとから算出する。具体的には次式で表すように、吸気量Gaと排気空燃比A/Fとの比で算出する。
Q=Ga/(A/F)
次にステップ105に移行し、燃焼毎の希釈燃料量Stを算出する。燃焼毎の希釈燃料量Stは、次式で表すように、ステップ102にて取得した燃料噴射量Qtとステップ104にて算出した実燃料量Qとの差によって算出することができる。
St=Qt−Q
以上、ステップ101〜ステップ105の処理手順によって燃焼毎の希釈燃料量Stを算出する。そして、燃焼毎の希釈燃料量Stを所定期間積算することで、希釈燃料量Sを算出する。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
上記構成によれば、ステップ100にて算出した希釈燃料量Sに基づき、ステップ200においてオイルが希釈される可能性を推定している。そして、希釈燃料量Sが所定値より大きい場合、つまりオイル希釈の可能性が高い場合にステップ300において貫徹力を弱くしている。従来技術では、筒内壁面の温度が低い場合に貫徹力を弱くすることでオイル希釈を抑制していたため次の2つの問題があった。1つは筒内壁面の温度が低くてもオイル希釈が発生していない場合に貫徹力を弱く設定すること、2つ目は、筒内壁面の温度が低くない場合に発生するオイル希釈には対応できないことである。これに対し、本発明では筒内壁面の温度によらず希釈燃料量Sに基づいてオイル希釈の発生を検出している。そのため、希釈燃料量Sが所定値以下の場合には筒内壁面の温度が低くても貫徹力を弱くすることはない。さらに、筒内壁面の温度が高温であっても希釈燃料量Sが所定値を超えた場合には貫徹力を弱くする。従って上述した2つの問題に対し、冷間時又は暖機後のどちらの場合においてもオイル希釈の発生を検出、及びオイル希釈の抑制をすることができる。
また、希釈燃料量Sの算出に吸気量と、この吸気量に基づく燃焼後に排出される排気空燃比とを用いている。これにより、燃焼毎の希釈燃料量Stを算出することができるため、リニアにオイル希釈の発生を検出することができる。
[第2実施形態]
第2実施形態を含む以下の実施形態においては、既に説明した実施形態の構成と同一構成又は相当する構成については、同一番号を付しその重複説明を省略する。
第1実施形態では噴射燃圧を低くすることにより、噴射される燃料の貫徹力を弱くする態様を示した。しかし、噴射燃圧を低くした状態であっても、その噴射が長い期間行われた場合には、筒内壁面に燃料が付着してしまうことがある。例えば、低回転・低負荷時に比べて高回転・高負荷時に必要とされる燃料量は多くなる。そのため、燃料が噴射される期間は、高回転・高負荷時は低回転・低負荷時に比べて長くなる。従って、高回転・高負荷時は、噴射燃圧を低くして噴射したとしても、噴射期間が長いため筒内壁面に付着する燃料が増加してしまう。これに対し、第2実施形態では、燃料噴射量が多い場合は燃料噴射量を複数回に分けて噴射する(以下、「分割噴射」という)態様をとる。
以下、第2実施形態における制御手順について、図4に基づき説明する。
まずステップ100では、第1実施形態と同様に希釈燃料量Sを算出する。次にステップ200に移行し、希釈燃料量Sが所定値よりも多いかが判定される。希釈燃料量Sが所定値よりも多い場合はステップ400に移行し、希釈燃料量Sが所定値以下である場合は、本ルーチンを一旦終了する。
ステップ400では、燃料噴射量Qtが所定値よりも多いかが判定される。ここで用いる燃料噴射量Qtは、ステップ200にてオイル希釈が発生する可能性が高いと判定された後にインジェクタ14から噴射される燃料量である。この燃料噴射量Qtが所定値よりも多い場合は、燃料を噴射する期間が所定値以下の場合と比較して長くなる。そのため、第1実施形態で示した噴射燃圧を低くする方法で貫徹力を弱くしたとしても、オイル希釈を好適に低減することが困難となる。そこで、燃料噴射量Qtが所定値よりも多いと判定した場合は、ステップ500に移行し前述した分割噴射を行う。
一方、燃料噴射量Qtが所定値以下の場合は、噴射期間が短いため燃料噴射量Qtの総量を1回で噴射してもオイルが筒内壁面に付着する可能性が低い。そのため、燃料噴射量が所定値以下の場合は、ステップ300に移行し第1実施形態と同様に噴射燃圧を低く設定する。
以上の処理手順によって本ルーチンを終了する。
次に、第2実施形態の作用効果について説明する。
上記構成によれば、希釈燃料量Sに基づき、オイル希釈の発生を判定した後に、燃料噴射量に応じて貫徹力を弱める方法を切り替えている。具体的には、オイル希釈の発生の可能性が高いと判定された後の初回の燃料噴射量Qtが所定値より多い場合は分割噴射を実施し、燃料噴射量Qtが所定値以下の場合は噴射燃圧を低くすることにより、それぞれ噴射される燃料の貫徹力を弱くしている。
分割噴射によれば、必要な燃料噴射量Qtの総量を一回で噴射する場合と比較して、複数回に分けた短い期間で燃料が噴射されることとなり、一回の噴射による噴射量が低減することができる。このため、一回あたりの噴射燃料の貫徹力を低く抑えることができる。つまり、分割噴射の場合、分割された個々の噴射期間が短くなることで貫徹力が低下するため、燃料が筒内壁面に付着することを抑制することができる。一方、燃料噴射量Qtが所定値以下の場合は、噴射期間が短いため分割噴射をすることなく噴射燃圧を低くした一回の噴射を行うことができる。従って、燃料噴射量に応じた適切な方法を用いて貫徹力を抑制することができる。
以上のごとく、上記第1実施形態及び第2実施形態によれば、必要なときにオイル希釈を抑制することが可能な筒内噴射式内燃機関の燃料噴射装置を提供することができる。
[他の実施形態]
・第1実施形態及び第2実施形態では、吸気量Gaと排気空燃比A/Fとに基づき希釈燃料量Sを算出する方法を示したが、希釈燃料を算出する方法は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、オイルが燃料によって希釈されると粘度が変化すること着目し、オイル温度に対する適正なオイル粘度を予め記憶しておき、実際のオイル温度に対するオイル粘度とを比較して、オイル内に混入している燃料量を推定することもできる。この場合には、所定期間におけるオイル粘度の変化の積算値を用いることが好ましい。
・第1実施形態及び第2実施形態では、内燃機関の冷間時および暖機後の両方で実施しているが、内燃機関の冷間時のみに実施するようにしても良いし、内燃機関の暖機後のみに実施するようにしても良い。
1 エンジン(内燃機関)
6 ECU(希釈燃料推定手段、貫徹力制御手段)
8 エアフローメータ(吸気量検出手段)
14 インジェクタ(燃料噴射手段)
25 空燃比センサ(空燃比検出手段)

Claims (6)

  1. 内燃機関の気筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射手段と、
    前記内燃機関を潤滑するためのオイルを希釈する燃料量(以下、希釈燃料量という)を推定する希釈燃料推定手段と、
    前記希釈推定手段により推定された希釈燃料量が所定値以上の場合、前記燃料噴射手段から噴射される燃料の貫徹力を弱くする貫徹力制御手段と
    を備えることを特徴とする筒内噴射式内燃機関の燃料噴射装置。
  2. 前記貫徹力制御手段は、前記内燃機関の冷間時に前記希釈燃料推定手段により推定された希釈燃料量が所定値以上の場合に実施されることを特徴とする請求項1に記載の筒内噴射式内燃機関の燃料噴射装置。
  3. 前記貫徹力制御手段は、前記内燃機関の暖機後に前記希釈燃料推定手段により推定された希釈燃料量が所定値以上の場合に実施されることを特徴とする請求項1に記載の筒内噴射式内燃機関の燃料噴射装置。
  4. 前記気筒内に吸入される空気量を検出する吸気量検出手段と、
    前記気筒内から排出される排気空燃比を検出する空燃比検出手段とを備え、
    前記希釈燃料推定手段は、前記吸気量検出手段により検出された空気量と前記空燃比検出手段により検出された空燃比とに基づき、前記希釈燃料量を推定することを特徴とする請求項1〜3いずれか1つに記載の筒内噴射式内燃機関の燃料噴射装置。
  5. 前記貫徹力制御手段は、噴射圧力を低減させることにより噴射燃料の貫徹力を弱めることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の筒内噴射式内燃機関の燃料噴射装置。
  6. 前記貫徹力制御手段は、噴射燃料を複数回に分けて噴射することにより、1回あたりの噴射燃料の貫徹力を弱めることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の筒内噴射式内燃機関の燃料噴射装置。
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