JP2011225649A - イミド難燃剤、樹脂溶液、フィルム、及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 テトラカルボン酸二無水物とジイソシアネートとを反応させて得られるイミドであり、最大粒子径が1μm以上、100μm以下であることを特徴とするイミド難燃剤により上記課題を解決し得る。
【選択図】 なし
Description
1)テトラカルボン酸二無水物とジイソシアネートとを反応させて得られるイミドであり、最大粒子径が1μm以上、100μm以下であることを特徴とする完全イミド難燃剤、
2)前記イミドはさらに末端封止剤として芳香族ジカルボン酸無水物、あるいは芳香族モノアミン及び/又は芳香族モノイソシアネートを反応させて得られるイミドであることを特徴とする1)に記載の完全イミド難燃剤、
3)テトラカルボン酸二無水物とジイソシアネート及びジアミンを反応させて得られるアミド酸結合を含むイミドあるいはアミド酸をイミド化した完全イミドであり、最大粒子径が1μm以上、100μm以下であることを特徴とするイミド難燃剤、
4)前記イミドはさらに末端封止剤として芳香族ジカルボン酸無水物、あるいは芳香族モノアミン及び/又は芳香族モノイソシアネートを反応させて得られるイミドであることを特徴とする3)に記載のイミド難燃剤、
5)溶剤、樹脂、及び最大粒子径が1μm以上、50μm以下である、1)または2)に記載の完全イミド難燃剤あるいは3)または4)に記載のイミド難燃剤を含有することを特徴とする樹脂溶液、
6)樹脂及び最大粒子径が1μm以上、50μm以下である、1)または2)に記載の完全イミド難燃剤あるいは3)または4)に記載のイミド難燃剤を含有し、フィルムの厚みが最大粒子径以上であり、かつ5〜50μmであることを特徴とするフィルム、
7)芳香族テトラカルボン酸二無水物、芳香族ジイソシアネート、及び末端封止剤として芳香族ジカルボン酸無水物、あるいは芳香族モノアミン及び/又は芳香族モノイソシアネートを反応させて、イミドを得るイミド化工程、前記イミドを粉砕し、最大粒子径が1μm以上、100μm以下の完全イミド難燃剤を得る粉砕工程を含むことを特徴とする完全イミド難燃剤の製造方法、
8)前記粉砕工程は、溶剤、樹脂及びイミドを含む樹脂溶液の状態で粉砕を行うことを特徴とする7)に記載の完全イミド難燃剤の製造方法、
9)芳香族テトラカルボン酸二無水物、芳香族ジイソシアネート、芳香族ジアミン、及び末端封止剤として芳香族ジカルボン酸無水物、あるいは芳香族モノアミン及び/又は芳香族モノイソシアネートを反応させて、アミド酸結合を含むイミドを得るイミド化工程、前記イミドを粉砕し、最大粒子径が1μm以上、100μm以下のイミド難燃剤を得る粉砕工程を含むことを特徴とするイミド難燃剤の製造方法、
10)前記粉砕工程は、溶剤、樹脂及びイミドを含む樹脂溶液の状態で粉砕を行うことを特徴とする9)に記載のイミド難燃剤の製造方法。
使用装置:東ソーHLC−8220GPC相当品
カラム :東ソー TSK gel Super AWM−H(6.0mmI.D.×15cm)×2本
ガードカラム:東ソー TSK guard column Super AW−H
溶離液:30mM LiBr+20mM H3PO4 in DMF
流速:0.6mL/min
カラム温度:40℃
検出条件:RI:ポラリティ(+)、レスポンス(0.5sec)
試料濃度:約5mg/mL
標準品:PEG(ポリエチレングリコール)
本発明の溶剤は、イミド難燃剤を溶解させない及び/又はイミド難燃剤を一部溶解する媒質であり、イミド難燃剤の粒子が分散することができる媒質であれば、無極性溶媒、極性溶媒、混合溶媒、何れでも構わない。
本発明の樹脂は、イミド難燃剤と相溶する樹脂であれば使用可能であり、特に限定されない。また、イミド難燃剤を溶剤、樹脂と混合して、粉砕・分散する場合に用いられる樹脂は、イミド難燃剤を粉砕・分散できる樹脂であれば特に限定されない。例えば、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂などが挙げられる。
本発明の樹脂溶液は、少なくとも上記イミド難燃剤、上記溶剤と上記樹脂を含む混合物であり、イミド難燃剤と相溶し、分散できればよい。上記樹脂溶液中に含まれるイミド難燃剤の最大粒子径は1μm以上、50μm以下であることが、フィルムを作成する際の厚みとの関係で、ピンホール、ハジキ、凹みなどの欠陥が発生しない点で、好ましい。
本発明のフィルムは、上記イミド難燃剤を含む樹脂溶液を、以下のようにして膜又はフィルムを作製することができる。先ず、上記イミド難燃剤含有樹脂溶液を基材に塗布する。或いは上記イミド難燃剤含有樹脂溶液を基材に塗布し、乾燥して有機溶媒を除去する。基材への塗布はダイコーティング、ローラーコーティング、スピンコーティング、スプレーコーティング、スクリーン印刷などを利用した塗布により行うことができる。塗布膜の乾燥は120℃以下、好ましくは40〜100℃で行う。塗布膜の乾燥後の厚みは、含有するイミド難燃剤の最大粒子径以上であり、5〜100μm、好ましくは、5〜50μm、更に好ましくは、5〜40μm、より好ましくは、5〜30μm、特に好ましくは、5〜25μmである。上記塗布膜の厚みにあわせて、イミド難燃剤の粒子径は、上記塗布膜の厚み以下であり、1μm以上、50μm以下が好ましい。
測定装置:エスアイアイ・ナノテクノロジー社製DSC220
温度プログラム:
Run1:20℃→350℃昇温(昇温速度10℃/分)
350℃→20℃降温(降温速度40℃/分)
Run2:Run1同条件
測定試料量:9mg程度
ガス雰囲気:N2 20mL/min
1)有機溶媒中、テトラカルボン酸二無水物、ジイソシアネート(又はジアミンを含むジイソシアネート)、末端封止剤である芳香族ジカルボン酸無水物又は芳香族モノアミン及び/又は芳香族モノイソシアネートを反応させて、イミド(完全イミド、又は、一部アミド酸骨格を含むイミド)を得るイミド化工程
2)反応液より析出したイミド粉体、又は、貧溶剤を添加して析出したイミド粉体を濾過、洗浄して単離する工程
3)得られたイミド粉体を乾燥する工程
4)前記イミドを粉砕し、最大粒子径が1μm以上、100μm以下のイミド難燃剤を得る粉砕工程
などの様な工程である。これらの工程を単独で用いても良いし、部分的に組み合わせて用いることもできる。
本発明におけるテトラカルボン酸二無水物は特に制限されないが、脂肪族テトラカルボン酸二無水物、芳香族テトラカルボン酸二無水物、その他テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジフェニル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−テトラフェニルシクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジアリール−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ジアリール−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、ビシクロ[2,2,2] −オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,1] −ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、3,4−ジカルボキシ−1−コハク酸二無水物等が挙げられる。尚、他の特性を調整する等の為に、これらのうち複数の酸二無水物を併用して用いることも可能である。
その他、ハロゲン含有ジアミンとしては、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノジシクロヘキサン、2,2’−ビス(トリクロロメチル)−4,4’−ジアミノジシクロヘキサン、2,2’−ビス(トリブロモメチル)−4,4’−ジアミノジシクロヘキサン、2,2’−ジフルオロ−4,4’−ジアミノジシクロヘキサン、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジシクロヘキサン、2,2’−ジブロモ−4,4’−ジアミノジシクロヘキサン、2,2−ビス(4−アミノシクロへキシル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,3−ジアミノビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ビス(トリクロロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ビス(トリブロモメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジフルオロ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジブロモ−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、9,9−ビス(4−アミノ−2−フルオロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−2−ブロモフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−3−フルオロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−3−ブロモフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−3−クロロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−3−トリフルオロメチルフェニル)フルオレン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン及びそれらの誘導体などが挙げられ、これらを単独で、または任意の割合で混合した混合物を用いることができる。
イミド粉体の析出方法について記載する。上記1.のようにして得られたイミド粉体を含む溶液から、イミド粉体を析出する方法としては、公知の各種方法が選択できるが、例えば、イミド、化学脱水剤、触媒などを含有するイミド粉体の溶液をイミド粉体の貧溶媒中に投入すること、もしくはイミド粉体の溶液に貧溶媒を投入することでイミド粉体を固形状態で得ることができる。但し、全芳香族イミド粉体の場合は、イミド化反応が進行するに連れて、析出することが多く、その場合は、そのまま濾過するか、貧溶媒によって流動性及びろ過性をよくしてから濾過することができる。イミド粉体が沈殿するのであれば、特に制限するものではない。析出時の形状は、糸状、粉末状、フレーク状等、種々の形態で析出させることができる。また、これらを必要により粉砕・分散して使用することができる。
本発明で凝固させたイミド粉体の乾燥方法は、真空乾燥によってもよいし熱風乾燥によってもよい。ただし、後工程で容易に粉砕・分散するためには、乾燥時の溶融を避け、低温〜200℃以下で徐々に乾燥温度を上げることが望ましい。
上記イミド難燃剤、上記溶剤、上記樹脂を混合し、後述する粉砕・分散方法で、所望のイミド難燃剤の粒子径にすることができる。粉砕・分散する方法としては、乾式、湿式がある。乾式はイミド粉体をジェットミルなどの一般的な装置を使用して、微細な粉体を得ることができる。また、湿式は、イミド粉体と溶剤または樹脂溶液を混合し、ビーズミル、ボールミル、3本ロール装置等の一般的な混練装置を用いて混合、粉砕・分散すればよい。
本願発明のイミド難燃剤含有樹脂溶液を調製した後に、以下のようにして膜又はフィルムを作製することができる。先ず、上記イミド難燃剤含有樹脂溶液を基材に塗布する。或いは上記イミド難燃剤含有樹脂溶液を基材に塗布し、乾燥して有機溶媒を除去する。基材への塗布はダイコーティング、ローラーコーティング、スピンコーティング、スプレーコーティング、スクリーン印刷などを利用した塗布により行うことができる。塗布膜の乾燥は120℃以下、好ましくは40〜100℃で行う。塗布膜の乾燥後の厚みは、含有するイミド難燃剤の最大粒子径以上であり、5〜100μm、好ましくは、5〜50μm、更に好ましくは、5〜40μm、より好ましくは、5〜30μm、特に好ましくは、5〜25μmである。上記塗布膜の厚みにあわせて、イミド難燃剤の粒子径は、上記塗布膜の厚み以下であり、1μm以上、50μm以下が好ましい。
攪拌機を設置した2000mlのセパラブルフラスコにビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホンを21.50g(0.05モル)、シロキサンジアミンとして下記一般式(1)に示される信越化学社製商品名KF8010を41.50g(0.05モル)、N,N−ジメチルホルムアミド300gをとり、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジベンゾエート−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物57.65g(0.10モル)を一気に激しく攪拌しながら加え、このまま30分間攪拌し、ポリアミド酸溶液を得た。以下条件のGPC測定により分子量分布の最大ピークの重量平均分子量は64000(数平均分子量33000)あった。
使用装置:東ソーHLC−8220GPC相当品
カラム :東ソー TSK gel Super AWM−H(6.0mmI.D.×15cm)×2本
ガードカラム:東ソー TSK guard column Super AW−H
溶離液:30mM LiBr+20mM H3PO4 in DMF
流速:0.6mL/min
カラム温度:40℃
検出条件:RI:ポラリティ(+)、レスポンス(0.5sec)
試料濃度:約5mg/mL
標準品:PEG(ポリエチレングリコール)
攪拌機、還流冷却器、および窒素導入管を備えた容器にトリレンジイソシアネート(2,4−トリレンジイソシアネート/2,6−トリレンジイソシアネート=80/20)70.70g(0.41モル)、ピロメリット酸二無水物 85.00g(0.39モル)、無水フタル酸4.81g(0.03モル)、N,N−ジメチルホルムアミド1375.18gを混合し、窒素雰囲気下において室温下で攪拌し、オイルバスを175〜180℃まで昇温し、還流条件でイミド化反応を行なった。イミド反応が進行するに連れ、イミド粉体が析出し、4時間加熱反応した。冷却後、2−プロパノールを642.04g添加して流動性をよくした後、ヌッチェと濾過鐘、アスピレーターを使用して、イミド粉体を濾別し、2−プロパノール642.04gで十分洗浄を行なった。得られたイミド粉体を真空乾燥100〜200℃で溶剤を除去した。取得したイミド粉体は128.4g(収率80%対仕込原料)であった。
攪拌機、還流冷却器、および窒素導入管を備えた容器にトリレンジイソシアネート(2,4−トリレンジイソシアネート/2,6−トリレンジイソシアネート=80/20)68.00g(0.39モル)、ピロメリット酸二無水物 88.70g(0.41モル)、フェニルイソシアネート3.88g(0.03モル)、N,N−ジメチルホルムアミド1375.78gを混合し、窒素雰囲気下において室温下で攪拌し、オイルバスを175〜180℃まで昇温し、還流条件でイミド化反応を行なった。イミド反応が進行するに連れ、イミド粉体が析出し、4時間加熱反応した。冷却後、2−プロパノールを642.32g添加して流動性をよくした後、ヌッチェと濾過鐘、アスピレーターを使用して、イミド粉体を濾別し、2−プロパノール642.32gで十分洗浄を行なった。得られたイミド粉体を真空乾燥100〜200℃で溶剤を除去した。取得したイミド粉体は128.5g(収率80%対仕込原料)であった。
攪拌機、還流冷却器、および窒素導入管を備えた容器にトリレンジイソシアネート(2,4−トリレンジイソシアネート/2,6−トリレンジイソシアネート=80/20)69.00g(0.40モル)、ピロメリット酸二無水物 90.01g(0.41モル)、アニリン3.07g(0.03モル)、N,N−ジメチルホルムアミド1388.66gを混合し、窒素雰囲気下において室温下で攪拌し、オイルバスを175〜180℃まで昇温し、還流条件でイミド化反応を行なった。イミド反応が進行するに連れ、イミド粉体が析出し、4時間加熱反応した。冷却後、2−プロパノールを648.33g添加して流動性をよくした後、ヌッチェと濾過鐘、アスピレーターを使用して、イミド粉体を濾別し、2−プロパノール648.33gで十分洗浄を行なった。得られたイミド粉体を真空乾燥100〜200℃で溶剤を除去した。取得したイミド粉体は131.3g(収率81%対仕込原料)であった。
厚み50〜100μmのポリイミドフィルム(カプトン)を裁断し、約2mmの角片を得た後、この角片500gを石臼式摩砕機に投入し、加水して湿式粉砕した。粉砕した粒子を取り出し、乾燥によって水分を除去した。その結果、ポリイミドフィラメント由来の平行面が消失した最大粒径400μmのポリイミド粒子が得られた。
ポリエーテルイミド(ULTEM)111.65gを合成例1で取得した樹脂溶液135.92g、メチルトリグライム(1,2−ビス(2−メトキシエトキシ)エタン)101.92gをAIMEX製ビーズミルに入れ、760rpmで混合攪拌した。ジルコニアビーズ粒径1mmを350mL添加し、1000rpmで粉砕を試みた。イミドの粉砕ができなかったため、ジルコニアビーズを濾別できなかった。混合した樹脂溶液で評価を実施した。
実施例1で得られたイミド難燃剤含有樹脂溶液を、ベーカー式アプリケーターを用いて、膜厚25μmのポリイミドフィルム(株式会社カネカ製:商品名アピカル25NPI)に最終乾燥厚みが25μmになるように流延・塗布し、80℃で20分乾燥して、ベースとなるポリイミドフィルム両面に本願発明の樹脂フィルムを形成した。
得られたフィルムについて、以下の項目につき評価を行った。評価結果を表1に記載する。
イミド難燃剤の粉砕が充分でないと、フィルムを形成した際のイミド難燃剤の均一性が低下し、ピンホール、ハジキ、凹みなどのフィルム欠陥が発生する。そのため、フィルムを形成すべく基材上にイミド難燃剤含有樹脂溶液を塗布した際の塗膜性を評価した。塗膜性は、基材上にイミド難燃剤含有樹脂溶液を塗布した際のフィルムの外観で判断した。
フィルムが均一で欠陥がないものを〇、
フィルムが不均一で欠陥が多発しているものを×とした。
プラスチック材料の難燃性試験規格UL94に従い、以下のように難燃性試験を行った。上記<ポリイミドフィルム上へのフィルムの作製>の項目と同様の方法で、25μm厚みのポリイミドフィルム(株式会社カネカ製:商品名アピカル25NPI)両面に25μm厚みのフィルムを作製した。 上記作製したサンプルを寸法:50mm幅×200mm長さ×75μm 厚み(ポリイミドフィルムの厚み25μmを含む、両面に25μm、25μm)に切り出し、125mmの部分に標線を入れ、直径約13mmの筒状に丸め、標線よりも上の重ね合わせ部分(75mmの箇所)、及び、上部に隙間がないようにPIテープを貼り、難燃性試験用の筒を20本用意した。 そのうち10本は(1)23℃/50%相対湿度/48時間で処理し、残りの10本は(2)70℃で168時間処理後無水塩化カルシウム入りデシケーターで4時間以上冷却した。これらのサンプルの上部をクランプで止めて垂直に固定し、サンプル下部にバーナーの炎を3秒間近づけて着火する。3秒間経過したらバーナーの炎を遠ざけて、サンプルの炎や燃焼が何秒後に消えるか測定する。
○:各条件((1)、(2))につき、サンプルからバーナーの炎を遠ざけてから平均(10本の平均)で10秒以内、最高で10秒以内に炎や燃焼が停止し自己消火し、かつ、評線まで燃焼が達していないもの。
×:1本でも10秒以内に消火しないサンプルがあったり、炎が評線以上のところまで上昇して燃焼するもの。
Claims (10)
- テトラカルボン酸二無水物とジイソシアネートとを反応させて得られるイミドであり、最大粒子径が1μm以上、100μm以下であることを特徴とする完全イミド難燃剤。
- 前記イミドはさらに末端封止剤として芳香族ジカルボン酸無水物、あるいは芳香族モノアミン及び/又は芳香族モノイソシアネートを反応させて得られるイミドであることを特徴とする請求項1に記載の完全イミド難燃剤。
- テトラカルボン酸二無水物とジイソシアネート及びジアミンを反応させて得られるアミド酸結合を含むイミドあるいはアミド酸をイミド化した完全イミドであり、最大粒子径が1μm以上、100μm以下であることを特徴とするイミド難燃剤。
- 前記イミドはさらに末端封止剤として芳香族ジカルボン酸無水物、あるいは芳香族モノアミン及び/又は芳香族モノイソシアネートを反応させて得られるイミドであることを特徴とする請求項3に記載のイミド難燃剤。
- 溶剤、樹脂、及び最大粒子径が1μm以上、50μm以下である、請求項1または2に記載の完全イミド難燃剤あるいは請求項3または4に記載のイミド難燃剤を含有することを特徴とする樹脂溶液。
- 樹脂及び最大粒子径が1μm以上、50μm以下である、請求項1または2に記載の完全イミド難燃剤あるいは請求項3または4に記載のイミド難燃剤を含有し、フィルムの厚みが最大粒子径以上であり、かつ5〜50μmであることを特徴とするフィルム。
- 芳香族テトラカルボン酸二無水物、芳香族ジイソシアネート、及び末端封止剤として芳香族ジカルボン酸無水物、あるいは芳香族モノアミン及び/又は芳香族モノイソシアネートを反応させて、イミドを得るイミド化工程、前記イミドを粉砕し、最大粒子径が1μm以上、100μm以下の完全イミド難燃剤を得る粉砕工程を含むことを特徴とする完全イミド難燃剤の製造方法。
- 前記粉砕工程は、溶剤、樹脂及びイミドを含む樹脂溶液の状態で粉砕を行うことを特徴とする請求項7に記載の完全イミド難燃剤の製造方法。
- 芳香族テトラカルボン酸二無水物、芳香族ジイソシアネート、芳香族ジアミン、及び末端封止剤として芳香族ジカルボン酸無水物、あるいは芳香族モノアミン及び/又は芳香族モノイソシアネートを反応させて、アミド酸結合を含むイミドを得るイミド化工程、前記イミドを粉砕し、最大粒子径が1μm以上、100μm以下のイミド難燃剤を得る粉砕工程を含むことを特徴とするイミド難燃剤の製造方法。
- 前記粉砕工程は、溶剤、樹脂及びイミドを含む樹脂溶液の状態で粉砕を行うことを特徴とする請求項9に記載のイミド難燃剤の製造方法。
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