JP2011225815A - 揺動式炭化炉 - Google Patents

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勝彦 太田
Yasuyuki Yamaguchi
安幸 山口
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Abstract

【課題】炭化炉本体の揺動方向切換え時の慣性力を減少し、耐久性を向上することが可能な揺動式炭化炉を提供する。
【解決手段】円錐台状の炭化炉本体1の軸方向に離間した複数箇所の夫々に、当該炭化炉本体2の外周面の下側面に沿う取付角度範囲200°以下の補強体14、16を固定し、これら複数の補強体14、16を介して炭化炉本体1の軸が水平となるように支持ローラ17、20で支持することにより、リング体を補強体として炭化炉本体の軸方向に離間した複数箇所の夫々に固定する場合に比して補強体14、16を含む炭化炉本体1の重量が減少し、炭化炉本体1の揺動方向切換え時の慣性力が低減すると共に、補強体14、16とは個別の揺動装置によって炭化炉本体1を揺動することにより、補強体14、16と揺動装置との間に滑りが生じることもなく、耐久性が向上する。
【選択図】図1

Description

本発明は、軸が水平な円錐台状の炉体の炭化炉を水平軸周りに揺動して、炉内の装入原料を小径の原料投入口から大径の炭化物排出口側に移動させながら炭化処理を行う揺動式炭化炉に関するものである。
廃木材、生活ゴミ、下水汚泥などの可燃性物質を炭化し、炭化物を製造する炭化炉としては、ロータリーキルン式炭化炉や揺動式炭化炉が挙げられる。ロータリーキルン式炭化炉は、円筒状ドラムに炭化物とする原料を装入し、このドラムを回転させることにより、所謂ロータリーキルン内において排出方向に向かって原料を移動させながら炭化を行うものであるが、原料と空気との接触が悪く、乾留温度のコントロールが極めて難しい。
一方、例えば下記特許文献1に記載されるような揺動式炭化炉は、炭化炉に、原料投入口及び着火口、原料を炭化するための乾留用空気吹込口を有することから、炉の揺動運動によって、原料投入口から炭化物排出口に向かって装入物が移動する間に、確実に炭化物とすることが可能であるため、連続生産に適している。
また、下記特許文献2では、既存の炭化炉では、円錐台状の炭化炉の軸方向両端部で揺動回転を支持しているが、この支持部位が損耗しやすく、改善が必要であったとして、炭化炉本体の軸方向に離間した複数箇所の夫々に、当該炭化炉本体の外周面に沿う同外径のリング体を固定し、これらリング体を介して炭化炉本体を揺動支持することで支持部位の損耗を低減すると共に、少なくとも1つのリング体に揺動機構を備え、そのリング体を介して炭化炉本体に揺動を与えることが提案されている。
特開平7−3266号公報 特許第4005515号公報
しかしながら、前記特許文献2に記載される揺動式炭化炉は、炭化炉本体の軸方向に離間した複数箇所の夫々に、当該炭化炉本体の外周面に沿う同外径のリング体を固定したことにより、リング体を含む炭化炉本体の重量が増加するため、炭化炉本体の揺動方向切換え時の慣性力が増大することに加えて、リング体を介して炭化炉本体を揺動するため、リング体と揺動機構との間に滑りが生じ、耐久性が低下するという問題がある。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、炭化炉本体の揺動方向切換え時の慣性力を減少し、耐久性を向上することが可能な揺動式炭化炉を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明の揺動式炭化炉は、円錐台状の炭化炉本体と、前記炭化炉本体の小径端側に設けた原料投入口及び着火口と、前記炭化炉本体の周面下部に設けられた複数の乾留用空気吹込口と、前記炭化炉本体の軸方向に離間した複数箇所の夫々に固定され且つ当該炭化炉本体の外周面の下側面に沿う取付角度範囲200°以下の補強体と、前記複数の補強体を介して前記炭化炉本体の軸が水平となるように支持する支持体と、前記補強体とは個別に前記炭化炉本体を揺動する揺動装置とを備えたことを特徴とす
るものである。
また、前記炭化炉本体の内部を、少なくとも表面乾留領域及び内部乾留領域の2つの領域に分割し、前記乾留用空気吹込口に供給する空気量を、前記各領域毎に独立して制御可能としたことを特徴とするものである。
また、前記表面乾留領域及び内部乾留領域に加え、前記炭化炉本体の内部を、高温調整・賦活化領域に分割し、当該高温調整・賦活化領域に供給する空気量を、他の領域とは独立して制御可能としたことを特徴とするものである。
また、前記表面乾留領域の入側に原料受入乾燥領域を分割し、当該原料受入乾燥領域に供給する空気量を、他の領域とは独立して制御可能としたことを特徴とするものである。
また、前記乾留用空気吹込口に空気を供給する乾留用空気供給ファンを領域毎に設置したことを特徴とするものである。
また、前記乾留用空気供給ファンを炭化炉本体に搭載したことを特徴とするものである。
また、前記乾留用空気吹込口は、炭化炉本体の同一周線上の離間した少なくとも2カ所に吹込口を有することを特徴とするものである。
また、前記炭化炉本体の大径端側に炭化物排出口を形成し、前記炭化炉本体は、水平面に対する下部の傾斜角が第1所定傾斜角の原料投入口側の第1円錐台部と、水平面に対する下部の傾斜角が前記第1所定傾斜角より小さい第2所定傾斜角の炭化物排出口側の第2円錐台部と、炉内炉壁の周方向に沿って設けられ且つ装入原料の堆積を一定に保つ2以上の円周堰と、炉内炉壁の長手方向に沿って設けられ且つ装入原料を撹拌する長手堰とを備えたことを特徴とするものである。
また、前記第1円錐台部を炭化炉本体炉長の少なくとも1/4以上、1/3以下としたことを特徴とするものである。
また、前記第1所定傾斜角を7.5〜15°、前記第2所定傾斜角を5〜7.5°としたことを特徴とするものである。
また、少なくとも前記第2円錐台部には、炉内に突出し且つ装入原料中に空気を拡散させる空気吹込みノズルを設けたことを特徴とするものである。
また、前記炭化物排出口側端部に、炭化炉本体とは別体の排出口側端部部材を取付け、その排出口側端部部材を炭化炉本体に締結具で締結したことを特徴とするものである。
而して、本発明の揺動式炭化炉によれば、円錐台状の炭化炉本体の軸方向に離間した複数箇所の夫々に、当該炭化炉本体の外周面の下側面に沿う取付角度範囲200°以下の補強体を固定し、これら複数の補強体を介して炭化炉本体の軸が水平となるように支持体で支持する構成としたため、リング体を補強体として炭化炉本体の軸方向に離間した複数箇所の夫々に固定する場合に比して補強体を含む炭化炉本体の重量が減少し、炭化炉本体の揺動方向切換え時の慣性力が低減すると共に、補強体とは個別の揺動装置によって炭化炉本体を揺動する構成としたため、補強体と揺動装置との間に滑りが生じることもなく、耐久性が向上する。
また、炭化炉本体の内部を、少なくとも表面乾留領域及び内部乾留領域の2つの領域に分割し、乾留用空気吹込口に供給する空気量を、各領域毎に独立して制御可能としたことにより、例えば表面乾留領域の温度が450〜600℃になるように乾留用空気吹込口に供給する空気量を制御し、内部乾留領域の温度が600〜700℃になるように乾留用空気吹込口に供給する空気量を制御すれば、内部乾留領域の段階で、装入原料を燃料に変換する程度の乾留を終了することができる。また、例えば表面乾留領域の温度が450〜7
00℃になるように乾留用空気吹込口に供給する空気量を制御し、内部乾留領域の温度が700〜800℃になるように乾留用空気吹込口に供給する空気量を制御すれば、内部乾留領域の最終段階で、装入原料を炭化物に変換する乾留を終了することができる。
また、表面乾留領域及び内部乾留領域に加え、炭化炉本体の内部を、高温調整・賦活化領域に分割し、当該高温調整・賦活化領域に供給する空気量を、他の領域とは独立して制御可能としたことにより、高温調整・賦活化領域の温度が700〜850℃になるように乾留用空気吹込口に供給する空気量を制御すれば、装入原料を賦活化して多孔体の高級炭化物を製造することができる。
また、表面乾留領域の入側に原料受入乾燥領域を分割し、当該原料受入乾燥領域に供給する空気量を、他の領域とは独立して制御可能としたことにより、表面乾留の前に原料を乾燥することができる。
また、乾留用空気吹込口に空気を供給する乾留用空気供給ファンを領域毎に設置したことにより、各領域毎の供給空気量を制御しやすい。
また、乾留用空気供給ファンを炭化炉本体に搭載したことにより、配管の取り回しなど、装置構成が容易になる。
また、乾留用空気吹込口は、炭化炉本体の同一周線上の離間した少なくとも2カ所に吹込口を有することとしたため、炭化炉本体の下側で揺動する原料に効率よく空気を供給することができる。
また、炭化炉本体の原料投入口側の第1円錐台部の下部の水平面に対する第1所定傾斜角が大きいので、砂状或いは泥状の装入原料でも炉内を移動しやすく、反面、炭化物排出口側の第2円錐台部の下部の水平面に対する第2所定傾斜角が小さいので、砂状或いは泥状の装入原料の移動速度を小さくすることができ、この第2円錐台部内に、装入原料の堆積を一定に保つ2以上の円周堰を円周に沿って設けることで、堆積中の装入原料に拡散するように乾留用空気を吹込むことで十分な炭化処理を可能とし、合わせて、堆積中の装入原料を撹拌する長手堰を、炉内炉壁の長手方向に沿って設けることで、炭化処理を均一化することができ、これらにより下水汚泥などの砂状或いは泥状原料を連続的に効率よく炭化処理することが可能となる。
また、第1円錐台部を炭化炉本体の炉長の少なくとも1/4以上、1/3以下とすることで、下水汚泥などの砂状或いは泥状原料でも連続的に効率よく炭化処理することができる。
また、第1所定傾斜角を7.5〜15°、第2所定傾斜角を5〜7.5°とすることで、下水汚泥などの砂状或いは泥状原料でも連続的に効率よく炭化処理することができる。
また、第2円錐台部に、炉内に突出し且つ装入原料中に空気を拡散させる空気吹込みノズルを設けたことにより、十分な炭化処理を行うことができる。
また、炭化物排出口側端部に炭化炉本体とは別体の排出口側端部部材を取付け、その排出口側端部部材を炭化炉本体に締結具で締結したことにより、炭化物排出口の外側のシール機能が破損して大気侵入が生じるような場合に、排出口側端部だけを部分交換可能として、安価で容易な保守が可能となる。
本発明の揺動式炭化炉の一実施形態の説明図であり、(a)は正面図、(b)は縦断面図である。 図1の揺動装置の説明図である。 図1の炭化炉本体及び補強体の説明図である。 補強体取付範囲の説明図である。 本発明の揺動式炭化炉の他の実施形態の説明図であり、(a)は正面図、(b)は縦断面図である。 炭化炉本体の構成を説明する正面図である。 図6の炭化炉本体の縦断面図である。 拡散式空気吹込みノズルの詳細図である。
次に、本発明の揺動式炭化炉の一実施形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態では、河川、ダムなどの流木、家の解体などで発生する廃木材を破砕機にかけ、チップ状にして炭化物の原料とし、生活ゴミはRDF化して、或いは下水汚泥は予備乾燥して炭化物原料として用いる。
図1aは、本実施形態の揺動式炭化炉の正面図、図1bは、後述する原料受入乾燥領域における揺動式炭化炉の縦断面図である。炭化炉本体1は、図1aの左方が小径で、右方が大径のほぼ円錐台状であり、この円錐台状の炭化炉本体1を軸が水平になるように配設することにより、炉壁下部が、小径側から大径側下がりに傾斜しているのが特徴である。この炭化炉本体1の小径側には、後述する原料投入口及び着火口が設けられており、大径側には炭化物排出口が設けられている。従って、円錐台状の炭化炉本体1の小径側の原料投入口に装入した原料が、炭化炉本体1の揺動により、転がりながら、比較的ゆっくりと大径側、即ち炭化物排出口側に移動するのが理想である。
前述した原料を原料受入ホッパ2に供給し、スクリューフィーダなどの供給装置3により炭化炉本体1の小径端側から炉内に供給する。従って、炭化炉本体1の供給装置3との接続部が原料投入口になる。炭化炉本体1の小径端側には電気ヒータ4が設けられており、この電気ヒータ4で原料に着火し、その部分燃焼熱で、炉内を400℃から450℃まで昇温する。従って、炭化炉本体1の電気ヒータ4との接続部が着火口になる。電気ヒータで着火した以降は、乾留用空気吹込口5〜9からの空気供給によって炉内温度を制御する。また、着火操作以降に連続供給される原料については、炭化炉本体1の小径端側に存在する着火済原料を火種として連続着火処理が可能となる。また、電気ヒータ4に代え、火種を炭化炉本体1内の小径端側から炉内に投入してもよい。
本実施形態では、炭化炉本体1内を、小径端側から、原料受入乾燥領域、表面乾留領域、内部乾留領域、高温調整・賦活化領域に4分割されており、夫々、炭化炉本体1の下部に、原料受入乾燥領域乾留用空気吹込口5、表面乾留領域乾留用空気吹込口6、内部乾留領域乾留用空気吹込口7、高温調整・賦活化領域乾留用空気吹込口8が設けられており、夫々、炭化炉本体1の上部に設けられている原料受入乾燥領域乾留用空気供給ファン(送風機)10、表面乾留領域乾留用空気供給ファン11、内部乾留領域乾留用空気供給ファン12、高温調整・賦活化領域乾留用空気供給ファン13から個別に空気が供給される。また、高温調整賦活化領域には、更に高温調整・賦活化領域乾留用空気及び蒸気吹込口9が設けられている。この高温調整・賦活化領域乾留用空気及び蒸気吹込口9には、前記高温調整・賦活化領域乾留用空気供給ファン13からの空気と、個別の蒸気(水蒸気)が供給される。即ち、全ての領域の供給空気量は、該当する領域に設けられた乾留用空気供給ファン10〜13によって個別に制御可能である。
なお、蒸気は、例えば炭化炉本体後端側に接続された乾留工程で発生する乾留ガスの燃焼装置の排熱回収装置から供給される。また、図中の符号5aは、原料受入乾燥領域乾留用空気供給ファン10と原料受入乾燥領域乾留用空気吹込口5とを結ぶ原料受入乾燥領域乾留用空気供給ライン、図中の符号6aは、表面乾留領域乾留用空気供給ファン11と表面乾留領域乾留用空気吹込口6とを結ぶ表面乾留領域乾留用空気供給ライン、図中の符号7aは、内部乾留領域乾留用空気供給ファン12と内部乾留領域乾留用空気吹込口7とを
結ぶ内部乾留領域乾留用空気供給ライン、図中の符号8aは、高温調整・賦活化領域乾留用空気供給ファン13と高温調整・賦活化領域乾留用空気吹込口8とを結ぶ高温調整・賦活化領域乾留用空気供給ラインを示す。
各乾留用空気吹込口5〜8は、例えば図1bの原料受入乾燥領域乾留用空気吹込口5に代表されるように、炭化炉本体1の下部のうち、炭化炉本体1の同一周線上の離間した2カ所に設けられている。これらの乾留用空気吹込口5〜8は、炭化炉本体1の炉壁に多数の細孔を設けて形成されており、それらの細孔から原料に空気を供給する。本実施形態のように、炭化炉本体1の下部のうち、炭化炉本体1の同一周線上の離間した2カ所に乾留用空気吹込口5〜8を設けることにより、後述するように炭化炉本体1の下側で揺動する原料に効率よく空気を供給することができる。
原料投入口から炭化炉本体1内に原料が投入された直後の原料受入乾燥領域では、前述のように原料着火後、原料受入乾燥領域乾留空気吹込口5に供給する空気量を制御して、炉内温度を400〜450℃とすることにより、原料の乾燥が行われ、炭化炉本体1の揺動に伴って次の表面乾燥領域に移動して、ここから乾留が行われる。表面乾留領域では、表面乾留領域乾留用空気吹込口6に供給する空気量を制御して、炉内温度を450〜600℃とし、内部乾留領域では、内部乾留領域乾留用空気吹込口7に供給する空気量を制御して、炉内温度を600〜700℃とする。装入原料を燃料に変換する程度の乾留であれば、この段階で乾留を終了することができる。
続く高温調整・賦活化領域では、賦活化処理の前に、特に高温調整・賦活化領域乾留用空気吹込口8に供給する空気量を制御して、炉内温度を700〜850℃の高温に設定し、然る後、高温調整・賦活化領域乾留用空気及び蒸気吹込口9から空気及び蒸気を同時に供給して原料を賦活化する。高温の原料は蒸気に接触することで炭化物が賦活化して多孔体となる。例えば土壌改良材や活性炭に近い性能を持つ炭化物などの、所謂高級炭化物を製造する場合には、炭化物原料を700℃以上の高温に保持し、その温度状態で蒸気と接触することによって賦活化、即ち多孔体化が行われる。なお、賦活化処理は、下記1式に示す吸熱反応であるから、水蒸気と空気を同時に供給することにより、下記2式に示す発熱反応を同時に行って熱補償を行う。
Figure 2011225815
本実施形態では、炭化炉本体1の揺動範囲を片側60°、両側で120°まで可変とした。この場合、装置的には原料変化を見越して片側70°、両側で140°の揺動運動を可能とすれば十分である。そこで、炭化炉本体1を揺動可能に支持するために、炭化炉本体1の軸方向に離間した複数箇所の夫々に、当該炭化炉本体の外周面の下側面に沿う取付角度範囲200°以下の補強体14、16を固定した。本実施形態では、円錐台状の炭化炉本体1に対し、小径端側補強体14及び大径端側補強体16の2カ所に補強体を固定し、その夫々を、夫々、2個の小径端側支持ローラ(支持体)17及び大径端側支持ローラ(支持体)20で支持する。補強体14、16は、略半円弧のレール状、つまり略半円周であり、この略半円周レール状の補強体14、16の夫々を、夫々、両フランジ付きの2個の支持ローラ17、20で支持する。各支持ローラ17、20は回転自在とした。なお、補強体及び支持ローラ(支持体)からなる支持装置の配設数は前記に限定されるもので
はないが、揺動式炭化炉の軸方向長さから鑑みて、凡そ2〜4カ所が適切である。
そして、小径端側補強体14と大径端側補強体16の中央の炭化炉本体1の外周面にラック状の大径ギヤ15を溶接固定し、図2aに明示するように、この大径ギヤ15に噛合する小径ギヤ18を揺動用モータ19で正逆方向に回転駆動することで、炭化炉本体1を揺動する。即ち、この大径ギヤ15及び小径ギヤ18及び揺動用モータ19が本発明の揺動装置を構成する。従って、本発明の揺動装置は、前記補強体とは個別である。図2bには、揺動装置の異なる例を示す。この例では、炭化炉本体1の外周面にリング状の大径スプロケット21を溶接固定し、この大径スプロケット21と揺動用モータ19に接続された小径スプロケット22とにチェーン23を巻回し、揺動用モータ19を正逆方向に回転駆動することで炭化炉本体1を揺動する。なお、図中の符号24は、チェーン23の弛みを吸収するためのテンショナースプロケットである。
図3aには前記小径端側補強体14における炭化炉本体1の縦断面図を、図3bには前記大径端側補強体16における炭化炉本体1の縦断面図を示す。この例は、小径端側支持ローラ(支持体)17と大径端側支持ローラ20に同じ径のものを用い、且つ小径端側支持ローラ17と大径端側支持ローラ20の高さを同じにした場合のものである。小径端側支持ローラ17と大径端側支持ローラ20の高さを同じにすると、小径端側支持ローラ17から炭化炉本体1の外周面までの距離の方が、大径端側支持ローラ20から炭化炉本体1の外周面までの距離より大きくなる。そのため、図3aでは、大径端側補強体16よりも小径端側補強体14の厚みを厚くして対応している。もし、小径端側支持ローラ17の高さを高くすれば、図3cに示すように、小径端側補強体14の厚さを薄くすることができる。
これらの図から明らかなように、装置的に片側70°、両側で140°しか揺動しない本実施形態の炭化炉本体1の場合、炭化炉本体1の全周360°のうち、支持ローラ17、20に接触する部分だけ、つまり本実施形態では炭化炉本体1の略下側半円周分だけ、補強体14、16を配設すればよいので、特に補強体を含む炭化炉本体1の上部の重みを軽減することができ、前記特許文献2のように炭化炉本体1の外周面全周を覆うリング体からなる補強体を用いる場合に比して、補強体14、16を含む炭化炉本体1の重量を大幅に低減することができ、炭化炉本体1の揺動方向切換え時の慣性力を減少することが可能となる。しかも、本実施形態の場合、炭化炉本体1を揺動するための揺動装置を補強体14、16と個別としたため、前記特許文献2のように、リング体からなる補強体と揺動装置との間に滑りが生じることがないから、前述の炭化炉本体1の揺動方向切換え時の慣性力の低減と合わせて、装置の耐久性を向上することが可能となる。
なお、図3に示す符号1aは、炭化炉本体1の外周面を構成する鉄皮の内周面に設けられる耐火物である。一般には、図3a〜図3cに示すように、炭化炉本体1の内周面に設けられる耐火物1aの厚さは一定であるが、高温の原料が接触するのは、炭化炉本体1の内周面の下部だけであるから、例えば図3dに示すように、炭化炉本体1の内周面のうち、下部の耐火物1aは十分な厚さとし、上部の耐火物1aの厚さを薄くすれば、炭化炉本体1の上部の重量を小さくすることができ、結果的に炭化炉本体1の重心を下げ、揺動方向切替えを含む揺動を容易化することができる。
また、前記実施形態では、補強体14、16を支持ローラ17、20で支持する構成としたが、補強体を支持する支持体は、これに限定されるものではなく、例えば滑り軸受などによって面接触支持するなどしてもよく、また、そのようにすれば補強体から支持体が外れることがないので、補強体の円周方向長さを短くすることが可能となる。
また、前記実施形態では、補強体14、16を炭化炉本体1の下側に相当する略半円周分としたが、後述するように、原料戻り角や支持ローラ17、20による支持状態によっ
ては、半円周より短くすることも可能となる。そして、補強体14、16の円周方向長さを炭化炉本体1の下側半円周より短くすることができれば、補強体14、16を含む炭化炉本体1の重量をより一層低減することができ、前述した炭化炉本体1の揺動方向切換え時の慣性力をより一層減少することが可能となる。
ここで、補強体14、16の取付角度範囲について図4を用いて説明する。ここでは、小径端側補強体14に代表して、その取付角度範囲を説明する。始めに、支持ローラ17の中心と炭化炉本体1の中心を結ぶ線と鉛直線とのなす角度、支持ローラ角度について説明する。支持ローラ17は、炭化炉本体1を図4aの左右方向に揺動したとき、補強体14に当接して、補強体14及び炭化炉本体1を支持する必要があるから、支持ローラ角度は狭すぎても広すぎても問題が生じる。本実施形態では、この支持ローラ角度を20°〜35°の範囲とした。支持ローラ角度が20°未満の場合、炭化炉本体1が揺動時不安定となり、補強体14が支持ローラ17から外れる恐れがある。また、支持ローラ角度が35°を超える場合、支持ローラ17の支持部分が座屈を起こしやすくなる。そのため、本実施形態では、支持ローラ角度を20°〜35°とした。
補強体14は、勿論、炭化炉本体1の揺動時、前記支持ローラ17に当接する角度範囲に取付けなければならないが、揺動式炭化炉としては、揺動時の原料戻り角を確保することが重要であり、この原料戻り角を確保した揺動範囲で且つ前記支持ローラ17に当接するように取付ける必要がある。前述した炭化炉本体1の揺動角を、図4aの時計回り方向及び反時計回り方向の両側への揺動範囲角度とすると、炭化炉本体1は、鉛直線に対し、揺動角の半分の角度分ずつ時計回り方向及び反時計回り方向に揺動されることになる。
例えば図4aに示すように、補強体14の中央部が炭化炉本体1の中心の直下(この場合はまっすぐ下を意味する)にあるとき、炭化炉本体1内の原料が水平になると仮定して、この原料が存在している範囲を炭化炉本体1の中心からの角度範囲で表し、その角度を原料占積角とする。このとき、原料占積角の半分の角度の位置(角度を示す線)は鉛直線に一致する。この原料占積角の半分の角度の位置(角度を示す線)を原料中心位置と定義する。
炭化炉本体1を揺動した直後は、例えば摩擦力や慣性力によって原料は、その直前の状態に維持されると仮定する。例えば図4aの状態から炭化炉本体1を図の時計回り方向に揺動角の半分、揺動すると、図4bに示すように、原料中心位置を示す線と鉛直線とのなす角度が揺動角の半分に相当する。この炭化炉本体1の状態が維持されると仮定し、且つ揺動角の半分の角度が原料の安息角より大きいと、図4cに示すように、原料は下方に滑り落ちる。安息角は、一般に、軟弱な、或いは粒状の固体物質が滑らずに安定している最大傾斜を、水平面からの角度で表したものであるが、図4cのように原料が滑り落ちて安定したときの原料中心位置を示す線と鉛直線とのなす角度は安息角に一致する。この場合は、揺動角の半分の角度から安息角を減じた角度が原料戻り角になる。この原料が安息角に滑り落ちるときに、原料の撹拌混合が行われ、均一処理がなされるので、揺動式炭化炉としては、原料戻り角を確保することが重要なのである。但し、このときの原料戻り角は、後述する連続揺動時の原料戻り角よりも小さい。
このあと、炭化炉本体1は、揺動角の半分、図の反時計回り方向に揺動して図4aの位置に復帰し、続いて図の反時計回り方向に揺動角の半分、揺動して図4dの状態となる。炭化炉本体1内の原料は、炭化炉本体1に対し、図4cの状態を維持するので、図4dでは、図4cの安息角を表す線と図4dの原料中心位置を表す線とのなす角度が揺動角となる。この炭化炉本体1の状態が維持されると仮定すると、図4eに示すように、原料は下方に滑り落ちて原料中心位置を示す線が鉛直線から振った安息角の位置に一致する。このときの原料戻り角は、図4dの原料中心位置を示す線と図4eの安息角を示す線とのなす
角度となるので、連続揺動時の原料戻り角は、前記図4cの揺動開始時の原料戻り角よりも大きい。
補強体14は、炭化炉本体1内で揺動する原料を外側から支持し且つ支持ローラ17から外れない角度範囲に取付ける必要があることから、前述した原料の揺動範囲及び支持ローラ17の位置から補強体14の取付角度範囲を設定することができる。本実施形態では、炭化炉本体1の揺動角を可変としたので、例えば揺動角を120°、即ち片側60°ずつとし、支持ローラ角度を35°とすると、例えば原料の安息角が30°、原料占積角が120°のとき、連続揺動時の原料戻り角は60°(揺動開始時の原料戻り角は30°)となり、十分な撹拌混合が行われる。この場合、補強体14の取付範囲を表す角度は、図4aの状態で、鉛直線の両側95°、即ち両側で190°となり、これに余裕を見込んでも、炭化炉本体1の下側半分となる200°の補強体14の取付角度範囲とすればよい。支持ローラ角度や原料占積角が、これより小さい場合には、補強体14の取付角度範囲は、より狭い範囲でもよくなる。例えば、支持ローラ角度20°、原料の安息角20°では、揺動角は76°となり、補強体14の取付角度範囲は炭化炉本体1の下側116°の角度範囲となる。
このように本実施形態の揺動式炭化炉では、円錐台状の炭化炉本体1の軸方向に離間した複数箇所の夫々に、当該炭化炉本体2の外周面の下側面に沿う取付角度範囲200°以下の補強体14、16を固定し、これら複数の補強体14、16を介して炭化炉本体1の軸が水平となるように支持ローラ(支持体)17、20で支持することとしたため、リング体を補強体として炭化炉本体の軸方向に離間した複数箇所の夫々に固定する場合に比して補強体14、16を含む炭化炉本体1の重量が減少し、炭化炉本体1の揺動方向切換え時の慣性力が低減すると共に、補強体14、16とは個別の揺動装置によって炭化炉本体1を揺動することとしたため、補強体14、16と揺動装置との間に滑りが生じることもなく、耐久性が向上する。
また、図5の実施形態で示すように、炭化炉本体1の内部を、少なくとも表面乾留領域及び内部乾留領域の2つの領域に分割し、該当する領域の表面乾留領域乾留用空気吹込口27、内部乾留領域乾留用空気吹込口28に供給する空気量を、表面乾留領域乾留用空気供給ファン25、内部乾留領域乾留用空気供給ファン26で各領域毎に独立して制御可能としたことにより、例えば表面乾留領域の温度が450〜600℃になるように表面乾留領域乾留用空気吹込口27に供給する空気量を制御し、内部乾留領域の温度が600〜700℃になるように内部乾留領域乾留用空気吹込口28に供給する空気量を制御すれば、内部乾留領域の段階で、装入原料を燃料に変換する程度の乾留を終了することができる。また、前記温度を、例えば表面乾留領域の温度が450〜700℃になるように表面乾留領域乾留用空気吹込口27に供給する空気量を制御し、内部乾留領域の温度が700〜800℃になるように内部乾留領域乾留用空気吹込口28に供給する空気量を制御すれば、内部乾留領域の最終段階で、装入原料を炭化物に変換する乾留を終了することができる。
また、表面乾留領域及び内部乾留領域に加え、炭化炉本体1の内部を、高温調整・賦活化領域に分割し、当該高温調整・賦活化領域に供給する空気量を、他の領域とは独立して制御可能としたことにより、高温調整・賦活化領域の温度が700〜850℃になるように高温調整・賦活化領域乾留用空気吹込口8に供給する空気量を制御すれば、装入原料を賦活化して多孔体の高級炭化物を製造することができる。
また、表面乾留領域の入側に原料受入乾燥領域を分割し、当該原料受入乾燥領域に供給する空気量を、他の領域とは独立して制御可能としたことにより、表面乾留の前に原料を乾燥することができる。
また、図1に示すように乾留用空気吹込口5〜8に空気を供給する乾留用空気供給ファ
ン10〜13を領域毎に設置したことにより、或いは図4に示すように乾留用空気吹込口27、28に空気を供給する乾留用空気供給ファン25、26を領域毎に設置したことにより、各領域毎の供給空気量を制御しやすい。
また、乾留用空気供給ファン10〜13、25、26を炭化炉本体1に搭載したことにより、配管の取り回しなど、装置構成が容易になる。
また、乾留用空気吹込口5〜8又は27、28は、炭化炉本体1の同一周線上の離間した少なくとも2カ所に吹込口を有することとしたため、炭化炉本体1の下側で揺動する原料に効率よく空気を供給することができる。
次に、前述した炭化炉本体1の構成について説明する。図6は、炭化炉本体1の正面図である。なお、原料投入口近傍の設備については図示を省略している。
本実施形態の炭化炉本体1の外形的な特徴は、炉壁に段があり、全体的に円錐台をなす炭化炉本体1の小径側の原料投入口側の第1円錐台部106と、大径側の炭化物排出口側の第2円錐台部107とが連設されている点にある。図から明らかなように、第1円錐台部106は炭化炉本体1の炉長の少なくとも1/4以上、1/3以下であり、第2円錐台部107は炭化炉本体1の炉長の2/3〜3/4程度である。そして、何れも炭化物排出口側が大径の円錐台部であるが、第1円錐台部106の下部の水平面に対する傾斜角は7.5〜15°の第1所定傾斜角であり、第2円錐台部107の下部の水平面に対する傾斜角は5〜7.5°の第2所定傾斜角であり、第1所定傾斜角よりも第2所定傾斜角の方が小さい。
図中の符号1bは、炭化炉本体1の外壁を構成する鉄皮、符号1aは、鉄皮1bの内側に設けられた耐火物である。炭化炉本体1の炉内では、炭化炉本体1の揺動により、理想的には炉内で転がりながら、装入原料が次第に炭化物排出口側に移動する。下水汚泥などの装入原料は有機物であるから、炉内で着火され、前述したように乾留用空気が吹き込まれると炭化が促進する。但し、下水汚泥は砂状であり、炭化が進んでいない装入直後は、嵩比重が大きく、さらに砂状の装入原料は炉壁を構成する耐火物1aと馴染みやすいこともあって、移動しにくい。そこで、本実施形態では、原料投入口側の第1円錐台部106の下部の水平面に対する傾斜角を7.5〜15°の大きな第1所定傾斜角とすることにより、装入直後の下水汚泥などの装入原料の移動をスムーズにしている。数値の臨界的意義は、下水汚泥などの砂状の装入原料を装入直後からスムーズに移動するために、第1円錐台部106の下部の水平面に対する傾斜角は7.5°以上必要であり、炉内での装入原料の移動を考慮すると、第1円錐台部106の下部の水平面に対する傾斜角は15°で十分である。また、この第1円錐台部106は、装入直後の砂状の原料がスムーズに移動するだけであるから、その長さを炭化炉本体1の炉長の少なくとも1/4以上とするが、1/3以下として、第2円錐台部107での原料滞留時間を確保できる範囲としている。
一方、炭化が始まっている第2円錐台部107の下部の水平面に対する傾斜角を大きくしたのでは、装入原料の滞留時間を稼ぐことができない。そこで、本実施形態では、炭化物排出口側の第2円錐台部107の下部の水平面に対する傾斜角を5〜7.5°の小さな第2所定傾斜角とした。数値の臨界的意義は、第2円錐台部7の下部の水平面に対する傾斜角が5°未満では、揺動による装入原料の内部推進力が不足し、7.5°を超えると、逆に内部推進力が強くなりすぎて滞留時間を稼ぐことができない。同様に、原料の滞留時間を長くするため、第2円錐台部107の長さを炭化炉本体1の炉長の2/3〜3/4とした。
また、本実施形態の炭化炉本体1では、特に炭化の促進する第2円錐台部117の耐火物1a内に、円周に沿って設けられた2つの円周堰110を、軸先方向に少し離して配設した。炭化が促進すると、装入原料層が薄くなり、炭化反応より燃焼反応に移行し易く、
灰化を招く恐れがある。そこで、本実施形態では、第2円錐台部107の耐火物1a内に、軸方向に少し離れた2つの円周堰110を炉内円周に沿って設けた。これにより、装入原料Aは、円周堰110の原料投入口側に堆積し、その堆積状態で炭化が促進される。ちなみに、円周堰110を炉内の円周に沿って配設することで、炭化炉本体1の強度向上にもつながる。なお、円周堰110を3つ以上設けても差し支えない。
また、本実施形態の炭化炉本体1では、図7に示すように、炉内耐火物1aの最下部に、長手な長手堰111を1つ設けている。下水汚泥などの砂状装入原料は、例えば炉壁を構成する耐火物1aに馴染みやすく、嵩比重も大きいために、炭化炉本体1を揺動しても滑動するだけで転がりにくく、炭化が不均一となりやすい。そこで、炉内耐火物1aの長手方向に沿って長手堰111を設けることで、下水汚泥などの砂状装入原料が撹拌され、炭化が均一化する。なお、長手堰111の高さは、装入原料を撹拌するという意味で、前記装入原料を堆積する円周堰110より高い方がよい。また、長手堰111は、図に示すように炭化炉1の揺動中心の下部に設ける他、複数設けても構わない。
炭化を促進する第2円錐台部107の炉内には、前述したように炭化炉本体1の上部に設けられた乾留用空気供給ファンから乾留用空気が吹き込まれ、装入原料から発生する燃焼ガスを燃焼させて乾留炭化が促進される。本実施形態では、図6の右方の円周堰110に堆積している領域を例えば前記原料受入乾燥領域や表面乾留領域に相当する第1炭化領域、図6の左方の円周堰110に堆積している領域を例えば前記内部乾留領域や高温調整・賦活化領域に相当する第2炭化領域としたとき、第1炭化領域には、耐火物1a内に鉄製パイプを埋設しただけの第1エアノズル(空気吹込みノズル)112が設けられ、第2炭化領域には、乾留用空気を装入原料堆積層に拡散する第2エアノズル(空気吹込みノズル)113が設けられている。
図8には、第2エアノズル113の詳細を示す。図8bは、図8aのB−B断面図である。第2エアノズル113は、図8に示すように、耐火物8内に埋設される鉄製パイプからなる基部114と、基部114の鉄製パイプ内上端部に緊密に嵌入される円柱状のセラミックス製ヘッド115とからなり、セラミックス製ヘッド115の中央部にはエア通路116が開設され、セラミックス製ヘッド115の上端部には、エア通路116に交差して乾留用空気を図8の側方に噴射するエア噴出孔117が開設されている。ちなみに、エア通路116の上端部はプラグ118で閉塞されている。
この第2エアノズル113の基部114を耐火物1a内に埋設すると、上端部のセラミックス製ヘッド115が装入原料堆積層内に突き出しているから、エア噴出孔117から乾留用空気が吹出されると、その乾留用空気は装入原料堆積層を吹抜けることなく、当該装入原料堆積層内に拡散する。これにより、第1エアノズル112のように、単に炉内に乾留用空気を吹出す場合に比して、炭化領域が広がり、炭化が均質となって炭化物を効率的に生産することができる。また、高温に晒される第2エアノズル113のヘッド115をセラミックス製としたことで耐熱性に優れ、下水汚泥が腐食環境にあっても耐食性に優れる。
なお、第1炭化領域、第2反化領域とも、乾留・炭化において、過剰な空気の供給は燃焼を促進した灰化を招くことになる。そのため、炭化炉本体1の炉内の酸素雰囲気は1vol%以下とすることが望ましく、第1エアノズル112、第2エアノズル113からの乾留用空気の吹き込み量を制御して酸素雰囲気を制御することが推奨される。また、エア噴射孔117からの乾留用空気の吹き出しは2カ所だけでなく、3カ所以上としてもよい。
また、本実施形態の炭化炉本体1の炭化物排出口には、図示しない排ガス集塵機に接続
される出側固定フード119が配設される。この出側固定フード119は固定式であるのに対し、炭化炉本体1は揺動するため、両者の間にはラビリンスシール120を介装する。従来も、炭化炉本体1の炭化物排出口側端部外周と出側固定フード119の間にはシール装置が介装されているのであるが、炭化物排出口側の端部が炭化炉本体1と一体であると、炭化炉本体1自体が大きい上に、炭化物排出口も大径であるため、炭化炉本体1の炭化物排出口側端部外周と出側固定フード119との間の隙間の寸法精度が得にくく、シール装置が有効に機能しないという問題がある。また、操業中に炭化炉本体1の炭化物排出口側端部に熱変形が生じるなどして、シール機能が破損すると大気が侵入し、良好な炭化物の生成を阻害する。即ち、炭化処理過程で酸素過剰となり、一部が燃焼して灰化する。そこで、本実施形態では、炭化炉本体1の排出口側端部に別体の排出口側端部部材121を取付け、両者をフランジ122で突き合わせて、図示しないボルト・ナットなどの締結具で締結するようにした。炭化炉本体1とは別体の排出口側端部部材121では外周の加工精度が得やすいので、これが取付けられた炭化炉本体1の排出口側端部の外周の寸法精度が向上し、もって出側固定フード119との間の隙間を確保してラビリンスシール120によるシール機能が十分に発揮されるようになった。また、操業に伴って、炭化炉本体1の排出口側端部部材121に熱変形が生じるなどしてシール機能が破損しても、排出口側端部部材121だけを部分交換して対応できるようになった。
下水汚泥は、下水処理場において下水を微生物処理する最終工程で発生する汚泥であり、脱水処理された脱水ケーキの状態で下水処理場から排出される。この下水汚泥は、天日乾燥或いは乾燥装置によって40%以下の含水率に乾燥された後、本実施形態の揺動式炭化炉で炭化処理される。乾燥工程を経た汚泥は、炭化炉本体1の原料投入口から炉内に装入され、揺動運動と長手堰111の作用によって撹拌されながら炭化物排出口側に移動する。その際、エアノズル112、113から乾留用空気(酸素)が供給され、汚泥が含有する有機質から熱分解によって発生する可燃性ガスの燃焼が維持されることによって炭化が促進し、汚泥炭化物が生成される。
最初の揺動式炭化炉の運転では、初期の着火のために火種を投入して着火操作を行い、運転を開始すれば、この着火操作以降に連続供給される原料については、炭化炉本体1の第1円錐台部106内の着火済装入原料を火種として、連続着火処理が可能となる。また、着火操作以降は、下水汚泥が含有する有機質から熱分解によって発生する可燃性ガスによる連続運転が可能である。なお、天日乾燥或いは乾燥装置による乾燥で下水汚泥の含水率が40%を超える場合であっても、別途燃料を加えることによって運転は可能であり、生成された汚泥炭化物を燃料として加えて運転を行うこともできる。
このように本実施形態の揺動式炭化炉では、炭化炉本体1の原料投入口側の第1円錐台部106の下部の水平面に対する第1所定傾斜角が大きいので、下水汚泥などの砂状の装入原料でも炉内を移動しやすく、反面、炭化物排出口側の第2円錐台部107の下部の水平面に対する第2所定傾斜角が小さいので、砂状の装入原料の移動速度を小さくすることができ、この第2円錐台部107内に、装入原料の堆積を一定に保つ2以上の円周堰110を円周に沿って設けることで、堆積中の装入原料に拡散するように乾留用空気を吹き込むことで十分な炭化処理を可能とし、合わせて、堆積中の装入原料を撹拌する長手堰111を、炉内炉壁の長手方向に沿って設けることで、炭化処理を均一化することができ、これらにより下水汚泥などの砂状原料を連続的に効率よく炭化処理することが可能となる。
また、第1円錐台部106を炭化炉本体1の炉長の1/4〜1/3、第2円錐台部107を炭化炉本体1の炉長の2/3〜3/4とすることで、下水汚泥などの砂状原料でも連続的に効率よく炭化処理することができる。
また、第1所定傾斜角を7.5〜15°、第2所定傾斜角を5〜7.5°とすることで、下水汚泥などの砂状原料でも連続的に効率よく炭化処理することができる。
また、第2円錐台部107に、炉内に突出し且つ装入原料中に空気を拡散させる第2エアノズル13を設けたことにより、十分な炭化処理を行うことができる。
また、炭化炉本体1の炭化物排出口側端部に別体の排出口側端部部材121を取付け、その排出口側端部部材121を炭化炉本体1に締結具で締結したことにより、排出口側端部部材121の外側のシール機能が破損して大気侵入が生じるような場合に、排出口側端部部材121だけを部分交換可能として、安価で容易な保守が可能となる。
なお、前記実施形態では、互いに連接する原料投入口側の第1円錐台部106と炭化物排出口側の第2円錐台部107とで炭化炉本体1を構成したが、二つの円錐台部の間に、その他の円錐台部を介装してもよい。
また、本発明の揺動式炭化炉は、下水汚泥などの砂状原料だけでなく、泥状の有機系廃棄物の炭化にも同様に有効に利用することができる。
1は炭化炉本体、2は原料受入ホッパ、3は供給装置、4は電気ヒータ、5は原料受入乾燥領域乾留用空気吹込口、6は表面乾留領域乾留用空気吹込口、7は内部乾留領域乾留用空気吹込口、8は高温調整・賦活化領域乾留用空気吹込口、9は高温調整・賦活化領域乾留用空気及び蒸気吹込口、10は原料受入乾燥領域乾留用空気供給ファン、11は表面乾留領域乾留用空気供給ファン、12は内部乾留領域乾留用空気供給ファン、13は高温調整・賦活化領域乾留用空気供給ファン、14は小径端側補強体、15は大径ギヤ、16は大径端側補強体、17は小径端側支持ローラ(支持体)、18は小径ギヤ、19は揺動用モータ、20は大径端側支持ローラ(支持体)、21は大径スプロケット、22は小径スプロケット、23はチェーン、24はテンショナースプロケット、25は表面乾留領域乾留用空気供給ファン、26は内部乾留領域乾留用空気供給ファン、27は表面乾留領域乾留用空気吹込口、28は内部乾留領域乾留用空気吹込口、106は第1円錐台部、107は第2円錐台部、110は円周堰、111は長手堰、112は第1エアノズル、113は第2エアノズル、114は基部、115はセラミックス製ヘッド、116はエア通路、117はエア噴射孔、118はプラグ、119は出側固定フード、120はラビリンスシール、121は排出口側端部、122はフランジ

Claims (12)

  1. 円錐台状の炭化炉本体と、前記炭化炉本体の小径端側に設けた原料投入口及び着火口と、前記炭化炉本体の周面下部に設けられた複数の乾留用空気吹込口と、前記炭化炉本体の軸方向に離間した複数箇所の夫々に固定され且つ当該炭化炉本体の外周面の下側面に沿う取付角度範囲200°以下の補強体と、前記複数の補強体を介して前記炭化炉本体の軸が水平となるように支持する支持体と、前記補強体とは個別に前記炭化炉本体を揺動する揺動装置とを備えたことを特徴とする揺動式炭化炉。
  2. 前記炭化炉本体の内部を、少なくとも表面乾留領域及び内部乾留領域の2つの領域に分割し、前記乾留用空気吹込口に供給する空気量を、前記各領域毎に独立して制御可能としたことを特徴とする請求項1に記載の揺動式炭化炉。
  3. 前記表面乾留領域及び内部乾留領域に加え、前記炭化炉本体の内部を、高温調整・賦活化領域に分割し、当該高温調整・賦活化領域に供給する空気量を、他の領域とは独立して制御可能としたことを特徴とする請求項2に記載の揺動式炭化炉。
  4. 前記表面乾留領域の入側に原料受入乾燥領域を分割し、当該原料受入乾燥領域に供給する空気量を、他の領域とは独立して制御可能としたことを特徴とする請求項3に記載の揺動式炭化炉。
  5. 前記乾留用空気吹込口に空気を供給する乾留用空気供給ファンを領域毎に設置したことを特徴とする請求項2乃至4の何れか一項に記載の揺動式炭化炉。
  6. 前記乾留用空気供給ファンを炭化炉本体に搭載したことを特徴とする請求項5に記載の揺動式炭化炉。
  7. 前記乾留用空気吹込口は、炭化炉本体の同一周線上の離間した少なくとも2カ所に吹込口を有することを特徴とする請求項1に記載の揺動式炭化炉。
  8. 前記炭化炉本体の大径端側に炭化物排出口を形成し、前記炭化炉本体は、水平面に対する下部の傾斜角が第1所定傾斜角の原料投入口側の第1円錐台部と、水平面に対する下部の傾斜角が前記第1所定傾斜角より小さい第2所定傾斜角の炭化物排出口側の第2円錐台部と、炉内炉壁の周方向に沿って設けられ且つ装入原料の堆積を一定に保つ2以上の円周堰と、炉内炉壁の長手方向に沿って設けられ且つ装入原料を撹拌する長手堰とを備えたことを特徴とする請求項1に記載の揺動式炭化炉。
  9. 前記第1円錐台部を炭化炉本体炉長の少なくとも1/4以上、1/3以下としたことを特徴とする請求項8に記載の揺動式炭化炉。
  10. 前記第1所定傾斜角を7.5〜15°、前記第2所定傾斜角を5〜7.5°としたことを特徴とする請求項8に記載の揺動式炭化炉。
  11. 少なくとも前記第2円錐台部には、炉内に突出し且つ装入原料中に空気を拡散させる空気吹込みノズルを設けたことを特徴とする請求項8に記載の揺動式炭化炉。
  12. 前記炭化物排出口側端部に、炭化炉本体とは別体の排出口側端部部材を取付け、その排出口側端部部材を炭化炉本体に締結具で締結したことを特徴とする請求項8に記載の揺動式炭化炉。
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