JP2011225510A - 新規な抗腫瘍剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】カンプトテシン類を含有する高分子誘導体とテガフール、ギメラシル及びオテラシルカリウムを含有する配合剤を組み合わせてなり、カンプトテシン類を含有する高分子誘導体は、ポリエチレングリコール類とポリグルタミン酸とのブロック共重合体のカルボン酸基とカンプトテシン類のフェノール性水酸基とがエステル結合した構造を有することを特徴とする抗腫瘍剤。
【選択図】図1
Description
リン骨格をもつアルカロイドであり、細胞内のDNA構造変化を担うトポイソメラーゼIを阻害し、細胞死をもたらす(非特許文献1)。腫瘍細胞のように速い速度で分裂している細胞は、娘細胞が複製される度に絶えずDNAの巻き付きの解消が起きているので、特にカンプトテシンに感受性がある。しかし、CPTは、極めて難溶性であり、又、骨髄抑制や出血性膀胱炎等重篤な副作用で臨床試験が中止となった。
しかしながら、CPT−11の抗腫瘍活性は、体内でSN−38に変換された後に効果を発揮すると考えられているが、その変換効率が10%以下であることから、より効率的で有効な抗腫瘍効果を得るためには、SN−38を直接利用することが有用であると考えられた。そこで、水難溶性のSN−38をポリエチレングリコールとポリグルタミン酸のブロック共重合体に化学的に結合させ、静脈内投与を可能とした(特許文献3)。この高分子誘導体は、外核に親水性鎖、内核に疎水性鎖を有するナノパーティクル(SN−38内包ミセル)を形成する。
、血液毒性などの副作用が高頻度で発生し、CPT−11とTS−1の併用では、様々な投与レジメンが検討されているが、共通して発生する用量制限毒性(DLTという)は、主に下痢、好中球減少である(非特許文献4)。特に下痢は、患者のQOLを著しく低下させ、それに起因する抗腫瘍剤服用のコンプライアンスが低下することは、患者の治療効果の低下に直結する課題である。従って、この課題を克服するとともに抗腫瘍効果が増強され、長期生存に寄与する治療法の提供が望まれている。
1)カンプトテシン類を含有する高分子誘導体とテガフール、ギメラシル及びオテラシルカリウムを含有する配合剤を組み合わせてなり、カンプトテシン類を含有する高分子誘導体は、ポリエチレングリコール類とポリグルタミン酸とのブロック共重合体のカルボン酸基とカンプトテシン類のフェノール性水酸基とがエステル結合した構造を有することを特徴とする抗腫瘍剤。
2)カンプトテシン類が7−エチル−10−ヒドロキシカンプトテシン(SN−38)であり、SN−38と前記カルボン酸基とが、エステル結合した構造を有することを特徴とする1)記載の抗腫瘍剤。
3)カンプトテシン類を含有する高分子誘導体がNK012である1)〜2)のいずれか1項記載の抗腫瘍剤。
4)テガフール、ギメラシル及びオテラシルカリウムを含有する配合剤がテガフール:ギメラシル:オテラシルカリウム=1:0.4:1のモル比で含有するものである1)記載の抗腫瘍剤。
5)カンプトテシン類を含有する高分子誘導体がNK012であり、テガフール、ギメラシル及びオテラシルカリウムを含有する配合剤がテガフール:ギメラシル:オテラシルカ
リウム=1:0.4:1のモル比で含有するものである1)記載の抗腫瘍剤。
6)カンプトテシン類を含有する高分子誘導体とテガフール、ギメラシル及びオテラシルカリウムを含有する配合剤とからなる製剤形態である1)〜5)のいずれか1項記載の抗腫瘍剤。
7)カンプトテシン類を含有する高分子誘導体が静脈内及び動脈内による投与経路により、テガフール、ギメラシル及びオテラシルカリウムを含有する配合剤が経口による投与経路により、投与されることを特徴とする1)に記載の抗腫瘍剤。
8)カンプトテシン類を含有する高分子誘導体とテガフール、ギメラシル及びオテラシルカリウムを含有する配合剤とからなるキットである1)〜6)のいずれか1項記載の抗腫瘍剤。
上記で記載したポリエチレングリコール類とポリグルタミン酸とのブロック共重合体の詳細についてはWO2004/039869に記載されており、ここに記載されているもの
である限り、特に限定はされない。WO2004/039869はその全体が参考として本明細書に援用される。
ボニル基等が挙げられる。
ール、クレモフォア等、及びそれらの混合液、並びに水と該水溶性有機溶媒の混合液等が挙げられる。
でも、同時に又は間隔を空けて別々に使用できるように、上記有効成分を単剤(単一の有効成分を含有する製剤)として複数の剤型に製剤化したもの(多剤型製剤)であってもよい。好ましくは、カンプトテシン類を含有する高分子誘導体を単剤として調製したものと、別個に製剤化されたテガフール、ギメラシル及びオテラシルカリウムを含有する配合剤を組み合わせて、多剤型形態で用いるのがよい。
(a)治療に有効な量のカンプトテシン類を含有する高分子誘導体を含有する抗腫瘍組成物、並びに
(b)治療に有効な量のテガフール、抗腫瘍効果増強のために有効な量のギメラシル、及び副作用抑制のために有効な量のオテラシルカリウムを含有する抗腫瘍組成物、
からなる哺乳動物における癌治療のための医薬組成物の組み合わせからなるキットとすることができる。該キットでは、これを構成する各組成物は公知の各種の製剤形態とすることができ、一般に各々の組成物は、その製剤形態に応じて、通常用いられる各種の容器に収納される。
39869の実施例に記載の方法により得られた化合物である。また、NK012の薬剤量は薬効成分換算で表示した。
腫瘍細胞は、アメリカ培養細胞系統保存機関(American Type Culture Collection)由来であるヒト非小細胞肺癌細胞株A549、PC−9、PC−14、EBC−1及びH520を使用し、細胞培地に10%ウシ胎児血清含有RPMI−1640培地を用い、5%CO2中37℃で培養維持継代した。
NK012投与群は、day0及びday7に、最大耐量(以下、MTDという)の1
/6倍である5mg/kg/dayのNK012を尾静脈内注射投与し、TS−1投与群は、day0からday13までの連日に、MTDであるテガフール量換算で10mg/kg/dayのTS−1を経口投与し、NK012+TS−1投与群は、各々単独投与群と同じ投与スケジュールと用量のNK012とTS−1を併用投与し、対照群(薬剤未投与群)は0.9%生理食塩水のみを投与した。薬剤投与期間中、1週間に2回腫瘍径と体重を測定した。
Tumor Volume;RTV)及び下記式3で算出される相対体重(Relative Body Weight;RBW)からWelchの検定により有意確率を求め、評価した。
(式3)相対体重(RBW)=dayNの体重÷day0の体重
NK012投与群、TS−1投与群及びNK012+TS−1投与群のRTVとRBWの推移グラフを図1に示す。
TDの1/6倍である5mg/kg/dayのNK012を尾静脈内注射投与し、day0からday13まで連日に、MTDであるテガフール量換算で10mg/kg/dayのTS−1を経口投与し、CPT−11+TS−1投与群は、day0及びday7に、CPT−11単独投与時のMTDの1/6倍である10mg/kg/dayのCPT−11を尾静脈内注射投与し、day0からday13まで連日に、MTDであるテガフール量換算で10mg/kg/dayのTS−1を経口投与し、対照群は、0.9%生理食塩水を投与した。それ以外は、実施例1と同様に評価した。
6週齢雌性BALB/cヌードマウスに、NK012投与群は、day0及びday7に、MTDの1/6倍である5mg/kg/dayのNK012を尾静脈内注射投与し、CPT−11投与群は、day0及びday7に、MTDの1/6倍である10mg/kg/dayのCPT−11を尾静脈内注射投与し、TS−1投与群は、day0からday13までの連日に、MTDであるテガフール量換算で10mg/kg/dayのTS−1を経口投与し、NK012+TS−1投与群は、各々単独投与群と同じ投与スケジュールと用量のNK012とTS−1を併用投与し、CPT−11+TS−1投与群は、各々単独投与群と同じ投与スケジュールと用量のCPT−11とTS−1を併用投与し、対照群は、0.9%生理食塩水を投与した。
Claims (8)
- カンプトテシン類を含有する高分子誘導体とテガフール、ギメラシル及びオテラシルカリウムを含有する配合剤を組み合わせてなり、カンプトテシン類を含有する高分子誘導体は、ポリエチレングリコール類とポリグルタミン酸とのブロック共重合体のカルボン酸基とカンプトテシン類のフェノール性水酸基とがエステル結合した構造を有することを特徴とする抗腫瘍剤。
- カンプトテシン類が7−エチル−10−ヒドロキシカンプトテシン(SN−38)であり、SN−38と前記カルボン酸基とが、エステル結合した構造を有することを特徴とする請求項1記載の抗腫瘍剤。
- カンプトテシン類を含有する高分子誘導体がNK012である請求項1〜2のいずれか1項記載の抗腫瘍剤。
- テガフール、ギメラシル及びオテラシルカリウムを含有する配合剤がテガフール:ギメラシル:オテラシルカリウム=1:0.4:1のモル比で含有するものである請求項1記載の抗腫瘍剤。
- カンプトテシン類を含有する高分子誘導体がNK012であり、テガフール、ギメラシル及びオテラシルカリウムを含有する配合剤がテガフール:ギメラシル:オテラシルカリウム=1:0.4:1のモル比で含有するものである請求項1記載の抗腫瘍剤。
- カンプトテシン類を含有する高分子誘導体とテガフール、ギメラシル及びオテラシルカリウムを含有する配合剤とからなる製剤形態である請求項1〜5のいずれか1項記載の抗腫瘍剤。
- カンプトテシン類を含有する高分子誘導体が静脈内及び動脈内による投与経路により、テガフール、ギメラシル及びオテラシルカリウムを含有する配合剤が経口による投与経路により、投与されることを特徴とする請求項1に記載の抗腫瘍剤。
- カンプトテシン類を含有する高分子誘導体とテガフール、ギメラシル及びオテラシルカリウムを含有する配合剤とからなるキットである請求項1〜6のいずれか1項記載の抗腫瘍剤。
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